IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エレコム株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】洗浄剤組成物及び洗浄布
(51)【国際特許分類】
   C11D 1/835 20060101AFI20240313BHJP
   C11D 1/62 20060101ALI20240313BHJP
   C11D 1/72 20060101ALI20240313BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20240313BHJP
   C11D 3/24 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
C11D1/835
C11D1/62
C11D1/72
C11D3/20
C11D3/24
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022011142
(22)【出願日】2022-01-27
(65)【公開番号】P2023109572
(43)【公開日】2023-08-08
【審査請求日】2022-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】393010318
【氏名又は名称】エレコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】浦上 朋子
(72)【発明者】
【氏名】安達 茜
【審査官】中田 光祐
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-119999(JP,A)
【文献】特開2016-060879(JP,A)
【文献】特開平05-200202(JP,A)
【文献】特開平06-136579(JP,A)
【文献】特開2013-216778(JP,A)
【文献】特開平10-017671(JP,A)
【文献】特開2018-109135(JP,A)
【文献】特開2020-200269(JP,A)
【文献】特開2006-143621(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00-19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
布に含ませて用いられる洗浄剤組成物であって、
界面活性剤と、アルコールと、フッ素化合物と、水とを含み、
前記界面活性剤として、非イオン性界面活性剤であるポリオキシアルキレンアルキルエーテル及びポリグリセリン脂肪酸エステルと、第4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤とを含み、
前記アルコールが、エタノールであり、
前記フッ素化合物が、パーフルオロアルキル化合物であり、
前記水の含有量が前記洗浄剤組成物の総質量に対して50質量%以上である、洗浄剤組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の洗浄剤組成物を含む、洗浄布。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄剤組成物、及び、これを含む洗浄布に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種製品に撥水性を付与可能な洗浄剤(洗浄剤組成物)が提案されている。また、従来の洗浄剤は、撥水性の付与以外の機能を備えている。
【0003】
例えば、特許文献1には、撥水剤としてジメチルポリシロキサンと、撥水剤を乳化させる界面活性剤とを含む、自動車用の洗浄剤が記載されている。かかる洗浄剤を含む布によれば、自動車表面の汚れを除去できるとともに、自動車表面の撥水性を長期にわたって持続させることができるとされている。
【0004】
また、特許文献2には、撥水剤としてフッ素変性シリコーンと、イソプロピルアルコールとを含む、繊維製品用の洗浄剤が記載されている。かかる洗浄剤によれば、イソプロピルアルコールにより繊維製品が除菌されるとともに、フッ素変性シリコーンにより繊維製品に撥水性が付与される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第4583364号公報
【文献】特開2018-21280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、台所製品等の被洗浄物の洗浄では、一つの洗浄剤によって、被洗浄物の汚れが除去され且つ被洗浄物が除菌されるとともに、被洗浄物に撥水性が付与されることが、利便性の観点から望ましい。例えば、住宅における水回り製品等の清掃では、一つの洗浄剤による拭き取りにより、汚れの除去、除菌、及び撥水コートの付与が同時に行われることが、清掃時間の短縮や清掃回数の削減等の観点から好ましい。しかしながら、上記のように、従来技術においては、被洗浄物の汚れの除去及び除菌が可能であるとともに、被洗浄物に撥水性を付与可能な洗浄剤は存在していない。
【0007】
上記事情に鑑み、本発明は、被洗浄物の汚れの除去及び除菌が可能であるとともに、被洗浄物に撥水性を付与することが可能な洗浄剤組成物及びこれを含む洗浄布を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る洗浄剤組成物は、界面活性剤と、アルコールと、フッ素化合物と、を含み、
前記アルコールが、一価の低級アルコールであり、
前記フッ素化合物が、パーフルオロアルキル化合物である。
また、本発明に係る洗浄布は、本発明に係る洗浄剤組成物を含むものである。
【0009】
斯かる構成によれば、界面活性剤と、一価の低級アルコールと、パーフルオロアルキル化合物とを含むことによって、被洗浄物の汚れの除去及び除菌が可能であるとともに、被洗浄物に撥水性を付与することができる。
【0010】
また、本発明に係る洗浄剤組成物は、好ましくは、前記アルコールとしてエタノールを含む。
【0011】
斯かる構成によれば、エタノールを含むことによって、被洗浄物に撥水性が付与され易くなる。
【0012】
また、本発明に係る洗浄剤組成物は、好ましくは、前記界面活性剤として、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含む。
【0013】
斯かる構成によれば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含むことによって、被洗浄物の汚れが除去され易くなる。しかも、汚れの除去と並行して良好な撥水性が付与される。
【0014】
また、本発明に係る洗浄剤組成物は、好ましくは、さらに、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含む。
【0015】
斯かる構成によれば、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含むことによって、パーフルオロアルキル化合物が溶解し易くなり、被洗浄物に良好な撥水性がより一層付与され易くなる。
【発明の効果】
【0016】
以上の通り、本発明によれば、被洗浄物の汚れの除去及び除菌が可能であるとともに、被洗浄物に撥水性を付与することが可能な洗浄剤組成物及びこれを含む洗浄布を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、一実施形態に係る洗浄剤組成物について説明する。
【0018】
本実施形態に係る洗浄剤組成物は、主成分としての水と、界面活性剤と、パーフルオロアルキル化合物と、一価の低級アルコールと、防腐剤とを含む。本実施形態の洗浄剤組成物は、常温(20℃)で液体である。
【0019】
本実施形態の水は、蒸留水や脱イオン水などの精製水である。水の含有量は、洗浄剤組成物の総質量に対して、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましく、75質量%以上であることが特に好ましい。水の含有量は、通常、90質量%以下である。例えば、水の含有量は、70~90質量%であってもよく、70~80質量%であってもよい。
【0020】
本実施形態の洗浄剤組成物は、界面活性剤として非イオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤を含む。本実施形態の洗浄剤組成物は、これらの両方の界面活性剤を含むことによって、主成分が水であるにも関わらず、パーフルオロアルキル化合物が溶解し易くなる。
【0021】
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルケニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコールプロピレンオキサイド付加物、モノステアリン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、モノステアリン酸ジグリセリル、トリステアリン酸テトラグリセリル、ペンタステアリン酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル、モノラウリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル、モノヤシ脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノラウリン酸エステル、プロピレングリコールモノミリスチン酸エステル等のアルキレングリコールモノ脂肪酸エステルが挙げられる。これらは、1種単独で使用されてもよく、2種以上が組み合わされて使用されてもよい。これらのなかでも、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル及びポリグリセリン脂肪酸エステルの何れかが使用されることが好ましく、これらが組み合わされて使用されることがより好ましい。洗浄剤組成物がポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含むことによって、被洗浄物の油汚れや埃等の微粒子に起因する汚れを除去することに優れるものとなる。また、洗浄剤組成物がポリグリセリン脂肪酸エステルを含むことによって、パーフルオロアルキル化合物が溶解し易くなり、被洗浄物に撥水性が付与され易くなる。
【0022】
非イオン性界面活性剤の含有量は、洗浄剤組成物の総質量に対して、0.05質量%以上であることが好ましい。また、非イオン性界面活性剤の含有量は、5.5質量%以下であることが好ましい。より具体的には、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの含有量が、0.05質量%以上1質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下であることがより好ましい。
【0023】
カチオン性界面活性剤としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ミリスチルトリメチルアンモニウム、臭化ミリスチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ジラウリルジメチルアンモニウム、塩化ジミリスチルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム等の第四級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤が挙げられる。これらは、1種単独で使用されてもよく、2種以上が組み合わされて使用されてもよい。これらのカチオン性界面活性剤の中でも、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等の芳香族系のものは、比較的強い殺菌作用(殺菌剤としての作用)も有するため好ましい。
【0024】
カチオン性界面活性剤の含有量は、洗浄剤組成物の総質量に対して、0.1質量%以上であることが好ましい。また、カチオン性界面活性剤の含有量は、1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましい。
【0025】
界面活性剤の総含有量は、洗浄剤組成物の総質量に対して、0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。また、界面活性剤の総含有量は、10質量%以下であることが好ましく、6質量%以下であることがより好ましい。
【0026】
本実施形態の洗浄剤組成物は、フッ素化合物として、パーフルオロアルキル基を有するパーフルオロアルキル化合物を含む。パーフルオロアルキル化合物としては、例えば、ポリフッ化ビニル、ポリ四フッ化エチレン、四フッ化エチレン-パーフルオロアルキルビニルエステル、ビニルエステル-フルオロオレフィン、パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート、N-アルキルパーフルオロアルキルスルホンアミドアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、パーフルオロアルキル化合物は、パーフルオロヘキシルエチルトリエトキシシラン等のパーフルオロアルキルシラン化合物であってもよい。これらは、1種単独で使用されてもよく、2種以上が組み合わされて使用されてもよい。本実施形態の洗浄剤組成物は、パーフルオロアルキル化合物と、上記のような界面活性剤及び一価の低級アルコールとが組み合わせられることで、被洗浄物の汚れの除去に優れ、被洗浄物に優れた撥水性を付与可能なものとなる。
【0027】
パーフルオロアルキル化合物の含有量は、洗浄剤組成物の総質量に対して、0.05~1質量%であることが好ましい。
【0028】
本実施形態の洗浄剤組成物は、一価の低級アルコールとして、エタノールを含む。この他、一価の低級アルコールとしては、炭素数3以下のものが好ましく、具体的には、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等であってもよい。これらは、1種単独で使用されてもよく、2種以上が組み合わされて使用されてもよい。一価の低級アルコールは、洗浄剤組成物の汚れの除去及び撥水コートの付与を助けるように機能する。より具体的には、本実施形態の洗浄剤組成物は、一価の低級アルコールと界面活性剤とを含むことによって被洗浄物の汚れを除去することに優れるとともに、被洗浄物への良好な撥水コートを形成可能となる。また、本実施形態の洗浄剤組成物は、一価の低級アルコールを含むことによって、洗浄剤組成物が繊維製の布に浸透し易くなる。
【0029】
一価の低級アルコールの含有量は、洗浄剤組成物の総質量に対して、5~50質量%であることが好ましく、5~25質量%であることがより好ましく、5~15質量%であることがさらに好ましい。これによって、洗浄剤組成物が、被洗浄物の汚れの除去及び撥水コートの形成により優れるものとなる。
【0030】
本実施形態の洗浄剤組成物は、防腐剤として、メチルパラベン、プロピルパラベンなどのパラベン系防腐剤を含む。防腐剤の含有量は、洗浄剤組成物の総質量に対して、0.5質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましい。
【0031】
本実施形態の洗浄剤組成物の使用方法としては、例えば、洗浄剤組成物を充填した噴霧(スプレー)容器を用いて被洗浄物に洗浄剤組成物を塗布し、不織布などで拭き取る方法が挙げられる。噴霧容器としては、例えば、ポンプ式アトマイザータイプ、トリガータイプ、エアゾールタイプなどが挙げられる。
【0032】
また、洗浄剤組成物を浸み込ませた布(すなわち洗浄布)で拭き取る方法が挙げられる。かかる洗浄布は、ウエットティッシュやウェットワイパーのように、複数枚が積層された状態でパウチに収納されていることが好ましい。かかる洗浄布は、通常、使い捨てされるものである。
【0033】
被洗浄物としては、樹脂、金属、又はガラスによって形成された硬質な表面を有するものであることが好ましく、例えば、台所、洗面台、トイレ、風呂場などの水回り製品、冷蔵庫、電子レンジ等の家電製品、テーブルやいす等の家具、住宅や自動車に備えられた窓、鏡等が挙げられる。
【0034】
本実施形態の洗浄剤組成物は、非イオン性界面活性剤と、パーフルオロアルキル化合物と、一価の低級アルコールとの組み合わせによって、被洗浄物の汚れの除去に優れ、被洗浄物に優れた撥水性を付与可能なものである。
【0035】
以上のように、例示として一実施形態を示したが、本発明に係る洗浄剤組成物は、上記実施形態の構成に限定されるものではない。また、本発明に係る洗浄剤組成物は、上記した作用効果により限定されるものでもない。本発明に係る洗浄剤組成物は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0036】
例えば、本発明の洗浄剤組成物は、本発明の効果を妨げない範囲で、陰イオン性界面活剤、両性界面活性剤を含んでいてもよい。
【0037】
また、本発明の洗浄剤組成物は、本発明の効果を妨げない範囲で、撥水性のシリコーン系化合物を含んでいてもよい。シリコーン系化合物としては、撥水性のシリコーンオイルが挙げられ、例えば、ジメチルシリコーンオイルのメチル基の一部がアミノ基で置換されたアミノ変性シリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイルのメチル基の一部がポリエーテルで置換されたポリエーテル変性シリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイルのメチル基の一部が水素で置換されたメチルハイドロジェンシリコーンオイル等が挙げられる。なお、これらのシリコーン系化合物には、フルオロ基を有するものは含まれないものとする。
【0038】
また、本発明の洗浄剤組成物は、本発明の効果を妨げない範囲で、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコールを含んでいてもよい。
【実施例
【0039】
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0040】
下記の使用原料を用い、下記表1に示す配合の洗浄剤組成物を調製し、被洗浄物の汚れの除去及び撥水コートの形成について評価した。
【0041】
[使用原料]
非イオン性界面活性剤:約1.0%のポリオキシエチレンアルキルエーテルを含む溶液(有効成分の他にプロピレングリコールと溶剤とを含む、松本油脂製薬株式会社製TG-150)
フッ素化合物:ポリグリセンリン脂肪酸エステル(非イオン性界面活性剤)を含むパーフルオロアルキル化合物
防腐剤:ビオサイド850A(株式会社タイショーテクノス製)
【0042】
[接触角による撥水性評価]
各洗浄剤組成物を浸み込ませた不織布を用いて、被洗浄物としてのスライドガラスを5往復拭き取った後、水を約0.3mL滴下し、その接触角を固液界面解析システムにより測定した。結果は表1に示したとおりである。
【0043】
【表1】
【0044】
表1によれば、非イオン性界面活性剤と、一価の低級アルコールと、パーフルオロアルキル化合物とを含む洗浄剤組成物が、被洗浄物の汚れの除去に優れ、被洗浄物に良好な撥水性を付与することが可能であることを理解することができる。
具体的には、非イオン性界面活性剤と、プロピレングリコールと、パーフルオロアルキル化合物とを含む比較例2~3を使用した場合には、接触角が比較的小さいことから、良好な撥水コートを得られなかったことが認められる。
これに対して、非イオン性界面活性剤と、エタノールとを含む比較例4は、比較例1~3と比較して、接触角を大きくすることができた。さらに、この比較例4の配合にパーフルオロアルキル化合物を加えた実施例1は、さらに接触角を大きくすることができ、すなわち、実施例1を用いた場合には、スライドガラスの汚れが効果的に除去されるとともに、良好な撥水コートが形成されたと認められる。
【0045】
[除菌評価1]
実施例1の洗浄剤組成物をスプレー用容器に充填し、洗剤・石けん公正取引協議会が定める「住宅用合成洗剤の除菌活性試験」に基づき、除菌活性試験を実施した。結果は、表2に示したとおりである。
【0046】
[除菌評価2]
実施例1の洗浄剤組成物を含ませたウェットワイパーを作製し、日本衛生材料工業連合会が定める「除菌を標榜するウェットワイパー類の自主基準」における試験方法に基づき、除菌性能試験を実施した。結果は、表2に示したとおりである。
【0047】
【表2】
【0048】
表2に示すように、実施例1の洗浄剤組成物は、十分な除菌活性を示した。