(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】マイクロ波増幅器
(51)【国際特許分類】
H03F 3/60 20060101AFI20240314BHJP
A61B 18/18 20060101ALI20240314BHJP
H03F 1/02 20060101ALI20240314BHJP
H03F 3/217 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
H03F3/60
A61B18/18 100
H03F1/02
H03F3/217 160
(21)【出願番号】P 2020537688
(86)(22)【出願日】2019-04-26
(86)【国際出願番号】 EP2019060720
(87)【国際公開番号】W WO2019207098
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2022-04-12
(32)【優先日】2018-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】512008495
【氏名又は名称】クレオ・メディカル・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CREO MEDICAL LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハンコック,クリストファー・ポール
(72)【発明者】
【氏名】ダフ,クリストファー
【審査官】及川 尚人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/215972(WO,A1)
【文献】特開平06-204764(JP,A)
【文献】特開2013-009031(JP,A)
【文献】特開2009-065637(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104953963(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2008-0107059(KR,A)
【文献】Adam Raemer et al.,”Software optimization of a supply modulated GaN-amplifier for baseband access ET systems”,2012 The 7th German Microwave Conference,米国,IEEE,2012年04月19日,p.1-4
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F 1/00-3/72
A61B 18/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気外科手術を行うための電気外科装置であって、前記装置は、
第1の電力のマイクロ波電磁(EM)放射を生成するように構成されたマイクロ波源と、
生体組織を治療するために
、第2の電力の前記マイクロ波EM放射をその遠位端から送達するように構成されたプローブと、
前記プローブに搭載された、マイクロ波増幅器であって、前記マイクロ波EM放射を、前記第1の電力から、前記第1の電力より高い
前記第2の電力に増幅するように構成された前記マイクロ波増幅器と、
前記マイクロ
波源から前記マイクロ波増幅器及び前記プローブに、マイクロ波EMエネルギーを搬送する給電構造と、を備え、
前記プローブは、前記給電構造の前記遠位端に配置され、
前記マイクロ波増幅器は、
増幅マイクロ波信号をその出力で提供するように構成されたトランジスタと、
前記増幅マイクロ波信号の波形を整形するために、前記出力に接続された負荷ネットワークと、を備え、
前記負荷ネットワークは、
前記増幅マイクロ波信号の基本周波数でインピーダンス整合を提供するように調整可能な基本波整合ネットワークと、
前記出力と前記基本波整合ネットワークとの間に配置された、前記増幅マイクロ波信号の第2次高調波周波数の1/2波長伝送線路と、
第3次高調波周波数で開回路状態を提供するために前記1/2波長伝送線路に配置された、前記増幅マイクロ波信号の前記第3次高調波周波数の1/4波長スタブ及び5/4波長スタブと、
前記第2次高調波周波数で短絡回路状態を提供するために前記1/2波長伝送線路に配置された、前記第2次高調波周波数の1/4波長スタブ及び前記基本周波数の1/4波長スタブと、を備える、前記電気外科装置。
【請求項2】
前記第3次高調波周波数の前記1/4波長スタブ及び前記5/4波長スタブは、前記トランジスタの電流源面から、前記1/2波長伝送線路に沿って、前記第3次高調波周波数の1/4波長に等しい距離で、互いに対向するように配置される、請求項1に記載の電気外科装置。
【請求項3】
前記第2次高調波周波数の前記1/4波長スタブ及び前記基本周波数の前記1/4波長スタブは、前記1/2波長伝送線路の出力において、互いに対向するように配置される、請求項1または請求項2に記載の電気外科装置。
【請求項4】
前記基本周波数の前記1/4波長スタブを介して、バイアス電圧が前記トランジスタに印加される、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の電気外科装置。
【請求項5】
バイアス電圧入力と、前記基本周波数の前記1/4波長スタブとの間に配置されたコンデンサをさらに備える、請求項4に記載の電気外科装置。
【請求項6】
前記第2次高調波周波数の前記1/2波長伝送線路は、前記第3次高調波周波数の1/4波長伝送線路を備え、前記第3次高調波周波数の前記1/4波長スタブ及び前記5/4波長スタブは、前記第3次高調波周波数の前記1/4波長伝送線路の出力において、互いに対向するように配置される、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の電気外科装置。
【請求項7】
前記トランジスタは、GaN系HEMTである、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の電気外科装置。
【請求項8】
前記マイクロ波信号発生器に直流(DC)エネルギーを供給する直流(DC)電源であって、前記直流(DC)電源は前記プローブに一体化される、前記直流(DC)電源をさらに備える、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の電気外科装置。
【請求項9】
前記マイクロ波信号発生器は、前記プローブに搭載される、請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の電気外科装置。
【請求項10】
前記装置はさらに、本体及び器具コードを有するスコーピングデバイスを備え、
前記器具コードを通して器具チャネルが延在し、
前記器具チャネルを通して前記プローブを挿入可能である、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の電気外科装置。
【請求項11】
前記装置はさらに、可撓性シャフトを介して前記プローブに接続されたハンドルを備える、請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の電気外科装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波増幅器に関する。本発明は、特に、生体組織をマイクロ波エネルギーで治療するために電気外科デバイスと共に使用するマイクロ波増幅器構成に関する。
【背景技術】
【0002】
電気外科による生体組織の治療においてマイクロ波エネルギーが使用されることは、よく知られている。しかし、マイクロ波エネルギーを厳密に制御して送達することは、マイクロ波源と、治療対象の生物組織に接触しているアプリケータ構造との間における損失効果が主因となって、依然として困難である。これらの影響は、内視鏡などの外科用スコーピングデバイスを使用する最小侵襲処置において、特に問題となり得る。外科用スコーピングデバイスは通常、器具コードが伸び出る本体を備える。器具コードの長さにわたって延びる管腔である器具チャネルを通して、アプリケータ構造が患者の体内に挿入される。従って、マイクロ波エネルギーをアプリケータに送達するには、器具コードを通してこのエネルギーを伝送する必要がある。
【0003】
生物組織を治療することを可能にするためには、アプリケータにより大量のエネルギーを送達する必要がある。つまり、器具コードを介して高電力信号を伝送する必要がある。しかし、高電力信号の伝送は大きな損失を生じ、これは、身体に悪影響を与え得る望ましくない管腔内加熱を引き起こし得る。これらの課題を克服するには、通常、器具コードを介してより低電力の信号を伝送する必要があるが、これは治療時間が長くなる。治療時間が長くなると、患者の快適度は低下し、手術後の回復時間も長くなり得る。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、最も一般的に、低電力マイクロ波周波数信号のより効率的な増幅を提供する負荷ネットワークを有するマイクロ波増幅器に関する。本発明のマイクロ波増幅器は、例えば除去、切除、凝固などの生体組織の治療用の電気外科装置と共に使用するのに、特に適している。
【0005】
本発明による出力負荷ネットワークにより効率は向上し、これにより、マイクロ波増幅器及び/またはマイクロ波発生器は、組織にエネルギーを送達するために、DC電源とマイクロ波アプリケータ構造との間のいずれの箇所にでも配置することが可能となる。より小型でより効率的な増幅器は、より低い電力を要し、冷却の必要性も低減される。例えば、いくつかの実施形態では、増幅器及び/またはマイクロ波発生器は、電気外科装置のハンドルに、またはアプリケータ構造自体の中に、組み込まれ得る。本発明により、電気外科装置と共に使用する携帯型発生器ユニットの製造も可能となる。
【0006】
本発明の第1の態様によれば、基本周波数の電磁(EM)信号を増幅するマイクロ波増幅器が提供され、マイクロ波増幅器は、増幅マイクロ波信号をその出力で提供するように構成されたトランジスタと、トランジスタ電流源面で増幅マイクロ波信号の波形を整形するために、出力に接続された負荷ネットワークと、を備え、負荷ネットワークは、基本周波数でインピーダンス整合を提供するように調整可能な基本波整合ネットワークと、出力と基本波整合ネットワークとの間に配置された、増幅マイクロ波信号の第2次高調波周波数の1/2波長伝送線路と、第3次高調波周波数で開回路状態を提供するために1/2波長伝送線路に配置された、増幅マイクロ波信号の第3次高調波周波数の1/4波長スタブ及び5/4波長スタブと、第2次高調波周波数で短絡回路状態を提供するために1/2波長伝送線路に配置された、第2次高調波周波数の1/4波長スタブ及び基本周波数の1/4波長スタブと、を備える。例えば、増幅器は、集積回路ベースの増幅器であり得る。
【0007】
この構成では、基本波整合ネットワークは、負荷ネットワークの残りの部分により提供される波形整形効果とは独立して作動し得る。言い換えると、波形整形効果を提供するスタブは、本発明では、基本波整合ネットワークが整合する基本周波数へのいかなる影響も、打ち消すまたは抑制するように構成される。これにより、例えばトランジスタへの接続の前に、基本波整合ネットワークを事前に構成することが可能となり得る。増幅器を組み立てる際、スタブを好適に配置することにより、基本波整合ネットワークが提供する基本周波数でのインピーダンス整合に影響を与えることなく、負荷ネットワークを最適化して(例えば調整して)必要な波形整形効果を達成することができる。
【0008】
この独立性は、特に第3次高調波周波数の5/4波長スタブを使用することにより達成される。このスタブは、基本波と第2次高調波との整合に対する第3次高調波周波数の1/4波長スタブの影響を取り除く。
【0009】
増幅器トランジスタは通常、個別の構成要素としてではなくパッケージの一部として提供されるため、独立した調整は、特に有用である。負荷ネットワークの調整は、パッケージの特性に大きく依存し得るが、これらの特性が製造業者またはサプライヤにより提供されることは、ほとんどない。その結果、多くの場合、特定のトランジスタパッケージの負荷ネットワークを調整する必要がある。本発明では、基本周波数での負荷ネットワークのインピーダンス整合に影響を与えることなく、負荷ネットワークの調整を行うことができ、これにより、トランジスタパッケージの詳細な特性が分かる前に、負荷及び整合ネットワークを部分的に設計及び調整することが可能となる。さらに、トランジスタ情報がないために、増幅器の安定性に対する高調波調整ネットワーク、すなわち負荷ネットワークの波形整形部分の可能性のある影響が分からない場合、パッケージの特性が分かる前に、低効率級の増幅器(例えばB級)を設計及び構築してもよく、低減導通角モードのF級などの高効率増幅器を製造し、トランジスタパッケージを配置して実験的に「ベンチテスト」で試験してもよい。
【0010】
本発明の増幅器は、F級マイクロ波増幅器である。開回路終端で奇数次高調波を終端し、短絡回路終端で偶数次高調波を終端することにより、トランジスタ電流源面または出力における方形波電圧波形及び半正弦波電流波形で、高い増幅器効率が達成される。特に、本発明は、負荷ネットワークにおいて基本周波数の第3次までの高調波のみを考慮しながら、少なくとも80%の高効率を提供することが分かっている。後述されるように、電気外科装置のマイクロ波発生器ラインナップで使用するには、このレベルの効率で十分である。いくつかの実施形態では、負荷ネットワークは、より高い効率を達成するために、高次高調波周波数の追加終端を備え得る。理論的には、十分な数の高次高調波が負荷ネットワークにより終端される場合、100%に近い効率が達成され得る。
【0011】
第3次高調波周波数の1/4波長スタブ及び5/4波長スタブは、1/2波長伝送線路に沿って、第3次高調波周波数のトランジスタ電流源面から1/4波長に等しい距離で、互いに対向するように配置されることが好ましい。これにより、第3次高調波周波数の適切な開回路終端が確保される。基本波整合ネットワークとは独立して負荷ネットワークを調整する能力により、真性トランジスタの電流源面とパッケージ外部面との間の未知の電気長、すなわち、トランジスタ出力と、トランジスタが中に設けられているパッケージの出力との間の電気距離が、構成される。いくつかの実施形態では、第2次高調波周波数の1/2波長伝送線路は、第3次高調波周波数の1/4波長伝送線路(内部パッケージのドレイン接続の電気長を含む)を備え、よって、第3次高調波周波数の1/4波長スタブ及び5/4波長スタブは、第3次高調波周波数の1/4波長伝送線路の出力において、互いに対向するように配置され得る。
【0012】
第2次高調波周波数の1/4波長スタブ及び基本周波数の1/4波長スタブは、1/2波長伝送線路の出力において、互いに対向するように配置されることが好ましい。これにより、第2次高調波周波数の適切な閉路終端が確保される。
【0013】
任意で、基本周波数の1/4波長スタブを介して、バイアス電圧がトランジスタに印加され得る。バイアス電圧入力と、基本周波数の1/4波長スタブとの接続部に、接地への分路コンデンサも配置されることが好ましい。コンデンサは、マイクロ波周波数で短絡回路に近づくのに十分低い誘導抵抗を提供し得る。
【0014】
本発明の第2の態様によれば、高電力マイクロ波電磁(EM)放射を生成するマイクロ波信号発生器が提供され、発生器は、第1の電力のマイクロ波EM放射を生成するように構成されたマイクロ波発生器と、本発明の第1の態様による増幅器であり得るマイクロ波増幅器と、を備える。マイクロ波増幅器は、マイクロ波EM放射を、第1の電力から、第1の電力より高い第2の電力に増幅するように構成される。前述のマイクロ波増幅器を使用することにより、本発明は、高電力マイクロ波EM放射を生成することができる携帯容易なマイクロ波信号発生器の製造が可能となる。高効率の装置は、より小型であり、電力及び冷却要件が低減され得る。携帯型発生器は、例えば、電気外科的止血デバイス、特に緊急事態で使用され得るデバイスと共に使用されることが望ましくあり得る。マイクロ波信号発生器は、マイクロ波発生器が必要とし得る直流(DC)エネルギーを供給する直流(DC)電源を備え得る。DC電源は、電池、特に取り外し可能な電池の形態であり得る。このように、止血及び凝固に十分なエネルギーを提供する携帯型発生器であって、さらなるエネルギー送達が必要な場合には電源を容易に交換できる携帯型発生器が提供され得る。
【0015】
本発明の第3の態様によれば、電気外科手術を行うための電気外科装置が提供され、装置は、第1の電力のマイクロ波電磁(EM)放射を生成するように構成されたマイクロ波信号発生器と、マイクロ波EM放射を第1の電力から、第1の電力よりも高い第2の電力に増幅するように構成された本発明の第1の態様によるマイクロ波増幅器と、生体組織を治療するために、第2の電力のマイクロ波EM放射をその遠位端から送達するように構成されたプローブと、マイクロ波EMエネルギーを搬送する給電構造と、を備え、プローブは、給電構造の遠位端に配置され、マイクロ波信号発生器及びマイクロ波増幅器は、給電構造に沿って分配される。
【0016】
第1の態様に関して前述されたマイクロ波増幅器を使用して、このように電気外科装置を提供することにより、給電構造全体の損失を低減し、かつ管腔内加熱から生じる問題を回避しながら、電気外科手術用の高電力マイクロ波を生成することができる。
【0017】
本発明により、マイクロ波増幅器をプローブの近くに配置すること、またはプローブに一体化することでさえ可能となり、これにより、プローブへの高電力マイクロ波EMエネルギーの伝送により通常生じる損失が低減される。これには、直径を縮小したケーブルを使用することが可能になり、よって直径を縮小していないケーブルでは到達が困難な場所での電気外科手術が可能となるなど、多数の利点がある。損失が低減されるということは、つまり、給電構造を形成する伝送ケーブルの加熱も低減される。
【0018】
また、本発明により、確実に増幅器の電力要件は低減されるため、マイクロ波増幅器に至る給電構造全体にわたる損失及び電力散逸も低減され得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、マイクロ波増幅器はまた、プローブに一体化され得る。従って、前述のような既知のデバイスに存在するマイクロ波電力損失及び関連する欠点が、さらに回避され得る、または低減され得る。装置は、マイクロ波信号発生器に直流(DC)エネルギーを供給する直流(DC)電源をさらに備え得、DC電源もプローブに一体化される。このように、マイクロ波生成を完全にプローブ内で実行することができ、いくつかの実施形態では、外部電源を要さない。
【0020】
いくつかの実施形態では、電気外科装置は、本体及び器具コードを有するスコーピングデバイスを備え得、器具コードを通して器具チャネルが延在し、器具チャネルを通してプローブを挿入可能である。例えば、スコーピングデバイスは、内視鏡、胃内視鏡、または腹腔鏡などであり得る。本発明の利点を有する携帯型電気外科装置を提供するために、マイクロ波信号発生器は、スコーピングデバイスの本体に一体化され得る。いくつかの実施形態では、DC電源は、スコーピングデバイスの本体に一体化され得る。
【0021】
任意で、電気外科装置は、可撓性シャフトを介してプローブに接続され得るハンドルを備え得る。可撓性シャフトは、スコーピングデバイスの器具チャネルを通して挿入可能であることが好ましい。マイクロ波信号発生器は、ハンドルに一体化され得る。いくつかの実施形態では、DC電源は、ハンドルに一体化され得る。
【0022】
本明細書では、「マイクロ波」は、400MHz~100GHzの周波数範囲、好ましくは1GHz~60GHzの範囲を示すために、幅広く使用され得る。検討された特定の周波数は、915MHz、2.45GHz、3.3GHz、5.8GHz、10GHz、14.5GHz、及び24GHzである。
【0023】
同様に、本明細書における「導電体」または「導電」材料への言及は、別の意味が意図されていることを文脈が明示しない限り、導電性を意味すると解釈されるべきである。
【0024】
本発明を具現化する例が、添付の図面を参照しながら、下記で詳しく論述される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明が適用される完全な電気外科装置の概略図である。
【
図2】マイクロ波発生器ラインナップの概略図である。
【
図3】本発明と共に使用され得る出力段における構成要素の概略図である。
【
図6】本発明による増幅器の出力電圧及び電流のグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明が適用され得る完全な電気外科装置100の配線図である。
装置は、内視鏡、胃内視鏡、または腹腔鏡などの外科スコーピングデバイス114を備える。外科スコーピングデバイス114は、多数の入力ポートと、器具コード120が伸び出る出力ポートとを有する本体116を備える。器具コード120は、複数の管腔を囲む外側被覆を備える。複数の管腔は、本体116から器具コード120の遠位端へ、様々なものを搬送する。複数の管腔のうちの1つは、器具(作業)チャネルである。器具(作業)チャネルの全長に沿って、可撓性シャフト112を挿入可能である。他の管腔は、例えば遠位端に照明を提供するために、または遠位端から画像を収集するために、光放射を伝達するチャネルを含み得る。本体116は、遠位端を見るための接眼レンズ122を含み得る。遠位端に照明を提供するために、光源124(例えばLEDなど)が、照明入力ポート126により本体116に接続され得る。
【0027】
可撓性シャフト112の近位端には、ハンドル106があり、これは、注射器などの流体送達デバイス108から流体供給107を受け取るように接続され得るが、これは必須である必要はない。必要に応じて、ハンドル106は、例えば、トリガ110を摺動させることにより1つ以上の制御ワイヤまたはプッシュロッド(図示せず)の長手方向(前後)の動きを制御するように作動可能な器具制御機構を収容することができる。複数の制御ワイヤがある場合、完全な制御を提供するために、複数の摺動トリガがハンドルに存在し得る。
【0028】
装置100はまた、マイクロ波周波数、及び任意で無線周波数(RF)電磁(EM)エネルギーを、遠位アセンブリ118に供給する発生器102を備え得る。いくつかの実施形態では、発生器102は、DCエネルギーのみを供給するDC電源として構成される。発生器102は、インターフェースケーブルにより、ハンドル106に接続される。
【0029】
可撓性シャフト112の遠位端には、外科スコーピングデバイス114の器具チャネルを通過して器具コード120の遠位端で(例えば患者の体内で)突出するように形成された遠位端アセンブリまたはアプリケータ118が存在する(
図1では縮尺通りに描かれていない)。下記でさらに詳しく論述されるように、遠位端アセンブリは、生体組織にマイクロ波エネルギーを送達する能動的チップを含む。
【0030】
遠位アセンブリ118の構造は、2.0mm以下、例えば1.9mm未満(より好ましくは1.5mm未満)の最大外径を有するように構成され得、可撓性シャフトの長さは、1.2m以上であり得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、本体116は、例えば好適なリード線を使用して、可撓性シャフトに沿って遠位端アセンブリ118へDCエネルギーを送達するように接続されたDC電源128を含み得る。他の実施形態では、発生器102の代わりにDC電源が設けられ得る。DC電源128または102は、電池(例えばリチウムイオン電池)、スーパーキャパシタ、または燃料電池であり得、本体116に搭載され得る。別の例では、DC電源128または102は、遠隔のソース(図示せず)からデバイスへ、エネルギーを誘導的または磁気的に結合するように構成された結合ユニットであり得る。この場合、結合ユニットは、結合されたエネルギーからDC信号を得るための内部整流及びフィルタリングを含み得る。
【0032】
さらなる例では、DC電源は、遠位端アセンブリ118の一部であり得、この場合、器具チャネルに沿って延びるリード線は不要である。
【0033】
少なくとも器具コード120の遠位端の位置を制御することが望ましくあり得る。本体116は、器具コード120を通って延びる1つ以上の制御ワイヤ(図示せず)により、器具コード120の遠位端に機械的に結合された制御アクチュエータ130を含み得る。制御ワイヤは、器具チャネル内、または制御ワイヤ専用チャネル内を移動し得る。制御アクチュエータ130は、レバーもしくは回転可能なノブ、または任意の他の既知のカテーテル操作デバイスであり得る。器具コード120の操作は、例えばコンピュータ断層撮影(CT)画像から組み立てられる仮想三次元マップを使用して、ソフトウェアにより支援され得る。
【0034】
図2は、マイクロ波発生器ラインナップ131の構成要素を示す概略図である。マイクロ波発生器ラインナップ131は、低電力マイクロ波信号を生成する発生器回路132と、例えば生体組織の除去処置などの電気外科手術に好適なレベルに信号を増幅する出力段134とを含む。
【0035】
発生器回路132は、例えば1GHz以上、好ましくは5.8GHz以上の周波数を有するマイクロ波信号を出力する発振器144を備える。発振器144は、電圧制御発振器(VCO)または誘導体共振器型発振器(DRO)であり得る。発振器144は、入力としてDC電力を受け取り得る。DC電力は、発生器102またはDC電源128により提供され得る。発振器144からの出力は、変調器146によりパルス化され得る。発振器144からの出力は、出力段134への入力信号を生成するように構成されたドライバ増幅器148に提供される。ドライバ増幅器148は、任意の好適なMMICデバイスであり得る。ラインナップ131はさらに、出力段134に送達される信号の振幅を制御する減衰器(図示せず)を含み得る。出力段134自体は、バイアス回路150と、電力増幅器として構成されたGaN系トランジスタ152とを備え得る。出力段は、放射構造から反射される信号から出力段構成要素を保護する回路(図示せず)を含み得る。例えば、GaN系トランジスタから順方向の経路に、サーキュレータが搭載され得る。サーキュレータは、反射電力をダンプ負荷に逸らし得る。ただし、GaN系構造は、この保護構造がなくても対応可能なように十分に堅牢であり得るため、この保護構造は必須ではない。出力段134はまた、後述するように、負荷ネットワークを含む。
【0036】
マイクロ波発生器ラインナップ131の構成要素は、電気外科装置100の異なる部分内に配置され得る。いくつかの実施形態では、発生器回路132及び出力段134の両方を含む発生器ラインナップ131は、マイクロ波発生器102の一部を形成し得る。本発明によるマイクロ波増幅器を使用することにより、マイクロ波発生器102は、容易に携帯することが可能となり得る。あるいは、発振器144及び変調スイッチ146は、遠位端アセンブリ118の一部であり得、これは、ケーブルにマイクロ波信号を通すことに伴う損失を、大幅に低減するのに望ましくあり得る。任意で、発振器144及び変調スイッチ146は、外科スコーピングデバイスの本体116内または本体116に配置され得、出力段はアプリケータ118に配置され得、これにより、低電力マイクロ波信号を器具チャネルに沿って伝送することのみ必要となるため、損失が低減される。別の例では、発生器回路132全体(すなわちドライバ増幅器148を含む)が、遠位端アセンブリから近位距離に、例えば本体116内に、配置され得る。従って、出力段134の入力信号は、器具チャネルに沿って送信され得る。
【0037】
例証すると、一例は、スコーピングデバイスの本体に配置された、出力電力が10dBm(10mW)のDROと、ゲインが20dBのMMICを備え得る。このシナリオでは、ケーブルの挿入損失が10dBであっても、遠位端アセンブリにて依然として20dBm(100mW)を利用可能である。この例では、出力段は、第2のMMICを備え、その後にGaN系トランジスタ152が続き得る。第2のMMICのゲインが10dBで、高密度GaN系デバイスのゲインが10dBである場合、40dBm(10W)を送達することが可能である。
【0038】
伝送線路136は、出力段134により生成されたマイクロ波電力を放射構造に搬送するための任意の好適な構造であり得る。例えば、下記により詳しく説明されるように、同軸(導波路を含む)構造及びマイクロストリップ構造の両方が使用され得る。
【0039】
図3は、本発明の実施形態で使用することができる出力段134の構成要素の配線図である。出力段134は、発生器回路132から受信される入力の増幅器として、高密度GaN系HEMTを使用する。任意の好適な増幅器構成を使用してもよいが、本発明によれば、F級構造を使用して出力トランジスタにバイアスをかけることが、最も望ましい。この構成により、デバイスは、電力負荷効率(PAE)を理論限界値に近づけることが可能となる。具体的には、
図3に示される構造では、少なくとも80%または最大90%のPAEを達成することが可能であり得る。出力段134の形態から生じるこれらの高効率性により、マイクロ波発生器ラインナップ131の構成要素を分離して、電気外科装置100の構成要素にわたり分散させることが可能となり、より低電力のマイクロ波信号を出力段134に送ることのみ必要となることから、信号がケーブルを通る時の損失は小さくなる。また、高効率性により、携帯可能なマイクロ波発生器102の構築が可能となる。
【0040】
図3のF級構造は、HEMT152増幅器の出力において負荷ネットワークを提供し、負荷ネットワークは、整合回路188と、共振回路190とを備える。GaN系HEMT152への入力において、それぞれの整合回路186(例えば直列LC回路)と共に、第1の共振回路(例えばLC回路またはタンク回路)184も設けられる。出力共振回路188及び整合ネットワーク190を合わせて構成される負荷ネットワークは、下記に説明される高調波終端ネットワークである。デバイスは、B級動作と同様に、遮断に近い状態または遮断状態に、バイアスされる。
【0041】
DCへの出力にて生成されるマイクロ波電力の量及び入力での入力マイクロ波信号に関する効率を向上させるために、標準線形A級スキーム以外のスキーム、すなわちB級、AB級、C級、D級、E級、またはF級を使用して、GaN系デバイスを作動させることが望ましい。
【0042】
増幅器の効率は、設計で使用されるトランジスタの特性により、制限される。F級の設計を使用する場合には、理論的には100%の効率を達成することが可能であるが、これは、トランジスタが理想的な電流源であることを前提とする。実際には、F級の構成を使用して、少なくとも70%の電力負荷効率(PAE)を達成可能なはずである。
【0043】
F級増幅器のベースはB級増幅器であり、構成要素トランジスタは、純粋に増幅器のトランスコンダクタンス領域ではなく、増幅器のニー領域とトランスコンダクタンス領域との間でバイアスがかけられる。このバイアスにより、電流及び電圧出力波形のクリッピングが生じ、すなわち正弦波出力波形が歪み、増幅トランジスタの出力に好適な負荷ネットワークまたは高調波終端ネットワークを選択することにより、波形工学が実行され得る。
【0044】
例えば、第2の共振回路190は、偶数次高調波に対しては短絡回路(すなわち2f1の短絡回路であり、f1は回路の基本共振周波数である)として現れ、奇数次高調波に対しては開回路(すなわち3f1の開回路)として現れる負荷に基づいて、出力波形を整形するように構成され得る。従って、ドレイン電圧波形は、方形波に向けて成形されるが、ドレイン電流は、制御される高調波の次数に応じて、半正弦波形に類似するように整形される。第n次高調波では、fn=nf1及びλn=λ1/nであることに留意されたい。高次高調波で構成することもできるが、PAEの観点では収益の減少を生じる。第2次高調波及び第3次高調波から成る共振回路は、少なくとも80%の効率を達成するのに十分であり、よって効率性と負荷ネットワークの複雑さ/費用とのバランスが良い。第2次高調波及び第3次高調波で構成することにより、負荷ネットワークは、集積回路の一部として設けるのに十分小型に作られ得る。例えば、集積回路ベースの増幅器は、プローブ自体に一体化され得る。
【0045】
第1の共振回路184は、確実にデバイスが方形波パルスで駆動されるように支援する。これにより、第1の共振回路184は、高調波発生を導入し、より簡素な電流源を使用することを可能にし得る。いくつかの実施形態では、第1の共振回路184は必要ではなく、入力波形は正弦波である。
【0046】
トランジスタ202の出力の既知の負荷ネットワークまたは高調波終端ネットワーク200の例が、
図4に示される。負荷ネットワーク200は、第2次高調波周波数の1/2波長伝送線路(すなわちλ
2/2伝送線路)を備え、これは、直列に接続された第3次高調波周波数の1/4波長伝送線路204-λ
3/4伝送線路204-、及びλ
2/2-λ
3/4伝送線路212から成る。λ
3/4伝送線路204の長さには、ドレイン出力接続に至るトランジスタのパッケージ内部への伝送線路が含まれ、その特性は不明であり得る。
【0047】
第3次高調波周波数で真性トランジスタドレインに開回路を提供するために、第3次高調波周波数の1/4波長スタブ206(λ3/4スタブ)が、1/4波長伝送線路204の出力に配置される。高調波と共振周波数との関係により、λ3/4=λ1/12であり、よって第3次高調波周波数の1/4波長スタブもλ1/12スタブであるとみなされ得ることに、留意されたい。
【0048】
第2次高調波周波数f2で短絡回路を提供するために、負荷ネットワーク200は、第2次高調波周波数の1/4波長スタブ208(λ2/4スタブ)を備え、これは、基本周波数の1/4波長スタブ210(λ1/4スタブ)に対向するように配置されている。これらは、第2次高調波の有効な1/2波長伝送線路の出力に配置される。
【0049】
基本周波数の1/4波長スタブ210を通して、トランジスタのバイアス電圧Vddが印加される。これにより、第2次高調波で正しいインピーダンスを提供するために、バイアス供給が、第2次高調波周波数の1/2波長距離だけトランジスタ202から離れていることが、確保される。
【0050】
サブ整合ネットワーク214も設けられ、これは、回路200の残りの部分を考慮しながら、基本周波数f1でインピーダンス整合を提供するように調整され得る。サブ整合ネットワーク214は、負荷ネットワーク200の残りの部分と同様に、伝送線路及びスタブのさらなる配置を備え得、DC阻止コンデンサも存在し得る。
【0051】
しかし、増幅器の効率を高めるための負荷ネットワーク200の調整は、サブ整合ネットワーク214の要件に影響を与える。負荷ネットワークの残りの部分によっても逆に影響を受けるサブ整合ネットワーク214を設計及び調整することは、困難で時間がかかり得、次善の結果を生じ得る。本発明によるネットワークは、下記に説明されるように、これらの困難を克服する。
【0052】
図5は、本発明による負荷ネットワーク300の配線図を示す。
負荷ネットワーク300は、トランジスタ302の出力に接続され、トランジスタ302は、基本周波数f
1でトランジスタ302へ送達されるマイクロ波信号を増幅するように構成される。負荷ネットワーク300は、第2次高調波周波数の1/2波長伝送線路を備え、これは、直列に接続された第3次高調波周波数の1/4波長伝送線路304(λ
3/4伝送線路)、及びλ
2/2-λ
3/4伝送線路310から成る。λ
3/4伝送線路304の長さには、ドレイン出力接続に至るトランジスタのパッケージ内部への伝送線路が含まれ、その特性は不明であり得る。
【0053】
第3次高調波周波数の1/4波長スタブ306と5/4波長スタブ308(それぞれλ3/4スタブ306と5λ3/4スタブ308)は、有効な1/2波長伝送線路上に互いに対向するように配置される。これらは、トランジスタ302、具体的には真性トランジスタ302の電流源から、第3次高調波周波数の1/4波長に等しい距離だけ離れて、すなわち1/4波長伝送線路304の出力に、配置される。1/4波長スタブ306は、第3次高調波周波数で開回路を提供し、一方5/4波長スタブ308は、第3次高調波周波数で開回路を強化すると同時に、第2次高調波周波数及び基本周波数の負荷ネットワーク300に対し1/4波長スタブ306が及ぼす影響を打ち消す。
【0054】
有効な1/2波長伝送線路の出力、すなわちλ2/2-λ3/4伝送線路310の出力において、第2次高調波周波数の1/4波長スタブ314と、基本周波数の1/4波長スタブ312とが配置される。これらのスタブは、第2次高調波周波数で短絡回路を提供する。
【0055】
第2次高調波周波数で短絡回路を提供し、第3次高調波周波数で開回路を提供することにより、負荷ネットワーク300は、
図6に示されるように時間に応じて、略方形波電圧出力と半正弦波電流出力とを生成する。これにより、増幅器は少なくとも80%の高効率で作動することが、確保される。
【0056】
基本周波数の1/4波長スタブ312を通して、トランジスタのバイアス電圧Vddが印加される。マイクロ波コンデンサCbypassと組み合わせた1/4波長スタブ312は、基本周波数で開回路を発現し、よって、ネットワーク300の残りの部分に対し無影響である。第2次高調波周波数にて、1/4波長スタブ312及びコンデンサは短絡回路を発現し、第2次高調波周波数の1/4波長スタブ314の効果を強化する。
【0057】
トランジスタは通常、パッケージの一部として入手可能であり、個別の構成要素としては入手不可能である。通常、パッケージ自体に関する情報は限られているため、負荷ネットワークを設計することは困難となる。例えば、正しい長さの伝送線路を形成するために、トランジスタ出力、すなわち真性電流発生器面と、他の構成要素との正確な距離を知る必要があることが多い。この理由から、仮説モデルにのみ頼るのではなく、トランジスタパッケージを配置した状態で、増幅器の負荷ネットワークを調整できることは、価値がある。
【0058】
本発明の負荷ネットワークにより、整合ネットワーク316の調整と、負荷ネットワーク300の残りの部分の調整とが、独立して実行されることが可能となる。基本波整合ネットワーク316は、負荷ネットワークの残りの部分の調整による影響を受けることなく、基本周波数でインピーダンスを整合するように調整され得る。これは、第3次高調波周波数の5/4波長スタブ308の追加及び配置によるものであり、これにより、基本波と第2次高調波との整合に対する1/4波長スタブ306の影響が取り除かれ、同時に第3次高調波周波数の開回路も強化される。
【0059】
このようにして、負荷ネットワーク300の中間部と基本波整合ネットワーク316とを組み合わせることにより、デバイスは、F級の増幅器として作動することが可能となり、基本波整合ネットワーク316により行われる基本波への調整とは独立して、関連する高調波に整合するための調整が、中間部により実行され得る。
【0060】
基本波整合ネットワーク316は、特定のトランジスタ302またはトランジスタパッケージに対して設計及び調整され得る。これは、事前に行うことができ、次いで、本発明の負荷ネットワーク300の構成に搭載することができる。次いで、中間部を調整して、基本波整合ネットワークの調整に影響を与えることなくF級の動作を行うことが可能となり得る。
【0061】
基本波整合ネットワーク316は、伝送線路及びスタブのさらなる配置を備え得、DC阻止コンデンサも存在し得る。基本波整合ネットワーク316は、トランジスタ302のモデルを用いた設計段階の間に、第2次高調波の1/2波長伝送線路を考慮して、基本周波数で整合するように最適化され得る。
【0062】
本発明によるマイクロ波増幅器を使用することにより、非常に高い増幅器効率が達成され得る。これらの高効率の結果、電気外科デバイスのマイクロ波発生器は、既知の発生器より小型でより容易に携帯可能に作られ得る。
【0063】
さらに、本発明のいくつかの実施形態は、マイクロ波発生器またはマイクロ波増幅器が、ハンドル内または放射構造内などの電気外科装置の別の部分内に配置され得ることを想定する。これらの実施形態では、高い増幅器効率は、DCまたはマイクロ波周波数信号が、より低い電力でマイクロ波発生器または増幅器に伝送され得ることを意味する。これにより、電力散逸が少なくなり、装置冷却の実施がより簡単となる。