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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】電気部品検査器具
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/06 20060101AFI20240313BHJP
   G01R 1/073 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
G01R1/06 A
G01R1/073 D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020169210
(22)【出願日】2020-10-06
(65)【公開番号】P2022061292
(43)【公開日】2022-04-18
【審査請求日】2023-06-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】大坂 純士
(72)【発明者】
【氏名】橋口 徹
【審査官】永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】特開平5-251524(JP,A)
【文献】特開平9-292431(JP,A)
【文献】特開2001-289875(JP,A)
【文献】特開2006-275543(JP,A)
【文献】特開2000-346877(JP,A)
【文献】実開昭63-25372(JP,U)
【文献】特開2006-266697(JP,A)
【文献】特開2008-96390(JP,A)
【文献】実開平2-61079(JP,U)
【文献】国際公開第2019/069576(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0084225(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/06
G01R 31/26
G01R 31/28
H01L 21/66
H01R 13/24
H01R 24/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気部品検査器具であって、
基板と、
検査対象である電気部品の導体と接触するための一端を持つ棒状導体部品と
を含み、
前記基板の板面上の導体パターンが前記基板の縁に達しており、
前記棒状導体部品の他端は前記基板の前記縁にて前記導体パターンと電気的に接続しており、
前記棒状導体部品の伸長方向は前記基板の前記板面の法線方向と直交しており、
前記棒状導体部品の前記一端と前記他端の少なくとも一方は可動プランジャである、
電気部品検査器具。
【請求項2】
請求項に記載の電気部品検査器具であって、
前記基板は、前記基板の前記縁の一部に凹部を有しており、
前記棒状導体部品の前記他端は、前記凹部にて前記導体パターンと電気的に接続している
ことを特徴とする電気部品検査器具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電気部品検査器具であって、
さらに、ケーブルを含み、
前記基板の前記板面にて、前記ケーブルの一端が持つL型コネクタが前記導体パターンに固定されている
ことを特徴とする電気部品検査器具。
【請求項4】
電気部品検査器具であって、
基板と、
検査対象である電気部品の導体と接触するための一端を持つ棒状導体部品と
を含み、
前記基板の板面上の導体パターンが前記基板の縁に達しており、
前記基板は、前記基板の前記縁の一部に凹部を有しており、
前記棒状導体部品の他端は前記凹部にて前記導体パターンと電気的に接続しており、
前記棒状導体部品の伸長方向は前記基板の前記板面の法線方向と直交する
電気部品検査器具。
【請求項5】
請求項に記載の電気部品検査器具であって、
さらに、ケーブルを含み、
前記基板の前記板面にて、前記ケーブルの一端が持つL型コネクタが前記導体パターンに固定されている
ことを特徴とする電気部品検査器具。
【請求項6】
電気部品検査器具であって、
基板と、
検査対象である電気部品の導体と接触するための一端を持つ棒状導体部品と
ケーブルを含み、
を含み、
前記基板の板面上の導体パターンが前記基板の縁に達しており、
前記棒状導体部品の他端は前記基板の前記縁にて前記導体パターンと電気的に接続しており、
前記棒状導体部品の伸長方向は前記基板の前記板面の法線方向と直交しており、
前記基板の前記板面にて、前記ケーブルの一端が持つL型コネクタが前記導体パターンに固定されている
電気部品検査器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検査対象である電気部品に接触する接点部品としての棒状導体部品を含む電気部品検査器具に関する。
【背景技術】
【0002】
電気部品の検査に使用され、且つ、当該電気部品に接触する接点部品としての棒状導体部品を含む電気部品検査器具が知られている。ここで、「電気部品」は、信号の種類を問わず電気回路で使用される部品であり、集積回路、プリント基板、コネクタなどを例示できる。「検査」としては、電気部品の欠陥または電気的特性の検査を例示できる。
【0003】
このような電気部品検査器具の先行技術として特許文献1を例示できる。本願明細書の図1は特許文献1の図4の複写である。図1に開示される電気部品検査器具の構成では、ケーブル37が基板36の下板面に取り付けられており、棒状導体部品33,34,35(特許文献1では、棒状導体部品はコンタクトプローブである)を収容する金属ブロック31が基板36の上板面に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】日本国特開2004-170182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の段落0005の記載から理解できるとおり、通常、電気部品検査器具は必要な数の棒状導体部品を持っており、このような構成に応じて、電気部品検査器具の内部に収容される基板に必要な数のケーブルが取り付けられる。つまり、基板は、その片面に、必要な数のケーブル、あるいは、必要な数のケーブルおよび必要な数の棒状導体部品、を取り付けできる大きさを持っていなければならず、電気部品検査器具の小型化が阻害されていた。
【0006】
このような背景技術に鑑みて、小型化に寄与する内部構造を持つ電気部品検査器具が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここで述べる技術事項は、特許請求の範囲に記載された発明を明示的にまたは黙示的に限定するためではなく、さらに、本発明によって利益を受ける者(例えば出願人と権利者である)以外の者によるそのような限定を容認する可能性の表明でもなく、単に、本発明の要点を容易に理解するために記載される。他の観点からの本発明の概要は、例えば、この特許出願の出願時の特許請求の範囲から理解できる。
電気部品検査器具は、基板の縁に棒状導体部品が取り付けられた内部構造を持つ。
棒状導体部品の伸長方向は、基板の板面の法線方向と直交する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、基板の板面上において棒状導体部品を取り付けるための場所が不要であるから、電気部品検査器具の小型化が実現する。さらに、例えば、必要な数の半数のケーブルを基板の一方の板面に取り付け、残りの半数のケーブルを基板の他方の板面に取り付けることができるから、電気部品検査器具の小型化が実現する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】特許文献1の図4
図2】電気部品検査器具を斜め上から見たときの電気部品検査器具の斜視図。
図3】電気部品検査器具を斜め下から見たときの電気部品検査器具の斜視図。
図4】電気部品検査器具の内部構造。
図5】基板と棒状導体部品の配置。
図6】基板と棒状導体部品の配置。
図7】電気部品検査器具の分解斜視図。
図8】電気部品検査器具の断面図。
図9】電気部品が取り付けられた電気部品検査器具。
図10】電気部品が取り付けられた電気部品検査器具の分解図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図2~10を参照して、実施形態の電気部品検査器具100の構造を説明する。この実施形態において、電気部品検査器具100を用いて検査される電気部品は、例えば数百MHz以上の高周波数帯域で使用される基板対基板コネクタ900である。
【0011】
電気部品検査器具100は、樹脂製のカバー1と、樹脂製の枠体3と、樹脂製の筒体5と、基板10と、4本の棒状導体部品30と、2個の金属部品50と、4本のケーブル70と、圧縮コイルばね90を含む。
【0012】
カバー1は、1個の矩形状の板部1aと、2個の矩形状の側壁部1bを含む。2個の側壁部1bは、板部1aの幅方向に位置する板部1aの二辺から同じ方向に伸びている。板部1aは、その中央部に4個の円筒状の貫通孔1cを有している。各貫通孔1cは、板部1aの一方の板面1eからその他方の板面1fのそれぞれに開口を有する。各側壁部1bの先端部は、カバー1の内側に向かって突出する爪1dを有している。
【0013】
枠体3は、オーバル(oval)状の板部3aの中央部に1個の直方体状の貫通孔3bが形成されている枠形状を有している。枠体3は、枠体3の幅方向に位置する枠体3の2個の外側面のそれぞれに、溝部3cを有する。溝部3cは、枠体3の板部3aの一方の板面3fからその他方の板面3gに達している。貫通孔3bを囲む枠体3の4個の内壁面のうち枠体3の長さ方向に位置する2個の内壁面3dのそれぞれは、貫通孔3bの中央に向かって突出する爪3eを有している。爪3eは、内壁面3dと枠体3の板部3aの他方の板面3gとの境界近傍に位置している。
【0014】
ワンピース(one-piece)の筒体5は、大きさの異なる2個の直方体5a,5bが結合した外観形状を有する。大きい直方体5aに形成されている大きい孔5cと小さい直方体5bに形成されている小さい孔5dは筒体5内部で互いに連通しており、大きい孔5cと小さい孔5dは筒体5の貫通孔5eを形成している。小さい孔5dを囲む小さい直方体5bの内壁面から伸びる4個の支持棒5iで支えられる直方体状のブロック5fが、小さい孔5dの内部に位置している。貫通孔5eの伸長方向におけるブロック5fの一端部5hは、大きい孔5cと小さい孔5dとの境界近傍に位置している。貫通孔5eの伸長方向におけるブロック5fの他端部5kは、小さい孔5dの開口部の端面5mから少し後退した場所に位置している。ブロック5fは、その中央部に、貫通孔5eの伸長方向に伸びる4個の円筒状の貫通孔を有している。大きい直方体5aは、大きい孔5cの開口部の周りにて直方体5aの2個の短辺から直方体5aの外側に向かって突出する段部5gを有している。
【0015】
基板10は、例えば、ガラス繊維をエポキシ樹脂で固めたリジッドタイプのプリント基板である。薄い平板状の基板10の一方の板面10aとその他方の板面10bのそれぞれに、基板10の4個の縁のうちの1個の縁10hにまで達する導体パターン10kが形成されている。導体パターン10kは、この実施形態では、導体部10c,10d,10e,10f,10gを有する。図では見ることのできない基板10の他方の板面10bにも、図で見ることのできる基板10の一方の板面10a上の導体部10c,10d,10e,10fの形状および配置と同じ形状および配置を持つ導体部10c,10d,10e,10fが形成されている。導体部10c,10dはグラウンドラインである。基板10の縁10hの一部は基板10の中央に向かって凹んでおり、この例では基板10の縁10hは2個の半円筒状の凹部10iを有する。凹部10iは、基板10の一方の板面10aからその他方の板面10bに達している。凹部10iは、基板10の一方の板面10aと凹部10iとの境界近傍に、導体部10gを有している。一方の板面10aに近い導体部10gと一方の板面10aに位置する導体部10eは、一方の板面10aに位置する細長い導体部10fによって、電気的につながっている。同様に、凹部10iは、基板10の他方の板面10bと凹部10iとの境界近傍に、導体部10gを有している。他方の板面10bに近い導体部10gと他方の板面10bに位置する導体部10eは、他方の板面10bに位置する細長い導体部10fによって、電気的につながっている。2個の凹部10iの間隔は、検査対象である電気部品の導体の間隔に応じて決定される。
【0016】
ワンピース(one-piece)の金属部品50は、頭部50aと、首部50bと、肩部50cと、2個の短い腕部50dと、2個の長い腕部50eを含む。頭部50aは矩形状の板部であり、頭部50aよりも小さい矩形状の平板部である首部50bが、頭部50aの一辺に接続している。首部50bが接続していない頭部50aの向かい合う二辺の縁は、同じ方向に少し折れ曲がっている。頭部50aは、首部50bが接続している頭部50aの一辺に向かい合う頭部50aの一辺の縁に、頭部50aの中央部に向かって凹んでいる凹部50fを有している。細長い平板部である肩部50cの長辺の中央部が、頭部50aが接続している首部50bの長辺に向かい合う首部50bの長辺に接続している。2個の長い腕部50eは、肩部50cの長さ方向の両端において、首部50bが接続している肩部50cの長辺に向かい合う肩部50cの長辺から同じ方向に伸びている。さらに、2個の短い腕部50dは、肩部50cの中央部の両側において、首部50bが接続している肩部50cの長辺に向かい合う肩部50cの長辺から同じ方向に伸びている。長い腕部50eは、肩部50cの近傍で、頭部50aの二辺の縁の折れ曲がっている方向と同じ方向に少し屈曲しており、さらに、長い腕部50eの先端の近傍で、頭部50aの二辺の縁の折れ曲がっている方向と反対の方向に少し屈曲している。短い腕部50dは、肩部50cの近傍で、頭部50aの二辺の縁の折れ曲がっている方向と同じ方向に約90°屈曲している。頭部50aの中央部と首部50bと肩部50cと長い腕部50eの基部は、同一の平面上に位置する。
【0017】
次に、電気部品検査器具100の組み立てについて説明する。
まず、4本の棒状導体部品30が、筒体5の貫通孔5eの開口(具体的には、大きい孔5cの開口)を通過して、ブロック5fの4個の貫通孔に収容される。この実施形態では、棒状導体部品30は、検査対象である電気部品(この実施形態では基板対基板コネクタ900である)の導体(この実施形態では基板対基板コネクタ900のコンタクト901である)と接触するための一端30aと、基板10の導体パターン10kと電気的に接続するための他端30bを有しており、金属製の細長い棒でもよいし、プランジャおよびプランジャに連結するスプリング構造を含む器具(当業者によって、ポゴピン、スプリングピン、スプリングプローブなどと呼称される)でもよい。棒状導体部品30の一端30aは、電気部品の導体と確実に接触するために、可動プランジャであることが好ましい。さらに、棒状導体部品30の他端30bは、半田によって導体パターン10kと電気的に接続されてもよいが、半田によるインピーダンスの乱れを避け、且つ、棒状導体部品30の他端30bが導体パターン10kと確実に電気的に接続する観点から、棒状導体部品30の他端30bは可動プランジャであることが好ましい。この実施形態では、棒状導体部品30の一端30aと他端30bは可動プランジャである。スプリングを内蔵する棒状導体部品30のバレル30cは、ブロック5fの貫通孔に圧入されており、この結果、棒状導体部品30は筒体5に固定されている。棒状導体部品30の一端30aは、ブロック5fの一端部5h(具体的には、大きい孔5cに面する端部である)の端面から突出しており、棒状導体部品30の他端30bは、ブロック5fの他端部5kの端面から突出している。
【0018】
次に、2個の金属部品50が、筒体5の貫通孔5eの開口(具体的には、大きい孔5cの開口)を通過して、筒体5の内部に収容される。筒体5の内部に2個の金属部品50が収容された状態で、2個の金属部品50の位置関係は2回回転対称の位置関係であり、一方の金属部品50において折り曲げられた短い腕部50dの先端および他方の金属部品50において折り曲げられた短い腕部50dの先端は互いに向き合っている。金属部品50の頭部50aは、筒体5のブロック5fと小さい直方体5bの内壁面との間の空間に圧入されており、この結果、金属部品50は筒体5に固定されている。筒体5の4個の支持棒5iのうちの2個の支持棒5iのそれぞれは、金属部品50の頭部50aが有する凹部50fに位置している。残りの2個の支持棒5iのそれぞれは、一方の金属部品50において折り曲げられた頭部50aの縁と他方の金属部品50において折り曲げられた頭部50aの縁との間の隙間に位置している。金属部品50の折り曲げられた短い腕部50dはブロック5fの一端部5hに接触しており、この結果、金属部品50は筒体5内部において位置決めされている。筒体5の内部に金属部品50が収容された状態で、首部50bが接続している頭部50aの一辺に向かい合う頭部50aの一辺は、ブロック5fの他端部5kの端面と小さい孔5dを囲む小さい直方体5bの内壁面とで囲まれる空間に少し突出している。
【0019】
次に、4本のケーブル70が取り付けられた基板10が、筒体5の貫通孔5eの開口(具体的には、大きい孔5cの開口)を通過して、筒体5の内部に収容される。ケーブル70は、この実施形態では、一端にL型コネクタ70aが取り付けられた同軸ケーブルである。L型コネクタ70aは基板10上の導体パターン10kと接続しており、この結果、ケーブル70の外部導体は3個の導体部10dと電気的につながっており、ケーブル70の中心導体は導体部10eと電気的につながっている。2本のケーブル70が基板10の一方の板面10aに取り付けられており、残り2本のケーブル70が基板10の他方の板面10bに取り付けられている。4本のケーブル70は、基板10から同じ方向に伸びており、さらに、筒体5の大きい孔5cの開口から筒体5の外部に引き出されている。筒体5の内部において、一方の金属部品50の長い腕部50eと他方の金属部品50の長い腕部50eとの隙間に基板10が位置しており、基板10の導体部10cは、金属部品50の長い腕部50eと接触している。
【0020】
次に、圧縮コイルばね90が、筒体5の貫通孔5eの開口(具体的には、大きい孔5cの開口)を通過して、4本のケーブル70の間に、つまり、ケーブル70の伸長方向から見たときに矩形の頂点に位置する4本のケーブル70によって囲まれる隙間に、押し込まれる。
【0021】
次に、枠体3が筒体5の大きい直方体5aに取り付けられる。枠体3の貫通孔3bに筒体5を通すことによって、筒体5の段部5gが枠体3の爪3eに引っ掛かる。筒体5に枠体3が取り付けられた状態において、筒体5の大きい孔5cの開口部の端面5nと枠体3の板部3aの一方の板面3fは、同一の平面上に位置する。
【0022】
次に、カバー1が枠体3に取り付けられる。カバー1の側壁部1bは、枠体3の溝部3cに位置し、カバー1の爪1dは、枠体3の板部3aの他方の板面3gに引っ掛かる。カバー1が枠体3に取り付けられ状態において、カバー1の板部1aの他方の板面1fは、枠体3の板部3aの一方の板面3fと接触している。4本のケーブル70はカバー1の4個の貫通孔1cを通り抜けている。カバー1が枠体3に取り付けられ状態において、圧縮コイルばね90はカバー1の板部1aの他方の板面1fおよび基板10の縁(具体的には、縁10hと反対側の縁である)によって圧縮されており、この結果、圧縮コイルばね90の復元力によって、基板10がブロック5fに押し付けられるとともに、棒状導体部品30の一端30aが、基板10の導体部10gと確実に接触する。
【0023】
この実施形態から明らかなように、電気部品検査器具100は、基板10の厚み方向の部位である基板10の縁10hに棒状導体部品30が取り付けられた内部構造を持っており、棒状導体部品30の伸長方向は基板10の板面の法線方向と直交している。したがって、基板10の板面上において棒状導体部品30を取り付けるための場所が不要である。また、この実施形態のように、必要な数の半数のケーブル70を基板10の一方の板面10aに取り付け、残りの半数のケーブル70を基板10の他方の板面10bに取り付けることによって、ケーブル70を取り付けるために必要な基板10上の場所の面積を半減できる。さらに、ケーブル70のL型コネクタ70aの近傍にてケーブル70が基板10の板面に沿って伸びているので、基板10の板面の法線方向における電気部品検査器具100のサイズにケーブル70が与える影響も十分小さい。
【0024】
次に、電気部品検査器具100の使用について説明する。
図示しない基板に固定されている基板対基板コネクタ900に、電気部品検査器具100を取り付ける。基板対基板コネクタ900は、筒体5の小さい孔5dの開口部に収容される。基板対基板コネクタ900が孔5dの開口部に収容された状態において、基板対基板コネクタ900の金属枠体903と金属部品50の頭部50aが互いに接触しており、棒状導体部品30の他端30bが基板対基板コネクタ900のコンタクト901と接触している。
【0025】
<補遺>
例示的な実施形態を参照して本発明を説明したが、当業者は本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行い、その要素を均等物で置き換えることができることを理解するであろう。さらに、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定のシステム、デバイス、またはそのコンポーネントを本発明の教示に適合させるために、多くの修正を加えることができる。したがって、本発明は、本発明を実施するために開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の請求の範囲に含まれるすべての実施形態を含むものとする。
【0026】
さらに、「第1」、「第2」などの用語の使用は順序や重要性を示すものではなく、「第1」、「第2」などの用語は要素を区別するために使用される。本明細書で使用される用語は、実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定することを意図するものでは決してない。用語「含む」とその語形変化は、本明細書および/または添付の請求の範囲で使用される場合、言及された特徴、ステップ、操作、要素、および/またはコンポーネントの存在を明らかにするが、一つまたは複数の他の特徴、ステップ、操作、要素、コンポーネント、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除しない。「および/または」という用語は、それがもしあれば、関連するリストされた要素の一つまたは複数のありとあらゆる組み合わせを含む。請求の範囲および明細書において、特に明記しない限り、「接続」、「結合」、「接合」、「連結」、またはそれらの同義語、およびそのすべての語形は、例えば互いに「接続」または「結合」されているか互いに「連結」している二つの間の一つ以上の中間要素の存在を必ずしも否定しない。請求の範囲および明細書において、「任意」という用語は、それがもしあれば、特に明記しない限り、全称記号∀と同じ意味を表す用語として理解されるべきである。例えば、「任意のXについて」という表現は「すべてのXについて」あるいは「各Xについて」と同じ意味を持つ。
【0027】
特に断りが無い限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書で定義されている用語などの用語は、関連技術および本開示の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、明示的に定義されていない限り、理想的にまたは過度に形式的に解釈されるものではない。
【0028】
本発明の説明において、多くの技法およびステップが開示されていることが理解されるであろう。これらのそれぞれには個別の利点があり、それぞれ他の開示された技法の一つ以上、または場合によってはすべてと組み合わせて使用することもできる。したがって、煩雑になることを避けるため、本明細書では、個々の技法またはステップのあらゆる可能な組み合わせを説明することを控える。それでも、明細書および請求項は、そのような組み合わせが完全に本発明および請求項の範囲内であることを理解して読まれるべきである。
【0029】
以下の請求項において手段またはステップと結合したすべての機能的要素の対応する構造、材料、行為、および同等物は、それらがあるとすれば、他の要素と組み合わせて機能を実行するための構造、材料、または行為を含むことを意図する。
【0030】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更と変形が許される。選択され且つ説明された実施形態は、本発明の原理およびその実際的応用を解説するためのものである。本発明は様々な変更あるいは変形を伴って様々な実施形態として使用され、様々な変更あるいは変形は期待される用途に応じて決定される。そのような変更および変形のすべては、添付の請求の範囲によって規定される本発明の範囲に含まれることが意図されており、公平、適法および公正に与えられる広さに従って解釈される場合、同じ保護が与えられることが意図されている。
【符号の説明】
【0031】
1 カバー
1a 板部
1b 側壁部
1c 貫通孔
1d 爪
1e 板面
1f 板面
3 枠体
3a 板部
3b 貫通孔
3c 溝部
3d 内壁面
3e 爪
3f 板面
3g 板面
5 筒体
5a 大きい直方体
5b 小さい直方体
5c 大きい孔
5d 小さい孔
5e 貫通孔
5f ブロック
5g 段部
5h 一端部
5i 支持棒
5k 他端部
5m 端面
5n 端面
10 基板
10a 板面
10b 板面
10c 導体
10d 導体
10e 導体
10f 導体
10g 導体
10h 縁
10i 凹部
10k 導体パターン
30 棒状導体部品
30a 一端
30b 他端
30c バレル
50 金属部品
50a 頭部
50b 首部
50c 肩部
50d 腕部
50e 腕部
50f 凹部
70 ケーブル
70a L型コネクタ
90 圧縮コイルばね
100 電気部品検査器具
900 基板対基板コネクタ
901 コンタクト
903 金属枠体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10