IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニムの特許一覧

<>
  • 特許-エアロゾル発生物品 図1
  • 特許-エアロゾル発生物品 図2
  • 特許-エアロゾル発生物品 図3
  • 特許-エアロゾル発生物品 図4
  • 特許-エアロゾル発生物品 図5
  • 特許-エアロゾル発生物品 図6
  • 特許-エアロゾル発生物品 図7
  • 特許-エアロゾル発生物品 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】エアロゾル発生物品
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/04 20060101AFI20240313BHJP
   A24D 3/10 20060101ALI20240313BHJP
   A24D 3/02 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
A24D3/04
A24D3/10
A24D3/02
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020541414
(86)(22)【出願日】2019-02-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 EP2019054533
(87)【国際公開番号】W WO2019170449
(87)【国際公開日】2019-09-12
【審査請求日】2022-02-02
(31)【優先権主張番号】18160821.7
(32)【優先日】2018-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ
(72)【発明者】
【氏名】フェッラーリ エヴァ
(72)【発明者】
【氏名】ジョルディル イヴ
(72)【発明者】
【氏名】トリッツ ポー ヨーク
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0017926(US,A1)
【文献】特表2015-523093(JP,A)
【文献】特表2003-525043(JP,A)
【文献】特表2015-509374(JP,A)
【文献】特公昭52-030740(JP,B1)
【文献】特表2013-510566(JP,A)
【文献】米国特許第05107863(US,A)
【文献】特表2011-505851(JP,A)
【文献】特表2017-518041(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 3/04
A24D 3/10
A24D 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品で使用するエアロゾル透過要素であって、前記エアロゾル透過要素が、主に直線状の軸方向に配向された繊維を含むスリーブによって囲まれたエアロゾル透過性コア押出成形品を含み、前記スリーブが、セグメントの長軸方向の端に沿って共に結合た二つ以上の長軸方向の前記セグメントを備え、
前記スリーブが同一のトウから構成された二つ以上の長軸方向のセグメントを備え、前記長軸方向のセグメントの前記トウ材料が、少なくともその長軸方向の端に沿って共に結合て一体型スリーブを構成している、エアロゾル透過要素。
【請求項2】
前記コア押出成形品が、それに沿って特徴付けられた一つ以上の経路を有する発泡性高分子押出成形品を含む、請求項1に記載のエアロゾル透過要素。
【請求項3】
前記経路の少なくとも一つが前記コア押出成形品内に特徴付けられていて、前記経路の少なくとも一つが、前記スリーブと協働するその外表面上のチャネルによって特徴付けられている、請求項2に記載のエアロゾル透過要素。
【請求項4】
前記コア押出成形品がポリ乳酸、アセテートまたはセルロース材料を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル透過要素。
【請求項5】
前記スリーブがセルロースアセテートまたはポリ乳酸繊維を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル透過要素。
【請求項6】
前記スリーブが0.5ミリメートル~3ミリメートルの壁厚さを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル透過要素。
【請求項7】
前記コア押出成形品が2ミリメートル~8ミリメートルの直径を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル透過要素。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の前記エアロゾル透過要素を備えるエアロゾル発生物品。
【請求項9】
エアロゾル発生物品で使用するエアロゾル透過要素の製造方法であって、
トウを長軸方向に配向された繊維の二つ以上の細片に分離し、該二つ以上の細片を搬送経路を囲む二つ以上の長軸方向のセグメントに成形することと、
前記二つ以上の長軸方向のセグメント間にエアロゾル透過性コア押出成形品を導入することと、
前記二つ以上の長軸方向のセグメントを前記長軸方向のセグメントの長軸方向の端に沿って共に結合して、前記コア押出成形品を囲む主に直線状の軸方向に配向された繊維を含むスリーブを形成することとを含む、方法。
【請求項10】
前記コア押出成形品が、それに沿って特徴付けられた一つ以上の経路を有する発泡性高分子押出成形品として前記長軸方向のセグメントの間に導入されている、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
コア材料をダイを通して押出成形して前記コア押出成形品を形成することと、前記長軸方向のセグメント間の導入のために前記ダイから前記コア押出成形品を供給することとを含む、請求項9または請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記長軸方向のセグメント間に前記コア押出成形品を導入する前に、前記押出成形されたコア材料を冷却浴を通して通過させることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記コア押出成形品を予め押出成形されたロールから供給することを含む、請求項9または請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概してエアロゾル発生物品に関する。より具体的には、排他的ではないものの、本発明は、管状に成形されたエアロゾル発生物品(特に、エアロゾル形成基体を燃焼することなく加熱するように構成されたこうしたエアロゾル発生物品を含む)で使用されるエアロゾル透過要素に関する。本発明はまた、こうした物品および要素を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生物品のフィルター部品または冷却部品は幾つかの機能を実行し、そのため、その特性の幾つかはその設計および製造において考慮されなければならない。フィルター部品の主な役割は濾過または冷却効率であり、すなわちエアロゾルの望ましくない構成成分がユーザーに到達するのを防ぐことにおけるその有効性であるが、これは常に、エアロゾルがフィルターを通過する際に起こる圧力降下である全体的な引き出し抵抗とのバランスを取る必要がある。エアロゾル形成基体を燃焼することなく加熱するように構成されたエアロゾル発生物品に伴う追加的な複雑な問題は、感覚媒体の量がより密に充填される傾向があることである。そのため、こうしたエアロゾル発生物品の感覚媒体によって提供される固有の引き出し抵抗は、従来の可燃性エアロゾル発生物品の引き出し抵抗よりも概してずっと大きい。
【0003】
フィルター部品には、消費者の口との相互作用からもたらされる幾つかのその他の要件がある。これらには、例えば構造的な剛直さ、および湿潤に対する抵抗が含まれる。エアロゾル発生物品のフィルター部品は、その上に加えられる著しい圧縮力をしばしば経験する可能性がある。一部の消費者はまた、フィルター部品を噛むことを楽しみ、また圧縮性に対する抵抗について期待を有することがよくある。フィルター部品の構造は、こうした力に耐えながら、その主な機能を実施し続けることと、期待を満足させることとの両方が可能である必要がある。フィルター部品はまた、唾液への曝露にもかかわらず、機能し続ける必要があり、かつエアロゾル形成基体の湿潤を回避するためにフィルター部品を通した唾液の伝達を最小化または防止する必要がある。
【0004】
これらの競合する要件、すなわち有効なフィルタリング、最小限の引き出し抵抗、圧縮性、および湿潤に対する抵抗性は、最終製品においてすべてバランスが取れている必要がある。従って、これらの競合する要因の間のバランスを提供するエアロゾル透過要素を提供することが有利であることになる。
【0005】
エアロゾル発生物品のフィルター部品を製造する一つの周知の方法は、例えばフィルター材料(例えばセルロースアセテート)の連続的なロッドを、移動するラッピングペーパーの帯の上で引っ張ることを伴い、このラッピングペーパーはロッドの周りに閉じられて糊付けされる。次に、巻かれた連続的なロッドは、ある長さまたはスティックに切断され、その後チッピングペーパーによってエアロゾル発生物品の残りの部分に接合されて、湿潤に対して必要な抵抗を提供する。ラッピングペーパーは概して、口の圧力に抵抗するために硬く、これは成形を困難にする。さらに、それはエアロゾルの味覚に影響を与える可能性があり、また糊付けプロセスは課題を呈しうる。
【0006】
エアロゾル発生物品のフィルター部品を製造する別の周知の方法は、硬いラッピングペーパーの代わりに積層されたポリ乳酸(PLA)シートの使用を伴う。PLAシートは、成形がより簡単であり、唾液および空気の伝達に抵抗し、かつ生分解性である。しかしながら、こうしたシートは依然としてラッピングペーパーと同じ不都合な点の一部を共有する。
【0007】
従って、エアロゾル透過要素を製造する代替的な方法、好ましくは周知のエアロゾル発生物品に伴う一つ以上の問題を少なくとも軽減する方法を提供することが有利であることになる。
【0008】
米国特許第4357379A号は、ロッドの形態の繊維質製品を開示している。
【0009】
米国特許第3189506A号は、たばこの喫煙およびその他の目的のためのフィルターとして有用なロッド様要素を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】米国特許第4357379号明細書
【文献】米国特許第3189506号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
その結果、本発明の第一の態様は、エアロゾル発生物品で使用するエアロゾル透過要素を提供し、エアロゾル透過要素は、主に直線状で軸方向に配向された繊維を含むスリーブによって囲まれたエアロゾル透過性コア押出成形品を含む。
【0012】
本発明によると、エアロゾル発生物品で使用するエアロゾル透過要素が提供されていて、エアロゾル透過要素は、主に直線状で軸方向に配向された繊維を含むスリーブによって囲まれたエアロゾル透過性の高分子コア押出成形品を含む。
【0013】
直線状で軸方向に配向された繊維および押出成形されたコアを有するスリーブを提供することは、前述の特性の間の有利な新しいバランスを提供することが分かっている。本明細書で使用される、直線状および軸方向に配向された繊維は、エアロゾル透過要素の軸方向(またはエアロゾル引き出し方向)に沿って互いに実質的に整列されている複数の繊維を指す。
【0014】
コアは高分子押出成形品を含んでもよく、これは発泡性であってもよく、またはそれに沿って特徴付けられた一つ以上の経路を有してもよく、または発泡性であってかつそれに沿って特徴付けられた一つ以上の経路を有してもよい。経路の少なくとも一つは、コア押出成形品内に特徴付けられうる。別の方法として、または追加的に、経路の少なくとも一つは、例えばスリーブと協働する、その外表面上のチャネルによって特徴付けられてもよい。少なくとも一つまたは各経路は、らせん状またはらせん形であってもよい。コアは、ポリ乳酸、アセテートまたはセルロース材料を含みうる。コアは、繊維の一つ以上の延伸クラスターを備えてもよく、これは延伸繊維を囲むラップ(例えば紙またはプラスチックラップ)を含みうる。
【0015】
コアは、例えばエアロゾル透過要素の軸方向長さの長さ1ミリメートル当たり0.3ミリメートル水柱(ゲージ圧)(mmWG)~10ミリメートル水柱(ゲージ圧)(mmWG)の引き出し抵抗、好ましくは0.5ミリメートル水柱(ゲージ圧)(mmWG)~5ミリメートル水柱(ゲージ圧)(mmWG)の引き出し抵抗を備えてもよい。ミリメートル水柱(ゲージ圧)(mmWG)は水柱ミリメートル(mmH2O)としても知られる。
【0016】
スリーブは、例えばセグメントの長軸方向の縁に沿って、例えば少なくとも長軸方向の縁に沿って、共に結合、固定、接続または接合されうる二つ以上の長軸方向のセグメントを備えうる。セグメントは、一体型スリーブを形成してもよく、例えば長軸方向のセグメントのトウ材料は共に結合されてもよく、または接合されてもよい。
【0017】
セグメントのうちの少なくとも二つまたはすべては、同一のトウから形成されてもよい。スリーブ、またはスリーブを形成するトウは、セルロースアセテートまたはポリ乳酸繊維を含んでもよい。スリーブ、またはスリーブを形成するトウは、ポリプロピレン、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸-co-ヒドロキシ吉草酸)(PHVB)、レーヨン、ビスコースまたは再生セルロース繊維を含んでもよい。スリーブを形成するトウは、3.0dpf~15.0dpfのフィラメント当たりデニール(dpf)を備えてもよく、また5.0dpf~10.0dpfであることが好ましい。スリーブを形成するトウは、Y字形状断面を備えてもよい。
【0018】
セグメント、またはセグメントを形成するトウは、可塑剤を含んでもよいが、必要ではない。別の方法として、長軸方向のセグメントは、ポリビニルアルコールまたはポリビニルアセテートなどの接着剤によって共に固定、接続、または接合されてもよい。コアは、いかなる可塑剤または接着剤も実質的に含まないことが好ましい。コアは、可塑剤または接着剤によってスリーブに固定、接続、または接合されてもよい。
【0019】
スリーブは、0.5ミリメートル~3ミリメートルの厚さ、例えば0.5ミリメートル~1.5ミリメートルの厚さ、または1ミリメートル~2ミリメートルの厚さ(例えば、壁厚さ)を備えてもよい。コアは、2ミリメートル~8ミリメートルであってもよく、例えばコアは2ミリメートル~8ミリメートルの直径を備えてもよい。コアは、4ミリメートル~6ミリメートルであってもよく、例えばコアは4ミリメートル~6ミリメートルの直径を備えてもよい。エアロゾル透過要素は3ミリメートル~9ミリメートルであってもよく、例えばエアロゾル透過要素は3ミリメートル~9ミリメートルの直径を備えてもよい。エアロゾル透過要素は5ミリメートル~7ミリメートルであってもよく、例えばエアロゾル透過要素は3ミリメートル~9ミリメートルの直径を備えてもよい。
【0020】
スリーブは、紙などのラッパーの中にさらに包まれうる。
【0021】
本発明の別の態様は、上述の通り、エアロゾル透過要素を備えるエアロゾル発生物品を提供する。
【0022】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生材料または感覚材料、例えばたばこを含んでもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生材料または感覚材料のロッドを備えてもよく、これはエアロゾル透過要素に接続、固定、または取り付けられてもよい。実施形態において、エアロゾル発生物品は、中にエアロゾル発生材料または感覚材料が受容されるさらなるスリーブを備える。さらなるスリーブは、例えばチッピングペーパーによって、エアロゾル透過要素に接続、固定、または取り付けられてもよい。
【0023】
本発明の別の態様は、エアロゾル発生物品で使用するエアロゾル透過要素を製造する方法を提供し、方法は、二つ以上の細片を、搬送経路を囲むセグメントに形成することと、セグメント間にエアロゾル透過性コア押出成形品を導入することと、コア押出成形品を囲むスリーブを形成するためにセグメントをまとめることとを含む。
【0024】
連続的または発泡性または高分子またはその任意の組み合わせでありうるコア押出成形品は、それに沿って特徴付けられた一つ以上の経路を有するセグメントの間に導入されうる。方法は、コア押出成形品を形成するために、コア材料を例えばコアダイを通して押出成形することを含みうる。方法は、コア押出成形品を、コアダイから、例えば直接的に、または冷却媒体または冷却浴を介してセグメント間に導入することを含みうる。方法は、冷却媒体または冷却浴を通して、押出成形されたコア材料を引き出すことを含みうる。押出成形されたコア材料は、例えばコアダイの下流に、またはコアダイと冷却媒体または冷却浴との間に実質的に円錐形状を形成するように、引き出されうる。別の方法として、方法は、コア押出成形品を予め形成されたコア押出成形品として供給することを含みうる。方法は、ロールなどの送達装置からコア押出成形品を供給することを含みうる。
【0025】
方法は、例えばスリーブを形成するために、セグメントをスリーブ形成体の中にまとめることを含みうる。方法は、例えばエアロゾル透過要素を形成するためにセグメントがまとめられる際にセグメントの間で、それらがその中に引き出されるように、または保持されるように、または拘束されるように、またはその任意の組み合わせになるように、スリーブ形成体の上流のセグメント間にエアロゾル透過性コア押出成形品を導入することを含みうる。方法は、セグメントを共に結合、固定、接続、または接合させることを含みうる。方法は、例えばスリーブ形成体内で熱または圧力、または熱と圧力を加えるなどによって、セグメントのトウ材料を共に結合させて一体型スリーブを形成することを含みうる。
【0026】
方法は、例えばトウ分離手段またはセパレータを使用して、トウを二つ以上の細片に分離することを含みうる。例えば、方法は、トウを一つ以上(例えば、一対または一組)のスリッティングローラーを通して、またはその間を通過させることを含みうる。追加的に、または別の方法として、方法は、ガイドの外側に、例えば相互に向かって、またはガイドの下流でありうるスリーブ形成体の中に(または相互に向かって、かつスリーブ形成体の中に)細片を通すことを含みうる。方法は、細片をガイドの外側に、かつスリーブ形成体の中に通し、これによってガイドとスリーブ形成体の間で、セグメントが実質的にまたは少なくとも部分的に管状もしくは部分的に円錐状(または部分的に管状かつ部分的に円錐状)であることを含みうる。方法は、セグメントを、例えばスリーブ形成体の中に、共に引き出すことを含みうる。
【0027】
方法は、例えばエアロゾル透過要素分離手段またはセパレータ(切断ステーションなど)を使用して、形成されたスリーブおよびコアを、複数のエアロゾル透過要素に分離または切断することを含みうる。
【0028】
本発明によると、上述の通りのエアロゾル透過要素を製造することと、エアロゾル透過要素をたばこなどの感覚媒体を含有するロッドと組み合わせることとを含む、エアロゾル発生物品を製造する方法が提供されている。
【0029】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生材料または感覚材料、例えばたばこを含んでもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生材料または感覚材料のロッドを備えてもよく、これはエアロゾル透過要素に接続、固定、または取り付けられてもよい。実施形態において、エアロゾル発生物品は、中にエアロゾル発生材料または感覚材料が受容されるさらなるスリーブを備える。さらなるスリーブは、エアロゾル透過要素に接続、固定、または取り付けられうる。
【0030】
本発明の別の態様は、エアロゾル発生物品のエアロゾル透過要素を製造するための装置を提供し、装置は、細片をトウから、搬送経路を囲むセグメントに形成するためのガイド手段またはガイドと、ガイド手段またはガイドによって形成されたセグメントの間にエアロゾル透過性コア押出成形品を導入するための送達手段または装置と、ガイド手段またはガイドによって形成されたセグメント、および送達手段または装置によってそれらの間に導入されたエアロゾル透過性コア押出成形品を受容するためのガイド手段またはガイドの下流のスリーブ形成手段またはスリーブ形成体とを備え、スリーブ形成手段またはスリーブ形成体は、セグメントをまとめて、エアロゾル透過性コア押出成形品を囲むスリーブを形成するように構成されている。
【0031】
コア送達手段は、複数のコアを形成するために、例えば連続的押出成形品を受容・切断するためのコア切断手段またはステーションを備えてもよい。
【0032】
一部の実施形態において、コア送達手段は、予め形成されたコア押出成形品の供給品(例えば、ロール)を含む。供給品は、例えば予め形成されたコア押出成形品をコア切断手段に供給するためのコア切断手段に動作可能に接続されうる。
【0033】
別の方法として、装置またはコア送達手段は、コア形成手段または形成体を備えうる。コア形成手段は、例えば押出成形品を形成するためのコア押出成形機を備えてもよく、これは連続的であってもよく、またはそれに沿って特徴付けられた一つ以上の経路を有してもよく、または連続的であってかつそれに沿って特徴付けられた一つ以上の経路を有してもよい。コア形成手段はコアダイを備えてもよく、これは一つのメス部分もしくは部品、または一つ以上のオス部分もしくは部品、またはメスとオスの部分もしくは部品を含みうる。メス部分または部品は、例えば押出成形品の外表面を形成するための外壁を備えうる。このオス部分または部品、もしくは各オス部分または部品は、メス部分内に懸架または固定されうるコアを備えうる。このオス部分または部品、もしくは各オス部分または部品は、押出成形品に沿った経路のうちの一つを形成するために構成されてもよく、または適切であってもよい。オス部分または部品は、例えばコア部材が押出成形物内にらせん状またはらせん形の経路を作り出すように、例えばメス部品内で回転可能であってもよい。
【0034】
コア形成手段は、その中に冷却媒体を備えるまたは包含する冷却浴などのコア冷却手段を備えてもよい。コア冷却手段は、コア押出成形機またはコアダイの下流、またはコア押出成形機とコアダイの両方の下流であってもよい。コア形成手段は、コア押出成形品を引き出すために、コア押出成形機もしくはコアダイもしくはコア冷却手段、またはそれらの任意の組み合わせの下流にありうるコア引き出し手段、機構または装置を備えうる。コア形成手段は、例えばコアダイの下流に、またはコアダイとコア冷却手段の間に、コア押出成形品が使用時に引き出されて、実質的に円錐形状を形成するように構成されうる。コア形成手段は、例えば経路の所定のつる巻角を作り出すために、コアが引き出される速度に対してオス部品の回転速度を変化させるように構成されうる、または動作可能でありうる。コア引き出し手段、機構または装置は引張装置を備えてもよく、これはコアを含むスリーブを引っ張るまたは引き出すためのモーターおよび搬送手段またはコンベヤーを備えうる。搬送手段は、一つ以上(一組または一対など)の引張ローラーを備えてもよい。コア切断手段は、コア押出成形機またはコアダイまたはコア引き出し手段、またはそれらの任意の組み合わせの下流であってもよい。
【0035】
スリーブ形成手段またはスリーブ形成体は形成漏斗を備えてもよく、この形成漏斗は、ガイドによって形成されたセグメント、または送達装置によって受容されたコア材料、またはガイドによって形成されたセグメントと送達装置によって受容されたコア材料との両方を受容・圧縮するためであってもよい。スリーブ形成手段またはスリーブ形成体は、例えば形成されたエアロゾル透過要素(複数可)を圧縮された状態に維持するために、例えば形成漏斗の下流に管状要素を備えてもよい。装置またはスリーブ形成手段は、完成した、例えば一体型の、エアロゾル透過要素の長さまたはロッドを引き出すための引き出し手段、機構、または装置を備えてもよい。引き出し手段または機構は引張装置を備えてもよく、この引張装置は、スリーブ形成手段もしくはスリーブ形成体を通して、またはこれの外に、完成した、例えば一体型の、エアロゾル透過要素の長さまたはロッドを引っ張る、または引き出すためのモーターおよび搬送手段もしくはコンベヤーを備えてもよい。搬送手段は、一つ以上(一組または一対など)の引張ローラーを備えてもよい。
【0036】
装置は、例えばトウを二つ以上の細片に分離するためのトウ分離手段またはセパレータを備えてもよい。トウ分離手段は、一つ以上(例えば、一対または一組)のスリッティングローラーを備えてもよい。
【0037】
装置は、エアロゾル透過要素分離手段またはセパレータを備えてもよい。装置または分離手段は、例えば形成されたスリーブおよびコアを複数のエアロゾル透過要素に切断するための切断手段または切断ステーションを備えてもよい。切断手段またはステーションは、スリーブ形成手段、または引き出し手段、またはスリーブ形成手段と引き出し手段の両方の下流であってもよい。切断手段は、一連のエアロゾル透過要素を形成するために、スリーブ形成手段を出るスリーブまたはコア、またはスリーブとコアの両方を分離するため、切断するため、または切るためのものであってもよい。
【0038】
誤解を避けるために、本明細書に記載の特徴のうちの任意の特徴は、本発明の任意の態様に等しく適用される。例えば、エアロゾル発生物品は、エアロゾル透過要素または一連のエアロゾル透過要素の任意の一つ以上の特徴を含んでもよく、またはその逆であってもよい。方法は、エアロゾル透過要素、一連のエアロゾル透過要素またはエアロゾル発生物品の一つ以上の特徴に関連する任意の一つ以上の特徴または工程を含んでもよい。
【0039】
他の特徴と組み合わせて、特定の実施形態は、前述の方法の一つ以上の工程を実施するためにプロセッサに手順を実行させるためのコンピュータ可読プログラムコード手段を含むコンピュータプログラム要素を備えてもよい。
【0040】
他の特徴と組み合わせて、特定の実施形態は、コンピュータ可読媒体上に具体化されたコンピュータプログラム要素を備えてもよい。
【0041】
他の特徴と組み合わせて、特定の実施形態は、コンピュータ可読媒体に保存されたプログラムを有するコンピュータ可読媒体を備えてもよく、ここでプログラムは、前述の方法の一つ以上の工程を実施するための手順をコンピュータに実行させるように配設されている。
【0042】
他の特徴と組み合わせて、特定の実施形態は、前述のコンピュータプログラム要素またはコンピュータ可読媒体を含む、制御手段、または制御システム、またはコントローラを備えてもよい。
【0043】
本明細書で使用されるすべての科学的および技術的な用語は、別途指定のない限り、当業界で一般的に使用される意味を有する。本明細書で提供されている定義は、本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするために提供されている。
【0044】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、例えば加熱、燃焼、または化学反応によって、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。
【0045】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体を説明するために使用される。本発明によるエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体から発生したエアロゾルは、可視であってもよく、または不可視であってもよく、またベイパー(蒸気)(例えば、室温では通常、液体または固体である物質の、気体状態の微粒子)、ならびに気体および凝縮されたベイパーの液滴を含んでもよい。
【0046】
本明細書で使用される「シート」という用語は、その厚さより大きい幅および長さを有する層状の要素を意味する。
【0047】
本明細書で使用される「エアロゾル透過要素」という用語は、エアロゾルが要素を部分的または完全に透過することを可能にする要素を記述するために使用される。典型的に、エアロゾル透過要素は、フィルター、スペーサー、または冷却要素であるが、これに限定されない。エアロゾル透過要素は、機能の組み合わせを有してもよい。
【0048】
本明細書で使用される「スリーブ」という用語は、部分的または全体的なカバーを記述するために使用される。理想的には、エアロゾル透過要素のコアの長軸方向の外表面を部分的に覆う。本明細書で使用される「コア」という用語は、エアロゾル透過要素のスリーブによって少なくとも部分的に覆われたエアロゾル透過要素の内側部分を記述するために使用される。
【0049】
「上流」および「下流」という用語は、エアロゾル発生物品の本体を通して遠位の先端の端からマウスピース端に引き出される際の吸入気流の方向に関して記述される、エアロゾル発生物品の要素の相対的な位置を指す。言い換えれば、本明細書で使用される「下流」は、喫煙物品またはエアロゾル発生物品の使用中に気流に関連して定義され、物品のマウスピース端は、空気およびエアロゾルが通って引き出される下流端である。マウスピース端の反対側の端は上流端である。
【0050】
「好ましい」および「好ましくは」という語は特定の状況下で、特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。しかしながら、同一の状況下または他の状況下で、他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。その上、一つ以上の好ましい実施形態の列挙は、その他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲からその他の実施形態を除外することを意図しない。
【0051】
本明細書の説明および特許請求の範囲全体を通して、「備える」および「含む」およびそれらの変形は、「含むが、それに限定されない」を意味し、その他の部分、添加物、構成要素、整数または工程を除外することを意図しない(および除外しない)ことを意味する。本明細書の説明および特許請求の範囲全体を通して、単数形は複数形を包含するが、そうでないことを文脈が要求する場合はその限りではない。特に、不定冠詞が使用される場合、本明細書は、複数ならびに単数を企図するとして理解されるべきであるが、そうでないことを文脈が要求する場合はその限りではない。
【0052】
本出願の範囲内で、先行の段落、請求項、説明および図面、ならびに特に、その個別の特徴において提示された様々な態様、実施形態、実施例、代替物は、個別にまたは任意の組み合わせで用いられうることが明示的に意図されている。すなわち、こうした特徴が不適合でない限り、すべての実施形態または任意の実施形態の特徴を任意のやり方で組み合わせることができる。疑義を避けるために、本明細書で使用される「ありうる」、「および/または」、「例」、「例えば」および任意の類似の用語は本明細書で使用される場合、そのように記述された任意の特徴が具体的に提示される必要はないという非限定的な用語として解釈されるべきである。実際、随意の特徴の任意の組み合わせは、本発明の範囲から逸脱することなく、これの特徴が明示的に特許請求されるかどうかにかかわらず、明示的に想定される。出願人は、適宜に任意の元の出願された請求項を変更する、または任意の新しい請求項を出願する権利を留保し、この権利には、本来はその様態で特許請求していなかったものの、任意のその他の請求項の任意の特徴に従属するまたはこれを組み込むために、または特徴を本記述に組み込むために、任意の元の出願された請求項を修正する権利を含む。
【0053】
ここで、例証としてのみであるが、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1図1は、本発明の実施形態によるエアロゾル透過要素の斜視図である。
図2図2は、図1のエアロゾル透過要素の横断面図である。
図3図3は、エアロゾル透過要素の長軸方向軸に沿った図1および図2のエアロゾル透過要素の断面図である。
図4図4は、本発明の別の実施形態によるエアロゾル透過要素の断面図である。
図5図5は、本発明の一実施形態によるフィルター製造装置の概略図である。
図6図6は、二つの細片に形成される際のトウの概略図である。
図7図7は、図5の装置のコアダイを通した断面図である。
図8図8は、本発明の別の実施形態によるフィルター製造装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
ここで図1図3を参照すると、本発明の一実施形態によるエアロゾル透過要素1が示されていて、これはエアロゾル発生物品(輪郭線で示す)用のフィルター部品1である。この実施形態のフィルター部品1は、直線状で軸方向に配向された繊維のスリーブ3によって囲まれた押出成形高分子フィルター材料のエアロゾル透過性コア2を含む。コア2は、その中に特徴付けられた複数の経路21を有し、これらはその軸方向長さに沿って延びる。コア2は、この実施形態においてポリ乳酸(PLA)材料から形成されていて、5ミリメートルの直径Dを有する。この実施形態において、スリーブ3は1ミリメートルの壁厚さWを有する。
【0056】
図4は、図1図3のものと類似したフィルター部品1’を示し、ここで類似の参照番号は同様の特徴を描写する。この実施形態によるフィルター部品1’は、複数のチャネル22がコア2’の外表面に沿って特徴付けられているという点で、図1図3のものと異なる。チャネル22は、スリーブ3の内表面とともに、コア2’の長さに沿ったさらなる経路23を画定する。
【0057】
図5図7は、図1図4によるフィルター部品1、1’を製造するための装置10を示す。図5に図示する通り、長いトウ4はセパレータ5を通して供給され、これはトウ4を二つの細片4a、4bに分離し、これはその後ガイド6の外側でスリーブ形成体7の中に供給される。同時に、コア形成装置8はエアロゾル透過性コア押出成形品80を形成し、これはガイド6を通して搬送経路に沿って供給され、ガイド6の外側を通ってスリーブ形成体7の中に入る際に細片4aと細片4bの間に導入される。スリーブ形成体7は、細片4a、4bおよびコア押出部80をまとめて、細片4a、4bをコア押出成形品80の周りに共に接合して、フィルターロッド9を形成する。
【0058】
この実施形態において、トウ4は、その長さに沿って長軸方向に整列されたポリ乳酸(PLA)繊維で形成されている。トウセパレータ5は、使用時に、速度R1で装置10の搬送方向に回転するように構成された、一対の向かい合った逆回転する分離ローラー5a、5bを含む。分離ローラー5a、5bは、協働するカッターまたはブレード(図示せず)を有し、これはトウ4がそれらの間を通過する際にトウ4を細長く切って、細片4a、4bを作る。
【0059】
ガイド6はまた、トウセパレータ5の下流にあり、一対の向かい合った、離間した部分的に円錐状および管状であるガイド部材61a、61bを含む。上方ガイド部材61aはコア押出成形品80の搬送経路の上方にあり、下方ガイド部材61bは搬送経路の下方にある。ガイド部材61a、61bは共に、それらの間に垂直方向の間隙で、搬送経路を部分的に囲む。ガイド部材61a、61bの各々は、スリーブ形成体7に向かって内向きに先細りしている。ガイド部材61a、61bの下流端は、スリーブ形成体7から離間している。この実施形態の装置10はまた、細片がガイド部材61a、61bとスリーブ形成体7の間を通過する際に、可塑剤を細片4a、4bに塗布する可塑剤噴霧器40を含む。
【0060】
スリーブ形成体7は、第一の円錐状セグメントまたは形成漏斗71と、円錐状セグメント71の下流にある第二の管状要素72とを有する。円錐状セグメント71は、搬送方向に沿って管状要素72の直径に内向きに先細りしている。この実施形態においてスリーブ形成体7は加熱され、これによってトウ4の細片4a、4cはコア押出成形品80とともにスリーブ形成体7を通して搬送される際に、加熱と圧縮の両方によって一緒に結合される。装置10はまた、引き出し機構(図示せず)を含み、これは完成したフィルターロッド9をスリーブ形成体7の管状要素72を通して、かつ管状要素72から引き出すために引き出し力Fを提供する。装置10はまた、フィルターロッド9をフィルター部品1、1’に切断するために、スリーブ形成体7の下流にある一体型の切断ステーション(図示せず)を含みうる。別の方法として、フィルターロッド9は、さらなる加工のために別の装置の中に供給されてもよい。
【0061】
コア形成装置8は、原材料(この実施形態においてポリ乳酸(PLA)樹脂)を押出成形機81に供給するためのホッパー81aを有する押出成形機81を含む。押出成形機81は、コアダイ82を通してコア材料を押し出し、コア材料はそこからコア引き出し機構84を使用して冷却ユニット83を通して引き出される。コア引き出し機構84の下流で、押出成形されたコア80が整列ローラー85a、85bによって搬送経路に供給される。
【0062】
図7でより明瞭に示される通り、押出成形機81の下流端は、コアダイ82につながる流路81bを含む。コアダイ82は、オス部品86と、押出成形品の外表面を画定する外壁87aによって特徴付けられたメス部分87とを有する。オス部品86は、支持要素(図示せず)によってメス部品87内に支持されていて、かつ押出成形品内に経路を作り出すための円形断面をそれぞれ有する複数のコア部材86aを有する。円形コア部材86aは共に、コア押出成形品80に沿って経路21を形成するように、星型パターンを画定する。コアダイ82は、そこから溶融材料を受容するためのコア押出成形機81の出口に取り付けられている。随意に、オス部品86は、コア部材86aが押出成形品内にらせん状またはらせん形の経路を作り出すように、メス部品87内で回転しうる。経路のつる巻角は、押出成形品の引き出し速度に対するオス部品86の回転速度によって制御されうる。
【0063】
コアダイ82の下流は冷却ユニット83であり、これはその中に、冷却媒体(この実施形態においては水)を有するタンク83aを含む。押出成形された材料は、引き出し機構84によって押出成形機81からタンク73aの中に、水面より下の最終ダイ83bを通して引き出される。最終ダイ83bは、押出成形されたコア80の直径と実質的に同一である、かつコアダイ82のメス部品87の直径よりも実質的に小さい内径を有する管状である。そのため、押出成形された材料は、コアダイ82から冷却タンク83aの入口に通過する際に、円錐状押出成形品80aを形成する。
【0064】
コア形成装置8はまた、押出成形されたコア80の表面上の任意の残りの水を除去する、冷却タンク83aの下流にある乾燥リング88を含む。引き出し機構84は、乾燥リング88の下流であり、押出成形されたコアが冷却ユニット83および乾燥リング88を通過した後に、押出成形されたコア80を受容するように配設された、一対の向かい合った逆回転する引張ローラー84a、84bを含む。引張ローラー84a、84bは押出成形されたコア80をそれらの間に受容し、押出成形されたコア80を冷却ユニット83を通して引き出し、整列ローラー85a、85bを介して搬送経路に搬送する。
【0065】
第一の整列ローラー85aは搬送経路の外部にある一方、第二の整列ローラー85bはガイド部材61aとガイド部材61bの間の搬送経路内にある。押出成形されたコア80は、コア形成装置8から、整列ローラー85a、85bを介して、トウセパレータ5とガイド6の間の搬送経路に供給される。押出成形されたコア80は次に、トウセパレータ5の下流にある細片4aと細片4bの間のスリーブ形成体7の形成漏斗71に入る。図5に図示する通り、整列ローラー85a、85bの回転軸は、分離ローラー5a、5bに対してある角度にあり、細片4aと細片4bの間の垂直方向の間隙を通るコア押出成形品80の横断方向の供給を可能にする。この実施形態において、整列ローラー85a、85bは非駆動である。
【0066】
使用時に、長いトウ4はトウセパレータ5に供給され、ここでローラー5aとローラー5bの間を通過し、二つの細片4a、4bに分割される。細片4a、4bは搬送経路から分離され、第一の細片4aは上方ガイド部材61aの外側を通り、第二の細片4bは下方ガイド部材61bの外側を通る。細片4a、4cは、それぞれのガイド部材61a、61bの外側を通る際に延伸し、かつそれらガイド部材の輪郭に適合する。ガイド部材61a、61bは、細片4a、4b内に張力を作り出し、かつそれら細片をスリーブ形成体7に向かって誘導する。ガイド部材61a、61bは、コア押出成形品80の搬送経路を部分的に囲む部分的に円錐状の管状セグメントの中に細片4a、4cを変形および延伸する。可塑剤噴霧器40は、そのように形成された細片がスリーブ形成体7に入る前に、そのように形成された細片4a、4bに可塑剤を塗布する。
【0067】
同時に、コア押出成形品80を形成するための原材料は、ホッパー81aから押出成形機81を通して供給される。押出成形されたコア材料80aは、引き出し機構84によって冷却ユニット83を通って引き出され、これはコア材料を冷却し、固めてコア押出成形品80にする。コア押出成形品80はまた、最終ダイ83bを通して引き出され、これはその直径が正しいことを確実にする。コア押出成形品80は、引き出し機構84の引張ローラー84a、84bによって引き出され、整列ローラー85a、85bを介してスリーブ形成体7に供給される。
【0068】
細片4a、4bの長軸方向の縁領域は、スリーブ形成体7に入る際に重なる。このように、細片4a、4cがスリーブ形成体7を通過する際に、長いフィルターロッド9を形成するためにコア押出成形品80を囲むスリーブを特徴付けるように、重なり合う領域は加熱および圧縮を使用して共に結合される。可塑剤の塗布は、細片4a、4cの結合を容易にするだけでなく、コア押出成形品80が細片4a、4cと接触する際にそれらに接着させるようにもする。引き出し機構(図示せず)は力Fをかけて、複数のフィルター部品1、1’に加工または切断するために、または複数のフィルター部品1、1’に加工および切断するために、完成したフィルターロッド9を管状要素72を通して、かつ管状要素72の端の外に引き出す。細片4a、4bが同一のトウ4から形成される際に、この装置10を使用して作製されたエアロゾル透過要素1、1’のスリーブ3は、同一の材料から形成されている。これは完成したフィルター要素1、1’の変形の可能性を低減する。
【0069】
ここで図8を参照すると、図1図4によるエアロゾル透過要素1、1’を製造するための代替的な装置100が示されている。この実施形態による装置100は、図5の装置と類似していて、同様の参照番号は同様の特徴を描写し、本明細書ではさらに説明されない。この実施形態による装置100は、コア押出成形品80が、平行して製造される代わりに予め形成されたロール108から供給されるという点で、図5の装置と異なる。
【0070】
よって、この実施形態において、コア形成装置8は、エアロゾル透過要素製造装置100とは完全に別である。この配設は一部の状況において有利でありうる。例えば、異なるフィルターロッド9(例えば、異なる特性を有するコア2またはスリーブ3、または異なる特性を有するコアとスリーブの両方を有する)の複数の短い実行が必要な場合、これらは単にロール108を交換することによって製造できる。
【0071】
フィルター部品1、1’のパラメータが、一つ以上の加工パラメータを変更することによって変化される場合があることは、当業者によって理解されるであろう。例えば、スリーブ3の厚さは、細片4a、4bが伸張される程度を変更することによって、例えば分離ローラー4a、4bの速度R1とフィルターロッド9が引き出される速度との間の差を変えることによって、増大または減少されうる。さらに、 フィルター部品1、1’のそれぞれにおける経路21、23のサイズおよび密度は、フィルター部品1のための適切な引き出し抵抗を提供するように選択されうる。これは、フィルター部品1の軸方向長さのミリメートル当たり0.5ミリメートル水柱(ゲージ圧)(mmWG)~2ミリメートル水柱(ゲージ圧)(mmWG)であることが好ましい。
【0072】
このように、本発明は、その特徴を広範囲にわたって変化させられるエアロゾル透過要素1を製造する様々な手段を提供する。
【0073】
前述の実施形態の幾つかの変形が本発明の範囲から逸脱することなく想定されることは当業者によって理解されるであろう。例えば、スリーブ3を形成するために使用される細片4a、4bの数は、合計で三つ以上であってもよい。スリーブを形成するために使用される細片(複数可)4a、4bは、それらの特性を変化させるためにさらなる中間加工、例えば化学的加工を受けてもよい。さらに、細片4a、4bは、熱および圧力を使用して共に結合されると記載されているが、そうである必要はない。細片は接着剤を使用して一緒に固定されてもよい。同様に、細片4a、4bは、それらに塗布される可塑剤を含む必要はない。その他の変形も想定され、当業者によって理解されるであろう。
【0074】
また、前述の特徴または添付図面に示された特徴の任意の数の組み合わせは、先行技術よりも優れた明確な利点を提供し、従って本明細書に記載の本発明の範囲内であることも当業者によって理解されるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8