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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】収容ボックス付板状体挟持部材
(51)【国際特許分類】
   F16B 2/06 20060101AFI20240314BHJP
   A47B 13/00 20060101ALI20240314BHJP
   A47B 17/04 20060101ALI20240314BHJP
   A47B 96/04 20060101ALI20240314BHJP
   B43M 99/00 20100101ALI20240314BHJP
   B65D 81/36 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
F16B2/06 A
A47B13/00 Z
A47B17/04
A47B96/04 B
B43M99/00 Z
B65D81/36 Q
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020161720
(22)【出願日】2020-09-28
(65)【公開番号】P2022054591
(43)【公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000152228
【氏名又は名称】株式会社内田洋行
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋田 美紀
(72)【発明者】
【氏名】立川 秀樹
【審査官】杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-095127(JP,A)
【文献】特開2013-174329(JP,A)
【文献】実開昭58-001821(JP,U)
【文献】特開2009-195524(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 2/06
B65D 81/36
A47B 13/00
A47B 17/04
A47B 96/04
B43M 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被挟持板状体の一方の面に当接する第1当接部及び物品を収容する収容ボックスを有する第1部材と、
上記被挟持板状体の他方の面に当接する第2当接部を有する第2部材と、
上記第1部材及び上記第2部材に複数の締結部材によって固定される連結部材とを備え、
上記第1部材と上記連結部材とは、第1部材及び連結部材の一方に設けた第1貫通孔と、第1部材及び連結部材の他方に設けた第1雌ネジ部に上記締結部材を締結することで固定され、
上記第2部材と上記連結部材とは、第2部材及び連結部材の一方に設けた第2貫通孔と、第2部材及び連結部材の他方に設けた第2雌ネジ部に上記締結部材を締結することで固定されるように構成されており、
少なくとも上記第1貫通孔は、長孔になっており、該長孔の上記締結部材の締結位置を上記被挟持板状体の厚さに合わせて調整し、上記第1当接部と上記第2当接部とで該被挟持板状体を挟み込んだ状態で載置面に載置可能に構成されている
ことを特徴とする収容ボックス付板状体挟持部材。
【請求項2】
請求項1に記載の収容ボックス付板状体挟持部材であって、
上記第2貫通孔も長孔になっており、該第2貫通孔及び上記第1貫通孔の上記締結部材の締結位置を上記被挟持板状体の厚さに合わせて調整し、上記第1当接部と上記第2当接部とで該被挟持板状体を挟み込むように構成されている
ことを特徴とする収容ボックス付板状体挟持部材。
【請求項3】
請求項2に記載の収容ボックス付板状体挟持部材であって、
上記第1部材と上記第2部材とは、同一形状の樹脂成形品よりなる
ことを特徴とする収容ボックス付板状体挟持部材。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の収容ボックス付板状体挟持部材であって、
上記連結部材には、テーブルの縁部を挟み込むクランプ部が設けられている
ことを特徴とする収容ボックス付板状体挟持部材。
【請求項5】
被挟持板状体の一方の面に当接する第1当接部及び物品を収容する収容ボックスを有する第1部材と、
上記被挟持板状体の他方の面に当接する第2当接部及びテーブルの周縁を挟み込むクランプ部を有し、上記第1部材に連結される連結部材とを備え、
上記第1部材と上記連結部材とは、第1部材及び連結部材の一方に設けた第1貫通孔と、第1部材及び連結部材の他方に設けた第1雌ネジ部に締結部材を締結することで固定されるように構成されており、
上記第1貫通孔は、長孔になっており、該長孔の上記締結部材の締結位置を上記被挟持板状体の厚さに合わせて調整し、上記第1当接部と上記第2当接部とで該被挟持板状体を挟み込んだ状態で、上記クランプ部により上記テーブルの周縁に固定可能に構成されている
ことを特徴とする収容ボックス付板状体挟持部材。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の収容ボックス付板状体挟持部材であって、
上記連結部材は、金属成形品よりなり、該連結部材に上記第1雌ネジ部が形成され、
上記第1部材に長孔よりなる上記第1貫通孔が形成されている
ことを特徴とする収容ボックス付板状体挟持部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブル等で用いられ、パネルなどの板状体を挟持可能な収容ボックス付板状体挟持部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内部空間を上向き開口部を通して上方に開放してなるボックス本体と、このボックス本体の上向き開口部に略水平な姿勢で蓋着された蓋体とを具備してなる多機能ボックスであって、ボックス本体が、パネルを起立姿勢で保持するためのパネル保持部を備えたものであり、蓋体が、パネル保持部に保持されたパネルの表面に近接又は当接する位置に配されたものである多機能ボックスは知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-95127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の収容ボックス付板状体挟持部材では、一対のボックス本体間の距離が一定のため、所定の厚さ内の板状体しか安定的に起立状態で保持できないという問題がある。また、被挟持板状体を起立していない状態では、挟持部が空いたままで、外観上好ましくない。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、厚さの異なる被挟持板状体を安定して保持できるようにすることと、被挟持板状体を挟持しているか、していないかに係わらず、外観上の美観を維持できることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、第1の発明では、
被挟持板状体の一方の面に当接する第1当接部及び物品を収容する収容ボックスを有する第1部材と、
上記被挟持板状体の他方の面に当接する第2当接部を有する第2部材と、
上記第1部材及び上記第2部材に複数の締結部材によって固定される連結部材とを備え、
上記第1部材と上記連結部材とは、第1部材及び連結部材の一方に設けた第1貫通孔と、第1部材及び連結部材の他方に設けた第1雌ネジ部に上記締結部材を締結することで固定され、
上記第2部材と上記連結部材とは、第2部材及び連結部材の一方に設けた第2貫通孔と、第2部材及び連結部材の他方に設けた第2雌ネジ部に上記締結部材を締結することで固定されるように構成されており、
少なくとも上記第1貫通孔は、長孔になっており、該長孔の上記締結部材の締結位置を上記被挟持板状体の厚さに合わせて調整し、上記第1当接部と上記第2当接部とで該被挟持板状体を挟み込んだ状態で載置面に載置可能に構成されている。
【0007】
上記の構成によると、第1貫通孔の長孔を用いて締結部材の締結位置を調整することで、被挟持板状体の厚さに合わせて第1当接部と第2当接部との間の距離を容易に調整でき、第1当接部と第2当接部との間に被挟持板状体を安定して保持することができる。
【0008】
第2の発明では、第1の発明において、
上記第2貫通孔も長孔になっており、該第2貫通孔及び上記第1貫通孔の上記締結部材の締結位置を上記被挟持板状体の厚さに合わせて調整し、上記第1当接部と上記第2当接部とで該被挟持板状体を挟み込むように構成されている。
【0009】
上記の構成によると、両側から長さ調整できるので、挟める被挟持板状体の厚さの範囲を拡げることができる。
【0010】
第3の発明では、第2の発明において、
上記第1部材と上記第2部材とは、同一形状の樹脂成形品よりなる。
【0011】
上記の構成によると、同一金型で低コストで製造でき、部品の管理も容易で、見映えもよくなる。
【0012】
第4の発明では、第1から第3のいずれか1つの発明において、
上記連結部材には、上記テーブルの縁部を挟み込むクランプ部が設けられている。
【0013】
上記の構成によると、テーブルの縁部に確実に固定できるので、被挟持板状体がさらに安定する。
【0014】
第5の発明では、
被挟持板状体の一方の面に当接する第1当接部及び物品を収容する収容ボックスを有する第1部材と、
上記被挟持板状体の他方の面に当接する第2当接部及びテーブルの周縁を挟み込むクランプ部を有し、上記第1部材に連結される連結部材とを備え、
上記第1部材と上記連結部材とは、第1部材及び連結部材の一方に設けた第1貫通孔と、第1部材及び連結部材の他方に設けた第1雌ネジ部に締結部材を締結することで固定されるように構成されており、
上記第1貫通孔は、長孔になっており、該長孔の上記締結部材の締結位置を上記被挟持板状体の厚さに合わせて調整し、上記第1当接部と上記第2当接部とで該被挟持板状体を挟み込んだ状態で、上記クランプ部により上記テーブルの周縁に固定可能に構成されている。
【0015】
上記の構成によると、第1貫通孔の長孔を用いて締結部材の締結位置を調整することで、被挟持板状体の厚さに合わせて第1当接部と第2当接部との間の距離を容易に調整できる。さらに、連結部材に設けたクランプ部でテーブルの周縁に平行に固定することでテーブル面を広く使うことができつつ、第1当接部と第2当接部との間に被挟持板状体を安定して確実に保持することができる。
【0016】
第6の発明では、第1から第5のいずれか1つの発明において、
上記連結部材は、金属成形品よりなり、該連結部材に上記第1雌ネジ部が形成され、
上記第1部材に長孔よりなる上記第1貫通孔が形成されている。
【0017】
上記の構成によると、連結部材を金属成形品で構成することで、剛性を確保しながら、重量も確保できるので、被挟持板状体をさらに安定して保持することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、簡単な構成で、厚さの異なる様々な板状体を安定して保持できる。また、被挟持板状体を挟持しているか、していないかに係わらず、外観上の美観を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A】実施形態1に係る収容ボックス付板状体挟持部材が透明パネルを挟持した状態を示す斜視図である。
図1B】実施形態1に係る収容ボックス付板状体挟持部材が透明パネルを挟持した状態を示す正面図である。
図1C】実施形態1に係る収容ボックス付板状体挟持部材が透明パネルを挟持した状態を示す側面図である。
図1D】実施形態1に係る収容ボックス付板状体挟持部材が透明パネルを挟持した状態を示す上面図である。
図2A】実施形態1に係る収容ボックス付板状体挟持部材を上方から見た分解斜視図である。
図2B】実施形態1に係る収容ボックス付板状体挟持部材を下方から見た分解斜視図である。
図3A】実施形態1に係る収容ボックス付板状体挟持部材のパネル非装着時を上方から見た斜視図である。
図3B】実施形態1に係る収容ボックス付板状体挟持部材のパネル非装着時を下方から見た斜視図である。
図3C】実施形態1に係る収容ボックス付板状体挟持部材のパネル非装着時を側方から見た側面図である。
図4A】実施形態1に係る収容ボックス付板状体挟持部材のパネル装着時を上方から見た斜視図である。
図4B】実施形態1に係る収容ボックス付板状体挟持部材のパネル装着時を下方から見た斜視図である。
図4C】実施形態1に係る収容ボックス付板状体挟持部材のパネル装着時を側方から見た側面図である。
図5A】実施形態1の変形例に係る収容ボックス付板状体挟持部材が透明パネルを挟持した状態を示す斜視図である。
図5B】実施形態1の変形例に係る収容ボックス付板状体挟持部材が透明パネルを挟持した状態を示す正面図である。
図5C】実施形態1の変形例に係る収容ボックス付板状体挟持部材が透明パネルを挟持した状態を示す左側面図である。
図6A】実施形態1の変形例に係る収容ボックス付板状体挟持部材を上方から見た分解斜視図である。
図6B】実施形態1の変形例に係る収容ボックス付板状体挟持部材のパネル装着時を上方から見た斜視図である。
図7A】実施形態2に係る収容ボックス付板状体挟持部材が透明パネルを挟持した状態を示す斜視図である。
図7B】実施形態2に係る収容ボックス付板状体挟持部材が透明パネルを挟持した状態を示す正面図である。
図7C】実施形態2に係る収容ボックス付板状体挟持部材が透明パネルを挟持した状態を示す左側面図である。
図7D】実施形態2に係る収容ボックス付板状体挟持部材が透明パネルを挟持した状態を示す上面図である。
図8A】実施形態2に係る収容ボックス付板状体挟持部材のパネル装着時を拡大して上方から見た斜視図である。
図8B】実施形態2に係る収容ボックス付板状体挟持部材のパネル装着時を拡大して下方から見た斜視図である。
図9A】実施形態2に係る収容ボックス付板状体挟持部材を拡大して上方から見た分解斜視図である。
図9B】実施形態2に係る収容ボックス付板状体挟持部材を拡大して下方から見た分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
(実施形態1)
図1A図4Cは本発明の実施形態1の収容ボックス付板状体挟持部材10を示し、この収容ボックス付板状体挟持部材10は、第1部材1、第2部材2及び連結部材3を備えている。
【0022】
第1部材1は、被挟持板状体としての、例えば透明パネル50の一方の面に当接する第1当接部1a及び物品を収容する収容ボックス1bを有する。収容ボックス1bは、例えば、スマートフォン、モバイルタブレットなどを立てかけられる大きさ及び強度を有する上方が開口した箱形状で、この収容ボックス1bの背面側に第1当接部1aが連続して上方に立ち上がり、その背面側に平坦な当接部が形成されている。本実施形態では、当接部は、リブで形成されているが、このリブに滑り止めのために滑りにくい部材が貼り付けられていたり、小さな凹凸があったりしてもよい。また、当接部は、リブではなく、ある程度の面積を有する平面で構成されていてもよい。収容ボックス1bの形状は特に限定されず、蓋付きでもよいし、手前側に開口があってもよい。
【0023】
被挟持板状体の厚さと材質は、特に限定されないが、ここでは、例えば、飛沫防止用透明部材である透明パネル50とする。
【0024】
同様に、第2部材2は、透明パネル50の他方の面に当接する第2当接部2aを有する。第2部材2も同様に第2収容ボックス2bを備えており、第2当接部2aは、第2収容ボックス2bの背面側を上方に延長した構成となっている。本実施形態では、第1部材1と第2部材2とは、同一形状の樹脂成形品よりなる。このため、同一金型で低コストで製造でき、部品の管理も容易で、見映えもよくなる。なお、第1部材1と第2部材2とを異なる形状の樹脂成形品等で構成してもよく、第2部材2側には、第2収容ボックス2bがなくてもよい。また、第1部材1及び第2部材2を金属製部材で構成してもよい。
【0025】
連結部材3は、例えば、鋼板のプレス成形品よりなり、連結部材3は、底面が平坦で、安定性を有するためにある程度の長さ、幅及び質量が確保された平面視で長細い矩形状で溝形断面の連結部材本体3aを有する。この連結部材本体3aから幅方向に水平に二対のボックス取付部3bが延びている。これらのボックス取付部3bに、対応する第1雌ネジ部3c又は第2雌ネジ部3dが形成されている。本実施形態では、一対のボックス取付部3b間に収容ボックス1b,2bを支持するための幅の広いボックス支持部3eが設けられていている。なお、連結部材を鋳造などの成型品で構成してもよい。
【0026】
一方、第1部材1及び第2部材2には、ボックス取付部3bが挿入される一対の取付部挿入口1d,2dと、ボックス支持部3eの周縁が挿入される一対の支持部挿入用切欠1e,2eとがそれぞれ形成されている。
【0027】
連結部材3の幅方向両側の二対のボックス取付部3bを第1部材1及び第2部材2の取付部挿入口1d,2dにそれぞれ挿通すると共に、左右両側の一対のボックス支持部3eを第1部材1及び第2部材2の支持部挿入用切欠1e,2eにそれぞれ挿通することで、連結部材3と第1部材1及び第2部材2とが仮止めされるようになっている。
【0028】
そして、第1及び第2雌ネジ部3c,3dを利用して、第1部材1及び第2部材2に複数の化粧ネジ4によって固定されるように構成されている。なお、本実施形態では、ボックス取付部3bが二対合計4本と一対のボックス支持部3eが設けられているが、これに限定されず、例えば、幅の広い一対のボックス取付部3bのみで構成してもよい。
【0029】
第1部材1と連結部材3とは、第1部材1に設けた第1貫通孔1cと、連結部材3に設けた第1雌ネジ部3cに締結部材としての化粧ネジ4を締結することで固定される。同様に、第2部材2と連結部材3とは、第2部材2に設けた第2貫通孔2cと、連結部材3に設けた第2雌ネジ部3dに化粧ネジ4を締結することで固定される。
【0030】
化粧ネジ4は、手で摘まんで回せるように適度な外径のロゼッタ状のツマミ部が設けられている。化粧ネジ4は、下方から締め付けるようにしているが、上方から締め付けできるようにしてもよい。しかし、下方から締め付ける方が、見映えがよく、収容ボックス1b,2b内の収容物の邪魔にならないので有利である。
【0031】
そして、第1貫通孔1cは、第1部材1の幅方向に延びる長孔になっており、この長孔の化粧ネジ4の締結位置を透明パネル50の厚さに合わせて調整し、第1当接部1aと第2当接部2aとで、この透明パネル50を挟み込んだ状態で載置面に載置可能に構成されている。
【0032】
しかも本実施形態では、第2貫通孔2cも第2部材2の幅方向に延びる長孔になっており、この第2貫通孔2c及び第1貫通孔1cの化粧ネジ4の締結位置を透明パネル50の厚さに合わせて調整し、第1当接部1aと第2当接部2aとでこの透明パネル50を挟み込むように構成されている。
【0033】
本実施形態では、強度の高い金属成形品の連結部材3側に第1及び第2雌ネジ部3c,3dが形成され、成形の容易な樹脂成形品側の第1部材1及び第2部材2側に長孔よりなる第1及び第2貫通孔1c,2cがそれぞれ形成されている。
【0034】
次に、本実施形態に係る収容ボックス付板状体挟持部材10の使用方法について説明する。
【0035】
まず、図2A及び図2Bに示す、分解された状態から、連結部材3の二対のボックス取付部3bを第1部材1及び第2部材2の取付部挿入口1d,2dにそれぞれ挿通すると共に、左右両側のボックス支持部3eを第1部材1及び第2部材2の支持部挿入用切欠1e,2eにそれぞれ挿通し、連結部材3と第1部材1及び第2部材2とを仮止めする。
【0036】
次いで、挟持する透明パネル50等の被挟持板状体の厚さに合わせて化粧ネジ4の第1貫通孔1c及び第2貫通孔2cにおける締結位置を調整して締結する。
【0037】
そして、図4A及び図4Bのように、第1当接部1aと第2当接部2aとの間の距離を調整した状態で、机やテーブルなどの天板の載置面に載置する。
【0038】
この状態で、第1当接部1aと第2当接部2aとの間に透明パネル50等を挟み込む。透明パネル50にぐらつき等があれば、化粧ネジ4の位置を変更するなどにより、微調整する。
【0039】
このように、本実施形態では、第1貫通孔1c及び第2貫通孔2cの長孔を用いて化粧ネジ4の締結位置を調整することで、透明パネル50の厚さに合わせて第1当接部1aと第2当接部2aとの間の距離を容易に調整でき、第1当接部1aと第2当接部2aとの間に透明パネル50を安定して保持することができる。特に、第1部材1及び第2部材2の両方に長孔を設け、両側から長さ調整できるので、挟める透明パネル50等の被挟持板状体の厚さの範囲を拡げることができる。
【0040】
また、本実施形態では、連結部材3を金属成形品で構成することで、剛性を確保しながら、重量も確保できるので、透明パネル50をさらに安定して保持することができる。
【0041】
さらに、本実施形態では、飛沫感染を防止しながら会話等が可能になる飛沫防止用の透明パネル50等を好みの場所に簡単に設置することができる。このため、例えば、対面で着席する人物間で、飛沫防止、目隠し等の効果が得られる。
【0042】
したがって、本実施形態に係る収容ボックス付板状体挟持部材10によると、簡単な構成で、厚さの異なる被挟持板状体を安定して保持できる。また、透明パネル50を挟持してないときには、第1当接部1aと第2当接部2aとの間を適度に詰めればよいので、挟持しているか、していないかに係わらず、外観上の美観を維持できる。
【0043】
-変形例-
図5A図6Bは、本発明の実施形態1の変形例に係る収容ボックス付板状体挟持部材10’を示し、連結部材3'の形状及び機能が異なる点で実施形態と異なる。なお、以下の変形例及び実施形態2では、図1A図4Cと同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0044】
本変形例の連結部材3’には、テーブル51の縁部を挟み込むクランプ部3f’が設けられている。クランプ部3f’は、連結部材本体3aの長手方向一方側から延長され、下方に折り曲げられてテーブル51の周縁を挿入可能な形状となっている。例えば、クランプ部3f’は、連結部材3’をプレス成形するときに一体に成形するとよい。
【0045】
クランプ部3f’の折れ曲がった先の先端部には、幅方向に間隔を開けてクランプ用雌ネジ部3g’が形成されている。
【0046】
そして、上記実施形態1と同様にして透明パネル50を挟持し、図5Bに示すように、テーブル51の周縁を挿入した状態で、クランプ用雌ネジ部3g’にクランプ用化粧ネジ5を締結することで、収容ボックス付板状体挟持部材10’がテーブル51の確実に固定される。
【0047】
この固定状態で、透明パネル50は、テーブル51の周縁の延びる方向に対して垂直に保持されている。このため、例えば、対面で着席する人物間で、飛沫防止、目隠し等の効果が容易に得られる。
【0048】
本実施形態では、収容ボックス付板状体挟持部材10’をテーブル51に確実に固定できるので、透明パネル50がさらに安定する。
【0049】
(実施形態2)
図7A図9Bは本発明の実施形態2を示し、第2部材2及び連結部材3が1つの連結部材103で構成されている点で実施形態1と異なる。
【0050】
本実施形態の収容ボックス付板状体挟持部材110も上記実施形態1と同様の第1部材1を有する。
【0051】
本実施形態では、第2部材2が存在せず、収容ボックスは、第1部材1側のみに設けられている。その代わりに、透明パネル50の他方の面に当接する第2当接部102a及びテーブル51の周縁を挟み込むクランプ部103fを有し、第1部材1に連結される連結部材103が設けられている。
【0052】
本実施形態の連結部材103は、上記実施形態1の連結部材3と同様の一対のボックス取付部3bと、その間のボックス支持部3eとを備えている。これらは、実施形態1と同様に、第1部材1の取付部挿入口1d及び支持部挿入用切欠1eにそれぞれ挿入されるようになっている。
【0053】
第1部材1と連結部材103とは、第1部材1に設けた第1貫通孔1cと、連結部材103に設けた第1雌ネジ部3cに化粧ネジ4を締結することで固定されるように構成されている。
【0054】
実施形態1と同様に第1貫通孔1cは、長孔になっており、この長孔の化粧ネジ4の締結位置を透明パネル50の厚さに合わせて調整し、第1当接部1aと第2当接部102aとでこの透明パネル50を挟み込んだ状態で、クランプ部103fによりテーブル51の周縁に収容ボックス付板状体挟持部材110を固定可能に構成されている。
【0055】
この固定状態で、図7Cに示すように、透明パネル50は、テーブル51の周縁の延びる方向に対して平行に保持されている。このため、例えば、側方に着席する人物等との間で、飛沫防止、目隠し等の効果が得られる。また、連結部材103に設けたクランプ部103fでテーブル51の周縁に平行に固定することでテーブル面を広く使うことができつつ、第1当接部1aと第2当接部102aとの間に透明パネル50を安定して確実に保持することができる。
【0056】
本実施形態でも、第1貫通孔1cの長孔を用いて化粧ネジ4の締結位置を調整することで、透明パネル50の厚さに合わせて第1当接部1aと第2当接部102aとの間の距離を容易に調整できる。さらに、第2部材2に設けたクランプ部103fにクランプ用化粧ネジ5を締結してテーブル51の周縁に固定することで、第1当接部1aと第2当接部102aとの間に透明パネル50を安定して確実に保持することができる。
【0057】
本実施形態の収容ボックス付板状体挟持部材110は、その背面側にスペースがない場合で、テーブル等に固定する場合に便利である。
【0058】
したがって、本実施形態に係る収容ボックス付板状体挟持部材110においても、簡単な構成で、厚さの異なる被挟持板状体を安定して保持できる。
【0059】
(その他の実施形態)
本発明は、上記各実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0060】
すなわち、実施形態1では、第1部材1及び第2部材2側に長孔を設けているが、これらを雌ネジ部にし、連結部材3側を長孔にしてもよい。また実施形態2においても、第1部材1側に長孔を設けているが、これらを雌ネジ部にし、連結部材103側を長孔にしてもよい。但し、いずれの場合でも、金属部材の方に雌ネジ部を設ける方が、強度面で有利ではある。
【0061】
上記各実施形態では、被挟持板状体は、透明パネルに限定されず、半透明、不透明の目隠し用ボード、手元を隠す不透明部材、マグネット等で書類を貼る金属板、ピンナップ等が可能な木質(例えば、コルク)部材、収容ボックスをマーカー/ラーフル置きとしたホワイトボード、液晶パネル、タブレットなど、ある程度剛性のある起立可能な板状のものであれば特に限定されない。被挟持板状体のサイズや厚さに合わせて第1貫通孔1c及び第2貫通孔2cの長孔の長さや、全体の重さを調整するとよい。
【0062】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【符号の説明】
【0063】
1 第1部材
1a 第1当接部
1b 収容ボックス
1c 第1貫通孔
1d 取付部挿入口
1e 支持部挿入用切欠
2 第2部材
2a 第2当接部
2b 第2収容ボックス
2c 第2貫通孔
3,3’ 連結部材
3a 連結部材本体
3b ボックス取付部
3c 第1雌ネジ部
3d 第2雌ネジ部
3e ボックス支持部
3f’ クランプ部
3g’ クランプ用雌ネジ部
4 化粧ネジ
5 クランプ用化粧ネジ
10,10’ 収容ボックス付板状体挟持部材
50 透明パネル(被挟持板状体)
51 テーブル
102a 第2当接部
103 連結部材
103f クランプ部
110 収容ボックス付板状体挟持部材
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図9A
図9B