(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】車両状態監視システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/123 20060101AFI20240313BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20240313BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20240313BHJP
G07C 9/00 20200101ALI20240313BHJP
【FI】
G08G1/123 A
G08B25/04 C
G08B25/04 K
G08B21/02
G07C9/00
(21)【出願番号】P 2023031260
(22)【出願日】2023-03-01
【審査請求日】2023-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】392016650
【氏名又は名称】アイテック阪急阪神株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】原田 正昭
(72)【発明者】
【氏名】三浦 勝也
(72)【発明者】
【氏名】今野 瑞萌
(72)【発明者】
【氏名】土岐 淳子
(72)【発明者】
【氏名】小林 香織
【審査官】北村 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-091481(JP,A)
【文献】特開2020-003967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G08B 23/00 - 31/00
G07C 1/00 - 15/00
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両状態監視システムであって、
複数の乗車対象者を送迎する車両と、
前記車両内において複数の前記乗車対象者を監視する監視者が携帯する操作端末と、
情報の収集及び処理を行うサーバと、
前記サーバとの間で情報の送受信を行う管理端末と、
前記車両内の状態を検知する検知部と、を備え、
前記検知部は、前記車両内における前記乗車対象者の存否を検知するように構成され、
前記操作端末は、前記検知部が前記車両内における全ての前記乗車対象者の不存在を検知した場合に操作される完了操作部を備え、
前記操作端末は、前記完了操作部が操作された場合に前記サーバに対して完了通知を送信し、
前記サーバは、前記完了通知を前記操作端末から取得すると共に、当該完了通知を前記管理端末に送信する、車両状態監視システム。
【請求項2】
予め指定された端末である指定端末を備え、
前記サーバは、前記操作端末から取得した前記完了通知を、前記管理端末に加えて前記指定端末にも送信する、請求項1に記載の車両状態監視システム。
【請求項3】
複数の前記乗車対象者のそれぞれが携帯する対象タグを備え、
前記検知部は、タグ受信器を用いて構成され、
前記検知部が前記車両内における全ての前記対象タグの不存在を検知した場合に、前記サーバが前記完了操作部の操作を許容する、請求項1に記載の車両状態監視システム。
【請求項4】
前記車両内に固定配置されると共に、当該車両の固有の車両種別情報を保有する車両用タグを備え、
前記検知部は、前記操作端末の機能部として構成されると共に、自らを含む設定範囲内で前記車両用タグを検知するように構成され、
前記サーバは、前記検知部が前記車両用タグを検知した状態で、前記完了操作部の操作を許容する、請求項3に記載の車両状態監視システム。
【請求項5】
前記車両内に固定配置されると共に、当該車両の固有の車両種別情報を保有する車両情報保有部と、
前記車両内の座席に対応して配置されると共に、当該座席の位置情報を保有する座席情報保有部と、を備え、
前記車両種別情報には、前記車両の固有の座席情報が含まれ、
前記検知部は、前記操作端末の機能部として構成されると共に、前記車両情報保有部及び前記座席情報保有部から情報を読み取るリーダを用いて構成され、
前記検知部が、前記車両情報保有部に保有された前記座席情報に基づいて前記車両内の全ての前記座席情報保有部を読み取った
ことによって、前記サーバが前記完了操作部の操作を許容する、請求項1に記載の車両状態監視システム。
【請求項6】
前記座席情報保有部は、前記座席の下部に設置されている、請求項5に記載の車両状態監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の乗車対象者を送迎する車両の状態を監視する車両状態監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開2003-030707号公報(特許文献1)には、バス等の車両において、所定の乗車者が乗車しているか否かを確認する乗車確認システムが開示されている。
【0003】
特許文献1に記載されたシステムでは、乗車者に識別タグを所持させ、この識別タグから送信された識別信号を車両内で受信することにより、乗車確認を行っている。これにより、特許文献1に記載されたシステムは、例えば観光ツアー中、途中のサービスエリアなどにおいて、乗客が未乗車のまま観光バスが誤って発車してしまう事態を防止しようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで昨今、送迎バスの車内に児童が置き去りとなる事故が多発しており、なかには命を落とす例もある。上述のように、特許文献1に記載されたシステムは、乗車確認に特化したものであった。しかしながら、このような送迎バスにおいて児童等の置き去りを防止するためには、乗車確認よりも、降車確認が確実に行われる必要がある。
【0006】
上記実状に鑑みて、降車確認を確実ならしめることができ、車両内における乗車対象者の置き去りを防止することが可能な車両状態監視システムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
車両状態監視システムであって、
複数の乗車対象者を送迎する車両と、
前記車両内において複数の前記乗車対象者を監視する監視者が携帯する操作端末と、
情報の収集及び処理を行うサーバと、
前記サーバとの間で情報の送受信を行う管理端末と、
前記車両内の状態を検知する検知部と、を備え、
前記検知部は、前記車両内における前記乗車対象者の存否を検知するように構成され、
前記操作端末は、前記検知部が前記車両内における全ての前記乗車対象者の不存在を検知した場合に操作される完了操作部を備え、
前記操作端末は、前記完了操作部が操作された場合に前記サーバに対して完了通知を送信し、
前記サーバは、前記完了通知を前記操作端末から取得すると共に、当該完了通知を前記管理端末に送信する。
【0008】
本構成によれば、車両内で乗車対象者を監視する監視者が、操作端末の完了操作部を操作することにより、完了通知がサーバを介して管理端末に送信される。これにより、そして、監視者が完了操作部を操作して完了通知を発信するためには、検知部が車両内における全ての乗車対象者の不存在、すなわち全ての乗車対象者の降車を検知することが必要となる。換言すれば、検知部が車両内における全ての乗車対象者の降車を検知しなければ、監視者は完了操作部を操作することができず、完了通知が管理端末に送信されることはない。従って、本構成によれば、降車確認を確実ならしめることができ、車両内における乗車対象者の置き去りを防止することが可能となる。
【0009】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図7】運転時間管理が行われている場合の管理端末の表示部の一例を示す図
【
図8】第2実施形態において、乗車対象者が降車した後の車両状態を示す図
【
図9】第2実施形態において、降車確認作業を示す図
【
図10】第2実施形態において、操作端末の操作を示す図
【
図11】第2実施形態において、座席情報保有部の設置位置を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
車両状態監視システムは、車両の状態、特に、複数の乗車対象者を送迎する車両の状態を監視するシステムである。「車両の状態」には、車両に乗車している乗車対象者の人数などの車両内の状態が含まれる。以下、車両状態監視システムの実施形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
〔第1実施形態〕
図1に示すように、車両状態監視システム100は、複数の乗車対象者Kを送迎する車両1と、車両1内において複数の乗車対象者Kを監視する監視者Dが携帯する操作端末2と、情報の収集及び処理を行うサーバ3と、サーバ3との間で情報の送受信を行う管理端末4と、車両1内の状態を検知する検知部5と、を備えている。本実施形態では、車両状態監視システム100は、予め指定された端末である指定端末6を更に備えている。指定端末6は、サーバ3からの情報を受信するように構成されている。
【0013】
車両1は、特定の者を送迎するために用いられる。車両1として、例えば、幼稚園の送迎バス、スクールバス、老人ホームやデイサービスの送迎バス、或いは、観光バスなどを例示することができる。本明細書では、車両1が幼稚園の送迎バスである例について説明する。
【0014】
乗車対象者Kは、車両1に乗車する対象の者である。乗車対象者Kとして、例えば、幼児、学生、老人ホームやデイサービスの利用者、或いは、観光客などを例示することができる。本明細書では、乗車対象者Kが幼児である例について説明する。
【0015】
監視者Dは、車両1内において乗車対象者Kを監視する者である。監視者Dとして、車両1のドライバー、或いは、添乗員などを例示することができる。本明細書では、監視者Dが車両1のドライバーである例について説明する。
【0016】
サーバ3は、本システムの中核を成す要素である。サーバ3は、単一のハードウェア又はソフトウェアを用いて構成されていてもよいし、複数のハードウェア又はソフトウェアを用いて構成されていてもよい。サーバ3は、他のサーバとAPI(Application Programming Interface)連携するなどして、本システムのサービスを提供するように構成されていてもよい。
【0017】
操作端末2は、携帯可能な通信機器を用いて構成されている。操作端末2として、スマートフォン、タブレット、或いは、ノートパソコン等を例示することができる。上述のように、操作端末2は、車両1の監視者Dによって携帯される。図示の例では、操作端末2は、スマートフォンを用いて構成されている。
【0018】
管理端末4は、通信機器を用いて構成されている。図示の例では、管理端末4は、パソコンを用いて構成されている。しかし、スマートフォンやタブレットを用いて管理端末4が構成されていてもよい。管理端末4は、施設40に配置され、施設40の職員P4によって操作される。本実施形態では、施設40は幼稚園であり、施設40の職員P4は幼稚園の職員である。
【0019】
指定端末6は、例えば、本システムのサービスの利用者が所持する通信機器である。例えば、乗車対象者K(幼児)の保護者P6が所持する通信機器が、指定端末6とされる。指定端末6として、スマートフォン、タブレット、或いは、パソコン等を例示することができる。
【0020】
検知部5は、車両1内における乗車対象者Kの存否を検知するように構成されている。本実施形態では、検知部5は、操作端末2の機能部として構成されている。換言すれば、操作端末2が、検知部5としての機能を有している。詳細は後述する。
【0021】
操作端末2は、検知部5が車両1内における全ての乗車対象者Kの不存在を検知した場合に操作される完了操作部20(
図4参照)を備えている。
図4に示すように、本実施形態では、完了操作部20は、ソフトウェアボタン(ソフトキーとも言われる。)として構成されている。すなわち、完了操作部20は、操作端末2の画面上にソフトウェア的に再現されたボタンである。
【0022】
図1に示すように、操作端末2は、完了操作部20が操作された場合にサーバ3に対して完了通知Ncを送信するように構成されている。上述のように、完了操作部20は、検知部5が車両1内における全ての乗車対象者Kの不存在を検知した場合に操作される。そのため、完了操作部20を操作することが可能な状態では、車両1内には乗車対象者Kが存在していないことになる。このような状態において、完了操作部20が操作され、完了通知Ncがサーバ3に送信される。
【0023】
本開示に係る車両状態監視システム100によれば、例えば、幼稚園の送迎バスである車両1が幼稚園に到着して、乗車対象者Kが車両1から降車した際に、全ての乗車対象者Kが無事に車両1から降車したか否かの確認(以下、「降車確認」という。)を確実ならしめることができる。検知部5が車両1内における全ての乗車対象者Kの不存在を検知した場合に、監視者Dが完了操作部20を操作することで、完了通知Nc、すなわち降車確認が完了した旨の通知がサーバ3に送信される。これにより、車両1内における乗車対象者Kの置き去りを防止することが可能となる。
【0024】
サーバ3は、完了通知Ncを操作端末2から取得すると共に、当該完了通知Ncを管理端末4に送信する。これにより、車両1からの全ての乗車対象者Kの降車を、監視者Dだけでなく、管理端末4が配置された施設40の職員P4においても把握することができる。
【0025】
本実施形態では、サーバ3は、操作端末2から取得した完了通知Ncを、管理端末4に加えて指定端末6にも送信する。これにより、車両1からの全ての乗車対象者Kの降車を、指定端末6を所持する保護者P6においても把握することができる。
【0026】
サーバ3から管理端末4又は指定端末6に対する完了通知Ncは、インターネットを介した連絡手段によって送信される。連絡手段としては、例えば、メール、SNS(Social Networking Service)、或いは、その他の公知の連絡アプリなどが挙げられる。
【0027】
このように本構成によれば、車両1からの全ての乗車対象者Kの降車が、監視者D、管理端末4の使用者(職員P4)、及び指定端末6の使用者(保護者P6)によって確認されることになる。このように、幼稚園に送迎される幼児の見守りに複数の者が関与することで、いわゆる「気づきの目」を増やすことができ、送迎バスの車両1内における幼児の置き去りを好適に防止することが可能となっている。
【0028】
以下、車両状態監視システム100の具体的な構成について説明する。
【0029】
図2に示すように、本実施形態では、車両状態監視システム100は、複数の乗車対象者Kのそれぞれが携帯する対象タグTkを備えている。また、車両状態監視システム100は、車両1内に固定配置されると共に、当該車両1の固有の車両種別情報を保有する車両用タグT1を備えている。検知部5は、タグ受信器を用いて構成されている。
【0030】
対象タグTk及び車両用タグT1は、検知部5との間で近距離無線通信を行うように構成されている。これらのタグとして、例えば、ビーコンタグや、RFID(Radio Frequency Identification)を利用したICタグを用いることができる。
【0031】
対象タグTkは、乗車対象者Kが携帯するものであるため、乗車対象者Kと共に移動する。対象タグTkを携帯した乗車対象者Kが車両1内にいる場合には、車両1内の検知部5が当該対象タグTkを検知する。上述のように、検知部5は、操作端末2の機能部である。そのため、車両1内の監視者Dが携帯する操作端末2によって、車両1内の対象タグTkが検知される。同様に、車両1内に監視者Dがいる場合には、車両1内に固定配置された車両用タグT1が、監視者Dが携帯する操作端末2(検知部5)によって検知される。
【0032】
車両用タグT1は、当該車両用タグT1が固定配置された車両1の固有の車両種別情報を保有している。そのため、検知部5が車両用タグT1を検知することで、操作端末2は、車両種別情報を取得する。車両種別情報には、車両1の名称(例えばA号車など)、定員、座席数、座席のレイアウトなどの情報が含まれる。操作端末2によって取得された車両種別情報は、当該操作端末2の画面上に表示される。この車両種別情報は、操作端末2からサーバ3に送信される。サーバ3は、管理端末4や指定端末6に車両種別情報を送信するように構成されていてもよい。
【0033】
図2に示す例では、A号車の車両1には、7つの座席10が設けられており、全ての座席10に対象タグTkが存在している。すなわち、7つの座席10の全てに乗車対象者Kが存在している。
図2は、車両1が7名の乗車対象者Kを送迎中である状態を示している。
【0034】
図3に示すように、例えば車両1が幼稚園に到着すると、乗車対象者Kは車両1から降車し、車両1内に対象タグTkが存在しない状態となる。このとき、全ての対象タグTkが、検知部5が検知可能な設定範囲Rから外れる。すなわち、検知部5は、車両1内における全ての対象タグTkの不存在を検知することになる。「対象タグTkの不存在を検知すること」は、「対象タグTkの存在を検知できないこと」と言い換えることもできる。
【0035】
本実施形態では、検知部5が車両1内における全ての対象タグTkの不存在を検知した場合に、サーバ3が完了操作部20の操作を許容するように構成されている。
図3は、送迎バスとしての車両1が幼稚園に到着した後、全ての乗車対象者Kが車両1から降車した状態を示している。これにより、検知部5は、車両1内における全ての対象タグTkの不存在を検知し、操作端末2の画面上には、「現在の人数:0名」と表示される。
【0036】
図4(a)に示す例では、検知部5が車両1内における全ての対象タグTkの不存在を検知した後、監視者Dは、操作端末2の画面上に表示される「降車確認ボタン」を押す。
【0037】
すると、
図4(b)に示すように、操作端末2の画面上には、「確認完了ボタン」が表示される。本実施形態では、この「確認完了ボタン」が、「完了操作部20」に相当する。完了操作部20は、検知部5が車両1内における全ての対象タグTkの不存在を検知した後に操作端末2の画面上に表示されるので、検知部5による不存在の検知結果が得られなければ、完了操作部20は操作端末2の画面上に表示されない。従って、監視者Dは、車両1内に乗車対象者Kが存在しない状態でなければ、完了操作部20を操作できないのである。
【0038】
その後、
図4(c)に示すように、監視者Dが完了操作部20(確認完了ボタン)を操作することにより、完了通知Ncがサーバ3に送信される。
【0039】
本実施形態では、検知部5は、自らを含む設定範囲R内で車両用タグT1を検知するように構成されている。すなわち、
図5に示すように、車両用タグT1が、検知部5の設定範囲Rから外れている場合には、検知部5は車両用タグT1を検知することができない。上述のように、車両用タグT1は車両1内に固定配置されているため、
図5に示す例のように、検知部5(操作端末2)を携帯する監視者Dが車両1の外に出ている場合には、検知部5は車両用タグT1を検知することができない。
【0040】
本実施形態では、サーバ3は、検知部5が車両用タグT1を検知した状態で、完了操作部20の操作を許容する。すなわち、
図5に示す例のように、操作端末2(検知部5)を携帯する監視者Dが車両1の外に出ている場合には、検知部5は車両用タグT1を検知しないため、監視者Dによる完了操作部20の操作は禁止される。
【0041】
上述のように、完了操作部20が操作端末2の画面上に表示される前段階として、監視者Dによる「降車確認ボタン」の押下が求められる。本例では、検知部5が車両用タグT1を検知していない状態では、操作端末2の画面上の「降車確認ボタン」の操作が無効となる。そのため、監視者Dは、その次の段階である完了操作部20(確認完了ボタン)の操作を行うことができない。なお、
図5に示すように、検知部5が車両用タグT1を検知していない状態では、操作端末2の画面上に、例えば「車両用タグが検知されていません。」と表示するようにしてもよい。
【0042】
このような構成によれば、実際には車両1内に乗車対象者Kが存在するにもかかわらず、降車確認が完了した旨の完了通知Ncが誤ってサーバ3に送信されることを防ぐことができる。
【0043】
図6に示すように、本実施形態では、サーバ3は、車両1の運転開始後、予め設定された運転時間が超過した場合に、警報を発するように構成されている。この警報は、操作端末2、管理端末4、及び指定端末6の少なくとも1つに発せられる。以下、
図6を参照して、警報が発せられるまでのフローについて説明する。
【0044】
図6に示すように、まず、車両1の運転が開始される(ステップ#1)。例えば、幼稚園の送迎バスの場合には、幼児を迎えに行くために車両1が幼稚園を出発したときに、車両1の運転が開始されたと判断される。詳細な図示は省略するが、運転手である監視者Dは、幼稚園を出発するときに、操作端末2の画面上に表示される「運転開始ボタン」を操作する。これにより、サーバ3は、車両1の運転が開始されたと判断する(ステップ#1)。
【0045】
次に、操作端末2による完了通知Ncの送信の有無が判断される(ステップ#2)。完了通知Ncがあった場合には(ステップ#2:Yes)、車両1は幼稚園に到着して、乗車対象者Kである幼児の全員が車両1から降車したことになる。一方、完了通知Ncが未だされていないと判断された場合には(ステップ#2:No)、予め設定された運転時間が超過しているか否かが判断される(ステップ#3)。運転時間が未だ超過していないと判断された場合には(ステップ#3:No)、ステップ#2に戻る。運転時間が超過していると判断された場合には(ステップ#3:Yes)、警報が発せられる(ステップ#4)。
【0046】
上述のように、警報は、操作端末2、管理端末4、及び指定端末6の少なくとも1つに発せられる。警報が管理端末4のみに発せられる場合には、管理端末4から操作端末2に、注意喚起の通知がされる。例えば、「運転時間が超過しています。」などの内容が操作端末2に通知される。この通知は、上記のような視覚的手段の他にも、音などの聴覚的手段を用いて行われてもよい。警報が操作端末2にも発せられる場合には、上記のような内容がサーバ3から操作端末2に直接通知されてもよい。
【0047】
運転時間が超過している状況としては、車両1が乗車対象者Kを送迎して幼稚園に到着し、乗車対象者Kの降車が済んでいるにもかかわらず、監視者Dが操作端末2から完了通知Ncを送信していない状況が考えられる。しかしながら、本実施形態では、運転時間が超過している場合に警報を発するため、上記のような状況であっても監視者Dに対して降車確認作業を促すことができる。
【0048】
なお、その他にも、運転時間が超過している状況としては、道が混んでおり車両1が幼稚園に到着していない状況が考えられる。この場合にも警報が発せられる。この場合には、監視者Dの操作端末2から、「送迎中」や「未到着」などの詳細な状況が送信されるようにしてもよい。この際の送信先としては、サーバ3であってもよいし、管理端末4であってもよい。
【0049】
図7は、管理端末4の画面の表示態様の一例を示している。
図7に示す例では、管理端末4の画面には、「運転中」、「運転時間超過」、「運転未開始」、「運転終了」がポイント名として表示されている。そして、それぞれに対して「ОN/ОFF」の状態と、その内容が表示されている。
【0050】
例えば、運転手である監視者Dが、幼稚園を出発するときに操作端末2の画面上に表示される「運転開始ボタン」を操作することで、運転開始の通知がサーバ3を介して管理端末4に送信される。これにより、管理端末4の画面上における「運転中」が、「ОN」状態となる。
【0051】
運転開始時間が超過した場合には、サーバ3から管理端末4に警報が発せられる。これにより、管理端末4の画面上における「運転時間超過」が、「ОN」状態となる。
【0052】
詳細な図示は省略するが、例えば、車両1の送迎が終了し、乗車対象者Kの全員が車両1から降車した旨の完了通知Ncが操作端末2から送信された場合には、管理端末4の画面上における「運転終了」が、「ОN」状態となる。また、例えば、幼稚園の送迎バスが乗車対象者Kである幼児を迎えに行くための幼稚園からの出発時間が定められている場合であって、出発時間を過ぎても監視者Dの操作端末2から運転開始の通知が無い場合には、管理端末4の画面上における「運転未開始」が、「ОN」状態となる。
【0053】
このように、本実施形態に係る車両状態監視システム100では、車両1の様々な状態が遠隔で把握可能となっている。
【0054】
〔第2実施形態〕
次に、車両状態監視システム100の第2実施形態について説明する。以下では、第2実施形態について、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。特に説明しない点については、上記第1実施形態と同様である。
【0055】
図8に示すように、車両状態監視システム100は、車両1内に固定配置されると共に、当該車両1の固有の車両種別情報を保有する車両情報保有部11と、車両1内の座席10に対応して配置されると共に、当該座席10の位置情報を保有する座席情報保有部12と、を備えている。図示の例では、車両1に設けられた複数の座席10のそれぞれに、座席情報保有部12が設置されている。
【0056】
車両情報保有部11及び座席情報保有部12は、一次元コードや二次元コードなどの識別コードを有して構成されている。検知部5は、操作端末2の機能部として構成されると共に、車両情報保有部11及び座席情報保有部12から情報を読み取るリーダを用いて構成されている。検知部5は、車両情報保有部11からは車両種別情報を、座席情報保有部12からは座席10の位置情報を、それぞれ読み取るように構成されている。
【0057】
車両種別情報には、車両1の固有の座席情報が含まれている。座席情報には、座席数、座席のレイアウトなどの情報が含まれる。車両種別情報が検知部5によって読み取られた場合には、車両種別情報(座席情報)が操作端末2の画面に表示される。
図8に示す例では、車両種別情報として、「定員7名」、「A号車」が操作端末2の画面に表示されている。また、座席情報として、「1列左」、「1列右」・・・「3列右」(以下、「座席表示」という。)が、実際の座席10のレイアウトに対応した態様で、操作端末2の画面に表示されている。例えば、車両1の運転手である監視者Dは、車両1に乗り込むと、操作端末2(検知部5)によって、当該車両1に固定配置された車両情報保有部11から当該車両1の車両種別情報を読み取る。これにより、監視者Dがこれから運転する車両1の情報が、操作端末2の画面に表示される。検知部5が車両種別情報を読み取った直後の状態では、操作端末2の画面に表示される座席表示は、比較的暗めの色彩で表される。これは、座席10に設けられた座席情報保有部12の読み取りが、未だ済んでいない状態を示している。
【0058】
車両1が送迎を終えて幼稚園に到着し、乗車対象者Kが車両1から降車すると、監視者Dによる降車確認作業が行われる。
【0059】
図9に示すように、降車確認作業では、監視者Dは、座席10とその座席10の周囲を確認して、乗車対象者Kがいない場合に、当該座席10に設けられた座席情報保有部12を操作端末2(検知部5)によって読み取る。これにより、当該座席10の確認が完了する。確認が完了した座席10の座席表示は、操作端末2の画面上において、暗めの色彩から明るめの色彩に変化する。
図9に示す例では、「1列左」の座席と、「1列右」の座席と、「2列左」の座席とについて、座席情報保有部12の読み取り作業が完了し、これらの座席10に関する座席表示が、操作端末2の画面上において明るめの色彩に変化している。監視者Dは、上記のような作業を、全ての座席10について行う。全ての座席10について確認が終わるまでは、完了操作部20の操作が禁止される。図示の例では、完了操作部20としての「確認完了ボタン」が、操作端末2の画面上において暗めの色彩で表され、操作できない状態となっている。
【0060】
図10に示すように、本実施形態では、検知部5が、車両情報保有部11に保有された座席情報に基づいて車両1内の全ての座席情報保有部12を読み取った場合に、サーバ3が完了操作部20の操作を許容する。すなわち、監視者Dが、各座席10について、乗車対象者Kがいないことを確認すると共に検知部5によって座席情報保有部12することで、検知部5が、車両1内における全ての乗車対象者Kの不存在を検知することになる。一方、検知部5が車両1内における全ての乗車対象者Kの不存在を検知していない状態では、上述のように、完了操作部20の操作は禁止される。
【0061】
図10(a)に示す例では、検知部5が車両1内の全ての座席情報保有部12を読み取った後、完了操作部20としての「確認完了ボタン」が明るめの色彩に変化しており、「確認完了ボタン」の操作が可能な状態となっている。
【0062】
その後、
図10(b)に示すように、監視者Dが完了操作部20(確認完了ボタン)を操作することにより、完了通知Ncがサーバ3に送信される。
【0063】
このように、乗車対象者Kの降車後に、監視者Dが各座席10について降車確認と座席情報保有部12の読み取りを行うことにより、初めて、降車確認が完了した旨の完了通知Ncを送信することが可能となる。従って、本構成によれば、降車確認を確実ならしめることができ、車両1内における乗車対象者Kの置き去りを防止することが可能となる。
【0064】
ここで、乗車対象者Kが幼児である場合には、座席10の下に隠れていたりすることがある。しかしながら、本実施形態に係る車両状態監視システム100は、座席10の下に乗車対象者Kが隠れている場合であっても、降車確認時において容易に乗車対象者Kを発見できることが期待される。
【0065】
すなわち
図11に示すように、本実施形態では、座席情報保有部12は、座席10の下部に設置されている。上述のように、監視者Dは、座席10の確認が終われば、当該座席10に設けられた座席情報保有部12を操作端末2(検知部5)によって読み取らなければならない。読取対象の座席情報保有部12が座席10の下部に設けられていることによって、監視者Dの目が、必然的に座席10の下部周辺に向く。そのため、座席10の下に乗車対象者Kが隠れている場合であっても、当該乗車対象者Kを容易に発見できることが期待されるのである。
【0066】
〔その他の実施形態〕
次に、その他の実施形態について説明する。
【0067】
(1)上記の実施形態では、完了操作部20は、ソフトウェアボタン(ソフトキーとも言われる。)として構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、完了操作部20は、ハードウェアボタンとして構成されていてもよい。この場合であっても、完了操作部20は、検知部5によって車両1内における全ての乗車対象者Kの不存在が検知されることを条件として、サーバ3によってその操作が許容される。
【0068】
(2)上記の実施形態では、検知部5が、操作端末2の機能部として構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、検知部5は、操作端末2とは別の装置として構成されていてもよい。
【0069】
(3)上記の実施形態では、検知部5が、車両1内における乗車対象者Kの存否を検知するように構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、検知部5は、乗車対象者Kの存否に加えて、例えば、車両1内における温度や二酸化炭素濃度を検知するように構成されていてもよい。車両1内における温度や二酸化炭素濃度は、仮に乗車対象者Kが車両1内に取り残されている場合に、重要な把握要素となる。検知部5は、これらの温度や二酸化炭素濃度の情報を、随時、或いは定期的に、サーバ3に送信するように構成されているとよい。
【0070】
(4)上記の実施形態では、検知部5が、車両1内における乗車対象者Kの存否を検知するように構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、検知部5は、乗車対象者Kの存否に加えて、例えば、車両1の現在位置を検知するように構成されていてもよい。検知部5は、例えばGPS(Global Positioning System)を用いて、或いは、道路に設置されたビーコンを用いて、車両1の現在位置を検知するように構成されているとよい。また、検知部5は、車両1の現在位置の情報を、随時、或いは定期的に、サーバ3に送信するように構成されているとよい。
【0071】
(5)上記の実施形態では、座席情報保有部12が、各座席10に設置されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、座席情報保有部12の数は、車両1に設けられた座席10の数より少なくてもよい。例えば、1つの車両1について1つの座席情報保有部12が設置されていてもよい。この場合の座席情報保有部12の設置位置は、車両1の最後部付近であると好適である。これによれば、監視者Dは、当該座席情報保有部12の読み取りを行う際に、車両1の最後部まで向かう必要がある。そのため、車両1の最前部から最後部まで降車確認作業を、監視者Dに行わせ易い。
【0072】
(6)上記の実施形態では、座席情報保有部12が、座席10の下部に設置されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、座席情報保有部12は、例えば、座席10下の車両1の床面に設置されていてもよいし、車両1の内側壁に設置されていてもよい。
【0073】
(7)上記の実施形態では、車両状態監視システム100が、予め指定された指定端末6を備えている例について説明した。しかし、指定端末6は必須の構成ではなく、車両状態監視システム100は、このような指定端末6を備えていなくてもよい。
【0074】
(8)上記の実施形態では、車両状態監視システム100が、1台の車両1の状態を監視している例について説明した。しかし、車両状態監視システム100は、施設40が保有する複数台の車両1の状態を監視するように構成されていてもよい。また、車両状態監視システム100は、複数の施設40ごとに、複数台の車両1の状態を監視するように構成されていてもよい。
【0075】
(9)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0076】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記実施形態の概要について説明する。
【0077】
車両状態監視システムであって、
複数の乗車対象者を送迎する車両と、
前記車両内において複数の前記乗車対象者を監視する監視者が携帯する操作端末と、
情報の収集及び処理を行うサーバと、
前記サーバとの間で情報の送受信を行う管理端末と、
前記車両内の状態を検知する検知部と、を備え、
前記検知部は、前記車両内における前記乗車対象者の存否を検知するように構成され、
前記操作端末は、前記検知部が前記車両内における全ての前記乗車対象者の不存在を検知した場合に操作される完了操作部を備え、
前記操作端末は、前記完了操作部が操作された場合に前記サーバに対して完了通知を送信し、
前記サーバは、前記完了通知を前記操作端末から取得すると共に、当該完了通知を前記管理端末に送信する。
【0078】
本構成によれば、車両内で乗車対象者を監視する監視者が、操作端末の完了操作部を操作することにより、完了通知がサーバを介して管理端末に送信される。これにより、車両からの全ての乗車対象者の降車を、監視者だけでなく、管理端末側においても把握することができる。そして、監視者が完了操作部を操作して完了通知を発信するためには、検知部が車両内における全ての乗車対象者の不存在、すなわち全ての乗車対象者の降車を検知することが必要となる。換言すれば、検知部が車両内における全ての乗車対象者の降車を検知しなければ、監視者は完了操作部を操作することができず、完了通知が管理端末に送信されることはない。従って、本構成によれば、降車確認を確実ならしめることができ、車両内における乗車対象者の置き去りを防止することが可能となる。
【0079】
予め指定された端末である指定端末を備え、
前記サーバは、前記操作端末から取得した前記完了通知を、前記管理端末に加えて前記指定端末にも送信する、と好適である。
【0080】
本構成によれば、指定端末側においても、車両からの全ての乗車対象者の降車を把握することが可能となる。すなわち、監視者、管理端末、及び指定端末において、乗車対象者の降車の有無を監視することができ、より一層、車両からの降車確認を確実ならしめることができる。
【0081】
複数の前記乗車対象者のそれぞれが携帯する対象タグを備え、
前記検知部は、タグ受信器を用いて構成され、
前記検知部が前記車両内における全ての前記対象タグの不存在を検知した場合に、前記サーバが前記完了操作部の操作を許容する、と好適である。
【0082】
本構成によれば、対象タグが検知部による検知範囲から外れた場合に、当該対象タグを携帯する乗車対象者が車両から降車したことを判定できる。このとき、検知部は、車両内における対象タグの不存在を検知することになる。このように、本構成によれば、対象タグの移動、詳細には、対象タグを携帯する乗車対象者の移動に基づいて、検知部による検知結果を得ることができる。
【0083】
前記車両内に固定配置されると共に、当該車両の固有の車両種別情報を保有する車両用タグを備え、
前記検知部は、前記操作端末の機能部として構成されると共に、自らを含む設定範囲内で前記車両用タグを検知するように構成され、
前記サーバは、前記検知部が前記車両用タグを検知した状態で、前記完了操作部の操作を許容する、と好適である。
【0084】
例えば、複数の乗車対象者が乗車していたとしても、操作端末(検知部)を携帯する監視者が車両の外に出た場合には、検知部が、対象タグの不存在を誤って検知し得る。すなわち、複数の乗車対象者が乗車している状態であるにもかかわらず、これらの者の降車を検知部が検知するという問題が生じ得る。しかしながら本構成によれば、検知部が、車両内に固定配置された車両用タグを設定範囲内において検知した状態で、サーバは、完了操作部の操作を許容する。すなわち、操作端末(検知部)が、車両内に配置された車両用タグの近くになければ、監視者は完了操作部を操作することができない。従って、本構成によれば、上記のような、乗車対象者の降車が誤って検知されるという問題が生じ難い。
【0085】
前記車両内に固定配置されると共に、当該車両の固有の車両種別情報を保有する車両情報保有部と、
前記車両内の座席に対応して配置されると共に、当該座席の位置情報を保有する座席情報保有部と、を備え、
前記車両種別情報には、前記車両の固有の座席情報が含まれ、
前記検知部は、前記操作端末の機能部として構成されると共に、前記車両情報保有部及び前記座席情報保有部から情報を読み取るリーダを用いて構成され、
前記検知部が、前記車両情報保有部に保有された前記座席情報に基づいて前記車両内の全ての前記座席情報保有部を読み取った場合に、前記サーバが前記完了操作部の操作を許容する、と好適である。
【0086】
座席数や座席のレイアウトなどは、車両の大きさや種類によって異なる。本構成によれば、検知部が車両情報保有部から車両種別情報を読み取ることにより、その車両の座席情報を取得することができる。例えば、座席数や座席のレイアウトなどの情報を取得することができる。そして、監視者は、各座席まわりで乗車対象者の有無を確認し、乗車対象者がいなければ検知部によって座席情報保有部を読み取らせる。監視者は、各座席情報保有部の読み取りを、車両情報保有部から取得した座席情報に基づいて行うことができる。全ての座席情報保有部の読み取りが終われば、すなわち、全ての座席まわりにおいて乗車対象者の不存在が確認された場合には、完了操作部の操作がサーバによって許容される。このように本構成によれば、車両からの降車確認を、より一層、確実ならしめることができる。
【0087】
前記座席情報保有部は、前記座席の下部に設置されている、と好適である。
【0088】
乗車対象者が幼児である場合には、座席の下に隠れていたりすることがある。本構成によれば、座席情報保有部が座席の下部に設置されているため、監視者が検知部によって座席情報保有部の読み取りを行う場合には、必然的に、座席の下部周辺に監視者の視線がいくことになる。そのため、座席の下に隠れている幼児が隠れている場合に、座席情報保有部の読み取り作業を行う監視者が、その幼児を発見し易い。このように本構成によれば、車両からの降車確認を確実ならしめることができ、車両内における乗車対象者の置き去りを防止することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本開示に係る技術は、複数の乗車対象者を送迎する車両の状態を監視する車両状態監視システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0090】
100 :車両状態監視システム
1 :車両
10 :座席
11 :車両情報保有部
12 :座席情報保有部
2 :操作端末
20 :完了操作部
3 :サーバ
4 :管理端末
5 :検知部
6 :指定端末
D :監視者
K :乗車対象者
Nc :完了通知
R :設定範囲
T1 :車両用タグ
Tk :対象タグ
【要約】
【課題】降車確認を確実ならしめることができ、車両内における乗車対象者の置き去りを防止することが可能な車両状態監視システムを実現する。
【解決手段】検知部5は、車両1内における乗車対象者Kの存否を検知するように構成されている。操作端末2は、検知部5が車両1内における全ての乗車対象者Kの不存在を検知した場合に操作される完了操作部を備え、完了操作部が操作された場合にサーバ3に対して完了通知Ncを送信する。サーバ3は、完了通知Ncを操作端末2から取得すると共に、当該完了通知Ncを管理端末4に送信する。
【選択図】
図1