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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】センサチップ、電子機器、及び測距装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/0232 20140101AFI20240314BHJP
   H01L 31/107 20060101ALI20240314BHJP
   G01S 7/481 20060101ALI20240314BHJP
   G01S 17/93 20200101ALI20240314BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
H01L31/02 D
H01L31/10 B
G01S7/481 A
G01S17/93
H01L27/146 D
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021506233
(86)(22)【出願日】2020-02-07
(86)【国際出願番号】 JP2020004788
(87)【国際公開番号】W WO2020189082
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2023-01-27
(31)【優先権主張番号】P 2019050885
(32)【優先日】2019-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 晃
【審査官】原 俊文
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-088488(JP,A)
【文献】特開2010-226071(JP,A)
【文献】特開2018-201005(JP,A)
【文献】特開2014-027178(JP,A)
【文献】特開2017-097072(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0145056(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/00-31/0392
H01L 31/08-31/119
H01L 27/146
G01S 7/481
G01S 17/93
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光が入射する光入射面を有するとともに高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させる増倍領域を有する光電変換部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に対向して設けられた光反射部と、
前記光電変換部と前記光反射部との間に設けられるとともに回折レンズを含む集光部とを有する画素を備え、
前記回折レンズは、同心円状に周期的に設けられた第2の凹凸形状部を有し、
前記第2の凹凸形状部は、導電膜で構成されている
センサチップ。
【請求項2】
前記集光部は、前記光電変換部を通過した前記光を前記光反射部に向けて集光する
請求項1に記載のセンサチップ。
【請求項3】
前記光入射面は、前記光を拡散させる第1の凹凸形状部が設けられている
請求項1に記載のセンサチップ。
【請求項4】
前記光入射面に対向して設けられたオンチップレンズをさらに備えた
請求項1に記載のセンサチップ。
【請求項5】
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に、積層した複数の配線が絶縁膜中に埋設されてなる配線層が設けられており、
前記光入射面と平行な方向における前記画素の中央部で前記光電変換部のカソードに接続するように前記複数の配線が設けられている
請求項1に記載のセンサチップ。
【請求項6】
前記光反射部は、前記光入射面と平行な方向における前記画素の中央部を含む前記画素の一部に対向して設けられている
請求項1に記載のセンサチップ。
【請求項7】
前記集光部は、インナーレンズを有する
請求項1に記載のセンサチップ。
【請求項8】
光が入射する光入射面を有するとともに高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させる増倍領域を有する光電変換部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に対向して設けられた光反射部と、
前記光電変換部と前記光反射部との間に設けられるとともに回折レンズを含む集光部とを有する画素を備え、
前記回折レンズは、同心円状に周期的に設けられた第2の凹凸形状部を有し、
前記第2の凹凸形状部は、絶縁膜及び導電膜の積層体で構成されている
センサチップ。
【請求項9】
光が入射する光入射面を有するとともに高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させる増倍領域を有する光電変換部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に対向して設けられた光反射部と、
前記光電変換部と前記光反射部との間に設けられるとともに回折レンズを含む集光部とを有する画素を備え、
前記回折レンズは、同心円状に周期的に設けられた第2の凹凸形状部を有し、
前記第2の凹凸形状部は、前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に形成された溝に埋め込まれた絶縁膜で構成されている
センサチップ。
【請求項10】
光が入射する光入射面を有するとともに高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させる増倍領域を有する光電変換部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に対向して設けられた光反射部と、
前記光電変換部と前記光反射部との間に設けられるとともに回折レンズを含む集光部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に設けられ、積層した複数の配線が絶縁膜中に埋設されてなる配線層とを有する画素を備え、
前記回折レンズは、同心円状に周期的に設けられた第2の凹凸形状部を有し、
前記第2の凹凸形状部は、前記複数の配線のうちのいずれか1つの層と同じ層の導電膜で構成されている
センサチップ。
【請求項11】
同心円状の前記第2の凹凸形状部を構成する前記導電膜のそれぞれと前記光電変換部との間にコンタクト部が設けられている
請求項10に記載のセンサチップ。
【請求項12】
前記第2の凹凸形状部は、前記複数の配線のうちの最も前記光電変換部に近い層と同じ層の導電膜で構成されている
請求項10に記載のセンサチップ。
【請求項13】
前記第2の凹凸形状部は、前記複数の配線のうちの最も前記光電変換部に近い層ではない層と同じ層の導電膜で構成されている
請求項10に記載のセンサチップ。
【請求項14】
光学系と、
センサチップと、
信号処理回路とを備え、
前記センサチップは、
光が入射する光入射面を有するとともに高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させる増倍領域を有する光電変換部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に対向して設けられた光反射部と、
前記光電変換部と前記光反射部との間に設けられるとともに回折レンズを含む集光部とを有する画素を備え、
前記回折レンズは、同心円状に周期的に設けられた第2の凹凸形状部を有し、
前記第2の凹凸形状部は、導電膜で構成されている
電子機器。
【請求項15】
光学系と、
センサチップと、
信号処理回路とを備え、
前記センサチップは、
光が入射する光入射面を有するとともに高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させる増倍領域を有する光電変換部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に対向して設けられた光反射部と、
前記光電変換部と前記光反射部との間に設けられるとともに回折レンズを含む集光部とを有する画素を備え、
前記回折レンズは、同心円状に周期的に設けられた第2の凹凸形状部を有し、
前記第2の凹凸形状部は、絶縁膜及び導電膜の積層体で構成されている
電子機器。
【請求項16】
光学系と、
センサチップと、
信号処理回路とを備え、
前記センサチップは、
光が入射する光入射面を有するとともに高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させる増倍領域を有する光電変換部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に対向して設けられた光反射部と、
前記光電変換部と前記光反射部との間に設けられるとともに回折レンズを含む集光部とを有する画素を備え、
前記回折レンズは、同心円状に周期的に設けられた第2の凹凸形状部を有し、
前記第2の凹凸形状部は、前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に形成された溝に埋め込まれた絶縁膜で構成されている
電子機器。
【請求項17】
光学系と、
センサチップと、
信号処理回路とを備え、
前記センサチップは、
光が入射する光入射面を有するとともに高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させる増倍領域を有する光電変換部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に対向して設けられた光反射部と、
前記光電変換部と前記光反射部との間に設けられるとともに回折レンズを含む集光部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に設けられ、積層した複数の配線が絶縁膜中に埋設されてなる配線層とを有する画素を備え、
前記回折レンズは、同心円状に周期的に設けられた第2の凹凸形状部を有し、
前記第2の凹凸形状部は、前記複数の配線のうちのいずれか1つの層と同じ層の導電膜で構成されている
電子機器。
【請求項18】
光学系と、
センサチップと、
前記センサチップの出力信号から測定対象物までの距離を算出する信号処理回路とを備え、
前記センサチップは、
光が入射する光入射面を有するとともに高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させる増倍領域を有する光電変換部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に対向して設けられた光反射部と、
前記光電変換部と前記光反射部との間に設けられるとともに回折レンズを含む集光部とを有する画素を備え、
前記回折レンズは、同心円状に周期的に設けられた第2の凹凸形状部を有し、
前記第2の凹凸形状部は、導電膜で構成されている
測距装置。
【請求項19】
光学系と、
センサチップと、
前記センサチップの出力信号から測定対象物までの距離を算出する信号処理回路とを備え、
前記センサチップは、
光が入射する光入射面を有するとともに高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させる増倍領域を有する光電変換部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に対向して設けられた光反射部と、
前記光電変換部と前記光反射部との間に設けられるとともに回折レンズを含む集光部とを有する画素を備え、
前記回折レンズは、同心円状に周期的に設けられた第2の凹凸形状部を有し、
前記第2の凹凸形状部は、絶縁膜及び導電膜の積層体で構成されている
測距装置。
【請求項20】
光学系と、
センサチップと、
前記センサチップの出力信号から測定対象物までの距離を算出する信号処理回路とを備え、
前記センサチップは、
光が入射する光入射面を有するとともに高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させる増倍領域を有する光電変換部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に対向して設けられた光反射部と、
前記光電変換部と前記光反射部との間に設けられるとともに回折レンズを含む集光部とを有する画素を備え、
前記回折レンズは、同心円状に周期的に設けられた第2の凹凸形状部を有し、
前記第2の凹凸形状部は、前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に形成された溝に埋め込まれた絶縁膜で構成されている
測距装置。
【請求項21】
光学系と、
センサチップと、
前記センサチップの出力信号から測定対象物までの距離を算出する信号処理回路とを備え、
前記センサチップは、
光が入射する光入射面を有するとともに高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させる増倍領域を有する光電変換部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に対向して設けられた光反射部と、
前記光電変換部と前記光反射部との間に設けられるとともに回折レンズを含む集光部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に設けられ、積層した複数の配線が絶縁膜中に埋設されてなる配線層とを有する画素を備え、
前記回折レンズは、同心円状に周期的に設けられた第2の凹凸形状部を有し、
前記第2の凹凸形状部は、前記複数の配線のうちのいずれか1つの層と同じ層の導電膜で構成されている
測距装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えばアバランシェフォトダイオードを有するセンサチップ、それを備えた電子機器、及び測距装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アバランシェフォトダイオード(APD;Avalanche Photodiode)は、pn接合に所定の逆電圧が印加されて拡がる空乏層に高電界領域が形成されたフォトダイオードである。高電界領域が形成されると、光電効果により発生したキャリア(電子)が電界で加速されて衝突電離を引き起こす過程が繰り返されるアバランシェ増倍(アバランシェ降伏)が発生可能となる。
【0003】
APDは、降伏電圧近傍で駆動されるリニアモードでの駆動と降伏電圧より大きい電圧で駆動されるガイガーモードでの駆動が可能である。ガイガーモードのAPDは、シングルフォトンアバランシェダイオード(SPAD;Single Photon Avalanche Diode)とも称せられ、フォトダイオードに入射した1個のフォトンを検出することができる。
【0004】
特許文献1には、アバランシェフォトダイオードを含む画素がアレイ状に配置されたセンサチップが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-88488号公報
【発明の概要】
【0006】
SPADを有するセンサでは、PDE(Photon Detection Efficiency)を向上させることが望まれている。
【0007】
SPADを有し、PDEを向上させることができるセンサチップ、及びそのようなセンサチップを有する電子機器及び測距装置を提供することが望ましい。
【0008】
本開示の一実施の形態における第1のセンサチップは、光が入射する光入射面を有するとともに高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させる増倍領域を有する光電変換部と、光電変換部の光入射面とは反対側の面に対向して設けられた光反射部と、光電変換部と光反射部との間に設けられるとともに回折レンズを含む集光部とを有する画素を備えたものであり、回折レンズは、同心円状に周期的に設けられた第2の凹凸形状部を有し、第2の凹凸形状部は、導電膜で構成されている
本開示の一実施の形態における第2のセンサチップは、光が入射する光入射面を有するとともに高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させる増倍領域を有する光電変換部と、光電変換部の光入射面とは反対側の面に対向して設けられた光反射部と、光電変換部と光反射部との間に設けられるとともに回折レンズを含む集光部とを有する画素を備えたものであり、回折レンズは、同心円状に周期的に設けられた第2の凹凸形状部を有し、第2の凹凸形状部は、絶縁膜及び導電膜の積層体で構成されている。
本開示の一実施の形態における第3のセンサチップは、光が入射する光入射面を有するとともに高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させる増倍領域を有する光電変換部と、光電変換部の光入射面とは反対側の面に対向して設けられた光反射部と、光電変換部と光反射部との間に設けられるとともに回折レンズを含む集光部とを有する画素を備えたものであり、回折レンズは、同心円状に周期的に設けられた第2の凹凸形状部を有し、第2の凹凸形状部は、光電変換部の光入射面とは反対側の面に形成された溝に埋め込まれた絶縁膜で構成されている。
本開示の一実施の形態における第4のセンサチップは、光が入射する光入射面を有するとともに高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させる増倍領域を有する光電変換部と、光電変換部の光入射面とは反対側の面に対向して設けられた光反射部と、光電変換部と光反射部との間に設けられるとともに回折レンズを含む集光部と、光電変換部の光入射面とは反対側の面に設けられ、積層した複数の配線が絶縁膜中に埋設されてなる配線層とを有する画素を備えたものであり、回折レンズは、同心円状に周期的に設けられた第2の凹凸形状部を有し、第2の凹凸形状部は、複数の配線のうちのいずれか1つの層と同じ層の導電膜で構成されている。
【0009】
本開示の一実施の形態における第1の電子機器は、光学系と、センサチップと、信号処理回路とを備えたものであり、センサチップとして、上記本開示の一実施の形態の第1のセンサチップを有する。
本開示の一実施の形態における第2の電子機器は、光学系と、センサチップと、信号処理回路とを備えたものであり、センサチップとして、上記本開示の一実施の形態の第2のセンサチップを有する。
本開示の一実施の形態における第3の電子機器は、光学系と、センサチップと、信号処理回路とを備えたものであり、センサチップとして、上記本開示の一実施の形態の第3のセンサチップを有する。
本開示の一実施の形態における第4の電子機器は、光学系と、センサチップと、信号処理回路とを備えたものであり、センサチップとして、上記本開示の一実施の形態の第4のセンサチップを有する。
【0010】
本開示の一実施の形態における第1の測距装置は、光学系と、センサチップと、センサチップの出力信号から測定対象物までの距離を算出する信号処理回路とを備えたものであり、センサチップとして、上記本開示の一実施の形態の第1のセンサチップを有する。
本開示の一実施の形態における第2の測距装置は、光学系と、センサチップと、センサチップの出力信号から測定対象物までの距離を算出する信号処理回路とを備えたものであり、センサチップとして、上記本開示の一実施の形態の第2のセンサチップを有する。
本開示の一実施の形態における第3の測距装置は、光学系と、センサチップと、センサチップの出力信号から測定対象物までの距離を算出する信号処理回路とを備えたものであり、センサチップとして、上記本開示の一実施の形態の第3のセンサチップを有する。
本開示の一実施の形態における第4の測距装置は、光学系と、センサチップと、センサチップの出力信号から測定対象物までの距離を算出する信号処理回路とを備えたものであり、センサチップとして、上記本開示の一実施の形態の第4のセンサチップを有する。
【0011】
本開示の一実施の形態における第1~第4のセンサチップ、一実施の形態における第1~第4の電子機器、及び一実施の形態における第1~第4の測距装置では、光電変換部と光反射部との間に集光部を設けることにより、光電変換部を通過した光を光反射部に向けて集光する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の一実施の形態に係るセンサチップの断面構成の一例を表す図である。
図2図1に示したセンサチップの回折レンズの平面構成の一例を表す図である。
図3】変形例Aに係るセンサチップの断面構成の一例を表す図である。
図4】変形例Bに係るセンサチップの断面構成の一例を表す図である。
図5】変形例Cに係るセンサチップの断面構成の一例を表す図である。
図6】変形例Dに係るセンサチップの断面構成の一例を表す図である。
図7】変形例Eに係るセンサチップの断面構成の一例を表す図である。
図8図7に示したセンサチップのコンタクト層の平面構成の一例を表す図である。
図9】変形例Fに係るセンサチップの断面構成の一例を表す図である。
図10】変形例Gに係るセンサチップの断面構成の一例を表す図である。
図11】変形例Hに係るセンサチップの断面構成の一例を表す図である。
図12】変形例Iに係るセンサチップの断面構成の一例を表す図である。
図13】変形例Jに係るセンサチップの断面構成の一例を表す図である。
図14】上記実施の形態及びその変形例に係るセンサチップを備えた電子機器の概略構成の一例を示すブロック図である。
図15】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
図16】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(センサチップ)…図1図2
SPADと光反射膜との間に絶縁膜及び導電膜の積層体よりなる回折レンズが設けられた例
2.変形例(センサチップ)
変形例A:回折レンズが半導体基板の溝に埋め込まれた絶縁膜よりなる例…図3
変形例B:回折レンズが導電膜あるいは絶縁膜よりなる例…図4
変形例C:SPADと光反射膜との間にインナーレンズが設けられた例…図5
変形例D:回折レンズが第1配線よりなる例…図6
変形例E:回折レンズを構成する第1配線にそれぞれコンタクト層が設けられた例…図7図8
変形例F:SPADのカソードが画素の中央部に設けられた例…図9
変形例G:光反射膜が画素の中央部を含む画素の一部に対向して第2配線に設けられた例…図10
変形例H:光反射膜が画素の中央部を含む画素の一部に対向して第1配線に設けられた例…図11
変形例I:光入射面に凹凸形状が設けられていない例…図12
変形例J:オンチップレンズが設けられていない例…図13
3.適用例 :上記実施の形態及びその変形例に係るセンサチップを電子機器に適用した例…図14
4.応用例 :上記実施の形態及びその変形例に係るセンサチップを移動体に応用した例…図15図16
5.その他の変形例
【0014】
<1.実施の形態>
[構成例]
図1は、本開示の一実施の形態に係るセンサチップ1の断面構成の一例を表したものである。センサチップ1は、複数の画素Pがアレイ状に配置された画素アレイを有する。画素Pは、本開示の「画素」の一具体例に対応する。
【0015】
各画素Pは、SPAD2と配線層26とが積層された構造を有し、配線層26は光反射膜LRを含み、SPAD2と光反射膜LRとの間に回折レンズDLが設けられている。このSPAD2が本開示の「光電変換部」の一具体例に対応し、光反射膜LRが本開示の「光反射部」の一具体例に対応し、回折レンズDLが本開示の「集光部」の一具体例に対応する。
【0016】
センサチップ1は、半導体基板10の裏面から入射する光を検出する裏面照射型のセンサチップである。SPAD2は、半導体基板10に設けられており、高電界領域によりキャリア(電子)をアバランシェ増倍させる増倍領域MRを有する。SPAD2は光入射面10Aを有し、半導体基板10の一方の面がSPAD2の光入射面10Aに対応する。光入射面10Aは、半導体基板10の裏面を研磨した結果得られた面であり、光入射面10Aを半導体基板10の裏面とも称する。また、半導体基板10の他方の面(光入射面10Aとは反対側の面)を半導体基板10の表面10Cとも称する。光反射膜LRは、半導体基板10の表面10Cに対向して設けられている。
【0017】
半導体基板10には、隣接する画素P間を分離する画素分離溝30が設けられている。画素分離溝30には画素分離膜TIが埋設されている。画素分離膜TIは、例えば酸化シリコン(SiO2)、酸化タンタル(Ta25)、酸化ハフニウム(HfO2)、及び酸化アルミニウム(Al23)等の絶縁膜31と、タングステン(W)及びアルミニウム(Al)等の遮光性の金属膜32との積層構造を有する。また、金属膜32の内部には、ボイドVが設けられている。これにより、隣接する画素P間が電気的及び光学的に分離されている。なお、金属膜32内部のボイドVは設けられていなくてもよい。
【0018】
半導体基板10に設けられるSPAD2について説明する。半導体基板10の画素分離膜TIにより分離された領域にウェル層11が設けられている。ウェル層11の内部には、光入射面10A側のp型半導体領域14及び半導体基板10の表面10C側のn型半導体領域15がpn接合を構成するように設けられている。n型半導体領域15から半導体基板10の表面10C側に貫通するようにカソード16が設けられている。また、ウェル層11の側面と画素分離膜TIとの間にはp型半導体領域であるピニング層12が設けられている。半導体基板10の表面10C側のピニング層12の端部にp型半導体領域であるアノード13が設けられている。
【0019】
半導体基板10は、例えばシリコン(Si)で形成されている。ウェル層11は、n型半導体領域であってもよく、p型半導体領域であってもよい。ウェル層11は、例えば1×1014原子/cm-3程度以下の低濃度のn型またはp型の半導体領域であることが好ましく、これによりウェル層11を空乏化させやすくなり、SPAD2のPDEを向上させることができる。
【0020】
p型半導体領域14は、不純物濃度が高いp型の半導体領域(p+)である。n型半導体領域15は、不純物濃度が高いn型の半導体領域(n+)である。
【0021】
カソード16は、不純物濃度が高いn型の半導体領域(n++)である。カソード16はn型半導体領域15に接続しており、n型半導体領域15に所定のバイアスを印加可能に設けられている。
【0022】
ピニング層12は、p型の半導体領域(p)である。ピニング層12は、画素分離膜TIに沿ってウェル層11の側面を囲むように形成されている。ピニング層12は、ホールを蓄積する。ピニング層12には、アノード13が接続されており、アノード13からバイアス調整が可能である。これによりピニング層12のホール濃度が強化され、ピニングが強固になることにより、例えば画素分離膜TIとウェル層11との界面で発生する暗電流の発生を抑制できる。ピニング層12は、例えば、画素分離膜TIからみてp型の半導体領域(p+)及びp型半導体領域(p)が順に積層した構造であってもよい。
【0023】
アノード13は、不純物濃度が高いp型の半導体領域(p++)である。アノード13はピニング層12に接続しており、ピニング層12に所定のバイアスを印加可能に設けられている。
【0024】
SPAD2は、アノード13に大きな負電圧が印加されてpn接合に所定の逆電圧が印加されることで、p型半導体領域14とn型半導体領域15とのpn接合から空乏層が拡がり、高電界領域が形成されるように構成されている。高電界領域が形成されると、キャリアをアバランシェ増倍させることが可能な増倍領域MRが形成される。SPAD2は、増倍領域MRで発生するアバランシェ増倍により、光入射面10Aから入射する1個のフォトンにより発生するキャリアを増倍して検出することが可能である。以上のようにSPAD2が構成されている。
【0025】
半導体基板10の表面10C(光入射面10Aとは反対側の面)には、絶縁膜20及び導電膜21の積層体よりなる第2の凹凸形状部10Dが設けられている(第1の凹凸形状部10Bについては、後述する。)例えば、絶縁膜20は酸化シリコンからなり、導電膜21はポリシリコンからなる。絶縁膜20及び導電膜21は、画素Pが設けられていない領域において半導体基板10に設けられたMOS(Metal-Oxide-Semiconductor)トランジスタのゲート絶縁膜及びゲート電極と、それぞれ同じ層により形成されている。
【0026】
図2は、センサチップ1の回折レンズDLの平面構成の一例を表したものである。絶縁膜20及び導電膜21の積層体により、同心円状に周期的に設けられた凹凸を有する第2の凹凸形状部10Dが設けられている。第2の凹凸形状部10Dは、本開示の「第2の凹凸形状部」の一具体例に対応する。第2の凹凸形状部10Dは回折レンズDLとして機能するものである。回折レンズDLとは、光を回折させてレンズと同様の作用をもたらす光学部材である。回折レンズDLは、光の波長程度の微細な凹凸形状が同心円状に周期的に設けられて構成されている。
【0027】
図1に示したように、導電膜21の側壁及び半導体基板10の表面10Cを覆ってサイドウォール絶縁膜22が形成されている。例えば、サイドウォール絶縁膜22は窒化シリコンからなる。導電膜21及びサイドウォール絶縁膜22を覆ってパッシベーション絶縁膜23が形成されている。例えば、パッシベーション絶縁膜23は酸化シリコンからなる。
【0028】
パッシベーション絶縁膜23を覆って、絶縁膜24中に積層した複数の配線が埋設されてなる配線層26が設けられている。複数の配線は、例えば第1配線25B、第2配線25D、及び第3配線25Fを含む。なお、図1では3層の積層した配線を含む例を示しているが、積層される配線の層数は特に限定されない。これらの複数の配線は、コンタクト層25A、第1垂直接続層25C、及び第2垂直接続層25Eにより接続されている。第1配線25B、第2配線25D、第3配線25F、コンタクト層25A、第1垂直接続層25C、及び第2垂直接続層25Eは、例えばそれぞれ銅等の金属膜で形成されている。絶縁膜24は、例えば酸化シリコンなどから形成されている。図面上は絶縁膜24を1つの層として示しているが、複数の配線の各層に対応して設けられた絶縁膜の積層体である。コンタクト層25Aは、サイドウォール絶縁膜22及びパッシベーション絶縁膜23を貫通してアノード13またはカソード16を第1配線25Bに接続するように設けられている。配線層26に埋設された複数の配線は、アノード13及びカソード16にそれぞれ所定のバイアスを印加できるように構成されている。第1配線25BのうちのSPAD2に対向する部分は、光反射膜LRとなっている。光反射膜LRは、SPAD2を通過して半導体基板10の表面10C側に到達した光を再度SPAD2へと反射させるように構成されている。第3配線25Fは絶縁膜24から露出しており、外部接続用の端子となっている。
【0029】
半導体基板10の裏面(SPAD2の光入射面10A)には、第1の凹凸形状部10Bが設けられている。第1の凹凸形状部10Bは、本開示の「第1の凹凸形状部」の一具体例に対応する。第1の凹凸形状部10Bは、例えば四角錐凹形状(逆ピラミッド形状)がアレイ状に並べられたものである。第1の凹凸形状部10Bは、SPAD2への入射光を回折・乱反射することで拡散させる。入射光Lを拡散させることにより、SPAD2内での光路長を伸ばし、PDEを向上させることが可能である。第1の凹凸形状部10Bは、例えば半導体基板10の光入射面10Aにエッチング処理を施すことで形成される。
【0030】
半導体基板10の裏面には、画素分離膜TIに接して画素間遮光膜33が設けられている。画素間遮光膜33は、例えばWやAl等の遮光性の金属で形成されている。画素間遮光膜33は、光入射面10Aに対して斜めに入射した光が入射すべき画素Pに入射せずに隣接する画素Pに入射することを抑制するように構成されている。
【0031】
第1の凹凸形状部10Bの凹凸形状に沿うとともにSPAD2の光入射面10Aを覆って、反射防止膜35が設けられている。反射防止膜35は、例えば、固定電荷膜及び酸化膜が積層された積層構造を有し、ALD(Atomic Layer Deposition)法による高誘電率(High-k)の絶縁薄膜を用いることができる。例えば、反射防止膜35は、第1反射防止膜35A、第2反射防止膜35B、及び第3反射防止膜35Cの積層体からなる。第1反射防止膜35A、第2反射防止膜35B、及び第3反射防止膜35Cは、それぞれ、例えば、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン(TiO2)、STO(Strontium Titan Oxide)で形成されている。例えば、第1反射防止膜35Aが酸化ハフニウムからなり、第2反射防止膜35Bが酸化アルミニウムからなり、第3反射防止膜35Cが酸化シリコンからなる構成を用いることができる。第2反射防止膜35Bは、画素分離膜TIを構成する絶縁膜31と同じ層で形成されている。また、第3反射防止膜35Cは、画素間遮光膜33を被覆して全面に形成されている。
【0032】
さらに、半導体基板10の裏面には、光入射面10Aを覆うように反射防止膜35の上層にオンチップレンズ34が設けられている。オンチップレンズ34は、例えば熱可塑性のポジ型感光性樹脂あるいは窒化シリコン等の光透過性の材料により形成されている。オンチップレンズ34は、光入射面10Aへ入射する入射光Lを増倍領域MRへと集光するように構成されている。オンチップレンズ34の上層に、全面に保護膜36が形成されている。
【0033】
[製造方法]
次に、センサチップ1の製造方法について説明する。例えば、半導体基板10に、イオン注入により、ウェル層11、ピニング層12、アノード13、p型半導体領域14、n型半導体領域15、カソード16、及びp型半導体領域17をそれぞれ形成した後、半導体基板10の表面10Cに、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法により絶縁
膜20及び導電膜21を形成して同心円状の形状にエッチングすることにより、第2の凹凸形状部10D(回折レンズDL)を形成する。次に、サイドウォール絶縁膜22及びパッシベーション絶縁膜23を形成する。続いて、絶縁膜の形成及び導電膜の形成を繰り返して配線層26を形成する。次に、半導体基板10の裏面において、半導体基板10の研磨(光入射面10Aの形成)、画素分離膜TIの形成、第1の凹凸形状部10Bの形成及び反射防止膜35の形成、画素間遮光膜33の形成、オンチップレンズ34の形成、及び保護膜36の形成を行う。このようにして、センサチップ1が製造される。
【0034】
[動作]
センサチップ1では、各画素PのSPAD2において、アノード13に大きな負電圧が印加されてpn接合に所定の逆電圧が印加されることで、p型半導体領域14及びn型半導体領域15のpn接合から空乏層が広がり、高電界領域が形成される。得られた高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させることが可能な増倍領域MRが形成される。増倍領域MRは、光入射面10Aから入射する1個のフォトンにより発生するキャリアを増倍して、増倍された信号電荷を生成する。得られた信号電荷はSPAD2から取り出され、信号処理回路により信号処理が施される。
【0035】
センサチップ1は、ToF(Time of Flight)法による測距センサとして用いることができる。ToF法では、信号電荷による信号と基準信号との間の信号遅延時間が測定対象物までの距離に換算される。信号処理回路は、例えば、各画素PのSPAD2から得られた信号電荷による信号及び基準信号から信号遅延時間を算出する。得られた信号遅延時間は距離に換算され、これにより測定対象物までの距離が測定される。
【0036】
[作用・効果]
本実施の形態のセンサチップ1は、SPAD2と光反射膜LRとの間に回折レンズDLが設けられており、光入射面10Aから入射してSPAD2で光電変換されずに通過して半導体基板10の表面10C側に到達した光を回折レンズDLにより光反射膜LRに集光することが可能となっている。
【0037】
光反射膜LRは、SPAD2で光電変換されずに通過して半導体基板10の表面10C側に到達した光をSPAD2の方向に反射するためのものである。回折レンズDLが設けられていない場合には、半導体基板10の表面10C側に到達した光は必ずしも光反射膜LRにあたるわけではなく、光反射膜LRの隙間から画素Pの外部へ抜けてしまうことがあった。これにより、PDEの低下を招き、さらには、ある画素Pから抜けた光が他の画素Pに入射することでクロストークが発生することがあった。
【0038】
本実施の形態のセンサチップ1は、上記のように回折レンズDLが設けられているので、半導体基板10の表面10C側に到達した光を光反射膜LRへと集光できる。これにより、光反射膜LRで反射してSPAD2へ戻る光を増加させることができる。光がSPAD2へ戻ることにより光電変換されてPDEに寄与する機会が増加し、これによりPDEを向上させることができる。さらに、画素Pの外部へ光が抜けてしまうことが抑制され、クロストークを抑制できる。
【0039】
特に、光入射面10Aに第1の凹凸形状部10Bが設けられている場合、第1の凹凸形状部10BによりSPAD2への入射光を拡散させ、SPAD2内での光路長を伸ばしてPDEを向上させることが可能であるが、一方で半導体基板10の表面10C側では、光反射膜LRにあたらない光の増加によりPDEの低下を招くことがあった。センサチップ1では、光入射面10Aに第1の凹凸形状部10Bが設けられてPDEを向上させた上に、さらに、半導体基板10の表面10C側では光反射膜LRへ集光されてSPAD2へ反射する光が増加し、これによってもPDEを向上させることができる。
【0040】
以上説明したように、本実施の形態のセンサチップ1では、画素においてPDEを向上させることができる。さらに、画素Pの外部へ光が抜けてしまうことが抑制され、クロストークを抑制できる。
【0041】
<2.変形例>
以下に、上記の実施の形態に係るセンサチップ1の変形例について説明する。なお、以下の変形例において、上記の実施の形態と共通の構成に対しては、同一の符号が付与されている。
【0042】
[変形例A]
上記のセンサチップ1では、第2の凹凸形状部10D(回折レンズDL)は、絶縁膜20及び導電膜21の積層体で形成された構成であったが、本開示ではこれに限らず、SPAD2の光入射面10Aとは反対側の面(半導体基板10の表面10C)に形成された溝27Aに埋め込まれた絶縁膜27Bで形成された構成であってもよい。
【0043】
図3は、変形例Aとしてのセンサチップ1Aの画素Pの断面構成の一例を表したものである。SPAD2の光入射面10Aとは反対側の面(半導体基板10の表面10C)には、溝27Aが設けられている。溝27Aに絶縁膜27Bが埋め込まれている。例えば、絶縁膜27Bは酸化シリコンからなる。絶縁膜27Bは、同心円状に周期的に設けられた凹凸を有し、第2の凹凸形状部10Dを構成する。第2の凹凸形状部10Dは回折レンズDLAとして機能するものである。溝27Aに埋め込まれた絶縁膜27Bは、画素Pが設けられていない領域において半導体基板10に設けられたSTI(Shallow Trench Isolation)素子分離膜と同じ層により形成されている。上記を除いては、センサチップ1と同様の構成を有する。
【0044】
センサチップ1Aの画素Pでは、センサチップ1と同様に、SPAD2を通過して半導体基板10の表面10C側に到達した光を回折レンズDLにより光反射膜LRに集光して光反射膜LRでSPAD2へと反射させることにより、PDEを向上させることができる。さらに、画素Pの外部へ光が抜けてしまうことが抑制され、クロストークを抑制できる。また、サイドウォールが設けられていない回折レンズDLを実現できる。
【0045】
[変形例B]
上記のセンサチップ1では、第2の凹凸形状部10D(回折レンズDL)は、絶縁膜20及び導電膜21の積層体で形成された構成であったが、本開示ではこれに限らず、SPAD2の光入射面10Aとは反対側の面(半導体基板10の表面10C)に形成された導電膜28で形成された構成であってもよい。
【0046】
図4は、変形例Bとしてのセンサチップ1Bの画素Pの断面構成の一例を表したものである。SPAD2の光入射面10Aとは反対側の面(半導体基板10の表面10C)には、サイドウォール絶縁膜22及びパッシベーション絶縁膜23を介して、導電膜28が設けられている。サイドウォール絶縁膜22は、半導体基板10の図示しない領域においてトランジスタのゲート電極の側壁に形成されたサイドウォール絶縁膜と同じ層である。例えば、導電膜28はポリシリコンからなる。導電膜28は、同心円状に周期的に設けられた凹凸を有し、第2の凹凸形状部10Dを構成する。第2の凹凸形状部10Dは回折レンズDLBとして機能するものである。導電膜28は、画素Pが設けられていない領域において配線として形成された膜と同じ層により形成されている。上記を除いては、センサチップ1と同様の構成を有する。
【0047】
センサチップ1Bの画素Pでは、センサチップ1と同様に、SPAD2を通過して半導体基板10の表面10C側に到達した光を回折レンズDLBにより光反射膜LRに集光して光反射膜LRでSPAD2へと反射させることにより、PDEを向上させることができる。さらに、画素Pの外部へ光が抜けてしまうことが抑制され、クロストークを抑制できる。また、サイドウォールが設けられていない回折レンズDLを実現できる。
【0048】
第2の凹凸形状部10Dを形成する膜は、導電膜28に限らず、酸化シリコンや窒化シリコン等の絶縁膜で形成されていても上記と同様の効果を得ることができる。また、第2の凹凸形状部10Dを構成する導電膜28あるいは絶縁膜は、多層膜でもよい。
【0049】
[変形例C]
上記のセンサチップ1では、SPAD2と光反射膜LRとの間に回折レンズDLが形成された構成であったが、本開示ではこれに限らず、回折レンズDLの代わりにインナーレンズILが形成された構成であってもよい。
【0050】
図5は、変形例Cとしてのセンサチップ1Cの画素Pの断面構成の一例を表したものである。SPAD2と光反射膜LRとの間にインナーレンズILが形成されている。インナーレンズILは、例えば酸化シリコンよりも高屈折率の材料により形成されている。図5では、インナーレンズILは光反射膜LRからSPAD2の方向に凸状の形状を有することを示しているが、これに限らず、例えばSPAD2から光反射膜LRの方向に凸状の形状を有してもよい。上記を除いては、センサチップ1と同様の構成を有する。
【0051】
センサチップ1Cの画素Pでは、センサチップ1と同様に、SPAD2を通過して半導体基板10の表面10C側に到達した光をインナーレンズILにより光反射膜LRに集光して光反射膜LRでSPAD2へと反射させることにより、PDEを向上させることができる。さらに、画素Pの外部へ光が抜けてしまうことが抑制され、クロストークを抑制できる。
【0052】
[変形例D]
上記のセンサチップ1では、第2の凹凸形状部10D(回折レンズDL)は、絶縁膜20及び導電膜21の積層体で形成された構成であったが、本開示ではこれに限らず、配線層26に埋設されてなる複数の配線のうちのいずれか1つの層と同じ層の導電膜で構成されていてもよい。
【0053】
図6は、変形例Dとしてのセンサチップ1Dの画素Pの断面構成の一例を表したものである。配線層26には、積層した複数の配線が埋設されている。複数の配線は、例えば第1配線25B、第2配線25D、第3配線25F、及び第4配線25Hを含む。なお、図6では4層の積層した配線を含む例を示しているが、積層される配線の層数は特に限定されない。これらの複数の配線は、コンタクト層25A、第1垂直接続層25C、第2垂直接続層25E、及び第3垂直接続層25Gにより接続されている。第1配線25B、第2配線25D、第3配線25F、第4配線25H、コンタクト層25A、第1垂直接続層25C、第2垂直接続層25E、及び第3垂直接続層25Gは、例えばそれぞれ銅等の金属膜で形成されている。第1配線25Bと同じ層の導電膜に第2の凹凸形状部10Dが形成され、回折レンズDLCが設けられている。この第1配線25Bは、積層した複数の配線のうちの最もSPAD2に近い層である。また、第2配線25DのうちのSPAD2に対向する部分は、光反射膜LRを構成する。第3配線25Fは絶縁膜24の内部に設けられ、第4配線25Hは絶縁膜24から露出しており、外部接続用の端子となっている。上記を除いては、センサチップ1と同様の構成を有する。
【0054】
センサチップ1Dの画素Pでは、センサチップ1と同様に、SPAD2を通過して半導体基板10の表面10C側に到達した光を回折レンズDLCにより光反射膜LRに集光して光反射膜LRでSPAD2へと反射させることにより、PDEを向上させることができる。さらに、画素Pの外部へ光が抜けてしまうことが抑制され、クロストークを抑制できる。配線層26中に埋設されていた複数の配線のレイアウト形状を変更することで、回折レンズDL及び光反射膜LRを有する構造を実現できる。
【0055】
[変形例E]
上記のセンサチップ1Dでは、積層した複数の配線のうちの最もSPAD2に近い層(第1配線25B)に第2の凹凸形状部10D(回折レンズDLC)が形成された構成であったが、本開示ではこれに限らず、同心円状の第2の凹凸形状部10Dを構成する第1配線25BのそれぞれとSPAD2との間にコンタクト層25Aが設けられていてもよい。
【0056】
図7は、変形例Eとしてのセンサチップ1Eの画素Pの断面構成の一例を表したものである。配線層26に埋設された積層した複数の配線の構成は、センサチップ1Dと同様である。センサチップ1Eでは、同心円状の第2の凹凸形状部10Dを構成する第1配線25BのそれぞれとSPAD2との間にコンタクト層25Aが設けられている。
【0057】
第1配線25Bにより形成される第2の凹凸形状部10Dの平面構成は、図2に示したものと同様であり、同心円状に周期的に設けられている。図8は、センサチップ1Eのコンタクト層25Aの平面構成の一例を表したものである。コンタクト層25Aは、同心円状の第2の凹凸形状部10Dを構成する第1配線25BのそれぞれとSPAD2との間に設けられている。コンタクト層25Aは、例えば図8に示したようなドット状のレイアウト形状で形成されている。ドット状のコンタクト層25Aは、それぞれ、同心円状の第2の凹凸形状部10Dのいずれかと重なりを有する。即ち、コンタクト層25Aは、それぞれ、第2の凹凸形状部10Dのいずれかに接続するように設けられている。上記を除いては、センサチップ1Dと同様の構成を有する。なお、コンタクト層25Aは、図8に示したドット状のレイアウトに限定されるものではなく、例えば第2の凹凸形状部10Dと同様に、同心円状のレイアウト形状としてもよい。あるいは、ライン状のレイアウト形状としてもよい。
【0058】
センサチップ1Eの画素Pでは、センサチップ1Dと同様に、SPAD2を通過して半導体基板10の表面10C側に到達した光を回折レンズDLCにより光反射膜LRに集光して光反射膜LRでSPAD2へと反射させることにより、PDEを向上させることができる。さらに、画素Pの外部へ光が抜けてしまうことが抑制され、クロストークを抑制できる。配線層中に埋設されていた複数の配線のレイアウト形状を変更することで、回折レンズDL及び光反射膜LRを構成できる。同心円状の第1配線25Bのそれぞれに接続するようにコンタクト層25Aが設けられているので、コンタクト層25Aに接続可能な範囲でカソード16の位置を変更することができ、設計の自由度が増加する。同心円状の第1配線25Bのうちの最外周ではない第1配線25Bにカソード16を接続する場合には、第2配線25D及びそれより上層の配線のレイアウト形状は、カソード16が接続された第1配線25Bに接続可能なように選択される。この場合には、後述の変形例Gで説明するように光反射膜LRを小さくすることが可能であり、これにより画素容量を低減することができる。
【0059】
センサチップ1Eでは、第2の凹凸形状部10Dは第1配線25Bと同じ層の導電層で形成されているが、複数の配線のうちの最もSPAD2に近い層ではない層(第2配線25D及びそれより上層の配線)と同じ層の導電膜で構成されていてもよい。
【0060】
[変形例F]
上記のセンサチップ1Eでは、カソード16は画素Pの中央部より端部に近い位置に設けられた構成であったが、本開示ではこれに限らず、光入射面10Aと平行な方向における画素Pの中央部にカソード16が設けられていてもよい。
【0061】
図9は、変形例Fとしてのセンサチップ1Fの画素Pの断面構成の一例を表したものである。第2の凹凸形状部10Dは、絶縁膜20及び導電膜21の積層体で形成されている。光入射面10Aと平行な方向における画素Pの中央部にカソード16が設けられ、カソード16に接続するようにコンタクト層25A及び第1配線25Bが設けられている。光反射膜LRは、第2配線25Dと同じ層の導電膜によって形成されている。上記を除いては、センサチップ1Eと同様の構成を有する。
【0062】
センサチップ1Fの画素Pでは、センサチップ1Eと同様に、SPAD2を通過して半導体基板10の表面10C側に到達した光を回折レンズDLにより光反射膜LRに集光して光反射膜LRでSPAD2へと反射させることにより、PDEを向上させることができる。さらに、画素Pの外部へ光が抜けてしまうことが抑制され、クロストークを抑制できる。
【0063】
[変形例G]
上記のセンサチップ1Fでは、光反射膜LRは、光入射面10Aと平行な方向の画素Pの略全領域に対向するように設けられた構成であったが、本開示ではこれに限らず、光入射面10Aと平行な方向の中央部を含む画素Pの一部に対向するように設けられた構成でもよい。
【0064】
図10は、変形例Gとしてのセンサチップ1Gの画素Pの断面構成の一例を表したものである。光反射膜LRは、第2配線25Dと同じ層の導電層によって形成され、光入射面10Aと平行な方向の中央部を含む画素Pの一部に対向するように設けられている。即ち、図9に示したような画素の略全領域に対向するように設けられた構成の光反射膜LRよりも光入射面10Aと平行な方向に拡がる面積が小さくなっている。上記を除いては、センサチップ1Fと同様の構成を有する。
【0065】
センサチップ1Gの画素Pでは、センサチップ1Fと同様に、SPAD2を通過して半導体基板10の表面10C側に到達した光を回折レンズDLにより光反射膜LRに集光して光反射膜LRでSPAD2へと反射させることにより、PDEを向上させることができる。さらに、画素Pの外部へ光が抜けてしまうことが抑制され、クロストークを抑制できる。光反射膜LRを小さくすることにより、画素容量を低減することができる。
【0066】
[変形例H]
上記のセンサチップ1Gでは、配線層26に埋設された複数の配線は4層の配線の積層体であったが、本開示ではこれに限らず、配線層26に埋設された複数の配線は3層以下であってもよい。
【0067】
図11は、変形例Hとしてのセンサチップ1Hの画素Pの断面構成の一例を表したものである。配線層26に埋設された複数の配線は、第1配線25B、第2配線25D、及び第3配線25Fの3層の積層体である。これらの複数の配線は、コンタクト層25A、第1垂直接続層25C、及び第2垂直接続層25Eにより接続されている。光反射膜LRは、第1配線25Bと同じ層の導電層によって形成され、光入射面10Aと平行な方向の中央部を含む画素Pの一部に対向するように設けられている。上記を除いては、センサチップ1Gと同様の構成を有する。
【0068】
センサチップ1Hの画素Pでは、センサチップ1Gと同様に、SPAD2を通過して半導体基板10の表面10C側に到達した光を回折レンズDLにより光反射膜LRに集光して光反射膜LRでSPAD2へと反射させることにより、PDEを向上させることができる。さらに、画素Pの外部へ光が抜けてしまうことが抑制され、クロストークを抑制できる。光反射膜LRを小さくしており、さらに配線層26に埋設される配線の層数が減ったことにより、画素容量を低減することができる。
【0069】
[変形例I]
上記のセンサチップ1では、SPAD2の光入射面10Aに第1の凹凸形状部10Bが設けられていたが、本開示ではこれに限らず、光入射面10Aは平坦な面であってもよい。
【0070】
図12は、変形例Iとしてのセンサチップ1Iの画素Pの断面構成の一例を表したものである。SPAD2の光入射面10Aは平坦な面である。光入射面10Aを覆う反射防止膜35も平坦に形成されている。上記を除いては、センサチップ1と同様の構成を有する。
【0071】
センサチップ1Iの画素Pでは、センサチップ1と同様に、SPAD2を通過して半導体基板10の表面10C側に到達した光を回折レンズDLにより光反射膜LRに集光して光反射膜LRでSPAD2へと反射させることにより、PDEを向上させることができる。さらに、画素Pの外部へ光が抜けてしまうことが抑制され、クロストークを抑制できる。第1の凹凸形状部10Bによる光の散乱は起こらないが、SPAD2を通過して半導体基板10の表面10C側に到達した光をSPAD2側に戻して感度に寄与させる点では同様の効果を得ることができる。
【0072】
[変形例J]
上記のセンサチップ1Iでは、SPAD2の光入射面10Aに対向してオンチップレンズ34が設けられていたが、本開示ではこれに限らず、オンチップレンズ34が設けられていない構成であってもよい。
【0073】
図13は、変形例Jとしてのセンサチップ1Jの画素Pの断面構成の一例を表したものである。SPAD2の光入射面10Aは平坦な面であり、光入射面10Aを覆って形成された反射防止膜35も平坦な面を有している。光入射面10A上にはオンチップレンズ34は設けられていない。上記を除いては、センサチップ1と同様の構成を有する。
【0074】
センサチップ1Jの画素Pでは、センサチップ1Iと同様に、SPAD2を通過して半導体基板10の表面10C側に到達した光を回折レンズDLにより光反射膜LRに集光して光反射膜LRでSPAD2へと反射させることにより、PDEを向上させることができる。さらに、画素Pの外部へ光が抜けてしまうことが抑制され、クロストークを抑制できる。第1の凹凸形状部10Bによる光の散乱は起こらないが、SPAD2を通過して半導体基板10の表面10C側に到達した光をSPAD2側に戻して感度に寄与させる点では同様の効果を得ることができる。特に、オンチップレンズ34が設けられていないので、SPAD2を通過して半導体基板10の表面10C側に到達する光が多くなるため、光を回折レンズDLにより光反射膜LRに集光して光反射膜LRでSPAD2へと反射させることによるPDE向上の効果は大きくなる。
【0075】
<3.適用例>
上述したセンサチップ1、1A~1J(代表してセンサチップ1とする)は、例えば、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等のカメラ、撮像機能を備えた携帯電話機、または、撮像機能を備えた他の機器といった各種の電子機器に適用することができる。
【0076】
図14は、上記実施の形態及びその変形例に係るセンサチップ1を備えた電子機器の概略構成の一例を示すブロック図である。
【0077】
図14に示される電子機器201は、光学系202、シャッタ装置203、センサチップ1、駆動回路205、信号処理回路206、モニタ207、及びメモリ208を備えて構成され、静止画像及び動画像を撮像可能である。
【0078】
光学系202は、1枚または複数枚のレンズを有して構成され、被写体からの光(入射光)をセンサチップ1に導き、センサチップ1の受光面に結像させる。
【0079】
シャッタ装置203は、光学系202及びセンサチップ1の間に配置され、駆動回路205の制御に従って、センサチップ1への光照射期間及び遮光期間を制御する。
【0080】
センサチップ1は、上述したセンサチップを含むパッケージにより構成される。センサチップ1は、光学系202及びシャッタ装置203を介して受光面に結像される光に応じて、信号電荷を生成する。センサチップ1で生成された信号電荷は、信号処理回路206に出力される。
【0081】
信号処理回路206は、センサチップ1から出力された信号電荷に対して各種の信号処理を施す。信号処理回路206が信号処理を施すことにより得られた画像(画像データ)は、モニタ207に供給されて表示されたり、メモリ208に供給されて記憶(記録)されたりする。
【0082】
上記のように構成されている電子機器201においても、センサチップ1を適用することにより、PDEを向上させて高精細な撮像画像を得ることが可能となる。
【0083】
<4.応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0084】
図15は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0085】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図15に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
【0086】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0087】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0088】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させると共に、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0089】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0090】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0091】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0092】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0093】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0094】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図15の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0095】
図16は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0096】
図16では、車両12100は、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
【0097】
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。撮像部12101及び12105で取得される前方の画像は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0098】
なお、図16には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0099】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0100】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0101】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0102】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0103】
以上、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031に適用され得る。具体的には、上記実施の形態及びその変形例に係るセンサチップ1は、撮像部12031に適用することができる。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、PDEを向上させて高精細な撮影画像を得ることができるので、移動体制御システムにおいて撮影画像を利用した高精度な制御を行うことができる。
【0104】
<5.その他の変形例>
以上、実施の形態及びその変形例A~J、適用例ならびに応用例を挙げて本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。
【0105】
上記実施の形態及び変形例のセンサチップは、センサチップの出力信号から測定対象物までの距離を算出する測距装置に適用できる。この場合、測距装置はセンサチップの出力信号から測定対象物までの距離を算出する信号処理回路を有する。
【0106】
また、上記実施の形態及び変形例のセンサチップでは、遮光膜で遮光された無効画素や画素周辺部等の有効画素領域外には、回折レンズやインナーレンズ等の集光部は設けられていなくてもよい。画素アレイを構成する場合、画素の数に特に制限はない。また、実施の形態及びその変形例A~Jは、適宜組み合わせることができる。
【0107】
また、実施の形態及びその変形例A~Jの各画素PのSPAD2において、n型不純物領域とp型不純物領域が入れ替えられた構成であってもよい。この場合には、ウェル層11の側面と画素分離膜TIの間にn型不純物領域が設けられ、その端部にカソードが設けられている。また、pn接合を構成するn型不純物領域及びp型不純物領域がウェル層11の内部に設けられ、このp型不純物領域に接続するようにアノードが設けられている。このような構成のSPADは、アノード13に大きな負電圧が印加されてpn接合に所定の逆電圧が印加されて駆動される。
【0108】
なお、本明細書中に記載された効果は、あくまで例示である。本開示の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されるものではない。本開示が、本明細書中に記載された効果以外の効果を持っていてもよい。
【0109】
なお、本技術は以下のような構成とすることができる。以下の構成の本技術によれば、PDEを向上させることができる。
【0110】
(1)
光が入射する光入射面を有するとともに高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させる増倍領域を有する光電変換部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に対向して設けられた光反射部と、
前記光電変換部と前記光反射部との間に設けられるとともに回折レンズを含む集光部とを有する画素を備え、
前記回折レンズは、同心円状に周期的に設けられた第2の凹凸形状部を有し、
前記第2の凹凸形状部は、導電膜で構成されている
センサチップ。
(2)
前記集光部は、前記光電変換部を通過した前記光を前記光反射部に向けて集光する
前記(1)に記載のセンサチップ。
(3)
前記光入射面は、前記光を拡散させる第1の凹凸形状部が設けられている
前記(1)または(2)に記載のセンサチップ。
(4)
前記光入射面に対向して設けられたオンチップレンズをさらに備えた
前記(1)~(3)のいずれかに記載のセンサチップ。
(5
記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に、積層した複数の配線が絶縁膜中に埋設されてなる配線層が設けられており、
前記光入射面と平行な方向における前記画素の中央部で前記光電変換部のカソードに接続するように前記複数の配線が設けられている
前記(1)~(4)のいずれかに記載のセンサチップ。
(6)
前記光反射部は、前記光入射面と平行な方向における前記画素の中央部を含む前記画素の一部に対向して設けられている
前記(1)~(5)のいずれかに記載のセンサチップ。
(7)
前記集光部は、インナーレンズを有する
前記(1)~(6)のいずれかに記載のセンサチップ。
(8)
光が入射する光入射面を有するとともに高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させる増倍領域を有する光電変換部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に対向して設けられた光反射部と、
前記光電変換部と前記光反射部との間に設けられるとともに回折レンズを含む集光部とを有する画素を備え、
前記回折レンズは、同心円状に周期的に設けられた第2の凹凸形状部を有し、
前記第2の凹凸形状部は、絶縁膜及び導電膜の積層体で構成されている
センサチップ。
(9)
光が入射する光入射面を有するとともに高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させる増倍領域を有する光電変換部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に対向して設けられた光反射部と、
前記光電変換部と前記光反射部との間に設けられるとともに回折レンズを含む集光部とを有する画素を備え、
前記回折レンズは、同心円状に周期的に設けられた第2の凹凸形状部を有し、
前記第2の凹凸形状部は、前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に形成された溝に埋め込まれた絶縁膜で構成されている
センサチップ。
(10)
光が入射する光入射面を有するとともに高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させる増倍領域を有する光電変換部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に対向して設けられた光反射部と、
前記光電変換部と前記光反射部との間に設けられるとともに回折レンズを含む集光部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に設けられ、積層した複数の配線が絶縁膜中に埋設されてなる配線層とを有する画素を備え、
前記回折レンズは、同心円状に周期的に設けられた第2の凹凸形状部を有し、
前記第2の凹凸形状部は、前記複数の配線のうちのいずれか1つの層と同じ層の導電膜で構成されている
センサチップ。
(11)
同心円状の前記第2の凹凸形状部を構成する前記導電膜のそれぞれと前記光電変換部との間にコンタクト部が設けられている
前記(10)に記載のセンサチップ。
(12)
前記第2の凹凸形状部は、前記複数の配線のうちの最も前記光電変換部に近い層と同じ層の導電膜で構成されている
前記(10)または(11)に記載のセンサチップ。
(13)
前記第2の凹凸形状部は、前記複数の配線のうちの最も前記光電変換部に近い層ではない層と同じ層の導電膜で構成されている
前記(10)~(12)のいずれかに記載のセンサチップ。
(14)
光学系と、
センサチップと、
信号処理回路とを備え、
前記センサチップは、
光が入射する光入射面を有するとともに高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させる増倍領域を有する光電変換部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に対向して設けられた光反射部と、
前記光電変換部と前記光反射部との間に設けられるとともに回折レンズを含む集光部とを有する画素を備え、
前記回折レンズは、同心円状に周期的に設けられた第2の凹凸形状部を有し、
前記第2の凹凸形状部は、導電膜で構成されている
電子機器。
(15)
光学系と、
センサチップと、
信号処理回路とを備え、
前記センサチップは、
光が入射する光入射面を有するとともに高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させる増倍領域を有する光電変換部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に対向して設けられた光反射部と、
前記光電変換部と前記光反射部との間に設けられるとともに回折レンズを含む集光部とを有する画素を備え、
前記回折レンズは、同心円状に周期的に設けられた第2の凹凸形状部を有し、
前記第2の凹凸形状部は、絶縁膜及び導電膜の積層体で構成されている
電子機器。
(16)
光学系と、
センサチップと、
信号処理回路とを備え、
前記センサチップは、
光が入射する光入射面を有するとともに高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させる増倍領域を有する光電変換部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に対向して設けられた光反射部と、
前記光電変換部と前記光反射部との間に設けられるとともに回折レンズを含む集光部とを有する画素を備え、
前記回折レンズは、同心円状に周期的に設けられた第2の凹凸形状部を有し、
前記第2の凹凸形状部は、前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に形成された溝に埋め込まれた絶縁膜で構成されている
電子機器。
(17)
光学系と、
センサチップと、
信号処理回路とを備え、
前記センサチップは、
光が入射する光入射面を有するとともに高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させる増倍領域を有する光電変換部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に対向して設けられた光反射部と、
前記光電変換部と前記光反射部との間に設けられるとともに回折レンズを含む集光部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に設けられ、積層した複数の配線が絶縁膜中に埋設されてなる配線層とを有する画素を備え、
前記回折レンズは、同心円状に周期的に設けられた第2の凹凸形状部を有し、
前記第2の凹凸形状部は、前記複数の配線のうちのいずれか1つの層と同じ層の導電膜で構成されている
電子機器。
(18)
光学系と、
センサチップと、
前記センサチップの出力信号から測定対象物までの距離を算出する信号処理回路とを備え、
前記センサチップは、
光が入射する光入射面を有するとともに高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させる増倍領域を有する光電変換部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に対向して設けられた光反射部と、
前記光電変換部と前記光反射部との間に設けられるとともに回折レンズを含む集光部とを有する画素を備え、
前記回折レンズは、同心円状に周期的に設けられた第2の凹凸形状部を有し、
前記第2の凹凸形状部は、導電膜で構成されている
測距装置。
(19)
光学系と、
センサチップと、
前記センサチップの出力信号から測定対象物までの距離を算出する信号処理回路とを備え、
前記センサチップは、
光が入射する光入射面を有するとともに高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させる増倍領域を有する光電変換部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に対向して設けられた光反射部と、
前記光電変換部と前記光反射部との間に設けられるとともに回折レンズを含む集光部とを有する画素を備え、
前記回折レンズは、同心円状に周期的に設けられた第2の凹凸形状部を有し、
前記第2の凹凸形状部は、絶縁膜及び導電膜の積層体で構成されている
測距装置。
(20)
光学系と、
センサチップと、
前記センサチップの出力信号から測定対象物までの距離を算出する信号処理回路とを備え、
前記センサチップは、
光が入射する光入射面を有するとともに高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させる増倍領域を有する光電変換部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に対向して設けられた光反射部と、
前記光電変換部と前記光反射部との間に設けられるとともに回折レンズを含む集光部とを有する画素を備え、
前記回折レンズは、同心円状に周期的に設けられた第2の凹凸形状部を有し、
前記第2の凹凸形状部は、前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に形成された溝に埋め込まれた絶縁膜で構成されている
測距装置。
(21)
光学系と、
センサチップと、
前記センサチップの出力信号から測定対象物までの距離を算出する信号処理回路とを備え、
前記センサチップは、
光が入射する光入射面を有するとともに高電界領域によりキャリアをアバランシェ増倍させる増倍領域を有する光電変換部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に対向して設けられた光反射部と、
前記光電変換部と前記光反射部との間に設けられるとともに回折レンズを含む集光部と、
前記光電変換部の前記光入射面とは反対側の面に設けられ、積層した複数の配線が絶縁膜中に埋設されてなる配線層とを有する画素を備え、
前記回折レンズは、同心円状に周期的に設けられた第2の凹凸形状部を有し、
前記第2の凹凸形状部は、前記複数の配線のうちのいずれか1つの層と同じ層の導電膜で構成されている
測距装置。
【0111】
本出願は、日本国特許庁において2019年3月19日に出願された日本特許出願番号2019-050885号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願の全ての内容を参照によって本出願に援用する。
【0112】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16