IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社NTTドコモの特許一覧

<>
  • 特許-経路推定装置 図1
  • 特許-経路推定装置 図2
  • 特許-経路推定装置 図3
  • 特許-経路推定装置 図4
  • 特許-経路推定装置 図5
  • 特許-経路推定装置 図6
  • 特許-経路推定装置 図7
  • 特許-経路推定装置 図8
  • 特許-経路推定装置 図9
  • 特許-経路推定装置 図10
  • 特許-経路推定装置 図11
  • 特許-経路推定装置 図12
  • 特許-経路推定装置 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】経路推定装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/01 20060101AFI20240314BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20240314BHJP
   G08G 1/13 20060101ALI20240314BHJP
   G06Q 10/04 20230101ALI20240314BHJP
【FI】
G08G1/01 F
G01C21/34
G08G1/13
G06Q10/04
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020125266
(22)【出願日】2020-07-22
(65)【公開番号】P2022021597
(43)【公開日】2022-02-03
【審査請求日】2023-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【弁理士】
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【弁理士】
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】須田 羽奈子
(72)【発明者】
【氏名】山田 直治
(72)【発明者】
【氏名】勝丸 徳浩
(72)【発明者】
【氏名】橋本 雅人
(72)【発明者】
【氏名】冨樫 勇哉
【審査官】武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-168787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/01
G01C 21/34
G08G 1/13
G06Q 10/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道の駅を示す駅識別情報と前記駅をカバーするセクタを示す情報である駅セクタ情報とが対応付けられた複数の駅データ、及び端末の位置を示す位置情報と前記位置情報が取得された際に前記端末が在圏していたセクタを示す情報である在圏セクタ情報とが対応付けられた複数の端末データを取得する第1取得部と、
前記複数の駅データ、及び前記複数の端末データに基づいて、前記端末の移動経路を推定する推定部と、を備え
前記推定部は、
前記複数の端末データに含まれる前記位置情報に基づいて、前記端末が通過した駅の候補である複数の駅を抽出し、
前記複数の駅データに含まれる前記駅識別情報及び前記駅セクタ情報、並びに前記複数の端末データに含まれる前記在圏セクタ情報に基づいて、前記複数の駅から複数の候補駅を選択し、
前記複数の候補駅に基づいて経路探索を行うことにより、前記端末の移動経路を推定する、経路推定装置。
【請求項2】
前記推定部は、前記複数の駅から、前記在圏セクタ情報に一致する前記駅セクタ情報に対応付けられた前記駅識別情報が示す駅を前記候補駅として選択する、請求項に記載の経路推定装置。
【請求項3】
前記推定部は、前記複数の駅から、前記在圏セクタ情報に一致する前記駅セクタ情報に対応付けられた前記駅識別情報が示す駅の路線と同一の路線の駅を前記候補駅として更に選択する、請求項に記載の経路推定装置。
【請求項4】
前記推定部は、
複数の駅の間を移動する際の移動コストを、前記複数の候補駅が選ばれやすくなるように算出し、
前記移動コストに基づいて経路探索を行うことにより、前記端末の移動経路を推定する、請求項のいずれか一項に記載の経路推定装置。
【請求項5】
前記第1取得部は、隣り合う2つの駅の間である駅間を示す駅間識別情報と前記駅間に設けられたセクタを示す駅間セクタ情報とが対応付けられたデータである複数の駅間データを更に取得し、
前記推定部は、前記複数の駅間データに更に基づいて、前記端末の移動経路を推定する、請求項のいずれか一項に記載の経路推定装置。
【請求項6】
前記推定部は、
前記複数の端末データに含まれる前記在圏セクタ情報が、前記複数の駅間データに含まれる前記駅間セクタ情報と一致する場合、複数の駅の間を移動する際の移動コストを、前記駅間セクタ情報に対応する前記駅間識別情報が示す隣り合う2つの駅が選ばれやすくなるように算出し、
前記移動コストに基づいて経路探索を行うことにより、前記端末の移動経路を推定する、請求項に記載の経路推定装置。
【請求項7】
複数の端末と通信する基地局のセクタを示す基地局セクタ情報、前記基地局の位置を示す前記基地局の位置情報、鉄道の駅の位置を示す駅の位置情報、複数の端末が過去に通過した駅を示す駅の駅識別情報、及び前記複数の端末が過去に在圏していたセクタを示す別の在圏セクタ情報を取得する第2取得部と、
前記基地局セクタ情報、前記基地局の位置情報、前記駅の位置情報、前記駅の駅識別情報、及び前記別の在圏セクタ情報に基づいて、前記複数の駅データを生成する生成部とを更に備える、請求項1~のいずれか一項に記載の経路推定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、経路推定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、地図上の領域において、端末の移動前の位置を示す測位点と、端末の移動後の位置を示す測位点とを結んだ結線を表すことによって、ユーザの移動経路を推定する情報処理システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-2672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に記載のシステムにおいては、端末が受信したGPS衛星信号に基づいて、上述した測位点の情報が取得される。このようなシステムにおいては、鉄道を利用するユーザの移動経路を精度良く推定することが困難であると想定される。例えば、地下の鉄道を利用しているユーザの端末には、GPS衛星信号が届きにくいため、ユーザが地上にいる場合と比較して、地下の鉄道を利用するユーザの位置を精度良く把握することが困難である。また、例えば、複数の駅が密集している地域において鉄道を利用しているユーザの測位点の情報からは、複数の駅のいずれの駅にユーザがいるのか把握しづらい場合がある。したがって、鉄道を利用するユーザの移動経路の推定の精度の向上が望まれている。
【0005】
本開示は、鉄道を利用するユーザの移動経路を高精度に推定可能な経路推定装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係る経路推定装置は、鉄道の駅を示す駅識別情報と駅をカバーするセクタを示す情報である駅セクタ情報とが対応付けられた複数の駅データ、及び端末の位置を示す位置情報と位置情報が取得された際に端末が在圏していたセクタを示す情報である在圏セクタ情報とが対応付けられた複数の端末データを取得する第1取得部と、複数の駅データ、及び複数の端末データに基づいて、端末の移動経路を推定する推定部と、を備える。
【0007】
この経路推定装置では、鉄道の駅を示す駅識別情報と当該駅をカバーするセクタを示す駅セクタ情報とが対応付けられた複数の駅データ、及び端末の位置情報と位置情報が取得された際に端末が在圏していたセクタを示す在圏セクタ情報とが対応付けられた複数の端末データに基づいて、端末の移動経路が推定される。この構成においては、端末の位置を示す情報に加えて、各駅をカバーするセクタの識別情報、及び端末の位置情報に対応付けられたセクタの識別情報が考慮されて、端末の移動経路が推定されるので、端末の移動経路を精度良く推定できる。その結果、鉄道を利用するユーザの移動経路を高精度に推定することが可能となる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、鉄道を利用するユーザの移動経路を高精度に推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態に係る経路推定装置の機能構成を示すブロック図である。
図2図2は、図1に示される経路推定装置が行う経路推定方法に含まれる対応表生成方法の一連の処理を示すフローチャートである。
図3図3は、対応表の生成方法の一例を示す図である。
図4図4は、対応表の一例を示す図である。
図5図5は、図1に示される経路推定装置が行う経路推定方法に含まれる経路出力方法の一連の処理を示すフローチャートである。
図6図6は、端末データの一例を示す図である。
図7図7は、複数の駅の抽出方法の一例を示す図である。
図8図8は、抽出された複数の駅の一例を示す図である。
図9図9は、選択された候補駅の一例を示す図である。
図10図10は、更新前の重みテーブルの一例を示す図である。
図11図11は、更新後の重みテーブルの一例を示す図である。
図12図12は、推定結果の一例を示す図である。
図13図13は、図1に示される経路推定装置のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本開示の実施形態を詳細に説明する。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
【0011】
図1を参照して、一実施形態に係る経路推定装置30を含む経路推定システム1の構成を説明する。図1は、図1に示される経路推定装置30の機能構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に図示される経路推定システム1は、鉄道を利用するユーザの移動経路を推定するシステムである。鉄道は、地下の鉄道、及び地上の鉄道等、あらゆる鉄道を含む。
【0013】
経路推定システム1は、1又は複数の端末装置10(端末)と、複数の基地局20と、経路推定装置30とを含む。1又は複数の端末装置10は、複数の基地局20と移動体通信網を介して互いに通信可能に構成されている。複数の基地局20は、経路推定装置30とネットワークを介して互いに通信可能に構成されている。ネットワークは、有線及び無線のいずれで構成されてもよい。ネットワークの例としては、移動体通信網、インターネット、及びWAN(Wide Area Network)が挙げられる。以下の説明では、1つの端末装置10に着目して説明を行うが、他の端末装置10についても同様である。
【0014】
端末装置10は、ユーザにより用いられ、ユーザが携帯可能な装置である。端末装置10の例としては、スマートフォン及びタブレット端末を含む携帯端末が挙げられる。端末装置10は、GPS(Global Positioning System)等を用いて端末装置10の位置情報(緯度及び経度)を取得する。位置情報の詳細については後述する。端末装置10は、基地局20を介して、定期的に位置情報を第1ログサーバ(詳細は後述)に送信する。
【0015】
経路推定装置30は、鉄道を利用するユーザが有する端末装置10の移動経路を推定することにより、当該ユーザの移動経路を推定する装置である。経路推定装置30の例としては、サーバ装置等の情報処理装置が挙げられる。
【0016】
図1を参照して、経路推定装置30の機能構成について説明する。図1に示されるように、経路推定装置30は、機能的には、取得部31(第2取得部)と、生成部32と、記憶部33と、取得部34と、判定部35と、記憶部36と、取得部37(第1取得部)と、推定部38と、出力部39とを備える。後述の経路推定方法の説明において、各機能部の機能(動作)を詳細に説明するので、ここでは各機能部の機能を簡単に説明する。
【0017】
取得部31は、外部のサーバ(図示せず)から、基地局セクタID(基地局セクタ情報)、基地局20の位置情報、駅の位置情報、駅識別情報、及び端末装置10の在圏セクタ情報を取得する。基地局セクタID(identifier)は、基地局20のセクタを示す情報(セクタを一意に識別可能な情報)である。基地局20の位置情報は、基地局20の位置を示す情報である。駅の位置情報は、鉄道の駅の位置を示す情報である。
【0018】
駅識別情報は、複数の端末装置10が過去に通過した鉄道の駅を示す情報である。駅識別情報は、複数の駅識別データを含む。各駅識別データは、1の端末ID、及び複数の駅名を含む。端末IDは、端末装置10を一意に識別可能な情報である。駅名は、鉄道の路線及び駅を一意に識別可能な情報である。すなわち、「駅」は、複数の路線が通っている同一の名称の駅(例えば、「東京駅」)を意味するのではなく、1の路線の駅(例えば、「中央線東京駅」)を意味する。駅識別データは、例えば、端末装置10(ユーザ)が通過した駅の乗車駅の駅名及び降車駅の駅名を含む。すなわち、端末装置10が過去に通過した鉄道の駅には、端末装置10の乗車駅及び降車駅が含まれる。この場合、取得部31は、複数の路線の各駅を含む路線図を示す情報を更に取得してもよい。これにより、駅識別情報に基づいて、端末装置10が過去に通過した駅を把握することが可能である。なお、駅識別データは、端末装置10が通過した全ての駅の駅名を含んでいてもよい。
【0019】
端末装置10の在圏セクタ情報は、複数の端末装置10が過去に在圏していたセクタを示す情報である。各在圏セクタ情報は、複数の在圏セクタデータを含む。各在圏セクタデータは、1の端末ID、及び複数の在圏セクタIDを含む。在圏セクタIDは、端末装置10が在圏していたセクタを一意に識別可能な情報である。
【0020】
外部のサーバの例としては、基地局サーバ(図示せず)、駅情報サーバ(図示せず)、第1ログサーバ(図示せず)、及び第2ログサーバ(図示せず)が挙げられる。基地局サーバには、例えば、複数の基地局20の基地局セクタIDと、複数の基地局20の位置情報とが対応付けられて記憶されている。駅情報サーバには、例えば、複数の駅の位置情報が記憶されている。
【0021】
第1ログサーバには、例えば、駅識別情報が記憶されている。駅識別情報は、例えば、複数の端末装置10から送信される位置情報に基づいて生成される。具体的には、駅識別情報は、数百万台程度の端末装置10から送信された位置情報に基づいて、各端末装置10の移動経路が統計的に算出されて生成される。当該移動経路は、例えば後述する矩形領域を形成する処理によって算出される。なお、第1ログサーバには、所定の回数以上、所定の乗車駅から所定の降車駅までを通過した端末装置10に関する駅識別情報が記憶されていてもよい。すなわち、第1ログサーバには、定期的にある路線を利用しているユーザに関する駅識別情報が記憶されていてもよい。第2ログサーバには、在圏セクタ情報が記憶されている。
【0022】
取得部31は、取得した基地局セクタID、基地局20の位置情報、駅の位置情報、駅識別情報、及び端末装置10の在圏セクタ情報を生成部32に出力する。
【0023】
生成部32は、対応表(複数の駅データ及び複数の駅間データ)を生成する機能部である。生成部32は、取得部31から受け取った基地局セクタID、基地局20の位置情報、駅の位置情報、駅識別情報、及び端末装置10の在圏セクタ情報に基づいて、複数の駅データ、及び複数の駅間データを生成する。
【0024】
各駅データは、路線名及び駅名(駅識別情報)と、駅のセクタID(駅セクタ情報)とが対応付けられたデータである。路線名及び駅名は、鉄道の駅を示す情報である。駅のセクタIDは、駅をカバーするセクタを示す情報であって、当該セクタを一意に識別可能な情報である。各駅間データは、路線名及び駅間名(駅間識別情報)と駅間のセクタID(駅間セクタ情報)とが対応付けられたデータである。路線名及び駅間名は、隣り合う2つの駅の間を示す。駅間のセクタIDは、駅間に設けられたセクタを示す情報であって、当該セクタを一意に識別可能な情報である。本実施形態では、生成部32は、各駅データ及び各駅間データが配列された表(複数の駅データ及び複数の駅間データを含む表)である対応表を生成する。対応表の生成方法の詳細については後述する。生成部32は、生成した対応表を示す情報(以下、「対応表情報」という)を記憶部33に出力する。
【0025】
記憶部33は、対応表情報を記憶する機能部である。記憶部33は、生成部32から受け取った対応表情報を格納する。
【0026】
取得部34は、外部のサーバ(図示せず)から、複数の端末データを取得する機能部である。各端末データは、位置情報と在圏セクタID(在圏セクタ情報)とが対応付けられたデータである。位置情報は、端末装置10の位置を示す情報であって、本実施形態では、緯度及び経度を示す情報である。在圏セクタIDは、位置情報が取得された際に端末が在圏していたセクタを示す情報であって、当該セクタを一意に識別可能な情報である。端末データの詳細については後述する。取得部34は、取得した複数の端末データを判定部35に出力する。
【0027】
判定部35は、各端末データに含まれる端末装置10の位置情報が、端末装置10がある場所に滞在している際に取得されたのか或いは端末装置10が移動していた際に取得されたのかを判定する(以下、「位置情報について移動か滞在かを判定する」という)機能部である。判定部35は、取得部34から受け取った各端末データに含まれる位置情報について移動か滞在かを判定する。判定部35は、取得部34から受け取った各端末データと、各端末データについて判定した判定結果とを対応付けて記憶部36に出力する。
【0028】
記憶部36は、複数の端末データ及び各端末データの判定結果を記憶する機能部である。記憶部36は、判定部35から受け取った複数の端末データ及び各端末データの判定結果を格納する。
【0029】
取得部37は、複数の駅データ、複数の駅間データ、及び複数の端末データを取得する機能部である。取得部37は、例えば、記憶部33に格納されている対応表情報から、複数の駅データ及び複数の駅間データを取得する。取得部37は、記憶部36に格納されている複数の端末データから、端末装置10が移動していた際に位置情報が取得されたとの結果を示す判定結果に対応付けられた端末データを抽出することにより、複数の端末データを取得する。取得部37は、取得した複数の駅データ、複数の駅間データ、及び複数の端末データを推定部38に出力する。
【0030】
推定部38は、端末装置10の移動経路を推定する機能部である。推定部38は、取得部37から受け取った複数の駅データ、複数の駅間データ、及び複数の端末データに基づいて、端末装置10の移動経路を推定する。端末装置10の移動経路の推定方法の詳細については後述する。推定部38は、推定した端末装置10の移動経路の推定結果を、出力部39に出力する。
【0031】
出力部39は、端末装置10の位置の推定結果を出力する機能部である。出力部39は、推定部38から受け取った推定結果を、例えば、外部のサーバに出力する。外部のサーバは、例えば、複数の端末装置10の移動経路の推定結果を蓄積するためのサーバである。
【0032】
次に、図2図4を参照して、経路推定装置30が行う経路推定方法について説明する。図2は、図1に示される経路推定装置30が行う経路推定方法に含まれる対応表生成方法の一連の処理を示すフローチャートである。図3は、対応表の生成方法の一例を示す図である。図4は、対応表の一例を示す図である。図2に示される一連の処理は、例えば、一定の時間間隔で繰り返し実施される。
【0033】
図2に示されるように、まず、取得部31が、基地局サーバ、駅情報サーバ、第1ログサーバ、及び第2ログサーバから、基地局セクタID、基地局20の位置情報、駅の位置情報、駅識別情報、及び端末装置10の在圏セクタ情報を取得する(ステップS01)。以下、1の路線の対応表を生成する場合の例について説明するが、他の路線の対応表を生成する場合についても同様である。
【0034】
取得部31は、例えば、基地局サーバから、基地局20の基地局セクタID、及び基地局20の位置情報を取得する。対象路線は、対応表を生成する対象の路線である。取得部31は、例えば、駅情報サーバから、駅の位置情報を取得する。取得部31は、例えば、第1ログサーバから、駅識別情報を取得する。
【0035】
取得部31は、例えば、第2ログサーバから、第1ログサーバから取得した駅識別情報に含まれる端末IDと一致する端末IDを含む在圏セクタ情報を取得する。取得部31は、取得した基地局セクタID、基地局20の位置情報、駅の位置情報、駅識別情報、及び端末装置10の在圏セクタ情報を、生成部32に出力する。
【0036】
続いて、生成部32は、取得部31から、基地局セクタID、基地局20の位置情報、駅の位置情報、駅識別情報、及び端末装置10の在圏セクタ情報を受け取ると、複数の駅データ及び複数の駅間データを含む対応表を生成する(ステップS02)。一例として、生成部32は、以下の手順で対応表を生成する。
【0037】
まず、生成部32は、基地局セクタID、基地局20の位置情報、及び駅の位置情報に基づいて、候補セクタを特定する。候補セクタは、駅をカバーするセクタの候補及び駅間をカバーするセクタの候補である。
【0038】
ここでは、対応表の生成の対象となる1の駅(以下、「第1駅」という)、及び第1駅と隣り合う駅(以下、「第2駅」という)と第1駅との駅間(以下、「駅間X」という)の候補セクタを特定する例について着目して説明する。
【0039】
まず、生成部32は、基地局20の位置情報、第1駅の位置情報、及び第2駅の位置情報に基づいて、第1駅の位置情報が示す位置の近傍の基地局20、及び駅間Xの位置の近傍の基地局20を特定する。第1駅の位置情報が示す位置の近傍の基地局20の例としては、例えば、第1駅の位置情報が示す位置から半径数百メートルの範囲内に位置する基地局20が挙げられる。駅間Xの近傍の基地局20の例としては、例えば、第1駅の位置情報が示す位置から第2駅の位置情報が示す位置まで直線を引いた場合、当該直線の中心の位置から半径数百メートルの範囲内に位置する基地局20が挙げられる。
【0040】
そして、生成部32は、取得部31から受け取った基地局セクタIDのうち、特定した基地局20の位置情報に対応付けられた基地局20のセクタIDを抽出し、抽出した基地局セクタIDが示すセクタを候補セクタとして特定する。生成部32は、対象路線の各駅及び駅間について、候補セクタを特定する。なお、本実施形態の生成部32は、他の方法によって候補セクタを特定してもよい。
【0041】
そして、生成部32は、特定した候補セクタ、駅識別情報、及び在圏セクタ情報に基づいて、複数の駅データ及び複数の駅間データを生成する。第1駅の駅データを生成する例に着目して説明すると、生成部32は、駅識別情報から、第1駅の駅名を含む駅識別データに含まれる端末IDを特定する。そして、生成部32は、在圏セクタ情報から、特定した端末IDを含む在圏セクタデータに含まれる在圏セクタIDを特定する。
【0042】
そして、生成部32は、第1駅の候補セクタのセクタIDと、特定した在圏セクタIDとを照合する。そして、生成部32は、第1駅の1の候補セクタと一致する在圏セクタIDが存在する場合、一致する在圏セクタIDの数を、当該候補セクタのカウント値としてカウントする。カウント値は、当該候補セクタが第1駅をカバーするセクタである可能性を示し、高いほど当該可能性が高いことを示す。そして、生成部32は、特定した候補セクタのカウント値が予め設定された閾値よりも高い場合、当該候補セクタを、第1駅をカバーするセクタとして特定する。生成部32は、特定したセクタと、第1駅の路線名及び駅名とを対応付けて駅データを生成する。
【0043】
次に、駅間Xの駅間データを生成する例について説明する。生成部32は、駅識別情報から、第1駅の駅名及び第2駅の駅名を含む駅識別データに含まれる端末IDを特定する。そして、生成部32は、在圏セクタ情報から、特定した端末IDを含む在圏セクタデータに含まれる在圏セクタIDを特定する。
【0044】
そして、生成部32は、駅間Xの候補セクタと、特定した在圏セクタIDとを照合する。そして、生成部32は、駅間Xの1の候補セクタと一致する在圏セクタIDが存在する場合、一致する在圏セクタIDの数を、当該候補セクタのカウント値としてカウントする。そして、生成部32は、特定した候補セクタのカウント値が予め設定された閾値よりも高い場合、当該候補セクタを、駅間Xをカバーするセクタとして特定する。生成部32は、特定したセクタと、駅間Xの路線名及び駅間名とを対応付けて駅データを生成する。駅間名の例としては、「第1駅-第2駅」が挙げられる。
【0045】
生成部32は、上述した処理を、対象路線に含まれる各駅の候補セクタ及び各駅間の候補セクタに対して行うことにより、各駅の駅データ及び各駅間の駅間データを生成する。生成部32は、複数の駅データ及び複数の駅間データを、例えば対象路線の駅の並び順に配列し、対応表を生成する。生成部32は、生成した対応表情報を記憶部33に出力する。
【0046】
ここで、生成部32による対応表の生成方法について、図3及び図4に示される例を用いて説明する。図3では、対応表の生成の対象の路線の一部として、銀座線溜池山王駅(以下、「溜池山王駅」という場合がある)、銀座線赤坂見附駅(以下、「赤坂見附駅」という場合がある)、及び銀座線溜池山王駅-赤坂見附駅間(以下、「溜池山王駅-赤坂見附駅間」という)が示されている。そして、溜池山王駅の候補セクタのセクタIDとして、セクタA~Cが特定されている。溜池山王駅-赤坂見附駅間の候補セクタのセクタIDとして、セクタD~Fが特定されている。赤坂見附駅の候補セクタのセクタIDとして、セクタG~Iが特定されている。以下、各候補セクタのセクタIDを、単に「候補セクタ」といい、セクタA~Iを、「候補セクタA~I」という場合がある。
【0047】
各ユーザU1は、溜池山王駅の駅名を含む駅識別情報に含まれる端末IDが示すユーザである。各ユーザU2は、溜池山王駅の駅名及び赤坂見附駅間の駅名を含む駅識別情報に含まれる端末IDが示すユーザである。各ユーザU3は、赤坂見附駅の駅名を含む駅識別情報に含まれる端末IDが示すユーザである。生成部32は、複数の在圏セクタ情報から、各ユーザU1,U2,U3に対応付けられた複数の在圏セクタIDを特定する。
【0048】
そして、生成部32が、溜池山王駅の候補セクタA~Cと、特定した複数の在圏セクタIDとを照合した結果、候補セクタAについては、3人のユーザU1のそれぞれに対応付けられた在圏セクタIDと一致する。候補セクタB,Cのそれぞれについては、1人のユーザU1に対応付けられた在圏セクタIDと一致する。以上のように、生成部32は、溜池山王駅の候補セクタA~Cのそれぞれと一致する複数の在圏セクタIDの数をカウントする。生成部32は、候補セクタD~Iについても同様の処理を行う。なお、実際のユーザU1~U3の数は数百万人となり得る。
【0049】
カウント値Ma~Miは、生成部32によって、候補セクタA~Iのそれぞれと一致する在圏セクタIDの数が、当該候補セクタのカウント値としてカウントされた結果を示す。グラフN1は、候補セクタAのカウント値Maが閾値Tよりも高く、候補セクタB,Cのカウント値Mb,Mcが閾値Tよりも低いことを示す。したがって、生成部32は、候補セクタAを、溜池山王駅をカバーするセクタとして特定する。
【0050】
グラフN1と同様に、グラフN2は、候補セクタDのカウント値Mdが閾値Tよりも高く、候補セクタE,Fのカウント値Me,Mfが閾値Tよりも低いことを示す。したがって、生成部32は、候補セクタDを、溜池山王駅-赤坂見附駅間をカバーするセクタとして特定する。
【0051】
グラフN1と同様に、グラフN3は、候補セクタG,Hのカウント値Mg,Mhが閾値Tよりも高く、候補セクタIのカウント値Miが閾値Tよりも低いことを示す。したがって、生成部32は、候補セクタG,Hを、赤坂見附駅をカバーするセクタとして特定する。そして、生成部32は、対応表を生成する。
【0052】
図4は、図3に示される例において生成部32によって生成された対応表を示す。対応表は、セクタID、路線名、及び駅名/駅間名を含む。セクタIDは、駅又は駅間をカバーするセクタを示す。具体的には、図4に示される対応表は、セクタID「A」と、路線名「銀座線」及び駅名「溜池山王駅」とが対応付けられた駅データ、並びにセクタID「D」と、路線名「銀座線」及び駅間名「溜池山王駅-赤坂見附駅」とが対応付けられた駅間データを示す。更に、図4に示される対応表は、セクタID「G」と、路線名「銀座線」及び駅名「赤坂見附駅」とが対応付けられた駅データ、並びにセクタID「H」と、路線名「銀座線」及び駅名「赤坂見附駅」とが対応付けられた駅データを示す。
【0053】
続いて、記憶部33は、生成部32から対応表情報を受け取ると、対応表情報を格納する(ステップS03)。そして、対応表生成方法の処理は終了する。
【0054】
次に、図5図12を参照して、経路推定装置30が行う経路推定方法について説明する。図5は、図1に示される経路推定装置30が行う経路推定方法に含まれる経路出力方法の一連の処理を示すフローチャートである。図6は、端末データの一例を示す図である。図7は、複数の駅の抽出方法の一例を示す図である。図8は、抽出された複数の駅の一例を示す図である。図9は、選択された候補駅の一例を示す図である。図10は、更新前の重みテーブルの一例を示す図である。図11は、更新後の重みテーブルの一例を示す図である。図12は、推定結果の一例を示す図である。図5に示される一連の処理は、例えば、一定の時間間隔で繰り返し実施される。
【0055】
図5に示されるように、まず、取得部34が、外部のサーバから、複数の端末データを取得する(ステップS11)。図6に示されるように、各端末データは、端末装置10が基地局20と情報のやり取り(すなわち、電波の送受信)を行った時刻(タイムスタンプ)、当該時刻における端末装置10の位置情報(緯度及び経度)、及び在圏セクタID(在圏セクタ情報)を含む。
【0056】
ここで、取得部34が取得する各端末データについて、図6に示される例を用いて説明する。図6に示される例では、取得部34は、時刻「2020-05-20 10:00:00」、緯度「aaaaa」、経度「ccccc」、及び在圏セクタID「A」を含む端末データと、時刻「2020-05-20 10:05:00」、緯度「bbbbb」、経度「ddddd」、及び在圏セクタID「G」を含む端末データとを記憶している。図6に示される一方の端末データは、端末装置10が、2020年5月20日の10時00分00秒に、緯度「aaaaa」、経度「ccccc」に位置し、在圏セクタID「A」で識別されるセクタに在圏していたことを示す。図6に示される他方の端末データは、端末装置10が、2020年5月20日の10時05分00秒に、緯度「bbbbb」、経度「ddddd」に位置し、在圏セクタID「G」で識別されるセクタに在圏していたことを示す。
【0057】
外部のサーバに格納されている各端末データに含まれる端末装置10の緯度及び経度(位置)は、電波情報に基づいて算出される。電波情報は、端末装置10が基地局20に送信した電波の状態、及び端末装置10が基地局20から受信した電波の状態の少なくとも一方に関する情報である。端末装置10の位置は、例えば、TA(Time Alignment)法によって算出されてもよい。TA法は、電波情報に含まれる往復時間情報に基づいて端末装置10と基地局20との距離を推定することによって、端末装置10の位置を推定する方法である。また、端末装置10の位置は、電波情報に含まれる電波品質情報に基づいて算出されてもよい。電波品質情報は、端末装置10が基地局20から受信した電波の品質に関する情報である。電波品質情報の例としては、RSRP(Reference Signal Received Power)、RSRQ(ReferenceSignal Received Quality)、及びRSSI(Receive Strength SignalIndicator)が挙げられる。取得部34は、取得した複数の端末データを判定部35に出力する。
【0058】
在圏セクタIDは、在圏セルを一意に識別可能な情報である。在圏セルは、端末装置10が基地局20と通信した時刻に端末装置10が存在した(在圏した)セルである。
【0059】
続いて、判定部35は、取得部34から複数の端末データを受け取り、複数の端末データに含まれる位置情報が示す位置(以下、「端末データが示す位置」という場合がある)について移動か滞在かを判定する(ステップS12)。一例として、判定部35は、各位置情報に対応付けられた時刻、及び各端末データが示す位置を時系列に並べた場合に連続した2つの位置の間の距離に基づいて、位置情報について移動か滞在かを判定する。例えば、判定部35は、時系列に並べた場合に連続した2つの位置である第1位置及び第2位置の間の距離を第1位置から第2位置までの移動時間で除算して当該2つの位置の間の速度を算出する。そして、判定部35は、当該速度が予め定められた閾値よりも大きい場合は、第2位置を示す位置情報について移動と判定する。判定部35は、当該速度が予め定められた閾値よりも小さい場合は、第2位置を示す位置情報について滞在と判定する。判定部35は、取得部34から受け取った各端末データと、各端末データについて判定した判定結果とを対応付けて記憶部36に出力する。
【0060】
続いて、記憶部36は、判定部35から各端末データ及び各端末データの判定結果を受け取ると、各端末データ及び各端末データの判定結果を格納する(ステップS13)。
【0061】
続いて、取得部37は、複数の駅データ、複数の駅間データ、及び複数の端末データを取得する(ステップS14)。取得部37は、例えば、記憶部33に格納されている対応表情報から、複数の駅データ及び複数の駅間データを抽出することにより、複数の駅データ及び複数の駅間データを取得する。複数の端末データは、1の端末装置10に係るデータである。
【0062】
一例として、取得部37は、所定の期間内の複数の端末データを取得する。所定の期間は、30分程度~数時間等、端末装置10の移動経路の推定条件に応じて適宜設定される。また、取得部37は、端末装置10が移動していた際に取得されたとの結果を示す判定結果に対応付けられた端末データを取得する。すなわち、取得部37は、記憶部36に格納されている複数の端末データから、所定の期間内、且つ「移動」の判定結果に対応付けられた複数の端末データを抽出する。取得部37は、取得した複数の駅データ、複数の駅間データ、及び複数の端末データを推定部38に出力する。
【0063】
続いて、推定部38は、取得部37から受け取った複数の端末データから、鉄道による移動を示す位置情報を含む端末データを特定する(ステップS15)。取得部37から受け取った複数の端末データには、端末装置10が徒歩、車両、及び鉄道等、様々な方法によって端末装置10が移動していた際に取得された位置情報が含まれている。推定部38は、様々な移動方法によって端末装置10が移動していた際に取得された位置情報を含む複数の端末データから、鉄道による移動を示す位置情報を含む端末データを特定する。具体的には、推定部38は、例えば、各端末データに含まれる時刻、及び各端末データが示す位置を時系列に並べた場合に連続した2つの位置の間の距離に基づいて、鉄道による移動を示す位置情報を含む複数の端末データを特定する。例えば、推定部38は、時系列に並べた場合に連続した2つの位置である第1位置及び第2位置の間の距離を第1位置から第2位置までの移動時間で除算して当該2つの位置の間の速度を算出する。そして、推定部38は、当該速度に基づいて、鉄道による移動を示す位置情報を含む複数の端末データを特定する。なお、推定部38は、徒歩による移動を示す位置情報を含む端末データ、及び車両による移動を示す位置情報を含む端末データを更に特定してもよい。
【0064】
続いて、推定部38は、複数の端末データに含まれる位置情報に基づいて、複数の駅を抽出する(ステップS16)。複数の駅は、端末装置10が通過した駅の候補である。
【0065】
本実施形態では、複数の駅の抽出は、以下の手順で行われる。まず、推定部38は、鉄道による移動を示す位置情報を含む端末データに基づいて、矩形領域を形成する。矩形領域は、端末装置10の経路を簡略的に示す領域である。推定部38は、複数の端末データが示す位置を時系列に並べた場合に連続した2つの位置に外接する最小外接矩形である矩形領域を形成する。なお、推定部38は、取得部37から受け取った複数の端末データが示す位置を時系列に並べた場合に、鉄道による移動を示す位置と、徒歩或いは車両による移動を示す位置とが連続している場合、当該2つの位置に外接する最小外接矩形である矩形領域を更に形成してもよい。
【0066】
そして、推定部38は、形成した矩形領域、及び駅情報サーバから取得した駅の位置情報に基づいて、複数の駅を抽出する。具体的には、推定部38は、矩形領域内に位置する駅を抽出する。
【0067】
続いて、推定部38は、複数の駅データに含まれる駅名及び駅のセクタID、並びに複数の端末データに含まれる在圏セクタIDに基づいて、複数の駅から複数の候補駅を選択する(ステップS17)。具体的には、推定部38は、複数の駅に含まれる1の駅(対応表の路線名及び駅名が示す駅)のセクタIDを対応表から抽出し、当該セクタIDが端末データに含まれるいずれかの在圏セクタIDと一致する場合、当該駅を候補駅として選択する。推定部38は、複数の駅に含まれる各駅について、上述した駅のセクタIDと在圏セクタIDとのマッチングを行う。以上のように、推定部38は、抽出した複数の駅から、在圏セクタIDと一致する駅のセクタIDに対応付けられた路線名及び駅名が示す複数の駅を複数の候補駅として選択する。なお、ここでいう在圏セクタIDは、ステップS15の処理によって特定された位置情報に対応付けられた在圏セクタIDである。
【0068】
推定部38は、複数の駅から、選択した候補駅の路線と同一の路線の駅を候補駅として更に選択する。つまり、推定部38は、複数の駅から、対応表において在圏セクタIDと一致する駅のセクタIDに対応付けられた駅の路線を抽出し、当該路線と同一の路線の駅を、候補駅として更に選択する。以上のようにして、推定部38は、複数の候補駅を選択する。換言すれば、推定部38は、在圏セクタIDと一致する駅のセクタIDに対応付けられた駅、及び在圏セクタIDと一致する駅のセクタIDに対応付けられた路線と同一路線の駅のいずれでもない駅については、候補駅として選択しない。
【0069】
ここで、図4図6図8に示される例を用いて、複数の駅の抽出方法について説明する。図7に示される位置P1,P2,P3は、推定部38によって特定された位置情報であって鉄道による移動を示す位置情報が示す位置である。位置P1,P2,P3は、特定された位置情報が示す位置を時系列に並べた場合に、位置P1、位置P2、及び位置P3の順で配置されている。推定部38は、位置P1と位置P2とに外接する最小外接矩形である矩形領域R1を形成する。推定部38は、位置P2と位置P3とに外接する最小外接矩形である矩形領域R2を形成する。
【0070】
そして、推定部38は、形成した矩形領域R1,R2、及び駅情報サーバから取得した駅の位置情報に基づいて、複数の駅J1~J8を抽出する。具体的には、推定部38は、矩形領域R1内に位置する駅J1~J5を抽出し、矩形領域R2内に位置する駅J5~J8を抽出する。なお、駅J5は、矩形領域R1内及び矩形領域R2内に位置する。
【0071】
以下、矩形領域R1内に位置する駅J1~J5に着目して説明するが、矩形領域R2内に位置する駅J6~J8についても同様である。駅J1は、「千代田線国会議事堂前駅(以下、「国会議事堂前駅」という)」を示す。駅J2は、「銀座線溜池山王駅」を示す。駅J3は、「銀座線赤坂見附駅」を示す。駅J4は、「丸ノ内線赤坂見附駅」を示す。駅J3のホームと駅J4のホームとは、同一の空間で互いに隣り合っている。そして、この例では、駅J3及び駅J4の両方をカバーするセクタ「G」が存在している(詳細は後述)。駅J5は、「千代田線赤坂駅」を示す。
【0072】
そして、推定部38は、抽出した駅J1~J5から候補駅を選択する。図4図6図8に示される例では、ステップS15の処理によって特定された位置情報のうち、位置P1を示す位置情報に対応付けられた在圏セクタIDは「A」であって、位置P2を示す位置情報に対応付けられた在圏セクタIDは「G」である。図4に示されるように、駅のセクタID「A」に対応付けられた路線名及び駅名は、「銀座線溜池山王駅」であって、駅のセクタID「G」に対応付けられた路線名及び駅名は、「銀座線赤坂見附駅」である。
【0073】
したがって、図9に示されるように、推定部38は、複数の駅から、在圏セクタID「A」と一致する駅のセクタID「A」に対応付けられた路線名及び駅名(複数の駅に含まれる1の駅)が示す「銀座線溜池山王駅」を候補駅として選択する。また、推定部38は、在圏セクタID「G」と一致する駅のセクタID「G」に対応付けられた路線名及び駅名(複数の駅に含まれる1の駅)が示す駅「銀座線赤坂見附駅」を候補駅として選択する。
【0074】
更に、推定部38は、図4に示される対応表とは異なる丸ノ内線の対応表(図示せず)に基づいて、在圏セクタID「G」と一致する駅のセクタID「G」に対応付けられた路線名及び駅名(複数の駅に含まれる1の駅)が示す駅「丸ノ内線赤坂見附駅」を候補駅として選択する。なお、推定部38は、仮に、在圏セクタID「A」と一致する駅のセクタIDに対応付けられた路線と同一路線の駅、及び在圏セクタID「G」と一致する駅のセクタIDに対応付けられた路線と同一路線の駅が、複数の駅に更に含まれている場合、当該駅を候補駅として更に選択する。
【0075】
なお、推定部38は、選択した候補駅(「銀座線溜池山王駅」、「銀座線赤坂見附駅」、及び「丸ノ内線赤坂見附駅」)、及び候補駅の路線と同一の路線(「銀座線」及び「丸ノ内線」)の駅のいずれでもない駅である「千代田線国会議事堂前駅」及び「千代田線赤坂駅」については、候補駅として選択しない。
【0076】
続いて、推定部38は、移動経路の推定のために、複数の駅の間を移動する際の移動コストを算出する(ステップS18)。ここで、端末装置10の移動経路の推定方法の概要について説明する。
【0077】
推定部38は、鉄道の駅の交通網を表現したグラフ(図示せず)に基づいて、最短経路を探索する。そして、推定部38は、最短経路を端末装置10の移動経路として推定する。グラフは、グラフ理論(Graph theory)におけるグラフである。グラフは、ノード(節点、及び頂点等)の集合とエッジ(枝、及び辺等)の集合とによって構成される。ノードは駅に相当する。ノード間は、エッジであって、駅と駅との間に相当する。ノード間(エッジ)を移動する際の移動コストは、グラフの重みに基づく。重みは、端末装置10が駅間(エッジ)を移動するコスト(例えば、駅間の距離)が大きいほど大きくなる。推定部38は、エッジにおける重みの総和を、移動コストとして算出する。
【0078】
推定部38は、駅間を移動する際の移動コストを算出し、最短となる移動コストが算出される経路を最短経路として算出する。推定部38は、最短となる移動コストを、例えばダイクストラ法を用いて算出する。推定部38は、算出した最短経路を端末装置10の移動経路として推定する。
【0079】
本実施形態では、推定部38は、例えば、外部のサーバ(図示せず)から重みテーブルを取得し、重みテーブルに基づいて移動コストを算出する。
【0080】
図10に示されるように、重みテーブルは、パターン、駅名、及び重みを含む。駅名は、鉄道を利用するユーザが連続して移動し得る2つの駅を示す。パターンは、駅名が示す2つの駅の関係性の種類を示す。例えば、パターンは、「隣接駅」、「乗換駅」、及び「徒歩乗換駅」を含む。「隣接駅」は、「銀座線溜池山王駅~銀座線赤坂見附駅」等、同一の路線で隣り合う2つの駅を示す。「乗換駅」は、「銀座線新橋駅~東海道線新橋駅」等、路線を除いた駅名が同一であるが路線名が異なる2つの駅を示す。「徒歩乗換駅」は、「丸ノ内線東京駅~東西線大手町駅」等、互いに異なる駅名であるが、地下通路で互いにつながっている2つの駅、或いは徒歩数分以内の距離にある2つの駅を示す。
【0081】
図10に示される例では、「隣接駅」に対応する重みは、1であって、「乗換駅」に対応する重みは、8であって、「徒歩乗換駅」に対応する重みは、10である。重みテーブルは、例えば、路線名、駅名、隣接駅、及び乗換駅等を含む駅に関する情報に基づいて生成されて外部のサーバに格納されている。なお、重みテーブルは、経路推定装置30に記憶されていてもよい。
【0082】
ここで、推定部38は、移動コストを複数の候補駅が選ばれやすくなるように算出する。また、推定部38は、複数の端末データに含まれる在圏セクタIDが、複数の駅間データに含まれる駅間セクタIDと一致する場合、移動コストを、駅間セクタIDに対応する路線名及び駅名が示す隣り合う2つの駅が選ばれやすくなるように算出する。
【0083】
具体的には、推定部38は、候補駅に基づいて、重みテーブルに含まれる重みを更新する。推定部38は、例えば、重みテーブルにおいて、候補駅を含む駅名に対応する重みを減少させる。図4図6図10に示される例では、候補駅は、「銀座線溜池山王駅」、「銀座線赤坂見附駅」、及び「丸ノ内線赤坂見附駅」である。したがって、図11に示されるように、推定部38は、「銀座線溜池山王駅」を含む駅名「銀座線新橋駅~銀座線溜池山王駅」、及び「銀座線溜池山王駅~銀座線赤坂見附駅」に対応付けられた重みを1から0.5に更新する。
【0084】
「銀座線溜池山王駅」の場合と同様に、推定部38は、「銀座線赤坂見附駅」を含む「銀座線赤坂見附駅~銀座線青山一丁目駅」、並びに「丸ノ内線赤坂見附駅」を含む「丸ノ内線四ツ谷駅~丸ノ内線赤坂見附」及び「丸ノ内線赤坂見附駅~丸ノ内線国会議事堂前駅」に対応付けられた重みを1から0.5に更新する。
【0085】
推定部38は、ステップS15で特定した端末データに含まれる在圏セクタIDが、複数の駅間データに含まれる駅間セクタIDと一致する場合、重みテーブルに含まれる重みを更に更新する。具体的には、推定部38は、対応表に基づいて、駅間セクタIDに対応する路線名及び駅名が示す隣り合う2つの駅を含む駅名に対応付けられた重みを減少させる。
【0086】
図4に示される例を用いて説明すると、仮に、在圏セクタID「D」が、ステップS15で特定した端末データに更に含まれている場合、当該在圏セクタIDは、駅間データに含まれる駅間セクタID「D」と一致する。したがって、推定部38は、駅間セクタIDに対応する路線名及び駅名が示す隣り合う2つの駅を含む駅名「銀座線溜池山王駅~銀座線赤坂見附駅」に対応付けられた重みを1から0.5に減少させる。なお、推定部38は、重みの更新において、候補駅に基づいて「銀座線溜池山王駅~銀座線赤坂見附駅」」に対応付けられた重みをすでに1から0.5に減少させている場合、0.5から0.25に更新する等、更に重みを減少させてもよい。
【0087】
続いて、推定部38は、移動コストに基づいて経路探索を行うことにより、端末装置10の移動経路を推定する(ステップS19)。図4図6図11に示される例では、端末装置10は、銀座線溜池山王駅から銀座線表参道駅まで移動している。当該例では、銀座線赤坂見附駅及び丸ノ内線赤坂見附駅の両方をカバーするセクタ「G」が存在していることにより、銀座線赤坂見附駅及び丸ノ内線赤坂見附駅が候補駅として選択される。
【0088】
したがって、推定部38は、実際に端末装置10が移動していない「丸ノ内線四ツ谷駅~丸ノ内線赤坂見附」及び「丸ノ内線赤坂見附駅~丸ノ内線国会議事堂前駅」の重みを0.5に更新する。
【0089】
しかしながら、当該例では、推定部38は、実際に端末装置10が移動した銀座線溜池山王駅も候補駅として選択する。したがって、推定部38は、「銀座線新橋駅~銀座線溜池山王駅」、「銀座線溜池山王駅~銀座線赤坂見附駅」、及び「銀座線赤坂見附駅~銀座線青山一丁目駅」の重みを0.5に更新する。その結果、推定部38は、最短経路として、銀座線溜池山王駅から銀座線表参道駅までの経路を端末装置10の移動経路と推定する。
【0090】
以上のように、推定部38は、複数の駅データ、及び複数の駅間データに基づいて、端末装置10の移動経路を推定する。推定部38は、推定した端末装置10の移動経路の推定結果を、出力部39に出力する。
【0091】
続いて、出力部39が、推定部38から推定結果を受け取ると、例えば、外部のサーバに出力する(ステップS20)。
【0092】
図12に示される推定結果は、開始時刻、終了時刻、開始路線名、開始駅名、終了路線名、終了駅名、コスト、及び順番を含む。開始時刻は、端末装置10がノード(駅)間の移動を開始したと推定される時刻を示す。終了時刻は、端末装置10がノード間の移動を終了したと推定される時刻を示す。開始路線名は、始点のノードである駅の路線名を示す。開始駅名は、始点のノードである駅の駅名を示す。終了駅名は、終点のノードである駅の駅名を示す。終了路線名は、終点のノードである駅の路線名を示す。コストは、始点のノードから終点のノード(開始駅から終了駅)まで端末装置10が移動した移動コストを示す。順番は、端末装置10が移動した時系列の順番を示す。図13に示される例では、端末装置10は、順番「0」、「1」、及び「2」の順番で、「田園都市線双子玉川駅」から「銀座線赤坂見附駅」まで移動した推定結果が示されている。以上により、経路推定方法の一連の処理が終了する。
【0093】
以上説明した経路推定装置30では、鉄道の駅を示す路線名及び駅名と当該駅をカバーするセクタを示す駅のセクタIDとが対応付けられた複数の駅データ、及び端末の位置情報と位置情報が取得された際に端末が在圏していたセクタを示す在圏セクタIDとが対応付けられた複数の端末データに基づいて、端末装置10の移動経路が推定される。この構成においては、端末装置10の位置を示す情報に加えて、各駅をカバーするセクタID、及び端末の位置情報に対応付けられたセクタIDが考慮されて、端末装置10の移動経路が推定されるので、端末装置10の移動経路を精度良く推定できる。その結果、鉄道を利用するユーザの移動経路を高精度に推定することが可能となる。
【0094】
推定部38は、複数の端末データに含まれる位置情報に基づいて、端末装置10が通過した駅の候補である複数の駅を抽出し、複数の駅データに含まれる路線名及び駅名及び駅のセクタID、並びに在圏セクタIDに基づいて、抽出した複数の駅から複数の候補駅を選択し、複数の候補駅に基づいて経路探索を行うことにより、端末装置10の移動経路を推定する。この構成によれば、駅をカバーするセクタのセクタID、及び端末装置10の位置情報に対応付けられたセクタのセクタIDが考慮されて、端末装置10が取得した位置情報に基づいて抽出された複数の駅から候補駅が更に絞り込まれるため、端末装置10が実際に通過した可能性が高い駅を候補駅として選択することが可能となる。
【0095】
推定部38は、抽出した複数の駅から、在圏セクタIDと一致する駅のセクタIDに対応付けられた路線名及び駅名が示す駅を候補駅として選択する。上記構成によれば、端末装置10が実際に通過した可能性が高い駅を確実に候補駅として選択することが可能となる。
【0096】
推定部38は、抽出した複数の駅から、在圏セクタIDに一致する駅のセクタIDに対応付けられた路線名及び駅名が示す駅の路線と同一の路線の駅を候補駅として更に選択する。
【0097】
端末装置10が通過した全ての駅が、複数の端末データに基づいて形成される矩形領域内に位置するとは限らない。したがって、例えば、駅のセクタIDと在圏セクタIDとが一致する駅のみを候補駅として端末装置10の移動経路を推定した場合、実際には端末装置10が通過した駅が候補駅から漏れてしまい、端末装置10の移動経路が誤って推定されるおそれがある。一方で、ある路線の駅を端末装置10が通過した場合、当該端末装置10は当該路線の他の駅も通過した可能性が高いといえる。上記構成によれば、端末装置10が通過した全ての駅が、複数の端末データに基づいて形成される矩形領域内に位置していない場合であっても(すなわち、位置情報の欠損があったとしても)、端末装置10が通過した可能性が高い駅を候補駅として選択することが可能となる。
【0098】
推定部38は、複数の駅の間を移動する際の移動コストを、複数の候補駅が選ばれやすくなるように算出し、移動コストに基づいて経路探索を行うことにより、端末装置10の移動経路を推定する。この構成によれば、端末装置10が通過した可能性が高い各候補駅が端末装置10の移動経路として選ばれやすくなるため、端末装置10の移動経路の推定精度をより一層高めることが可能となる。
【0099】
例えば、丸ノ内線の赤坂見附駅及び銀座線の赤坂見附駅のように、2つの駅のホームが同一の空間で互いに隣り合っている場合、1つのセクタが2つの駅の共通のセクタとして2つの駅の両方をカバーしている場合がある。この場合、複数の駅データにおいて、駅のセクタIDに対応付けられた路線名及び駅名は、当該2つの駅を示すこととなる。その結果、位置情報に対応付けられた在圏セクタIDが当該共通のセクタである場合、当該2つの駅が候補駅として選択されるため、駅のセクタID及び在圏セクタIDのみによっては、当該2つの駅のうちいずれを端末装置10が通過したのかまで把握することはできない。
【0100】
そこで、上記構成では、各候補駅を含む複数の駅の間の移動コストに基づいて経路探索が行われるため、最終的に端末装置10の移動経路を絞り込むことができる。例えば、上述した2つの駅である第1駅及び第2駅に加えて、第1駅の隣の駅も候補駅として選択されている場合、第1駅及び第2駅のみならず当該隣の駅も考慮されて各駅間の移動コストが算出されるため、端末装置10が第1駅及び当該隣の駅を通過したと推定することが可能となる。
【0101】
つまり、上記構成では、位置情報が欠損している可能性が考慮されて、まず緩やかな条件(すなわち、駅のセクタIDと在圏セクタIDとが一致する駅、及び当該駅と同一の路線の駅を候補駅とする条件)をもって複数の候補駅が選択される。そして、各候補駅が考慮されて移動コストが算出されることによって、最終的な端末装置10の移動経路を絞り込むことができる。よって、経路推定装置30によれば、端末装置10の移動経路を精度良く推定できる。
【0102】
取得部37は、隣り合う2つの駅の間を示す路線名及び駅間名と駅間に設けられたセクタを示す駅間のセクタIDとが対応付けられたデータである複数の駅間データを更に取得し、推定部38は、複数の駅間データに更に基づいて、端末装置10の移動経路を推定する。この構成によれば、端末装置10が通過した駅間に関する情報が更に考慮されて端末装置10の移動経路が推定されるため、端末装置10の移動経路の推定精度をより高めることができる。
【0103】
推定部38は、複数の端末データに含まれる在圏セクタIDが、複数の駅間データに含まれる駅間のセクタIDと一致する場合、複数の駅の間を移動する際の移動コストを、駅間のセクタIDに対応する路線名及び駅間名が示す隣り合う2つの駅が選ばれやすくなるように算出し、移動コストに基づいて経路探索を行うことにより、端末装置10の移動経路を推定する。この構成によれば、駅間に設けられたセクタのセクタIDが考慮されて端末装置10の移動経路が推定されるため、端末装置10の移動経路の推定精度をより一層高めることができる。また、例えば、駅を示す位置情報が欠損している場合であっても、高精度な端末装置10の移動経路の推定を維持することが可能となる。
【0104】
経路推定装置30は、基地局セクタ情報、基地局20の位置情報、駅の位置情報、駅識別情報、及び端末装置10の在圏セクタ情報を取得する取得部31と、基地局セクタ情報、基地局20の位置情報、駅の位置情報、駅識別情報、及び端末装置10の在圏セクタ情報に基づいて、複数の駅データを生成する生成部32とを備える。この構成によれば、駅と当該駅に設けられたセクタのセクタIDとが対応付けられた駅データを確実に得ることができる。
【0105】
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されない。
【0106】
経路推定装置30は、物理的又は論理的に結合した1つの装置によって構成されていてもよく、互いに物理的又は論理的に分離している複数の装置によって構成されてもよい。例えば、経路推定装置30は、クラウドコンピューティングのようにネットワーク上に分散された複数のコンピュータによって実現されてもよい。以上のように、経路推定装置30の構成は、経路推定装置30の機能を実現し得るいかなる構成をも含み得る。
【0107】
経路推定装置30は、取得部31、生成部32、記憶部33、取得部34、判定部35、記憶部36、及び出力部39を備えていなくてもよい。この場合、取得部37は、例えば、駅データ、駅間データ、及び端末データを格納している外部のサーバから駅データ、駅間データ、及び端末データを取得してもよい。
【0108】
なお、上記実施形態の説明に用いられたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0109】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、及び割り振り(assigning)などがあるが、これらの機能に限られない。例えば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)又は送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0110】
例えば、本開示の一実施形態における経路推定装置30は、本開示の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図13は、本開示の一実施形態に係る経路推定装置30のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の経路推定装置30は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、及びバス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0111】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、及びユニットなどに読み替えることができる。経路推定装置30のハードウェア構成は、図に示された各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0112】
経路推定装置30における各機能は、プロセッサ1001及びメモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0113】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、及びレジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の経路推定装置30の各機能は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0114】
プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、及びデータなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、経路推定装置30の各機能は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理では、1つのプロセッサ1001によって実行される旨が説明されたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
【0115】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、及びRAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、又はメインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施形態に係る経路推定方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0116】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、及び磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバ、又はその他の適切な媒体であってもよい。
【0117】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の取得部31、取得部34、取得部37、及び出力部39などは、通信装置1004によって実現されてもよい。
【0118】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0119】
プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0120】
経路推定装置は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0121】
情報の通知は、本開示において説明された態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。
【0122】
本開示において説明された各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム、及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも1つに適用されてもよい。複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0123】
本開示において説明された各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、及びフローチャートなどにおいては、矛盾の無い限り、順序が入れ替えられてもよい。例えば、本開示において説明された方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0124】
情報等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。情報等は、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0125】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理されてもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0126】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0127】
本開示において説明された各態様/実施形態は単独で用いられてもよいし、組み合わせて用いられてもよいし、実行に伴って切り替えて用いられてもよい。所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的な通知に限られず、暗黙的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって)行われてもよい。
【0128】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に対して何ら制限的な意味を有しない。
【0129】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0130】
ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0131】
本開示において説明された情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0132】
なお、本開示において説明された用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えられてもよい。
【0133】
本開示において使用される「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0134】
本開示において説明された情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0135】
上述したパラメータに使用される名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示した数式等と異なる場合もある。
【0136】
本開示で使用される「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0137】
本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、及び「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0138】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head))によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0139】
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、及び「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0140】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0141】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、又は通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
【0142】
本開示における基地局は、ユーザ端末で読み替えられてもよい。例えば、基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(例えば、D3D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態が適用されてもよい。この場合、上述の基地局20が有する機能は端末装置10が有する構成とされてもよい。「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
【0143】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的或いは論理的であってもよく、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用される場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0144】
本開示において使用される「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0145】
本開示において使用される「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0146】
上記の各装置の構成における「部」が、「回路」、「デバイス」等に置き換えられてもよい。
【0147】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0148】
本開示において、例えば、英語での「a」、「an」、及び「the」のように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0149】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、及び「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0150】
10…端末装置(端末)、20…基地局、30…経路推定装置、31…取得部(第2取得部)、32…生成部、37…取得部(第1取得部)、38…推定部、A~I…セクタ、J1~J8…駅、P1,P2,P3…位置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13