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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】外科用灌注カセット
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/00 20060101AFI20240314BHJP
【FI】
A61M1/00 140
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021516554
(86)(22)【出願日】2019-09-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 US2019051690
(87)【国際公開番号】W WO2020068509
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-09-16
(31)【優先権主張番号】62/749,320
(32)【優先日】2018-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/735,850
(32)【優先日】2018-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506410062
【氏名又は名称】ストライカー・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ファインアウト,ベン
(72)【発明者】
【氏名】メルケル,ブレット
(72)【発明者】
【氏名】ボドナー,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ボールドウィン,ロバート・ミッチェル
(72)【発明者】
【氏名】アーサー,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ロルフソン,スティーヴ
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-503952(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0235583(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0114372(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0220751(US,A1)
【文献】特表2014-505516(JP,A)
【文献】特表2015-528380(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/00
A61F 9/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバ(82)と第1のコンソールコネクタ(38)とを画定する実質的に剛性のカセットハウジング(64)と、
ポンプ(28)の輸液部分(29)と、
前記チャンバ(82)内に少なくとも部分的に配置される複数の流体経路(27,32,33,37)と、
を備える外科用灌注カセット(24)であって
記ポンプ(28)の輸液部分(29)は前記ポンプ(28)の吸込側と前記ポンプ(28)の吐出側とを備え、
前記複数の流体経路(27,32,33,37)は、第1の流体経路(27)と第2の流体経路(32)と第3の流体経路(33)と第4の流体経路(37)とを含み、
前記第1の流体経路(27)は、前記ポンプ(28)の吸込側に接続される第1の端と、供給流体容器(26)に接続される第2の端と、を備え、
前記第2の流体経路(32)は、前記ポンプ(28)の吐出側に接続される第1の端と、ハンドピース(30)に接続される第2の端と、を備え、
前記第3の流体経路(33)は、前記ハンドピース(30)に接続される第1の端と、廃棄物容器(31)に接続される第2の端と、を備え、
前記第4の流体経路(37)は、前記第1のコンソールコネクタ(38)に接続される第1の端と、前記廃棄物容器(31)に接続される第2の端と、を備え、前記第1のコンソールコネクタ(38)は、真空源(36)に接続するための第1の空圧コネクタポート(110)を備える、
外科用灌注カセット(24)。
【請求項2】
前記カセットハウジング(64)は、第1のアーム(92)及び第2のアーム(94)を画定する実質的にC字状の側部(90)を有し、
前記第1のコンソールコネクタ(38)は、前記第1のアーム(92)に固定され、
第2の空圧コネクタポート(110’)を備える第2のコンソールコネクタ(40)は、前記第1のアーム(92)及び前記第2のアーム(94)の1つに固定される、請求項1に記載の外科用灌注カセット(24)。
【請求項3】
前記第1のコンソールコネクタ(38)及び前記第2のコンソールコネクタ(40)の各々は、コンソール(22)の空圧ポートチューブ(112)に空圧的密封係合するためのシール(126)を備える、請求項2に記載の外科用灌注カセット(24)。
【請求項4】
前記第1のコンソールコネクタ(38)及び前記第2のコンソールコネクタ(40)の各々は、前記外科用灌注カセット(24)がコンソール(22)内に配置されていないときに閉状態を有する二方向弁(120)を備える、請求項2又は請求項3に記載の外科用灌注カセット(24)。
【請求項5】
各二方向弁(120)はポリマー材料から形成され、外方から見て凹状の形状を備え、それを貫通するスリット(124)を有する、請求項4に記載の外科用灌注カセット(24)。
【請求項6】
前記カセットハウジング(64)は、経路絞り手段(42)を受入れるために前記複数の流体経路(27,32,33,37)の1つの上方に配置された窓(130)を備える、請求項1~請求項5のいずれか1つに記載の外科用灌注カセット(24)。
【請求項7】
前記カセットハウジング(64)は、前記経路絞り手段(42)を受入れるために前記第3の流体経路(33)の上方に配置された前記窓(130)を備える、請求項6に記載の外科用灌注カセット(24)。
【請求項8】
第5の流体経路(39)を更に含み、
前記第5の流体経路(39)は、前記第3の流体経路(33)に接続される第1の端と、前記カセットハウジング(64)の第2のコンソールコネクタ(40)に接続される第2の端と、を備え、前記第2のコンソールコネクタ(40)は、前記外科用灌注カセット(24)がコンソール(22)内に挿入されたときに前記コンソール(22)の空圧コンソールポート(112)に空圧接続するための第2の空圧コネクタポート(110’)を備える、請求項1~請求項7のいずれか1つに記載の外科用灌注カセット(24)。
【請求項9】
液体停止コネクタ(43)を更に備え、
前記液体停止コネクタ(43)は、
前記カセットハウジング(64)内において前記第3の流体経路(33)と前記第5の流体経路(39)との間に配置されるリザーバ(134)と、
前記第3の流体経路(33)と前記リザーバ(134)との間に配置される常開一方向弁(138,140)と、
を備える、請求項8に記載の外科用灌注カセット(24)。
【請求項10】
前記常開一方向弁(138,140)は、ボール逆止弁(138,140)により構成され、
前記ボール逆止弁(138,140)のボール(138)は、設置配向の状態では重力によって開位置に付勢され、前記第3の流体経路(33)からの液体との衝突及び第5の流体経路(39)の流体圧に対する前記第3の流体経路(33)の流体圧の増大の1つによって、上方に向かって閉位置まで押し上げられるようになっている、請求項9に記載の外科用灌注カセット(24)。
【請求項11】
前記リザーバ(134)は、前記ボール逆止弁(138,140)の上方に前記ボール逆止弁(138,140)に向かって先細りする傾斜床(154)を備え、
前記傾斜床(154)は、前記設置配向の状態において流れを前記リザーバ(134)から前記ボール逆止弁(138,140)に導いて前記流れを前記開位置にある前記ボール逆止弁(138,140)を超えて前記第3の流体経路(33)に戻す液体流路を画定する、請求項10に記載の外科用灌注カセット(24)。
【請求項12】
前記リザーバ(134)は、前記ボール逆止弁(138,140)と前記第5の流体経路(39)への接続部との間に水平方向に位置決めされたバッフル壁(144)を備える、請求項11に記載の外科用灌注カセット(24)。
【請求項13】
前記バッフル壁(144)は、前記バッフル壁(144)と前記傾斜床(154)との間に液体戻り間隙(156)を画定する下端(155)と、前記リザーバ(134)のカバー(142)に係合する上端と、を有する、請求項12に記載の外科用灌注カセット(24)。
【請求項14】
前記第4の流体経路(37)は、液体遮断フィルタ(44)を備える、請求項1~請求項13のいずれか1つに記載の外科用灌注カセット(24)。
【請求項15】
カセット開口(25)を画定し、2つの空圧コンソールポート(112)を前記カセット開口(25)内に有するコンソール(22)と、
前記コンソール(22)に接続されるか、又は、前記コンソール(22)内に組み込まれる真空源(36)であって、前記空圧コンソールポート(112)の第1のものと連通する前記真空源(36)と、
前記コンソール(22)内に組み込まれ、前記空圧コンソールポート(112)の第2のものと連通する第1の圧力センサ(54)と、
前記コンソール(22)内に組み込まれ、前記空圧コンソールポート(112)の前記第1のものと連通する第2の圧力センサ(54)と、
前記カセット開口(25)内に選択的に摺動可能に配置されるカセット(24)と、
を備える流体管理システム(20)であって、
前記カセット(24)は、
チャンバ(82)を内部に画定する実質的に剛性のハウジング(64)と、
ポンプ(28)の輸液部分(29)と、
前記チャンバ(82)内に少なくとも部分的に配置される複数の流体経路(27,32,33,37,39)と、
を備え、
前記ポンプ(28)の輸液部分(29)は前記ポンプ(28)の吸込側及び前記ポンプ(28)の吐出側を備え、
前記複数の流体経路(27,32,33,37,39)は、第1の流体経路(27)と第2の流体経路(32)と第3の流体経路(33)と第4の流体経路(37)と第5の流体経路(39)とを含み、
前記第1の流体経路(27)は、前記吸込側に接続される第1の端と、供給流体容器(26)に接続される第2の端と、を備え、
前記第2の流体経路(32)は、前記吐出側に接続される第1の端と、ハンドピース(30)に接続される第2の端と、を備え、
前記第3の流体経路(33)は、前記ハンドピース(30)に接続される第1の端と、廃棄物容器(31)に接続される第2の端と、を備え、
前記第4の流体経路(37)は、前記ハウジング(64)の第1のコンソールコネクタ(38)に接続される第1の端と、前記廃棄物容器(31)に接続される第2の端と、を備え、
前記第5の流体経路(39)は、前記第3の流体経路(33)に接続される第1の端と、前記ハウジング(64)の第2のコンソールコネクタ(40)に接続される第2の端と、を有し、
前記第1のコンソールコネクタ(38)は、前記カセット(24)が前記カセット開口(25)内に設置されたときに前記空圧コンソールポート(112)の前記第1のものに空圧接続される第1の空圧コネクタポート(110)を有し、
前記第2のコンソールコネクタ(40)は、前記カセット(24)が前記カセット開口(25)内に設置されたときに前記空圧コンソールポート(112)の前記第2のものに空圧接続される第2の空圧コネクタポート(110’)を有する、
流体管理システム(20)。
【請求項16】
外科用灌注カセット(24)を用いる方法であって、
前記外科用灌注カセット(24)は、
チャンバ(82)を内部に画定する実質的に剛性のハウジング(64)と、
前記ハウジング(64)の外側に配置される圧縮性蠕動ポンプチューブ(29)と、
前記チャンバ(82)内に少なくとも部分的に配置される複数の流体経路(27,32,33,37,39)と、
の各々を有し、
前記複数の流体経路(27,32,33,37,39)は、第1の流体経路(27)と第2の流体経路(32)と第3の流体経路(33)と第4の流体経路(37)と第5の流体経路(39)とを含み、
前記第1の流体経路(27)は、前記圧縮性蠕動ポンプチューブ(29)の第1の端に接続される第1の端と、供給流体容器(26)に接続される第2の端と、を備え、
前記第2の流体経路(32)は、前記圧縮性蠕動ポンプチューブ(29)の第2の端に接続される第1の端と、ハンドピース(30)に接続される第2の端と、を備え、
前記第3の流体経路(33)は、前記ハンドピース(30)に接続される第1の端と、廃棄物容器(31)に接続される第2の端と、を備え、
前記第4の流体経路(37)は、前記ハウジング(64)に固定された第1のコンソールコネクタ(38)に接続される第1の端と、前記廃棄物容器(31)に接続される第2の端と、を備え、前記第1のコンソールコネクタ(38)は、前記外科用灌注カセット(24)が制御コンソール(22)内に挿入されたときに真空源(36)に接続するための第1の空圧コネクタポート(110)を有し、
前記第5の流体経路(39)は、前記第3の流体経路(33)に接続される第1の端と、前記ハウジング(64)に固定された第2のコンソールコネクタ(40)に接続される第2の端と、を有し、前記第2のコンソールコネクタ(40)は、前記外科用灌注カセット(24)が前記制御コンソール(22)内に挿入されたときに前記制御コンソール(22)の空圧コンソールポート(112)に空圧接続するための第2の空圧コネクタポート(110’)を有し、
前記方法は、
前記外科用灌注カセット(24)を準備するステップと、
前記制御コンソール(22)内に前記外科用灌注カセット(24)を挿入するステップと、
前記第1の流体経路(27)の第2の端を前記供給流体容器(26)に接続するステップと、
前記第2の流体経路(32)の第2の端を前記ハンドピース(30)に接続するステップと、
前記第3の流体経路(33)の第1の端を前記ハンドピース(30)に接続するステップと、
前記第3の流体経路(33)の第2の端を前記廃棄物容器(31)に接続するステップと、
前記第4の流体経路(37)の第2の端を前記廃棄物容器(31)に接続するステップと、
を含む、外科用灌注カセット(24)を用いる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
外科用灌注カセットに関する。
【0002】
[関連出願]
本願は、2018年10月23日に出願された米国仮特許出願第62/749,320号及び2018年9月24日に出願された米国仮特許出願第62/735,850号の両方の優先権及び利得の全てを主張するものであり、それらの内容は、参照することによってそれらの全体がここに含まれるものとする。
【背景技術】
【0003】
外科用切削システム内に組み込まれ得る外科用流体管理システムは、関連する真空ポンプ又は流体供給ポンプを汚染することなく、流体源から外科部位への流体の連通及び外科部位から廃棄物キャニスタへの流体の連通を実現する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
外科用切削工具を無菌流体源に接続する第1の形式のカセットの使用及び外科用工具を流体真空機に接続する第2の形式の使い捨てカセットの使用のいずれもが知られている。開示される使い捨て式カセットは、真空源及び流体源の各々への外科用工具の接続を容易にするものである。このカセットは、1回使用後に廃棄される使い捨てカセットであるとよい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
外科用灌注カセットは、カセットハウジングと、ポンプの輸液部分と、複数の流体経路とを備えている。ハウジングは、実質的に剛性であり、チャンバと、第1の空圧コネクタポートを備える第1のコンソールコネクタとを画定している。ポンプの輸液部分は、ポンプの吸込側及びポンプの吐出側を備えている。複数の流体経路は、チャンバ内に少なくとも部分的に配置され、第1、第2、第3、及び第4の流体経路を含んでいる。第1の流体経路は、ポンプの吸込側に接続された第1の端及び供給流体容器に接続される第2の端を備えている。第2の流体経路は、ポンプの吐出側に接続された第1の端及びハンドピースに接続される第2の端を備えている。第3の流体経路は、ハンドピースに接続される第1の端及び廃棄物容器に接続される第2の端を備えている。第4の流体経路は、第1のコンソールコネクタに接続された第1の端及び廃棄物容器に接続される第2の端を備えている。
【0006】
カセットは、第2のコンソールコネクタを備えていてもよい。
【0007】
外科用灌注カセットは、第5の流体経路を備えていてもよい。第5の流体経路は、第3の流体経路に接続された第1の端及びハウジングの第2のコンソールに接続された第2の端を備えていてもよい。
【0008】
流体管理システムは、コンソールと、真空源と、第1の圧力センサと、第2の圧力センサと、カセットとを備えている。コンソールは、カセット開口を画定し、2つの空圧コンソールポートをカセット開口内に有している。真空源は、コンソールに接続されるか又はコンソール内に組み込まれ、空圧コンソールポートの第1のものと連通している。第1の圧力センサは、コンソール内に組み込まれ、空圧コンソールポートの第2のものと連通している。第2の圧力センサは、コンソール内に組み込まれ、空圧コンソールポートの第1のものと連通している。カセットは、カセット開口内に選択的に摺動可能に配置されている。カセットは、ハウジングと、ポンプの輸液部分と、複数の流体経路とを備えている。ハウジングは、実質的に剛性であり、チャンバを内部に画定している。ポンプの輸液部分は、ポンプの吸込側及びポンプの吐出側を備えている。複数の流体経路は、第1の流体経路と、第2の流体経路と、第3の流体経路と、第4の流体経路と、第5の流体経路とを備えている。各流体経路は、チャンバ内に少なくとも部分的に配置されている。第1の流体経路は、吸込側に接続された第1の端及び供給流体容器に接続される第2の端を備えている。第2の流体経路は、吐出側に接続された第1の端及びハンドピースに接続される第2の端を備えている。第3の流体経路は、ハンドピースに接続される第1の端及び廃棄物容器に接続される第2の端を備えている。第4の流体経路は、ハウジングの第1のコンソールコネクタに接続された第1の端及び廃棄物容器に接続される第2の端を備えている。第1のコンソールコネクタは、カセットがカセット開口内に設置されたときに空圧コンソールポートの第1のものに空圧接続される第1の空圧コネクタポートを有している。第5の流体経路は、第3の流体経路に接続された第1の端及びハウジングの第2のコンソールコネクタに接続された第2の端を有している。第2のコンソールコネクタは、カセットがカセット開口内に設置されたときに空圧コンソールポートの第2のものに空圧接続される第2の空圧コネクタポートを有している。
【0009】
カセットハウジングは、周辺の第3の壁によって接続された互いに実質的に平行の第1の壁及び第2の壁を備えていてもよい。
【0010】
カセットハウジングは、第1のアーム及び第2のアームを画定する実質的にC字状の側部(側面)を有していてもよく、第1のコンソールコネクタは第1のアームに固定され、第2の空圧コネクタポートを備える第2のコンソールコネクタは、第1のアーム及び第2のアームの1つに固定されていてもよい。
【0011】
第2のコンソールコネクタは、第2のアームに固定されていてもよい。
【0012】
空圧コネクタポートの各々は、ポートチューブを受入れるための関連する開口によって画定されていてもよい。コンソールコネクタは、各々、ポートチューブに密封係合するためのシールを更に備えていてもよい。
【0013】
コンソールコネクタは、各々、コンソールの空圧ポートチューブに空圧的密封係合するためのシールを備えていてもよい。
【0014】
各コンソールコネクタは、コンソールコネクタが空圧ポートチューブを受入れていないときに閉状態を有する二方向弁を備えていてもよい。
【0015】
二方向弁は、ポリマー材料から形成されていてもよい。二方向弁は、外方から見て凹状の形状を備え、それを貫通するスリットを有していてもよい。
【0016】
二方向弁及びシールは、ポリマー材料から一体に形成されていてもよい。
【0017】
ハウジングは、経路絞り手段(経路絞り弁)を受入れるために複数の経路の1つの上方に配置された窓を備えていてもよい。
【0018】
ハウジングは、経路絞り手段(経路絞り弁)を受入れるために第3の流体経路の上方に配置された窓を備えていてもよい。
【0019】
カセットは、リザーバと常開一方向弁(ノーマルオープン一方向弁)とを備える液体停止コネクタを更に備えていてもよい。リザーバは、ハウジング内において第3の流体経路と第5の流体経路との間に配置されていてもよい。常開一方向弁は、第3の流体経路とリザーバとの間に配置されていてもよい。
【0020】
カセット、更に具体的には、液体停止コネクタは、第3の流体経路内に配置されて第3の流体経路の一部を構成するパイプを更に備えていてもよい。リザーバは、パイプと第5の流体経路との間に配置されていてもよく、一方向弁は、パイプとリザーバとの間に配置されていてもよい。
【0021】
一方向弁は、ボール逆止弁から構成されていてもよい。ボール逆止弁のボールは、設置配向の状態(設置姿勢)では重力によって開位置に付勢され、第3の流体経路からの液体との衝突及び第5の流体経路の流体圧に対する第3の流体経路の流体圧の増大の1つによって、上方に向かって閉位置まで押し上げられるようになっていてもよい。
【0022】
リザーバは、ボール逆止弁の上方にボール逆止弁に向かって先細りする傾斜床を備えていてもよく、傾斜床は、設置配向の状態(設置姿勢)において流れをリザーバからボール逆止弁に導いて流れを開位置にあるボール逆止弁を超えて第3の流体経路に入れる(戻す)液体流路を画定していてもよい。
【0023】
リザーバは、ボール逆止弁と第5の流体経路への接続部との間に水平方向に位置決めされたバッフル壁を備えていてもよい。
【0024】
バッフル壁は、バッフル壁と床との間に液体戻り間隙を画定する下端と、リザーバのカバーに係合する上端とを有していてもよい。
【0025】
カセットは、第2の流体経路の第2の端及び第3の流体経路の第1の端に接続されたハンドピースコネクタを更に備えていてもよく、ハンドピースコネクタは、第2の流体経路及び第3の流体経路の各々の一部を構成していてもよい。
【0026】
第1の流体経路は、IVバッグコネクタを備えていてもよい。
【0027】
第4の流体経路は、液体遮断フィルタを備えていてもよい。
【0028】
ポンプの輸液部分は、ハウジングの外側に配置された圧縮性蠕動ポンプチューブから構成されていてもよい。
【0029】
コンソールコネクタの各々は、コネクタハウジングと空圧インターフェイススリーブとを備えていてもよい。コネクタハウジングは、実質的に剛性であってもよく、蠕動ポンプチューブに係合する受入チューブを有していてもよい。受入チューブは、第1の流体経路及び第2の流体経路の1つの一部を画定していてもよい。空圧インターフェイススリーブは、コネクタハウジングの一部として形成されてもよく、貫通する開口及び開口内に配置されたシールとを有していてもよい。
【0030】
各コンソールコネクタは、カセットがコンソール内に配置されていないときに閉状態(閉位置)にある二方向弁を更に備えていてもよい。
【0031】
ハウジング内に配置された複数の流体経路は、少なくとも部分的に柔軟なチューブから構成されていてもよい。ハウジングは、内部支持壁を備えていてもよく、内部支持壁に沿って、柔軟なチューブが配置されていてもよい。
【0032】
流体管理システムは、供給流体容器と、ハンドピースと、廃棄物容器とを更に備えていてもよい。
【0033】
外科用灌注カセットを用いる方法は、カセットを準備するステップと、カセットを制御コンソール内に挿入するステップと、カセットを供給流体容器、ハンドピース、及び廃棄物容器に接続するステップと、を含んでいる。ハウジングと、ポンプチューブと、複数の流体経路との各々を有するカセットが準備される。ハウジングは、実質的に剛性であり、チャンバを内部に画定している。ポンプチューブは、圧縮性蠕動ポンプチューブであり、ハウジングの外側に配置されている。複数の流体経路は、チャンバ内に少なくとも部分的に配置され、第1の流体経路と、第2の流体経路と、第3の流体経路と、第4の流体経路と、第5の流体経路とを含んでいる。第1の流体経路は、ポンプチューブの第1の端に接続された第1の端及び供給流体容器に接続される第2の端を備えている。第2の流体経路は、ポンプチューブの第2の端に接続された第1の端及びハンドピースに接続される第2の端を備えている。第3の流体経路は、ハンドピースに接続される第1の端及び廃棄物容器に接続される第2の端を備えている。第4の流体経路は、ハウジングに固定された第1のコンソールコネクタに接続された第1の端及び廃棄物容器に接続される第2の端を備えている。第5の流体経路は、第3の流体経路に接続された第1の端及びハウジングに固定された第2のコンソールコネクタに接続された第2の端を有している。カセットが挿入される制御コンソールは真空源を備えるか又は真空源に接続される。第1の流体経路の第2の端が、供給流体容器に接続される。第2の流体経路の第2の端が、ハンドピースに接続される。第3の流体経路の第1の端が、ハンドピースに接続される。第3の流体経路の第2の端が、廃棄物容器に接続される。第4の流体経路の第2の端が、廃棄物容器に接続される。
【0034】
ポンプローラが蠕動ポンプチューブに選択的に係合されてもよく、このような係合が、流体を供給流体容器からハンドピースに移動させるようになっていてもよい。この方法は、ハンドピースにおける真空圧を調整するために真空源を選択的に調整するステップを更に含んでいてもよい。
【0035】
この方法は、吸引マニホールドを設けるステップと、第5の流体経路を吸引マニホールドを介して大気に選択的に接続するステップを更に含んでいてもよい。吸引マニホールドは、真空源とカセットとの間に配置されていてもよい。吸引マニホールドは、真空源、大気、及びコンソールコネクタに流体接続されていてもよい。
【0036】
この方法は、ハンドピースにおいて検知された真空度の増大が所定の閾値に達したことに応じて、第5の流体経路を大気に接続するステップを更に含んでいてもよい。
【0037】
本明細書において、説明される構造の少なくとも1つの実施形態を描写する際に、相対的な方位及び方向(例えば、上方の、下方の、底、後方の、前部、後部、背後の、外部の、内部の、内向き、外向き、横の、左側の、右側の、近位側、遠位側)が規定されるが、これらの規定は、制限のためではなく、読者の便宜のためである。
【0038】
図示される構成部分は、多くの異なる形態を取ってもよく、多数の及び/又は代替的な構成要素及び設備を含んでもよい。図示される例示的な構成要素は、制限することを意図するものではない。追加的又は代替的な構成要素及び/又は実施が用いられてもよい。更に、図示される構成部分は、明示的な指示のない限り、必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】制御コンソール内への挿入のために位置決めされた例示的な外科用灌注カセットの斜視図である。
図2】外科用流体管理システムの例及び図1のカセットと流体管理システムの他の構成部品との関係を概略的に示す図である。
図3図2の外科用流体管理システムの系統図である。
図4図1のカセットの斜視図である。
図5図1のカセットの分解図である。
図6図1のカセットの例示的な蠕動ポンプチューブ及びコンソールコネクタの分解図である。
図7】面7’を貫通する矢印7の方向から見た図5及び図6のチューブ及びコネクタの断面図である。
図8図6及び図7のコネクタの組み合わされたシール及び弁の第1の斜視図である。
図9図8の組み合わされたシール及び弁の第2の斜視図である。
図10】面10’を貫通する矢印10の方向から見た図4のコンソールコネクタの断面図である。
図11】ポートチューブを受入れている図10のコンソールコネクタの断面図である。
図12】カセットの真空調整コネクタの分解図である。
図13】逆止弁が開位置にある図5の面13’を貫通する矢印13の方向から見た図12の真空調整コネクタの断面図である。
図14】逆止弁が閉位置にある図13の真空調整コネクタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1図14に示されるように、例示的な外科用流体管理システム20は、例示的な制御コンソール22と、例示的な取外し可能なカセット24とを備えている。カセット24は、コンソール22によって選択的に受け入れられ、且つコンソール22に係合されるようになっている。
【0041】
図1は、コンソール22の外側に配置されたカセット24を示している。カセット24は、コンソール22の(ここでは受入スロット25と呼ばれる)カセット開口25とカセット24がスロット25内に挿入されるために矢印Aの方向に移動されることを見越して真っすぐに並んでいる。受入開口25は、必ずしもその形状がスロットに制限される必要がなく、他の幾何学的形状、例えば、制限されるものではないが、円開口、正方形開口、楕円開口、等を有していてもよい。カセット24は、カセット24をスロット22内に摺動可能に押し込むことによって、コンソール22内に選択的に取外し可能となるように挿入されるとよい。コンソール22内に挿入されたなら、カセット24は、コンソール22内に配置されたと見なされる。すなわち、挿入されたカセット24は、コンソール22内に配置されたことになる。カセット24は、カセット24をスロット25から引き抜くことによってコンソール22から選択的に取り外されるとよい。取外しは、カセット24をコンソール22から引き出す前又はその最中に(図示されない)解除ボタン又はスイッチを押すことによって、円滑に行うことができる。
【0042】
図2は、カセット24と他のシステム構成部品との関係を概略的に示している。カセット24の役割は、図示される構成部品の接続を助長することにある。カセット24内を通る複数の流体経路がカセット24内に組み込まれている。これらの流体経路は、システム構成部品のいくつかを接続するものである。カセット24は、コンソール22内に配置された状態で示されている。
【0043】
また、カセット24は、第1の流体経路27によって流体源26に接続された状態で示されている。流体源26は、例えば、制限されるものではないが、供給流体容器の形態にあるとよい。供給流体容器は、例えば、制限されるものではないが、液体溶液を含む静脈内バッグ(点滴バッグ)26の形態にあるとよい。静脈内バッグ26は、ここではIVバッグ26とも呼ばれている。カセット24は、IVバッグとの連結を容易にするためにIVバッグコネクタ45を備えているとよい。第1の流体経路27の第1の端は、カセット24内に部分的に組み込まれた輸液部分を有するポンプ28の吸込側に接続されている。ポンプ28は、容積式ポンプ(容積移送式ポンプ)であるとよい。容積式ポンプの一形式として、例えば、制限されるものではないが、以下に更に詳細に述べる蠕動ポンプ28が挙げられる。本明細書において詳述されるポンプ28は、蠕動ポンプであるが、(以下に述べるいくつかを含む)他のポンプ形式が用いられてもよい。蠕動ポンプ28は、カセット24内に組み込まれた蠕動ポンプチューブ29を含んでいる。蠕動ポンプチューブ29は、ポンプ28の輸液部分を構成するものである。ポンプ28のポンプローラ21が、コンソール22内に配置されている。ポンプローラ21は、コンソール22内に配置されたポンプモータ23によって駆動されるとよい。流体経路27の第2の端は、流体源26に接続されている。IVバッグ26内の溶液は、外科部位の洗浄に適するように選択されるとよい。前述したように、代替的なポンプが用いられてもよく、その一例として、制限されるものではないが、遠心ポンプが挙げられる。ポンプの更なる代替的な形式が、米国特許第5,046,486号及び第6,099,494号に見い出される。他の代替的ポンプとして、カセット内に配置された、ポンプの輸液部分として機能する(図示されない)容積式ポンプロータと、コンソール内に配置された駆動ホイールとを有するものが挙げられる。モータ23によって駆動される(図示されない)駆動ホイールは、ポンプローラ21によく似ている。しかし、この駆動ホイールは、ロータに磁気駆動接続されることによって、ホイールとポンプロータとの間に機械的な接触を生じることなく、ポンプロータを駆動させることができる。
【0044】
また、カセット24は、第2の流体経路32及び第3の流体経路33によって外科用ハンドピース30に接続されている。流体経路32,33は、カセット24内に少なくとも部分的に組み込まれている。例示的ハンドピース30は、Stryker(登録商標)(Stryker Corporation)によるSonopet(登録商標)超音波吸引器に見い出される。ハンドピース30は、組織の切除、外科部位への流体供給、及び外科部位からの流体及び微量の破片、更に具体的には、切除破片の吸引による排出を可能にする。外科部位への流体の供給は、代替的に外科部位への灌注とも呼ばれる。流体及び破片の排出は、流体及び破片の吸引によって達成され、代替的に流体及び破片の吸引とも呼ばれる。吸引は、以下に更に詳細に述べる真空の印加によって達成される。外科部位における吸引及び灌注の制御は、本明細書では、まとめて流体管理と呼ばれる。第2の流体経路32は、流体をハンドピースを通して外科部位に供給するものであり、第3の流体経路33は、流体をハンドピース30を介して外科部位から排出するものである。
【0045】
第2の流体経路32は、ポンプ28の吐出側に接続された第1の端と、ハンドピース30に接続される第2の端とを備えている。第3の流体経路33は、ハンドピース30に接続される第1の端と、廃棄物容器31に接続される第2の端とを備えている。廃棄物容器31は、剛性のある廃棄物キャニスタ31の形態にあるとよい。ハンドピースコネクタ34が、第2の流体経路32及び第3の流体経路33の各々の一部として、カセット24とハンドピース30との間に介在しているとよい。
【0046】
カセット24は、第3の流体経路33によって廃棄物キャニスタ31に接続されているとよい。廃棄物キャニスタ31は、ハンドピース30によって外科部位から第3の流体経路33を介して吸引される排出流体及び付随する破片を受入れるようになっている。
【0047】
また、カセット24は、コンソール22内に組み込まれた吸引マニホールド35に接続されるとよい。真空源36、例えば、制限されるものではないが、真空ポンプが、吸引マニホールド35を介してカセット24に選択的に空圧接続され、ハンドピース30及び廃棄物キャニスタ31における関連する真空圧は、外科医及び他のシステムユーザを含むシステムオペレータ及びコンソール22内のシステム制御ロジックによって管理されるようになっている。本明細書に用いられる「真空圧(vacuum pressure)」という用語は、本明細書に用いられる「真空」という用語及び「負圧」という用語と同等であり、いずれも周囲空気の圧力よりも低い圧力を意味する。本明細書に用いられる「周囲空気(ambient air)」という用語は、「大気(atmosphere)」という用語と同等であり、いずれの用語も本明細書に用いられる。周囲空気の圧力は、本明細書では「大気圧」と呼ばれる。第4の流体経路37の第1の端は、吸引マニホールドを介して真空源36に接続されるカセット24の第1のコンソールコネクタ38に接続され、第4の流体経路37の第2の端は、廃棄物容器31に接続されている。また、吸引マニホールド35は、第3の流体経路33を第5の流体経路39を介して周囲空気、すなわち、大気に選択的に接続している。
【0048】
第5の流体経路39は、第3の流体経路33に接続された第1の端と、カセット24の第2のコンソールコネクタ40に接続された第2の端とを有している。以下に更に詳細に述べるように、カセット24がコンソール22内に挿入されたとき、第2のコンソールコネクタ40を通る第5の流体経路の第2の端は、吸引マニホールド35を介して大気に接続される。
【0049】
図3は、例示的な構成部品レベルにおいて吸引マニホールド35の少なくとも一部を含む例示的な流体管理システム20の吸引部分41を概略的に示している。
【0050】
図3に仮想線24で示されるカセット24は、以下に更に詳細に述べる複数のチューブを備えている。これらのチューブは、ハンドピース30と、キャニスタ31と、仮想線22によって示されるコンソール22と、真空源36とを互いに接続する流体経路33,37,39の少なくとも一部を含んでいる。カセット24は、選択的作動可能な流路絞り手段(流路絞り機構)及び液体停止コネクタ43も備えている。流路絞り手段は、流量絞り弁、例えば、制限されるものではないが、ピンチ弁42であるとよい。例示的な選択的作動可能な流量絞り弁42として、ピンチ弁に代わって、ゲート弁が用いられてもよい。ゲート弁は、アクチュエータ、例えば、制限されるものではないが、電子ソレノイド、電子ステッピングモータ、等によって作動されるものである。カセット24は、液体遮断フィルタ44も備えている。液体遮断フィルタ44は、キャニスタ31内の液体がコンソール22に達するのを防ぐために第4の流体経路37に配置されている。
【0051】
絞り弁42は、第3の流体経路33を通る流れを絞り、これによって、外科部位におけるハンドピース30の真空吸引及びハンドピース30からの材料の排出を制限するために用いられる。絞り弁42は、少なくとも部分的に空圧的に変位可能であるとよく、代替的に(図示されない)弁アクチュエータ、例えば、制限されるものではないが、空圧ピストン式弁アクチュエータを備えていてもよい。弁アクチュエータは、(ここでは第3のチューブ70と呼ばれる)柔軟なチューブ70を絞る(摘む)ために、以下に述べるように該チューブ70を押圧する。チューブ70は、第3の流体経路33の一部を成すものであり、制御弁46から供給される大気圧又は真空によって絞られる。第3の流体経路33のこのような絞りは、ハンドピース30と廃棄物キャニスタ31との間で第3の流体経路33を通る流れを遮断する。この絞りは、弁アクチュエータへの真空圧の印加に応答するチューブ70に対するピストン式弁アクチュエータの変位によって行われるとよい。この場合、第3のチューブ70は、弁42として機能し、チューブ70が弁アクチュエータによって圧縮されたときに閉鎖する。図3において、コンソール22のアクチュエータピストンがコンソール22とカセット24の第3のチューブ70との間に機械的な接続をもたらすことを指摘するために、弁42と弁46との間の接続が破線、すなわち、点線によって示されている。
【0052】
このような弁アクチュエータは、コンソール22内に配置されているとよい。絞り弁42の制御は、絞り弁42を開閉させるために真空又は大気圧のいずれを弁アクチュエータに印加させるかを選択することによって行われてもよいし、又は変位アクチュエータ、例えば、制限されるものではないが、(図示されない)電気ソレノイドによって選択的に変位される制御弁46によって行われてもよい。制御弁46及びその関連する変位アクチュエータは、いずれもコンソール22内に配置されているとよい。制御弁46は、開位置である第1の位置において、絞り弁42のアクチュエータピストンをコネクタ経路48の大気への第1の開口47を介して大気に接続し、これによって、弁42を開位置(静止位置)に移動させ、液体を第3の流体経路33に連通させる。閉位置である第2の位置において、制御弁46は、絞り弁42のアクチュエータピストンを真空源36に接続し、これによって、絞り弁42を閉状態に移動させ、第3の流体経路33を閉鎖する。絞り弁42は、第1のモードにおいて流体がハンドピース30からキャニスタ31に流れるように選択的に作動されるソレノイド弁によって制御されてもよい。絞られる位置、すなわち、閉位置と絞られない位置、すなわち、開位置との間の選択は、信号伝達装置、例えば、制限されるものではないが、コンソール22と連通する(図示されない)フットペダルを用いて、システムオペレータによって行われるとよい。
【0053】
絞り弁42とハンドピース30との間で第3の流体経路33に接続された第1の端と、第2のコンソールコネクタ40に接続された第2の端とを有する第5の流体経路39によって、コンソール22を介する外科部位における真空の解放が可能になる。第1の可変流れ逃し弁50が、コンソール内に配置されている。逃し弁50は、第5の流体経路39の第2の端を大気への第1の開口47を介して大気に接続するために用いられるものである。画定された流路チューブ52と複数、例えば、制限されるものではないが、3つの真空圧センサ54の組合せが、コンソール22内においてカセット24と逃し弁50との間において第1の逃し流体経路56に沿って配置され、経路56を通る流れを推定するために用いられる。(図示されない)コンソール制御装置が、センサ54による真空測定値に応じて第3の流体経路33における真空を解放するために、弁50を選択的に開くようになっている。
【0054】
第4の流体経路37は、キャニスタ31を真空ポンプ36に接続している。真空ポンプ36は、大気への第2の開口57を介して大気に接続されている。液体遮断フィルタ44は、キャニスタ31内の液体がコンソール22に達しないように遮断するために、第4の流体経路37内に配置されている。真空連通流体経路58が、コンソール22内において真空源36とカセット24との間に配置されている。画定された流路チューブ52と複数、例えば、制限されるものではないが、3つの真空圧センサ54との組合せが、真空連通流体経路58に沿って配置され、経路58を通る流れを推定するために用いられる。真空連通流体経路58も、第2の可変流れ逃し弁62を通して大気への第3の開口60を介して大気に接続されている。
【0055】
図4及び図5に示される例示的なカセット24は、カセットハウジング64と、液体ポンプ要素、例えば、制限されるものではないが、圧縮性蠕動ポンプチューブ29と、第1の流体経路27の一部を構成する第1のチューブ66と、第2の流体経路32の一部を構成する第2のチューブ68と、第3の流体経路33の一部を構成する第3のチューブ70と、第4の流体経路37の一部を構成する第4のチューブ72と、第5の流体経路39の一部を構成する第5のチューブ74と、液体停止コネクタ43と、第1のコンソールコネクタ38と、第2のコンソールコネクタ40と、液体遮断フィルタ44と、を備えている。
【0056】
流体経路チューブ66,68,70,72,74及び蠕動ポンプチューブ29は、柔軟であり、且つ透明であるとよい。チューブ66,68,70,72,74,29に用いられる1つの例示的な材料は、Tygon(登録商標)チューブである。チューブ66,68,70,72,74の各々は、図から推測されるように、連続的な単一のチューブ片である必要がなく、いくつかの小さいチューブ片に切断され、それらの小さいチューブ片を接合することによって、チューブ66,68,70,72,74の各々を形成するようになっていてもよい。
【0057】
図1図4、及び図5に最もよく示されるように、カセットハウジング64は、実質的に剛性であり、プラスチック、例えば、制限されるものではないが、熱硬化性プラスチックから形成されているとよい。例示的なハウジング64は、第3の周壁80によって接合された第1の壁76及び第2の壁78を備えている。第3の周壁80は、第1及び第2の壁76,78を互いに離間させ、ハウジング64の内部領域82を画定している。複数の内部支持壁84が、ハウジング64内に配置されている。内部支持壁84は、ハウジング64内にチューブ66,68,70,72,74のための経路を画定するのを助長する。流体経路27,32,33,37,39は、代替的にハウジング64と少なくとも部分的に一体に形成されてもよく、この場合、成形された複数の空洞が経路27,32,33,37,39の一部を構成してもよい。
【0058】
ハウジング64は、図4に最もよく示されるように、ハウジング64の第1の壁76内に成形された保持突起(返し)86を備えている。突起86は、コンソール22の内側に配置された(図示されない)ラッチによってラッチ係合面88にて係合される。ラッチは、コンソール22がどのように構成されているかに依存して、手動によって解除されるか又は電気的に解除され、これによって、カセット24をコンソール22から引き出すことが可能になる。自動的に作動されるラッチの電気的解除は、コンソール内の自動カセット取出しシステムと組み合わされているとよい。自動カセット取出しシステムは、電気アクチュエータ、例えば、制限されるものではないが、ソレノイド又はモータによって、カセット24を選択的にコンソールから少なくとも部分的に押し出すように、構成されている。
【0059】
ハウジング64は、壁76,78,80によって協働して画定されたC字状側部(側面)90を備えている。C字状側部90は、(ここでは代替的に下側アーム92とも呼ばれる)第1のアーム92と、(ここでは代替的に上側アーム94とも呼ばれる)第2のアーム94とを画定している。第1のコンソールコネクタ38が、第1のアーム92の端に配置されている。第2のコンソールコネクタ40が、第2のアーム94の端に配置されている。コンソールコネクタ38,40は、コンソールコネクタ38,40が壁76,78,80と別に形成されているか又は壁76,78,80と一体に形成されているかどうかに関わらず、ハウジング64の一部を構成している。
【0060】
蠕動ポンプチューブ29に組み込まれた状態で図5に示される第1及び第2のコンソールコネクタ38,40が、図6の分解図に示されている。コンソールコネクタ38,40は、実質的に互いに鏡面対称である。但し、コネクタ38,40は、以下の点、すなわち、カセット面取り93がコネクタ38,40の1つのコーナ縁に沿って設けられているという点において、互いに異なっている。ここでは、カセット面取り93は、例えば、制限されるものではないが、第2のコネクタ40のコーナ縁に沿って設けられている。面取り93は、キー嵌込み特徴部、すなわち、カセット24の配向特徴部(姿勢特徴部)として機能する。カセット面取り93と相補的なスロット面取り95をコンソール受入スロット25に設けることによって、スロット25内へのカセット24の不正挿入、例えば、制限されるものではないが、上下逆の挿入、配向不正、等を防ぐことができる。カセット面取り93は、カセット24が受入スロット25によって受け入れられることを可能にするために、図1に示されるように、カセットハウジング64の長さの全体にわたって延びているとよい。代替的に、カセットハウジング64の端が設置位置においてコンソール22の外側に残るように構成されたカセット24の場合、面取り93は、カセットハウジング64の全長よりも短く延びていてもよい。特に明記されない限り、コンソールコネクタ38,40は、実質的に剛性であるとよく、カセットハウジング64と同じ材料、例えば、制限されるものではないが、熱可塑性プラスチックから形成されているとよい。
【0061】
第1及び第2のコンソールコネクタ38,40は、それぞれ、第1のコネクタ基部96及び第2のコネクタ基部96’と、第1の通路キャップ98及び第2の通路キャップ98’とを備えている。コネクタキャップ98,98’は、それぞれ、コネクタ基部96,96’の端を覆うように配置されている。コネクタ基部96,96’及び通路キャップ98,98’は、実質的に剛性であるとよく、カセットハウジング64と同じ材料、例えば、制限されるものではないが、熱可塑性材料から形成されているとよい。以下に更に詳細に述べるシール弁114の設置後、通路キャップ98は、どのような適切な接合手段、例えば、制限されるものではないが、接着、圧入、溶接等によって基部96に固定されてもよい。図10及び図11は、キャップ98を基部96の外周の近傍に接合する例示的な超音波溶接部99を概略的に示している。第2のコネクタ40の基部96’及びキャップ98’も同様に互いに接合されるとよい。
【0062】
コンソールコネクタ38,40のコネクタ基部96,96’は、それぞれ、受入チューブ、例えば、制限されるものではないが、突起(返し)付きニップル100,100’を有している。第1のコンソールコネクタ38のニップル100は、蠕動ポンプチューブ29の第1の端を受入れる。第2のコンソールコネクタ40のニップル100’は、蠕動ポンプチューブ29の第2の端を受入れる。ニップル100,100’へのチューブ29の保持を助長するために、保持リング102がチューブ29の端に被せられる。図1に最もよく示されているように、蠕動チューブ29は、C字状側部90の周壁80と実質的に平行であるとよい。
【0063】
第1の通路キャップ98は、第1の流体経路27の接続通路104を画定している。第2の通路キャップ98’は、第2の流体経路32の接続通路104’を画定している。図7の断面図は、接続通路104,104’が蠕動ポンプチューブ29と同一平面上にあることを示唆しているが、図6の通路104,104’に示唆されるように、接続通路104,104’は、互いに角度ずれしていてもよい。
【0064】
第1及び第2のコンソールコネクタ38,40は、それぞれ、ハウジング64内に導かれる液体インターフェイススリーブ106,106’及び空圧インターフェイススリーブ108,108’を備えている。液体インターフェイススリーブ106,106’及び空圧インターフェイススリーブ108,108’は、実質的に同じであり、主にカセット24内における使用に関して異なっている。
【0065】
第1及び第2のコンソールコネクタ38,40は、それぞれ、キャップ98,98’の開口部、例えば、制限されるものではないが、第1の空圧コネクタポート110及び第2の空圧コネクタポート110’を有している。ポート110,110’は、コンソール22のポートチューブ、例えば、図11に最もよく示される第1の空圧ポートチューブ112の受入を容易にするために、空圧インターフェイススリーブ108,108’と真っすぐに並んでいるとよい。第1の空圧コネクタポート110によって受け入れられた第1の空圧ポートチューブ112しか図示されていないが、第2の空圧コネクタポート110’によって受け入れられる(図示されない)第2の空圧ポートチューブの関係も、実質的に同様である。ポートチューブ112は、コンソール22の空圧コンソールポート112を画定している。
【0066】
シール弁114は、キャップ98と基部96との間に捕捉されている。シール弁114は、シールとして用いられるのに適する柔軟材料、例えば、制限されるものではないが、ポリマー材料、例えば、制限されるものではないが、ゴム及びネオプレンから形成されている。図8及び図9に最もよく示されるように、シール弁は、ポートチューブ112の外径よりも大きい第1の内径の円筒弁壁116を有している。円筒弁壁116の入口端において、環状シール118が円筒弁壁116と一体に形成されている。環状シール118は、円筒弁壁116を超えて半径方向に延在している。
【0067】
また、円筒弁壁116と一体に形成された二方向弁120が、弁壁116の入口端と反対側の終端に設けられている。弁120は、終端を覆う閉鎖部122の形態にある。閉鎖部122は、ドーム形状を有している。すなわち、閉鎖部122がドームを形成している。ドーム状の閉鎖部122は、カセットハウジング64の外部から見ると、円筒弁壁116の内側からへこんだ凹形状を有している。閉鎖部122のドームの形状は、完全な半球よりも小さい。ドーム状の閉鎖分122は、複数、例えば、制限されるものではないが、4つの互いに均一に離間したスリット124を有している。これらのスリット124は、閉鎖部122の中心点から閉鎖部122を貫通して半径方向に拡がっている。スリット124の数は、変更されてもよい。スリット124は、閉鎖部122が変形してポートチューブ112がシール弁114を切り裂くことなく閉鎖部122を貫通するのに十分な半径長さを有しているとよい。弁114の凹状のドーム形状は、カセット24の空圧コネクタポート110,110’に接続された第4及び第5のチューブ72,74に達する液体の保持を助長することになる。弁114は、二方向弁として作動する。
【0068】
また、シール弁114は、円筒弁壁116の入口端の近傍の内径側にリップ126を備えている。リップ126の内径は、ポートチューブ112の外径よりも小さい。リップ126は、ポートチューブ112との間の空圧的密封係合を可能にするためにポートチューブ112を密封する空圧シールであるとよい。キャップ98とシール118との密封係合を達成するために、ビード128が、キャップ98のシール118に係合する側においてポート110を取り囲むようにキャップ98上に形成されている。
【0069】
ハウジング64は、アクチュエータ、例えば、制限されるものではないが、コンソール22内に配置される空圧ピストンの作動を可能とするためのピンチ弁窓130を第2の壁78内に備えている。窓130は、第3のチューブ70と並んでいる。また、ハウジング64は、窓130と真っすぐに並ぶ支持基部132を第1の壁176内に備えている。支持基部は、コンソール22の空圧ピストンによるチューブ70の圧縮、従って、絞りを可能にする反応面をもたらすものである。
【0070】
液体停止コネクタ43は、図12図14に最もよく示されている。液体停止コネクタは、保持チャンバ134、パイプ136、弁ボール138、ボールトラップリング140、チャンバカバー142、及びチャンババッフル壁144を備えている。保持チャンバ134は、ここでは代替的にリザーバ134と呼ばれている。
【0071】
液体停止コネクタ43は、第5のチューブ74と第3のチューブ70との間に配置されている。パイプ136は、第3のチューブ70内に配置されている。図示される操作位置、すなわち、カセット24が、ハウジング64内に成形された方向指示矢印146と一致する設置配向に従ってコンソール内に設置されたとき、チャンバ134は、パイプ136の上方に位置する。パイプ136及びチャンバ134は、パイプ136をチャンバ134の底に接続する第1のステム138によって互いに流体的に接続されている。チャンバの上部の近くでチャンバの底の上方に位置する第2のステム150は、チャンバ134を第5のチューブ74に流体的に接続している。チャンバ134、パイプ136、第1のステム148、及び第2のステム150は、共通の材料から成る単一片として一体に形成されている。チャンバカバー142は、チャンバ134の上部に密封固定されている。弁ボール138は、軽量の柔軟な耐水性材料から形成されているとよい。弁ボール138の1つの例示的材料として、第3のチューブ70からチャンバ内への液体浸入及び弁ボール138に対する液体の衝突又は第3のチューブ70内の圧力に対する第5のチューブ74の相対圧の迅速な、すなわち、鋭利な変化のいずれかに対してボール138とリング140との間の密封を促進するために、シリコーンが挙げられる。第1のステム148は、ボール138を下から支持するための複数の支柱152を有しているとよく、これによって、チャンバからパイプ136及び第3のチューブ70への流体の戻りを制限することが可能になる。開位置では、ボールは、重力によって付勢され、支柱152上に着座する。(代替的にチャンバ134の床154とも呼ばれる)チャンバ134の底面154は、ステム148内の排出を容易にするために、傾斜しているとよく、具体的には、第1のステム148及び弁に向かって先細になっている。ボールトラップリング140は、ボール138の上方に配置されている。ボールトラップリング140は、ボール138と対向する側が面取りされているとよい。第1のステム148内への流体の流入によって生じるボール138の上方への移動は、ボール138をトラップリング140の凹面に対して押圧し、これによって、第1のステム148からチャンバ134内への流体の流入を密封する。ボール138及びトラップリング140は、協働して一方向ボール逆止弁を構成する。
【0072】
カバー142は、チャンババッフル壁144と一体的に形成されている。バッフル壁144は、カバー142に係合し、カバー142から実質的に垂直且つ下方に延在している。バッフル壁144は、第1のステム148と第2のステム150との間に配置されている。バッフル壁144の底縁155は、液体戻り間隙156をもたらすために、チャンバの底面154から所定距離Dだけ離間している。バッフル壁144は、代替的構成を有していてもよい。例えば、バッフル壁144は、チャンバ134の一部として形成され、チャンバ134の床154から延在し、且つ、弁ボール138及びリング140の上方を横方向に延在していてもよい。
【0073】
カバー142は、カバー142から延在するボールロックストッパ145を有していてもよい。図12に最もよく示されるボールロックストッパ145は、カバー142から下方に延在している。液体停止コネクタ43が設置位置において組み立てられたとき、ボールロックストッパ145は、ボール138及びリング140の上方に位置する。ボールロックストッパ145は、使用時に、液体停止コネクタ43の第1のステム148の設置位置においてリング140を保持するのを助長する。設置位置は、図13及び図14に最もよく示されている。好ましくない流体流れを制限する点でのバッフル壁144の利点を強調するために、ボールロックストッパ145は、図13及び図14に示されていない。
【0074】
図12に最もよく示されるように、カバー142及びパイプ136は、それぞれ、ゲートタブ157,159をそれぞれ備えている。ゲートタブ157,159は、カバー142、一体チャンバ134、パイプ136、第1のステム148、及び第2のステム150の各々の成形を容易にするものである。
【0075】
ボール138の密封位置が図14に示され、ボール138の開位置が図13に示されている。
【0076】
カセット24は、カセット24の1回のみの使用を推奨するように構成されている。何故なら、使用によって生じるカセットの汚染に対処する取組みが必要になるからである。カセット24の再使用は、カセットの再構築を必要とすると共に、最小限、ハウジング64の分解及びカセット24を構成する流体流路、シール、及び弁の取換えを必要とする。なお、ハウジング64の組立を容易にするために、また、ハウジング64の分解を妨げるために、突起(返し)付きタブ158が壁76,78,80の少なくとも1つに(別の壁76,78,80のノッチ160に係合するために)組み込まれていてもよい。また、コンソール22内の(図示されない)無線自動識別(RFID:radio frequency identification)リーダと組合わせて(図示されない)RFIDタグがカセットハウジング64内に組み込まれている場合、カセット24の1回使用が更に推奨される。1回使用部品、換言すれば、使い捨て部品の再使用を避けるようにRFIDタグ及びRFIDリーダを用いる1つの方法が、2007年4月19日に公開された米国特許出願公開第2007/0085686A1号に記載されている。
【0077】
操作するに当たって、オペレータ又は補助者、例えば、制限されるものではないが、看護婦又は外科技術士によって、カセットハウジング24がコンソール22のスロット25内に押し込まれる。カセットハウジング24をスロット25内に押し込むことによって、コンソール22の第1の空圧ポートチューブ112及び第2の空圧ポートチューブ(図示せず)が、それぞれ、第1のコンソールコネクタ38の空圧コネクタポート110及び第2のコンソールコネクタ40の空圧コネクタポート110’内に挿入され、コンソールコネクタ38,40の各々のシール弁114に係合される。第1の空圧コネクタポート110内への第1の空圧ポートチューブ112の挿入によって、第4のチューブ72が真空源36に接続される。同様に、第2の空圧コネクタポート110’内への(図示されない)第2の空圧ポートチューブの挿入によって、第5のチューブ74が吸引マニホールド35に接続される。もしコンソール22と一体でなかったなら、真空源36は、オペレータによってコンソール22に接続されるとよい。また、オペレータは、IVバッグコネクタ45をIVバッグ26に接続し、第3のチューブ70の一端をキャニスタ31に接続すると共に第3のチューブ70の他端をハンドピース30に接続し、第4のチューブ72をキャニスタ31に接続するとよい。また、オペレータは、ハンドピース30を第2のチューブ68に接続するとよい。第2のチューブ68及び第3のチューブ70の各々へのハンドピース30の接続は、ハンドピースコネクタ34を用いることによって行われるとよい。カセットハウジング64の保持突起86のラッチ係合面88が、コンソール22内に配置されたラッチ(図示せず)に係合されることによって、カセットハウジング64がコンソール22内に保持される。カセットハウジング64のRFIDタグが、新規の適切なカセットを識別するコンソール22内のリーダによって認識され、これによって、流体管理システム20の全ての特徴部の作動が可能になる。
【0078】
設置されたなら、カセット24は、液体、例えば、制限されるものではないが、無菌生理食塩水から成る洗浄液(「洗浄液」)をIVバッグ26から外科部位に供給し、廃液及び外科破片(「廃棄物」)を外科部位からキャニスタ31に排出するのを助長するために用いられる。
【0079】
オペレータからの選択的な要求がなされたとき、具体的には、洗浄信号伝達装置、例えば、制限されるものではないが、(図示されない)手動式又は足踏み式洗浄スイッチによって指示がなされたとき、液体がポンプ28によってIVバッグ26から第1のチューブ66を通って引き出される。ポンプローラ21が、蠕動ポンプチューブ29に係合し、すなわち、蠕動ポンプチューブ29を押圧し、次いで、モータ23によって駆動され、洗浄液を蠕動ポンプチューブ29を通して第1のコネクタ38から第2のコネクタ40に移動させる。次いで、洗浄液は、第2のチューブ68、ハンドピースコネクタ34、及びハンドピース30を通って外科部位に移動する。
【0080】
オペレータからの選択的な要求がなされたとき、具体的には、吸引信号伝達装置、例えば、制限されるものではないが、(図示されない)手動式又は足踏み式吸引スイッチによって指示がなされたとき、廃棄物が、キャニスタ31への負圧によって、外科部位からハンドピース30、ハンドピースコネクタ34、及び第3のチューブ70を通ってキャニスタ31に引き込まれる。
【0081】
キャニスタ31内の真空は、真空ポンプ36によって生成される。真空ポンプ36によって生成された負圧は、第1の空圧ポートチューブ112に接続されたマニホールド35、第1のコネクタ38、及び第4のチューブ72を通って、キャニスタ31に伝達される。
【0082】
ハンドピース30における真空圧の印加は、例えば、制限されるものではないが、ピンチ弁42の開閉による印加又は解放によって調整される。弁42が開位置にあるとき、すなわち、第3のチューブ70が絞られていないとき、キャニスタ31内の真空は、第3のチューブ70を介してハンドピースに連通し、外科部位から廃棄物を引き出すことになる。弁42が閉位置にあるとき、具体的には、第3のチューブがコンソール22内の(図示されない)弁アクチュエータによって絞られたとき、第3のチューブ70を通る流れが遮断され、廃棄物は、外科部位から引き出されない。このような真空調整は、吸引信号伝達装置を用いてオペレータによって選択的に行われるとよい。
【0083】
ハンドピース30の真空は、第3のチューブ70内の圧力の調整によって更に調整されてもよい。このような調整は、第1の可変流れ逃し弁50の開閉によって行われるとよい。例えば、弁50は、ハンドピース30の負圧の所定の大きさを検知したとき、具体的には、センサ54の1つ又は複数によって示され、制御コンソール22内に配置された制御ロジックによって指示されたとき、大気に開かれ、これによって、第3のチューブ70内及びハンドピース40における真空を低減させるとよい。このような調整は、コンソール22内に配置された制御装置(図示せず)によって自動的に管理されてもよい。
【0084】
手順の完了時に、カセット24は、オペレータ又は補助者からの指令、例えば、制限されるものではないが、ボタンの押込み又はコンソール22への他の信号伝達を含む指令によって、コンソール22から選択的に取り出される。カセット24は、コンソール22から取り出され、IVバッグ26、キャニスタ31、及びハンドピース30から離脱された後、廃却されるとよい。
【0085】
図面において、同一の参照番号は、同一の要素を指している。更に、これらの要素のいくつか又は全ては、変更されることがある。例えば、ハウジング64の形状は、矩形断面というよりもむしろ円形断面を有する円筒形状であってもよい。このようなカセットは、相補的な円筒形状のカセット開口を有するコンソールによって受け入れられるとよい。ツイストロック(twist-lock)機構を簡素化するために、タブがハウジング又はカセット開口の内壁の一方に設けられ、受入溝が他方に設けられるとよい。円筒壁内のポート及びシールとカセット開口とは、流体接続を可能にするために、係止位置において互いに真っすぐに並ぶようになっているとよい。壁内のポート及びシールに代わって、開口と同心のポートチューブが、ハウジングのポート開口に受け入れられるようになっていてもよい。本明細書に記載されるプロセス、システム、方法等に関して、このようなプロセス等のステップは、いくつかの規則的な順序に従って行われるように記載されているが、このようなプロセスは、本明細書に記載される順序以外の順序に従って行われる本明細書に記載のステップによって実行されてもよいことを理解されたい。いくつかのステップが同時に行われてもよいこと、他のステップが追加されてもよいこと、本明細書に記載のいくつかのステップが省略されてもよいことを更に理解されたい。換言すると、本明細書におけるプロセスの記載は、いくつかの実施形態を説明するために提示されており、請求項を制限すると決して解釈されるべきではない。
【0086】
従って、前述の説明は、例示的なものであり、制限的なものではないことが意図されていることを理解されたい。前述の説明を読めば、提示された例以外の多くの実施形態及び用途が明らかになるだろう。発明の範囲は、前述の説明に基づいて決定されるべきではなく、添付の請求項及びこのような請求項の権利が及ぶ等価物の全範囲に基いて決定されるべきである。本明細書に記載される技術の開発が将来的に行われ得ること及び開示されたシステム及び方法がこのような将来の実施形態に含まれ得ることが予期され、且つ意図されている。要するに、本願は、修正及び変更可能であることを理解されたい。
【0087】
本明細書に用いられる「実質的に(substantially)」という副詞は、材料、機械加工、製造、データの伝達、計算速度、等の不完全さによって、形状、構造、計測値、量、時間、等が正確に記載される幾何学的形状、距離、計測値、量、時間、等から逸脱することがあることを意味している。
【0088】
請求項に用いられる全ての用語は、相反する指示が本明細書において明示的になされない限り、本明細書に記載される技術に見識のある者によって理解される通常の意味を有することが意図されている。特に、「a」、「the」、「said」等の単数冠詞の使用は、請求項が相反する制限を明示的に記載しない限り、1つ又は複数の指示された要素を記載していると読み取られるべきである。
【0089】
要約書は、読者が技術的開示の特性を迅速に確かめることを可能にするために提示されている。要約書は、請求項の範囲又は意味を解釈又は制限するために用いられるべきではないという理解のもとに提示されている。加えて、前述の詳細な説明において、本開示を簡素化する目的で種々の特徴が種々の実施形態にグループ分けされていることが分かるだろう。本開示の方法は、特許請求される実施形態が各請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映すると解釈されるべきではない。むしろ、特許請求の範囲が反映するように、本発明の主題は、単一の開示される実施形態の全ての特徴よりも少ない特徴に基づくものである。従って、特許請求の範囲は、前述の詳細な説明に組み込まれるが、各請求項は、別々に特許請求される主題として独立している。
なお、出願当初の請求項は以下の通りであった。
[請求項1]
チャンバと第1のコンソールコネクタとを画定する実質的に剛性のカセットハウジングと、
ポンプの輸液部分と、
前記チャンバ内に少なくとも部分的に配置される複数の流体経路と、
を備える外科用灌注カセットであって、
前記第1のコンソールコネクタは第1の空圧コネクタポートを備え、
前記ポンプの輸液部分は前記ポンプの吸込側と前記ポンプの吐出側とを備え、
前記複数の流体経路は、第1の流体経路と第2の流体経路と第3の流体経路と第4の流体経路とを含み、
前記第1の流体経路は、前記ポンプの吸込側に接続される第1の端と、供給流体容器に接続される第2の端と、を備え、
前記第2の流体経路は、前記ポンプの吐出側に接続される第1の端と、ハンドピースに接続される第2の端と、を備え、
前記第3の流体経路は、前記ハンドピースに接続される第1の端と、廃棄物容器に接続される第2の端と、を備え、
前記第4の流体経路は、前記第1のコンソールコネクタに接続される第1の端と、前記廃棄物容器に接続される第2の端と、を備える、
外科用灌注カセット。
[請求項2]
前記ハウジングは、周辺の第3の壁によって接続された互いに実質的に平行の第1の壁及び第2の壁を備える、請求項1に記載の外科用灌注カセット。
[請求項3]
前記ハウジングは、第1のアーム及び第2のアームを画定する実質的にC字状の側部を有し、
前記第1のコンソールコネクタは、前記第1のアームに固定され、
第2の空圧コネクタポートを備える第2のコンソールコネクタは、前記第1のアーム及び前記第2のアームの1つに固定される、請求項1に記載の外科用灌注カセット。
[請求項4]
前記第2のコンソールコネクタは、前記第2のアームに固定される、請求項3に記載の外科用灌注カセット。
[請求項5]
前記第1の空圧コネクタポート及び前記第2の空圧コネクタポートの各々は、ポートチューブを受入れるための関連する開口によって画定され、
前記第1のコンソールコネクタ及び前記第2のコンソールコネクタの各々は、前記ポートチューブに密封係合するためのシールを更に備える、請求項3に記載の外科用灌注カセット。
[請求項6]
前記第1のコンソールコネクタ及び前記第2のコンソールコネクタの各々は、コンソールの空圧ポートチューブに空圧的密封係合するためのシールを備える、請求項3に記載の外科用灌注カセット。
[請求項7]
前記第1のコンソールコネクタ及び前記第2のコンソールコネクタの各々は、前記第1のコンソールコネクタ及び前記第2のコンソールコネクタが前記空圧ポートチューブを受入れていないときに閉状態を有する二方向弁を備える、請求項6に記載の外科用灌注カセット。
[請求項8]
前記二方向弁はポリマー材料から形成され、前記二方向弁は、外方から見て凹状の形状を備え、それを貫通するスリットを有する、請求項7に記載の外科用灌注カセット。
[請求項9]
前記二方向弁及び前記シールは、前記ポリマー材料から一体に形成されている、請求項8に記載の外科用カセット。
[請求項10]
前記ハウジングは、経路絞り手段を受入れるために前記複数の流体経路の1つの上方に配置された窓を備える、請求項1に記載の外科用灌注カセット。
[請求項11]
前記ハウジングは、経路絞り手段を受入れるために前記第3の流体経路の上方に配置された窓を備える、請求項1に記載の外科用灌注カセット。
[請求項12]
第5の流体経路は、前記第3の流体経路に接続される第1の端と、前記ハウジングの第2のコンソールに接続される第2の端と、を備える、請求項1に記載の外科用灌注カセット。
[請求項13]
液体停止コネクタを更に備え、
前記液体停止コネクタは、
前記ハウジング内において前記第3の流体経路と前記第5の流体経路との間に配置されるリザーバと、
前記第3の流体経路と前記リザーバとの間に配置される常開一方向弁と、
を備える、請求項12に記載の外科用灌注カセット。
[請求項14]
前記第3の流体経路内に配置されて前記第3の流体経路の一部を構成するパイプを更に備え、
前記リザーバは、前記パイプと前記第5の流体経路との間に配置され、
前記一方向弁は、前記パイプと前記リザーバとの間に配置される、請求項13に記載の外科用灌注カセット。
[請求項15]
前記一方向弁は、ボール逆止弁により構成され、
前記ボール逆止弁のボールは、設置配向の状態では重力によって開位置に付勢され、前記第3の流体経路からの液体との衝突及び第5の流体経路の流体圧に対する前記第3の流体経路の流体圧の増大の1つによって、上方に向かって閉位置まで押し上げられるようになっている、請求項13に記載の外科用灌注カセット。
[請求項16]
前記リザーバは、前記ボール逆止弁の上方に前記ボール逆止弁に向かって先細りする傾斜床を備え、
前記傾斜床は、前記設置配向の状態において流れを前記リザーバから前記ボール逆止弁に導いて前記流れを前記開位置にある前記ボール逆止弁を超えて前記第3の流体経路に戻す液体流路を画定する、請求項15に記載の外科用灌注カセット。
[請求項17]
前記リザーバは、前記ボール逆止弁と前記第5の流体経路への接続部との間に水平方向に位置決めされたバッフル壁を備える、請求項16に記載の外科用灌注カセット。
[請求項18]
前記バッフル壁は、前記バッフル壁と前記傾斜床との間に液体戻り間隙を画定する下端と、前記リザーバのカバーに係合する上端と、を有する、請求項17に記載の外科用灌注カセット。
[請求項19]
前記カセットは、前記第2の流体経路の第2の端及び前記第3の流体経路の第1の端に接続されるハンドピースコネクタを更に備え、
前記ハンドピースコネクタは、前記第2の流体経路及び前記第3の流体経路の各々の一部を構成する、請求項1に記載の外科用灌注カセット。
[請求項20]
前記第1の流体経路は、IVバッグコネクタを備える、請求項1に記載の外科用灌注カセット。
[請求項21]
前記第4の流体経路は、液体遮断フィルタを備える、請求項1に記載の外科用灌注カセット。
[請求項22]
前記ポンプの輸液部分は、前記ハウジングの外側に配置される圧縮性蠕動ポンプチューブにより構成されている、請求項1に記載の外科用灌注カセット。
[請求項23]
前記カセットは、第2のコンソールコネクタを更に備え、
前記第1のコンソールコネクタ及び前記第2のコンソールコネクタの各々は、
前記蠕動ポンプチューブに係合する受入チューブを有する実質的に剛性のコネクタハウジングと、
前記コネクタハウジングの一部として形成された空圧インターフェイススリーブと、
を備え、
前記受入チューブは、前記第1の流体経路及び前記第2の流体経路の1つの一部を画定し、
前記空圧インターフェイススリーブは、貫通する開口と、該開口内に配置されるシールと、を有する、請求項22に記載の外科用灌注カセット。
[請求項24]
前記第1のコンソールコネクタ内及び前記第2のコンソールコネクタ内の各々に二方向弁を更に備え、
前記二方向弁は、前記カセットがコンソール内に配置されていないときに閉状態にある、請求項23に記載の外科用灌注カセット。
[請求項25]
前記ハウジング内に配置される前記複数の流体経路は、少なくとも部分的に柔軟なチューブにより構成され、前記ハウジングは内部支持壁を備え、前記内部支持壁に沿って前記柔軟なチューブが配置されている、請求項1に記載の外科用灌注カセット。
[請求項26]
カセット開口を画定し、2つの空圧コンソールポートを前記カセット開口内に有するコンソールと、
前記コンソールに接続されるか、又は、前記コンソール内に組み込まれる真空源であって、前記空圧コンソールポートの第1のものと連通する前記真空源と
前記コンソール内に組み込まれ、前記空圧コンソールポートの第2のものと連通する第1の圧力センサと、
前記コンソール内に組み込まれ、前記空圧コンソールポートの前記第1のものと連通する第2の圧力センサと、
前記カセット開口内に選択的に摺動可能に配置されるカセットと、
を備える流体管理システムであって、
前記カセットは、
チャンバを内部に画定する実質的に剛性のハウジングと、
ポンプの輸液部分と、
前記チャンバ内に少なくとも部分的に配置される複数の流体経路と、
を備え、
前記ポンプの輸液部分は前記ポンプの吸込側及び前記ポンプの吐出側を備え、
前記複数の流体経路は、第1の流体経路と第2の流体経路と第3の流体経路と第4の流体経路と第5の流体経路とを含み、
前記第1の流体経路は、前記吸込側に接続される第1の端と、供給流体容器に接続される第2の端と、を備え、
前記第2の流体経路は、前記吐出側に接続される第1の端と、ハンドピースに接続される第2の端と、を備え、
前記第3の流体経路は、前記ハンドピースに接続される第1の端と、廃棄物容器に接続される第2の端と、を備え、
前記第4の流体経路は、前記ハウジングの第1のコンソールコネクタに接続される第1の端と、前記廃棄物容器に接続される第2の端と、を備え、
前記第5の流体経路は、前記第3の流体経路に接続される第1の端と、前記ハウジングの第2のコンソールコネクタに接続される第2の端と、を有し、
前記第1のコンソールコネクタは、前記カセットが前記カセット開口内に設置されたときに前記空圧コンソールポートの前記第1のものに空圧接続される第1の空圧コネクタポートを有し、
前記第2のコンソールコネクタは、前記カセットが前記カセット開口内に設置されたときに前記空圧コンソールポートの前記第2のものに空圧接続される第2の空圧コネクタポートを有する、
流体管理システム。
[請求項27]
前記ハウジングは、周辺の第3の壁によって接続された互いに実質的に平行の第1の壁及び第2の壁を備える、請求項26に記載の流体管理システム。
[請求項28]
前記ハウジングは、第1のアーム及び第2のアームを画定する実質的にC字状の側部を有し、
前記第1のコンソールコネクタは、前記第1のアームに固定され、
前記第2のコンソールコネクタは、前記第2のアームに固定される、請求項26に記載の流体管理システム。
[請求項29]
前記第1の空圧コネクタポート及び前記第2の空圧コネクタポートの各々は、前記空圧コンソールポートを画定するポートチューブを受入れるための前記第1のコンソールコネクタの開口及び前記第2のコンソールコネクタの開口によって画定され、
前記第1のコンソールコネクタ及び前記第2のコンソールコネクタの各々は、前記ポートチューブに密封係合するためのシールを更に備える、請求項26に記載の流体管理システム。
[請求項30]
前記第1のコンソールコネクタ及び前記第2のコンソールコネクタの各々は、前記コンソールの前記空圧コンソールポートに空圧的密封係合するためのシールを備える、請求項26に記載の流体管理システム。
[請求項31]
前記第1のコンソールコネクタ及び前記第2のコンソールコネクタの各々は、前記カセットが前記コンソール内に配置されていないときに閉状態を有する二方向弁を備える、請求項30に記載の流体管理システム。
[請求項32]
前記二方向弁はポリマー材料から形成され、前記二方向弁は、貫通するスリットを有するドームを備える、請求項31に記載の流体管理システム。
[請求項33]
前記二方向弁及び前記シールは、前記ポリマー材料から一体に形成されている、請求項32に記載の流体管理システム。
[請求項34]
前記ハウジングは、経路絞り手段を受入れるために前記第3の流体経路の上方に配置された窓を備える、請求項26に記載の流体管理システム。
[請求項35]
液体停止コネクタを更に備え、
前記液体停止コネクタは、
前記ハウジング内において前記第3の流体経路と前記第5の流体経路との間に配置されるリザーバと、
前記第3の流体経路と前記リザーバとの間に配置される常開一方向弁と、
を備える、請求項26に記載の流体管理システム。
[請求項36]
前記第3の流体経路内に配置されて前記第3の流体経路の一部を構成するパイプを更に備え、
前記リザーバは、前記パイプと前記第5の流体経路との間に配置され、
前記一方向弁は、前記パイプと前記リザーバとの間に配置される、請求項35に記載の流体管理システム。
[請求項37]
前記一方向弁は、ボール逆止弁により構成され、
前記ボール逆止弁のボールは、設置配向の状態では重力によって開位置に付勢され、前記第3の流体経路からの液体との衝突及び第5の流体経路の流体圧に対する前記第3の流体経路の流体圧の増大の1つによって、上方に向かって閉位置まで押し上げられるようになっている、請求項35に記載の流体管理システム。
[請求項38]
前記リザーバは、前記ボール逆止弁の上方に前記ボール逆止弁に向かって先細りする傾斜床を備え、
前記傾斜床は、前記設置配向の状態において流れを前記リザーバから前記ボール逆止弁に導いて前記流れを前記開位置にある前記ボール逆止弁を超えて前記第3の流体経路に戻す液体流路を画定する、請求項37に記載の流体管理システム。
[請求項39]
前記リザーバは、前記ボール逆止弁と前記第5の流体経路との間に水平方向に位置決めされたバッフル壁を備える、請求項38に記載の流体管理システム。
[請求項40]
前記バッフル壁は、前記バッフル壁と前記傾斜床との間に液体戻り間隙を画定する下端と、前記リザーバのカバーに係合する上端と、を有する、請求項39に記載の流体管理システム。
[請求項41]
前記カセットは、前記第2の流体経路の第2の端及び前記第3の流体経路の第1の端に接続されるハンドピースコネクタを更に備え、
前記ハンドピースコネクタは、前記第2の流体経路及び前記第3の流体経路の各々の一部を構成する、請求項26に記載の流体管理システム。
[請求項42]
前記第1の流体経路は、IVバッグコネクタを備える、請求項26に記載の流体管理システム。
[請求項43]
前記第5の流体経路は、液体遮断フィルタを備える、請求項26に記載の流体管理システム。
[請求項44]
前記ポンプの輸液部分は、前記ハウジングの外側に配置される圧縮性蠕動ポンプチューブにより構成されている、請求項26に記載の流体管理システム。
[請求項45]
前記第1のコンソールコネクタ及び前記第2のコンソールコネクタの各々は、前記蠕動ポンプチューブに係合する受入チューブを有する実質的に剛性のハウジングを備え、
前記受入チューブは、前記第1の流体経路及び前記第2の流体経路の1つの一部を画定し、
前記第1のコンソールコネクタ及び前記第2のコンソールコネクタの各々は、前記ハウジング内に形成され、
前記第1のコンソールコネクタ及び前記第2のコンソールコネクタの各々は、貫通する開口及びチューブと、該開口内に配置されるシールと、を備える、請求項44に記載の流体管理システム。
[請求項46]
前記第1のコンソールコネクタ内及び前記第2のコンソールコネクタ内の各々に二方向弁を更に備え、
前記二方向弁は、前記カセットがコンソール内に配置されていないときに閉状態にある、請求項45に記載の流体管理システム。
[請求項47]
前記ハウジング内に配置される前記複数の流体経路は、少なくとも部分的に柔軟なチューブにより構成され、前記ハウジングは内部支持壁を備え、前記内部支持壁に沿って前記柔軟なチューブが配置されている、請求項26に記載の流体管理システム。
[請求項48]
前記供給流体容器と、
前記ハンドピースと、
前記廃棄物容器と、
を更に備える、請求項26に記載の流体管理システム。
[請求項49]
外科用灌注カセットを用いる方法であって、
前記外科用灌注カセットは、
チャンバを内部に画定する実質的に剛性のハウジングと、
前記ハウジングの外側に配置される圧縮性蠕動ポンプチューブと、
前記チャンバ内に少なくとも部分的に配置される複数の流体経路と
の各々を有し、
前記複数の流体経路は、第1の流体経路と第2の流体経路と第3の流体経路と第4の流体経路と第5の流体経路とを含み、
前記第1の流体経路は、前記蠕動ポンプチューブの第1の端に接続される第1の端と、供給流体容器に接続される第2の端と、を備え、
前記第2の流体経路は、前記蠕動ポンプチューブの第2の端に接続される第1の端と、ハンドピースに接続される第2の端と、を備え、
前記第3の流体経路は、前記ハンドピースに接続される第1の端と、廃棄物容器に接続される第2の端と、を備え、
前記第4の流体経路は、前記ハウジングに固定された第1のコンソールコネクタに接続される第1の端と、前記廃棄物容器に接続される第2の端と、を備え、
前記第5の流体経路は、前記第3の流体経路に接続される第1の端と、前記ハウジングに固定された第2のコンソールコネクタに接続される第2の端と、を有し、
前記方法は、
前記外科用灌注カセットを準備するステップと、
真空源を備えるか又は前記真空源に接続される制御コンソール内に前記カセットを挿入するステップと、
前記第1の流体経路の第2の端を前記供給流体容器に接続するステップと、
前記第2の流体経路の第2の端を前記ハンドピースに接続するステップと、
前記第3の流体経路の第1の端を前記ハンドピースに接続するステップと、
前記第3の流体経路の第2の端を前記廃棄物容器に接続するステップと、
前記第4の流体経路の第2の端を前記廃棄物容器に接続するステップと、
を含む、外科用灌注カセットを用いる方法。
[請求項50]
ポンプローラが前記蠕動ポンプチューブに選択的に係合され、このような係合が、流体を前記供給流体容器から前記ハンドピースに移動させる、請求項49に記載の外科用灌注カセットを用いる方法。
[請求項51]
前記ハンドピースにおける真空圧を調整するために前記真空源を選択的に調整するステップを更に含む、請求項49に記載の外科用灌注カセットを用いる方法。
[請求項52]
前記真空源、大気、前記第1のコンソールコネクタ及び前記第2のコンソールコネクタに流体接続される吸引マニホールドを、前記真空源と前記カセットとの間に設けるステップと、
前記第5の流体経路を前記吸引マニホールドを介して大気に選択的に接続するステップと、
を更に含む、請求項49に記載の外科用灌注カセットを用いる方法。
[請求項53]
前記ハンドピースにおいて検知された真空度の増大が所定の閾値に達したことに応じて、前記第5の流体経路を大気に接続するステップを更に含む、請求項52に記載の外科用灌注カセットを用いる方法。
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