(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】配向生分解性ポリウレタン
(51)【国際特許分類】
C08J 5/18 20060101AFI20240313BHJP
C08G 18/42 20060101ALI20240313BHJP
C08G 63/06 20060101ALI20240313BHJP
B32B 27/40 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
C08J5/18 CFF
C08G18/42
C08G63/06
B32B27/40
(21)【出願番号】P 2021531418
(86)(22)【出願日】2018-12-21
(86)【国際出願番号】 AU2018051389
(87)【国際公開番号】W WO2020124120
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-12-17
(73)【特許権者】
【識別番号】520221671
【氏名又は名称】ポリノボ バイオマテリアルズ ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ムーア,ティモシー グレーム
【審査官】福井 弘子
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-292561(JP,A)
【文献】特表2007-530101(JP,A)
【文献】特開平09-208652(JP,A)
【文献】特開2012-062370(JP,A)
【文献】特開2001-081152(JP,A)
【文献】特表2010-540731(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 5/00-5/02
C08J 5/12-5/22
B32B 1/00-43/00
C08G 18/00-18/87
C08G 71/00-71/04
C08G 63/00-64/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生分解性熱可塑性ポリウレタンの押出し延伸物のフィルムである配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルムであって、
前記フィルムが二軸配向されており、
前記ポリウレタンが1種以上のポリオールと1種以上のイソシアネートと1種以上の
生分解性鎖延長剤とから誘導され、
前記1種以上の
生分解性鎖延長剤が式(1)又は式(2)
【化1】
(式中、R
1、R
2、及びR
3は、独立して、任意選択的に置換されたC
1~20アルキレン及び任意選択的に置換されたC
2~20アルケニレンから選択される)
により表される、配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項2】
前記ポリウレタンが1種以上の脂肪族ポリエステルポリオールから誘導される、請求項1に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項3】
前記ポリウレタンが45℃~190℃の融点を有する、請求項1
又は2に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項4】
前記ポリウレタンが、200,000ダルトンまでの数平均分子量(M
w)を有する、請求項1~
3のいずれか一項に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項5】
前記ポリウレタンが、2,000~200,000ダルトンの数平均分子量(M
w)を有する、請求項1~
4のいずれか一項に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項6】
前記ポリウレタンが、1.0~4.0の多分散度(M
w/M
n)を有する、請求項1~
5のいずれか一項に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項7】
前記ポリオールが、約200~約2,000ダルトンの分子量を有する、請求項1~
6のいずれか一項に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項8】
前記ポリオールが、約10,000ダルトン以下の分子量を有する、請求項1~
7のいずれか一項に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項9】
前記ポリオールが、500ダルトン未満の分子量を有する、請求項1~
8のいずれか一項に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項10】
前記ポリエステルポリオールが、1種以上のジオール開始剤と、1種以上のヒドロキシ酸、二酸、又は環状エステル、及びそれらの組合せと、から誘導される、請求項2~
9のいずれか一項に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項11】
前記1種以上のジオール開始剤が、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサメチレンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール(EHD)、2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオール(TMPD)、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項
10に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項12】
前記二酸が、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、及びヘキサデカン二酸、並びにそれらの組合せからなる群から選択される、請求項
10又は
11に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項13】
前記ヒドロキシ酸が、l-乳酸、d-乳酸、d,l-乳酸、マンデル酸、フェニル乳酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、又はグリコール酸、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項
10~
12のいずれか一項に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項14】
前記環状エステルが、ε-カプロラクトン、グリコリド、ラクチド、マンデリド、及びρ-ジオキサノン、並びにそれらの組合せからなる群から選択される、請求項
10~
13のいずれか一項に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項15】
前記ポリウレタンが、in vivo条件下で加水分解的非分解性の1種以上の脂肪族ポリオール鎖延長剤をさらに含む、請求項1~
14のいずれか一項に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項16】
前記脂肪族ポリオール鎖延長剤がそれらの骨格中にエステル官能基を含有しない、請求項
15に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項17】
前記1種以上の脂肪族ポリオール鎖延長剤が、30個までの炭素原子を有するアルカンジオール、たとえば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサメチレンジオール、ヘプタンジオール、ノナンジオール、ドデカンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール(EHD)、2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオール(TMPD)、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びそれらの混合物である、請求項
15又は
16に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項18】
前記イソシアネートが、4,4’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(HMDI)、1,6-ヘキサンジイソシアネート(HDI)、1,4-ブタンジイソシアネート(BDI)、L-リシンジイソシアネート(LDI)、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、エチル-L-リシンジイソシアネート(ELDI)、メチル-L-リシンジイソシアネート(MLDI)、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~
17のいずれか一項に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項19】
式(1)及び(2)のR
1、R
2、及びR
3が、独立して、任意選択的に置換されたC
1~6アルキレン及び任意選択的に置換されたC
2~6アルケニレンから選択される、請求項1~
18のいずれか一項に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項20】
式(1)又は式(2)の
生分解性鎖延長剤が、ヒドロキシ-酢酸3-ヒドロキシ-プロピルエステル、6-ヒドロキシ-ヘキサン酸2-ヒドロキシエチルエステル、6-ヒドロキシ-ヘキサン酸4-ヒドロキシブチルエステル、エチレングリコールコハク酸ジエステルジオール、及びエチレングリコールフマル酸ジエステルジオール、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~
19のいずれか一項に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項21】
前記ポリウレタンがハードセグメントとソフトセグメントとを含み、且つ前記ポリウレタンのハードセグメント含有率(%HS)が、2~100wt.%の範囲である、請求項1~
20のいずれか一項に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項22】
前記ポリウレタンがハードセグメントとソフトセグメントとを含み、且つ前記ポリウレタンのソフトセグメント含有率(%SS)が少なくとも25%である、請求項1~
21のいずれか一項に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項23】
前記非分解性の長さのハードセグメントが、100~10,000ダルトンの範囲の重量平均分子量を有する、請求項
15に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項24】
前記フィルムが、60MPa超の極限引張り強度を有する、請求項1~
23のいずれか一項に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項25】
前記フィルムが、150MPa超の極限引張り強度を有する、請求項1~
22のいずれか一項に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項26】
前記フィルムが応力の印加に対して実質的に寸法不安定である、請求項1~
25のいずれか一項に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項27】
前記フィルムが非弾性である、請求項1~
25のいずれか一項に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項28】
前記フィルムがアニールされている、請求項1~
27のいずれか一項に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項29】
前記フィルムが応力の印加に対して寸法安定又は実質的に寸法安定である、請求項
28に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項30】
前記フィルムが弾性である、請求項
28又は請求項
29に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルム。
【請求項31】
請求項1~
30のいずれか一項に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルムを含む物品。
【請求項32】
請求項1~
30のいずれか一項に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルムを含む医療デバイス。
【請求項33】
請求項1~
30のいずれか一項に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルムを含む医療インプラント。
【請求項34】
請求項1~
30のいずれか一項に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルムを含む少なくとも1層を含むラミネートであるラミネート。
【請求項35】
請求項1~
30のいずれか一項に記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルムの製造方法であって、
生分解性ポリウレタンを押し出す工程と、前記押し出されたポリウレタンを2方向以上に同時延伸する工程と、を含む、配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルムの製造方法。
【請求項36】
配向フィルムをアニールすることをさらに含む、請求項
35に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
[0001] 本開示は、配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルムに関する。フィルムは、生分解性ポリウレタンフィルムを延伸することにより作製可能である。フィルムは、高い引張り強度を有し、デバイス、とくに医療デバイスの作製に利用されうる。
【背景技術】
【0002】
背景
[0002] 近年、生分解性ポリウレタンは、人体に植え込まれうる特定デバイスである医療デバイスの作製での使用が増加の一途を辿ってきた。
【0003】
[0003] 生分解性ポリウレタンは、in vivo分解物の生体適合性を含めて生体適合性になるように設計されうる。
【0004】
[0004] 生分解性ポリウレタンは、ポリエステルポリオールと、脂肪族ジイソシアネートと、エチレングリコールや1,4-ブタンジオールなどのジオール鎖延長剤と、を用いて処方されうる。ポリエステルポリオールは、ポリマーの「ソフト」セグメントを形成し、一方、ジイソシアネート及び鎖延長剤は、一緒になって「ハード」セグメントを形成する。ハードセグメントは、水素結合により秩序ドメインを提供し、ポリマーに高い機械的強度を付与する。ポリエステルポリオールは、ソフトドメインを提供し、ポリマーに弾性を付与する。ポリカプロラクトン、ポリグリコリド、ポリラクチドなどのポリエステルポリオールは、生分解性ポリウレタンで最も広く使用されるポリオールである。
【0005】
[0005] これらのポリマーの生分解は、主に、ポリマー中のエステル結合及びウレタン結合の加水分解に起因して起こる。かかるポリウレタンでは、ソフトセグメントは、ハードセグメントよりも有意に速く分解する。これは、主に、ポリエステルポリオールに由来する比較的容易に加水分解可能なエステル結合の存在と、ソフトセグメントの典型的にはアモルファスな性質と、による。生分解性ポリウレタンのハードセグメントは、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)やブタンジイソシアネート(BDI)などのジイソシアネートから形成される。鎖延長剤及びジイソシアネートは、反応してポリウレタンのハードセグメントのウレタン結合を形成する。ハードセグメントのウレタン結合もまた、加水分解により分解するが、エステル結合よりも有意に遅い速度である。かかるポリウレタンは、低分子量産物に分解して体内の老廃物処理経路の1つを介して生体再吸収又は放出のどちらかで処理される。
【0006】
[0006] エチレングリコールや1,4-ブタンジオールなどの従来の鎖延長剤の使用は、ウレタン官能基を含むハードセグメントを有するポリウレタンをもたらす。エステル結合と比較してこれらの結合の相対的に低い分解速度に起因して、ポリマー分解は、主に、ハードセグメントを含有するオリゴマーをもたらしうる。ポリウレタンのある特定の用途では、とくに、より高いパーセントのハードセグメント(より長いハードセグメント長)を用いて処方されるとき、これは主要な懸念事項となる。それゆえ、ハードセグメントもまた、身体からの迅速放出のために低分子量化合物に分解することが望ましい。
【0007】
[0007] これは、たとえば、国際公開第2007/033418号では、骨格中に加水分解性エステル基を有する生分解性鎖延長剤を利用することにより対処されている。これは、ソフトセグメント及びハードセグメントが両方ともin vivo条件下で分解可能でありうるポリウレタンを提供する。
【0008】
[0008] ポリウレタンは、医療デバイスの作製に薄いフィルムの形態で使用されうるとともに、かかるフィルムの強度は、デバイス性能の重要な因子でありうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
[0009] したがって、高強度とはいえin vivo条件下で生分解可能でもあるポリウレタンフィルムを提供することが望ましいであろう。本開示は、この必要性に対処する。
【0010】
[00010] いずれの先行刊行物(若しくはそれから導かれる情報)又はいずれの既知の事項への本明細書での参照も、先行刊行物(若しくはそれから導かれる情報)又は既知の事項が本明細書の関係する努力傾注分野の共通一般知識の一部を形成することの承認とも容認ともいずれの形態の提言ともみなされるものではなく、そのようにみなされるべきでもない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
概要
[00011] 一態様では、本開示は、配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルムを提供する。前記フィルムは、生分解性熱可塑性ポリウレタンの押出し延伸物である。
【0012】
[00012] いくつかの実施形態では、配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルムは、二軸配向である。
【0013】
[00013] 配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルムは、1種以上のポリオールと、1種以上のジイソシアネートと、1種以上の鎖延長剤と、から誘導されるポリウレタンを含みうる。
【0014】
[00014] いくつかの好ましい実施形態では、ポリウレタンは、1種以上のポリエステルポリオールから誘導される。
【0015】
[00015] 鎖延長剤は、生分解性又は非分解性でありうる。好ましくは、鎖延長剤は、生分解性鎖延長剤を含む。
【0016】
[00016] 本明細書で用いられる場合、「生分解性」という用語は、一般に、生きている生物/組織の正常機能で好ましくは無害、非毒性、又は生体適合性の物質に分解される能力を意味する。
【0017】
[00017] 有利には、本開示のポリウレタンフィルムは、高強度を有する。ポリウレタンフィルムの配向は、引張り強度を増加させる。配向ポリウレタンフィルムは、60MPa超、又は70MPa超、又は80MPa超、又は90MPa超、又は100MPa超の極限引張り強度を有しうる。いくつかの好ましい実施形態では、配向フィルムは、100MPa超の極限引張り強度を有する。他の好ましい実施形態では、配向ポリウレタンフィルムは、150MPa超又は200MPa超の極限引張り強度を有しうる。極限引張り強度は、300MPa超又は400MPa超でありうる。
【0018】
[00018] フィルムの配向は、破断点伸びを低減する。
【0019】
[00019] フィルムの配向は、応力下にあるときに塑性変形から弾性変形への応力歪み性の変化をもたらしうる。これは、材料の永久変形が許容できない用途には有利である。
【0020】
[00020] 配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルムは、応力の印加に対して寸法不安定又は実質的に寸法不安定でありうる。応力には、物理的応力のほか、熱の印加又はin vivo若しくはin vitroのどちらかの湿潤環境への暴露も含まれる。これは、たとえば、シュリンクフィルムなどの用途に有利でありうる。
【0021】
[00021] 配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルムは、非弾性挙動を呈しうる。
【0022】
[00022] 他の一態様では、本開示は、本明細書に開示される生分解性ポリウレタンを押し出して、押し出されたポリウレタンを単一方向に延伸する工程を含む、配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルムの製造方法を提供する。
【0023】
[00023] 他の一態様では、本開示は、本明細書に開示される生分解性ポリウレタンを押し出して、押し出されたポリウレタンを2方向以上に同時に延伸する工程を含む、配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルムの製造方法を提供する。
【0024】
[00024] 任意選択的に、配向ポリウレタンフィルムは、延伸後にアニールされうる。アニーリングは、配向ポリウレタンに寸法安定性を提供しうる。
【0025】
[00025] ポリウレタンフィルムの配向は、フィルムの厚さを減少させる。配向ポリウレタンフィルムは、約20μm~約1000μm、又は約50μm~約500μm、又は約50μm~約400μmの厚さを有しうる。いくつかの実施形態では、<20μmの厚さのフィルムが想定される。
【0026】
[00026] 本開示は、アニールされた配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルムをさらに提供する。アニールされたフィルムは、応力の印加に対して寸法安定又は実質的に寸法安定でありうる。
【0027】
[00027] アニールされたフィルムは、弾性でありうる。
【0028】
[00028] 他の一態様では、本開示は、本明細書に開示される実施形態のいずれか一つに記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルムを含む物品を提供する。
【0029】
[00029] 他の一態様では、本開示は、本明細書に開示される実施形態のいずれか一つに記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルムを含む医療デバイスを提供する。
【0030】
[00030] 他の一態様では、本開示は、本明細書に開示される実施形態のいずれか一つに記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルムを含む医療インプラントを提供する。
【0031】
[00031] 他の一態様では、本開示は、ラミネートを提供した。前記ラミネートは、本明細書に開示される実施形態のいずれか一つに記載の配向生分解性熱可塑性ポリウレタンフィルムを含む少なくとも1層を含む。
【0032】
[00032] 少なくとも他の1層は、1種以上のポリマーを含みうる。少なくとも他の1層は、1種以上のポリウレタンを含みうる。1種以上のポリウレタンは、フォームでありうる。
【0033】
[00033] 他の一態様では、本開示は、本明細書に開示される実施形態の一つ以上に係る配向フィルムを含むシュリンクフィルムを提供する。
【0034】
[00034] 配向ポリウレタンフィルムの強度又は性質に影響を及ぼす他の因子としては、限定されるものではないが、以下のものが挙げられる。
・ 強度は、分子量と共に増加する。
・ 湿分は、分子量を低減可能であるので、強度は、湿分の存在下で処理される場合には減少する。
・ 湿分(材料の軟化は、多くの場合、水に浸漬されたときに見られ、これは、典型的には、伸びの増加及び弾性率の減少及び極限引張り強度の減少及び熱転移の減少をもたらしうる)。これは、吸水がガラス転移を試験温度未満に低下させる場合、剛性(弾性率)の大きな変化をもたらしうる。
・ ゲルの存在は、引張り試験で材料の早期破壊をもたらしうる。
・ ハードセグメント含有率については、一般に、ハードセグメントの割合が高くなるほど、強度が高くなる。
・ ガラス転移の位置は、弾性率に影響を及ぼしうるとともに、同一材料では、試験温度超のガラス転移は、試験温度未満のガラス転移よりも高い弾性率を示す。
【0035】
[00035] 鎖延長剤は、式(1)又は式(2)
【化1】
(式中、R
1、R
2、及びR
3は、独立して、任意選択的に置換されたC
1~20アルキレン及び任意選択的に置換されたC
2~20アルケニレンから選択される)
により表されうる。
【0036】
[00036] ポリウレタンは、200,000ダルトンまで、又は150,000ダルトンまで、又は100,000ダルトンまで、又は60,000ダルトンまで、又は40,000ダルトンまで、又は20,000ダルトンまでの数平均分子量(Mw)を有しうる。
【0037】
[00037] ポリウレタンは、2,000~200,000ダルトン、又は5,000~150,000ダルトン、又は10,000~100,000ダルトン、又は20,000~100,000ダルトン、又は2,000~60,000ダルトン、又は2,000~40,000ダルトン、又は2,000~20,000ダルトンの数平均分子量(Mw)を有しうる。
【0038】
[00038] ポリウレタンは、100,000ダルトンまで、又は75,000ダルトンまで、又は50,000ダルトンまで、又は30,000ダルトンまで、又は20,000ダルトンまで、又は10,000ダルトンまでの数平均分子量(Mn)を有しうる。好ましくは、ポリウレタンの数平均分子量は、50,000~100,000ダルトンである。
【0039】
[00039] ポリウレタンは、1.0~4.0、又は1.0~3.5、又は1.5~3.0の多分散度(Mw/Mn)を有しうる。好ましくは、多分散度は1.0~2.0である。
【0040】
ポリオール
[00040] ポリオールは、約200~約2,000ダルトン、又は約200~約1,500ダルトン、又は約200~約1,300ダルトン分子量を有しうる。
【0041】
[00041] ポリオールは、約10,000ダルトン以下、又は約8,000ダルトン以下、又は約6,000ダルトン以下、又は約4,000ダルトン以下、又は約2,000ダルトン以下、又は約1,500ダルトン以下、又は約1,000ダルトン以下、又は約800ダルトン以下、又は約600ダルトン以下、約500ダルトン以下、又は約400ダルトン以下、又は約350ダルトン以下、又は約300ダルトン以下の分子量を有しうる。
【0042】
[00042] ポリオールは、500ダルトン未満、又は400ダルトン未満又は、350ダルトン未満、又は300ダルトン未満の分子量を有しうる。
【0043】
[00043] ポリオールは、20℃且つ大気圧で液状状態でありうる。代替的に、ポリオールは、20℃且つ大気圧で固形状態でありうる。
【0044】
[00044] ポリオールは、1種以上のジオール開始剤と、1種以上のヒドロキシ酸、二酸、又は環状エステル、及びそれらの組合せと、から誘導されうる。
【0045】
[00045] 一実施形態では、ポリオールは、1種以上のジオール開始剤と少なくとも1種のヒドロキシ酸とから誘導されうる。
【0046】
[00046] 一実施形態では、ポリオールは、1種以上のジオール開始剤と少なくとも1種の二酸とから誘導されうる。
【0047】
[00047] 一実施形態では、ポリオールは、1種以上のジオール開始剤と少なくとも1種の環状エステルとから誘導されうる。
【0048】
[00048] 一実施形態では、ポリオールは、1種以上のジオール開始剤と、少なくとも1種のヒドロキシ酸と、少なくとも1種の二酸と、から誘導されうる。
【0049】
[00049] 一実施形態では、ポリオールは、1種以上のジオール開始剤と、少なくとも1種のヒドロキシ酸と、少なくとも1種の環状エステルと、から誘導されうる。
【0050】
[00050] 一実施形態では、ポリオールは、1種以上のジオール開始剤と、少なくとも1種の二酸と、少なくとも1種の環状エステルと、から誘導されうる。
【0051】
[00051] 一実施形態では、ポリオールは、1種以上のジオール開始剤と、少なくとも1種のヒドロキシル酸と、少なくとも1種の二酸と、少なくとも1種の環状エステルと、から誘導されうる。
【0052】
[00052] 1種以上のジオール開始剤の非限定的例としては、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサメチレンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール(EHD)、2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオール(TMPD)、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びそれらの組合せが挙げられる。二酸の非限定的例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、及びヘキサデカン二酸、並びにそれらの組合せが挙げられる。ヒドロキシ酸の非限定的例としては、l-乳酸、d-乳酸、d,l-乳酸、マンデル酸、フェニル乳酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、又はグリコール酸、及びそれらの組合せが挙げられる。環状エステルの非限定的例としては、ε-カプロラクトン、グリコリド、ラクチド、マンデリド、及びρ-ジオキサノン、並びにそれらの組合せが挙げられる。ポリオールは、開環重合反応若しくは縮合反応により又は開環重合反応と縮合反応との両方により調製されうる。
【0053】
鎖延長剤
[00053] いくつかの実施形態では、式(1)及び(2)のR1、R2、及びR3は、独立して、任意選択的に置換されたC1~6アルキレン及び任意選択的に置換されたC2~6アルケニレンから選択される。
【0054】
[00054] 「任意選択的に置換された」という用語は、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ハロ、ハロC1~6アルキル、ハロC2~6アルケニル、ハロC2~6アルキニル、ヒドロキシ、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニルオキシ、ハロC1~6アルコキシ、ハロアルケニルオキシ、ニトロ、ニトロC1~6アルキル、ニトロC2~6アルケニル、ニトロC-6アルキニル、ニトロヘテロシクリル、アミノ、C1~6アルキルアミノ、C1~6ジアルキルアミノ、C2~6アルケニルアミノ、C2~6アルキニルアミノ、アシル、アルケニルアシル、アルキニルアシル、アシルアミノ、ジアシルアミノ、アシルオキシ、C1~6アルキルスルホニルオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ハロヘテロシクリル、C1~6アルキルスルフェニル、カルボアルコキシ、メルカプト、C1~6アルキルチオ、アシルチオ、リン含有基などから選択される1個以上の基で置換されていてもいなくてもよい基を意味する。好ましい任意選択的置換基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、及びフェニルである。
【0055】
[00055] 式(1)又は式(2)の鎖延長剤は、好ましくは、ヒドロキシ-酢酸3-ヒドロキシ-プロピルエステル、6-ヒドロキシ-ヘキサン酸2-ヒドロキシエチルエステル、6-ヒドロキシ-ヘキサン酸4-ヒドロキシブチルエステル、エチレングリコールコハク酸ジエステルジオール、及びエチレングリコールフマル酸ジエステルジオール、並びにそれらの混合物である。
【0056】
[00056] 式(1)又は式(2)の鎖延長剤は、1種以上のジオールと、1種以上のヒドロキシ酸及び/又は環状エステルと、から調製されうる。
【0057】
[00057] 1種以上のジオールの非限定的例としては、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサメチレンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール(EHD)、2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオール(TMPD)、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びそれらの組合せが挙げられる。ヒドロキシ酸の非限定的例としては、l-乳酸、d-乳酸、d,l-乳酸、マンデル酸、フェニル乳酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、又はグリコール酸、及びそれらの組合せが挙げられる。環状エステルの非限定的例としては、ε-カプロラクトン、グリコリド、ラクチド、マンデリド、及びρ-ジオキサノン、並びにそれらの組合せが挙げられる。
【0058】
[00058] ポリウレタンは、in vivo条件下で加水分解的非分解性の1種以上の脂肪族ポリオール鎖延長剤をさらに含みうる。たとえば、ポリウレタンは、骨格中にエステル官能基を含有しない1種以上のジオール鎖延長剤をさらに含みうる。好ましくは、非分解性鎖延長剤は、30個までの炭素原子を有するアルカンジオール、たとえば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサメチレンジオール、ヘプタンジオール、ノナンジオール、ドデカンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール(EHD)、2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオール(TMPD)、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びそれらの混合物である。
【0059】
ジイソシアネート
[00059] 脂肪族ジイソシアネートは、好ましくは、4,4’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(HMDI)、1,6-ヘキサンジイソシアネート(HDI)、1,4-ブタンジイソシアネート(BDI)、L-リシンジイソシアネート(LDI)、エチル-L-リシンジイソシアネート(ELDI)、メチル-L-リシンジイソシアネート(MLDI)、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、他の類似のジイソシアネート、及びそれらの混合物である。
【0060】
[00060] 脂肪族イソシアネート(たとえばエチルリシンジイソシアネート(ELDI))からの分解物は、芳香族ジイソシアネートからの分解物よりも生体適合性であると一般に考えられる。それゆえ、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)やELDIなどのイソシアネートは、とくに好適でありうる。イソホロンジイソシアネート(IPDI)もまた、使用されうる。イソシアネートの組合せが使用されうるとともに、いくつかの場合には好ましいこともあり、たとえば、ガラス転移は、HDIとIPDIとの組合せにより調整可能である。トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,4-ブタンジイソシアネート、メチル-リシンジイソシアネート(MLDI)、及びはポリウレタン合成に通常使用される他のイソシアネートもまた、好適でありうる。
【0061】
ポリウレタン分解
[00061] ポリウレタンは、ハードセグメントとソフトセグメントとを含有しうる。ハードセグメントとソフトセグメントとの比は、ポリウレタンの融点に影響を及ぼす。
【0062】
[00062] ポリウレタンのハードセグメント含有率(%HS)(すなわち、式(1)又は式(2)の鎖延長剤とイソシアネートとから誘導される成分の合計含有率を重量パーセントにより表したもの)は、2~100wt.%、又は5~80wt%、又は10~70wt%の範囲内でありうる。
【0063】
[00063] ポリウレタンのソフトセグメント含有率(%SS)(すなわち、ポリエステルポリオールから誘導される成分の重量パーセント)は、5~98%の範囲内でありうるとともに、いくつかの実施形態では少なくとも25%又は少なくとも40%である。
【0064】
[00064] いくつかの実施形態では、ポリウレタンは、ハードセグメントとソフトセグメントとを含み、ポリウレタンのハードセグメント含有率(%HS)は、60%未満、好ましくは30~60%である。
【0065】
[00065] ポリウレタン中の式(1)又は式(2)の鎖延長剤の量は、ハードセグメント中の非分解性連続ウレタン長を変動せるように変動させうる。たとえば、非分解性の長さのハードセグメントは、100~10,000ダルトン、又は200~5,000ダルトン、又は400~2,000ダルトン、又は200~700ダルトン、又は320~700ダルトンの間の重量平均分子量でありうる。
【0066】
[00066] ポリウレタンは、in vivoで分解可能でありうる。ポリウレタンは、35~42℃の温度で分解可能でありうる。
【0067】
[00067] ポリウレタンは、ポリウレタンの数平均分子量(Mn)が1年間以下の期間で10%~90%減少するようにASTM F1635の条件下で分解しうる。
【0068】
[00068] 代替的に、ポリウレタンの数平均分子量(Mn)は、11ヵ月間以下、又は10ヶ月間以下、9ヶ月間以下、又は8ヶ月間以下、又は7ヶ月間以下、6ヵ月間以下、又は5ヵ月間以下、又は4ヵ月間以下、3ヵ月間以下、又は2ヵ月間以下、又は1ヶ月間以下の期間で10%~90%減少しうる。
【0069】
[00069] ASTM F1635の条件下の分解速度は、ポリウレタンの成分の性質及び比を変動させることにより制御されうる。それゆえ、ポリウレタンは、特定の期間内に分解するように設計されうる。これは、たとえば、ポリウレタンの機能的態様がもはや必要とされないときに、特定の期間で部分的に、完全に、又は実質的に完全に分解可能な材料を提供するのに有利である。
【0070】
融点
[00070] ポリウレタンの融点は、60℃~190℃でありうる。融点は、60℃~180℃、又は60℃~170℃、又は60℃~160℃、又は60℃~150℃、又は60℃~140℃、又は60℃~130℃、又は60℃~120℃、又は60℃~110℃、又は60℃~100℃、又は60℃~100℃、又は60℃~90℃、又は60℃~80℃、又は60℃~70℃でありうる。
【0071】
[00071] 明確な融解転移が存在する場合、融点は、示差走査熱量測定により決定されうる。動的機械的熱分析などの当業者に公知の他の技術もまた、利用されうる。
【0072】
[00072] 本開示のさらなる特徴及び利点は、以下の図面及び詳細な説明を参照することにより理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0073】
図面の簡単な説明
【
図1】[00073]本開示に係らない比較ポリウレタンのDSCを示す。
【
図2】[00074]本開示に係らない比較ポリウレタンの応力歪み曲線を示す。
【
図3】[00075]本開示の一実施形態に係るポリウレタンの応力歪み曲線を示す。
【
図4】[00076]本開示の一実施形態に係るポリウレタンの応力歪み曲線を示す。
【
図5】[00077]本開示に係らない比較ポリウレタンの応力歪み曲線を示す。
【
図6】[00078]本開示の一実施形態に係るポリウレタンの応力歪み曲線を示す。
【
図7】[00079]本開示の一実施形態に係るポリウレタンの応力歪み曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0074】
好ましい実施形態の説明
[00080] 下記は、本開示を実施する際に当業者の助けとなるように提供される本開示の詳細な説明である。当業者であれば、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく本明細書に記載の実施形態に修正及び変更を加えうる。
【0075】
[00081] 本明細書に記載のものと類似の又は等価な方法及び材料はいずれも、本開示の実施又は試験にも使用可能であるが、好ましい方法及び材料を次に記載する。
【0076】
[00082] 本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられる場合、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、とくに明記されていない限り、複数形の参照を含むことにも留意しなければならない。そのため、たとえば、「鎖延長剤」への参照は、2種以上の鎖延長剤及びその他を含みうる。
【0077】
[00083] 本明細書全体を通して、「comprises(~を含む)」若しくは「comprising(~を含む)」という用語又はそれらの文法的変化形の使用は、明記された特徴、整数、工程、又は成分の存在を特定するとみなされるものとするが、特定的に挙げられていない1つ以上の他の特徴、整数、工程、成分、又はそれらのグループの存在又は追加を妨げるものではない。
【0078】
[00084] とくに定義がない限り、本明細書で用いられる科学技術用語はすべて、本開示の属する技術分野の当業者が通常理解している意味を有する。
【0079】
[00085] とくに明記されていない限り又は文脈から明らかでない限り、本明細書で用いられる場合、「約」という用語は、当技術分野の正常許容範囲内、たとえば、平均値の2標準偏差以内として理解される。「約」は、明記された値の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、又は0.01%以内として理解可能である。とくに文脈から明らかでない限り、本明細書及び特許請求の範囲に提供される数値はすべて、「約」という用語により修飾可能である。
【0080】
[00086] 本明細書に提供される範囲は、その範囲内の値のすべてに対する省略表現であると理解される。たとえば、1~50の範囲は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50からなる群からのいずれかの数、数の組合せ、又は部分範囲を含むと理解される。
【0081】
[00087] 本明細書に開示されるポリウレタンフィルムの1つ以上の実施形態の調製に使用される主な成分及び特徴は、以下のセクションで詳細に考察される。
【0082】
特定の実施形態
[00088] 一実施形態では、本開示は、ポリウレタンが、
ヒドロキシ-酢酸3-ヒドロキシ-プロピルエステル、6-ヒドロキシ-ヘキサン酸2-ヒドロキシエチルエステル、6-ヒドロキシ-ヘキサン酸4-ヒドロキシブチルエステル、エチレングリコールコハク酸ジエステルジオール、及びエチレングリコールフマル酸ジエステルジオールから選択され1種以上の鎖延長剤と、
1種以上の脂肪族ポリエステルポリオールと、
1種以上の脂肪族ジイソシアネートと、
から誘導され、
ポリウレタンが、60℃~190℃の融点を有し、且つ
ポリウレタンが、ポリウレタンの数平均分子量(Mn)が1年間以下の期間で10%~90%減少するようにASTM F1635の条件下で分解する、
配向ポリウレタンフィルムを提供する。
【0083】
[00089] 一実施形態では、本開示は、ポリウレタンが、
ヒドロキシ-酢酸3-ヒドロキシ-プロピルエステル、6-ヒドロキシ-ヘキサン酸2-ヒドロキシエチルエステル、6-ヒドロキシ-ヘキサン酸4-ヒドロキシブチルエステル、エチレングリコールコハク酸ジエステルジオール、及びエチレングリコールフマル酸ジエステルジオールから選択される1種以上の鎖延長剤と、
1種以上の脂肪族ポリエステルポリオールと、
4,4’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(HMDI)、1,6-ヘキサンジイソシアネート(HDI)、1,4-ブタンジイソシアネート(BDI)、L-リシンジイソシアネート(LDI)、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートから選択される1種以上の脂肪族ジイソシアネートと、
から誘導され、
ポリウレタンが、60℃~190℃の融点を有し、且つ
ポリウレタンが、ポリウレタンの数平均分子量(Mn)が1年間以下の期間で10%~90%減少するようにASTM F1635の条件下で分解する、
配向ポリウレタンフィルムを提供する。
【0084】
[00090] 一実施形態では、本開示は、ポリウレタンが、
ヒドロキシ-酢酸3-ヒドロキシ-プロピルエステル、6-ヒドロキシ-ヘキサン酸2-ヒドロキシエチルエステル、6-ヒドロキシ-ヘキサン酸4-ヒドロキシブチルエステル、エチレングリコールコハク酸ジエステルジオール、及びエチレングリコールフマル酸ジエステルジオールから選択され1種以上の鎖延長剤と、
1種以上のジオール開始剤と少なくとも1種のヒドロキシ酸及び/又は環状エステルとから誘導される1種以上の脂肪族ポリエステルポリオールと、
4,4’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(HMDI)、1,6-ヘキサンジイソシアネート(HDI)、1,4-ブタンジイソシアネート(BDI)、L-リシンジイソシアネート(LDI)、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートから選択される1種以上の脂肪族ジイソシアネートと、
から誘導され、
ポリウレタンが、60℃~190℃の融点を有し、且つ
ポリウレタンが、ポリウレタンの数平均分子量(Mn)が1年間以下の期間で10%~90%減少するようにASTM F1635の条件下で分解する、
配向ポリウレタンフィルムを提供する。
【0085】
[00091] 一実施形態では、本開示は、ポリウレタンが、
ヒドロキシ-酢酸3-ヒドロキシ-プロピルエステル、6-ヒドロキシ-ヘキサン酸2-ヒドロキシエチルエステル、6-ヒドロキシ-ヘキサン酸4-ヒドロキシブチルエステル、エチレングリコールコハク酸ジエステルジオール、及びエチレングリコールフマル酸ジエステルジオールから選択され1種以上の鎖延長剤と、
1種以上のジオール開始剤と、少なくとも1種のヒドロキシ酸、二酸、若しくは環状エステル、又はそれらの組合せと、から誘導される1種以上の脂肪族ポリエステルポリオールであって、1種以上のジオール開始剤が、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサメチレンジオール、ヘプタンジオール、ノナンジオール、ドデカンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール(EHD)、2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオール(TMPD)、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びそれらの組合せから選択され、且つ少なくとも1種のヒドロキシ酸が、l-乳酸、d-乳酸、d,l-乳酸、マンデル酸、フェニル乳酸、吉草酸、又はグリコール酸から選択され、1種以上の二酸が、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、及びヘキサデカン二酸から選択され、そして環状エステルが、ε-カプロラクトン、グリコリド、ラクチド、マンデリド、及びρ-ジオキサノンから選択される、1種以上の脂肪族ポリエステルポリオールと、
4,4’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(HMDI)、1,6-ヘキサンジイソシアネート(HDI)、1,4-ブタンジイソシアネート(BDI)、L-リシンジイソシアネート(LDI)、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートから選択される1種以上の脂肪族ジイソシアネートと、
から誘導され、
ポリウレタンが、60℃~190℃の融点を有し、且つ
ポリウレタンが、ポリウレタンの数平均分子量(Mn)が1年間以下の期間で10%~90%減少するようにASTM F1635の条件下で分解する、
配向ポリウレタンフィルムを提供する。
【0086】
生体活性物質
[00092] 生体活性物質は、任意選択的にポリウレタンに添加されうる。生体活性物質は、配向前又は配向後にポリウレタンと共に処方されうる。
【0087】
[00093] 生体活性物質は、合成分子、生体分子、又は多分子エンティティーでありうるとともに、限定されるものではないが、酵素、有機触媒、リボザイム、有機金属、タンパク質、糖タンパク質、ペプチド、ポリアミノ酸、抗体、核酸、ステロイド系分子、抗生物質、銀、酸化銀、抗ウイルス剤、抗真菌剤、抗癌剤、鎮痛剤、抗拒絶反応剤、免疫抑制剤、サイトカイン、炭水化物、疎油剤、脂質、細胞外マトリックス及び/又はその個別成分、脱ミネラル化骨マトリックス、ヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、医薬、化学療法剤、並びに治療剤が挙げられる。細胞及び非細胞生物学的エンティティー、たとえば、ウイルス、ウイルスベクター、プリオンなどもまた、生体活性物質でありうる。生体活性物質は、ポリウレタンに化学結合されうる。
【0088】
[00094] ヒト又は動物における生物学的作用は、医学、治療、化粧、及び獣医学を目的とするものであり、薬剤、化粧医薬、栄養医薬、及び栄養剤をはじめとする医薬を包含する。生体活性化合物のいくつかは、これらのクラスの2つ以上に分類可能であることが分かるであろう。
【0089】
[00095] 広範にわたる生体活性物質が、本開示のポリウレタンに組み込まれうる。
【0090】
[00096] 例としては、限定されるものではないが、心血管薬剤、特定的には抗高血圧剤(たとえば、カルシウムチャネルブロッカー又はカルシウムアンタゴニスト)及び抗不整脈剤、鬱血性心不全医薬、変力剤、血管拡張剤、ACE阻害剤、利尿剤、炭酸アンヒドラーゼ阻害剤、強心配糖体、ホスホジエステラーゼ阻害剤、α-ブロッカー、β-ブロッカー、ナトリウムチャネルブロッカー、カリウムチャネルブロッカー、β-アドレナリン作動性アゴニスト、血小板阻害剤、アンギオテンシンアンタゴニスト、抗凝結剤、血栓溶解剤、出血治療剤、貧血治療剤、トロンビン阻害剤、抗寄生生物剤、抗細菌剤、インスリン、ヒト成長ホルモン及びペプチド、ワクチン、抗炎症剤、特定的には非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)、より特定的にはCOX-2阻害剤、ステロイド系抗炎症剤、予防抗炎症剤、抗緑内障剤、マスト細胞安定化剤、散瞳剤、呼吸系作用剤、アレルギー性鼻炎医薬、αアドレナリン作動性アゴニスト、コルチコステロイド、慢性閉塞性肺疾患医薬、キサンチンオキシダーゼ阻害剤、抗関節炎剤、痛風治療剤、オータコイド及びオータコイドアンタゴニスト、抗マイコバクテリア剤、抗真菌剤、抗原生動物剤、駆虫剤、抗ウイルス剤、とりわけ、呼吸器ウイルス、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、及び肝炎感染に対するもの、白血病及びカポジ肉腫の治療剤、疼痛管理剤、特定的にはオピオイド、麻酔剤、及び鎮痛剤、神経遮断剤、交感神経ミメティック医薬、アドレナリン作動性アゴニスト、ニューロトランスミッター取込み又は放出作用薬剤、抗コリン作動性医薬、抗痔核治療剤、放射線作用又は化学療法作用の予防剤又は治療剤、脂質生成薬剤、脂肪低減治療剤、抗肥満ペプチド、抗肥満剤、たとえばリパーゼ阻害剤、交感神経ミメティック剤、胃潰瘍及び炎症の治療剤、たとえばプロトンポンプ阻害剤、プロスタグランジン、VEGF阻害剤、抗高脂血症剤、特定的にはスタチン、中枢神経系(CNS)作用薬剤、たとえば、抗精神病薬剤、抗癲癇薬剤、抗発作薬剤(抗痙攣剤)、向精神薬剤、刺激剤、抗不安及び催眠薬剤、抗鬱薬剤、抗パーキンソン医薬、ホルモン及びその断片、たとえば性ホルモン、成長ホルモンアンタゴニスト、ゴナドトロピン放出ホルモン及びそのアナログ、ステロイドホルモン及びそのアンタゴニスト、選択的エストロゲンモジュレーター、成長因子、抗糖尿病医薬、たとえば、インスリン、インスリン断片、インスリンアナログ、グルカゴン様ペプチド、及び低血糖剤、H1、H2、H3及びH4抗ヒスタミン剤、ペプチド、タンパク質、ポリペプチド、核酸、及びオリゴヌクレオチド医薬、天然タンパク質、ポリペプチド、オリゴヌクレオチド、及び核酸のアナログ、断片、変異体などの化合物、片頭痛を治療するために使用される作用剤、喘息医薬、コリン作動性アンタゴニスト、グルココルチコイド、アンドロゲン、抗アンドロゲン剤、アドレノコルチコイド生合成阻害剤、骨粗鬆症治療剤、たとえばビホスホネート、抗甲状腺医薬、サイトカインアゴニスト、サイトカインアンタゴニスト、抗癌薬剤、抗アルツハイマー薬剤、HMGCoAレダクターゼ阻害剤、フィブレート、コレステロール吸収阻害剤、HDLコレステロール上昇剤、トリグリセリド低減剤、抗老化剤又は抗皺剤、ホルモン発生の前駆体分子、タンパク質、たとえば、コラーゲン及びエラスチン、抗細菌剤、抗座瘡剤、抗酸化剤、ヘアトリートメント剤及びスキンホワイトニング剤、サンスクリーン、サンプロテクタント、及びフィルター、ヒトアポリポタンパク質の変異体、ホルモン発生の前駆体分子、それらのタンパク質及びペプチド、アミノ酸、植物抽出物、たとえばブドウ種子抽出物、DHEA、イソフラボン、栄養剤、たとえば、ビタミン、フィトステロール及びイリドイドグリコシド、セスキテルペンラクトン、テルペン、フェノール系グリコシド、トリテルペン、ヒドロキノン誘導体、フェニルアルカノン、酸化防止剤、たとえば、レチノール及び他のレチノイド、たとえば、レチノイン酸及び補酵素Q10、ω3脂肪酸、グルコサミン、核酸、オリゴヌクレオチド、アンチセンス医薬、酵素、サイトカイン、サイトカインアナログ、サイトカインアゴニスト、サイトカインアンタゴニスト、イムノグロブリン、抗体、抗体医薬、遺伝子療法剤、リポタンパク質、エリトロポイエチン、ワクチン、ヒト及び動物の疾患、たとえば、アレルギー/喘息、関節炎、癌、糖尿病、成長障害、心血管疾患、炎症、免疫学的障害、禿頭症、疼痛、眼科疾患、癲癇、婦人科障害、CNS疾患、ウイルス感染、細菌感染、寄生虫感染、GI疾患、肥満、及び血液学的疾患の治療又は予防のための小分子及び大分子治療剤が挙げられる。
【0091】
[00097] 生体活性物質の薬学的、栄養医薬的、又は化粧医薬的に許容可能な誘導体は、本開示の範囲内に含まれるものと理解されるべきである。
【0092】
[00098] 「薬学的、栄養医薬的、又は化粧医薬的に許容可能な誘導体」という用語は、限定されるものではないが、必要とされる被験者(たとえば、患者、ヒト、又は動物)に投与されると本明細書に別途記載される生体活性物質を直接的又は間接的に提供可能な薬学的、栄養医薬的、又は化粧医薬的に許容可能な塩、エステル、かかるエステルの塩、エーテル、又はいずれかの他の誘導体、たとえば、プロドラッグ及び代謝物を含む。
【0093】
[00099] 本明細書で用いられる場合、「薬学的、栄養医薬的、又は化粧医薬的に許容可能な塩」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わないヒト及び下等動物の組織との接触に使用するのに好適であり、且つ合理的な便益/リスク比に見合う塩を意味する。
【0094】
[000100] 薬学的、栄養医薬的、又は化粧医薬的に許容可能な塩は、当技術分野で周知である。たとえば、S. M. Bergeらは、J. Pharmaceutical Sciences, 66:1-1 9, 1977に薬学的、栄養医薬的、又は化粧医薬的に許容可能な塩を詳細に記載している。
【0095】
[000101] 薬学的、栄養医薬的、又は化粧医薬的に許容可能な非毒性酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、過塩素酸などの無機酸を用いて、又は酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、マロン酸などの有機酸を用いて、又はイオン交換などの当技術分野で用いられる他の方法を用いることにより、形成されるアミノ基の塩である。
【0096】
[000102] 他の薬学的に許容可能な塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコビル酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、カンファー酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。
【0097】
[000103] 代表的なアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどを含む。さらなる薬学的に許容可能な塩は、適切な場合、非毒性アンモニウムカチオン、第4級アンモニウムカチオン、及びアミンカチオンを含み、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、カルボン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、低級アルキルスルホン酸イオン、アリールスルホン酸イオンなどのカウンターイオンを用いて形成される。
【0098】
[000104] 「薬学的、栄養医薬的、又は化粧医薬的に許容可能なエステル」という用語は、in vivoで加水分解されるエステルを意味するとともに、人体内で容易に分解してその親化合物又は塩を残すものを含む。好適なエステル基としては、たとえば、各アルキル部分又はアルケニル部分が有利には6個以下の炭素原子を有する薬学的、栄養医薬的、又は化粧医薬的に許容可能な脂肪族カルボン酸、とくに、アルカン酸、アルケン酸、シクロアルカン酸、及びアルカン二酸から誘導されるものが挙げられる。エステルの例としては、ホルメート、アセテート、プロピオネート、ブチレート、アクリレート、及びエチルスクシネートが挙げられる。
【0099】
[000105] 本明細書で用いられる「薬学的、栄養医薬的、又は化粧医薬的に許容可能なプロドラッグ」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴う被験者の組織との接触に使用するのに好適であり、合理的な便益/リスク比に見合い、且つその意図される使用に有効である、生物学的活性物質のプロドラッグ、さらには可能であれば生物学的活性物質の双性イオン形を含む。
【0100】
[000106] 「プロドラッグ」という用語は、たとえば血液中で加水分解により親化合物を生成するようにinvivoで迅速に変換される化合物を意味する。徹底的な考察は、T. Higuchi and V. Stella, Pro-drugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series及びEdward B. Roche, ed., Bioreversible Carriers in Drug Design, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987に提供される。
【0101】
分解
[000107] いくつかの実施形態では、ポリウレタンの数平均分子量(Mn)は、11ヵ月間以下、又は10ヶ月間以下、又は9ヶ月間以下、8ヶ月間以下、又は7ヶ月間以下、又は6ヵ月間以下、5ヵ月間以下、又は4ヵ月間以下、又は3ヵ月間以下、2ヵ月間以下、又は1ヶ月間以下の期間で20%~90%減少しうる。
【0102】
[000108] いくつかの実施形態では、ポリウレタンの数平均分子量(Mn)は、11ヵ月間以下、又は10ヶ月間以下、又は9ヶ月間以下、8ヶ月間以下、又は7ヶ月間以下、又は6ヵ月間以下、5ヵ月間以下、又は4ヵ月間以下、又は3ヵ月間以下、2ヵ月間以下、又は1ヶ月間以下の期間で30%~90%減少しうる。
【0103】
[000109] いくつかの実施形態では、ポリウレタンの数平均分子量(Mn)は、11ヵ月間以下、又は10ヶ月間以下、又は9ヶ月間以下、8ヶ月間以下、又は7ヶ月間以下、又は6ヵ月間以下、5ヵ月間以下、又は4ヵ月間以下、又は3ヵ月間以下、2ヵ月間以下、又は1ヶ月間以下の期間で40%~90%減少しうる。
【0104】
[000110] いくつかの実施形態では、ポリウレタンの数平均分子量(Mn)は、11ヵ月間以下、又は10ヶ月間以下、又は9ヶ月間以下、8ヶ月間以下、又は7ヶ月間以下、又は6ヵ月間以下、5ヵ月間以下、又は4ヵ月間以下、又は3ヵ月間以下、2ヵ月間以下、又は1ヶ月間以下の期間で50%~90%減少しうる。
【0105】
[000111] いくつかの実施形態では、ポリウレタンの数平均分子量(Mn)は、11ヵ月間以下、又は10ヶ月間以下、又は9ヶ月間以下、8ヶ月間以下、又は7ヶ月間以下、又は6ヵ月間以下、5ヵ月間以下、又は4ヵ月間以下、又は3ヵ月間以下、2ヵ月間以下、又は1ヶ月間以下の期間で60%~90%減少しうる。
【0106】
[000112] いくつかの実施形態では、ポリウレタンの数平均分子量(Mn)は、11ヵ月間以下、又は10ヶ月間以下、又は9ヶ月間以下、8ヶ月間以下、又は7ヶ月間以下、又は6ヵ月間以下、5ヵ月間以下、又は4ヵ月間以下、又は3ヵ月間以下、2ヵ月間以下、又は1ヶ月間以下の期間で70%~90%減少しうる。
【0107】
[000113] いくつかの実施形態では、ポリウレタンの数平均分子量(Mn)は、11ヵ月間以下、又は10ヶ月間以下、又は9ヶ月間以下、8ヶ月間以下、又は7ヶ月間以下、又は6ヵ月間以下、5ヵ月間以下、又は4ヵ月間以下、又は3ヵ月間以下、2ヵ月間以下、又は1ヶ月間以下の期間で80%~90%減少しうる。
【実施例】
【0108】
実施例
一般的事項
[000114] 分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により決定された。ポリウレタンの引張り性は、Instron機械的試験機(モデル5566)を用いて測定された。
【0109】
実施例1:ポリオールの合成
[000115] L-乳酸(LLA)とε-カプロラクトン(CL)と1,4-ブタンジオール(BDO)との縮合により、ポリオールを調製した。撹拌、窒素ガス放出、凝縮器、及び熱源を備えたガラス反応器内に、すべての成分を秤取した。130℃~210℃に温度を設定して、撹拌及び窒素フローを開始した。水は、反応の進行に伴って凝縮器によりベッセルから除去された。残留酸測定により示唆される終了まで反応を継続し、その時点でポリオールを冷却して使用のために貯蔵した。
【0110】
[000116] BDO開始剤と共に30:70のLLA:CL重量比を用いて、重量平均分子量400のポリオールを以上のように調製した。
【0111】
実施例2:BDO-CL鎖延長剤の合成(6-ヒドロキシ-ヘキサン酸4-ヒドロキシブチルエステル)
[000117] 1:5のモル比でε-カプロラクトン(CL)と1,4-ブタンジオール(BDO)との開環重合により、鎖延長剤を調製した。撹拌しながら窒素を用いて、130℃~210℃に温度を設定した。ガスクロマトグラフィー(GC)分析により示唆される終了まで反応を継続し、その時点で鎖延長剤を冷却して使用のために貯蔵した。
【0112】
実施例3:ポリウレタンの合成(42%ハードセグメント)
[000118] 窒素下で撹拌しながら、3kgの実施例1のポリオールとHDI(1.734kg)とを組み合わせた。加熱しながらBDO-CL(実施例2、63.5g)及び有機亜鉛触媒を添加してプレポリマーを完成し、イソシアネート含有率をアッセイした。次いで、BDO(407.6g)及びさらなる亜鉛触媒を用いて、これをさらに鎖延長した。次いで、撹拌混合物をPTFEライナー付きトレイに注加し、120℃のオーブン内で2時間硬化させた。次いで、硬化ポリウレタンを顆粒化した。
【0113】
実施例4:ポリウレタンの合成(52%ハードセグメント)
[000119] 窒素下で撹拌しながら、2.5kgの実施例1のポリオールとHDI(1.9865kg)とを組み合わせた。加熱しながらBDO-CL(実施例2、63.0g)及び有機亜鉛触媒を添加してプレポリマーを完成し、イソシアネート含有率をアッセイした。次いで、BDO(619.3g)及びさらなる亜鉛触媒を用いて、これをさらに鎖延長した。次いで、撹拌混合物をPTFEライナー付きトレイに注加し、120℃のオーブン内で2時間硬化させた。次いで、硬化ポリウレタンを顆粒化した。
【0114】
[000120] 実施例3及び4のポリウレタンは、それぞれ、下記詳細を有していた。
ポリオール400Mw[BDO開始剤-(LLA:CL、30:70)]、HDI、42%HS、2種の鎖延長剤使用:BDO及びBDO-CL(分解性鎖延長剤)。
ポリオール400Mw[BDO開始剤-(LLA:CL、30:70)]、HDI、52%HS、2種の鎖延長剤使用:BDO及びBDO-CL(分解性鎖延長剤)。
【0115】
実施例5:キャストフィルム(42%HS)
[000121] 押出し機及びチルロールを備えた小スケールのキャストフィルムライン上に乾燥顆粒状ポリウレタン(実施例3)を押し出して、235~420μmの厚さの連続フィルムを提供した。押出し時の温度は160~185℃であり、供給ゾーンではより低い温度であった。
【0116】
実施例6:延伸-機械方向配向(MDO)
[000122] 実施例5からのキャストフィルム(300μm厚さ)を連続延伸機(MDO)に通して、熱を加えて延伸した(40℃~90℃)。1:5.5までの延伸比を使用し、測定された残留延伸比は1:2.3~1:4であった。2方式で、すなわち、あらかじめ作製されたキャストフィルムのロールを用いて、さらには連続プロセスとしてキャストフィルムラインの即時アウトプットを連続延伸機に供給して逐次的に、延伸を行った。各条件に対して個別ロールにフィルムを捕集した。
【0117】
実施例7:延伸キャストフィルムの緩和
[000123] 延伸された材料(実施例6のもの)をアニールし(60~70℃)、緩和による収縮を測定した。延伸された材料はすべて、15cmの長さ(機械方向)から9.4~10.7cmの長さに収縮した(おおよそ1/3の長さの減少)。延伸されていない材料(キャストフィルム)は、まったく収縮しなかった。
【0118】
実施例8:キャストフィルム(非配向42%HSポリウレタンフィルム)の性質
[000124] 300μmの厚さに押し出された実施例5のポリマーを機械方向にカットして10mmの幅及び21cmの長さのストリップにし、50mmゲージ長、500mm/min、及びエクステンソメーターなしでファイバーグリップを用いてInstronモデル5566により引張り試験を行った。平均極限引張り応力は56.2MPaであり、破断点伸びは1208%であった。熱的性質は、DSC(Perkin-Elmer)により評価された。
図1は、42%HSポリウレタン(非延伸)のDSCを示す。
【0119】
実施例9:延伸キャストフィルム(配向42%HSポリウレタンフィルム)の性質
[000125] 300μm連続フィルムを室温で手で延伸して、110~140μmの厚さの配向試料を提供した。50mmゲージ長、500mm/min、及びエクステンソメーターなしでファイバーグリップを用いてInstronモデル5566によりストリップの引張り試験を行った。平均極限引張り応力は118.2MPaであり、破断点伸びは334%であった。
【0120】
[000126] 極限引張り応力は、配向材料ではかなり高かったが、破断点伸びは、より低かった(非配向材料と比較して)。
【0121】
実施例10:ポリマーフィルムの溶融プレス処理
[000127] 実施例3の顆粒状ポリマー(42%HS)を融点超に加熱して、Carverプレスにより10トンまでの圧力でガラス繊維強化PTFE間でプレスした。プレスされたポリマーを取り出して冷却した後、PTFEシートから取り出した。得られたポリマーシートは、典型的には約20cmの直径及び約100~200ミクロンの厚さであった。膜厚及び直径は、ポリマーの量、温度、及び圧力により変動しうる。
【0122】
実施例11:二軸配向フィルム
[000128] 実施例10の溶融プレスポリマー(42%HS)を実験室延伸機により熱を加えて2方向に同時延伸し(3:1、65℃)、60~80μmの厚さの二軸配向フィルムを提供した。10mmの幅、21cmの長さでストリップをカットし、50mmゲージ長、500mm/min、及びエクステンソメーターなしでファイバーグリップを用いてInstronモデル5566により引張り試験を行った。最大極限引張り応力は100.0MPaであり、破断点伸びは391%であった。延伸フィルムのピースをアニールしたところ、10cm×10cmから8.2cm×8.3cm(100~120μm)への収縮を示した。
【0123】
実施例12:非配向フィルムの引張り性
[000129] 実施例10から5mmの幅の試料を作製し、エクステンソメーターなしでファイバーグリップを用いて500mm/min及び50mmゲージ長でInstronモデル5566により試験した。降伏点応力(9.6MPa)、UTS(37.6MPa)、破断点伸び(998%)。
【0124】
[000130]
図2は、非配向材料の応力-歪み曲線を示す。おおよそ50%の伸びで降伏点が存在し、ここで材料は括れ、次いで、約200~250%伸びまで延伸され、次いで、応力が増加する。この挙動は、弾性材料ではなく塑性材料(冷間延伸)を示唆する。
【0125】
実施例13:配向ポリマーの例
[000131] 実施例10のポリマーの5mmストリップを手で延伸した。それは均一に延伸され、張力の解除後に延伸状態を残留した。500mm/min及び50mmのゲージ長でエクステンソメーターなしでファイバーグリップを用いてInstronモデル5566により延伸材料を試験した。降伏点は明らかではなく、UTS(125.4MPa)、伸び(219%)であった。
【0126】
[000132]
図3は、延伸後に大きく増加した引張り強度を例示する延伸材料の応力-歪み曲線及び弾性応力-歪み曲線を示す。
【0127】
実施例14:延伸ポリマーのアニール効果
[000133] 実施例10のポリマーの5mmストリップを作製して10cmインターバルでマークし、次いで手で延伸して再測定したところ、35cmのインターバルであった。それは均一に延伸され、張力の解除後に延伸状態を残留した。70℃のオーブン内にポリマーサンプルを配置して60秒間アニールし、そして再測定したところ、25cmのインターバルであった(10cm収縮)。エクステンソメーターなしで500mm/min及び50mmゲージ長でファイバーグリップを用いてInstronモデル5566により最終アニール材料を試験した。降伏点は明らかではなく、UTS(101.5MPa)、伸び(312%)であった。
【0128】
[000134]
図4は、延伸アニール材料の応力-歪み曲線の例を示す。この材料は、非配向材料よりも高い引張り強度を有し、且つ降伏点を示さないことから、弾性挙動を示唆することが分かる。
【0129】
実施例15:非延伸材料の永久変形
[000135] 実施例10のポリマーの5mmストリップを19.3mmのインターバルでマークし、次いでエクステンソメーターなしで500mm/min及び50mmゲージ長で且つ15MPaの引張り応力の停止条件でファイバーグリップを用いてInstronモデル5566により試験した。試料は、応力が15MPa(420%伸び)に達するまで伸び、次いで、試料が取り出されてインターバルが再測定された。インターバルは、48mmの長さ(2倍超の長さ)であると再測定され、伸びた状態で残留した。
【0130】
[000136]
図5は、15MPaの応力で停止する非配向材料の応力歪み曲線の例を示す。
【0131】
実施例16:配向材料の弾性
[000137] サンプル全体がドローダウンして一様になるまで、実施例10のポリマーの5mmストリップを降伏点を過ぎて手で延伸した。14.2mmインターバルをマークし、そしてエクステンソメーターなしで500mm/min及び50mmゲージ長で且つ15MPaの引張り応力の停止条件でファイバーグリップを用いてInstronモデル5566により試験した。試料は、応力が15MPa(32%伸び)に達するまで伸び、次いで、試料が取り出されてインターバルが再測定された。インターバルは、試験後に不変であると再測定された。
【0132】
[000138]
図6は、15MPaの応力で停止する延伸材料の応力-歪み曲線の例を示す。
【0133】
実施例17:配向アニール材料の弾性
[000139] サンプル全体がドローダウンして一様になるまで、実施例10のポリマーの5mmストリップを降伏点を過ぎて手で延伸し、次いで70℃で試料を1分間アニールし、次いで15.3mmインターバルをマークし、そしてエクステンソメーターなしで500mm/min及び50mmゲージ長で且つ15MPaの引張り応力の停止条件でファイバーグリップを用いてInstronモデル5566により試料を試験した。試料は、応力が15MPa(34%伸び)に達するまで伸び、次いで、試料が取り出されてインターバルが再測定された。インターバルは、試験後に不変であると再測定された。
【0134】
[000140]
図7は、15MPaの応力で停止する延伸アニール材料の応力-歪み曲線の例を示す。
【0135】
実施例18:52%HSの延伸
[000141] 実施例4のポリマーグラニュレートを190℃で3mmフィラメントに押し出して(ThermoElectron Prism)捕集した。10cmインターバルを測定し、次いで室温でフィラメントを手で延伸してインターバルを再測定したところ、21.8cmであった。初期厚さ及び最終厚さ(後延伸)は、それぞれ、3.07mm及び1.96mmであった。
【0136】
実施例19:アニーリングの影響
[000142] 実施例5のように作製されたキャストフィルムの2つのシートを各方向に2.4倍延伸し、65℃で60秒間アニールした。非アニール材料は、熱(水中約65℃)により長さ及び幅が20%収縮したが(各方向に10cmから8cmに)、アニールされた材料は、同一条件下で5%収縮したにすぎない(両方向に10.0cmから9.5cmに)。
【0137】
[000143] 本願全体を通して引用されたすべての参照文献及び公開特許及び特許出願の内容は、本願をもって参照により組み込まれる。開示された構造、材料、組成物、及び方法に変更を加えて本開示を実施しうることは、当業者であれば分かるであろう。また、かかる変更は、本開示の範囲内にあるとみなされる。
【0138】
[000144] 本明細書に記載の具体的な実施形態及び方法の多くの均等物は、当業者であれば、分かるか又はルーチンの実験の域を出ることなく確認できるであろう。かかる均等物は、以下の特許請求の範囲に包含されることが意図される。
【0139】
[000145] 詳述された実施例及び本明細書に記載の実施形態は、単に例示を目的として例として与えられているにすぎず、本開示に限定されるとなんらみなされるものではないと理解される。それらに照らして各種修正又は変更が当業者に示唆されるであろう。また、こうした修正又は変更は、本願の趣旨及び範囲内に含まれるとともに、添付の特許請求の範囲内にあるとみなされる。たとえば、所望の効果を最適化するように成分の相対量を変動させてもよく、追加成分を添加してもよく、及び/又は記載の成分の1つ以上を類似の成分で置き換えてもよい。本開示のシステム、方法、及びプロセスに関連する追加の有利な特徴及び機能は、添付の特許請求の範囲から明らかであろう。さらに、本明細書に記載の開示の具体的実施形態の多くの均等物は、当業者であれば、分かるか又はルーチンの実験の域を出ることなく確認できるであろう。かかる均等物は、以下の特許請求の範囲に包含されることが意図される。