IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リアクシング・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータの特許一覧

<>
  • 特許-ケトルベル型デバイス 図1
  • 特許-ケトルベル型デバイス 図2
  • 特許-ケトルベル型デバイス 図3
  • 特許-ケトルベル型デバイス 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】ケトルベル型デバイス
(51)【国際特許分類】
   A63B 21/072 20060101AFI20240314BHJP
【FI】
A63B21/072 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020541991
(86)(22)【出願日】2019-02-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 IB2019050816
(87)【国際公開番号】W WO2019150314
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2022-01-18
(31)【優先権主張番号】102018000002319
(32)【優先日】2018-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】518263449
【氏名又は名称】リアクシング・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】REAXING S.r.l.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】ジョナータ・ダレジオ
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第8911334(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0275494(US,A1)
【文献】国際公開第2013/149294(WO,A1)
【文献】中国実用新案第205019632(CN,U)
【文献】欧州特許出願公開第3006093(EP,A1)
【文献】中国実用新案第204233667(CN,U)
【文献】韓国登録特許第10-1628718(KR,B1)
【文献】米国特許第8888665(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2013/0337980(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0040776(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0249002(US,A1)
【文献】中国実用新案第205730107(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0093348(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0259105(US,A1)
【文献】米国特許第9844695(US,B1)
【文献】米国特許第8636625(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2012/0322627(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 21/072
A63B 21/075
A63B 21/06
A63B 21/065
A63B 21/00
A63B 21/008
A63B 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体操のためのケトルベル器具(1)であって、前記ケトルベル器具は、
少なくとも1つの液体を含む充填材料(L)で満たされた内部空洞(13)を画定する実質的に球形のボディ(10)であって、前記ボディ(10)は、前記充填材料(L)を前記内部空洞(13)に導入するための少なくとも1つの密封可能な口を備え、前記ボディは、合成ゴムと天然ゴムとから選択されたポリマー材料でできた単一の可塑性の層で形成されると共に、使用中に、前記内部空洞(13)内の前記充填材料の有無に関わらず、前記ボディ(10)の形状を実質的に球形に保つように構成され、前記ボディ(10)は、使用中にその外面に衝撃、圧縮、または応力を受けたときに、弾性変形を維持するように構成されている、ボディ(10)と、
前記ボディ(10)の上部に固定された固いハンドル(20)であって、前記ハンドル(20)は、金属又はプラスチック材料からなる固体の単一ブロック要素でできている、ハンドル(20)と、
を備える、
器具(1)。
【請求項2】
前記充填材料は、前記内部空洞の体積の10~80%を占有する、
ことを特徴とする、
請求項1に記載の器具(1)。
【請求項3】
前記ボディ(10)は、合成樹脂でできている、
ことを特徴とする、
請求項1又は2に記載の器具(1)。
【請求項4】
前記ボディ(10)の前記層の厚さは、3mm~7mmの間に含まれる、
ことを特徴とする、
請求項1-3のうちいずれか1つに記載の器具(1)。
【請求項5】
前記ハンドル(20)は、熱可塑性若しくは熱硬化性のポリマーからできている、
ことを特徴とする、
請求項1-4のうちいずれか1つに記載の器具(1)。
【請求項6】
前記ハンドル(20)は、握り部(21)と、前記握り部(21)から伸びる少なくとも1つの結合部(22)とを備え、
前記ボディは、前記結合部(22)を受容するのに適したシート(14)を備える、
ことを特徴とする、
請求項1-5のうちいずれか1つに記載の器具(1)。
【請求項7】
前記シート(14)は、前記ボディ(10)の上部から延在して少なくとも前記結合部(22)の長さを受容するのに適した管状要素(15)を含む、
ことを特徴とする、
請求項6に記載の器具(1)。
【請求項8】
前記管状要素(15)は、前記内部空洞(13)と液体連結されており、前記充填材料を前記内部空洞(13)に導入するための口としての役割を果たし、前記口は内部空洞(13)を満たした後で密封される、
ことを特徴とする、
請求項7に記載の器具(1)。
【請求項9】
前記ハンドルは実質的にU字型であり、
前記握り部(21)は、前記ボディ(10)内のそれぞれのシートに内包された2つの結合部(22)の端部から横に延在する実質的に直線形の棒を備える、
ことを特徴とする、
請求項6-8のうちいずれか1つに記載の器具(1)。
【請求項10】
前記結合部(22)は、前記管状要素(15)に挿入されるピン(22a)を備え、
前記ピン(22a)は、境界縁(23)により画定される、
ことを特徴とする、
請求項7又は8に記載の器具(1)。
【請求項11】
前記充填材料は、前記液体中に散乱した固体粒子を含む、
ことを特徴とする、
請求項1-10のうちいずれか1つに記載の器具(1)。
【請求項12】
前記ボディ(10)の材料は、少なくとも部分的に透明であり、その内部の前記充填材料の前記液体は、色付けされているか、又は不透明である、
ことを特徴とする、
請求項1-11のうちいずれか1つに記載の器具(1)。
【請求項13】
前記ボディは、空気を前記内部空洞(13)に導入、又は前記内部空洞(13)から除去するためのバルブ(16)を備えて提供される、
請求項1-12のうちいずれか1つに記載の器具(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体操器具、特にケトルベル種の器具に関する。より詳細には、本発明は、器具の空洞を満たす液状、粒状、又は粉末状の充填材料で質量の多くが形成されるケトルベルに関する。
【背景技術】
【0002】
一般にケトルベルとは、ハンドルがついた砲丸のような重い器具を指す。ケトルベルは18世紀初頭頃のロシアに起源すると考えられている。ケトルベルにあたるロシア語の単語は「ギリ」と発音され、この重りを持ち上げる人が「ギレヴィク」と呼ばれる。本来ケトルベルは鋳鉄製で、現在でもその大半がこの製造法で製造されている。
【0003】
従来のダンベルと比較したケトルベルの特徴は、質量中心が手から遠い位置にあることである。これにより、従来のダンベルでは不可能であったスイング運動が可能となる。
【0004】
ケトルベルのスイング運動には複数の筋群が関与しており、ダンベルを持ち上げることに比べると、前述の器具を用いるトレーニングは、より効果的であり、より短い時間でよりよい結果をもたらし得ると考えられている。実際に、ケトルベルは質量の中心が振り子運動を行うため、バランスをとるためには、同じ条件における従来のダンベルと比較してより多くの微小筋肉の作用が必要となる。
【0005】
これらの既知の器具の大部分では、全体が金属で作られているか、樹脂等の他の材料で作られているかに関わらず、器具の質量中心の位置は固定されている。
【0006】
従って、体操の実行中、与えられた筋肉により発揮される力と同様に、身体の一部の位置又は速度の変化は、体操を行う者により知られているか、又はいずれにせよ予測可能である。
【0007】
競技レベルと非競技レベルの両方におけるトレーニングの環境において、又はリハビリテーションについて、直接・間接に関わらず、アスリート又は患者の身体に可変又は不安定な負荷を与える器具又は装置を使用できることは有利である。
【0008】
実際に、運動を行う者にとって完全には予測できない、又は全く予測不可能な外部刺激(いわゆる運動干渉)が身体にかかるトレーニングは、従来のトレーニングと比較して、筋肉の反応能力をはるかに大きく発達させ、増大させられることが知られている。
【0009】
従来の、特にモノリス様の金属ボディで形成されたケトルベルは、十分な注意を払っていないか、又は特定の専門知識を有しない人が扱うと、危険となり得る。実際、これらの物体の質量は10kgを超える場合もあり、運動中は高速かつ広い範囲にわたる動作を伴うため、使用者が握りを緩めてしまった場合には、付近の人又は物(使用者を含む)に深刻な損害を与える可能性がある。
【0010】
また、金属製のボディにゴム等の柔らかい材料をコーティングしたケトルベルも市販されている。これらは、器具が置かれた面に傷又は跡がつくのを防ぎ、接触による騒音を軽減するためのものである。しかしながら、暴力的でないとしても、人や物に衝突した場合には器具はやはり危険物となり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、先行技術の上記の問題点を解消したケトルベル型器具を提供することにある。
【0012】
特に、本発明の目的は、事前予測不可能な刺激(すなわち力)によって乱された体操を行うことができるケトルベルを提供することにある。
【0013】
特に、本発明の目的は、使用中に、反応をシミュレートするために、体操を行う人のバランスを少なくとも部分的に妨害可能な器具を提供することにある。
【0014】
本発明の別の目的は、既知の器具に比較して、使用者及び周辺の人のいずれにとっても安全性が高いケトルベル型器具を提供することにある。
【0015】
本発明のさらなる目的は、快適に、正確に、かつ安全に取り扱うことができるケトルベル型器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
これらの目的及び他の目的は、内部空洞を画定する実質的に球形の、液状の少なくとも1つの充填材料を受容して収容するのに適したボディと、ボディの上部に固定された固いハンドルとを備える体操用ケトルベル型装置により達成される。
【0017】
本発明に係る器具は、充填材料で部分的にのみ充填されることが考えられる。充填材料により占有される内部空洞の体積は、一般には10~80%の間、より好ましくは、30~80%の間であり得る。ここで、内部空洞の体積の一部は、空気又は別の気体により占有される。
【0018】
人がケトルベルを動かす体操の実行中、充填材料は内部空洞の中を、運動者により実行される動作の結果として、異なる速度及び加速度で連続的に移動し得る。
【0019】
これにより、充填材料の移動は、装置の質量中心の予測不可能かつ連続的な変動を発生させる。
【0020】
このためには、例えば砂又は細かい粒子状の他の材料といった粒子状又は粉末状の材料よりも、液体を用いるのが好ましいが、それらも除外はされない。
【0021】
本発明の一態様によると、ボディは、ポリマー材料からなる単一の可塑性の層で形成される。好ましくは、ボディは一体となっている。
【0022】
より詳細には、器具のボディは可塑性である(即ち、完全に剛体ではない)が、使用中に、内部の充填材料の有無に関わらず、形状を実質的に球形に保つための構造を有する。しかしながら、ボディはその外面に衝撃、圧縮又は他の外力を受けると、わずかな弾性変形を維持することができる。
【0023】
これにより、器具は一般に高速かつ広く動かされるため、金属又はいずれにせよ完全な剛体で形成された既知の装置と比べると、誤って他人又は使用者の体の一部にぶつかった場合の危険性が低い。これは特に、例えば、限られた空間において、複数の人が互いに比較的近くでトレーニングするグループのトレーニングに器具が用いられる場合に有用である。
【0024】
さらに、これらの器具は体操の終了時に地面に放り出されることが多いため、この可塑性のボディはこの状況で発生される騒音と、器具が置かれる床が損傷する危険性との両方を低減させることができる。
【0025】
本発明によれば、器具のハンドルは代替的に剛体であり得る。従って、ハンドルは、器具の使用中に変形しないように設計されているか、又はいずれにせよ体操を行う人が気づかない程度の限られた変形を維持するように設計されている。
【0026】
これにより、ボディの限られた変形性と相まって、例えば金属製の従来の器具に匹敵する、器具の操作性及び動作の精度を保証できる。
【0027】
さらに、ボディの単層構造により、器具の製造コストが削減できる。例えば、ボディは成形又は類似の工程により単一ステップで製造できるため、組み立て時間が最小限に抑えられる。さらに、このボディは実質的に単一ブロック構造であるため、連続的な外力又は衝撃を受けた場合でも、複数の部品を接合して作られた従来の器具と比較して破損しにくい。
【0028】
本発明によると、ハンドルは、片手又は両手で握ることが可能な握り部と、ボディにハンドルを固定する少なくとも1つの連結部とを備え得る。このために、ボディは、連結部を受容するように適合された少なくとも1つのシートを備える。
【0029】
本発明の一態様によると、シートは、ボディの上部から延在する管状要素を含み、この管状要素は、連結部の長さを受容する。
【0030】
前記管状要素は、ボディの内部空洞と流体連結している。この要素は、器具の製造中に充填材料を導入するための口として機能する。
【0031】
実際に、本発明の一態様によると、器具は、内部に所定量の充填材料を封入して提供される。従って、器具は、製造者により内部に導入された充填材料の量に従って所定の重量を有する。
【0032】
上述の口は、充填材料が導入されると、ハンドルの結合部により閉じられ、密封される。好ましくは、結合部及び管状要素の間の結合は、2つの部品間の機械的気密性と水密性の両方を保証するために、わずかな干渉(interference)を有する。器具が受ける外力を考慮して、上述の部品は、空洞の完全な水密性を保証するために、シリコン等の密封接着剤で接合されていることが好ましい。
【0033】
ハンドルの結合部は、その長さが管状要素の内部に延在し、使用中に最も外力を受ける部分を強固にするのを補助し、動きの精度を向上させる。
【0034】
本発明の一態様によると、ボディの層の厚さは用いられる材料によって異なり、上述の形状安定性の特性を得るために較正される。典型的には、ケーシングの層の厚さは2mm~10mmの間、好ましくは3mm~7mmの間、さらに好ましくは3~6mmの間に含まれる。
【0035】
上述の層の材料は、空洞内に液体の充填材料を保持できるように、液体に対して非透過性である。好適な一態様によると、ボディは合成ゴムでできている。代替的に、同様の機械的特性を有する他の高分子材料、又は天然ゴムが用いられ得る。
【0036】
代替的に、ボディは、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、又はポリウレタン等の他の高分子材料で作られ得る。
【0037】
好適な変形によると、ボディの材料は透明又は部分的に透明であり、その内部の充填材料が見えるようになっている。
【0038】
オプションで、ボディは、安定した基底を画定するように、下部が平坦になっている。
【0039】
別の変形によると、ボディは、溶接、熱密封、又は同等の技術により互いに接合された複数の部品を含み得る。
【0040】
本発明の一態様によると、ハンドルは、金属又は、好ましくはプラスチック材料で作られ得る。好ましい材料は、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、若しくはポリプロピレン(PP)等の熱可塑性ポリマー、又は、熱硬化性ポリマーであり得る。
【0041】
典型的には、ハンドルは固体の単一ブロック要素でできており、これによりプラスチック材料を用いる場合でも十分な剛性を提供できる。
【0042】
本発明の好適な一態様によると、ハンドルは実質的にU字型である。この変形例によると、握り部は、握り部に対して横方向又は実質的に垂直に配置された2つの結合部の端部から伸びる実質的に直線形の棒を備える。一方でボディには、2つの連結部を受容するのに適した2つの管状のシートが設けられている。
【0043】
本発明の一態様によると、結合部は、ボディのシート内に受容されるのに適した、境界縁により画定されたピンを備える。このピンは、一般に、結合部の残りの部分よりも小さい断面を有する。
【0044】
境界要素により、ハンドルがボディに精密に固定され、空洞の水密性を高めることができる。
【0045】
本発明の一態様によると、充填材料の液体は、オプションで揮発を制限するための添加剤と混合された水からなる。
【0046】
好適な変形によると、液体に加えて、充填材料は、砂又は金属球のような、水よりも高い比重を有する固体粒子を含み得る。このような粒子は、比重の差により、液体と別個に空洞内を移動し、器具に異なる慣性力を発生させる。これらの粒子はまた、同じ寸法、即ち同じ空洞体積でも器具全体の質量を増加させることを可能にする。
【0047】
ボディが少なくとも部分的に透明である場合、液体は、空洞内でより見やすくなるように、染料と混合したり、不透明にしたりすることができる。異なる装置の異なる重量値を示すために、異なる色を用いてもよい。
【0048】
あり得る変形によると、ボディは、空気別の気体を空洞に導入又は空洞から除去するためのバルブを備え得る。これにより内圧を増減させてボディの剛性を変化させることができる。
【0049】
本発明のさらなる特徴及び詳細は、非限定的な例により提供させる以下の説明及び添付の図面から、よりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】本発明に係る体操のためのケトルベル型器具の前面図
図2図1の器具の側面図
図3】ボディとハンドルを分離した器具の断面図
図4図1の器具の断面図
【発明を実施するための形態】
【0051】
添付の図面を参照して、数字1は全体として体操のためのケトルベル型器具を示す。この器具は、ボディ10と、上部でボディに固定されたハンドル20とを備える。ボディ10は、好ましくは球形又は実質的に球形である。図示の例では、ボディ10の上部には、運動中に器具を回転させたり振ったりする時の手の動きのためのより多くの空間を残すための平坦領域11を有する。
【0052】
オプションで、ボディ10の下部は、安定した基底部を画定するように、平坦であり得る。
【0053】
ボディ10は、内部空洞13を画定する中空ケーシング12を含む。空洞13は、部分的に液体Lで充填され、オプションで砂又は金属粒子等の固体粒子で充填される。代替的に、空洞13は、上記のいずれかのような粒子状又は粉末状の固体材料のみで充填され得る。
【0054】
空洞は、好ましくは30%~80%の間、より好ましくは40%~60%の間に含まれる体積割合で、充填材料により占有されている。
【0055】
本発明によると、空洞13には、所定量の液体Lが充填され、オプションで固体粒子が充填され、器具の重量が所定かつ安定するように密封されている。
【0056】
ボディ10は好ましくは合成ゴムでできており、成形又は同等の技術により製造される。ボディ10のケーシング12の厚さは、3mm~6mmの間に含まれ、好ましくは約5mmであり得る。このように製造されたボディは、使用中に人や物との間の衝撃を吸収するために、わずかに可塑性又は降伏性を有するが、同時に、実質的にその形状のまま維持することができ、即ち、使用中に崩壊したり過度に変形したりすることがないようにできる。
【0057】
ボディ10の上部の平坦領域1には、ハンドル20を固定するための2つのシート14が形成されている。シート14は、実質的に平行な方向、わずかに広がる方向、又はわずかに狭まる方向に沿って上方向に延在する管状要素15を備える。管状要素15は、好ましくは、ボディ10のケーシングと結合されており、それと一体として製造される。
【0058】
好ましくは、管状要素15の少なくとも1つ又は両方は、空洞13と連結しており、充填材料を空洞13に導入するための口として使用され得る。
【0059】
ハンドル20は、片手又は両手で握ることが可能な握り部21と、握り部21の端部から横方向に延在する2つの連結部22を含む。図示された例では、連結部はわずかに広がっているが、同時に、平行であるか又は狭まり得る。
【0060】
従って、図3に示すように、ハンドルは実質的に、連結部22が握り部21に結合された逆U字型を有している。
【0061】
各連結部22は、境界縁23により画定されたピン22aを含む。ピン22aは、管状要素15内に完全に挿入される結合部の一部である。このようにして、境界縁23は、管状要素15の上縁15aに安置されている。
【0062】
管状要素15の少なくとも内側の長さと、結合部22のピン22aは、好ましくは、実質的に円筒状の形状を有する。その部分における管状要素15の内径は、部分22aの径よりもわずかに小さく、これにより、要素は特定の干渉(interference)と結合されて、安定した固定及び所定の水密性の両方を保証する。
【0063】
好ましくは、特に空洞内に液体がある場合には、この固定は、空洞13の水密性を保証するために、シリコン等の密封剤により補助される。
【0064】
ハンドルは、器具の使用中に曲がらないように寸法が決められ、これにより高い感度及び動作精度が保証されている。
【0065】
好適な変形によると、ハンドルはプラスチック材料、例えばポリ塩化ビニル又はポリエチレン等の熱可塑性ポリマーでできている。
【0066】
結合部22のピン22aの長さは、好ましくは、管状要素15の長さよりも大きい。従って、ピン22aは、空洞内に延在し、少なくとも一部分において、ケーシング12の内壁に対抗し続け、ボディ10及びハンドル20の間の接続の剛性を増加させる。
【0067】
あり得る変形によると、ボディ10は、空気を空洞13内に導入又は空洞13内から除去するためのバルブ16を備え得る。バルブ16は、ボディ10の上部、例えば平坦領域11内、若しくはケーシング12の任意の他の点に配置され得る。バルブを介した空気の導入又は除去は、内圧の変化を可能にし、ケーシング12の張りを増減させ、即ち剛性を増減させる。
図1
図2
図3
図4