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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】光学ユニット
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/265 20180101AFI20240314BHJP
   F21S 41/148 20180101ALI20240314BHJP
   F21S 41/151 20180101ALI20240314BHJP
   F21S 41/26 20180101ALI20240314BHJP
   F21S 41/675 20180101ALI20240314BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20240314BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20240314BHJP
   F21W 102/13 20180101ALN20240314BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240314BHJP
【FI】
F21S41/265
F21S41/148
F21S41/151
F21S41/26
F21S41/675
F21V5/00 320
F21V5/04 200
F21V5/04 350
F21V5/04 400
F21W102:13
F21Y115:10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020563088
(86)(22)【出願日】2019-12-13
(86)【国際出願番号】 JP2019049022
(87)【国際公開番号】W WO2020137636
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-09-21
(31)【優先権主張番号】P 2018241018
(32)【優先日】2018-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018241019
(32)【優先日】2018-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018241016
(32)【優先日】2018-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018241017
(32)【優先日】2018-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 一利
(72)【発明者】
【氏名】田中 秀忠
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-067523(JP,A)
【文献】特開2018-195447(JP,A)
【文献】特開2015-035337(JP,A)
【文献】特開2013-134971(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/265
F21S 41/148
F21S 41/151
F21S 41/26
F21S 41/675
F21V 5/00
F21V 5/04
F21W 102/13
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子を有する第1の光源と、
第2の光源と、
前記複数の発光素子から出射した第1の光を反射しながら回転軸を中心に回転し、前記第1の光を走査する回転リフレクタと、
前記回転リフレクタで反射された第1の光を光学ユニットの光照射方向に第1の配光パターンとして投影する投影レンズと、を備え、
前記第2の光源は、出射した第2の光が前記回転リフレクタで反射されずに前記投影レンズに入射するように配置されており、
前記第1の配光パターンは、前記第1の光の走査方向と交差する方向に並んで形成される複数の部分パターンを含み、
前記投影レンズは、前記第1の光が入射する第1の入射領域および前記第2の光が入射する第2の入射領域を含む入射面と、前記第1の光を主として上下方向に拡散する出射面を有し、前記第1の配光パターンの左右方向の端部と重畳するように、前記第2の光を光学ユニットの光照射方向に第2の配光パターンとして投影するように構成されており、
前記第2の入射領域は、前記第2の光を主として左右方向に拡散する左右拡散部が形成されており、
前記左右拡散部は、前記第2の入射領域よりも面積が狭いことを特徴とする光学ユニット。
【請求項2】
前記出射面は、前記第1の光および前記第2の光が出射するものであり、前記第1の光および前記第2の光を主として上下方向に拡散する上下拡散部が形成されていることを特徴とする請求項に記載の光学ユニット。
【請求項3】
第1の光源と、
第2の光源と、
前記第1の光源から出射した第1の光を反射しながら回転軸を中心に回転する回転リフレクタと、
前記回転リフレクタで反射された第1の光を光学ユニットの光照射方向に第1の配光パターンとして投影する投影レンズと、を備え、
前記第2の光源は、出射した第2の光が前記回転リフレクタで反射されずに前記投影レンズに入射するように配置されており、
前記投影レンズは、前記第1の光が入射する第1の入射領域と前記第2の光が入射する第2の入射領域とを含む入射面を有し、前記第1の配光パターンの左右方向の端部と重畳するように、前記第2の光を光学ユニットの光照射方向に第2の配光パターンとして投影するように構成されており、
前記第2の入射領域は、前記第2の光を主として左右方向に拡散する左右拡散部が形成されており、
前記左右拡散部は、前記第2の入射領域よりも面積が狭いことを特徴とする光学ユニット。
【請求項4】
前記投影レンズは、
前記第1の光および前記第2の光が出射する出射面を更に有し、
前記出射面は、前記第1の光および前記第2の光を主として上下方向に拡散する上下拡散部が形成されていることを特徴とする請求項に記載の光学ユニット。
【請求項5】
前記第1の入射領域は、非拡散部であることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の光学ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光源から出射した光を車両前方に反射し、その反射光で車両前方の領域を走査することで所定の配光パターンを形成する装置が考案されている。例えば、光源から出射した光を反射しながら回転軸を中心に一方向に回転する回転リフレクタと、発光素子からなる光源と、を備え、回転リフレクタは、回転しながら反射した光源の光が所望の配光パターンを形成するよう反射面が設けられている光学ユニットが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この光学ユニットは、第1の光源と、第2の光源と、第1の光源から出射した第1の光を反射しながら回転軸を中心に回転する回転リフレクタと、回転リフレクタで反射された第1の光を光学ユニットの光照射方向に投影する投影レンズと、を備える。第2の光源は、出射した第2の光が回転リフレクタで反射されずに投影レンズに入射するように配置されており、投影レンズは、第2の光を光学ユニットの光照射方向に投影する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-67523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(1)ところで、前述の光学ユニットが形成するハイビーム用配光パターンは、集光配光パターンと、拡散配光パターンとが合成されたものである。そのため、拡散配光パターンが集光配光パターンと重複している領域の境界が目立つ可能性がある。
【0006】
(2)また、前述の光学ユニットが形成するハイビーム用配光パターンは、集光配光パターンと、拡散配光パターンとが合成されたものである。拡散配光パターンは、主として集光配光パターンの外側領域を照射することで、ハイビーム用配光パターンの照射領域を広げることができる。
【0007】
(3)また、前述の光学ユニットが有する第1の光源は、アレイ状に配列された複数の発光モジュールを備えており、各発光モジュールの発光面側には、各発光面に対応する複数のレンズ部からなる集光用レンズが配置されている。また、前述の光学ユニットが形成する集光配光パターンは、集光用レンズの発光面(光出射面)のパターンに対応しているため、照射領域を広げるためには集光用レンズの発光面自体を広げる必要がある。
【0008】
(4)また、前述の光学ユニットが有する第1の光源は、アレイ状に配列された複数の発光モジュールを備えており、各発光モジュールの発光面側には、各発光面に対応する複数のレンズ部からなる集光用レンズが配置されている。
【0009】
しかしながら、複数のレンズ部が互いに近接しているため、発光モジュールから出射する光の一部が隣接する発光モジュールに対応するレンズ部へ入射することでグレアが発生する一因となる。
【0010】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、(1)その例示的な目的のひとつは、違和感の少ない配光パターンの形成に寄与する新たな技術を提供することにある。
【0011】
(2)また、その例示的な目的の他のひとつは、配光パターンの照射領域を広げつつ、最大光度を高めることが可能な新たな技術を提供することにある。
【0012】
(3)また、その例示的な目的の他のひとつは、光学部材の構成を工夫することで配光パターンの照射領域を広げることである。
【0013】
(4)また、その例示的な目的の他のひとつは、グレアの発生を抑える新たな光学部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(1)上記課題を解決するために、本発明のある態様の光学ユニットは、第1の光源と、第2の光源と、第1の光源から出射した第1の光を反射しながら回転軸を中心に回転する回転リフレクタと、回転リフレクタで反射された第1の光を光学ユニットの光照射方向に第1の配光パターンとして投影する投影レンズと、を備える。第2の光源は、出射した第2の光が回転リフレクタで反射されずに投影レンズに入射するように配置されている。投影レンズは、第1の配光パターンの左右方向の端部と重畳するように、第2の光を光学ユニットの光照射方向に第2の配光パターンとして投影するように構成されており、第2の光を主として左右方向に拡散する左右拡散部が該投影レンズの一部に形成されている。
【0015】
この態様によると、第1の配光パターンの左右方向の端部と重畳する第2の配光パターンとして投影される第2の光が、投影レンズの一部に形成されている左右拡散部で左右方向に拡散されるので、第1の配光パターンと第2の配光パターンとが重畳する部分の境界が目立たなくなる。
【0016】
投影レンズは、第1の光が入射する第1の入射領域と第2の光が入射する第2の入射領域とを含む入射面を有してもよい。第2の入射領域は、左右拡散部が形成されていてもよい。これにより、第1の配光パターンと第2の配光パターンとで拡散具合を異ならせることができる。
【0017】
左右拡散部は、第2の入射領域よりも面積が狭い。これにより、第2の入射領域の全てに左右拡散部を形成した場合と比較して、拡散による第2の配光パターンの光度の低下を抑制できる。
【0018】
投影レンズは、第1の光および第2の光が出射する出射面を更に有してもよい。出射面は、第1の光および第2の光を主として上下方向に拡散する上下拡散部が形成されていてもよい。このように、上下拡散部を出射面に、左右拡散部を入射面に別々に形成することで、光が通過する領域毎に上下左右の拡散具合を異ならせることができる。
【0019】
第1の入射領域は、非拡散部であってもよい。これにより、第1の配光パターンは上下方向にのみ拡散させることができる。
【0020】
(2)本発明のある態様の光学ユニットは、第1の光源と、複数の発光素子を有する第2の光源と、第1の光源から出射した第1の光を反射しながら回転軸を中心に回転する回転リフレクタと、回転リフレクタで反射された第1の光を光学ユニットの光照射方向に第1の配光パターンとして投影する投影レンズと、第2の光源から出射した第2の光の光路を回転リフレクタに向かわないように変化させて投影レンズに向かわせる光学部材と、を備える。投影レンズは、第1の配光パターンの左右方向の外側領域を照射するように、第2の光を光学ユニットの光照射方向に第2の配光パターンとして投影するように構成されており、光学部材は、複数の発光素子のそれぞれが発する各素子光により形成される部分配光パターンが重畳することで第2の配光パターンが形成されるように構成されている。
【0021】
この態様によると、第2の配光パターンの最大光度を高めることができる。
【0022】
光学部材は、複数の発光素子のそれぞれが発する各素子光の光路を別々に制御する光制御面を有してもよい。これにより、一つの光学部材で複数の発光素子の光路を別々に制御できる。
【0023】
光制御面は、複数の発光素子の一方から出射した第2の光が入射する第1の光制御面と、第1の光制御面と異なる、複数の発光素子の他方から出射した第2の光が入射する第2の光制御面と、を含む入射面を有してもよい。これにより、複数の発光素子から出射した各光の光路を別々に制御できる。なお、第1の光制御面と第2の光制御面は、一部が重複していてもよい。
【0024】
第1の光制御面および第2の光制御面は、上下方向に並んで配置されていてもよい。これにより、例えば、光学ユニットの幅を抑えることができる。
【0025】
光制御面は、第1の光制御面から入射した第2の光と第2の光制御面から入射した第2の光とが共に出射する連続した第3の光制御面としての出射面を有してもよい。これにより、第1の光制御面から入射した第2の光も第2の光制御面から入射した第2の光も、共通の出射面である第3の光制御面から出射するため、出射面の設計が容易となる。
【0026】
第2の光源は、光学部材を透過した第2の光が、第1の光が投影レンズに入射する領域よりも外側の領域に入射するように配置されていてもよい。これにより、第2の配光パターンは、第1の配光パターンの左右方向の外側領域に投影される。
【0027】
本発明の別の態様もまた、光学ユニットである。この光学ユニットは、複数の発光素子を有する光源と、光源から出射した光を光学ユニットの光照射方向に配光パターンとして投影する第1のレンズと、光源から出射した光の光路を第1のレンズに向かわせる第2のレンズと、を備える。第2のレンズは、複数の発光素子のそれぞれが発する各素子光により形成される部分配光パターンが重畳することで配光パターンが形成されるように構成されている。
【0028】
この態様によると、発光素子の性能を向上しなくても配光パターンの最大光度を高めることができる。
【0029】
(3)本発明のある態様の光学ユニットは、複数の発光素子がアレイ状に配列されている光源と、複数の発光素子のそれぞれに対応する複数の第1のレンズを有し、光源から出射した光を集光する光学部材と、光学部材を透過した光を光学ユニットの光照射方向に配光パターンとして投影する第2のレンズと、を備える。複数の第1のレンズのうち少なくとも一つは、対応する発光素子の発光面の正面に位置する集光レンズ部と、発光面から斜めに出射した光が入射し該第1のレンズの正面に向けて出射することで該第1のレンズの発光領域を拡張する拡張レンズ部を有する。
【0030】
この態様によると、拡張レンズ部により第1のレンズの発光領域が拡張するため、配光パターンの照射領域を広げることができる。
【0031】
拡張レンズ部は、フレネルレンズであってもよい。これにより、拡張レンズ部を薄くできる。
【0032】
拡張レンズ部は、入射した光を第1のレンズの正面に向けて全反射する反射面を有してもよい。これにより、発光面から水平方向により近い方向に出射した光も第1のレンズの正面に向けて出射できる。
【0033】
光学部材を透過した光を反射しながら回転軸を中心に回転する回転リフレクタを更に備えてもよい。回転リフレクタは、第1のレンズの発光領域のパターンを反射し走査することで配光パターンの一部を形成してもよい。これにより、配光パターンの照射領域をより広げることができる。
【0034】
第1のレンズの発光領域のうち拡張レンズ部に相当する部分のパターンを反射し走査することで配光パターンの上部領域を形成してもよい。これにより、配光パターンの鉛直方向の領域が広がる。
【0035】
光学部材は、第2のレンズの焦点近傍に、第1のレンズの発光領域または該発光領域の虚像が位置するように構成されていてもよい。これにより、第1のレンズの発光領域が光源として第2のレンズの前方に投影される。
【0036】
本発明の別の態様もまた、光学ユニットである。この光学ユニットは、発光素子を有する光源と、発光素子に対応し、該発光素子から出射した光を集光する第1のレンズと、第1のレンズを透過した光を光学ユニットの光照射方向に配光パターンとして投影する第2のレンズと、を備える。第1のレンズは、対応する発光素子の発光面の正面に位置する集光レンズ部と、発光面から斜めに出射した光が入射し該第1のレンズの正面に向けて出射することで第1のレンズの発光領域を拡張する拡張レンズ部を有する。
【0037】
この態様によると、拡張レンズ部により第1のレンズの発光領域が拡張するため、配光パターンの照射領域を広げることができる。
【0038】
(4)本発明のある態様の光学ユニットは、複数の発光素子がアレイ状に配列されている光源と、複数の発光素子のそれぞれに対応する複数の第1のレンズを有し、光源から出射した光を集光する光学部材と、光学部材を透過した光を光学ユニットの光照射方向に配光パターンとして投影する第2のレンズと、を備える。複数の第1のレンズのうち少なくとも一つは、対応する発光素子が発する光が隣接する他の第1のレンズにそのまま入射しないように、該発光素子が発する光の光路を変更する光路変更部を有する。
【0039】
この態様によると、発光素子が発する光が対応する第1のレンズではない隣接する他の第1のレンズにそのまま入射しにくくなる。そのため、発光素子が発する光が隣接する他の第1のレンズにそのまま入射した場合に生じ得るグレアの発生を抑制できる。
【0040】
光路変更部は、入射した光を隣接する他の第1のレンズの出射面に向けて全反射する反射面を有してもよい。これにより、隣接する他の第1のレンズの出射面から出射する光の光路を変更できる。
【0041】
光路変更部は、隣接する他の第1のレンズの出射面から出射した光が第2のレンズに向かわないように、反射面が構成されていてもよい。これにより、隣接する他の第1のレンズから出射した光が第2のレンズで投影されてグレアが発生することが抑制される。
【0042】
光路変更部は、発光素子の発光面から対応する第1のレンズに向かわずに隣接する他の第1のレンズに向かって斜めに出射する光が入射する入射部を有してもよい。入射部は、第1のレンズの発光素子と対向する側に突出した突起部であってもよい。突起部は、隣接する第1のレンズ同士の間の領域に設けられていてもよい。これにより、発光素子の発光面から隣接する他の第1のレンズに向かって斜めに出射する光が入射しやすくなる。
【0043】
光学部材を透過した光を第2のレンズに向かうように反射しながら回転軸を中心に回転する回転リフレクタを更に備えてもよい。光源は、発光素子の発光面の鉛直方向と第2のレンズの光軸とが交差するように配置されており、回転リフレクタは、回転軸が発光面の鉛直方向および光軸に対して斜めになるように配置されており、光学部材は、複数の発光素子と回転リフレクタとの間に配置されており、光路変更部は、隣接する他の第1のレンズの出射面から出射した光が第2のレンズと回転リフレクタとの間の隙間領域に向かうように構成されていてもよい。これにより、光路変更部によって光路が変更された光は、第2のレンズによって前方へ投影されなくなり、前方でのグレアの発生が抑制される。
【0044】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0045】
(1)本発明によれば、違和感の少ない配光パターンを形成できる新たな光学ユニットを提供することができる。あるいは、(2)本発明によれば、配光パターンの最大光度を高めることができる。あるいは、(3)本発明によれば、配光パターンの照射領域を広げることができる。あるいは、(4)本発明によれば、グレアの発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本実施の形態に係る車両用前照灯の水平断面概要図である。
図2】本実施の形態に係る車両用前照灯の正面図である。
図3】本実施の形態に係る光学ユニットにおける出射光の光路を模式的に示した図である。
図4】本実施の形態に係る光学ユニットにより形成される配光パターンの模式図である。
図5】本実施の形態に係る凸レンズの斜視図である。
図6図5に示す凸レンズの出射面側から見た正面図である。
図7図5に示す凸レンズの入射面側から見た背面図である。
図8】本実施の形態に係る車両用前照灯の水平断面概要図である。
図9】本実施の形態に係る車両用前照灯の正面図である。
図10】本実施の形態に係る光学ユニットにおける出射光の光路を模式的に示した図である。
図11図10の矢印B方向から見た模式図である。
図12】本実施の形態に係る光学ユニットにより形成された配光パターンの模式図である。
図13】本実施の形態に係る回路基板の上面図である。
図14】本実施の形態に係る光学部材の斜視図である。
図15】本実施の形態に係る光学部材の正面図である。
図16】本実施の形態に係る光学部材の背面図である。
図17図15に示す光学部材をB方向から見た側面図である。
図18図18(a)は、図15に示す光学部材をC方向から見た側面図、図18(b)は、図15に示す光学部材をD方向から見た側面図である。
図19図15に示す光学部材のE-E断面図である。
図20図20(a)は、本実施の形態に係る第1の光源の発光領域が回転リフレクタが静止した状態で反射投影された照射範囲を示す模式図、図20(b)は、本実施の形態に係る光学ユニットにより形成された配光パターンの模式図である。
図21】本実施の形態の変形例に係る集光用レンズの要部断面図である。
図22】本実施の形態に係る光学部材の斜視図である。
図23】本実施の形態に係る光学部材の上面図である。
図24】本実施の形態に係る光学部材の背面図である。
図25図23に示す光学部材のB-B断面を示す模式図である。
図26】本実施の形態に係る発光素子から光学部材に向けて斜めに出射した光の光路を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明を実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述される全ての特徴やその組合せは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0048】
[第1の実施の形態]
本実施の形態に係るレンズユニットを有する光学ユニットは、種々の車両用灯具に用いることができる。はじめに、後述する実施の形態に係る光学ユニットを搭載可能な車両用前照灯の概略について説明する。
【0049】
(車両用前照灯)
図1は、本実施の形態に係る車両用前照灯の水平断面概要図である。図2は、本実施の形態に係る車両用前照灯の正面図である。なお、図2においては、一部の部品を省略してある。
【0050】
本実施の形態に係る車両用前照灯10は、自動車の前端部の右側に搭載される右側前照灯であり、左側に搭載される前照灯と左右対称である以外は同じ構造である。そのため、以下では、右側の車両用前照灯10について詳述し、左側の車両用前照灯については説明を省略する。
【0051】
図1に示すように、車両用前照灯10は、前方に向かって開口した凹部を有するランプボディ12を備えている。ランプボディ12は、その前面開口が透明な前面カバー14によって覆われて灯室16が形成されている。灯室16は、一つの光学ユニット18が収容される空間として機能する。光学ユニット18は、可変ハイビームを照射できるように構成されたランプユニットである。可変ハイビームとは、ハイビーム用の配光パターンの形状を変化させるように制御されているものをいい、例えば、配光パターンの一部に非照射領域(遮光部)を生じさせることができる。ここで、配光パターンとは、例えば、灯具が灯具前方25~50mに設置したスクリーン(仮想スクリーン)上に形成する照射領域である。
【0052】
本実施の形態に係る光学ユニット18は、第1の光源20と、第1の光源20から出射した第1の光L1の光路を変化させて回転リフレクタ22のブレード22aに向かわせる1次光学系(光学部材)としての集光用レンズ24と、第1の光L1を反射しながら回転軸Rを中心に回転する回転リフレクタ22と、回転リフレクタ22で反射された第1の光L1を光学ユニットの光照射方向(図1右方向)に投影する投影レンズとしての凸レンズ26と、第1の光源20と凸レンズ26との間に配置された第2の光源28と、第2の光源28から出射した第2の光L2の光路を変化させて凸レンズ26に向かわせる1次光学系(光学部材)としての拡散用レンズ30と、第1の光源20および第2の光源28を搭載したヒートシンク32と、を備える。
【0053】
各光源には、LED、EL、LDなどの半導体発光素子が用いられる。本実施の形態に係る第1の光源20は、回路基板33上に、複数のLED20aがアレイ状に配置されている。各LED20aは個別に点消灯可能に構成されている。
【0054】
本実施の形態に係る第2の光源28は、2つのLED28aがアレイ状に水平方向に並んで配置されており、各LED28aは個別に点消灯可能に構成されている。また、第2の光源28は、第2の光L2が回転リフレクタ22で反射されずに凸レンズ26に入射するように配置されている。これにより、第2の光源28から出射した第2の光L2は、回転リフレクタ22で反射されることを考慮せずに光学特性を選択できる。そのため、例えば、第2の光源28から出射した光を拡散用レンズ30で拡散させてから凸レンズ26に入射させることで、より広い範囲を照射できるため、第2の光源28を車両外側の領域を照射する光源として用いることができる。
【0055】
回転リフレクタ22は、モータ34などの駆動源により回転軸Rを中心に一方向に回転する。また、回転リフレクタ22は、形状の同じ2枚のブレード22aが筒状の回転部22bの周囲に設けられている。ブレード22aは、第1の光源20から出射した光を回転しながら反射した光で前方を走査し、所望の配光パターンを形成するように構成された反射面として機能する。
【0056】
回転リフレクタ22の回転軸Rは、光軸Axに対して斜めになっており、光軸Axと第1の光源20とを含む平面内に設けられている。換言すると、回転軸Rは、回転によって左右方向に走査するLED20aの光(照射ビーム)の走査平面に略平行に設けられている。これにより、光学ユニットの薄型化が図られる。ここで、走査平面とは、例えば、走査光であるLED20aの光の軌跡を連続的につなげることで形成される扇形の平面ととらえることができる。
【0057】
凸レンズ26の形状は、要求される配光パターンや照度分布などの配光特性に応じて適宜選択すればよいが、非球面レンズや自由曲面レンズを用いることも可能である。例えば、本実施の形態に係る凸レンズ26は、各光源や回転リフレクタ22の配置を工夫することで、外周の一部が鉛直方向に切り欠かれた切り欠き部26aを形成することが可能となっている。そのため、光学ユニット18の車幅方向の大きさを抑えることができる。
【0058】
また、切り欠き部26aが存在することで、回転リフレクタ22のブレード22aが凸レンズ26に干渉しにくくなり、凸レンズ26と回転リフレクタ22とを近づけることができる。また、前方から車両用前照灯10を見た場合に、凸レンズ26の外周に非円形(直線)の部分が形成されていることで、車両の正面から見て曲線と直線を組み合わせた外形のレンズを有する斬新な意匠の車両用前照灯を実現できる。
【0059】
(配光パターン)
図3は、本実施の形態に係る光学ユニットにおける出射光の光路を模式的に示した図である。図4は、本実施の形態に係る光学ユニットにより形成される配光パターンの模式図である。
【0060】
図3に示すように、本実施の形態に係る光学ユニット18の第1の光源20から出射した第1の光L1は、回転軸Rを中心に回転する回転リフレクタ22で反射される。回転リフレクタ22のブレード22aの反射面22dは、回転軸Rを中心とする周方向に向かうにつれて、光軸Axと該反射面とが成す角が変化するように捩られた形状を有している。これにより、ブレード22aは、第1の光源20から出射した光を回転しながら反射した第1の光で前方を走査し、所望の第1の配光パターンP1’,P1”を形成するように構成された反射面として機能する。
【0061】
図4に示す配光パターンP1’は、第1の光源20が有する一部のLED20aから出射した光が走査されることで形成されており、配光パターンP1”は、第1の光源20が有する他のLED20aから出射した光が走査されることで形成されている。
【0062】
また、第2の光源28から出射した第2の光L2は、回転リフレクタ22で反射されずに凸レンズ26の端部(光軸Axから離れた領域)に入射する。凸レンズ26の端部の出射面の法線は、光軸Axに対して大きく傾いている。そのため、凸レンズ26の端部を通過する第2の光L2は大きく屈折し、図4に示すように、第1の配光パターンP1’,P1”(以下、適宜「第1の配光パターンP1」と称する場合がある。)の左側に第2の配光パターンP2を形成する。
【0063】
このように、本実施の形態に係る光学ユニット18は、第1の配光パターンP1と第2の配光パターンP2とを重畳することで、ハイビーム用配光パターンPHを形成している。このように、複数の光源(発光素子)から出射した光で配光パターンを形成する場合、以下の問題を考慮する必要がある。
【0064】
(1)第1の光源20が有する複数のLED20aによって、第1の光L1の走査方向(図4に示す矢印D1)と交差する方向(V-V線の方向)に複数の配光パターンP1’,P1”が形成される場合、LED20a間の隙間の非発光部が暗部として投影される。
【0065】
(2)第2の配光パターンP2は、第2の光源28の光源像がそのまま投影されたものであるため、配光パターンの境界が明りょうである。そのため、第2の配光パターンP2が第1の配光パターンP1と重複する領域では、第2の配光パターンP2の境界が目立つため、ドライバに違和感を与えるおそれがある。
【0066】
(投影レンズ)
本願発明者は、(1)、(2)の現象のいずれについても、各配光パターンを拡散させる(ぼかす)ことで緩和することが一案であることを見いだし、それを実現するための構成として投影レンズに着目した。
【0067】
そこで、本実施の形態に係る投影レンズについて説明する。図5は、本実施の形態に係る凸レンズ26の斜視図である。図6は、図5に示す凸レンズ26の出射面側から見た正面図である。図7は、図5に示す凸レンズ26の入射面側から見た背面図である。
【0068】
凸レンズ26は、凸状の出射面26bと、ほぼ平坦な入射面26cと、を有する。凸レンズ26は、前述のように、第1の配光パターンP1の左右方向の端部と重畳するように、第2の配光パターンP2を投影する。そして、第2の光L2を主として左右方向(図6図7に示す凸レンズ26の左右方向)に拡散する左右拡散部36が凸レンズ26の一部に形成されている。
【0069】
本実施の形態に係る左右拡散部36は、凸レンズ26の入射面26cのうち、第2の光源28から出射する第2の光L2が入射するいわゆる拡散用ステップであり、ステップのピッチは3~5mm程度である。なお、本実施の形態に係る左右拡散部36は、入射面26cに形成された拡散用ステップであるが、凸レンズ26の内部に左右拡散部が形成されていてもよい。また、左右拡散部36は、拡散用ステップ以外の形状として、入射面26cの所定領域にウェーブやシボ等を形成してもよい。
【0070】
これにより、第1の配光パターンP1の左右方向の端部と重畳する第2の配光パターンP2として投影される第2の光L2が、凸レンズ26の一部に形成されている左右拡散部36で左右方向に拡散されるので、第1の配光パターンP1と第2の配光パターンP2とが重畳する部分における第2の配光パターンP2の境界が目立たなくなる。
【0071】
凸レンズ26の入射面26cは、第1の光L1が入射する第1の入射領域R1と第2の光L2が入射する第2の入射領域R2とを有する。本実施の形態に係る第2の入射領域R2は、左右拡散部36が形成されているが、第1の入射領域R1は、左右拡散部が形成されていない。これにより、第1の配光パターンP1と第2の配光パターンP2とで拡散具合を異ならせることができる。また、本実施の形態に係る第1の入射領域R1は、非拡散部であり、第1の配光パターンP1は上下方向にのみ拡散させることができる。
【0072】
また、本実施の形態に係る左右拡散部36は、第2の入射領域R2よりも面積が狭い一部の領域に形成されている。これにより、第2の入射領域R2の全てに左右拡散部を形成した場合と比較して、拡散による第2の配光パターンP2の光度の低下を抑制できる。
【0073】
凸レンズ26の出射面26bは、第1の光L1および第2の光L2が出射する。また、出射面26bは、第1の光L1および第2の光L2を主として上下方向に拡散する上下拡散部38が全面にわたって形成されている。これにより、第1の配光パターンP1全体が上下方向に拡散することで、第1の配光パターンP1’および第1の配光パターンP1”との間の暗部39を目立たなくすることができる。
【0074】
本実施の形態に係る上下拡散部38は、凸レンズ26の出射面26bの全面にわたって形成されており、第1の光L1および第2の光L2が出射するいわゆる拡散用ステップであり、ステップのピッチは1~3mm程度である。なお、本実施の形態に係る上下拡散部38は、出射面26bに形成された拡散用ステップであるが、凸レンズ26の内部に上下拡散部が形成されていてもよい。また、上下拡散部38は、拡散用ステップ以外の形状として、出射面26bの所定領域にウェーブやシボ等を形成してもよい。
【0075】
また、本実施の形態に係る凸レンズ26は、上下拡散部38を出射面26bに、左右拡散部36を入射面26cに別々に形成することで、光が通過する領域毎に上下左右の拡散具合を異ならせることができる。また、第1の光L1は、上下拡散部38により上下方向にのみ拡散し、左右方向には拡散されないので、拡散による第1の配光パターンP1の光度の低下を抑制できる。
【0076】
[第2の実施の形態]
(車両用前照灯)
図8は、本実施の形態に係る車両用前照灯の水平断面概要図である。図9は、本実施の形態に係る車両用前照灯の正面図である。なお、図9においては、一部の部品を省略してある。また、図8及び図9に示す本実施の形態に係る車両用前照灯は、第1の実施の形態に係る車両用前照灯と比較して、第2の光源28における2つのLED28aがアレイ状に鉛直方向に並んで配置されている点が異なる。したがって、図8及び図9に示す車両用前照灯の詳細な説明は省略する。
(配光パターン)
図10は、本実施の形態に係る光学ユニットにおける出射光の光路を模式的に示した図である。図11は、図10の矢印B方向から見た模式図である。図12は、本実施の形態に係る光学ユニットにより形成された配光パターンの模式図である。
【0077】
図10に示すように、本実施の形態に係る光学ユニット18の第1の光源20から出射した第1の光L1は、回転軸Rを中心に回転する回転リフレクタ22で反射される。回転リフレクタ22のブレード22aの反射面22dは、回転軸Rを中心とする周方向に向かうにつれて、光軸Axと該反射面とが成す角が変化するように捩られた形状を有している。これにより、ブレード22aは、第1の光源20から出射した光を回転しながら反射した第1の光L1で前方を走査し、所望の第1の配光パターンP1を形成するように構成された反射面として機能する。図12に示す配光パターンP1は、第1の光源20が有する一部または全部のLED20aから出射した光が走査されることで形成される。
【0078】
本実施の形態に係る第2の光源28は、上下方向に並んだ2つのLED28aの発光面の正面に拡散用レンズ30が配置されている。第2の光源28は、拡散用レンズ30を透過した第2の光L2’,L2”が、第1の光L1が凸レンズ26に入射する第1の入射領域R1よりも外側の第2の入射領域R2に入射するように配置されている。これにより、第2の配光パターンP2は、第1の配光パターンP1の左右方向の外側領域に投影される。
【0079】
拡散用レンズ30は、拡散配光パターンである第2の配光パターンP2を形成するように、各LED28aの光路を制御する光学部材である。拡散用レンズ30は、図11に示すように、各LED28aが発する第2の光L2’,L2”の光路を別々に制御する制御面としての入射面30a及び出射面30bを有している。これにより、一つの拡散用レンズ30で複数のLED28aの光路を別々に制御できる。
【0080】
入射面30aは、第2の光源28の上側に位置しているLED28aから出射した第2の光L2’が入射する第1の光制御面30a1と、第2の光源28の下側に位置しているLED28aから出射した第2の光L2”が入射する第2の光制御面30a2と、を有する。これにより、複数のLED28aから出射した第2の光L2’,L2”の光路を別々に制御できる。また、第1の光制御面30a1および第2の光制御面30a2は、上下方向に並んで配置されているため、例えば、光学ユニット18の幅を抑えることができる。
【0081】
また、本実施の形態に係る出射面30bは、第1の光制御面30a1から入射した第2の光L2’と第2の光制御面30a2から入射した第2の光L2”とが共に出射する連続した第3の光制御面である。これにより、第1の光制御面30a1から入射した第2の光L2’も第2の光制御面30a2から入射した第2の光L2”も、共通の出射面30bである第3の光制御面から出射するため、出射面30bの設計が容易となる。
【0082】
また、第2の光源28から出射した第2の光L2’,L2”は、回転リフレクタ22で反射されずに凸レンズ26の端部(光軸Axから離れた領域)に入射する。凸レンズ26の端部の出射面の法線は、光軸Axに対して大きく傾いている。そのため、凸レンズ26の端部を通過する第2の光L2’,L2”は大きく屈折し、図12に示すように、第1の配光パターンP1の左側に第2の配光パターンP2(P2’,P2”)を形成する。
【0083】
第2の配光パターンP2の一部を構成する部分配光パターンP2’は、第2の光源28の上側に配置されているLED28aから出射した第2の光L2’が走査されることで形成されている。また、第2の配光パターンP2の他部を構成する部分配光パターンP2”は、第2の光源28の下側に配置されているLED28aから出射した第2の光L2”が走査されることで形成されている。
【0084】
このように、本実施の形態に係る光学ユニット18は、回転リフレクタ22で反射された第1の光L1を光学ユニットの光照射方向(前方)に第1の配光パターンP1として投影する凸レンズ26と、第2の光源28から出射した第2の光L2’,L2”の光路を回転リフレクタ22に向かわないように変化させて凸レンズ26に向かわせる拡散用レンズ30と、を備える。
【0085】
凸レンズ26は、第1の配光パターンP1の左右方向の外側領域を照射するように、第2の光L2’,L2”を光学ユニットの光照射方向(前方)に第2の配光パターンP2として投影する。拡散用レンズ30は、複数のLED28aのそれぞれが発する各素子光により形成される部分配光パターンP2’,P2”が重畳することで第2の配光パターンP2が形成されるように構成されている。
【0086】
これにより、第2の配光パターンP2の、部分配光パターンP2’,P2”が重畳する部分(H-H線の10°近傍)において、最大光度を高めることができる。このように、本実施の形態に係る拡散用レンズ30は、第2の光源28が有する複数のLED28aの光源像をそのまま投影するのではなく、各LED28aの投影像が重なるようにレンズ面が設計されている。
【0087】
(変形例)
上述の実施の形態に係る光学ユニット18は、第1の光源20および回転リフレクタ22を備えているが、これらを備えない光学ユニットであってもよい。例えば、変形例に係る光学ユニットは、複数のLED28aを有する第2の光源28と、第2の光源28から出射した光を光学ユニットの光照射方向に配光パターンとして投影する凸レンズ26と、第2の光源28から出射した第2の光L2’,L2”の光路を凸レンズ26に向かわせる拡散用レンズ30と、を備える。拡散用レンズ30は、複数のLED28aのそれぞれが発する各素子光により形成される部分配光パターンP2’,P2”が重畳することで第2の配光パターンP2が形成されるように構成されている。これにより、LED28aの性能を向上しなくても第2の配光パターンP2の最大光度を高めることができる。
【0088】
[第3の実施の形態]
(第1の光源)
次に、第1の光源が備える複数の半導体発光素子のレイアウトについて説明する。図13は、本実施の形態に係る回路基板の上面図である。本実施の形態に係る回路基板33は、ハイビーム用配光パターンのH-H線を含む領域を照らす8個のLED20a1(20a)と、H-H線より上方の領域を照らす2個のLED20a2(20a)と、が実装されている。なお、図13に示す上下前後の方向は、車両用前照灯10の光軸Ax方向を前方向としている。
【0089】
(光学部材)
次に、本実施の形態に係る光学部材について説明する。図14は、本実施の形態に係る光学部材の斜視図である。図15は、本実施の形態に係る光学部材の正面図である。図16は、本実施の形態に係る光学部材の背面図である。図17は、図15に示す光学部材をB方向から見た側面図である。図18(a)は、図15に示す光学部材をC方向から見た側面図、図18(b)は、図15に示す光学部材をD方向から見た側面図である。なお、図15に示す上下前後の方向は、車両用前照灯10の光軸Ax方向を前方向としている。
【0090】
本実施の形態に係る光学部材40は、裏側24aから入射した光を制御して表側24bから出射する光学制御部としての集光用レンズ24と、集光用レンズ24に隣接する板状の基部42と、を有する。集光用レンズ24は、8個のLED20a1からそれぞれ出射した光に対応する8個のレンズ部24c1と、2個のLED20a2からそれぞれ出射した光に対応する2個のレンズ部24c2と、を有する。なお、光を制御するとは、例えば、ある所望のパターンや方向、領域へ光を向かわせることである。
【0091】
本実施の形態に係るLED20aの発光面と集光用レンズ24の入射面との間隔は0.2~1mm程度、好ましくは、0.2~0.5mm程度である。また、基部42の厚みは1mm~5mm程度であり、好ましくは、2~3mm程度である。また、ドーム状のレンズ部24c2の直径は2~4mm程度である。
【0092】
ここで、本実施の形態に係る光学部材40におけるレンズ部24c1,24c2は、透過する光を屈折することで集光する形状である。本実施の形態に係るレンズ部24c1は、裏側24aおよび表側24bのいずれも凸状になっている。また、レンズ部24c2は、後述する拡張レンズ部24c3を有する。また、光学制御部は、例えば、LED20aから出射した光が透過して出射する表側24bの表面領域が擬似的な光源の発光面として機能する。
【0093】
本実施の形態に係る光学部材40は、透明な材料で構成された射出成形品であり、例えば、耐熱シリコーン、アクリル、ポリカーボネート、ガラス等を用いることができる。好ましくは、耐熱性の観点から耐熱シリコーン(耐熱温度180℃以上)やガラスが用いられる。また、光学部材の形状の設計自由度の観点では、型からの無理抜きが比較的容易な耐熱シリコーンがより好ましい。これにより、ある程度複雑な形状の光学部材であっても簡易な型構成や製造方法で製造できる。
【0094】
(拡張レンズ部)
図19は、図15に示す光学部材のE-E断面図である。本実施の形態に係る光学ユニット18は、複数のLED20a1,20a2がアレイ状に配列されている第1の光源20と、複数のLED20a1,20a2のそれぞれに対応する複数のレンズ部24c1,24c2を有し、第1の光源20から出射した光を集光する光学部材40と、光学部材40を透過した光を光学ユニットの光照射方向に配光パターンとして投影する凸レンズ26と、を備える。
【0095】
光学部材40が備える複数のレンズのうち少なくとも一つは、対応するLED20a2の発光面の正面に位置する集光用のレンズ部24c2と、発光面から斜めに出射した光L1’が入射しレンズの正面に向けて出射することでレンズの発光領域を拡張する拡張レンズ部24c3を有する。図19に示すように、本実施の形態に係る拡張レンズ部24c3は、フレネルレンズ化されている。これにより、拡張レンズ部24c3を薄くできる。本実施の形態に係るフレネルレンズ化された拡張レンズ部24c3は、正面視において縦が3~5mm、横が3~5mm、側面視において高さが3~5mm程度である。
【0096】
(配光パターン)
図20(a)は、本実施の形態に係る第1の光源の発光領域が回転リフレクタが静止した状態で反射投影された照射範囲を示す模式図、図20(b)は、本実施の形態に係る光学ユニットにより形成された配光パターンの模式図である。
【0097】
本実施の形態に係る光学ユニット18は、回転リフレクタ22の回転が停止した状態で第1の光源20のLED20aを全て点灯させると、集光用レンズ24の8個のレンズ部24c1と2個のレンズ部24c2の表面が発光領域となる。そして、静止した回転リフレクタ22の表面で発光領域の像が反射され、凸レンズ26を介して前方に投影される(図20(a)参照)。
【0098】
本実施の形態に係る光学ユニット18においては、8個のレンズ部24c1から出射されたそれぞれの光が、H-H線上に8個の矩形の照射領域R3を形成する。また、レンズ部24c2および拡張レンズ部24c3から出射されたそれぞれの光が、照射領域R3の上方に2個の矩形の照射領域R4を形成する。本実施の形態に係る拡張レンズ部24c3は、レンズ部24c2の発光領域を鉛直方向に広げているため、照射領域R4は、鉛直方向が長い矩形の領域となっている。
【0099】
また、仮にレンズ部24cしかない集光用レンズ24の場合、車両前方のスクリーン上において、鉛直方向が+4°程度までの範囲しか照射できない。一方、本実施の形態における拡張レンズ部24c3を有する集光用レンズ24の場合、車両前方のスクリーン上において、鉛直方向が+6°程度までの範囲を照射できる。このように、本実施の形態に係る光学ユニット18は、拡張レンズ部24c3によりレンズ部24c2の発光領域が鉛直方向に拡張されているため、照射領域を広げることができる。
【0100】
そして、回転リフレクタ22が回転すると、照射領域R3,R4が左右方向に走査され、それぞれ部分配光パターンP1,P2が形成される。本実施の形態では、部分配光パターンP1,P2が重畳されることでハイビーム用配光パターンPHが形成される。
【0101】
このように、本実施の形態に係る回転リフレクタ22は、集光用レンズ24の発光領域のパターンを反射し走査することでハイビーム用配光パターンPHの一部または全部を形成する。
【0102】
本実施の形態に係る光学ユニット18は、集光用レンズ24の発光領域のうち拡張レンズ部24c3に相当する部分(領域R4’)のパターンを反射し走査することでハイビーム用配光パターンPHの上部領域P2’を形成する。これにより、ハイビーム用配光パターンPHの鉛直方向の照射領域をより広げることができる。
【0103】
なお、光学部材40は、凸レンズ26の焦点近傍に、集光用レンズ24の発光領域の回転リフレクタ22による虚像が位置するように構成されている。あるいは、光学部材40は、凸レンズ26の焦点近傍に、集光用レンズ24の発光領域が位置するように構成されていてもよい。これにより、集光用レンズ24の発光領域が光源として凸レンズ26の前方に投影される。
【0104】
(変形例)
図21は、本実施の形態の変形例に係る集光用レンズ24の要部断面図である。図21に示す集光用レンズ44は、LED20a2の正面に配置されたレンズ部24c2および拡張レンズ部24c4を有する。拡張レンズ部24c4は、LED20a2の発光面から斜めに出射した光L1’が入射する入射部24c5と、入射した光L1’を集光用レンズ44の正面に向けて全反射する反射面24c6と、を有している。これにより、発光面から水平方向により近い方向に出射した光L1’も集光用レンズ44の正面に向けて出射できる。
【0105】
[第4の実施の形態]
本実施の形態に係る光学部材を有する光学ユニットは、種々の車両用灯具に用いることができる。
【0106】
(集光用レンズ)
次に、本実施の形態に係る光学部材について説明する。図22は、本実施の形態に係る光学部材の斜視図である。図23は、本実施の形態に係る光学部材の上面図である。図24は、本実施の形態に係る光学部材の背面図である。
【0107】
本実施の形態に係る光学部材40は、裏側124aから入射した光を制御して表側124bから出射する光学制御部としての集光用レンズ124と、集光用レンズ124に隣接する板状の基部42と、を有する。集光用レンズ124は、複数の発光素子としてのLED20aからそれぞれ出射した光に対応する複数のレンズ部(第1のレンズ)124cを有する。なお、光を制御するとは、例えば、ある所望のパターンや方向、領域へ光を向かわせることである。
【0108】
ここで、本実施の形態に係る光学部材40におけるレンズ部124cは、透過する光を屈折することで集光する形状であり、一つのLED20aに対して一つのレンズ部124cが対応する。本実施の形態に係るレンズ部124cは、裏側124aおよび表側124bのいずれも凸状になっている。また、光学制御部は、例えば、LED20aから出射した光が透過して出射する表側124bの表面領域が擬似的な光源の発光面として機能する。
【0109】
なお、光学部材40は、基部42の厚さが0.1mm以上、好ましくは0.3mm~5mm程度であり、厚みの薄い部品である。また、本実施の形態に係る光学部材40は、集光用レンズ124以外の領域が広い部材である。そのため、透明な集光用レンズ124と一体で光学部材40を作製しようとすると、全てを透明な材料で構成する必要がある。
【0110】
本実施の形態に係る光学部材40は、透明な材料で構成された射出成形品であり、例えば、耐熱シリコーン、アクリル、ポリカーボネート、ガラス等を用いることができる。好ましくは、耐熱性の観点から耐熱シリコーン(耐熱温度180℃以上)やガラスが用いられる。また、光学部材の形状の設計自由度の観点では、型からの無理抜きが比較的容易な耐熱シリコーンがより好ましい。これにより、ある程度複雑な形状の光学部材であっても簡易な型構成や製造方法で製造できる。
【0111】
(光路変更部)
上述のように、本実施の形態に係る光学ユニット18は、複数のLED20aがアレイ状に配列されている第1の光源20と、複数のLED20aのそれぞれに対応する複数のレンズ部124cを有し、第1の光源20から出射した光を集光する集光用レンズ124と、集光用レンズ124を透過した光を反射しながら回転軸を中心に回転する回転リフレクタ22と、回転リフレクタ22で反射された光を光学ユニット18の光照射方向(車両前方)に投影する凸レンズ26と、を備える。
【0112】
本実施の形態に係る集光用レンズ124は、図22乃至図24に示すように、5つのレンズ部124c(124c1~124c5)が一列に並んでいる。図25は、図23に示す光学部材のB-B断面を示す模式図である。図26は、本実施の形態に係る発光素子から光学部材に向けて斜めに出射した光の光路を模式的に示した図である。
【0113】
本実施の形態に係る複数のレンズ部124c1~124c5は、互いに密接してアレイ状に連なっているため、対応するLED20a1~20a5が発する光が隣接する他のレンズ部124c1~124c5にそのまま入射するおそれがある。例えば、図25に示すレンズ部124c2に対応するLED20a2が発する光のうち、屈折せずにそのまま隣接する他のレンズ部124c1の入射面124a1に入射し出射面124b1から出射する光L3は、図26に示すように、凸レンズ26に入射するおそれがある。
【0114】
光L3は、回転リフレクタ22で反射されることで制御された光ではないため、凸レンズ26を介して前方へ投影されると、所望の配光パターンとは異なる領域を照射する場合があり、グレアを発生させるおそれがある。
【0115】
そこで、本実施の形態に係る集光用レンズ124は、前述の光L3によるグレアの発生を抑制するための光路変更部124d1~124d4を備えている。例えば、図25に示す光路変更部124d2は、レンズ部124c3に対応するLED20a3が発する光が隣接するレンズ部124c2の入射面124a2にそのまま入射しないように、LED20a3が発する一部の光L3の光路を変更する。
【0116】
つまり、光路変更部124d2によって、LED20a3が発する光の一部の光L3が対応するレンズ部124c3ではない隣接する他のレンズ部124c2にそのまま入射しにくくなる。そのため、LED20a3が発する光L3が隣接する他のレンズ部124c2の入射面124a2にそのまま入射した場合(点線で示す光L3の光路)に生じ得るグレアの発生を抑制できる。
【0117】
光路変更部124d2は、入射した光L3を隣接する他のレンズ部124c2の出射面124b2に向けて全反射する反射面124e2を有している。これにより、隣接するレンズ部124c2の出射面124b2から出射する光L3’の光路を変更できる。
【0118】
また、光路変更部124d2は、隣接する他のレンズ部124c2の出射面124b2から出射した光L3’が、図26に示すように凸レンズ26に向かわないように、反射面124e2が構成されている。これにより、レンズ部124c3に対応するLED20a3から斜めに出射した光L3は、隣接する他のレンズ部124c2から出射した光L3’となって凸レンズ26には入射しないため、光L3が凸レンズ26によって投影されてグレアが発生するということが抑制される。
【0119】
また、光路変更部124d2は、LED20a3の発光面から対応するレンズ部124c3に向かわずに隣接する他のレンズ部124c2に向かって斜めに出射する光L3が入射する入射部124f2を有している。入射部124f2は、レンズ部124c3のLED20a3と対向する側に突出した突起部(突条部)である。突起部である入射部124f2は、隣接するレンズ部124c2とレンズ部124c3との間の領域に設けられている。これにより、レンズ部124c3に対応するLED20a3の発光面から隣接するレンズ部124c2に向かって斜めに出射する光L3が光路変更部124d2に入射しやすくなる。
【0120】
次に、光路変更部124d3で光路が変更された光が集光用レンズ124の表側124bから出射せずに、裏側124aから出射することでグレアが抑制される場合について説明する。
【0121】
図25に示すように、光路変更部124d3は、レンズ部124c4に対応するLED20a4が発する光L4が、隣接する他のレンズ部124c3にそのまま入射しないように設けられている。光路変更部124d3の入射部124f3で屈折し入射した光L4は、集光用レンズ124の内部を透過してレンズ部124cの出射面124b3で全反射し、集光用レンズ124の裏側124aから出射する。これにより、LED20a4が発する光のうち、隣接する他のレンズ部124c3に向かう斜めの光L4が、集光用レンズ124の表側124bから出射しないため、グレアの発生が抑制される。
【0122】
なお、上述の光路変更部124d1~124d4は、いずれも同様の機能を持つ。ただし、光路変更部124d1~124d4は、全て同じ形状であってもよく、また、一部や全部の形状や構成が異なっていてもよい。
【0123】
本実施の形態に係る光学ユニット18は、図26に示すように、集光用レンズ124を透過した光を凸レンズ26に向かうように反射しながら回転軸Rを中心に回転する回転リフレクタ22を備えている。第1の光源20は、LED20aの発光面の鉛直方向Yと凸レンズ26の光軸Axとが交差するように配置されている。また、回転リフレクタ22は、回転軸Rが発光面の鉛直方向Yおよび光軸Axに対して斜めになるように配置されている。ここで、光軸とは、例えば、レンズ正面から平行に入射した光が集光する焦点を通り、入射光と平行な直線と見なすことができる。あるいは、凸レンズの最も凸の部分を通り、水平な面内で車両前後方向へ伸びる直線を光軸と見なすこともできる。あるいは、円形(円弧)のレンズの場合は、円(円弧)の中心を通り、水平な面内で車両前後方向へ伸びる直線を光軸と見なすこともできる。したがって、ブレード22aは、回転軸Rを中心とする周方向に向かうにつれて、回転軸Rと反射面とが成す角が変化するように捩られた形状を有しているともいえる。集光用レンズ124は、複数のLED20aと回転リフレクタ22との間に配置されている。光路変更部124d1~124d4は、上述のように、隣接する他のレンズ部124cの出射面から出射した光が凸レンズ26と回転リフレクタ22との間の隙間領域R5に向かうように構成されている。これにより、光路変更部124d1~24d4によって光路が変更された光L3,L4は、凸レンズ26によって前方へ投影されなくなり、前方でのグレアの発生が抑制される。
【0124】
また、本実施の形態に係る光学ユニット18は、複数のLED20aを個別に点消灯することで可変ハイビームを照射できるように構成されている。そのため、図25に示すLED20a2を消灯し、LED20a3を点灯するような場合、LED20a3が発する光の一部が、消灯されているLED20a2に対応するレンズ部124c2からそのまま出射すると、本来照射すべきではない領域を照射してしまうことになる。しかしながら、本実施の形態に係る光学ユニット18は、光路変更部124d1~124d4を備えることで、可変ハイビームによる配光パターンの一部に形成された非照射領域(遮光部)においてグレアが発生することを抑制できる。
【0125】
また、本実施の形態の変形例に係る光学ユニットは、回転リフレクタ22を備えていなくてもよく、例えば、マトリックス状に配列された複数の発光素子からなる光源の発光面が投影レンズの入射面と対向するように配置し、投影レンズと光源の発光面との間に本実施の形態に係る光学部材を配置してもよい。
【0126】
以上、本発明を上述の各実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の各実施の形態に限定されるものではなく、実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて各実施の形態における組合せや処理の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を各実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
【0127】
例えば、上述の実施の形態に係る凸レンズ26は、入射面の一部に左右拡散部が形成され、出射面のほぼ全面に上下拡散部が形成されているが、入射面の全面に上下拡散部が形成され、出射面の一部に左右拡散部が形成されていてもよい。
【0128】
また、上述の実施の形態では、ブレード22aを有する回転リフレクタ22を用いているが、回転リフレクタ22の代わりにポリゴンミラーを用いてもよい。あるいは、回転リフレクタ22の代わりにMEMSミラー(共振ミラー)を用いてもよい。あるいは、回転リフレクタ22の代わりに、多数の可動式の微小鏡面(マイクロミラー)がマトリックス状に配列されたDMD(Digital Micromirror Device)を用いてもよい。
【0129】
また、上述の実施の形態では、発光素子が複数ある光源と、第1のレンズが複数ある光学部材との組み合わせについて説明しているが、発光素子が一つである光源と、第1のレンズが一つである光学部材との組み合わせであってもよい。この態様によっても、拡張レンズ部24c3により第1のレンズの発光領域が拡張するため、配光パターンの照射領域を広げることができる。
【0130】
また、上述の実施の形態に係る第1の光源20は、一列に並んだ5個のLED20aを備えているが、より多数の発光素子がアレイ状またはアトリックス状に配列された光源であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0131】
本発明は、光学ユニットに関する。
【符号の説明】
【0132】
L1 第1の光、 P1 第1の配光パターン、 R1 第1の入射領域、 L2 第2の光、 P2 第2の配光パターン、 R2 第2の入射領域、 10 車両用前照灯、 18 光学ユニット、 20 第1の光源、 20a LED、 22 回転リフレクタ、 22a ブレード、 22b 回転部、 22d 反射面、 26 凸レンズ、
26b 出射面、 26c 入射面、 28 第2の光源、 28a LED、 36
左右拡散部、 38 上下拡散部。
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