(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】繊維製造のための方法とデバイス
(51)【国際特許分類】
D01F 4/00 20060101AFI20240313BHJP
D01D 5/40 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
D01F4/00
D01D5/40
(21)【出願番号】P 2020540849
(86)(22)【出願日】2018-10-09
(86)【国際出願番号】 EP2018077522
(87)【国際公開番号】W WO2019072876
(87)【国際公開日】2019-04-18
【審査請求日】2021-09-28
(32)【優先日】2017-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517451836
【氏名又は名称】スピベル テクノロジーズ アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100203828
【氏名又は名称】喜多村 久美
(72)【発明者】
【氏名】ミュー ヘドハンマル
(72)【発明者】
【氏名】マティアス クビック
(72)【発明者】
【氏名】フレードリク ルンデル
【審査官】長谷川 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-506058(JP,A)
【文献】米国特許第09074302(US,B2)
【文献】特開2007-138364(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108431094(CN,A)
【文献】特開昭53-086061(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D01D1/00-13/02
D01F1/00-6/96
9/00-9/04
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンパク質高分子繊維を製造するための方法であって、前記方法は:
液体用のコンテナ(2)内に液状タンパク質溶液(7)を提供し、前記液状タンパク質溶液(7)の液面(8)に接触する隣接流体(12)を提供し、そして、
少なくとも第一の位置と第二の位置との間でコンテナ(2)内の液面(8)を繰り返し動かすこと、
を含み、
ここで、前記液面(8)の動きは、タンパク質高分子溶液(7)が液状タンパク質溶液(7)の液面(8)と隣接流体(12)との界面でフィルムを形成するような動きであり、前記第一の位置と第二の位置との間の動きが、前記
第一の位置
と前記第二の位置の間の
前記液面(8)の前後の動きであり、
以下の:
液面(8)の動きが、液面(8)と隣接流体(12)とコンテナ(2)との間の界面のフィルムが応力に晒され、それによって繊維が形成されるように、コンテナ(2)に対してそれぞれ液面(8)を上下することによって実施されること、
または
液面(8)の動きが、液面(8)を通って伸びる物体(11)を提供すること、並びに、液面(8)と流体(12)と物体(11)との間の界面のフィルムが応力に晒され、それによって繊維が形成されるように、コンテナ内で物体(11)を動かすことによって実施されることであり、前記物体(11)の動きが、その物体(11)とフィルムとの間の界面の形状が物体
(11)の様々な
前記液面(8)における位置で異なるようなものであり、前記物体(11)の動きが、
前記液面(8)の任意の
位置に対して前後、左右、斜め及び/又は回転運動を含むこと、
を特徴とする方法
であって、
前記隣接流体(12)が、空気、ガス組成物又は油である、方法。
【請求項2】
タンパク質高分子繊維を製造するための方法であって、前記方法は:
液体用のコンテナ(2)内に液状タンパク質溶液(7)を提供し、前記液状タンパク質溶液(7)の液面(8)に接触する隣接流体(12)を提供し、そして、
少なくとも第一の位置と第二の位置との間でコンテナ(2)内の液面(8)を繰り返し動かすこと、
を含み、
ここで、前記液面(8)の動きは、タンパク質高分子溶液(7)が液状タンパク質溶液(7)の液面(8)と隣接流体(12)との界面でフィルムを形成するような動きであり、前記第一の位置と第二の位置との間の動きが、前記第一の位置と前記第二の位置の間の前記液面(8)の前後の動きであり、
以下の:
液面(8)の動きが、液面(8)と隣接流体(12)とコンテナ(2)との間の界面のフィルムが応力に晒され、それによって繊維が形成されるように、コンテナ(2)に対してそれぞれ液面(8)を上下することによって実施されること、
を特徴とする方法であって、
前記隣接流体(12)が、空気、ガス組成物又は油である、方法。
【請求項3】
前記隣接流体(12)が、空気又はガス組成物である、請求項1
又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記物体(11)が、その物体(11)の縦軸に沿って変化する横断面形状を有する本体を含む、請求項1~
3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記物体(11)が中空であり、かつ、入口および出口を含む、請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
前記物体(11)が円錐形または円錐台形である、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記物体(11)が縦軸に沿って先細になっている、請求項
5に記載の方法。
【請求項8】
前記液面(8)の上げ下げが、液面(8)を水平に維持しながら実施される、請求項1~
3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記液面(8)の上げ下げが、液面(8)下のコンテナ(2)の容積の変化によってなされる、請求項1、2
、3または
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記液面(8)下のコンテナ(2)の容積が、前記容積内のピストン(4)の動きによって変更される、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記液面(8)の上げ下げが、コンテナ(2)内の液体の容積の変更によってなされる、請求項1、2
、3または
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記液面(8)の上げ下げが、液面(8)下の液体のそれぞれの導入または除去によってなされる、請求項1、2
、3または
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
繊維製造のためのデバイス(1)であって、前記デバイスが、
液体用コンテナ(2)と、
コンテナ(2)に対してコンテナ(2)内の液体(7)の液面(8)を上下するための第一の手段(4)とを含んでいて、
ここで、前記デバイス(1)が、フィルムとコンテナとの間の界面のフィルムが応力に晒され、それによって繊維が形成されるように、請求項1~
12のいずれか一項に記載の方法に従って、コンテナに対して液面を繰り返し上下するように前記第一の手段を駆動するように構成されたモーター(13)を含む、デバイス。
【請求項14】
繊維製造のためのデバイスであって、前記デバイスが、
液面を有する大量の液体を保持するためのコンテナ、
液面を貫いて伸びるように構成された物体、および
モーター(13)であって、前記物体に作動可能なように接続され、かつ、フィルムと物体との間の界面のフィルムが応力に晒され、それによって繊維が形成されるように、請求項1~
12のいずれか一項に記載の方法に従ってコンテナ内で物体が稼働するように構成されたモーター(13)、
を含むデバイス。
【請求項15】
前記物体が、その物体の縦軸に沿って変化する横断面形状を有する本体を含む、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記物体が中空であり、かつ、入口と出口を含む、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記物体が、円錐形、円錐台形であるか、または縦軸に沿って先細になっている、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記第一の手段が、コンテナの内部容積を変更するためにコンテナ内で可動できるように構成されたピストンを含んでおり、ここで、液面下のコンテナ容積を規定するコンテナ部分が円筒であり、および、ここで、前記ピストンが、円筒部分の内側に対して密封するように構成され、かつ、コンテナの内部容積を変更するために円筒部分に沿って可動できるように構成される、請求項
13に記載のデバイス。
【請求項19】
前記第一の手段が、流体ポートと、前記ポートの内外に液体をポンピングするためのポンプデバイスとを含み、それによって、コンテナ内の液体レベルを制御コンテナ内の液体レベルを制御する、請求項
13に記載のデバイス。
【請求項20】
タンパク質高分子繊維を製造するための、請求項
13~19のいずれか一項に記載のデバイスの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンパク質繊維構造物の製造に関する。タンパク質繊維構造物それ自体は、天然では、例えば、クモの巣やクモの繭のスパイダーシルク(spider silk)の形態で知られている。具体的には、本発明は、繊細な分子および細胞と共に形成されるスパイダーシルク繊維の人工的な製造に関する。
【背景技術】
【0002】
天然に産生されるスパイダーシルクは、興味深い物理特性を有する材料である。例えば、スパイダーシルク繊維は、弾性、靭性および引張り強度の優れた組み合わせを提供する。様々なタイプのシルクが様々な用途に好適である;いくつかのタイプの繊維は構造的な支持体に使用され、他のものは防御構造を構成するために使用される。あるものは効果的にエネルギーを吸収するができ、他のものは効率的に振動を伝えることができる。クモでは、これらのシルクのタイプは異なった腺で産生される;そうして、特定の腺からのシルクがクモによってその用途向けに連結され得る。スパイダーシルク繊維のような材料は、例えば、細胞を含有する繊維構造物の製造などの工学または生物工学目的のために非常に興味深い。したがって、これらの繊維のいくつかの適用としては、無菌および清浄度の管理が高度に重視される医療応用を挙げることもできる。よって、制御環境下で人造シルク繊維構造物を製造できるようにすることが望ましい。
【0003】
スパイダーシルク繊維を製造するには、第一に、十分な量のシルクタンパク質を利用可能にする必要がある。第二に、前記タンパク質から繊維構造物を製造する方法が実装される必要がある。
【0004】
そのタンパク質は、クモによって産生され、回収され得るが、これは遅く、かつ、厄介なプロセスである。クモを飼育することを伴わない別のアプローチは、スパイダーシルクの遺伝子を抽出し、スパイダーシルクを産生させるための他の生物体を使用することである。例えば、遺伝子を組み換えたカイコ(silkworkms)、ヤギ、および大腸菌(E-coli)がこの目的のために使用された。クモタンパク質からの繊維を人工的に産生させるいくつかの方法、例えば、「シリンジ-アンド-ニードル(syringe-and-needle)」、「マイクロ流体力学」および「エレクトロスピニング」が存在する。
【0005】
「シリンジ-アンド-ニードル」法は、シルクタンパク質を含む液状原料をシリンジに充填することに基づいている。その原料は、そこで繊維が形成されるシリンジの中空針に押し出され、そして、シリンジ針から繊維が吐出される。非常に安価、かつ、組み立てが容易であるが、この方法を使用して作製された繊維は、例えば、メタノールまたはアセトンなどの環境面で望ましくない化学物質を用いて繊維から水を取り除く必要があり得、また、繊維のその後の延伸も必要とし得る。
【0006】
「マイクロ流体力学」法では、繊維は、タンパク質溶液の流体力学的な集束によって製造される。集束液は、低pHの液体なので、タンパク質の構造変化が強いられる。集束パラメーターを調整することによって、得られる繊維の様々な物理特性を獲得できる。
【0007】
この方法の欠点は、構造変化を引き起こすための化学物質の使用により、繊維が繊細な分子および細胞と一緒に、同時に形成されることを妨げられることである。
【0008】
「エレクトロスピニング」法では、繊維は、溶液流を電場内に注ぐことによって製造される。注入針とコレクタとの間の電場は、注入された溶液が複数の噴流に分割されるようにさせ、そしてそれをコレクタで不織布形式に寄せ集める前に乾燥させる。
【0009】
この方法の欠点は、強電場を使用することによって、繊維形成中に繊細な分子または細胞を含有する繊維を形成することができないことである。
【0010】
特定の従来技術の方法は、Starkらによって最初に使用された方法である(Macroscopic fibers self-assembled from recombinant spider silk protein, Biomacrocolecules 8(5) 2007)。それらは、
図4a~cで図式的に例示されるとおり左から右にコンテナの繰り返しの揺れ動き/固定を使用する。製造された繊維構造物は、示されたコンテナの左右に向かってより厚く、そして、コンテナの中央で徐々に薄くなる。繊維の不均等な構造は、それが低い強度と再現性のある試験の困難性をもたらすので、いずれも不利である。そのうえ、必要とされる大きな容量は、(その一部が無駄である)多くのタンパク質を必要とし、かつ、繊維形成中に他の分子または細胞の取り込みに関して低い収率をもたらす。
【0011】
よって、本発明の目的は、上述の欠点に悩むことなくタンパク質繊維構造物を製造するための改良法およびデバイスを提供することである。
【発明の概要】
【0012】
第一の態様によると、この目的および他の目的は、タンパク質繊維構造物を作製するための方法によって達成され、前記方法は以下を含む:液体用コンテナ内に液状タンパク質溶液を提供し、液状タンパク質溶液の液面に接触する隣接流体、例えば、空気または好適なガス組成物、を提供し、そして、その液面を、コンテナ内の少なくとも第一の位置と第二の位置との間で繰り返し動かすことを含む。前記液面の動きは、タンパク質高分子溶液、すなわち、液状高分子溶液が液状タンパク質溶液の液面と隣接流体との間の界面でフィルムを形成することである。さらに、液面の動きは、フィルムとコンテナとの間の界面のフィルムが応力に晒され、それによって繊維が形成されるように、コンテナに対してそれぞれ液面を上下することによって実施される。
【0013】
あるいは、または上下することに対して補完的に、液面の動きは、液面を貫いて伸びる物体を提供し、そして、フィルムと物体との間の界面のフィルムが応力に晒され、それによって繊維が形成されるように、その物体をコンテナ内で動かすことによって実施され得る。
【0014】
第一の位置と第二の位置との間で液状タンパク質溶液を繰り返し動かし、そして、そのタンパク質高分子溶液がフィルムを形成するように、その液面を動かすことによって、繊維は、液面の円周の周りで徐々に形成される。典型的には、繊維は、液面から起こるよりむしろコンテナ壁に接着する。液面の繰り返される動きは、フィルムにおける亀裂形成の原因となり、それらの亀裂が繊維の形成を促進する。
【0015】
コンテナに対してそれぞれ液面を上下することにより液面の動きをおこなうことによって、繊維は、液面の円周、すなわち、コンテナ壁の内部に沿って、一様に厚さを形成する。液面を上下するとき、液面は、表面張力とコンテナ壁への付着のため、繰り返して伸張および収縮する。これは、フィルムの折り畳みおよび/または亀裂の形成を引き起こす傾向があり、そしてそれは、それらが形成された繊維に加わるところであるコンテナ壁に向かって外側に動く繊維構造物につながる傾向がある。液面を貫いて伸びる物体を提供し、そして、フィルムと物体との間の界面のフィルムが応力に晒され、それによって繊維が形成されるように、その物体をコンテナ内で動かすことによって、繊維を作製するためにフィルムに応力を加える代替の方法が提供される。
【0016】
第一の位置と第二の位置との間の動きは、前記位置の間の前後方向の動きであってもよい。
【0017】
物体は、その物体の縦軸に沿って変化する横断面形状を有する本体を含んでいてもよい。変化する横断面形は、液状タンパク質溶液中の物体を単純に上下することによって、物体と液状溶液/フィルムとの間の界面の形状の容易な変更を可能にする。よって、界面形状の変化は、それによって繊維形成が改善されるようにフィルムに影響する亀裂と応力のより効果的な形成につながる。物体は、中空であり、かつ、入口と出口を含んでいてもよい。入口および出口は、液体とガスが物体に出入りすることを可能にし、それによって、液状タンパク質溶液内での物体の上下する時の圧力発生および圧力差を緩和する。
【0018】
物体は、円錐形であっても、または円錐台形であってもよい。円錐台形の形状は、円形または楕円形の横断面形状をもたらし、それによって、物体の周りでの均一な繊維の太さを促進する。
【0019】
物体は、その縦軸に沿って先細になっていてもよい。横断面形は円形である必要もなく、または楕円形である必要もないが、物体の縦軸に沿って変化する任意の形状であり得、ここで、全長に沿った大きさの変化は、物体が液状タンパク質溶液中で稼働する深さに応じて異なったサイズの繊維の形成を可能にする。
【0020】
物体の移動方向および物体の方向は、物体とフィルムとの間の界面の形状が物体の様々な位置で異なるようなものであってもよい。
【0021】
物体の動きは、物体の回転運動を含んでもよい。物体の回転運動を使用することによって、応力は、液状タンパク質溶液中で物体を単純に回転させることにより、物体を上下することなく、フィルムにおいて引き起こされ得る。これは、コンテナ内の液面レベルに影響を与えずにフィルムに応力を加えることを可能にする。
【0022】
液面は、それを上下する間、水平が維持され得る。それが水平に保たれることで、折り畳みと形成される原繊維の均一な分配と輸送が促進され、それによって、一定の繊維構造物の形成を促進する。完璧な水平が存在しないことは言うまでもないので、したがって、水平の意味は、水平面の約±5度前後の範囲を含意する。
【0023】
液面を上下することは、液面下のコンテナ容積の変化によってなされてもよい。液面下のコンテナ容積を変更することは、コンテナ内の液状溶液を上下させると同時に、液面水平を維持する、すなわち、波の形成を引き起こすことがない。
【0024】
液面下のコンテナ容積は、前記容積内にピストンの動きによって変更されてもよい。液面下でコンテナ容積にピストンを押し込むことで、前記容積は減少し、そして、液体はコンテナ内で押し上げられる。同様に、液面下のコンテナ容積内からピストンを引き下げることで、前記容積は増大し、そして、液体はコンテナ内で引き下げられ、それによって、液面のレベルが下がる。容積を変更するためのピストンの使用は、簡単かつ頑強であり、コンテナのすべての部品に関して硬質材料の使用が可能である。
【0025】
先に記載したピストンの使用に代わる手段として、前記液面を上下することは、例えば、液面下からのそれぞれ液体の導入または除去によって、コンテナ内の液体の容積の変化によってなされる。液状高分子溶液の液面下からのコンテナ内への液体の導入時に、液面はコンテナ内で上げられる。同様に、液状高分子溶液の液面下からのコンテナ内への液体の除去時に、液面はコンテナ内で下げられる。このことは、それを通して流体が液状高分子溶液中に導入可能である、入口手段のみを備えた硬質コンテナの使用を可能にする。その入口手段は、例えば、コンテナ壁を貫く液体の通路、または液面の上から液面を貫いて、それが出てくる液状高分子溶液中に伸びるチューブなどの任意の好適な手段であってもよい。
【0026】
第二の態様によると、目的は、繊維製造のためのデバイスによって達成される。そのデバイスは、液体用のコンテナと、好ましくは実質的に水平に液面を維持しながら、そのコンテナに対してコンテナ内の液体の液面を上下する第一の手段とを含む。そのデバイスは、フィルムとコンテナとの間の界面のフィルムが応力に晒され、それによって、繊維を形成するように、第一の態様の方法に従って、コンテナに対して繰り返して液面を上下するための前記第一の手段を駆動するように構成されたモーターを含む。
【0027】
デバイスは、液面を有する大量の液体を保持するためのコンテナ、液面を貫いて伸びるように構成された物体、およびモーターであって、その物体に作動可能なように接続され、かつ、フィルムと物体との間の界面のフィルムが応力に晒され、それによって繊維が形成されるように、第一の態様で規定される方法に従ってコンテナ内で物体が稼働するように構成されたモーター、を含んでもよい。
【0028】
物体は、その物体の縦軸に沿って変化する横断面形状を有する本体を含んでいてもよい。さらに、物体は、中空であり、かつ、入口と出口を含んでいてもよい。さらに、物体は、その縦軸に沿って円錐形であっても、円錐台形であっても、または先細になっていてもよい。
【0029】
第一の手段は、その内側の容積を変更するようにコンテナ内で可動するように構成されたピストンを含んでもよく、ここで、液面下のコンテナ容積を規定するコンテナ部分は円筒であり、およびここで、そのピストンは、円筒部分の内側に対して密封するように構成され、かつ、その内側容積を変更するように円筒部分に沿って可動するように構成される。
【0030】
第一の手段は、流体ポートと、そのポートの内外に液体をポンピングするポンプデバイスとを含んでもよく、それによって、コンテナ内の液体レベルを制御する。コンテナの液面レベルを制御するための液体ポンピングの使用は、ピストンの必要性を排除する。さらに、コンテナは、下から充填されることもでき、そしてその後、液面は、コンテナに充填するのに使用したのと同じポンプを使用して動かされてもよい。繊維が完成した後に、コンテナはそのポンプを使用して空にされてもよい。
【0031】
第三の態様は、タンパク質高分子繊維を製造するための第二の態様によるデバイスの使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1a-f】
図1a~fは、延伸フィルムが、どのようにコンテナ壁の内部に沿って繊維構造を徐々に形成するかを図式的に示す。
【
図2a-e】
図2a~eは、上下することによる第一の位置(
図2a)と第二の位置(
図2c)との間の、コンテナ内での液面の前後の動きの1サイクルを図式的に示す。液面の振れの量は、説明目的のために誇張されている。
【
図3】
図3は、切断されたバレルを用いてシリンジ形態による繊維製造用デバイスを示す。
【
図4a-c】
図4a~cは、繊維構造物を製造するための背景技術デバイスおよび方法を示す。そのデバイスは、端から端への液状高分子溶液の横方向に流れ込む動きを引き起こすトレイ/コンテナを使用する揺れ動き/固定を使用する。
【
図5】
図5は、コンテナと、コンテナ内で繰り返し上下させる円錐台形物体に関する横断面概略図を示す。
【
図6】
図6は、円筒コンテナと、コンテナ内で繰り返し上下させる円柱状物体に関する上方からの横断面概略図を示す。
【
図7】
図7は、長方形コンテナと、コンテナ内で繰り返し上下させる2枚の長方形プレートを含む物体に関する上方からの横断面概略図を示す。
【
図8】
図8~9は、コンテナと、そのコンテナの液面を貫いて横方向に前後に繰り返して動かされるプレート形状の物体に関して、それぞれ横断面の側面概要図および上面図を示す。
【
図9】
図8~9は、コンテナと、そのコンテナの液面を貫いて横方向に前後に繰り返して動かされるプレート形状の物体に関して、それぞれ横断面の側面概要図および上面図を示す。
【
図10】
図10は、その中で円柱状物体がコンテナの液面を貫いて別の向きで横方向に前後に繰り返して動かされる円筒コンテナに関する上方からの横断面概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
【0034】
本発明の詳細な説明
本発明は、以下に、添付図面に関してより詳細に記載される。しかしながら、本発明は、多くの様々な形態で具現化され得るが、本明細書中に記載した実施形態に限定されると解釈されるべきではなく;むしろ、これらの実施形態は、徹底性および完全性のために提供されており、かつ、本態様の範囲を当業者に完全に伝えている。
【0035】
本発明の第一の実施形態によるデバイス1は、
図3に示されている。デバイス1は、繊維製造に好適であり、液体用のコンテナ2と、液面を実質的に水平に維持しながら、コンテナ2に対してコンテナ2内の液体の液面をそれぞれ上下するための第一の手段3とを含む。第一の手段3はピストン4を含み、ピストン4は、コンテナ2の内側の容積を変更するために、コンテナ2内で可動できるように構成されている。液面下のコンテナ2の容積を規定するコンテナの部分5は円筒であり、およびピストン4は、円筒部分の内側に対して密封するように構成され、かつ、円筒部分に沿って可動できるように構成された。コンテナ2は、この実施形態において、シリンジのバレルおよびシリンジのプランジャーであるピストン4である。しかしながら、他の実施形態において、コンテナ2は、いずれかの他のタイプの好適なコンテナ、例えば、パイプもしくは押出成形された外形、または液体を収容するための空間を形成するようにあけられた少なくとも1つの穴を有するプレートなど、である可能性がある。また、プランジャーは、コンテナ内で動作するように適合させたその他のタイプのピストンで置き換えられる可能性がある。あるいは、ピストンは、弾力がある膜であって、その膜の弾力的に変形させることによってコンテナ容積の変更を可能にする膜と差し替えられる可能性がある。
【0036】
デバイス1は、繊維6を形成するように手動で稼働されてもよい(
図1a~fを参照のこと)。しかしながら、ある実施形態では、デバイス1は、コンテナ/シリンジの取り付けのための取付台(図示せず)およびピストンまたは膜4を自動で稼働するように構成された駆動手段を含む。駆動手段は、電動モーター13と、電気モーターの回転運動を、コンテナ2に対する位置を制御するためのピストン4の動きに変換するための動力伝達手段とを含む。動力伝達手段は、シリンジのピストン/プランジャーに取り付けできる作動式アームに作動可能なように接続されたパワースクリューであってもよい。他の実施形態において、油圧伝達装置が使用されてもよく、ここで、流体がピストンを駆動するためにまたは膜を変形させるために使用される。
【0037】
代替の実施形態において、液面の上下は、先に記載したようにコンテナ2の容積を変更する代わりに、コンテナ2内の液体容積の変更によってなされる。この代替の実施形態では(図示せず)、第一の手段3は、流体ポートと、そのポートの内外に液体をポンピングするためのポンプデバイスを含み、それによって、コンテナ2内の液面レベルを制御する。
【0038】
電気駆動手段の使用は、繊維製造の改良された制御を提供する傾向があって、持続産生を可能にする。コンテナの液面レベルを制御するための液体のポンピングの使用は、ピストンの必要性を排除する。さらに、コンテナは、下から充填されることもでき、そしてその後、液面は、コンテナに充填するのに使用したのと同じポンプを使用して動かされてもよい。繊維が完成した後に、コンテナはそのポンプを使用して空にされてもよい。
【0039】
ある実施形態では、コンテナ内の液体容積の変化を使用した、先に記載したいくつかのデバイスを含むシステムが提供されてもよい。そのシステムでは、複数のコンテナが1つのポンプに接続される。斯かるシステムは、たった1つのポンプを使用して複数のコンテナの液面レベルを同時に制御し、それによって、システムの複雑さとシステムの動力使用量を低減する。単一ポンプの使用はまた、複数のポンプの使用に比べて、同等を上回るポンピングを提供する。
【0040】
先に記載したデバイス1は、以下の方法を使用して稼働される。最初に、液状タンパク質溶液7が、液体用コンテナ2内に準備される。その後、コンテナ内の液面8は、
第一の位置(
図2a)と第二の位置(
図2c)との間で前後に繰り返して動かされる。
【0041】
前記液面の動きは、タンパク質高分子溶液が液状タンパク質溶液の液面と周囲の流体との間の界面でフィルムを形成するような動きである。液面のその動きは、コンテナに対してそれぞれ液面を上下することによって実施される。好ましくは、液面を実質的に水平に維持しながら実施される。
【0042】
第一の位置と第二の位置との間で前後に液状タンパク質溶液を繰り返し動かし、そして、そのタンパク質高分子溶液がフィルムを形成するように、その液面を動かすことによって、繊維は、液面の円周の周りで徐々に形成される。典型的には、繊維は、液面から起こるよりむしろコンテナ壁に接着する。液面の繰り返される動きは、フィルムにおける亀裂形成の原因となり、それらの亀裂が繊維の形成を促進する。
【0043】
コンテナに対してそれぞれ液面を上下することにより液面の動きを実施することによって、繊維は、液面の円周、すなわち、コンテナ壁の内部に沿って、一様に厚さを形成する。液面を上下するとき、液面は、表面張力とコンテナ壁への付着のため、繰り返して伸張および収縮する。これは、フィルムの折り畳みおよび/または亀裂の形成を引き起こす傾向があり、そしてそれは、それらが形成された繊維に加わるところであるコンテナ壁に向かって外側に動く繊維構造物につながる傾向がある。タンパク質溶液がフィルムを形成するような液面の動きは、例えば、表面張力、温度、粘性などの状況に依存して、膜形成を達成しながら多数の動きのパターンでおこなわれ得る。例えば、斯かる動きは、一定速度の上下でなされてもよい。また、その動きは、例えば、上側の液面位置、下側の液面位置、またはその中間にて、反復中に1もしくは複数回中断される可能性がある。さらに、液面の動きのスピードは、その動きを通じて変化する可能性があり、ここで、より遅い動きは、典型的に前記膜形成を促進する。よって、前記液面の動きの少なくとも一部は、繰り返しの間にタンパク質高分子溶液がフィルムを形成するのに十分に遅く、または十分に長時間実施され、それによって、前記膜形成が達成され得る。
【0044】
液面を上下することの代替手段として、液面の動きは、液面を貫いて伸びる物体を提供し、そして、フィルムと物体との間の界面のフィルムが応力に晒され、それによって、繊維が形成されるように、コンテナ内で物体を動かすことによって実施され得る。ここでは、例えば、フィルムの剪断力、伸張または圧縮力によって引き起こされる応力は、フィルムの亀裂につながり、そしてそれが、物体周囲の繊維の形成につながる。
【0045】
言い換えれば、所望の濃度に希釈された、シルクタンパク質溶液、例えば、スパイダーシルクタンパク質溶液などは、自由空間を作り出すためにその頂上部を切断したシリンジに移される(
図3を参照のこと)。閉鎖型シリンジが使用される場合、液体-空気界面およびシリンジ壁の湿度が増大し、頑強な繊維形成の低下をもたらすであろう。液状タンパク質溶液が入ったシリンジは、シリンジポンプに向かって垂直に配置される。そのポンプは、シリンジピストンの垂直な振動性の動きおよび、それによって、液状溶液の垂直な振動性の動きも生じるように構成される。溶液がいったんシリンジ内に入れられると、タンパク質は、液体-空気界面において寄せ集められ始め、しばらくした(典型的に数分)後にタンパク質フィルムが、温められた牛乳の膜と同様に、液体と空気との間の界面に形成される。このタンパク質フィルムから繊維が形成される。垂直振動、すなわち、コンテナに対して液面が上下する間、界面で形成したフィルムは、シリンジ壁にある程度接着し、振動の下向きの部分の間、フィルムが伸ばされる。続く上向きの動きでは、そのため、フィルムは、その伸びた状態に対して圧縮される。薄いフィルムが圧縮された場合、それはしわを作り始め、そして、圧迫が十分に強い場合、これらのしわの一部が折り畳みを生じる。しわは顕微鏡下で見ることができるが、折り畳みは肉眼で実験中に見ることができる。その後の振動時に、折り畳みはフィルムの固有の弱点になり、折り畳みはほとんど同じ位置に続けて現れる。実験では、多くの振動が起これば起こるほど、折り畳みが、多くの場合、非対称様式でシリンジバレルの壁に向かってゆっくり移動する、すなわち、そこから折り畳みが動き出す点は、フィルム面の中心ではない。また、位置も、振動ごとにまたは製造バッチごとに固定されていない。連続した振動は、シリンジバレル内部で最終的に寄せ集められ、原繊維を形成するような、フィルムの一部の破断につながる。これらの原繊維は、液体の最高位置にて壁に接着する傾向がある。場合によっては、フィルムは、その最低位置に近いとき、その内側で破断されることが分かり、その間に、この破断によって形成されたギャップが、新たに形成されたフィルムによって修復されるプロセスが継続する。しかしながら、より多くの場合、これらのフィルム破砕は見ることができず、折り畳みは、フィルムの不均一な伸張に起因して、壁に向かって移動している。フィルムがどのように壁で破断されるか、またはこのフィルム伸張がどのように見えるかは、まだ知られておらず、現在、調査中である。プロセスが継続する場合、ますます多くの原繊維が、最高液面レベルにて壁に寄せ集められ、これらの原繊維は一緒に繊維構造物を形成する。以下の表中には、いくつかの試験パラメーターが提示されている。これらは、12~14mmの内径を有するシリンジ向けのものであって、本発明の範囲に制限するとして理解されるべきではない。
【0046】
【0047】
しかしながら、好適な速度および振動周期は、他のパラメーターに適合される必要がある。高分子溶液がより速くフィルムを形成する場合、より短い間隔が使用されてもよく、逆もまた同様である。
【0048】
図1a~fは、液状高分子溶液の表面において、材料が、コンテナ壁の内部に向かって徐々に移動した後に、コンテナ壁の内部に沿って蓄積して、繊維構造物が形成されるところの、高分子フィルムがどのように伸長し、折り畳まれ、そして亀裂を生じるか図式的に示す。
【0049】
図1a~fが、示されたコンテナの一方の壁部分だけを有する横断面でコンテナの切取像を示していることが、理解されなければならない。したがって、亀裂の徐々な動きおよび原繊維/繊維が、直線矢印によって示したように、それぞれの図面の右側から、図面の左側に向かって、すなわち、コンテナ壁の内側に向かって移動する折り畳み/原繊維/繊維によって例示される。
【0050】
図1aでは、フィルムは、形成されるが、伸長されない。
図1bでは、フィルムは、「波形」によって図式的に例示されるように-引き伸ばされた。しかしながら、実際のフィルムは、波形ではないが、例えば、隆起するように実質的に水平に引き伸ばされた。
図1cは、余分なフィルムが折り重ねられたことを例示する。
図1dは、折り重ねられたフィルムが、最終的に亀裂を生じることを例示する。
図1eは、原繊維または折り畳みのうちの剥がれたフィルム材料の一部が、コンテナ内壁へと外向きに移動すると同時に、別の折り畳みがコンテナ内で、すなわち、さらに図の右側に、作製されたことを示す。
図1fは、さらに多くの原繊維またはフィルム材料の部分が、コンテナ内壁に沿って蓄積されたことを同様に示す。
【0051】
図2a~eは、液面を実質的に水平に維持しながら、コンテナに対してそれぞれ液面を上下(
図2aで上げ、
図2cで下ろし、
図2eで再び上げる)することによって実施される、1サイクルの液面の動きを図式的に示す。実質的に水平とは、表面が平面であることを意味しないが、表面がコンテナ内で実質的なまたは砕ける波を形成していないことを含意する。しかしながら、それでもまだ、表面は、コンテナ壁に対する表面張力および付着によって引き起こされる表面の上下のいくつかの隆起にもかかわらず、水平であると考えられる。
【0052】
本発明の上記のすべての実施形態では、繊細な分子および細胞は、繊維構造物の製造中に損傷されることなく、液状タンパク質溶液に組み込まれ得る。本発明の方法は、斯かる繊細な分子および細胞にとって有害な化学物質または強電場を使用することがないので、そのため、斯かる繊細な分子および細胞を含有する繊維構造物を製造するのに使用できる。
【0053】
いくつかの実施形態に関する項目別表
I.
タンパク質高分子繊維を製造するための方法であって、その方法が:
液体用コンテナ内に液状タンパク質溶液を提供し、および
第一の位置と第二の位置との間で前後にコンテナ内の液面を繰り返して動かすこと、
を含み、
ここで、前記液面の動きが、タンパク質高分子溶液が液状タンパク質溶液の液面と周囲の流体との界面においてフィルムを形成するような動きであり、
以下の:
液面の動きが、コンテナに対してそれぞれ液面を上下することによって実施されること、
を特徴とする方法。
【0054】
II.
前記液面の上げ下げが、液面を実質的に水平に維持しながら実施される、実施形態Iに記載の方法。
【0055】
III.
前記液面の上げ下げが、液面下のコンテナ容積の変化によってなされる、実施形態I~IIのいずれか一つに記載の方法。
【0056】
IV.
前記液面下のコンテナ容積が、前記容積内のピストンの動きによって変更される、実施形態IIIに記載の方法。
【0057】
V.
前記液面の上げ下げが、例えば、液面下からのそれぞれの液体の導入または除去による、コンテナ内の液体の容積の変更によってなされる、実施形態I~IIのいずれか一つに記載の方法。
【0058】
VI.
繊維製造のためのデバイスであって、前記デバイスが、液体用コンテナと、好ましくは液面を実質的に水平に維持しながら、コンテナに対してコンテナ内の液体の液面を上下するための第一の手段とを含み、
ここで、前記デバイスが、実施形態I~Vのいずれか一つに記載の方法に従って作動するように構成されるデバイス。
【0059】
VII.
前記第一の手段が、コンテナの内部容積を変更するためにコンテナ内で可動できるように構成されたピストンを含む、実施形態VIに記載のデバイス。
【0060】
VIII.
液面下のコンテナ容積を規定するコンテナ部分が円筒であり、そして、ここで、ピストンが、円筒部分の内側に対して密封するように構成され、かつ、コンテナの内部容積を変更するために円筒部分に沿って可動できるように構成される、実施形態VIIに記載のデバイス。
【0061】
IX.
前記コンテナがシリンジのバレルであり、そして、ここで、ピストンがシリンジのプランジャーである、実施形態VIIIに記載のデバイス。
【0062】
X.
コンテナの取り付けのための取付台と、ピストンが自動で稼働するように構成された駆動手段をさらに含む、実施形態VIII~IXのいずれか一つに記載のデバイス。
【0063】
XI.
前記駆動手段が、電動モーターと、電気モーターの回転運動をコンテナに対する位置を制御するためのピストンの動きに変換するための動力伝達手段とを含む、実施形態Xに記載のデバイス。
【0064】
XII.
前記第一の手段が、流体ポートと、そのポートの内外に液体をポンピングするためのポンプデバイスとを含み、それによって、コンテナ内の液体レベルを制御する、実施形態Vに依存する実施形態VIに記載のデバイス。
【0065】
XIII.
複数のコンテナが1つのポンプに接続されている、実施形態XIIに記載のいくつかのデバイスを含むシステム。
【0066】
XIV.
タンパク質高分子繊維を製造するための、実施形態VI~XIIのいずれか一つに記載のデバイスまたは実施形態XIIIに記載のシステムの使用。