(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】コインランドリーにおける操作案内システム
(51)【国際特許分類】
D06F 34/28 20200101AFI20240314BHJP
D06F 95/00 20060101ALI20240314BHJP
G06Q 50/00 20240101ALI20240314BHJP
G06F 3/0481 20220101ALN20240314BHJP
【FI】
D06F34/28
D06F95/00
G06Q50/00
G06F3/0481
(21)【出願番号】P 2020112776
(22)【出願日】2020-06-30
【審査請求日】2023-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】511265305
【氏名又は名称】有限会社ウィンダム
(73)【特許権者】
【識別番号】517164556
【氏名又は名称】株式会社TOSEI
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【氏名又は名称】井上 正則
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(72)【発明者】
【氏名】手塚 伸光
(72)【発明者】
【氏名】郡司 千明
(72)【発明者】
【氏名】野村 雅和
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-287348(JP,A)
【文献】特開2006-099519(JP,A)
【文献】特開2012-048528(JP,A)
【文献】特開2012-053711(JP,A)
【文献】国際公開第2010/131629(WO,A1)
【文献】特開2007-128346(JP,A)
【文献】特開2015-090629(JP,A)
【文献】特開2008-077131(JP,A)
【文献】特開平10-290900(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F34/00-34/34
D06F93/00
D06F95/00
G06Q30/00-50/60
G06F 3/0481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯・乾燥するときのランドリー作業を支援する画像を布団の種類に応じて複数記憶する画像サービス手段と、
コインランドリーの店舗内に設けられ、
前記布団の種類に応じた複数の識別コードの一覧を示す識別コード表の中から、洗濯・乾燥したい布団の種類に応じた1つの識別コードを読み取
る携帯機器と、を備え、
前記携帯機器は、前記読み取った識別コードを前記画像サービス手段に送信して、前記読み取った識別コードに対応する画像を前記画像サービス手段から取得す
ることを特徴とするコインランドリーの操作案内システム。
【請求項2】
前記識別コード表の各識別コードは、前記画像サービス
手段に記憶されている布団の種類に応じて作成された複数の画像に一対一に紐づけされていることを特徴とする請求項1に記載のコインランドリーの操作案内システム。
【請求項3】
前記画像サービス手段は、ネットワークに接続され、又は前記コインランドリーの店舗内に設けられる画像サービスサーバであり、
前記携帯機器は、
内蔵カメラを用いて前記1つの識別コードを読み取り、当該識別コードの電子データを前記画像サービスサーバに送信し、
前記画像サービスサーバから前記1つの識別コードに対応する画像を取得し、前記画像を再生する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコインランドリーの操作案内システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、コインランドリーにおける操作案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
新型コロナウイルスによる感染病の拡大に伴い、国民はウイルスに対して過敏な反応を示すようになってきている。手洗いやマスクの他に、例えば、身の回りの品物に対し頻繁に消毒を実施するようになり、また出来るだけ清潔なもの身に着けるようになってきている。毎日使用する布団についても、雑菌を消毒するために、コインランドリーの大型洗濯乾燥機によって洗濯・乾燥する人が増えてきている。また、布団を洗濯・乾燥して届けるサービス業なども出現している。
【0003】
ところが、コインランドリーの大型洗濯乾燥機および布団乾燥機を用いて布団を洗濯・乾燥する場合、初めての人や不慣れな人が衣類と同じ要領で洗濯乾燥を行うと、型崩れを起こして布団を壊してしまうことがしばしば発生している。このため、コインランドリーでは、洗濯アドバイザーを常駐させて、不慣れな人に対して布団のランドリー作業をアドバイスするなどの対応を行っている。しかしながら、洗濯アドバイザーのアドバイス作業は、殆ど無償での対応であることから、コインランドリーの売り上げにはならない。したがって、洗濯アドバイザーは、利用客に対するサービス向上に繋がっているが、ランドリーを経営するオーナーにとっては余分な経費負担となっている。また、洗濯アドバイザーは、利用者一人一人の対応となるので、一日中対応しても数十人程度しかアドバイスすることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-33823号公報
【文献】国際公開番号WO2019/077649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明が解決しようとする課題は、布団の種類に応じたランドリー作業の画像を利用者に提供することによってセルフランドリーを可能にするコインランドリーにおける操作案内システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のコインランドリーの操作案内システムは、洗濯・乾燥するときのランドリー作業を支援する画像を布団の種類に応じて複数記憶する画像サービス手段と、コインランドリーの店舗内に設けられ、前記布団の種類に応じた複数の識別コードの一覧を示す識別コード表の中から、洗濯・乾燥したい布団の種類に応じた1つの識別コードを読み取る携帯機器と、を備え、前記携帯機器は、前記読み取った識別コードを前記画像サービス手段に送信して、前記読み取った識別コードに対応する画像を前記画像サービス手段から取得することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係るコインランドリーにおける操作案内システムの構成を示す図である。
【
図2】実施形態に係る画像サービスサーバにセルフランドリー作業の画像を登録する処理手順を示す図である。
【
図3】実施形態に係る画像サービスサーバに登録された複数のセルフランドリー作業画像に付与されたQRコードの例を示す図である。
【
図4】実施形態に係るQRコードが貼り付けられた作業テーブルの一例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る作業テーブル室のハードウェアを制御する制御装置の構成を示す図である。
【
図6】実施形態に係るコインランドリーに入店して利用者とコールセンター端末との間でのコミュニケーションを示す図である。
【
図7】実施形態に係るQRコードに対応する画像を画像サービスサーバから読み出して、布団の洗濯・乾燥のセルフランドリー作業する処理手順を示す図である。
【
図8】
図7に続くセルフランドリー作業する処理手順を示す図である。
【
図9】実施形態に係る品質表示タグの一例を示す図である。
【
図10】他の実施形態に係るQRコードに対応する画像を画像サービスサーバから読み出して布団の洗濯・乾燥のセルフランドリー作業する処理手順を示す図である。
【
図11】実施形態に係るモニターにコールセンター端末からのQRコードを表示する例を示す図である。
【
図12】実施形態に係る布団を乾燥だけの作業する処理手順を示す図である。
【
図13】実施形態に係る
図7又は
図10のS390において再生される画像の内容を示した図である。
【
図14】実施形態に係るスマートフォンおよびモニターにコマ画像を同時表示する例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態に係るコインランドリーにおける操作案内システム
について説明する。
図1は、実施形態に係るコインランドリーにおける操作案内システムの構成を示す図である。
図1に示すように、操作案内システム100は、各種の洗濯乾燥機や布団乾燥機等の数十台のランドリー機器が設置されているコインランドリーの店舗200、布団の種類に応じた複数の画像を記憶する画像サービスサーバ(画像サービス手段)300、オペレータが操作するコールセンター端末400、利用者が所有する携帯機器(例えば、スマートフォン500aやタブレット)500等により構成されている。これらの装置、設備はネットワーク600により通信可能に接続されている。ネットワーク600の通信形態は、既存の有線・無線の通信手段であれば特に問わない。また、コールセンター端末400とスマートフォン500a間の通信は、既存の音声&画像&電子メールの送受信が行える通信アプリケーション(例えば、LINE(登録商標))を用いて実現することができる。
【0009】
図2は、画像サービスサーバ300にセルフランドリー作業の画像を登録する処理手順を示す図である。
コインランドリーの店舗200のオーナー又は管理者は、管理端末をネットワーク600に接続する(S100)。そして、その管理端末から「洗える布団」を洗濯・乾燥する場合のランドリー作業手順を示す画像(動画又はコマ送り可能な静止画)を画像サービスサーバ300に送信する(S110)。この画像は、布団の種類に応じて分類され、その分類された種類毎に作成されたものである。新規に販売された布団についても分類され、既存の分類の作業手順に当てはまらなければ新たな画像が作成される。画像サービスサーバ300は、受信した画像を内部のファイル装置に格納する(S120)。画像サービスサーバ300は、受信した画像を読み出すための識別コード(以下では、QRコード(登録商標)を例にして説明するが、バーコード等の他のものであって良い)をそれぞれ生成して(S130)、コインランドリーの店舗200のオーナー又は管理者の管理端末に各QRコードを送信する(S140)。つまり、画像サービスサーバ300に登録された複数のセルフランドリー作業画像と各QRコードとが紐づけされた状態になり、1つのQRコードから対応するセルフランドリー作業画像を画像サービスサーバ300から読み出せるシステムを構築することができる。
【0010】
上記の説明では、S100でオーナー又は管理者の管理端末をネットワーク600に接続するとしたが、
図2のS150に示すように、コールセンター端末400を用いてセルフランドリー作業画像を登録するようにしても良い。また、QRコードを画像サービスサーバ300にて生成するとしたが、オーナー又は管理者の管理端末或いはコールセンター端末400で生成して、画像サービスサーバ300の登録画像と紐づけしてもので良い。QRコードを画像サービスサーバ300側で生成しない場合、S130は各QRコードと画像サービスサーバ300の登録画像との紐づけの処理となる。
【0011】
さらに、画像サービスサーバ300は、
図1に示すようにネットワーク600に接続可能なクラウドサーバとして設置したが、コインランドリーの店舗200内に専用のサーバとして設置するようにしても良い。コインランドリーの店舗200内に専用のサーバを設置する構成とすれば、オーナー又は管理者の管理端末から直接画像を登録することができる。また、QRコードも当該コインランドリーの店舗200の専用となるので、登録画像のセキュリティが確保できる。なお、ネットワーク600に接続される画像サービスサーバ300に登録される画像については、不正アクセスや不正コピーが出来ないようにセキュリティ対策を講じることが望ましい。また、クラウドサーバにセルフランドリー作業登録しておき、その画像を各店舗200内のサーバにダウンロードする方法でも良い。
【0012】
図3は、画像サービスサーバ300に登録された複数のセルフランドリー作業画像毎に付与されたQRコードの例を示す図である。布団は、敷き布団と掛け布団に大別される。さらに、敷き布団は、綿布団と、キルティング有り、キルティング無し、に分類される。例えば、綿布団にはQRコード「QR1」が付与される。キルティング有りのポリエステルには、QRコード「QR2」が付与される。以下、
図3に示すように、それぞれに分類された布団に対しQRコード「QR3」~「QR11」がそれぞれ付与される。オーナー又は管理者の管理端末或いはコールセンター端末400からQRコード表(
図4の表720)を印刷して、コインランドリーの店舗200内の利用者が見える場所に貼り付ける。貼り付けたQRコード表の各QRコードは、画像サービスサーバ300に記憶される布団の種類に応じて作成された複数のセルフランドリー作業画像に一対一に紐づけされているので、所望の画像を読み取ることができる。
【0013】
図4は、コインランドリーの店舗200内に設けられるQRコード表が貼り付けられる作業テーブル室700の一例を示す図である。この作業テーブル室700は、コインランドリーの店舗200の入口付近に設置して、布団の利用者が直ちに使えるようにすることが望ましい。
図4(a)は作業テーブル室700を利用者から見た正面図、
図4(b)はその側面図である。作業テーブル室700は、例えば横幅120cm×縦幅120cm×高さ230cmの大きさを有し、上面の一部を覆う形状を有している。
【0014】
作業テーブル室700には、テーブル710が設けられ、利用者から見える場所にQRコード表720が貼り付けられている。QRコード表720の各QRコードは、読み取り時に隣り合うQRコードが邪魔しないように間隔をもって一列に配置されている。布団が載置されるテーブル710の下側には、計量器730が設けられている。テーブル710の大きさは、例えば横幅80cm×縦幅60cm×厚さ10cmである。テーブル710の高さは、例えば約70cmである。計量器730は、テーブル710に載置した布団の重量を計測する。利用者が搬送した時の布団重量と洗濯・乾燥後の布団重量とを計測することによって、利用者は洗濯・乾燥の効果を布団重量の計測値から実感することができる。また、布団重量に差が無ければ再度の洗濯・乾燥を案内することができる。なお、QRコード表720の貼り付け場所は、利用者がスマートフォン500aで読み取り可能な範囲であれば何処でも構わない。
【0015】
作業テーブル室700には、利用者から見た正面にモニター740が設けられている。モニター740には、入店時の案内情報や、コールセンター端末400への連絡情報(電話番号又はQRコードのアドレス情報等)が表示される。また、モニター740には、セルフランドリー作業を支援する再生画像、QRコードの表示等にも利用しても良い。また、作業テーブル室700の上部には、テーブル710に載置した布団を撮影するWebカメラ750が設けられている。Webカメラ750は、ネットワーク600を介してコールセンター端末300から制御可能であり、撮影した布団の撮影画像はコールセンター端末300に送信することができる。また、作業テーブル室700のテーブル710の付近に、洗濯・乾燥後の布団を保存袋に真空保存するために、バキューム設備などを設けても良い。
【0016】
図5は、作業テーブル室700のハードウェアを制御する制御装置の構成を示す図である。制御装置は、
図4に示した計量器730、モニター740、Webカメラ750がプロセッサ770(処理手段)に接続される。プロセッサ770は、CPU、メモリおよび通信部等を有して、接続デバイスを制御する。例えば、プロセッサ770は、計量器730で計測した布団重量の測定値をモニター740に表示することができる。また、メモリに記憶している案内情報等をモニター740に表示することができる。また、通信部を介してコールサービス端末400から送信された指令を受けてWebカメラ750を操作することができる。さらに、コールサービス端末400或いは画像サービスサーバ300から送信された情報および画像をモニター740に表示することができる。さらにまた、Webカメラ750によって撮影した布団の画像をコールセンター端末400に送信することができる。
【0017】
次に、
図6乃至
図12を参照して、操作案内システム100の動作を説明する。
図6は、コインランドリーの店舗200に入店した利用者のスマートフォン500aとコールセンター端末400との間でのコミュニケーションを示す図である。初めての利用者がコインランドリーの店舗200に入店して布団の洗濯乾燥を行う場合、どのように作業して良いか分からず不安である。そこで、店舗200の入口付近に設けた布団用の作業テーブル室700に導くように床案内を施すと良い。そして、作業テーブル室700のテーブル710に布団を載置すると(S200)、計量器730によって布団の重量が計測される(S205)。計測値K1は、プロセッサ770の制御によりモニター740に表示、および又はプリンタ(不図示)によって印刷される。作業テーブル700室のモニター740には、プロセッサ770の制御によりセルフランドリー作業を実施するための手順を示す案内が表示される(S210)。その案内に従い利用者は、所有する携帯機器(スマートフォン又はタブレット又はガラケイ等)からコールセンター端末400に連絡を行う(S220)。
【0018】
コールセンター端末400のオペレータは、利用者からの呼び出しに応答して、「スマートフォンを使ってセルフランドリーが出来るか?」を確認する(S230)。利用者が出来ると判断すると、
図7の処理手順に移行する(S230のYes)。一方、利用者がスマートフォンを使えない場合、利用者とオペレータとの間で音声によるコミュニケーションを継続して、操作手順を順次サポートして案内する(S240)。利用者は、サポート案内に従ってコインランドーの店舗200内のランドリー機器を使用してランドリー作業(洗濯・乾燥)を処理する。作業中不明な点があれば、随時コールセンター端末400のオペレータにアドバイスを受けて作業を進める(S250)。
【0019】
図7は、QRコードに対応する画像を画像サービスサーバ300から読み出して、布団の洗濯・乾燥のセルフランドリー作業する処理手順を示す図である。
図8は、
図7に続くセルフランドリー作業の処理手順を示す図である。
図9は、品質表示タグ800の一例を示す図である。
図6のS230で、セルフランドリーが出来ると判断すると、
図7のS300に移行し、利用者は洗濯対象の布団に品質表示タグ800が有るか否か判断する。布団の品質表示タグ800がある場合(S300のYes)、利用者はスマートフォン500aの内蔵カメラを用いて当該品質表示タグを撮影し、その画像をコールセンター端末400に送信する(S310)。なお、品質表示タグ800をWebカメラ750で撮影しても構わない。一方、品質表示タグが見つからない(又は無い)場合(S300のNo)、スマートフォン500aの内蔵カメラ又は作業テーブル室700のWebカメラ750を用いて撮影した当該布団の画像をコールセンター端末400に送信する(S320)。Webカメラ750を用いると、解像度の高い画像をオペレータに提供できる。スマートフォン500aの内蔵カメラでの撮影の場合は、カメラを移動(必要に応じてオペレータの指示に従い)しならが布団を撮影する必要がある。
【0020】
ここまでは、初心者を対象に作業支援を行って来たが、過去に布団の洗濯乾燥を行った経験者であれば、
図6の手順の一部を省略することができる。すなわち、経験者は、例えば自宅からコールセンター端末400にアクセスして(
図6のS220)、スマートフォン500aの内蔵カメラを用いて撮影した洗濯対象の布団の品質表示タグ800の画像をコールセンター端末400に送信すれば良い(
図7のS310)。これにより、「洗える布団」であるか否かを自宅に居ながら問合せ/確認ができるので、作業がよりスムーズに行える。
【0021】
更に、毎年定期的に布団の洗濯・乾燥を実施している上級経験者であれば、コールセンター端末400と間のコミュニケーションを全て省き、
図7のS360から処理を開始しても構わない。すなわち、過去の経験からどのQRコードを読み取れば良いか分かっているので、スマートフォン500aの内蔵カメラを用いて、過去の記憶に従い1つのQRコードを読み取って、画像サービスサーバ300から対応する画像を取得して、その再生画像を見ながらセルフランドリー作業を進めれば良い。
【0022】
コールセンター端末400は、利用者から送信された品質表示タグ800又は布団の画像を受信する(S330)。コールセンター端末400には、熟練したオペレータが待機している。当該オペレータは、コインランドリーに十年以上勤務して、布団を含む数多くの洗濯物のランドリー作業をアドバイスしてきた上級アドバイザーである。コールセンター端末400のオペレータは、受信した画像から「洗える布団」であるか否かを瞬時に判断することができる。もしも、「洗える布団」ではないと判断すると(S340のNo)、後述する
図12の処理に移行する。
【0023】
「洗える布団」であると判断すると(S340のYes)、当該布団の種類に応じた1つのQRコード番号をコールセンター端末400からスマートフォン500aに通知する。例えば、綿布団の敷き布団であると判断した場合、QRコード番号の「QR1」をスマートフォン500aに通知(メール又は音声)する(S350)。
【0024】
利用者は、受信したQRコード番号に従い、スマートフォン500aの内蔵カメラを用いて
図4のQRコード表720から当該番号に一致するQRコードを撮影して(S360)、QRコードを読み取る(S370)。例えば、綿の掛け布団と判断して「QR1」の連絡を受信した場合、QRコード表720から当該「QR1」のQRコードを撮影して読み取る。
【0025】
スマートフォン500aが読み取ったQRコードの電子データは、ネットワーク600を介して画像サービスサーバ300に送信される。画像サービスサーバ300は、QRコードの電子データに基づく読み出し要求に応答して対応するセルフランドリー作業画像を読み出し(S380)、スマートフォン500aに送信する。スマートフォン500aはその画像を受信して再生する(S390)。
【0026】
利用者は、スマートフォン500aの再生画像を見ながらコインランドリーの店舗200のランドリー機器を操作して洗濯・乾燥を実行する(S400)。引き続き
図8に移行し、ランドリー作業中に不明点が発生すれば、適宜コールセンター端末400へ問合せを行う(S405)。そして、洗濯が終了したならば(S410のYes)、布団乾燥機(使用中であれば洗濯乾燥機)での布団乾燥を行う(S415)。そして、布団乾燥が終了すると(S420のYes)、作業テーブル室700の計測器730にて乾燥後の布団重量を計測する(S425)。計測値K2は、プロセッサ770の制御によりモニター740に表示、および又はプリンタ(不図示)によって印刷する。プロセッサ770は、乾燥後の布団重量K2が洗濯・乾燥前の布団重量K1より十分小さいと評価できる場合(S430のYes)、作業完了を案内する。そして利用者は、コインランドリーの店舗200からのサービス提供を希望する場合は、必要な個人情報をコールセンター端末400に登録して終了し(S435)、希望がなければそのまま作業を終了する。一方、プロセッサ770は、乾燥後の布団重量K2と洗濯・乾燥前の布団重量K1との差があまりない判断(乾燥が不十分と判断)する場合(S430のNo)、モニター740に「再度の乾燥案内」を表示して、使用者に通知する(S440)。
【0027】
図10は、他の実施形態におけるQRコードに対応するセルフランドリー作業画像を画像サービスサーバ300から読み出して布団の洗濯・乾燥のセルフランドリー作業する処理手順を示す図である。
図7では、S350においてコールセンター端末400からスマートフォン500aに向けてQRコード番号(例えば、「QR1」)を通知するとした。
図10では、コールセンター端末400から作業テーブル室700のモニター740に直接該当するQRコード「QR1」を送信し(S450)、モニター740においてそのQRコード表示する構成とした(S460)。即ち、スマートフォン500aとコールセンター端末400とのコミュニケーションにおいて、コインランドリーの店舗(200)の情報を含めておけば、どの店舗200との交信であることが分かる。よって、コールセンター端末400から当該店舗200のモニター740に対し1つのQRコードを送信することができる。
【0028】
図11は、作業テーブル室700のモニター740にコールセンター端末400から送信された1つのQRコードを表示する例を示している。そして、モニター740に表示されたQRコード900をスマートフォン500aの内蔵カメラを用いて撮影して、読み取るように構成している。上級経験者においては、コールセンター端末400とのコミュニケーションによって該当するQRコードをモニター740に表示するように要求すれば良い。なお、
図10における上記以外の処理は、
図7の処理と同じであるのでその説明は省略する。
図11のように、モニター740にコールセンター端末400から送信されるQRコード900を表示するようにすれば、QRコード表720を作業テーブル室700に貼り付け必要がない。また、QRコードの更新に対しても容易に対処できる。さらに、モニター740には、1つのQRコードしか表示されないので、スマートフォン500aによる読み取り操作も簡単に行え、間違って他のQRコードを読み取ることもない。
【0029】
図12は、
図7のS340において、コールセンター端末400のオペレータが「洗える布団」ではないと判断した場合の処理手順を示す図である。「洗える布団」ではない場合、コールセンター端末400のオペレータは乾燥だけの処理であっても、ふっくらとした布団に仕上げることを紹介する。オペレータは、同意を得られた利用者のスマートフォン500aに乾燥のみの操作を案内(メール又は音声)する(S500)。利用者は、スマートフォン500aから乾燥のみの操作案内を受信すると(S510)、その案内に従い布団乾燥機又は洗濯乾燥機の乾燥機能を操作して布団を乾燥する(S520)。乾燥作業中に不明点が発生すれば、適宜コールセンター端末400と問合せを行う(S530)。乾燥作業を終えると、コインランドリーの店舗200からのサービス提供を希望する場合は、必要な個人情報のコールセンター端末400に登録して(S540)、作業終了する。したがって、「洗える布団」ではない場合でも、オペレータの指導に基づき布団乾燥を行うことで、ふっくらとした布団に仕上げることができる。なお、乾燥だけの処理であっても、
図6のS200、
図8のS425,S430を実行して、布団乾燥が十分か否かの確認を行うと良い。
【0030】
図13は、
図7又は
図10のS390において再生されるセルフランドリー作業画像の一例を図示したものである。画像サービスサーバ300に登録されるセルフランドリー作業画像は、布団を洗濯・乾燥する過程の動画でも良く、ポイント/ポイントのコマ画像を連ねたものでも良い。
図13では、特に布団巻きネットの使用方法や布団乾燥機の使用方法についてのコマ画像を時系列的に示したものである。洗濯時の洗剤や洗濯時間、すすぎ時間、すすぎ回数、乾燥時間などは、
図3に示した布団の種類によって設定される。
(1)作業テーブルに布団を載置し、品質表示タグを撮影する画像
(2)布団巻きネットに布団をセットする手順の画像
(3)布団の大きさに応じた洗濯乾燥機の案内画像
(4)洗濯乾燥機に布団を納める作業の画像
(5)洗濯後の布団画像
(6)布団乾燥機への案内画像
(7)布団乾燥機のセットする手順の画像
(8)乾燥開始画像
【0031】
ここで、セルフランドリー作業画像の違いを、敷き布団の「綿布団」と掛布団の「羽毛布団」を例に説明する。
例えば、敷き布団の「綿布団」では、「布団巻きネット」で綿布団を巻く画像、巻き終わった後に5本のバンドを巻く画像、大型機又は中型機(布団のサイズに応じて選択)のコイン式洗濯乾燥機を用いてネットに包んだ布団を洗濯する画像、乾燥機として「敷き布団専用ガス乾燥機(例えばTOSEI社製FDG-100C)」を使用して乾燥する画像を含むセルフランドリー作業画像が画像サービスサーバ300に登録される。
一方、掛布団の「羽毛布団」では、大型機又は中型機(布団のサイズに応じて選択)のコイン式洗濯乾燥機を用いてそのまま洗濯する画像、大型機又は中型機のコイン式乾燥機を使用して乾燥する画像を含むセルフランドリー作業画像が画像サービスサーバ300に登録される。
【0032】
図14は、スマートフォン500aおよびモニター740にコマ画像を同時表示させて一例を示す図である。これは、画像サービスサーバ300から、スマートフォン500aと、制御装置のプロセッサ770に同じ画像を送信することで実現できる。画像サービスサーバ300は、スマートフォン500aから送信されたQRコードに店舗(200)の識別情報が含まれていれば、当該店舗200のプロセッサ770に向けて、スマートフォン500aと同じ画像を送信することができる。プロセッサ770は、受信したセルフランドリー作業画像をモニター740に表示する。また、プロセッサ770は、スマートフォン500aと通信して画像のスクロール操作を実施できるように構成する。例えば、スマートフォン500a側の画面フィンガー操作(左又は右に指を動かす動作)に応じて、スマートフォン500aとモニター740の両方の画像がページ捲りのように表示するように制御する。このようにすれば、手に持ったスマートフォン500aでセルフランドリー作業画像を見ることもできるし、モニター740の大きな画面にてランドリー作業を確認できるので、利用者に対する利便性を更に向上することができる。
【0033】
以上の説明したように、実施形態に係るコインランドリーの作業案内システムによれば、布団の種類に応じたランドリー作業の画像を利用者に提供することができるので、その画像を基に、素人であっても難しい布団をセルフランドリーすることができる。その結果、コインランドリーに洗濯アドバイザーを配置する必要がなくなる。また、自宅から「洗える布団」であるか否かの問い合わせができるので、作業効率がよい。さらに、オペレータから通知されるQRコード又はその番号に従って、QRコードを読み取ることの操作だけで、洗濯対象の布団に応じたランドリー作業画面を容易に取得することができる。
【0034】
このように、実施形態のコインランドリーの作業案内システム100は、洗濯・乾燥するときのランドリー作業を支援する画像を布団の種類に応じて複数記憶する画像サービス手段300と、コインランドリーの店舗200内に設けられ識別コード表720の中から、洗濯・乾燥したい布団の種類に応じた1つの識別コードを読み取り、その識別コードに対応する画像を画像サービス手段300から取得する携帯機器500と、を具備するので、布団の種類に応じたランドリー作業の画像を利用者に容易に提供することができる。
【0035】
実施形態のコインランドリーの作業案内システム100は、識別コード表720の各識別コードは、画像サービスサーバ300に記憶されている布団の種類に応じて作成された複数の画像に一対一に紐づけされているので、識別コードの読み取りだけで洗濯対象の布団に応じたランドリー作業画面を取得することができる。
【0036】
実施形態のコインランドリーの作業案内システム100は、画像サービス手段は、ネットワーク600に接続され、又はコインランドリーの店舗200内に設けられる画像サービスサーバ300であり、携帯機器500に備えるカメラを用いて1つの識別コードを読み取り、当該識別コードの電子データを画像サービスサーバ300に送信し、携帯機器500は、画像サービスサーバから1つの識別コードに対応する画像を取得し、その画像を再生するので、利用者の所有する携帯機器500を用いて洗濯対象の布団に応じたランドリー作業画面を容易に取得することができる。
【0037】
実施形態のコインランドリーの作業案内システム100は、布団の洗濯・乾燥を支援するオペレータが操作するコールセンター端末400を更に備え、携帯機器500に備えるカメラを用いて撮影された洗濯・乾燥したい布団の品質表示タグ800の画像をコールセンター端末400に送信して、1つの識別コードの選択するための支援が得られるので、コールセンター端末400のオペレータによる的確なアドバイスを基に作業を進めることができる。
【0038】
実施形態のコインランドリーの作業案内システム100は、品質表示タグ800がない場合、携帯機器500に備えるカメラを用いて撮影された洗濯・乾燥したい布団の画像をコールセンター端末400に送信して、1つの識別コードの選択するための支援が得られるので、コールセンター端末400のオペレータによる的確なアドバイスを基に作業を進めることができる。
【0039】
実施形態のコインランドリーの作業案内システム100は、布団の洗濯・乾燥を支援するオペレータが操作するコールセンター端末400と、コインランドリーの店舗200内に設けられた第2カメラ750と、を更に備え、洗濯・乾燥したい布団の品質表示タグ800がない場合、第2カメラ750を用いて撮影された洗濯・乾燥したい布団の画像をコールセンター端末400に送信して、1つの識別コードの選択するための支援が得られるので、コールセンター端末400のオペレータによる的確なアドバイスを基に作業を進めることができる。
【0040】
実施形態のコインランドリーの作業案内システム100は、洗濯・乾燥するときのランドリー作業を支援する画像を布団の種類に応じて複数記憶する画像サービスサーバ300と、洗濯・乾燥したい布団の種類に応じた画像を画像サービス手段300から取得する携帯機器500と、布団の洗濯・乾燥を支援するオペレータが操作するコールセンター端末400と、コインランドリーの店舗200内に設けられたモニター740と、を備え、携帯機器500は、布団判別のリクエストに応じてコールセンター端末400からモニター740に表示された識別コード900を読み取り、携帯機器500は、読み取った識別コード900に対応する画像を画像サービスサーバ300に取得要求するので、識別コード900の読み取りだけで洗濯対象の布団に応じたランドリー作業画面を取得することができる。
【0041】
実施形態のコインランドリーの作業案内システム100は、布団判別のリクエストは、洗濯・乾燥したい布団の画像又は当該布団に取り付けられる品質表示タグ800の画像をコールセンター端末400に送信することにより実施されるので、コールセンター端末400のオペレータによる的確なアドバイスを基に作業を進めることができる。
【0042】
実施形態のコインランドリーの作業案内システム100は、画像サービスサーバ300から取得した識別コードに対応する画像を携帯機器500又はモニター750にて再生するので、識別コードの読み取りだけで洗濯対象の布団に応じたランドリー作業画面を容易に取得することができる。
【0043】
実施形態のコインランドリーの作業案内システム100は、コインランドリーの店舗200内に設けられ、布団重量を計測する計測器730と、計測器730によって乾燥前の布団重量と乾燥後の布団重量とを比較して案内する処理手段770と、を更に有するので、布団の重量を測定することで布団乾燥が十分であるか否かがアナウンスされる。
【0044】
実施形態のコインランドリーの作業案内システム100は、処理手段770は、乾燥前の布団重量と乾燥後の布団重量との差が小さいと判断した場合は、布団乾燥を再度案内するので、布団乾燥が不十分ある場合は、再度の布団乾燥がアナウンスされる。
【0045】
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
100…コインランドリーにおける操作案内システム、
200…コインランドリーの店舗、 300…画像サービスサーバ、
400…コールセンター端末、 500…携帯機器、 500a…スマートフォン、
600…ネットワーク、 700…作業テーブル室、 710…テーブル、
720…QRコード表、 730…計量器、 740…モニター、
750…Webカメラ、 770…プロセッサ、 800…品質表示タグ