(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】マイクロアルブミンクレアチニンアッセイ検出フラグおよびそれに関連する製造および使用方法
(51)【国際特許分類】
G01N 1/10 20060101AFI20240314BHJP
G01N 33/493 20060101ALI20240314BHJP
G01N 33/68 20060101ALI20240314BHJP
G01N 33/70 20060101ALI20240314BHJP
G01N 35/02 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
G01N1/10 V
G01N33/493 A
G01N33/68
G01N33/70
G01N35/02 A
(21)【出願番号】P 2021500932
(86)(22)【出願日】2019-06-20
(86)【国際出願番号】 US2019038181
(87)【国際公開番号】W WO2020013970
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-03-03
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-20
(32)【優先日】2018-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508147326
【氏名又は名称】シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】アーロン・カウフマン
【合議体】
【審判長】石井 哲
【審判官】加々美 一恵
【審判官】松本 隆彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-7717(JP,A)
【文献】特表2017-514107(JP,A)
【文献】特表2003-520942(JP,A)
【文献】国際公開第2005/054840(WO,A1)
【文献】米国特許第5976896(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N1/00-1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの診断アッセイで使用するための
、少なくとも1つの試料フラグ化合物で内側をコーティングされた毛細管であって:
少なくとも1つの毛細管であって、少なくとも1つの外面と、少なくとも1つの内面と、第1の端部と、第2の端部と、毛細管の該第2の端部に位置する開口部とを有し、毛細管の内面の少なくとも一部分は、少なくとも1つの試料フラグ化合物でコーティングされており、少なくとも1つの試料フラグ化合物は、毛細管内の患者の液体試験試料の有無を検出する、少なくとも1つの毛細管を含む、
液体試験試料定量供給デバイスに接続するための、前記毛細管。
【請求項2】
少なくとも1つの試料フラグ化合物は、フェリシアン化物、メタ重亜硫酸塩、タウリン、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の毛細管。
【請求項3】
患者の液体試験試料は尿である、請求項1に記載の毛細管。
【請求項4】
少なくとも1つの診断アッセイは、マイクロアルブミンクレアチニン診断アッセイを含む、請求項1に記載の毛細管。
【請求項5】
液体試験試料定量供給デバイスに接続するための毛細管の少なくとも1つの内面を少なくとも1つの試料フラグ化合物でコーティングするための方法であって:
(a)溶液を調製する工程であって、溶液は、少なくとも1つの試料フラグ化合物、少なくとも1つのタンパク質、少なくとも1つの糖、および少なくとも1つのアルコール溶媒を含み、溶液はレセプタクル内に含まれる、工程と;
(b)液体試験試料定量供給デバイスをレセプタクルに配置する工程であって、液体試験試料定量供給デバイスは:
少なくとも1つの外面と、少なくとも1つの内面と、第1の端部と、第2の端部と、毛細管の該第2の端部に位置する開口部とを有する毛細管を含む毛細管部分であって、毛細管は溶液と流体接触し、それにより、溶液の体積は開口部を通って毛細管に入って毛細管内に保持され、溶液は毛細管の少なくとも1つの内面と流体接触する、毛細管部分
を含む、工程と;
(c)液体試験試料定量供給デバイスをレセプタクルから取り外し、液体試験試料定量供給デバイスの少なくとも毛細管部分を、ある温度に加熱する工程であって、該温度で、少なくとも1つのアルコール溶媒は毛細管内に含まれる溶液から蒸発し、さらに、少なくとも1つの試料フラグ化合物の顆粒は毛細管の少なくとも1つの内面に堆積される、工程と
を含む前記方法。
【請求項6】
少なくとも1つの試料フラグ化合物は、患者の液体試験試料と接触したときに溶解され、それによって試料混合物を形成する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの試料フラグ化合物は、フェリシアン化物、メタ重亜硫酸塩、タウリン、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つのタンパク質はウシ血清アルブミン(BSA)を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの糖は、単糖、二糖、オリゴ糖、多糖、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つの糖は、フルクトース、ガラクトース、グルコース、ラクトース、マルトース、スクロース、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つのアルコール溶媒は、一価、多価、不飽和脂肪族、脂環式アルコール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つのアルコール溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、セチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ボレミトール、アリルアルコール、ゲラニオール、プロパルギルアルコール、イノシトール、メントール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
毛細管に入り、該毛細管内に保持される溶液の体積は約35マイクロリットルである、請求項5に記載の方法。
【請求項14】
液体試験試料定量供給デバイスが加熱される温度は
、25℃
~37℃の範囲である、請求項5に記載の方法。
【請求項15】
毛細管部分は、商用グレードの乾燥機、真空乾燥機、およびそれらの組合せからなる群から選択されるヒータによって加熱される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つの診断アッセイの実施前に、液体試験試料定量供給デバイス内の患者の液体試験試料の有無を検出するための方法であって:
(a)反応容器内に液体試験試料定量供給デバイスを固定する工程であって、液体試験試料定量供給デバイスは:
毛細管を含む毛細管部分であって、毛細管は、少なくとも1つの外面と、少なくとも1つの内面と、第1の端部と、第2の端部と、毛細管の該第2の端部に位置する開口部とを有し、毛細管の内面の少なくとも一部分は、少なくとも1つの試料フラグ化合物で実質的にコーティングされており、少なくとも1つの試料フラグ化合物は、患者の液体試験試料と接触したときに溶解し、それにより、患者の液体試験試料と少なくとも1つの溶解された試料フラグ化合物とを含む試料混合物を形成する、毛細管部分
を含む、工程と;
(b)反応容器を診断アッセイ分析器に挿入する工程と;
(c)液体試験試料定量供給デバイスの少なくとも毛細管部分を、少なくとも1つの所定の波長の光でインテロゲートする工程と;
(d)試料混合物のインテロゲートから生成された検出可能な信号を測定する工程であって、試料混合物は、患者の液体試験試料が液体試験試料定量供給デバイスの毛細管内に存在するときにのみ、検出可能な信号を生成する、工程と
を含む前記方法。
【請求項17】
少なくとも1つの試料フラグ化合物は、フェリシアン化物、メタ重亜硫酸塩、タウリン、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2018年7月13日に出願された米国特許仮出願第62/697,672号の米国特許法第119号(e)に基づく利益を主張するものである。上記の特許出願の内容全体を、参照によって本明細書に明示的に組み入れる。
【0002】
連邦政府が出資する研究または開発に関する声明
該当なし。
【0003】
本願で開示されて特許請求される発明概念は、少なくとも1つの診断アッセイの実施に利用される患者の液体試験試料の有無を検出するためのデバイス、キット、および方法に関する。より詳細には、本願で開示されて特許請求される発明概念は、所定の波長の光によってインテロゲートされたときに患者の液体試験試料の有無を検出するための少なくとも1つの試料フラグ化合物を含む改良されたデバイス、ならびにそれに関連するキットおよび使用方法に関する。
【背景技術】
【0004】
患者の液体試験試料中に存在し得る分析物を検出するアッセイを実施するための多数のデバイス、キット、および方法が存在する。そのようなデバイスは、限定はしないが糖化ヘモグロビン(HbA1c)、マイクロアルブミン、クレアチニン、脂質ベースの分析物、例えば、コレステロール、トリグリセリド、および/または高密度リポタンパク質を含む、患者の健康を示す特定の分析物の存在および量を検出する診断アッセイで効果的であることが実証されている。そのようなデバイスは、分析器内部で少なくとも1つの自動診断アッセイを実施するために反応カセットに患者の液体試験試料(例えば、単に例として、患者の尿試料)を注入するために毛細管または毛細管のような構成要素を利用するのが一般的である。しかし、これらのデバイス、キット、および方法は、患者の希釈液体試験試料(希釈尿)の存在と、操作者が患者の液体試験試料の追加を怠った毛細管とを区別することが難しいという点で制限される。現在の方法およびデバイスは、診断アッセイシステム内の患者の液体試験試料の存在を検出するためのものであり、カメラ、水中試験ストリップ、および/または試料読取窓に保管された試薬を含む。しかし、そのような現在の方法およびデバイスは比較的高価であり、継続的なメンテナンスが必要である。したがって、例として、患者の尿試料に対するマイクロアルブミンクレアチニン試験などの少なくとも1つの診断試験の開始前に患者の液体試験試料の有無を決定する費用対効果の高いデバイスおよび方法が必要である。本願で開示されて特許請求される発明概念の対象となるのは、そのようなデバイス、キット、および方法である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念に従って利用される液体試験試料定量供給デバイスの非限定的な一実施形態の斜視図である。
【
図2】
図1の液体試験試料定量供給デバイスの毛細管部分の拡大斜視図である。
【
図3A】本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念に従って、毛細管の少なくとも1つの内面が溶液と流体接触する
図2の毛細管部分の斜視図である。
【
図3B】
図3Aの毛細管部分の斜視図であって、本願に開示されるおよび/または特許請求される発明概念に従って、液体試験試料定量供給デバイスが、溶液から少なくとも1つのアルコール溶媒を蒸発させるために商用グレードの乾燥機に配置されている図である。
【
図4】
図1の液体試験試料定量供給デバイスの斜視図であって、本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念に従って毛細管の少なくとも1つの内面が試料フラグ化合物でコーティングされ、液体試験試料定量供給デバイスが、少なくとも1つの診断アッセイの実施のために反応容器内に挿入されている図である。
【
図5A】本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念に従って、溶液を含む複数の毛細管の少なくとも1つの内面間の流体連通を介して、複数の毛細管の少なくとも1つの内面を試料フラグ化合物を含む試料フラグでコーティングするための方法の非限定的な代替実施形態の斜視図である。
【
図5B】本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念に従って、溶液を含む複数の毛細管の少なくとも1つの内面間の流体連通を介して、複数の毛細管の少なくとも1つの内面を試料フラグ化合物を含む試料フラグでコーティングするための方法の非限定的な代替実施形態の斜視図である。
【
図5C】本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念に従って、溶液を含む複数の毛細管の少なくとも1つの内面間の流体連通を介して、複数の毛細管の少なくとも1つの内面を試料フラグ化合物を含む試料フラグでコーティングするための方法の非限定的な代替実施形態の斜視図である。
【
図5D】本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念に従って、溶液を含む複数の毛細管の少なくとも1つの内面間の流体連通を介して、複数の毛細管の少なくとも1つの内面を試料フラグ化合物を含む試料フラグでコーティングするための方法の非限定的な代替実施形態の斜視図である。
【
図5E】本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念に従って、溶液を含む複数の毛細管の少なくとも1つの内面間の流体連通を介して、複数の毛細管の少なくとも1つの内面を試料フラグ化合物を含む試料フラグでコーティングするための方法の非限定的な代替実施形態の斜視図である。
【
図5F】本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念に従って、溶液を含む複数の毛細管の少なくとも1つの内面間の流体連通を介して、複数の毛細管の少なくとも1つの内面を試料フラグ化合物を含む試料フラグでコーティングするための方法の非限定的な代替実施形態の斜視図である。
【
図5G】本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念に従って、溶液を含む複数の毛細管の少なくとも1つの内面間の流体連通を介して、複数の毛細管の少なくとも1つの内面を試料フラグ化合物を含む試料フラグでコーティングするための方法の非限定的な代替実施形態の斜視図である。
【
図5H】本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念に従って、溶液を含む複数の毛細管の少なくとも1つの内面間の流体連通を介して、複数の毛細管の少なくとも1つの内面を試料フラグ化合物を含む試料フラグでコーティングするための方法の非限定的な代替実施形態の斜視図である。
【
図6】複合溶液が毛細管に注入される、本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念に従って利用される実験セットアップの非限定的な実施形態を示す図である。
【
図7】本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念に従って、フェリシアン化物試料フラグ化合物のスペクトルに重畳された診断アッセイシステム/機器に存在する3つのLED光の中心およびほぼ半値全幅(FWHM)の位置を示すグラフ表現を示す図である。
【
図8】フェリシアン化物試料フラグの追加が診断アッセイの高対照溶液および低対照溶液の範囲に悪影響を及ぼさないことを示すグラフ表現を示す図である。
【
図9】本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念に従って、約425ナノメートルの波長でのフェリシアン化物試料フラグ化合物の様々な混合物(患者の液体試験試料の混合物がある場合とない場合)の平均吸光度読取値を示す箱ひげ図のグラフ表現を示す図である。
【
図10】本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念に従って、約536ナノメートルの波長でのフェリシアン化物試料フラグ化合物の様々な混合物(患者の液体試験試料の混合物がある場合とない場合)の平均吸光度読取値を示す箱ひげ図のグラフ表現を示す図である。
【
図11】本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念に従って、約725ナノメートルの波長でのフェリシアン化物試料フラグ化合物の様々な混合物(患者の液体試験試料の混合物がある場合とない場合)の平均吸光度読取値を示す箱ひげ図のグラフ表現を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
発明概念の少なくとも1つの実施形態を例示的な図面、実験、結果、および実験手順によって詳細に説明する前に、発明概念が、以下の説明に記載される、または図面、実験、および/または結果に示される構成要素の構造の詳細および配置への適用に限定されないことを理解されたい。発明概念は、他の実施形態が可能であり、または様々な方法で実践もしくは実施することが可能である。したがって、本明細書で使用される言葉は、できるだけ広範な範囲および意味を与えられることが意図されている;実施形態は、例示的なものとして意図されており、網羅的ではない。また、本明細書で採用される術語および用語は、説明を目的とするものであり、限定的なものとみなされるべきではないことを理解されたい。
【0007】
本明細書において別段の定義がない限り、本願で開示されて特許請求される発明概念に関連して使用される科学的および技術的な用語は、当業者によって一般に理解される意味を有するものとする。さらに、文脈上必要とされない限り、単数形は複数形を含み、複数形は単数形を含むものとする。前述の技法および手順は、一般に、当技術分野でよく知られている従来の方法に従って、本明細書全体にわたって引用されて論じられる様々な全般的なおよびより具体的な参考文献に記載されているように実施される。本明細書で述べる分析化学、合成有機化学、ならびに医薬品および薬化学に関連して利用される命名法、ならびにそれらの実験手順および技法は、当技術分野でよく知られており、一般的に使用されているものである。
【0008】
本明細書に挙げられるすべての特許、公開特許出願、および非特許刊行物は、本願で開示されて特許請求される発明概念が関係する技術分野の当業者の技術レベルを示す。本出願の任意の部分で参照されるすべての特許、公開特許出願、および非特許刊行物は、個々の特許または刊行物が参照によって組み入れられることが具体的かつ個別に示されている場合と同程度に、それらの全体が参照によって本明細書に明示的に組み入れられる。
【0009】
本明細書に開示されて特許請求されるデバイス、キット、および/または方法はすべて、本開示に照らして過度の実験をせずに作成および実行することができる。本願で開示されて特許請求される発明概念の組成物および方法を好ましい実施形態に関して述べているが、本願で開示されて特許請求される発明概念の概念、精神、および範囲から逸脱することなく、組成物および/または方法に、本明細書で述べる方法の工程または一連の工程において変更が適用され得ることは当業者には明らかであろう。当業者に明らかなそのような同様の代替および修正はすべて、添付の特許請求の範囲によって定義される発明概念の精神、範囲、および概念の範囲内にあるとみなされる。
【0010】
本開示に従って利用されるとき、以下の用語は、特に示されていない限り、以下の意味を有すると理解すべきである。
【0011】
特許請求の範囲および/または本明細書において「含む」という用語と併せて使用するときの「a」または「an」という単語の使用は、「1つ」を意味することがあるが、「1つまたはそれ以上」、「少なくとも1つ」、および「1つまたは2つ以上」の意味とも整合性がある。単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈に明示されていない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば「a compound(化合物)」への言及は、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、またはそれよりも多くの化合物を表すことがある。「複数」という用語は、「2つ以上」を表す。特許請求の範囲における「または」という用語の使用は、別段に明示されていない限り「および/または」を意味するために使用され、代替物のみ、または代替物が相互に排他的であることを表すが、本開示は、代替物のみおよび「および/または」を表す定義にも対応する。本出願を通じて、「約」という用語は、値が、デバイスに関する誤差の固有のばらつきを含むことを示すために使用され、方法は、値、または被験体間に存在するばらつきを決定するために採用される。例えば、限定はしないが、「約」という用語を利用するとき、開示される方法の実施にばらつきが適切であるときには、当業者によって理解されるように、指示値は、その指定された値から±20%、または±10%、または±5%、または±1%、または±0.1%異なることがある。「少なくとも1つ」という用語の使用は、1つ、および2つ以上の任意の量、例えば限定はしないが2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、100などを含むと理解される。「少なくとも1つ」という用語は、それが修飾する用語によっては、100または1000以上まで拡張することができる;さらに、100/1000の量は限定とはみなされず、より高い限度が満足の行く結果を生み出すこともある。さらに、「X、Y、およびZの少なくとも1つ」という用語の使用は、Xのみ、Yのみ、およびZのみ、ならびにX、Y、およびZの任意の組合せを含むと理解される。序数の用語(すなわち「第1」、「第2」、「第3」、「第4」など)の使用は、2つ以上の項目を区別する目的のみのものであり、任意の順序もしくは順番、項目どうしの重要性の順位、または任意の追加の順番を示唆することは意図されていない。
【0012】
本明細書および特許請求の範囲で使用されるとき、「含む(comprising)」(および「含む(comprising)」の任意の語尾変化)、「有する」(および「有する」の任意の語尾変化)、「含む」(および「含む」の任意の語尾変化)、または「含有する」(および「含有する」の任意の語尾変化)は、包括的またはオープンエンドであり、追加の、引用されていない要素または方法工程を除外しない。
【0013】
本明細書で使用する「またはそれらの組合せ」という用語は、その用語に先行する列挙された項目のすべての順列および組合せを表す。例えば、「A、B、C、またはそれらの組合せ」は:A、B、C、AB、AC、BC、またはABCの少なくとも1つを含み、特定の文脈で順序が重要な場合にはBA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC、またはCABも含むことを意図されている。この例を続けて、BB、AAA、AAB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABBなど、1つまたはそれ以上の項目または用語の繰り返しを含む組合せが明示的に含まれる。文脈から明らかでない限り、通常、任意の組合せでの項目または用語の数に制限がないことを当業者は理解されよう。
【0014】
本明細書で使用するとき、「実質的に」という用語は、その後に記載される事象または状況が完全に生じること、またはその後に記載される事象または状況がかなりの程度または度合いで生じることを意味する。例えば、「実質的に」という用語は、その後に記載される事象または状況が、少なくとも90%の確率、または少なくとも95%の確率、または少なくとも98%の確率で生じることを意味する。
【0015】
本明細書で使用するとき、「関連する」という語句は、2つの部分の互いに直接的な関連、および2つの部分の互いに間接的な関連の両方を含む。関連の非限定的な例としては、直接の結合によるまたはスペーサー基を介したある部分と別の部分との共有結合、直接または各部分に結合された特異的結合対メンバーによるある部分と別の部分との非共有結合、例えばある部分を別の部分に溶解することによってまたは合成によってある部分を別の部分に組み込むこと、およびある部分を別の部分にコーティングすることを含む。
【0016】
本明細書で使用するときの「液体試験試料」という用語は、本願で開示されて特許請求される発明概念に従って利用され得る任意のタイプの生物学的流体試料を含むと理解される。利用され得る生物学的試料の例としては、限定はしないが、全血または血液の任意の部分(すなわち血漿または血清)、唾液、痰、脳脊髄液(CSF)、腸液、腹腔液、嚢胞液、汗、間質液、涙、粘液、尿、膀胱洗浄液、精液、それらの組合せなどが挙げられる。本願で開示されて特許請求される発明概念に従って利用される試料の体積は、約0.1~約100マイクロリットルである。本明細書で使用するとき、本願で開示されて特許請求される発明概念に従って利用される液体試験試料に関するときの「体積」という用語は、約0.1マイクロリットル~約100マイクロリットル、または約1マイクロリットル~約75マイクロリットル、または約2マイクロリットル~約60マイクロリットル、または約50マイクロリットル以下、または約40マイクロリットル以下を意味する。本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念の非限定的な一実施形態では、液体試験試料は、約40マイクロリットルの尿である。
【0017】
本明細書で使用するときの「糖」という用語は、単糖、二糖、オリゴ糖、多糖、およびそれらの組合せを含む、可溶性の結晶性炭水化物のクラスの任意の物質を意味する。本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念に従って利用される糖の非限定的な例としては、限定はしないが、フルクトース、ガラクトース、グルコース、ラクトース、マルトース、スクロース、およびそれらの組合せが挙げられる。非限定的な一実施形態において、糖は、スクロースを含む、および/またはスクロースからなる。
【0018】
本明細書で使用するときの「アルコール」および/または「アルコール溶媒」という用語は、少なくとも1つのヒドロキシル官能基(-OH)が少なくとも1つの炭素原子に結合された任意の有機化合物を意味する。本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念に従って利用され得るアルコールの非限定的な例としては、限定はしないが、一価、多価、不飽和脂肪族、脂環式アルコール、およびそれらの組合せ、例えば、限定はしないが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、セチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ボレミトール、アリルアルコール、ゲラニオール、プロパルギルアルコール、イノシトール、メントール、およびそれらの組合せが挙げられる。
【0019】
本明細書で使用するときの「試料フラグ化合物」という用語は、患者の液体試験試料の存在下で特定の波長の可視光(例えば、単に例として、425ナノメートルの波長の光)によってインテロゲートされたときに、例えば吸光度変化などの検出可能な信号を放出する化合物を意味する。本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念に従って利用される試料フラグ化合物の非限定的な例としては、限定はしないが、フェリシアン化物(FeCN)含有化合物(例えば、単に例として、フェリシアン化カリウム)、メタ重亜硫酸塩、タウリン、および他の硫黄ベースおよび/または硫黄含有化合物が挙げられる。
【0020】
本明細書で使用されるときの「毛細管作用」および/または「毛細管力」という用語は、液体表面を平面形状から歪ませて、液体を細い管、チャネル、および/またはキャビティ内で上昇させる、下降させる、またはそこに含まれたままにする、液体と固体との接触面間の相互作用を含むものと理解される。限定ではなく単に例として、毛細管作用として以下のものが挙げられる:(1)試料フラグ化合物、少なくとも1つのタンパク質(単に例として、ウシ血清アルブミン(BSA)など)、少なくとも1つの糖、および少なくとも1つのアルコールを含む溶液を、液体試験試料定量供給デバイスの毛細管に吸い上げること;および(2)患者の液体試験試料を液体試験試料定量供給デバイスの毛細管に吸い上げて、撹拌されるまで液体試験試料が毛細管内に留まるようにすること。
【0021】
「患者」という用語は、ヒトおよび動物被験体を含む。特定の実施形態では、患者は哺乳動物である。特定の他の実施形態では、患者はヒトである。処置の目的に関する「哺乳動物」とは、哺乳動物として分類される任意の動物を表し、ヒト、家畜および畜類、ヒト以外の霊長類、およびイヌ、ウマ、ネコ、ウシなど動物園、スポーツ、またはペットの動物を含む。
【0022】
「反応容器」という用語は、本明細書で述べるような少なくとも1つの診断アッセイを実施することが可能な任意のデバイスを含む。反応容器は、手動で診断アッセイを実施することができるが、ほとんどの場合、反応容器は、診断アッセイの実施を自動化するシステムに挿入される。非限定的な一実施形態では、反応容器は、Siemens Healthcare Diagnostics, Inc.から市販されているDCA Vantage(登録商標)分析器によって行われる自動診断アッセイで使用するための反応カセットを含む;しかし、本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念を、患者の液体試験試料に対して少なくとも1つの診断アッセイを行う任意の診断アッセイシステムで利用することができることを当業者は容易に理解されよう。
【0023】
ここで特定の実施形態を見ると、本願で開示されて特許請求される発明概念は、単に例として毛細管などの標本ホルダに含まれることがある患者の液体試験試料の有無を化学的に検出するためのデバイス、キット、および方法に関する。より詳細には、本願で開示されて特許請求される発明概念は、標本ホルダが所定の波長の光によってインテロゲートされたときに標本ホルダ内の患者の液体試験試料の有無を検出するための少なくとも1つの化学フラグを含む改良されたデバイス、ならびにそれに関連するキットおよび使用方法に関する。
【0024】
生物学的、化学的、または生化学的分析およびアッセイの分野で使用される実質的に任意の試薬を、本願で特許請求されて開示される発明概念のデバイス、キット、および方法で使用することができることが企図される。これらの試薬は、対象の分析物に結合されたときに物理的および/または化学的変化を受けることがあると考えられ、試薬-分析物複合体によって生成される信号の強度、性質、周波数、またはタイプは、流体試料中に存在する分析物の濃度に正比例または反比例する。これらの試薬は、対象の分析物と反応するときに色の変化を示すことがあるインジケーター色素、金属、酵素、ポリマー、抗体、および電気化学的反応性のある成分および/または化学物質を含むことがある。
【0025】
流体試料中の分析物を検出および測定する任意の方法を、本願で特許請求される発明概念のデバイス、キット、および方法で使用することができる。分析物を検出するための様々なアッセイは当技術分野でよく知られており、限定はしないが、化学アッセイ、酵素阻害アッセイ、抗体染色、ラテックス凝集、ラテックス凝集阻害、およびラジオイムノアッセイなどのイムノアッセイを含む。本明細書における「抗体」という用語は、最も広範な意味で使用され、例えば、インタクトモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、および所望の生物学的活性(例えば、抗原/分析物結合)を示す抗体フラグメントを表す。抗体は、任意のタイプまたはクラス(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、およびIgA)またはサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2)でよい。
【0026】
液体試験試料中に存在する少なくとも1つの対象の分析物の検出に関して、本明細書では主にイムノアッセイ(限定はしないが、連続分析化学およびイムノアッセイを含む)を論じるが、本願で開示されて特許請求される発明概念は、イムノアッセイに厳密には限定されず、例として、限定はしないが、化学的および化学ベースのアッセイ、核酸アッセイ、脂質ベースのアッセイ、および血清学ベースのアッセイも含むことがあることを当業者は容易に理解されよう。ラジオイムノアッセイおよび酵素結合イムノアッセイを含むイムノアッセイは、本願で特許請求されて開示される発明概念と共に使用するための有用な方法である。本発明の方法では、例えば、競合的および非競合的イムノアッセイフォーマット、抗原/分析物捕捉アッセイ、および2抗体サンドイッチアッセイを含む様々なイムノアッセイフォーマットを使用することができる。本願で特許請求されて開示される発明概念において、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)を使用することもできる。酵素イムノアッセイの場合、酵素は典型的には、一般にグルタルアルデヒド、過ヨウ素酸塩、ヘテロ二官能性架橋剤、またはビオチン-ストレプトアビジン複合体によって二次抗体に結合される。しかし、容易に理解されるように、本願で開示されて特許請求される発明概念との使用のために当業者に容易に利用可能な多様な異なる結合技法が存在する。
【0027】
限定はしないがイムノアッセイ、核酸捕捉アッセイ、脂質ベースのアッセイ、および血清学ベースのアッセイを含むアッセイは、液体試験試料中に含まれていることがあるタンパク質、ペプチド、および核酸の多重化されたパネルのために開発することができ、そのようなタンパク質およびペプチドは、例えば、限定はしないが、アルブミン、マイクロアルブミン、コレステロール、トリグリセリド、高密度リポタンパク質、低密度リポタンパク質、ヘモグロビン、ミオグロビン、α-1-ミクログロビン、イムノグロビン、酵素、タンパク質、糖タンパク質、プロテアーゼ阻害剤、薬物、サイトカイン、クレアチニン、およびグルコースを含む。本明細書に開示されるおよび/または特許請求されるデバイス、キット、および方法は、限定はしないが全血、血漿、血清、または尿を含む任意の液体試験試料の分析に使用することができる。非限定的な一実施形態では、液体試験試料は、約40マイクロリットルの尿である。
【0028】
ここで図面、より具体的には
図1を参照すると、患者の液体試験試料を収集し、かつ少なくとも1つの診断アッセイの実施のために患者の液体試験試料を反応容器に定量供給する液体試験試料定量供給デバイス10の非限定的な実施形態が示されている。液体試験試料定量供給デバイス10は、本体14、液体廃棄物収集器16、および毛細管18を含む。
【0029】
非限定的な一実施形態では、
図1に示されるように、本体14は、第1の側面22、第2の側面26、第3の側面30、第4の側面34、第1の端部38、および第2の端部42を含む。
図1には、4つの側面を含むものとして示されているが、本体14は、本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念を達成する任意の数の側面を含むことができ、例えば、限定はしないが、本体14が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、または100以上の側面を含むことができることを容易に理解されよう。さらに、
図1には実質的に長方形状として示されているが、本体14は、本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念を達成する任意の形状に構成することができ、例えば、限定はしないが、円筒形、卵形、三角柱、立方体、直方体、台形柱、五角柱、六角柱、七角柱、八角柱、九角柱、十角柱、または任意の多角柱(この場合、側面の数が、本体14の特定の形状に適合する。すなわち八角柱形状の本体14は、8つの側面/面を含む)である。
図4により詳細に示されるように、液体試験試料定量供給デバイス10の本体14は、反応容器に受けられるように構成され、患者の液体試験試料は、単に例としてマイクロアルブミンクレアチニン診断アッセイなど少なくとも1つの診断アッセイの実施のために毛細管18から反応容器内に定量供給される。
【0030】
特定の非限定的な実施形態では、本体14(および/または毛細管18)は、(患者の液体試験試料の収集および/または反応容器への本体の挿入のどちらを行うときにも本体14の変形を避けるために)剛性プラスチック材料で形成された単一の成形構成要素として製造され、そのような剛性プラスチック材料としては、例えば、合成および/または天然に存在するまたは天然由来のポリマー(有機および/または無機の両方)、例えば、単に例として熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、エラストマー、および/または合成繊維、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、スチレンブタジエン、アクリル、ポリアクリル、およびポリ酢酸ビニル、および/またはソーダ石灰、ならびにそれらの組合せが挙げられる。しかし、本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念を達成することが可能な任意の材料で本体14を構成することができることを当業者は容易に理解されよう。非限定的な一実施形態(
図1に示される)では、液体試験試料定量供給デバイス10の本体14は、本体14の第1の側面22、第2の側面26、第3の側面30、および第4の側面34によって画定される領域が中空であり、その中に液体廃棄物収集器16が位置するように構成される。非限定的な一実施形態では、第1の側面22および第3の側面30が開いており、少なくとも1つの診断アッセイの実施中に副生成物として生成された液体廃棄物が、液体廃棄物の除去および封じ込めのための液体廃棄物収集器16と接触する;しかし、本体14のいずれかまたはすべての側面が、液体廃棄物と液体廃棄物収集器16との間のインターフェースを実現するために開いていてよいことを当業者は容易に理解されよう。
【0031】
別の非限定的な実施形態では、本体14の第1の側面22、第2の側面26、第3の側面30、および第4の側面34によって画定される領域は、中空である(または液体廃棄物収集器16を含む)必要はない。例えば、単に例として、本体14の第1の側面22、第2の側面26、第3の側面30、および第4の側面34によって画定される領域は中実でもよく、中空空間が内部に画定されない。さらに、液体廃棄物収集器16を含むのではなく、少なくとも1つの診断アッセイを実施した副生成物として生成される液体廃棄物の収集のために本体14の第1の側面22、第2の側面26、第3の側面30、および第4の側面34の1つまたはすべてに複数のマイクロキャビティ(図示せず)を配設および形成することができる。
【0032】
液体廃棄物収集器16は、少なくとも1つの診断アッセイを実施した副生成物として生成される液体廃棄物に適用され、そのような液体廃棄物を収集する材料から形成される。
図1では実質的に円筒形状として示されているが、液体廃棄物収集器16が、本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念を達成することが可能な任意の形状でよく、例えば、限定はしないが、三角柱、立方体、直方体、台形柱、五角柱、六角柱、七角柱、八角柱、九角柱、十角柱、または任意の多角柱(この場合、側面の数が、液体廃棄物収集器16の特定の形状に対応する。すなわち八角柱形状の液体廃棄物収集器16は、8つの側面/面を含む)である。液体廃棄物収集器16は、本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念、すなわち液体廃棄物(使用済みおよび未使用の診断アッセイ反応試薬と患者の液体試験試料との組合せを含む)の吸収および封じ込めを達成する任意の材料または材料の組合せで構成することができる。そのような材料としては、限定はしないが、セルロースまたは繊維ベースの製品、例えば限定はしないが紙、綿、スポンジ、および酢酸セルロース、ならびにポリマー材料、例えば超吸収性ポリマー、および上記のいずれかの任意の組合せが挙げられる。
【0033】
毛細管18は、患者の液体試験試料を収集し、続いて液体試験試料を反応容器に定量供給/注入するように適用される。さらに、
図3Aにより詳細に示されるように、毛細管18は、非限定的な一実施形態において、試料フラグ化合物、少なくとも1つのタンパク質(単に例として、ウシ血清アルブミン(BSA)など)、少なくとも1つの糖、および少なくとも1つのアルコールを含むおよび/またはそれらからなる溶液を収集するように適用される。非限定的な一実施形態では、毛細管18は、溶液および/または患者の液体試験試料とそれぞれ接触しているときに、毛細管作用によって溶液および患者の液体流体試料を収集する。しかし、限定はしないが溶液および/または患者の液体試験試料のいずれかを毛細管18に引き込む負圧差の生成を含めた、当技術分野で一般に知られている任意の方法により、溶液および/または患者の液体試験試料を毛細管18によって収集することができることを当業者は容易に理解されよう。毛細管18は、限定はしないがガラスおよび/または化学的に不活性のプラスチックを含めた、当技術分野で一般に知られている任意の材料で構成することができる。毛細管18のサイズおよび体積容量は、以下のものに応じて変化する:(1)毛細管18の少なくとも1つの内面を実質的に均一にコーティングするのに必要な溶液の体積;ならびに(2)収集される患者の液体試験試料のタイプおよび量。特定の非限定的な実施形態において、毛細管18は、約0.1マイクロリットル~約100マイクロリットル、または約0.5マイクロリットル~約95マイクロリットル、または約1マイクロリットル~約90マイクロリットル、または約2マイクロリットル~約85マイクロリットル、または約5マイクロリットル~約80マイクロリットル、または約10マイクロリットル~約75マイクロリットル、または約15マイクロリットル~約70マイクロリットル、または約20マイクロリットル~約65マイクロリットル、または約25マイクロリットル~約60マイクロリットル、または約30マイクロリットル~約55マイクロリットル、または約35~約50マイクロリットル、または約40マイクロリットル以下の体積を保持するように適用されてサイズ設定される。限定ではなく単に例として、患者の液体試験試料が尿であるとき、毛細管18の体積容量は約40マイクロリットルである。非限定的な一実施形態では、
図2および3A~3Dにより詳細に示されるように、毛細管18の第1の端部51が本体14の第2の端部42を通って延在し、毛細管18の少なくとも一部は、溶液および/または患者の液体試験試料を収集するために本体14の外部に留まる。
【0034】
さらに、
図1では実質的に円筒形状として示されているが、毛細管18が、本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念を達成することが可能な任意の形状でよく、例えば、限定はしないが、三角柱、立方体、直方体、台形柱、五角柱、六角柱、七角柱、八角柱、九角柱、十角柱、または任意の多角柱(この場合、側面の数が、毛細管18の特定の形状に対応する。すなわち八角柱形状の毛細管18は、8つの側面/面を含む)である。非限定的な一実施形態では、毛細管18は、実質的に円筒形状である。さらに、毛細管18は、毛細管作用によって液体材料を受けるように適用される。
【0035】
ここで
図2を参照すると、
図1の改良された液体試験試料定量供給デバイス10の毛細管部分19の拡大斜視図が示されている。
図2に示されているように、毛細管部分19は毛細管18を含み、毛細管18は、少なくとも1つの外面46と、少なくとも1つの内面50と、第1の端部51と、第2の端部52と、デンプンプラグ53と、単に例として毛細管作用によって患者の液体試験試料および/または溶液を受けるためおよび定量供給するための第2の端部52に位置する開口部54とをさらに含む。
【0036】
ここで
図3Aを参照すると、
図2の毛細管部分19の斜視図が示されており、毛細管18の少なくとも1つの内面50が、試料フラグ化合物、少なくとも1つのタンパク質(単に例として、ウシ血清アルブミン(BSA)など)、少なくとも1つの糖、および少なくとも1つのアルコールを含むおよび/またはそれらからなる溶液62と流体接触している。
図2に関して前述したように、毛細管部分19は毛細管18を含み、毛細管18は、少なくとも1つの外面46と、少なくとも1つの内面50と、第1の端部51と、第2の端部52と、第2の端部52にある開口部54とをさらに含む。
【0037】
本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念の非限定的な一実施形態では、溶液62は、2つ以上の別個の溶液の複合から生成される。単に例として、溶液62は、試料フラグ化合物、少なくとも1つのタンパク質、および少なくとも1つの糖を含むおよび/またはそれらからなる第1の溶液と、少なくとも1つのアルコール(または低い試料フラグ化合物溶解度を有する他の水溶性化合物)を含むおよび/またはそれからなる第2の溶液との複合から生成される。非限定的な一実施形態において、第1の溶液は、約15ミリグラム/ミリリットルの濃度のフェリシアン化カリウム試料フラグ化合物、第1の溶液の体積に基づいて約6%の濃度のウシ血清アルブミン(BSA)、および第1の溶液の体積に基づいて約15%の濃度のスクロースを含む。非限定的な一実施形態では、第2の溶液は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、および/またはそれらの組合せを含む。本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念の特定の非限定的な実施形態は、第1および第2の溶液(ならびに複合溶液62)を生成する特定の量および/または濃度の成分を含むが、様々な成分の量および濃度が、本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念を達成することが可能な任意の量および/または濃度またはその範囲内にあり得ることを当業者は容易に理解されよう。非限定的な一実施形態では、溶液62を構成する第1の溶液と第2の溶液との比は、約1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20である;しかし、患者の液体試験試料が乾燥した溶液62と流体連通しているときに溶液62が特定の波長の光(例えば、例として、425ナノメートルの波長の光)でインテロゲートされたときに検出可能な信号を放出するという条件で、溶液62が第1の溶液と第2の溶液との任意の比を有することができることを当業者には理解されたい。非限定的な一実施形態では、溶液62中の第1の溶液と第2の溶液との比は、約1:12.57である。
【0038】
非限定的な一実施形態では、毛細管18内に存在する溶液62の体積は、約1マイクロリットル~約100マイクロリットル、または約5マイクロリットル~約95マイクロリットル、または約10マイクロリットル~約90マイクロリットル、または約15マイクロリットル~約85マイクロリットル、または約20マイクロリットル~約80マイクロリットル、または約25マイクロリットル~約75マイクロリットル、または約30マイクロリットル~約70マイクロリットル、または約35マイクロリットル~約65マイクロリットル、または約40マイクロリットル~約60マイクロリットル、または約45マイクロリットル~約55マイクロリットル、または約50マイクロリットル以上である。本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念の非限定的な一実施形態では、毛細管18内に存在する溶液62の体積は、約35マイクロリットルである。
【0039】
本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念の非限定的な一実施形態では、毛細管部分19は、試料フラグ化合物、少なくとも1つのタンパク質、少なくとも1つの糖、および少なくとも1つのアルコールを含むおよび/またはそれらからなる複合溶液62(本明細書の他の場所で述べる)を含むレセプタクル58内に配置される。成分が溶液62全体に均等に分散されたままであることを保証するために、単に例として、不活性磁気撹拌棒66などの不活性撹拌デバイスを、レセプタクル58内での溶液62の連続混合のための磁気撹拌器70と共に使用することができる。市販の磁気撹拌器の例は、当技術分野で一般的に知られている。さらに、
図3Aにはレセプタクル58、磁気撹拌棒66、および磁気撹拌器70を含むものとして示されているが、
図5A~5Hにより詳細に示されるように連続またはバッチ処理法のいずれかによって複数の毛細管の内面を同時にコーティングするために、当技術分野で一般に知られている任意の方法によって、例えば単に例として溶液62のより大きなバッチの混合を可能にする商用グレードのミキサによって溶液62を混合することができることが当業者には容易に理解されよう。
図3Aには単一の毛細管18として示されているが、毛細管18の少なくとも1つの内面50をコーティングするプロセスは、複数の液体試験試料定量供給デバイスの毛細管の内面が溶液62で同時にコーティングされるバッチまたは連続自動製造プロセスにおいて達成することができることが当業者には容易に理解されよう。
【0040】
図3Aに示されるように、非限定的な一実施形態では、毛細管部分19は、毛細管18の開口部54が溶液62中に浸漬されるように、レセプタクル58内に配置される。この浸漬により、溶液62は、毛細管作用(上向き矢印xによって示される)によって開口部54を通して毛細管18に吸い上げられ、溶液62は、毛細管18の内面50の少なくとも一部と流体連通する。
図3Aには毛細管作用によって開口部54を通って入るものとして示されているが、溶液62が開口部54を通して毛細管18に受動的に吸い上げられる必要はないことを当業者は容易に理解されよう;溶液62は、開口部54を通して、または毛細管18の製造プロセス中に、毛細管に能動的に注入されることもある。
【0041】
ここで
図3Bを参照すると、溶液62が毛細管作用によって毛細管18に吸い上げられて毛細管18内に含まれた後、非限定的な一実施形態では、毛細管部分19(または液体試験試料定量供給デバイス10全体)が加熱されて、溶液62内に含まれる少なくとも1つのアルコール溶媒を蒸発して除去する。加熱は、アルコール溶媒を蒸発させるのに十分高いが、アルコール溶媒が蒸発するときに毛細管18の少なくとも1つの内面50に堆積される試料フラグ化合物を溶解しないように十分に低い温度で行われる。非限定的な一実施形態では、少なくとも1つのアルコールは、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、およびそれらの組合せからなる群から選択され、毛細管18内に含まれる溶液62は、約20℃~約100℃、または約25℃~約95℃、または約30℃~約90℃、または約35℃~約85℃、または約40℃~約80℃、または約45℃~約75℃、または約50℃~約70℃、または約55℃~約65℃、または約60℃以上の温度に加熱されて維持される。非限定的な一実施形態では、毛細管部分19は、約25℃~約37℃の範囲の温度に加熱されて、毛細管18内に含まれる溶液62からアルコール溶媒を蒸発して除去する。毛細管部分19は、少なくとも1つの不溶性揮発性化合物の蒸発前および蒸発中に溶液62が毛細管18の少なくとも1つの内面50と接触したままであるという条件で、当技術分野で一般に知られている任意の方法によって、例えば限定はしないが当技術分野で一般に知られている商用グレードの乾燥機および/または真空乾燥機によって加熱することができる。さらに、毛細管部分19は全く加熱されなくてもよく、少なくとも1つのアルコール溶媒の蒸発が室温条件下で自然に生じる。
【0042】
アルコール溶媒蒸発技法に加えて、毛細管18の少なくとも1つの内面50への試料フラグ化合物の堆積は、本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念を達成する任意の方法によって達成することができる。そのような方法としては、限定はしないが以下のものが挙げられる:(1)液体試験試料定量供給デバイス10(または別個に製造される場合には毛細管18)の製造プロセス中にデンプンプラグ53(
図2により詳細に示される)に試料フラグ化合物を包含すること-試料フラグ化合物は、デンプンプラグから拡散し、患者の液体試験試料が毛細管18内に存在するときにそのような液体試験試料と混合する;および/または(2)液体試験試料定量供給デバイス10(または別個に製造される場合には毛細管18)の製造プロセス中に毛細管18を形成する材料に試料フラグ化合物が組み込まれることがある。
【0043】
ここで
図4を参照すると、
図1の液体試験試料定量供給デバイス10の斜視図が示されており、毛細管18の少なくとも1つの内面50が(本明細書の他の場所で述べるように)試料フラグ化合物でコーティングされ、液体試験試料定量供給デバイス10が、少なくとも1つの診断アッセイの実施のために反応容器82内に挿入されている。液体試験試料定量供給デバイス10の毛細管18への患者の液体試験試料の収集後、患者の液体試験試料は、毛細管18の少なくとも1つの内面50に堆積された試料フラグ化合物と混合して溶解して、試料混合物78を生成する。次いで、液体試験試料定量供給デバイス10は、反応容器82の反応チャンバ86内に挿入され、内部に固定される。
【0044】
診断アッセイシステム/機器内に固定された後、毛細管18は、少なくとも1つのシステム光源(図示せず)によって所定の波長の光でインテロゲートされ、光は、単に例として反応カセット82の試料読取窓88を通過して毛細管18をインテロゲートする。試料混合物78が毛細管18内に存在する場合(試料混合物78中の患者の液体試験試料が非常に希釈でも)、光源からの特定波長の可視光でインテロゲートされたときに試料混合物78から検出可能な信号(すなわち、例えば、診断アッセイシステム/機器とは別個であることも統合されていることもある分光光度計によって測定することができる吸光度の変化/シフト)が放出される。試料混合物78が毛細管18内に存在しない場合(単に例として、患者の液体試験試料が毛細管に収集されていないため、または、反応カセット82の反応チャンバ86への液体試験試料定量供給デバイス10の挿入前にそのような液体試験試料が毛細管18から漏れている場合)、毛細管18が特定の波長の可視光でインテロゲートされたときに、検出可能な信号が放出されない。したがって、試料フラグ化合物は、(単に例として480ナノメートル波長の光など特定の波長の可視光で試料混合物78がインテロゲートされるときに、検出可能な信号が放出されることにより)診断アッセイシステム/機器内での少なくとも1つの診断アッセイの実施前に毛細管18内の患者の液体試験試料の存在が検証される効果的な液体試験試料フラグとして利用される。
【0045】
診断アッセイシステム/機器は、限定はしないが1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個以上の光源を含む、本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念を達成する任意の数の光源を含むことがある。非限定的な一実施形態では、光源は、発光ダイオード(LED)ライトである;しかし、光源は、本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念を達成するためにLEDライトである必要はなく、限定はしないが、白熱電球光源、レーザ光源、およびそれらの任意の組合せを含むことができることを当業者には理解されたい。非限定的な一実施形態では、様々な光源によって生成される光の波長は、典型的には約380ナノメートル~約800ナノメートルの範囲の可視スペクトルにある。非限定的な一実施形態では、以下でより詳細に論じるように、診断アッセイシステム/機器は、それぞれ約425ナノメートル、536ナノメートル、および725ナノメートルの中心波長値を放出する少なくとも3つのLED光源を含みおよび/またはそれらからなり、約425ナノメートルの波長の光が液体試験試料インテロゲータとして働く。
【0046】
患者の液体試験試料の存在が光によるインテロゲートによって検証されると、試料混合物78(患者の液体試験試料を含む)は、例えば診断アッセイシステム/機器内の反応容器82の自動回転および撹拌によって毛細管18から反応容器82の反応チャンバ86に定量供給される。反応容器82の反応チャンバ86への患者の液体試験試料の定量供給後、患者の液体試験試料に対して少なくとも1つの診断アッセイ(単に例として、マイクロアルブミンクレアチニンアッセイなど)が実施される。非限定的な一実施形態において、少なくとも1つの診断アッセイは、反応容器82が時計回りと反時計回りとの両方向に回転される所定の工程を含み、患者の液体試験試料が、少なくとも1つの診断アッセイに関連する固体および液体試薬の両方と十分に混合され、少なくとも1つの診断アッセイの実施中に所定の間隔で様々な測定が行われる。少なくとも1つの診断アッセイの終了時に、ある体積の液体廃棄物が反応容器82内に含まれ、その液体廃棄物体積は、主に、少なくとも1つの診断アッセイの実施において利用される患者の液体試験試料、固体試薬、および/または液体試薬の混合物を含む。少なくとも1つの診断アッセイの終了後、液体廃棄物体積を含む反応容器82は、例えば、診断アッセイシステム/機器内の反応容器82の回転によって実質的に逆さにされる。このように逆さにすることにより、液体廃棄物体積が液体廃棄物収集器16と接触させられ、それにより、液体廃棄物体積は、液体廃棄物収集器16によって吸収され、収集器16内に含まれる/維持される。
【0047】
図面の大部分を通して、単に例として溶液62が毛細管18に引き込まれ、注入され、および/または配置されるときに液体試験試料定量供給デバイス10に接続される(それにより、毛細管18の少なくとも1つの内面50への試料フラグ(単に例として、フェリシアン化物含有化合物など)の堆積を容易にする)ものとして示されているが、溶液が毛細管に引き込まれる、注入される、および/または配置されるときに、毛細管が液体試験試料定量供給デバイスとは別個であり得ることを当業者は容易に理解されよう。そのような場合、毛細管は、後で液体試験試料定量供給デバイスに接続することができ、または本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念に従って追加の用途に使用することができる。
【0048】
図5A~5Hは、本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念に従って、溶液を含む複数の毛細管の少なくとも1つの内面間の流体連通を介して、複数の毛細管の少なくとも1つの内面を試料フラグ化合物でコーティングするための方法の非限定的な代替実施形態の斜視図である。
図5A~5Hは、4つの別個の毛細管を示しているが、本願で開示されるおよび/または特許請求される方法は、任意の数の毛細管、例えば、単に例として、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、70、75、80、85、90、95、または100以上の毛細管を含むことができることを当業者は容易に理解されよう。毛細管は、機械的な接続ウェブ210を介して互いに取り付けられる。さらに、第1の毛細管218A、第2の毛細管218B、第3の毛細管218C、および第4の毛細管218Dを、試料フラグ化合物、少なくとも1つのタンパク質(単に例として、ウシ血清アルブミン(BSA)など)、少なくとも1つの糖、および少なくとも1つのアルコールを含むおよび/またはそれらからなる溶液262を含むレセプタクル258内部に連続的に配設するプロセスは、機械的ウェブ210の使用によって手動または自動プロセスのいずれかによって達成することができる。
図5A~5Hでは同一の構成として示されているが、第1の毛細管218A、第2の毛細管218B、第3の毛細管218C、および第4の毛細管218Dは、同じ構成である必要はなく、本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念を達成する任意のサイズおよび/または形状でよい。
【0049】
図5A~5Bに示されるように、第1の毛細管218Aは、例えば第1の毛細管ホルダ215Aを介して機械的ウェブ210に接続される。第1の毛細管218Aは、少なくとも1つの外面246Aと、少なくとも1つの内面250Aと、第1の端部251Aと、第2の端部252Aと、単に例として毛細管作用によって溶液262を受けるための第2の端部252Aに位置する開口部254Aとを含む。
図5A~5Bに示されるように、第1の毛細管218Aが機械的ウェブ210からレセプタクル258内に下げられて(または、代替形態では、第1の毛細管218Aを浸漬するためにレセプタクル258が持ち上げられて)、開口部254Aが溶液262内に浸漬される。この浸漬により、溶液262は開口部254Aを通って(例えば毛細管作用により)吸い上げられ、それにより、溶液262は、少なくとも1つの内面250Aの少なくとも一部と流体接触し、本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念に従ってさらなる処理を行うために第1の毛細管218A内に(毛細管力により)留まる。溶液262が第1の毛細管218Aの開口部254Aを通して吸い上げられた後、第2の毛細管218Bが移行されて、レセプタクル258内に配設可能になる。
【0050】
ここで
図5C~5Dを参照すると、第2の毛細管218Bは、例えば第2の毛細管ホルダ215Bを介して機械的ウェブ210に接続されている。第2の毛細管218Bは、少なくとも1つの外面246Bと、少なくとも1つの内面250Bと、第1の端部251Bと、第2の端部252Bと、単に例として毛細管作用によってコロイド溶液262を受けるための第2の端部252Bに位置する開口部254Bとを含む。
図5C~5Dに示されるように、第2の毛細管218Bが機械的ウェブ210からレセプタクル258内に下げられて(または、代替形態では、第2の毛細管218Bを浸漬するためにレセプタクル258が持ち上げられて)、開口部254Bが溶液262内に浸漬される。この浸漬により、溶液262は開口部254Bを通って(例えば毛細管作用により)吸い上げられ、それにより、溶液262は、少なくとも1つの内面250Bの少なくとも一部と流体接触し、本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念に従ってさらなる処理を行うために第2の毛細管218B内に(毛細管力により)留まる。溶液262が第2の毛細管218Bの開口部254Bを通して吸い上げられた後、第3の毛細管218Cが移行されて、レセプタクル258内に配設可能になる。
【0051】
ここで
図5E~5Fを参照すると、第3の毛細管218Cは、例えば第3の毛細管ホルダ215Cを介して機械的ウェブ210に接続されている。第3の毛細管218Cは、少なくとも1つの外面246Cと、少なくとも1つの内面250Cと、第1の端部251Cと、第2の端部252Cと、単に例として毛細管作用によってコロイド溶液262を受けるための第2の端部252Cに位置する開口部254Cとを含む。
図5E~5Fに示されるように、第3の毛細管218Cが機械的ウェブ210からレセプタクル258内に下げられて(または、代替形態では、第3の毛細管218Cを浸漬するためにレセプタクル258が持ち上げられて)、開口部254Cが溶液262内に浸漬される。この浸漬により、溶液262は開口部254Cを通って(例えば毛細管作用により)吸い上げられ、それにより、溶液262は、少なくとも1つの内面250Cの少なくとも一部と流体接触し、本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念に従ってさらなる処理を行うために第3の毛細管218C内に(毛細管力により)留まる。溶液262が第3の毛細管218Cの開口部254Cを通して吸い上げられた後、第4の毛細管218Dが移行されて、レセプタクル258内に配設可能になる。
【0052】
ここで
図5G~5Hを参照すると、第4の毛細管218Dは、例えば第4の毛細管ホルダ215Dを介して機械的ウェブ210に接続されている。第4の毛細管218Dは、少なくとも1つの外面246Dと、少なくとも1つの内面250Dと、第1の端部251Dと、第2の端部252Dと、単に例として毛細管作用によってコロイド溶液262を受けるための第2の端部252Dに位置する開口部254Dとを含む。
図5G~5Hに示されるように、第4の毛細管218Dが機械的ウェブ210からレセプタクル258内に下げられて(または、代替形態では、第4の毛細管218Dを浸漬するためにレセプタクル258が持ち上げられて)、開口部254Dが溶液262内に浸漬される。この浸漬により、溶液262は開口部254Dを通って(例えば毛細管作用により)吸い上げられ、それにより、溶液262は、少なくとも1つの内面250Dの少なくとも一部と流体接触し、本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念に従ってさらなる処理を行うために第4の毛細管218D内に(毛細管力により)留まる。
【0053】
上記のプロセスは、機械的ウェブ210に取り付けられた各毛細管に対して繰り返され、各毛細管が溶液262を含むようになる。
【0054】
溶液262が第1の毛細管218A、第2の毛細管218B、第3の毛細管218C、および第4の毛細管218D(および機械的ウェブ210に取り付けられることがある任意の他の毛細管)内に含まれると、第1の毛細管218A、第2の毛細管218B、第3の毛細管218C、および第4の毛細管218D(および機械的ウェブ210に取り付けられることがある任意の他の毛細管)が加熱されて、溶液262内に含まれるアルコール溶媒を蒸発させて除去する。代替として、毛細管を室温で自然乾燥させて、アルコール溶媒の蒸発を達成することができる。毛細管が加熱されるとき、加熱は、以下のいずれかによって達成することができる:(1)すべての毛細管が同時に加熱されるように、ヒータを通るように機械的ウェブ210を移行させることによって;および/または(2)機械的ウェブから毛細管を取り外し、それらを個別にまたはまとめてヒータに配置することによって。しかし、常に、溶液262が毛細管内に含まれたままであることを保証するために、毛細管の撹拌を静めなければならない。この段階で、加熱は、アルコール溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、および/またはそれらの組合せを含むおよび/またはそれらからなるアルコール溶媒)を蒸発させるのに十分高いが、試料フラグ化合物(例えば、アルコール溶媒が蒸発するときに各毛細管218A、218B、218C、および218Dそれぞれの少なくとも1つの内面250A、250B、250C、および250Dに堆積されるフェリシアン化カリウム顆粒などのフェリシアン化物含有化合物)を溶解しないように十分に低い温度で行われる。非限定的な一実施形態では、少なくとも1つのアルコール(溶媒)は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、およびそれらの組合せであり、毛細管218A、218B、218C、および218D内に含まれる溶液262は、約20℃~約100℃、または約25℃~約95℃、または約30℃~約90℃、または約35℃~約85℃、または約40℃~約80℃、または約45℃~約75℃、または約50℃~約70℃、または約55℃~約65℃、または約60℃以上の温度に加熱されて維持される。非限定的な一実施形態では、毛細管218A~218Dは、約25℃~約37℃の温度に加熱されて、毛細管218A~218D内に含まれる溶液262からアルコール溶媒を蒸発して除去する。毛細管218A~218Dは、少なくとも1つのアルコール(溶媒)の蒸発前および蒸発中にコロイド溶液262が毛細管218A~218Dの少なくとも1つの内面250A~250Dそれぞれと接触したままであるという条件で、当技術分野で一般に知られている任意の方法によって、例えば限定はしないが当技術分野で一般に知られている商用グレードの乾燥機および/または真空乾燥機によって加熱することができる。
【0055】
毛細管218A~218Dの少なくとも1つの内面250A~250Dからの少なくとも1つのアルコール(溶媒)の蒸発後、試料フラグ化合物(例えば、フェリシアン化カリウム顆粒などのフェリシアン化物含有化合物)は、各毛細管218A、218B、218C、および218Dそれぞれの少なくとも1つの内面250A、250B、250C、および250Dに堆積される。
【0056】
この段階で、毛細管218A~218Dは、少なくとも1つの診断アッセイの実施のために患者の液体試験試料を収集するためにそれぞれの液体試験試料定量供給デバイスに取り付ける準備が整い、または本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念によって企図される追加の用途に使用される準備が整う。
【0057】
本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念の特定の非限定的な実施形態には、限定はしないが以下のものが含まれる。
【0058】
少なくとも1つの診断アッセイで使用するための少なくとも1つの試料フラグ化合物で内面をコーティングされた毛細管であって:少なくとも1つの毛細管であって、少なくとも1つの外面と、少なくとも1つの内面と、第1の端部と、第2の端部と、毛細管の第2の端部に位置する開口部とを有し、毛細管の内面の少なくとも一部分が、少なくとも1つの試料フラグ化合物でコーティングされており、少なくとも1つの試料フラグ化合物は、毛細管内の患者の液体試験試料の有無を検出する、少なくとも1つの毛細管を含む毛細管。
【0059】
少なくとも1つの試料フラグ化合物は、フェリシアン化物、メタ重亜硫酸塩、タウリン、およびそれらの組合せからなる群から選択される、上記毛細管。
【0060】
患者の液体試験試料は尿である、上記毛細管。
【0061】
少なくとも1つの診断アッセイは、マイクロアルブミンクレアチニン診断アッセイを含む、上記毛細管。
【0062】
液体試験試料定量供給デバイスの毛細管の少なくとも1つの内面を少なくとも1つの試料フラグ化合物でコーティングするための方法であって:溶液を調製する工程であって、溶液は、少なくとも1つの試料フラグ化合物、少なくとも1つのタンパク質、少なくとも1つの糖、および少なくとも1つのアルコール溶媒を含み、溶液はレセプタクル内に含まれる、工程と;液体試験試料定量供給デバイスをレセプタクルに配置する工程であって、液体試験試料定量供給デバイスは:少なくとも1つの外面と、少なくとも1つの内面と、第1の端部と、第2の端部と、毛細管の第2の端部に位置する開口部とを有する毛細管を含む毛細管部分であって、毛細管は溶液と流体接触し、それにより、溶液の体積が開口部を通って毛細管に入って毛細管内に保持され、溶液が毛細管の少なくとも1つの内面と流体接触する、毛細管部分を含む、工程と;液体試験試料定量供給デバイスをレセプタクルから取り外し、液体試験試料定量供給デバイスの少なくとも毛細管部分を、ある温度に加熱する工程であって、その温度で、少なくとも1つのアルコール溶媒が毛細管内に含まれる溶液から蒸発し、さらに、少なくとも1つの試料フラグ化合物の顆粒が毛細管の少なくとも1つの内面に堆積される、工程とを含む方法。
【0063】
少なくとも1つの試料フラグ化合物は、患者の液体試験試料と接触したときに溶解され、それによって試料混合物を形成する、上記方法。
【0064】
少なくとも1つの試料フラグ化合物は、フェリシアン化物、メタ重亜硫酸塩、タウリン、およびそれらの組合せからなる群から選択される、上記方法。
【0065】
少なくとも1つのタンパク質はウシ血清アルブミン(BSA)を含む、上記方法。
【0066】
少なくとも1つの糖は、単糖、二糖、オリゴ糖、多糖、およびそれらの組合せからなる群から選択される、上記方法。
【0067】
少なくとも1つの糖は、フルクトース、ガラクトース、グルコース、ラクトース、マルトース、スクロース、およびそれらの組合せからなる群から選択される、上記方法。
【0068】
少なくとも1つのアルコール溶媒は、一価、多価、不飽和脂肪族、脂環式アルコール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、上記方法。
【0069】
少なくとも1つのアルコール溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、セチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ボレミトール、アリルアルコール、ゲラニオール、プロパルギルアルコール、イノシトール、メントール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、上記方法。
【0070】
毛細管に入り、毛細管内に保持される溶液の体積は約35マイクロリットルである、上記方法。
【0071】
液体試験試料定量供給デバイスが加熱される温度は、約25℃~約37℃の範囲である、上記方法。
【0072】
毛細管部分は、商用グレードの乾燥機、真空乾燥機、およびそれらの組合せからなる群から選択されるヒータによって加熱される、上記方法。
【0073】
少なくとも1つの診断アッセイの実施前に、液体試験試料定量供給デバイス内の患者の液体試験試料の有無を検出するための方法であって:反応容器内に液体試験試料定量供給デバイスを固定する工程であって、液体試験試料定量供給デバイスは:毛細管を含む毛細管部分であって、毛細管は、少なくとも1つの外面と、少なくとも1つの内面と、第1の端部と、第2の端部と、毛細管の第2の端部に位置する開口部とを有し、毛細管の内面の少なくとも一部分が、少なくとも1つの試料フラグ化合物で実質的にコーティングされており、少なくとも1つの試料フラグ化合物は、患者の液体試験試料と接触したときに溶解し、それにより、患者の液体試験試料と少なくとも1つの溶解された試料フラグ化合物とを含む試料混合物を形成する、毛細管部分を含む、工程と;反応容器を診断アッセイ分析器に挿入する工程と;液体試験試料定量供給デバイスの少なくとも毛細管部分を、少なくとも1つの所定の波長の光でインテロゲートする工程と;試料混合物のインテロゲートから生成された検出可能な信号を測定する工程であって、試料混合物は、患者の液体試験試料が液体試験試料定量供給デバイスの毛細管内に存在するときにのみ、検出可能な信号を生成する、工程とを含む方法。
【0074】
少なくとも1つの試料フラグ化合物は、フェリシアン化物、メタ重亜硫酸塩、タウリン、およびそれらの組合せからなる群から選択される、上記方法。
【0075】
少なくとも1つのタンパク質はウシ血清アルブミン(BSA)を含む、上記方法。
【0076】
少なくとも1つの糖は、単糖、二糖、オリゴ糖、多糖、およびそれらの組合せからなる群から選択される、上記方法。
【0077】
少なくとも1つの糖は、フルクトース、ガラクトース、グルコース、ラクトース、マルトース、スクロース、およびそれらの組合せからなる群から選択される、上記方法。
【0078】
少なくとも1つのアルコール溶媒は、一価、多価、不飽和脂肪族、脂環式アルコール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、上記方法。
【0079】
少なくとも1つのアルコール溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、セチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ボレミトール、アリルアルコール、ゲラニオール、プロパルギルアルコール、イノシトール、メントール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、上記方法。
【0080】
液体試験試料定量供給デバイスが加熱される温度は、約25℃~約37℃の範囲である、上記方法。
【0081】
毛細管部分は、商用グレードの乾燥機、真空乾燥機、およびそれらの組合せからなる群から選択されるヒータによって加熱される、上記方法。
【0082】
所定の波長の光は、約380ナノメートル~約800ナノメートルの範囲である、上記方法。
【0083】
所定の波長の光は、約425ナノメートルである、上記方法。
【0084】
試料混合物のインテロゲートから生成された検出可能な信号は、吸光度の変化である、上記方法。
【0085】
所定の波長の光での液体試験試料定量供給デバイスの少なくとも毛細管部分のインテロゲートは、少なくとも1つのLED光源によって行われる、上記方法。
【0086】
患者の液体試験試料は尿である、上記方法。
【0087】
少なくとも1つの診断アッセイは、マイクロアルブミンクレアチニン診断アッセイを含む、上記方法。
【0088】
発明概念の非限定的な例
第1の実験準備およびセットアップ
第1の実験準備およびセットアップでは、溶液、中間体、および最終の毛細管を常に紫~紫外線(UV)光への露出から保護した。
【0089】
溶液1の組成:15ミリグラム/ミリリットルのフェリシアン化カリウム、6%のウシ血清アルブミン(BSA)、および15%のスクロース。
【0090】
溶液2の組成:メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、または低いFeCN溶解度を有する他の水溶性化合物。
【0091】
溶液1と溶液2とを互いに混合し、それにより、溶液1と溶液2との比が約2.58:32.42である複合溶液を生成する。
【0092】
約35マイクロリットルの複合溶液(
図6に示される)をピペットによって毛細管の開口部に注入し、それにより、複合溶液を毛細管の少なくとも1つの内面と流体接触させた。毛細管への複合試料の注入後、毛細管を乾燥させてアルコール溶媒(ならびにBSAおよびスクロースの少なくとも一部)を蒸発させ、毛細管の少なくとも1つの内面にフェリシアン化カリウム(試料フラグ)顆粒を堆積させた。
【0093】
フェリシアン化物試料フラグ化合物が毛細管の少なくとも1つの内面に堆積された後、患者の尿試料を毛細管に引き込み、尿試料がフェリシアン化物試料フラグ化合物と混合して溶解し、それによって試料混合物を生成する。次いで、試料混合物を含む毛細管を、3つの異なる波長の光(425ナノメートル、536ナノメートル、および725ナノメートル)でインテロゲートし、限定はしないが試料混合物に関連する吸光度(およびその変化)を含めた様々な測定値を取得した。
【0094】
実験結果
ここで
図7を参照すると、フェリシアン化物試料フラグのスペクトルに重畳された診断アッセイシステム/機器に存在する3つのLED光の中心およびほぼ半値全幅(FWHM)の位置を示すグラフ表現が示されている。
図7に明確に見られるように、試料混合物は、約425ナノメートルの波長を有するLED光でインテロゲートされたとき、約0.7の吸光度シフトを示す。逆に、それぞれ約536ナノメートルと725ナノメートルの波長を有するLED光でインテロゲートされたときには、試料混合物は吸光度シフトを示さない。したがって、フェリシアン化物試料フラグ化合物は、(診断アッセイ反応の監視用に確保されている、または確保され得る)より長い波長との干渉なく、425ナノメートル領域内の波長で患者の液体試験試料(単に例として、尿試料など)の存在を検出するための堅牢な試料フラグとして働く。毛細管内に液体試験試料がない場合、試料フラグ化合物の425ナノメートルの吸光度は現れず、それにより、エラーが発生した(単に例として、操作者が、患者の液体試験試料を毛細管内に収集することを怠った)ことを診断アッセイシステム/機器に警告する。これらの結果は、
図8~11にさらに示されて確認されている。
【0095】
したがって、本願で開示されて特許請求される発明概念に従って、少なくとも1つの診断アッセイの実施で使用するための液体試験試料定量供給デバイス内の患者の液体試験試料を検出(および/または存在を検証)するために少なくとも1つの試料フラグ化合物を利用するデバイス、キット、および方法が提供されている。本明細書で述べるように、本願で開示されて特許請求される発明概念は、毛細管の少なくとも1つの内面に存在して内面にコーティングされた少なくとも1つの試料フラグ化合物を含むおよび/またはそれからなる改良された液体試験試料注入デバイスであって、少なくとも1つの試料フラグ化合物は、患者の液体試験試料の存在下で所定の波長の光によってインテロゲートされたときに、検出可能な信号を放出する、液体試験試料注入デバイスの実施形態に関する。そのような本願で開示されるおよび/または特許請求される発明概念は、上述した目的および利点を完全に満たす。本願で開示されて特許請求される発明概念を、上述した特定の図面、実験、結果、および言葉に関連して述べてきたが、多くの代替、修正、および変形が当業者には明らかであることは明白である。したがって、本願で開示されて特許請求される発明概念の精神および広範な範囲内にあるそのような代替、修正、および変形すべてを包含することが意図される。