(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】液肥混合システム
(51)【国際特許分類】
A01C 23/04 20060101AFI20240314BHJP
A01G 31/00 20180101ALI20240314BHJP
【FI】
A01C23/04 E
A01G31/00 601A
(21)【出願番号】P 2020094608
(22)【出願日】2020-05-29
【審査請求日】2023-02-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【氏名又は名称】松田 洋
(72)【発明者】
【氏名】大竹 邦夫
(72)【発明者】
【氏名】岩本 丈司
(72)【発明者】
【氏名】小久保 純一
【審査官】小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-080438(JP,A)
【文献】特開平10-313714(JP,A)
【文献】実開平05-053454(JP,U)
【文献】特開2019-100258(JP,A)
【文献】特開2013-022009(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01C 23/04
A01G 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水及び液肥が流通可能な流路と、
前記流路を流通する前記水の流量を検出する流量センサと、
タンクから液肥を汲み上げて前記流路へ吐出するポンプと、
サーバと無線接続されており、前記ポンプを制御する制御部と、
前記サーバと無線接続された端末と、
を備える液肥混合システムであって、
前記端末は、混合液における前記水の体積及び前記液肥の体積を作業者が設定可能に構成されており、設定された前記水の体積及び前記液肥の体積を前記サーバへ送信し、
前記制御部は、前記水の体積及び前記液肥の体積を前記サーバから受信し、前記流量センサにより検出された前記水の流量と、受信した前記水の体積及び前記液肥の体積とに基づいて、受信した前記水の体積と前記液肥の体積との比で混合された混合液が前記流路から供給されるように前記ポンプを制御する、液肥混合システム。
【請求項2】
前記制御部は、受信した前記水の体積と前記液肥の体積との比で混合された混合液が前記流路から供給されるように前記ポンプを制御する際に、前記流量センサにより検出された前記水の流量に前記液肥の流量が比例するように前記ポンプを制御する、請求項1に記載の液肥混合システム。
【請求項3】
前記端末は、前記混合液を前記流路から供給する際に前記流路に前記水を流通させる通水期間、及び前記水を流通させる通水量を作業者が設定可能に構成されており、設定された前記通水期間及び前記通水量を前記サーバへ送信し、
前記制御部は、前記通水期間及び前記通水量を前記サーバから受信し、前記混合液を前記流路から供給する際に前記流路に前記水を流通させた期間が前記通水期間になった時点、及び前記混合液を前記流路から供給する際に流通した前記水の体積の合計が、受信した前記通水量になった時点のうち、早い方の時点で前記流路における水の流通を停止させ且つ前記ポンプを停止する、請求項2に記載の液肥混合システム。
【請求項4】
前記端末は、
前記ポンプが前記タンクから
前記液肥を汲み上げて前記流路
へ吐出することで前記タンクから前記流路までの配管
から空気を除去する
空気除去動作の実行又は非実行を作業者が設定可能に構成されており、設定された前記
空気除去動作の実行又は非実行を前記サーバへ送信し、
前記制御部は、前記
空気除去動作の実行又は非実行を前記サーバから受信し、前記
空気除去動作の実行を受信した場合に、前記
空気除去動作を実行するように前記ポンプを制御する、請求項1~3のいずれか1項に記載の液肥混合システム。
【請求項5】
前記流路は、前記ポンプにより吐出された前記液肥が流入する位置よりも下流側において、第1流路と第2流路とに分岐し、
前記第1流路には、前記第1流路を開閉する第1弁が設けられ、
前記第2流路には、前記第2流路を開閉する第2弁が設けられている、請求項4に記載の液肥混合システム。
【請求項6】
前記タンクは、複数のタンクを含み、
前記ポンプは、各タンクに設けられており、各タンクから各液肥を汲み上げて前記流路へ吐出し、
前記端末は、混合液における前記水の体積及び前記各液肥の体積を作業者が設定可能に構成されており、設定された前記水の体積及び前記各液肥の体積を前記サーバへ送信し、
前記制御部は、前記水の体積及び前記各液肥の体積を前記サーバから受信し、前記流量センサにより検出された前記水の流量と、受信した前記水の体積及び前記各液肥の体積とに基づいて、受信した前記水の体積と前記各液肥の体積との比で混合された混合液が前記流路から供給されるように各ポンプを制御する、請求項1~5のいずれか1項に記載の液肥混合システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水と液肥(液体肥料)とを混合するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、原水に薬液を混入する薬液混入装置において、制御装置に比率設定器を接続し、比率設定器により設定された混入比率信号を制御装置へ送り、制御装置が原水の流量センサの測定信号と混入比率信号とを演算処理して混入薬液の設定流量値を算出している(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、比率設定器と制御装置とが一体となっている特許文献1に記載の薬液混入装置では、広い圃場で複数台の薬液混入装置を使用したり、薬液混入装置の設置された圃場が作業者の家から遠かったりした場合、作業者が比率設定器により混入比率(混合比)を設定(変更)する作業に多くの手間がかかる。
【0005】
さらに、圃場において農業指導員の指導に従って原水(水)に薬液(液肥)を混入する際に、農業指導員毎あるいは薬液メーカ毎に混入比率の考え方が異なる場合がある。例えば、「混入比率を1/100とする」場合に、特許文献1のように原水:薬液=100:1とする考え方と、原水:薬液=99:1とする考え方とがある。このため、制御装置における混入比率の計算方法が一方の考え方に合わせてあると、他方の考え方で指示された原水と薬液との比にするためには、設定する混入比率を修正する必要があり、手間がかかる。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、圃場等へ供給される混合液の水と液肥との混合比を、所望の混合比に作業者が簡単に設定することのできる液肥混合システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための第1の手段は、
水及び液肥が流通可能な流路と、
前記流路を流通する前記水の流量を検出する流量センサと、
タンクから液肥を汲み上げて前記流路へ吐出するポンプと、
サーバと無線接続されており、前記ポンプを制御する制御部と、
前記サーバと無線接続された端末と、
を備える液肥混合システムであって、
前記端末は、混合液における前記水の体積及び前記液肥の体積を作業者が設定可能に構成されており、設定された前記水の体積及び前記液肥の体積を前記サーバへ送信し、
前記制御部は、前記水の体積及び前記液肥の体積を前記サーバから受信し、前記流量センサにより検出された前記水の流量と、受信した前記水の体積及び前記液肥の体積とに基づいて、受信した前記水の体積と前記液肥の体積との比で混合された混合液が前記流路から供給されるように前記ポンプを制御する。
【0008】
上記構成によれば、流路は、水及び液肥が流通可能である。流量センサは、流路を流通する水の流量を検出する。ポンプは、タンクから液肥を汲み上げて流路へ吐出する。このため、流路において水と液肥(液体肥料)とが混合されて混合液となり、流路から混合液が圃場等へ供給される。制御部は、サーバと無線接続されており、ポンプを制御する。端末は、サーバと無線接続されている。なお、制御部とサーバとが無線接続されている構成は、制御部とサーバとがアクセスポイント(中継点)を介して無線接続されている構成を含む。端末とサーバとが無線接続されている構成は、端末とサーバとがアクセスポイントを介して無線接続されている構成を含む。
【0009】
ここで、端末は、混合液における水の体積及び液肥の体積を作業者が設定可能に構成されており、設定された水の体積及び液肥の体積をサーバへ送信する。そして、制御部は、水の体積及び液肥の体積をサーバから受信する。このため、作業者は、流路及びポンプが設置された圃場等へ行かなくても、手元の端末で混合液における水の体積及び液肥の体積を設定可能である。したがって、水と液肥との混合比を設定(変更)する際に、作業者が圃場等へ行く手間を省くことができる。
【0010】
さらに、制御部は、流量センサにより検出された水の流量と、受信した水の体積及び液肥の体積とに基づいて、受信した水の体積と液肥の体積との比で混合された混合液が流路から供給されるようにポンプを制御する。このため、農業指導員毎あるいは液肥メーカ毎に混合比の考え方が異なっていたとしても、所望の混合液における水の体積及び液肥の体積を作業者が設定するだけで、水と液肥とが所望の混合比で混合された混合液を流路から供給することができる。したがって、作業者は、混合比の考え方の差異に応じて混合比を修正して設定する必要がなく、圃場等へ供給される混合液の水と液肥との混合比を、所望の混合比に簡単に設定することができる。
【0011】
第2の手段では、前記制御部は、受信した前記水の体積と前記液肥の体積との比で混合された混合液が前記流路から供給されるように前記ポンプを制御する際に、前記流量センサにより検出された前記水の流量に前記液肥の流量が比例するように前記ポンプを制御する。
【0012】
上記構成によれば、混合液の供給中に水の流量が変化したとしても、流量センサにより検出された水の流量に液肥の流量を比例させることで、受信した水の体積と液肥の体積との比で混合された混合液を流路から供給することができる。
【0013】
第3の手段では、前記端末は、前記混合液を前記流路から供給する際に前記流路に前記水を流通させる通水期間、及び前記水を流通させる通水量を作業者が設定可能に構成されており、設定された前記通水期間及び前記通水量を前記サーバへ送信し、前記制御部は、前記通水期間及び前記通水量を前記サーバから受信し、前記混合液を前記流路から供給する際に前記流路に前記水を流通させた期間が前記通水期間になった時点、及び前記混合液を前記流路から供給する際に流通した前記水の体積の合計が、受信した前記通水量になった時点のうち、早い方の時点で前記流路における水の流通を停止させ且つ前記ポンプを停止する。
【0014】
上記構成によれば、端末は、混合液を流路から供給する際に流路に水を流通させる通水期間、及び水を流通させる通水量を作業者が設定可能に構成されており、設定された通水期間及び通水量をサーバへ送信する。そして、制御部は、通水期間及び通水量をサーバから受信する。このため、作業者は、流路及びポンプが設置された圃場等へ行かなくても、手元の端末で混合液を流路から供給する際に流路に水を流通させる通水期間及び通水量を設定可能である。したがって、混合液を流路から供給する期間及び量を設定(変更)する際に、作業者が圃場等へ行く手間を省くことができる。
【0015】
さらに、制御部は、混合液を流路から供給する際に流路に水を流通させた期間が通水期間になった時点、及び混合液を流路から供給する際に流通した水の体積の合計が、受信した通水量になった時点のうち、早い方の時点で流路における水の流通を停止させ且つポンプを停止する。このため、流量センサによる水の流量の検出、及び通水期間の設定の一方が不適切であったとしても、適切な他方に基づいて優先的に流路における水の流通を停止させ且つポンプを停止することができる。
【0016】
タンクの液肥がなくなった場合や、ポンプを長期間停止していた場合に、タンクから流路までの配管に空気が混入することがある。この場合、水と液肥との混合比を所望の混合比に正確に調節するためには、配管から空気を除去する必要がある。
【0017】
この点、第4の手段では、前記端末は、前記タンクから前記流路までの配管に前記液肥を充填して空気を除去する充填動作の実行又は非実行を作業者が設定可能に構成されており、設定された前記充填動作の実行又は非実行を前記サーバへ送信し、前記制御部は、前記充填動作の実行又は非実行を前記サーバから受信し、前記充填動作の実行を受信した場合に、前記充填動作を実行するように前記ポンプを制御する。
【0018】
このため、作業者が充填動作の実行を設定することにより、タンクから流路までの配管に液肥を充填して空気を除去することができる。したがって、水と液肥との混合比を所望の混合比に正確に調節することができる。
【0019】
第5の手段では、前記流路は、前記ポンプにより吐出された前記液肥が流入する位置よりも下流側において、第1流路と第2流路とに分岐し、前記第1流路には、前記第1流路を開閉する第1弁が設けられ、前記第2流路には、前記第2流路を開閉する第2弁が設けられている。
【0020】
上記構成によれば、流路は、ポンプにより吐出された液肥が流入する位置よりも下流側において、第1流路と第2流路とに分岐している。このため、例えば第1流路を圃場へ水と液肥との混合液を供給する流路とし、第2流路を圃場へ混合液を供給しない時に混合液を流す流路とすることができる。第1流路には、第1流路を開閉する第1弁が設けられ、第2流路には、第2流路を開閉する第2弁が設けられている。したがって、液肥の充填動作を行う時に、第1弁により第1流路を閉じ、第2弁により第2流路を開くことにより、混合比が調節されていない液肥が圃場へ供給されることを避けることができる。
【0021】
第6の手段では、前記タンクは、複数のタンクを含み、前記ポンプは、各タンクに設けられており、各タンクから各液肥を汲み上げて前記流路へ吐出し、前記端末は、混合液における前記水の体積及び前記各液肥の体積を作業者が設定可能に構成されており、設定された前記水の体積及び前記各液肥の体積を前記サーバへ送信し、前記制御部は、前記水の体積及び前記各液肥の体積を前記サーバから受信し、前記流量センサにより検出された前記水の流量と、受信した前記水の体積及び前記各液肥の体積とに基づいて、受信した前記水の体積と前記各液肥の体積との比で混合された混合液が前記流路から供給されるように各ポンプを制御する。
【0022】
上記構成によれば、複数のタンクに対して、ポンプが各タンクに設けられており、各ポンプが各タンクから各液肥を汲み上げて流路へ吐出する。そして、水と複数の液肥とを混合する液肥混合システムにおいても、圃場等へ供給される混合液の水と各液肥との混合比を、所望の混合比に簡単に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図4】液肥残量少時における液肥アプリのメイン画面を示す図。
【
図6】異常発生時における液肥アプリのメイン画面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、圃場に水と液肥との混合液を供給する液肥混合システムに具現化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、液肥混合システム10は、主流路11、液肥ポンプ13,14、手動弁15,17,18、制御ユニット30、流量センサ51、モバイル端末60等を備えている。
【0025】
主流路11(流路)の上流側の端部は、水源20に接続されている。水源20は、水道や、ポンプにより加圧された井戸水の供給路であり、所定圧力の水を供給する。主流路11には、上流側から順に、手動弁15、フィルタ16、流量センサ51、逆止弁19、圧力センサ33、電磁弁34、手動弁17が設けられている。
【0026】
手動弁15は、主流路11を開閉する手動式の弁である。フィルタ16は、主流路11を流れる水に含まれる異物等を除去するフィルタである。流量センサ51は、主流路11を流れる水の流量を検出し、検出結果を制御基板31へ出力する。逆止弁19は、流量センサ51から電磁弁34の方向への水の流通を許容し、電磁弁34から流量センサ51の方向への水の流通を禁止する。
【0027】
圧力センサ33及び電磁弁34は、制御ユニット30に含まれている。圧力センサ33は、主流路11を流れる水の圧力を検出し、検出結果を制御基板31へ出力する。電磁弁34は、主流路11を開閉する電磁式の弁である。電磁弁34は、常閉式の電磁弁であり、制御基板31により制御される。手動弁17(第1弁)は、主流路11を開閉する手動式の弁である。主流路11の下流側の端部は、供給ポート29に接続されている。供給ポート29には、供給配管が接続される。そして、供給配管により、水と液肥との混合液(以下、単に「混合液」ということもある)が圃場へ供給される。
【0028】
主流路11において逆止弁19と圧力センサ33との間部分(以下、「混合部11a」という)には、配管21,22(チューブ)が接続されている。配管21,22における主流路11と反対側の端部は、それぞれ液肥ポンプ13,14の吐出口に接続されている。液肥ポンプ13,14の吸入口には、それぞれ配管23,24(チューブ)が接続されている。配管23,24における液肥ポンプ13,14と反対側の端部は、それぞれタンク25,26に挿入されている。タンク25,26には、それぞれ液肥A,液肥B(液体肥料)が貯留されている。液肥ポンプ13,14は、モータにより駆動される電動式のポンプであり、それぞれタンク25,26から液肥A,液肥Bを汲み上げて主流路11へ吐出する。液肥ポンプ13,14は、制御基板31により制御される。また、液肥ポンプ13,14は、モータの回転速度や、異常の有無を制御基板31へ出力する。
【0029】
液肥Aと液肥Bとは、異なる種類の液肥であり、水と所定の比で混合されて圃場に散布される。水と液肥Aとの比、水と液肥Bとの比、水と液肥Aと液肥Bとの比は、農業指導員毎あるいは液肥メーカ毎に指定される。なお、混合部11aは、水と液肥とを混合する混合器として機能する。
【0030】
主流路11において電磁弁34と手動弁17との間部分には、配管27が接続されている。配管27(第2流路)には、配管27を開閉する手動式の手動弁18(第2弁)が設けられている。配管27における主流路11と反対側の端部は、サンプリングポート28に接続されている。サンプリングポート28には、配管が接続される。そして、配管から、水と液肥との混合液のサンプルを採取したり、後述する液肥充填動作において未調節の混合液を排出したりする。なお、主流路11において配管27との接続部よりも下流側の部分により、第1流路が構成されている。
【0031】
制御ユニット30は、制御基板31、通信機32、上記圧力センサ33、上記電磁弁34を備えている。制御基板31(制御部)は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等を備えている。制御基板31には、通信機32が搭載されている。通信機32は、受信アンテナ、送信アンテナ、入力回路、出力回路等を備えている。制御基板31は、通信機32を介してクラウド90と無線通信を行う。すなわち、制御基板31(制御ユニット30)は、クラウド90と無線接続されている。なお、制御ユニット30、液肥ポンプ13,14、及び流量センサ51は、液肥混合ユニットを構成している。さらに、モバイル端末60を、液肥混合ユニットに含めることもできる。
【0032】
クラウド90(サーバ)は、サーバ等により構成され、各液肥混合システム10(各作業者)に応じた所定のサービスを提供する。クラウド90は、モバイル端末60と無線通信を行う。すなわち、クラウド90は、モバイル端末60と無線接続されている。クラウド90は、モバイル端末60から情報を受信し、受信した情報を制御ユニット30へ送信する。また、クラウド90は、制御ユニット30から情報を受信し、受信した情報をモバイル端末60へ送信する。
【0033】
モバイル端末60(端末)は、スマートフォンや、タブレット端末、ノートパソコン、専用無線端末等である。モバイル端末60は、所定のアプリケーション(ソフトウェア)がインストールされることで、制御ユニット30を遠隔操作する操作機として機能する。本実施形態では、モバイル端末60に液肥混合アプリケーション(以下、「液肥アプリ」という)がインストールされており、作業者は液肥アプリを動作させることで制御ユニット30、ひいては液肥ポンプ13,14を遠隔操作する。
【0034】
圃場への混合液の供給を行う際に、作業者は、手動弁15,17を予め開いておき、手動弁18を予め閉じておく。そして、制御基板31によって、電磁弁34が開かれ、液肥ポンプ13,14が駆動されることにより、供給ポート29への混合液の供給が開始される。その後、制御基板31によって、電磁弁34が閉じられ、液肥ポンプ13,14が停止されることにより、混合液の供給が終了する。
【0035】
図2は、液肥アプリのメイン画面を示す図である。液肥アプリのメイン画面には、以下の各項目が含まれている。作業者は、各項目の表示内容を確認したり、各項目のアイコンやスライドスイッチを操作したりする。
【0036】
「ステータス」は、液肥混合システム10の状態を示している。「経過時間」は、水と液肥との混合液を供給し始めてからの経過時間を示す。「積算流量」は、混合液を供給し始めてからの水の流量の積算値(流した水の合計量)を示す。
【0037】
「運転設定」のアイコンは、後述する運転設定画面に移行するためのアイコンである。「液肥充填」のアイコンは、後述する液肥充填画面に移行するためのアイコンである。「アラートリセット」のアイコンは、アラート(警告文)をリセットするためのアイコンである。
【0038】
「アラート」は、現在発生しているアラート、又はアラートが発生していないことを示している。「液肥残量少通知」は、タンク25,26内の液肥A,液肥Bの残量が少ないか否かを示している。「設定した内容で運転開始」は、後述する運転設定画面で設定した内容で運転を開始するか強制停止をするかを、スライドスイッチで切り替える。「一時停止」は、運転を一時停止するか再開するかを、スライドスイッチで切り替える。
【0039】
図3は、液肥アプリの運転設定画面を示す図である。
図2の「運転設定」のアイコンを作業者が操作した場合に、運転設定画面に移行する。液肥アプリの運転設定画面には、以下の各項目が含まれている。作業者は、各項目の内容を設定したり、各項目のスライドスイッチを操作したりする。
【0040】
「運転設定」の領域において、「通水時間」(通水期間)は、混合液の1回の供給動作において、
図1の電磁弁34を開いている時間(期間)、すなわち水を流す時間であり、混合液の供給開始から供給終了までの時間である。「通水量」は、混合液の1回の供給動作において、流す水の合計量であり、混合液の供給開始から供給終了までに使用する水の量である。
【0041】
「洗浄運転」は、混合液の供給前に、主流路11への通水、すなわち主流路11の洗浄を行うか否かを、スライドスイッチで切り替える。「洗浄時の通水量」は、洗浄運転において、流す水の合計量であり、洗浄の開始から終了までに使用する水の量である。
【0042】
「混合比設定」の領域において、「水 [ ]Lに対して」は、水と液肥Aと液肥Bとを混合する際の水の体積を設定する。ここでは、水の体積が100Lに設定されている。「液肥1~6」は、液肥A~F(液肥1~6)を使用するか否かをスライドスイッチで切り替え、且つ水と液肥A~Fとを混合する際の液肥A~Fの体積を設定する。
図1に示すように、液肥1,2(液肥A,B)を汲み上げる液肥ポンプ13,14が制御基板31に接続されており、液肥3~6(液肥C~F)を汲み上げる液肥ポンプは制御基板31に接続されていない。このため、液肥1,2のみ使用か未使用かを切り替え可能となっており、液肥3~6は使用か未使用かを切り替え可能となっていない(破線あるいは薄い状態でスライドスイッチを表示)。ここでは、液肥1,2の体積がそれぞれ1Lに設定されている。また、液肥3~6の体積はそれぞれ0Lに設定されている。
【0043】
ところで、水と液肥とを混合する際に、農業指導員毎あるいは薬液メーカ毎に混合比の考え方が異なる場合がある。例えば、「混合比を1/100とする」場合に、水:液肥A=100:1とする考え方と、水:液肥A=99:1とする考え方とがある。
【0044】
この点、水:液肥A=100:1とする考え方を採用するのであれば、作業者は、「水 [ ]Lに対して」に100を入力し、「液肥1」に1を入力すればよい。また、水:液肥A=99:1とする考え方を採用するのであれば、作業者は、「水 [ ]Lに対して」に99を入力し、「液肥1」に1を入力すればよい。すなわち、作業者は、混合比の定義を考慮する必要はなく、水の体積と液肥の体積との比をそのまま入力すればよい。
【0045】
そして、モバイル端末60は、上記「通水時間」、上記「通水量」、上記「洗浄運転」、上記「洗浄時の通水量」、「水 [ ]Lに対して」、「液肥1」、及び「液肥2」に設定された内容(以下、「設定内容」という)を、クラウド90へ送信する。すなわち、モバイル端末60は、水と液肥A,Bとの混合液における水の体積及び液肥A,Bの体積を作業者が設定可能に構成されており、設定された水の体積及び液肥A,Bの体積をクラウド90へ送信する。また、モバイル端末60は、混合液を主流路11から供給する際に主流路11に水を流通させる通水時間(通水期間)を作業者が設定可能に構成されており、設定された通水期間をクラウド90へ送信する。
【0046】
制御基板31は、上記設定内容を、クラウド90から通信機32を介して受信する。すなわち、制御基板31は、クラウド90及び通信機32を介して、設定内容をモバイル端末60から受信する。
【0047】
制御基板31は、以下の手順により、液肥1,2(液肥A,B)の吐出量S1,S2[L/min]を算出し、液肥ポンプ13,14を制御する。なお、手動弁15,17は予め開かれており、手動弁18は予め閉じられている。そして、制御基板31は、電磁弁34を開く。
【0048】
まず、流量センサ51により検出された水の流量Fw[L/min]を取得する。受信した水の体積Vw[L]を、水の流量Fw[L/min]で割って、供給時間t[min]を算出する(t=Vw/Fw)。
【0049】
続いて、受信した液肥1(液肥A)の体積V1[L]を、供給時間t[min]で割って、液肥1の吐出量S1[L/min]を算出する(S1=V1/t)。同様に、受信した液肥2(液肥B)の体積V2[L]を、供給時間t[min]で割って、液肥2の吐出量S2[L/min]を算出する(S2=V2/t)。
【0050】
続いて、圧力センサ33により検出された水の圧力Pw[Pa]を取得する。水の圧力Pw[Pa]に基づいて、液肥1の吐出量が吐出量S1[L/min]になるように、液肥ポンプ13のモータの回転速度を制御する。同様に、水の圧力Pw[Pa]に基づいて、液肥2の吐出量が吐出量S2[L/min]になるように、液肥ポンプ14のモータの回転速度を制御する。なお、水の圧力Pw[Pa]と液肥1,2の吐出量S1,S2[L/min]と液肥ポンプ13,14のモータの回転速度との関係は、予め実験等に基づいて取得されている。それらの関係は、マップや計算式として規定されている。
【0051】
すなわち、流量センサ51により検出された水の流量と、受信した水の体積及び液肥の体積とに基づいて、受信した水の体積と液肥の体積との比で混合された混合液が主流路11から供給されるように液肥ポンプ13,14を制御する。また、その際に、流量センサ51により検出された水の流量に液肥1,2の流量が比例するように液肥ポンプ13,14を制御する。
【0052】
以上を所定周期(例えば1[sec])で繰り返し、所定周期毎に水の流量Fw[L/min]を積算した積算流量Tw[L]を算出する。そして、積算流量Twが、受信した通水量になった時点で、電磁弁34を閉じ、液肥ポンプ13,14を停止させる。
【0053】
また、電磁弁34を開いてからの経過時間が、受信した通水時間になった場合も、電磁弁34を閉じ、液肥ポンプ13,14を停止させる。
【0054】
すなわち、制御基板31は、通水時間をクラウド90から受信し、混合液を主流路11から供給する際に主流路11に水を流通させた時間(期間)が通水時間(通水期間)になった時点、及び混合液を主流路11から供給する際に流通した水の体積の合計が、受信した通水量になった時点のうち、早い方の時点で主流路11における水の流通を停止させ且つ液肥ポンプ13,14を停止する。
【0055】
図4は、液肥A,Bの残量が少なくなった時における液肥アプリのメイン画面を示す図である。ここでは、「液肥残量少通知」において、タンク25内の液肥A(液肥1)の残量が少ないことを示しており、液肥Aを補充することを促している。
【0056】
作業者は、モバイル端末60において「液肥残量少通知」の上記内容を確認すると、圃場においてタンク25に液肥Aを補充する。このときに、タンク25から主流路11までの配管21,23に空気が混入することがある。この場合、水と液肥Aとの混合比を所望の混合比に正確に調節するためには、配管21,23から空気を除去する必要がある。
【0057】
そこで、液肥アプリのメイン画面には、「液肥充填」のアイコンが含まれている。作業者が「液肥充填」のアイコンを操作すると、
図5に示す液肥充填画面に移行する。液肥アプリの液肥充填画面には、以下の各項目が含まれている。作業者は、手動弁17を閉じ、手動弁18を開いた後、各項目のスライドスイッチを操作する。
【0058】
「液肥1~6」は、液肥1~6に対してそれぞれ液肥の充填動作を実行するか否かを、それぞれのスライドスイッチで切り替える。上述したように、液肥1,2(液肥A,B)を汲み上げる液肥ポンプ13,14が制御基板31に接続されており、液肥3~6(液肥C~F)を汲み上げる液肥ポンプは制御基板31に接続されていない。このため、液肥1,2のみ、液肥の充填動作を実行するか否かを切り替え可能となっており、液肥3~6は充填動作を実行するか否かを切り替え可能となっていない。また、1つの液肥の充填動作を実行している間は、他の液肥の充填動作を実行不可能となっている。このため、
図5に示すように、液肥1の充填動作の実行中は、液肥2は充填動作を実行するか否かを切り替え可能となっていない(破線あるいは薄い状態でスライドスイッチを表示)。
【0059】
そして、モバイル端末60は、上記「液肥1~6」に設定された各スライドスイッチの状態を、クラウド90へ送信する。すなわち、モバイル端末60は、タンク25,26から主流路11までの配管21,23、及び22,24に、それぞれ液肥1,2を充填して空気を除去する充填動作の実行又は非実行を作業者が設定可能に構成されている。モバイル端末60は、設定された充填動作の実行又は非実行をクラウド90へ送信する。
【0060】
制御基板31は、「液肥1~6」に設定された各スライドスイッチの状態を、クラウド90から通信機32を介して受信する。すなわち、制御基板31は、クラウド90及び通信機32を介して、「液肥1~6」に設定された各スライドスイッチの状態をモバイル端末60から受信する。
【0061】
制御基板31は、液肥の充填動作(空気除去動作)の実行を受信した場合に、電磁弁34を開き、充填動作を実行する液肥に対応する液肥ポンプのモータを、所定の回転速度で駆動する。すなわち、制御基板31は、充填動作の実行又は非実行をクラウド90から受信し、充填動作の実行を受信した場合に、充填動作を実行するようにポンプ13,14を制御する。所定の回転速度は、例えば配管21,23から空気を除去することが可能な最低の回転速度である。これにより、液肥Aの充填動作において液肥Aが無駄に消費されることを抑制することができる。また、液肥Aの充填動作において、主流路11を流れる水及び液肥Aは、供給ポート29へ供給されず、サンプリングポート28から排出される。
【0062】
図6は、異常発生時における液肥アプリのメイン画面を示す図である。ここでは、「アラート」は、電磁弁34(バルブ)の状態が異常であることを示している。作業者は、モバイル端末60において「アラート」の上記内容を確認すると、圃場において電磁弁34(液肥混合システム10)の状態を検査する。
【0063】
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。
【0064】
・モバイル端末60は、水と液肥A,B(液肥1,2)との混合液における水の体積及び液肥A,Bの体積を作業者が設定可能に構成されており、設定された水の体積及び液肥A,Bの体積をクラウド90へ送信する。そして、制御基板31は、水の体積及び液肥A,Bの体積をクラウド90から受信する。このため、作業者は、主流路11及び液肥ポンプ13,14が設置された圃場等へ行かなくても、手元のモバイル端末60で混合液における水の体積及び液肥A,Bの体積を設定可能である。したがって、水と液肥A,Bとの混合比を設定(変更)する際に、作業者が圃場等へ行く手間を省くことができる。
【0065】
・制御基板31は、流量センサ51により検出された水の流量と、受信した水の体積及び液肥A,Bの体積とに基づいて、受信した水の体積と液肥A,Bの体積との比で混合された混合液が主流路11から供給されるように液肥ポンプ13,14を制御する。このため、農業指導員毎あるいは液肥メーカ毎に混合比の考え方が異なっていたとしても、所望の混合液における水の体積及び液肥A,Bの体積を作業者が設定するだけで、水と液肥A,Bとが所望の混合比で混合された混合液を主流路11から供給することができる。したがって、作業者は、混合比の考え方の差異に応じて混合比を修正して設定する必要がなく、圃場等へ供給される混合液の水と液肥A,Bとの混合比を、所望の混合比に簡単に設定することができる。
【0066】
・制御基板31は、受信した水の体積と液肥A,Bの体積との比で混合された混合液が主流路11から供給されるように液肥ポンプ13,14を制御する際に、流量センサ51により検出された水の流量に液肥A,Bの流量が比例するように液肥ポンプ13,14を制御する。このため、混合液の供給中に水の流量が変化したとしても、流量センサ51により検出された水の流量に液肥A,Bの流量を比例させることで、受信した水の体積と液肥A,Bの体積との比で混合された混合液を主流路11から供給することができる。
【0067】
・モバイル端末60は、混合液を主流路11から供給する際に主流路11に水を流通させる通水時間(通水期間)、及び水を流通させる通水量を作業者が設定可能に構成されており、設定された通水時間及び通水量をクラウド90へ送信する。そして、制御基板31は、通水時間及び通水量をクラウド90から受信する。このため、作業者は、主流路11液肥ポンプ13,14、及び制御ユニット30が設置された圃場等へ行かなくても、手元のモバイル端末60で混合液を主流路11から供給する際に主流路11に水を流通させる通水時間及び通水量を設定可能である。したがって、混合液を主流路11から供給する時間(期間)及び量を設定(変更)する際に、作業者が圃場等へ行く手間を省くことができる。
【0068】
・制御基板31は、混合液を主流路11から供給する際に主流路11に水を流通させた時間が通水時間になった時点、及び混合液を主流路11から供給する際に流通した水の体積の合計が、受信した通水量になった時点のうち、早い方の時点で主流路11における水の流通を停止させ且つ液肥ポンプ13,14を停止する。このため、流量センサ51による水の流量の検出、及び通水時間の設定の一方が不適切であったとしても、適切な他方に基づいて優先的に主流路11における水の流通を停止させ且つ液肥ポンプ13,14を停止することができる。
【0069】
・モバイル端末60は、タンク25,26から主流路11までの配管21,23、配管22,24にそれぞれ液肥A,Bを充填して空気を除去する充填動作の実行又は非実行を作業者が設定可能に構成されている。モバイル端末60は、設定された充填動作の実行又は非実行をクラウド90へ送信し、制御基板31は、充填動作の実行又は非実行をクラウド90から受信し、充填動作の実行を受信した場合に、充填動作を実行するように液肥ポンプ13,14を制御する。このため、作業者が充填動作の実行を設定することにより、タンク25,26から主流路11までの配管21,23、配管22,24にそれぞれ液肥A,Bを充填して空気を除去することができる。したがって、水と液肥A,Bとの混合比を所望の混合比に正確に調節することができる。
【0070】
・主流路11において液肥ポンプ13,14により吐出された液肥A,Bが流入する位置よりも下流側では、主流路11から配管27が分岐している。このため、例えば主流路11を圃場へ水と液肥A,Bとの混合液を供給する流路とし、配管27を圃場へ混合液を供給しない時に混合液を流す流路とすることができる。主流路11には、主流路11を開閉する手動弁17が設けられ、配管27には、配管27を開閉する手動弁18が設けられている。したがって、液肥A,Bの充填動作を行う時に、手動弁17により主流路11を閉じ、手動弁18により配管27を開くことにより、混合比が調節されていない液肥A,Bが圃場へ供給されることを避けることができる。
【0071】
・複数のタンク25,26に対して、液肥ポンプ13,14が各タンク25,26に設けられており、各液肥ポンプ13,14が各タンク25,26から各液肥A,Bを汲み上げて主流路11へ吐出する。したがって、水と複数の液肥A,Bとを混合する液肥混合システム10においても、圃場等へ供給される混合液の水と各液肥A,Bとの混合比を、所望の混合比に簡単に設定することができる。
【0072】
なお、上記実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。上記実施形態と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0073】
・モバイル端末60は、混合液を主流路11から供給する際に主流路11に水を流通させる通水時間(通水期間)、及び水を流通させる通水量の一方のみを、作業者が設定可能に構成されていてもよい。
【0074】
・液肥1,2の吐出量を検出し、検出された吐出量が吐出量S1,S2[L/min]になるように、それぞれ液肥ポンプ13,14のモータの回転速度をフィードバック制御することもできる。
【0075】
・混合液の供給開始時に、流量センサ51により検出された水の流量Fw[L/min]を取得し、その後、水の流量Fwが一定であるとみなして、液肥1,2の吐出量S1,S2[L/min]を算出することもできる。こうした構成によれば、水と液肥A,Bとの混合比の精度は低下するものの、制御基板31の演算負荷を軽減することができる。
【0076】
・制御基板31(制御部)とクラウド90(サーバ)とが、アクセスポイント(中継点)を介して無線接続されていてもよい。また、モバイル端末60(端末)とクラウド90とが、アクセスポイントを介して無線接続されていてもよい。
【0077】
・手動弁15,17,18を電磁弁で構成し、これらの電磁弁を制御基板31により制御することもできる。こうした構成によれば、作業者は、主流路11、液肥ポンプ13,14、及び制御ユニット30が設置された圃場等へ行かなくても、手元のモバイル端末60で充填動作の実行を設定可能である。したがって、液肥A,Bを作業者が補充する必要がない場合は、充填動作を実行する際に、作業者が圃場等へ行く手間を省くことができる。なお、液肥A,Bの補充を、制御基板31により制御するように構成することもできる。この場合、作業者は、主流路11、液肥ポンプ13,14、及び制御ユニット30が設置された圃場等へ行かなくても、液肥A,Bの補充、ひいては液肥A,Bの充填動作を実行することができる。また、液肥混合システム10において、液肥A,Bの充填動作を実行する機能を、省略することもできる。
【0078】
・上記実施形態では、混合液の1回の供給動作について説明したが、モバイル端末60において、1日に実行する混合液の複数回の供給動作をプログラムしておくこともできる。その場合も、混合液の各供給動作について、水の体積及び液肥の体積を設定することができる。また、モバイル端末60において、1週間毎や1月毎に条件を変更して実行する混合液の供給動作をプログラムしておくこともできる。その場合も、混合液を供給する時期毎に、水の体積及び液肥の体積を設定することができる。
【0079】
・主流路11、液肥ポンプ13,14、及び制御ユニット30の組が複数設置されており、1つのモバイル端末60により複数の組に対して水の体積及び液肥の体積を設定することもできる。
【符号の説明】
【0080】
10…液肥混合システム、11…主流路(流路)、13…液肥ポンプ(ポンプ)、14…液肥ポンプ(ポンプ)、20…水源、25…タンク、26…タンク、28…サンプリングポート、29…供給ポート、30…制御ユニット、31…制御基板(制御部)、34…電磁弁、51…流量センサ、60…モバイル端末(端末)、90…クラウド(サーバ)。