(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】改良された車両への連結装置を有する自動二輪車用側部ケース
(51)【国際特許分類】
B62J 9/27 20200101AFI20240313BHJP
B62J 9/23 20200101ALI20240313BHJP
B62J 9/30 20200101ALI20240313BHJP
【FI】
B62J9/27
B62J9/23
B62J9/30
(21)【出願番号】P 2021532458
(86)(22)【出願日】2020-02-10
(86)【国際出願番号】 IB2020051009
(87)【国際公開番号】W WO2020165722
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2023-01-20
(31)【優先権主張番号】102019000002225
(32)【優先日】2019-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519154416
【氏名又は名称】ジビ エス ピー エイ
【氏名又は名称原語表記】GIVI S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100149249
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】ジュセッペ ヴィセンツィ
【審査官】中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-047164(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0104380(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0108729(US,A1)
【文献】特表2009-511355(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0043289(US,A1)
【文献】特表2010-509123(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 9/27
B62J 9/23
B62J 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動二輪車用の側面ケース(10)であって、車両のフレーム(50)への/からの前記ケース(10)の連結および解放を可能とするよう構成された連結/解放装置を備え、前記連結/解放装置は、前記フレーム50に対向するように意図されたケース(10)の表面から突出し、ループ(23a、24a)が下向きであり、前記車両のフレーム(50)上に形成された専用の連結座(100、200)と係合するように構成された少なくとも1対のフック(23、24)を備え、前記装置はさらに、実質的に水平方向に沿って移動可能であり、それぞれが、前記連結座(100、200)の下方の前記フレーム(50)に形成された専用溝(400、500)と一致するように、前記フック(23、24)のうちの一方と対応してその下方に選択的に配置されるように構成された一対のスライダ(25、26)を備え、前記スライダ(25、26)の各々は、少なくとも1つのラック部分(44、47)を備えるそれぞれの摺動式棒状要素(43、46)に接続され、摺動式棒状要素のうちの第1の棒状要素(43)は、ユーザによって作動させることができる係止/係止解除レバー(41)に動力学的に接続されており、前記係止/係止解除レバー(41)の作動は、前記第1の棒状要素(43)および相対するスライダ(25)の並進を引き起こし、2つのラック部分(44、47)は互いに対向することとなり、アイドル歯付きホイール(45)をそれらの間に介挿して、前記
係止/係止解除レバー(41)の作動により引き起こされた第1の棒状要素(43)の並進運動は、前記棒状要素(43、46)のうちの第2の棒状要素(46)および相対するスライダ(26)の反対方向への等しい並進を引き起こすことを特徴とする自動二輪車用の側面ケース(10)。
【請求項2】
前記スライダ(25、26)は、相互に近接しており、ケース(10)を車両のフレーム(50)に連結および解放することが可能な第1の解放位置と、相互に離間しており、前記フレーム(50)の下方に形成された溝(400、500)に一致し、前記フック(23、24)を前記連結座(100、200)内に挿入して、ケース(10)を車両のフレーム(50)に吊り下げられた状態に保持する第2の係止位置との間で移動可能であることを特徴とする、請求項1に記載の自動二輪車用の側面ケース(10)。
【請求項3】
前記係止/係止解除レバー(41)は、前記スライダ(25、26)が前記
第2の係止位置にある第1の閉位置と、前記スライダ(25、26)が前記
第1の解放位置にある第2の開位置との間で移動可能であることを特徴とする、請求項2に記載の自動二輪車用の側面ケース(10)。
【請求項4】
前記係止/係止解除レバー(41)は、ピン(42b)を介して前記第1の棒状要素(43)と係合するよう構成されたクランク(42a)に接続された回転軸(42)に組み付けられ、回転軸(42)の軸線周りの前記係止/係止解除レバー(41)の回転が、前記第1の棒状要素(43)の並進、したがって、前記第2の棒状要素(46)の反対方向への等しい並進を引き起こすことを特徴とする、請求項3に記載の自動二輪車用の側面ケース(10)。
【請求項5】
ユーザが前記係止/係止解除レバー(41)にアクセスすることを選択的に許可または防止するように構成された
ケース閉止手段(21、30、31)をさらに備えることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の自動二輪車用の側面ケース(10)。
【請求項6】
錠ブロック(20)をさらに備え、前記ケース閉止手段(21、30、31)は前記錠ブロック(20)に動作可能に接続されており、錠(20)を操作することにより、ケース閉止手段(21、30、31)を係止または係止解除することが可能であり、ユーザが前記係止/係止解除レバー(41)にアクセスすることを防止または許可することが可能であることを特徴とする、請求項5に記載の自動二輪車用の側面ケース(10)。
【請求項7】
前記ケース閉止手段(21、30、31)は、前記錠ブロック(20)に動作可能に接続された下側係止要素(30)、前記下側係止要素(30)に動作可能に接続された係止スライダ(31)、および、前記係止スライダ(31)と選択的に協働するように構成されたハンドル(21)を備えており、前記錠ブロック(20)を、前記下側係止要素(30)および前記係止スライダ(31)を介して操作することで、前記ハンドル(21)の開動が選択的に許可または防止され、これにより、前記係止/係止解除レバー(41)へのアクセスが許可または防止されることを特徴とする、請求項6に記載の自動二輪車用の側面ケース(10)。
【請求項8】
前記ケース閉止手段は、ケースの閉止および/または開動を可能にするケース閉止フック(22)をさらに備え、前記ケース閉止フック(22)は、前記下側係止要素(30)および前記係止スライダ(31)を介して前記錠ブロック(20)に動作可能に接続されており、鍵が開位置にある場合には、前記ケース閉止フック(22)および前記ハンドル(21)の両方がユーザによって動かすことができ、前記
係止/係止解除レバー(41)へのアクセスが可能となることを特徴とする、請求項7に記載の自動二輪車用の側面ケース(10)。
【請求項9】
ケースの下部領域に得られ、ケースが自動二輪車に連結された際に、車両フレーム(50)と一体の下部連結手段(300)を収容するよう構成されて
いる収容座(14)をさらに備えることを特徴とする、請求項1~8の何れか一項に記載の自動二輪車用の側面ケース(10)。
【請求項10】
自動二輪車用の側面ケース(10)用の連結システムであって、請求項1~9の何れか一項に記載のケース(10)と、車両の後端領域に、上向きの前記ケース(10)の前記フック(23、24)を収容するよう構成された連結座(100、200)を装備した車両フレーム(50)とを備え、前記車両フレーム(50)には、前記連結座(100、200)の底部に形成され、前記スライダ(25、26)と一致して、前記スライダ(25、26)が互いに離間した係止位置にある場合に、フレーム(50)に対するケース(10)の垂直方向の動きを、ひいてはフック(23、24)が対応する連結座(100、200)から外れることを阻止するよう構成された溝(400、500)がさらに設けられていることを特徴とする自動二輪車用の側面ケース(10)用の連結システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両フレームにケース自体を連結および解除するための改良された連結装置を備える、自動二輪車用の側部ケースまたはバッグに関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、自動二輪車フレームに対するバッグの単一かつ単純な垂直方向への移動により、ユーザが連結および解除操作を実行できるように適切に構成され、これによって、連結/解除操作がユーザにとってより簡単でより便利なものとなる自動二輪車用の側部ケースに関する。
【0003】
本発明はさらに、ユーザが容易に作動させることができる、改良された連結/解除および係止/係止解除システムを備え、かつ、偶発的または不正な開動に対して高度の安全性を有する自動二輪車用の側部ケースに関する。
【背景技術】
【0004】
荷物、ヘルメットまたは他の付属品を収容するのに適合した側面バッグまたはケース、特に車両フレームの後部領域で、自動二輪車フレームとの間で連結および解放することができる側面バッグまたはケースの使用は、自動二輪車の分野で公知である。
【0005】
さらに、特に自動二輪車用の側部ケースまたはバッグに関して、側部ケースは、自動二輪車のフレームに連結するために、連結/解除操作中に車両フレームに対してユーザがバッグを水平または斜めの並進運動させることを必要とするものが当業で公知である。
【0006】
ユーザがバッグをフレームに連結し、次いでバッグをフレームに対して水平または斜めに動かさなければならないという事実は、ユーザは不便である感じ、連結されるバッグがいっぱいであり、したがって重い場合には特に不快に感じられ、いずれにせよ、連結/解除操作の正しい結果を不確実にするほど複雑である。
【0007】
同様に、かかる動きは、バッグを解放する操作の場合には不便であると感じられる。
【0008】
従来技術によれば、適切な連結/解放手段によってバッグをフレームに連結した後に、かかる連結/解放手段を、安定した連結バッグ位置に係止しなければならない。同様に、バッグを解放できるようにするには、バッグをフレームから解放できる構成にする前に、連結/解放手段の係止を解除しなければならない。
【0009】
公知の実施形態では、バッグの車両フレームへの連結/解放および係止/係止解除のための単純かつ同時に信頼できる解決策を提供しておらず、また、一般に、バッグの連結および支持のために、全体として金属管状材料で作られた実際の支持フレームが自動二輪車上に存在することを必要とする。
【発明の概要】
【0010】
したがって、本発明の目的は、連結操作において、ユーザが、バッグ自体を支持フレームに「吊るす」ように、フレームに対するバッグの単純な垂直移動を実行することを可能とする、車両フレームにケース自体を連結および解放するための改良型の連結装置を備える自動二輪車用の側部ケースまたはバッグを提供することである。同様の概念が解除操作にも適用される。
【0011】
この目的の範囲内で、本発明は、ユーザにとって作動が容易で直感的であると同時に、強く、安全で、信頼性のある連結/解放装置を備える自動二輪車用の側部ケースを提供することを課題とする。
【0012】
また、本発明の課題は、支持フレームまたは専用の管状支持構造の存在に関係なく、バッグを自動二輪車フレームに直接連結することを可能にする連結/解放装置を備える自動二輪車用の側部ケースを提供することである。
【0013】
本発明によるこれらの課題は、請求項1に記載されているものによる、改良型の連結装置を備える自動二輪車用の側部ケースによって達成される。
【0014】
本発明による側部ケースの特徴および利点は、非限定的な例として提供される以下の詳細な説明から、概略的な添付図面を参照して、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明による側面バッグの連結/解除装置を収容するために座がフレームに設けられた自動二輪車の後部領域の側面図を示す。
【
図2】本発明による側部ケースの全体斜視図を示す。
【
図3】本発明による側部ケースを装備する連結/解放装置の主要構成要素の詳細図であり、閉じた装置構成で、したがってバッグが車両フレームにしっかりと連結された状態を示す。
【
図4】
図3と同じ図であり、装置が開いた構成、したがって、ケースが車両フレームから解放できる状態を示す。
【
図5】側部ケースを自動二輪車フレームに連結するステップの概略斜視図を示す。
【
図6】ケースと車両の連結状態を下から見た図であり、ケースのフックがフレームに設けられた収容座に挿入され、スライダが解放位置にある、すなわち、フレームからのケースの連結と解放を可能にする内側ストローク端位置で互いに近接している状態を示す。
【
図7】
図6と同じ下から見た図であり、ケースのフックがフレームに設けられた収容座に挿入され、スライダが係止位置にある、すなわち、前記スライダが、フック収容座の下の前記フレームに設けられた対応する当接溝に係合する外側ストローク端位置、すなわち、フレームからのケースの解放を可能にしない位置で互いに離れた状態を示す。
【
図8A】閉じたケースフック閉止状態でのケース閉止手段の部分断面図を示す。
【
図8B】開いたケースフック閉止状態でのケース閉止手段の部分断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付の図には、本発明による自動二輪車用の側部ケース10の全体図および詳細図、ならびに車両のフレーム50への/からのケース10の関連する連結/解放装置の全体図および詳細図が示されている。
【0017】
例として以下に提供される詳細な説明から明らかになるように、本発明によるケース10は、関連するフック23、24を側部ケース10に設け、対応する連結座100、200を車両のフレーム上に直接設けることで、側部ケース10をフレーム50に直接引っ掛けることを可能にする。
【0018】
有利には、前記連結座100、200は、上からアクセス可能なフレームの領域に設けられており、バッグ10は、ユーザによる実質的に垂直な動きでフレーム50に連結することができる。
【0019】
より有利には、自動二輪車の後端の美観を保護するために、連結座100、200は、ケースの前記フック23、24を挿入するために上からアクセス可能な位置に、好ましくは車両の美観を損なわないように、車両の側面で、シートおよび/または後部荷物室の下方に提供されるべきである。
【0020】
したがって、本発明の主題は、本明細書で以下によりよく説明される連結/解放装置を備えたケース10だけでなく、ケース10の連結/解放装置と協働するように適切に設けられたフレーム50を備える連結システムでもある。
【0021】
前述のように、好ましくは2つあるフック23、24が、フレーム50に設けられた連結座100、200に挿入されて、ケース10が車両のフレームから吊り下げられる。
【0022】
車両の長手方向軸に対して横方向にもケースの動きを係止するために、本発明によるケース10には、有利には、ケースの下部領域に得られ、ケースが自動二輪車に連結された際に、車両フレーム50と一体の下部連結手段300を収容するよう構成されており、好ましくは搭乗者フットレストを支持するフレームの領域にある、収容座14が設けられる。
【0023】
車両の連結システムをこのように構成しているので、バッグを固定するために金属フレームを設けることがなく、したがって、ケースを取り外した後に、ユーザが求める自動二輪車の美的ラインを変更することがない。
【0024】
有利には、本発明によるケース10は、互いにヒンジ連結された2つのシェル、すなわち底部11およびカバー12と、ケース自体内に収容され、好ましくは底部11に固定される連結/解放装置を備える。
【0025】
好ましくは、本発明によるケース10は、ユーザによって作動させることができる1つのみの錠20を備える。かかる錠は、有利には、ケースの開閉の両方、ならびにそれを自動二輪車に連結しおよび自動二輪車から解放する可能性を制御する。
【0026】
ここで、本発明による側部ケース10の詳細な説明に移ると、前述のように、この側部ケース10は、好ましくは、前記フレーム50に対向するように意図されたケース10の表面から突出する少なくとも1対のフック23、24であって、そのループ23a、24aは下向きであり、車両のフレーム50上に得られた専用の連結座100、200と係合するように構成されたフック23、24を備える。
【0027】
前記フック23、24は、本発明によるケース10の連結/解放装置の一部であり、この装置は、実質的に水平方向に沿って移動可能であり、それぞれが、前記連結座100、200の下方のフレーム50に形成された専用溝400、500と一致するように、前記フック23、24のうちの一方と対応してその下方に選択的に配置されるように構成された一対のスライダ25、26をさらに備える。
【0028】
以下でよく分かるように、可動スライダ25、26の存在は、ケース10がフレーム50に連結されると、ケース10の垂直方向の動きを阻止することを可能とし、したがってフック23、24が連結座100、200から外れるのを防ぐことを可能とする。
【0029】
実際、可動スライダ25、26は、連結座100、200の下方のフレーム上に得られたそれぞれの溝400、500と選択的に係合するように構成されており、スライダ25、26が前記溝内に係合された際に、フレームに対するケースの持ち上げ、ひいては車両からのバッグの取り外しが実際に阻止される。
【0030】
前記可動スライダ25、26の移動は、前記連結/解放装置を介してユーザによって実行され、この装置は、この目的のために、1対の摺動式棒状要素43、46を備え、各要素は少なくとも1つのラック部分44、47を備える。
【0031】
前記棒状要素のうちの第1の棒状要素43は、ユーザによって作動させることができる係止/係止解除レバー41に動力学的に接続されている。
【0032】
添付の
図3および4を特に参照し、前記係止/係止解除レバー41の作動は、前記第1の棒状要素43および相対するスライダ25の並進を引き起こす。
【0033】
有利には、2つの棒状要素43、46の2つのラック部分44、47は、互いに対向することとなり、それ自体の中心軸を中心に自由に回転するアイドル歯付きホイール45をそれらの間に介挿して、第1の棒状要素43の並進運動を第2の棒状要素46に伝達することができる。このようにして、係止/係止解除レバー41の作動によって引き起こされた第1の棒状要素43の並進は、前記棒状要素のうちの第2の棒状要素46、したがって相対するスライダ26の反対方向への等しい並進を引き起こす。
【0034】
したがって、スライダ25、26は、ケース10の、車両のフレーム50への連結および車両のフレーム50からの解放が可能な第1の解放位置と、前記フレーム50の下方に設けられた溝400、500に当接し、したがってケースをフレーム自体に連結して保持する第2の係止位置との間で移動可能である。
【0035】
非限定的な例としてここに示される本発明の好ましい実施形態によれば、係止/係止解除レバー41は、前記スライダ25、26が係止位置にある第1の閉位置と、前記スライダ25、26が係止解除位置にある第2の開位置との間で移動可能である。
【0036】
例えば、第1の係止解除位置では、前記スライダ25、26は、ケース10の、車両のフレーム50への連結および車両のフレーム50からの解放を可能にするように互いに近接し、一方、第2の係止解除位置では、前記スライダ25、26は、互いに間隔を置いて配置され、フレーム上に得られた前記溝400、500内に挿入され、ケースをフレーム50自体に連結した状態に維持する。
【0037】
前記スライダ25、26を動かすために、係止/係止解除レバー41は、好ましくはピン42bを介して前記第1の棒状要素43と係合するクランク42aに接続された回転軸42上に有利に組み付けられる。前述のように、特に
図3および4の詳細を参照し、ユーザは、回転軸42の軸線を中心に係止/係止解除レバー41を回転させて作動させることによって、第1の棒状要素43を並進して動かし、それ自体の軸の周りを自由に回転するアイドル歯付きホイール45の存在により、前記第2の棒状要素46を単一かつ反対方向に並進して動かす。
【0038】
係止/係止解除レバー41を一方向に回転させることにより、2つのスライダ25、26の相互接近が得られ、前記係止/係止解除レバー41を反対方向に回転させることにより、2つのスライダ25、26の相互離間が得られる。ケースの車両への連結の安全性を保証し、係止/係止解除レバー41の偶発的または不正な作動を防止するために、有利には、添付の図に示される本発明の好ましい実施形態によれば、ケース10は、ユーザが前記係止/係止解除レバー41にアクセスすることを選択的に許可または防止するように構成されたケースの閉止手段21、30、31をさらに備える。
【0039】
より具体的には、ケース10の前記閉止手段21、30、31は、有利にはケース自体に設けられた錠ブロック20に動作可能に接続されており、錠20を操作することにより、ケースの閉止手段21、30、31を係止または係止解除することが可能であり、ユーザが前記係止/係止解除レバー41にアクセスすることを防止または許可することが可能である。
【0040】
さらに詳細には、ケースの前記閉止手段21、30、31は、好ましくは、前記錠ブロック20に動作可能に接続された下側係止要素30、前記下側係止要素30に動作可能に接続された係止スライダ31、および、前記係止スライダ31と選択的に協働するように構成されたハンドル21を備えており、前記錠ブロック20を、前記下側係止要素30および前記係止スライダ31を介して操作することで、前記ハンドル21の開動が選択的に許可または防止され、これにより、前記係止/係止解除レバー41へのアクセスが許可または防止される。
【0041】
さらに、ケースの閉止手段は、前記底部11上に、ケースの閉止および/または開動を可能にする、従来技術によるケース閉止フック22も備える。
【0042】
より具体的には、特に
図8Aおよび8Bを参照し、ケースの開閉を可能にする手段は、有利には、カバー12に設けられたフック歯15と、カバー12に対するそれの移動を可能にするロッド27に公知の方法で連結されたケース閉止フック22とを備える。
【0043】
ケースが閉じられると、ケース閉止フック22がカバーの歯15と係合する。
【0044】
錠20が閉じている場合には、ケース閉止フック22に直接接続されているロッド27は、係止スライダ31の作用によって係止されるため、ケース閉止フック22を回転させることはできない。
【0045】
したがって、ケースを開けることはできない。
【0046】
錠20が開いている場合には、ロッド27は係止スライダ31の作用から解放され、したがって、ケース閉止フック22の動きが可能になり、ケース閉止フック22とカバー歯15との間の連結が外れ、したがって、ケースが開かれる。
【0047】
ケース閉止フック22の係止は、係止歯32が前記係止スライダ31上に存在することによって操作され、これらは、前記ケース閉止フック22およびハンドル21上に対応する当接を生じる。
【0048】
この構成により、図面から分かるように、本発明によるケースには、前記ケース閉止フック22の動きを介してケース自体の開閉の両方を行い、それの自動二輪車との連結/解放を可能にして、レバー41にアクセスしてそれを作動させることができるようにするためにハンドル21を持ち上げることができるようにするための錠が1つだけある。
【0049】
鍵が閉位置にある場合には、ユーザはハンドル21とケース閉止フック22のいずれかも動かすことができず、したがって、ケースを開くことも、それを自動二輪車に連結/解放することもできない。
【0050】
鍵を開位置に回転させることにより、摺動可能なスライダ31の歯32の、ハンドル21の歯およびケース閉止フック22の歯からの解放が得られる。
【0051】
錠20が開かれると、ハンドル21およびケース閉止フック22は、ユーザによって互いに独立して動かすことができる。
【0052】
換言すれば、鍵が開位置にある場合には、ユーザは、ケース閉止フック22を操作することでケースを開くか、またはハンドル21を持ち上げ、上述したようにレバー41を操作することで自動二輪車にケースを連結/解放するかを選択的に決定することができる。
【0053】
有利には、添付の図に示すように、本発明の好ましい実施形態では、係止/係止解除レバー41が前記ハンドル21の下方に配置される。
【0054】
ハンドル21を閉じた状態では、係止/係止解除レバー41は、閉止水平位置にあり、スライダ25、26は、フック23、24の下方の前記フレーム50上に得られた溝400、500の外側ストローク端位置に配置される。
【0055】
この構成では、連結スライダ25、26の位置が、フレーム50上に得られた関連する連結座100、200にフック23、24を垂直に挿入することができないため、ケースを自動二輪車に連結することはできない。
【0056】
ケースを自動二輪車に連結するには、ハンドル21を持ち上げて、レバー41を垂直位置に回転させる必要がある。このようにして、上記の動力学機構のシステムは、連結スライダ25、26を内側に向かって移動させ、それらをフック23、24の輪郭の外側のストローク端に運ぶ。
【0057】
このようにして、フック23、24をフレーム50の側面上に得られた関連する連結座100、200に上方から挿入することが可能であり、同時に、ケースの下部領域に得られた収容座14を、車両フレーム上、好ましくは搭乗者フットレストへの接続部に設けられた下部連結手段300に連結することも可能である。レバー41を水平位置にすることにより、連結スライダ25、26が再び外側ストローク端部まで移動し、フック23、24の連結座100、200の下方に得られる前記溝400、500に係合する。
【0058】
この構成では、係合スライダが、溝400、500が得られる自動二輪車側面に直接干渉し、ケースの垂直方向の動きを妨げ、したがって、フック23、24の座100、200からの離脱を妨げる。
【0059】
したがって、システムを安全にするために、ハンドル21を再び閉じて、キーを閉位置に戻す必要がある。
【0060】
また、ハンドル21を閉位置に再配置することで、ケースが自動二輪車に正しく連結されていることをユーザに知らせる。実際、連結が正しく完了していない場合には、レバー41は水平位置になく、ハンドル21を閉じることができず、したがって、錠20の鍵が完全に回転することができない。
【0061】
ケースを自動二輪車から取り外すには、同じ手順を実行する必要がある。したがって、錠20の鍵を開位置にするには、ハンドル21を持ち上げ、レバー41を回転させて、連結スライダ25、26を、かかるスライダが内側ストローク端に係合し、したがって、スライダが前記溝400、500から離脱し、フック23、24がそれらの座100、200から離脱するまで移動し、ケースが上方に持ち上げるまで、移動させる。
【0062】
提供された説明から、本発明による車両のフレーム50にケース10自体の連結および解放することを可能にするための連結/解放装置を備える自動二輪車用の側部ケースの特性は明らかである。
【0063】
かかるケースを自動二輪車のフレームに連結するための連結システムの利点もまた明らかであり、前記フレームは、特定の連結/解放装置の動作を可能にするように適切に構成されている。
【0064】
さらに、本発明による自動二輪車用の側部ケースの連結/解放装置は、修正および変形をすることができ、これらはすべて、添付の特許請求の範囲によって特定される保護の範囲内にあり、これらは明細書の一部を構成する。
【0065】
さらに、例として提供される詳細は、本発明の保護の範囲内にある技術的に均等の要素で置き換えることができる。