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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】什器
(51)【国際特許分類】
   A47B 97/00 20060101AFI20240314BHJP
   A47B 13/00 20060101ALI20240314BHJP
   A47B 17/00 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
A47B97/00 M
A47B13/00 B
A47B17/00 A
A47B17/00 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019160579
(22)【出願日】2019-09-03
(65)【公開番号】P2021037100
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-07-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】吉田 龍介
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-094808(JP,A)
【文献】特開2014-140403(JP,A)
【文献】実開平02-011449(JP,U)
【文献】特開2002-142930(JP,A)
【文献】特開平10-199327(JP,A)
【文献】特開2008-311061(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 97/00
A47B 13/00
A47B 17/00
A47B 96/02
A47B 81/06
F21V 33/00
B01L 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直面に沿って配置される被取付面を有するベース部と、
前記被取付面に取付可能な棚板装置と、を備え、
前記棚板装置は、左右方向に間隔をあけて設けられた一対の側部カバー、一対の前記側部カバー間に設けられ、上方を向く面に物品が載置可能な上部カバー、及び一対の前記側部カバー間において、前記上部カバーに対して下方に間隔をあけて配置された下部カバーを有する棚板本体を備え、
前記棚板本体の後端部には、下方及び後方に向かって開放され、配線が収容可能な配線収容空間部を画成する窪み部が形成され
前記ベース部のうち、前記棚板装置が取り付けられた状態で前記窪み部に後方から臨む位置に、前記窪み部に収容される配線が接続される配線接続部を有している什器
【請求項2】
前記窪み部は、前記下部カバーにおいて左右方向に連続し、
一対の前記側部カバーは、前記窪み部の左右方向両側を閉塞する閉塞板部を有する請求項1に記載の什器
【請求項3】
前記上部カバーと前記下部カバーとに囲まれた物品収容空間部に電気部品が収容可能とされ、
前記窪み部には、前記電気部品に接続される前記配線が収容される請求項1または2に記載の什器
【請求項4】
前記下部カバーは、後方から前方に向かって斜め上方に延びる傾斜面を有する請求項1から3のいずれか一項に記載の什器
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、器に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスや公共施設等の室内空間においては、執務者に作業面を提供するために天板を備えた什器が配設されている。このような什器において、天板上の作業面における作業性を高めるため、天板よりも上方に棚板が設けられることが多い。
【0003】
特許文献1には、天板の後方に設けられ、天板から上方に延びる左右一対の支柱と、一対の支柱間に設けられ、天板の後端部の上方に配置された棚板と、を備える構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-169834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された構成では、例えば棚板の上下に各種の電気製品を設置した場合、電気製品の配線が棚板の周辺に露呈し、体裁が損なわれてしまう。
本発明は、棚板装置の周辺に配線が露呈するのを抑え、体裁を良好なものとすることが可能となる什器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る棚板装置は、鉛直面に沿って配置される被取付面に取付可能な棚板装置であって、左右方向に間隔をあけて設けられた一対の側部カバー、一対の前記側部カバー間に設けられ、上方を向く面に物品が載置可能な上部カバー、及び一対の前記側部カバー間において、前記上部カバーに対して下方に間隔をあけて配置された下部カバーを有する棚板本体を備え、前記棚板本体の後端部には、下方及び後方に向かって開放され、配線が収容可能な配線収容空間部を画成する窪み部が形成されている。
【0007】
このような棚板装置は、窪み部に、棚板装置で用いる各種の配線等を収容することができる。これにより、棚板装置の周辺に配線が露呈するのを抑え、体裁を良好なものとすることが可能となる。
【0008】
本発明の一態様に係る棚板装置において、前記窪み部は、前記下部カバーにおいて左右方向に連続し、一対の前記側部カバーは、前記窪み部の左右方向両側を閉塞する閉塞板部を有するようにしてもよい。
この構成によれば、配線収容空間部内において左右方向での配線の配索スペースを確保できる。その上で、閉塞板部で窪み部の左右方向両側を閉塞することで、窪み部内の配線が側方に露呈するのを抑えることができる。
【0009】
本発明の一態様に係る棚板装置において、前記上部カバーと前記下部カバーとに囲まれた物品収容空間部に電気部品が収容可能とされ、前記窪み部には、前記電気部品に接続される前記配線が収容されるようにしてもよい。
この構成によれば、棚板本体内の物品収容空間部に電気部品が収容されるため、電気部品が露呈するのを抑えることができる。また、この電気部品により、棚板装置を、棚板としての機能だけでなく、他の電気製品としての機能を兼ね備えたものとすることもできる。
【0010】
本発明の一態様に係る棚板装置において、前記下部カバーは、後方から前方に向かって斜め上方に延びる傾斜面を有するようにしてもよい。
この構成によれば、棚板の前端側の厚みが小さくなり、軽快な外観を呈することができる。
【0011】
本発明の一態様に係る什器は、上記したような棚板装置と、前記棚板装置を取付可能な前記被取付面を有するベース部と、を備え、前記ベース部のうち、前記棚板装置が取り付けられた状態で前記窪み部に後方から臨む位置に、前記窪み部に収容される配線が接続される配線接続部を有する。
【0012】
このような什器と棚板装置とを組み合わせて用いることで、配線だけでなく、この配線と配線接続部との接続部分が露呈するのを抑えることが可能となる。したがって、棚板装置の周辺に配線が露呈するのを抑え、体裁を良好なものとすることが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様によれば、棚板装置の周辺に配線が露呈するのを抑え、体裁を良好なものとすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る棚板装置、及び什器の全体構成を示す斜視図である。
図2】上記什器のコアフレーム、及びコアフレームに装着された照明装置を斜め下方から見た図である。
図3】上記コアフレームの一方の支柱側の構成を示す斜視展開図である。
図4】上記照明装置の構成を示す側断面図である。
図5】上記照明装置の棚板本体の構成を示す斜視展開図である。
図6】上記棚板本体に形成された窪み部の内側で、配線の接続プラグを横架材に設けた接続口に接続した状態を示す側断面図である。
図7】本発明の実施形態の棚板装置の変形例を示す斜視図である。
図8】本発明の実施形態の棚板装置の変形例を示す斜視図である。
図9】本発明の実施形態の棚板装置の変形例を示す斜視図である。
図10】本発明の実施形態の棚板装置の変形例を示す斜視図である。
図11】本発明の実施形態の棚板装置の変形例を示す斜視図である。
図12】本発明の実施形態の棚板装置の変形例を示す斜視図である。
図13】本発明の実施形態の棚板装置の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明による棚板装置、及び什器を実施するための形態を説明する。しかし、本発明はこの実施形態のみに限定されるものではない。
【0016】
図1に示すように、什器1は、天板12を備えた什器本体10と、コアフレーム(ベース部)20と、を備えている。什器本体10は、いわゆるデスクであり、支持構造体11と、天板12と、を備えている。
【0017】
本実施形態において、天板12は、平面視長方形状をなしている。以下の説明において、平面視長方形状の天板12の長手方向を「幅方向Dw(左右方向)」、天板12の短手方向を「前後方向Dfr」と称することがある。さらに、天板12の前後方向Dfrにおいて、天板12に対して使用者が位置する側を「前方」、天板12の前方とは反対側でコアフレーム20が設けられる側を「後方」とする。
【0018】
支持構造体11は、床面F上に設けられ、天板12を下方から支持する。支持構造体11は、脚体13と、幕板14と、を備えている。脚体13は、幅方向Dwに間隔をあけて、二個一対で設けられている。各脚体13は、幅方向Dwに直交する面内に沿って位置する板状である。幕板14は、平板状で、前後方向Dfrに直交する面内に沿って配置されている。幕板14は、幅方向Dw両側の脚体13の後端部同士の間を塞ぐように設けられている。このような一対の脚体13及び幕板14を備える支持構造体11は、平面視コ字状をなしている。
【0019】
天板12は、平板状で、支持構造体11上に支持されている。天板12は、その上面に作業面12fを有する。以下の説明では、天板12において、前後方向Dfrで後方(コアフレーム20側)の端部を後端12b、前後方向Dfrで前方(コアフレーム20から離間する側)の端部を前端12aとする。
【0020】
ここで、本実施形態の什器1は、例えば、コアフレーム20を挟んだ一方の側と他方の側とにそれぞれ什器本体10が設けられている。これにより、什器1は、コアフレーム20を挟んだ一方の側の什器本体10の天板12を利用する利用者と、コアフレーム20を挟んだ他方の側の什器本体10の天板12を利用する利用者とが対面して利用できる対面式となっている。以下の説明においては、コアフレーム20を挟んだ一方の側と他方の側とを結ぶ方向を対向方向Daと称することがある。対向方向Daは、各什器本体10における前後方向Dfrと平行な方向である。
【0021】
図1図2に示すように、コアフレーム20は、一対の支柱21と、上部連結材22と、を備えている。コアフレーム20は、これら一対の支柱21、及び上部連結材22により、対向方向Daから見て門型をなしている。
【0022】
一対の支柱21は、幅方向Dwに間隔をあけて設けられている。一対の支柱21は、什器本体10の幅方向Dwの両端部にそれぞれ設けられている。各支柱21は、什器本体10の後方において、床面Fから上下方向Dvの上方に向かって延びている。各支柱21は、天板12の作業面12fよりも上方に延びている。図1に示すように、各支柱21は、各什器本体10の幕板14に、金具(図示無し)等を介したボルト留め、係止爪による係止、溶接による接合等によって固定されている。
【0023】
図1図3に示すように、幅方向Dw一方の支柱21Aは、支柱本体24と、サイドカバー25と、を備えている。支柱本体24とサイドカバー25との間には、上下方向Dvに延びる空間が形成され、配管や配線等が挿通可能とされている。
図1に示すように、幅方向Dw他方の支柱21Bは、支柱本体24と、配管導入管26と、を備えている。配管導入管26は、上下方向に延びる中空筒状で、その内部に配管や配線等が挿通可能とされている。配管導入管26内の配管や配線等は、図示しない連通開口を通して、上部連結材22、後述する横架材28内に挿通可能となっている。配管導入管26上には、上方に向かって延びる延長管27が設けられている。延長管27は、上下方向Dvに延びる中空筒状で、天井裏に配置された配線や配管を、延長管27内を通して配管導入管26内に案内する。
【0024】
図3に示すように、各支柱21の支柱本体24において、対向方向Daの両側には、対向方向Da(前後方向Dfr)に直交した鉛直面内に位置する被取付面24fが形成されている。各被取付面24fには、上下方向Dvに間隔をあけて複数の係止孔24hが形成されている。
【0025】
図1図2に示すように、上部連結材22は、一対の支柱21の上端部同士を結ぶように設けられている。上部連結材22は、幅方向Dwに延びる中空筒状で、その両端部が、金具(図示無し)等を介したボルト留め、係止爪による係止、溶接による接合等によって一対の支柱21に接続されている。上部連結材22内には、支柱21内に挿通された配線や配管が導入可能とされている。
【0026】
図1図3に示すように、コアフレーム20には、横架材28が設けられている。横架材28は、上下方向Dvにおいて一対の支柱21の中間部に配置されている。横架材28は、天板12の作業面12fよりも上方において、一対の支柱21間に架設されている。横架材28は、幅方向Dwに延び、その両端部が一対の支柱21の支柱本体24に、金具(図示無し)等を介したボルト留め、係止爪による係止、溶接による接合等によって連結されている。横架材28は、幅方向Dwに延びる中空筒状をなしている。一対の支柱21のそれぞれの支柱本体24には、横架材28が連結される部分に、開口24k(図3参照)が形成されている。支柱21内と横架材28内とは、この開口24kを通して連通している。支柱21内に挿通された配管や配線は、開口24kを通して横架材28内に案内される。
【0027】
本実施形態において、横架材28は、幅方向Dwから見て、上下方向Dvに長い略長方形の断面形状を有している。横架材28において、前後方向Dfrの両側を向く面28aには、配線の配線接続部29が設けられている。配線接続部29は、幅方向Dwに適宜の間隔をあけて複数設けられている。各配線接続部29には、支柱21及び横架材28内に挿通された配線が接続されている。本実施形態においては、配線接続部29として、各種の電気部品の電源プラグを接続するための、いわゆるコンセント接続口29cが設けられている。配線接続部29としては、コンセント接続口29c以外に、各種通信ケーブルの接続口等を設けることができる。
【0028】
図2図4に示すように、棚板装置40は、上記したような什器1の被取付面24fに対して取付可能とされている。棚板装置40は、一対の支柱21の間に取り付けられた横架材28に対して、対向方向Daの両側にそれぞれ設けられている。各棚板装置40は、棚板本体41と、光源(電気部品)45と、を主に備えている。
【0029】
各棚板本体41は、横架材28の対向方向Daの両側で、それぞれの前後方向Dfrの前方に向かって突出している。図4図5に示すように、棚板本体41は、上部カバー43と、下部カバー44と、一対の側部カバー42と、を備えている。
【0030】
上部カバー43は、幅方向(左右方向)Dwを長辺方向とする平面視長方形状で、上方を向く天面が、物品が載置可能な物品載置面43tとされている。上部カバー43は、物品載置面43tの前端から連続して下方に垂下する前端面43fと有している。上部カバー43は、その下面の前後方向Dfr両端部に、補強部材43a、43bを備えている。補強部材43a、43bは、それぞれ幅方向Dwに延びる断面矩形の筒状で、物品載置面43tの下面に溶接等により一体に接合されている。
【0031】
下部カバー44は、一対の側部カバー42間において、上部カバー43に対して下方に間隔をあけて配置されている。下部カバー44は、傾斜面44sと、後部立ち上がり面44tと、前部接続面44aと、後部接続面44bと、を一体に有している。傾斜面44sは、前後方向Dfrの後方から前方に向かって斜め上方に延びている。後部立ち上がり面44tは、傾斜面44sの後端44rから前後方向Dfrの後方に向かって斜め上方に立ち上がっている。後部立ち上がり面44tは、上部カバー43の物品載置面43tの後端43xよりも前方に配置されている。前部接続面44aは、傾斜面44sの前端から前後方向Dfrの前方に延びている。前部接続面44aは、上部カバー43の補強部材43aの下面に、ビス(図示無し)等により接続されている。後部接続面44bは、後部立ち上がり面44tの後端(上端)から前後方向Dfrの後方に向かって延びている。後部接続面44bは、上部カバー43の補強部材43bの下面に、ビス(図示無し)等によって接続されている。
【0032】
図2図4に示すように、下部カバー44の傾斜面44sには、その少なくとも一部に、開口部44hが形成されている。開口部44hは、下部カバー44を、その板厚方向に貫通している。開口部44hは、幅方向Dwに延びる長方形状に形成されている。
ここで、開口部44hを塞ぐように、下部カバー44の下面に沿って、透光性を有する材料からなるカバー(図示無し)を設けるようにしてもよい。
【0033】
図4に示すように、上部カバー43と、下部カバー44との間には、上部カバー43の物品載置面43tと、下部カバー44の傾斜面44s、及び後部立ち上がり面44tとに囲まれて、各種の電気部品が収容可能な物品収容空間部S1が形成されている。
また、棚板装置40(棚板本体41)の後端部40bには、後部立ち上がり面44tの後方、かつ後部接続面44bの下方に、傾斜面44sの後端44rよりも上方に窪んだ窪み部50が形成されている。換言すると、棚板装置40(棚板本体41の下部カバー44)は、その後端部40bの下面側に、窪み部50を有している。窪み部50は、棚板本体41の幅方向Dw全体に亘って連続している。窪み部50は、下方及び後方に向かって開放されている。この窪み部50は、後に詳述するように、配線が収容可能な配線収容空間部S2を形成する。
【0034】
図5に示すように、一対の側部カバー42は、幅方向Dwに間隔をあけて設けられている。上部カバー43、及び下部カバー44は、一対の側部カバー42の間に設けられている。上部カバー43、及び下部カバー44は、幅方向Dw両端部に、側部カバー42に対向する接続片43c,44cを有している。各側部カバー42は、接続片43c、44cに、図示しないビス等によって接続されている。一対の側部カバー42は、物品収容空間部S1の幅方向Dw両端部を閉塞している。
【0035】
図4図5に示すように、各側部カバー42は、下部カバー44の傾斜面44sに沿って、後方から前方に向かって斜め上方に延びる傾斜縁部42eを有している。このような傾斜縁部42eにより、下部カバー44の傾斜面44sから下方への側部カバー42の突出が抑えられている。
また、各側部カバー42は、傾斜縁部42eの後端から連続して前後方向Dfrの後方に延びる下縁部42fを有している。下縁部42fは、下部カバー44の後部立ち上がり面44t、及び後部接続面44bの下方に配置されている。これにより、図2図4に示すように、側部カバー42は、下縁部42fの上方部分に、窪み部50の左右方向(幅方向Dw)両側を閉塞する閉塞板部42pを有している。一対の側部カバー42の閉塞板部42pは、配線収容空間部S2の幅方向Dw両端部を閉塞している。また、配線収容空間部S2の後端部は、上述した横架材28において、前後方向Dfrの両側を向く面28aが後方から望むことで閉塞されている。したがって、配線収容空間部S2は、下方に開口している。なお、配線収容空間部S2は、傾斜面44sによって下方に向かうに従い前後方向Dfrの幅が漸次拡大されている。
【0036】
図3図5に示すように、各側部カバー42の後端には、後方に向かって突出する係止突起42kが一体に形成されている。係止突起42kは、支柱本体24の被取付面24fに形成された係止孔24hに挿入、係止される。これにより、棚板本体41は、コアフレーム20の被取付面24fに対し、着脱可能に取り付けられている。
【0037】
図4に示すように、光源45は、棚板本体41の下面側に設けられている。光源45は、棚板本体41の下面側を形成する下部カバー44の上面に沿って固定されている。また、棚板本体41の物品収容空間部S1内には、光源45を駆動する駆動回路部(電気部品)45Dが、光源45とともに収容されている。
【0038】
光源45は、棚板本体41の物品収容空間部S1内に配置され、下部カバー44の傾斜面44sに形成された開口部44hから斜め下方に臨んでいる。これにより、光源45は、照射面(下面)が傾斜面44sと平行に傾斜して設けられている。光源45は、例えばLED(Light Emiting Diode)光源である。光源45の照明光Lは、指向性を有し、開口部44hを通して、下方かつ天板12の前端12a側に向けて照射する。これにより、図1に示すように、光源45からの照明光Lは、開口部44hを通じて天板12の前端12a側に向けて斜め下方に照射される。
【0039】
図4に示すように、後部立ち上がり面44tには、物品収容空間部S1と配線収容空間部S2とを連通する配線挿通孔44gが形成されている。配線挿通孔44gには、物品収容空間部S1内に収容された、光源45、駆動回路部45D等の電気部品に接続される配線45Wが挿通可能とされている。配線45Wは、配線挿通孔44gを通して、物品収容空間部S1から窪み部50内の配線収容空間部S2に案内されている。配線45Wの先端に設けられた接続プラグ45pは、横架材28に設けられたコンセント接続口29cに接続されている。
ここで、コンセント接続口29c等の配線接続部29は、棚板装置40を一対の支柱21に装着した状態で、その少なくとも一部(下部)が、下部カバー44の傾斜面44sの後端44r、及び一対の側部カバー42の下縁部42fよりも上方に配置されているのが好ましい。また、配線接続部29に接続プラグ45pが接続された配線45Wは、配線収容空間部S2内に収容されている。これにより、配線接続部29に接続された接続プラグ45pや配線45Wが露呈することが抑えられる。
【0040】
また、図6に示すように、配線接続部29には、天板12の作業面12f上等で用いる他の各種の電気部品の電源用の配線55Wを接続することもできる。この場合も、配線55Wに設けられた接続プラグ55pと、コンセント接続口29cとの接続部分は、配線収容空間部S2内に位置するため、その露呈を抑えることができる。
【0041】
このように、本実施形態では、棚板装置40は、棚板本体41の後端部40bの下面側に、下方及び後方に向かって開放され、配線45Wが収容可能な配線収容空間部S2を画成する窪み部50が形成されている。
このような棚板装置40は、窪み部50に、棚板装置40で用いる各種の配線45W、55W等を収容することができる。これにより、棚板装置40の周辺に配線45W,55Wが露呈するのを抑え、体裁を良好なものとすることが可能となる。
【0042】
本実施形態では、窪み部50は、下部カバー44の幅方向Dw全体に亘って連続し、一対の側部カバー42は、窪み部50の幅方向Dw両側を閉塞する閉塞板部42pを有する構成とした。
このような構成によれば、配線収容空間部S2内において幅方向Dwでの配線45W,55Wの配索スペースを確保できる。その上で、閉塞板部42pで窪み部50の幅方向Dw両側を閉塞することで、窪み部50内の配線45W、55Wが側方に露呈するのを抑えることができる。
【0043】
本実施形態では、物品収容空間部S1に光源45、及び駆動回路部45Dが収容可能とされ、窪み部50には、光源45、及び駆動回路部45Dに接続される配線45Wが収容される構成とした。
このような構成によれば、棚板本体41内の物品収容空間部S1に光源45、及び駆動回路部45Dが収容されるため、光源45、及び駆動回路部45Dが露呈するのを抑えることができる。また、この光源45、及び駆動回路部45Dにより、棚板装置40を、棚板としての機能だけでなく、照明装置としての機能を兼ね備えたものとすることができる。
【0044】
本実施形態では、下部カバー44は、後方から前方に向かって斜め上方に延びる傾斜面44sを有する構成とした。
このような構成によれば、棚板装置40の前端側の厚みが小さくなり、軽快な外観を呈することができる。
【0045】
本実施形態では什器1は、棚板装置40が取り付けられた状態で窪み部50に対して後方から臨む位置に、窪み部50に収容される配線45W,55Wが接続される配線接続部29を有する。
このような構成によれば、什器1と棚板装置40とを組み合わせて用いることで、配線45W,55Wだけでなく、この配線45W,55Wと配線接続部29との接続部分が露呈するのを抑えることが可能となる。したがって、棚板装置40の周辺に配線45W,55Wが露呈するのを抑え、体裁を良好なものとすることが可能となる。
【0046】
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
上述した実施形態では、棚板装置40を什器1のコアフレーム20の支柱21に設けるようにしたが、これに限らない。棚板装置40は、その後端部40bが取付可能な、鉛直面内に位置する被取付面であれば、その取付対象を何ら限定するものではない。
例えば、図7に示すように、室内に設けられる壁パネル(ベース部)60の前面を被取付面60fとし、上記実施形態と同様の構成によって、棚板装置40の後端部を取り付けるようにしてもよい。このような場合、棚板装置40の下方に配置された、デスク70の天板72上を、光源45からの照明光Lによって良好に照らすことができる。
【0047】
また、上述した実施形態では、棚板装置40の物品収容空間部S1に、光源45、及び駆動回路部45Dを収容するようにしたが、これに限らない。棚板装置40の物品収容空間部S1に収容される電気部品としては、例えば、以下に示すようなものがある。
図8に示すように、棚板装置40Bの棚板本体41内に、配線の接続プラグが接続可能なコンセント口用タップ(電気部品)80を収容し、その接続口80cを、棚板装置40の物品載置面43tに露出させるように設けてもよい。
【0048】
また、図9に示すように、棚板装置40Cの棚板本体41内に、配線の接続プラグが接続可能なコンセント口用タップ(電気部品)81を収容し、その接続口81cを、棚板装置40の下部カバー44の傾斜面44sに露出させて設けてもよい。
【0049】
また、図10に示すように、棚板装置40Dの棚板本体41内に、電気部品として、スピーカー93、アンプ(図示無し)、ポータブルプレーヤの接続部材94等を収容し、それらの一部を、棚板装置40の物品載置面43tに露出させて設けてもよい。
【0050】
また、図11に示すように、棚板装置40Eの棚板本体41内に、電気部品として、送風機やエアコンディショナー95等を収容し、その吹出口95cを、棚板装置40の下部カバー44の傾斜面44sに露出させてもよい。
【0051】
また、図12に示すように、棚板装置40Fの棚板本体41内に、電気部品として、電磁調理器96を収容し、その調理面96cを、棚板装置40の物品載置面43tに露出させて設けてもよい。
【0052】
また、図13に示すように、棚板装置40Gの棚板本体41内に、電気部品として、ミストを発生するミスト発生器97を収容し、発生させたミストの吹出口97cを、棚板装置40の下部カバー44の傾斜面44sに露出させて設けてもよい。
【0053】
上述した実施形態では、下部カバー44の後部立ち上がり面44tと後部接続面44bとによって、下部カバー44の後端部に窪み部50を形成する構成について説明したが、この構成に限られない。窪み部50は、下部カバー44を窪み部50の前方にのみ設け、窪み部50には下部カバー44を設けない構成とするものであってもよい。
【0054】
上述した実施形態では、什器1の構成を示したが、その具体的構成については何ら限定するものではない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 什器
24f,60f 被取付面
29 配線接続部
40,40B,40C,40D,40E,40F,40G 棚板装置
40b 後端部
41 棚板本体
42 側部カバー
42p 閉塞板部
43 上部カバー
43t 物品載置面
44 下部カバー
44s 傾斜面
45 光源(電気部品)
45D 駆動回路部(電気部品)
45W 配線
50 窪み部
80,81 コンセント口用タップ(電気部品)
93 スピーカー(電気部品)
94 接続部材(電気部品)
95 エアコンディショナー(電気部品)
96 電磁調理器(電気部品)
97 ミスト発生器(電気部品)
Dw 幅方向(左右方向)
S1 物品収容空間部
S2 配線収容空間部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13