(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】端末、無線通信方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04W 24/10 20090101AFI20240313BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20240313BHJP
H04W 72/21 20230101ALI20240313BHJP
【FI】
H04W24/10
H04W72/0446
H04W72/21
(21)【出願番号】P 2023005534
(22)【出願日】2023-01-18
(62)【分割の表示】P 2020507222の分割
【原出願日】2018-03-22
【審査請求日】2023-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100158528
【氏名又は名称】守屋 芳隆
(72)【発明者】
【氏名】武田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】永田 聡
(72)【発明者】
【氏名】リー ホイリン
(72)【発明者】
【氏名】ワン リフェ
(72)【発明者】
【氏名】ナ スウネイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン シン
(72)【発明者】
【氏名】コウ ギョウリン
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/012457(WO,A1)
【文献】NTT DOCOMO, INC.,CSI feedback for shortened TTI with shortened processing time[online],3GPP TSG RAN WG1 #89,3GPP,2017年05月19日,R1-1708421,[検索日 2023.10.27],インターネット:<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_89/Docs/R1-1708421.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる非周期的なチャネル状態情報(A-CSI)報告をトリガするための異なる下り制御情報(DCI)を受信する受信部と、
前記異なるA-CSI報告を送信する送信部と、
あるセルグループにおいて、前記異なるDCIによりトリガされる前記異なるA-CSI報告を同一の送信期間において送信しないよう制御する制御部と、を有することを特徴とする端末。
【請求項2】
前記異なるA-CSI報告は、物理上りリンク共有チャネルを用いて送信されることを特徴とする請求項1に記載の端末。
【請求項3】
前記セルグループは、デュアルコネクティビティが適用されるマスタセルグループ(MCG)と、セカンダリセルグループ(SCG)を含むことを特徴とする請求項1に記載の端末。
【請求項4】
異なる非周期的なチャネル状態情報(A-CSI)報告をトリガするための異なる下り制御情報(DCI)を受信する工程と、
前記異なるA-CSI報告を送信する工程と、
あるセルグループにおいて、前記異なるDCIによりトリガされる前記異なるA-CSI報告を同一の送信期間において送信しないよう制御する工程と、を有することを特徴とする端末の無線通信方法。
【請求項5】
端末と基地局とを有するシステムであって、
前記端末は、異なる非周期的なチャネル状態情報(A-CSI)報告をトリガするための異なる下り制御情報(DCI)を受信する受信部と、
前記異なるA-CSI報告を送信する送信部と、
あるセルグループにおいて、前記異なるDCIによりトリガされる前記異なるA-CSI報告を同一の送信期間において送信しないよう制御する制御部と、を有し、
前記基地局は、前記異なるDCIを送信する送信部と、
前記異なるA-CSI報告を受信する受信部と、
前記あるセルグループにおける前記同一の送信期間において、前記端末による前記異なるA-CSI報告の送信のトリガを制御する制御部と、を有することを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、次世代移動通信システムにおける端末、無線通信方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)ネットワークにおいて、更なる高速データレート、低遅延などを目的としてロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)が仕様化された(非特許文献1)。また、LTE(LTE Rel.8、9)の更なる大容量、高度化などを目的として、LTE-A(LTEアドバンスト、LTE Rel.10、11、12、13)が仕様化された。
【0003】
LTEの後継システム(例えば、FRA(Future Radio Access)、5G(5th generation mobile communication system)、5G+(plus)、NR(New Radio)、NX(New radio access)、FX(Future generation radio access)、LTE Rel.14又は15以降などともいう)も検討されている。
【0004】
既存のLTEシステム(例えば、LTE Rel.8-13)においては、ユーザ端末(UE:User Equipment)が基地局に対して、周期的及び/又は非周期的にチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)を送信する。UEは、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)及び/又は上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)を用いて、CSIを送信する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】3GPP TS 36.300 V8.12.0 “Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN); Overall description; Stage 2 (Release 8)”、2010年4月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
将来の無線通信システム(例えば、NR)においては、既存のLTEシステム(例えば、LTE Rel.13以前)とは異なる上り共有チャネルの構成を利用することが検討されている。例えば、既存のLTEシステムではサブフレーム単位でPUSCH送信が制御されるが、NRではシンボル単位でPUSCH送信(又は、PUSCHの割当て)が制御されることも想定される。
【0007】
このように、既存のLTEシステムと異なる構成(例えば、PUSCH構成)を適用してCSI報告を行う場合、既存のLTEシステムのCSI報告の制御方法をそのまま適用することは困難となる。
【0008】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、既存のLTEシステムと異なる構成を適用して通信を行う場合に、CSI報告等のUL送信を適切に制御することができる端末、無線通信方法及びシステムを提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様に係る端末は、異なる非周期的なチャネル状態情報(A-CSI)報告をトリガするための異なる下り制御情報(DCI)を受信する受信部と、前記異なるA-CSI報告を送信する送信部と、あるセルグループにおいて、前記異なるDCIによりトリガされる前記異なるA-CSI報告を同一の送信期間において送信しないよう制御する制御部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一態様によれば、既存のLTEシステムと異なる構成を適用して通信を行う場合に、CSI報告等のUL送信を適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、A-CSIの送信制御の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の態様におけるUL送信制御の一例を示す図である。
【
図3】
図3A及び
図3Bは、第1の態様におけるUL送信制御の他の例を示す図である。
【
図4】
図4は、第2の態様におけるUL送信制御の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、第2の態様におけるUL送信制御の他の例を示す図である。
【
図6】
図6A及び
図6Bは、は、第2の態様におけるUL送信制御の他の例を示す図である。
【
図7】
図7A及び
図7Bは、は、第2の態様におけるUL送信制御の他の例を示す図である。
【
図8】
図8は、第3の態様におけるUL送信制御の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、一実施形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、一実施形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、一実施形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、一実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、一実施形態に係る無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
既存のLTEシステム(Rel.10-13)では、下りリンクにおいてチャネル状態を測定する参照信号が規定されている。チャネル状態測定用の参照信号は、CRS(Cell-specific Reference Signal)、CSI-RS(Channel State Information-Reference Signal)とも呼ばれ、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、RI(Rank Indicator)などのチャネル状態情報(CSI)の測定に用いられる参照信号である。
【0013】
UEは、当該チャネル状態測定用の参照信号に基づいて測定した結果を、CSIとして基地局に所定タイミングでフィードバックする。CSIのフィードバック方法として、周期的なCSI(P-CSI:Periodic CSI)報告及び非周期的なCSI(A-CSI:Aperiodic CSI)報告が規定されている。
【0014】
UEは、P-CSI報告を行う場合、所定周期(例えば、5サブフレーム周期、10サブフレーム周期など)毎にP-CSIのフィードバックを行う。UEは、P-CSIを所定セル(例えば、プライマリセル(PCell)、PUCCHセル、プライマリセカンダリセル(PSCell))の上り制御チャネルを用いて送信を行う。
【0015】
UEは、P-CSIの報告を行う所定タイミング(所定サブフレーム)において上りデータ(例えば、PUSCH)送信がない場合、上り制御チャネル(例えば、PUCCH)を用いてP-CSIを送信する。一方で、UEは、所定タイミングにおいて上りデータ送信がある場合、上り共有チャネルを用いてP-CSIの送信を行うことができる。
【0016】
UEは、A-CSI報告を行う場合、基地局からのCSIトリガ(CSI要求とも呼ぶ)に応じてA-CSIの送信を行う。例えば、UEは、CSIトリガを受信してから所定タイミング(例えば、4サブフレーム)後にA-CSI報告を行う。
【0017】
基地局から通知されるCSIトリガは、下り制御チャネルを用いて送信される上りリンクスケジューリンググラント(ULグラント)用の下り制御情報(例えば、DCIフォーマット0/4)に含まれる。なお、ULグラントは、ULデータ(例えば、PUSCH)送信及び/又はULサウンディング(測定用)信号の送信をスケジューリングするDCIであってもよい。
【0018】
UEは、当該ULグラント用の下り制御情報に含まれるトリガに従って、ULグラントで指定された上り共有チャネルを用いてA-CSI送信を行う。また、CAを適用する場合、UEは、あるセルに対するULグラント(A-CSIトリガ含む)を他のセルの下り制御チャネルで受信することができる。
【0019】
ところで、将来の無線通信システム(例えば、NR)においては、既存のLTEシステム(例えば、LTE Rel.13以前)とは異なる構成を用いたCSI報告を利用することが考えられる。
【0020】
既存のLTEシステムではサブフレーム単位で割当てが制御される上り共有チャネル(例えば、PUSCH)を利用してCSI報告が制御される。一方、NRではOFDMシンボル(以下、シンボルとも記す)単位で割当てが制御されるPUSCHを利用してCSI報告を行うことが想定される。
【0021】
このように、既存のLTEシステムと異なるPUSCH構成を適用してCSI報告(例えば、A-CSI報告)を行う場合、既存のLTEシステムのCSI報告の制御方法をそのまま適用することは困難となる。
【0022】
例えば、UEが所定シンボルを利用したUL送信(又は、所定シンボルに割当てるUL送信)を一つとする、つまり複数のUL送信期間が同じシンボルで重複しないように送信する場合、基地局側でUL送信の指示(又は、トリガ)をどのように制御するかが問題となる。
【0023】
例えば、複数のセル(又は、CC)を利用するキャリアアグリゲーション(CA)を適用する場合、基地局が同じシンボルで重複するA-CSI報告用のトリガ数をどのように制御するかが問題となる。つまり、基地局側で送信期間が少なくとも一部のシンボルで重複するUL送信の指示を許容するか否かが問題となる。また、送信期間が少なくとも一部のシンボルで重複するUL送信の指示を許容する場合にはUL送信をどのように制御するかが問題となる。
【0024】
図1は、基地局が少なくとも所定シンボルで送信期間が重複する複数のA-CSIをトリガする場合を示している。ここでは、異なる下り制御情報(例えば、DCI)でそれぞれA-CSI#1とA-CSI#2がトリガされる場合を示している。また、A-CSI#1とA-CSI#2は、少なくとも一部のシンボルで送信期間が重複するPUSCH#1とPUSCH#2を利用して送信することが基地局からUEに指示される。
【0025】
このように少なくとも一部のシンボルで送信期間が重複する複数のA-CSI(又は、PUSCH)等がトリガされることが許容される場合(
図1参照)、UEはトリガされたA-CSI等の送信をどのように制御するかが問題となる。
【0026】
そこで、本発明者らは、シンボル単位で送信期間が重複するA-CSI等のUL送信のトリガ有無とUL送信の送信制御について検討し、当該UL送信を適切に行うための方法を着想した。
【0027】
以下、本開示に係る実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。各実施形態に係る無線通信方法は、それぞれ単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用されてもよい。
【0028】
ここで、「重複」は、複数の信号及び/又はチャネルが少なくとも一部の同一時間リソース(例えば、同じシンボル)において送信される(送信をトリガ又はスケジュールされる)ことを表す。なお、「重複」は、「衝突」又は「オーバーラップ」と読み替えられてもよい。
【0029】
時間リソースの単位は、シンボルに限られず、スロット、ミニスロット、サブフレームなどで読み替えられてもよい。
【0030】
また、以下の実施の態様は、CAを行う場合だけでなくCAを行わない場合にも適用することができる。また、以下の説明では、UL送信としてA-CSIを主に例に挙げて説明するが、他のUL送信に適用してもよい。他のUL送信は、下り制御情報(例えば、DCI)でスケジューリングされるULデータ(又は、PUSCH)送信、DCIでスケジューリングされないULデータ(又は、PUSCH)送信、サウンディングリファレンス信号(例えば、SRS)送信であってもよい。
【0031】
また、以下の実施の態様は、P-CSI又はSP-CSIに対しても適用してもよい。SP-CSIは、半永続的(半持続的、セミパーシステント(Semi-Persistent))に指定されるリソースを用いたCSI報告を指す。
【0032】
(第1の態様)
第1の態様は、少なくとも所定セルにおいて、所定シンボルを利用したUL送信(例えば、A-CSI報告)を1つに制限する。つまり、所定シンボルにおいて送信期間が重複する複数のUL送信(例えば、A-CSI)を制限し、UL送信がシンボルレベルで重複しないようにトリガを制御する。
【0033】
UEは、所定サービングセルにおいて、異なるDCIでトリガされるA-CSI報告が同じシンボルで重複しないと想定してもよい。例えば、A-CSI報告がPUSCHを利用して行われる場合、UEは、各DCIでトリガされたA-CSIがそれぞれ割当てられるPUSCHリソースが重複しないシンボルにスケジュールされると想定する(
図2参照)。
【0034】
図2は、A-CSI#1の送信に利用するPUSCH#1と、A-CSI#2の送信に利用するPUSCH#2がそれぞれ異なるシンボル(例えば、重複しないシンボル)にスケジューリングされる場合の一例を示している。A-CSI#1のトリガを指示するDCIには、PUSCH#1のスケジューリング情報(例えば、PUSCH#1のリソース情報)が含まれていてもよい。同様に、A-CSI#2のトリガを指示するDCIには、PUSCH#2のスケジューリング情報(例えば、PUSCH#2のリソース情報)が含まれていてもよい。
【0035】
このように、所定シンボルを利用したUL送信(例えば、A-CSI報告)を1つに制限することにより、複数のUL送信が重複するケースを考慮する必要がないため、A-CSI等の送信処理を簡略化することができる。
【0036】
なお、ULにおいてCAが適用される場合、異なるサービングセル(又は、CC)間では、異なるDCIでトリガされる複数のA-CSI(又は、各A-CSIを多重する複数のPUSCH)が少なくとも一部のシンボルで重複する構成としてもよい。
【0037】
あるいは、UEは、所定のPUCCHグループ及びセルグループの少なくとも一つにおいて、異なるDCIでトリガされるA-CSI報告の送信期間が同じシンボルで重複しないと想定してもよい。この場合、UEは、ULにおいてCAが適用される場合、同じPUCCHグループ(又はセルグループ)に含まれる複数のCC間において、複数のA-CSI(又は、各A-CSIを多重する複数のPUSCH)が同じシンボルで重複されないと想定する。
【0038】
PUCCHグループは、PUCCHの送信を行うセル(PCell又はPUCCH SCell)に対応づけられるセカンダリセルを含む複数のセルで構成されるグループである。また、セルグループは、デュアルコネクティビティ(DC)を適用する場合のPCellを含むマスタセルグループ(MCG)と、PSCellを含むセカンダリセルグループ(SCG)を含むグループである。
【0039】
このように、PUCCHグループ又はセルグループにおいて、複数のA-CSI報告の送信期間が同じシンボルで重複しないように制御することにより、PUCCHグループまたはセルグループが異なるセル間ではA-CSI報告の送信期間を同じシンボルで重複させることができる。その結果、複数のPUCCHグループ及び/又はセルグループが設定された場合に、より柔軟にA-CSI報告を制御することができる。
【0040】
<変形例>
異なるDCIでトリガされる複数のA-CSI報告は、同一のスロット内で行われる構成としてもよい。つまり、当該複数のA-CSI報告の送信期間(又は、各A-CSI報告に利用するPUSCHの送信期間)が所定スロットにおいて同じシンボルで重複しないように制御してもよい(
図3A参照)。
【0041】
図3Aでは、DCI#1でトリガされるA-CSI(又は、スケジューリングされるPUSCH#1)と、DCI#2でトリガされるA-CSI#2(又はスケジューリングされるPUSCH#2)が同一スロット内容の異なるシンボルで送信される。このように、スロット内の異なるシンボルを利用した複数のA-CSI等のUL送信のトリガを許容することにより、A-CSI報告等の遅延を抑制することができる。
【0042】
あるいは、異なるDCIでトリガされる複数のA-CSI報告は、同一のスロット内で行わない構成としてもよい。つまり、当該複数のA-CSI報告の送信期間(又は、各A-CSI報告に利用するPUSCHの送信期間)が同じスロットで重複しないように制御してもよい(
図3B参照)。
図3Bでは、所定スロットにおいて、DCI#1でトリガされるA-CSI(又は、スケジューリングされるPUSCH#1)のみが送信される場合を示している。このようにすることで、複数のUL送信がスロット内で重複するケースを考慮する必要がないため、A-CSI等の送信処理をさらに簡略化することができる。
【0043】
また、上述したUL送信制御において、所定シンボルを利用したUL送信(例えば、A-CSI報告)を、スロットあたり最大1つに制限する必要があるか、スロットあたりは2つ以上と出来るものの所定シンボルあたり最大1つに制限するかを、ユーザ端末が、端末能力情報(UE capability signalling)として無線基地局に報告するものとしてもよい。これにより、無線基地局は、報告された端末能力情報をもとに、所定シンボルを利用したUL送信(例えば、A-CSI報告)を適切に制御することができる。
【0044】
(第2の態様)
第2の態様は、所定シンボルを利用したUL送信(例えば、A-CSI報告)を複数トリガすることを許容する一方で、当該所定シンボルを利用した実際のUL送信(例えば、A-CSI報告又はPUSCH送信)を一つに制限する。つまり、無線基地局は、所定シンボルにおいて送信期間が重複する複数のUL送信(例えば、A-CSI)のトリガを行えるものとし、ユーザ端末は、重複するUL送信のうち一部を送信する(残りをドロップ又はキャンセルする)ように制御する。
【0045】
図4は、所定シンボルにおいてN個(N>1、ここではN=3)のPUSCH#1-#3が重複してスケジューリングされる場合を示している。例えば、基地局は、PUSCH#1-#3を利用したN個のA-CSI(例えば、A-CSI#1-#3)報告をトリガする。UEは、N個のA-CSI報告のうち一部(例えば、1つのA-CSI)を選択して報告するように制御する。
【0046】
つまり、UEは、同じシンボルを利用して送信される複数のUL送信(例えば、A-CSI報告(又は、A-CSIを多重するPUSCH送信))がトリガされた場合、所定条件に基づいて一部のUL送信を選択し、残りのUL送信をドロップする。
【0047】
以下に、UL送信(例えば、A-CSI又はPUSCH)の所定のドロップ条件又は送信条件に基づいてUL送信を制御する場合について例を挙げて説明する。なお、以下の説明では、第1のPUSCH送信と、当該第1のPUSCH送信より送信開始タイミングが遅い第2のPUSCH送信を例に挙げて説明するが、適用可能なPUSCH送信は2つに限られない。また、第1のPUSCH送信及び第2のPUSCH送信は、PUSCH送信以外の他のUL送信に置き換えてもよい。
【0048】
<UL送信方法1>
UL送信方法1では、送信開始タイミングに基づいて送信又はドロップすべきUL送信(例えば、送信に利用するPUSCHリソース、A-CSI送信、ULデータ等)を判断する。
【0049】
例えば、送信開始タイミングが遅い第2のPUSCH送信(又は、第2のPUSCHリソースを利用した送信)を第1のPUSCH送信(又は、第1のPUSCHリソースを利用した送信)より優先して送信を行うように制御してもよい。つまり、UEは、第1のPUSCH送信(又は、第1のA-CSI報告)と第2のPUSCH送信(又は、第2のA-CSI報告)がトリガされた場合、送信開始タイミングが早い第1のPUSCH送信(on-going PUSCH送信)をキャンセルし、第2のPUSCH送信を行う(
図5参照)。
【0050】
なお、ここで所定のPUSCH送信をドロップまたはキャンセルする、とは、キャンセル動作を開始してから当該PUSCH送信に与える送信電力を所定時間(例えば20us)内に所定レベル(例えば-40dBm)以下とする、などと定義してもよい。この場合、ユーザ端末がドロップまたはキャンセルした所定のPUSCH送信を継続することを回避し、干渉を減らすことができる。または当該PUSCH送信の送信品質(例えばEVM)を所定レベル以下にすることを許容する、などと定義してもよい。この場合、実際に送信を止めるか否か(またはどのように止めるか)はユーザ端末次第となるため、多様な実装によりキャンセル動作を実現できるようになる。
【0051】
図5では、少なくとも一部のシンボルで送信期間が重複する第1のPUSCHリソースを利用した送信(PUSCH#a)と、第2のPUSCHリソースを利用した送信(PUSCH#b)がトリガ又はスケジューリングされた場合、PUSCH#bを優先して送信する場合を示している。このように、送信開始タイミングが遅い第2のPUSCHリソースを利用した送信を優先することにより、基地局から指示された最新の指示に基づいてUL送信を制御することができる。
【0052】
図5において、UEは、第1のPUSCHリソース(PUSCH#a)を利用して送信するUL信号(例えば、A-CSI及びULデータの少なくとも一つ)をドロップ又はキャンセルする。例えば、PUSCH#aを用いてA-CSI報告ID#1及び#3を含むA-CSI#aを送信し、PUSCH#bを用いてA-CSI報告ID#2及び#4を含むA-CSI#bを送信することが基地局からUEに指示される場合を想定する。この場合、UEは、PUSCH#aをキャンセルし、PUSCH#bを利用してA-CSI報告ID#2及び#4を含むA-CSI#bを送信するように制御する。
【0053】
このように、基地局からトリガ又はスケジューリングされるUL送信(例えば、PUSCH送信)の送信開始タイミングに基づいて、送信するPUSCH及びドロップするPUSCHの少なくとも一方を決定する。これにより、少なくとも一部のシンボルで送信期間が重複するPUSCH送信(例えば、A-CSI報告)がトリガされた場合でも、送信すべきPUSCH送信を適切に判断して送信できる。
【0054】
<UL送信方法2>
UL送信方法2では、送信開始タイミング及び所定の優先条件の少なくとも一つに基づいて送信又はドロップすべきUL送信(例えば、送信に利用するPUSCHリソース、A-CSI送信、ULデータ等)を判断する。
【0055】
例えば、送信開始タイミングが遅い第2のPUSCH送信(又は、第2のPUSCHリソースを利用した送信)を第1のPUSCH送信(又は、第1のPUSCHリソースを利用した送信)より優先して送信するように制御してもよい。また、第2のPUSCHリソースを利用して送信するUL信号は、所定の優先条件に基づいて決定する。
【0056】
優先条件は、UL送信の方式(例えば、UL送信がURLLC(Ultra Reliable and Low Latency Communications)であるかeMBB(enhanced Mobile Broad Band)であるか等)、UL信号種別、対応するセル種別、各信号のインデックス番号の少なくとも一つに基づいて決定してもよい。なお、優先条件は、あらかじめ仕様で定義してもよいし、基地局からUEに上位レイヤシグナリング及び下り制御情報の少なくとも一つを利用して通知してもよい。
【0057】
例えば、以下の優先条件#aと優先条件#bに基づいて、送信するUL信号(又は、ドロップするUL信号)を決定してもよい。この場合、優先条件#aに基づいて判断した後に、優先条件#bを考慮すればよい。ここでは、優先条件#aがUL送信の方式に関する優先度を示し、優先条件#bがUL信号種別に関する優先度を示している。なお、優先条件#bとして、信号種別が同じUL信号に対する優先条件をさらに規定してもよい。なお、優先条件#a、#bは、一例でありこれに限られない。各優先条件における優先順序は適宜入れ替えてもよい。また、UL送信の方式はULRRCとeMBBに限られない。
【0058】
・優先条件#a:URLLCに対応するUL信号をeMBBに対応するUL信号より優先する(URLLC>eMBB)
・優先条件#b:A-CSI>A-SRS>ULデータ
【0059】
[優先制御例1]
一例として、
図5のPUSCH#a又はPUSCH#bの一方でURLLC用のA-CSIがトリガされ、他方でeMBB用のA-CSIがトリガされた場合を想定する。この場合、UEは、優先条件#aに基づいて、PUSCH#b(第2のPUSCHリソース)を利用してURLLC用のA-CSI報告を行い、eMBB用のA-CSIをドロップするように制御してもよい。
【0060】
[優先制御例2]
他の例として、
図5のPUSCH#a又はPUSCH#bの一方でURLLC用のA-CSIがトリガされ、他方でURLLC用のA-CSIがトリガされた場合を想定する。この場合、UEは、優先条件#aが同じであるため、優先条件#bに基づいて送信するUL信号(又は、ドロップするUL信号)を決定する。なお、ここでは、UL信号種別はA-CSIで同じであるため、信号種別が同じUL信号に対する優先条件を適用してもよい。
【0061】
信号種別が同じUL信号に対する優先条件は、A-CSIの時間領域の動作方法、A-CSIの内容、A-CSIが対応するセルiD、及びCSI報告IDの少なくとも一つに基づいて決定してもよい。例えば、以下の優先条件#b1-#b4に基づいて、送信するCSIを決定してもよい。この場合、優先条件#b-1~#b-4の順に優先的に適用する。
【0062】
・優先条件#b-1:時間領域の動作(A-CSI>PUSCHを利用したSP-CSI>PUCCHを利用したSP-CSI>P-CSI)
・優先条件#b-2:CSI内容(ビーム報告>CSI)
・優先条件#b-3:セルID(PCell>PSCell>SCell(インデックスがより小さいSCell))
・優先条件#b-4:CSI報告ID(インデックスがより小さいCSI報告ID)
【0063】
一例として、
図5において、PUSCH#aを用いてA-CSI報告ID#1及び#3を含むA-CSI#aを送信し、PUSCH#bを用いてA-CSI報告ID#2及び#4を含むA-CSI#bを送信することが基地局からUEに指示される場合を想定する。A-CSI#aとA-CSI#b間で優先条件#b-1~#b-3まで同じである場合、優先条件#b-4に基づいて、送信するA-CSIを決定する。例えば、UEは、PUSCH#b(第2のPUSCHリソース)を利用して、A-CSI報告ID#1とA-CSI報告ID#2の報告を行う。
【0064】
このように、UL送信の方式及びUL信号種別の少なくとも一つに基づいて、送信するUL信号を選択することにより、送信期間が少なくとも一部のシンボルで重複するPUSCH送信がトリガされた場合でも、送信すべきPUSCHリソースとUL信号を適切に判断して送信できる。
【0065】
[優先制御例3]
他の例として、PUSCH#a又はPUSCH#bの一方でA-CSIのみがトリガされ、他方でA-CSI及びULデータがトリガ又はスケジューリングされた場合を想定する。
図6では、PUSCH#aを利用したA-CSI#a及びULデータがトリガ又はスケジューリングされ、PUSCH#bを利用したA-CSI#bがトリガされる場合を示している。
【0066】
例えば、ULデータよりA-CSIの送信を優先する場合(UL送信の方式が同じであり、優先条件#2を適用する場合)を想定する。この場合、PUSCH#b(第2のPUSCHリソース)を利用してA-CSIを選択的に送信する(ULデータは送信しない)ように制御する(
図6A参照)。この場合、PUSCH#bで送信するA-CSIは、あらかじめPUSCH#b用にトリガされたA-CSI#bとしてもよい。あるいは、上述した優先条件#b-1~#b-4に基づいて、送信するA-CSIを決定してもよい。
【0067】
あるいは、A-CSI(例えば、A-CSI#b)よりULデータの送信を優先する場合(例えば、ULデータがURLLCを適用し、A-CSI#bがeMBBを適用し、優先条件#1を適用する場合)を想定する。この場合、PUSCH#b(第2のPUSCHリソース)を利用してULデータをA-CSI#bより優先して送信するように制御する(
図6B参照)。この場合、PUSCH#bで送信するA-CSIは、ULデータと同様にPUSCH#a用にトリガされたA-CSI#aとしてもよい。あるいは、ULデータのみ送信し、A-CSIを送信しない構成としてもよい。
【0068】
[優先制御例4]
他の例として、PUSCH#a又はPUSCH#bの一方でULデータのみがスケジューリングされ(A-CSI、A-SRSのトリガなし)、他方でULデータのみがスケジューリングされる(A-CSI、A-SRSのトリガなし)場合を想定する。この場合、UL送信の方式に基づいて実際に送信するULデータを決定する。例えば、一方がURLLC用のULデータであり、他方がeMBB用のULデータである場合、URLLC用のULデータを所定のPUSCHリソース(例えば、第2のPUSCHリソース)を利用して送信する。
【0069】
[優先制御例5]
他の例として、PUSCH#a又はPUSCH#bの一方でA-SRSがトリガされ、他方でA-CSI及びULデータがトリガ又はスケジューリングされた場合を想定する。
【0070】
UEは、まずA-SRSに適用する送信方式と、A-CSI及びULデータに適用する送信方式(優先条件#a)を考慮する。例えば、A-CSI及びULデータにURLLCを適用し、A-SRSにeMBBを適用する場合、UEは、A-CSI及びULデータを優先して送信し、A-SRSをドロップするように制御する。
【0071】
A-SRSに適用する送信方式と、A-CSI及びULデータに適用する送信方式が同じである場合、UEはUL信号種別の優先度(優先条件#b)に基づいて送信するUL信号を決定する。優先条件#bがA-CSI>A-SRS>ULデータである場合、A-CSIの送信が最も優先されるため、UEは、少なくともA-CSIの送信を行う。
【0072】
また、A-CSIと同じPUSCHにスケジューリングされたULデータを送信し、A-SRSをドロップするように制御してもよい。あるいは、ULデータをドロップし、A-CSIとA-SRSを送信するように制御してもよい。あるいは、ULデータ及びA-SRSをドロップし、A-CSIのみを送信するように制御してもよい。なお、ULデータ及びA-SRSの少なくとも一つを送信するか否かは、送信に利用するPUSCHリソース(例えば、PUSCH#b)の容量に基づいて決定してもよい。
【0073】
<変形例>
上記
図5、
図6では、少なくとも一部のシンボルで送信期間が重複するPUSCH送信(例えば、A-CSI報告)がトリガされた場合に送信開始タイミングが遅い第2のPUSCHリソース(PUSCH#b)を利用する場合を示したが、これに限られない。例えば、
図7に示すように、送信開始タイミングが早い第1のPUSCHリソース(PUSCH#a)を利用してもよい。
【0074】
例えば、
図6A、
図6Bで第2のPUSCHリソース(PUSCH#b)を利用するのではなく、
図7A、
図7Bに示すように第1のPUSCHリソース(PUSCH#a)を利用する構成としてもよい。
【0075】
あるいは、少なくとも一部のシンボルで送信期間が重複するPUSCH送信(例えば、A-CSI報告)がトリガされた場合、送信開始タイミングでなく他のパラメータ(例えば、送信期間の長さ等)に基づいてUL送信に利用するPUSCHリソースを選択してもよい。
【0076】
あるいは、実際に送信するUL信号(例えば、A-CSI及びULデータの少なくとも一つ)に基づいて送信に利用するPUSCHリソースを選択してもよい。例えば、ULデータがスケジューリングされるPUSCHリソース(例えば、
図6のPUSCH#a)は、A-CSIのみがトリガされるPUSCHリソース(例えば、
図6のPUSCH#b)より割当てられるリソース(例えば、PRB)数が多くなる。
【0077】
この場合、所定の優先条件に基づいてULデータの送信を行う場合、UEは、当該ULデータがスケジューリングされたPUSCHリソース(
図6ではPUSCH#a)を利用してUL送信を行うように制御してもよい。これにより、実際の送信を行うUL送信(例えば、ULデータ)用に割当てられたPUSCHリソースを利用できるため、PUSCHリソースが不足する等の問題を回避することができる。
【0078】
また、上記説明では、異なるDCIでトリガされたA-CSIの送信に利用される複数のPUSCHが所定シンボルで重複する場合、A-CSIの一方を送信する場合を示したがこれに限られない。UEは、所定のPUSCHに割当てるリソース量により決まる符号化率に基づいて当該所定のPUSCHに多重するA-CSIを制御してもよい。
【0079】
例えば、異なるDCIでトリガされる複数のA-CSIを所定のPUSCHリソースで送信する際に、符号化率が所定値以下となる場合には、当該複数のA-CSIを所定のPUSCHに多重して送信してもよい。これにより、UL送信に利用するPUSCHリソース等に基づいてより多くのA-CSI等を送信できるため、リソースの利用効率を向上することができる。
【0080】
(第3の態様)
第3の態様は、異なるDCIでトリガされたA-CSI等の送信に利用される複数のPUSCHが所定シンボルで重複する場合、当該複数のPUSCHが重複しないように送信開始タイミングをシフトするように制御する。
【0081】
図8は、少なくとも一部のシンボルで重複する第1のPUSCHリソースを利用した送信(PUSCH#a)と、第2のPUSCHリソースを利用した送信(PUSCH#b)がトリガ又はスケジューリングされた場合、PUSCH#aとPUSCH#bが重複しないようにシフトする場合を示している。
【0082】
ここでは、送信開始タイミングが遅いPUSCH#bの送信開始タイミングをシフトして、PUSCH#aと重複しないように制御する場合を示している。
図8では、PUSCH#aに続けてPUSCH#bが連続して送信されるようにシフトする場合(PUSCH#aの末尾シンボルの次シンボルがPUSCH#bの開始シンボルとなる場合)を示している。これにより、PUSCH#bの遅延の影響を最小限に抑えることができる。
【0083】
なお、PUSCH#aとPUSCH#bが連続しないように当該PUSCH#bをシフトしてもよい。例えば、当該PUSCH#bを、以降の所定スロットで送信するようシフトしてもよい。所定スロットは、上位レイヤシグナリングで定められるUL-DL割り当てやスロットフォーマット通知(SFI)、によって指定されるUL-DL割り当てで、ULと指定・設定された時間区間を有するスロットであってもよい。また、当該所定スロットに対してシフトした場合、当該スロットにおけるPUSCH#bの送信開始シンボルは、当初DCIによって指定されたスタートシンボルと同一であってもよい。これにより、PUSCH#bの送信タイミングを柔軟に制御することができる。
【0084】
なお、PUSCH#bをシフトせずに、PUSCH#aと重複するPUSCH#bのシンボルを利用せずにPUSCH#bの送信を行うように制御してもよい。
【0085】
(無線通信システム)
以下、本開示の一実施形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、本開示の上記各実施形態に係る無線通信方法のいずれか又はこれらの組み合わせを用いて通信が行われる。
【0086】
図9は、一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1では、LTEシステムのシステム帯域幅(例えば、20MHz)を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)及び/又はデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。
【0087】
なお、無線通信システム1は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、NR(New Radio)、FRA(Future Radio Access)、New-RAT(Radio Access Technology)などと呼ばれてもよいし、これらを実現するシステムと呼ばれてもよい。
【0088】
無線通信システム1は、比較的カバレッジの広いマクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12(12a-12c)と、を備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。各セル及びユーザ端末20の配置、数などは、図に示す態様に限定されない。
【0089】
ユーザ端末20は、無線基地局11及び無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、マクロセルC1及びスモールセルC2を、CA又はDCを用いて同時に使用することが想定される。また、ユーザ端末20は、複数のセル(CC)を用いてCA又はDCを適用してもよい。
【0090】
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、legacy carrierなどとも呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHz、5GHzなど)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。なお、各無線基地局が利用する周波数帯域の構成はこれに限られない。
【0091】
また、ユーザ端末20は、各セルで、時分割複信(TDD:Time Division Duplex)及び/又は周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)を用いて通信を行うことができる。また、各セル(キャリア)では、単一のニューメロロジーが適用されてもよいし、複数の異なるニューメロロジーが適用されてもよい。
【0092】
ニューメロロジーとは、ある信号及び/又はチャネルの送信及び/又は受信に適用される通信パラメータであってもよく、例えば、サブキャリア間隔、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、サブフレーム長、TTI長、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域で行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域で行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。例えば、ある物理チャネルについて、構成するOFDMシンボルのサブキャリア間隔が異なる場合及び/又はOFDMシンボル数が異なる場合には、ニューメロロジーが異なると称されてもよい。
【0093】
無線基地局11と無線基地局12との間(又は、2つの無線基地局12間)は、有線(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線によって接続されてもよい。
【0094】
無線基地局11及び各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
【0095】
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイント、などと呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11及び12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。
【0096】
各ユーザ端末20は、LTE、LTE-Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末(移動局)だけでなく固定通信端末(固定局)を含んでもよい。
【0097】
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクに直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が適用され、上りリンクにシングルキャリア-周波数分割多元接続(SC-FDMA:Single Carrier Frequency Division Multiple Access)及び/又はOFDMAが適用される。
【0098】
OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC-FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックによって構成される帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限らず、他の無線アクセス方式が用いられてもよい。
【0099】
無線通信システム1では、下りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、ブロードキャストチャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、下りL1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHによって、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報、SIB(System Information Block)などが伝送される。また、PBCHによって、MIB(Master Information Block)が伝送される。
【0100】
下りL1/L2制御チャネルは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel)、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)などを含む。PDCCHによって、PDSCH及び/又はPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。
【0101】
なお、DCIによってスケジューリング情報が通知されてもよい。例えば、DLデータ受信をスケジューリングするDCIは、DLアサインメントと呼ばれてもよいし、ULデータ送信をスケジューリングするDCIは、ULグラントと呼ばれてもよい。
【0102】
PCFICHによって、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICHによって、PUSCHに対するHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送達確認情報(例えば、再送制御情報、HARQ-ACK、ACK/NACKなどともいう)が伝送される。EPDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCIなどの伝送に用いられる。
【0103】
無線通信システム1では、上りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHによって、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報などが伝送される。また、PUCCHによって、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、送達確認情報、スケジューリングリクエスト(SR:Scheduling Request)などが伝送される。PRACHによって、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルが伝送される。
【0104】
無線通信システム1では、下り参照信号として、セル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS:Channel State Information-Reference Signal)、復調用参照信号(DMRS:DeModulation Reference Signal)、位置決定参照信号(PRS:Positioning Reference Signal)などが伝送される。また、無線通信システム1では、上り参照信号として、測定用参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)、復調用参照信号(DMRS)などが伝送される。なお、DMRSはユーザ端末固有参照信号(UE-specific Reference Signal)と呼ばれてもよい。また、伝送される参照信号は、これらに限られない。
【0105】
(無線基地局)
図10は、一実施形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。無線基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106と、を備えている。なお、送受信アンテナ101、アンプ部102、送受信部103は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。
【0106】
下りリンクによって無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
【0107】
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQの送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理などの送信処理が行われて送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、送受信部103に転送される。
【0108】
送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102によって増幅され、送受信アンテナ101から送信される。送受信部103は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部103は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
【0109】
一方、上り信号については、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅される。送受信部103はアンプ部102で増幅された上り信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
【0110】
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ及びPDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの呼処理(設定、解放など)、無線基地局10の状態管理、無線リソースの管理などを行う。
【0111】
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェース)を介して他の無線基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
【0112】
送受信部103は、DCIで指定するリソースを用いて、ユーザ端末20から送信されたチャネル状態情報(例えば、A-CSI)を受信してもよい。送受信部103は、ユーザ端末20に対して、CSIの送信指示(トリガ又はULグラント)を送信してもよい。また、送受信部103は、A-CSI報告の優先度に関する情報などを、ユーザ端末20に送信してもよい。
【0113】
図11は、本開示の一実施形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、本例では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有すると想定されてもよい。
【0114】
ベースバンド信号処理部104は、制御部(スケジューラ)301と、送信信号生成部302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、測定部305と、を少なくとも備えている。なお、これらの構成は、無線基地局10に含まれていればよく、一部又は全部の構成がベースバンド信号処理部104に含まれなくてもよい。
【0115】
制御部(スケジューラ)301は、無線基地局10全体の制御を実施する。制御部301は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
【0116】
制御部301は、例えば、送信信号生成部302における信号の生成、マッピング部303における信号の割り当てなどを制御する。また、制御部301は、受信信号処理部304における信号の受信処理、測定部305における信号の測定などを制御する。
【0117】
制御部301は、システム情報、下りデータ信号(例えば、PDSCHで送信される信号)、下り制御信号(例えば、PDCCH及び/又はEPDCCHで送信される信号。送達確認情報など)のスケジューリング(例えば、リソース割り当て)を制御する。また、制御部301は、上りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果などに基づいて、下り制御信号、下りデータ信号などの生成を制御する。
【0118】
制御部301は、同期信号(例えば、PSS(Primary Synchronization Signal)/SSS(Secondary Synchronization Signal))、下り参照信号(例えば、CRS、CSI-RS、DMRS)などのスケジューリングの制御を行う。
【0119】
制御部301は、上りデータ信号(例えば、PUSCHで送信される信号)、上り制御信号(例えば、PUCCH及び/又はPUSCHで送信される信号。送達確認情報など)、ランダムアクセスプリアンブル(例えば、PRACHで送信される信号)、上り参照信号などのスケジューリングを制御する。
【0120】
制御部301は、複数のUL信号(例えば、A-CSI)の送信期間が同じシンボルで重複しないように制御してもよい。また、異なる下り制御情報に基づいて送信を指示する複数のUL信号の送信期間が同一スロット内の異なるシンボルに設定するように制御してもよいし、複数のUL信号の送信期間が同一スロット内には設定されないように制御してもよい。
【0121】
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、下り信号(下り制御信号、下りデータ信号、下り参照信号など)を生成して、マッピング部303に出力する。送信信号生成部302は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置から構成することができる。
【0122】
送信信号生成部302は、例えば、制御部301からの指示に基づいて、下りデータの割り当て情報を通知するDLアサインメント及び/又は上りデータの割り当て情報を通知するULグラントを生成する。DLアサインメント及びULグラントは、いずれもDCIであり、DCIフォーマットに従う。また、下りデータ信号には、各ユーザ端末20からのチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)などに基づいて決定された符号化率、変調方式などに従って符号化処理、変調処理が行われる。
【0123】
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成された下り信号を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。マッピング部303は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置から構成することができる。
【0124】
受信信号処理部304は、送受信部103から入力された受信信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。ここで、受信信号は、例えば、ユーザ端末20から送信される上り信号(上り制御信号、上りデータ信号、上り参照信号など)である。受信信号処理部304は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。
【0125】
受信信号処理部304は、受信処理によって復号された情報を制御部301に出力する。例えば、HARQ-ACKを含むPUCCHを受信した場合、HARQ-ACKを制御部301に出力する。また、受信信号処理部304は、受信信号及び/又は受信処理後の信号を、測定部305に出力する。
【0126】
測定部305は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部305は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
【0127】
例えば、測定部305は、受信した信号に基づいて、RRM(Radio Resource Management)測定、CSI(Channel State Information)測定などを行ってもよい。測定部305は、受信電力(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power))、受信品質(例えば、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、SINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)、SNR(Signal to Noise Ratio))、信号強度(例えば、RSSI(Received Signal Strength Indicator))、伝搬路情報(例えば、CSI)などについて測定してもよい。測定結果は、制御部301に出力されてもよい。
【0128】
(ユーザ端末)
図12は、一実施形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。なお、送受信アンテナ201、アンプ部202、送受信部203は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。
【0129】
送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、アンプ部202で増幅される。送受信部203は、アンプ部202で増幅された下り信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。送受信部203は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部203は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
【0130】
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤ及びMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、下りリンクのデータのうち、ブロードキャスト情報もアプリケーション部205に転送されてもよい。
【0131】
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(例えば、HARQの送信処理)、チャネル符号化、プリコーディング、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などが行われて送受信部203に転送される。
【0132】
送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202によって増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
【0133】
送受信部203は、基地局からの指示に基づいて1以上のUL信号を上り共有チャネルを利用して送信する。送受信部203は、CSIの送信指示(トリガ又はULグラント)を受信してもよい。また、送受信部203は、A-CSI報告の優先度に関する情報などを受信してもよい。
【0134】
図13は、一実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。なお、本例においては、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有すると想定されてもよい。
【0135】
ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、測定部405と、を少なくとも備えている。なお、これらの構成は、ユーザ端末20に含まれていればよく、一部又は全部の構成がベースバンド信号処理部204に含まれなくてもよい。
【0136】
制御部401は、ユーザ端末20全体の制御を実施する。制御部401は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
【0137】
制御部401は、例えば、送信信号生成部402における信号の生成、マッピング部403における信号の割り当てなどを制御する。また、制御部401は、受信信号処理部404における信号の受信処理、測定部405における信号の測定などを制御する。
【0138】
制御部401は、無線基地局10から送信された下り制御信号及び下りデータ信号を、受信信号処理部404から取得する。制御部401は、下り制御信号及び/又は下りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果などに基づいて、上り制御信号及び/又は上りデータ信号の生成を制御する。
【0139】
制御部401は、複数のUL信号の送信期間が同じシンボルで重複しないと想定して送信を制御してもよい。この場合、制御部401は、異なる下り制御情報に基づいて送信が指示される前記複数のUL信号の送信期間が同一スロット内の異なるシンボルに設定され得ると想定してもよい。
【0140】
あるいは、制御部401は、複数のUL信号の送信期間の少なくとも一部が同じシンボルで重複する場合に、一部のUL信号を選択して送信するように制御してもよい。例えば、制御部401は、複数のUL信号の送信用に複数の上り共有チャネルがスケジューリングされる場合、送信開始タイミングが遅い上り共有チャネルを利用して一部のUL信号を送信するように制御してもよい。また、制御部401は、UL送信の方式、UL信号種別、UL送信に対応するセル種別、及びUL信号のインデックス番号の少なくとも一つに基づいて前記一部のUL信号を決定してもよい。
【0141】
あるいは、制御部401は、複数のUL信号の送信用にスケジューリングされる複数の上り共有チャネルの送信期間の少なくとも一部が同じシンボルで重複する場合に、複数の上り共有チャネルの送信期間が重複しないように少なくとも一つの上り共有チャネルの送信開始タイミングをシフトするように制御してもよい。
【0142】
また、制御部401は、無線基地局10から通知された各種情報を受信信号処理部404から取得した場合、当該情報に基づいて制御に用いるパラメータを更新してもよい。
【0143】
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、上り信号(上り制御信号、上りデータ信号、上り参照信号など)を生成して、マッピング部403に出力する。送信信号生成部402は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置から構成することができる。
【0144】
送信信号生成部402は、例えば、制御部401からの指示に基づいて、送達確認情報、チャネル状態情報(CSI)などに関する上り制御信号を生成する。また、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて上りデータ信号を生成する。例えば、送信信号生成部402は、無線基地局10から通知される下り制御信号にULグラントが含まれている場合に、制御部401から上りデータ信号の生成を指示される。
【0145】
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成された上り信号を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置から構成することができる。
【0146】
受信信号処理部404は、送受信部203から入力された受信信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。ここで、受信信号は、例えば、無線基地局10から送信される下り信号(下り制御信号、下りデータ信号、下り参照信号など)である。受信信号処理部404は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。また、受信信号処理部404は、本開示に係る受信部を構成することができる。
【0147】
受信信号処理部404は、受信処理によって復号された情報を制御部401に出力する。受信信号処理部404は、例えば、ブロードキャスト情報、システム情報、RRCシグナリング、DCIなどを、制御部401に出力する。また、受信信号処理部404は、受信信号及び/又は受信処理後の信号を、測定部405に出力する。
【0148】
測定部405は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部405は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
【0149】
例えば、測定部405は、受信した信号に基づいて、RRM測定、CSI測定などを行ってもよい。測定部405は、受信電力(例えば、RSRP)、受信品質(例えば、RSRQ、SINR、SNR)、信号強度(例えば、RSSI)、伝搬路情報(例えば、CSI)などについて測定してもよい。測定結果は、制御部401に出力されてもよい。
【0150】
(ハードウェア構成)
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線を用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。
【0151】
例えば、本開示の一実施形態における無線基地局、ユーザ端末などは、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図14は、一実施形態に係る無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の無線基地局10及びユーザ端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0152】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。無線基地局10及びユーザ端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0153】
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサによって実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法を用いて、1以上のプロセッサによって実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。
【0154】
無線基地局10及びユーザ端末20における各機能は、例えば、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004を介する通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御したりすることによって実現される。
【0155】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述のベースバンド信号処理部104(204)、呼処理部105などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0156】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
【0157】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、RAM(Random Access Memory)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、一実施形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0158】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD-ROM(Compact Disc ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0159】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び/又は時分割複信(TDD:Time Division Duplex)を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の送受信アンテナ101(201)、アンプ部102(202)、送受信部103(203)、伝送路インターフェース106などは、通信装置1004によって実現されてもよい。
【0160】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LED(Light Emitting Diode)ランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0161】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0162】
また、無線基地局10及びユーザ端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアを用いて各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0163】
(変形例)
なお、本明細書において説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)、パイロット信号などと呼ばれてもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、セル、周波数キャリア、キャリア周波数などと呼ばれてもよい。
【0164】
また、無線フレームは、時間領域において1つ又は複数の期間(フレーム)によって構成されてもよい。無線フレームを構成する当該1つ又は複数の各期間(フレーム)は、サブフレームと呼ばれてもよい。さらに、サブフレームは、時間領域において1つ又は複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジーに依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
【0165】
さらに、スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボルなど)によって構成されてもよい。また、スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。また、スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。
【0166】
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及び/又はTTIは、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
【0167】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、無線基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
【0168】
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、及び/又はコードワードの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、及び/又はコードワードがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
【0169】
なお、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロット又は1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
【0170】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、又はロングサブフレームなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partial又はfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、又は、サブスロットなどと呼ばれてもよい。
【0171】
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
【0172】
リソースブロック(RB:Resource Block)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(サブキャリア(subcarrier))を含んでもよい。また、RBは、時間領域において、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックによって構成されてもよい。なお、1つ又は複数のRBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、サブキャリアグループ(SCG:Sub-Carrier Group)、リソースエレメントグループ(REG:Resource Element Group)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0173】
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0174】
なお、上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレーム又は無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロット又はミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
【0175】
また、本明細書において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースは、所定のインデックスによって指示されてもよい。
【0176】
本明細書においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。例えば、様々なチャネル(PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)など)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0177】
本明細書において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0178】
また、情報、信号などは、上位レイヤから下位レイヤ、及び/又は下位レイヤから上位レイヤへ出力され得る。情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0179】
入出力された情報、信号などは、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
【0180】
情報の通知は、本明細書において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)、上り制御情報(UCI:Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、ブロードキャスト情報(マスタ情報ブロック(MIB:Master Information Block)、システム情報ブロック(SIB:System Information Block)など)、MAC(Medium Access Control)シグナリング)、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
【0181】
なお、物理レイヤシグナリングは、L1/L2(Layer 1/Layer 2)制御情報(L1/L2制御信号)、L1制御情報(L1制御信号)などと呼ばれてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。また、MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC CE(Control Element))を用いて通知されてもよい。
【0182】
また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的な通知に限られず、暗示的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって又は別の情報の通知によって)行われてもよい。
【0183】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真(true)又は偽(false)で表される真偽値(boolean)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0184】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0185】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び/又は無線技術(赤外線、マイクロ波など)を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0186】
本明細書において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0187】
本明細書においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「eNB」、「gNB」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」及び「コンポーネントキャリア」という用語は、互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、送信ポイント、受信ポイント、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0188】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head))によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び/又は基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0189】
本明細書においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」及び「端末」という用語は、互換的に使用され得る。
【0190】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0191】
また、本明細書における無線基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、無線基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間(D2D:Device-to-Device)の通信に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の無線基地局10が有する機能をユーザ端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、「サイド」と読み替えられてもよい。例えば、上りチャネルは、サイドチャネルと読み替えられてもよい。
【0192】
同様に、本明細書におけるユーザ端末は、無線基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を無線基地局10が有する構成としてもよい。
【0193】
本明細書において、基地局によって行われるとした動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)を含むネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、基地局以外の1つ以上のネットワークノード(例えば、MME(Mobility Management Entity)、S-GW(Serving-Gateway)などが考えられるが、これらに限られない)又はこれらの組み合わせによって行われ得ることは明らかである。
【0194】
本明細書において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0195】
本明細書において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New-RAT(Radio Access Technology)、NR(New Radio)、NX(New radio access)、FX(Future generation radio access)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0196】
本明細書において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0197】
本明細書において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0198】
本明細書において使用する「判断(決定)(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。例えば、「判断(決定)」は、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。つまり、「判断(決定)」は、何らかの動作を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
【0199】
本明細書において使用する「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的であっても、論理的であっても、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」と読み替えられてもよい。
【0200】
本明細書において、2つの要素が接続される場合、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び/又は光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0201】
本明細書において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も同様に解釈されてもよい。
【0202】
本明細書又は請求の範囲において、「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0203】
以上、本開示に係る発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示に係る発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示に係る発明は、請求の範囲の記載に基づいて定まる発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とし、本開示に係る発明に対して何ら制限的な意味をもたらさない。