(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】トイレ装置用リモコン装置
(51)【国際特許分類】
E03D 9/08 20060101AFI20240314BHJP
H05K 5/03 20060101ALN20240314BHJP
【FI】
E03D9/08 A
H05K5/03 A
(21)【出願番号】P 2019198631
(22)【出願日】2019-10-31
【審査請求日】2022-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(73)【特許権者】
【識別番号】000102500
【氏名又は名称】SMK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】大岩 幹生
(72)【発明者】
【氏名】井戸田 育哉
(72)【発明者】
【氏名】辻 賢太郎
(72)【発明者】
【氏名】山下 智弘
(72)【発明者】
【氏名】神島 修
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3088507(JP,U)
【文献】特開平10-093838(JP,A)
【文献】特開2019-178591(JP,A)
【文献】実開平07-026637(JP,U)
【文献】実開平06-015390(JP,U)
【文献】特開平09-205691(JP,A)
【文献】特開2003-257399(JP,A)
【文献】特開2009-152945(JP,A)
【文献】中国実用新案第203151887(CN,U)
【文献】韓国登録特許第10-1603741(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0338212(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/08
H05K 5/03
H04Q 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面中央部に配置される操作
ボタン及び表示
ディスプレイと、中央部に配置される制御基板と、
離隔した位置に配置される複数の電池ボックスと、を備え、
前記電池ボックスは、前記操作
ボタン、前記表示
ディスプレイ、及び前記制御基板と表裏方向に重ならないように
配置され、
かつ、前記電池ボックスは、前記操作ボタン、前記表示ディスプレイ、及び前記制御基板を幅方向に挟み込むように中央部を避けた位置に離隔して配置される、トイレ装置用リモコン装置。
【請求項2】
前記複数の電池ボックスを覆う一体の電池カバーを備える、請求項1に記載のトイレ装置用リモコン装置。
【請求項3】
前記電池カバーは、前記複数の電池ボックスを覆う複数の被覆部と、前記被覆部同士を連結する連結部を有する、請求項2に記載のトイレ装置用リモコン装置。
【請求項4】
前記電池カバーは、U字状に形成される、請求項2又は3いずれかに記載のトイレ装置用リモコン装置。
【請求項5】
前記電池カバーは、前記リモコン装置を壁面に固定可能なホルダを配置可能な凹部を有する、請求項2~4いずれかに記載のトイレ装置用リモコン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トイレ装置用リモコン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トイレルームの壁面に着脱可能に取り付けられる、トイレ装置用のリモコン装置が提案されている(例えば、後述の特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リモコン装置は、薄型であることが好ましい。特許文献1に開示されたリモコン装置は、下方に配置される電池ボックスの箇所の厚みが増すため、薄型化の観点から改良の余地がある。
【0005】
本開示は、操作部、表示部等の機能部をバランスよく配置できると共に、薄型化を実現可能なトイレ装置用リモコン装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、表面中央部に配置される操作部及び表示部と、離隔した位置に配置される複数の電池ボックスと、を備えるトイレ装置用リモコン装置に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態のリモコン装置が配置されるトイレルームを示す斜視図である。
【
図2】本実施形態のリモコン装置を示す正面図である。
【
図3】本実施形態のリモコン装置を示す背面図である。
【
図4】本実施形態のリモコン装置を示す底面図である。
【
図5】本実施形態のリモコン装置を示す分解図である。
【
図6】本実施形態のリモコン装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示すように、本実施形態に係るリモコン装置1は、メインリモコン装置2と共に、トイレ装置3が設けられるトイレルームの壁面Wに設置される。トイレ装置3は、便座30と、便蓋31と、便器32と、を備える。上記以外に、トイレ装置3には、便器洗浄装置や使用者の局部を洗浄するシャワーノズル等が設けられる(図示省略)。
【0009】
リモコン装置1は、トイレ装置3の各種機能を遠隔操作可能な、略直方体形状を有する装置である。リモコン装置1は、トイレ装置3に赤外線通信やBLE(登録商標)等の通信方式で情報を送信し、各種機能を遠隔操作する。上記各種機能は、例えば、シャワーノズルから噴出される水の水温調整機能や、便座30の温度調整機能等、トイレ装置3の使用者の使用頻度の低い機能である。リモコン装置1は、
図2、
図3、
図5に示すように、本体部10と、電池カバー11と、ホルダ12と、を備える。
【0010】
本体部10は、樹脂等により形成される箱状体である。本体部10は、
図2に示すように、リモコン装置1の表面中央部に配置される操作部101と、表示部102と、を有する。表面中央部とは、本明細書中において、横方向の中央付近の部分をいう。横方向は
図2に示すようなリモコン装置1の通常の使用状態の向きにおける、横の方向である。本体部10は、
図3、
図5に示すように、電池が収容される電池ボックス103、104と、ホルダ12を係止可能な係合部105と、を有する。上記以外に、本体部10には、制御基板や通信部等が設けられる(図示省略)。
【0011】
操作部101は、トイレ装置3の各種機能の実行を指示するための部分であり、例えば複数の操作ボタンにより構成される。複数の操作ボタンには、それぞれトイレ装置3の各種機能が直接割り当てられていてもよい。この他、複数の操作ボタンの組み合わせでトイレ装置3の各種機能を指示可能であってもよい。例えば、複数の操作ボタンに数字を割り当て、各種機能に対応する数桁の数字からなるコードを入力することで、各種機能を指示可能であってもよい。これにより、トイレ装置3の各種機能の数に対して、操作ボタンの数を少なくすることができる。
【0012】
表示部102は、文字や記号を表示可能な、例えば液晶ディスプレイである。表示部102には、トイレ装置3の各種機能の設定状況や、操作部101により入力されるコード等が表示される。上記に加え、表示部102にはリモコン装置1の電池残量や現在時刻等が表示されてもよい。
【0013】
電池ボックス103、104は、リモコン装置1に動作電力を供給する乾電池(図示省略)が収容される凹部である。
図4、
図5に示すように、電池ボックス103、104は、リモコン装置1の背面側の両側端部に離隔して配置される。即ち、電池ボックス103、104は、操作部101や表示部102等の機能部が配置される本体部10の中央部を避けて配置される。
【0014】
係合部105は、後述するホルダ12と係合可能な箇所であり、本体部10に対して窪み状に形成される凹部である。係合部105は、
図5に示すように、本体部10の背面中央部に形成される。係合部105は、
図4に示すように、ホルダ12が係合部105と係合した状態で、ホルダ12がリモコン装置1の裏面に突出しないような凹部として形成される。係合部105の両側端部には、ホルダ12の端部と係合可能な溝部が設けられる。上記溝部は、下方に向けて開口している。上記溝部の開口部からホルダ12の端部を挿入し、ホルダ12の上方から本体部10をスライド移動させることで、ホルダ12と係合部105が係合する。
【0015】
電池カバー11は、電池ボックス103、104を共に被覆する板状部材であり、例えば樹脂材料により一体に形成される。電池カバー11は、本体部10の下方からスライド移動させることで、本体部10と係合して固定される。電池カバー11は、
図5に示すように、被覆部111、112と、被覆部同士を連結する連結部113からなるU字状の形状を有する。
【0016】
被覆部111、112は、電池ボックス103、104をそれぞれ被覆する。被覆部111、112は、本体部10の外形に沿って、内部側に凹みを有するように形成される。これにより、電池ボックス103、104に電池が配置される空間を確保でき、かつ、電池カバー11の強度を向上できる。被覆部111、112の一端側には、本体部10と係合する係合部が設けられる。
【0017】
連結部113は、被覆部111と112とを連結し、ホルダ12を配置可能な凹部である。連結部113は、
図5に示すように、本体部10の中央部に配置される。連結部113は、被覆部111及び112の一端から所定の長さ、例えば各被覆部の長手方向の長さの中間点未満までの箇所を連結する。連結部113は、
図4に示すように、被覆部111及び112よりも薄く、例えば半分以下の厚さで形成される。連結部113は、電池カバー11が本体部10と係合した状態において、係合部105と連続する凹部を構成する。該凹部はホルダ12の形状に対応し、ホルダ12が配置される。このような連結部113を設けることで、ホルダ12をリモコン装置1の背面側に突出させずに配置できる。
【0018】
ホルダ12は、リモコン装置1を固定する部材である。ホルダ12は、例えばトイレルームの壁面W等の取付面にリモコン装置1を固定する、樹脂材料等により形成される板状部材である。ホルダ12の両側端部には、係合部105に形成された溝部と係合可能な係合爪が設けられる。ホルダ12の中央部には、ネジやビス等の固定具が挿通可能な固定孔121、122が設けられる。
【0019】
固定孔121、122は、
図3、
図5に示すように、ホルダ12に設けられる、それぞれ縦長及び横長の孔である。固定孔121、122にネジやビス等の固定具B1、B2を挿通させて壁面等に締結することで、ホルダ12を壁面等に固定できる。固定孔121、122はそれぞれ縦長及び横長に形成されているため、固定具の締結後にホルダ12の取付位置を微調整できる。
【0020】
メインリモコン装置2は、リモコン装置1と同様、トイレ装置3の各種機能を遠隔操作可能な、略直方体形状を有する装置である。メインリモコン装置2で操作可能なトイレ装置3の機能は、例えば便器洗浄機能や局部洗浄機能等、トイレ装置3の使用者の使用頻度の高い機能である。
【0021】
リモコン装置1における、本体部10と、電池カバー11と、ホルダ12を係合させる手順は以下の通りである。
図5に示すように、先ず本体部10の下方から電池カバー11をスライド移動させることで両部材が係合する。上記係合状態では、係合部105と連結部113により、ホルダ12が配置可能な凹部が形成される。ホルダ12は、
図6に示すように、固定孔121、122に挿通された固定具B1、B2により予め壁面Wに固定されている。次に、
図5、
図6に示すように、上記固定されたホルダ12の上方から、電池カバー11と係合した本体部10をスライド移動させる。これにより、ホルダ12の両側端部の係合爪と、係合部105の両側端部の係合溝が係合し、ホルダ12と本体部10が係合する。
【0022】
本実施形態のリモコン装置1によれば、以下の効果が奏される。リモコン装置1を、表面中央部に配置される操作部101と、表示部102と、それぞれ離隔した位置に配置される電池ボックス103、104を備えて構成した。上記構成では、リモコン装置1の表面中央部に操作部101、表示部102等の機能部がバランスよく配置されるため、好ましい意匠性が得られる。上記機能部が配置されるリモコン装置1の中央部は、制御基板等が配置される一定の空間を要する。電池ボックス103、104は、この空間を避けるように、リモコン装置の両側端部に離隔して形成される。これにより、リモコン装置1を薄型化することができる。
【0023】
リモコン装置1の電池カバー11を、複数の電池ボックス103、104を覆い、一体に形成されるものとして構成した。これにより、1回の動作で複数の電池ボックスを覆う電池カバー11を取り外しできる。このため、使用者による電池の交換作業が容易であると共に、使用者が複数の電池のうち1つだけを交換することで、電池の液漏れが発生するという事態を抑制できる。
【0024】
電池カバー11を、複数の電池ボックス103、104を覆う被覆部111、112と、被覆部同士を連結する連結部113を備えて構成した。これにより、リモコン装置1の機能部が配置される中央部を避けて電池カバー11を構成できる。従って、リモコン装置1の薄型化が可能である。更に、電池カバー11の連結部113のみが配置される、リモコン装置1の背面側中央部を有効活用できる。例えば、本体部10の背面側中央部に、ホルダ12と係合する係合部105を設けることで、本体部10に直接ホルダ12を支持させることができる。
【0025】
電池カバー11を、複数の離隔した位置に配置される電池ボックス103、104を被覆する被覆部111、112と、被覆部同士を連結する連結部113を備えるU字状に形成した。これにより、電池カバー11を本体部10の下方からスライド移動させることで容易に電池カバー11を本体部10と係合できる。更に、電池カバー11の連結部113のみが配置される、リモコン装置1の背面側中央部を有効活用しやすい。
【0026】
連結部113を、ホルダ12を配置可能な凹部として構成した。これにより、連結部113が配置される、リモコン装置1の背面側中央部のスペースを有効活用できる。
【0027】
本開示は、上記実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0028】
上記実施形態では、本開示に係るリモコン装置を、メインリモコン装置2と共に設けられるリモコン装置1として説明した。しかし、これに限定されない。リモコン装置1は単独のリモコン装置であってもよいし、メインリモコン装置2に上記構成を適用してもよい。
【0029】
上記実施形態では、リモコン装置1で操作可能な機能を、トイレ装置3の使用者の使用頻度の低い機能として説明した。更に、メインリモコン装置2で操作可能な機能を、トイレ装置3の使用者の使用頻度の高い機能として説明したが、これに限定されない。リモコン装置1及びメインリモコン装置2で操作可能な機能は特に限定されない。例えばリモコン装置1及びメインリモコン装置2は、トイレ装置3の全ての機能を操作可能であってもよい。
【0030】
上記実施形態では、電池カバー11を、単一の連結部113を備え、U字状に形成されるものとして説明した。しかし、これに限定されない。電池カバー11の形状は特に限定されず、複数の連結部を備えるものであってもよい。例えば2つの連結部を備えるO字状の形状を有するものであってもよい。
【0031】
上記実施形態では、リモコン装置1を、トイレルームの壁面Wに設置されるものとして説明した。しかし、これに限定されない。リモコン装置1の設置位置は特に限定されず、例えばトイレ装置3に収容されるものであってもよい。ホルダ12についても、リモコン装置1を壁面に固定するものに限定されず、台上等の平面に固定するものであってもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 リモコン装置、101 操作部、102 表示部、103,104 電池ボックス、11 電池カバー、111,112 被覆部、113 連結部(凹部)、12 ホルダ