(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】電磁弁マニホールド
(51)【国際特許分類】
F16K 27/00 20060101AFI20240314BHJP
F16K 31/06 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
F16K27/00 Z
F16K31/06 310Z
(21)【出願番号】P 2021105312
(22)【出願日】2021-06-25
【審査請求日】2023-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】近藤 健元
(72)【発明者】
【氏名】中田 和弥
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 新治
(72)【発明者】
【氏名】江口 陽介
(72)【発明者】
【氏名】夏目 清辰
(72)【発明者】
【氏名】荻野 育朗
【審査官】橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-092173(JP,A)
【文献】特開2002-051385(JP,A)
【文献】特開平09-329269(JP,A)
【文献】特開2013-040654(JP,A)
【文献】特開平10-038118(JP,A)
【文献】特開2013-253693(JP,A)
【文献】特開2017-053406(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 27/00-27/12
31/06-31/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に並んで連設された複数の電磁弁を有するとともに前記一方向に並んで配置される複数のバルブアセンブリと、
前記一方向の一方の端部に配置されるとともに前記複数の電磁弁それぞれの駆動を制御するための制御信号を親局から受信する子局と、を備え、
前記各電磁弁は、流体が流れる流路が前記一方向に貫通した状態で形成されたバルブブロックをそれぞれ有し、
前記一方向で隣り合うバルブブロックにそれぞれ形成されている前記流路同士が互いに連通している電磁弁マニホールドであって、
前記各バルブアセンブリに対応してそれぞれ設けられるとともに前記子局からの制御信号に基づいて前記各バルブアセンブリの各電磁弁の駆動を制御するバルブ駆動ユニットを備え、
前記子局は、
前記親局から前記制御信号が入力される制御信号入力ポートと、
前記各バルブ駆動ユニットそれぞれを駆動させるための電力であるバルブ駆動ユニット用電力が外部から入力されるバルブ駆動ユニット用電力入力ポートと、
前記制御信号入力ポートに入力された制御信号、及び前記バルブ駆動ユニット用電力入力ポートに入力されたバルブ駆動ユニット用電力を、前記バルブ駆動ユニットへ出力するための子局出力ポートと、を有し、
前記各バルブ駆動ユニットは、
前記各バルブアセンブリの各電磁弁それぞれを駆動させるための電力である電磁弁用電力が外部から入力される電磁弁用電力入力ポートと、
前記子局出力ポートからの制御信号に基づいて前記各バルブアセンブリの各電磁弁の駆動を制御するとともに前記電磁弁用電力入力ポートに入力された電磁弁用電力を各電磁弁へ出力する回路基板と、
前記回路基板を収容する筐体と、を有し、
前記子局出力ポートと前記子局に対して最も近い位置に配置されるバルブ駆動ユニットとは、第1ケーブルによって電気的に接続されており、
前記一方向で隣り合うバルブ駆動ユニット同士は、前記一方向で隣り合うバルブ駆動ユニットの一方に出力された前記制御信号及びバルブ駆動ユニット用電力を、前記一方向で隣り合うバルブ駆動ユニットの他方へ伝送する第2ケーブルによって電気的に接続されており、
前記筐体は、前記流路を封止する流路封止部を有することを特徴とする電磁弁マニホールド。
【請求項2】
前記一方向に延びて前記複数の電磁弁を支持する台座と、
前記各バルブ駆動ユニットを前記台座に対して固定するブラケット部と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁マニホールド。
【請求項3】
前記各バルブ駆動ユニットは、レギュレータを有し、
前記レギュレータは、前記子局出力ポートから出力されたバルブ駆動ユニット用電力を、前記各バルブ駆動ユニットの前記回路基板の駆動用電圧まで減圧させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電磁弁マニホールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁弁マニホールドに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、電磁弁マニホールドは、一方向に並んで連設された複数の電磁弁を有するバルブアセンブリが、一方向に複数並んで配置されている。このような電磁弁マニホールドは、一方向の一方の端部に配置される子局を備えている。子局は、複数の電磁弁それぞれの駆動を制御するための制御信号を親局から受信する。例えば特許文献1では、複数のバルブアセンブリが一列に電気的に接続されている。そして、各バルブアセンブリの各電磁弁には、親局からの制御信号、及び各バルブアセンブリの各電磁弁それぞれを駆動させるための電力である電磁弁用電力が、子局に対して最も近い位置に配置されているバルブアセンブリの各電磁弁から順次伝送されていく。このように、各バルブアセンブリの各電磁弁それぞれに電磁弁用電力が供給されることによって、各電磁弁は、制御信号に基づいて駆動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1では、各バルブアセンブリの各電磁弁それぞれを駆動させるための電力である電磁弁用電力が、子局に対して最も近い位置に配置されているバルブアセンブリの各電磁弁から順次伝送されていく構成になっている。このような構成であると、子局に対して遠い位置に配置されているバルブアセンブリの各電磁弁ほど、電磁弁用電力の電圧降下が起き易くなる。すると、子局に対して遠い位置に配置されているバルブアセンブリの各電磁弁ほど、動作不良が起き易くなってしまう虞がある。
【0005】
また、複数のバルブアセンブリが一列に電気的に接続されている構成では、例えば、隣り合う電磁弁同士を電気的に接続するコネクタは、電磁弁マニホールド全体の電磁弁の総数に対応した出力点数のものを用意する必要がある。したがって、電磁弁マニホールドにおいて、電磁弁の数を増やそうとすると、電磁弁の数に対応した出力点数であるコネクタを別途用意する必要があり、コネクタの体格が大型化する虞がある。その結果、電磁弁マニホールド全体の体格が大型化してしまう。
【0006】
さらには、このように、一方向に並んで連設された複数の電磁弁を有するバルブアセンブリが、一方向に複数並んで配置されている構成である電磁弁マニホールドにおいて、汎用性の向上を図ることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する電磁弁マニホールドは、一方向に並んで連設された複数の電磁弁を有するとともに前記一方向に並んで配置される複数のバルブアセンブリと、前記一方向の一方の端部に配置されるとともに前記複数の電磁弁それぞれの駆動を制御するための制御信号を親局から受信する子局と、を備え、前記各電磁弁は、流体が流れる流路が前記一方向に貫通した状態で形成されたバルブブロックをそれぞれ有し、前記一方向で隣り合うバルブブロックにそれぞれ形成されている前記流路同士が互いに連通している電磁弁マニホールドであって、前記各バルブアセンブリに対応してそれぞれ設けられるとともに前記子局からの制御信号に基づいて前記各バルブアセンブリの各電磁弁の駆動を制御するバルブ駆動ユニットを備え、前記子局は、前記親局から前記制御信号が入力される制御信号入力ポートと、前記各バルブ駆動ユニットそれぞれを駆動させるための電力であるバルブ駆動ユニット用電力が外部から入力されるバルブ駆動ユニット用電力入力ポートと、前記制御信号入力ポートに入力された制御信号、及び前記バルブ駆動ユニット用電力入力ポートに入力されたバルブ駆動ユニット用電力を、前記バルブ駆動ユニットへ出力するための子局出力ポートと、を有し、前記各バルブ駆動ユニットは、前記各バルブアセンブリの各電磁弁それぞれを駆動させるための電力である電磁弁用電力が外部から入力される電磁弁用電力入力ポートと、前記子局出力ポートからの制御信号に基づいて前記各バルブアセンブリの各電磁弁の駆動を制御するとともに前記電磁弁用電力入力ポートに入力された電磁弁用電力を各電磁弁へ出力する回路基板と、前記回路基板を収容する筐体と、を有し、前記子局出力ポートと前記子局に対して最も近い位置に配置されるバルブ駆動ユニットとは、第1ケーブルによって電気的に接続されており、前記一方向で隣り合うバルブ駆動ユニット同士は、前記一方向で隣り合うバルブ駆動ユニットの一方に出力された前記制御信号及びバルブ駆動ユニット用電力を、前記一方向で隣り合うバルブ駆動ユニットの他方へ伝送する第2ケーブルによって電気的に接続されており、前記筐体は、前記流路を封止する流路封止部を有する。
【0008】
上記電磁弁マニホールドにおいて、前記一方向に延びて前記複数の電磁弁を支持する台座と、前記各バルブ駆動ユニットを前記台座に対して固定するブラケット部と、を備えているとよい。
【0009】
上記電磁弁マニホールドにおいて、前記各バルブ駆動ユニットは、レギュレータを有し、前記レギュレータは、前記子局出力ポートから出力されたバルブ駆動ユニット用電力を、前記各バルブ駆動ユニットの前記回路基板の駆動用電圧まで減圧させるとよい。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、電磁弁マニホールド全体の体格を小型化しつつも、各電磁弁の動作を安定的なものにすることができ、さらには、汎用性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態における電磁弁マニホールドを示す側面図。
【
図6】電磁弁マニホールドの電気的構成を示すブロック図。
【
図10】バルブ駆動ユニットと電磁弁との関係を示す分解斜視図。
【
図11】バルブ駆動ユニットと電磁弁との関係を示す部分拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、電磁弁マニホールドを具体化した一実施形態を
図1~
図11にしたがって説明する。
(電磁弁マニホールド10の全体構成)
図1、
図2及び
図3に示すように、電磁弁マニホールド10は、複数のバルブアセンブリ11と、子局12と、複数のバルブ駆動ユニット13と、エンドブロック14と、を備えている。複数のバルブアセンブリ11は、一方向X1に並んで配置されている。
【0013】
各バルブアセンブリ11は、複数の電磁弁15を有している。各電磁弁15は、バルブブロック16をそれぞれ有している。各バルブブロック16は、長四角ブロック状である。複数の電磁弁15は、一方向X1に並んで連設されている。具体的には、複数の電磁弁15は、各バルブブロック16の厚み方向が一方向X1に一致した状態で並んで連設されている。
【0014】
各バルブ駆動ユニット13は、各バルブアセンブリ11に対応してそれぞれ設けられている。各バルブ駆動ユニット13は、各バルブアセンブリ11において、一方向X1の一方の端に配置された電磁弁15に対して一方向X1で隣り合った状態でそれぞれ配置されている。各バルブ駆動ユニット13は、筺体30を有している。筺体30は、長四角箱状である。各バルブ駆動ユニット13は、筺体30の短手方向が各電磁弁15のバルブブロック16の厚み方向に一致した状態で各電磁弁15に対して配置されている。
【0015】
また、各バルブアセンブリ11は、給排気ブロック17をそれぞれ有している。各給排気ブロック17は、長四角ブロック状である。各給排気ブロック17は、各バルブアセンブリ11において、一方向X1の他方の端に配置されている。各給排気ブロック17は、給排気ブロック17の厚み方向が各電磁弁15のバルブブロック16の厚み方向に一致した状態で各電磁弁15に対して配置されている。
【0016】
電磁弁マニホールド10は、レール18と、台座19と、を備えている。レール18は、細長板状である。台座19は、細長扁平ブロック状である。レール18は、レール18の長手方向が台座19の長手方向と一致した状態で、台座19の上面に載置されている。レール18は、台座19の上面に固定されている。レール18の長手方向及び台座19の長手方向は、一方向X1に一致している。
【0017】
複数のバルブアセンブリ11、子局12、複数のバルブ駆動ユニット13、及びエンドブロック14は、レール18上に連設された状態でレール18に支持されている。したがって、レール18は、一方向X1に延びて複数の電磁弁15を支持する。複数のバルブアセンブリ11、子局12、複数のバルブ駆動ユニット13、及びエンドブロック14は、一方向X1で互いに離間しないように一対の固定金具20によって保持されている。各固定金具20は、ボルト20aによってレール18に保持されている。
【0018】
(電磁弁15の構成)
図4に示すように、各電磁弁15のバルブブロック16には、第1出力ポート21及び第2出力ポート22が設けられている。第1出力ポート21及び第2出力ポート22は、配管を介して図示しない流体圧機器に接続されている。また、各バルブブロック16には、バルブブロック16の厚み方向に貫通する供給流路23、第1排出流路24、及び第2排出流路25が形成されている。したがって、供給流路23、第1排出流路24、及び第2排出流路25は、バルブブロック16を一方向X1に貫通した状態で形成されている。供給流路23、第1排出流路24、及び第2排出流路25は、流体が流れる流路である。具体的には、供給流路23、第1排出流路24、及び第2排出流路25には、第1出力ポート21及び第2出力ポート22を介して流体圧機器に対して給排される流体が流れる。
【0019】
一方向X1で隣り合うバルブブロック16にそれぞれ形成されている供給流路23同士は互いに連通している。一方向X1で隣り合うバルブブロック16にそれぞれ形成されている第1排出流路24同士は互いに連通している。一方向X1で隣り合うバルブブロック16にそれぞれ形成されている第2排出流路25同士は互いに連通している。
【0020】
また、各バルブブロック16には、バルブブロック16の厚み方向に貫通する第1パイロット流体排出流路26及び第2パイロット流体排出流路27が形成されている。したがって、第1パイロット流体排出流路26及び第2パイロット流体排出流路27は、バルブブロック16を一方向X1に貫通した状態で形成されている。第1パイロット流体排出流路26及び第2パイロット流体排出流路27は、流体が流れる流路である。具体的には、第1パイロット流体排出流路26及び第2パイロット流体排出流路27には、電磁弁15のバルブブロック16に内蔵されている図示しない弁体の駆動に用いられるパイロット流体が流れる。
【0021】
一方向X1で隣り合うバルブブロック16にそれぞれ形成されている第1パイロット流体排出流路26同士は互いに連通している。一方向X1で隣り合うバルブブロック16にそれぞれ形成されている第2パイロット流体排出流路27同士は互いに連通している。
【0022】
なお、本実施形態の電磁弁15は、公知の5ポート電磁弁であるため、その内部構成の詳細な説明は省略する。
バルブブロック16の厚み方向に一方に位置する面には、環状のシール部材28が設けられている。シール部材28は、供給流路23の開口縁、第1排出流路24の開口縁、第2排出流路25の開口縁、第1パイロット流体排出流路26の開口縁、及び第2パイロット流体排出流路27の開口縁それぞれに設けられている。
【0023】
供給流路23の開口縁に設けられたシール部材28は、一方向X1で隣り合うバルブブロック16にそれぞれ形成されて互いに連通している供給流路23を流れる流体の洩れを抑止する。第1排出流路24の開口縁に設けられたシール部材28は、一方向X1で隣り合うバルブブロック16にそれぞれ形成されて互いに連通している第1排出流路24を流れる流体の洩れを抑止する。第2排出流路25の開口縁に設けられたシール部材28は、一方向X1で隣り合うバルブブロック16にそれぞれ形成されて互いに連通している第2排出流路25を流れる流体の洩れを抑止する。第1パイロット流体排出流路26の開口縁に設けられたシール部材28は、一方向X1で隣り合うバルブブロック16にそれぞれ形成されて互いに連通している第1パイロット流体排出流路26を流れる流体の洩れを抑止する。第2パイロット流体排出流路27の開口縁に設けられたシール部材28は、一方向X1で隣り合うバルブブロック16にそれぞれ形成されて互いに連通している第2パイロット流体排出流路27を流れる流体の洩れを抑止する。
【0024】
各電磁弁15は、中継コネクタ29を有している。中継コネクタ29は、バルブブロック16の厚み方向に貫通している。一方向X1で隣り合う各電磁弁15同士は、各々の中継コネクタ29同士がプラグイン式に接続されることにより電気的に接続されている。
【0025】
(子局12の構成)
図5に示すように、子局12は、扁平四角ブロック状である。子局12は、電磁弁マニホールド10において、一方向X1の一方の端部に配置されている。
【0026】
図6に示すように子局12は、複数の電磁弁15それぞれの駆動を制御するための制御信号を親局40から受信する。子局12は、制御信号入力ポート12aと、バルブ駆動ユニット用電力入力ポート12bと、を有している。制御信号入力ポート12aは、親局40と接続されている。そして、制御信号入力ポート12aには、親局40から制御信号が入力される。バルブ駆動ユニット用電力入力ポート12bは、外部電源41に電気的に接続されている。そして、バルブ駆動ユニット用電力入力ポート12bには、各バルブ駆動ユニット13それぞれを駆動させるための電力であるバルブ駆動ユニット電力が外部電源41から入力される。したがって、バルブ駆動ユニット用電力入力ポート12bには、バルブ駆動ユニット電力が外部から入力される。また、子局12は、制御信号入力ポート12aに入力された制御信号、及びバルブ駆動ユニット用電力入力ポート12bに入力されたバルブ駆動ユニット用電力を、バルブ駆動ユニット13へ出力するための子局出力ポート12cを有している。
【0027】
(ブラケット部42について)
図5に示すように、電磁弁マニホールド10は、ブラケット部42を備えている。ブラケット部42は、各バルブ駆動ユニット13を台座19に対して固定する。ブラケット部42は、L字形状に屈曲形成された帯板状である。ブラケット部42の一端部は、各バルブ駆動ユニット13の筺体30に形成された挿通孔30hに挿通されている。ブラケット部42の他端部は、ブラケット部42の他端部を貫通する螺子43が台座19の側面19aに螺合されることにより、台座19に固定されている。これにより、各バルブ駆動ユニット13は、ブラケット部42を介して台座19に固定されている。なお、図示は省略するが、台座19の側面19aには、螺子43が螺合可能な雌ねじ孔が台座19の長手方向に複数形成されている。
【0028】
(バルブ駆動ユニット13の全体構成)
図6に示すように、各バルブ駆動ユニット13は、回路基板31を有している。筺体30は、回路基板31を収容している。回路基板31は、子局出力ポート12cからの制御信号に基づいて各バルブアセンブリ11の各電磁弁15の駆動を制御する。したがって、バルブ駆動ユニット13は、子局12からの制御信号に基づいて各バルブアセンブリ11の各電磁弁15の駆動を制御する。
【0029】
図7、
図8及び
図9に示すように、筺体30は、レール18及び台座19に対向する第1面30aと、第1面30aとは反対側に位置する第2面30bと、を有している。また、筺体30は、一方向X1の一方に位置する第3面30cと、一方向X1の他方に位置する第4面30dと、を有している。第3面30c及び第4面30dはそれぞれ平坦面状である。第3面30c及び第4面30dは互いに平行に延びている。各バルブ駆動ユニット13は、第3面30cが第4面30dよりも子局12側に位置するようにレール18に支持されている。
【0030】
(入力側コネクタ32及び出力側コネクタ33の構成)
図9に示すように、各バルブ駆動ユニット13は、入力側コネクタ32及び出力側コネクタ33を有している。入力側コネクタ32及び出力側コネクタ33は、第1面30aに臨むように設けられている。
図6に示すように、入力側コネクタ32は、回路基板31に電気的に接続されている。出力側コネクタ33は、バルブ駆動ユニット13の内部で入力側コネクタ32に電気的に接続されている。
図9に示すように、入力側コネクタ32は、出力側コネクタ33よりも第3面30c寄りに位置している。したがって、各バルブ駆動ユニット13は、入力側コネクタ32が出力側コネクタ33よりも子局12寄りに位置するようにレール18に支持されている。
【0031】
(電磁弁用電力入力ポート34の構成)
図7及び
図8に示すように、各バルブ駆動ユニット13は、電磁弁用電力入力ポート34を有している。電磁弁用電力入力ポート34は、第2面30bから突出するように設けられたコネクタである。
図6に示すように、各バルブ駆動ユニット13の電磁弁用電力入力ポート34は、外部電源45にそれぞれ電気的に接続されている。そして、各電磁弁用電力入力ポート34には、各バルブアセンブリ11の各電磁弁15それぞれを駆動させるための電力である電磁弁用電力が外部電源45から入力される。したがって、電磁弁用電力入力ポート34には、電磁弁用電力が外部から入力される。なお、電磁弁用電力を電磁弁用電力入力ポート34に入力する外部電源45は、バルブ駆動ユニット電力をバルブ駆動ユニット用電力入力ポート12bに入力する外部電源41とは別の電源である。電磁弁用電力入力ポート34は、回路基板31に電気的に接続されている。
【0032】
(電磁弁駆動用コネクタ35の構成)
図8に示すように、各バルブ駆動ユニット13は、電磁弁駆動用コネクタ35を有している。電磁弁駆動用コネクタ35は、第4面30dに臨むように設けられている。
図6に示すように、電磁弁駆動用コネクタ35は、回路基板31に電気的に接続されている。電磁弁駆動用コネクタ35は、各バルブアセンブリ11において、一方向X1の一方の端に配置された電磁弁15の中継コネクタ29にプラグイン式で接続されることにより電気的に接続されている。そして、回路基板31は、電磁弁用電力入力ポート34に入力された電磁弁用電力を電磁弁駆動用コネクタ35から電磁弁15の中継コネクタ29へ出力する。したがって、回路基板31は、電磁弁用電力入力ポート34に入力された電磁弁用電力を各電磁弁15へ出力する。
【0033】
(第1ケーブル36及び第2ケーブル37について)
図3及び
図6に示すように、電磁弁マニホールド10は、第1ケーブル36及び第2ケーブル37を備えている。第1ケーブル36は、子局出力ポート12cと子局12に対して最も近い位置に配置されるバルブ駆動ユニット13の入力側コネクタ32とを電気的に接続する。したがって、子局出力ポート12cと子局12に対して最も近い位置に配置されるバルブ駆動ユニット13とは、第1ケーブル36によって電気的に接続されている。
【0034】
第2ケーブル37は、一方向X1で隣り合うバルブ駆動ユニット13の一方の出力側コネクタ33と、一方向X1で隣り合うバルブ駆動ユニット13の他方の入力側コネクタ32とを電気的に接続する。したがって、一方向X1で隣り合うバルブ駆動ユニット13同士は、第2ケーブル37によって電気的に接続されている。第2ケーブル37は、一方向X1で隣り合うバルブ駆動ユニット13の一方に出力された制御信号及びバルブ駆動ユニット用電力を、一方向X1で隣り合うバルブ駆動ユニット13の他方へ伝送する。
【0035】
(各バルブ駆動ユニット13のレギュレータ38について)
図6に示すように、各バルブ駆動ユニット13は、レギュレータ38を有している。レギュレータ38は、子局12の子局出力ポート12cから出力されたバルブ駆動ユニット用電力を、各バルブ駆動ユニット13の回路基板31の駆動用電圧まで減圧させる。したがって、子局12の子局出力ポート12cから出力されるバルブ駆動ユニット用電力は、各バルブ駆動ユニット13の回路基板31の駆動用電圧よりも高く設定されている。
【0036】
(流路封止部50の構成)
図7及び
図8に示すように、筺体30は、流路封止部50を有している。流路封止部50は、筺体30の第3面30cに設けられる環状のシール部材51と、筺体30の第4面30dに設けられるシール機構52と、を含む。
【0037】
シール部材51は、筺体30の第3面30cにおいて、供給流路23、第1排出流路24、第2排出流路25、第1パイロット流体排出流路26、及び第2パイロット流体排出流路27それぞれに対応する位置に設けられている。
【0038】
供給流路23に対応する位置に設けられたシール部材51は、電磁弁15が筺体30の第3面30cに対して隣り合った状態で配置される場合に、供給流路23の開口縁を囲繞するようにバルブブロック16に密着する。これにより、供給流路23に対応する位置に設けられたシール部材51は、供給流路23を封止する。
【0039】
第1排出流路24に対応する位置に設けられたシール部材51は、電磁弁15が筺体30の第3面30cに対して隣り合った状態で配置される場合に、第1排出流路24の開口縁を囲繞するようにバルブブロック16に密着する。これにより、第1排出流路24に対応する位置に設けられたシール部材51は、第1排出流路24を封止する。
【0040】
第2排出流路25に対応する位置に設けられたシール部材51は、電磁弁15が筺体30の第3面30cに対して隣り合った状態で配置される場合に、第2排出流路25の開口縁を囲繞するようにバルブブロック16に密着する。これにより、第2排出流路25に対応する位置に設けられたシール部材51は、第2排出流路25を封止する。
【0041】
第1パイロット流体排出流路26に対応する位置に設けられたシール部材51は、電磁弁15が筺体30の第3面30cに対して隣り合った状態で配置される場合に、第1パイロット流体排出流路26の開口縁を囲繞するようにバルブブロック16に密着する。これにより、第1パイロット流体排出流路26に対応する位置に設けられたシール部材51は、第1パイロット流体排出流路26を封止する。
【0042】
第2パイロット流体排出流路27に対応する位置に設けられたシール部材51は、電磁弁15が筺体30の第3面30cに対して隣り合った状態で配置される場合に、第2パイロット流体排出流路27の開口縁を囲繞するようにバルブブロック16に密着する。これにより、第2パイロット流体排出流路27に対応する位置に設けられたシール部材51は、第2パイロット流体排出流路27を封止する。
【0043】
図10に示すように、シール機構52は、筺体30の第4面30dにおいて、供給流路23、第1排出流路24、第2排出流路25、第1パイロット流体排出流路26、及び第2パイロット流体排出流路27それぞれに対応する位置に設けられている。
【0044】
シール機構52は、供給流路23、第1排出流路24、第2排出流路25、第1パイロット流体排出流路26、及び第2パイロット流体排出流路27それぞれに沿って延びる円孔状の凹部53をそれぞれ有している。また、シール機構52は、各凹部53の底面から突出して供給流路23、第1排出流路24、第2排出流路25、第1パイロット流体排出流路26、及び第2パイロット流体排出流路27それぞれの内側に挿入される円柱状の突起54をそれぞれ有している。
【0045】
図11では、シール機構52と供給流路23との関係を示している。
図11に示すように、供給流路23に対応する位置に設けられたシール機構52の突起54は、供給流路23の内側に挿入される。すると、供給流路23の開口縁に設けられたシール部材28が凹部53の内側に入り込み、シール部材28の内周面が突起54の外周面に密着する。これにより、供給流路23に対応する位置に設けられたシール機構52は、供給流路23を封止する。
【0046】
第1排出流路24に対応する位置に設けられたシール機構52の突起54は、第1排出流路24の内側に挿入される。すると、第1排出流路24の開口縁に設けられたシール部材28が凹部53の内側に入り込み、シール部材28の内周面が突起54の外周面に密着する。これにより、第1排出流路24に対応する位置に設けられたシール機構52は、第1排出流路24を封止する。
【0047】
第2排出流路25に対応する位置に設けられたシール機構52の突起54は、第2排出流路25の内側に挿入される。すると、第2排出流路25の開口縁に設けられたシール部材28が凹部53の内側に入り込み、シール部材28の内周面が突起54の外周面に密着する。これにより、第2排出流路25に対応する位置に設けられたシール機構52は、第2排出流路25を封止する。
【0048】
第1パイロット流体排出流路26に対応する位置に設けられたシール機構52の突起54は、第1パイロット流体排出流路26の内側に挿入される。すると、第1パイロット流体排出流路26の開口縁に設けられたシール部材28が凹部53の内側に入り込み、シール部材28の内周面が突起54の外周面に密着する。これにより、第1パイロット流体排出流路26に対応する位置に設けられたシール機構52は、第1パイロット流体排出流路26を封止する。
【0049】
第2パイロット流体排出流路27に対応する位置に設けられたシール機構52の突起54は、第2パイロット流体排出流路27の内側に挿入される。すると、第2パイロット流体排出流路27の開口縁に設けられたシール部材28が凹部53の内側に入り込み、シール部材28の内周面が突起54の外周面に密着する。これにより、第2パイロット流体排出流路27に対応する位置に設けられたシール機構52は、第2パイロット流体排出流路27を封止する。
【0050】
このようにして、流路封止部50は、流路である供給流路23、第1排出流路24、第2排出流路25、第1パイロット流体排出流路26、及び第2パイロット流体排出流路27それぞれを封止する。
【0051】
(作用)
次に、本実施形態の作用について説明する。
外部電源41からバルブ駆動ユニット用電力入力ポート12bに入力されたバルブ駆動ユニット用電力が、子局出力ポート12cから第1ケーブル36を介して子局12に対して最も近い位置に配置されるバルブ駆動ユニット13へ出力される。続いて、一方向X1で隣り合うバルブ駆動ユニット13の一方に出力されたバルブ駆動ユニット用電力が、第2ケーブル37を介して一方向X1で隣り合うバルブ駆動ユニット13の他方へと伝送されていく。このようにして、各バルブ駆動ユニット13が駆動する。
【0052】
さらに、親局40から制御信号入力ポート12aに入力された制御信号が、子局出力ポート12cから第1ケーブル36を介して子局12に対して最も近い位置に配置されるバルブ駆動ユニット13へ出力される。続いて、一方向X1で隣り合うバルブ駆動ユニット13の一方に出力された制御信号が、第2ケーブル37を介して一方向X1で隣り合うバルブ駆動ユニット13の他方へと伝送されていく。そして、各バルブ駆動ユニット13の電磁弁用電力入力ポート34に入力された電磁弁用電力が回路基板31から各バルブアセンブリ11の各電磁弁15へ出力される。このように、各バルブ駆動ユニット13の電磁弁用電力入力ポート34に入力された電磁弁用電力が、各バルブアセンブリ11の各電磁弁15それぞれに供給されることによって、各電磁弁15は、制御信号に基づいて駆動する。
【0053】
(効果)
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)一方向X1で隣り合うバルブ駆動ユニット13の一方に出力されたバルブ駆動ユニット用電力が、第2ケーブル37を介して一方向X1で隣り合うバルブ駆動ユニット13の他方へと伝送されていく。また、一方向X1で隣り合うバルブ駆動ユニット13の一方に出力された制御信号が、第2ケーブル37を介して一方向X1で隣り合うバルブ駆動ユニット13の他方へと伝送されていく。そして、各バルブ駆動ユニット13の電磁弁用電力入力ポート34に入力された電磁弁用電力が、各バルブアセンブリ11の各電磁弁15それぞれに供給される。したがって、従来技術のように、子局12に対して遠い位置に配置されているバルブアセンブリ11の各電磁弁15ほど、電磁弁用電力の電圧降下が起き易くなるといった問題を回避することができ、各電磁弁の動作が安定的なものとなる。
【0054】
また、各バルブ駆動ユニット13の電磁弁用電力入力ポート34に入力された電磁弁用電力が、各バルブアセンブリ11の各電磁弁15それぞれに供給される。このため、電磁弁マニホールド10において、電磁弁15の数を増やしても、従来技術のように、電磁弁15の数に対応した出力点数であるコネクタを別途用意する必要が無い。したがって、電磁弁マニホールド10全体の体格を小型化することができる。
【0055】
さらには、各バルブ駆動ユニット13の筺体30が、流路を封止する流路封止部50を有している。このため、各バルブ駆動ユニット13を電磁弁15に対してどの位置に配置したとしても、流路封止部50によって流路を封止した状態でバルブ駆動ユニット13を電磁弁15に対して配置することができる。よって、電磁弁15の数の変更や、バルブ駆動ユニット13の位置の変更を容易に行うことができる。したがって、一方向X1に並んで連設された複数の電磁弁15を有するバルブアセンブリ11が、一方向X1に複数並んで配置されている構成である電磁弁マニホールド10において、汎用性の向上を図ることができる。以上により、電磁弁マニホールド10全体の体格を小型化しつつも、各電磁弁15の動作を安定的なものにすることができ、さらには、汎用性の向上を図ることができる。
【0056】
(2)電磁弁マニホールド10は、各バルブ駆動ユニット13を台座19に対して固定するブラケット部42を備えている。これによれば、各バルブ駆動ユニット13がブラケット部42によって台座19に対して固定されているため、各電磁弁15に荷重が作用したとしても、各バルブ駆動ユニット13によって各電磁弁15に作用した荷重を受けることができる。したがって、各電磁弁15における台座19に対する支持強度を向上させることができる。
【0057】
(3)一方向X1で隣り合うバルブ駆動ユニット13の一方に出力されたバルブ駆動ユニット用電力が、第2ケーブル37を介して一方向X1で隣り合うバルブ駆動ユニット13の他方へと伝送されていく。このとき、子局12の子局出力ポート12cから出力されるバルブ駆動ユニット用電力は、各バルブ駆動ユニット13の回路基板31の駆動用電圧よりも高く設定されている。そして、各バルブ駆動ユニット13は、レギュレータ38を有し、レギュレータ38は、子局12の子局出力ポート12cから出力されたバルブ駆動ユニット用電力を、各バルブ駆動ユニット13の回路基板31の駆動用電圧まで減圧させる。これによれば、子局12に対して遠い位置に配置されているバルブ駆動ユニット13ほど、バルブ駆動ユニット用電力の電圧降下が起き易くなるといった問題を回避することができる。
【0058】
(変更例)
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0059】
・実施形態において、流路封止部50の構成は特に限定されるものではない。要は、流路封止部50は、流路である供給流路23、第1排出流路24、第2排出流路25、第1パイロット流体排出流路26、及び第2パイロット流体排出流路27それぞれを封止することが可能な構成であればよい。
【0060】
・実施形態において、例えば、ブラケット部42の一端部を貫通する螺子43が筺体30に螺合されることにより、ブラケット部42の一端部が筺体30に固定されていてもよい。
【0061】
・実施形態において、例えば、ブラケット部42の他端部が、台座19の側面19aに形成された挿通孔に挿通される構成であってもよい。この場合、ブラケット部42の一端部を貫通する螺子43が筺体30に螺合されることにより、ブラケット部42の一端部が筺体30に固定されているとよい。
【0062】
・実施形態において、電磁弁マニホールド10が、各バルブ駆動ユニット13を台座19に対して固定するブラケット部42を備えていない構成であってもよい。
・実施形態において、子局12の子局出力ポート12cから出力されるバルブ駆動ユニット用電力が、各バルブ駆動ユニット13の回路基板31の駆動用電圧に予め設定されていてもよい。この場合、電磁弁マニホールド10は、各バルブ駆動ユニット13が、レギュレータ38を有していない構成であってもよい。
【0063】
・実施形態において、電磁弁用電力を電磁弁用電力入力ポート34に入力する外部電源と、バルブ駆動ユニット電力をバルブ駆動ユニット用電力入力ポート12bに入力する外部電源とが同じ電源であってもよい。
【0064】
・実施形態において、電磁弁15は、5ポート電磁弁に限らず、例えば、公知の3ポート電磁弁であってもよい。
【符号の説明】
【0065】
10…電磁弁マニホールド、11…バルブアセンブリ、12…子局、12a…制御信号入力ポート、12b…バルブ駆動ユニット用電力入力ポート、12c…子局出力ポート、13…バルブ駆動ユニット、15…電磁弁、16…バルブブロック、19…台座、23…流路である供給流路、24…流路である第1排出流路、25…流路である第2排出流路、26…流路である第1パイロット流体排出流路、27…流路である第2パイロット流体排出流路、30…筺体、31…回路基板、34…電磁弁用電力入力ポート、36…第1ケーブル、37…第2ケーブル、38…レギュレータ、40…親局、42…ブラケット部、50…流路封止部。