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特許7454282案内システム、情報処理装置及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】案内システム、情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/06 20060101AFI20240314BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240314BHJP
【FI】
A63B71/06 E
G06Q50/10
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022146162
(22)【出願日】2022-09-14
【審査請求日】2022-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】516171414
【氏名又は名称】リーガルプラネット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】後藤 喜久雄
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-165907(JP,A)
【文献】特開2017-217295(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0051675(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 71/06
A63B 69/00
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の審判員によって複数の観点から選手の競技内容を評価する数値データが決定される競技において、競技の進行状況に応じて前記競技を行う選手が待機する位置である第1の位置に位置する選手を、前記競技を行う位置又は前記競技を行う選手が待機する位置であって前記第1の位置と異なる位置である第2の位置へ、各位置への到着時刻及び競技開始の予定時刻と実際の時刻の間で遅延無く進行するために案内するための案内システムであって、
情報処理装置と、前記情報処理装置と通信接続される複数の表示装置と、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記複数の審判員がそれぞれ操作する操作端末から送信される前記数値データを前記複数の審判員を識別する複数の識別情報に対応した複数の対応数値データとして取得する取得部と、
前記対応数値データに基づいて得点の算出を行う算出部と、
前記複数の表示装置に表示させる表示情報を制御する表示制御部と、を備え、
前記第1の位置からその表示部が視認可能な位置に第1表示装置が配置され、前記第2の位置に第2表示装置が配置され、
前記表示制御部は、前記情報処理装置の表示部に、少なくとも選手の競技種目、競技順、氏名、所属及び対応到着データに基づく所定の位置又は地点への到着時刻及び競技開始時刻が含まれる選手リストを表示可能であり、前記第2表示装置に表示させる競技中の選手の氏名、所属及び前記算出部が算出した得点を含む第2表示情報と連動して、前記第1の位置に位置する選手に対する前記第2の位置への移動案内を含む第1表示情報を、前記第1表示装置に表示させる案内システム。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記算出部により算出された得点を前記第2表示情報として前記第2表示装置に表示させ、これと連動して前記第2の位置に案内する選手情報を前記第1表示情報として前記第1表示装置に表示させる請求項1記載の案内システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、前記第1表示装置に表示させる前記第1表示情報を任意に操作可能な操作部を備える請求項1又は2記載の案内システム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、前記表示情報に基づいて合成音声を生成する合成部を備え、
前記複数の表示装置は、前記合成部が生成した合成音声を出力する音声出力部をそれぞれ備える請求項1又は2記載の案内システム。
【請求項5】
前記選手の待機状況を入力可能な入力装置を備え、
前記情報処理装置は、前記入力装置によって入力された情報に基づいて案内される選手情報を特定する特定部を備える請求項1又は2記載の案内システム。
【請求項6】
記選手リストの一の選手の競技順の変更先を選択又は指定することで競技順を変更する変更手段を備える請求項1又は2記載の案内システム。
【請求項7】
前記情報処理装置は、選手を呼び出すための呼び出しボタンを備え、
前記表示制御部は、前記呼び出しボタンが押下された場合、前記第1表示情報を前記第1表示装置に表示させる請求項1又は2記載の案内システム。
【請求項8】
前記第2の位置には、前記情報処理装置の操作により任意のパターンで点灯又は点滅が可能な点灯装置が設けられ、
前記表示制御部は、競技進行の状況に応じて、前記パターンを切り換えて前記点灯装置の点灯又は点滅を制御する請求項1又は2記載の案内システム。
【請求項9】
前記第1表示装置は、前記第2の位置に配置され、
前記第2表示装置は、前記第1の位置からその表示部が視認できない位置に配置されている請求項1又は2記載の案内システム。
【請求項10】
複数の審判員によって複数の観点から選手の競技内容を評価する数値データが決定される競技において、競技の進行状況に応じて前記競技を行う選手が待機する位置である第1の位置に位置する選手を、前記競技を行う位置又は前記競技を行う選手が待機する位置であって前記第1の位置と異なる位置である第2の位置へ、各位置への到着時刻及び競技開始の予定時刻と実際の時刻の間で遅延無く進行するために案内するための情報処理装置であって、
複数の表示装置と通信接続され、
前記第1の位置に第1表示装置が配置され、前記第2の位置に第2表示装置が配置され、
前記複数の審判員がそれぞれ操作する操作端末から送信される前記数値データを前記複数の審判員を識別する複数の識別情報に対応した複数の対応数値データとして取得する取得部と、
前記対応数値データに基づいて得点の算出を行う算出部と、
前記複数の表示装置に表示させる表示情報を制御する表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、前記情報処理装置の表示部に、少なくとも選手の競技種目、競技順、氏名、所属及び対応到着データに基づく所定の位置又は地点への到着時刻及び競技開始時刻が含まれる選手リストを表示可能であり、前記第2表示装置に表示させる競技中の選手の氏名、所属及び前記算出部が算出した得点を含む第2表示情報と連動して、前記第1の位置に位置する選手に対する前記第2の位置への移動案内を含む第1表示情報を、前記第1表示装置に表示させる情報処理装置。
【請求項11】
複数の審判員によって複数の観点から選手の競技内容を評価する数値データが決定される競技において、複数の表示装置と通信接続され、前記競技を行う選手が待機する位置である第1の位置に第1表示装置が配置され、前記競技を行う位置又は前記競技を行う選手が待機する位置であって前記第1の位置と異なる位置である第2の位置に第2表示装置が配置され、競技の進行状況に応じて前記第1の位置に位置する選手を前記第2の位置へ、各位置への到着時刻及び競技開始の予定時刻と実際の時刻の間で遅延無く進行するために案内するための情報処理装置のコンピューターを、
前記複数の審判員がそれぞれ操作する操作端末から送信される前記数値データを前記複数の審判員を識別する複数の識別情報に対応した複数の対応数値データとして取得する取得部、
前記対応数値データに基づいて得点の算出を行う算出部、
前記複数の表示装置に表示させる表示情報を制御する表示制御部、として機能させ、
前記表示制御部は、前記情報処理装置の表示部に、少なくとも選手の競技種目、競技順、氏名、所属及び対応到着データに基づく所定の位置又は地点への到着時刻及び競技開始時刻が含まれる選手リストを表示可能であり、前記第2表示装置に表示させる競技中の選手の氏名、所属及び前記算出部が算出した得点を含む第2表示情報と連動して、前記第1の位置に位置する選手に対する前記第2の位置への移動案内を含む第1表示情報を、前記第1表示装置に表示させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、案内システム、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の審判員によって複数の観点から競技内容を評価する数値データが決定され、当該数値データに基づいて得点が算出される個人あるいは団体の競技(例えば、新体操やフィギュアスケート等)が知られている。当該競技においては、複数の審判員がそれぞれ備える端末に採点結果の入力を行い、上位の審判員の備える情報処理装置に送信することで、集計された得点合計等を表示装置に表示させることができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6935904号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、当該競技においては、各選手は所定の競技を行うメインアリーナと、当該メインアリーナで競技を行う選手が待機する待機場(サブアリーナ及びウォーミングアップエリア)に分けられ、競技の進行に応じて、待機場に位置する案内員によって待機場からメインアリーナへと案内されて競技を行う。
具体的には、待機場に位置する案内員は、各選手の競技順と、各選手の競技開始予定時刻が記載された紙ベースのリストを所持している。そして、当該案内員は、競技開始予定時刻になるたびに、該当する選手にメインアリーナへと移動するよう案内を行う。
【0005】
しかしながら、当該案内方法の場合、競技開始予定時刻よりも実際の競技開始時刻が遅れてしまっていると、案内員の案内に従って選手が待機場からメインアリーナへ移動しても、直前の選手が競技中であるためにメインアリーナ外へ引き戻されてしまい、高まったモチベーションが低下してしまうことがある。他方で、競技開始予定時刻よりも遅らせて選手を案内すると、全体の競技時間が間延びしてしまう。
【0006】
また、メインアリーナの隣のウォーミングアップエリアでは出場直前の選手が待機しているが、選手を誘導するスタッフには、審判員の採点状況が分からないため、直前の選手の演技が終わっても、試合フロアに送り出すタイミングが判断できない。通常は審判長が緑の旗を上げることで、演技開始を知らせている。しかしながら、審判長が緑の旗を上げてから選手を試合フロアに送り出したのでは、ウォーミングアップエリアから歩いて向かうので時間的なロスが発生する。通常は審判長が緑の旗を上げる時には、選手は既に試合フロアに立って待機している。前記のロスは1人30秒としても、1日200人程度の選手が出場する大会では、合計100分の遅れとなり、試合運営で重大な影響を及ぼすことになる。具体的には試合会場の予約や費用(延長費用)、また、選手が帰宅する時間(例えば飛行機で試合会場に来る選手もいるため)など、大会の遅延はこれらの要素に好ましくない影響を生じさせてしまうことになる。
【0007】
そこで、メインアリーナに案内員を配置し、待機場に位置する案内員とレシーバー等の音声通信手段によって通信させれば当該課題は解消される。しかしながら、このようにした場合、増員される案内員と通信手段の分だけコストが増大してしまうという課題が他方で生まれてしまう。また、音声通信手段による通信の場合、会場の騒音で音声が聞き取りにくくなり、情報伝達に遅れが生じる可能性を有する。
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、大会運営を遅延無く進め、審判業務への負担軽減、合わせて、低コストで選手を適切に案内することができる案内システム、情報処理装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
複数の審判員によって複数の観点から選手の競技内容を評価する数値データが決定される競技において、競技の進行状況に応じて前記競技を行う選手が待機する位置である第1の位置に位置する選手を、前記競技を行う位置又は前記競技を行う選手が待機する位置であって前記第1の位置と異なる位置である第2の位置へ、各位置への到着時刻及び競技開始の予定時刻と実際の時刻の間で遅延無く進行するために案内するための案内システムであって、
情報処理装置と、前記情報処理装置と通信接続される複数の表示装置と、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記複数の審判員がそれぞれ操作する操作端末から送信される前記数値データを前記複数の審判員を識別する複数の識別情報に対応した複数の対応数値データとして取得する取得部と、
前記対応数値データに基づいて得点の算出を行う算出部と、
前記複数の表示装置に表示させる表示情報を制御する表示制御部と、を備え、
前記第1の位置からその表示部が視認可能な位置に第1表示装置が配置され、前記第2の位置に第2表示装置が配置され、
前記表示制御部は、前記情報処理装置の表示部に、少なくとも選手の競技種目、競技順、氏名、所属及び対応到着データに基づく所定の位置又は地点への到着時刻及び競技開始時刻が含まれる選手リストを表示可能であり、前記第2表示装置に表示させる競技中の選手の氏名、所属及び前記算出部が算出した得点を含む第2表示情報と連動して、前記第1の位置に位置する選手に対する前記第2の位置への移動案内を含む第1表示情報を、前記第1表示装置に表示させる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の案内システムであって、
前記表示制御部は、前記算出部により算出された得点を前記第2表示情報として前記第2表示装置に表示させ、これと連動して前記第2の位置に案内する選手情報を前記第1表示情報として前記第1表示装置に表示させる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の案内システムであって、
前記情報処理装置は、前記第1表示装置に表示させる前記第1表示情報を任意に操作可能な操作部を備える。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2記載の案内システムであって、
前記情報処理装置は、前記表示情報に基づいて合成音声を生成する合成部を備え、
前記複数の表示装置は、前記合成部が生成した合成音声を出力する音声出力部をそれぞれ備える。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1又は2記載の案内システムであって、
前記選手の待機状況を入力可能な入力装置を備え、
前記情報処理装置は、前記入力装置によって入力された情報に基づいて案内される選手情報を特定する特定部を備える。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1又は2記載の案内システムであって、
記選手リストの一の選手の競技順の変更先を選択又は指定することで競技順を変更する変更手段を備える。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1又は2記載の案内システムであって、
前記情報処理装置は、選手を呼び出すための呼び出しボタンを備え、
前記表示制御部は、前記呼び出しボタンが押下された場合、前記第1表示情報を前記第1表示装置に表示させる。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項1又は2記載の案内システムであって、
前記第2の位置には、前記情報処理装置の操作により任意のパターンで点灯又は点滅が可能な点灯装置が設けられ、
前記表示制御部は、競技進行の状況に応じて、前記パターンを切り換えて前記点灯装置の点灯又は点滅を制御する。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項1又は2記載の案内システムであって、
前記第1表示装置は、前記第2の位置に配置され、
前記第2表示装置は、前記第1の位置からその表示部が視認できない位置に配置されている。
【0018】
請求項10に記載の発明は、
複数の審判員によって複数の観点から選手の競技内容を評価する数値データが決定される競技において、競技の進行状況に応じて前記競技を行う選手が待機する位置である第1の位置に位置する選手を、前記競技を行う位置又は前記競技を行う選手が待機する位置であって前記第1の位置と異なる位置である第2の位置へ、各位置への到着時刻及び競技開始の予定時刻と実際の時刻の間で遅延無く進行するために案内するための情報処理装置であって、
複数の表示装置と通信接続され、
前記第1の位置に第1表示装置が配置され、前記第2の位置に第2表示装置が配置され、
前記複数の審判員がそれぞれ操作する操作端末から送信される前記数値データを前記複数の審判員を識別する複数の識別情報に対応した複数の対応数値データとして取得する取得部と、
前記対応数値データに基づいて得点の算出を行う算出部と、
前記複数の表示装置に表示させる表示情報を制御する表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、前記情報処理装置の表示部に、少なくとも選手の競技種目、競技順、氏名、所属及び対応到着データに基づく所定の位置又は地点への到着時刻及び競技開始時刻が含まれる選手リストを表示可能であり、前記第2表示装置に表示させる競技中の選手の氏名、所属及び前記算出部が算出した得点を含む第2表示情報と連動して、前記第1の位置に位置する選手に対する前記第2の位置への移動案内を含む第1表示情報を、前記第1表示装置に表示させる。
【0019】
請求項11に記載の発明は、プログラムであって、
複数の審判員によって複数の観点から選手の競技内容を評価する数値データが決定される競技において、複数の表示装置と通信接続され、前記競技を行う選手が待機する位置である第1の位置に第1表示装置が配置され、前記競技を行う位置又は前記競技を行う選手が待機する位置であって前記第1の位置と異なる位置である第2の位置に第2表示装置が配置され、競技の進行状況に応じて前記第1の位置に位置する選手を前記第2の位置へ、各位置への到着時刻及び競技開始の予定時刻と実際の時刻の間で遅延無く進行するために案内するための情報処理装置のコンピューターを、
前記複数の審判員がそれぞれ操作する操作端末から送信される前記数値データを前記複数の審判員を識別する複数の識別情報に対応した複数の対応数値データとして取得する取得部、
前記対応数値データに基づいて得点の算出を行う算出部、
前記複数の表示装置に表示させる表示情報を制御する表示制御部、として機能させ、
前記表示制御部は、前記情報処理装置の表示部に、少なくとも選手の競技種目、競技順、氏名、所属及び対応到着データに基づく所定の位置又は地点への到着時刻及び競技開始時刻が含まれる選手リストを表示可能であり、前記第2表示装置に表示させる競技中の選手の氏名、所属及び前記算出部が算出した得点を含む第2表示情報と連動して、前記第1の位置に位置する選手に対する前記第2の位置への移動案内を含む第1表示情報を、前記第1表示装置に表示させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、大会運営を遅延無く進め、審判業務への負担軽減、合わせて、低コストで選手を適切に案内することができる案内システム、情報処理装置及びプログラムを提供ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係る案内システムを表す概念図である。
図2】本発明の実施形態に係る案内システムを表すブロック図である。
図3A】競技順を含む選手リストが表示された情報処理装置の表示部を示す図である。
図3B】競技順の変更を行っている選手リストが表示された情報処理装置の表示部を示す図である。
図3C】競技順の変更を行った選手リストが表示された情報処理装置の表示部を示す図である。
図4A】第2表示情報として、採点結果が表示された第2表示装置の表示部を示す図である。
図4B】第1表示情報として、選手への移動案内が表示された第1表示装置の表示部を示す図である。
図4C】任意に入力された第1表示情報として、選手の遺失物を拾得した旨が表示された第1表示装置の表示部を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る案内システムにおける、情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。また、以下の説明において、同一の機能及び構成を有するものについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0023】
案内システム100は、複数の審判員によって複数の観点から競技内容を評価する数値データが決定され、当該数値データに基づいて得点が算出される個人あるいは団体の競技において、競技の進行状況に応じて第1の位置P1から第2の位置P2へ選手を適切に案内するシステムである。
【0024】
なお、以下においては女子の新体操の大会に本システムが用いられる場合について説明を行うが、本システムが適用可能な競技は女子の新体操に限られない。また、本発明においては、第2の位置P2を選手が競技を行うメインアリーナ、第1の位置P1を競技前の選手がウォーミングアップを行うサブアリーナとして説明を行うが、これに限られない。
【0025】
[全体図]
図1は本発明の概念図であり、図2は、本発明のブロック図である。案内システム100は、図1及び図2に示すように、情報処理装置10と、複数の表示装置20と、複数の操作端末30と、入力装置40と、点灯装置50とを備える。
【0026】
図2に示すように、当該案内システム100において、少なくとも情報処理装置10は、表示装置20、操作端末30及び入力装置40と、通信ネットワークによって互いに通信可能に接続されている。通信ネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)、インターネット、あるいは電気通信事業者等の電話回線網ないし携帯電話通信網等である。
なお、図1に示すように、これら全ての機器が通信ネットワークによって互いに通信可能に接続されていてもよい。
【0027】
(情報処理装置)
情報処理装置10は、操作端末30を備える複数の審判員とは異なる、コーディネータージャッジ、セクレタリー、あるいは競技部長と呼ばれる上位の審判員が操作する端末である。情報処理装置10は、第2の位置P2に配置される。
【0028】
情報処理装置10は、具体的には例えば、ノート型PC(Personal Computer)、タブレット型PC、あるいはデスクトップ型PC等である。
情報処理装置10は、制御部11、記憶部12、表示部13、操作部14及び通信部15等を備える。
【0029】
{制御部}
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備える。CPUは、ROMに記憶された各種制御用のプログラムや設定データを読み出してRAMに記憶させ、当該プログラムを実行する。
【0030】
なお、ROMに代えてEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリー等の書き換え可能な不揮発性メモリーが用いられても良い。また、RAMは不揮発性メモリーを含んでも良い。
【0031】
制御部11は、所定のプログラムを実行することにより、取得部、算出部、表示制御部、合成部、特定部として機能する。
【0032】
〔取得部〕
取得部は、各審判員が備える操作端末30から送信された数値データを、各審判員を識別する複数の識別情報と対応付けた対応数値データとして取得する。また、入力装置40から送信された到着信号を、各選手を識別する識別情報と対応付けた対応到着データとして取得する。
【0033】
〔算出部〕
算出部は、取得部が取得した対応数値データに基づいて、競技を行った各選手の得点を算出する。
【0034】
〔表示制御部〕
表示制御部は、表示部13の表示画面に、複数の識別情報と、複数の対応数値データ等を一覧表示させるとともに、算出部によって算出された選手の得点を表示させる。
【0035】
また、表示制御部は、表示部13の表示画面に、記憶部12に記憶された選手データに基づき、例えば図3に示すような選手リストを表示させる。
当該選手リストは、例えば選手の競技種目、競技順、氏名、所属、対応到着データに基づく第1の位置P1への到着時刻、競技開始時刻といった情報を含む。
【0036】
また、表示制御部は、表示部13の表示画面に、選手の競技順を変更可能な変更手段である競技順変更ボタンB及び完了ボタンBのいずれかを、選手リストと共に表示する。情報処理装置10の操作者は、当該競技順変更ボタンBと完了ボタンBを押下することで、選手の競技順を変更できる。
具体的には図3Aに示すように、初めに表示制御部は、表示部13の表示画面に、選手リストと共に競技順変更ボタンBを表示する。操作者が競技順変更ボタンBを押下すると、例えば図3Bに示すように、表示制御部は、表示部13の表示画面に、再設定列を選手リストに追加表示し、完了ボタンBを新たに表示する。再設定列の各欄は、テキストフォームないしプルダウンリストであり、任意の選手の変更後の競技順を入力可能となっている。例えば、種目がクラブであり、選手番号107の竹内A江選手の競技順を7番目から17番目に変更したい場合は、再設定列における竹内A江選手の欄に「17」を入力する。変更後の競技順の入力後、操作者は完了ボタンBを押下する。
【0037】
操作者が完了ボタンBを押下し、競技順が変更されると、図3Cに示すように、表示制御部は、竹内A江選手の競技順を17番目に移動させ、変更元である7行目を「時間調整」としてロス時間を設ける。また、表示制御部は、このように競技順が変更されると、当該変更に合わせて、後述する第1表示装置21に表示させる第1表示情報や、操作端末30に表示される選手リストを更新させる。また、制御部11は、記憶部12に記憶された選手データを更新する。
【0038】
新体操においては、クラブとリボンなど、2種目の演技を交互に実施することが多くある。2種目の演技を交互に実施する場合、審判もクラブとリボンの両方の判定を担当することが多々ある。
例えば、元々A選手のクラブ、B選手のリボン、C選手のクラブ、D選手のリボンという競技順であったのを、B選手にトラブルが発生し、D選手のリボン以降にB選手のリボンを移動させた場合、A選手のクラブ、C選手のクラブというように、連続して同じ種目の演技が実施される。しかしながら、従来は競技順を含む選手リストを紙ベースでスタッフに配布していたため、当該変更がうまくスタッフに共有されないことがあった。そして、進行スタッフの連携が上手くいかないと、A選手のクラブの採点が終わっていないうちに、C選手のクラブの演技が始まり、両方の判定を担当している審判が判定できなくなることがあった。
【0039】
一方で、上記構成によれば、変更手段により、変更元の時間を「時間調整」として空白にして、ロス時間を設けられる。そのため、現場の混乱を回避できる。
また、情報処理装置10の操作による競技順の変更は、第1表示装置21や操作端末30に適時反映される。そのため、第1の位置P1で待機中の選手や他の審判員等に容易に競技順の変更を共有できる。
【0040】
なお、上記においては変更元の時間にロス時間を設ける場合を例示したが、これに限られない。例えば、ロス時間を設けずに、変更前の競技順が8番目から17番目の選手の競技順を、7番目から16番目に繰り上げるようにしても構わない。あるいは、変更前の競技順が17番目の選手の試技順を7番目となるように入れ替えても構わない。
このような、変更元の試技順の調整については、情報処理装置10の操作により任意に設定を選択可能であるのが好ましい。
【0041】
また、表示制御部は、コーディネータージャッジなどの操作に基づいて、第2表示情報を後述する第2表示装置22に表示させる。また、第2表示情報の表示と連動して、後述する第1表示装置21に第1表示情報を表示させる。
【0042】
第2表示情報とは、例えば図4Aに示すような、競技中の選手の氏名や所属等の選手情報と、算出部によって算出された得点とが含まれる採点結果である。
【0043】
また、第1表示情報とは、第1の位置P1に位置する選手に対する第2の位置P2への移動案内である。具体的には、例えば図4Bに示すように、第1表示情報には、第2の位置P2で競技中の選手の選手情報や、当該競技中の選手よりも競技順が後であってかつ、競技順が近い選手である待機選手の選手情報が含まれる。また、当該競技中の選手の採点状況や、当該待機選手のうち、次に競技を行う選手への移動案内が含まれる。
【0044】
第1表示情報のうち、選手情報は、第2表示情報と同様に記憶部12の選手データから取得することができる。また、競技中の選手の採点状況は、例えば操作端末30から数値データを取得する度に採点状況表示部23の点灯箇所が1つ増えるように第1表示情報を切り替えさせ、審判員の数に対して何箇所点灯しているかで示される。
また、次に競技を行う選手は、特定部によって特定される。特定部による次に競技を行う選手の特定方法については後述する。
【0045】
なお、女子の新体操においては、大会に応じて審判員の人数が変動するのが一般的である。そのため、案内システム100の起動時等に審判員の数を入力可能として、当該入力内容に応じて採点状況表示部23における表示方法が適宜修正されるのが好ましい。
【0046】
また、第1表示情報は上記の内容に限られず、例えば第1の位置P1から第2の位置P2への移動経路を含む会場地図を共に表示させるようにしても構わない。
【0047】
また、第1表示情報として、第2表示情報と同様に採点結果を表示させるようにしても構わない。通常、各選手には予め競技順を含む紙ベースの選手リストが配布される。そのため、自分の前の選手が採点完了して採点結果が表示されたら第2の位置P2に移動するように予め周知すれば、当該構成であっても、各選手を案内することができる。
【0048】
また、第1表示情報は、1人の選手に対する移動案内に限られず、複数の選手に対する移動案内であってもよい。
【0049】
また、例えば昼休憩時等に大会の運営スタッフが選手の遺失物を拾得した場合、表示制御部は、その旨を図4Cに示すように第1表示情報として表示させるようにしても構わない。
このような突発的な事態に対して、第1表示情報として表示を行うことができるように、操作部14の操作により、第1表示情報は任意に変更可能であるのが好ましい。
【0050】
〔合成部〕
合成部は、表示制御部と連動して、表示装置20に表示させるテキストの表音文字列データに基づいて、合成音声を生成する。
【0051】
合成部としては、音声合成LSI(Large Scale Integration)など、適宜公知の構成を用いることができる。また、合成部は、リアルタイムに合成音声を生成する構成に限られず、例えば予め生成された合成音声を適宜組み合わせる構成としても構わない。
【0052】
〔特定部〕
特定部は、次に案内を行う選手の情報を特定する。
特定部は、競技中の選手の選手情報と、記憶部12に記憶された選手データと、取得部が取得した対応到着データに基づいて、次に案内を行う選手の情報を特定する。
【0053】
具体的には例えば、特定部は、記憶部12に記憶された選手データを参照して、競技中の選手に競技順が後続する選手の対応到着データを確認する。対応到着データを参照した結果、当該競技順が後続する選手が第1の位置P1に位置している場合は、当該競技順が後続する選手を次に案内を行う選手として特定する。一方で、当該競技順が後続する選手が第1の位置P1に位置していない、あるいは棄権している場合は、当該競技順が後続する選手に更に競技順が後続する選手の対応到着データを確認する。
【0054】
{記憶部}
記憶部12は、制御部11のCPUが実行するプログラムや、競技順等の選手情報を含む選手データが記憶されている。また、記憶部12は、取得部が取得した対応数値データや、対応到着データ、また算出部が算出した得点等を逐次記憶する。
【0055】
記憶部12としては、HDD(Hard Disk Drive)等が用いられる。また、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等が併用されてもよい。
【0056】
{表示部}
表示部13は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のフラットディスプレイを備える。表示部13は、表示制御部によって出力された表示制御信号に基づいた画像を表示する。
【0057】
{操作部}
操作部14は、例えばキーボード及びマウスによって構成され、入力操作を受け付ける。なお、操作部14としては、表示部13の表示画面上に設けられたタッチパネルなど、従来公知の様々な構成の入力デバイスが使用可能である。
【0058】
{通信部}
通信部15は、通信用IC(Integrated Circuit)及び通信コネクタなどを有する通信インターフェースである。通信部15は、制御部11の制御の下、所定の通信プロトコルを用いて通信ネットワークを介したデータ通信を、表示装置20、操作端末30及び入力装置40と行う。
【0059】
(表示装置)
表示装置20は、表示制御部の制御に基づいて、種々の画像を表示するディスプレイである。
【0060】
{第1表示装置}
第1表示装置21は、表示部21a、音声出力部21b及び通信部21cを備える。
第1表示装置21は、第1の位置P1からその表示部21aが視認可能に配置された表示装置20であり、表示部21aに第1表示情報を表示する。
本実施形態においては、図1図2に示すように、第1表示装置21は第1の位置P1に配置されている。
【0061】
〔表示部〕
表示部21aは、情報処理装置10の表示部13と略同様に、CRTやLCD等のフラットディスプレイを備える。表示部21aは、表示制御部から取得した表示制御信号に基づいた第1表示情報を表示する。
【0062】
〔音声出力部〕
音声出力部21bは、例えばアンプやスピーカー等を有し、表示部21aにおける第1表示情報の表示に合わせて合成部が生成した合成音声を出力する。
なお、プラグを備える別体のスピーカーを音声出力部21bとして、第1表示装置21が備えるジャックと接続させることで合成音声が出力される構成としても構わない。また、情報処理装置10や、大会の進行係が備える端末が音声出力部21bを備える構成としても構わない。
【0063】
〔通信部〕
通信部21cは、情報処理装置10の通信部15と通信を行うための通信インターフェースであって、第1表示情報や合成音声を表示制御部及び合成部から取得する。
【0064】
{第2表示装置}
第2表示装置22は、表示部22a、音声出力部22b及び通信部22cを備える。
第2表示装置22は、第2の位置P2に配置された表示装置20であり、表示部22aに第2表示情報を表示する。
なお、通信部22cが第2表示情報を取得し、表示部22aが第2表示情報を表示する点を除いて、第2表示装置22の構成及び作用は、第1表示装置21と同一である。そのため、詳細な説明は割愛する。
【0065】
(操作端末)
操作端末30は、メインアリーナに位置する複数の審判員がそれぞれ備える端末である。操作端末30は、例えばノート型PC、タブレット型PC、デスクトップ型PC、あるいは専用の入力装置である。
【0066】
操作端末30は、ネットワークを介して情報処理装置10と通信可能に接続されている。また、操作端末30は、数値データを入力するための入力部、入力部によって入力された数値データや、選手リストが表示される表示部、ネットワークを介して数値データを情報処理装置10に送信するための通信部等を含んで構成される。
【0067】
[入力装置]
入力装置40は、第1の位置P1に配置され、第1の位置P1に到着した選手によって操作される。入力装置40は、選手が第1の位置P1に到着したという到着信号を、当該選手の識別情報と共に情報処理装置10へ送信する。
【0068】
入力装置40は、制御部41、記憶部42、表示部43、操作部44、通信部45等を備える。なお、記憶部42から通信部45の構成は、情報処理装置10の記憶部12から通信部15と略同様である。そのため、詳細な説明は割愛する。
【0069】
{制御部}
制御部41は、情報処理装置10の制御部11と同様に、CPU、ROM、RAM等を備え、所定のプログラムを実行する。制御部41は、当該所定のプログラムの実行により、認証部として機能する。
【0070】
〔認証部〕
認証部は、選手によって操作部44から入力されたIDやパスワード等の機密情報を、予め記憶部42に記憶されている機密情報である参照用データと照合することにより、選手の認証を行う。認証部が認証を行うと、選手が操作部44の操作により、到着信号を送信可能になる。そして、通信部45により、認証情報と到着信号が情報処理装置10に送信される。
【0071】
なお、本発明における「到着信号」とは、選手が第1の位置P1に到着したという信号に限られない。例えば、選手が不慮のアクシデントにより棄権することになった場合は、棄権するという内容を入力装置40によって送信してもよく、当該送信内容も「到着信号」に含まれる。
【0072】
また、認証部による認証方法は機密情報の入力に限られない。例えば磁気ヘッド装置を設けて、選手の所持する磁気カードが接触されることで認証を行う方法など、適宜公知の方法を用いて構わない。
また、認証部による認証が行われると、自動的に認証情報と到着信号を情報処理装置10に送信する構成としても構わない。
【0073】
[点灯装置]
点灯装置50は、表示制御部の制御に基づいて任意のパターンで点灯又は点滅が可能な装置である。図1に示すように、点灯装置50は、例えばパトライト(登録商標)であり、第2の位置P2の所定の箇所に配置される。
情報処理装置10の操作者は、競技を開始、ないし中断する際に、点灯装置50を点灯又は点滅させることで、容易に選手又は/及び運営スタッフに意思伝達することができる。
【0074】
具体的には、例えば競技開始を伝達したい場合は、点灯装置50に緑のライトを点灯させる。また、待機を伝達したい場合は、点灯装置50に黄のライトを点灯させる。また、協議などで所定の時間を要する場合は、点灯装置50に赤のライトを点灯させる。
【0075】
[案内システムの動作]
次に、本実施の形態に係る案内システム100の動作について説明する。
図5は、案内システム100のうち、情報処理装置10の動作の流れを示すフローチャートである。
【0076】
選手の競技が行われると、取得部は、操作端末30から数値データを取得したか判定を行う(ステップS101)。数値データを取得していない場合(ステップS101;No)、数値データを取得するまで待機する。
【0077】
数値データを取得した場合(ステップS101;Yes)、取得した数値データに応じて、第1表示情報を更新する(ステップS102)。具体的には、図4Bにおける採点状況表示部23の点灯箇所を1つ増やすように第1表示情報を更新して、当該第1表示情報を第1表示装置21に送信し、表示部21aに表示させる(ステップS103)。
【0078】
そして、制御部11は、通信接続された全ての操作端末30から数値データを取得したか否かを判定する(ステップS104)。全ての操作端末30から数値データを取得していない場合(ステップS104;No)、ステップS101に遷移し、残りの操作端末30から数値データを取得するまでステップS101からステップS104を繰り返す。
【0079】
全ての操作端末30から数値データを取得した場合(ステップS104;Yes)、算出部により合計得点の算出を行う(ステップS105)。制御部11は、当該合計得点に対して、承認指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS106)。承認指示を受け付けていない場合、(ステップS106;No)、修正指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS107)。
【0080】
修正指示を受け付けた場合(ステップS107;Yes)、ステップS105に遷移し、当該修正指示に基づいて再度合計得点を算出する。
修正指示を受け付けていない場合(ステップS107;No)、ステップS106に遷移し、承認指示ないし修正指示を受け付けるまで待機する。
【0081】
承認指示を受け付けた場合(ステップS106;Yes)、表示制御部は、当該合計得点と記憶部12の選手データから取得した選手情報に基づいて、第2表示情報を生成する。また、合成部は、当該第2表示情報に基づく合成音声を生成する(ステップS108)。
【0082】
一方で、特定部は次に案内を行う選手を特定する。そして、表示制御部は、特定部から取得した、次に案内を行う選手の選手情報に基づいて、第1表示情報を生成する。また、合成部は、当該第1表示情報に基づく合成音声を生成する(ステップS109)。
なお、ステップS108とステップS109は、その順番が前後しても構わない。
【0083】
制御部11は、通信部15により、第1表示装置21に第1表示情報と合成音声を送信する。また、第2表示装置22に第2表示情報と合成音声を送信する(ステップS110)。
【0084】
第1表示情報及び合成音声を受信した第1表示装置21は、表示部21aに当該第1表示情報を表示するとともに、音声出力部21bによって当該合成音声を出力する。また、第2表示装置22も同様に、表示部22aに第2表示情報を表示するとともに、音声出力部22bによって合成音声を出力する。
【0085】
[技術的効果]
以上に示すように、本実施形態に係る案内システム100は、情報処理装置10と、情報処理装置10と通信接続される複数の表示装置20と、を備える。情報処理装置10は、複数の審判員がそれぞれ操作する操作端末30から送信される数値データを複数の審判員を識別する複数の識別情報に対応した複数の対応数値データとして取得する取得部と、対応数値データに基づいて得点の算出を行う算出部と、複数の表示装置20に表示させる表示情報を制御する表示制御部と、を備える。また、第1の位置P1からその表示部21aが視認可能な位置に第1表示装置21が配置され、第2の位置に第2表示装置22が配置される。そして、表示制御部は、第2表示装置22に表示させる第2表示情報と連動して、第1の位置P1に位置する選手を第2の位置P2へ案内するための第1表示情報を、第1表示装置21に表示させることで、第1の位置P1に位置する選手を、第2の位置P2へ競技の進行状況に応じて案内する。
【0086】
当該構成によれば、従来第1の位置P1や第2の位置P2に配置していた案内員や、当該案内員に携帯させていた音声通信手段を用意せずとも、選手に第1表示情報を示すことで、適切に第1の位置P1から第2の位置P2への移動案内をすることができる。結果、低コストで選手を適切に案内することができる。
【0087】
また、本実施形態に係る案内システム100において、表示制御部は、算出部により算出された得点を第2表示情報として第2表示装置22に表示させ、これと連動して第2の位置P2に案内する選手情報を第1表示情報として第1表示装置21に表示させる。
当該構成によれば、第2の位置P2に配置された第2表示装置22における、第2表示情報としての採点結果の表示とともに、第1の位置P1に位置する選手に第1表示情報としての移動案内を表示することができる。そのため、大会を遅延なくシームレスに進行させることができる。
【0088】
また、情報処理装置10は、第1表示装置21に表示させる第1表示情報を任意に操作可能な操作部14を備える。
当該構成によれば、遺失物の拾得など、第1表示装置21に表示させる必要のある事象が突発的に発生した場合であっても、適切に第1の位置P1に位置する選手に周知させることができる。
【0089】
また、情報処理装置10は、表示情報に基づいて合成音声を生成する合成部を備え、複数の表示装置20は、合成部が生成した合成音声を出力する音声出力部21b、22bをそれぞれ備える。
当該構成によれば、第1表示情報ないし第2表示情報のアナウンスに係る人的コストも削減することができる。そのため、より低コストとすることができる。
【0090】
また、選手の待機状況を入力可能な入力装置40を備え、情報処理装置10は、入力装置40によって入力された情報に基づいて案内される選手情報を特定する特定部を備える。
当該構成によれば、第1の位置P1に案内員を配置し、当該案内員に選手が第1の位置P1に到着したことを確認させる必要が無くなる。そのため、より低コストとすることができるようになる。
【0091】
また、情報処理装置10は、選手の競技順を含む選手リストを表示部13に表示可能であり、選手リストの一の選手の競技順の変更先を選択又は指定することで競技順を変更する変更手段を備える。
当該構成によれば、容易に選手の競技順を変更することができる。
【0092】
また、第2の位置P2には、情報処理装置10の操作により任意のパターンで点灯又は点滅が可能な点灯装置50が設けられ、表示制御部は、競技進行の状況に応じて、パターンを切り換えて点灯装置50の点灯又は点滅を制御する。
当該構成によれば、選手又は/及び運営スタッフに容易に意思伝達することができる。
【0093】
[その他の構成]
上記においては第1の位置P1をサブアリーナ、第2の位置P2をメインアリーナと設定し、2地点の間の移動の案内に本発明を適用する場合を例示した。しかし、通常新体操の大会においては、サブアリーナでウォーミングアップを行う前の選手が待機する待機場が設けられている。したがって、各選手は待機場からサブアリーナ、サブアリーナからメインアリーナと、3地点の間を移動するが、本発明は、このような3以上の地点の間の移動を案内する場合にも適用することができる。
【0094】
当該構成においては、上記と同様に、メインアリーナには情報処理装置10と、第2表示装置22と、複数の操作端末30と、が配置される。また、サブアリーナには第1表示装置21と、入力装置40と、が配置される。
また、待機場では競技は行われないため、サブアリーナと同様に、第1表示装置21と入力装置40が配置される。
【0095】
当該構成においては、始点である待機場は第1の位置P1となり、終点であるメインアリーナは第2の位置P2となるが、中間点であるサブアリーナは、メインアリーナとの関係では第1の位置P1となる一方で、待機場との関係では第2の位置P2となる。
【0096】
そのため、当該構成においては、メインアリーナの第2表示装置22に表示された第2表示情報に連動した第1表示情報がサブアリーナの第1表示装置21に表示され、当該第1表示情報に更に連動した第1表示情報が待機場の第1表示装置21に表示されてもよいし、第2表示情報に連動した同一の第1表示情報がサブアリーナと待機場の第1表示装置21に表示されてもよい。
【0097】
また、図1等においては第1の位置P1と第2の位置P2にそれぞれ1つずつの表示装置20を配置する場合を例示したが、これに限られない。すなわち、1つの位置に複数の表示装置20を配置してもよい。また、1つの位置に配置された複数の表示装置20に、それぞれ異なる表示情報を表示させるものとしても構わない。
【0098】
また、上記においては表示部21aないし22aにおける各表示情報の表示に合わせて音声出力部21bないし22bから合成音声の出力を行うものとしたが、これに限られない。すなわち、合成音声の出力が不要である場合は、操作部14の操作によって、音声出力部21bないし22bから出力を行わないように適宜切り替え可能としてもよい。
【0099】
また、情報処理装置10は、第1の位置P1に位置する選手に第2の位置P2に移動するように指示する呼び出しボタン16を備える。呼び出しボタン16は、例えば、操作部14に備えられた物理的なボタンであってもよいし、表示部13に表示されるアイコンでもよい。情報処理装置10の操作者が呼び出しボタン16を操作すると、表示制御部は、第1表示装置21に第1表示情報を表示させる。
また、情報処理装置10が合成部を備えず、進行係の場内アナウンスにより移動指示を行う場合は、呼び出しボタン16が操作された際に、当該進行係の所持する所定の端末を介して、当該進行係にアナウンスの開始指示を行う。
【0100】
また、上記においては、第1表示装置21を第1の位置P1、第2表示装置22を第2の位置P2にそれぞれ配置する場合を例示したが、これに限られない。
上記したように、第1表示装置21は、あくまで第1の位置P1に位置する選手からその表示部21aが視認可能な位置に配置すればよい。したがって、例えば第1の位置P1が第2の位置P2内の一部である場合や、第1の位置P1と第2の位置P2とが隣接している場合等は、第2の位置P2に第1表示装置21を配置してもよい。またこのとき、選手の集中に影響を与えないために、第2表示装置22は、第1の位置P1の選手からその表示部22aが視認できない位置(例えば、第1の位置P1に対して表示部22aが略直角となる位置)に配置するのが好ましい。より具体的には、第1表示装置21に対して第2表示装置22がT字型となるような位置や、略三角型となるような位置である。
【0101】
また、上記においては、本発明に係るプログラムのコンピューター読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリー等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを、通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0102】
以上、本発明の実施形態及びその変形例について説明したが、上記実施形態及び変形例における記述内容は、本発明の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0103】
100 案内システム
10 情報処理装置
11 制御部(取得部、算出部、表示制御部、合成部、特定部)
13 表示部
14 操作部
16 呼び出しボタン
20 表示装置
21 第1表示装置
22 第2表示装置
21a、22a 表示部
21b、22b 音声出力部
30 操作端末
40 入力装置
50 点灯装置
P1 第1の位置
P2 第2の位置
B 競技順変更ボタン、完了ボタン(変更手段)
【要約】
【課題】大会運営を遅延無く進め、審判業務への負担軽減、合わせて、低コストで選手を適切に案内することができる案内システム、情報処理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】複数の審判員によって複数の観点から選手の数値データが決定される競技において、第1の位置P1に位置する選手を、第2の位置P2へ競技の進行状況に応じて案内するための案内システム100は、情報処理装置10と、情報処理装置10と通信接続される複数の表示装置20と、を備え、情報処理装置10は、複数の表示装置20に表示させる表示情報を制御する表示制御部を備え、第1の位置P1に第1表示装置21が配置され、第2の位置に第2表示装置22が配置され、表示制御部は、第2表示装置22に表示させる第2表示情報と連動して、第1の位置P1に位置する選手を第2の位置P2へ案内するための第1表示情報を、第1表示装置21に表示させる。
【選択図】図1
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5