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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/875 20180101AFI20240314BHJP
   F24F 5/00 20060101ALI20240314BHJP
   F24F 11/58 20180101ALI20240314BHJP
   F24F 11/46 20180101ALI20240314BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20240314BHJP
   F24F 110/12 20180101ALN20240314BHJP
【FI】
F24F11/875
F24F5/00 102C
F24F11/58
F24F11/46
F25B1/00 397E
F24F110:12
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022071164
(22)【出願日】2022-04-05
(65)【公開番号】P2023153721
(43)【公開日】2023-10-18
【審査請求日】2022-05-09
(73)【特許権者】
【識別番号】521257640
【氏名又は名称】尊田 浩二
(72)【発明者】
【氏名】尊田 浩二
【審査官】五十嵐 公輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-130357(JP,A)
【文献】特開2003-004321(JP,A)
【文献】特開2010-271000(JP,A)
【文献】実開平05-073428(JP,U)
【文献】特開2012-233620(JP,A)
【文献】特開2020-115062(JP,A)
【文献】特開2002-286310(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00-11/89
F25B 1/00
F25B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍サイクル(1)は、断熱密閉した容器(2)内に、低温熱源から吸熱する熱交換器(5)と、高温熱源へ排熱する熱交換器(4)を備えており、
冷凍サイクル(3・26)は、低温熱源から吸熱する熱交換器(15)と、高温熱源へ排熱する熱交換器(28)と、断熱密閉した容器(2)内に高温熱源へ排熱する熱交換器(11)を備えており、
冷凍サイクル(1)の配管(8)と、冷凍サイクル(3・26)の配管(14・27)は繋がっておらず、別配管になっており、
断熱密閉した容器(2)は冷媒(10)で充満されており、
冷凍サイクル(1)の低温熱源から吸熱する熱交換器(5)と、冷凍サイクル(3・26)の高温熱源へ排熱する熱交換器(11)は、断熱密閉した容器(2)に充満された冷媒(10)を介して熱エネルギーのやりとりを行い、
断熱密閉した容器(2)は、冷媒(10)が十分冷却された後に、冷凍サイクル(1)を完全に停止した後も低温を維持できる構造になっており、
冷凍サイクル(3・26)を停止した状態で、冷凍サイクル(1)のみを単独で動作させることが可能であり、
冷凍サイクル(1)と冷凍サイクル(3・26)を動作させる時間帯を一致させずに、動作する時間帯を自由にずらすことが可能であり、
インターネット上から1日の中で外気の温度が最も低くなる時間帯の情報をインターネットに接続する機能を内蔵した制御回路(21)にて収集し、外気と熱交換器(5)の温度差が最も大きい時間帯で冷凍サイクル(1)を動作させて、冷凍サイクル(1)の熱交換器(5)による熱交換の効率を高めることができ、
室内を冷却しない時間帯、例えば外気の温度が1日の中で最も低いことが多い夜明け前などに、冷凍サイクル(3・26)を停止した状態で、冷凍サイクル(1)のみを単独で動作させることが可能なため、急激に冷却する必要のない断熱密閉した容器(2)の中の冷媒(10)をゆっくり時間をかけて冷却することにより、冷却時の短い時間での急激な消費電力の上昇を抑えることができ、
室内の冷房を行う側の冷凍サイクル(3・26)の圧縮機(12)で、高圧高温になった配管(27)内の冷媒を、外気と熱交換する熱交換器(28)で冷却して温度を下げて、温度が下がった配管(27)内の冷媒を、断熱密閉した容器(2)内に設置されている熱交換器(11)へ送り込むことにより、断熱密閉した容器(2)に充満された冷媒(10)の温度上昇を抑制でき、
配管(27)および配管(14)内の冷媒の冷却は、外気と熱交換する熱交換器(28)に加えて、断熱密閉した容器(2)に充満されあらかじめ低温に保った冷媒(10)を、室内の冷房を行う側の冷凍サイクル(3)の熱交換器(11)の冷却に使うため、冷房を行う室内は急激に冷却されて、冷房が効くまでの時間短縮が可能な空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷媒を用いた冷凍サイクルにて冷房を行う空気調和機の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
室内の冷房を行うために、冷媒を用いた冷凍サイクルの空気調和機を用いている。しかし、これらの空気調和機は、猛暑の時には1日の電力消費量のピークの発生と電力の供給のひっ迫の原因となることが懸念され、外気との熱交換時に発生する排熱によるヒートアイランドの発生も懸念される。また、猛暑の中で外出先から帰ってきたとき、室内の冷房が効くまでの時間短縮も望まれている。
【0003】
対策として、先行技術文献1から5に示される解決方法が提示されている。また、冷房が効くまでの時間短縮を行うため熱交換器で外気へ排熱する熱量を増加させる方法としては圧縮機の能力向上で対処している。
【0004】
しかし、これらの技術で外気側の熱交換器と室内側の熱交換器の間で熱エネルギーのやり取りをするには莫大な電力を消費する。また、室内の冷房が効くまでの時間を短縮させる場合は、圧縮機の能力向上が必要となり、消費電力の増加に繋がる。また、地中と熱量のやりとりをする方法を用いた冷房の方法では地中配管設置工事が大変である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-140444号公報(図1
【文献】特開平5-280818号公報(図1
【文献】特開2001-289465号公報(図1
【文献】特開2003-343936号公報(図1
【文献】特開2018-132213号公報(図1
【非特許文献】
【0006】
【文献】トランジスタ技術2017年11月号、CQ出版社、p.28、IoT無線マイコンクラウド・サービス
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、猛暑の時の電力消費量のピークの発生とそれに伴う電力の供給のひっ迫に対する影響の低減や、排熱によるヒートアイランドの発生を抑制しながら冷房を行うことができ、従来の技術である室内の冷房が効くまでの時間短縮を圧縮機の圧縮能力の向上のみで行う方法では無く、消費電力の増加が少ない空気調和機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
図1に示す発明した冷房を行う空気調和機は、冷凍サイクル(3・26)と、冷凍サイクル(1)を備えており、これらの冷凍サイクル(1・3・26)は冷媒が通っている配管(8・14・27)を備えており、配管(8)と配管(14・27)は繋がっておらず別配管になっている。これらの冷凍サイクル(1・3・26)の内、冷凍サイクル(1)と冷凍サイクル(3・26)はそれぞれ独立して別々に動作する事が出来る。すなわち、これら冷凍サイクル(1)と冷凍サイクル(3・26)を同時に動作させなくてはならないというような制約は全くない。
【0009】
冷凍サイクル(3・26)は、室内の冷房を行う側の冷凍サイクルである。
【0010】
室内の冷房を行う側の冷凍サイクル(3・26)は、室内を冷却する熱交換器(15)と、室内へ冷却された空気を送り込む送風ファン(16)と、HFCなどの冷媒を循環させる配管(14・27)と、圧縮機(12)と、外気と熱交換する熱交換器(28)と、熱交換器(28)を冷却する冷却ファン(29)と、断熱密閉した容器(2)から外気と熱交換する熱交換器(28)へHFCなどの冷媒が逆流するのを防止するための逆流防止弁(30)と、断熱密閉した容器(2)内に設置されている熱交換器(11)と、膨張弁(13)で構成されている。
【0011】
室内の冷房を行う側の冷凍サイクル(3・26)の圧縮機(12)と、膨張弁(13)は膨張弁と圧縮機を格納するBOX(23)内に格納する。
【0012】
冷凍サイクル(1)は、外気へ排熱するのみの冷凍サイクルである。
【0013】
冷凍サイクル(1)は、外気と熱交換する、すなわち、高温熱源へ排熱する熱交換器(4)と、熱交換器(4)を冷却する冷却ファン(9)と、HFCなどの冷媒を循環させる配管(8)と、圧縮機(6)と、膨張弁(7)と、断熱密閉した容器(2)内に設置されている熱交換器(5)で構成されている。
【0014】
室内の冷房を行う側の冷凍サイクル(3・26)は、膨張弁と圧縮機を格納するBOX(23)の中の圧縮機(12)にて、高圧になることにより高温になった配管(27)内で循環させているHFCなどの冷媒を、冷却ファン(29)にて外気と熱交換する、すなわち、高温熱源へ排熱する熱交換器(28)を冷却することで、配管(27)内で循環させているHFCなどの冷媒を冷却する。
【0015】
配管(27)内で循環させているHFCなどの冷媒が、冷凍サイクル(26)から逆流防止弁(30)へ送り込まれる。
【0016】
逆流防止弁(30)へ送り込まれた配管(27)内で循環させているHFCなどの冷媒は、断熱密閉した容器(2)内に設置されている熱交換器(11)へ送り込まれ、断熱密閉した容器(2)に充満された冷媒(10)により熱交換器(11)が冷却され、配管(27)内で循環させているHFCなどの冷媒が冷却される。
【0017】
熱交換器(11)にて冷却された、配管(27)内で循環させているHFCなどの冷媒は、膨張弁と圧縮機を格納するBOX(23)の中の膨張弁(13)で低圧になることにより低温になる。
【0018】
室内の冷房を行う側の冷凍サイクル(3・26)の内、冷凍サイクル(3)は、膨張弁(13)で低圧になり低温になった、配管(14)内で循環させているHFCなどの冷媒が送り込まれる低温熱源から吸熱する熱交換器(15)と、室内へ冷却された空気を送り込む送風ファン(16)により、室内を冷却する。
【0019】
外気へ排熱するのみの冷凍サイクル(1)は、圧縮機(6)にて高圧になることにより高温になった配管(8)内で循環させているHFCなどの冷媒を、冷却ファン(9)にて外気と熱交換する熱交換器(4)を冷却することで、配管(8)内で循環させているHFCなどの冷媒を冷却する。
【0020】
熱交換器(4)にて冷却された、配管(8)内で循環させているHFCなどの冷媒は、膨張弁(7)で低圧になることにより低温になる。
【0021】
膨張弁(7)で、低圧になることにより低温になった配管(8)内で循環させているHFCなどの冷媒は熱交換器(5)に送り込まれ、熱交換器(5)を冷却する。
【0022】
冷却された熱交換器(5)にて、断熱密閉した容器(2)に充満された冷媒(10)を冷却する。
【0023】
外気へ排熱するのみの冷凍サイクル(1)と、室内の冷房を行う側の冷凍サイクル(3・26)の熱エネルギーのやりとりは、断熱密閉した容器(2)に充満された冷媒(10)の対流により、外気へ排熱するのみの冷凍サイクル(1)の熱交換器(5)と、室内の冷房を行う側の冷凍サイクル(3・26)の熱交換器(11)を用いて行う。
【0024】
すなわち、本発明は明細書の段落[0014]で示した冷却方法に加えて、明細書の段落[0012]、[0013]、[0015]、[0016]で示した断熱密閉した容器(2)の冷媒(10)による冷却方法を備えていることを特徴とする。
【0025】
断熱密閉した容器(2)は、冷媒(10)が十分冷却された後に、外気へ排熱するのみの冷凍サイクル(1)を完全に停止した後も、断熱密閉した容器(2)内の冷媒(10)の低温を維持できる構造である。
【0026】
断熱密閉した容器(2)の構造は、容器の壁面となる上面、側面、底面にステンレスなどの金属もしくは強化プラスチックを使用し、容器の壁面は二重構造もしくはそれ以上の多重構造を用いて、容器の壁面の内部に空間を設けるように作製し、二重構造もしくは多重構想の中は真空もしくは発泡スチロールなどの断熱材を用いる。あるいは容器の壁面を二重構造もしくは多重構造内を真空にした上で発泡スチロールなどの断熱材で容器の外側全面をコーティングする。このことにより容器(2)は断熱密閉した容器(2)になる。
【0027】
断熱密閉した容器(2)に冷媒(10)を充満させる。
【0028】
断熱密閉した容器(2)は、ふた付きにして冷媒(10)を充満させても良いし、ふた無しで冷媒(10)を充満させた後、溶接等でふたを溶接し断熱密閉した容器(2)内に冷媒(10)を閉じ込めても良い。
【0029】
断熱密閉した容器(2)に充満させる冷媒(10)は、比熱が高い水H2Oを用いる。なお、冷媒(10)は比熱が高く、人体および断熱密閉した容器(2)に対して悪影響がない流体であれば水H2Oにはこだわらない。すなわち、水H2Oではない他の種類の液体などに替えても良い
【0030】
なお、断熱密閉した容器(2)の寸法は、熱容量の値を大きくできるように可能な限り容積が大きいものが良いが、例として標準的な一般家庭用空気調和機の室外機の上に設置できるような寸法で、横幅W400mm、高さH250mm、奥行きD200mm程度でも良い。ここで示した寸法は一例でありこの数値にはこだわらない。
【0031】
なお、冷凍サイクル(1)と冷凍サイクル(3・26)の熱エネルギーのやりとりは[0015]に示すように、断熱密閉した容器(2)に充満している冷媒(10)の対流を用いて、断熱密閉した容器(2)内の熱交換器(5・11)にて行う。
【0032】
このことにより、室内の冷房を行う冷凍サイクル(3・26)を動作させないで、室内の冷房を行なわない時間帯で、外気へ排熱するのみの冷凍サイクル(1)を単独で動作させて断熱密閉した容器(2)に充満された冷媒(10)をあらかじめ冷却することができる。
【0033】
すなわち、冷凍サイクル(1)と、冷凍サイクル(3・26)を動作させる時間帯を一致させずに、動作する時間帯をずらすことができる。
【0034】
図5に、断熱密閉した容器(2)に充満された冷媒(10)の中にファン(17)を設置し、ファン(17)を熱伝導率が低い樹脂などの材料で作られた回転軸(18)で断熱密閉した容器(2)の外部の発電機(19)と繋げていることを示す。
【0035】
断熱密閉した容器(2)に充満された冷媒(10)中に対流が発生したとき、対流によりファン(17)が回転し、ファン(17)と接続している発電機(19)にて電気エネルギーに変換させることで、流体の運動エネルギーの対流を電気エネルギーとして取り出す。
【0036】
冷媒(10)中の流体の分子において、低温となる熱交換器(5)と接した流体の分子の振動は低温となる熱交換器(5)にて冷却されて減少し冷たくなる。
【0037】
ここで、低温となる熱交換器(5)と接して低温となった流体は、流体の特性として断熱密閉した容器(2)の下側へ移動する。
【0038】
また、高温となる熱交換器(11)と接した流体の分子の振動は増大し熱くなり流体の特性として断熱密閉した容器(2)の上側へ移動する。
【0039】
これら流体の分子の移動により対流が発生する。
【0040】
流体の対流を用いてファン(17)を回転させ、ファン(17)と接続している発電機(19)にて電気エネルギーに変換することにより、流体の対流の運動エネルギーを電気エネルギー
として取り出す。
【0041】
ファン(17)および、ファン(17)と接続している発電機(19)を用いることにより、断熱した容器(2)に充満された冷媒(10)に蓄えられた熱エネルギーを、流体の対流の運動エネルギーを電気エネルギーとして取り出して奪うことでができ、冷媒(10)の自然な温度上昇を低減することができる。なお、発電機(19)は例えば蓄電池や負荷(36)等へ配線接続(37)し、電気エネルギーを電流として取り出す。
【0042】
図2に示す発明した空気調和機において、冷凍サイクル(1)の中の圧縮機(7)、膨張弁(6)、冷却ファン(9)に対して、圧縮機(7)、膨張弁(6)、冷却ファン(9)を駆動する回路を内蔵した制御回路(20)を配線接続(33)し、断熱密閉した容器(2)に取り付けた温度センサ(38)も制御回路(20)と配線接続(33)する。
【0043】
制御回路(20)と、インターネットに接続する機能を内蔵したマイコンを搭載した制御回路(21)は制御通信ケーブル(34)にて接続する。制御通信ケーブル(34)は例えばUSBケーブルやRS422やRS232Cなどである。
【0044】
インターネットに接続する機能を内蔵したマイコンを搭載した制御回路(21)と、インターネット上のクラウドと接続(31)しているアクセス・ポイントあるいはルーターと呼ばれるインターネットの中継器(22)を、例えば無線接続のWi-Fi(32)で接続し、インターネット上のクラウドのサービスの中の気象データから、1日の中で外気の温度が最も低くなる時間帯の情報を収集する。なお、図2では無線接続のWi-Fi(32)で接続しているが、LANケーブルなど有線での接続でもよい。
【0045】
これにより、冷凍サイクル(1)を、1日の中で外気の温度が最も低くなる時間帯で動作するように、インターネットに接続する機能を内蔵したマイコンを搭載した制御回路(21)から、圧縮機(7)を制御する回路、膨張弁(6)を制御する回路、冷却ファン(9)を駆動するインバータ回路を内蔵した制御回路(20)へ指示命令を行う。
【0046】
図3に示す発明した空気調和機において、冷凍サイクル(3・26)の中の送風ファン(16)、冷却ファン(29)および、膨張弁と圧縮機を格納すBOX(23)の中の、圧縮機(13)、膨張弁(12)に対して、送風ファン(16)、冷却ファン(29)および、膨張弁と圧縮機を格納すBOX(23)の中の、圧縮機(13)、膨張弁(12)を制御する回路を内蔵した制御回路(24)が配線接続(36)されてる。
【0047】
図4に、冷凍サイクル(1)の制御回路(20)と、冷凍サイクル(3・26)の制御回路(24)は制御通信ケーブル(25)にて接続されていることを示す。制御通信ケーブル(25)は例えば、制御回路(20)と制御回路(24)のインターフェイスのI/O端子間を接続するケーブルやUSBケーブル、RS422、RS232Cなどである。
【0048】
これにより、外気へ排熱する側の冷凍サイクル(1)と、室内の冷房を行う側の冷凍サイクル冷凍サイクル(3・26)のどちらか一方のみに異常が発生した場合でも、制御通信ケーブル(25)を通じて情報の伝達を行い、外気へ排熱する側の冷凍サイクル(1)と、室内の冷房を行う側の冷凍サイクル(3・26)の両方の動作を停止することが可能になる。
【0049】
また、室内の冷房を行う側の制御回路(24)から、外気へ排熱する側の冷凍サイクル側の制御回路(20)へ、外気へ排熱する側の冷凍サイクル(1)のスタート、ストップについての制御信号を、制御通信ケーブル(25)にて伝達することが可能になる。
【0050】
なお、騒音対策として、室内の冷房を行う側の冷凍サイクル(3・26)の圧縮機(13)と膨張弁(12)を格納するBOX(23)を室外へ設置し、その中へ圧縮機(13)と膨張弁(12)を格納しても良い。
【発明の効果】
【0051】
本発明により、室内を冷却しない時間帯、例えば外気の温度が1日の中で最も低いことが多い夜明け前などに、断熱密閉した容器(2)の冷媒(10)を冷却することが可能となる。
【0052】
外気の温度が最も低いときに、冷凍サイクル(1)の圧縮機(6)で圧縮され高温となった配管(8)内のHFCなどの冷媒の熱を熱交換器(4)と冷却ファン(9)で外気へ排熱するので、外気と配管(8)内のHFCなどの冷媒の温度差が大きくなり、外気と配管(8)内のHFCなどの冷媒の間で交換される熱量が大きくなる。
【0053】
これに対して、従来の空気調和機は、昼間の日中の外気の温度が高い時に、圧縮機(6)で圧縮され高温となった配管(8)内のHFCなどの冷媒を熱交換にて交換するが、外気と圧縮され高温となった配管(8)内のHFCなどの冷媒温度差が少ないときに熱交換することになり、外気と配管(8)内のHFCなどの冷媒で交換される熱量が少なくなる。
【0054】
すなわち、発明した冷房を行う空気調和機は、従来の空気調和機と比較して外気と配管(8)内のHFCなどの冷媒の間で交換される熱量が大きくなるため、冷凍サイクル(1)の圧縮機(6)で消費する電力が少なくて、配管(8)内のHFCなどの冷媒を熱交換器(4)と冷却ファン(9)にて冷却できる。
【0055】
熱交換器(4)と冷却ファン(9)にて冷却された配管(8)内のHFCなどの冷媒は、膨張弁(7)にてより低温化し、断熱密閉した容器(2)の中の熱交換器(5)で冷媒(10)と熱交換し、冷媒(10)を冷却する。
【0056】
なお、室内を冷却しない時間帯、例えば外気の温度が1日の中で最も低いことが多い夜明け前などに、冷凍サイクル(3・26)を停止した状態で、冷凍サイクル(1)のみを単独で動作させることが可能なため、急激に冷却する必要のない断熱密閉した容器(2)の中の冷媒(10)をゆっくり時間をかけて冷却することにより、冷却時の短い時間での急激な消費電力の上昇を抑えることができる。
【0057】
また、断熱密閉した容器(2)の充満された冷媒(10)が例えば10℃になり、充分に冷却された後に、室外機冷凍サイクル(1)の動作を停止しても、自然な状態の冷媒(10)の温度上昇は断熱密閉の容器(2)の中にあるため緩やかなものとなる。
【0058】
本発明では、1日の電力消費量のピークの発生と電力の供給のひっ迫が起こる時間帯において、冷凍サイクル(3・26)を動作させ冷房を行う場合、熱交換器(28)を冷却する冷却ファン(29)にて、外気と熱交換する熱交換器(28)により、HFCなどの冷媒を循環させる配管(27)内のHFCなどの冷媒を冷却することに加えて、断熱密閉した容器(2)に充満されあらかじめ低温に保った冷媒(10)を熱交換器(11)の冷却に使い、HFCなどの冷媒を循環させる配管(27)内のHFCなどの冷媒を冷却するため、冷凍サイクル(3)の圧縮機(12)と冷却ファン(29)および、冷凍サイクル(1)の圧縮機(6)と冷却ファン(9)をフルパワーで動作させる必要が無くなる。
【0059】
本発明により、電力消費量のピークの発生とそれに伴う電力の供給のひっ迫に対する影響が低減され、また、室外機の熱交換器(4)から外気への総排熱量が低減されヒートアイランドの発生を低減することができる。
【0060】
また本発明により、HFCなどの冷媒を循環させる配管(27)および配管(14)内のHFCなどの冷媒を冷却する場合、外気と熱交換する熱交換器(28)に加えて、断熱密閉した容器(2)に充満されあらかじめ低温に保った冷媒(10)を室内の冷房を行う側の冷凍サイクル(3)の熱交換器(11)の冷却に使うため、冷媒(10)を膨張させる膨張弁(13)および、室内の冷房を行う側の熱交換器(15)と室内の冷房を行う側の送風ファン(16)により、冷房を行う室内は急激に冷却され、冷房が効くまでの時間短縮に効果がある。
【0061】
断熱密閉した容器(2)に充満されあらかじめ低温に保った冷媒(10)を用いるため、冷房が効くまでの時間短縮のために、圧縮機(6)および、圧縮機(12)の能力を向上させて熱交換器(4)および熱交換器(28)で外気へ排熱する熱量を増加させる必要がなくなり、冷房が効くまでの時間短縮をするための目的において、圧縮機(6)および、圧縮機(12)の能力向上はあまり重要ではなくなり、圧縮機(6)および、圧縮機(12)の製造コストの低減が可能となる。
【0062】
このことにより、熱交換器(4)、および熱交換器(28)の熱交換能力の向上はあまり重要ではなくなり、熱交換器(4)および、熱交換器(28)の製造コスト低減が期待される。
【0063】
また、従来は室内を冷却するために冷房をスタートさせた時、室外機の圧縮機はフルパワーで動作し、消費電力は急激に上昇するが、発明した冷凍サイクルを使えば、室内の冷房をスタートさせても、あらかじめ冷却された冷媒(10)、例えば10℃まで冷却された冷媒(10)を用いることにより、室内を冷却させる冷凍サイクル(3)の熱交換機(11)は素早く冷却されるため、室外機の冷凍サイクル(1)にて冷媒(10)を冷却するために冷凍サイクル(1)の圧縮機(6)をフルパワーで動作させて冷却する必要が無い。このことより消費電力が急激に上昇することを防ぐことが可能となる。
【0064】
なお、温度センサ(38)で検知する断熱密閉した容器(2)の冷媒(10)の温度が一定温度、例えば25℃以上になれば、冷凍サイクル(1)を動作させ、圧縮機(6)で圧縮され高温となった配管(8)内のHFCなどの冷媒の熱を熱交換器(4)と冷却ファン(9)で外気へ排熱させ、断熱密閉した容器(2)の冷媒(10)を冷却する動作させることも可能である。
【0065】
温度センサ(38)は発泡スチロールなどの断熱材で被覆する。
【0066】
このことにより、例えば断熱密閉した容器(2)の冷媒(10)の温度が40℃となり、外気の温度が30℃になった場合には、断熱密閉した容器(2)の冷媒(10)の温度が外気の温度より高くなり、外気と熱交換する熱交換器(28)にて冷却された配管(27)内の冷媒が、外気の温度より高くなった断熱密閉した容器(2)に充満された冷媒(10)と熱交換する熱交換器(11)により、配管(27)内の冷媒が加熱されることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1】空気調和機の全体構成図
図2】冷凍サイクルの制御回路とインターネットとの接続系統図
図3】冷凍サイクルの制御対象機器と制御回路の接続系統図
図4】独立している冷凍サイクルの制御回路を繋ぐ制御通信ケーブルの接続系統図
図5】断熱密閉した容器に取り付ける発電機と蓄電池の接続系統図
【符号の説明】
【0068】
1 冷凍サイクル
2 断熱密閉した容器
3 冷凍サイクル
4 熱交換器
5 断熱密閉した容器に設置されている熱交換器
6 外気へ排熱する側の圧縮機
7 外気へ排熱する側の膨張弁
8 外気へ排熱する側の配管
9 外気へ排熱する側の冷却ファン
10 断熱密閉した容器の冷媒
11 断熱密閉した容器に設置されている熱交換器
12 室内の冷房を行う側の圧縮機
13 室内の冷房を行う側の膨張弁
14 室内の冷房を行う側の配管
15 室内の冷房を行う側の熱交換器
16 室内の冷房を行う側の送風ファン
17 断熱密閉した容器に設置されたファン
18 断熱密閉した容器に設置されたファンの回転軸
19 断熱密閉した容器の外部に設置された蓄電池や負荷
20 外気へ排熱する側の冷凍サイクル側の制御回路
21 インターネットに接続する機能を内蔵したマイコンを搭載した制御回路
22 インターネットの中継器
23 膨張弁と圧縮機を格納するBOX
24 室内の冷房を行う側の制御回路
25 外気へ排熱する側と室内の冷房を行う側の制御回路を繋ぐ制御通信ケーブル
26 冷凍サイクル
27 外気へ排熱する側の配管
28 熱交換器
29 冷却ファン
30 逆止弁
31 インターネット上のクラウドと接続
32 無線接続のWi-Fi
33 配線接続
34 制御通信ケーブル
35 配線接続
36 蓄電池
37 配線接続
38 温度センサ
図1
図2
図3
図4
図5