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  • 特許-LEDと反射要素とを含む照明デバイス 図1a
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】LEDと反射要素とを含む照明デバイス
(51)【国際特許分類】
   F21S 4/26 20160101AFI20240314BHJP
   F21V 15/01 20060101ALI20240314BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20240314BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20240314BHJP
   F21V 29/70 20150101ALI20240314BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240314BHJP
   F21Y 113/10 20160101ALN20240314BHJP
   F21W 106/00 20180101ALN20240314BHJP
【FI】
F21S4/26
F21V15/01 330
F21V15/01 530
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V29/503
F21V29/70
F21Y115:10
F21Y113:10
F21W106:00
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021138694
(22)【出願日】2021-08-27
(62)【分割の表示】P 2020507051の分割
【原出願日】2019-07-08
(65)【公開番号】P2021185581
(43)【公開日】2021-12-09
【審査請求日】2021-08-27
(31)【優先権主張番号】18183867.3
(32)【優先日】2018-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517152128
【氏名又は名称】ルミレッズ ホールディング ベーフェー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ラバス,ダニエル
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3200708(JP,U)
【文献】特開2008-186780(JP,A)
【文献】特開2016-115677(JP,A)
【文献】国際公開第2017/153216(WO,A1)
【文献】特許第6341587(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2014/16298(US,A1)
【文献】中国実用新案第203686730(CN,U)
【文献】中国実用新案第202419300(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 4/26
F21V 15/01
F21V 19/00
F21V 29/503
F21V 29/70
F21Y 115/10
F21Y 113/10
F21W 106/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルな照明デバイスであって、
- 長手方向を有するハウジングであって、前記長手方向に延びる反射性側壁と、該反射性側壁の間に配置される第1のキャビティと、該第1のキャビティからの光の通過のための開口とを含む、ハウジングと、
- 該ハウジングの前記長手方向に沿って、互いに対して、少なくも部分的に配置される、複数の発光ダイオード(LED)であって、各LEDは、発光面と、側面とを有する、複数のLEDと、
- 該LEDの電気的接続を提供するインターポーザ構造と、
- 前記LEDから放射される光がインターポーザ構造に到達する前に、前記LEDから放射される光が反射されるように、反射要素が前記側面で前記LEDを取り囲むよう、並びに前記LEDが前記第1のキャビティ内に配置されるよう、前記開口に面する前記インターポーザ構造の側を覆い、前記LEDを配置する複数の貫通穴を含むストリップとして構成される、前記反射要素とを含み、
前記インターポーザ構造は、互いに離間する複数のインターポーザを含み、
前記複数のLEDの各LEDは、前記複数のインターポーザの対応する各インターポーザ上に配置され
前記複数のLED、前記インターポーザ構造、及び前記反射要素は、充填材料によって前記第1のキャビティ内に埋め込まれる
照明デバイス。
【請求項2】
前記反射要素は、前記反射性側壁と一体的に形成される、請求項1に記載の照明デバイス。
【請求項3】
前記反射要素は、前記LEDのための穿孔された貫通穴を備えるカバーストリップとして構成される、請求項1に記載の照明デバイス。
【請求項4】
前記第1のキャビティは、透明充填材で少なくとも部分的に充填される、請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の照明デバイス。
【請求項5】
第2のキャビティが前記反射性側壁と前記反射要素との間に形成され、前記インターポーザは、前記第2のキャビティ内に配置される、請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の照明デバイス。
【請求項6】
前記ハウジングは、H字形の断面を有する、請求項5に記載の照明デバイス。
【請求項7】
前記第2のキャビティは、反射性充填材で少なくとも部分的に充填される、請求項5に記載の照明デバイス。
【請求項8】
個のインターポーザの間の電気的接続のための接続要素を更に含み、該接続要素は、具体的には、前記第2のキャビティ内に配置される、請求項5乃至7のうちのいずれか1項に記載の照明デバイス。
【請求項9】
前記開口内に配置される散光器ストリップを更に含む、請求項1乃至8のうちのいずれか1項に記載の照明デバイス。
【請求項10】
前記ハウジングの少なくとも部分は、シリコーンを主材料とする、請求項1乃至9のうちのいずれか1項に記載の照明デバイス。
【請求項11】
フレキシブルな照明デバイスを製造する方法であって、
- 長手方向を有するハウジングを提供するステップであって、該ハウジングは、
前記長手方向に延びる反射性側壁と、
該反射性側壁の間に配置される第1のキャビティと、
該第1のキャビティからの光の通過のための前記第1のキャビティの開口とを含む、
ステップと、
- 複数のLEDを提供するステップであって、各LEDは、発光面と、側面とを有する、ステップと、
- 前記LEDの電気的接続を提供するために複数のインターポーザを提供するステップと、
- 前記LEDが、互いに対して、前記ハウジングの前記長手方向に沿って少なくとも部分的に配置されるように、前記第1のキャビティ内の前記複数のLEDの各LEDを前記複数のインターポーザの対応する各インターポーザ上に配置するステップと、
- 前記LEDから放射される光がインターポーザ構造に到達する前に、前記LEDから放射される光が反射されるように、前記開口に面する前記インターポーザの側を覆うよう、並びに前記側面で前記LEDを取り囲むよう、反射要素を提供するステップであって、該反射要素は、前記LEDを配置する複数の貫通穴を含むストリップとして構成される、ステップと
前記複数のLED、前記インターポーザ構造、及び前記反射要素を、充填材料によって前記第1のキャビティ内に埋め込むステップと、を含む、
方法。
【請求項12】
前記ハウジングは、少なくとも部分的に、所定のプロファイルの押出しによって提供される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記押出しは、前記反射性側壁及び前記反射要素を一体的に形成することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のキャビティを少なくとも部分的に透明充填材で充填するステップ及び/又は前記反射性側壁と前記反射要素との間に形成される第2のキャビティを少なくとも部分的に反射性充填材で充填するステップを更に含む、請求項11乃至13のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
成形によって前記開口内に散光器ストリップを提供するステップを更に含む、請求項11乃至14のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
自動車照明において使用される、特に自動車の車内灯として使用される、請求項1乃至10のうちのいずれか1項に記載の照明デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ハウジングの長手方向に沿って配置される複数の発光ダイオード(LED)を含むフレキシブル(可撓)な照明デバイス(flexible lighting devices)に関し、照明デバイスは、反射要素(reflection element)を含む。
【背景技術】
【0002】
LED又はLEDパッケージは、典型的には、LEDによって放射される光の形状を保護及び制御するためのハウジングを備える。複数のLEDは、単一のハウジング内に一緒に配置されることがある。ハウジングは、例えば、細長い形状を有することがあり、ストリップに類似する形状であることがあり、LEDは、ストリップの長さに沿って配置される。従って、LEDは、基本的に「エンドレス(endless)」又は「一次元(one-dimensional)」式に半完成品としてハウジングと共に組み立てられることがあり、製造コストを有意に削減し、照明デバイスの長さを選択することを可能にする。ハウジングは、照明デバイスの屈曲又は曲げを可能にするシリコーンのようなフレキシブルな材料を主材料(ベース)とすることがある。従って、照明デバイスは、様々な形状にされることがある。
【0003】
例えば、機械的衝撃又は湿度からの、ハウジングによるLEDの既述の保護に加えて、ハウジングは、放射強度の大部分が照明のために使用される点において照明デバイスの効率を増大させるように構成されることもある。例えば、ハウジングの有意な部分は、高反射性材料を主材料とすることがあり、且つ/或いは照明デバイスにおける光損失の削減を可能にする光学素子(光学要素)を含むことがある。特に、ハウジングの可撓な特性(flexible properties)を保持するために、具体的には、埋め込まれた反射性粒子を備えるシリコーン(いわゆる「白色シリコーン(white silicone)」)が使用されることがある。
【0004】
LEDへの電気的接続を提供するために、インターポーザ(interposers)を設けることができる。インターポーザは、例えば、プリント回路基板内に、導電性要素と絶縁性要素との組み合わせを含むことがある。そのようなインターポーザは、少なくとも部分的に光を吸収する。インターポーザは、LEDに非常に近接して配置されるので、有意な光損失がインターポーザでの吸収によって引き起こされる。更に、光損失は、ハウジングの他の要素、例えば、インターポーザの電気的接続のためのワイヤでの吸収によって生じることがある。
【0005】
この光損失を減少させる可能性は、白色シリコーンのような反射性材料(reflective material)をハウジング内及びインターポーザの周囲に充填することである。しかしながら、インターポーザの周囲の白色シリコーンの充填は困難であることが見出された。何故ならば、反射性材料によるLEDの発光面の被覆は回避される必要があるからである。従って、成形材料の量は制限される必要があり、それはインターポーザの不完全な被覆につながることがある。従って、反射性材料の充填は、照明デバイスの製造を複雑にする一方で、照明の有効性は、十分に最適化されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
照明デバイスの有効性が増大され、簡単な製造プロセスを維持することを可能にする、特に細長い形状を有する照明デバイスを提供することが、本発明の目的である。本発明は、更に、そのような照明デバイスを製造するための方法及び前述の目的に基づくそのような照明デバイスの使用に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、長手方向を有するハウジングであって、長手方向に延びる反射性側壁と、反射性側壁の間に配置される第1のキャビティと、第1のキャビティからの光の通過のための第1のキャビティの開口とを含む、ハウジングと、各LED(LED)が、発光面と、側面とを有する、LED(LEDs)であって、LED(LEDs)は、LED(LEDs)の電気的接続を提供するためにインターポーザ上に配置され、LED(LEDs)は、LED(LEDs)が互いに対してハウジングの長手方向に沿って少なくとも部分的に配置されるように、第1のキャビティ内に配置される、LED(LEDs)と、開口に面するインターポーザの側を覆う反射要素であって、反射要素は、側面でLED(LEDs)を取り囲み、反射要素は、LED(LEDs)を配置する貫通穴を含むストリップとして構成される、反射要素とを含む、照明デバイスが提供される。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、照明デバイス、具体的には、第1の態様に従った照明デバイスを製造する方法が提供され、当該方法は、長手軸を有するハウジングを提供するステップであって、ハウジングは、長手方向に延びる反射性側壁と、反射性側壁の間に配置される第1のキャビティと、第1のキャビティからの光の通過のための第1のキャビティの開口とを含む、ステップと、LEDを提供するステップであって、各LEDは、発光面と、側面とを有する、ステップと、LEDが配置の電気的接続を提供するためにインターポーザ上にLEDを配置するステップと、LEDが互いに対してハウジングの長手方向に沿って少なくとも部分的に配置されるように、第1のキャビティ内にLEDを配置するステップと、開口に面するインターポーザの側を覆い、側面でLEDを取り囲むよう、反射要素を提供するステップであって、反射要素は、LEDを配置する貫通穴を含むストリップとして構成される、ステップとを含む。
【0009】
本発明の第3の態様によれば、自動車照明における、特に自動車の車内灯としての、第1の態様に従った照明デバイスの使用が提供される。
【0010】
本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様の例示的な実施形態は、以下に記載する特性の1つ又はそれよりも多くを有してよい。
【0011】
ハウジングは、長手方向を有し、長手方向は、具体的には、ハウジングの最長寸法(長さ)に対応する。例えば、ハウジングは、ストリップの形状を実質的に含んでよい。ハウジングは、例えば、所与の断面を有してよく、その断面は、ハウジングの長さに沿って実質的に同じである。ハウジングのためのストリップの形状は、この脈絡において、四角形の断面を備える(平坦な)ストリップに限定されない。ハウジングは、むしろ、長方形とは異なるプロファイルを備える断面、例えば、U字形又はH字形を備える断面を有してもよい。
【0012】
ハウジングは、長手方向に延びる反射性側壁を含み、反射性側壁の間に配置される第1のキャビティを備える。反射性側壁は、それぞれ、壁平面を含んでよく、長手方向は、壁平面に実質的に平行である。反射性側壁は、特に、互いに実質的に平行であってよい。第1のキャビティは、LEDを受け入れるように構成され、特に、機械的保護を保証するために、LEDがハウジングの内側に完全に配置されることがあるように、LED又はLEDパッケージを完全に収容するように構成される。第1のキャビティからの光の通過のための第1のキャビティの開口が設けられ、それは、例えば、反射性壁の間の開口であってよい。即ち、反射性壁は、例えば、全ての側からキャビティを取り囲まない。開口は、照明デバイスの特定の所望の照明パターンのために構成されてよい。開口は、例えば、ハウジングの長手方向に沿って平行に向けられたスリットに似てよい。第1のキャビティは、ハウジングの後壁によって境界付けられてよく、後壁は、開口とは反対側に配置される。
【0013】
各LEDは、発光面と、側面とを有し、例えば、LEDは、大きな表面のうちの1つが発光面である、平坦な形状を有する。LEDは、p-n接合のような少なくとも1つの半導体素子、ダイオード、及び/又はトランジスタを含んでよい。LEDは、例えば、基板、リードフレーム及び/又は(複数の)ワイヤボンドと共に、LEDパッケージとして提供されてよい。LEDは、LEDパッケージとして構成されてよく、LEDパッケージは、少なくとも1つのLEDチップと、LEDのための接点とを含む、アセンブリとして形成されてよい。
【0014】
LEDは、LEDの電気的接続を提供するためにインターポーザ上に配置される。インターポーザは、具体的には、LEDに電力を提供するために、ワイヤのような接続要素からLEDへの電気的インターフェース経路制御を可能にする、プリント回路基板として構成される。例えば、インターポーザは、インターポーザ上の発光面とは反対側で配置される平坦な形状のLED又はLEDパッケージを備える平坦な又は基板状の形状を含んでよい。特に、インターポーザは、インターポーザがLEDの側面の下から突出するように、LEDよりも大きい寸法を有してよい。
【0015】
照明デバイスのある実施形態では、インターポーザが各LEDについて設けられる。即ち、各LEDは、別個のインターポーザ上に配置され、インターポーザは、互いに離間させられてよい。特に、フレキシブルな材料を含むハウジングとの組み合わせにおいて、別個のインターポーザは、照明デバイスの可撓性(フレキシビリティ)を可能にし、照明デバイスは、より剛的なインターポーザの間で屈曲されることがあり、或いは曲げられることがある。
【0016】
LEDは、第1のキャビティ内に配置される。具体的には、LEDは、発光面がハウジングの開口に面した状態で、第1のキャビティ内に配置される。LEDは、互いに対してハウジングの長手方向に沿って少なくとも部分的に配置される。LEDは、ハウジングの長手方向に沿う間隔で、例えば、規則的な又は不規則的な間隔で配置されてよい。
【0017】
LEDのハウジング内の光損失、特にインターポーザ内の吸収に基づく光損失を防止するために、反射要素が設けられる。反射要素は、開口に面するインターポーザの側を覆ってよく、従って、光がインターポーザに到達する前に、LEDから放射される光を反射する。反射要素は、側面でLEDを取り囲むので、反射要素は、インターポーザの側の表面を効果的に覆う。具体的には、反射要素は、LEDの側面に当接する。LEDは、形態嵌め(form fit)において反射要素の貫通穴と係合してよい。
【0018】
反射要素は、LEDを配置する貫通穴を含むストリップとして構成される。反射要素は、具体的には、平坦なストリップの形状を有し、ストリップの断面は、(貫通穴を除いて)実質的に四角形である。ストリップとして構成される反射要素を使用することは、例えば、反射材料のストリップを提供し、例えば、打抜き及び/又は切断のようなプロセスによってストリップ内に貫通穴を導入することによって、反射要素を特別に簡単な方法で提供し得るという利点を有する。従って、反射要素は、反射材料を備えるインターポーザの成形よりも容易に提供され、LEDの発光面を遮蔽(ブロック)しないように注意しなければならない一方で、インターポーザの側が最適な程度に被覆されることを保証することができる。
【0019】
更に、インターポーザ上のLEDの厚さを考慮してストリップ形状の反射要素の適切な厚さを選択することによって、LEDの発光面の望ましくない被覆及び遮蔽(ブロッキング)、従って、光強度の損失を効果的に回避することができる。いくつかの実施形態において、反射要素の厚さは、LEDの側面が反射要素によって実質的に完全に覆われるように、LEDの厚さに実質的に対応する。他の実施形態において、反射要素の厚さは、LEDの厚さよりも大きく、それは反射要素によって放射光の形状を制御するために使用されてよい。
【0020】
本発明の例示的な実施形態において、反射要素は、反射性側壁と一体的に形成される。反射要素は、反射性側壁の間に配置されることがあり、1つの反射性側壁から他の反射側壁に延びることがある。例えば、ハウジングは、H形状又はA形状に実質的に対応する断面又はプロファイルを含むことがある。「一体的に形成される」の下では、反射要素及び反射性側壁は、具体的には、材料結合によって、単一の構成要素を形成することが理解されてよい。反射要素を反射性側壁と一体化することは、製造プロセスを単純化することがある。何故ならば、反射要素及び反射性側壁を単一の製造ステップで同時に製造することができるからである。
【0021】
本発明の別の例示的な実施形態において、反射要素は、ハウジングの残余の要素とは別個の要素として形成される。これは、例えば、反射要素のために異なるタイプの材料を使用することを可能にする。照明デバイスのある実施形態において、反射要素は、LEDのための貫通穴を備えるカバーストリップ(cover strip)として構成され、貫通穴は、具体的には、カバーストリップ内に穿孔され(打ち抜かれ)且つ/或いは切断される。故に、既に利用可能な半完成品を反射要素として使用してよく、製造プロセスを単純化する。カバーストリップは、具体的には、LEDへの形態嵌めによって、接着剤によって、及び/又は第1のキャビティを充填材で充填することによって、インターポーザに取り付けられてよい一方で、反射性ストリップは、インターポーザ上に配置されてよい。
【0022】
本発明の別の例示的な実施形態において、第1のキャビティは、少なくとも部分的に透明充填材で充填される。透明充填材は、ハウジングに可撓な特性を提供する一方で、LEDによって放射される光についての高い透明性を保証するために、特にシリコーンを主材料(ベース)とする。透明充填材は、充填材を注入して硬化させることによって、開口を通じて第1のキャビティ内に計量分配(ディスペンス)されてよい。透明充填材は、例えば、機械的衝撃又は湿度に対する効果的な保護のために、具体的には、LED及び/又は反射要素を埋め込んでよい。同時に、透明充填材は、LED及び/又はインターポーザからハウジングの周囲への改良された熱伝導を提供して、動作中のLEDの過熱を回避することがある。
【0023】
本発明の例示的な実施形態では、反射性側壁と反射要素との間に第2のキャビティが形成され、インターポーザは、第2のキャビティ内に配置される。具体的には、反射要素は、ハウジングの反射性壁の間に形成されるキャビティを、光の通過のための開口を備える第1のキャビティと、第2のキャビティとに分割すると考えられてよい。インターポーザは、第2のキャビティ内に配置され、LEDは、光を第1のキャビティ内に、そして、開口を通じて放射するために、貫通穴内に配置される。インターポーザを収容することに加えて、第2のキャビティは、照明デバイスの他の要素を収容するために使用されてよい。具体的には、第2のキャビティは、LEDからの熱伝導を改良するために、効果的に使用されてよい。照明デバイスの要素を第2のキャビティ内に挿入するために、或いは第2のキャビティを充填するために、後方開口部が第2のキャビティのために設けられてよい。
【0024】
本発明の例示的な実施形態において、第2のキャビティは、少なくとも部分的に充填材で充填されてよい。充填材は、改良された機械的安定性及び湿度からの保護を提供することもある。第2のキャビティ内の充填材は、例えば、インターポーザ及びLEDからの改良された熱伝導を提供することもある。第2のキャビティは、光の透過のために必要とされず、LEDから見て外方を向くインターポーザの側に配置されてよいので、第2のキャビティは、少なくとも部分的に反射性充填材で充填されてよい。白色シリコーンのような反射性充填材は、透明シリコーンのような透明充填材と比較して、有意に改良された熱伝導率を有することがある。
【0025】
本発明の例示的な実施形態において、照明デバイスは、インターポーザ間の電気的接続のための接続要素を更に含み、具体的には、接続要素は、第2のキャビティ内に配置される。上述のように、各LEDは、具体的には、照明デバイスの可撓性を可能にするために、別個のインターポーザを備えることがある。これに関して、接続要素は、フレキシブル要素として、例えば、インターポーザ間のワイヤとして構成されてよい。接続要素を第2のキャビティ内に配置することによって、接続要素は、第2のキャビティのための充填材内に埋め込まれることがあり、それは接続要素のための電気絶縁、熱伝導及び保護を提供することがある。
【0026】
本発明の別の例示的な実施形態において、照明デバイスは、開口内に配置される光学素子(光学要素)を更に含む。光学素子は、回折性要素及び/又は反射性要素を含んでよい。例えば、光学素子は、TIRレンズ又はフレネルレンズのような少なくとも1つのレンズを含んでよい。光学素子を費用効果的に製造し且つ照明デバイスに適用することができるように、光学素子は、具体的には、ストリップの形状を有する。
【0027】
本発明の例示的な実施形態において、照明デバイスは、開口内に配置される散光器ストリップを更に含む。散光器ストリップを備えるならば、LEDによって放射されて開口を通過する光を散乱させて、より柔らかい照明を得ることができる。散光器はストリップの形状を有するので、散光器を容易に製造し且つ照明デバイスに適用することができる。具体的には、散光器ストリップは、突起、例えば、球区画の形状を備える突起を含んでよく、ハウジングの長さに沿う突起の位置は、LEDの位置に対応する。
【0028】
既に上述のように、本発明のいくつかの実施形態において、ハウジングの少なくとも一部は、シリコーンを主材料とする。シリコーンは、ハウジングに、従って、照明デバイスに非常に可撓な特性を提供する一方で、シリコーンで作られる要素を押出し及び/又は成形のような方法によって容易に形作ることができる。具体的には、シリコーンは、透明な特性を有することがあり、従って、透明充填材及び/又は散光器ストリップのような光の透過を必要とするハウジングの部分に使用されてよい。シリコーンを主材料とする材料は、例えば、粒子がシリコーンに埋め込まれるときに、反射特性及び/又は不透明な特性を有することもある。例えば、(「白色シリコーン」のような)シリコーン中にTiOx粒子のような反射性粒子を用いることによって、非常に高い反射率及び高度に可撓な特性を有するシリコーンで作られた要素を得ることができる。加えて、白色シリコーンは、透明シリコーンに比べて有意に改良された熱伝導率を示す。例えば、第2のキャビティのための反射性壁、反射要素及び/又は充填材は、TiOx粒子のような反射性粒子を有するシリコーンを含んでよく、或いはそのようなシリコーンで構成されてよい。
【0029】
本発明の例示的な実施形態において、ハウジングは、少なくとも部分的に、あるプロファイルの押出しによって提供される。例えば、あるプロファイルを押し出して、反射性側壁を含むハウジングを提供してよい。プロファイルは、開口の側とは反対のハウジングの側に後壁を含んでもよい。プロファイルは、この意味において、U字形を表すことがあり、反射要素は、具体的には、インターポーザ及びLEDと共にU字形内に挿入される別個の要素として構成されてよい。
【0030】
プロファイルは、反射要素を含んでもよい。従って、ある実施形態において、反射性側壁及び反射要素は、押出し成形品(extrusion)と一体的に形成される。例えば、プロファイルは、この意味において、H字形を表すことがある。
【0031】
プロファイルが反射要素も含む場合には、押出後及び/又は押出中にプロファイルを穿孔(打抜き)及び/又は切断して、反射要素に貫通穴を設けてよい。
【0032】
本発明に従った照明デバイスの要素は、他の方法によって、例えば、成形(molding)及び/又は金型充填(mold-filling)によって形成されてもよい。本発明の例示的な実施形態において、照明デバイスの製造は、第1のキャビティを少なくとも部分的に透明充填材で充填すること、及び/又は反射性側壁と反射要素との間に形成される第2のキャビティを少なくとも部分的に反射性充填材で充填することを更に含む。第1及び/又は第2のキャビティの充填をストリップ形状のハウジング上でライン状に行ってもよく、照明デバイスの特に効果的な製造を可能にする。
【0033】
別の実施形態において、照明デバイスの製造は、成形によって開口内に散光器ストリップを設けることを更に含む。散光器ストリップの成形もストリップ形状のハウジング上でライン状に行ってよい。
【0034】
本発明の例示的な実施形態において、照明デバイスは、自動車照明、特に、自動車の車内灯として使用される。照明デバイスの可撓な特性を用いて、照明デバイスは、自動車照明における設計要件に適合するよう異なる形状にされてよい。
【0035】
上述の本発明の構成及び例示的な実施形態は、本発明に従った異なる態様に等しく関連することがある。具体的には、第1の態様に従った方法に関する構成の開示に伴い、第2の態様に従った製造のための照明デバイス及び第3の態様に従った使用に関する対応する構成も開示されている。
【0036】
この欄における本発明の実施形態の提示は、単に例示的であり且つ非限定的であることが理解されるべきである。
【0037】
本発明の他の構成は、添付の図面と共に考慮される以下の詳細な記述から明らかになるであろう。しかしながら、図面は、添付の請求項を参照すべき本発明の限定の定義として設計されているではなく、専ら例示の目的のために設計されていることが理解されるべきである。図面は、縮尺通りに描かれていないこと、及び図面は本明細書に記載する構造及び手順を概念的に例示することを意図するに過ぎないことが更に理解されるべきである。
【0038】
添付の図面を参照して、本発明の例を以下に詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1a】LEDを含む照明デバイスを断面図で示している。
図1b】LEDを含む照明デバイスを断面図で示している。
図2】本発明に従った照明デバイスの実施形態を断面図で示している。
図3】本発明に従った照明デバイスの実施形態を断面図で示している。
図4】本発明に従った照明デバイスの実施形態を概略的な斜視図で示している。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1aでは、照明デバイス2が断面図で示されている。ハウジング4がキャビティ6を含み、キャビティ6内には、LEDパッケージ8が配置されている。LEDパッケージ8は、LED8の電気的接続を提供するために、電気的接続のためのインターポーザ10上に配置されている。インターポーザ10(interposer)によってLED8に電力を提供するために、ワイヤ12がキャビティ6内に配置されている。照明デバイス2は、キャビティ6の開口16内に配置された散光器14(ディフューザ)(diffusor)を更に含む。
【0041】
照明デバイス2が作動させられるときには、LEDパッケージ8が開口16を除いて反射性要素(reflective elements)によって実質的に取り囲まれるように(即ち、LEDパッケージ8が「ホワイトボックス(white box)」内に入れられるように)、ハウジング4に反射性(reflective properties)をもたらすことによって、有効性を特に高めることができる。しかしながら、LED8によって放射され且つ/或いはキャビティ6内で反射される光の一部は、例えば、インターポーザ10又はワイヤ12での吸収によって、光が開口を通じて出ることができる前に、内部的に吸収される。何故ならば、光は、インターポーザ10の周囲及び下方を進行しているからである。
【0042】
従って、図1bに示すように、照明デバイス2’のキャビティ6の一部は、例えば、ワイヤ12及びインターポーザ10の一部を埋め込むことがある、反射性材料18で充填されてよい。従って、反射性材料18の充填は、照明デバイス2’の効率を向上させる。しかしながら、図1bに示すような反射性材料18の充填を用いるならば、インターポーザ10は、反射性材料18中に完全に埋め込まれず、インターポーザ10の一部を露出されたままにする。充填のためにより反射性の材料18を使用するときには、反射性材料18がLEDパッケージ8の部分を覆うことが回避されなければならないので、照明デバイス2’の製造は困難になり、それは効率の損失も招く。
【0043】
図2は、本発明に従った照明デバイス20の断面図の実施形態を断面図で示している。照明デバイス20は、長手方向を有するハウジング22を含み、長手方向は、視野面に対して垂直に走っている。ハウジング22は、U字形の断面を備える実質的にストリップ(細片)(strip)の形状を有するプロファイルの押出しによって提供される。ハウジング22は、長手方向に延びる反射性側壁24と、反射性側壁24の間に配置された第1のキャビティ26と、第1のキャビティ26からの光の通過のための第1のキャビティ26の開口28とを含む。ハウジング22、そして、特に反射性側壁24は、TiOx粒子のような埋め込まれた反射性粒子を備える「白色」シリコーンを主材料(ベース)とする。第1のキャビティ26は、透明な充填材、特に透明なシリコーンで充填される。
【0044】
LEDパッケージ30が設けられ、各LEDパッケージ30は、発光面32と、側面34とを有する。LEDパッケージ30は、LEDパッケージ30の電気的接続を提供するためにインターポーザ36上に配置され、LEDパッケージ30は、発光面32とは反対の側で、インターポーザ36に取り付けられている。
【0045】
LEDパッケージ30は、第1のキャビティ26内にインターポーザ36と共に配置されている。LEDパッケージ30は、ハウジング22の長手方向に沿って互いに対して配置されている。複数のLEDパッケージ30が設けられ、各LEDパッケージ30は、ハウジング22がシリコーンを主材料とすることの故に、照明デバイス20がインターポーザ36とLEDパッケージ30との間でフレキシブル(可撓)であるように、別個のインターポーザ36を有する。ワイヤとして構成された接続要素38は、インターポーザ間の電気的接続のために設けられ、ワイヤは、インターポーザ36間における照明デバイス20の屈曲(flexing)も可能にする。LEDパッケージ30、インターポーザ36、及び接続要素38は、第1のキャビティ26の透明な充填材中に埋め込まれる。更に、LEDパッケージ30は、LEDパッケージ30によって放射される大量の光が、光が開口28を通じて出るまで効果的に反射されるように、ハウジング22、特に反射性側壁26によって取り囲まれている。散光器ストリップ42(diffusor strip)が、開口28内に配置され、散光器ストリップ42は、より柔らかい照明が得られるように、開口28を通過する光の散乱を提供する。散光器ストリップ42は、断面における円の区画として成形された突起を含む。
【0046】
照明デバイス20は、開口38に面するインターポーザ36の側を覆い、側面34上のLEDパッケージ30を取り囲む、反射要素40(reflection element)を更に含む。反射素子40は、LEDパッケージ30が配置される貫通穴を含むストリップ(strip)として構成される。従って、反射要素40は、製造が特に簡単である一方で、インターポーザ36は、吸収による光損失を回避するために反射性材料で効果的に覆われる。反射要素40は、LEDパッケージ30の側面34が効果的に覆われ、LEDパッケージ32が反射素子40によってそれらの側に埋め込まれるように、LEDパッケージ32の厚さと同等以上の厚さを備えるストリップであってよい。貫通穴を含むストリップとして構成された反射要素40を使用することによって、LEDパッケージ30の発光面32の望ましくない被覆又は遮蔽(ブロッキング)を回避することができる。従って、内部吸収による光損失が低減され、照明デバイス20の効率が向上する一方で、照明デバイス20は、簡単な製造プロセスを可能にする。
【0047】
図2に示す実施形態において、反射要素40は、LEDパッケージ30のための穿孔された貫通穴を備えるカバーストリップとして構成され、反射性側壁24とは別個の要素として構成される。照明デバイス20の製造のために、ハウジング22は、プロファイルの押出しによって提供されてよい。LEDパッケージ30、インターポーザ36、接続要素38、及び反射要素40は、第1のキャビティ26内に挿入されてよい。第1のキャビティ26は、透明充填材で充填されてよく、散光器ストリップ42は、開口28内に成形される。
【0048】
図3は、本発明に従った照明デバイス20の他の実施形態を断面図で示しており、対応する要素は、図2と同じ参照番号を有する。図2の実施形態とは対照的に、図3の反射要素40は、反射性側壁24と一体的に形成されている。具体的には、ハウジング22は、プロファイルの押出しによって提供され、埋め込まれた反射性粒子を備えるシリコーンを主材料とし、反射性側壁24及び反射要素40は、押出しと共に形成される。押し出されたプロファイルにおいて、反射要素40のための貫通穴は、穿孔(打抜き)及び/又は切断によって形成されてよい。ハウジング22の断面は、実質的にH形であり、第1のキャビティ26からの光の通過のための第1のキャビティ26の開口28を備える。第2の空洞46の後方開口44が、反射性側壁24と反射要素40との間に形成されている。
【0049】
照明デバイス20の製造のために、ハウジング22の押出し及び一体化された反射要素40内の貫通穴の導入後、LEDパッケージ30、インターポーザ36、及び接続要素38は、LEDパッケージ36が貫通穴内に配置されるように、後方開口44を通じて第2のキャビティ46内に挿入されてよい。インターポーザ36及び接続要素38は、第2のキャビティ46内に配置されている。第1のキャビティ26は、透明シリコーンのような透明充填材で充填されてよく、散光器ストリップ42が、開口28内に成形されている。第2のキャビティ46は、反射性充填材、具体的には、埋め込み反射性粒子を備えるシリコーンで充填され、それはLEDパッケージ30からの熱伝導率を向上させる。
【0050】
図4は、本発明に従った照明デバイス20の実施形態を概略的な斜視図で示している。LEDパッケージ30がハウジング22の長手方向に沿って配置されていることが分かる。LEDパッケージ30及び対応するインターポーザ36は、照明デバイス20がフレキシブルストリップ(可撓性ストリップ)として構成されるように、離間させられている。具体的には、照明デバイス20は、自動車の車内灯のような自動車照明において使用されてよく、照明デバイス20は、その可撓な特性の故に、様々な形状に適合することができる。
図1a
図1b
図2
図3
図4