(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】自動分析装置
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20240313BHJP
G01N 35/04 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
G01N35/02 C
G01N35/04 B
(21)【出願番号】P 2021569048
(86)(22)【出願日】2020-05-27
(86)【国際出願番号】 EP2020064653
(87)【国際公開番号】W WO2020239811
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-12-02
(32)【優先日】2019-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(72)【発明者】
【氏名】ザットラー,シュテファン
【審査官】松岡 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-059801(JP,A)
【文献】特開平08-285859(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0115610(US,A1)
【文献】実開平07-018266(JP,U)
【文献】特開2016-057316(JP,A)
【文献】特開2015-200668(JP,A)
【文献】特表2016-513260(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を分析する自動分析装置(100)であって、
少なくとも1つの分析機器(104)を少なくとも部分的に囲むハウジング(102)と、
複数の試薬容器(108)が装填されるように構成された引き出し(106)であって、前記引き出し(106)が、前記引き出し(106)が前記ハウジング(102)内に引き込まれる引き込み位置と、前記引き出し(106)が前記ハウジング(102)から引き出される
複数の引き出し位置との間で前記ハウジング(102)に対して長手方向(110)に移動可能であり、前記引き出し(106)が、少なくとも前記長手方向(110)に平行な第1の行(114)における前記試薬容器(108)の複数の配置位置(112)を規定する、引き出し(106)と、
前記第1の行(114)に関連付けられかつ前記第1の行(114)に配置されたときに第1の検出位置において前記試薬容器(108)を識別するように構成された第1の検出器(116)と、を備え、
前記自動分析装置(100)が、第1のスライダ(120)をさらに備え、前記第1の検出器(116)が、前記第1のスライダ(120)に取り付けられ、前記第1のスライダ(120)が、前記第1のスライダ(120)が前記ハウジング(102)内に引き込まれるスライダ引き込み位置と、前記第1のスライダ(120)が前記ハウジング(102)か
ら引き出されるスライダ引き出し位置との間で移動可能であ
り、
前記自動分析装置(100)は、前記引き出し(106)の異なる前記複数の引き出し位置のそれぞれにおいて、前記第1の行(114)のそれぞれ異なる前記配置位置(112)に配置された前記試薬容器(108)を前記第1の検出位置にある前記第1の検出器(116)により検出可能に構成され、
前記第1のスライダ(120)の前記スライダ引き出し位置において、前記第1の検出器(116)は前記第1の検出位置にあり、前記スライダ引き出し位置は、前記引き出し(106)の前記複数の引き出し位置よりも、前記ハウジング(102)から近位にある、自動分析装置(100)。
【請求項2】
前記第1のスライダ(120)が前記スライダ引き出し位置に移動したとき、または試薬容器(108)が前記第1の行(114)の前記引き出し(106)内に装填されたとき、または試薬容器(108)が前記引き出し(106)の前記第1の行(114)から取り出されたとき、前記第1の検出器(116)がトリガされる、請求項1に記載の自動分析装置(100)。
【請求項3】
前記スライダ引き出し位置が、前記第1の検出位置と重複する、請求項1又は2に記載の自動分析装置(100)。
【請求項4】
前記引き出し(106)の位置を検出するように構成された位置センサをさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の自動分析装置(100)。
【請求項5】
前記第1の検出器(116)が、前記引き出し(106)の位置を検出するように構成され、および/または、前記第1の検出器(116)が、前記引き出し(106)の移動方向を検出するように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の自動分析装置(100)。
【請求項6】
前記第1の検出器(116)が、前記複数の配置位置(112)の間に配置された位置マーカ(118)によって前記引き出し(106)の移動方向を検出するように構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の自動分析装置。
【請求項7】
前記第1の検出器(116)が前記引き出し(106)の下方または横方向に隣接して配置されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の自動分析装置(100)。
【請求項8】
前記第1の検出器(116)からの以下の検出結果、すなわち、前記第1の検出位置によって規定される配置位置に試薬容器がないこと、前記第1の検出位置によって規定される配置位置における誤った試薬容器、および前記第1の検出位置によって規定される配置位置における正しい試薬容器のうちの少なくとも1つを表示するように構成された表示装置(126)をさらに備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の自動分析装置(100)。
【請求項9】
前記引き出し(106)が、少なくとも前記長手方向に平行な第2の行(140)における前記試薬容器(108)の複数の配置位置をさらに規定し、前記自動分析装置(100)が、前記第2の行(140)に関連付けられかつ前記第2の行(140)に配置されたときに第2の検出位置において前記試薬容器(108)を識別するように構成された第2の検出器(142)をさらに備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の自動分析装置(100)。
【請求項10】
第2のスライダ(144)をさらに備え、前記第2の検出器(142)が、前記第2のスライダ(144)に取り付けられ、前記第2のスライダ(144)が、前記第2のスライダが前記ハウジング(102)内に引き込まれるスライダ引き込み位置と、前記第2のスライダ(144)が前記ハウジング(102)か
ら引き出されるスライダ引き出し位置との間で移動可能であ
り、
前記自動分析装置(100)は、前記引き出し(106)の前記複数の引き出し位置のそれぞれにおいて、前記第2の行(140)の異なる前記配置位置(112)に装填された前記試薬容器(108)を前記第2の検出位置にある前記第2の検出器(142)により検出可能に構成され、
前記第2のスライダ(106)の前記スライダ引き出し位置において、前記第2の検出器(142)は前記第2の検出位置にある、請求項
9に記載の自動分析装置(100)。
【請求項11】
前記第2のスライダ(144)が前記スライダ引き出し位置に移動したとき、または試薬容器(108)が前記第2の行(140)の前記引き出し(106)内に装填されたとき、または試薬容器(108)が前記引き出し(106)の前記第2の行(140)から取り出されたとき、前記第2の検出器(142)がトリガされる、請求項
10に記載の自動分析装置(100)。
【請求項12】
前記第2の検出器(142)が、前記引き出し(106)の位置を検出するように構成され、および/または、前記第2の検出器(142)が、前記引き出し(106)の移動方向を検出するように構成されている、請求項
9から11のいずれか一項に記載の自動分析装置(100)。
【請求項13】
前記試薬容器(108)から試薬を排出するように構成された排出装置(146)をさらに備え、前記排出装置(146)のそれぞれが、試薬容器(108)内に浸漬されるように構成された浸漬管(148)を備え、前記浸漬管(148)が直線状に形成されており、前記排出装置(146)が、前記浸漬管(148)が試薬容器(108)から後退した開位置と、前記浸漬管(148)が前記試薬容器(108)内に浸漬される閉位置との間で直線的に移動可能であるか、または前記浸漬管(148)が湾曲しており、前記排出装置(146)が、前記浸漬管(148)が試薬容器(108)から後退した開位置と、前記浸漬管(148)が前記試薬容器(108)内に浸漬される閉位置との間で回動可能に移動可能である、請求項1から12のいずれか一項に記載の自動分析装置(100)。
【請求項14】
試薬容器(108)が、前記ハウジング(102)に近位の前記引き出し(106)の第1の引き出し位置においてのみ前記引き出し(106)内に装填されるか、または前記引き出し(106)から取り出されることを可能にするように構成されたブロッキング装置(156)をさらに備え
る、
請求項13に記載の自動分析装置(100)。
【請求項15】
前記ブロッキング装置(156)が、誤った試薬容器が検出された場合、少なくとも前記開位置から前記閉位置への前記排出装置(146)の移動をブロックし、正しい試薬容器が検出された場合、少なくとも前記開位置から前記閉位置への前記排出装置(146)の移動を可能にするように構成されている、請求項14に記載の自動分析装置(100)。
【請求項16】
前記ブロッキング装置(156)が、関連する試薬容器の排出が完了していない場合、少なくとも前記閉位置から前記開位置への前記排出装置(146)の移動をブロックするように構成されている、請求項14または15に記載の自動分析装置(100)。
【請求項17】
前記ブロッキング装置(156)が、試薬容器(108)が、前記ハウジング(102)に近位の前記引き出しの前記第1の引き出し位置を除く任意の引き出しにおいて前記引き出し(106)内に装填されるか、または前記引き出しから取り出されることを防止するように構成されている、請求項14から16のいずれか一項に記載の自動分析装置(100)。
【請求項18】
前記ブロッキング装置(156)が、少なくとも前記閉位置から前記開位置への前記第1の引き出し位置を除く任意の引き出し位置に関連する前記排出装置(146)の移動をブロックするように構成されている、請求項14から17のいずれか一項に記載の自動分析装置(100)。
【請求項19】
前記自動分析装置(100)は、前記引き出し(106)が前記引き込み位置から前記複数の引き出し位置のそれぞれに移動する際に、前記第1のスライダ(120)は、前記スライダ引き込み位置から前記スライダ引き出し位置へと協調して移動するように構成されている、請求項1から18のいずれか一項に記載の自動分析装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料と接触して使用される使い捨て部品を使用する自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
体外診断検査は臨床決定に大きな影響を与え、医師に重要な情報を提供する。特に、救命救急環境下において迅速かつ正確な検査結果を提供することに大きな重点が置かれている。体外診断検査は、通常、分析前機器、分析後機器および分析機器など、1つ以上の生物学的試料および/または1つ以上の試薬に対して1つ以上の処理ステップまたはワークフローステップを実行するように動作可能な機器を使用して行われる。
【0003】
分析機器または分析装置は、測定値を取得するように構成される。分析装置は、様々な化学的、生物学的、物理的、光学的または他の技術的手順を介して、試料またはその成分のパラメータ値を判定するように動作可能である。分析装置は、試料または少なくとも1つの分析物の前記パラメータを測定し、得られた測定値を返すように動作可能とすることができる。分析装置によって返される可能性のある分析結果のリストは、限定されないが、試料中の分析物の濃度、試料中の分析物の存在(検出レベルを超える濃度に対応)、光学パラメータ、DNAまたはRNA配列、タンパク質または代謝産物の質量分析から得られたデータ、および様々なタイプの物理的または化学的パラメータを示すデジタル(はいまたはいいえ)結果を含む。分析機器は、試料および/または試薬のピペット操作、投与、および混合を支援するユニットを備えることができる。
【0004】
分析機器は、分析を実施するための試薬を保持するための試薬保持ユニットを備えることができる。試薬は、例えば、個々の試薬または試薬のグループを含む容器、入れ物またはカセットの形態で配置されることができ、貯蔵区画またはコンベヤ内の適切な容器または位置に配置されることができる。それは、消耗品供給ユニットを備えることができる。分析機器は、ワークフローが特定のタイプの分析用に最適化されたプロセスおよび検出システムを備えることができる。そのような分析機器の例は、化学的もしくは生物学的反応の結果を検出するため、または、化学的もしくは生物学的反応の進行を監視するために使用される臨床化学分析装置、凝固化学分析装置、免疫化学分析装置、尿分析装置、核酸分析装置である。
【0005】
そのような自動分析装置は、分析プロセスの数および取得可能な測定値を増加させることを可能にする。このため、そのような自動分析装置は、試薬容器内に設けられた複数の試薬を同時に使用する。そのような自動分析装置では、例えば、6から8種類の異なる試薬が用いられる。正確な試薬がその標的分析プロセスのために自動分析装置に供給されることを確実にするために、試薬を識別し、それぞれの試薬容器がその標的位置にあることを確実にする必要がある。基本的に、その中に含まれる試薬の識別のために、試薬容器ごとに1つの検出器を使用することが可能であった。しかしながら、この手法は、検出器の数、したがって、自動分析器のコストを大幅に増加させ、実際には経済的理由から実現不可能である。
【発明の概要】
【0006】
開示された自動分析装置の実施形態は、自動分析装置に供給される試薬容器、したがって試薬を識別するのに必要な検出器の数を削減することを目的とする。
【0007】
開示された自動分析装置の実施形態は、独立請求項の特徴を有する。単独で、または任意の組み合わせで実現されることができる本発明のさらなる実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0008】
以下において使用される場合、用語「有する(have)」、「備える(comprise)」もしくは「含む(include)」またはこれらの任意の文法的変形は、非排他的な方法で使用される。したがって、これらの用語は、これらの用語によって導入される特徴に加えて、この文脈で説明されているエンティティにさらなる特徴が存在しない状況と、1つ以上の追加の特徴が存在する状況との双方を指す場合がある。例として、「AはBを有する」、「AはBを備える」および「AはBを含む」という表現は、双方とも、B以外に、他の要素がAに存在しない状況(すなわち、Aが単独でかつ排他的にBからなる状況)、および、B以外に、要素C、要素CおよびD、さらにはさらなる要素など、1つ以上のさらなる要素がエンティティAに存在する状況を指す場合がある。
【0009】
さらに、特徴または要素が1回以上存在することができることを示す「少なくとも1つ」、「1つ以上」という用語または同様の表現は、通常、それぞれの特徴または要素を導入するときに一度だけ使用されることに留意されたい。以下では、ほとんどの場合、それぞれの特徴または要素を指すとき、それぞれの特徴または要素が1回または1回以上存在することができるという事実にもかかわらず、「少なくとも1つ」または「1つ以上」という表現は繰り返されない。
【0010】
さらに、以下において使用される場合、用語「好ましくは」、「より好ましくは」、「特に」、「より特に」、「具体的に」、「より具体的に」または同様の用語は、代替の可能性を制限することなく、任意の特徴と併せて使用される。したがって、これらの用語によって導入される特徴は、任意の特徴であり、決して特許請求の範囲を制限することを意図したものではない。本発明は、当業者が認識するように、代替の特徴を使用することによって実施されることができる。同様に、「本発明の実施形態において」または同様の表現によって導入される特徴は、本発明の代替の実施形態に関する制限がなく、本発明の範囲に関する制限がなく、およびそのような方法で導入された特徴を、本発明の他の任意または非任意の特徴と組み合わせる可能性に関する制限がない任意の特徴であることを意図する。
【0011】
本明細書で使用される「自動分析装置」という用語は、広義な用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、1つ以上の生体試料および/または試薬に対して1つ以上の処理ステップ/ワークフローステップを実行するように動作可能な任意の装置または装置構成要素を指すことができる。これにより、「処理ステップ」という用語は、遠心分離、分注、試料分析などの物理的に実行される処理ステップを指す。「分析装置」という用語は、分析前試料作業セル、分析後試料作業セル、および分析作業セルも包含する。
【0012】
本明細書で使用される「試薬容器」という用語は、広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、試薬を貯蔵するように構成された任意の容器を指すことができる。そのような試薬容器の例は、ボトル、缶、キャニスタおよびジェリカンである。
【0013】
本明細書で使用される「試薬容器を識別する」または「試薬容器の識別」という用語は、広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、試薬容器の純粋な存在だけでなく、試薬容器に含まれる試薬の種類など、その内容を含む試薬容器の種類の識別を指すことができる。
【0014】
開示された自動分析装置によれば、自動分析装置は、少なくとも1つの分析機器を少なくとも部分的に囲むハウジングを備える。したがって、分析または分析プロセスを実行するために必要な構造部材は、外部の影響から安全に収容および保護される。自動分析装置は、複数の試薬容器を装填するように構成された引き出しをさらに備える。したがって、いくつかの異なる分析プロセスを実行するために、分析機器に複数の異なる試薬を供給することができる。引き出しは、引き出しがハウジング内に引き込まれる引き込み位置と、引き出しがハウジングから引き出される引き出し位置との間でハウジングに対して長手方向に移動可能である。したがって、引き出しは、ハウジング内の位置からハウジングの外側のいくつかの異なる位置まで、かなり簡単な方法で移動可能である。引き出しは、少なくとも長手方向に平行な第1の行に試薬容器の複数の配置位置を規定する。したがって、試薬容器は、引き出しが同じ方向に移動可能であるため、装填プロセスを容易にする行において引き出し内に配置されることができる。自動分析装置は、第1の行に関連付けられかつ第1の行に配置されたときに第1の検出位置において試薬容器を識別するように構成された第1の検出器をさらに備える。したがって、単一の検出器は、試薬容器が第1の検出位置を通過する必要があるため、この行に含まれる試薬容器の数とは無関係に、第1の行に設けられた試薬容器の全てを識別するのに十分である。これにより、識別プロセスのコストが大幅に削減される。
【0015】
引き出しは、配置位置に対応する引き出し位置に所定の段数階で移動可能であってもよい。したがって、試薬容器の装填を容易にする配置位置に引き出し位置が一致することが保証される。
【0016】
自動分析装置は、引き出しを引き出し位置のそれぞれにおいて停止させるように構成された停止部、特にラッチをさらに備えてもよい。したがって、引き出しの望ましくない移動が確実に防止されることができ、試薬容器が誤った位置に装填されることも防止することができる。
【0017】
自動分析装置は、第1のスライダをさらに備えてもよく、第1の検出器は、第1のスライダに取り付けられてもよく、第1のスライダは、第1のスライダがハウジング内に引き込まれるスライダ引き込み位置と、第1のスライダがハウジングから近位位置に引き出されるスライダ引き出し位置との間で移動可能であってもよい。したがって、第1のスライダがハウジングから移動されると、第1の検出器は、引き出し位置に移動される。
【0018】
第1のスライダは、スライダ引き込み位置に向かって付勢されてもよい。したがって、第1の検出器が保護されることができるように、第1の検出器を含む第1のスライダがハウジング内の位置に移動されることが保証される。
【0019】
第1のスライダの移動は、引き出しの移動に部分的に結合されてもよい。したがって、引き出しおよび第1のスライダは、スライダが引き出しから分離して移動される必要がないように協調的に移動される。したがって、第1のスライダを移動させるための別個の駆動装置が省略されることができる。
【0020】
第1の検出器は、第1のスライダがスライダ引き出し位置に移動したとき、または試薬容器が第1の行における引き出し内に装填されたとき、または試薬容器が引き出しの第1の行から取り出されたとき、トリガされることができる。したがって、第1の検出器の永続的な動作が回避されることができ、第1の検出器は、トリガされたときにのみ動作する。
【0021】
スライダ引き出し位置は、第1の検出位置と重なり合っていてもよい。したがって、第1の検出器が正しい検出位置に移動されることが保証される。
【0022】
自動分析装置は、第1の検出器をトリガするように構成されたスイッチ、センサ、または光バリアをさらに備えてもよい。したがって、第1の検出器が必要なときにのみ動作されることが保証される。
【0023】
引き出しは、試薬容器を装填可能な傾斜内面を備えてもよい。したがって、液体試薬が試薬容器からより良好に排出されることができるため、間隙またはデッドスペース容積が削減されることができる。
【0024】
自動分析装置は、引き出しの位置を検出するように構成された位置センサをさらに備えることができる。したがって、引き出しが引き込み位置にあるか否かが検出されることができるため、分析プロセスの早期動作が防止されることができる。
【0025】
あるいは、第1の検出器は、引き出しの位置を検出するように構成されてもよい。したがって、引き出しが引き込み位置にあるか否かが検出されることができるため、分析プロセスの早期動作が防止されることができる。
【0026】
第1の検出器は、引き出しの移動方向を検出するように構成されてもよい。したがって、引き出しがハウジングに挿入されているか、ハウジングから引き出されているかが検出されることができる。これにより、引き出しが装填される準備ができているか、または試薬ボトルが装填され、分析プロセスを開始するためにハウジングに挿入される準備ができているかが検出されることができる。
【0027】
第1の検出器は、複数の配置位置の間に配置された位置マーカによって引き出しの移動方向を検出するように構成されてもよい。したがって、どの位置マーカが第1の検出器を通過するかに応じて、移動方向がかなり簡単な方法で検出されることができる。移動方向の検出は、引き出しに関連する減衰装置の設置によってさらに改善されることができる。そのような減衰装置は、引き出しの移動を円滑にし、移動方向の急激な変動を防止するように構成されている。適用可能な減衰装置は、当業者に知られており、例えば、ギアラック、ギアホイール、フライホイールマス、およびオイルベースのダンパである。
【0028】
第1の検出器は、好ましくは、第1の行における各試薬容器の外面に取り付けられたRFIDタグによって試薬容器を識別するように構成されたRFIDリーダである。したがって、十分に確立されたタイプの検出器が使用されて、試薬容器を識別することができる。あるいは、第1の行における各試薬容器の外面に付されたバーコードを検出するバーコードリーダなど、任意の種類の検出器が使用されてもよい。
【0029】
第1の検出器は、引き出しの下方または横方向に隣接して配置されることができる。したがって、第1の検出器は、省スペースで配置されることができる。
【0030】
自動分析装置は、第1の検出器からの以下の検出結果、すなわち、第1の検出位置によって規定されるかまたは第1の検出位置と一致する配置位置に試薬容器がないこと、第1の検出位置によって規定されるかまたは第1の検出位置と一致する配置位置における誤った試薬容器、および第1の検出位置と一致するかまたは第1の検出位置によって規定される配置位置における正しい試薬容器のうちの少なくとも1つを表示するように構成された表示装置をさらに備えてもよい。したがって、自動分析装置のオペレータは、試薬容器の状態を十分に知ることができる。
【0031】
引き出しは、少なくとも長手方向に平行な第2の行における試薬容器の複数の配置位置をさらに規定してもよく、自動分析装置は、第2の行に関連付けられかつ第2の行に配置されたときに第2の検出位置において試薬容器を識別するように構成された第2の検出器をさらに備えてもよい。したがって、それぞれの列の試薬容器の数とは無関係に、行ごとに単一の検出器は、行における試薬容器の全てを識別するのに十分である。
【0032】
自動分析装置は、第2のスライダをさらに備えてもよく、第2の検出器は、第2のスライダに取り付けられてもよく、第2のスライダは、第2のスライダがハウジング内に引き込まれるスライダ引き込み位置と、第2のスライダがハウジングから近位位置に引き出されるスライダ引き出し位置との間で移動可能であってもよい。したがって、第2のスライダがハウジングから移動されると、第2の検出器は、引き出し位置に移動される。
【0033】
第2のスライダは、スライダ引き込み位置に向かって付勢されてもよい。したがって、第2の検出器が保護されることができるように、第2の検出器を含む第2のスライダがハウジング内の位置に移動されることが保証される。
【0034】
第2のスライダの移動は、引き出しの移動に部分的に結合されてもよい。したがって、第2のスライダを移動させるための別個の駆動装置が省略されることができる。
【0035】
第2の検出器は、第2のスライダがスライダ引き出し位置に移動したとき、または試薬容器が第2の行における引き出し内に装填されたとき、または試薬容器が引き出しの第2の行から取り出されたとき、トリガされることができる。したがって、第2の検出器の永続的な動作が回避されることができ、第1の検出器は、トリガされたときにのみ動作する。
【0036】
第1および第2のスライダは、互いに接続されてもよく、または一体に形成されてもよい。したがって、構成部材の数が削減されることができる。特に、第1および第2のスライダは、第1および第2の検出器が取り付けられることができる単一のスライダとして設計されることができる。
【0037】
自動分析装置は、第2の検出器をトリガするように構成されたスイッチ、センサ、または光バリアをさらに備えてもよい。したがって、第2の検出器が必要なときにのみ動作されることが保証される。
【0038】
第2の検出器は、引き出しの位置を検出するように構成されている。したがって、引き出しが引き込み位置にあるか否かが検出されることができるため、分析プロセスの早期動作が防止されることができる。
【0039】
第2の検出器は、引き出しの移動方向を検出するように構成されてもよい。したがって、引き出しがハウジングに挿入されているか、ハウジングから引き出されているかが検出されることができる。これにより、引き出しが装填される準備ができているか、または試薬ボトルが装填され、分析プロセスを開始するためにハウジングに挿入される準備ができているかが検出されることができる。
【0040】
第2の検出器は、複数の配置位置の間に配置された位置マーカによって引き出しの移動方向を検出するように構成されてもよい。したがって、どの位置マーカが第2の検出器を通過するかに応じて、移動方向がかなり簡単な方法で検出されることができる。
【0041】
第2の検出器は、好ましくは、第2の行における各試薬容器の外面に取り付けられたRFIDタグによって試薬容器を識別するように構成されたRFIDリーダである。したがって、十分に確立されたタイプの検出器が使用されて、試薬容器を識別することができる。あるいは、第2の行における各試薬容器の外面に付されたバーコードを検出するバーコードリーダなど、任意の種類の検出器が使用されてもよい。
【0042】
第2の検出器は、引き出しの下方または横方向に隣接して配置されることができる。したがって、第2の検出器は、省スペースで配置されることができる。
【0043】
自動分析装置は、第2の検出器からの以下の検出結果、すなわち、第2の検出位置によって規定されるかまたは第2の検出位置と一致する配置位置に試薬容器がないこと、第2の検出位置によって規定されるかまたは第2の検出位置と一致する配置位置における誤った試薬容器、および第2の検出位置によって規定されるかまたは第2の検出位置と一致する配置位置における正しい試薬容器のうちの少なくとも1つを表示するように構成された表示装置をさらに備えてもよい。したがって、自動分析装置のオペレータは、試薬容器の状態を十分に知ることができる。
【0044】
第2の行の配置位置は、第1の行の配置位置に対して長手方向にシフトされていてもよい。したがって、引き出しの幅が低減されることができる。
【0045】
自動分析装置は、試薬容器から試薬を排出するように構成された排出装置をさらに備えてもよく、排出装置のそれぞれは、試薬容器内に浸漬されるように構成された浸漬管を備える。したがって、液体試薬は、浸漬管を通してそれを吸引することによって試薬容器から排出されることができる。
【0046】
浸漬管は、直線状に形成されてもよく、排出装置は、浸漬管が試薬容器から後退した開位置と、浸漬管が試薬容器内に浸漬される閉位置との間で直線的に移動可能であってもよい。したがって、排出装置を昇降させることにより、浸漬管は、試薬容器から後退しかつ試薬容器に挿入される。
【0047】
あるいは、浸漬管は、湾曲してもよく、排出装置は、浸漬管が試薬容器から後退した開位置と、浸漬管が試薬容器内に浸漬される閉位置との間で回動可能に移動可能である。この設計は、排出装置のためのスペースを低減させ、直線駆動装置と比較して単純な駆動装置を必要とする。
【0048】
自動分析装置は、試薬容器が、ハウジングに近位の引き出しの第1の引き出し位置においてのみ引き出し内に装填されるか、または引き出しから取り出されることを可能にするように構成されたブロッキング装置をさらに備えてもよい。したがって、第1の引き出し位置においてのみ、試薬容器の装填または取り出しが可能であり、試薬容器の同一性が同時に検出されることができる。
【0049】
ブロッキング装置は、排出装置に結合されてもよい。したがって、排出装置の移動が選択的にブロックされることができる。
【0050】
ブロッキング装置は、誤った試薬容器が検出された場合、少なくとも開位置から閉位置への排出装置の移動をブロックし、正しい試薬容器が検出された場合、少なくとも開位置から閉位置への排出装置の移動を可能にするように構成されてもよい。したがって、誤った試薬容器の交換が確実に防止されるように、排出装置の移動は、第1の引き出し位置においてのみ可能とされる。
【0051】
ブロッキング装置は、関連する試薬容器の排出が完了していない場合、少なくとも閉位置から開位置への排出装置の移動をブロックするように構成されてもよい。したがって、試薬の浪費が防止されるように、試薬容器の早期交換が防止される。
【0052】
ブロッキング装置は、試薬容器が、ハウジングに近位の引き出しの第1の引き出し位置を除く任意の引き出しにおいて引き出し内に装填されるか、または引き出しから取り出されることを防止するように構成されてもよい。したがって、試薬容器の交換は、第1の引き出し位置においてのみ可能であり、任意の他の試薬容器は、交換が阻止される。したがって、誤った試薬容器の交換が確実に防止される。
【0053】
自動分析装置のブロッキング装置は、少なくとも閉位置から開位置への第1の引き出し位置を除く任意の引き出し位置に関連する排出装置の移動をブロックするように構成されてもよい。したがって、第1の引き出し位置に関連する排出装置のみが移動されることができ、任意の他の排出装置は、移動が阻止される。したがって、誤った試薬容器の交換が確実に防止される。
【0054】
プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行されると、本明細書に含まれる1つ以上の実施形態において、本開示にかかる方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラムがさらに開示および提案される。具体的には、コンピュータプログラムは、コンピュータ可読データキャリアに記憶されることができる。したがって、具体的には、上述したような方法ステップa)からd)の1つ、2つ以上、または全ては、コンピュータまたはコンピュータネットワークを使用して、好ましくはコンピュータプログラムを使用して実行されることができる。
【0055】
プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行されると、本明細書に含まれる1つ以上の実施形態において、本開示にかかる方法を実行するために、プログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品が本明細書にさらに開示および提案される。具体的には、プログラムコード手段は、コンピュータ可読データキャリアに記憶されることができる。
【0056】
データ構造が記憶されたデータキャリアが本明細書にさらに開示および提案されており、これは、コンピュータまたはコンピュータネットワークのワーキングメモリまたはメインメモリなどのコンピュータまたはコンピュータネットワークにロードした後、本明細書に開示される1つ以上の実施形態にかかる方法を実行することができる。
【0057】
プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行されると、本明細書に含まれる1つまたは複数の実施形態による方法を実行するために、機械可読キャリアに記憶されたプログラムコードを有するコンピュータプログラム製品が本明細書にさらに開示および提案される。本明細書で使用される場合、コンピュータプログラム製品は、取引可能な製品としてのプログラムを指す。製品は、一般に、紙のフォーマットなどの任意のフォーマットで、またはコンピュータ可読データキャリア上に存在する。具体的には、コンピュータプログラム製品は、データネットワークを介して配布されることができる。
【0058】
最後に、本明細書に開示される1つ以上の実施形態にかかる方法を実行するための、コンピュータシステムまたはコンピュータネットワークによって読み取り可能な命令を含む変調データ信号が本明細書にさらに開示および提案される。
【0059】
本開示のコンピュータ実施態様を参照すると、本明細書に開示される実施形態の1つ以上にかかる方法のうちの1つ以上の方法ステップまたは全ての方法ステップは、コンピュータまたはコンピュータネットワークを使用することによって実行されることができる。したがって、一般に、データの提供および/または操作を含む方法ステップのいずれかは、コンピュータまたはコンピュータネットワークを使用することによって実行されることができる。一般に、これらの方法ステップは、試料の提供および/または実際の測定を実行する特定の態様などの手作業を必要とする方法ステップを通常除いて、任意の方法ステップを含むことができる。
【0060】
具体的には、本明細書では、さらに以下が開示される:
-プロセッサが、本明細書に記載された実施形態のうちの1つにかかる方法を実行するように適合された少なくとも1つのプロセッサを備えるコンピュータまたはコンピュータネットワーク。
【0061】
-データ構造がコンピュータ上で実行されている間に、本明細書に記載された実施形態の1つにかかる方法を実行するように適合されたコンピュータロード可能データ構造。
【0062】
-プログラムがコンピュータ上で実行されている間に、本明細書に記載された実施形態のうちの1つにかかる方法を実行するように適合されたコンピュータプログラム。
【0063】
-コンピュータプログラムがコンピュータ上またはコンピュータネットワーク上で実行されている間に、本明細書に記載された実施形態の1つにかかる方法を実行するためのプログラム手段を備えるコンピュータプログラム。
【0064】
-プログラム手段がコンピュータが読み取り可能な記憶媒体上に記憶された、先行する実施形態にかかるプログラム手段を備えるコンピュータプログラム。
【0065】
-データ構造が記憶媒体に記憶され、データ構造がコンピュータまたはコンピュータネットワークのメイン記憶部および/またはワーキング記憶部にロードされた後、本明細書に記載された実施形態の1つにかかる方法を実行するように適合された、記憶媒体。
【0066】
-コンピュータまたはコンピュータネットワーク上でプログラムコード手段が実行された場合に、本明細書に記載された実施形態の1つにかかる方法を実行するために、プログラムコード手段が記憶されることができる、または記憶媒体上に記憶されることができる、プログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品。
【0067】
要約すると、さらに可能な実施形態が除外されることなく、以下の実施形態が想定されることができる:
実施形態1:試料を分析する自動分析装置であって、
少なくとも1つの分析機器を少なくとも部分的に囲むハウジングと、
複数の試薬容器が装填されるように構成された引き出しであって、引き出しが、引き出しがハウジング内に引き込まれる引き込み位置と、引き出しがハウジングから引き出される引き出し位置との間でハウジングに対して長手方向に移動可能であり、引き出しが、少なくとも長手方向に平行な第1の行における試薬容器の複数の配置位置を規定する、引き出しと、
第1の行に関連付けられかつ第1の行に配置されたときに第1の検出位置において試薬容器を識別するように構成された第1の検出器と、を備える、自動分析装置。
【0068】
実施形態2:引き出しが、配置位置に対応する引き出し位置に所定の段数で移動可能である、先行する実施形態に記載の自動分析装置。
【0069】
実施形態3:引き出しを引き出し位置のそれぞれにおいて停止させるように構成された停止部、特にラッチをさらに備える、先行する実施形態に記載の自動分析装置。
【0070】
実施形態4:第1のスライダをさらに備え、第1の検出器が、第1のスライダに取り付けられ、第1のスライダが、第1のスライダがハウジング内に引き込まれるスライダ引き込み位置と、第1のスライダがハウジングから近位位置に引き出されるスライダ引き出し位置との間で移動可能である、先行する実施形態のいずれかに記載の自動分析装置。
【0071】
実施形態5:第1のスライダが、スライダ引き込み位置に向かって付勢されている、先行する実施形態に記載の自動分析装置。
【0072】
実施形態6:第1のスライダの移動が引き出しの移動に結合される、先行する2つの実施形態のいずれかに記載の自動分析装置。
【0073】
実施形態7:第1のスライダがスライダ引き出し位置に移動したとき、または試薬容器が第1の行の引き出し内に装填されたとき、または試薬容器が引き出しの第1の行から取り出されたとき、第1の検出器がトリガされる、先行する3つの実施形態のいずれかに記載の自動分析装置。
【0074】
実施形態8:スライダ引き出し位置が、第1の検出位置と重複する、先行する実施形態に記載の自動分析装置。
【0075】
実施形態9:第1の検出器をトリガするように構成されたスイッチ、センサ、または光バリアをさらに備える、先行する実施形態のいずれかに記載の自動分析装置。
【0076】
実施形態10:引き出しが、試薬容器が装填可能な傾斜内面を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の自動分析装置。
【0077】
実施形態11:引き出しの位置を検出するように構成された位置センサをさらに備える、先行する実施形態のいずれかに記載の自動分析装置。
【0078】
実施形態12:第1の検出器が引き出しの位置を検出するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載の自動分析装置。
【0079】
実施形態13:第1の検出器が、引き出しの移動方向を検出するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載の自動分析装置。
【0080】
実施形態14:第1の検出器が、複数の配置位置の間に配置された位置マーカによって引き出しの移動方向を検出するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載の自動分析装置。
【0081】
実施形態15:第1の検出器が、第1の行における各試薬容器の外面に取り付けられたRFIDタグによって試薬容器を識別するように構成されたRFIDリーダである、先行する実施形態のいずれかに記載の自動分析装置。
【0082】
実施形態16:第1の検出器が引き出しの下方または横方向に隣接して配置されている、先行する実施形態のいずれかに記載の自動分析装置。
【0083】
実施形態17:第1の検出器からの以下の検出結果、すなわち、第1の検出位置によって規定されるかまたは第1の検出位置と一致する配置位置に試薬容器がないこと、第1の検出位置によって規定されるかまたは第1の検出位置と一致する配置位置における誤った試薬容器、および第1の検出位置によって規定されるかまたは第1の検出位置と一致する配置位置における正しい試薬容器のうちの少なくとも1つを表示するように構成された表示装置をさらに備える、先行する実施形態のいずれかに記載の自動分析装置。
【0084】
実施形態18:引き出しが、少なくとも長手方向に平行な第2の行における試薬容器の複数の配置位置をさらに規定し、自動分析装置が、第2の行に関連付けられかつ第2の行に配置されたときに第2の検出位置において試薬容器を識別するように構成された第2の検出器をさらに備える、先行する実施形態のいずれかに記載の自動分析装置。
【0085】
実施形態19:第2のスライダをさらに備え、第2の検出器が、第2のスライダに取り付けられ、第2のスライダが、第2のスライダがハウジング内に引き込まれるスライダ引き込み位置と、第2のスライダがハウジングから近位位置に引き出されるスライダ引き出し位置との間で移動可能である、先行する実施形態のいずれかに記載の自動分析装置。
【0086】
実施形態20:第2のスライダが、スライダ引き出し位置に向かって付勢されている、先行する実施形態に記載の自動分析装置。
【0087】
実施形態21:第2のスライダの移動が引き出しの移動に結合される、先行する2つの実施形態のいずれかに記載の自動分析装置。
【0088】
実施形態22:第2のスライダがスライダ引き出し位置に移動したとき、または試薬容器が第2の行における引き出し内に装填されたとき、または試薬容器が引き出しの第2の行から取り出されたとき、第2の検出器がトリガされる、先行する3つの実施形態のいずれかに記載の自動分析装置。
【0089】
実施形態23:第1および第2のスライダが互いに接続されているか、または一体的に形成されている、先行する4つの実施形態のいずれかに記載の自動分析装置。
【0090】
実施形態24:第2の検出器をトリガするように構成されたスイッチ、センサ、または光バリアをさらに備える、先行する5つの実施形態のいずれかに記載の自動分析装置。
【0091】
実施形態25:第2の検出器が引き出しの位置を検出するように構成されている、先行する6つの実施形態のいずれかに記載の自動分析装置。
【0092】
実施形態26:第2の検出器が、引き出しの移動方向を検出するように構成されている、先行する7つの実施形態のいずれかに記載の自動分析装置。
【0093】
実施形態27:第2の検出器が、複数の配置位置の間に配置された位置マーカによって引き出しの移動方向を検出するように構成されている、先行する8つの実施形態のいずれかに記載の自動分析装置。
【0094】
実施形態28:第2の検出器が、第2の行における各試薬容器の外面に取り付けられたRFIDタグによって試薬容器を識別するように構成されたRFIDリーダである、先行する9つの実施形態のいずれかに記載の自動分析装置。
【0095】
実施形態29:第2の検出器が引き出しの下方または横方向に隣接して配置されている、先行する10個の実施形態のいずれかに記載の自動分析装置。
【0096】
実施形態30:第2の検出器からの以下の検出結果、すなわち、第2の検出位置によって規定されるかまたは第2の検出位置と一致する配置位置に試薬容器がないこと、第2の検出位置によって規定される配置位置における誤った試薬容器、および第2の検出位置によって規定されるかまたは第2の検出位置と一致する配置位置における正しい試薬容器のうちの少なくとも1つを表示するように構成された表示装置をさらに備える、先行する11個の実施形態のいずれかに記載の自動分析装置。
【0097】
実施形態31:第2の行の配置位置が、長手方向において第1の行の配置位置に対してシフトされている、先行する12個の実施形態のいずれかに記載の自動分析装置。
【0098】
実施形態32:試薬容器から試薬を排出するように構成された排出装置をさらに備え、排出装置のそれぞれが、試薬容器内に浸漬されるように構成された浸漬管を備える、先行する実施形態のいずれかに記載の自動分析装置。
【0099】
実施形態33:浸漬管が直線状に形成されており、排出装置が、浸漬管が試薬容器から後退した開位置と、浸漬管が試薬容器内に浸漬される閉位置との間で直線的に移動可能である、先行する実施形態に記載の自動分析装置。
【0100】
実施形態34:浸漬管が湾曲しており、排出装置が、浸漬管が試薬容器から後退した開位置と、浸漬管が試薬容器内に浸漬される閉位置との間で回動可能に移動可能である、実施形態32に記載の自動分析装置。
【0101】
実施形態35:試薬容器が、ハウジングに近位の引き出しの第1の引き出し位置においてのみ引き出し内に装填されるか、または引き出しから取り出されることを可能にするように構成されたブロッキング装置をさらに備える、実施形態32から34のいずれか一項に記載の自動分析装置。
【0102】
実施形態36:ブロッキング装置が排出装置に結合されている、先行する実施形態に記載の自動分析装置。
【0103】
実施形態37:ブロッキング装置が、誤った試薬容器が検出された場合、少なくとも開位置から閉位置への排出装置の移動をブロックし、正しい試薬容器が検出された場合、少なくとも開位置から閉位置への排出装置の移動を可能にするように構成されている、先行する実施形態に記載の自動分析装置。
【0104】
実施形態38:ブロッキング装置が、関連する試薬容器の排出が完了していない場合、少なくとも閉位置から開位置への排出装置の移動をブロックするように構成されている、先行する実施形態に記載の自動分析装置。
【0105】
実施形態39:ブロッキング装置が、試薬容器が、ハウジングに近位の引き出しの第1の引き出し位置を除く任意の引き出しにおいて引き出し内に装填されるか、または引き出しから取り出されることを防止するように構成されている、実施形態35から38のいずれか一項に記載の自動分析装置。
【0106】
実施形態40:ブロッキング装置が、少なくとも閉位置から開位置への第1の引き出し位置を除く任意の引き出し位置に関連する排出装置の移動をブロックするように構成されている、先行する実施形態に記載の自動分析装置。
【0107】
さらなる任意の特徴および実施形態は、好ましくは従属請求項と併せて、実施形態の後続の説明においてより詳細に開示される。その中で、それぞれの任意の特徴は、当業者が理解するように、独立した方法で、ならびに任意の実行可能な組み合わせで実現されることができる。本発明の範囲は、好ましい実施形態によって制限されない。実施形態は、図に概略的に示されている。その中で、これらの図の同一の参照符号は、同一または機能的に同等の要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0108】
図では以下のとおりである。
【
図1】本発明の第1の実施形態にかかる自動分析装置100の概略図を示している。
【
図2】本発明の第1の実施形態にかかる自動分析装置の引き出しの平面図を示している。
【
図3】試薬容器を含む引き出しの平面図を示している。
【
図4】本発明の第1の実施形態にかかる自動分析装置の引き出しの底面図を示している。
【
図5】第1の引き出し位置にある引き出しの平面図を示している。
【
図6】第2の引き出し位置にある引き出しの平面図を示している。
【
図7】第3の引き出し位置にある引き出しの平面図を示している。
【
図8】第4の引き出し位置にある引き出しの平面図を示している。
【
図9】第5の引き出し位置にある引き出しの平面図を示している。
【
図10】本発明の第2の実施形態にかかる自動分析装置の斜視図を示している。
【
図11】本発明の第2の実施形態にかかる自動分析装置の引き出しの平面図を示している。
【
図12】本発明の第3の実施形態にかかる自動分析装置の引き出しの平面図を示している。
【
図13】試薬容器を含む引き出しの平面図を示している。
【
図15】第1の引き出し位置にある引き出しの平面図を示している。
【
図16】第2の引き出し位置にある引き出しの平面図を示している。
【
図17】第3の引き出し位置にある引き出しの平面図を示している。
【
図18】第4の引き出し位置にある引き出しの平面図を示している。
【
図19】第5の引き出し位置にある引き出しの平面図を示している。
【
図22】排出装置の別の変形例の平面図を示している。
【
図25】本発明の第3の実施形態にかかる自動分析装置の変形例の一部の平面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0109】
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる自動分析装置100の概略図を示している。特に、
図1は、自動分析装置100の概略正面図を示している。自動分析装置100は、試料を分析するように構成されている。自動分析装置100は、ハウジング102を備える。ハウジング102は、少なくとも1つの分析機器104を少なくとも部分的に囲む。例えば、いくつかの分析機器104は、2つ、3つ、またはそれ以上が存在してもよい。分析機器104は、試料の分析プロセスを実行するように構成されている。自動分析装置100は、引き出し106をさらに備える。
【0110】
図2は、本発明の第1の実施形態にかかる自動分析装置100の引き出し106の平面図を示している。引き出し106は、複数の試薬容器108(
図2には図示せず)が装填されるように構成されている。
図3は、試薬容器108を含む引き出し106の平面図を示している。引き出し106は、以下にさらに詳細に説明するように、引き出し106がハウジング102内に引き込まれる引き込み位置と、引き出し106がハウジング102から引き出される引き出し位置との間でハウジング102に対して長手方向110に移動可能である。引き出し106は、少なくとも長手方向110に平行な第1の行114に試薬容器108の複数の配置位置112を規定する。単なる例として、本発明の第1の実施形態にかかる自動分析装置100の引き出し106は、以下では第1の配置位置112aから第5の配置位置112eとしても識別されることができる5つの配置位置112を規定する。したがって、引き出し106は、第1の行114に配置された5つの試薬容器108を装填することができ、これは、以下では第1の試薬容器108aから第5の試薬容器108eとしても識別されることができる。試薬容器108aから108eの識別は、第1の行114に適用される。引き出し106は、2つ、3つ、4つ、6つ、7つ、またはそれ以上の配置位置などの5つ未満または5つを超える配置位置112を規定することができることが明示的に述べられる。配置位置112は、第1の配置位置112aが、ハウジング102の内部から最も遠い、または引き出し106の前に立つユーザに最も近い引き出し106の先端に最も近い配置位置112であり、第2のおよび任意の後続の配置位置112bから112eが、ハウジング102の内部に向かって、または引き出し106の前に立つユーザから離れるように規定されるように、長手方向110に規定される。さらに、単なる例として、試薬容器108は、円形断面を有するボトルとして示されている。しかしながら、本発明は、直方体または切石状に形成された試薬容器などの任意の種類の試薬容器に適用可能であることが明示的に述べられる。本実施形態では、引き出し106は、手動で移動可能である。したがって、引き出し106は、自動分析装置100のユーザによって引っ張られたり押されたりする必要がある。このため、引き出し106は、ユーザによって把持可能なハンドル115を備えることができる。特に、引き出し106は、配置位置112に対応する引き出し位置に所定の段数で移動可能である。換言すれば、引き出し106は、試薬容器108のサイズに対応する寸法を有する段数でハウジング102から引き出されるように構成されており、その結果、引き出し位置のそれぞれが後続の順序で、第1の行114の順序でさらなる試薬容器108が移動され、ハウジング102から外側に配置される。この目的のために、自動分析装置100は、引き出し106を各引き出し位置において停止させるように構成されたラッチ(詳細には図示せず)などの停止部をさらに備える。
【0111】
自動分析装置100は、第1の検出器116をさらに備える。第1の検出器116は、第1の行114に関連付けられており、第1の行114に配置されたときに第1の検出位置において試薬容器108を識別するように構成されている。第1の検出器116は、第1の行114における各試薬容器108の外面に取り付けられたRFIDタグ118によって試薬容器108を識別するように構成されたRFIDリーダである。RFIDタグ118が試薬容器108の底面に取り付けられると、第1の検出器116は、引き出し106の下方に配置される。
【0112】
図4は、本発明の第1の実施形態にかかる自動分析装置100の引き出し106の底面図を示している。自動分析装置100は、第1のスライダ120をさらに備える。第1の検出器116は、第1のスライダ120に取り付けられる。第1のスライダ120は、第1のスライダ120がハウジング102内に引き込まれるスライダ引き込み位置と、第1のスライダ120がハウジング102から近位位置に引き出されるスライダ引き出し位置との間で移動可能である。
図4は、ハウジング102に隣接するスライダ引き出し位置にある第1のスライダ120を示している。図から分かるように、第1のスライダ120は、ばね122などによってスライダ引き込み位置に向かって付勢されている。第1のスライダ120は、第1のスライダ120の移動が引き出し106の移動に結合されるように、ガイド、レールなどによって引き出し106に接続されている。スライダ引き出し位置は、第1の検出位置と重なり合っている。したがって、引き出し106をいずれかの引き出し位置に移動させて第1のスライダ120がスライダ引き出し位置まで引き出されると、第1の検出器116は、第1の検出位置の上方の試薬容器108を識別するように第1の検出位置にある。さらに、第1の検出器116は、第1のスライダ120がスライダ引き出し位置に移動したとき、または試薬容器が第1の行114における引き出し106内に装填されたとき、または試薬容器108が引き出し106の第1の行114から取り出されたときにトリガされる。この目的のために、自動分析装置100は、第1の検出器116をトリガするように構成されたスイッチ、センサまたは光バリア124をさらに備える。したがって、第1の検出器116は、恒久的に動作されるのではなく、トリガされたときにのみ動作される。
図1に示すように、自動分析装置100は、第1の検出器116からの以下の検出結果、すなわち、第1の検出位置によって規定される第1の配置位置に試薬容器がないこと、第1の検出位置によって規定される第1の配置位置における誤った試薬容器、および第1の検出位置によって規定される第1の配置位置における正しい試薬容器のうちの少なくとも1つを表示するように構成された表示装置126を任意にさらに備えてもよい。第1の検出器116は、引き出し106の移動方向を検出するように構成されてもよい。例えば、第1の検出器116は、第1の行の複数の配置位置112の間に配置された位置マーカ(詳細には図示せず)によって引き出し106の移動方向を検出するように構成されている。
【0113】
以下、
図1から
図9を参照して、第1の実施形態の自動分析装置100の動作が説明される。動作の説明は、引き出し106が引き込み位置にあり、第1の行114の全ての試薬容器108が
図1から
図3に示す引き出し106に装填されている状態から始まる。これにより、各試薬容器108からの試薬が分析機器104に供給されることができる。試薬容器108のいずれかが変更または交換される必要がある場合、以下にさらに詳細に説明するように、引き出し106は、それぞれの引き出し位置に移動される必要がある。
【0114】
図5は、第1の引き出し位置にある引き出し106の平面図を示している。例えば、その試薬が消費されたために、ハウジング102の内部から最も遠い、または引き出し106の前に立っているユーザに最も近い第1の配置位置112aに配置された第1の試薬容器108aが交換されなければならないと仮定すると、ユーザは、引き出し106を引っ張り、
図2に示すような引き込み位置からハウジング102の近位にある
図5に示す第1の引き出し位置に移動させる。協働して、または引き出し106の移動とともに、第1のスライダ120は、ハウジング102の近位にある
図4に示すスライダ引き出し位置に移動される。これにより、第1の検出器116は、第1のスライダ120に取り付けられた状態で第1の検出位置に移動される。引き出し106の移動は、第1の検出器116をトリガする光バリア124によって検出される。第1の引き出し位置では、第1の行114における第1の試薬容器108aが取り出されて、新たな第1の試薬容器108aに交換されることができる。第1の検出器116は、その底面に取り付けられたRFIDタグ118を読み取ることによって、第1の配置位置112aにおける引き出し内に装填された後の新たな第1の試薬容器108aを識別する。第1の配置位置112aにおける新たな第1の試薬容器108aが正しい試薬を収容している場合、すなわち、新たな第1の試薬容器108aに収容されている試薬が第1の配置位置112aに関連する標的試薬に対応している場合にのみ、ユーザは、引き出し106を引き込み位置に戻すことができる。第1のスライダ120がスライダ引き込み位置に付勢されると、第1のスライダ120は、ユーザによって別途移動される必要なしに、引き出し106とともにスライダ引き込み位置に移動する。言うまでもなく、第1の検出器116もまた、第1のスライダ120に取り付けられるとハウジング102内に戻される。第1の配置位置112aにおける新たな第1の試薬容器108aが正しい試薬を収容していない場合、以下にさらに詳細に説明するように、引き出し106は、引き込み位置に戻ることが阻止される。
【0115】
図6は、第2の引き出し位置にある引き出し106の平面図を示している。例えばその試薬が消費されたために、第2の配置位置112bに配置された第2の試薬容器108bが交換されなければならないと仮定すると、ユーザは、引き出し106を引っ張り、それを
図2に示すような引き込み位置から
図5に示す第2の引き出し位置まで、長手方向110における第1の引き出し位置に続いてハウジング102から外側に移動させる。協働して、または引き出し106の移動とともに、第1のスライダ120は、ハウジング102の近位にある
図4に示すスライダ引き出し位置に移動される。これにより、第1の検出器116は、第1のスライダ120に取り付けられた状態で第1の検出位置に移動される。引き出し106の移動は、第1の検出器116をトリガする光バリア124によって検出される。第2の引き出し位置では、行114における第2の試薬容器108bが取り出されて、新たな第2の試薬容器108bに交換されることができる。第1の検出器116は、その底面に取り付けられたRFIDタグ118を読み取ることによって、第2の配置位置112bにおける引き出し106に装填された後の新たな第2の試薬容器108bを識別する。第2の配置位置112bにおける新たな第2の試薬容器108bが正しい試薬を収容している場合、すなわち、新たな第2の試薬容器108bに収容されている試薬が第2の配置位置112bに関連する標的試薬に対応している場合にのみ、ユーザは、引き出し106を引き込み位置に戻すことができる。第1のスライダ120がスライダ引き込み位置に付勢されると、第1のスライダ120は、ユーザによって別途移動される必要なしに、引き出し106とともにスライダ引き込み位置に移動する。言うまでもなく、第1の検出器116もまた、第1のスライダ120に取り付けられるとハウジング102内に戻される。第2の配置位置112bにおける新たな第2の試薬容器108bが正しい試薬を収容していない場合、以下にさらに詳細に説明するように、引き出し106は、引き込み位置に戻ることが阻止される。
【0116】
図7は、第3の引き出し位置にある引き出し106の平面図を示している。例えばその試薬が消費されたために、第3の配置位置112cに配置された第3の試薬容器108cが交換されなければならないと仮定すると、ユーザは、引き出し106を引っ張り、それを
図2に示すような引き込み位置から
図7に示す第3の引き出し位置まで、長手方向110における第2の引き出し位置に続いてハウジング102から外側に移動させる。協働して、または引き出し106の移動とともに、第1のスライダ120は、ハウジング102の近位にある
図4に示すスライダ引き出し位置に移動される。これにより、第1の検出器116は、第1のスライダ120に取り付けられた状態で第1の検出位置に移動される。引き出し106の移動は、第1の検出器116をトリガする光バリア124によって検出される。第3の引き出し位置では、行114における第3の試薬容器108cが取り出されて、新たな第3の試薬容器108cに交換されることができる。第1の検出器116は、その底面に取り付けられたRFIDタグ118を読み取ることによって、第3の配置位置112cにおける引き出し106に装填された後の新たな第3の試薬容器108cを識別する。第3の配置位置112cにおける新たな第3の試薬容器108cが正しい試薬を収容している場合、すなわち、新たな第2の試薬容器108bに収容されている試薬が第3の配置位置112bに関連する標的試薬に対応している場合にのみ、ユーザは、引き出し106を引き込み位置に戻すことができる。第1のスライダ120がスライダ引き込み位置に付勢されると、第1のスライダ120は、ユーザによって別途移動される必要なしに、引き出し106とともにスライダ引き込み位置に移動する。言うまでもなく、第1の検出器116もまた、第1のスライダ120に取り付けられるとハウジング102内に戻される。第3の配置位置112cにおける新たな第3の試薬容器108cが正しい試薬を収容していない場合、以下にさらに詳細に説明するように、引き出し106は、引き込み位置に戻ることが阻止される。
【0117】
図8は、第4の引き出し位置にある引き出し106の平面図を示している。例えばその試薬が消費されたために、第4の配置位置112dに配置された第4の試薬容器108dが交換されなければならないと仮定すると、ユーザは、引き出し106を引っ張り、それを
図2に示すような引き込み位置から
図8に示す第4の引き出し位置まで、長手方向110における第3の引き出し位置に続いてハウジング102から外側に移動させる。協働して、または引き出し106の移動とともに、第1のスライダ120は、ハウジング102の近位にある
図4に示すスライダ引き出し位置に移動される。これにより、第1の検出器116は、第1のスライダ120に取り付けられた状態で第1の検出位置に移動される。引き出し106の移動は、第1の検出器116をトリガする光バリア124によって検出される。第4の引き出し位置では、行114における第4の試薬容器108dが取り出されて、新たな第4の試薬容器108dに交換されることができる。第1の検出器116は、その底面に取り付けられたRFIDタグ118を読み取ることによって、第4の配置位置112dにおける引き出し106に装填された後の新たな第4の試薬容器108dを識別する。第4の配置位置112dにおける新たな第4の試薬容器108dが正しい試薬を収容している場合、すなわち、新たな第4の試薬容器108dに収容されている試薬が第4の配置位置112dに関連する標的試薬に対応している場合にのみ、ユーザは、引き出し106を引き込み位置に戻すことができる。第1のスライダ120がスライダ引き込み位置に付勢されると、第1のスライダ120は、ユーザによって別途移動される必要なしに、引き出し106とともにスライダ引き込み位置に移動する。言うまでもなく、第1の検出器116もまた、第1のスライダ120に取り付けられるとハウジング102内に戻される。第4の配置位置112dにおける新たな第4の試薬容器108dが正しい試薬を収容していない場合、以下にさらに詳細に説明するように、引き出し106は、引き込み位置に戻ることが阻止される。
【0118】
図9は、第5の引き出し位置にある引き出し106の平面図を示している。例えばその試薬が消費されたために、第5の配置位置112eに配置された第5の試薬容器108eが交換されなければならないと仮定すると、ユーザは、引き出し106を引っ張り、それを
図2に示すような引き込み位置から
図9に示す第5の引き出し位置まで、長手方向110における第4の引き出し位置に続いてハウジング102から外側に移動させる。協働して、または引き出し106の移動とともに、第1のスライダ120は、ハウジング102の近位にある
図4に示すスライダ引き出し位置に移動される。これにより、第1の検出器116は、第1のスライダ120に取り付けられた状態で第1の検出位置に移動される。引き出し106の移動は、第1の検出器116をトリガする光バリア124によって検出される。第5の引き出し位置では、行114における第5の試薬容器108eが取り出されて、新たな第5の試薬容器108eに交換されることができる。第1の検出器116は、その底面に取り付けられたRFIDタグ118を読み取ることによって、第5の配置位置112eにおける引き出し106に装填された後の新たな第5の試薬容器108eを識別する。第5の配置位置112eにおける新たな第5の試薬容器108eが正しい試薬を収容している場合、すなわち、新たな第5の試薬容器108eに収容されている試薬が第5の配置位置112eに関連する標的試薬に対応している場合にのみ、ユーザは、引き出し106を引き込み位置に戻すことができる。第1のスライダ120がスライダ引き込み位置に付勢されると、第1のスライダ120は、ユーザによって別途移動される必要なしに、引き出し106とともにスライダ引き込み位置に移動する。言うまでもなく、第1の検出器116もまた、第1のスライダ120に取り付けられるとハウジング102内に戻される。第5の配置位置112eにおける新たな第5の試薬容器108eが正しい試薬を収容していない場合、以下にさらに詳細に説明するように、引き出し106は、引き込み位置に戻ることが阻止される。
【0119】
図10は、本発明の第2の実施形態にかかる自動分析装置100の斜視図を示している。以下では、本発明の第1の実施形態にかかる自動分析装置100との相違点についてのみ説明し、同一または同等の構成部材および特徴は、同様の参照符号によって示される。本発明の第2の実施形態にかかる自動分析装置100によれば、第1の検出器116は、引き出し106の横方向に隣接して配置されている。さらに、第1のスライダ120もまた、引き出し106の横方向に隣接して配置されている。単なる例として、第1の検出器116および第1のスライダ120は、それぞれ、引き出し106の側壁128の横方向に隣接して配置されている。さらに、側壁128は、開口130を備える。開口130は、長手方向110から見て、試薬容器108の配置位置112と重なり合う位置に配置されている。さらに、開口130の数は、配置位置112の数に対応する。これにより、第1の検出器116は、試薬容器108の側面に取り付けられたRFIDタグ118が開口130によって露出されると、RFIDタグ118を検出するように構成されている。あるいは、開口130は、タグと検出器との間の光学的接触なしにRFIDタグ118が読み取られることができるように、金属または任意の他の電気遮蔽材料、例えば閉じたプラスチック壁のない領域であってもよい。
【0120】
図11は、本発明の第2の実施形態にかかる自動分析装置100の引き出しの平面図を示している。引き出し106は、第1の引き出し位置に示されている。第1のスライダ120は、引き出し106の横方向に隣接して配置されたばね122などによってスライダ引き込み位置に向かって付勢されている。さらに、第1のスライダ120は、第1のスライダ120がスライダ引き出し位置にあるときにハウジング102の前縁136と係合するように構成されたストッパ132をその後端部134に備える。これにより、第1のスライダ120の移動は、スライダ引き出し位置に制限され、それ以上の外側への移動が防止される。第2の実施形態にかかる自動分析装置100の基本的な動作は、第1の実施形態にかかる自動分析装置100の動作と同一である。第2の実施形態は、それぞれの構造部材のコンパクトさまたは空間的配置に関して大きな利点を含むため、好ましい場合がある。特に、第1のスライダ120および第1の検出器116の横方向の配置は、引き出し106の下方の配置と比較して空間を安全にする。さらに、この横方向の配置は、RFIDタグ118が試薬容器108の底面に取り付けるよりも簡単である側面に取り付けられることを必要とする。
【0121】
図12は、本発明の第3の実施形態にかかる自動分析装置100の引き出し106の平面図を示している。以下では、本発明の第1の実施形態にかかる自動分析装置100との相違点についてのみ説明し、同一または同等の構成部材および特徴は、同様の参照符号によって示される。引き出し106は、少なくとも長手方向110に平行な第2の行140内に試薬容器108(
図12には図示せず)の複数の配置位置112をさらに規定する。試薬容器108は、説明のために
図12には示されていない。
図13は、試薬容器108を含む引き出し106の平面図を示している。単なる例として、本発明の第3の実施形態にかかる自動分析装置100の引き出し106は、以下では第1の配置位置112aから第5の配置位置112eとしても識別されることができる、第2の行140とともに5つの配置位置112を規定する。したがって、引き出し106は、第2の行140に配置された5つの試薬容器108を装填することができ、これは、以下では第2の行140の第1の試薬容器108aから第5の試薬容器108eとしても識別されることができる。第1の行114および第2の行140を設けることは、第1の行114および第2の行140の各配置位置112において、同一の試薬を収容する試薬容器108を引き出し106に装填することを可能にする。したがって、各配置位置112について、2つの同一の試薬が存在するため、いわゆるボトルまたは容器の切り替えが可能とされる。換言すれば、自動分析装置100は、行114、120のうちの一方における試薬容器から試薬が消費された場合には、動作を中断する必要なしに、他方の行120、144における同じ配置位置112の試薬容器に切り替えることができる。
【0122】
自動分析装置100は、第2の検出器142をさらに備える。第2の検出器142は、第2の行140に関連付けられており、第2の行140に配置されたときに第2の検出位置において試薬容器108を識別するように構成されている。第2の検出器142は、第2の行140における各試薬容器108の外面に取り付けられたRFIDタグ118によって第2の行140の試薬容器108を識別するように構成されたRFIDリーダである。RFIDタグ118が試薬容器108の底面に取り付けられると、第2の検出器142は、引き出し106の下方に配置される。
【0123】
図14は、引き出し106の底面図を示している。自動分析装置100は、第2のスライダ144をさらに備える。第2のスライダ144には、第2の検出器142が取り付けられている。第2のスライダ144は、第2のスライダ144がハウジング102内に引き込まれるスライダ引き込み位置と、第2のスライダ144がハウジング102から近位位置に引き出されるスライダ引き出し位置との間で移動可能である。第1および第2のスライダ120、144は、互いに接続されているか、または一体に形成されている。したがって、第1および第2のスライダ120、144は、ともに移動可能である。
図14は、ハウジング102に隣接するスライダ引き出し位置にある第2のスライダ144を示している。図から分かるように、第2のスライダ144は、ばね122などによってスライダ引き込み位置に向かって付勢されている。第2のスライダ144は、第2のスライダ144の移動が引き出し106の移動に結合されるように、ガイド、レールなどによって引き出し106に接続されている。スライダ引き出し位置は、第2の検出位置と重なり合っている。したがって、引き出し106をいずれかの引き出し位置に移動させて第2のスライダ144がスライダ引き出し位置まで引き出されると、第2の検出器142は、第2の検出位置の上方の試薬容器108を識別するように第2の検出位置にある。さらに、第2の検出器142は、第2のスライダ144がスライダ引き出し位置に移動したとき、または試薬容器が第2の行140における引き出し106内に装填されたとき、または試薬容器108が引き出し106の第2の行140から取り出されたときにトリガされる。この目的のために、自動分析装置100は、第2の検出器142をトリガするように構成されたスイッチ、センサまたは光バリア124をさらに備える。したがって、第2の検出器142は、恒久的に動作されるのではなく、トリガされたときにのみ動作される。任意の表示装置126は、第2の検出器142からの以下の検出結果、すなわち、第2の検出位置によって規定される配置位置に試薬容器がないこと、第2の検出位置によって規定される配置位置における誤った試薬容器、および第2の検出位置によって規定される配置位置における正しい試薬容器のうちの少なくとも1つを表示するように構成されてもよい。言うまでもなく、順次第2の行140に関連付けられた図示の表示装置126とは別個の表示装置が存在してもよい。換言すれば、各行に対して、別個の表示装置が存在してもよい。第2の検出器142は、引き出し106の移動方向を検出するように構成されてもよい。例えば、第2の検出器142は、第2の行140の複数の配置位置112の間に配置された位置マーカ(詳細には図示せず)によって引き出し106の移動方向を検出するように構成されている。
【0124】
以下、
図12から
図19を参照して、第3の実施形態の自動分析装置100の動作が説明される。動作の説明は、引き出し106が引き込み位置にあり、第1の行114および第2の行140の全ての試薬容器108が
図12および
図13に示す引き出し106に装填されている状態から始まる。これにより、各試薬容器108からの試薬が分析機器104に供給されることができる。試薬容器108のいずれかが変更または交換される必要がある場合、以下にさらに詳細に説明するように、引き出し106は、それぞれの引き出し位置に移動される必要がある。
【0125】
図15は、第1の引き出し位置にある引き出し106の平面図を示している。例えば、その試薬が消費されたために、ハウジング102の内部から最も遠い、または引き出し106の前に立っているユーザに最も近い第1の行114および/または第2の行140の第1の配置位置112aに配置された第1の試薬容器108aが交換されなければならないと仮定すると、ユーザは、引き出し106を引っ張り、
図12に示すような引き込み位置からハウジング102の近位にある
図15に示す第1の引き出し位置に移動させる。協働して、または引き出し106の移動とともに、第1のスライダ120および第2のスライダ144は、ハウジング102の近位にある
図14に示すスライダ引き出し位置に移動される。これにより、第1の検出器116および第2の検出器142は、それぞれ、それらが第1のスライダ120および第2のスライダ144に取り付けられた状態で第1の検出位置および第2の検出位置に移動される。引き出し106の移動は、第1の検出器116および/または第2の検出器142をトリガする光バリア124によって検出される。第1の引き出し位置では、第1の行114および/または第2の行140における第1の試薬容器108aが取り出されて、新たな第1の試薬容器108aに交換されることができる。第1の検出器116および/または第2の検出器142は、その底面に取り付けられたRFIDタグ118を読み取ることによって、第1の配置位置112aにおける引き出し106に装填された後の新たな第1の試薬容器108aを識別する。第1の配置位置112aにおける新たな第1の試薬容器108aが正しい試薬を収容している場合、すなわち、新たな第1の試薬容器108aに収容されている試薬が第1の行114または第2の行140の第1の配置位置112aに関連する標的試薬に対応している場合にのみ、ユーザは、引き出し106を引き込み位置に戻すことができる。第1のスライダ120および第2のスライダ144がスライダ引き込み位置に付勢されると、第1のスライダ120および第2のスライダ144は、ユーザによって別途移動される必要なしに、引き出し106とともにスライダ引き込み位置に移動する。言うまでもなく、第1の検出器116および第2の検出器142はまた、それぞれ、第1のスライダ120および第2のスライダ44に取り付けられると、ハウジング102内に戻される。第1の行114または第2の行140の第1の配置位置112aにおける新たな第1の試薬容器108aが正しい試薬を収容していない場合、以下にさらに詳細に説明するように、引き出し106は、引き込み位置に戻ることが阻止される。
【0126】
図16は、第2の引き出し位置にある引き出し106の平面図を示している。例えばその試薬が消費されたために、第2の配置位置112bに配置された第1の行114および/または第2の行140の第2の試薬容器108bが交換されなければならないと仮定すると、ユーザは、引き出し106を引っ張り、それを
図12に示すような引き込み位置から
図16に示す第2の引き出し位置まで、長手方向110における第1の引き出し位置に続いてハウジング102から外側に移動させる。協働して、または引き出し106の移動とともに、第1のスライダ120および第2のスライダ144は、ハウジング102の近位にある
図14に示すスライダ引き出し位置に移動される。これにより、第1の検出器116および第2の検出器142は、それぞれ、それらが第1のスライダ120および第2のスライダ144に取り付けられた状態で第1の検出位置および第2の検出位置に移動される。引き出し106の移動は、第1の検出器116および/または第2の検出器142をトリガする光バリア124によって検出される。第2の引き出し位置では、第1の行114および/または第2の行140における第2の試薬容器108bが取り出されて、新たな第2の試薬容器108bに交換されることができる。第1の検出器116および/または第2の検出器142は、その底面に取り付けられたRFIDタグ118を読み取ることによって、第1の行114および/または第2の行140の第2の配置位置112bにおける引き出し106に装填された後の新たな第2の試薬容器108bを識別する。第1の行114および/または第2の行140の第2の配置位置112bにおける新たな第2の試薬容器108bが正しい試薬を収容している場合、すなわち、新たな第2の試薬容器108bに収容されている試薬が第1の行114および/または第2の行140の第2の配置位置112bに関連する標的試薬に対応している場合にのみ、ユーザは、引き出し106を引き込み位置に戻すことができる。第1のスライダ120および第2のスライダ144がスライダ引き込み位置に付勢されると、第1のスライダ120および第2のスライダ144は、ユーザによって別途移動される必要なしに、引き出し106とともにスライダ引き込み位置に移動する。言うまでもなく、第1の検出器116および第2の検出器142はまた、それぞれ、第1のスライダ120および第2のスライダ144に取り付けられると、ハウジング102内に戻される。第1の行114および/または第2の行140の第2の配置位置112bにおける新たな第2の試薬容器108bが正しい試薬を収容していない場合、以下にさらに詳細に説明するように、引き出し106は、引き込み位置に戻ることが阻止される。
【0127】
図17は、第3の引き出し位置にある引き出し106の平面図を示している。例えばその試薬が消費されたために、第1の行114および/または第2の行140の第3の配置位置112cに配置された第3の試薬容器108cが交換されなければならないと仮定すると、ユーザは、引き出し106を引っ張り、それを
図12に示すような引き込み位置から
図17に示す第3の引き出し位置まで、長手方向110における第2の引き出し位置に続いてハウジング102から外側に移動させる。協働して、または引き出し106の移動とともに、第1のスライダ120および第2のスライダ144は、ハウジング102の近位にある
図14に示すスライダ引き出し位置に移動される。これにより、第1の検出器116および第2の検出器142は、それぞれ、それらが第1のスライダ120および第2のスライダ144に取り付けられた状態で第1の検出位置および第2の検出位置に移動される。引き出し106の移動は、第1の検出器116および/または第2の検出器142をトリガする光バリア124によって検出される。第3の引き出し位置では、第1の行114および/または第2の行140における第3の試薬容器108cが取り出されて、新たな第3の試薬容器108cに交換されることができる。第1の検出器116および/または第2の検出器142は、その底面に取り付けられたRFIDタグ118を読み取ることによって、第1の行114および/または第2の行140の第3の配置位置112cにおける引き出し106に装填された後の新たな第3の試薬容器108bを識別する。第1の行114および/または第2の行140の第3の配置位置112cにおける新たな第3の試薬容器108cが正しい試薬を収容している場合、すなわち、新たな第2の試薬容器108bに収容されている試薬が第3の配置位置112cに関連する標的試薬に対応している場合にのみ、ユーザは、引き出し106を引き込み位置に戻すことができる。第1のスライダ120および第2のスライダ144がスライダ引き込み位置に付勢されると、第1のスライダ120および第2のスライダ144は、ユーザによって別途移動される必要なしに、引き出し106とともにスライダ引き込み位置に移動する。言うまでもなく、第1の検出器116および第2の検出器142はまた、それぞれ、第1のスライダ120および第2のスライダ144に取り付けられると、ハウジング102内に戻される。第1の行114および/または第2の行140の第3の配置位置112cにおける新たな第3の試薬容器108cが正しい試薬を収容していない場合、以下にさらに詳細に説明するように、引き出し106は、引き込み位置に戻ることが阻止される。
【0128】
図18は、第4の引き出し位置にある引き出し106の平面図を示している。例えばその試薬が消費されたために、第1の行114および/または第2の行140の第4の配置位置112dに配置された第4の試薬容器108dが交換されなければならないと仮定すると、ユーザは、引き出し106を引っ張り、それを
図12に示すような引き込み位置から
図18に示す第4の引き出し位置まで、長手方向110における第3の引き出し位置に続いてハウジング102から外側に移動させる。協働して、または引き出し106の移動とともに、第1のスライダ120および第2のスライダ144は、ハウジング102の近位にある
図14に示すスライダ引き出し位置に移動される。これにより、第1の検出器116および第2の検出器142は、それらが第1のスライダ120および第2のスライダ144に取り付けられた状態で第1の検出位置および第2の検出位置に移動される。引き出し106の移動は、第1の検出器116および/または第2の検出器142をトリガする光バリア124によって検出される。第4の引き出し位置では、第1の行114および/または第2の行140における第4の試薬容器108dが取り出されて、新たな第4の試薬容器108dに交換されることができる。第1の検出器116および/または第2の検出器142は、その底面に取り付けられたRFIDタグ118を読み取ることによって、第1の行114および/または第2の行140の第4の配置位置112dにおける引き出し106に装填された後の新たな第4の試薬容器108dを識別する。第1の行114および/または第2の行140の第4の配置位置112dにおける新たな第4の試薬容器108dが正しい試薬を収容している場合、すなわち、新たな第4の試薬容器108dに収容されている試薬が第1の行114および/または第2の行140の第4の配置位置112dに関連する標的試薬に対応している場合にのみ、ユーザは、引き出し106を引き込み位置に戻すことができる。第1のスライダ120および第2のスライダ144がスライダ引き込み位置に付勢されると、第1のスライダ120および第2のスライダ144は、ユーザによって別途移動される必要なしに、引き出し106とともにスライダ引き込み位置に移動する。言うまでもなく、第1の検出器116および第2の検出器142はまた、第1のスライダ120および第2のスライダ144に取り付けられると、ハウジング102内に戻される。第1の行114および/または第2の行140の第4の配置位置112dにおける新たな第4の試薬容器108dが正しい試薬を収容していない場合、以下にさらに詳細に説明するように、引き出し106は、引き込み位置に戻ることが阻止される。
【0129】
図19は、第5の引き出し位置にある引き出し106の平面図を示している。例えばその試薬が消費されたために、第1の行114および/または第2の行140の第5の配置位置112eに配置された第5の試薬容器108eが交換されなければならないと仮定すると、ユーザは、引き出し106を引っ張り、それを
図12に示すような引き込み位置から
図19に示す第5の引き出し位置まで、長手方向110における第4の引き出し位置に続いてハウジング102から外側に移動させる。協働して、または引き出し106の移動とともに、第1のスライダ120および第2のスライダ144は、ハウジング102の近位にある
図14に示すスライダ引き出し位置に移動される。これにより、第1の検出器116および第2の検出器142は、それぞれ、それらが第1のスライダ120および第2のスライダ144に取り付けられた状態で第1の検出位置および第2の検出位置に移動される。引き出し106の移動は、第1の検出器116および/または第2の検出器142をトリガする光バリア124によって検出される。第5の引き出し位置では、第1の行114または第2の行140における第5の試薬容器108eが取り出されて、新たな第5の試薬容器108eに交換されることができる。第1の検出器116および/または第2の検出器142は、その底面に取り付けられたRFIDタグ118を読み取ることによって、第1の行114および/または第2の行140の第5の配置位置112eにおける引き出し106に装填された後の新たな第5の試薬容器108eを識別する。第1の行114および/または第2の行140の第5の配置位置112eにおける新たな第5の試薬容器108eが正しい試薬を収容している場合、すなわち、新たな第5の試薬容器108eに収容されている試薬が第1の行114および/または第2の行140の第5の配置位置112eに関連する標的試薬に対応している場合にのみ、ユーザは、引き出し106を引き込み位置に戻すことができる。第1のスライダ120および第2のスライダ144がスライダ引き込み位置に付勢されると、第1のスライダ120および第2のスライダ144は、ユーザによって別途移動される必要なしに、引き出し106とともにスライダ引き込み位置に移動する。言うまでもなく、第1の検出器116および第2のスライダ144はまた、それぞれ、第1のスライダ120および第2のスライダ144に取り付けられると、ハウジング102内に戻される。第1の行114および/または第2の行140の第5の配置位置112eにおける新たな第5の試薬容器108eが正しい試薬を収容していない場合、以下にさらに詳細に説明するように、引き出し106は、引き込み位置に戻ることが阻止される。
【0130】
図20は、排出装置146の側面図を示している。排出装置146は、第1から第3の実施形態のいずれかにかかる自動分析装置100とともに使用されてもよく、またはその一部であってもよい。排出装置146は、試薬容器108から試薬を排出するように構成されている。換言すれば、各試薬容器108がそれ自体の排出装置146を有するように、試薬容器108ごとに排出装置146が存在する。排出装置146のそれぞれは、試薬容器108内に浸漬されるように構成された浸漬管148を備える。
図20の排出装置146によれば、浸漬管148は、直線状に形成されている。さらに、排出装置146は、浸漬管148が試薬容器108から後退した
図20の上部に示される開位置と、浸漬管148が試薬容器108内に浸漬される
図20の下部に示される閉位置との間で直線的に移動可能である。この目的のために、排出装置146は、ガイドレール150などに沿って昇降されてもよい。浸漬管148は、試薬容器108の首部152の開口151の中心点を中心として配置されている。
【0131】
図21は、
図20の排出装置146の変形例の側面図を示している。以下では、
図20の排出装置146との相違点についてのみ説明し、同一または同等の構成部材および特徴は、同様の参照符号によって示される。浸漬管148は、試薬容器108の首部152の開口151の中心点に対して偏心して配置されている。さらに、引き出し106は、試薬容器108を装填可能な傾斜内面154を備える。これにより、試薬容器108のデッドスペース容積が削減されることができる。
図20の排出装置146はまた、傾斜内面154を有する引き出しとともに使用されてもよいことが明示的に述べられる。
【0132】
図22は、
図20の排出装置146の別の変形例の平面図を示している。以下では、
図20の排出装置146との相違点についてのみ説明し、同一または同等の構成部材および特徴は、同様の参照符号によって示される。浸漬管148は、試薬容器108の首部152の開口151の中心点を中心として配置されている。
図22に示すように、排出装置146は、第1の行および第2の行140の試薬容器108が互いに対してシフトされるにつれて、長手方向に対して傾斜している。
【0133】
図23は、別の排出装置146の側面図を示している。
図24は、
図23の排出装置146の平面図を示している。以下では、
図20の排出装置146との相違点についてのみ説明し、同一または同等の構成部材および特徴は、同様の参照符号によって示される。浸漬管148は湾曲しており、排出装置146は、
図23の右部に示すように、浸漬管148が試薬容器148から後退した開位置と、
図23の左部に示すように、浸漬管148が試薬容器108内に浸漬される閉位置との間で回動可能に移動可能である。
【0134】
さらに、
図23に示すように、本明細書に記載の実施形態のいずれかにかかる自動分析装置100は、試薬容器108がハウジング102に近位の引き出し106の第1の引き出し位置においてのみ引き出し106に装填されるか、または引き出しから取り出されることを可能にするように構成されたブロッキング装置156をさらに備えてもよい。ブロッキング装置156は、排出装置146に結合されている。特に、各排出装置146は、別個のブロッキング装置156に関連付けられている。ブロッキング装置156は、誤った試薬容器108が検出された場合、少なくとも開位置から閉位置への排出装置146の移動をブロックし、正しい試薬容器108が検出された場合、少なくとも開位置から閉位置への排出装置146の移動を可能にするように構成されている。換言すれば、識別された試薬容器108が特定の配置位置112に対応する標的試薬容器108に対応していない場合、排出装置146は、閉位置に移動されなくてもよい。これにより、自動分析装置100への誤った試薬の供給が防止されることができる。自動分析装置のブロッキング装置156は、関連する試薬容器108の排出が完了していない場合、少なくとも閉位置から開位置への排出装置146の移動をブロックするように構成されてもよい。さらに、ブロッキング装置156は、試薬容器108が、ハウジング102に近位の引き出し106の第1の引き出し位置を除く任意の引き出しにおいて引き出し106に装填されるか、または引き出しから取り出されることを防止するように構成されている。特に、ブロッキング装置156は、少なくとも閉位置から開位置への第1の引き出し位置を除く任意の引き出し位置に関連する排出装置146の移動をブロックするように構成されている。
図23に示す例示的な実施形態によれば、ブロッキング装置は、排出装置146がその開位置または閉位置にあるかどうかを検出するように構成されたセンサ158を備える。さらに、ブロッキング装置156は、排出装置146の移動を防止するように、または排出装置146の移動を可能にするように、排出装置146と選択的に係合するように構成された回動フック160を備える。さらに、ブロッキング装置156は、モータ162と、フック162に接続されたばね164とを備える。モータ162は、ばね164がフック162に接続されると、ばね164およびフック162を移動させるように構成されている。したがって、センサ158が排出装置146の開位置を検出した場合、モータ162は、フック162を移動させて排出装置146と係合させるように駆動される。これにより、排出装置146の移動が阻止される。試薬容器108の交換後に第1の検出器116および/または第2の検出器142によって正しい試薬容器108が識別された場合、モータ162は、フック162を移動させて排出装置146から係合解除させるように駆動される。これにより、排出装置146の移動が許容される。
【0135】
図25は、本発明の第3の実施形態にかかる自動分析装置100の変形例の一部の平面図を示している。以下では、本発明の第3の実施形態にかかる自動分析装置100との相違点についてのみ説明し、同一または同等の構成部材および特徴は、同様の参照符号によって示される。本発明の変形した第3の実施形態にかかる自動分析装置100によれば、第2の行140の配置位置112は、長手方向110において第1の行114の配置位置に対してシフトされている。このシフト配置は、排出装置146の配置を容易にする。
【0136】
さらに、第1の行114および第2の行140の配置位置112の間には、位置マーカ166が配置されている。位置マーカ166は、RFIDタグである。単なる例として、第1の位置マーカ166aから第6の位置マーカ166fとして識別される6つの位置マーカ166が示されている。第1の位置マーカ166aから第6の位置マーカ166fは、第1の行114および第2の行140の配置位置112の間に交互に配置されている。これにより、引き出し106の移動方向は、第1の検出器116および第2の検出器142によって検出されることができる。例えば、第4の位置マーカ166dが第2の検出器142によって検出される前に、第3の位置マーカ166cが第1の検出器142によって検出された場合、引き出し106は、それぞれ、引き込み位置に向かってハウジング102内に移動される。例えば、第3の位置マーカ166cが第1の検出器142によって検出される前に、第4の位置マーカ166dが第2の検出器142によって検出された場合、引き出し106は、それぞれ、引き出し位置に向かってハウジング102から移動される。言うまでもなく、引き出しが手動で移動可能ではなく、モータなどによって移動される場合、モータの制御ユニットは移動方向を把握し、位置マーカ166は、省略されてもよい。さらに、位置マーカの検出は、第1および第2の検出器116、142以外の他の検出器によって行われてもよい。
【0137】
上述した実施形態に関して、第1の検出器116および/または第2の検出器142は、上記の方法で引き出し106の位置を検出するように構成されているものとして説明されていることに留意されたい。引き出し106の位置を検出するために他の装置または方法が適用されることができることが明示的に述べられる。例えば、2つ以上の光バリアが使用されてもよい。さらなる例は、直線移動を回転移動に変換するように構成されたギアホイールおよびギアラックなどを有する駆動装置を有する直線位置トランスデューサまたはエンコーダ、回転位置トランスデューサまたはエンコーダである。追加的または代替的に、さらなるRFID検出器などのさらなるセンサが使用されてもよい。これらの装置は、引き出し106の位置の正確な検出を可能にする強力な停止部、特にラッチ、またはソフトな停止部およびセンサおよび/または光バリアに関連して使用されることができる。
【0138】
例えば、引き出しの引き出し位置間の中間位置を回避するために強力な停止部を使用する適用可能な原理は、第1の検出器が容器を識別し、第2の検出器が位置マーカを検出するというものである。双方の検出器は、平行に配置されてもよく、または平行方向に互いに対してシフトされてもよい。引き出しの位置を検出するための検出器は、分析装置100のハウジング内に配置されてもよく、RFIDタグなどの位置マーカが試薬容器108のRFIDタグに対してシフトされている場合は固定であってもよい。位置マーカのそのようなシフトされた配置は、誤ったタグまたはマーカの検出を回避するために、試薬容器108のRFIDタグと位置マーカとの間のより大きな距離を可能にする。位置マーカは、試薬容器108上のRFIDタグとは異なるデータ構造を使用してもよい。そのような異なるデータ構造は、電界強度検出機能を含むRFID検出器が位置マーカと試薬容器108上のRFIDタグとの間で異なる可能性があるため、指定された距離が30mmを超える場合には省略されてもよい。
【0139】
引き出し位置の検出に光バリアを使用する自動分析装置の例示的な動作は、光バリアがトリガ信号「引き出し内位置」を送信することである。そして、引き出しの位置を検出するRFID検出器が動作される。さらに、試薬容器上のRFIDタグを検出するためのRFIDリーダが動作される。そして、試薬容器が交換されることができるかどうかが確認される。確認の結果、試薬容器の交換が可能であることが明らかになった場合、浸漬管が上昇することが可能にされる。確認の結果、試薬容器が交換されることができないことが明らかになった場合、分析装置のユーザは、表示装置の情報などによって対応して通知される。ユーザによって確認されなければならない試薬容器の交換後、試薬容器のRFIDタグが読み取られる。読み取りの結果、正しい試薬容器がその標的位置にあることが明らかになった場合、浸漬管は、下降されることが可能にされる。読み取りの結果、誤った試薬容器が検出位置にあることが明らかになった場合、浸漬管は、下降されることが可能にされず、分析装置のユーザは、表示装置の情報などによって対応して通知される。
【0140】
引き出し位置の検出に光バリアを使用しない自動分析装置の例示的な動作は、センサまたはスイッチが、引き出しが引き出されたことを少なくとも示す信号を送信することである。そして、引き出しの位置を検出するRFID検出器が動作される。引き出しの新たな引き出し位置が存在する場合、試薬容器上のRFIDタグを検出するためのRFIDリーダが動作される。さらに、試薬容器が交換されることができるかどうかが確認される。確認の結果、試薬容器の交換が可能であることが明らかになった場合、浸漬管が上昇することが可能にされる。確認の結果、試薬容器が交換されることができないことが明らかになった場合、分析装置のユーザは、表示装置の情報などによって対応して通知される。ユーザによって確認されなければならない試薬容器の交換後、試薬容器のRFIDタグが読み取られる。読み取りの結果、正しい試薬容器がその標的位置にあることが明らかになった場合、浸漬管は、下降されることが可能にされる。読み取りの結果、誤った試薬容器が検出位置にあることが明らかになった場合、浸漬管は、下降されることが可能にされず、分析装置のユーザは、表示装置の情報などによって対応して通知される。
【0141】
その上に取り付けられたRFIDタグによる試薬容器の識別、および位置マーカとして機能するRFIDタグによる引き出しの位置の検出は、RFIDリーダがいわゆるアドレス指定モードで動作される場合、並列の単一のRFIDリーダによって実行されることができることが明示的に述べられる。したがって、2つの異なるRFIDタグのこの並列読み取りは、RFIDリーダの動作モードの対応する構成のみを必要とする。特に、引き出しとともにスライダ引き出し位置まで移動するRFIDリーダは、試薬容器が引き出しのそれぞれの引き出し位置に存在する場合、位置マーカとして機能するRFIDタグのうちの1つ、ならびに試薬容器のRFIDタグを引き出し位置のそれぞれにおいて読み取ることができる。引き出し位置の検出は、スライダがスライダ引き出し位置にあることを確認するセンサを必要とする。試薬容器の2つ以上の行が存在する場合、行に関連付けられたRFIDリーダのうちの1つのみがそれぞれの引き出し位置を検出する必要がある。この変形例では、引き出しは、各引き出しの引き出し位置について別個のRFIDに関連付けられる。
【符号の説明】
【0142】
100 自動分析装置
102 ハウジング
104 分析機器
106 引き出し
108 試薬容器
110 長手方向
112 配置位置
114 第1の行
115 ハンドル
116 第1の検出器
118 RFIDタグ
120 第1のスライダ
122 ばね
124 光バリア
126 表示装置
128 側壁
130 開口
132 ストッパ
134 後端部
136 前縁
140 第2の行
142 第2の検出器
144 第2のスライダ
146 排出装置
148 浸漬管
150 ガイドレール
151 開口
152 首部
154 内面
156 ブロッキング装置
158 センサ
160 フック
162 モータ
164 ばね
166 位置マーカ