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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】転てつ機保守支援装置
(51)【国際特許分類】
   B61L 5/06 20060101AFI20240313BHJP
【FI】
B61L5/06
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023089302
(22)【出願日】2023-05-31
【審査請求日】2023-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000001292
【氏名又は名称】株式会社京三製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 育雄
【審査官】冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-281924(JP,A)
【文献】特開2010-818(JP,A)
【文献】特開2017-149372(JP,A)
【文献】特開2010-254177(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61L 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保守対象の転てつ機である対象転てつ機の動作かんストローク位置毎の最大転換力のデータである最大転換力特性データに基づいて、前記動作かんストローク位置毎の転換負荷の閾値を設定する閾値設定手段と、
前記動作かんストローク位置毎の前記対象転てつ機の転換負荷のデータである転換負荷データを取得する転換負荷データ取得手段と、
前記転換負荷データに基づく前記動作かんストローク位置毎の転換負荷を、対応する前記閾値と比較して異常有無を判定する異常判定手段と、
を備える転てつ機保守支援装置。
【請求項2】
動作かんストローク位置に対する前記転換負荷データに基づく転換負荷を、対応する前記閾値とともにグラフ表示する制御を行うグラフ表示制御手段、
を更に備える請求項1に記載の転てつ機保守支援装置。
【請求項3】
転てつ機の候補別の最大転換力特性データの中から、前記対象転てつ機を特定する特定情報に基づいて、前記対象転てつ機の最大転換力特性データを選択する選択手段、
を更に備え、
前記閾値設定手段は、前記選択手段により選択された最大転換力特性データに基づいて前記閾値を設定する、
請求項1に記載の転てつ機保守支援装置。
【請求項4】
前記対象転てつ機の転換力、転換トルク、又は、クラッチトルクである現状データを取得する取得手段、
を更に備え、
前記閾値設定手段は、前記選択手段により選択された最大転換力特性データを前記現状データに基づいて補正することで前記閾値を設定する、
請求項3に記載の転てつ機保守支援装置。
【請求項5】
前記取得手段は、転換動作の中央期における前記現状データを取得する、
請求項4に記載の転てつ機保守支援装置。
【請求項6】
前記転換負荷データ取得手段は、所定期間における前記対象転てつ機の各転換動作に係る前記転換負荷データを取得し、
前記所定期間における各転換動作について、前記転換負荷データに基づく動作かんストローク位置毎の転換負荷のうちの最大転換負荷を検出する第1の最大転換負荷検出手段と、
前記所定期間における前記最大転換負荷の時系列推移を表示する制御を行う第1の最大転換負荷推移表示制御手段と、
を更に備える請求項1~5の何れか一項に記載の転てつ機保守支援装置。
【請求項7】
前記転換負荷データ取得手段は、所定期間における前記対象転てつ機の各転換動作に係る前記転換負荷データを取得し、
動作かんストローク位置のうちの所与の位置範囲を指定する位置範囲指定手段と、
前記所定期間における各転換動作について、前記転換負荷データに基づく動作かんストローク位置毎の転換負荷のうち、前記位置範囲における最大転換負荷を検出する第2の最大転換負荷検出手段と、
前記所定期間における前記最大転換負荷の時系列推移を表示する制御を行う第2の最大転換負荷推移表示制御手段と、
を更に備える請求項1~5の何れか一項に記載の転てつ機保守支援装置。
【請求項8】
複数の転てつ機が保守対象の前記対象転てつ機であり、
前記対象転てつ機毎に、当該対象転てつ機の識別情報と、前記閾値を設定した日時と、ユーザ識別情報と、を少なくとも含む管理情報を記憶する管理情報記憶手段、
を更に備える請求項1~5の何れか一項に記載の転てつ機保守支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転てつ機保守支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
転てつ機は、分岐器を列車の進行方向へ転換する鉄道の重要な設備の1つである。転てつ機が転換不能になると列車が分岐器上を通過できず、列車が運行できなくなり社会的に大きな影響を与えることになる。
【0003】
電気転てつ機には、過負荷によるモータ焼損や転換時の慣性による衝撃緩和のため、モータと減速歯車との間にクラッチが設けられている。したがって、クラッチの伝達トルクが電気転てつ機の最大転換力となる。従来、電気転てつ機のクラッチには摩擦板を用いるフリクションクラッチが用いられてきたが、フリクションクラッチは外気の温度変化に影響を受けるため、保守者による周期的な調整・検査が必須であった。
【0004】
そこで、保守を容易に行えるように、電気転てつ機の転換不能を予知する監視装置が開発された。係る装置は、電気転てつ機にモータ電流・電圧、内部温度を計測するセンサを取り付け、約1年程度の長期間に亘って正常状態のデータを収集し、当該正常状態のデータと、転換不能状態のデータとを用いて、モータ電流・電圧から推論したモータトルクが、転換不能時のモータトルクに接近する度合いを危険度として表すものである(特許文献1参照)。さらに、係る装置は、保守者が通常の転換状態から逸脱したとみなすモータトルクの閾値を設定できるようにし、この閾値を超える場合に警告を出すように改良された。なお、この頃には、電気転てつ機のクラッチはフリクションクラッチからマグネットクラッチに変更され、外気温による影響は無視できるようになり、温度測定は不要となった。
【0005】
また、係る装置は複数の電気転てつ機それぞれに対する転換不能を予知することが可能ではあったが、それぞれの電気転てつ機の設置環境の違い等の理由から転てつ機ごとに適切な閾値を設定する必要があった。適切な閾値の設定手法の一例として、転てつ機ごとに動作状態が正常であるときの過去の転換時データを集積・学習した基準データを作成し、その基準データを閾値として用いる手法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平04-154474号公報
【文献】特開2016-84076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の技術は種々の問題を内包していた。例えば、転てつ機の異常有無を判定するための閾値は、動作かんストローク位置に関わらず一定の値であった。そして、モータトルクが閾値以下ならば正常、閾値を超えると異常と検知していた。転換負荷が通常の負荷ならば特に問題はなかったが、転換動作の開始時のスイッチアジャスタとの衝突による衝撃や、転換動作の終了時の閾値を超えるような密着力によっては、正常であるにも関わらず、閾値を超えて警告が出てしまうような場合があった。また、通常の転換状態から逸脱したとみなすモータトルクの閾値を保守者が設定する場合には、その保守者が現場の転てつ機1台1台の設備状況や環境を熟知している必要があった。熟知していないと、保守・調整等による現場の転てつ機の設備状況の変化に応じた適切な閾値の変更・設定ができず、検知精度が低下してしまうからである。
【0008】
また、上述の特許文献2に記載のように過去の転換時データを集積・学習する手法では、学習効果に見合った閾値の適切な変更・設定が可能であるが、学習のための転換時データの集積に手間暇を要する。また、閾値の設定・変更は、コンピュータシステムを用いた演算処理によってなされるので、現場の転てつ機の設備状況を把握・熟知している保守者にとってみれば、自身の知見や経験から乖離が生じる場合もあり、設定されている閾値が適切であるかの判断が困難であった。このため、保守者にも納得し易い閾値の設定が望まれていた。
【0009】
ところで、近年では、多数の分岐器のポイント部が、ポイント部とリード部とが一体化した弾性ポイントに取り換えられた。この弾性ポイントは、以前と同様にポイント床板に引っかき傷が生じる可能性があり、また、ポイント部を基本レール側に密着させる際には以前の分岐器に比べて強めの密着力を必要とする。これにより、転換動作の開始時や終了時に一時的に負荷が増加することで、転換が可能であるにも関わらず、閾値を超えて転換不能と検知されてしまう可能性があった。
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、転てつ機の異常有無の判定に用いる閾値を適切に設定することができる新たな技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための第1の発明は、
保守対象の転てつ機である対象転てつ機の動作かんストローク位置毎の最大転換力のデータである最大転換力特性データに基づいて、前記動作かんストローク位置毎の転換負荷の閾値を設定する閾値設定手段(例えば、図9の閾値設定部206)と、
前記動作かんストローク位置毎の前記対象転てつ機の転換負荷のデータである転換負荷データを取得する転換負荷データ取得手段(例えば、図9の転換負荷データ取得部202)と、
前記転換負荷データに基づく前記動作かんストローク位置毎の転換負荷を、対応する前記閾値と比較して異常有無を判定する異常判定手段(例えば、図9の異常判定部208)と、
を備える転てつ機保守支援装置である。
【0012】
第1の発明によれば、転てつ機の異常有無の判定に用いる閾値を適切に設定することができる新たな技術を提供することができる。つまり、異常有無の判定に用いる閾値として、対象転てつ機の最大転換力特性に基づいて、動作かんストローク位置毎の転換負荷の閾値が設定される。そして、動作かんストローク位置毎の対象転てつ機の転換負荷を対応する閾値と比較して、異常有無が判定される。最大転換力特性は、動作かんストローク位置の始期及び終期で大きくその中間では小さいといった放物線形状である。このため、転換動作全体に対して一定の閾値ではなく、最大転換力特性に基づいて動作かんストローク位置毎の閾値を設定することで、転換動作の始期や終期では転換負荷が瞬間的に増加し易いが、そのような場合に異常有りと誤判定してしまうことを防止することができる。
【0013】
第2の発明は、上述の発明において、
動作かんストローク位置に対する前記転換負荷データに基づく転換負荷を、対応する前記閾値とともにグラフ表示する制御を行うグラフ表示制御手段(例えば、図9のグラフ表示制御部210)、
を更に備える転てつ機保守支援装置である。
【0014】
第2の発明によれば、転換負荷が対応する閾値とともにグラフ表示される。これにより、どの動作かんストローク位置での転換負荷が異常と判定されたのかを容易に把握することができる。その結果、異常有無の判定に対する信頼性が高まり、より有用な転てつ機の保守支援を実現することが可能となる。
【0015】
第3の発明は、上述の発明において、
転てつ機の候補別の最大転換力特性データの中から、前記対象転てつ機を特定する特定情報に基づいて、前記対象転てつ機の最大転換力特性データを選択する選択手段(例えば、図9の選択部203)、
を更に備え、
前記閾値設定手段は、前記選択手段により選択された最大転換力特性データに基づいて前記閾値を設定する、
転てつ機保守支援装置である。
【0016】
転てつ機の最大転換力特性は、製造メーカや形式等によって異なり得る。このため、複数の転てつ機を保守対象としている場合、対象転てつ機に対応する最大転換力特性データを選択する必要がある。第3の発明によれば、特定情報に基づいて対象転てつ機に対応する最大転換力特性データを選択することができ、これにより、対象転てつ機について適切な閾値の設定が可能となる。
【0017】
第4の発明は、上述の発明において、
前記転てつ機の転換力、転換トルク、又は、クラッチトルクである現状データを取得する取得手段(例えば、図9の現状データ取得部204)、
を更に備え、
前記閾値設定手段は、前記選択手段により選択された最大転換力特性データを前記現状データに基づいて補正することで前記閾値を設定する、
転てつ機保守支援装置である。
【0018】
第4の発明によれば、転換力や転換トルク、クラッチトルクの現状データに基づいて最大転換力特性を補正することで、閾値が設定される。転てつ機は、経年や使用の継続、クラッチの調整などによって、モータの出力である転換力や転換トルク、クラッチの出力であるクラッチトルク等の転てつ機に関する特性が変化し得る。このため、現状での特性である現状データに基づいて最大転換力特性データを補正することで、より適切な閾値の設定が可能となる。
【0019】
第5の発明は、上述の発明において、
前記取得手段は、転換動作の中央期における前記現状データを取得する、
転てつ機保守支援装置である。
【0020】
転換動作の中央期は、動作かんの転換途中であってその動作は比較的安定している。このため、第5の発明のように、転換動作の中央期における現状データに基づき補正することで、より適切な閾値の設定が可能となる。
【0021】
第6の発明は、上述の発明において、
前記転換負荷データ取得手段は、所定期間における前記対象転てつ機の各転換動作に係る前記転換負荷データを取得し、
前記所定期間における各転換動作について、前記転換負荷データに基づく動作かんストローク位置毎の転換負荷のうちの最大転換負荷を検出する第1の最大転換負荷検出手段(例えば、図9の最大転換負荷検出部212)と、
前記所定期間における前記最大転換負荷の時系列推移を表示する制御を行う第1の最大転換負荷推移表示制御手段(例えば、図9の最大転換負荷推移表示制御部214)と、
を更に備える転てつ機保守支援装置である。
【0022】
第6の発明によれば、所定期間における対象転てつ機の各転換動作での最大転換負荷の時系列推移が表示される。これにより、保守者にとってみれば、最大転換負荷の時系列推移を転てつ機の異常有無の判定の参考とすることができ、より有用な転てつ機の保守の支援を実現することが可能となる。
【0023】
第7の発明は、上述の発明において、
前記転換負荷データ取得手段は、所定期間における前記対象転てつ機の各転換動作に係る前記転換負荷データを取得し、
動作かんストローク位置のうちの所与の位置範囲を指定する位置範囲指定手段(例えば、図9の位置範囲指定部216)と、
前記所定期間における各転換動作について、前記転換負荷データに基づく動作かんストローク位置毎の転換負荷のうち、前記位置範囲における最大転換負荷を検出する第2の最大転換負荷検出手段(例えば、図9の最大転換負荷検出部212)と、
前記所定期間における前記最大転換負荷の時系列推移を表示する制御を行う第2の最大転換負荷推移表示制御手段(例えば、図9の最大転換負荷推移表示制御部214)と、
を更に備える転てつ機保守支援装置である。
【0024】
第7の発明によれば、所定期間における対象転てつ機の各転換動作での指定した位置範囲における最大転換負荷の時系列推移が表示される。例えば、動作かんストローク位置の始期や終期、中間期など、保守者が気になる範囲での最大転換負荷の時系列推移を表示させることができるので、より有用な転てつ機の保守支援を実現することが可能となる。
【0025】
第8の発明は、上述の発明において、
複数の転てつ機が保守対象の前記対象転てつ機であり、
前記対象転てつ機毎に、当該対象転てつ機の識別情報(例えば、図11の転てつ機ID311)と、前記閾値を設定した日時(例えば、図11の閾値管理データ316の設定日時)と、ユーザ識別情報(例えば、図11の閾値管理データ316のユーザ識別情報)と、を少なくとも含む管理情報(例えば、図11の転てつ機管理データ310)を記憶する管理情報記憶手段(例えば、図9の記憶部300)、
を更に備える転てつ機保守支援装置である。
【0026】
第8の発明によれば、対象転てつ機毎に記憶された管理情報を参照することで、異常判定のための転換負荷の閾値がいつ誰によって設定されたか等を後から確認することができる。これにより、異常有無の判定に対する信頼性が高まり、より有用な転てつ機の保守支援を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】転てつ機の構成例。
図2】転てつ機保守支援装置の適用例。
図3】転換力特性の一例。
図4】閾値の設定の説明図。
図5】グラフ表示の一例。
図6】グラフ表示の一例。
図7】最大転換負荷の検出の説明図。
図8】最大転換負荷の時系列推移の表示例。
図9】転てつ機保守支援装置の機能構成例。
図10】転てつ機仕様データの一例。
図11】転てつ機管理データの一例。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものではない。また、図面の記載において、同一要素には同一符号を付す。
【0029】
[転てつ機の構成]
図1は、本実施形態における転てつ機保守支援装置1の保守対象となる転てつ機10の内部機構の構成例を示す上面図であって、ケース12の上蓋を外し、当該ケース12の内部が見える状態に相当する。なお、内部機構の理解を容易にするために、回路制御器、制御リレー、外部端子板等の図示を省略している。
【0030】
転てつ機10は、最も使用されている電気転てつ機の機構であり、ケース12の外側面(図1に向かって左側面)に、モータ14と、クラッチ部16とを備える。モータ14及びクラッチ部16は、出力軸18の軸に沿って直線状に連結されている。出力軸18は、ケース12の側部を貫通して、内部に設けられた減速機構部20に接続されている。
【0031】
モータ14は、転てつ機10の駆動源であり、不図示の回路制御器による電源投入によって電力が供給されることで転換用のトルクを発生させる。クラッチ部16は、モータ14の駆動軸の回転動力を所定の上限トルク以下のトルクで出力軸18へ伝達する手段であり、例えば、マグネットクラッチで構成される。モータ14の駆動軸と出力軸18とは同じ中心軸上に位置し、それぞれがボールベアリング或いは軸受で支えられている。転換鎖錠機構部22は、減速歯車群である減速機構部20で減速された回転動力を動作かん24の直動運動に変換するとともに、鎖錠かん26の鎖錠・解錠を行う機構部である。モータ14に電力が供給されると、モータ14の回転動力がクラッチ部16を経て減速機構部20で適切なトルクに変換されて転換鎖錠機構部22へと伝わり、転換鎖錠機構部22によって転てつ機10の解錠・転換・鎖錠の一連の動作が行われる。最近、減速機構部の位置にクラッチ部を配置したものが出てきたが、クラッチ部の役割は変わらないので、本実施形態を適用できる。
【0032】
[転てつ機の保守支援]
本実施形態における転てつ機保守支援装置1は、転てつ機10の転換動作に係る転換負荷データに基づいて異常有無を判定し、その判定結果を提示することで、転てつ機10の保守を支援するものである。
【0033】
図2は、転てつ機保守支援装置1の適用例を示す図である。図2に示すように、転てつ機保守支援装置1は、保守対象となる複数の転てつ機10それぞれと、通信ネットワークNを介して通信接続される。
【0034】
転てつ機10は、内蔵又は付随された端末装置30を有している。端末装置30は、転てつ機10の転換動作時のデータとして、転てつ機10が有するモータ14の電流及び電圧を計測し、計測日時や転てつ機10の識別情報等と対応付けて転てつ機保守支援装置1へ送信する。
【0035】
転てつ機保守支援装置1は、転てつ機10の端末装置30から受信・取得した当該転てつ機10の転換動作時のデータ(モータ電流及びモータ電圧)を用いて、転てつ機10の異常有無を判定する。すなわち、モータ電流及びモータ電圧から、転てつ機10の転換動作時の各動作かんストローク位置での転換負荷を算出する。また、転てつ機10の最大転換力特性に基づき、各動作かんストローク位置での転換負荷の閾値を設定する。そして、動作かんストローク位置毎に、転換負荷を閾値と比較することで、転てつ機10の異常有無を判定する。
【0036】
転てつ機10の最大転換力特性は、製造メーカや形式等によって異なり得る。このため、転てつ機保守支援装置1は、予め、保守対象の候補となる転てつ機10の種類別に、当該種類の転てつ機10の製造メーカや形式、製造年等といった特定情報に最大転換力特性を対応付けて記憶しておく。そして、保守対象の転てつ機10(対象転てつ機)の種類を特定するための特定情報を、例えば保守者の操作入力によって取得することで、対象転てつ機を特定する。また、取得した特定情報に対応する最大転換力特性を選択し、選択した最大転換力特性に基づいて、当該対象転てつ機についての閾値を設定する。
【0037】
図3は、転てつ機10の転換力特性の一例を示す図である。図3では、横軸を1回の転換動作における動作かんストローク位置、縦軸を転換力・転換負荷として、転てつ機10の仕様として定められている通常負荷仕様(定格負荷)と、通常負荷での転換力特性である通常転換力特性と、当該仕様として定められている最大転換力仕様と、最大転換力での転換力特性である最大転換力特性とを示している。通常負荷仕様は、転換終了手前までは一定であり、それ以降は増加する変動負荷である。最大転換力仕様は、定格電圧で転換可能な一定負荷である。
【0038】
転換力特性は、動作かんストローク位置の初期及び終期で転換力が大きく、その中間で転換力が小さくなる放物線形状の特性を有する。本実施形態では、最大転換力特性に基づいて、各動作かんストローク位置での転換負荷の閾値を設定する。本実施形態では、一例として、最大転換力特性を補正することで閾値を設定するが、最大転換力特性の波形そのものを閾値として設定してもよい。
【0039】
図4は、異常有無の判定のための閾値の設定を説明する図である。図4では、横軸を動作かんストローク位置、縦軸を転換力・転換負荷として、転てつ機10の通常負荷仕様及び通常転換力特性を細い点線で示し、最大転換力特性を太い実線で示している。
【0040】
閾値を設定するために、図4に示すように、最大転換力特性の波形全体の値を減少させる方向に(図4に向かって下方に)補正する。たとえば、各動作かんストローク位置での最大転換力をN倍して閾値とする。「N」は、モータ14の出力である転換力や転換トルク、クラッチ部16の出力であるクラッチトルクといった、転てつ機10に関する現状の特性である現状データに基づいて決定する。具体的には、転てつ機10の転換動作における特定期(例えば、中央期)の動作かんストローク位置での現状データと、当該特定期の動作かんストローク位置での基準データとを用いて、次式(1)で「N」を算出することができる。基準データは、例えば保守作業後の転てつ機10が正常であるときの、転換力や転換トルク、クラッチトルクといった当該転てつ機10に関する特性のデータである。現状データは、通常、基準データよりも小さい値となる。従って、式(1)に従って「N」を算出することで、Nを1未満の値とすることができる。なお、式(1)の定数「0.9」は1未満の他の値としてもよい。
N=(現状データ/基準データ)×0.9 …(1)
【0041】
このようにして異常有無の判定のための閾値を設定することで、最大転換力特性の波形よりも小さい転換力・転換負荷を閾値とすることができる。これにより、転換負荷が大きくなってきたことを早期に報知・認知することが可能となる。但し、早期の報知・認知の必要性が乏しい場合には、最大転換力特性の波形そのものを閾値として設定することとしてもよい。或いは、上述した式(1)で求めた閾値を第1閾値とし、最大転換力特性の波形そのものの閾値を第2閾値とする等して多段階の閾値を設定することとしてもよい。
【0042】
[判定結果の表示例]
転てつ機保守支援装置1では、転換動作時の今回転換負荷が、異常有無の判定に用いた閾値とともにグラフ表示される。図5図6は、今回転換負荷及び閾値のグラフ表示の一例である。図5図6では、横軸を1回の転換動作時の動作かんストローク位置、縦軸を転換力・転換負荷として、今回転換負荷及び閾値を太い実線で示している。また、転てつ機10の通常負荷仕様、通常転換力特性、最大転換力仕様及び最大転換力特性を細い点線で示している。
【0043】
図5は、転てつ機10が異常無し(正常)の場合のグラフ表示の例である。転てつ機10が正常の場合、転換動作時の今回転換負荷は、転換動作全体に亘ってほぼ一定であり、通常負荷仕様より小さい値となっている。したがって、閾値を超えることなく、異常無しと判定される。
【0044】
図6も、同じく転てつ機10が異常無しの場合のグラフ表示の例である。動作かんストローク位置の始期及び終期において、今回転換負荷が瞬間的に増加している。動作かんストローク位置の始期における瞬間的な今回転換負荷の増加は、転換開始時のスイッチアジャスタとの衝突による衝撃によるものである。ここでの今回転換負荷は最大転換力仕様を超えているが閾値を超えていない。また、動作かんストローク位置の終期における瞬間的な今回転換負荷の増加は、転換終了時の床板の傷への引っ掛かりや異物の挟まり等による過大な密着力によるものである。ここでの今回転換負荷も、最大転換力仕様を超えているが閾値を超えていない。したがって、異常無しと判定される。動作かんストローク位置の始期及び終期の2つの転換負荷の一時的増加は、転換に影響を及ぼさないことから異常と判定する必要はない。これにより、異常有りと誤判定してしまうことを防止することができる。
【0045】
また、転てつ機保守支援装置1では、同一の転てつ機10についての所定期間における転換動作それぞれにおける転換負荷の最大値(最大転換負荷)の時系列推移が表示可能である。所定期間は、例えば、過去1年といった期間であり、転てつ機保守支援装置1のユーザ(保守者等)が任意に設定可能である。
【0046】
図7は、転換動作における今回転換負荷の最大値(最大転換負荷)の検出を説明する図である。図7は、横軸を動作かんストローク位置、縦軸を転換力・転換負荷として、1回の転換動作における今回転換負荷及び閾値のグラフ表示の一例を示している。今回転換負荷及び閾値を太線で示し、最大転換力仕様及び最大転換力特性を細線の点線で示している。図7に示すように、1回の転換動作時の今回転換負荷のうちから、動作かんストローク位置の指定範囲における今回転換負荷の最大値(最大転換負荷)が検出される。この指定範囲は、転てつ機保守支援装置1のユーザ(保守者等)が任意に設定可能である。図7では、動作かんストローク位置の中央付近を指定範囲としているが、始期や終期のほか、動作かんストローク位置の全てを指定範囲とすることもできる。
【0047】
図8は、最大転換負荷の時系列推移の表示例である。図8に示すように、転てつ機保守支援装置1は、横軸を計測日時、縦軸を最大転換負荷の最大値として、転換動作それぞれにおける最大転換負荷をプロット表示することができる。図8の細い点線は、各プロットの近似直線である。転てつ機保守支援装置1は、各プロットの座標から所定の近似直線算出処理を行って近似直線を算出して表示することとしてもよい。
【0048】
[転てつ機保守支援装置の構成]
図9は、転てつ機保守支援装置1の機能構成の一例を示す図である。図9に示すように、転てつ機保守支援装置1は、機能部として、操作部102と、表示部104と、通信部106と、処理部200と、記憶部300とを備え、一種のコンピュータシステムとして構成される。
【0049】
操作部102は、例えばボタンスイッチやタッチパネル、キーボード等の入力装置で実現され、なされた操作に応じた操作信号を処理部200に出力する。表示部104は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)やタッチパネル等の表示装置で実現され、処理部200からの表示信号に応じた各種表示を行う。通信部106は、有線または無線の通信装置で実現され、通信ネットワークNを介して転てつ機10の端末装置30といった外部装置との通信を行う。
【0050】
処理部200は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の演算装置で実現され、記憶部300に記憶されたプログラムやデータ等に基づいて、転てつ機保守支援装置1を構成する各部への指示やデータ転送を行い、転てつ機保守支援装置1の全体制御を行う。また、処理部200は、本実施形態に係る機能部として、転換負荷データ取得部202と、選択部203と、現状データ取得部204と、閾値設定部206と、異常判定部208と、グラフ表示制御部210と、最大転換負荷検出部212と、最大転換負荷推移表示制御部214と、位置範囲指定部216とを有する。但し、これらの機能部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によってそれぞれ独立した演算回路として構成することも可能である。
【0051】
転換負荷データ取得部202は、動作かんストローク位置毎の転てつ機10の転換負荷のデータである転換負荷データを取得する。また、転換負荷データ取得部202は、1週間や1ヶ月といった保守・監視対象となる所定期間にわたって、転てつ機10の各転換動作に係る転換負荷データを継続的に取得する。
【0052】
すなわち、通信部106を介して、保守対象の転てつ機10(対象転てつ機)に対応する端末装置30から当該転てつ機10のモータ電圧及びモータ電流を取得する。そして、転てつ機10が転換動作を行う度に、取得したモータ電圧及びモータ電流に基づき、各動作かんストローク位置での転換負荷を求めて転換負荷データとする。求めた転換負荷データは、モータ電圧及びモータ電流とともに取得した計測日時と対応付けて、対応する転てつ機管理データ310の計測管理データ314に含めて記憶される。1つの計測管理データ314が1回分の転換動作に係るデータである。
【0053】
選択部203は、転てつ機10の候補別の最大転換力特性の中から、対象転てつ機を特定する特定情報に基づいて、対象転てつ機の最大転換力特性を選択する。すなわち、操作部102を介したユーザ(保守者)の操作入力によって、転てつ機10の製造メーカや形式といった、転てつ機の特定情報を取得する。そして、転てつ機仕様データ320を参照して、入力された特定情報に対応する転てつ機10の最大転換力特性を選択する。
【0054】
図10は、転てつ機仕様データ320の一例を示す図である。図10に示すように、転てつ機仕様データ320は、保守対象の候補となる転てつ機10の種類ごとに、製造メーカ名(ID)や形式等の特定情報と、最大転換力特性のデータである最大転換力特性データと、基準データとを対応付けて格納している。基準データは、例えば保守作業後の当該転てつ機10が正常であるときの当該転てつ機10に関する特性のデータあり、転換力(基準転換力)や転換トルク(基準転換トルク)、クラッチトルク(基準クラッチトルク)等を含む。
【0055】
現状データ取得部204は、対象転てつ機の転換力、転換トルク、又は、クラッチトルクである現状データを取得する。例えば、転換動作の中央期における現状データを取得する。すなわち、対象転てつ機に対応する転てつ機管理データ310に含まれる最新の転換動作に係る計測管理データ314を参照し、転換動作における特定期(例えば、中央期)の動作かんストローク位置でのモータ電圧及びモータ電流から、モータ14の出力である転換力及び転換トルクを算出して取得する。そして、この転換トルク、及び、クラッチ部16の伝達特性から、クラッチ部16の出力であるクラッチトルクを算出して取得する。
【0056】
閾値設定部206は、保守対象の転てつ機である対象転てつ機の動作かんストローク位置毎の最大転換力のデータである最大転換力特性に基づいて、動作かんストローク位置毎の転換負荷の閾値を設定する。例えば、選択部203により選択された最大転換力特性データを、現状データ取得部204により取得された現状データに基づいて補正することで閾値を設定する。
【0057】
具体的には、選択部203により取得された特定情報に対応する転てつ機仕様データ320を参照して、当該特定情報に対応する転てつ機10の基準データを選択する。そして、基準データに対する現状データの比率に応じて、最大転換力特性の波形全体について値を低減するように補正する。たとえば、各動作かんストローク位置での最大転換力をN倍して閾値とする。「N」は1未満の値であり、例えば上式(1)で求めることができる(図4参照)。
【0058】
異常判定部208は、転換負荷データに基づく動作かんストローク位置毎の転換負荷を、対応する閾値と比較して異常有無を判定する。すなわち、対象転てつ機10について、動作かんストローク位置ごとに、転換負荷データ取得部202により取得された転換負荷データにおける転換負荷を、閾値設定部206により設定された閾値と比較する。その結果、例えば、転換負荷が閾値を超えた動作かんストローク位置の数が所定数以上であるといった場合に異常有りと判定する。
【0059】
グラフ表示制御部210は、動作かんストローク位置に対する転換負荷データに基づく転換負荷を、対応する閾値とともにグラフ表示する制御を行う。すなわち、異常判定部208が判定の対象とした転換負荷データ及び閾値を、例えば、横軸を動作かんストローク位置、縦軸を転換負荷としたグラフとして、表示部104に表示させる制御を行う(図5図6参照)。
【0060】
最大転換負荷検出部212は、所定期間における各転換動作について、転換負荷データに基づく動作かんストローク位置毎の転換負荷のうちの最大転換負荷を検出する。また、所定期間における各転換動作について、転換負荷データに基づく動作かんストローク位置毎の転換負荷のうち、位置範囲における最大転換負荷を検出する。
【0061】
すなわち、転てつ機管理データ310に含まれる計測管理データ314から、計測日時が所定期間内である転換動作に係る取得転換負荷データを抽出し、これらの転換動作それぞれについて、対応する転換負荷データに基づき、動作かんストローク位置の所定範囲での転換負荷の最大値(最大転換負荷)を検出する。所定期間は、週や月といった単位で予め定められているとしてもよいし、操作部102を介したユーザ(保守者等)によって任意に設定することとしてもよい。また、所定範囲は、位置範囲指定部216により位置範囲が指定されているならばその指定範囲とし、そうでないならば全体範囲とする(図7参照)。
【0062】
最大転換負荷推移表示制御部214は、所定期間における最大転換負荷の時系列推移を表示する制御を行う。すなわち、最大転換負荷検出部212によって検出された転換動作毎の最大転換負荷を、例えば、横軸を計測日時、縦軸を最大転換負荷としたプロット表示として、表示部104に表示させる制御を行う(図8参照)。
【0063】
位置範囲指定部216は、動作かんストローク位置のうちの所与の位置範囲を指定する。すなわち、例えば、操作部102を介したユーザの操作に従って指定することができる。
【0064】
記憶部300は、ハードディスクやROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶装置で実現され、処理部200が転てつ機保守支援装置1を統合的に制御するためのプログラムやデータ等を記憶している。また、記憶部300は処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムにしたがって実行した演算結果や、操作部102や通信部106を介した入力データ等が一時的に格納される。本実施形態では、記憶部300には、転てつ機10の管理情報である転てつ機管理データ310と、転てつ機仕様データ320とが記憶される。
【0065】
図11は、転てつ機管理データ310の一例を示す図である。図11に示すように、転てつ機管理データ310は、保守対象の転てつ機10毎に生成され、当該転てつ機10の識別情報である転てつ機ID311に対応付けて、製造メーカ名や形式といった種類を特定する特定情報と、計測管理データ314と、閾値管理データ316とを格納している。計測管理データ314は、転てつ機10の転換動作毎に生成され、当該転換動作に係るデータの計測が行われた日時である計測日時と、端末装置30から取得したモータ電圧データ及びモータ電流データと、転換負荷データ取得部202により取得された転換負荷データと、異常判定部208による異常有無の判定結果である判定結果データとを含んでいる。閾値管理データ316は、閾値設定部206による閾値の設定毎に生成され、当該閾値の設定がなされた日時である設定日時と、設定された閾値である設定閾値データと、当該閾値の設定を行ったユーザ(保守者)を示すユーザ識別情報とを含んでいる。
【0066】
[作用効果]
本実施形態によれば、転てつ機10の異常有無の判定に用いる閾値を適切に設定することができる。つまり、異常有無の判定に用いる閾値として、保守対象の転てつ機10の最大転換力特性に基づいて、動作かんストローク位置毎の転換負荷の閾値が設定される。そして、動作かんストローク位置毎の転てつ機10の転換負荷を対応する閾値と比較して、異常有無が判定される。最大転換力特性は、動作かんストローク位置の始期及び終期で大きくその中間では小さいといった放物線形状である。このため、転換動作全体に対して一定の閾値ではなく、最大転換力特性に基づいて動作かんストローク位置毎の閾値を設定することで、転換動作の始期や終期では転換負荷が瞬間的に増加し易いが、そのような場合に異常有りと誤判定してしまうことを防止することができる。
【0067】
[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
【0068】
(A)転てつ機保守支援装置1の適用
上述の実施形態では、転てつ機保守支援装置1は、端末装置30を介して遠隔で使用されるとしたが、端末装置30の機能を含む携帯型の装置として転てつ機保守支援装置1を構成するとしてもよい。この場合、現場に赴く保守者が携帯し、保守対象の転てつ機10に接続した状態で転てつ機10を試験的に転換動作させ、そのときのモータ電流・電圧を取得して、現場で異常の有無を判定することとしてもよい。
【符号の説明】
【0069】
10…転てつ機
14…モータ
16…クラッチ部
20…減速機構部
22…転換鎖錠機構部
30…端末装置
N…通信ネットワーク
1…転てつ機保守支援装置
200…処理部
202…転換負荷データ取得部
203…選択部
204…現状データ取得部
206…閾値設定部
208…異常判定部
210…グラフ表示制御部
212…最大転換負荷検出部
214…最大転換負荷推移表示制御部
216…位置範囲指定部
300…記憶部
310…転てつ機管理データ
320…転てつ機仕様データ
【要約】
【課題】転てつ機の異常有無の判定に用いる閾値を適切に設定することができる新たな技術を提供すること。
【解決手段】転てつ機保守支援装置1は、保守対象の転てつ機10の動作かんストローク位置毎の最大転換力のデータである最大転換力特性データに基づいて、動作かんストローク位置毎の転換負荷の閾値を設定し、動作かんストローク位置毎の転てつ機の転換負荷のデータである転換負荷データを取得し、転換負荷データに基づく動作かんストローク位置毎の転換負荷を、対応する閾値と比較して異常有無を判定する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11