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特許7453980ストライカー式拳銃のスライドのためのスライドカバープレート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】ストライカー式拳銃のスライドのためのスライドカバープレート
(51)【国際特許分類】
   F41A 3/66 20060101AFI20240313BHJP
【FI】
F41A3/66
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021543503
(86)(22)【出願日】2020-01-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-16
(86)【国際出願番号】 HU2020050003
(87)【国際公開番号】W WO2020157528
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2023-01-20
(31)【優先権主張番号】U1900011
(32)【優先日】2019-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】HU
(73)【特許権者】
【識別番号】521329383
【氏名又は名称】スタインドル,アンドレアス
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】スタインドル,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】トルマ,ミカエル
【審査官】長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0154710(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0211901(US,A1)
【文献】米国特許第09285186(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2001/0037596(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0139142(US,A1)
【文献】特表2009-509123(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0139141(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41A 3/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストライカー式拳銃のスライド(2)のためのスライドカバープレート(1)であって、銃口(3)に対向している前記スライド(2)の端部(4)を閉じるように構成されており、かつバネストライカーユニット(5)の端部(11)および/または前記スライド(2)の内部にあるバネエキストラクターユニット(15)の端部(21)に支持を与えるように構成されており、前記スライド(2)の長手軸に対して横方向の溝(7)の中に押し込まれ、かつ前記スライド(2)の端部に形成されるように構成されており、かつその終端位置(8)に固定されるように構成されており、
前記スライド(2)の端部(4)において前記スライド(2)の横輪郭面積よりも大きい表面積(17)を有する後方突出部分(9)を含み、かつ
前記スライドカバープレート(1)が前記溝(7)に押し込まれているが前記終端位置(8)とは異なる中間位置(10)にある場合にツールによって前記バネストライカーユニット(5)の前記端部(11)および/または前記バネエキストラクターユニット(15)の前記端部(21)に到達するように構成された凹部(13)を形成している中空部分(12)を含み、前記中空部分(12)および凹部(13)は前記後方突出部分(9)の前記表面積(17)の、前記スライド(2)の前記長手軸方向におけるの反対側に位置している
ことを特徴とするスライドカバープレート(1)。
【請求項2】
前記後方突出部分(9)は直立に突出している隆起した縁(16)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のスライドカバープレート。
【請求項3】
前記後方突出部分(9)は、前記スライドの向上した把持のために2つの側方翼部(14)を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のスライドカバープレート。
【請求項4】
前記後方突出部分(9)は、前記スライド上での向上した把持のために2つの側方翼部(14)を含み、前記翼部は前記直立に突出している隆起した縁(16)と共に前記表面積(17)として角が丸い四角形を一緒に形成していることを特徴とする、請求項3に記載のスライドカバープレート。
【請求項5】
前記後方突出部分(9)はテキストおよび/またはロゴを有する表面積(17)を構成していることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のスライドカバープレート。
【請求項6】
前記後方突出部分(9)はストライカーピンインジケータを含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のスライドカバープレート。
【請求項7】
前記ストライカーピンインジケータはボアホール(18)であり、かつピン(19)はその中で移動可能であることを特徴とする、請求項6に記載のスライドカバープレート。
【請求項8】
1つの一体成形部材であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のスライドカバープレート。
【請求項9】
前記後方突出部分(9)はその表面積(17)にいくつかの発光表示手段を有していることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のスライドカバープレート。
【請求項10】
エアソフトガンまたはエアガンに適合されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のスライドカバープレート。
【請求項11】
専用の電子RFID識別タグまたは他の種類の専用電子チップを含むことを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のスライドカバープレート。
【請求項12】
電力源を備えた専用電子チップを備え、前記チップは発砲の数および時間のログを取るように構成されていることを特徴とする、請求項11に記載のスライドカバープレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストライカー式拳銃のスライドのためのスライドカバープレートであって、銃口に対向しているスライドの端部を閉じるように構成されており、かつバネストライカーユニットの端部および/またはスライドの内部にあるバネエキストラクターユニットの端部に支持を与えるように構成されており、スライドの長手軸に対して横方向の溝の中に押し込まれ、かつスライドの端部に形成されるように構成されており、その終端位置に固定されるように構成されているスライドカバープレートに関する。
【背景技術】
【0002】
発火構造を含むスライドを備え、かつ他のバネ要素も備えたストライカー式拳銃であって、スライドの後端には平らに形成されたスライドカバープレートが設けられているストライカー式拳銃が知られている。このプレートは下側から溝の中に押し込むことができる。その終端位置に到達すると、このスライドカバープレートはバネストライカーユニットおよびバネエキストラクターユニットまたは他のバネ要素のための基部支持を構成する。
【0003】
スライドカバープレートを備えたそのようなストライカー式拳銃のうち、最も一般的なものの1つとしてグロック系を挙げることができ、それらのクローンも挙げることができる。
【発明の概要】
【0004】
本有用発明の態様は、スライドの標準的な溝に嵌合するスライドカバープレートを創出することにある。スライドカバープレートにさらなる機能を与えるために、本発明者らは、スライドカバープレートをそのサイズについて拡大させることを目的とした。さらなる態様は、新しいスライドカバープレートを溝の中に滑り込ませた場合にそれをその終端位置に固定することができること、すなわちそれを変化可能にさせることであった。この目的のために、装着中にツールによって少なくともバネ要素、特にバネストライカーユニットの端部を押し込むのを可能にするための特別な形態の設計が必要である。この特徴を欠いている場合、バネで引っ張られた端部がスライドカバープレートをその終端位置に固定するのを妨げるであろう。
【0005】
改良されたスライドカバープレートは増加した面積を提供するために適用可能であり得ることが開示されている。これは2つの方向、すなわち「側方翼部」を有する側方向と、照門を妨げなくなるまでスライド上の測定装置を上に移動させる上方向に可能な面積拡張を意味する。本スライドカバープレートの機能に関しては、その最終位置におけるそのローラインは元のスライドカバープレートよりも下側には延在しない。
【0006】
本発明に係るその最も一般的な実施形態における冒頭の段落のスライドカバープレートによれば、本スライドカバープレートはその端部に、スライドの横輪郭面積よりも大きい表面積を有する後方突出部分を含み、かつスライドカバープレートは、スライドカバープレートが溝に押し込まれているが終端位置とは異なる中間位置にある場合にツールによってバネストライカーユニットの端部および/またはバネエキストラクターユニットの端部に到達するように構成された凹部を形成している中空部分を含み、前記中空部分および凹部はスライドの長手軸方向に後方突出部分の表面積の前に延在している。
【0007】
本発明に係る改良されたスライドカバープレートは、好ましくは一体成形部材、すなわち金属製(鋳造技術による)であり、異なる目的のために(例えば特にサブタイトルやロゴを有するため、あるいは小さい発光装置として)適用可能な表面を提供する。側方翼部は、本質的に親指と人差し指で銃を構えた際にスライドの把持を促進または容易にしてもよい。上方に突出している面積サイズの拡張は着用および着脱の際に問題を引き起こさず、全体的寸法は増加しない。増加した面積はいくつかの状況では片手で装填を行わせる。
【0008】
本発明に係るスライドカバープレートは、好ましくはストライカーピンインジケータを含む種類のものであってもよい。これはボアホールであってもよく、ピンはその中で移動可能である。このようにユーザは銃の状態を容易に制御することができる。
【0009】
本発明を以下の図の中に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】元のスライドカバープレートを備えた公知のストライカー式拳銃の斜視図である。
図2】本発明のスライドカバープレートを備えた図1に係る拳銃である。
図3押し込む前の公知のスライドカバープレートを備えた図1に係る拳銃である。
図4押し込む前の本発明のスライドカバープレートを備えた図1に係る拳銃である。
図5中間の押し込み状態にある公知のスライドカバープレートを備えた図に係る拳銃である。
図6押し込まれた段階にある公知のスライドカバープレートを備えた図3および図5に係る拳銃である。
図7一部が切欠された状態の半分だけ押し込まれたスライドカバープレートを有するスライドである。
図8異なる部分が切欠された状態の異なる完全に押し込まれたスライドカバープレートを有するスライドである。
図9】完全に押し込まれたスライドカバープレートを有するスライドの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、最先端技術に係る元のスライドカバープレートを備えた公知のストライカー式拳銃の斜視図である。スライド2において、銃口3に対向している端部4を閉じると、元のスライドカバープレート1STが閉じる。これは同時に、バネストライカーユニット5の端部11および/またはスライド2の内部にあるバネエキストラクターユニット15の端部21に支持を与える。元のスライドカバープレート1STは下側から、スライド2の長手軸に対して横方向の溝7の中に押し込まれる。この動作のために、これらのバネを好ましくは端部11および/または21に対して圧縮し、かつ次いで端部11および/または21を押し上げ続けるための適当なツールが必要である。
【0012】
図2は、元のスライドカバープレート1STが新しいスライドカバープレート1で置き換えられているという本実例の目的に係る違いを有する図1に示されているものと同じ拳銃を示している。この状況では、スライドカバープレート1がより大きい場合には、押す方向であってもツールによる到達が不可能であるため、端部11および/または21に到達することはできない。
【0013】
上で述べた事実は異なる視点からの図3図6に示されている。
【0014】
図3は、スライド2の端部4および元のスライドカバープレート1STを背面図で示す。
【0015】
図4は、スライド2の端部4および押し込まれる本発明のスライドカバープレート1の端部を同様の背面図で示す。ここには置き換え用のスライドカバープレート1がある。ここでは、新しいスライドカバープレート1はその端部4においてスライド2の横輪郭面積よりも大きい表面積17を有する後方突出部分9を含む。後方突出部分9は、直立に突出している隆起した縁16と、向上したスライドの把持のための2つの側方翼部14とをさらに含んでいてもよい。本実施形態では、当該翼部は直立に突出している隆起した縁16と共に前記表面積17として角が丸い四角形を一緒に形成している。後方突出部分9は、テキストおよび/またはロゴを有する表面積17を構成していてもよい。
【0016】
図5は、中間位置10にある元のスライドカバープレート1STに戻る。さらに移動させるために、端部11および次いで端部21を押すためのツールが必要である。
【0017】
図6は、元のスライドカバープレート1STが、押し込み移動が終了している最終位置8にあることを示す。
【0018】
図7は、半分押し込まれたスライドカバープレートを有するスライド2を部分的に強調された図で示す。それにより端部11および21を内向きに押すことができる凹部13を認めることができる。図8では、スライドカバープレート1はその最終位置8にある。
【0019】
図9は、完全に押し込まれたスライドカバープレート1を有するスライド2の上面図である。後方突出部分9がその端部4においてスライド2の横輪郭面積よりも大きい表面積を含むことが分かる。スライドカバープレート1が中空部分12を含み、これはスライドカバープレート1が溝の中に押し込まれているが終端位置とは異なる中間位置にある場合に、ツールによってバネストライカーユニットの部および/またはバネエキストラクターユニットの部に到達するための凹部を形成しており、前記中空部分12および凹部がスライド2の長手軸の方向に後方突出部分9の表面積の前に延在していることも示されている。
【0020】
本発明のスライドカバープレート1は、例えば成形による1つの一体成形部材で評価することができる。別の実施形態では、後方突出部分9はその表面積17にいくつかの発光表示手段を有している。
【0021】
一実施形態では、後方突出部分9はストライカーピンインジケータを備えていてもよい。ストライカーピンインジケータはボアホール18であってもよく、ピン19はその中で移動可能である。ピン19は突出していてもよく、かつ/またはその色が目を引くものであってもよい。
【0022】
本発明のスライドカバープレート1は、それらの銃においてそれぞれの部品が取外し可能であれば、特定のエアソフトガンおよびエアガンに使用することができる。上記バネ要素の存在、位置、機能は、本物の火器において対応するものとは異なっていてもよい。
【0023】
本発明のスライドカバープレート1は、銃の迅速かつ容易な識別を促進するために専用の電子RFID識別タグまたは電力源を備えた任意の他の種類の専用電子チップを備えていてもよい。後者の場合、例えば発砲の数および時間のログを取ることなどの異なる目標を達成することもできる。これは組み込まれた加速度計および時計を用いて実現することができる。これらの特徴はとりわけ任務の前後に識別が必要であり、かつ任務中にログを取ることが必要である任務用のピストルの場合に有利であってもよい。対応するRFID識別タグまたは電力源を備えた専用電子チップが内部に成形されていてもよく、あるいはスライドカバープレート1に接着されているか機械的に取り付けられていてもよい。RFID識別タグは一実施形態では、プログラム可能なRFID識別チップを備える。
【0024】
本発明の利点は単純かつ容易に製造される要素であり、これは迅速に再装填可能であり、元のものの代わりに確実に配置される。さらにそれは、例えばポケットまたはベルトのための特別なクリップのために使用可能な空間を提供する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9