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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】エリオジクチオールの生合成
(51)【国際特許分類】
   C12P 7/22 20060101AFI20240314BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20240314BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20240314BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20240314BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240314BHJP
   C12N 15/09 20060101ALI20240314BHJP
   C12N 15/53 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
C12P7/22 ZNA
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12N15/09 Z
C12N15/53
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022521955
(86)(22)【出願日】2020-10-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-06
(86)【国際出願番号】 US2020055598
(87)【国際公開番号】W WO2021076638
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-07-26
(31)【優先権主張番号】62/914,560
(32)【優先日】2019-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516131979
【氏名又は名称】コナゲン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】シュウ,ルイ
(72)【発明者】
【氏名】マー,ジュニン
(72)【発明者】
【氏名】ユー,オリバー
【審査官】平林 由利子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/032235(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
C12N 1/00- 7/08
C07K 1/00-19/00
C12P 1/00-41/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3’-ヒドロキシル化フラボノイドを産生する方法であって、前記方法が、フラボノイドを含む好適な培地中で、前記フラボノイドを3’-ヒドロキシル化フラボノイドに変換するのに十分な時間、形質転換宿主細胞をインキュベートすることを含み、前記形質転換宿主細胞は、フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼをコードする第1のポリヌクレオチド配列を含む合成または組換え核酸分子を含み、前記フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼは、i)配列番号12のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列、ii)配列番号20のアミノ酸配列、またはiii)配列番号12のアミノ酸配列および配列番号20のアミノ酸配列に対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含前記フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼが、配列番号2、または配列番号4のアミノ酸配列を含む方法。
【請求項2】
前記フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼが、配列番号12のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼが、配列番号20のアミノ酸配列を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のポリヌクレオチド配列が、配列番号1、または配列番号3の核酸配列に対して、少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記核酸分子が、フラビンレダクターゼをコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記フラビンレダクターゼが、配列番号14、配列番号16、または配列番号18のアミノ酸配列を含むポリペプチドである、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記フラボノイドが、以下のうちの1つの一般的構造:
【化1】

(式中、R3’は、Hであり、R2’、R4’、R5’、R、R、R、R、およびRのそれぞれは、H、OH、およびOCHからなる群から独立して選択され、式中、R3’は、前記3’-ヒドロキシル化フラボノイド中においてOHであり、前記3’-ヒドロキシル化フラボノイド中のR2’、R4’、R5’、R、R、R、R、およびRのそれぞれは、前記フラボノイドと同一である)を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記フラボノイドがナリンゲニンであり、前記3’-ヒドロキシル化フラボノイドがエリオジクチオールである、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のポリヌクレオチド配列によってコードされる前記フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼが、配列番号4のアミノ酸配列を含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のポリヌクレオチド配列によってコードされる前記フラビンレダクターゼが、配列番号14のアミノ酸配列を含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記宿主細胞が、エシェリヒア;サルモネラ;バチルス;アシネトバクター;ストレプトマイセス;コリネバクテリウム;メチロシヌス;メチロモナス;ロドコッカス;シュードモナス;ロドバクター;シネコシスティス;サッカロミセス;チゴサッカロミセス;クルイウェロマイセス;カンジダ;ハンセヌラ;デバリオミセス;ムコール;ピキア;トルロプシス;アスペルギルス;アルスロボトリス;ブレビバクテリア;マイコバクテリウム;アルスロバクター;シトロバクター;クレブシエラ;パントエア;およびクロストリジウムからなる微生物種の群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
i)配列番号12のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列、ii)配列番号20のアミノ酸配列、またはiii)配列番号12のアミノ酸配列および配列番号20のアミノ酸配列に対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むフラボノイド3’-ヒドロキシラーゼをコードする第1のポリヌクレオチド配列を含む核酸構築物で形質転換された単離された組換え宿主細胞であって、
前記フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼが、配列番号2、または配列番号4のアミノ酸配列を含む、組換え宿主細胞
【請求項13】
前記フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼが、配列番号12のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項12に記載の宿主細胞。
【請求項14】
前記フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼが、配列番号20のアミノ酸配列を含む、請求項12または13に記載の宿主細胞。
【請求項15】
前記第1のポリヌクレオチド配列が、配列番号1、または配列番号3の核酸配列に対して、少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含む、請求項12に記載の宿主細胞。
【請求項16】
前記核酸構築物が、フラビンレダクターゼをコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含む、請求項12に記載の宿主細胞。
【請求項17】
前記フラビンレダクターゼが、配列番号14、配列番号16、または配列番号18のアミノ酸配列を含むポリペプチドである、請求項16に記載の宿主細胞。
【請求項18】
前記核酸構築物が、配列番号4のアミノ酸配列を含むフラボノイド3’-ヒドロキシラーゼをコードする第1のポリヌクレオチド配列と、配列番号14のアミノ酸配列を含むフラビンレダクターゼをコードする第2のポリヌクレオチド配列とを含む、請求項12に記載の宿主細胞。
【請求項19】
前記宿主細胞が、エシェリヒア;サルモネラ;バチルス;アシネトバクター;ストレプトマイセス;コリネバクテリウム;メチロシヌス;メチロモナス;ロドコッカス;シュードモナス;ロドバクター;シネコシスティス;サッカロミセス;チゴサッカロミセス;クルイウェロマイセス;カンジダ;ハンセヌラ;デバリオミセス;ムコール;ピキア;トルロプシス;アスペルギルス;アルスロボトリス;ブレビバクテリア;マイコバクテリウム;アルスロバクター;シトロバクター;クレブシエラ;パントエア;およびクロストリジウムからなる微生物種の群から選択される、請求項1218のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2019年10月14日に出願された米国仮出願第62/914,560号の優先権を主張し、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明の分野は、3’-ヒドロキシル化フラボノイド、例えば、ナリンゲニンなどの前駆体分子からのエリオジクチオールの産生に有用な方法および形質転換宿主細胞に関する。より具体的には、本発明は、in vivo酵素変換を介してナリンゲニンからエリオジクチオールを産生することに関する。
【背景技術】
【0003】
フラボノイドは、植物のフェニルプロパノイド経路を介して合成される二次代謝産物である(Winkel-Shirley、2001年)。それらは、植物の成長および発達において特別な役割を果たす。また、特別な重要な生物学的活性および医薬特性を有することが示されている。それらは、ヒトの健康に様々な複数の有益な薬学的効果および化学療法予防的効果を有することが知られており、抗酸化剤、抗菌剤、抗炎症剤として使用でき、抗がん特性が実証されている。
【0004】
エリオジクチオールは、ヤーバサンタ(Yerba Santa)(Eriodictyon californicum)から抽出されたフラボノイドであり、苦味マスキング特性を有する(Leyら、2005年)。
【化1】
感覚研究では、本質的な強い風味または味の特性を呈することなく、カフェインの苦味を有意に減少させることが実証された。このため、エリオジクチオールは、食品、飲料および医薬品の製造において大きい可能性を有する。
【0005】
二次代謝産物として、エリオジクチオールなどの多くのフラボノイドは、多くの場合、特定の植物種において少量生産され、これにより、それらの費用効果の高い単離および広範な用途が妨げられている。さらに、これらの種の一部は、自然の生息環境において絶滅危惧種であり、したがって、いくつかの植物代謝産物の利用可能性がさらに制限される。一方で、複雑な芳香族化合物の位置特異的ヒドロキシル化は、化学合成にとって依然として非常に困難である。そのため、フラボノイドの生合成または微生物との生体触媒による生体内変化により多くの注目が集まっている(Caoら、2015年;Linら、2014年)。
【0006】
ナリンゲニンは、フラボノイドの一種である無色のフラバノンである。ナリンゲニンは、4’、5、および7個の炭素に3つのヒドロキシ基を有するフラバノンの骨格構造を有する。ナリンゲニンは、アグリコン形態のナリンゲニン、またはそのグリコシド形態のナリンギンの両方で見出され得、炭素7でのグリコシド連結を介して付着した二糖ネオヘスペリドースの付加を有する。ナリンギンは、ヒドロキシル化してグルコシド基を放出することにより、ナリンゲニンに容易に変換され得る。
【化2】
【0007】
ナリンゲニンおよびその配糖体は、柑橘系果物など、様々なハーブおよび果物中に見出される。オレンジ、マンダリン、ライム、レモン、サワーオレンジ、およびグレープフルーツなどの果物など、ミカン科に属する柑橘類植物は、ヒトにとって複数の有益な栄養素の有望な供給源として周知である。柑橘類の副産物を加工することにより、大量の皮が生じるため、ナリンゲニンおよびナリンギンの豊富な供給源となる。
【0008】
エリオジクチオールは、植物におけるフラボノイド3’-ヒドロキシラーゼ(F3’H)の触媒作用、シトクロムP450依存性モノオキシゲナーゼによる、植物におけるナリンゲニンのヒドロキシル化によって誘導され得る(Bruglieraら、1999年;Kaltenbachら、1999年)。過去数十年間に、植物および微生物由来のいくつかのシトクロムP450ヒドロキシラーゼの同定および操作により、ナリンゲニンの生物触媒性ヒドロキシル化が達成された(Kasaiら、2009年;Amorら、2010年;Chuら、2016年)。しかし、ほとんどのP450ヒドロキシラーゼは、膜結合タンパク質であるため、それらの活性は、P450‐レダクターゼおよびヘム生合成に依存するため、原核生物系におけるP450の機能的発現は困難である(Oedaら、1985年)。近年では、ナリンゲニンのエリオジクチオールへの生物変換のための非P450ヒドロキシラーゼを同定するためにいくつかの努力がなされている。Lin and Yan(2014年)は、HpaBCを発見したが、これは大腸菌において、4‐ヒドロキシフェニル酢酸のオルトヒドロキシル化を触媒する2成分モノオキシゲナーゼとして最初に同定され、ナリンゲニンをヒドロキシル化して、エリオジクチオールにすることができた(Lin and Yan 2014年)。しかし、これらの非P450ヒドロキシラーゼを介するエリオジクチオールの報告された力価は、スケールアップ生産用には低い。Leeら、(2014年)は、カフェ酸のフェルラ酸へのヒドロキシル化を触媒するサッカロスリクス・エスパナエンシス(Saccharothrix espanaensis)のモノオキシゲナーゼであるSAM5が、ナリンゲニンに対する活性を有することを示した。発現したSAM5酵素単独では、大腸菌細胞において、フラボノイドに対して低い活性を示した。P450レダクターゼの共発現は、活性を増加させる1つの方法であった。しかし、このアプローチによるフラボノイドのヒドロキシル化の刺激は制限されており、観察された増強は約34~50%のみであった(Leeら、2014年)。同時係属中の米国特許出願公開第2019/0048374号において、発明者らは、SAM5と一緒にフラビンレダクターゼを過剰発現させるように大腸菌細胞を操作することにより、ナリンゲニンのエリオジクチオールへの変換が高効率で触媒され得ることが報告されている(図1)。
【0009】
しかし、SAM5は、いくつかのフラボノイドの多重ヒドロキシル化を触媒することが示されているので、工業的用途におけるナリンゲニンからエリオジクチオールへの生物変換にSAM5を用いることは困難である。したがって、当技術分野では、ナリンゲニンなどのフラボノイドを3’-ヒドロキシル化フラボノイド、例えばエリオジクチオールに変換し得るが、3’-ヒドロキシル化フラボノイドをマルチヒドロキシル化産物にさらにヒドロキシル化することのない代替フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼを探索している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本開示は、3’-ヒドロキシル化フラボノイドをさらにヒドロキシル化して、マルチヒドロキシル化産物にすることなく、フラボノイド(例えば、ナリンゲニン)を3’-ヒドロキシル化フラボノイド(例えば、エリオジクチオール)に変換できる新規フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼおよび関連バリアントを提供することにより、上記の問題に対処する。本開示はさらに、そのような新規フラボノイド3’ヒドロキシラーゼをコードする組換えポリヌクレオチド配列を含む形質転換宿主細胞をインキュベートすることにより、対応するフラボノイド(例えば、ナリンゲニン)から3’-ヒドロキシル化フラボノイド(例えば、エリオジクチオール)を生合成産生することを包含する。そのようなフラボノイド3’ヒドロキシラーゼをコードする組換えポリヌクレオチド配列で形質転換された単離宿主細胞もまた、本教示の範囲内である。
【0011】
したがって、一態様では、本教示は、3’-ヒドロキシル化フラボノイドを産生する方法を提供し、そのような方法は、フラボノイドを含む好適な培地中で形質転換宿主細胞をインキュベートすることを含む。様々な実施形態において、形質転換宿主細胞は、フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼをコードする第1のポリヌクレオチド配列を含む合成または組換え核酸分子を含む。形質転換宿主細胞は、フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼの発現を誘導する条件下で成長され、次にフラボノイドと共にさらにインキュベートされて、3’-ヒドロキシル化フラボノイドを産生する。
【0012】
より具体的には、フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼは、MTTASGTNADVQNGVRP(配列番号20)のアミノ酸配列を有するN末端タグを含むことができる。フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼは、配列番号12のアミノ酸配列またはそのバリアントを有するストレプトマイセス・スクレロティアルス(Streptomyces sclerotialus)由来の推定上のピオベルジン発色団生合成タンパク質Cであり得る。より具体的には、フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼは、配列番号12のアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼは、配列番号12のアミノ酸配列および配列番号20のアミノ酸配列に対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。ある特定の実施形態では、フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼは、配列番号12のアミノ酸配列と比較して、M196Y、G315H、およびD214Nからなる群から選択される1つ以上の突然変異を含むことができる。これらの突然変異体の各々は、MTTASGTNADVQNGVRPのアミノ酸配列を有するN末端タグを含むことができる。いくつかの実施形態では、フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、または配列番号10のアミノ酸配列を含むことができる。ある特定の実施形態では、フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、または配列番号10のアミノ酸配列から構成され得る。いくつかの実施形態では、フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼをコードする第1のポリヌクレオチド配列は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、または配列番号9の核酸配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%の配列同一性を有する核酸配列を含み得る。ある特定の実施形態では、フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼをコードする第1のポリヌクレオチド配列は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、または配列番号9の核酸配列を含むことができる。特定の実施形態では、フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼをコードする第1のポリヌクレオチド配列は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、または配列番号9の核酸配列から構成され得る。
【0013】
様々な実施形態において、合成または組換え核酸分子は、フラビンレダクターゼをコードする第2のポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、フラビンレダクターゼは、サッカロスリクス・エスパナエンシスフラビンレダクターゼ、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)フラビンレダクターゼ、または大腸菌由来の4-ヒドロキシフェニルアセテート3-モノオキシゲナーゼ(HpaC)のレダクターゼサブユニットであり得る。フラビンレダクターゼは、配列番号14、配列番号16、または配列番号18のアミノ酸配列を含むポリペプチドであり得る。フラビンレダクターゼをコードする第2のポリヌクレオチド配列は、配列番号13、配列番号15、または配列番号17からなる群から選択され得る。
【0014】
様々な実施形態において、形質転換宿主細胞は、約25℃~約40℃の温度範囲で培養され得る。培養培地は、1つ以上のアミノ酸、および任意によりグルコースおよび/または抗生物質を含むことができる。形質転換宿主細胞は、安定した細胞成長に達するまで十分な期間培養することができる。これは典型的には、細胞成長段階と呼ばれ、約15~約18時間であり得る。フラボノイド基質は、安定した細胞成長に達した後、または形質転換宿主細胞が培養培地に添加されて約15~約18時間後にのみ添加することができる。フラボノイド基質が添加されると、生物変換段階が開始する。このような生物変換段階は、形質転換宿主細胞が培養培地に添加されて約15~18時間後に起こり得、形質転換宿主細胞が培養培地に添加された後約40~60時間まで継続し得る。
【0015】
本方法によって、様々な3-ヒドロキシル化フラボノイドを産生することができる。このような3-ヒドロキシル化フラボノイドは、次のうちのいずれかの一般的構造を有し得る:
【化3】
式中、R3’は、OHであり、R2’、R4’、R5’、R、R、R、R、およびRのそれぞれは、H、OH、およびOCHからなる群から独立して選択することができる。対応するフラボノイド基質はまた、以下の一般的構造を有することができる:
【化4】
式中、R3’は、Hであり、R2’、R4’、R5’、R、R、R、R、およびRのそれぞれは、3-ヒドロキシル化フラボノイドのR2’、R4’、R5’、R、R、R、R、およびRの定義に対応する。
【0016】
好ましい実施形態では、本方法は、フラバノンナリンゲニン(式中、R3’はOHであり、R4’、R、およびRは、OHであり、R2’、R5’、R、R、およびRは、Hである)から3’-ヒドロキシル化フラバノンエリオジクチオール(式中、R3’は、Hであり;R4’、RおよびRは、OHであり;R2’、R5’、R、RおよびRは、Hである)を産生する方法に関する。好ましい実施形態では、第1のポリヌクレオチド配列によってコードされるフラボノイド3’-ヒドロキシラーゼは、配列番号4のアミノ酸配列を含むことができる。さらに好ましい実施形態では、第2のポリヌクレオチド配列によってコードされるフラビンレダクターゼは、配列番号14のアミノ酸配列を含むことができる。
【0017】
別の態様では、本教示は、外因性フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼをコードする第1のポリヌクレオチド配列を含む核酸構築物で形質転換された単離された組換え宿主細胞に関する。いくつかの実施形態では、核酸構築物は、フラビンレダクターゼをコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含むことができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼは、MTTASGTNADVQNGVRP(配列番号20)のアミノ酸配列を有するN末端タグを含むことができる。フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼは、配列番号12のアミノ酸配列またはそのバリアントを有するストレプトマイセス・スクレロティアルス由来の推定上のピオベルジン発色団生合成タンパク質Cであり得る。より具体的には、フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼは、配列番号12のアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼは、配列番号12のアミノ酸配列および配列番号20のアミノ酸配列に対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。ある特定の実施形態では、フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼは、配列番号12のアミノ酸配列と比較して、M196Y、G315H、およびD214Nからなる群から選択される1つ以上の突然変異を含むことができる。これらの突然変異体の各々は、MTTASGTNADVQNGVRPのアミノ酸配列を有するN末端タグを含むことができる。いくつかの実施形態では、フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、または配列番号10のアミノ酸配列を含むことができる。ある特定の実施形態では、フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、または配列番号10のアミノ酸配列から構成され得る。いくつかの実施形態では、フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼをコードする第1のポリヌクレオチド配列は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、または配列番号9の核酸配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%の配列同一性を有する核酸配列を含み得る。ある特定の実施形態では、フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼをコードする第1のポリヌクレオチド配列は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、または配列番号9の核酸配列を含むことができる。特定の実施形態では、フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼをコードする第1のポリヌクレオチド配列は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、または配列番号9の核酸配列から構成され得る。
【0019】
フラビンレダクターゼは、サッカロスリクス・エスパナエンシスフラビンレダクターゼ、シュードモナス・フルオレッセンスフラビンレダクターゼ、または大腸菌由来の4-ヒドロキシフェニルアセテート3-モノオキシゲナーゼ(HpaC)のレダクターゼサブユニットであり得る。フラビンレダクターゼは、配列番号14、配列番号16、または配列番号18のアミノ酸配列を含むポリペプチドであり得る。フラビンレダクターゼをコードする第2のポリヌクレオチド配列は、配列番号13、配列番号15、または配列番号17からなる群から選択され得る。
【0020】
本明細書で使用される宿主細胞は、細菌、酵母、およびそれらの組み合わせ、または選択された遺伝子による遺伝的形質転換およびその後のフラボノイド(例えば、ナリンゲニン)からの3’-ヒドロキシル化フラボノイド(例えば、エリオジクチオール)の生合成産生を可能にするであろう任意の細胞系からなる群から選択され得る。様々な実施形態では、宿主細胞は、エシェリヒア;サルモネラ;バチルス;アシネトバクター;ストレプトマイセス;コリネバクテリウム;メチロシヌス;メチロモナス;ロドコッカス;シュードモナス;ロドバクター;シネコシスティス;サッカロミセス;チゴサッカロミセス;クルイウェロマイセス;カンジダ;ハンセヌラ;デバリオミセス;ムコール;ピキア;トルロプシス;アスペルギルス;アルスロボトリス;ブレビバクテリア;マイコバクテリウム;アルスロバクター;シトロバクター;クレブシエラ;パントエア;およびクロストリジウムからなる微生物種の群から選択され得る。好ましい実施形態では、宿主細胞は、大腸菌であり得る。
【0021】
本教示に従って産生されたエリオジクチオールなどの3’-ヒドロキシル化フラボノイドは、様々な食品、飲料、医薬品、および他の経口消耗製品中に使用することができ、本発明の3’-ヒドロキシル化フラボノイドは、そのような製品中に存在する任意の不快であり、苦く、かつ/または渋味を低減するかまたはマスキングすることができる。
【0022】
本開示は、様々な改変および代替形態の影響を受けやすいが、その特定の実施形態は、例として図面に示され、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、本明細書に提示される図面および詳細な説明は、開示される特定の実施形態に本開示を限定することを意図するものではなく、反対に、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の趣旨および範囲内にあるすべての変形、均等物、および代替物を網羅することを意図するものであることが理解されるべきである。
【0023】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明において明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼ(F3’H)およびフラビンレダクターゼ(FR)が、ナリンゲニンのエリオジクチオールへの変換にどのように関与するかを示す図である。
図2】その主要構成要素を含むSsPvcC-SeFR-pRSFのプラスミドマップを示す図である。
図3】その主要構成要素を含むSsPvcC-SeFR-pUVAPのプラスミドマップを示す図である。
図4】サッカロトリクス‐エスパナエンシスフラビンレダクターゼ(SeFR)およびフラボノイド3’-ヒドロキシラーゼ(F3’H)で形質転換された大腸菌株によって産生されたエリオジクチオールの量を比較し、F3’Hは、ストレプトマイセス・スクレロティアルス(SsPvcC)(WT)由来の野生型ピオベルジン発色団タンパク質C、SsPvcC-M196Y突然変異体(M196Y)、SsPvcC-G315H突然変異体(G315H)、SsPvcC-D214N突然変異体(D214N)、またはSsPvcC-M16Y+タグ突然変異体(M196Y+タグ)のいずれかである。
図5】SeFRおよびM196Y+タグで形質転換された大腸菌株を使用して、エリオジクチオールの産生が1.74g/Lに達したことを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
フラボノイド
フラボノイドには、様々なフラボンおよびフラバノンが含まれる。このようなフラボンおよびフラバノンは、一般的構造により記述され得る:
【化5】
式中、R2’、R3’、R4’、R5’、R、R、R、R、およびRのそれぞれは、H、OH、およびOCHからなる群から独立して選択することができる。本教示で使用されるフラボノイド基質は、R3’位に水素原子を含み、一方、本教示によって産生される3’-ヒドロキシル化フラボノイドは、R3’位にヒドロキシ基を含む。3’-ヒドロキシル化フラバノンの例としては、エリオジクチオール(R3’はOHであり;R4’、R、およびRは、OHであり;R2’、R5’、R、R、およびRは、Hである)、ヘスペレチン(R3’は、OHであり;R4’は、OCHであり;R、およびRは、OHであり;R2’、R5’、R、R、およびRは、Hである)、およびタキシフォリン(R3’は、OHであり;R4’、R、R、およびRは、OHであり;R2’、R5’、R、およびRは、Hである)が挙げられる。3’-ヒドロキシル化フラボンの例としては、ケルセチン(R3’は、OHであり、R4’、R、R、およびRは、OHであり、R2’、R5’、R、およびRは、Hである)、ルテオリン(R3’は、OHであり、R4’、R、およびRは、OHであり、R2’、R5’、R、R、およびRは、Hである)、ラムネチン(R3’は、OHであり、R4’およびRは、OHであり、Rは、OCHであり、R2’、R5’、R、およびRは、Hである)、およびユーパトリン(R3’は、OHであり、R4’、R、およびRは、OCHであり、Rは、OHであり、R2’、R5’、R、およびRは、Hである)が挙げられる。
【0026】
フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼ
本発明は、3’-ヒドロキシル化フラボノイドをマルチヒドロキシル化産物にさらにヒドロキシル化することなく、ナリンゲニンなどのフラボノイドをエリオジクチオールなどの3’-ヒドロキシル化フラボノイドに変換することができる新規フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼを提供する。
【0027】
様々な実施形態では、本発明のフラボノイド3’-ヒドロキシラーゼは、MTTASGTNADVQNGVRP(配列番号20)のアミノ酸配列を有するN末端タグを含むことができる。フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼは、配列番号12のアミノ酸配列を有するストレプトマイセス・スクレロティアルス由来の推定ピオベルジン発色団生合成タンパク質C、または配列番号12のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むその機能的相同体であり得る。ある特定の実施形態では、フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼは、配列番号12のアミノ酸配列と比較して、M196Y、G315H、およびD214Nからなる群から選択される1つ以上の突然変異を含む突然変異体酵素であり得る。これらの突然変異体の各々は、MTTASGTNADVQNGVRPのアミノ酸配列を有するN末端タグを含むことができる。いくつかの実施形態では、フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼは、配列番号2、4、6、8、または10のアミノ酸配列を含むことができる。
【0028】
フラビンレダクターゼ
図1を参照すると、フラボノイドの3’-ヒドロキシル化フラボノイドへの生物変換は、フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼがフラビンレダクターゼと共発現する場合に増強され得る。本教示による様々な実施形態では、フラビンレダクターゼは、サッカロスリクス・エスパナエンシスフラビンレダクターゼ、シュードモナス・フルオレッセンスフラビンレダクターゼ、または大腸菌由来の4-ヒドロキシフェニルアセテート3-モノオキシゲナーゼ(HpaC)のレダクターゼサブユニットであり得る。フラビンレダクターゼは、配列番号14、配列番号16、または配列番号18のアミノ酸配列を含むポリペプチドであり得る。
【0029】
産生系
本明細書に記載のフラボノイド3’-ヒドロキシラーゼおよびフラビンレダクターゼをコードするための本発明のポリヌクレオチド配列を含む発現ベクターを使用して、本教示に従って3’-ヒドロキシル化フラボノイドを産生するための宿主細胞を形質転換することができる。ポリヌクレオチド配列の転写および翻訳のための他のエレメントとしては、プロモーター、酵素のコード領域、および転写ターミネーターを挙げることができる。
【0030】
当業者であれば、発現ベクターの調製に利用可能である分子生物学技術を知っているであろう。上記のとおり、本技術の発現ベクターに組み込むために使用されるポリヌクレオチドは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などのルーチン技術によって調製され得る。分子クローニングでは、ベクターは、外来遺伝物質を別の細胞に人工的に運搬するためのビヒクルとして使用されるDNA分子であり、そこで複製および/または発現され得る(例えば、プラスミド、コスミド、ラムダファージ)。外来DNAを含むベクターは、組換えDNAと見なされる。ベクターの4つの主要なタイプは、プラスミド、ウイルスベクター、コスミド、および人工染色体である。これらのうち、最も一般的に使用されるベクターは、プラスミドである。すべての操作されたベクターに共通するのは、複製起点、マルチクローニング部位、および選択可能なマーカーである。
【0031】
相補的な凝集末端を介してDNAをベクターに作動可能に連結するために、多くの分子生物学技術が開発されている。一実施形態では、相補的なホモポリマートラクトを、ベクターDNAに挿入される核酸分子に加えることができる。次に、ベクターおよび核酸分子は、相補的なホモポリマーテール間の水素結合によって接合して、組換えDNA分子を形成する。
【0032】
代替的実施形態では、提供される1つ以上の制限部位を含む合成リンカーを使用して、本技術のポリヌクレオチドを発現ベクターに作動可能に連結する。一実施形態では、ポリヌクレオチドは、制限エンドヌクレアーゼ消化によって生成される。一実施形態では、核酸分子は、バクテリオファージT4DNAポリメラーゼまたは大腸菌DNAポリメラーゼIで処理され、これらの酵素は、突出した3’-一本鎖末端を3’-5’-エキソヌクレアーゼ活性により除去し、それらの重合活性により陥没3’末端を埋め、それによって平滑末端DNAセグメントを生成させる。次いで、この平滑末端セグメントを、バクテリオファージT4 DNAリガーゼなどの平滑末端DNA分子のライゲーションを触媒できる酵素の存在下で、大量のモル過剰のリンカー分子と共にインキュベートする。したがって、反応生成物は、その末端に高分子リンカー配列を保持するポリヌクレオチドである。次に、これらのポリヌクレオチドは、適切な制限酵素により切断され、ポリヌクレオチドの末端と適合する末端を産生する酵素により切断された発現ベクターにライゲートされる。
【0033】
あるいは、ライゲーション非依存性クローニング(LIC)部位を有するベクターが使用され得る。次いで、必要なPCR増幅ポリヌクレオチドを、制限消化またはライゲーションなく、LICベクターにクローニングすることができる(Aslanidis and de Jong,Nucl.Acid.Res.18 6069-74,(1990年),Haunら、Biotechniques13,515-18(1992年)、これらはそれぞれ参照により本明細書に組み込まれる)。
【0034】
一実施形態では、選択されたプラスミドへ挿入するために目的のポリヌクレオチドを単離および/または改変するために、PCRを使用することが好適である。配列のPCR調製に使用するために適切なプライマーは、核酸分子の必要なコード領域を単離し、制限エンドヌクレアーゼまたはLIC部位を追加し、コード領域を所望のリーディングフレームに配置するように設計され得る。
【0035】
一実施形態では、本技術の発現ベクターに組み込むためのポリヌクレオチドは、PCR適切なオリゴヌクレオチドプライマーを使用して調製される。コード領域は増幅されるが、プライマー自体は、増幅された配列産物に組み込まれる。一実施形態では、増幅プライマーは、制限エンドヌクレアーゼ認識部位を含み、これにより、増幅された配列産物を適切なベクターにクローン化することができる。
【0036】
発現ベクターは、従来の形質転換またはトランスフェクション技術によって植物または微生物の宿主細胞に導入することができる。本技術の発現ベクターによる適切な細胞の形質転換は、当技術分野において公知である方法によって達成され、典型的には、ベクターおよび細胞の種類の両方に依存する。好適な技術としては、リン酸カルシウムまたは塩化カルシウムの共沈、DEAE-デキストラン媒介トランスフェクション、リポフェクション、ケモポレーションまたはエレクトロポレーションが挙げられる。
【0037】
正常に形質転換された細胞、すなわち、発現ベクターを含む細胞は、当技術分野で周知の技術によって同定され得る。例えば、本技術の発現ベクターでトランスフェクトされた細胞を培養して、本明細書に記載のポリペプチドを産生することができる。当技術分野で周知の技術により、発現ベクターDNAの存在について細胞を検査することが可能である。
【0038】
宿主細胞は、前述の発現ベクターの単一のコピーまたは発現ベクターの複数のコピーを含むことができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、形質転換細胞は、動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、藻類細胞、真菌細胞、または酵母細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、カノーラ植物細胞、ナタネ植物細胞、ヤシ植物細胞、ヒマワリ植物細胞、ワタ植物細胞、トウモロコシ植物細胞、ピーナッツ植物細胞、アマ植物細胞、ゴマ植物細胞、ダイズ植物細胞、およびペチュニア植物細胞からなる群から選択される植物細胞である。
【0040】
特定の実施形態では、形質転換宿主細胞は、細菌、酵母、およびそれらの組み合わせ、または選択された遺伝子による遺伝的形質転換およびその後のフラボノイド(例えば、ナリンゲニン)からの3’-ヒドロキシル化フラボノイド(例えば、エリオジクチオール)の生合成産生を可能にするであろう任意の細胞系からなる群から選択され得る。様々な実施形態では、宿主細胞は、エシェリヒア;サルモネラ;バチルス;アシネトバクター;ストレプトマイセス;コリネバクテリウム;メチロシヌス;メチロモナス;ロドコッカス;シュードモナス;ロドバクター;シネコシスティス;サッカロミセス;チゴサッカロミセス;クルイウェロマイセス;カンジダ;ハンセヌラ;デバリオミセス;ムコール;ピキア;トルロプシス;アスペルギルス;アルスロボトリス;ブレビバクテリア;マイコバクテリウム;アルスロバクター;シトロバクター;クレブシエラ;パントエア;およびクロストリジウムからなる微生物種の群から選択され得る。好ましい実施形態では、宿主細胞は、大腸菌であり得る。
【0041】
微生物宿主細胞発現系、および外来タンパク質の高レベルの発現を指示する調節配列を含有する発現ベクターは、当業者によく知られている。これらのいずれも、微生物宿主細胞における本技術の組換えポリペプチドの発現のためのベクターを構築するために使用可能であろう。次に、これらのベクターを形質転換を介して適切な微生物に導入することにより、本技術の組換えポリペプチドを高レベルで発現させることが可能になるであろう。
【0042】
好適な微生物宿主細胞の形質転換に有用なベクターまたはカセットは、当技術分野でよく知られている。典型的には、ベクターまたはカセットは、関連するポリヌクレオチドの転写および翻訳を指示する配列、選択可能なマーカー、および自律複製または染色体組込みを可能にする配列を含む。好適なベクターは、転写開始制御を保有するポリヌクレオチドの領域5’および転写終結を制御するDNA断片の領域3’を含む。両方の制御領域が、形質転換宿主細胞に相同な遺伝子に由来することが好ましいが、このような制御領域は、宿主として選択された特定の種に固有の遺伝子に由来する必要はないことは理解されるべきである。
【0043】
終結制御領域はまた、微生物宿主に固有の様々な遺伝子に由来し得る。終結部位は、任意により、本明細書に記載の微生物宿主に含まれ得る。
【0044】
フラボノイドの3’-ヒドロキシル化フラボノイドへの生物変換
本教示は、対応するフラボノイドから3’-ヒドロキシル化フラボノイドを産生するための方法を提供し、そのような方法は、フラボノイドを含む好適な培地中で形質転換宿主細胞を培養することを含む。様々な実施形態では、形質転換宿主細胞は、本教示によるフラボノイド3’-ヒドロキシラーゼをコードする第1のポリヌクレオチド配列およびフラビンレダクターゼをコードする第2のポリヌクレオチド配列を含む合成または組換え核酸分子を含む。形質転換宿主細胞は、フラボノイド3’-ヒドロキシラーゼの合成を導く条件下で培養され、その結果、フラボノイドは、形質転換宿主細胞により、3’-ヒドロキシル化フラボノイドに変換される。
【0045】
様々な実施形態において、形質転換宿主細胞は、約25℃~約40℃の温度範囲で培養され得る。培養培地は、1つ以上のアミノ酸、および任意によりグルコースおよび/または抗生物質を含むことができる。形質転換宿主細胞は、安定した細胞成長に達するまで十分な期間培養することができる。これは典型的には、細胞成長段階と呼ばれ、約15~約18時間であり得る。フラボノイド基質は、安定した細胞成長に達した後、または形質転換宿主細胞が培養培地に添加されて約15~約18時間後にのみ添加することができる。フラボノイド基質が添加されると、生物変換段階が開始する。このような生物変換段階は、形質転換宿主細胞が培養培地に添加されて約15~18時間後に起こり得、形質転換宿主細胞が培養培地に添加された後約40~60時間まで継続し得る。
【0046】
3’-ヒドロキシル化フラボノイドの使用
本教示に従って産生されたエリオジクチオールなどの3’-ヒドロキシル化フラボノイドは、様々な食品、飲料、医薬品、および他の経口消耗製品中に使用することができ、現在の3’-ヒドロキシル化フラボノイドは、そのような製品中に存在する任意の不快であり、苦く、かつ/または渋味を低減するかまたはマスキングすることができる。そのような製品は、苦い後味を有する1つ以上の天然または人工甘味料を含むことができる。当業者であれば、本明細書に記載の方法によって産生された3’-ヒドロキシル化フラボノイドがさらに精製され、栄養のために、ならびに医薬品において、他の栄養補助食品、医薬組成物、薬用化粧品と混合され得ることを認識するであろう。
【0047】
分子生物学は、薬用化粧品の発明において極めて重要な役割を果たす。化合物の同定は、ここでは、分子標的の同定から開始する。例えば、皮膚の老化に関連してフリーラジカルが重要性であることから、近年、フリーラジカルの有害な影響を排除し、このため組織を酸化的損傷から保護する活性物質を集中的に探索している。皮膚の老化は、主に構造タンパク質の架橋および糖化を引き起こす組織へのフリーラジカル損傷、および炎症誘発性酵素系に起因する、シミ、より具体的には肝斑、色素異常症、メラノーマ、およびしわとして現れる。化粧品または薬学でのフラボノイドの使用自体は知られている。フリーラジカルをクエンチする本発明のエリオジクチオールなどの天然抗酸化剤は、アンチエイジング製剤の必須成分である。それらは、潜在的に、組織への損傷、ならびに環境および他の剤の有害な影響に対して、保護をもたらす。皮膚の老化の進行を加速する生化学反応は、炎症が傷またはしわに発展する微小瘢痕を生成するため、炎症過程に根源を有する。
【0048】
本明細書で論じられるフラボンおよびフラボン配糖体誘導体などのフラボノイドは、皮膚の老化および瘢痕形成を積極的に妨げることができるように、酸素ラジカルのスカベンジャーおよび皮膚プロテアーゼの阻害剤であることが知られている。それらの着色特性のおかげで、ケルセチンなどのいくつかのフラボンは、食品着色料としても有用である。同時に、酸素ラジカルを捕捉する能力により、抗酸化剤としても使用可能である。一部のフラボノイドは、糖尿病の損傷(例えば、血管損傷)の形成に重要な役割を果たすアルドースレダクターゼの阻害剤である。他のフラボノイド(ヘスペリジンおよびルチンなど)は、治療的に、より具体的には血管拡張性毛細血管活性剤として使用される。
【0049】
科学的研究により、様々なレベルの皮膚に対するフラボノイド化合物の幅広い影響が確認されている。皮膚の最上層である角質層は、脂質および他の容易に酸化し得る化合物が非常に豊富にある構造である。この層では、フラボノイドは、抗酸化剤およびフリーラジカルスカベンジャーとして効率的な役割を果たし得る。それらの抗酸化特性では、フラボノイドがより深い表皮皮膚層に影響を与えることが可能になり、これにより、紫外線による損傷を防ぎ、いくつかの酵素機能を阻害する。最も深い皮膚層である真皮では、フラボノイドが微小血管系の透過性および脆弱性に影響を与える。上記のフラボノイドの価値ある特徴により、フラボノイドが化粧品産業にとって価値のあるものとなる。
【0050】
定義
「細胞系」とは、異所性タンパク質の発現を提供する任意の細胞である。これには、細菌細胞、酵母細胞、植物細胞、および動物細胞を含めた。原核細胞および真核細胞を両方とも含む。また、リボソームなどの細胞成分に基づくタンパク質のin vitro発現も含む。
【0051】
「コード配列」は、当業者にとって通常のかつ慣用的な意味が付与されたものであり、特定のアミノ酸配列をコードするDNA配列を指すのに限定されることなく使用される。
【0052】
細胞系の成長。成長には、細胞が増殖および分裂可能であろう適切な培地を提供することを含む。また、細胞または細胞成分が組換えタンパク質を翻訳し、作製できるように、供給源を提供することも含む。
【0053】
タンパク質の発現。タンパク質の産生は、遺伝子発現後に起こり得る。これは、DNAがメッセンジャーRNA(mRNA)に転写された後の段階を含む。次に、mRNAは、ポリペプチド鎖に翻訳され、最終的にタンパク質に折りたたまれる。DNAは、トランスフェクション(細胞に意図的に核酸を導入する過程)を通じて細胞内に存在する。この用語は、多くの場合、真核細胞での非ウイルス性方法に使用される。他の用語が好ましいが、他の方法および細胞型を指すこともある。「形質転換」は、多くの場合、細菌のほか、植物細胞などの非動物真核細胞における非ウイルス性DNA移入を説明するために使用される。動物細胞では、トランスフェクションは、形質転換として、これらの細胞における癌状態(発癌)への進行を指すためにも使用されるため、好ましい用語である。形質導入は、多くの場合、ウイルス媒介DNA移入を説明するために使用される。形質転換、形質導入、およびウイルス感染は、本出願のトランスフェクションの定義下に含まれる。
【0054】
酵母。本発明によれば、本明細書で特許請求される酵母は、真菌界のメンバーとして分類される真核生物の単細胞微生物である。酵母は、多細胞祖先から進化した単細胞生物であるが、本発明に有用ないくつかの種は、仮性菌糸または偽菌糸として知られる連結した出芽細胞の糸を形成することによって多細胞特性を発現する能力を有するものである。
【0055】
構造用語:
本明細書で使用されるとき、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに他の意味を指示しない限り、複数の指示対象を含む。
【0056】
「含む(include)」、「有する(have)」などの用語が説明または特許請求の範囲で使用される限り、特許請求において移行句として使用される場合に、「含む(comprise)」が解釈されるため、そのような用語は、用語「含む(comprise)」と同様に包括的であることが意図される。
【0057】
「例示的」という言葉は、本明細書では、「例、実例、または例示として機能する」ことを意味するために使用される。本明細書で「例示的」として記載される任意の実施形態は、必ずしも他の実施形態よりも好ましいまたは有利であるものと解釈されるべきではない。
【0058】
「相補的」という用語は、当業者にとってその通常の慣習的な意味が付与されたものとし、互いにハイブリダイズ可能なヌクレオチド塩基間の関係を説明するために限定なく使用される。例えば、DNAに関しては、アデノシンは、チミンに相補的であり、シトシンは、グアニンに相補的である。したがって、本技術には、添付の配列表に報告されている完全配列に相補的である単離された核酸断片、ならびにそれらの実質的に類似した核酸配列も含まれる。
【0059】
「核酸」および「ヌクレオチド」という用語は、当業者にとってそれぞれの通常のおよび慣習的な意味が付与されたものであり、これらに限定されないが、それらの一本鎖または二本鎖のいずれかの形態のデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドおよびポリマーを指すために使用される。特に限定されない限り、この用語は、参照核酸と同様の結合特性を有し、天然に存在するヌクレオチドと同様の方法で代謝される天然ヌクレオチドの既知の類似体を含む核酸を包含する。特に明記しない限り、特定の核酸配列はまた、その保存的修飾されたバリアントまたは縮重バリアント(例えば、縮重コドン置換)、および相補的配列、ならびに明示的に示された配列も暗黙的に包含する。
【0060】
「単離された」という用語は、当業者にとって通常のかつ慣用的な意味が付与されものであり、単離された核酸または単離されたポリペプチドの文脈で使用される場合、限定するものではないが、ヒトの手によって、その天然環境とは別に存在し、したがって、天然の産物ではない核酸またはポリペプチドを指すのに使用される。単離された核酸またはポリペプチドは、精製形態で存在することができるか、または、例えば、トランスジェニック宿主細胞などの非天然環境に存在し得る。
【0061】
本明細書で使用されるとき、用語「インキュベートすること(incubating)」および「インキュベーション(incubation)」は、2つ以上の化学的または生物学的実体(例えば、化学的化合物および酵素)を混合する過程、およびそれらがエリオジクチオール組成物を産生するのに好ましい条件下で相互作用することを可能にする過程を意味する。
【0062】
「縮重バリアント」という用語は、1つ以上の縮重コドン置換によって参照核酸配列とは異なる残基配列を有する核酸配列を指す。縮重コドン置換は、1つ以上の選択された(またはすべての)コドンの3位が混合塩基および/またはデオキシイノシン残基で置換されている配列を生成することによって達成され得る。核酸配列およびそのすべての縮重バリアントは、同じアミノ酸またはポリペプチドを発現する。
【0063】
この「ポリペプチド」、「タンパク質」、および「ペプチド」という用語は、当業者にとってそれぞれの通常のおよび慣習的な意味が付与されたものである。3つの用語は、同義的に使用されることがあり、サイズまたは機能に関係なく、これらに限定されないが、アミノ酸またはアミノ酸類似体のポリマーを指すために使用される。「タンパク質」は、多くの場合、比較的大きいポリペプチドに関して使用され、「ペプチド」は、多くの場合、小さいポリペプチドに関して使用されるが、当技術分野におけるこれらの用語の使用は重複し、変動する。本明細書で使用される「ポリペプチド」という用語は、特に記載のない限り、ペプチド、ポリペプチド、およびタンパク質を指す。用語「タンパク質」、「ポリペプチド」、および「ペプチド」は、ポリヌクレオチド産物を指す場合、本明細書では同義的に使用される。したがって、例示的ポリペプチドとしては、ポリヌクレオチド産物、天然存在タンパク質、ホモログ、オルソログ、パラログ、断片、および他の同等物、バリアント、および前述の類似体が挙げられる。
【0064】
参照ポリペプチドに関して使用される場合、「ポリペプチド断片」および「断片」という用語は、当技術分野の当業者にそれらの通常および慣習的な意味を与えるものであり、これらに限定されないが、参照ポリペプチド自体と比較してアミノ酸残基が欠失しているが、残りのアミノ酸配列が、通常、参照ポリペプチドの対応する位置と同一であるポリペプチドを指すために使用される。そのような欠失は、参照ポリペプチドのアミノ末端またはカルボキシ末端、あるいはその両方で起こり得る。
【0065】
ポリペプチドまたはタンパク質の「機能的断片」という用語は、全長ポリペプチドもしくはタンパク質の一部であり、実質的に同じ生物学的活性を有するか、または全長ポリペプチドもしくはタンパク質と実質的に同じ機能を実行する(例えば、同じ酵素反応を実行する)ペプチド断片を指す。
【0066】
用語「バリアントポリペプチド」「修飾アミノ酸配列」または「修飾ポリペプチド」は、同義的に使用され、1つ以上のアミノ酸が、例えば、1つ以上のアミノ酸の置換、欠失、および/または付加が、参照ポリペプチドとは異なるアミノ酸配列を指す。一態様では、バリアントは、「機能的バリアント」であり、これは参照ポリペプチドの能力の一部または全部を保持している。
【0067】
「機能的バリアント」という用語は、保守的に置換されたバリアントをさらに含む。「保存的に置換されたバリアント」という用語は、1つ以上の保存的アミノ酸置換が参照ペプチドとは異なり、参照ペプチドの活性の一部またはすべてを維持するアミノ酸配列を有するペプチドを指す。「保存的アミノ酸置換」は、機能的に類似した残基によるアミノ酸残基の置換である。保存的置換の例としては、イソロイシン、バリン、ロイシンまたはメチオニンなどの1つの非極性(疎水性)残基の別のものへの置換;アルギニンとリジン、グルタミンとアスパラギン、トレオニンとセリンなど、別のものへの1つの荷電もしくは極性(親水性)残基の置換;リジンもしくはアルギニンなどの1つの塩基性残基の別のものへの置換;アスパラギン酸もしくはグルタミン酸などの1つの酸性残基の別のものへの置換;またはフェニルアラニン、チロシンもしくはトリプトファンなどの1つの芳香族残基の別のものへの置換が挙げられる。そのような置換は、タンパク質またはポリペプチドの見かけの分子量または等電点にほとんどまたはまったく影響を有さないと予想される。「保存的置換バリアント」という句はまた、得られるペプチドが本明細書に記載の参照ペプチドの活性の一部またはすべてを維持するという条件で、残基が化学的に誘導体化された残基で置換されるペプチドを含む。
【0068】
用語「バリアント」は、本技術のポリペプチドに関連して、参照ポリペプチドのアミノ酸配列と少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、およびさらには100%同一のアミノ酸配列を有する機能的に活性なポリペプチドをさらに含む。
【0069】
すべての文法的形態および綴りの変形における「相同」という用語は、スーパーファミリーからのポリヌクレオチドまたはポリペプチドおよび異なる種からの相同ポリヌクレオチドまたはタンパク質など、「共通の進化的起源」を保有するポリヌクレオチドまたはポリペプチド間の関係を指す(Reeckら、Cell 50:667,1987年)。そのようなポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、それらの配列類似性によって反映されるように、パーセント同一性または保存された位置での特定のアミノ酸またはモチーフの存在に関して、配列相同性を有する。例えば、2つの相同ポリペプチドは、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、さらには100%同一である、アミノ酸配列を有し得る。
【0070】
「好適な調節配列」は、当業者にとってその通常の慣習的な意味が付与されたものとし、限定されないが、コード配列の上流(5’非コード配列)、内部、または下流(3’非コード配列)に位置し、関連するコード配列の転写、RNAプロセシングまたは安定性、または翻訳に影響を与えるヌクレオチド配列を指すために使用される。調節配列には、プロモーター、翻訳リーダー配列、イントロン、およびポリアデニル化認識配列が含まれ得る。
【0071】
「プロモーター」は、当業者にとってその通常の慣習的な意味が付与されたものとし、限定されないが、コード配列または機能的RNAの発現を制御することができるDNA配列を指すために使用される。一般に、コード配列は、プロモーター配列の3’に位置している。プロモーターは、その全体が天然遺伝子に由来してもよく、または自然界に見られる異なるプロモーターに由来する異なるエレメントで構成されてもよく、さらには合成DNAセグメントを含んでもよい。異なるプロモーターが、異なる組織または細胞型において、または異なる発達段階において、または異なる環境条件に応答して、遺伝子の発現を指示し得ることが当業者によって理解される。ほとんどの場合、ほとんどの細胞型で遺伝子の発現を引き起こすプロモーターは、一般に「構成的プロモーター」と呼ばれる。さらに、ほとんどの場合、調節配列の正確な境界が完全に定義されていないため、異なる長さのDNA断片が同一のプロモーター活性を有し得ることが認識されている。
【0072】
「作動可能に連結された」という用語は、一方の機能が他方の機能によって影響を受けるように、単一の核酸断片上の核酸配列の会合を指す。例えば、プロモーターは、そのコード配列の発現に影響を与えることができる場合(すなわち、コード配列がプロモーターの転写制御下にある場合)、コード配列と作動可能に連結されている。コード配列は、センスまたはアンチセンス方向で調節配列に作動可能に連結することができる。
【0073】
本明細書で使用される「発現」という用語は、当業者にとってその通常の慣習的な意味が付与されたものとし、これらに限定されないが、本技術の核酸断片由来のセンス(mRNA)またはアンチセンスRNAの転写および安定した蓄積を指すために使用される。「過剰発現」は、正常または非形質転換生物における産生のレベルを超える、トランスジェニックまたは組換え生物において遺伝子産物が産生されることを指す。
【0074】
「形質転換」は、当業者にとってその通常の慣習的な意味が付与されたものとし、これらに限定されないが、ポリヌクレオチドが標的細胞へ移入することを指すために使用される。移入されたポリヌクレオチドは、標的細胞のゲノムまたは染色体DNAに組み込まれ得、その結果、遺伝的に安定した遺伝をもたらすか、または宿主の染色体とは関係なく、複製することができる。形質転換核酸断片を含む宿主生物は、「トランスジェニック」と呼ばれ得る。
【0075】
本明細書で宿主細胞に関連して使用される場合、「形質転換された」、「トランスジェニック」、および「組換え」という用語は、当業者にとってそれぞれの通常のおよび慣習的な意味が付与されたものとし、これらに限定されないが、異種核酸分子が導入された植物または微生物細胞などの宿主生物の細胞を指すために使用される。核酸分子は、宿主細胞のゲノムに安定して組み込まれ得るか、または核酸分子は、染色体外分子として存在し得る。このような染色体外分子は、自己複製され得る。形質転換された細胞、組織、または対象は、形質転換プロセスの最終産物のみでなく、そのトランスジェニック子孫も包含する理解される。
【0076】
ポリヌクレオチドに関連して本明細書で使用される場合、「組換え」、「異種」、および「外因性」という用語は、当業者にとってそれらの通常の慣習的な意味が付与されたものであり、これに限定されないが、特定の宿主細胞に対して外来の供給源に由来するか、または同じ供給源に由来する場合はその元の形態から改変されたポリヌクレオチド(例えば、DNA配列または遺伝子)指すために使用される。したがって、宿主細胞における異種遺伝子は、特定の宿主細胞に内因性であるが、例えば、部位指向性突然変異誘発または他の組換え技術の使用によって改変された遺伝子を含む。これらの用語はまた、天然に存在するDNA配列の非天然に存在する複数のコピーを含む。したがって、これらの用語は、細胞に対して外来であるかもしくは異種であるか、または細胞に対して相同であるが、そのエレメントが通常見出されない宿主細胞内の位置もしくは形態であるDNAセグメントを意味する。
【0077】
同様に、「組換え」、「異種」、および「外因性」という用語は、ポリペプチドまたはアミノ酸配列に関連して本明細書で使用される場合、特定の宿主細胞に対して外来性の供給源に由来するか、または、同一の供給源に由来する場合、その元の形態から修飾されるポリペプチドまたはアミノ酸配列を意味する。したがって、組換えDNAセグメントを宿主細胞内で発現させて、組換えポリペプチドを産生することができる。
【0078】
「プラスミド」、「ベクター」、および「カセット」という用語は、当業者にとってそれぞれの通常のおよび慣習的な意味が付与されたものであり、これらに限定されないが、多くの場合、細胞の中枢代謝の一部ではなく、通常は環状二本鎖DNA分子の形態である遺伝子を運搬し、余分な染色体エレメントを指すために使用される。このようなエレメントは、任意の供給源に由来する一本鎖または二本鎖DNAまたはRNAの、直鎖または環状の配列、ゲノム組込み配列、ファージまたはヌクレオチド配列を自律的に複製することができ、複数のヌクレオチド配列が接合または再結合されて、適切な3’非翻訳配列と共に選択された遺伝子産物のプロモーター断片およびDNA配列を細胞に導入できる独自の構造になっている。「形質転換カセット」は、外来遺伝子を含み、特定の宿主細胞の形質転換を促進する外来遺伝子に加えてエレメントを有する特定のベクターを指す。「発現カセット」は、外来遺伝子を含み、外来遺伝子に加えて、外来宿主におけるその遺伝子の発現の増強を可能にするエレメントを有する特定のベクターを指す。
【0079】
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学的用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似または同等の任意の方法および材料を本開示の実施または試験に使用することができるが、好ましい材料および方法が以下に記載されている。
【0080】
下の非限定的例を検討することにより、本開示はより完全に理解されるであろう。これらの例は、本技術の好ましい実施形態を示しているが、例示としてのみ与えられていることを理解されたい。以上の考察及びこれらの実施例から、当業者は、本技術の本質的特徴を確認することができ、その趣旨及び範囲から逸脱することなく、本技術を様々な用途及び条件に適合させるために様々な変更及び修正を加えることができる。
【実施例
【0081】
材料および方法
菌株、プラスミドおよび培養条件
大腸菌株DH5aおよびBL21(DE3)をInvitrogenから購入した。大腸菌W3110は、Coli Genetic Stock Center,E.coli Genetic Resources at Yale University (http://cgsc2.biology.yale.edu/)から得た。プラスミドpET21aは、EMD Millipore(Billerica,MA,USA)から購入した。プラスミドpUVAPは、配列番号1に記載のヌクレオチド配列、および図1に示されるプラスミドマップを用いて、本発明者らによって構築され、これは遺伝子クローニングおよび遺伝子発現の両方の目的で使用された。
【0082】
DNA操作
すべてのDNA操作を標準手順に従って行った。制限酵素およびT4 DNAリガーゼは、New England Biolabsから購入した。すべてのPCR反応は、製造業者の指示に従って、New England BiolabsのPhusion PCR systemを使用して実施した。
【0083】
標的遺伝子の同定
SsPvcC、ストレプトマイセス・スクレロティアルス由来の推定ピオベルジン発色団生合成蛋白質C、NCBI RefSeq:WP_107054157.1は、NCBI データベースで同定された。そのタンパク質配列は、配列番号10として列挙される。その遺伝子の対応するヌクレオチド配列は、大腸菌(配列番号9)での発現のためにコドン最適化された後に、GenScript Companyによって合成させた。
【0084】
PCRによるSsPvcCの突然変異
いくつかの突然変異体が、部位指向性突然変異誘発により生成された。ナリンゲニンのエリオジクチオールへの生物変換について多数の突然変異体をスクリーニングした後、本発明者らは、変換活性が有意に増加した突然変異体M196Y(M196Y核酸配列-配列番号1、M196Yアミノ酸配列-配列番号2)を予期せず同定し、さらに、SsPvcC突然変異遺伝子産物のN末端に導入して、エリオジクチオール産生をさらに増強できる17アミノ酸タグ(M196Y+タグ核酸配列-配列番号3、M196Y+タグアミノ酸配列-配列番号4)を同定した。突然変異体G315H(G315H核酸配列-配列番号5、G315Hアミノ酸配列-配列番号6)およびD214N(D214N核酸配列-配列番号7、D214Nアミノ酸配列-配列番号8)もまた、生成された。
【0085】
プラスミドの構築
SsPvcCのDNA断片および関連する突然変異体は、それぞれ、フラビンレダクターゼであるSeFR1と共発現した。具体的には、遺伝子SsPvcC(または関連する突然変異体)およびSeFR1を保有する5814塩基対(図2)などの発現ベクターSsPvcC-SeFR-pRSFを、鋳型としてSAM5-SeFR-pRSFのプラスミドを用いて、ギブソンアセンブリによって構築した(米国特許出願第2019/0048374を参照)。
【0086】
別の発現ベクターをライゲーションによって構築した。SsPvcC-SeFRのDNA断片をpUVAPのNdeIおよびXhoI制限部位に挿入し、発現ベクターSsPvcC-SeFR-pUVAPを生成した(図3)。
【0087】
開発した構築物による大腸菌BL21(DE3)の形質転換
SsPvcC-SeFR-pRSFおよび生成された突然変異バリアント(すなわち、SsPvcCを突然変異体M196Yおよび突然変異体M196Y-タグに、また突然変異体G315HおよびD214Nに置換する)を、それぞれ標準的な化学的形質転換プロトコルを用いて、大腸菌BL21(DE3)細胞に導入し、本明細書においてWT、M196Y、G315H、D214NおよびM196Y+タグと称する、エリオジクチオール産生大腸菌株の開発を導いた。M196Y+タグの突然変異を有するプラスミドSsPvcC-SeFR-pUVAPは、標準的な化学形質転換プロトコルを使用して、大腸菌W3110コンピテント細胞に導入され、これにより、エリオジクチオール産生大腸菌株ERI-10の開発を導いた。
【0088】
振盪フラスコ内でのナリンゲニンのエリオジクチオールへの生物変換
大腸菌BL21(DE3)株WT、M196Y、D315H、D214N、およびM196Y+タグは、30μg/Lカナマイシンを含むLB培地で成長させた。細胞を37℃で振とう機中でOD600まで成長させ、0.6~0.8に到達したとき、ラクトースを最終濃度1.5%(w/v)に加えて温度を30℃に変更し、外因性遺伝子の発現を誘導した。発現誘導の3時間後、DMSOに溶解したナリンゲニン(40%w/v)を培養物に加えた。同じ培養条件下で培養物の振とうを維持した。サンプルは、HPLC分析のために基質供給の6時間後に採取した。
【0089】
5リットル発酵槽におけるナリンゲニンのエリオジクチオールへの生物変換
発酵槽でナリンゲニンをエリオジクチオールに生物変換するための発酵プロセスが開発された。1mLのERI-10のグリセロールストックを500mLフラスコ内の100mL種子培養培地(5g/L酵母エキス、10g/Lトリプトン、10g/L NaCl、および50mg/Lアンピシリンを含むLuria-Bertani培地)に接種した。種子を振とう速度200rpm、37℃、8時間振とう機中で培養し、次いで、Luria‐Bertani培地の3リットルの発酵培地、および初期グルコース10g/Lおよびアンピシリン50mg/Lの入った5リットル発酵槽に移した。
【0090】
5リットルの発酵槽プロセスは、2つの段階(細胞成長段階および生物変換段階)を有する。細胞成長段階は、発酵経過時間(EFT)0時間から約EFT16.5時間であった。発酵パラメーターは、以下のように設定した:通気量:0.6vvm。4N NaOHの使用により制御され、pHは7.1以上であった。成長温度を30℃に設定し、撹拌を300~500rpmに設定した。溶存酸素(DO)は、30%以上を維持するためにカスケードして撹拌した。成長時間は、約16~17時間であった。
【0091】
生物変換段階は、EFT 18時間~48時間であった。発酵パラメーターは、以下のように設定した:通気量:0.4vvm。pHは4N NaOHで8.0以上に制御し、温度は30℃であって、撹拌は、250~500rpmに設定し、DOは30%以上にカスケードして撹拌することによって維持した。DMSOに溶解したナリンゲニン(40%容量/容量)を、EFT 18時間で供給速度0.15g/Lで供給し、次いでEFT 28時間でEFT 44時間まで0.1g/Lまで低下させ、発酵段階をEFT 48時間で完了させた。
【0092】
培養混合物を、指示された時間間隔で発酵槽から採取し、HPLC試料を上記のとおり調製した。
【0093】
HPLCおよびLC-MS分析。
フラボノイドのHPLC分析をDionex Ultimate 3000システムで行った。中間体は、Dionex Acclaim 120 C18カラム(粒径3μm;150x2.1mm)を用い、0.15%(vol/vol)酢酸(溶出液A)およびアセトニトリル(溶出液B)のグラジエントを溶出液B10~40%(vol/vol)の範囲で、流速0.6ml/分で逆相クロマトグラフィーにより分離した。定量のために、全ての中間体を外部標準物質で校正した。これらの化合物は、その保持時間と対応するスペクトルにより同定され、これらはシステム中のダイオードアレイ検出器で同定した。
【0094】
結果
野生型SsPvcCは、ナリンゲニンのエリオジクチオールへの生物変換においてほとんど活性を示さなかった。
【0095】
共所有の、同時係属中の米国特許出願公開第2019/0048374号において、本発明者らは、フラビンレダクターゼの共発現により、SAM5によって触媒されるナリンゲニンからエリオジクチオールへの生物変換の増加をもたらし得ることを示した。同様の戦略を用いて、本発明者らは、pRSFDuet-1ベクター中のSsPvcCおよびSeFR1の発現オペロンを有する発現プラスミドSsPvcC-SeFR-pRSFを構築した(図2)。しかし、野生型SsPvcC(WT)を保有する大腸菌株は、フラビンレダクターゼSeFR1が共発現した場合であっても、ナリンゲニンのエリオジクチオールへの生物変換において非常に低い活性を示した(図4)。
【0096】
部位指向性突然変異誘発は、ナリンゲニンのエリオジクチオールへの生物変換を劇的に増加させた。
図4に示すとおり、SsPvcCにおける特異的アミノ酸残基突然変異は、ナリンゲニンのエリオジクチオールへの生物変換の劇的な増加をもたらした。特に、196(M196Y)位でメチオニンをチロシンで置換することにより、振盪フラスコ中のエリオジクチオールの産生が100倍超増加することが予想外に見出された。
【0097】
さらに、SsPvcCのN末端に17アミノ酸タグを添加することにより、力価がさらに98%増加することがわかった(M196Y+タグ対M196Y)(図4)。
【0098】
そこで、本発明者らは、天然ナリンゲニンから天然エリオジクチオールを産生するためにERI-10株を用いる発酵プロセスを開発し、エリオジクチオール生産力価が、48時間で1.74g/Lに達した(図5)。
【0099】
目的の配列

配列番号#1SsPvcC-M196Y NT
人工配列;部位指向性突然変異誘発
ATGACGGGCGCCGAATATCTGGATTCGCTGCGTGATGGCCGTGCCGTCTATATTCACGGCGAACGCGTCCGCGATGTCACCGCGCATCCGGCCTTCCGTAACAGCGCGCGTAGTCTGGCGCAGCTGTATGATGTGCTGCATGAACCGGATTCGCGTGGCGTTCTGAGCGTCCCGACCGATACCGGTAATGGCGGTTTTACGCACCCGTTTTTCAAAACCGCGCGTAGCGCCGGTGATCTGGTGGCAGCCCGCGATGCAATTGTGGCCTGGCAGCGTCTTGTTTACGGTTGGATGGGTCGTACGCCGGATTATAAAGCAGCATTCTTCGGTACGCTTGAAGCCAACGCCGATTTCTATGGCCCGTTCCGTGATAACGCACTGGCATGGTATCGTCGTGCACAGGAACGCGTGTTGTATTTCAACCATGCGATCGTGCATCCGCCGGTCGATCGCGATCGCCCGGCCGATCGCACGGCGGATGTGTGCGTCCACGTGGAAGAAGAAACGGATGCCGGCCTTGTTGTTTCGGGTGCGAAAGTTGTCGCGACCAGCAGCGCCCTGACGAATGCCAATCTGATTGCACACTACGGCTTACCGCTGCGTGATAAACGCTTTGGCGCCATGTTCACCGTGCCGATGGATAGCCCGGGCCTGAAACTGTTCTGTCGTACCAGTTATGAAATGCATGCCGCGGTCTTAGGCTCGCCGTTTGATTACCCGTTAAGCAGCCGCCTTGATGAAAATGATTCAATCATGGTTCTTGATCGTGTTTTAGTGCCGTGGGAAAACGTGTTTATGTATGATGCCGCCAGCGCGAACGCGTTTGCGACCCGCAGCGGTTTCCTGGAACGTTTTACCTTTCATGGCTGTACGCGCTTAGCGGTGAAACTGGATTTTATTGCCGGTTGCCTGCTGAAAGCAGTTGAAGTGACCGGCACCAGCGGCTTCCGTGGTGTGCAGGCCCAGATTGGCGAAGTTTTAAACTGGCGCGATATGTTTTGGGGTATGTCAGATGCAATGGCGAAATCGCCGACGGATTGGCACAATGGTGCGGTCCAGCCGAATCTGAACTATGGCCTGGCCTACCGCACCTTCATGGGCATTGGTTACCCGCGTATCCGTGAAATCATTCAGCAGACCATTGGCTCGGGTCTGATTTATTTAAATAGTCACGCAAGCGATTGGAAAAATCCGGAAGTTCGTCCGTACTTAGATCGCTACCTGCGCGGTAGTCGTGGTGTTGAAGCGATCGATCGCGTTAAACTGCTTAAACTGCTGTGGGATTGCGTGGGCACGGAATTTGCGGGCCGTCACGAACTTTATGAACGCAATTACGGTGGCGATCATGAAGGTATTCGCGTGCAGACCCTGTTGAGTTATCAGGCGCGCGGTCAGGCGGATGCGCTTAAAGGCTTTGCCGATCAGTGTATGTCAGAATACGATCTGGATGGCTGGACCCGCCCGGATTTATTCGGTCCAGGTGATTTACCTAGACCAGCTACTGGAGCGTAA

配列番号#2 SsPvcC-M196Y AA
人工配列;部位指向性突然変異誘発
MTGAEYLDSLRDGRAVYIHGERVRDVTAHPAFRNSARSLAQLYDVLHEPDSRGVLSVPTDTGNGGFTHPFFKTARSAGDLVAARDAIVAWQRLVYGWMGRTPDYKAAFFGTLEANADFYGPFRDNALAWYRRAQERVLYFNHAIVHPPVDRDRPADRTADVCVHVEEETDAGLVVSGAKVVATSSALTNANLIAHYGLPLRDKRFGAMFTVPMDSPGLKLFCRTSYEMHAAVLGSPFDYPLSSRLDENDSIMVLDRVLVPWENVFMYDAASANAFATRSGFLERFTFHGCTRLAVKLDFIAGCLLKAVEVTGTSGFRGVQAQIGEVLNWRDMFWGMSDAMAKSPTDWHNGAVQPNLNYGLAYRTFMGIGYPRIREIIQQTIGSGLIYLNSHASDWKNPEVRPYLDRYLRGSRGVEAIDRVKLLKLLWDCVGTEFAGRHELYERNYGGDHEGIRVQTLLSYQARGQADALKGFADQCMSEYDLDGWTRPDLFGPGDLPRPATGA

配列番号#3SsPvcC-M196Y-タグNT
人工配列;N末端タグおよび部位指向性突然変異誘発
ATGACGACCGCTAGTGGTACCAATGCAGATGTCCAGAATGGCGTCCGCCCGATGACGGGCGCCGAATATCTGGATTCGCTGCGTGATGGCCGTGCCGTCTATATTCACGGCGAACGCGTCCGCGATGTCACCGCGCATCCGGCCTTCCGTAACAGCGCGCGTAGTCTGGCGCAGCTGTATGATGTGCTGCATGAACCGGATTCGCGTGGCGTTCTGAGCGTCCCGACCGATACCGGTAATGGCGGTTTTACGCACCCGTTTTTCAAAACCGCGCGTAGCGCCGGTGATCTGGTGGCAGCCCGCGATGCAATTGTGGCCTGGCAGCGTCTTGTTTACGGTTGGATGGGTCGTACGCCGGATTATAAAGCAGCATTCTTCGGTACGCTTGAAGCCAACGCCGATTTCTATGGCCCGTTCCGTGATAACGCACTGGCATGGTATCGTCGTGCACAGGAACGCGTGTTGTATTTCAACCATGCGATCGTGCATCCGCCGGTCGATCGCGATCGCCCGGCCGATCGCACGGCGGATGTGTGCGTCCACGTGGAAGAAGAAACGGATGCCGGCCTTGTTGTTTCGGGTGCGAAAGTTGTCGCGACCAGCAGCGCCCTGACGAATGCCAATCTGATTGCACACTACGGCTTACCGCTGCGTGATAAACGCTTTGGCGCCATGTTCACCGTGCCGATGGATAGCCCGGGCCTGAAACTGTTCTGTCGTACCAGTTATGAAATGCATGCCGCGGTCTTAGGCTCGCCGTTTGATTACCCGTTAAGCAGCCGCCTTGATGAAAATGATTCAATCATGGTTCTTGATCGTGTTTTAGTGCCGTGGGAAAACGTGTTTATGTATGATGCCGCCAGCGCGAACGCGTTTGCGACCCGCAGCGGTTTCCTGGAACGTTTTACCTTTCATGGCTGTACGCGCTTAGCGGTGAAACTGGATTTTATTGCCGGTTGCCTGCTGAAAGCAGTTGAAGTGACCGGCACCAGCGGCTTCCGTGGTGTGCAGGCCCAGATTGGCGAAGTTTTAAACTGGCGCGATATGTTTTGGGGTATGTCAGATGCAATGGCGAAATCGCCGACGGATTGGCACAATGGTGCGGTCCAGCCGAATCTGAACTATGGCCTGGCCTACCGCACCTTCATGGGCATTGGTTACCCGCGTATCCGTGAAATCATTCAGCAGACCATTGGCTCGGGTCTGATTTATTTAAATAGTCACGCAAGCGATTGGAAAAATCCGGAAGTTCGTCCGTACTTAGATCGCTACCTGCGCGGTAGTCGTGGTGTTGAAGCGATCGATCGCGTTAAACTGCTTAAACTGCTGTGGGATTGCGTGGGCACGGAATTTGCGGGCCGTCACGAACTTTATGAACGCAATTACGGTGGCGATCATGAAGGTATTCGCGTGCAGACCCTGTTGAGTTATCAGGCGCGCGGTCAGGCGGATGCGCTTAAAGGCTTTGCCGATCAGTGTATGTCAGAATACGATCTGGATGGCTGGACCCGCCCGGATTTATTCGGTCCAGGTGATTTACCTAGACCAGCTACTGGAGCGTAA

配列番号#4SsPvcC-M196Y-タグAA
人工配列;N末端タグおよび部位指向性突然変異誘発
MTTASGTNADVQNGVRPMTGAEYLDSLRDGRAVYIHGERVRDVTAHPAFRNSARSLAQLYDVLHEPDSRGVLSVPTDTGNGGFTHPFFKTARSAGDLVAARDAIVAWQRLVYGWMGRTPDYKAAFFGTLEANADFYGPFRDNALAWYRRAQERVLYFNHAIVHPPVDRDRPADRTADVCVHVEEETDAGLVVSGAKVVATSSALTNANLIAHYGLPLRDKRFGAMFTVPMDSPGLKLFCRTSYEMHAAVLGSPFDYPLSSRLDENDSIMVLDRVLVPWENVFMYDAASANAFATRSGFLERFTFHGCTRLAVKLDFIAGCLLKAVEVTGTSGFRGVQAQIGEVLNWRDMFWGMSDAMAKSPTDWHNGAVQPNLNYGLAYRTFMGIGYPRIREIIQQTIGSGLIYLNSHASDWKNPEVRPYLDRYLRGSRGVEAIDRVKLLKLLWDCVGTEFAGRHELYERNYGGDHEGIRVQTLLSYQARGQADALKGFADQCMSEYDLDGWTRPDLFGPGDLPRPATGA

配列番号#5 SsPvcC-G315H+タグNT
人工配列;N末端タグ+部位指向性突然変異誘発
ATGACGACCGCTAGTGGTACCAATGCAGATGTCCAGAATGGCGTCCGCCCGATGACGGGCGCCGAATATCTGGATTCGCTGCGTGATGGCCGTGCCGTCTATATTCACGGCGAACGCGTCCGCGATGTCACCGCGCATCCGGCCTTCCGTAACAGCGCGCGTAGTCTGGCGCAGCTGTATGATGTGCTGCATGAACCGGATTCGCGTGGCGTTCTGAGCGTCCCGACCGATACCGGTAATGGCGGTTTTACGCACCCGTTTTTCAAAACCGCGCGTAGCGCCGGTGATCTGGTGGCAGCCCGCGATGCAATTGTGGCCTGGCAGCGTCTTGTTTACGGTTGGATGGGTCGTACGCCGGATTATAAAGCAGCATTCTTCGGTACGCTTGAAGCCAACGCCGATTTCTATGGCCCGTTCCGTGATAACGCACTGGCATGGTATCGTCGTGCACAGGAACGCGTGTTGTATTTCAACCATGCGATCGTGCATCCGCCGGTCGATCGCGATCGCCCGGCCGATCGCACGGCGGATGTGTGCGTCCACGTGGAAGAAGAAACGGATGCCGGCCTTGTTGTTTCGGGTGCGAAAGTTGTCGCGACCAGCAGCGCCCTGACGAATGCCAATCTGATTGCACACATGGGCTTACCGCTGCGTGATAAACGCTTTGGCGCCATGTTCACCGTGCCGATGGATAGCCCGGGCCTGAAACTGTTCTGTCGTACCAGTTATGAAATGCATGCCGCGGTCTTAGGCTCGCCGTTTGATTACCCGTTAAGCAGCCGCCTTGATGAAAATGATTCAATCATGGTTCTTGATCGTGTTTTAGTGCCGTGGGAAAACGTGTTTATGTATGATGCCGCCAGCGCGAACGCGTTTGCGACCCGCAGCGGTTTCCTGGAACGTTTTACCTTTCATGGCTGTACGCGCTTAGCGGTGAAACTGGATTTTATTGCCGGTTGCCTGCTGAAAGCAGTTGAAGTGACCGGCACCAGCCACTTCCGTGGTGTGCAGGCCCAGATTGGCGAAGTTTTAAACTGGCGCGATATGTTTTGGGGTATGTCAGATGCAATGGCGAAATCGCCGACGGATTGGCACAATGGTGCGGTCCAGCCGAATCTGAACTATGGCCTGGCCTACCGCACCTTCATGGGCATTGGTTACCCGCGTATCCGTGAAATCATTCAGCAGACCATTGGCTCGGGTCTGATTTATTTAAATAGTCACGCAAGCGATTGGAAAAATCCGGAAGTTCGTCCGTACTTAGATCGCTACCTGCGCGGTAGTCGTGGTGTTGAAGCGATCGATCGCGTTAAACTGCTTAAACTGCTGTGGGATTGCGTGGGCACGGAATTTGCGGGCCGTCACGAACTTTATGAACGCAATTACGGTGGCGATCATGAAGGTATTCGCGTGCAGACCCTGTTGAGTTATCAGGCGCGCGGTCAGGCGGATGCGCTTAAAGGCTTTGCCGATCAGTGTATGTCAGAATACGATCTGGATGGCTGGACCCGCCCGGATTTATTCGGTCCAGGTGATTTACCTAGACCAGCTACTGGAGCGTAA

配列番号#6SsPvcC-G315H+タグAA
人工配列;N末端タグ+部位指向性突然変異誘発
MTTASGTNADVQNGVRPMTGAEYLDSLRDGRAVYIHGERVRDVTAHPAFRNSARSLAQLYDVLHEPDSRGVLSVPTDTGNGGFTHPFFKTARSAGDLVAARDAIVAWQRLVYGWMGRTPDYKAAFFGTLEANADFYGPFRDNALAWYRRAQERVLYFNHAIVHPPVDRDRPADRTADVCVHVEEETDAGLVVSGAKVVATSSALTNANLIAHMGLPLRDKRFGAMFTVPMDSPGLKLFCRTSYEMHAAVLGSPFDYPLSSRLDENDSIMVLDRVLVPWENVFMYDAASANAFATRSGFLERFTFHGCTRLAVKLDFIAGCLLKAVEVTGTSHFRGVQAQIGEVLNWRDMFWGMSDAMAKSPTDWHNGAVQPNLNYGLAYRTFMGIGYPRIREIIQQTIGSGLIYLNSHASDWKNPEVRPYLDRYLRGSRGVEAIDRVKLLKLLWDCVGTEFAGRHELYERNYGGDHEGIRVQTLLSYQARGQADALKGFADQCMSEYDLDGWTRPDLFGPGDLPRPATGA

配列番号#7SsPvcC-D214N+Tag NT
人工配列;N末端タグ+部位指向性突然変異誘発
ATGACGACCGCTAGTGGTACCAATGCAGATGTCCAGAATGGCGTCCGCCCGATGACGGGCGCCGAATATCTGGATTCGCTGCGTGATGGCCGTGCCGTCTATATTCACGGCGAACGCGTCCGCGATGTCACCGCGCATCCGGCCTTCCGTAACAGCGCGCGTAGTCTGGCGCAGCTGTATGATGTGCTGCATGAACCGGATTCGCGTGGCGTTCTGAGCGTCCCGACCGATACCGGTAATGGCGGTTTTACGCACCCGTTTTTCAAAACCGCGCGTAGCGCCGGTGATCTGGTGGCAGCCCGCGATGCAATTGTGGCCTGGCAGCGTCTTGTTTACGGTTGGATGGGTCGTACGCCGGATTATAAAGCAGCATTCTTCGGTACGCTTGAAGCCAACGCCGATTTCTATGGCCCGTTCCGTGATAACGCACTGGCATGGTATCGTCGTGCACAGGAACGCGTGTTGTATTTCAACCATGCGATCGTGCATCCGCCGGTCGATCGCGATCGCCCGGCCGATCGCACGGCGGATGTGTGCGTCCACGTGGAAGAAGAAACGGATGCCGGCCTTGTTGTTTCGGGTGCGAAAGTTGTCGCGACCAGCAGCGCCCTGACGAATGCCAATCTGATTGCACACATGGGCTTACCGCTGCGTGATAAACGCTTTGGCGCCATGTTCACCGTGCCGATGAATAGCCCGGGCCTGAAACTGTTCTGTCGTACCAGTTATGAAATGCATGCCGCGGTCTTAGGCTCGCCGTTTGATTACCCGTTAAGCAGCCGCCTTGATGAAAATGATTCAATCATGGTTCTTGATCGTGTTTTAGTGCCGTGGGAAAACGTGTTTATGTATGATGCCGCCAGCGCGAACGCGTTTGCGACCCGCAGCGGTTTCCTGGAACGTTTTACCTTTCATGGCTGTACGCGCTTAGCGGTGAAACTGGATTTTATTGCCGGTTGCCTGCTGAAAGCAGTTGAAGTGACCGGCACCAGCCATTTCCGTGGTGTGCAGGCCCAGATTGGCGAAGTTTTAAACTGGCGCGATATGTTTTGGGGTATGTCAGATGCAATGGCGAAATCGCCGACGGATTGGCACAATGGTGCGGTCCAGCCGAATCTGAACTATGGCCTGGCCTACCGCACCTTCATGGGCATTGGTTACCCGCGTATCCGTGAAATCATTCAGCAGACCATTGGCTCGGGTCTGATTTATTTAAATAGTCACGCAAGCGATTGGAAAAATCCGGAAGTTCGTCCGTACTTAGATCGCTACCTGCGCGGTAGTCGTGGTGTTGAAGCGATCGATCGCGTTAAACTGCTTAAACTGCTGTGGGATTGCGTGGGCACGGAATTTGCGGGCCGTCACGAACTTTATGAACGCAATTACGGTGGCGATCATGAAGGTATTCGCGTGCAGACCCTGTTGAGTTATCAGGCGCGCGGTCAGGCGGATGCGCTTAAAGGCTTTGCCGATCAGTGTATGTCAGAATACGATCTGGATGGCTGGACCCGCCCGGATTTATTCGGTCCAGGTGATTTACCTAGACCAGCTACTGGAGCGTAA

配列番号#8SsPvcC-D214N+タグAA
人工配列;N末端タグ+部位指向性突然変異誘発
MTTASGTNADVQNGVRPMTGAEYLDSLRDGRAVYIHGERVRDVTAHPAFRNSARSLAQLYDVLHEPDSRGVLSVPTDTGNGGFTHPFFKTARSAGDLVAARDAIVAWQRLVYGWMGRTPDYKAAFFGTLEANADFYGPFRDNALAWYRRAQERVLYFNHAIVHPPVDRDRPADRTADVCVHVEEETDAGLVVSGAKVVATSSALTNANLIAHMGLPLRDKRFGAMFTVPMNSPGLKLFCRTSYEMHAAVLGSPFDYPLSSRLDENDSIMVLDRVLVPWENVFMYDAASANAFATRSGFLERFTFHGCTRLAVKLDFIAGCLLKAVEVTGTSGFRGVQAQIGEVLNWRDMFWGMSDAMAKSPTDWHNGAVQPNLNYGLAYRTFMGIGYPRIREIIQQTIGSGLIYLNSHASDWKNPEVRPYLDRYLRGSRGVEAIDRVKLLKLLWDCVGTEFAGRHELYERNYGGDHEGIRVQTLLSYQARGQADALKGFADQCMSEYDLDGWTRPDLFGPGDLPRPATGA

配列番号#9 SsPvcC+タグNT
人工配列;N末端タグ
ATGACGACCGCTAGTGGTACCAATGCAGATGTCCAGAATGGCGTCCGCCCGATGACGGGCGCCGAATATCTGGATTCGCTGCGTGATGGCCGTGCCGTCTATATTCACGGCGAACGCGTCCGCGATGTCACCGCGCATCCGGCCTTCCGTAACAGCGCGCGTAGTCTGGCGCAGCTGTATGATGTGCTGCATGAACCGGATTCGCGTGGCGTTCTGAGCGTCCCGACCGATACCGGTAATGGCGGTTTTACGCACCCGTTTTTCAAAACCGCGCGTAGCGCCGGTGATCTGGTGGCAGCCCGCGATGCAATTGTGGCCTGGCAGCGTCTTGTTTACGGTTGGATGGGTCGTACGCCGGATTATAAAGCAGCATTCTTCGGTACGCTTGAAGCCAACGCCGATTTCTATGGCCCGTTCCGTGATAACGCACTGGCATGGTATCGTCGTGCACAGGAACGCGTGTTGTATTTCAACCATGCGATCGTGCATCCGCCGGTCGATCGCGATCGCCCGGCCGATCGCACGGCGGATGTGTGCGTCCACGTGGAAGAAGAAACGGATGCCGGCCTTGTTGTTTCGGGTGCGAAAGTTGTCGCGACCAGCAGCGCCCTGACGAATGCCAATCTGATTGCACACATGGGCTTACCGCTGCGTGATAAACGCTTTGGCGCCATGTTCACCGTGCCGATGGATAGCCCGGGCCTGAAACTGTTCTGTCGTACCAGTTATGAAATGCATGCCGCGGTCTTAGGCTCGCCGTTTGATTACCCGTTAAGCAGCCGCCTTGATGAAAATGATTCAATCATGGTTCTTGATCGTGTTTTAGTGCCGTGGGAAAACGTGTTTATGTATGATGCCGCCAGCGCGAACGCGTTTGCGACCCGCAGCGGTTTCCTGGAACGTTTTACCTTTCATGGCTGTACGCGCTTAGCGGTGAAACTGGATTTTATTGCCGGTTGCCTGCTGAAAGCAGTTGAAGTGACCGGCACCAGCGGCTTCCGTGGTGTGCAGGCCCAGATTGGCGAAGTTTTAAACTGGCGCGATATGTTTTGGGGTATGTCAGATGCAATGGCGAAATCGCCGACGGATTGGCACAATGGTGCGGTCCAGCCGAATCTGAACTATGGCCTGGCCTACCGCACCTTCATGGGCATTGGTTACCCGCGTATCCGTGAAATCATTCAGCAGACCATTGGCTCGGGTCTGATTTATTTAAATAGTCACGCAAGCGATTGGAAAAATCCGGAAGTTCGTCCGTACTTAGATCGCTACCTGCGCGGTAGTCGTGGTGTTGAAGCGATCGATCGCGTTAAACTGCTTAAACTGCTGTGGGATTGCGTGGGCACGGAATTTGCGGGCCGTCACGAACTTTATGAACGCAATTACGGTGGCGATCATGAAGGTATTCGCGTGCAGACCCTGTTGAGTTATCAGGCGCGCGGTCAGGCGGATGCGCTTAAAGGCTTTGCCGATCAGTGTATGTCAGAATACGATCTGGATGGCTGGACCCGCCCGGATTTATTCGGTCCAGGTGATTTACCTAGACCAGCTACTGGAGCGTAA

配列番号#10 SsPvcC+タグAA
人工配列;N末端タグ
MTTASGTNADVQNGVRPMTGAEYLDSLRDGRAVYIHGERVRDVTAHPAFRNSARSLAQLYDVLHEPDSRGVLSVPTDTGNGGFTHPFFKTARSAGDLVAARDAIVAWQRLVYGWMGRTPDYKAAFFGTLEANADFYGPFRDNALAWYRRAQERVLYFNHAIVHPPVDRDRPADRTADVCVHVEEETDAGLVVSGAKVVATSSALTNANLIAHMGLPLRDKRFGAMFTVPMDSPGLKLFCRTSYEMHAAVLGSPFDYPLSSRLDENDSIMVLDRVLVPWENVFMYDAASANAFATRSGFLERFTFHGCTRLAVKLDFIAGCLLKAVEVTGTSGFRGVQAQIGEVLNWRDMFWGMSDAMAKSPTDWHNGAVQPNLNYGLAYRTFMGIGYPRIREIIQQTIGSGLIYLNSHASDWKNPEVRPYLDRYLRGSRGVEAIDRVKLLKLLWDCVGTEFAGRHELYERNYGGDHEGIRVQTLLSYQARGQADALKGFADQCMSEYDLDGWTRPDLFGPGDLPRPATGA

配列番号#11:SsPvc NT
生物:ストレプトマイセス・スクレロティアルス
ATGACGGGCGCCGAATATCTGGATTCGCTGCGTGATGGCCGTGCCGTCTATATTCACGGCGAACGCGTCCGCGATGTCACCGCGCATCCGGCCTTCCGTAACAGCGCGCGTAGTCTGGCGCAGCTGTATGATGTGCTGCATGAACCGGATTCGCGTGGCGTTCTGAGCGTCCCGACCGATACCGGTAATGGCGGTTTTACGCACCCGTTTTTCAAAACCGCGCGTAGCGCCGGTGATCTGGTGGCAGCCCGCGATGCAATTGTGGCCTGGCAGCGTCTTGTTTACGGTTGGATGGGTCGTACGCCGGATTATAAAGCAGCATTCTTCGGTACGCTTGAAGCCAACGCCGATTTCTATGGCCCGTTCCGTGATAACGCACTGGCATGGTATCGTCGTGCACAGGAACGCGTGTTGTATTTCAACCATGCGATCGTGCATCCGCCGGTCGATCGCGATCGCCCGGCCGATCGCACGGCGGATGTGTGCGTCCACGTGGAAGAAGAAACGGATGCCGGCCTTGTTGTTTCGGGTGCGAAAGTTGTCGCGACCAGCAGCGCCCTGACGAATGCCAATCTGATTGCACACATGGGCTTACCGCTGCGTGATAAACGCTTTGGCGCCATGTTCACCGTGCCGATGGATAGCCCGGGCCTGAAACTGTTCTGTCGTACCAGTTATGAAATGCATGCCGCGGTCTTAGGCTCGCCGTTTGATTACCCGTTAAGCAGCCGCCTTGATGAAAATGATTCAATCATGGTTCTTGATCGTGTTTTAGTGCCGTGGGAAAACGTGTTTATGTATGATGCCGCCAGCGCGAACGCGTTTGCGACCCGCAGCGGTTTCCTGGAACGTTTTACCTTTCATGGCTGTACGCGCTTAGCGGTGAAACTGGATTTTATTGCCGGTTGCCTGCTGAAAGCAGTTGAAGTGACCGGCACCAGCGGCTTCCGTGGTGTGCAGGCCCAGATTGGCGAAGTTTTAAACTGGCGCGATATGTTTTGGGGTATGTCAGATGCAATGGCGAAATCGCCGACGGATTGGCACAATGGTGCGGTCCAGCCGAATCTGAACTATGGCCTGGCCTACCGCACCTTCATGGGCATTGGTTACCCGCGTATCCGTGAAATCATTCAGCAGACCATTGGCTCGGGTCTGATTTATTTAAATAGTCACGCAAGCGATTGGAAAAATCCGGAAGTTCGTCCGTACTTAGATCGCTACCTGCGCGGTAGTCGTGGTGTTGAAGCGATCGATCGCGTTAAACTGCTTAAACTGCTGTGGGATTGCGTGGGCACGGAATTTGCGGGCCGTCACGAACTTTATGAACGCAATTACGGTGGCGATCATGAAGGTATTCGCGTGCAGACCCTGTTGAGTTATCAGGCGCGCGGTCAGGCGGATGCGCTTAAAGGCTTTGCCGATCAGTGTATGTCAGAATACGATCTGGATGGCTGGACCCGCCCGGATTTATTCGGTCCAGGTGATTTACCTAGACCAGCTACTGGAGCGTAA

配列番号12 SsPvcC AA
生物:ストレプトマイセス・スクレロティアルス
MTGAEYLDSLRDGRAVYIHGERVRDVTAHPAFRNSARSLAQLYDVLHEPDSRGVLSVPTDTGNGGFTHPFFKTARSAGDLVAARDAIVAWQRLVYGWMGRTPDYKAAFFGTLEANADFYGPFRDNALAWYRRAQERVLYFNHAIVHPPVDRDRPADRTADVCVHVEEETDAGLVVSGAKVVATSSALTNANLIAHMGLPLRDKRFGAMFTVPMDSPGLKLFCRTSYEMHAAVLGSPFDYPLSSRLDENDSIMVLDRVLVPWENVFMYDAASANAFATRSGFLERFTFHGCTRLAVKLDFIAGCLLKAVEVTGTSGFRGVQAQIGEVLNWRDMFWGMSDAMAKSPTDWHNGAVQPNLNYGLAYRTFMGIGYPRIREIIQQTIGSGLIYLNSHASDWKNPEVRPYLDRYLRGSRGVEAIDRVKLLKLLWDCVGTEFAGRHELYERNYGGDHEGIRVQTLLSYQARGQADALKGFADQCMSEYDLDGWTRPDLFGPGDLPRPATGA

配列番号#13:SeFR NT
生物:サッカロトリクス・エスパナエンシス
ATGATGACCGTTTATGATAGCGCACTGACAATGGAAGAAACCACCCTGCGTGATGCAATGAGCCGTTTTGCAACCGGTGTTAGCGTTGTTACCGTTGGTGGTGAACATACACATGGTATGACCGCAAATGCCTTTACCTGTGTTAGCCTGGATCCGCCTCTGGTTCTGTGTTGTGTTGCACGTAAAGCAACCATGCATGCAGCAATTGAAGGTGCACGTCGTTTTGCAGTTAGCGTTATGGGTGGTGATCAAGAACGTACCGCACGTTATTTTGCAGATAAACGTCGTCCGCGTGGTCGTGCACAGTTTGATGTTGTTGATTGGCAGCCTGGTCCGCATACAGGTGCACCGCTGCTGAGCGGTGCGCTGGCATGGCTGGAATGTGAAGTTGCACAGTGGCATGAAGGTGGCGATCATACCATTTTTCTGGGTCGTGTTCTGGGTTGTCGTCGTGGTCCGGATAGTCCGGCACTGCTGTTTTATGGTAGCGATTTTCATCAGATCCGCTAA

配列番号#14:SeFR AA
生物:サッカロトリクス・エスパナエンシス
MMTVYDSALTMEETTLRDAMSRFATGVSVVTVGGEHTHGMTANAFTCVSLDPPLVLCCVARKATMHAAIEGARRFAVSVMGGDQERTARYFADKRRPRGRAQFDVVDWQPGPHTGAPLLSGALAWLECEVAQWHEGGDHTIFLGRVLGCRRGPDSPALLFYGSDFHQIR

配列番号#15:PfFR NT
生物:シュードモナス・フルオレッセンス
ATGAATGCAGCAACCGAAACCAAAGTTCATGATCTGCTGGATGCCGAAGGTCGTGATGTTCGTGATGCACGTGAACTGCGTAATGTTCTGGGTCAGTTTGCAACCGGTGTTACCGTTATTACCACCCGTACCGCAGATGGTCGTAATGTTGGTGTGACCGCAAATAGCTTTAGCAGCCTGAGCCTGAGTCCGGCACTGGTTCTGTGGTCACTGGCACGTACCGCACCGAGCCTGAAAGTTTTTTGTAGCGCAAGCCATTTTGCCATTAATGTGCTGGGTGCACATCAGCTGCATCTGAGCGAACAGTTTGCACGTGCCGCAGCAGATAAATTTGCCGGTGTTGCACATAGTTATGGTAAAGCGGGTGCACCGGTTCTGGATGATGTTGTTGCAGTTCTGGTTTGCCGTAATGTTACCCAGTATGAAGGTGGTGATCATCTGATTTTTATCGGCGAAATTGAGCAGTATCGTTATAGCGGTGCAGAACCGCTGGTTTTTCATGCAGGTCAGTATCGTGGTCTGGGTAGCAATCGTGCAGAAAGCGTTCTGAAACATGAATAA

配列番号16:PfFR AA
生物:シュードモナス・フルオレッセンス
MNAATETKVHDLLDAEGRDVRDARELRNVLGQFATGVTVITTRTADGRNVGVTANSFSSLSLSPALVLWSLARTAPSLKVFCSASHFAINVLGAHQLHLSEQFARAAADKFAGVAHSYGKAGAPVLDDVVAVLVCRNVTQYEGGDHLIFIGEIEQYRYSGAEPLVFHAGQYRGLGSNRAESVLKHE

配列番号17:HpaC NT
生物:大腸菌
ATGCAATTAGATGAACAACGCCTGCGCTTTCGTGACGCAATGGCCAGCCTGTCGGCAGCGGTAAATATTATCACCACCGAGGGCGACGCCGGACAATGCGGGATTACGGCAACGGCCGTCTGCTCGGTCACGGATACACCACCATCGCTGATGGTGTGCATTAACGCCAACAGTGCGATGAACCCGGTTTTTCAGGGCAACGGTAAGTTGTGCGTCAACGTCCTCAACCATGAGCAGGAACTGATGGCACGCCACTTCGCGGGCATGACAGGCATGGCGATGGAAGAGCGTTTTAGCCTCTCATGCTGGCAAAAAGGTCCGCTGGCGCAGCCGGTGCTAAAAGGTTCGCTGGCCAGTCTTGAAGGTGAGATCCGCGATGTGCAGGCAATTGGCACACATCTGGTGTATCTGGTGGAGATTAAAAACATCATCCTCAGTGCAGAAGGTCACGGACTTATCTACTTTAAACGCCGTTTCCATCCGGTGATGCTGGAAATGGAAGCTGCGATTTAA

配列番号18: HpaC AA
生物:大腸菌
MQLDEQRLRFRDAMASLSAAVNIITTEGDAGQCGITATAVCSVTDTPPSLMVCINANSAMNPVFQGNGKLCVNVLNHEQELMARHFAGMTGMAMEERFSLSCWQKGPLAQPVLKGSLASLEGEIRDVQAIGTHLVYLVEIKNIILSAEGHGLIYFKRRFHPVMLEMEAAI

配列番号#19 NT
人工配列;N末端タグ
ATGACGACCGCTAGTGGTACCAATGCAGATGTCCAGAATGGCGTCCGCCCG

配列番号#20 AA
人工配列;N末端タグ
MTTASGTNADVQNGVRP
図1
図2
図3
図4
図5
【配列表】
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