(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】廃ワイヤ回収装置
(51)【国際特許分類】
B65H 54/80 20060101AFI20240314BHJP
B65H 75/36 20060101ALI20240314BHJP
B65H 54/76 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
B65H54/80 A
B65H75/36 F
B65H54/76 Z
(21)【出願番号】P 2021513823
(86)(22)【出願日】2019-09-16
(86)【国際出願番号】 KR2019011910
(87)【国際公開番号】W WO2020060115
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】10-2018-0112358
(32)【優先日】2018-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521097769
【氏名又は名称】ソン キチョル
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【氏名又は名称】芦北 智晴
(72)【発明者】
【氏名】ソン キチョル
【審査官】山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-114822(JP,A)
【文献】特開平01-271123(JP,A)
【文献】米国特許第02849195(US,A)
【文献】実開平03-103121(JP,U)
【文献】実開平04-067934(JP,U)
【文献】特開平01-087117(JP,A)
【文献】特開昭57-062829(JP,A)
【文献】特開平09-208125(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 54/80
B65H 75/36
B65H 54/76
B23H 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤ放電加工機から排出される廃ワイヤ(W)を回転させながら回収する廃ワイヤ回収部(3);及び前記廃ワイヤ回収部(3)を回転させる回転駆動部(5);を含み、
前記廃ワイヤ回収部(3)は、前記廃ワイヤ(W)を溜めるための板体(21)を含み、
前記回転駆動部(5)は、前記板体(21)に連結され、前記板体(21)を回転させ、
前記板体(21)の周囲に沿って配置され、前記板体(21)に収容される前記廃ワイヤ(W)が、前記板体(21)の外に出ることを防止する遮断体(27)を含み、
前記遮断体(27)は、前記板体(21)に着脱可能に配置され、
前記板体(21)は、さらに前記遮断体(27)を支持するための支持手段(29)を含むことを特徴とする廃ワイヤ回収装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の廃ワイヤ回収装置において、
前記板体(21)は、前記廃ワイヤ(W)を回収するように、前記板体(21)の床(23)に回転可能に設置され、前記板体(21)の回転速度(Vt)が前記廃ワイヤ(W)の落下速度(Vd)より速い場合に、前記板体(21)の回転方向と反対方向に相対回転するスリップ板(20)を含むことを特徴とする廃ワイヤ回収装置。
【請求項3】
ワイヤ放電加工機から排出される廃ワイヤ(W)を回転させながら回収する廃ワイヤ回収部(3);及び前記廃ワイヤ回収部(3)を回転させる回転駆動部(5);を含み、
前記廃ワイヤ回収部(3)は、前記廃ワイヤ(W)を溜めるための板体(21)を含み、
前記回転駆動部(5)は、前記板体(21)に連結され、前記板体(21)を回転させ、
前記板体(21)は、前記廃ワイヤ(W)を回収するように、前記板体(21)の床(23)に回転可能に設置され、前記板体(21)の回転速度(Vt)が前記廃ワイヤ(W)の落下速度(Vd)より速い場合に、前記板体(21)の回転方向と反対方向に相対回転するスリップ板(20)を含むことを特徴とする廃ワイヤ回収装置。
【請求項4】
ワイヤ放電加工機から排出される廃ワイヤ(W)を回転させながら回収する廃ワイヤ回収部(3);及び前記廃ワイヤ回収部(3)を回転させる回転駆動部(5);を含み、
前記廃ワイヤ回収部(3)は、前記廃ワイヤ(W)を溜めるための板体(21)を含み、
前記回転駆動部(5)は、前記板体(21)に連結され、前記板体(21)を回転させ、
前記板体(21)の周囲に沿って配置され、前記板体(21)に収容される前記廃ワイヤ(W)が、前記板体(21)の外に出ることを防止する遮断体(27)を含み、
前記板体(21)は、前記廃ワイヤ(W)を回収するように、前記板体(21)の床(23)に回転可能に設置され、前記板体(21)の回転速度(Vt)が前記廃ワイヤ(W)の落下速度(Vd)より速い場合に、前記板体(21)の回転方向と反対方向に相対回転するスリップ板(20)を含むことを特徴とする廃ワイヤ回収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃ワイヤ回収装置に関するものであり、より詳細にはワイヤ放電加工機からの使用後に排出される廃ワイヤを回収する廃ワイヤ回収部を回転させることにより、回収される廃ワイヤの充填密度を大幅に高め、廃ワイヤ搬出に伴う費用を減らし、効率を高めることができる、廃ワイヤ回収装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ワイヤ放電加工機は、細いワイヤを緩まないように解いて巻きながらワイヤを電極として使用し、工作物との間に放電を起こすことによって、スパークによって工作物を切断する加工機械であり、放電を起こしたワイヤは、使用後には回収装置へ排出され搬出処分される。
【0003】
このように使用された廃ワイヤを回収する回収装置は、ワイヤ放電加工機から排出される廃ワイヤ(W)を
図1に図面符号(101)に図示された廃ワイヤ回収箱へ収容させて回収し、一定の量の廃ワイヤ(W)が充填された後に、回収箱(101)から搬出され、一束で搬出処分される。
【0004】
ところが、前記のような従来の廃ワイヤ回収装置によると、回収箱(101)内に投入される廃ワイヤ(W)が残留弾性を持っているので、充填される過程で、
図1に図示されているように、浮き上がったりもつれたりする。従って、袋に入れて搬出する際に、単位体積当たりの袋に入れられる量が多くなく、すなわち、廃ワイヤ充填密度が高くないため、搬出後のリサイクルのために運搬する際に、例えば、コンテナボックスのように一定の体積を持っている規格化されている設備をもって移す時、十分な量を載せることができないという問題があった。また、これにより、廃ワイヤリサイクルに伴う利益が、運搬費用等の経費に及ばず、廃ワイヤリサイクルの効率性を低下させるという問題もあった。また、このように、廃ワイヤリサイクルの効率性の低下により、リサイクルを放棄し、廃ワイヤを廃棄することで、資源の浪費を引き起こす問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】韓国公開特許第10-2017-0082464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記のような従来の廃ワイヤ回収装置が持つ問題点を解決するために提案されたもので、廃ワイヤを回収して搬出処分するために使用される袋等の包装手段に収容される廃ワイヤの充填密度、すなわち廃ワイヤの収容体積に対する充填量を大幅に高め、一回の輸送時に運搬できる廃ワイヤの量を大きく増大させ、廃ワイヤリサイクルの経済効果を向上させることにその目的がある。
【0007】
また、包装手段に廃ワイヤを収容して搬出処分する過程を単純化することにより、廃ワイヤリサイクルに伴うコストを削減し、廃ワイヤリサイクルの経済効果を向上させることにその目的がある。
【0008】
また、部品の構造を改善し、重量測定等の機能を追加し、制御を無線化することにより、廃ワイヤの回収や包装等に係る作業安定性や利便性を向上させることもその目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これらの目的を達成するために、本発明は、ワイヤ放電加工機から排出される廃ワイヤを回転しながら回収する廃ワイヤ回収部;及び前記廃ワイヤ回収部を回転させる回転駆動部;を含む、廃ワイヤ回収装置を提供する。
【0010】
なお、前記廃ワイヤ回収部は、前記廃ワイヤを受けるための板体を含み、前記回転駆動部は前記板体に連結され、前記板体を回転させることが望ましい。
【0011】
また、前記板体の周囲に沿って配置され、前記板体に収容される前記廃ワイヤが、前記板体の外に出ることを防止する遮断体を含むことが望ましい。
【0012】
また、前記の遮断体は前記の板体に着脱可能に配置されるし、前記板体は前記遮断体を支持するための支持手段をさらに含むことが望ましい。
【0013】
また、前記板体は、前記廃ワイヤを回収するように、前記板体の床に回転可能に設置され、前記板体の回転速度が前記廃ワイヤの落下速度より速い時、前記板体の回転方向と反対方向に相対回転するスリップ板を含むことが望ましい。
【0014】
また、前記板体は、回転中心部分に突出された突出部を含むことが望ましい。
【0015】
また、前記突出部は、前記板体の回転中心部分に着脱可能に、長さ方向に配置された突出棒であることが望ましい。
【0016】
また、前記廃ワイヤ回収部に回収された前記廃ワイヤを一束になるように結ぶ紐をさらに含むことが望ましい。
【0017】
また、前記廃ワイヤ回収部は、前記廃ワイヤを収めるための開放口が形成された筒体を含み、前記回転駆動部は、前記筒体に連結され、前記筒体を回転させることが望ましい。
【0018】
また、前記筒体は、床の回転中心部分に突出された突出部を含むことが望ましい。
【0019】
また、前記突出部は、前記床の回転中心部分に、長さ方向に配置された突出棒であることが望ましい。
【0020】
また、前記筒体と重ねられて前記廃ワイヤを入れるように、前記筒体内部に嵌め込まれる包装手段を含むことが望ましい。
【0021】
また、前記回転駆動部は、前記筒体を回転可能に支持する支持手段;及び前記筒体を前記支持手段上で、回転するように駆動させる駆動手段;を含むことが望ましい。
【0022】
また、前記廃ワイヤを前記筒体の床に溜める前に、加熱する加熱手段を含むことが望ましい。
【0023】
また、前記回転駆動部は、前記筒体を支持しながら回転させる回転手段;及び前記回転手段の回転駆動力を起こす駆動手段;を含むことが望ましい。
【0024】
また、前記回転駆動部は、前記筒体を支持しながら回転させる回転手段であって、前記筒体の床を貫通するように長さ方向に配置された突出棒を含む回転手段;及び前記回転手段の回転駆動力を起こす駆動手段;を含むことが望ましい。
【0025】
また、前記筒体内に長さ方向に昇降可能に設置され、前記筒体内に投入されて溜まっている前記廃ワイヤを加圧する圧迫手段を含むことが望ましい。
【0026】
また、前記ワイヤ放電加工機の排出口に隣接して設置され、前記排出口から排出される前記廃ワイヤをシワを持つように折曲げる折曲手段をさらに含むことが望ましい。
【0027】
また、前記廃ワイヤ回収部を回転可能に支持する前記回転駆動部の骨格フレームに設けられ、前記廃ワイヤ回収部で回収された前記廃ワイヤの重量を測定する重量測定手段をさらに含むことが望ましい。
【0028】
また、前記重量測定手段は、IoT基盤で制御部又はワイヤ放電加工機と通信するようになっていることが望ましい。
【発明の効果】
【0029】
本発明の廃ワイヤ回収装置によると、ワイヤ放電加工機から排出される廃ワイヤを廃ワイヤ回収部で収容する際に、廃ワイヤ回収部を回転させるので、廃ワイヤ回収部で収容される廃ワイヤをボビンのように揃えることができ、従って廃ワイヤ回収部内に収容される廃ワイヤの充填密度を高めることができ、さらに1回運搬時に運搬される廃ワイヤの量を大幅に増大させ、運搬費を削減するとともに、廃ワイヤのリサイクルの経済効果を大幅に向上させることが可能になる。
【0030】
また、廃ワイヤ回収部の板体または筒体は、回転中心部分に突出部または突出棒が備えられるので、前記のように廃ワイヤ回収部に投入される廃ワイヤを容易に整然と収容できるようになり、従って廃ワイヤがごちゃごちゃ無秩序に収容されるのに比べ、廃ワイヤの充填密度を一層向上させることができるようになる。
【0031】
また、前記のように廃ワイヤが収容された板体から遮断体を簡単に分離することができるので、回収時に遮断体を取り除いてから、廃ワイヤの束をより簡単に回収することができる。
【0032】
また、前記のように筒体に廃ワイヤを投入する前に、筒体内に包装手段をあらかじめ嵌め込むことができるので、筒体内で包装手段に収容された廃ワイヤを別途の包装過程を経ずにより迅速かつ便利に搬出することができる。
【0033】
また、廃ワイヤ回収部を回転させるための回転駆動部は、板体または筒体に直結した駆動手段によって板体または筒体を回転させるか、または支持手段によって板体または筒体を回転可能に支持しながら板体または筒体に連結された駆動手段を通じて板体または筒体を回転手段に着脱式で結合し、回転手段を回転させて間接的に板体または筒体を回転させることができるので、板体または筒体を回転させるための回転駆動部のメカニズムを多様な形で構成することができる。
【0034】
また、板体又は筒体の速度が、排出口から廃ワイヤ回収部に投入される廃ワイヤの落下速度より早くても、その速度差を板体に回転自由に取り付けられたスリップ板が、板体の回転方向と逆方向に相対回転するので、廃ワイヤを前記のように安定的に回収することができる。
【0035】
また、加熱手段により板体または筒体の床に落下する前に、廃ワイヤを加熱することができるし、また廃ワイヤの排出口に隣接設置した折曲手段により、廃ワイヤを折曲げられるので、廃ワイヤに残っている弾性を減少または除去することができ、同様に廃ワイヤの収容密度を一層向上させることができる。
【0036】
また、筒体を回転手段に着脱式に結合し、回転手段により間接的に筒体を回転させることにおいて、回転手段に直結された突出棒が筒体の中心部分に位置するようにしているので、同様に筒体に投入される廃ワイヤを容易に整然と収容することができ、従って廃ワイヤの充填密度を向上させることができる。
【0037】
また、板体の上に、又は筒体内に、昇降可能に圧迫手段を取り付けることができるので、板体又は筒体内に投入され、溜まる廃ワイヤを溜める過程で加圧することが可能になり、従って、廃ワイヤを容易にコンパクト化することができ、同様に廃ワイヤの充填密度を大幅に向上させることができる。
【0038】
また、板体または筒体内に収容された廃ワイヤの重さをリアルタイムで測定することができ、測定結果を有無線でリアルタイムで制御部などに伝送できるので、一定の重さになった時に廃ワイヤの回収作業を止めることが可能になり、従って運搬できる単位の廃ワイヤの束の重さを規制している一部の国の規定等に容易に合致させることができる。
【0039】
さらに、板体または筒体にボビン状に回収された廃ワイヤの束を束ねることができるので、回収後の廃ワイヤの運搬などが便利になる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】従来の廃ワイヤ回収箱を図示した概略正面図。
【
図2】本発明の一実施例による廃ワイヤ回収装置を図示した概略正断面図。
【
図3】
図2の板体の床に突出部が配置されている廃ワイヤ回収装置の部分斜視図。
【
図4】
図2の板体の床にスリップ板が設置された廃ワイヤ回収部の正断面図。
【
図6】
図2の板体に遮断体が装着された廃ワイヤ回収装置の正断面図。
【
図7】
図6の板体に突出部が形成された廃ワイヤ回収装置の正断面図。
【
図8】
図2の板体に1束の廃ワイヤが回収された状態を図示した斜視図。
【
図9】本発明の他の実施例による廃ワイヤ回収装置を図示した概略正断面図。
【
図10】
図9の筒体の床に突出部が形成された廃ワイヤ回収装置の概略正面図。
【
図11】
図9の筒体の床に突出棒が形成された廃ワイヤ回収装置の概略正面図。
【
図12】
図9の筒体内部に包装手段をはめ込んだ状態の廃ワイヤ回収装置を図示した概略正面図。
【
図13】本発明の他の実施例による廃ワイヤ回収装置を加熱手段とともに図示した概略正断面図。
【
図14】本発明の他の実施例による廃ワイヤ回収装置を圧迫手段とともに図示した概略正断面図。
【
図15】
図14の回転手段に突出棒を直結させた廃ワイヤ回収装置を図示した概略正面図。
【
図16】
図10の筒体に廃ワイヤが落下する様子を見せるため、筒体の床を部分を抜粋して図示した斜視図。
【
図17】廃ワイヤの排出口に隣接して折曲手段が配置された他の実施例による廃ワイヤ回収装置の部分抜粋斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の実施例に基づいた廃ワイヤ回収装置を添付図面を参照して詳述する。
【0042】
本発明の廃ワイヤ回収装置は、
図2に図面符号(1)に図示されたように、廃ワイヤ回収部(3)と回転駆動部(5)を含んで構成される。
【0043】
ここで、まず前記廃ワイヤ回収部(3)は、ワイヤ放電加工機(図示省略)の排出口(D)を介して排出される廃ワイヤ(W)を回収して収容する部分であり、
図2に図示されたように、例えば円板状の板体(21)となっている。ただし、板体(21)は、廃ワイヤ(W)が投入されるとき、回転することが困難ではないことを要件とする。
【0044】
前記回転駆動部(5)は、前記廃ワイヤ回収部(3)を回転させる部分であり、
図2に図示されたように、駆動モーターのような駆動手段(51)を含む。例えば、ベルトプーリ組立体のような伝動手段(53)を介して廃ワイヤ回収部(3)、板体(21)とつながることができ、図示しなかったが、板体(21)と直結することもできる。従って、回転駆動部(5)は、
図3に図示されたように、駆動手段(51)のon/offに従い板体(21)を矢印(A)方向、またはその反対方向に回転させたり、回転を停止させたりすることができる。このように、板体(21)が矢印(A)方向に回転する時には、廃ワイヤ(W)は矢印(B)方向に床(23)に円を描きながら溜まる。
【0045】
ところで、廃ワイヤ(W)が床(23)の特定地点(C)に落下する速度(Vd)と、当該地点(C)の回転速度すなわち線速度(Vt)が一致し、速度(Vd)と線速度(Vt)が等速になると、廃ワイヤ(W)は落下地点(C)の絶対座標を変化させずに円を描きながら溜まる。しかし、線速度(Vt)が速度(Vd)より遅いと、廃ワイヤ(W)は落下地点(C)の半径が漸進的に増えるようになるため、上に持ち上がり、板体(21)を回さないときのように浮いてしまう。逆に線速度(Vt)が速度(Vd)より速ければ、
図5に点線で図示されたように、廃ワイヤ(W´)の落下地点(C)の半径は、次第に減り、最終的には他の廃ワイヤ(W)ともつれたり、突出棒(39)に巻かれたりして途切れることになる。
【0046】
従って、板体(21)の線速度(Vt)が落下する速度(Vd)より遅い状態では、廃ワイヤ回収装置(1)を正常に使用することができなくなる。しかし、板体(21)の線速度(Vt)が落下する速度(Vd)より速い場合に備えて、板体(21)は、
図4及び
図5に図示されたように、スリップ板(20)を備える。このスリップ板(20)は、
図4に図示されたように、例えばスラストベアリング(22)によって板体(21)に対して相対回転自由に板体(21)の床(23)に取り付けられるところ、排出口(D)から板体(21)に落下する廃ワイヤ(W)を直接回収することになる。従って、
図5に図示されたように、板体(21)の回転線速度(Vt)が落下する速度(Vd)よりαだけ速い場合、落下する速度(Vd)が遅い廃ワイヤ(W)の回転抵抗によりスリップ板(20)は、板体(21)に対して板体(21)の回転方向と逆方向に、すなわち矢印(E)方向に相対回転するようになり、これによって、廃ワイヤ(W)は回転半径が縮まらず、一定の速度に回転をしてボビン状に束ねられるようになる。
【0047】
これにより、板体(21)は、ワイヤ放電加工機から投入される廃ワイヤ(W)を等速で回転しながら収容することになるので、廃ワイヤ(W)は板体(21)の上からボビン状の形に整い、従って、無秩序に蓄積される時より充填密度を高めることができるようになる。特に、板体(21)は、
図3に図示されたように、床(23)の回転中心部分に突出するように突出部(25)が形成されることがあるが、この突出部(25)は板体(21)の床(23)の回転中心部分に突出した形で形成されるので、床(23)にたまる廃ワイヤ(W)が投入初期に互いに散らばらず、ボビン状のように板体(21)の回転方向に揃えて区画されるようになる。この時、突出部(25)は、
図3に図示されたように、板体(21)の回転中心部分に単純にのせたり、ねじ結合させたりして長さ方向に延長させて設置する突出棒の形で製作できるだけでなく、
図7に図示されたように、板体(21)の床(24)と一体として形成された形で製作することもできる。
【0048】
一方、
図2に図示された廃ワイヤ回収部(3)は、
図6及び
図7に図示されたように、板体(21)の周囲に遮断体(27)を配置することができる。この遮断体(27)は、
図6に図示されたように、板体(21)の周り部分に置かれて、板体(21)の上に収容される廃ワイヤ(W)が板体(21)の外に出ることを防止する。この場合、遮断体(27)は、上下端が開放された中空円筒体で、板体(21)の上に着脱可能に配置され、板体(21)と一緒に回転するところ、廃ワイヤ(W)の回収の際には、前記のように廃ワイヤ(W)が板体(21)の外に抜け出ることができないが、回収が終了した時には、板体(21)から容易に分離することができ、従って、分離後は板体(21)から容易に廃ワイヤの束を搬出することができるようになる。ただし、遮断体(27)は、図示しなかったが、板体(21)と分離した状態で、天井やその他の外部構造物にぶら下げられ、板体(21)の上に隣接配置されることにより、回転しない状態で板体(21)からの廃ワイヤ(W)の離脱を防止することもできる。
【0049】
一方、遮断体(27)は、廃ワイヤ(W)の回収時に板体(21)と一緒に回転するので、遮断体(27)をより安定的に板体(21)の上に設置できるように、板体(21)は、
図6及び
図7に図示されたように、周りに沿って係止突起(28)を形成する。これによって、遮断体(27)は、板体(21)に設置される時、下端の角の部分が係止突起(28)にはめ込まれて、安定的な姿勢を維持することができる。さらに、遮断体(27)は、
図6に図示されたように、係止突起(28)の上に着脱可能に結合されるくさび状の支持手段(29)をさらに含むことができる。従って、遮断体(27)は、板体(21)の上に着脱式で設置されながらも、支持手段(29)によって、より強力に固定、支持されることができる。
【0050】
なお、回収装置(1)は、
図8に図示されたように、廃ワイヤ回収部(3)に回収された廃ワイヤ(W)を適当な大きさの束に結ぶことができるように紐(30)を備えることができる。従って、作業者は一度回収が終了した後、板体(21)の上に整然と積まれた廃ワイヤ(W)を乱さないように紐(30)を使って一つの束に結ぶことができる。
【0051】
本発明の他の実施例による廃ワイヤ回収装置(1)も、また、
図9に図面符号(1)と図示されたように、廃ワイヤ回収部(3)と回転駆動部(5)を含んで構成される。
【0052】
ここで、まず前記廃ワイヤ回収部(3)は、ワイヤ放電加工機の排出口(D)を通じて排出される廃ワイヤ(W)を回収して収容する部分であり、
図9に図示されたように、廃ワイヤ(W)を入れるように開放口(33)が上に開いた中空円筒形の筒体(31)からなる。だたし、本発明の廃ワイヤ回収部(3)も、筒体(31)の形になることで、干渉や妨害を受けることなく、回転することになっている。
【0053】
前記回転駆動部(5)は、前記廃ワイヤ回収部(3)を回転させる部分であり、
図9に図示されたように、駆動モーターのような駆動手段(51)からなり、廃ワイヤ回収部(3)の床(35)に直結されることができるし、
図13に図示されたように、例えばベルトプーリ組立体のような伝動手段(53)によって、廃ワイヤ回収部(3)に間接的につながることもできるので、駆動手段(51)のon/offによって筒体(31)を回転または停止させる。従って、
図16に図示されたように、筒体(31)が矢印(M)方向に回転する時に、廃ワイヤ(W)は矢印(N)方向に円を描きながら床(35)に溜まる。ところで、このときにも廃ワイヤ(W)が床(35)の特定地点(C)に落下する速度(Vd)と当該地点(C)の線速度(Vt)が一致すると、廃ワイヤ(W)は落下地点(C)の絶対座標を変化させずに円を描きながら床に溜まる。しかし、速度(Vd)が線速度(Vt)より速ければ廃ワイヤ(W)は落下地点(C)の半径が漸進的に増えるので、床(35)から浮いて、逆に、速度(Vd)が線速度(Vt)より遅ければ、落下地点(C)の半径は次第に縮まる。
【0054】
これにより、筒体(31)は、ワイヤ放電加工機から投入される廃ワイヤ(W)を回転しながら収容することになるので、廃ワイヤ(W)は前記したように、筒体(31)内にボビン状の形で整い、従って無秩序に蓄積されるときより充填密度を高めることができるようになる。特に、筒体(31)は、
図10に図示されたように、床(35)に突出部(37)が形成され得るが、この突出部(37)は、突出部(25)と同様に筒体(31)の回転中心部分に突出した形で形成されるので、床(35)にたまる廃ワイヤ(W)が互いに散らばらず、筒体(31)の回転反対方向に区画されて、整うようになって、従って廃ワイヤ(W)が投入初期にボビン状の形を取ることになる。
【0055】
なお、筒体(31)は、
図11に図示されたように、床(35)に突出部(37)の代わりに突出棒(39)が取り付けられる。このとき、突出棒(39)は、筒体(31)の回転中心部分に長さ方向に配置された棒体で、突出部(37)と同様に、床(35)にたまる廃ワイヤ(W)が互いに散らばらず、筒体(31)の回転反対方向に区画され、揃うようにする。
【0056】
一方、筒体(31)は、
図12に図示されたように、袋のような形の包装手段(41)が内部面に嵌め込まれるように提供されることができる。従って、包装手段(41)は、廃ワイヤ(W)を溜めるような十分な収納空間を確保しつつ、廃ワイヤ(W)の投入前に、筒体(31)内部に嵌め込まれる。以降、廃ワイヤ(W)が十分に溜められると、筒体(31)から包装手段(41)を引き抜いて廃ワイヤ(W)と一緒に搬出する。
【0057】
一方、回転駆動部(5)は、他の実施形態として、
図13に図示されたように、駆動手段(51)を介して筒体(31)を直接回転させることにおいて、筒体(31)の安定的な支持のために、筒体(31)を回転可能に支持する支持手段(43)と、この支持手段(43)上で筒体(31)を回転させる駆動手段(51)を含むことができる。その際に、支持手段(43)は、外部フレーム体等で作製することができる。筒体(31)を回転可能に支持するようにスラストベアリングや転がり軸受等が筒体(31)との間に取付けられることがある。また、駆動手段(51)は、駆動モーター等を使用することができる。またベルトプーリ組立体等の伝動手段(53)を介して間接的に筒体(31)に連結することもできる。
【0058】
この時、筒体(31)は、当然に
図10ないし
図12に図示された突出部(37)、突出棒(39)、または包装手段(41)を含むことができる。ワイヤ放電加工機から排出される廃ワイヤ(W)を加熱するための加熱手段(44)をさらに含むこともできる。これにより、廃ワイヤは、廃ワイヤ回収部(3)に投入される前、又は筒体(31)の床(35)にたまる前に加熱手段(44)によって加熱されることになり、残留する弾性を除去し、又は減少させることができる。
【0059】
一方、もう一つの他の実施形態として、回転駆動部(5)は、
図14に図示されたように、回転手段(45)と、この回転手段(45)の回転駆動力を起こす駆動手段(51)を持つことができる。その際に、回転手段(45)は、筒体(31)を支持したまま回転させることとなっており、筒体(31)と着脱可能な構造を持つことが望ましい。また、駆動モーターのような駆動手段(51)は、
図14に図示されたように、ベルトプーリ組立体のような伝動手段(53)を介して間接的に回転手段(45)に連結できるだけでなく、図示しなかったが回転手段(45)の床面に直接結合することもできる。勿論、この実施例においても、筒体(31)は、
図9ないし
図15に図示されたように、突出部(37)、突出棒(39)、包装手段(41)又は加熱手段(44)を含むことができるだけでなく、
図14に図示されたように、ワイヤ放電加工機から排出され、筒体(31)に投入される廃ワイヤ(W)がさらに整ったボビン状で筒体(31)の床(35)に溜まるようにする圧迫手段(47)を含むこともできる。すなわち、圧迫手段(47)は、床(35)に溜まる廃ワイヤ(W)が浮かないように廃ワイヤ(W)のボビンを上から加圧する。このため、圧迫手段(47)は、筒体(31)内に乗降可能に設置されるところ、本実施例では
図14に図示されたように、突出棒(39)に挟まれて長さ方向に乗降可能に設置される。また、圧迫手段(47)は、前記のようにボビン状にたまる廃ワイヤ(W)を加圧するように重量の板体や棒体の形をしており、筒体(31)に投入された廃ワイヤ(W)が床(35)の外側から内側に溜まるように、突出棒(39)から半径方向の外側に傾斜して降りるようになっている。
【0060】
一方、回転駆動部(5)は、もう一つの他の実施形態として、
図15に図示されたように、回転手段(45)に突出棒(39)又は図示しなかったが突出部(37)が直接形成され得る。即ち、回転駆動部(5)は、
図14に図示された実施例と同様に、回転手段(45)と駆動手段(51)からなることで、筒体(31)を支持しながら回転させる回転手段(45)は、回転中心部分に突出棒(49)が長さ方向に配置され、駆動手段(51)は、同様に回転手段(45)の回転駆動力を起こす。したがって、突出棒(49)は、
図15に図示されたように、筒体(31)の床(35)を貫通して長さ方向に延びて、
図14の突出棒(39)のような機能を果たす。ただし、筒体(31)は、このように突出棒(49)を挟めるように中心部分に筒孔(48)が貫通される。
【0061】
また、
図2以下で図示された第1実施例と
図9以下で図示された第2実施例は、共に
図17に図示されたように、ワイヤ放電加工機の排出口(D)と隣接する遮断体(27)又は筒体(31)の開放口(33)の上側に折曲手段(61)が設けられる。この折曲手段(61)は、排出口(D)から排出される廃ワイヤ(W)をシワをもつ形で折り曲げるためのものであり、長い細い廃ワイヤ(W)を
図17のようなシワをもつ形で折り曲げることができるものであれば、構成を限定することではないが、望ましい構成は、図示されたように、一対の折曲ロール(63)をつないだまま排出口(D)に隣接させて設置することができる。この時、一対の折曲ロール(63)は、矢印(F)方向に回転することにより、廃ワイヤ(W)を開放口(33)方向に移動させる。ただし、途中で切れないように廃ワイヤ(W)を排出速度、すなわち、前記で言及した廃ワイヤ(W)の落下速度(Vd)と等速で引き出さなければならない。
【0062】
また、第1及び第2実施例の回収装置(1)は、共に
図2で図示されたように、廃ワイヤ回収部(3)と、この廃ワイヤ回収部(3)を回転可能に支持する回転駆動部(5)を、併せて骨格フレーム(71)に設置し、同時に支持することで、骨格フレーム(71)の全体の重さを重量測定手段(73)によって測定することにより、回収前後の重さを測ることで回収された廃ワイヤ(W)の重量をリアルタイムで測定できる。このための重量測定手段(73)は、ロードセルを使用することもでき、ロードセルは
図2に図示されたように、骨格フレーム(71)の床面に設置されることができる。この時、ロードセルなどの重量測定手段(73)は、Iotを基盤として制御部またはワイヤ放電加工機と通信することで、回収された廃ワイヤの重量測定結果を制御部またはワイヤ放電加工機にリアルタイムで提供することができる。したがって、必要な重量の廃ワイヤが回収された際に廃ワイヤの排出を停止したり、廃ワイヤの回収部(3)の回転を停止させたりするなどリアルタイムでの制御が可能になる。
【0063】
一方、ボビン状に回収された廃ワイヤ(W)は、前記のように充填密度が高いため、購入時に放電ワイヤロールが溜まっている箱に、そのまま入れて販売者に返送することもできる。
【0064】
本発明の望ましい実施例に基づく廃ワイヤ回収装置(1)の作用を説明すると、次のとおりである。
【0065】
本発明の廃ワイヤ回収装置(1)により廃ワイヤ(W)を回収するためには、
図2および
図9以下に図示された実施例のように、まずは駆動手段(51)を動作させて、廃ワイヤ回収部(3)の回転駆動部(5)により廃ワイヤ回収部(3)を回転駆動させる。これによって、廃ワイヤ回収部(3)の板体(21)及び筒体(31)は、回転しながらワイヤ放電加工機から排出される廃ワイヤ(W)を収容する。このとき、廃ワイヤ(W)は、
図3及び
図16に図示されたように、床(23、35)に落下する地点(C)から円を描きながら溜まることになる。ただし、前記で言及したように、落下地点(C)で、床(35)の線速度(Vt)と廃ワイヤ(W)の落下速度(Vd)の差によって廃ワイヤ(W)が溜まる軌跡は、丸を描くこともでき、軌跡の半径が次第に減ったり、増えたりすることもできる。こうして、所定量の廃ワイヤがボビン状に筒体(31)内に溜まると、廃ワイヤ(W)の排出と板体(21)又は筒体(31)の回転を止め、板体(21)又は筒体(31)から廃ワイヤ(W)のボビンを回収し包装すると、最終的に搬出することがきるようになる。その際、包装される廃ワイヤ(W)は、散らばることなくきれいになるので、包装の充填密度を大幅に増やすことが可能になる。また、板体(21)の場合、廃ワイヤ(W)を回収する前に、板体(21)から遮断体(27)を除去できるので、板体(21)から廃ワイヤ(W)をより容易に回収することができる。
【0066】
一方、廃ワイヤ回収装置(1)は、
図7及び
図10等に図示されたように、板体(21)又は筒体(31)の床(23、35)の中心部分に突出部(37)が形成される場合、廃ワイヤ(W)が床(23、35)の中心部分に落下するとしても突出部(37)の周囲に押し出されるため、廃ワイヤ(W)のボビンの形をより確実にすることができる。
【0067】
また、
図11のように筒体(31)の床(35)の中心部分に突出棒(39)が形成される場合、廃ワイヤ(W)が床(35)の中心部分に落下できないので、廃ワイヤ回収装置(1)は、廃ワイヤ(W)のボビンの形を最も確実に作ることができるようになる。
【0068】
また、
図9ないし
図11に図示された筒体(31)にも、
図11と同様に袋等の包装手段(41)をはめ込んだ場合、筒体(31)に投入された廃ワイヤ(W)が包装手段(41)内に溜まって収容されるため、最終の搬出処分段階で廃ワイヤ(W)を別の方法で包装する必要がなく、包装手段(41)のまま搬出すればよいので、廃ワイヤ回収作業の効率を大幅に向上させることが可能になる。ただし、
図11の筒体(31)に包装手段(41)を適用するためには、当然、包装手段(41)の床部に突出棒(39)が通過できる穴を設けなければならない。廃ワイヤ(W)は、ボビン状になっているので穴があっても、この穴から包装手段(41)の外には出ない。
【0069】
また、
図13に図示された廃ワイヤ回収装置(1)も、回収作業開始前に駆動手段(51)を作動させ、伝動手段(53)により支持手段(43)上に回転可能に支持された筒体(31)を回転させる。このとき、筒体(31)は、
図10ないし
図13に図示された突出部(37)、突出棒(39)及び包装手段(41)をそのまま適用できる。さらに、
図13に図示されたように、加熱手段(44)を備えた場合、廃ワイヤ(W)が筒体(31)の床(35)に触れる前に加熱することができ、よって廃ワイヤ(W)に残留する弾性を減少させたり、除去したりすることができる。これにより、廃ワイヤ(W)は、塑性が増大した状態で、さらに床(35)にまたは包装手段(41)内にたまることになる。
【0070】
また、廃ワイヤ回収装置(1)は、
図14に図示されたように、回転手段(45)を介して筒体(31)を回転させることができるが、駆動手段(51)及び伝動手段(53)による回転手段(45)の駆動メカニズムは、
図13で筒体(31)を回転させる駆動メカニズムと同一である。だたし、
図14の実施例は、筒体(31)が回転手段(45)に着脱式で結合され、回転手段(45)によって回転することが異なる。したがって、回転手段(45)は、ベアリング手段(55)により回転可能に支持される。
【0071】
一方、
図9ないし
図14に図示された全ての筒体(31)は、内部に圧迫手段(47)が装着される。筒体(31)に圧迫手段(47)を装着する方式は、様々な変更が可能であるところ、本実施例では、圧迫手段(47)が
図14に図示されたように、突出棒(39)に挟まれる形で提供される。したがって、筒体(31)内部に投入される廃ワイヤ(W)が圧迫手段(47)の上に落下しても、直ちに圧迫手段(47)の傾斜に従って床(35)の外側の角の方に移動し、外側の角の部分に落下するようになる。これにより、廃ワイヤ(W)は、圧迫手段(47)があるにもかかわらず、床(35)に蓄積され、時間の経過によって上に蓄積されながら、突出棒(39)に沿って圧迫手段(47)を押し上げることになる。しかし、この過程で積層する廃ワイヤ(W)は、圧迫手段(47)によって下に加圧され、圧迫手段(47)がない時より、さらに細かく緊密にボビンが形成され、従って搬出処分時の袋等への充填密度をさらに高めることが可能になる。
【0072】
また、
図15に図示された実施例の場合、筒体(31)は、
図14の実施例と同様に、回転手段(45)に着脱可能に固定されるし、回転手段(45)によって回転される。ただし、突出棒(39)が回転手段(45)と一体に形成されるので、筒体(31)に突出棒(39)等を直接形成しなくてもよい。ただし、突出棒(39)が挟まれた筒体(31)に包装手段(41)を挟み込むためには、包装手段(41)の床に穴(48)が形成される。
図11の筒体(31)に適用される包装手段(41)と同様に、廃ワイヤ(W)がボビン状の塊になるので、包装手段(41)に穴(48)があったとしても、この穴(48)によって廃ワイヤ(W)が包装手段(41)外に出ることはない。
【0073】
一方、第1及び第2の実施例は、共に、
図17に図示されたように、ワイヤ放電加工機の排出口(D)と隣接した位置に折曲手段(61)を備えるところ、この折曲手段(61)によって排出口(D)から排出される廃ワイヤ(W)をシワができるように折り曲げることができる。すなわち、長細い廃ワイヤ(W)は、かみ合った一対の折曲ロール(63)の間を通過しながら、
図17のようにシワができ、したがって廃ワイヤ(W)は長さが圧縮され、排出時に持つ弾力も減少し、充填密度がより高くなる。
【符号の説明】
【0074】
1:廃ワイヤ回収装置
3:廃ワイヤ回収部
5:回転駆動部
20:スリップ板
21:板体
22:スラストベアリング
25、37:突出部
27:遮断体
28:係止突起
29:支持手段
30:紐
31:筒体
33:開放口
35:床
37:突出部
39、49:突出棒
41:包装手段
43:支持手段
44:加熱手段
45:回転手段
47:圧迫手段
51:駆動手段
53:伝動手段
55:ベアリング手段
61:折曲手段
71:骨格フレーム
73:重量測定手段
D:排出口
W:廃ワイヤ