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特許7454576供給の領域における効果的な通気を有する混合および可塑化機械、ならびにそれに関する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】供給の領域における効果的な通気を有する混合および可塑化機械、ならびにそれに関する方法
(51)【国際特許分類】
   B29B 7/60 20060101AFI20240314BHJP
   B29B 7/38 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
B29B7/60
B29B7/38
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021528865
(86)(22)【出願日】2019-11-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(86)【国際出願番号】 EP2019080513
(87)【国際公開番号】W WO2020104201
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2022-09-30
(31)【優先権主張番号】18207797.4
(32)【優先日】2018-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521218168
【氏名又は名称】バス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ウォルター,ウルフギャング
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-020019(JP,U)
【文献】特開平07-009489(JP,A)
【文献】特開平01-020311(JP,A)
【文献】特開昭60-115424(JP,A)
【文献】特開昭50-064359(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00-45/84
B29B 7/00- 7/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
続調整プロセスのための混合および可塑化機械(100)であって、ハウジング(10)であって、その中に、前記ハウジング(10)の内周面によって画定され、前記混合および可塑化機械(100)の長手方向に延在する中空内部(18)が形成されている、ハウジング(10)を有し、少なくともいくつかの区域において、前記ハウジング(10)の前記内部(18)を通って、軸方向に延在するスクリュー軸(12)であって、前記スクリュー軸は、前記ハウジング(10)の前記内部(18)で動作中に回転し、かつ同時に、軸方向に前後に並進して移動する、スクリュー軸(12)を有し、動作中に前記スクリュー軸(12)を回転させる駆動装置を有し、混合および塑性化される少なくとも1つの出発材料を前記ハウジング(10)の前記内部(18)に供給するために、前記ハウジング(10)上に配置された充填装置(36)であって、前記充填装置(36)は、ハウジング壁(40)を通って延在する切り欠き(42)を通って延在するか、または前記ハウジング壁(40)を通って延在する切り欠き(42)に接続されている、充填装置(36)を有し、
前記充填装置(36)は、少なくとも2つの空洞(54、54′)を含み、各々が、前記充填装置(36)の高さにわたって延在し、前記空洞は、少なくとも1つの分離壁(52、52′)によって互いに分離され
i)ギアボックスフランジ(38)と、それと上流で接続された前記ハウジング(10)の端部との間、またはii)前記ハウジング(10)の上流端部において、前記ハウジング(10)の前記内周面に対して前記スクリュー軸(12)を密封するシール(56)が設けられており、前記ハウジング(10)において、前記ハウジング(10)の前記内周面から、いくつかの区域において、前記ハウジング(10)内に延在し、前記充填装置(36)の上流端部に接続されている少なくとも1つのリリーフチャネル(58)が設けられており、これは、前記ハウジング(10)の前記長手方向に見ると、前記充填装置(36)の前記上流端部から、少なくともいくつかの区域において、前記シール(56)の方向に延在することを特徴とする、
混合および可塑化機械(100)。
【請求項2】
前記充填装置(36)の前記少なくとも2つの空洞(54、54′)のうちの少なくとも1つが、前記ハウジング(10)の前記長手方向に見ると、前記2つの空洞(54、54′)のうちの少なくとももう1つに対して上流にオフセットされて配置されるか、または少なくとも部分的に上流にオフセットされて配置されるように、前記少なくとも2つの空洞(54、54′)は、互いに分離されていることを特徴とする、請求項1に記載の混合および可塑化機械(100)。
【請求項3】
前記充填装置(36)は、立方体、くさび、切頭くさび、逆くさび、または逆切頭くさびの形状を有し、これは、前記切り欠き(42)を通って延在するか、または前記切り欠き(42)に接続されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の混合および可塑化機械(100)。
【請求項4】
前記充填装置(36)の側面は、壁(44、44′、44″、44′″)によって閉鎖されており、前記充填装置(36)の下端部は、開放されており、前記充填装置(36)の上端部は、開放されているか、または2つ以上の開放された接続部品を備えたカバー(48)を備えていることを特徴とする、請求項1~3項のいずれか一項に記載の混合および可塑化機械(100)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの分離壁(52、52′)は、前記充填装置(36)の高さの、少なくとも50%にわたって延在し、前記少なくとも1つの分離壁(52、52′)は、前記充填装置(36)の下縁から上向きに延在するか、または前記スクリュー軸の最も外側の境界より0.1~10mmだけ上に延在することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の混合および可塑化機械(100)。
【請求項6】
前記充填装置(36)は、立方体または逆切頭くさびの形状を有し、これは、前記切り欠き(42)を通って延在するか、または前記切り欠き(42)に接続されており、分離壁(52、52′)は、前記充填装置(36)の高さの、少なくとも50%にわたって、かつ、前記充填装置(36)の幅の少なくとも50%にわたって、前記ハウジング(10)の断面積に少なくとも実質的に平行に延在することを特徴とする、請求項1~5項のいずれか一項に記載の混合および可塑化機械(100)。
【請求項7】
前記充填装置(36)は、2つの分離壁(52、52′)を含み、そのうちの一方の分離壁(52)は、前記ハウジング(10)の断面積に少なくとも実質的に平行に延在し、他方の分離壁(52′)は、前記ハウジング(10)の長手方向面に少なくとも実質的に平行に延在し、前記2つの分離壁(52、52′)は、前記充填装置(36)の断面で見ると、互いに完全に分離されている2つの空洞(54、54′)が設けられるように、互いに接続されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の混合および可塑化機械(100)。
【請求項8】
i)ギアボックスフランジ(38)と、それと上流で接続された前記ハウジング(10)の端部との間、またはii)前記ハウジング(10)の上流端部において、前記ハウジング(10)の前記内周面に対して前記スクリュー軸(12)を密封するスタッフィングボックスが設けられることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の混合および可塑化機械(100)。
【請求項9】
前記少なくとも1つのリリーフチャネル(58)は、前記充填装置(36)の前記上流端部から、前記シール(56)までの長さの、少なくとも20%にわたって延在することを特徴とする、請求項8に記載の混合および可塑化機械(100)。
【請求項10】
前記少なくとも1つのリリーフチャネル(58)は、前記ハウジング(10)の前記内周面から見ると、前記ハウジング壁(40)内に、1~50%だけ延在することを特徴とする、請求項8または9に記載の混合および可塑化機械(100)。
【請求項11】
前記少なくとも1つのリリーフチャネル(58)は、楕円形、丸形、長方形、または正方形の断面を有することを特徴とする、請求項8~10のいずれか一項に記載の混合および可塑化機械(100)。
【請求項12】
前記少なくとも1つのリリーフチャネル(58)の幅は、0.005~0.5Daであることを特徴とする、請求項8~11のいずれか一項に記載の混合および可塑化機械(100)。
【請求項13】
前記シール(56)は、スタッフィングボックス(56)であり、パッキンコード間に、少なくとも1つの金属リング(62)またはプラスチックリングが設けられており、前記スタッフィングボックス(56)を径方向に取り囲む前記ハウジング(10)の長手方向区域に、少なくとも1つの接続チャネル(60)が設けられており、これを介して、ガスは、前記ハウジング(10)の上流領域から前記ハウジング(10)の前記内部(18)に流れることができることを特徴とする、請求項8~12のいずれか一項に記載の混合および可塑化機械(100)。
【請求項14】
出発材料を混合および可塑化するための方法であって、これは、請求項1~13のいずれか一項に記載の混合および可塑化機械(100)で動作し、駆動装置は、オンにされ、混合および可塑化される前記出発材料は、前記充填装置(36)の前記少なくとも2つの空洞(54、54’)のうちの1つのみを選択的に介して供給されることを特徴とする、方法。
【請求項15】
前記方法は、請求項14に記載の混合および可塑化機械(100)で実施され、ガスは、前記ハウジング(10)の前記内部(18)に存在する圧力よりも500Pa~10MPaだけ高い圧力で、前記ハウジング(10)内に導入されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顆粒、押出形材、または成形部品を製造するためなど、連続調整プロセスのための混合および可塑化機械、ならびにそのような混合および可塑化機械を使用して出発材料を混合および可塑化するための方法に関する。
【0002】
そのような混合および可塑化機械は、特に、プラスチックおよび/またはペースト状材料を調整するために使用される。そのような混合および可塑化機械の作動要素は、その中に配置されたスクリュー軸を形成し、これは、軸方向に前方に加工される材料を輸送または搬送し、それによって、材料の成分を互いに混合する。例えば、そのような混合および可塑化機械は、粘塑性材料を加工するため、プラスチックを均質化および可塑化するため、充填材および補強材を組み込むため、ならびに食品産業用の出発材料を製造するために使用される。非常に頻繁に、出発材料または出発材料の少なくとも1つの成分は、例えば、粉末または顆粒としてなど、微粒子材料として存在する。これらの混合および可塑化機械は、例えば、最初に出発材料から溶融体が生成され、その後、このようにして生成された溶融体が混合および可塑化機械を介して軸方向にスクリュー軸によって搬送され、それによって均質化されるように、動作し得る。混合される材料に応じて、混合および可塑化機械で設定される温度は、少なくともいくつかの区域において50℃~400℃であり得る。そのような混合および可塑化機械はまた、機械の下流端部に、好適な放電装置、例えば、放電押出機が配置されており、造粒装置または同様の装置、例えば、断続切削装置、ストランドダイ、プロファイルツール、シートダイ、または同様の装置に接続されている場合、特に、ポリマー顆粒、ポリマー押出形材、ポリマー成形部品などを製造するために好適である。
【0003】
そのような混合および可塑化機械は、例えば、CH278575AおよびCH464656から既知である。これらの混合および可塑化機械では、スクリュー軸は、好ましくは、回転運動するだけでなく、同時に、軸方向、すなわち、スクリュー軸の方向に前後に並進して移動する。したがって、運動順序は、好ましくは、スクリュー軸が、軸方向に見ると、回転に重ね合わされた振動運動を行うことを特徴とする。この運動順序により、内蔵要素、すなわち、可塑化ボルトまたは可塑化歯などの可塑化要素を、導入および混合装置のハウジングに導入することが可能となる。可塑化ボルトまたは可塑化歯の存在のために、主軸、いわゆるシャフトロッド上に配置されたスクリューは、シャフトロッドの断面で見ると連続して延在せず、複数の個々の翼要素に分割されており、これらは各々、シャフトロッドの断面周囲の特定の角度区域にわたって延在する。隣接する翼要素は、シャフトロッドの軸方向および外周方向の両方において互いに離間して配置されており、すなわち、各場合において、シャフトロッドの軸方向および外周方向の両方において、隣接する翼要素間に隙間が設けられている。例えば、スクリュー軸のシャフトロッド全体、またはスクリュー軸のシャフトロッドの、断面周囲に対する軸方向区域が、3つの翼要素を含み、その各々が、例えば、シャフトロッドの断面周囲の100°の角度区域にわたって延在する場合、3翼のスクリュー軸または3翼のスクリュー軸区域と言う。混合および可塑化される材料を圧縮し、それに剪断作用を及ぼすために、したがって、可塑化要素が翼要素と衝突することなく、混合および/または可塑化動作を実行するために、スクリュー軸の軸方向の回転および並進運動は、個々の翼要素が、それらの側面と共に、対応する可塑化要素の近傍を通過するように制御される。これとは別に、可塑化要素は、可塑化要素が、混合物の成分の、翼要素の側面上への堆積を防止するように、翼要素の側面に接近し、その結果、可塑化要素はまた、翼要素の洗浄ももたらす。もちろん、翼要素の数および幾何学的形状は、可塑化要素の数に適合させなければならない。
【0004】
これらの混合および可塑化機械における課題は、回転かつ振動の往復運動をするスクリュー軸をそこに接続されたギアボックスフランジに密封することであり、これを介してスクリュー軸は、ギアボックスに接続される。そのようなシールは、特に粉末および細かく分割された顆粒などの微粒子材料が、混合および可塑化機械のプロセスチャンバから、そこに接続されたギアボックスフランジ、またはギアボックスの中にさえ逃れることを防ぐために特に重要である。微粒子材料が、例えば、充填漏斗を通して供給されるとき、空気は、混合および可塑化機械のプロセスチャンバに自動的に導入されるが、これは、そのような微粒子材料のかさ密度が、しばしば0.5~0.7g/cmであり、いくつかの出発材料の場合、それ以下でさえあるためである。導入された微粒子出発材料によって充填漏斗を介して導入されるこの空気は、好ましくは、充填漏斗を通って混合および可塑化機械のプロセスチャンバから再び逃れることができる必要があるが、これは、スクリュー軸の支持軸、後者を取り囲むハウジング壁、およびギアボックスフランジとの間のシールが気密であるように設計されているためである。しかしながら、充填漏斗を通るプロセスチャンバからの空気の逃しは、実際には機能しないか、または少なくとも確実に機能せず、具体的には、特に充填開口部が材料クッションで覆われている場合には機能しない。スクリューの軸方向の運動は、後方ストローク中にシールに対して空気を押し付ける。シールのプレテンションが減少するとすぐに、空気は、支持軸、それを取り囲むハウジング壁、およびギアボックスフランジとの間の結果として生じる隙間を通って逃げ、この空気は、粉末または細かい顆粒粒子を同伴し、その後ギアボックスフランジに蓄積し、その後出力軸のシャフト密封リングを破壊し、および/またはギアボックスを貫通さえし、その結果、ベアリングおよび他のギアボックス部品は、破壊され得る。次いで、微粒子出発材料の別の部分は、機械フレーム上に蓄積し、空気が移動するたびに、巻き上がる。スタッフィングボックスは、支持軸を密封する目的でしばしば使用される。しかしながら、これらは、通常、約2週間の比較的短い動作期間の間、空気および同伴された粒子がギアボックスフランジを貫通するのを回避するだけである。したがって、そのような混合および可塑化機械のスタッフィングボックスは、交換する必要がある。
【0005】
これに基づいて、本発明によって対処される問題は、そのような混合および可塑化機械を提供することであり、そのような混合および可塑化機械の動作において、支持軸、後者を取り囲むハウジング壁、およびギアボックスフランジとの間に配置されたシール、特にスタッフィングボックスは、解放され、その動作時間または期間が延長され、その間、当該シールは、支持軸とギアボックスフランジとの間の接続領域を気密に保つか、または混合および可塑化機械のプロセスチャンバからの空気および微粒子材料のギアボックスフランジへの貫通を確実に防止する。
【0006】
本発明によれば、この問題は、微粒子出発材料を可塑化および混合するため、ならびに/または顆粒、押出形材、もしくは成形部品を製造するためなど、連続調整プロセスのための混合および可塑化機械によって解決され、ハウジングであって、その中に、ハウジングの内周面によって画定され、混合および可塑化機械の長手方向に延在する中空内部が形成されている、ハウジングを有し、少なくともいくつかの区域において、ハウジングの内部を通って軸方向に延在するスクリュー軸であって、動作中に、ハウジングの(好ましくは、円筒状)内部で回転し、かつ同時に軸方向に前後に並進して移動する、スクリュー軸を有し、スクリュー軸を動作中に回転させる駆動装置を有し、混合および可塑化される少なくとも1つの出発材料をハウジングの内部に供給するために、ハウジング上に配置された充填装置であって、充填装置は、ハウジング壁を通って延在する切り欠きを通って延在するか、またはハウジング壁を通って延在する切り欠きに接続されており、充填装置は、少なくとも2つの空洞を含み、各々、充填装置の高さにわたって延在し、この空洞は、少なくとも1つの分離壁によって互いに分離されている、充填装置を有する。
【0007】
混合および可塑化機械の充填装置、特に充填漏斗などは、少なくとも1つの分離壁によって互いに分離されており、かつ各々が充填装置の高さにわたって延在する少なくとも2つの空洞を含むという事実により、混合および可塑化機械の動作中に、シールまたはスタッフィングボックスを解放することが容易に可能である。充填装置のこの設計の結果、すなわち、充填装置の空洞のうちの一方を介して出発材料を供給することによって、混合および可塑化機械のプロセスチャンバまたは内部に導入された空気が、再び充填装置の他方の空洞を介して、または少なくとも大部分は他方の空洞を介して、混合および可塑化機械から容易に除去されることが達成される。充填装置は、ハウジング壁を通って延在する切り欠きを通って延在するか、またはそれに接続されているため、混合および可塑化機械の充填装置の2つの空洞は、それらの下部領域において、混合および可塑化機械の内部またはプロセスチャンバ、すなわち、スクリュー軸とハウジング内周面との間の中間空間に接続されている。切り欠きを介して2つの空洞のうちの一方を通ってプロセスチャンバに導入される同伴された空気は、すなわち、この理由で、充填装置の隣接する空洞の下部開口部を介して当該空洞を貫通し、充填装置を通って当該空洞を底部から上向きに通って環境中に逃げることができる。充填装置の当該空洞を通る空気の逃げを改善するために、例えば、50kPaから100kPaをほんの少し下回る真空などの真空も、当該空洞に適用され得る。したがって、本発明による混合および可塑化機械では、充填装置の少なくとも2つの空洞のうちの1つは、出発材料の供給チャネルまたは充填チャネルとして機能し、一方、充填装置の少なくとも2つの空洞のうちの別の空洞は、通気チャネルとして機能する。したがって、出発材料の供給中にプロセスチャンバ内に導入された空気は、迅速かつ確実に除去されるため、後者は、プロセスチャンバ内に蓄積することができないか、または少なくとも目立つ程度まで蓄積することができず、混合および可塑化機械の軸方向に前後に並進して移動するスクリュー軸の後方ストローク中にスタッフィングボックスに対して押し付けることができない。これにより、空気およびそれに同伴された粉末または顆粒粒子がスタッフィングボックスを通過してギアボックスフランジに入ることが防止される。さらに、主に出発材料の異なる成分の混合物の微粒子をギアボックスフランジに同伴および移送した結果、プロセスチャンバ内の出発材料の成分の混合比は、不必要に変更される。加えて、それによって、スクリューねじ山は、具体的には、特に非常に低いかさ密度を有する粉末の場合にも、出発材料で最適に充填される。この後、本発明による混合および可塑化機械の動作において、スクリュー軸の支持軸、後者を取り囲むハウジング壁、およびギアボックスフランジとの間に配置されたシール、特にスタッフィングボックスが解放されるため、その動作時間または期間が著しく延長され、その間、後者は、支持軸とギアボックスフランジとの間の接続領域を気密に保つか、または混合および可塑化機械のプロセスチャンバからギアボックスフランジに、空気および微粒子材料が貫通すること確実に防止する。本発明による混合および可塑化機械の動作中、出発材料が混合および可塑化機械の充填装置の少なくとも2つの空洞のうちの1つのみを通って供給される一方で、充填装置の少なくとも2つの空洞のうちの少なくとももう1つの空洞を確実に空にしておくことのみが必要である。
【0008】
本発明のアイデアのさらなる開発では、充填装置の少なくとも2つの空洞は、少なくとも2つの空洞のうちの少なくとも1つが、ハウジングの長手方向に見ると、少なくとも2つの空洞のうちの少なくとももう1つに対してオフセットされて配置されるか、または少なくとも部分的にオフセットされて配置されるように、互いに分離されていることが提案される。この文脈において、オフセットされて配置されることは、一方の空洞が他方の空洞の上流に配置されることを意味する。それにより、上流および下流は、上流空洞が、下流空洞よりも混合および可塑化機械のハウジングの上流端部により近く配置されること、または下流空洞が、上流空洞よりも混合および可塑化機械のハウジングの下流端部により近く配置されることを意味する。それによって、混合および可塑化機械のハウジングの上流端部は、ハウジングの端部であり、それは駆動装置に接続されているか、または出発材料が供給されるものに接続されており、混合および可塑化機械のハウジングの下流端部は、混合および可塑化製品が排出されるハウジングの端部である。この文脈において、部分的にオフセットされて配置されていることは、ある空洞の上流部分がもう1つの空洞の上流部分の上流に配置されており、一方、2つの空洞の他の部分は、ハウジングの長手方向に対して互いに隣接して配置され得ることを意味する。充填装置の空洞のうちの1つの空洞の少なくとも一部を、充填装置の空洞のうちの別の空洞の上流に配置することによって、出発材料が、充填装置の下流空洞を通ってのみ混合および可塑化機械のプロセスチャンバまたはハウジングの内部に供給される一方で、充填装置の上流空洞が開放されたままであり、したがって、通気チャネルとして機能し得ることが可能である。その結果、充填装置の下流空洞を通って混合および可塑化機械のハウジングの内部に供給される出発材料を通して導入される空気は、スクリュー軸の後方ストローク中に充填装置の上流空洞の下部開口部の下に押し付けられ、空気は、再び底部から上流空洞を通って上方に、充填装置から逃げることができる。
【0009】
充填装置の形状に関して、本発明は、充填装置の空洞のうちの少なくとも1つが、提供された出発材料の量を単位時間当たり供給することができるように寸法決定され、設計されている限り、特に制限されない。充填装置が、立方体、円筒、円錐、円錐台、逆円錐、逆円錐台、くさび、くさびの基部、逆くさび、または逆くさびの基部の形態である場合、特に良好な結果が得られる。上記のように、充填装置は、ハウジング壁を通って延在する切り欠きを通って延在するか、またはハウジング壁を通って延在する切り欠きに接続される。それによって、ハウジング壁を通って延在する切り欠きを通って延在する充填装置は、充填装置の下部側壁が切り欠きの内縁に沿って延在し、それに接続されていることを意味すると理解されるが、そうでなければ、充填装置の下部側壁と切り欠きの内縁部との間に許容できない空洞が生じるためである。対照的に、ハウジング壁を通って延在する切り欠きに接続された充填装置は、充填装置の下部側壁が切り欠きの上部境界と同一平面に置かれており、その結果、充填装置の下部側壁の内縁部は、切り欠きの内縁と同一平面で接続されていることを意味すると理解される。充填装置がハウジング壁を通って延在する切り欠きを通って延在するか、またはハウジング壁を通って延在する切り欠きに接続されているかにかかわらず、空洞全体は、充填装置として理解され、この空洞は、充填装置の側壁および切り欠きの内縁によって形成される。したがって、充填装置が切り欠き上に配置されている場合、充填装置および切り欠き全体が充填装置として理解される。それによって、逆くさびまたは逆くさびの基部は、水平線に対して180°回転されたくさびまたはくさびの基部、すなわち、より大きなベース表面が上部に配置されるくさびまたはくさびの基部を示す。
【0010】
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、充填装置の側面は、壁によって閉鎖され、充填装置の下端部は、開放されており、充填装置の上端部は、開放されているか、または2つ以上の開放された接続部品を備えたカバーを備えるように提供される。
【0011】
供給された出発材料が、一方の空洞から他方の空洞に通過することができないように、混合および可塑化機械の充填装置の少なくとも2つの空洞を分離するために、少なくとも1つの分離壁が充填装置の全高にわたって延在することが特に好ましい。しかしながら、それほど好ましくはないが、少なくとも1つの分離壁が、充填装置の全高の少なくとも50%にわたって、または少なくとも80%にわたって、または少なくとも90%にわたって、具体的には、好ましくは充填装置の下縁、または充填装置が切り欠きの上に置かれている場合は、ハウジング壁の切り欠きから、およびより好ましくはスクリュー軸の最も外側の境界の真上から、すなわちスクリュー軸の最も外側の境界より0.1~10mm、より好ましくは0.3~5mm、および非常に特に好ましくは0.5~2mm上に延在することも可能である。少なくとも1つの分離壁が、充填装置の全高の少なくとも50%にわたって、または少なくとも80%にわたって、または少なくとも90%にわたって延在する場合、出発材料は、充填装置の送り軸に適切な注意を払って導入されるべきである。そのため、充填装置の高さは、充填装置の下縁、または充填装置が切り欠きの上に置かれる場合は、ハウジング壁の切り欠きから、側壁の上端部まで、すなわち、充填装置の上端部にカバーが配置される場合は、充填ネックなどのさらなる構造がカバー上に存在するかどうかにかかわらず、カバーの下縁までの垂直距離を意味すると理解される。
【0012】
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、充填装置は、立方体、くさびの基部、または逆くさびの基部の形態を有するように提供され、分離壁は、充填装置の、少なくとも50%にわたって、好ましくは少なくとも80%にわたって、特に好ましくは少なくとも90%にわたって、および最も好ましくは全高にわたって、ならびに充填装置の、少なくとも50%にわたって、好ましくは少なくとも80%にわたって、特に好ましくは少なくとも90%にわたって、および最も好ましくは全幅にわたって、ハウジングの断面積に対して少なくとも実質的に平行に延在する。この文脈において、断面積に実質的に平行であるとは、分離壁が、断面積に対して+20℃~-20°、好ましくは+10℃~-10°、特に好ましくは+5℃~-5°、の角度で配置されていることを意味する。最も好ましくは、分離壁は、ハウジングの断面積に平行に延在する。
【0013】
本発明のアイデアのさらなる開発では、充填装置は、2つの分離壁を含み、そのうちの一方の分離壁は、ハウジングの断面積に少なくとも実質的に平行に延在し、他方の分離壁は、ハウジングの長手方向面に少なくとも実質的に平行に延在し、2つの分離壁は、充填漏斗の断面で見ると、2つの完全に別個の空洞が設けられているように互いに接続されていることが提案される。このようにして、充填装置内の互いに相対的にオフセットされて配置された空洞は、簡易な方法で実現することができる。また、この実施形態では、両方の分離壁は、充填装置の、少なくとも50%にわたって、より好ましくは少なくとも80%にわたって、特に好ましくは少なくとも90%にわたって、および最も好ましくは全高にわたって延在することが好ましい。
【0014】
さらに、i)ギアボックスフランジとそれに接続されたハウジングの上流端部との間、および/またはii)ハウジングの上流端部において、ハウジングの内周面に対してスクリュー軸を密封するシール、好ましくはスタッフィングボックスが設けられており、ハウジングにおいて、ハウジングの内周面から、いくつかの区域において、ハウジング内に(すなわちハウジング壁内に)延在し、充填装置の上流端部に接続されている少なくとも1つのリリーフチャネルが設けられており、このリリーフチャネルは、ハウジングの長手方向に見ると、充填装置の上流端部から、少なくともいくつかの区域において、シールの方向に延在することが好ましい。上記のように、シールは、軸方向に並進するように前後に移動するスクリュー軸の後方ストローク中に、空気および/または出発材料がギアボックスフランジを貫通することを防ぐために必要である。ハウジングの長手方向に見ると、充填装置の上流端部から、少なくともいくつかの区域において、シールの方向に延在する少なくとも1つのリリーフチャネルを設けることによって、軸方向に並進するように前後に移動するスクリュー軸の後方ストローク中に、上流方向に押し付けられ、充填装置によって、通気チャネルとして作用する充填装置の上流空洞を通って排出されないが、通気チャネルとして作用する充填装置の空洞の上流端部の上流の領域を通過する、任意の同伴された出発材料を有する空気が、少なくとも1つのリリーフチャネルを通って通気チャネルに供給され、したがって充填装置を介して混合および可塑化機械から排出されることが実現される。結果として、シールおよび好ましくはスタッフィングボックスは、なおさらに解放される。いくつかの区域においてハウジング内に延在するリリーフチャネルは、くぼみを意味し、これは、ハウジングの内周面からハウジング壁内に延在するが、ハウジング壁を貫通して延在するわけではないと理解される。この場合、くぼみは、上から見て、任意の所望の幾何学的形状を有することができ、したがって、長方形の形状とは異なる形状を有することができる。リリーフチャネルという句のコンポーネントチャネルは、ここでは機能上の意味であり、リリーフチャネルの幾何学的形状とは関係ない。しかしながら、リリーフチャネルは、好ましくは、上から見て、長方形の形状を有し、したがって、3次元で見ると、チャネルの形状を有する。
【0015】
リリーフチャネルは、好ましくは、切り欠きの上流内縁からハウジングの内周面上に、シールまたはスタッフィングボックスの方向に、上流方向に、ハウジングの長手方向に少なくとも実質的に平行に延在し、充填装置の下部もしくは充填装置の側壁の下部は、切り欠きを通って延在するか、または充填装置の下部もしくは充填装置の側壁の下部は、切り欠きに接続されている。この文脈において、ハウジングの長手方向に実質的に平行であることは、リリーフチャネルがハウジングの長手方向に対して+20℃~-20°、好ましくは+10℃~-10°、特に好ましくは+5℃~-5°の角度で配置されていることを意味する。最も好ましくは、リリーフチャネルは、ハウジングの長手方向に平行に延在する。代替的に、リリーフチャネルはまた、スパイラルなどの形態でも延在することができる。
【0016】
そのような混合および可塑化機械のハウジングは、通常、2つのハウジングハーフから構成され、これは、互いに離れて折り畳まれ得るか、または折り畳まれて閉鎖されたハウジングを形成することができる。ハウジングハーフの場合、リリーフチャネルは、2つのハウジングハーフのうちの1つの内周面の縁に設けられるか、または各々の場合、1つのリリーフチャネルは、2つのハウジングハーフの各々の内周面の縁に設けられることが好ましい。この場合、リリーフチャネルまたは複数のリリーフチャネルは、ハウジングハーフ壁の縁上の溝をフライス加工することによって容易に製造することができる。
【0017】
本発明のアイデアのさらなる開発では、少なくとも1つのリリーフチャネルは、充填装置の上流端部から、シールまでの、少なくとも20%にわたって、好ましくは少なくとも40%にわたって、より好ましくは少なくとも60%にわたって、さらにより好ましくは少なくとも80%にわたって、特に好ましくは少なくとも90%にわたって、および最も好ましくは全長にわたって延在することが提案される。その結果、スクリュー軸の後方ストローク中にスタッフィングボックスの領域に送り返される空気の特に高い割合が、リリーフチャネルを介して通気チャネルに誘導され、通気チャネルを通って混合および可塑化機械から排出される。
【0018】
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、少なくとも1つのリリーフチャネルは、ハウジングの内周面から、ハウジング壁内に、1~50%だけ、好ましくは2~20%だけ、および特に好ましくは2~10%だけ延在し、ならびに/または約0.1Daなど、0.005~0.5Da、好ましくは0.02~0.3Da、特に好ましくは0.05~0.2Da、および非常に特に好ましくは0.08~0.12Daの幅を有することが好ましく、ここでDaは、中空内部の直径であり、中空内部が円筒形でない場合、最大の距離は、ハウジングの内周面の点から内周面の垂直に対向する点までである。例えば、幅は、0.1mm~100mm、好ましくは0.5mm~20mm、より好ましくは0.5mm~10mmである。そのようなリリーフチャネルは、空気の効率的な除去のために十分に大きな容積を有する。
【0019】
少なくとも1つのリリーフチャネルの幾何学的形状に関して、本発明は、特に制限されない。特に、少なくとも1つのリリーフチャネルが、楕円形、丸形、長方形、または正方形の断面、好ましくは長方形または正方形の断面を有する場合、良好な結果が得られる。
【0020】
本発明のさらなる非常に特に好ましい実施形態によれば、シールは、スタッフィングボックスであり、パッキンコードの間に少なくとも1つの耐熱プラスチック製の金属リングまたはプラスチックリングが設けられ、少なくとも1つの接続チャネルは、シールまたはスタッフィングボックスを径方向に囲むハウジングの長手方向区域に設けられ、その接続チャネルを介してハウジングの上流領域からハウジングの内部にガスを流入させることができるように提供される。金属リングまたはプラスチックリングはまた、特に、スクリュー軸を取り外す必要もなく、容易に交換することができるように、2つの部品に設計することもできる。少なくとも1つの接続チャネルによって、空気もしくは窒素などのバリア流体として作用するガス、または水もしくは別の製品互換性のある液体などのバリア流体として作用する液体が、少なくとも1つの接続チャネルを介して、ハウジングの内部に、具体的には、好ましくは内部に存在する圧力よりも高い圧力で供給されることによって、シールまたはスタッフィングボックスのさらなる解放を達成することができる。バリア流体は、金属リングまたはプラスチックリングにわたって分散される。このようにして、ハウジング内部を通る空気の任意の貫通に対する抵抗が、シールまたはスタッフィングボックスによって増加し、したがってスタッフィングボックスが、さらに解放されることが実現される。加えて、結果として、空気によって同伴される任意の材料粒子が、シールまたはスタッフィングボックス内に貫通することは、さらにより確実に回避される。その結果、混合および可塑化機械内のシールまたはスタッフィングボックスの耐用年数は、つまり例えば、2週間から6ヶ月を超えるまで大幅に増加する。内部に貫通したバリア流体は、リリーフチャネルを介して通気チャネル内を通過し、後者を介して混合および可塑化機械から出るため、導入されたバリア流体は、混合および可塑化機械における出発材料の調整を損なわない。
【0021】
本発明のアイデアのさらなる開発では、上記の実施形態の各々において、圧力が低すぎる場合に、アラームを設定し、監視し、好ましくは生成する測定装置を追加的に提供することが提案される。この目的のために、特に圧力測定装置を使用することができる。
【0022】
本発明によると、混合および可塑化機械は、上述のように設計された充填装置を含む。加えて、混合および可塑化機械は、1つ以上のさらなる充填装置を有することができるが、有する必要はない。任意選択のさらなる充填装置(複数可)の各々は、上述の本発明による充填装置のように設計することができる。しかしながら、好ましくは、任意選択の追加の充填装置(複数可)の各々は、上述とは異なる構成、すなわち、ハウジングへのサイドフィードとして構成される。混合および可塑化機械が2つ以上の充填装置を有する場合、少なくとも最も上流に配置された充填装置は、上述のように構成されることが好ましい。その下流に配置された1つ以上の充填装置は、例えば、その上流に既に添加された成分(複数可)が、既に予備混合されるか、またはある程度溶融された時点で、混合および可塑化機械の内部に混合されるさらなる成分を追加するために、設けられ得る。
【0023】
本発明によれば、混合および可塑化機械は、ハウジングと、ハウジング内に配置されたスクリュー軸とを含む。ハウジングは、好ましくは2つのハウジングハーフを含み、いわゆるハウジングシェルが内側にライニングされ得るが、そうである必要はない。そのため、ハウジングシェルは、存在する場合、本特許出願においてハウジングの構成要素としてみなされる。2つのハウジングハーフが閉鎖されているとき、ハウジングの内周面は、好ましくは円筒形の中空内部、したがって円形の断面を有する内部を画定する。スクリュー軸は、シャフトロッドまたは支持軸を含み、その周面上に翼要素が配置され、これは、シャフトロッドの周面上に径方向外向きに延在し、個々の翼要素は、互いに離間して配置されている。加えて、2つのハウジングハーフには、例えば、可塑化ボルト、可塑化歯などのための、可塑化要素のためのレセプタクルが設けられている。そのため、レセプタクルの各々は、ハウジングの内周面からハウジング壁を通って延在するボアホールである。可塑化ボルトのためのレセプタクルは、各々の場合、互いに離間して配置されているため、軸方向に見ると、2つのハウジングハーフの各々に延在し、好ましくは少なくとも2列、および好ましくは2~6列の形態で延在する。翼要素はまた、シャフトロッドの周面上に、スクリュー軸の軸方向に延在する少なくとも2列、および好ましくは2~6列に配置されている。
【0024】
本発明のさらなる主題は、出発材料を混合および可塑化するための方法であり、これは、前述の混合および可塑化機械で動作される。本発明による方法は、駆動装置をオンにし、充填装置の少なくとも2つの空洞のうちの1つのみを選択的に介して、混合および可塑化される出発材料をハウジングの内部に供給するステップを含む。
【0025】
好ましくは、方法は、少なくとも1つのリリーフチャネルおよび少なくとも1つの接続チャネルを含む、前述の混合および可塑化機械で実施され、ガスまたはバリア流体は、ハウジングの内部に存在する圧力よりも500Pa~10MPa、好ましくは10KPa~0.3MPa高い圧力でハウジングに導入される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明は、図面を参照して以下で詳細に説明される。
図1a】混合および可塑化機械の概略長手方向断面を示す。
図1b図1aに示される混合および可塑化機械のハウジングの斜視図を示す。
図2】本発明の一実施形態による、混合および可塑化機械のハウジングおよび充填装置の断面を示す。
図3a】本発明の別の実施形態による、混合および可塑化機械のハウジングおよび充填装置の長手方向断面を示す。
図3b図3aに示される混合および可塑化機械の充填装置の水平方向断面を示す。
図4】本発明の別の実施形態による、混合および可塑化機械のハウジングおよび充填装置の長手方向断面を示す。
【0027】
図1aおよび図1bに示され、100で全体として指定される混合および可塑化機械は、ハウジング10およびハウジング10内に配置されたスクリュー軸12を含む。ハウジング10は、いわゆるハウジングシェル16が内側にライニングされた2つのハウジングハーフ14、14′を含む。そのため、ハウジングシェル16は、本特許出願においてハウジング10の構成要素であると見なされる。2つのハウジングハーフ14、14′が閉鎖されているとき、ハウジング10の内周面は、円筒形の中空内部18、したがって円形の断面を有する内部18を画定する。スクリュー軸12は、シャフトロッド20を含み、その周面上に翼要素22が配置され、この翼要素は、シャフトロッド20の周面上に径方向外向きに延在し、個々の翼要素22は、互いに離間して配置されている。可塑化要素24のための、すなわち、可塑化ボルト、可塑化歯などのためのレセプタクル28が、2つのハウジングハーフ14、14′に設けられている。そのため、レセプタクル28の各々は、ハウジングシェル16の内周面からハウジング壁を通って延在するボアホール28である。各レセプタクル28の下部の径方向内側にある端部は、例えば、断面において正方形で設計され得る。次いで、各可塑化ボルト24は、例えば、その下端部に、レセプタクル28の正方形の径方向内側端部に正確に嵌合され、それによって、挿入状態での回転に対して固定されるように、レセプタクル28に固定される端部を有することができる。可塑化ボルト24は、レセプタクル28内に位置するその端部で、ねじ止めによりレセプタクル28の上部端部に挿入された固定要素(図示せず)に接続されている。代替的に、可塑化ボルト24はまた、ねじ用の内側の雌ねじを有し得、固定要素およびナットによって、代わりにねじで固定することができる。
【0028】
図1bから特に分かるように、2つのハウジングハーフ14、14′の各々における可塑化ボルト24のための、互いに等間隔で離間して配置されているレセプタクル28は、軸方向に見ると、3つの列29、29′、29″の形態で延在する。したがって、ハウジングのレセプタクルの列29、29’、29″の総数は、6列である。本発明の意味内で、列は、軸方向に互いに離間して配置された列29、29’、29″のレセプタクル28の上に敷かれた接続線が直線であることを意味すると理解される。図1aおよび図1bに示すように、混合および可塑化機械100は、軸方向に複数の処理区域34、34’、34″に分割され、可塑化ボルト24の数、ならびにシャフトロッド20上の翼要素22の数および範囲に関して、各処理区域34、34’、34″は、個々の処理区域34、34′、34″の機能に適合される。図1bに示されるように、2つの列、すなわち、上部列29および下部列29″は、可塑化ボルト24のためのレセプタクル28の3つの列29、29′、29″の上部ハウジングハーフ14の左側区域34および右側区域34″に可塑化ボルト24を備えているが、中央列29′は、可塑化ボルト24を備えていない。対照的に、列、すなわち中央列29′は、可塑化ボルト24のためのレセプタクル28の3つの列29、29′、29″の上部ハウジングハーフ14の中央区域34′に可塑化ボルト24を備えているが、上部列29および下部列29′‘は、可塑化ボルト24を備えていない。また、下部ハウジングハーフ14′の中央区域34′では、ハウジング10の中央区域34′が合計2列の対向する可塑化ボルト24を有するように、すなわち、ハウジング10の内周面上の2列の可塑化ボルト24の間の角度は180°であるように、中央列のみ可塑化ボルトが備えられている。混合される出発材料は、充填漏斗として設計された充填装置36を介して混合および可塑化機械100に供給され、次いで処理区域34、34′、34″を通って誘導され、最終的に出口開口部37を介して排出される。示される処理区域34、34’、34″の代わりに、本発明による混合および可塑化機械100はまた、特にまた4つの処理区域などのより多くの処理区域、または2つまたは1つの処理区域などのより少ない処理区域を有することができる。
【0029】
図2に示される本発明による混合および可塑化機械100は、図1aおよび図1bに示されるものと同様であり、さらに、駆動装置を含み、それによって、混合および可塑化機械100の動作中にスクリュー軸12が駆動または回転する。ギアボックスは、駆動装置とハウジングの上流端部との間に配置されており、このギアボックスは、ギアボックスフランジ38を介してハウジングの上流端部に接続されている。ハウジング10の内部18内に、混合および可塑化される少なくとも1つの出発材料を供給するために、ハウジング10上に配置された充填装置36は、ハウジング壁40を通って延在する切り欠き42に接続されている。それにより、充填装置36は、逆くさびの基部の形状を有する。充填装置36を側方に画定する側壁44、44′は、それぞれの下端部が切り欠き42の上部境界と同一平面上にある状態で、配置されており、その結果、充填装置36の下部側壁44、44′の内縁は、切り欠き42の内縁46と同一平面で接続されている。充填装置36の上端部は、カバー48によって画定され、カバー48は、2つの開放された接続部品50、50′を含む。本発明によれば、充填装置36の全高および全幅にわたって延在する分離壁52は、充填装置36に設けられており、この分離壁は、充填装置を2つの空洞54、54‘に分離する。それにより、2つの空洞54、54′は、ハウジング10の長手方向に見ると、互いにオフセットされて配置されており、空洞54は、駆動装置に面するハウジング10の上流端部から見ると、他方(図2の後部空洞)の下流に配置されている。
【0030】
図2に示される混合および可塑化機械100の動作において、出発材料は、充填チャネルとして機能する充填装置36の下流空洞54を介して、混合および可塑化機械100の内部18に連続的に導入される。充填装置36の空洞54を介した出発材料の供給の結果、内部18に導入された空気は、隣接する空洞(図2の後部空洞)の下部開口部を介して後者に大部分が貫通し、それによって充填装置36を通して底部から上向きに排出される。したがって、出発材料の供給中に内部18に導入された空気は、迅速かつ確実に除去されるため、当該空気は、内部空間18において蓄積することができないか、または少なくとも目立つ程度まで蓄積することができず、混合および可塑化機械100の軸方向に前後に並進して移動するスクリュー軸12の後方ストローク中に、スクリュー軸12を密封するシールに対して押し付けることができない。これにより、空気およびそれに同伴された粉末または顆粒粒子が、シールを通過してギアボックスフランジ38に入ることを防止する。
【0031】
図3aでは、本発明の別の実施形態による、混合および可塑化機械100のハウジング10および充填装置36の長手方向断面が示される。図3bにより詳細に示すように、それによって、充填装置36は、2つの分離壁52、52′を含み、そのうちの1つの分離壁52は、ハウジング10の断面積に平行に延在し、他方の分離壁52′は、ハウジング10の長手方向面に平行に延在する。そのため、2つの分離壁52、52′は、充填漏斗36の断面で見ると、互いに完全に分離されている2つの空洞54、54′が設けられるように互いに接続されている。上部では、充填装置36は、3つの接続部品50、50′、50″を含むカバー48によって画定されている。この実施形態では、スタッフィングボックス56の形態のシール56は、ハウジング10の内周面に対してスクリュー軸12を密封するために、ギアボックスフランジ38とハウジング10の関連付けられた上流端部との間に設けられている。加えて、リリーフチャネル58は、ハウジング10またはハウジング壁40に配置されている。リリーフチャネル58は、いくつか区域において、ハウジング10の内周面からハウジング壁40内に延在し、充填装置36の上流端部に接続されているくぼみであり、このくぼみは、ハウジング10の長手方向に見ると、充填装置36の上流端部から、スタッフィングボックス56の方向に、特にハウジング10の長手方向に平行に延在する。
【0032】
図3aおよび図3bに示される混合および可塑化機械100の動作において、軸方向に前後に並進して移動するスクリュー軸12の後方ストロークの場合、軸方向に前後に並進して移動するスクリュー軸12の後方ストローク中に上流方向に押され、充填装置36によって通気チャネル54’として機能する充填装置36の上流空洞54’を通って排出されないが、むしろ、通気チャネル54’として機能する充填装置36の空洞54’の上流端部の上流の領域に通過する、出発材料が同伴された空気は、リリーフチャネル58を通って通気チャネル54’に供給され、したがって、充填装置36を介して混合および可塑化機械100から排出される。結果として、スタッフィングボックス56は、さらに解放される。
【0033】
本発明の別の実施形態による図4に示される混合および可塑化機械100では、図3aおよび図3bに示される実施形態と比較して、接続チャネル60が追加で設けられており、これを介して、流体をハウジング10の下流領域からハウジング10の内部18内に流すことができる。加えて、この実施形態では、スタッフィングボックス56は、パッキンコードの間に金属リング62を有する。シールまたはスタッフィングボックス56のさらなる解放は、空気または窒素などのバリア流体として作用するガスをハウジング10の内部18に接続チャネル60を介して供給することによって、具体的には、好ましくは内部18に存在する圧力よりも高い圧力で供給することによって、接続チャネル60を介して実現され得る。結果として、シールまたはスタッフィングボックス56を通してハウジング10の内部18からの空気の任意の貫通に対する抵抗が増加し、したがってスタッフィングボックス56がさらに解放されることが実現される。加えて、結果として、空気によって同伴される任意の材料粒子が、シールまたはスタッフィングボックス56内に貫通することは、さらにより確実に回避される。その結果、混合および可塑化機械100内のシールまたはスタッフィングボックスの耐用年数は、つまり例えば、2週間から6ヶ月を超えるまで大幅に増加する。内部18に貫通したバリア流体は、リリーフチャネル58を介して通気チャネル54′を通過し、後者を介して混合および可塑化機械100を出る。
【0034】
参照符号のリスト
10 ハウジング
12 スクリュー軸
14、14′ ハウジングハーフ
16 ハウジングシェル
18 中空内部
20 シャフトロッド
22 翼要素
24 可塑化要素/可塑化ボルト
28 可塑化要素用レセプタクル/ボアホール
29、29’、29″ 可塑化要素用レセプタクルの(軸方向に延在する)列
34、34′、34″ 処理区域
36 充填装置/充填漏斗
37 出口開口部
38 ギアボックスフランジ
40 ハウジング壁
42 ハウジング壁の切り欠き
44、44’、44’’、44’’’ 充填装置の側壁
46 切り欠きの内縁
48 充填装置のカバー
50、50′、50″ カバーの接続部品
52、52′ 充填装置の分離壁
54、54′ 充填装置の空洞
56 シール/スタッフィングボックス
58 リリーフチャネル
60 接続チャネル
62 スタッフィングボックスの金属リング
100 混合および可塑化機械

図1a
図1b
図2
図3a
図3b
図4