(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】ゴーグル型装置および携帯端末
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20240314BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20240314BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
H04N5/222
H04N5/64 511A
(21)【出願番号】P 2020075456
(22)【出願日】2020-04-21
【審査請求日】2023-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】山田 渉
【審査官】井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-225801(JP,A)
【文献】特開2019-179084(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01-27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの頭部に装着され、ディスプレイおよびカメラを前記ユーザ側に向けて配置可能な構成を有するゴーグル型装置において、
前記ディスプレイを前記ユーザ側に向けて保持する保持部材と、
当該保持部材に対向してユーザに装着可能な装着部材と、
前記装着部材を、前記保持部材に対向可能に保持する筐体部材と、
を備え、
前記装着部材は、前記ディスプレイからの光を第1方向に振動する光を通す第1偏光板であり、
前記筐体部材は、少なくとも一部に、前記第1方向と異なる第2方向に振動する光を通す第2偏光板を含む、
ゴーグル型装置。
【請求項2】
前記筐体部材は、直方体で構成され、
前記筐体部材の上面または下面の少なくとも一部が第2偏光板であり、前記筐体部材の他の面は、少なくとも光を第2方向に振動する光を透過しない部材であることを特徴とする、請求項1に記載のゴーグル型装置。
【請求項3】
前記筐体部材の上面および下面が第2偏光板であり、両側面が、第1偏光板である、
請求項2に記載のゴーグル型装置。
【請求項4】
前記第1偏光板および前記第2偏光板のそれぞれにおける偏光方向は直交する、請求項1~3のいずれか一項に記載のゴーグル型装置。
【請求項5】
前記第1偏光板および前記第2偏光板は、その偏光角度が互いに異なる円偏光板である、請求項1~3のいずれか一項に記載のゴーグル型装置。
【請求項6】
前記カメラの撮影方向に配置される広角レンズをさらに備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のゴーグル型装置。
【請求項7】
ディスプレイおよびカメラを同じ面に配置する携帯端末を、前記ユーザに対向する位置に配置可能にする、請求項1~6のいずれか一項に記載のゴーグル型装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの頭部に装着するゴーグル型装置および携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1に記載されているように、VRゴーグルなどのHMD(ヘッドマウントディスプレイ)の筐体を赤外線透過フィルムで構成することが考えられている。この構成によるHMDは、IRカメラによりVRゴーグルの装着者の顔を撮影することができる。したがって、ユーザの表情を撮影することができ、その表情を仮想空間にいるアバタに反映させることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】Mariko Chiba, Wataru Yamada, Hiroyuki Mnabe, Transparent Mask:Face-Capturing Head-Mounted Display with IR Pass Filters, October 2018,page149-151, UIST '18 Adjunct:The 31st Annual ACM Symposium on User Interface Software and Technology AdjunctProceedings、[2020年4月3日検索], インターネット<URL:https://dl.acm.org/doi/10.1145/3266037.3271632>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、IRカメラは一般的ではなく、IRカメラを特別に備えたHMDが必要である。よって、スマートフォンを装着することでVRゴーグルとして機能するHMDに適用することができない。また、IRカメラは、可視光における色を撮影することができない。
【0005】
そこで、上述の課題を解決するために、IRカメラを利用することなくユーザの表情を撮影することができるゴーグル型装置および携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゴーグル型装置は、ユーザの頭部に装着され、ディスプレイおよびカメラを前記ユーザ側に向けて配置可能な構成を有するゴーグル型装置において、前記ディスプレイを前記ユーザ側に向けて保持する保持部材と、当該保持部材に対向してユーザに装着可能な装着部材と、前記装着部材を、前記保持部材に対向可能に保持する筐体部材と、を備え、前記装着部材は、前記ディスプレイからの光を第1方向に振動する光を通す第1偏光板であり、前記筐体部材は、少なくとも一部に、前記第1方向と異なる方向に振動する光を通す第2偏光板を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、IRカメラなど特殊なカメラを使うことなく、一般的なカメラでユーザの表情を撮影することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示におけるゴーグル型装置100の斜視図を示す。
【
図2】本開示におけるゴーグル型装置100の原理を示した断面図である。
【
図3】魚眼レンズ105を介して撮影したユーザの頭部の画像を示す。
【
図4】携帯端末200の機能構成を示すブロック図である。
【
図5】本開示の携帯端末200の動作を示すフローチャートである。
【
図6】本開示の一実施の形態に係る携帯端末200のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照しながら本開示の一態様における実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0010】
図1は、本開示におけるゴーグル型装置100の斜視図を示す。図に示されるとおり、このゴーグル型装置100は、ユーザの頭部に装着可能なヘッドマウント装置である。
【0011】
図に示されるとおり、このゴーグル型装置100の筐体は、偏光板で構成されている。上面部101は、水平方向に振動する光を透過する水平方向偏光板で構成されており、側面部102は、垂直方向に振動する光を透過する垂直方向偏光板で構成されている。また、このゴーグル型装置100は、ディスプレイ面にカメラを備える携帯端末200(例えばスマートフォン)を装着可能にしている。
【0012】
図2は、本開示におけるゴーグル型装置100の原理を示した断面図である。図に示されるとおり、ゴーグル型装置100は、上面部101、下面部101a、装着面部103、およびディスプレイ保持部104を有している。図には表されていないが、側面部102も有する。これら各部分により、装着者であるユーザに仮想空間を提供するための暗部空間を構成している。
【0013】
上面部101は、水平偏光板で構成されている。この水平偏光板は、水平方向に振動している光を通し、他の方向に振動する光を遮断する偏光板であり、すなわち、無偏光の光から水平方向の偏光を通す。下面部101aも同様に、水平偏光板で構成されている。なお、上面部101および下面部101aは、図示していない側面部102とともに、装着面部103およびディスプレイ保持部104が互いに対向するよう保持するための筐体部として構成される。
【0014】
装着面部103は、ユーザが当該ゴーグル型装置100を装着する側に形成される部分である。この装着面部103は、垂直方向に振動している光を通し、他の方向に振動する光を遮断する偏光板でありすなわち、無偏光の光から垂直方向の偏光を通す。この装着面部103は、レンズ103aを有している。ユーザは、レンズ103aを介して、筐体内に装着されている携帯端末200のディスプレイ202の映像を見ることができる。これら上面部101および装着面部103におけるそれぞれの偏光板は、互いに角度を変えた円偏光板で構成してもよい。
【0015】
ディスプレイ保持部104は、例えば携帯端末200を装着する部分である。この携帯端末200は、ディスプレイと同じ面にカメラ201を備える。ディスプレイ保持部104には、携帯端末200が装着された際に、そのカメラ201の撮影方向を覆うように魚眼レンズ105が配置されている。携帯端末200のディスプレイは、ユーザに対して仮想空間のための映像を提供するとともに、カメラ201は、ユーザの頭部を撮影する。
【0016】
ユーザが、ゴーグル型装置100を装着した場合、上面部101の偏光板、側面部102の偏光板および装着面部103の偏光板により、ユーザへの光が遮断される。よって、ユーザにとって、これら偏光板で囲まれた空間は、光が遮断された空間となり、ユーザは、携帯端末200のディスプレイを利用した仮想空間の提供を受けることができる。
【0017】
一方で、ゴーグル型装置100の筐体内(上面部101、側面部102、装着面部103、およびディスプレイ保持部104により囲われた空間)は、上面部101の水平偏光板を介して水平方向に振動している光が透過している。カメラ201にとっては全ての光が遮断されていない。よって、カメラ201は、上面部101または側面部102を透過した光を受光しており、その光でユーザの頭部を撮影可能となっている。従って、カメラ201は、ユーザの頭部を撮影することができる。カメラ201は、魚眼レンズ105を介してユーザの頭部を撮影するため、ユーザ頭部全体を撮影可能にする。
【0018】
図3は、魚眼レンズ105を介して撮影したユーザの頭部の画像を示す。図に示されるとおり、頭部はゆがんだ状態で撮影されるが、表情は把握可能である。また、通常のカメラ機能を有するカメラ201が撮影しており、カメラ201は、カラー画像を得ることができる。なお、魚眼レンズ105に限定するものではなく、広角レンズであればよい。また、魚眼レンズ105等は必ずしも必須ではない。ユーザの表情の一部を撮影できればよい場合には、このような魚眼レンズ105は不要である。
【0019】
つぎに、このようなゴーグル型装置100に装着される携帯端末200について説明する。
図4は、携帯端末200の機能構成を示すブロック図である。図に示されるとおり、携帯端末200は、カメラ201、ディスプレイ202、仮想空間提供部203、および画像処理部204を含んで構成されている。この携帯端末200は、スマートフォンなどの携帯電話であるが、それ以外の機器(例えば携帯ゲーム機など)であってもよい。
【0020】
カメラ201は、本開示においてはユーザの頭部を撮影する部分である。このカメラ201は、ディスプレイ202と同じ面に配置されており、一般的なカラー画像を撮影することができる。
【0021】
ディスプレイ202は、画像等の情報を表示する部分である。本開示においては、仮想空間を提供するための画像を表示する。
【0022】
仮想空間提供部203は、仮想空間のための画像を生成してディスプレイ202に表示させる部分である。この仮想空間提供部203は、仮想空間を管理するサーバ(図示せず)から、当該仮想空間のための画像のほかに、ユーザごとに登録されたアバタ(キャラクタ)を、ネットワークを介して取得する。そして、仮想空間提供部203は、その取得した仮想空間に当該アバタを登場させ表示する。サーバにおいては、後述する通り、各ユーザの表情を管理しており、その表情をアバタに反映させる。
【0023】
画像処理部204は、カメラ201が撮影したユーザの頭部の画像に基づいてユーザの表情を判断する部分である。仮想空間提供部203は、この判断に基づいてアバタの表情を変えることができる。また、画像処理部204は、カメラ201が撮影したユーザの眼球の動きを捉え、その視線方向を判断する。そのほか、画像処理部204は、眼球の動きの他、ユーザの眉毛の動き、口の動き、まぶたの動きを捉え、その動きを判断する。
【0024】
なお、画像処理部204は、カメラ201が撮影したユーザの頭部の画像を、表情判断の処理がしやすいように補正する。カメラ201が撮影した画像は魚眼レンズを介して撮影して得た画像であり、ゆがんだ画像であるため、これを補正することにより、ユーザの眼球の動き等を正確に判断することができる。
【0025】
仮想空間提供部203は、これら画像処理部204により判断されたユーザの表情(眼球の動き等を含む)に基づいて、アバタの表情(眼球の動き等を含む)を変える。
【0026】
なお、その表情は、仮想空間を提供するサーバに送られる。そして、他のユーザは、上記一のユーザのアバタの表情をみることができ、アバタを介したコミュニケーションを円滑に行うことができる。
【0027】
つぎに、携帯端末200の動作について説明する。
図5は、本開示の携帯端末200の動作を示すフローチャートである。図に示されるとおり、携帯端末200において、ユーザに仮想空間を提供するために、その画像をディスプレイ202に表示させる(S101)。また、カメラ201は、ユーザの撮影を撮影する(S102)。
【0028】
画像処理部204は、撮影したユーザ頭部の画像を補正する(S103)。そして、画像処理部204は、画像からユーザの表情を示す情報を取得する(S104)。この表情の情報には、笑顔、怒りなどの表情の他、眼球の動き、眉毛の動き、口の動き等を含む。
【0029】
仮想空間提供部203は、画像処理部204が取得した表情の情報を、仮想空間にいるアバタの表情に反映する(S105)。
【0030】
つぎに、本開示の一態様におけるゴーグル型装置100およびそれに装着する携帯端末200の作用効果について説明する。
【0031】
このゴーグル型装置100は、ユーザの頭部に装着され、ディスプレイ202およびカメラ201をユーザ側に向けて配置可能な構成を有する装置である。このゴーグル型装置100は、ディスプレイ202をユーザ側に向けて保持する保持部材として機能するディスプレイ保持部104と、このディスプレイ保持部104に対向してユーザに装着可能な装着部材として機能する装着面部103と、装着面部103を、ディスプレイ保持部104に対向可能に保持する筐体部材として機能する上面部101、下面部101aおよび側面部102と、を備える。装着面部103は、ディスプレイ202からの光を第1方向(例えば水平方向)に振動する光を通す第1偏光板であり、上面部101等は、少なくとも一部が、第1方向と異なる第2方向(例えば垂直方向)に振動する光を通す第2偏光板である。
【0032】
この構成により、ユーザがゴーグル型装置100を装着すると、ユーザの視界には外光が入らず、ユーザは、ディスプレイ202による仮想空間の提供を受けることができる。すなわち、第1偏光板で構成されている装着面部103と、第2偏光板で構成されている上面部101等とにより、ユーザの目には外光が遮断されるため、ユーザは、ディスプレイ202による仮想空間に没入することができる。
【0033】
一方で、カメラ201は、ユーザ側に向けられているが、装着面部103および上面部101等を介して、外側を撮影することができる。カメラ201からみて、装着面部103および上面部101が重なっていないため、すなわち第1偏光板および第2偏光板が重なっていないため、カメラ201は、撮影に必要な外光を得ることができる。そして、カメラ201は、ユーザを撮影することができる。
【0034】
よって、本開示によるゴーグル型装置100は、IRカメラなど特殊なカメラを使うことなく、ユーザの表情を撮影することができる。また、カメラ201は、一般的なカメラであり、カラー画像を得ることができる。
【0035】
また、本開示によるゴーグル型装置100は、上面部101、下面部101a、および一対の側面部102により構成される筐体は、直方体で構成される。この筐体部材を構成する上面部101または下面部101aの少なくとも一部が第2偏光板であり、他の面(側面部102等)は、光を透過しない部材としてもよい。なお、直方体である必要は無からずしもない。円筒形であってもよいし、そのほか多角形柱であってもよい。
【0036】
少なくとも、上面部101または下面部101aを第2偏光板とすることで、ある程度の光量を得つつ、ユーザの表情を撮影可能にする。
【0037】
また、ゴーグル型装置100は、上面部101および下面部101aが第2偏光板であり、一対の側面部102が第1偏光板であるとしてもよい。側面部102は、第1偏光板とすることで、装着面部103の第1偏光板に対して、その偏光方向を垂直にすることができる。従って、ユーザに対して外光を遮断することができる。
【0038】
装着面部103の第1偏光板および上面部101等の第2偏光板のそれぞれにおける偏光方向は直交するものとする。これにより、ユーザへの遮光を可能にする。
【0039】
なお、それぞれの第1偏光板および第2偏光板は、その偏光角度が互いに異なる円偏光板としてもよい。これにより、より確実にユーザへの遮光を可能にする。
【0040】
また、ゴーグル型装置100は、カメラ201の撮影方向に配置される広角レンズをさらに備える。広角レンズを介してカメラ201がユーザを撮影することで、ユーザ頭部全体を撮影することができる。したがって、ユーザの表情をくまなく把握可能な画像を得ることができる。
【0041】
また、ゴーグル型装置100は、ディスプレイ202およびカメラ201を同じ面に配置する携帯端末200を、ユーザに対向する位置に配置可能にする。しかしながら、これに限るものではなく、ゴーグル型装置100は、携帯端末200における仮想空間を提供する機能と同等の機能を有するよう構成してもよい。
【0042】
また、このようなゴーグル型装置100に装着する携帯端末200は、仮想空間を提供するディスプレイ202と、カメラ201と、カメラ201により撮影されたユーザの画像に基づいて当該ユーザの表情を検出する検出部として機能する画像処理部204と、検出されたユーザの表情を、仮想空間におけるユーザのアバタに反映させる制御部として機能する仮想空間提供部203と、を備える。ユーザの表情は、アバタの眼球の動き、口の動き、眉毛の動き、瞼の動きの少なくとも一つを含む。
【0043】
この構成により、ユーザの表情をそのユーザの仮想空間のアバタに反映させることができる。
【0044】
また、携帯端末200は、カメラ201により撮影されたユーザの画像を補正する補正部をさらに備える。画像処理部204は、補正したユーザの画像に基づいてユーザの表情を検出する。
【0045】
この構成により、ユーザの表情をより正確に検出することができる。特に、カメラ201の撮影に際して、魚眼レンズ105を利用した場合、ユーザの顔がゆがんでいる場合がある。これを補正することで、ユーザの表情を正確に検出することができる。
【0046】
上記実施形態の携帯端末200の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0047】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0048】
例えば、本開示の一実施の形態における携帯端末200は、本開示の仮想空間情報生成方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図6は、本開示の一実施の形態に係る携帯端末200のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の携帯端末200は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0049】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。携帯端末200のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0050】
携帯端末200における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0051】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の仮想空間提供部203および画像処理部204は、は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0052】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、仮想空間提供部203および画像処理部204は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0053】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る仮想空間情報提供方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0054】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0055】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の仮想空間提供部203の一機能である通信部は、通信装置1004によって実現されてもよい。この通信部は、物理的に、または論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0056】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0057】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0058】
また、携帯端末200は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0059】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0060】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0061】
情報等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0062】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0063】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0064】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0065】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0066】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0067】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0068】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0069】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0070】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0071】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0072】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0073】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0074】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0075】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0076】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0077】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0078】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0079】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0080】
100…ゴーグル型装置、101…上面部、101a…下面部、102…側面部、103…装着面部、103a…レンズ、104…ディスプレイ保持部、105…魚眼レンズ、200…携帯端末、201…カメラ、202…ディスプレイ、203…仮想空間提供部、204…画像処理部。