(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】耐湿性が強化された再パルプ化可能な紙帯およびその作成方法
(51)【国際特許分類】
D21H 17/36 20060101AFI20240314BHJP
D21H 17/15 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
D21H17/36
D21H17/15
(21)【出願番号】P 2021508277
(86)(22)【出願日】2019-08-26
(86)【国際出願番号】 US2019048176
(87)【国際公開番号】W WO2020046830
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2022-08-23
(32)【優先日】2018-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510232692
【氏名又は名称】エンタープライジズ インターナショナル インク
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】シュトゥル、ハリム
(72)【発明者】
【氏名】レイノルズ、マイケル、リー
【審査官】川井 美佳
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-109027(JP,A)
【文献】特開2018-058751(JP,A)
【文献】特開2015-067917(JP,A)
【文献】特表2018-519183(JP,A)
【文献】特開2002-068277(JP,A)
【文献】実開平05-026866(JP,U)
【文献】英国特許出願公告第00915987(GB,A)
【文献】特開昭63-081182(JP,A)
【文献】特公昭48-026379(JP,B1)
【文献】特開平08-208878(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 61/00-63/18
C08K 3/00-13/08
C08L 1/00-101/14
C09D 1/00-5/10
C09D 9/00-201/10
D21B 1/00-D21J7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
再パルプ化可能な紙帯であって、
複数の紙紐と、
部分的に加水分解されたポリビニルアルコール
、完全に加水分解されたポリビニルアルコール
、およびアジピン酸を含む、前記紙帯を一緒に結合する結合剤と、を備え
、
前記結合剤は、乾燥重量において、前記部分的に加水分解されたポリビニルアルコールをほぼ30%~70%の間で含み、
前記紙帯として、凝集体を含んでいないことを特徴とする、
再パルプ化可能な紙帯。
【請求項2】
前記結合剤は、乾燥重量において
、前記完全に加水分解されたポリビニルアルコールをほぼ20%~50%の間で含むことを特徴とする、請求項1に記載の再パルプ化可能な紙帯。
【請求項3】
前記結合剤は、前記乾燥重量において、前記部分的に加水分解されたポリビニルアルコールをほぼ65%、および前記完全に加水分解されたポリビニルアルコールをほぼ35%含むことを特徴とする、請求項
2に記載の再パルプ化可能な紙帯。
【請求項4】
前記紙帯を一緒に結合するための、前記結合剤の第1のコートと、前記紙紐間の付着を改善するための、前記結合剤の第2のコートとを備える、請求項1に記載の再パルプ化可能な紙帯。
【請求項5】
前記結合剤の2つのコートだけを備える、請求項1に記載の再パルプ化可能な紙帯。
【請求項6】
前記結合剤は、前記乾燥重量において、前記
アジピン酸をほぼ35%~40%の間で含むことを特徴とする、請求項
1に記載の再パルプ化可能な紙帯。
【請求項7】
前記結合剤は、前記乾燥重量において、前記部分的に加水分解されたポリビニルアルコールを38%~40%の間で、前記完全に加水分解されたポリビニルアルコールを20%~22%の間で、および前記
アジピン酸を38%~40%の間で含むことを特徴とする、請求項
1に記載の再パルプ化可能な紙帯。
【請求項8】
85%~90%の間の相対湿度および35℃~40℃の間の環境に曝されたとき、前記再パルプ化可能な紙帯の引張強さをほぼ2%~5%よりも多く失わない、請求項1に記載の再パルプ化可能な紙帯。
【請求項9】
再パルプ化可能な紙帯を形成する方法であって、
複数の紙紐を提供するステップと、
1つまたは複数の引抜鋳型を通して前記紙紐を誘導するステップと、
部分的に加水分解されたポリビニルアルコール
、完全に加水分解されたポリビニルアルコール
、およびアジピン酸を含む結合剤を注入して、前記紙紐を結合するステップと、を備え、
前記結合剤は、乾燥重量において、前記部分的に加水分解されたポリビニルアルコールをほぼ30%~70%の間で含み、
前記紙帯として、凝集体を含んでいないことを特徴とする、
方法。
【請求項10】
前記紙紐が前記1つまたは複数の引抜鋳型を通過する間、前記引抜鋳型を加熱するステップ、をさらに備える、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記再パルプ化可能な紙帯が前記1つまたは複数の引抜鋳型を出た後に前記再パルプ化可能な紙帯を加熱するステップ、をさらに備える、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記結合剤を注入する前記ステップは、前記結合剤の2つのコートを注入するステップを含むことを特徴とする、請求項
9に記載の方法。
【請求項13】
前記1つまたは複数の引抜鋳型のうち第1の引抜鋳型を通して前記紙紐を誘導するステップと、前記結合剤の第1のコートを注入するステップであって、前記紙紐は、前記1つまたは複数の引抜鋳型のうち前記第1の引抜鋳型を出た後、前記再パルプ化可能な紙帯を形成するステップと、前記1つまたは複数の引抜鋳型のうち第2の引抜鋳型を通して前記再パルプ化可能な紙帯を誘導するステップと、前記結合剤の第2のコートを注入するステップと、を備える、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記結合剤は
、前記完全に加水分解されたポリビニルアルコールをほぼ20%~50%の間で含むことを特徴とする、請求項
9に記載の方法。
【請求項15】
前記結合剤は、前記乾燥重量において、前記部分的に加水分解されたポリビニルアルコールをほぼ65%、および前記完全に加水分解されたポリビニルアルコールをほぼ35%含むことを特徴とする、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記結合剤は、前記乾燥重量において、
アジピン酸をほぼ35%~40%の間で含むことを特徴とする、請求項
9に記載の方法。
【請求項17】
前記結合剤は、前記乾燥重量において、前記部分的に加水分解されたポリビニルアルコールを38%~40%の間で、前記完全に加水分解されたポリビニルアルコールを20%~22%の間で、および前記
アジピン酸を38%~40%の間で含むことを特徴とする、請求項
9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、再パルプ化可能な紙帯に関し、より詳細には耐湿性が強化された再パルプ化可能な紙帯を形成するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ベール(bale)ストラッピングは、一般に、たとえば鋼鉄またはプラスチックの線材を用いて紙などのさまざまな対象物の束を固定することを伴う。そのような従来のベールストラッピングには、いくつか欠点があり、回収した紙から再パルプ化する、またはパルプを作る際に、妨害物を含む。詳細には、再パルプ化処理は、一般に紙のシートのセルロース繊維を分離し、続いて洗浄し、処理するなどし、パルプスラリの中に繊維を準備し、紙のそのような再利用から紙シートを形成することを伴う。鋼鉄またはプラスチックの線材は、再パルプ化処理の妨害物を生じさせ、再パルプ化前に鋼鉄またはプラスチックの線材を除去する必要がある。
【0003】
再パルプ化の妨害物に対処する従来の解決手段は、部分的に加水分解されたポリビニルアルコール(PVOH)と一緒に結合した再パルプ化可能な、基礎となる紙シートから作られた撚紙紐を用いて形成された紙帯を含んでいた。しかしながら、そのような従来の紙帯は、費用が高い、ならびに特に高湿度環境に曝され飽和したときに強度がより低くなるという欠点がある。例として、いくつかの実例では、相対湿度が高い条件および/または長期間などの、ある種の保存条件および/または出荷条件で、従来の紙帯は、望ましくないことには、その再パルプ化可能性および強度の特性を失うことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、強化された耐湿性および強度を有する紙帯を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書で記述する実施形態は、耐湿性が強化され、強度が改善された性質を有し、広範な条件および環境で再パルプ化できる能力がある、再パルプ化可能な紙帯および方法を提供する。たとえば、一実施形態によれば、再パルプ化可能な紙帯は、複数の紙紐と、部分的に加水分解されたポリビニルアルコールおよび完全に加水分解されたポリビニルアルコールを含む、紙紐を一緒に結合する結合剤とを含む。
【0006】
たとえば、一実施形態によれば、再パルプ化可能な紙帯を形成する方法は、複数の紙紐を提供するステップと、1つまたは複数の引抜鋳型を通して紙紐を誘導するステップと、部分的に加水分解されたポリビニルアルコールおよび完全に加水分解されたポリビニルアルコールを含む結合剤を注入して紙紐を結合するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一例の、限定しない実施形態による紙帯の斜視図である。
【
図2a】部分的に加水分解されたPVOH結合剤と結合した紙帯のハンドシートの写真である。
【
図2b】完全に加水分解されたPVOH結合剤と結合した紙帯のハンドシートの写真である。
【
図3a】一例の、限定しない実施形態による、混成結合剤と結合した紙帯のハンドシートの写真である。
【
図3b】別の例の、限定しない実施形態による、混成結合剤と結合した紙帯のハンドシートの写真である。
【
図4a】一例の、限定しない実施形態による、複合結合剤と結合した紙帯のハンドシートの写真である。
【
図4b】別の例の、限定しない実施形態による、複合結合剤と結合した紙帯のハンドシートの写真である。
【
図5a】別の例の、限定しない実施形態による、複合結合剤と結合した紙帯のハンドシートの写真である。
【
図5b】別の例の、限定しない実施形態による、複合結合剤と結合した紙帯のハンドシートの写真である。
【
図5c】別の例の、限定しない実施形態による、複合結合剤と結合した紙帯のハンドシートの写真である。
【
図6a】引張試験を受けた後の、ある例の限定しない実施形態による、複合結合剤と結合した紙帯の被検物を例示する。
【
図6b】引張試験を受けた後の、ある例の限定しない実施形態による、複合結合剤と結合した紙帯の被検物を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の記述では、さまざまな実施形態を完全に理解できるように、一定の具体的な詳細について示す。しかしながら、当業者は、これらの詳細なしに本発明を実施してよいことを理解されよう。他の実例では、実施形態の記述を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の構造について詳細に示していない、または記述していない。文脈上違ったふうに要求されない限り、以下の本明細書および特許請求の範囲の全体を通して用語「comprise(備える)」ならびに、「comprises」および「comprising」などのその変形形態は、非限定的で包括的な意味で、すなわち、「含むが限定されない」として解釈されるべきである。さらに、本明細書で提供する見出しは、単に便宜のためであり、特許請求をする本発明の範囲または意味を解釈しているわけではない。
【0009】
本明細書全体を通して「one embodiment(一実施形態)」または「an embodiment(ある実施形態)」への言及は、その実施形態に関連して記述する特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたりさまざまな場所で「in one embodiment(一実施形態では)」または「in an embodiment(ある実施形態では)」という語句が出現することは、同じ実施形態をすべて参照しているわけでは必ずしもない。
さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態で任意の適切な手法で組み合わされてよい。また、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用するとき、単数形「a」、「an」、および「the」は、内容が違ったふうに明確に規定しない限り、複数の参照を含む。また、用語「or(または)」は、一般に、内容が他の方法で明確に規定しない限り「and/or(および/または)」を含む意味で採用されることにも留意されたい。
【0010】
上記で記述したように、本開示は、一般に、再パルプ化可能な紙帯を対象とする。本明細書で記述する再パルプ化可能な紙帯のさまざまな実施形態を使用して、当技術分野で公知の従来の再パルプ化方法を使用して再パルプ化できる、クラフト(Kraft)紙ベールなどの紙または板紙の束にしっかり締めることが可能である。たとえば、本明細書で記述する紙帯のさまざまな実施形態は、たとえばハイドロパルパー(hydropulper)で従来の再パルプ化方法および処理を使用して再パルプ化できるベールをしっかり締めることが可能である。
【0011】
従来の再パルプ化方法は、典型的には、再パルプ化のために使用する水が45℃~50℃の間の温度である場合に動作する。本明細書で記述する紙帯のさまざまな実施形態は、改善された強度の特質を有するだけではなく、45℃~50℃未満の、従来とは違う水温で再パルプ化できる可能性がある。詳細には、さまざまな実施形態による紙帯は、紙帯の強度の性質を改善し、かつ耐湿性を強化し、かつより低い温度で再パルプ化できるようにする可能性がある混成結合剤および/または複合結合剤を一緒に結合した複数の紙紐を含む。
【0012】
本明細書で記述する混成結合剤のある実施形態は、部分的に加水分解されたPVOHおよび完全に加水分解されたPVOHをさまざまな重量パーセントで備える結合剤として理解すべきである。
【0013】
本明細書で記述する複合結合剤のある実施形態は、部分的に加水分解されたPVOH、完全に加水分解されたPVOH、およびジカルボン酸をさまざまな重量パーセントで備える結合剤として理解すべきである。
【0014】
本明細書で記述する紙帯のさまざまな実施形態は、全体が本明細書に援用される、出願人の係争中の米国特許出願第15/172,012号明細書(「’012出願」)に記述される1つまたは複数の引抜機械/装置で、さまざまな方法および処理により形成できる。たとえば、
図1は、1対の紙帯ロールの例示的実施形態を示す。’012出願に記述された方法に従って、帯引抜機械で紙帯を形成した。紙帯は、テーパ状の区域を有する引抜鋳型を通して誘導されて引き抜かれ、続いて直線区域を通して引っ張り出される複数の撚紙紐を含む。引抜鋳型に連結した、導管などの含浸システムを介して、本明細書で記述する1つまたは複数の実施形態による複合混合剤を紙紐に注入した。
この例示的実施形態では、引抜鋳型のテーパ状区域に導管を連結した。したがって、撚紙紐は、テーパ状区域内で湿らされて複合結合剤でコートされ、その後、直線区域を通過するときに圧縮される。追加で、この例示的実施形態では、引抜鋳型は、複合結合剤を加熱する電気加熱システムを介して、およそ90℃で加熱される。その後、紙帯の中に形成されている撚紙紐を、赤外線ランプおよびヒートガンを含む帯ドライヤ装置を介して乾燥させる。
【0015】
一実施形態では、紙紐を一緒に結合して紙帯を形成できる混成結合剤は、水溶性の部分的に加水分解されたPVOH、および水不溶性の完全に加水分解されたPVOHを含む。一実施形態では、乾燥重量によれば、混成結合剤は、ほぼ30%~70%の部分的に加水分解されたPVOH、およびほぼ20%~50%の完全に加水分解されたPVOHを含む。別の実施形態では、乾燥重量によれば、混成結合剤は、ほぼ65%の部分的に加水分解されたPVOH、およびほぼ35%の完全に加水分解されたPVOHを含む。
【0016】
別の実施形態では、ジカルボン酸を含むことにより混成結合剤を「強化して」、複合結合剤にしてよい。ジカルボン酸は、少し温かい水に対して周囲への制限された溶解度を有するように選択される。たとえば、ジカルボン酸は、少し温かい水(たとえば、35℃~40℃)に対して環境温度(たとえば、20℃~25℃)で水の中にほぼ2~6g/100mlの溶解度を示すように選択できる。たとえば、いくつかの実施形態では、ジカルボン酸は、アジピン酸またはコハク酸を備えることが可能である。いくつかの実施形態では、複合結合剤は、乾燥重量によれば、ほぼ35%~40%のジカルボン酸を含むことが可能である。たとえば、いくつかの実施形態では、複合結合剤は、乾燥重量によれば、ほぼ38%~40%の部分的に加水分解されたPVOH、ほぼ20%~22%の完全に加水分解されたPVOH、およびほぼ37%~39%のアジピン酸を含むことが可能である。
【0017】
いくつかの実施形態では、本明細書で記述する1つまたは複数の実施形態による水性複合結合剤と結合した紙紐を有する紙帯は、保存および/または出荷する周囲条件で、飽和したとき、たとえば一定の相対湿度および温度での最大吸湿で、自身の引張強さを少なくとも85%~98%保有するという点で、強化された耐湿性を提供する。
上記で論じたように、従来の紙帯は、高い湿気飽和に曝されたとき、たとえば、耐えがたい湿度(たとえば、85%~90%RH)および高温(たとえば、35℃~40℃)に紙帯が曝されたとき、自身の引張強さを失う傾向にある。表1は、部分的に加水分解されたPVOHと結合した従来の紙帯と比較して、本明細書で記述するさまざまな実施形態による水性複合結合剤と結合した紙帯が示す強度損失の低減を例証する。
【0018】
詳細には、商品名Poval 22-88で販売される部分的に加水分解されたPVOHと結合した13の紐を有する紙帯を自由に条件付けて、たとえば、23℃で、50%の相対湿度で条件付けする環境に紙帯の両面を曝し、引張強さに関して試験した。この紙帯を比較するために、紙帯を23℃で、85%の相対湿度で自由に条件付けて、引張強さを試験した。従来の紙帯は、飽和したとき、5%の引張強さの損失を示した。
【0019】
表1に示すように、類似の条件の下で、本明細書で記述するさまざまな実施形態による混成結合剤および/または複合結合剤と結合した紙紐を有するさまざまな例の紙帯を自由に条件付けて、引張強さに関して試験した。
表1に例証するように、商品名Poval 22-88で販売される部分的に加水分解されたPVOH、およびアジピン酸をそれぞれ61%および38%備える複合結合剤と結合した紐を有する紙帯の、ある実施形態では、紙帯は、湿気が飽和したとき、ほぼ3%の引張強さの損失を示した。別の実施形態では、商品名Poval 22-88で販売される部分的に加水分解されたPVOH、および商品名Poval 28-99で販売される完全に加水分解されたPVOHをそれぞれほぼ65%およびほぼ35%備える混成結合剤と結合した紐を有する紙帯は、飽和したとき、ほぼ2.6%の引張り損失を示した。別の実施形態では、商品名Poval 22-88で販売される部分的に加水分解されたPVOHをほぼ40%、商品名Poval 28-99で販売される完全に加水分解されたPVOHをほぼ21%、およびアジピン酸をほぼ39%備える複合結合剤と結合した紐を有する紙帯は、飽和したとき、ほぼ2.4%の引張強さの損失を示した。したがって、表1で例証するように、本発明者らは、驚いたことに、かつ意外にも、部分的に加水分解されたPVOH、ならびに完全に加水分解されたPVOHおよびジカルボン酸のうち少なくとも一方または両方を有する混成結合剤および/または複合結合剤は、再パルプ化可能な紙帯の耐湿性を強化できることを発見した。
【0020】
【0021】
いくつかの実施形態では、本明細書で記述するさまざまな実施形態による、複合結合剤と結合した複数の紐を有する紙帯は、複合結合剤の単一コートまたは二重コートを含むが、複合結合剤の二重コートよりも多くは含まない。詳細には、紙帯形成は、’012出願に記述されたさまざまな方法および装置に従って、引抜鋳型を通して複数の紙紐を通過させるステップを含んでよい。
上記で記述するように、複合結合剤の第1のコートを紙紐に注入する。複合結合剤の第1のコートは、紙紐の一次結合剤の役割を果たす。引抜鋳型を加熱して、紙紐が引抜鋳型を通過するとき、紙紐および複合結合剤の乾燥を同時に開始する。次いで、コートされた紙紐をさらに加熱して、引抜鋳型から外に引抜成形された紙帯を乾燥させる。
【0022】
いくつかの実施形態では、複合結合剤の第2のコートを適用して、紐の間の付着、および引抜成形された帯に沿った複合結合剤の一様性を改善してよい。任意選択で、引抜成形された紙帯は、第1の引抜鋳型を通過した後、最初に乾燥すると、別の引抜鋳型を通過してよい。複合結合剤の第2のコートを紙帯に注入して、その後、再度乾燥させる。第2のコートは、たとえば温度がほぼ23℃であり、かつ相対湿度が50%~55%である通常の周囲条件で、または温度がほぼ40℃~45℃であり、かつ相対湿度がほぼ85%~90%の、より湿気が高い条件で、紙紐の付着を改善することが期待される。再度、第2の引抜鋳型を加熱して、紙帯が通過しているとき、紙紐および複合結合剤の乾燥を同時に開始する。次いで、二重にコートされた紙帯をさらに加熱して、約3重量%~5重量%の所望の湿気含有量まで乾燥を完了する。
【0023】
いくつかの実施形態では、本明細書で記述するさまざまな実施形態による、複合結合剤と結合した複数の紐を有する紙帯は、市販の再パルプ化できない帯に対して、より高い湿気含有量で完全に飽和するが、著しい強度損失を示すという点で、改善された耐湿性を有する。たとえば、いくつかの実施形態では、紙帯は、16.89±0.58%の湿気含有量で完全に飽和するのに対して、市販の再パルプ化できない帯は、12.16±0.13%の湿気含有量で完全に飽和し、両方とも40℃および90%RHで条件付けされた。
【0024】
表2に示すように、本開示による、複合結合剤と結合した複数の紐を有する紙帯は、市販の再パルプ化できない紙帯と比較して、完全な飽和に到達するためにより多くの量の湿気を必要とした。
詳細には、’012出願に記述されたさまざまな方法に従って、帯引抜機械で紙帯を形成した。商品名Poval 22-88で販売される部分的に加水分解されたPVOHを39.8重量パーセント、完全に加水分解されたPVOHを21.5重量パーセント、およびアジピン酸を38.7重量パーセント備える複合結合剤と複数の北部漂白針葉樹クラフト(Northern bleached softwood Kraft、NBSK)撚紙紐を結合させた。紙紐を、’012出願に記述された引抜鋳型を2回通過させ、複合結合剤で紙紐をコートし、各パスの後に紙紐を乾燥させた。紙紐は、ほぼ7.7重量%の総コーティングを有する。さらにまた、上記で記述する方法に従って、完全に加水分解されたPVOHと結合した複数のNBSK撚紙紐を有する、再パルプ化できない紙帯を形成した。
【0025】
40℃および90%の相対湿度で条件付ける環境に両方の帯面を直接曝したという点で、複合結合剤および市販の再パルプ化できない紙帯を備える紙帯を両方とも自由に条件付けた。
表2に例証するように、本開示のある実施形態を備える紙帯のさまざまな試料は、驚いたことに、かつ意外にも、平均で、完全な飽和で16.9%の湿気含有量を有していた。対照的に、市販の再パルプ化できない紙帯の試料は、平均で、完全な飽和で12.2%の湿気含有量を有していた。
【0026】
【0027】
他の実施例
実施例1~9は、直径1.2mmおよび線密度0.76g/mを有する複数の撚NBSK紙紐を使用して形成した紙帯を対象とする。商品名Poval 22-88で販売される部分的に加水分解されたPVOH、商品名Poval 28-99で販売される完全に加水分解されたPVOH、およびアジピン酸のうち1つまたは複数を備えるさまざまな水性結合剤とNBSK紙紐を結合させた。上記で記述するように、’012出願に記述されるさまざまな装置/機械を使用して、かつ本明細書で記述するさまざまな引抜方法を使用して、紙帯を形成した。
【0028】
全体が本明細書に援用されるTAPPI T 205で指定されるさまざまな試験処理および試験ステップを使用して、再パルプ化性に関して紙帯を評価した。たとえば、本明細書で記述するさまざまな実施形態による紙帯から得られる紙片を、ほぼ35℃で、離解機内で、たとえば英国式離解機内で条件付けた。それぞれ約1インチの長さの紙片は、ほぼ24グラムの重さがある。15,000サイクル、追加の15,000サイクル、および追加の20,000サイクルの間、すなわち合計50,000サイクルの間、3000RPMで、離解機の中で紙片をかき混ぜた。
【0029】
その後、離解機から得られる混合物を使用することにより、エセックスシート成形(Essex Sheet Mold)試験機械で紙帯用のハンドシートを準備した。詳細には、ほぼ70mlの試験混合物を水で希釈し、6秒間5回かき混ぜて、次にさらに6秒間2回かき混ぜた。その後、積み重ねられた3つのハンドシートの上に置かれた25ポンドのおもりを使用して、湿ったハンドシートの水気を取り、圧縮した。引き続いて、ほぼ1時間の間、積み重なったハンドシートを乾燥させた。
【0030】
実施例1および2
実施例1は、部分的に加水分解されたPVOHであるPoval 22-88と結合した撚NBSK紙紐を備える紙帯である。水溶性のPoval 22-88結合剤は、ほぼ19%の固体含有量を備えていた。
【0031】
実施例2は、完全に加水分解されたPVOHであるPoval 28-99と結合した撚NBSK紙紐を備える紙帯である。水不溶性のPoval 28-99結合剤は、ほぼ19%の固体含有量を備えていた。
【0032】
図2aは、実施例1による紙帯のハンドシートを例証する。
図2aで例証するように、紙帯は、再パルプ化できない残存繊維の凝集体を含まない、一様な均質のシートを示す。したがって、実施例1の紙帯は再パルプ化できる。
【0033】
図2bは、実施例2による紙帯のハンドシートを例証する。
図2bで例証するように、紙帯は、
図2aの紙帯とは対照的に、水不溶性の完全に加水分解されたPVOH,すなわちPoval 28-99により依然として結合した再パルプ化できない残存繊維から形成される複数の繊維凝集体を示す。したがって、実施例2の紙帯は、再パルプ化できない。
【0034】
実施例3および4
実施例3は、部分的に加水分解されたPVOHであるPoval 22-88、および完全に加水分解されたPVOHであるPoval 28-99を備える混成結合剤と結合した撚NBSK紙紐を備える紙帯である。固体に基づけば、水溶性のPoval 22-88結合剤は、50重量%備わっており、水不溶性のPoval 28-99結合剤は、50重量%備わっていた。
【0035】
実施例4は、部分的に加水分解されたPVOHであるPoval 22-88、および完全に加水分解されたPVOHであるPoval 28-99を備える混成結合剤と結合した撚NBSK紙紐を備える紙帯である。固体に基づけば、水溶性のPoval 22-88結合剤は、65重量%備わっており、水不溶性のPoval 28-99結合剤は、35重量%備わっていた。
【0036】
図3aは、実施例3による紙帯のハンドシートを例証する。
図3aで例証するように、紙帯は、低減された数の、再パルプ化できない残存繊維の凝集体を示す。
【0037】
図3bは、実施例4による紙帯のハンドシートを例証する。
図3bで例証するように、紙帯は、
図2aの紙帯とは対照的に、再パルプ化できない残存繊維から形成された凝集体を含まない、実質的に一様な均質のシートを示し、したがって、実施例4による紙帯は、再パルプ化可能な紙帯を形成する。
【0038】
実施例5および6
実施例5は、部分的に加水分解されたPVOHであるPoval 22-88、およびアジピン酸を備える複合結合剤と結合した撚NBSK紙紐を備える紙帯である。固体に基づけば、水溶性Poval 22-88結合剤は、ほぼ61重量%備わっており、アジピン酸は、ほぼ39重量%備わっており、熱水の中で事前に溶解され、次いで、PVOH水溶液の中で均質化される。
【0039】
実施例6は、部分的に加水分解されたPVOHであるPoval 22-88、完全に加水分解されたPVOHであるPoval 28-99、およびアジピン酸を備える複合結合剤と結合した撚NBSK紙紐を備える紙帯である。固体に基づけば、水溶性のPoval 22-88結合剤は、ほぼ40重量%備わっており、水不溶性のPoval 28-99結合剤は、22重量パーセント備わっていた。アジピン酸は、ほぼ39重量%備わっており、熱水の中で事前に溶解され、次いで、PVOH水溶液の中で均質化された。
【0040】
図4aは、実施例5による紙帯のハンドシートを例証する。
図4aで例証するように、紙帯は、
図2aの紙帯とは対照的に、再パルプ化できない残存繊維から形成された凝集体を含まない、実質的に一様な均質のシートを示し、したがって、実施例5による紙帯は、再パルプ化可能な紙帯を形成する。
【0041】
図4bは、実施例6による紙帯のハンドシートを例証する。
図4bで例証するように、紙帯は、
図2aの紙帯とは対照的に、再パルプ化できない残存繊維から形成された凝集体を含まない、実質的に一様な均質のシートを示し、したがって、実施例6による紙帯は、再パルプ化可能な紙帯を形成する。
【0042】
したがって、一般に、
図4aおよび
図4bは、周囲の少し温かい水で溶解度が制限されるにもかかわらず、アジピン酸は、紙帯の再パルプ化性を妨げないことを実証する。
【0043】
実施例7、8、および9
実施例7は、部分的に加水分解されたPVOHであるPoval 22-88、完全に加水分解されたPVOHであるPoval 28-99、およびアジピン酸を備える複合結合剤と結合した撚NBSK紙紐を備える紙帯である。固体に基づけば、水溶性のPoval 22-88結合剤は、ほぼ40重量%備わっており、水不溶性のPoval 28-99は、ほぼ22重量パーセント備わっていた。アジピン酸は、ほぼ39重量%備わっており、熱水の中で事前に溶解され、次いで、PVOH水溶液の中で均質化された。この実施例では、Poval 22-88、Poval 28-99、およびアジピン酸を備える複合結合剤の単一パスに注入して、撚紙紐を湿らせて、コートした。
【0044】
図5aは、実施例7による紙帯のハンドシートを例証する。
図5aで例証するように、紙帯は、
図2aの紙帯とは対照的に、再パルプ化できない残存繊維から形成された凝集体を含まない、実質的に一様な均質のシートを示し、したがって、実施例7による紙帯は、再パルプ化可能な紙帯を形成する。
【0045】
実施例8は、部分的に加水分解されたPVOHであるPoval 22-88、完全に加水分解されたPVOHであるPoval 28-99、およびアジピン酸を備える複合結合剤と結合した撚NBSK紙紐を備える紙帯である。固体に基づけば、水溶性のPoval 22-88結合剤は、ほぼ40重量%備わっており、水不溶性のPoval 28-99は、ほぼ22重量パーセント備わっていた。アジピン酸は、ほぼ39重量%備わっており、熱水の中で事前に溶解され、次いで、PVOH水溶液の中で均質化された。この実施例では、Poval 22-88、Poval 28-99、およびアジピン酸を備える複合結合剤の2回のパスに注入して、撚紙紐を湿らせて、コートした。
【0046】
図5bは、実施例8による紙帯のハンドシートを例証する。
図5bで例証するように、紙帯は、
図2aの紙帯とは対照的に、再パルプ化できない残存繊維から形成された凝集体を含まない、実質的に一様な均質のシートを示した。したがって、実施例8による紙帯は、再パルプ化可能な紙帯を形成する。
【0047】
実施例9は、部分的に加水分解されたPVOHであるPoval 22-88、完全に加水分解されたPVOHであるPoval 28-99、およびアジピン酸を備える複合結合剤と結合した撚NBSK紙紐を備える紙帯である。固体に基づけば、水溶性のPoval 22-88結合剤は、ほぼ40重量%備わっており、水不溶性のPoval 28-99は、ほぼ22重量パーセント備わっていた。アジピン酸は、ほぼ39重量%備わっており、熱水の中で事前に溶解され、次いで、PVOH水溶液の中で均質化された。この実施例では、Poval 22-88、Poval 28-99、およびアジピン酸を備える複合結合剤の3回のパスに注入して、撚紙紐を湿らせて、コートした。
【0048】
図5cは、実施例9による紙帯のハンドシートを例証する。
図5bで例証するように、紙帯は、
図2aの紙帯とは対照的に、再パルプ化できない残存繊維から形成された複数の繊維凝集体を示す。したがって、
図5cは、複合結合剤の第3のコートを適用することにより、再パルプ化できないようになる紙帯がもたらされることを例証している。
【0049】
図6aは、実施例7による紙帯の試料に関して行われた引張試験を例証し、Poval 22-28、Poval 28-99、およびアジピン酸を備える複合結合剤の単一パスに注入して、撚紙紐を湿らせ、コートした。その後、試料を23℃で、85%の相対湿度で条件付けて、引張強さに関して試験した。引張試験の結果を、23℃および50%の相対湿度で条件付けた紙帯からなる基準に関する引張試験の結果と比較した。
図6aに示すように、平均で、基準紙帯は、217lbf(重量ポンド)の平均引張強さを有し、一方では、23℃で、85%の相対湿度で条件付けられた紙帯は、201lbfの平均引張強さを有していた。
【0050】
図6bは、実施例8による紙帯の試料に関して行われた引張試験を例証し、Poval 22-28、Poval 28-99、およびアジピン酸を備える複合結合剤の第2のパスに注入して、撚紙紐を湿らせ、コートした。その後、試料を23℃で、85%の相対湿度で条件付けて、引張強さに関して試験した。引張試験の結果を、23℃および50%の相対湿度で条件付けた紙帯からなる基準に関する引張試験の結果と比較した。
図6bに示すように、平均で、基準紙帯は、221lbfの平均引張強さを有し、一方では、23℃で、85%の相対湿度で条件付けられた紙帯は、213lbfの平均引張強さを有していた。
【0051】
図6aおよび
図6bは、合わせて、複合結合剤の第2のパスが、一般に複合結合剤適用を微調整し、したがって、通常の湿気条件または高い湿気条件で紙紐の間でより良好な付着を確実にし、それにより、早すぎる帯破損を防止するのに有利であることを例証する。
【0052】
図7は、本明細書で記述するさまざまな実施形態による紙帯、および市販の再パルプ化できない紙帯に関して遂行した引張試験から得られた結果を例証するグラフである。詳細には、固体に基づけば、水溶性のPoval 22-88結合剤をほぼ40重量%、水不溶性のPoval 28-99をほぼ22重量%、およびアジピン酸をほぼ39重量%備える複合結合剤を含む紙帯の各試料を、その一方の面からNBSK乾燥ラップに対してしっかりと保持した。
詳細には、紙帯の一方の面を周囲の環境に曝す、NBSK乾燥ラップベールの周りに紙帯が巻き付けられる条件をシミュレートするために、試験条件は、NBSK乾燥ラップの一方の面に対して紙帯をしっかりと保持することを含み、一方では、紙帯の他方の面は曝された。次いで、湿気が完全に飽和するまで、40℃で、90%の相対湿度で、または23℃で、85%の相対湿度で試料を条件付けた。類似の条件の下で、PVOHに基づく結合剤と結合した複数のNBSK撚紙紐を有する、市販の再パルプ化できない紙帯試料を、紙帯の一方の面からNBSK乾燥ラップに対してしっかりと保持し、湿気が完全に飽和するまで、40℃で、90%の相対湿度で条件付けた。両方の紙帯の試料、すなわち、本明細書で記述する実施例8による複合結合剤を有する紙帯、および市販の再パルプ化できない紙帯を引張試験して、23℃および50%の相対湿度で条件付けた紙帯の基準に対して比較した。
図7に示すように、市販の再パルプ化できない紙帯の最終強度は、平均で15.7%だけ低減したのに対して、40℃で、90%の相対湿度で条件付けた、本明細書で記述する実施例8による紙帯は、10.4%だけしか低減せず、一方では、23℃で、85%の相対湿度で条件付けた実施例8による紙帯は、4.53%だけしか低減しなかった。
【0053】
本出願は、全体が本明細書に援用される、2018年8月28日に提出された米国特許仮出願第62/723,926号明細書の優先権の利益を主張する。
【0054】
本明細書で記述する紙帯のさまざまな実施形態は、耐湿性および強度を強化した。さらに、上記で記述するさまざまな実施形態の1つまたは複数を結合して、別の実施形態を提供できる。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で記述する結合剤(たとえば、混成結合剤および/または複合結合剤)の1つまたは複数の実施形態を使用して、折り重ねられた紙帯または折り重ねられない紙帯を形成できる。上記の詳細な記述を考慮して、実施形態にこれらおよび他の変更を行うことが可能である。
一般に、以下の特許請求の範囲では、使用する用語は、明細書および特許請求の範囲で開示する具体的な実施形態に特許請求の範囲を限定すると解釈されるべきではなく、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲と共にすべての可能な実施形態を含むと解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は、本開示により限定されない。