(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】スロートエリアと回転連結部に流量調整器を備えたスラスタノズルアセンブリ
(51)【国際特許分類】
F02K 9/84 20060101AFI20240313BHJP
F02K 1/08 20060101ALI20240313BHJP
F02K 9/97 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
F02K9/84
F02K1/08
F02K9/97
(21)【出願番号】P 2022535052
(86)(22)【出願日】2019-12-10
(86)【国際出願番号】 US2019065369
(87)【国際公開番号】W WO2021118530
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】594203852
【氏名又は名称】エアロジェット ロケットダイン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】ヌーナン,ケヴィン マーク
(72)【発明者】
【氏名】クーパー,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ウェスト,ラリー ケネス
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1960397(KR,B1)
【文献】米国特許第03727843(US,A)
【文献】米国特許第03293855(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02K 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スロートセクションを含むノズルであって、ボールソケット連結部のボール部を含むノズルと、
前記ボールソケット連結部のソケット部を含む車両であって、前記ノズルが前記車両に取り付けられ、前記ボール部が少なくとも部分的に前記ソケット部に収容される、車両と、
前記スロートセクションに隣接して配置されるとともに、前記スロートセクションを通る流体の流れを調整するように構成された流量調整器であって、前記スロートセクションの上流で前記ノズルに取り付けられた流量調整器と、
前記ノズルに取り付けられたアクチュエータであって、前記車両の長手方向軸に垂直な第1の軸を中心として前記ボールソケット連結部を介して前記ノズルを選択的に回転させるように構成されたアクチュエータと、
を備え
、
前記流量調整器が、前記スロートセクションを通る流体の流れを調整するように、シートに対して前記ノズルの長手方向軸に平行な方向に移動可能なピントルを含み、
前記ノズルおよび前記流量調整器は、前記ボールソケット連結部を介して前記車両に取り付けられており、前記ボールソケット連結部は、前記車両の前記長手方向軸に対して、前記ノズルおよび前記流量調整器を選択的に回転させるように構成された、ノズルアセンブリ。
【請求項2】
前記アクチュエータは、前記車両の長手方向軸および前記第1の軸に垂直な第2の軸を中心として前記ノズルを選択的に回転させるようにさらに構成されることを特徴とする請求項1に記載のノズルアセンブリ。
【請求項3】
複数のノズルおよび対応する複数の流量調整器をさらに備え、前記複数のノズルの各々が、前記ボールソケット連結部の前記ボール部と一体であることを特徴とする請求項1に記載のノズルアセンブリ。
【請求項4】
前記複数の流量調整器の各々は、互いに独立して、または互いに協調して動作するように構成されることを特徴とする請求項3に記載のノズルアセンブリ。
【請求項5】
前記ボール部が半球状のベアリングであり、前記ソケット部が前記ボール部の少なくとも一部を取り囲む半球状のソケットであることを特徴とする請求項1に記載のノズルアセンブリ。
【請求項6】
前記ピントルは、シャンク部と、前記シャンク部よりも大きな直径を有するヘッド部と、前記ヘッド部から延びるテーパ面と、を含み、
前記テーパ面は、前記シートに接触するように構成され、
前記シートに対する前記テーパ面の直線位置が、前記スロートセクションを通って流れる流体の流れ領域のサイズを変化させることを特徴とする請求項
1に記載のノズルアセンブリ。
【請求項7】
前記テーパ面は、前記ヘッド部から前記ピントルの自由端まで直径が徐々に減少することを特徴とする請求項
6に記載のノズルアセンブリ。
【請求項8】
前記ピントルは、前記スロートセクションに隣接して配置された複数のピントルのうちの1つであり、
前記複数のピントルの各々は、独立して可動であることを特徴とする請求項
7に記載のノズルアセンブリ。
【請求項9】
前記複数のピントルが、前記ノズルの長手方向軸の周りで互いに離間した4つのピントルからなることを特徴とする請求項
8に記載のノズルアセンブリ。
【請求項10】
前記複数のピントルの各々を選択的に移動させるようにそれぞれ構成された複数のリニアアクチュエータをさらに含むことを特徴とする請求項
9に記載のノズルアセンブリ。
【請求項11】
前記ノズルが、前記スロートセクションから延びる発散セクションを含むことを特徴とする請求項1に記載のノズルアセンブリ。
【請求項12】
前記車両がロケットエンジンであることを特徴とする請求項1に記載のノズルアセンブリ。
【請求項13】
ロケットであって、
本体と、
前記本体内に貯蔵された推進薬と、
前記本体内に配置された燃焼室と、
前記本体に取り付けられるとともに、前記燃焼室の生成物を放出するように構成されたノズルアセンブリと、
を備え、前記ノズルアセンブリは、
スロートセクションを含むノズルと、
前記スロートセクションに隣接して配置されるとともに、前記スロートセクションを通る前記燃焼室の生成物の流れを調整するように構成された流量調整器と、
前記流量調整器および前記ノズルを
前記本体の長手方向軸に対して選択的に回転させるように構成された回転ボール連結部と、
を含
み、
前記流量調整器が、前記スロートセクションを通る流体の流れを調整するように、シートに対して直線的に移動可能なピントルを含んだ、ロケット。
【請求項14】
前記ピントルは、前記スロートセクションに隣接して配置された複数のピントルのうちの1つであり、
前記複数のピントルの各々は、それぞれのリニアアクチュエータによって独立して移動可能であることを特徴とする請求項
13に記載のロケット。
【請求項15】
前記複数のピントルが、前記ノズルの長手方向軸の周りで互いに離間した4つのピントルからなることを特徴とする請求項
14に記載のロケット。
【請求項16】
ノズルおよび流量調整器が回転連結部を介して取り付けられた、本体を備え、
前記本体に対する
前記ノズルの位置を、
前記回転連結部を介して調整し、前記ノズルのスロートセクションに隣接して配置された
前記流量調整器の位置を調整することにより、前記本体を推力偏向することを備え
、
前記流量調整器がピントルを含み、前記流量調整器の位置を調整することが、前記ピントルを、前記ノズルの長手方向軸に平行な方向に直線的に移動させることを備えた、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ロケットエンジン、その他の航空宇宙機、地上車両、船舶、またはその他のシステムなどのスラスタは、流体の高速推進ジェットを放出する収束発散ノズルを含むことが知られている。スラスタはまた、加圧流体を所望の圧力で噴射するための調整弁を含みうる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本開示の例示的な態様によるノズルアセンブリは、とりわけ、スロートセクションを含むノズルを含む。ノズルは、ボールソケット連結部(a ball and socket joint)のボール部をさらに含む。アセンブリはさらに、ボールソケット連結部のソケット部を含む車両を含む。ノズルは車両に取り付けられ、ボール部はソケット部に少なくとも部分的に収容される。流量調整器(flow regulator)は、スロートセクションに隣接して配置され、スロートセクションを通る流体の流れを調整するように構成される。流量調整器は、スロートセクションのノズル上流に取り付けられる。ノズルにはアクチュエータが取り付けられており、このアクチュエータは、車両の長手方向軸に垂直な第1の軸を中心にボールソケット連結部を介してノズルを選択的に回転させるように構成されている。
【0003】
前述のノズルアセンブリのさらなる非限定的な実施形態では、アクチュエータは、車両の長手方向軸および第1の軸に垂直な第2の軸を中心にノズルを選択的に回転させるようにさらに構成される。
【0004】
前述のノズルアセンブリのいずれかのさらなる非限定的な実施形態では、アセンブリは、複数のノズルおよび対応する複数の流量調整器を含み、複数のノズルの各々は、ボールソケット連結部のボール部と一体である。
【0005】
前述のノズルアセンブリのいずれかのさらなる非限定的な実施形態では、複数の流量調整器の各々は、互いに独立して、または互いに協調して動作するように構成される。
【0006】
前述のノズルアセンブリのいずれかのさらなる非限定的な実施形態では、ボール部は半球ベアリングであり、ソケット部はボール部の少なくとも一部を取り囲む半球ソケットである。
【0007】
前述のノズルアセンブリのいずれかのさらなる非限定的な実施形態では、流量調整器は、シートに対してノズルの長手方向軸に平行な方向に移動可能なピントルを含み、スロート領域を通る流体の流れを調整する。
【0008】
前述のノズルアセンブリのいずれかのさらなる非限定的な実施形態では、ピントルは、シャンク部と、シャンク部よりも大きな直径を有するヘッド部と、ヘッド部から延びるテーパ面と、を含み、テーパ面は、シートに接触するように構成され、シートに対するテーパ面の直線位置は、流体がスロートセクションを通って流れる流れ領域のサイズを変化させる。
【0009】
前述のノズルアセンブリのいずれかのさらなる非限定的な実施形態では、テーパ面は、ヘッド部からピントルの自由端まで直径が徐々に減少する。
【0010】
前述のノズルアセンブリのいずれかのさらなる非限定的な実施形態では、ピントルはスロートセクションに隣接して配置された複数のピントルの1つであり、複数のピントルの各々は独立して可動である。
【0011】
前述のノズルアセンブリのいずれかのさらなる非限定的な実施形態では、複数のピントルは、ノズルの長手方向軸の周りで互いに離間した4つのピントルからなる。
【0012】
前述のノズルアセンブリのいずれかのさらなる非限定的な実施形態では、アセンブリは、複数のピントルのそれぞれを選択的に移動させるようにそれぞれ構成された複数のリニアアクチュエータを含む。
【0013】
前述のノズルアセンブリのいずれかのさらなる非限定的な実施形態では、ノズルはスロートセクションから延在する発散セクションを含む。
【0014】
前述のノズルアセンブリのいずれかのさらなる非限定的な実施形態では、車両はロケットエンジンである。
【0015】
本開示の例示的な態様によるロケットは、とりわけ、本体と、本体内に格納された推進薬と、本体内に配置された燃焼室と、本体に取り付けられるとともに、燃焼室の生成物を放出するように構成されたノズルアセンブリと、を含む。ノズルアセンブリは、スロートセクションを含むノズルと、スロートセクションに隣接して配置されるとともに、スロートセクションを通る燃焼室の生成物の流れを調整するように構成された流量調整器と、流量調整器およびノズルを選択的に回転させるように構成された回転ボール連結部と、を含む。
【0016】
前述のロケットのさらなる非限定的な実施形態では、流量調整器は、シートに対して直線的に移動可能なピントルを含む。
【0017】
前述のロケットのいずれかのさらなる非限定的な実施形態では、ピントルは、スロートセクションに隣接して配置された複数のピントルのうちの1つであり、複数のピントルの各々は、それぞれのリニアアクチュエータによって独立して移動可能である。
【0018】
前述のロケットのいずれかのさらなる非限定的な実施形態では、複数のピントルは、ノズルの長手方向軸の周りで互いに離間した4つのピントルからなる。
【0019】
本開示の例示的な態様による方法は、とりわけ、回転連結部を介して本体に対するノズルの位置を調整し、ノズルのスロートセクションに隣接して配置された流量調整器の位置を調整することによって、本体の推力偏向を行うことを含む。
【0020】
前述の方法のさらなる非限定的な実施形態では、流量調整器はピントルを含み、流量調整器の位置を調整することは、ピントルをノズルの長手方向軸に平行な方向に直線的に移動させることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】例示的なノズルアセンブリを含む例示的なロケットを概略的に示す図である。
【
図4】第2の例のノズルアセンブリを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、ロケット、ミサイル、宇宙船、航空機、またはその他の車両であり得る、車両20を概略的に示す。車両20は、この例ではロケットエンジンであるスラスタ22から推力を得る。車両およびロケットエンジンが
図1に示され、本明細書で論じられるが、本開示は、ロケットまたはロケットエンジンに限定されず、宇宙、航空、陸上、および海洋車両を含むその他の車両用のノズルアセンブリに特に適用される。本開示は、反応制御システムにおけるスラスタ用のノズルアセンブリにも適用される。
【0023】
車両20は、一般に、車両長手方向軸Rに沿って延在し、この例では、車両長手方向軸Rに沿って延在するケーシング24を含む。ケーシング24は、車両20の外側本体である。ケーシング24は、一体化構造またはマルチピース構造であってもよい。
【0024】
少なくとも1つの推進薬26がケーシング24内に貯蔵される。推進薬26は、単一タンクに貯蔵される単元推進薬、または別個のタンクに貯蔵される2つの別個の推進薬、すなわち燃料および酸化剤であってもよい。推進薬26は、ケーシング24内に配置された燃焼室28に流体的に連結される。燃焼室28は、ノズルアセンブリ30に流体的に連結される。推進薬および燃焼室が本明細書中で言及されるが、本開示は、燃焼室のないスラスタに及び、コールドガススラスタや核熱ロケットを含む。
【0025】
ノズルアセンブリ30は、流体の高速推進ジェットを放出して車両20に推力を提供するように構成される。具体的には、この例では、ノズルアセンブリ30は、燃焼室28の生成物を放出するように構成される。
【0026】
ノズルアセンブリ30は、狭いスロートセクション34と、スロートセクション34からノズル長手方向軸Nに沿って延びる発散セクション36と、を含むノズル32を含む。発散セクション36は、その発散セクション36がノズル長手方向軸Nに沿ってスロートセクション34から離れて延びるに従い、直径が徐々に増加する。
【0027】
ノズルアセンブリ30は、
図2に詳細に示される流量調整器38を含む。流量調整器38は、スロートセクション34に隣接して配置され、スロートセクション34を通る流体の流れ(すなわち、燃焼室28の生成物)を調整するように構成される。この例では、流量調整器38は、シャンク部42を有するピントル40と、その自由端に向かって直径が徐々に減少するテーパ面46を提供するヘッド部44と、を含む。テーパ面46は、シート(seat)48に面し、閉位置でシート48に接触するように構成される。シート48に対するテーパ面46の相対的な間隔は、流体がスロートセクション34を通って流れることができる流れ領域のサイズを設定する。テーパ面46とシート48との相対的な位置は、一例では無限に調整可能であってもよい。この意味で、流量調整器38は、閉位置と複数の開位置との間で移動可能である。
【0028】
テーパ面46は、リニアアクチュエータ50により、ノズル長手方向軸Nに平行な方向にシート48に対して選択的に移動可能である。この例では、テーパ面46は、ノズル長手方向軸Nに沿って直線的に移動可能である。この例のリニアアクチュエータ50はボールねじアクチュエータであるが、本開示はその他のタイプのアクチュエータにも及ぶ。リニアアクチュエータ50は、シャンク部42に機械的に接続され、シャンク部42は、次いでヘッド部44に機械的に接続される。
【0029】
リニアアクチュエータ50は、この例では、コントローラ52からのコマンドに応答する。コントローラ52は、
図1に概略的に示される。コントローラ52は、本明細書に記載された機能を実行するために、電子機器、ソフトウェア、またはその両方を含む。単一のデバイスとして示されているが、コントローラ52は、複数のハードウェアデバイスの形の複数のコントローラ、または1つまたは複数のハードウェアデバイス内に複数のソフトウェアコントローラを含むことができる。コントローラ52は、1つまたは複数のセンサの出力に基づいて、車両20に無線で送信された信号に基づいて、事前にプログラムされた飛行計画に基づいて、および/または他の入力に基づいて、車両20の様々な構成要素にコマンドを発行することができる。
【0030】
本開示では、ノズル32および流量調整器38は、回転ボール連結部54を介してケーシング24に取り付けられており、これはおそらく
図3に最もよく示されている。回転ボール連結部54は、車両長手方向軸Rに対してノズル32および流量調整器38を選択的に回転させるように構成される。
【0031】
回転ボール連結部54は、ベアリング56の少なくとも一部を囲む半球ソケット(すなわち、ソケット)58内に収容される半球ベアリング(すなわち、ボール)56を含む。特定の例では、1つもしくは複数のアクチュエータ60は、車両長手方向軸Rに対してベアリング56を傾斜させ、車両長手方向軸Rを中心としてベアリング56を回転させることによって、ベアリング56を2つの平面内で移動させるように構成される。これに関して、アクチュエータ60は、第1および第2の軸を中心にベアリング56を移動させ、次にノズル32を移動させるように構成され、それらの軸の各々は、長手方向軸Rに対して垂直であるとともに、互いに関して垂直である。一例では、第1の軸は、
図1に対して実質的にページの内外に延在し、第2の軸は、
図1に対して上下方向に延在する。ベアリング56は、一例では、ソケット58に対するそれらの2つの平面内で無限に調整可能である。ソケット58は、車両の長手方向軸Rに沿った方向を含め、ソケット58に対するベアリング56のあらゆる方向への平行移動を防止するようなサイズおよび形状である。したがって、いくつかの例では、回転ボール連結部54はトラップボール連結部と呼ばれる。
【0032】
この例では、ベアリング56は中空であり、中央通路62を含む。一例では、ノズル32はベアリング56と一体的に形成されてもよい。さらに、流量調整器38は、この例では中央通路62にしっかりと取り付けられている。したがって、ベアリング56がソケット58内で回転すると、ノズルの長手方向軸Nも機体の長手方向軸Rに対して回転し、特定の任務を通して必要に応じた推力偏向を提供する。ノズルアセンブリ30、具体的には流量調整器38およびボール連結部54を制御して、ミッション中に車両20のピッチおよびヨー制御を提供することができる。
【0033】
本開示は、大きなノズルを必要とせずに適切なピッチおよびヨー制御を提供する。具体的には、ノズル32の長さは、既存のノズルに比べて大幅に短縮されている。特定の一例では、ノズル32の長さは、車両20の全長の15~20%以内である。さらなる例では、ノズル32の長さは、車両20の全長の10%未満である。それにより、車両20の重量が減少し、推進薬貯蔵タンクのサイズを大きくすることができる設計が可能になり、潜在的により長い任務が提供される。
【0034】
別の例のノズルアセンブリ130が
図4に示される。他に記載または図示されていない限り、ノズルアセンブリ130は、
図1~3の実施形態に対応し、以下に特に指定しない限り、同様の部品には「1」が前に付加された参照番号を有する。
【0035】
ノズルアセンブリ130は、それぞれのスロートセクション134A~134Dに対して配置された複数の流量調整器138A~138Dを含む。燃焼室の生成物は、4つの等しい部分に分割することができ、各部分はそれぞれの流量調整器138A~138Dに流れる。ノズル132は、それぞれのスロートセクション134A~134Dから離れて延びる直径が徐々に増加する4つの発散セクション136A~136Dを含む。
【0036】
流量調整器138A~138Dは、それぞれ、流量調整器38と実質的に同様に配置され、特に、閉位置と複数の開位置との間を移動するように構成される。流量調整器138A~138Dは、コントローラからのコマンドに応答して、リニアアクチュエータ50と同様のそれぞれのリニアアクチュエータによって独立して移動可能である。あるいは、流量調整器138A~138Dは、それらの流量調整器138A~138Dが実質的に同時に実質的に同じ動きをするように、互いに協調して制御される。この目的のために、流量調整器138A~138Dは、共通のリニアアクチュエータによって移動可能であってもよい。流量調整器138A~138Dは、それぞれの軸に沿って配置され、それらの軸線はノズルの長手方向軸Nに平行であり、ノズルの長手方向軸Nの周りで互いに円周方向に離間している。流量調整器138A~138Dは、飛行中のロケットのロールを制御するように制御され、それにより別個のロール制御システムが不要となる。したがって、ノズルアセンブリ130は、ピッチ、ヨー、およびロールを制御することができる。さらに、ノズル132を4つのセクションに分割することによって、ノズル132は、いくつかの例ではノズル32よりもさらに短くすることができ、例えば、推進薬のための空間が増加する。
【0037】
特に明記しない限り、「軸方向」、「半径方向」、および「円周方向」などの用語は、上記のように車両20の通常の動作姿勢に関して使用されていることを理解されたい。さらに、これらの用語は本明細書では説明を目的として使用されており、さもなければ限定するものであると見なされるべきではない。「一般的に」、「実質的に」、および「約」などの用語は、境界のない用語であることを意図しておらず、当業者がそれらの用語を解釈する方法と一致して解釈されるべきである。
【0038】
異なる例は、図に示される特定の構成要素を有するが、本開示の実施形態は、それらの特定の組み合わせに限定されない。ある例のコンポーネントまたは機能の一部を、別の例の機能またはコンポーネントと組み合わせて使用することが可能である。さらに、本開示に付随する様々な図は、必ずしも原寸通りではなく、特定の構成要素または配置の特定の詳細を示すために、いくつかの特徴が誇張または最小化されている場合がある。
【0039】
当業者は、上記の実施形態が例示的であり、限定的でないことを理解するであろう。すなわち、この開示の変更は、特許請求の範囲内にある。したがって、以下のクレームは、それらの真の範囲と内容を決定するために検討されるべきである。