(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】基板支持ユニット及びプラズマ処理装置
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20240313BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
H05H1/46 L
H01L21/68 R
(21)【出願番号】P 2022200385
(22)【出願日】2022-12-15
【審査請求日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0194111
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520236767
【氏名又は名称】サムス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェヒ リ
(72)【発明者】
【氏名】キヨン リ
(72)【発明者】
【氏名】チソク キム
(72)【発明者】
【氏名】トンチャン リ
(72)【発明者】
【氏名】チェキョン リ
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0161405(US,A1)
【文献】特開2012-082352(JP,A)
【文献】特開2000-226570(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2018-0006524(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0243168(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/00-1/54
H01L 21/683
H01L 21/3065
H01L 21/302
H01L 21/31
C23C 16/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマチャンバの内部に配置され、ウェーハを固定するように構成された静電チャックと、
前記静電チャックの下部に配置され、前記静電チャックを絶縁させるように構成された絶縁アイソレーションと、
前記絶縁アイソレーションの下部に配置されるグラウンド板と、を含み、
前記静電チャック、前記絶縁アイソレーション及び前記グラウンド板がそれぞれ垂直方向に離隔されて配置され
てエアギャップ(air gap)を形成し、
前記エアギャップに冷媒またはクリーンドライ空気(clean dry air)が流通されるように構成され、
前記静電チャックの下面、前記絶縁アイソレーションの表面または前記グラウンド板の表面は、疎水性を有することを特徴とする基板支持ユニット。
【請求項2】
前記静電チャック、前記絶縁アイソレーションまたは前記グラウンド板それぞれの表面は、粗面化(roughening)構造を有する疎水性構造物を含むことを特徴とする請求項1に記載の基板支持ユニット。
【請求項3】
前記疎水性構造物は、前記静電チャック、前記絶縁アイソレーションまたは前記グラウンド板それぞれの表面に前記表面と垂直な側壁及び前記表面と平行な平坦面を含むことを特徴とする請求項2に記載の基板支持ユニット。
【請求項4】
前記平坦面の水平方向の長さが100nm~5μmであることを特徴とする請求項3に記載の基板支持ユニット。
【請求項5】
前記疎水性構造物は、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化チタン、酸化タングステン、酸化亜鉛及び酸化錫のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項
2に記載の基板支持ユニット。
【請求項6】
前記疎水性構造物は、前記静電チャック、前記絶縁アイソレーションまたは前記グラウンド板それぞれの表面に蒸着を通じてコーティングされて形成されることを特徴とする請求項2に記載の基板支持ユニット。
【請求項7】
プラズマチャンバの内部に配置され、ウェーハを固定するように構成された静電チャックと、
前記静電チャックを取り囲み、リング状を有するエッジリングと、
前記静電チャック及び前記エッジリングを取り囲み、前記静電チャックを絶縁させるように構成された絶縁アイソレーションと、
前記エッジリングの側面と前記絶縁アイソレーションの側面との間に配置されるシーリング部材と、
前記絶縁アイソレーションの下部に配置されるグラウンド板と、を含み、
前記静電チャック、前記絶縁アイソレーション及び前記グラウンド板がそれぞれ垂直方向に離隔されて配置され
てエアギャップ(air gap)を形成し、
前記エアギャップに冷媒またはクリーンドライ空気(clean dry air)が流通されるように構成され、
前記絶縁アイソレーションの表面は、疎水性を有することを特徴とする基板支持ユニット。
【請求項8】
前記シーリング部材は、前記エッジリングの側面及び前記絶縁アイソレーションの側面と直接接触することを特徴とする請求項
7に記載の基板支持ユニット。
【請求項9】
前記冷媒またはクリーンドライ空気それぞれは、前記静電チャックの上面に流通されないことを特徴とする請求項
7に記載の基板支持ユニット。
【請求項10】
前記静電チャックの下面及び前記エッジリングの側面は、それぞれ疎水性を有することを特徴とする請求項
7に記載の基板支持ユニット。
【請求項11】
前記グラウンド板の表面は、疎水性を有することを特徴とする請求項
7に記載の基板支持ユニット。
【請求項12】
前記エアギャップの内部にクリーンドライ空気が流通されるように構成された流路が提供され、
前記流路の表面は、疎水性を有することを特徴とする請求項10に記載の基板支持ユニット。
【請求項13】
プラズマチャンバと、
前記プラズマチャンバの内部に配置され、ウェーハを固定するように構成された静電チャックと、
前記静電チャックを取り囲み、リング状を有するエッジリングと、
前記静電チャックの下部に配置され、前記静電チャックを絶縁させるように構成された絶縁アイソレーションと、
前記絶縁アイソレーションの下部に配置されるグラウンド板と、を含み、
前記静電チャック、前記絶縁アイソレーション及び前記グラウンド板がそれぞれ垂直方向に離隔されてエアギャップを形成し、
前記エアギャップに冷媒またはクリーンドライ空気が流通されるように構成され、
前記静電チャックの下面、前記絶縁アイソレーションの表面及び前記グラウンド板の表面は、疎水性を有することを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項14】
前記静電チャックの下面、前記絶縁アイソレーションの表面、及び前記グラウンド板の表面それぞれは水に対する接触角が
90°以上であることを特徴とする請求項
13に記載のプラズマ処理装置。
【請求項15】
前記静電チャックの下面、前記絶縁アイソレーションの表面または前記グラウンド板の表面は、超疎水性を有することを特徴とする請求項
13に記載のプラズマ処理装置。
【請求項16】
前記冷媒が流通されるように構成された冷媒流路が前記絶縁アイソレーションの内部または前記グラウンド板の内部に提供されることを特徴とする請求項
13に記載のプラズマ処理装置。
【請求項17】
前記絶縁アイソレーションは、前記静電チャックまたは前記エッジリングを取り囲み、
前記絶縁アイソレーションの側面と前記エッジリングの側面との間にシーリング部材が配置されるか、または
前記絶縁アイソレーションの側面と前記静電チャックの側面との間にシーリング部材が配置され、
前記シーリング部材は、前記エッジリングの側面及び前記絶縁アイソレーションの側面と直接接触することを特徴とする請求項
13に記載のプラズマ処理装置。
【請求項18】
前記静電チャックの側面または前記エッジリングの側面は、疎水性を有することを特徴とする請求項
13に記載のプラズマ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板支持ユニット及びその基板支持ユニットを含むプラズマ処理装置に係り、特に、プラズマチャンバ内の結露の発生が防止される基板支持ユニット及びその基板支持ユニットを含むプラズマ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマを用いて基板に半導体工程を行うプラズマチャンバにおいて、基板は、既定の温度によって制御される。基板は、プラズマによって加熱されるので、プラズマを用いた半導体工程中の基板の温度を既定の温度に保持するには、基板は、冷却する必要がある。例えば、基板が配置される基板支持ユニットの内部に室温より低温の冷媒を流通させることで、基板支持ユニットを介在して基板は、冷却されうる。
【0003】
ところが、基板支持ユニットは、内部を流通する冷媒によって室温より低温になり、外気に接触する部分に結露が発生しうる。また、基板支持ユニットに接触する他の部品もまた、温度が低くなって結露が発生しうる。基板支持ユニットに結露が発生すれば、結露によって発生した水分によって、プラズマ処理装置の信頼性が低くもなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする第1の技術的課題は、プラズマチャンバ内に結露の発生が防止される基板支持ユニットを提供することである。
【0005】
本発明が解決しようとする第2の技術的課題は、プラズマチャンバ内に結露の発生が防止される基板支持ユニットを含むプラズマ処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の技術的思想は、ウェーハを固定するように構成された静電チャック;前記静電チャックの下部に配置され、前記静電チャックを絶縁させるように構成された絶縁アイソレーション;及び前記絶縁アイソレーションの下部に配置されるグラウンド板;を含み、前記静電チャック、前記絶縁アイソレーション及び前記グラウンド板がそれぞれ垂直方向に離隔されて配置され、前記静電チャックの下面、前記絶縁アイソレーションの表面または前記グラウンド板の表面は、疎水性を有することを特徴とする基板支持ユニットを提供する。
【0007】
また、本発明の技術的思想は、前記課題を解決するために、ウェーハを固定するように構成された静電チャック;前記静電チャックを取り囲み、リング状を有するエッジリング;前記静電チャック及び前記エッジリングを取り囲み、前記静電チャックを絶縁させるように構成された絶縁アイソレーション;前記エッジリングの側面と前記絶縁アイソレーションの側面との間に配置されるシーリング部材;及び前記絶縁アイソレーションの下部に配置されるグラウンド板;を含み、前記静電チャック、前記絶縁アイソレーション及び前記グラウンド板がそれぞれ垂直方向に離隔されて配置され、前記絶縁アイソレーションの表面は、疎水性を有することを特徴とする基板支持ユニットを提供する。
【0008】
一方、本発明の技術的思想は、前記課題を解決するために、プラズマチャンバ;前記プラズマチャンバの内部に配置され、ウェーハを固定するように構成された静電チャック;前記静電チャックを取り囲み、リング状を有するエッジリング;前記静電チャックの下部に配置され、前記静電チャックを絶縁させるように構成された絶縁アイソレーション;及び前記絶縁アイソレーションの下部に配置されるグラウンド板;を含み、前記静電チャック、前記絶縁アイソレーション及び前記グラウンド板がそれぞれ垂直方向に離隔されてエアギャップを形成して、前記エアギャップに冷媒またはクリーンドライ空気が流通されるように構成され、前記静電チャックの下面、前記絶縁アイソレーションの表面及び前記グラウンド板の表面は、疎水性を有することを特徴とするプラズマ処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の技術的思想による基板支持ユニット及びその基板支持ユニットを含むプラズマ処理装置は、静電チャック、絶縁アイソレーションまたは、グラウンド板が疎水性を有し、プラズマチャンバ内に結露の発生が防止及び低減され、プラズマチャンバ内に生成された結露が容易に除去されうる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態によるプラズマ処理装置を示す断面図である。
【
図2A】表面に疎水性処理されていない固体の表面上に水滴が配置された形状を模式的に示す側面図である。
【
図2B】表面に疎水性処理された固体の表面上に水滴が配置された形状を模式的に示す側面図である。
【
図2C】表面に超疎水性処理された固体の表面上に水滴が配置された形状を模式的に示す側面図である。
【
図3】疎水性の性質を有する固体またはセラミックの表面を示す斜視図である。
【
図4】本発明の他の実施形態によるプラズマ処理装置を示す構成図である。
【
図5】本発明のさらに他の実施形態によるプラズマ処理装置を示す構成図である。
【
図6】本発明のさらに他の実施形態によるプラズマ処理装置を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図面において、同じ構成要素には、同じ参照符号を付し、これらについての重複説明は省略する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態によるプラズマ処理装置10を示す断面図である。
【0013】
図1を参照すれば、プラズマ処理装置10は、プラズマチャンバ100、基板支持ユニット200、ガス供給ユニット300、及びプラズマソースユニット400を含む。
【0014】
プラズマチャンバ100は、プラズマ処理が遂行される空間を提供し、基板支持ユニット200は、プラズマチャンバ100の内部で基板Wを支持する。ガス供給ユニット300は、プラズマチャンバ100の内部に工程ガスを供給し、プラズマソースユニット400は、プラズマチャンバ100の内部に電磁波を提供して工程ガスからプラズマを生成する。以下、各構成について詳細に説明する。
【0015】
プラズマチャンバ100は、チャンバボディー110と誘電体カバー120とを含む。チャンバボディー110は、上面が開放され、内部に空間が形成される。チャンバボディー110の底壁には、排気ホール113が形成される。排気ホール113は、排気ライン117と連結され、チャンバボディー110内部に滞留ガスと工程過程で発生した反応副産物が外部に排出される通路を提供する。排気ホール113は、チャンバボディー110の底壁エッジ領域に複数個形成されうる。
【0016】
誘電体カバー120は、チャンバボディー110の開放された上面を密閉する。誘電体カバー120は、チャンバボディー110周囲に相応する半径を有する。誘電体カバー120は、誘電体材質からもなる。誘電体カバー120は、アルミニウム材質からもなる。誘電体カバー120とチャンバボディー110によって取り囲まれる空間は、プラズマ処理工程が遂行される処理空間130として提供される。
【0017】
バッフル250は、プラズマチャンバ100内で工程ガスの流れを制御する。バッフル250は、リング状からなり、プラズマチャンバ100と基板支持ユニット200との間に位置する。バッフル250には、分配ホール251が形成される。プラズマチャンバ100内の滞留工程ガスは、分配ホール251を通過して排気ホール113に流入される。分配ホール251の形状及び配列によって排気ホール113に流入される工程ガスの流れが制御されうる。
【0018】
ガス供給ユニット300は、プラズマチャンバ100内部に工程ガスを供給するように構成される。ガス供給ユニット300は、ノズル310、ガス保存部320、及びガス供給ライン330を含む。
【0019】
ノズル310は、誘電体カバー120に装着される。ノズル310は、誘電体カバー120の中心領域に位置する。ノズル310は、ガス供給ライン330を通じてガス保存部320と連結される。ガス供給ライン330には、バルブ340が設けられる。バルブ340は、ガス供給ライン330を開閉し、工程ガスの供給流量を調節する。ガス保存部320に保存された工程ガスは、ガス供給ライン330を通じてノズル310に供給され、ノズル310からプラズマチャンバ100の内部に噴射される。ノズル310は、主に処理空間130の中央領域に工程ガスを供給する。一方、ガス供給ユニット300は、チャンバボディー110の側壁に装着されたノズル(図示せず)をさらに含む。ノズルは、処理空間130のエッジ領域に工程ガスを供給する。
【0020】
プラズマソースユニット400は、工程ガスからプラズマを生成する。プラズマソースユニット400は、アンテナ410及び電源420を含む。プラズマソースユニット400は、プラズマを生成するように構成されうる。前記プラズマソースユニット400は、容量結合プラズマ(Capacitively Coupled Plasma, CCP)ソース、誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma, ICP)ソース及びマイクロ波(Microwave)プラズマソース及びリモートプラズマ(Remote Plasma)ソースなどを含む。
【0021】
アンテナ410は、プラズマチャンバ100の上部に提供される。アンテナ410は、螺旋状のコイルとして提供されうる。電源420は、ケーブルを通じてアンテナ410と連結され、高周波電力をアンテナ410に印加する。高周波電力の印加によってアンテナ410では、電磁波が発生する。電磁気波は、プラズマチャンバ100内部に誘導電場を形成する。工程ガスは、誘導電場からイオン化に必要なエネルギーを得てプラズマとして生成される。プラズマは、基板Wに提供され、エッチング工程を遂行する。
【0022】
基板支持ユニット200は、処理空間130に位置し、基板Wを支持する。基板支持ユニット200は、静電気力を用いて基板Wを固定するか、機械的クランピング方式で基板Wを支持する。以下、基板支持ユニット200は、静電気力を用いて基板Wを固定する方式を例として説明する。
【0023】
基板支持ユニット200は、サセプタ210、ハウジング230、及びリフトピン構造体900を含む。
【0024】
サセプタ210は、静電気力を用いて基板を吸着する。サセプタ210は、静電チャック211、電極212、ヒータ213、エッジリング214、絶縁アイソレーション215、及びグラウンド板216を含む。
【0025】
静電チャック211は、円板状からなる。静電チャック211の上面は、基板Wに相応するか、基板Wより小さい半径を有する。例えば、静電チャック211は、酸化アルミニウム(Al2O3)または窒化アルミニウム(aluminiumnitride、AlN)のようなセラミックからなりうる。
【0026】
静電チャック211の上面には、突出部211aが形成されうる。基板Wは、突出部211aに置かれ、静電チャック211の上面と所定間隔で離隔される。静電チャック211は、下部領域が上部領域より大きい半径を有するように側面が段付けされうる。
【0027】
電極212は、静電チャック211内部に埋め込まれる。電極212は、薄厚の伝導性材質の円板であり、ケーブル221を通じて外部電源(図示せず)と連結される。外部電源から印加された電力は、電極220と基板Wとの間に静電気力を形成して基板Wを静電チャック211の上面に固定させる。外部電源は、DC電源またはRF電源でもある。
【0028】
ヒータ213は、静電チャック211内部に提供される。ヒータ213は、電極212の下部に提供されうる。ヒータ213は、ケーブル222を通じて外部電源(図示せず)と連結される。ヒータ213は、外部電源から印加された電流に抵抗することで熱を発生させる。発生した熱は、静電チャック211を経て基板Wに伝達され、基板Wを所定温度に加熱する。ヒータ213は、螺旋状のコイルからなり、均一な間隔で静電チャック211の内部に埋め込まれる。
【0029】
エッジリング214は、リング状からなり、静電チャック211の上部領域周囲に沿って配置される。エッジリング214は、シリコンによって形成され、基板Wのシリコン領域を拡張させる効果を誘導し、プラズマが基板Wのエッジ部分に集中される現象を防止する。エッジリング214の上面は、静電チャック211に隣接した内側部が外側部より低くなるように段付けされる。エッジリング214の上面内側部は、静電チャック211の上面と同一高さに位置する。エッジリング214は、プラズマが形成される領域の中心に基板Wが位置するように電磁場形成領域を拡張させる。これにより、基板Wの全領域にわたってプラズマが均一に形成されうる。一方、エッジリング536は、1個のリングタイプと2個のリングタイプとがあるが、通常、1個のリングタイプは、フォーカスリング(focus ring)と称し、2個のリングタイプは、コンボリング(combo ring)と称する。
【0030】
絶縁アイソレーション215は、静電チャック211の下部に位置し、静電チャック211を支持する。絶縁アイソレーション215は、所定厚さを有する円板であり、静電チャック211に相応する半径を有する。絶縁アイソレーション215は、絶縁材質からなる。絶縁アイソレーション215は、ケーブル223を通じて外部電源(図示せず)と連結される。ケーブル223を通じて絶縁アイソレーション215に印加された高周波電流は、基板支持ユニット200と誘電体カバー120との間に電磁場を形なする。電磁場は、プラズマを生なするエネルギーとして提供される。絶縁アイソレーション215は、例えば、酸化アルミニウム(Al2O3)または窒化アルミニウム(AlN)のような絶縁体によって形成されうる。もちろん、絶縁アイソレーション215の材質がそれに限定されるものではない。また、他の実施形態において、絶縁アイソレーション215は、静電チャック211及びエッジリング214を取り囲む。
【0031】
絶縁アイソレーション215には、冷却流路211bが形成されうる。冷却流路211bは、ヒータ213の下部に位置する。冷却流路211bは、冷却流体が循環する通路を提供する。冷却流体の熱は、静電チャック211と基板Wとに伝達され、加熱された静電チャック211と基板Wを迅速に冷却する。冷却流路211bは、螺旋状からなる。一方、冷却流路211bは、互いに異なる半径を有するリング状の流路が同じ中心を有するように配置されうる。それぞれの流路は、互いに連通されうる。さらに他の実施形態において、冷却流路211bは、グラウンド板216の内部に形成されうる。
【0032】
グラウンド板216は、絶縁アイソレーション215の下部に位置する。グラウンド板216は、所定厚さを有する円板であり、絶縁アイソレーション215に相応する半径を有する。グラウンド板216は、接地される。グラウンド板216は、絶縁アイソレーション215とチャンバボディー110とを電気的に絶縁させる。グラウンド板216は、電気的グラウンド状態を保持することで、プラズマチャンバ100の内部にプラズマを生成させうる。また、グラウンド板216は、プラズマに耐性の強い物質からなるか、または金属やセラミックなどからなり、外面上にプラズマに耐性の強い物質膜がコーティングされうる。例えば、グラウンド板216は、アルミニウム、銅、チタン、タングステン、亜鉛、または錫及びそれらの合金からなりうる。また、グラウンド板216の形状は、多様に変形されうる。例えば、グラウンド板216は、円形、楕円形、または多角平板状を有することができる。
【0033】
サセプタ210内には、ピンホール226が形成される。ピンホール226は、サセプタ210の上面に形成される。そして、ピンホール236は、サセプタ210を垂直に貫通することができる。ピンホール226は、静電チャック211の上面から、静電チャック211、絶縁アイソレーション215、及びグラウンド板216を順次に経てグラウンド板216の下面に提供される。
【0034】
ピンホール226は、複数個形成されうる。ピンホール226は、静電チャック211の円周方向に複数個配置されうる。例えば、3個のピンホール226は、静電チャック211の円周方向に120°間隔で離れて配置されうる。その他にも、4個のピンホール226が静電チャック211の円周方向に90°間隔で離れて配置されるなど、多様な数のピンホール226が形成されうる。
【0035】
そして、ピンホール226は、静電チャック211の突出部211aに形成されうる。例えば、円形の平面形状を有する突出部211aの中央に円形のピンホール226が形成されうる。但し、突出部211aとピンホール226の平面形状は、多様に設けられうる。ピンホール226は、突出部211aの一部に形成されうる。例えば、6個の突出部211aが静電チャック211の円周方向に60°間隔で離れて配置され、3個のピンホール226が30°間隔で離れて配置されうる。
【0036】
ハウジング230は、グラウンド板216の下部に位置し、グラウンド板216を支持する。ハウジング230は、所定高さを有する円筒であって、内部に空間が形成される。ハウジング230は、グラウンド板216に相応する変更を有する。ハウジング230の内部には、各種ケーブル221、222、223とリフトピン構造体900が位置する。
【0037】
リフトピン構造体900は、上昇及び下降動きを通じて静電チャック211に基板Wをローディングするか、静電チャック211から基板Wをアンローディングする。リフトピン構造体900は、基板を支持するリフトピン910を含む。
【0038】
リフトピン910は、複数個提供され、ピンホール226それぞれの内部に収容される。ここで、リフトピン910の直径は、ピンホール226の直径より微細に小さく形成される。具体的に、リフトピン910の直径は、リフトピン910とピンホール226とが同じ中心軸を有するように配置されたとき、リフトピン910がピンホール226の内側壁に接触されない最小限の直径に備えられうる。
【0039】
支持板810は、リフトピン構造体900を支持する。また、駆動機820は、支持板810に連結されて支持板810及びリフトピン構造体900を上下方向に駆動することができる。但し、
図1と異なって、支持板810が提供されず、駆動機820が直接リフトピン構造体900を上下方向に駆動することもできる。リフトピン構造体900は、リフトピン910と支持板810とを連結する連結部材920を含む。
【0040】
駆動機820は、支持板810を上下方向に駆動してリフトピン構造体900を上下方向に移動させうる。すなわち、駆動機820の駆動によってリフトピン910は、ピンホール226の上部に移動して基板のデチャック動作を遂行することができる。また、
図1において、駆動機820は、プラズマチャンバ100の外部に配置されているように図示したが、駆動機820は、チャンバ内部にも提供されうる。
【0041】
前記静電チャック211、絶縁アイソレーション215及び/またはグラウンド板216それぞれの表面は、疎水性(hydrophobicity)を有する。例えば、前記静電チャック211、絶縁アイソレーション215及び/またはグラウンド板216それぞれの表面は、超疎水性(superhydrophobicity)を有する。例えば、静電チャック211の下面は、疎水性を有する。また、絶縁アイソレーション215及び/またはグラウンド板216それぞれの表面は、疎水性を有する。静電チャック211の上面には、冷媒またはクリーンドライ空気(CDA)が流通されず、静電チャック211の上面は、疎水性処理が不要にもなる。前記基板支持ユニット200が含む複数の装置それぞれの表面に疎水性処理を行う方式は、
図2Aないし
図3で詳細に説明する。
【0042】
前記静電チャック211、絶縁アイソレーション215及び/またはグラウンド板216それぞれは、垂直方向(Z方向)に一定距離離隔されて配置されうる。したがって、基板支持ユニット200の内部にエアギャップ(air gap、AG)が形成されうる。前記エアギャップ(AG)に沿って冷媒またはクリーンドライ空気(CDA)が流通されうる。クリーンドライ空気(CDA)は、クリーンドライ空気サプライ240から供給され、前記エアギャップ(AG)通じて流通されうる。前記エアギャップ(AG)には、クリーンドライ空気(CDA)が流通されるように構成された流路が提供され、前記流路の表面は、さらに疎水性を有することができる。さらに他の実施形態において、前記エアギャップ(AG)に冷媒も流通されうる。
【0043】
一般的なプラズマ処理装置において、半導体工程において、基板の温度は、一定に保持される必要がある。しかし、基板の上面がプラズマと接触し、基板の温度は、上昇してしまう。したがって、基板の温度を低めるために、基板支持ユニットに低温の冷媒を流通させ、基板の温度を低めた。しかし、基板支持ユニットに低温の冷媒が流通され、基板支持ユニットが含む装備の表面に結露の発生可能性があった。また、前記基板支持ユニットが含む装備それぞれの表面に発生した結露を除去するためにクリーンドライ空気も基板支持ユニットの内部に流通した。
【0044】
本実施形態のプラズマ処理装置10及び基板支持ユニット200は、基板支持ユニット200が含む構成部それぞれの表面が疎水性を有し、基板支持ユニット200が含む構成部それぞれの表面に結露の発生可能性が相対的に減少しうる。したがって、プラズマ処理装置10及び基板支持ユニット200それぞれの信頼性が向上しうる。また、基板支持ユニット200が含む構成部それぞれの表面に結露が相対的に減少し、必要なクリーンドライ空気(CDA)の流量も相対的に減少しうる。
【0045】
例えば、静電チャック211によれば、絶縁アイソレーション215の表面及び/またはグラウンド板216の表面は、疎水性を有することができる。
【0046】
図2Aは、表面に疎水性処理されていない固体の表面上に水滴が配置された形状を模式的に示す側面図であり、
図2Bは、表面に疎水性処理された固体の表面上に水滴が配置された形状を模式的に示す側面図である,
図2Cは、表面に超疎水性処理された固体の表面上に水滴が配置された形状を模式的に示す側面図である。
【0047】
図2Aないし
図2Cを参照すれば、固体の表面に水滴が接触することができる。疎水性処理がなされていない固体の表面に位置した水滴は、相対的に接触角が低くもなる。逆に、疎水性処理または超疎水性処理された固体の表面に位置した水滴は相対的に接触角が高くもなる。
【0048】
また、湿潤性(wettability)は、固体材料の主要表面特性であり、これは、化学的組成及び幾何学的マイクロ/ナノ構造によって主に支配されうる。湿潤性表面は、油-水分離、反射防止、生体癒着防止、粘着防止、汚染防止、自己洗浄及び流体乱流抑制のような多様な分野で使用されうる。
【0049】
例えば、固体表面に対する水滴接触角(contact angle)が約90°未満である場合、前記固体は、親水性でもあり、固体表面に対する水滴接触角が約90°以上である場合、前記固体は、疎水性でもある。超疎水性は、固体表面に対する水滴接触角が約150°以上である場合を意味しうる。接触角は、固体表面に液体が配置される場合、固体と液体との接触点P1、P2,P3で接線と固体面がなす角のうち、液体を含む側の角をその液体の固体に対する接触角と定義しうる。すなわち、接触角は、液体と気体とが固体の表面上で熱力学的に平衡をなすとき、前記液体と固体の表面とがなす角度を意味しうる。すなわち、接触角は、固体表面の湿潤性の大きさを意味しうる。
【0050】
例えば、
図2Aのθ
1は、約90°未満でもあり、
図2Bのθ
2は、約90°以上でもある,
図2Cのθ3は、約150°以上でもある。超疎水性を有する固体の表面に配置された水滴は、相対的に球状に近い形状を有することができる。
【0051】
前記固体の表面に疎水性処理を行う方法は、
図3で詳細に説明する。
【0052】
図3は、疎水性の性質を有する固体またはセラミックの表面を示す斜視図である。
【0053】
図3を参照すれば、粗面化(roughening)構造を有する疎水性構造物は、前記疎水性構造物の表面と実質的に平行面をなす平坦面(plateau)及び前記疎水性構造物の表面と実質的に垂直な面をなす側壁を含む微細構造を含む。ここで、前記側壁と前記平坦面とが実質的に垂直をなすということは、必ずしも前記側壁と前記平坦面とがなす角度が約90°という意味よりは、複数のレベル(level)を有する平坦面同士を連結する平面としての側壁が平坦面と識別可能に存在することを意味する。
【0054】
また、複数の前記側壁と平坦面は、一定の規則を有するか、または一定の規則を有さず、前記超疎水構造物の表面に沿って連続して配置されうる。しかし、複数の前記側壁と平坦面が必ずしも前記超疎水構造物の全体表面にわたって配置される必要はなく、疎水性能力が要求される前記超疎水構造物の表面にのみ配置されうる。
【0055】
また、前記平坦面の水平方向の長さは、定義された平坦面のエッジのうち、最も遠い2点間の距離Lと定義され、水平方向の長さが約100nm~5μmでもある。
【0056】
図3において、例示的に、前記疎水性構造物が直方体形状を有することを図示したが、疎水性構造物の形状は、それに限定されない。例えば、疎水性構造物は、球状、多角柱状、及び/または不規則な多様な形状を有する。
【0057】
陽極酸化(anodize)を通じて金属基材の表面に疎水性を与えることができる。陽極酸化の方式は、当該技術分野に通常の知識を有する者によく知られている。例えば、前記金属基材を硫酸溶液、シュウ酸溶液、クエン酸溶液、硝酸ナトリウム溶液、塩化ナトリウム溶液、クロム酸溶液、またはリン酸溶液内に浸漬させ、金属基材を正極として電圧を印加する。前記電圧は、約10V~30Vでもある。前記陽極酸化は、室温で約1分~30分間遂行されうる。前述した電圧、温度、及び時間などは、例示的なものであって、金属基材の材質や寸法などによって多様に変形されうる。前記金属基材の表面に陽極酸化(anodize)されて形成された疎水性構造物は、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化チタン、酸化タングステン、酸化亜鉛及び/または酸化錫からなりうる。前記疎水性構造物の材質は、金属基材の材質によっても変わりうる。
【0058】
また、セラミックの表面に前記疎水性構造物をコーティングし、セラミックの表面が疎水性を有する。例えば、レーザーアブレーション(laser ablation)、コロイド性プロセスを経て蒸着コーティング、薄膜またはレーザーを用いたコンフォーマルコーティング方式で前記疎水性構造物をセラミックの表面に蒸着させうる。例えば、前記コーティングの厚さの範囲は、200nm~350nmでもある。例えば、前記セラミックは、CeO2,Pr6O11,Nd2O3,Sm2O3,Eu2O3,Gd2O3,Tb4O7,Dy2O3,Ho2O3,Er2O3,Tm2O3,Yb2O3及び/またはLu2O3を含むことができる。
【0059】
さらに他の実施形態において、固体及び/またはセラミックの表面にフッ素化処理を進める場合、前記表面は、疎水性を有する。上述した固体及び/またはセラミックの表面に疎水性処理を行う方式は、例示的なものであって、固体及び/またはセラミックの表面に疎水性処理のための多様な方法が採択されうる。
【0060】
加工されていない固体またはセラミックの表面は、相対的に平坦でもある。したがって、加工されていない固体またはセラミックの表面は、相対的に高い湿潤性を有し、加工されていない固体またはセラミックの表面は、相対的に親水性に近い。したがって、加工されていない固体またはセラミックの表面上に水滴が配置される場合、接触角は、約90°未満であり、水滴の形状は、楕円形に相対的に近い。
【0061】
図3において、固体またはセラミックの表面を加工して固体またはセラミックの表面が疎水性を有することを敍述したが、これは、例示的なものであって、加工される金属またはセラミックの種類は、多様に変形されうる。
【0062】
図4は、本発明の他の実施形態によるプラズマ処理装置10aを示す構成図である。
【0063】
図1及び
図4を共に参照すれば、本実施形態の基板支持ユニット200aは、シーリング(sealing)部材260をさらに含むという点で、
図1の基板支持ユニット200と異なってもいる。また、
図1及び
図4を共に参照すれば、本実施形態のプラズマ処理装置10aは、絶縁アイソレーション215aが静電チャック211とエッジリング214を取り囲むという点で、
図1のプラズマ処理装置10と異なってもいる。さらに具体的に説明すれば、本実施形態の基板支持ユニット200aは、静電チャック211、エッジリング214a、絶縁アイソレーション215a、グラウンド板216及びシーリング部材260を含む。静電チャック211及びグラウンド板216は、
図1の基板支持ユニット200の静電チャック211、グラウンド板216について説明した通りである。
【0064】
前記エッジリング214aの側面にクリーンドライ空気(CDA)が接触する。したがって、前記エッジリング214aの側面は、疎水性を有する。また、静電チャック211の側面にクリーンドライ空気(CDA)が接触する。静電チャック211の側面図疎水性を有する。また、前記絶縁アイソレーション215aは、前記静電チャック211と前記エッジリング214aとを取り囲む。
【0065】
シーリング部材260は、静電チャック211と絶縁アイソレーション215aとの間に介在されうる。シーリング部材260は、冷媒またはクリーンドライ空気(CDA)が静電チャック211の上部に移動しないように構成されうる。すなわち、シーリング部材260は、エッジリング214及び絶縁アイソレーション215aそれぞれの側面と直接接触する。例えば、シーリング部材260は、ペンタフルオロフェニル(pentafluorophenyl,PFP)からなりうる。本発明の一実施形態によれば、シーリング部材260の表面は、疎水性処理されない。
【0066】
さらに他の実施形態によれば、シーリング部材260の下面に冷媒またはクリーンドライ空気(CDA)と直接接触することができ、シーリング部材260の下面も疎水性処理されうる。疎水性処理方式は、
図3の説明部分で説明したように実質的に同一である。
【0067】
すなわち、本実施形態の基板支持ユニット200aは、エッジリング214aと絶縁アイソレーション215aとの間にシーリング部材260が介在されうる。したがって、エッジリング214aと絶縁アイソレーション215aとが直接接触せず、基板支持ユニット200aの電気的安定性が向上しうる。
【0068】
また、絶縁アイソレーション215aの最上面がエッジリング214aの上面のうち、最上面と実質的に同一平面に位置する。さらに他の実施形態によれば、絶縁アイソレーション215aの最上面がエッジリング214aの上面のうち、最上面より低い垂直レベルに位置する。
【0069】
図5は、本発明のさらに他の実施形態によるプラズマ処理装置10bを示す構成図である。
【0070】
図5を参照すれば、本実施形態の基板支持ユニット200bは、冷却流路211bがグラウンド板216aの内部に配置されるという点で、
図1の基板支持ユニット200と異なってもいる。
【0071】
前記冷却流路211bの配置位置を除いて、本実施形態の基板支持ユニット200bは、
図1の基板支持ユニット200と実質的に同一でもある。
【0072】
図5に図示されていないが、絶縁アイソレーション215bが静電チャック211及びエッジリング214を取り囲むように配置されうる。また、静電チャック211と絶縁アイソレーション215bとの間にシーリング部材260が配置されるということは言うまでもない。
【0073】
図6は、本発明のさらに他の実施形態によるプラズマ処理装置10cを示す構成図である。
【0074】
図1及び
図6を共に参照すれば、本実施形態の基板支持ユニット200cは、シーリング部材260をさらに含むという点で、
図1の基板支持ユニット200と異なってもいる。また、
図1、
図4及び
図6を共に参照すれば、本実施形態のプラズマ処理装置10cは、絶縁アイソレーション215cが静電チャック211を取り囲むという点で、
図1及び
図4のプラズマ処理装置10、10aと異なってもいる。さらに具体的に説明すれば、本実施形態の基板支持ユニット200cは、静電チャック211、エッジリング214、絶縁アイソレーション215c、グラウンド板216及びシーリング部材260を含む。静電チャック211及びグラウンド板216は、
図1の基板支持ユニット200の静電チャック211及びグラウンド板216について説明した通りである。
【0075】
シーリング部材260は、静電チャック211と絶縁アイソレーション215cとの間に介在されうる。シーリング部材260は、冷媒またはクリーンドライ空気(CDA)が静電チャック211の上部に移動しないように構成されうる。すなわち、シーリング部材260は、静電チャック211及び絶縁アイソレーション215cそれぞれの側面と直接接触する。例えば、シーリング部材260は、ペンタフルオロフェニル(pentafluorophenyl,PFP)からなりうる。本発明の一実施形態によれば、シーリング部材260の表面は、疎水性処理されてもいない。
【0076】
さらに他の実施形態によれば、シーリング部材260の下面に冷媒またはクリーンドライ空気(CDA)と直接接触し、シーリング部材260の下面も疎水性処理されうる。疎水性処理方式は、
図3の説明部分で説明したように実質的に同一である。
【0077】
すなわち、本実施形態の基板支持ユニット200cは、静電チャック211と絶縁アイソレーション215cとの間にシーリング部材260が介在されうる。したがって、静電チャック211と絶縁アイソレーション215cが直接接触せず、基板支持ユニット200cの電気的安定性が向上しうる。
【0078】
また、絶縁アイソレーション215cの最上面が静電チャック211の上面のうち、最下面と実質的に同一平面に位置する。さらに他の実施形態によれば、絶縁アイソレーション215cの最上面が静電チャック211の上面のうち、最下面より低い垂直レベルに位置しうる。
【符号の説明】
【0079】
10、10a、10b プラズマ処理装置
200、200a、200b 基板支持ユニット
211 静電チャック
215、215a、215b 絶縁アイソレーション
216、216a グラウンド板
260 シーリング部材