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  • 特許-イオン化装置を備えたガス検知器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】イオン化装置を備えたガス検知器
(51)【国際特許分類】
   H01J 49/02 20060101AFI20240314BHJP
   G01N 27/62 20210101ALI20240314BHJP
   H01J 49/26 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
H01J49/02 500
G01N27/62 G
H01J49/02 200
H01J49/26
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021548612
(86)(22)【出願日】2020-02-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-06
(86)【国際出願番号】 EP2020053756
(87)【国際公開番号】W WO2020169446
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2022-11-18
(31)【優先権主張番号】102019202242.1
(32)【優先日】2019-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500469855
【氏名又は名称】インフィコン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Inficon GmbH
【住所又は居所原語表記】Bonner Strasse 498, D-50968 Koeln, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100154771
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100220489
【弁理士】
【氏名又は名称】笹沼 崇
(72)【発明者】
【氏名】ロルフ・ノルベルト
【審査官】大門 清
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-526698(JP,A)
【文献】特開2006-284198(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0244526(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0357981(US,A1)
【文献】特開平05-206752(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 40/00-49/48
G01N 27/62
H03F 3/34、 3/45
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出対象のガスに応じてイオンを生成し、捕捉器で前記イオンにより生成された電流を受けるイオン化装置(12)と、
前記電流から電気測定電位を生じる電気測定抵抗(16)を備えた測定装置(14)と、を備え、
前記測定抵抗は、電気遮蔽抵抗Rにより少なくとも一部が囲まれており、
前記測定抵抗及び前記遮蔽抵抗Rの互いに対向する領域には、最大25%の偏差で、同一電位が印加されているガス検知器(10)において、
前記遮蔽抵抗(R )は複数の導電体(24)のチェーンとして形成され、当該複数の導電体(24)はそれぞれ前記測定抵抗を少なくとも一部囲んでおり、
個別抵抗(R T1 ~R TN )は隣接する前記導電体(24)間に配置され、
前記チェーンの一方の端部(30)は前記測定抵抗(16)の一方の端部(18)と同一の電位を有し、
前記チェーンの他方の端部(32)は前記測定抵抗の他方の端部(20)と同一の電位を有し、
前記測定抵抗の下方の面(22)の各導電部分面(22a~22f)上で前記測定抵抗(16)を挟んだ両側に、各々2つの導電体(24)が対になって配置され、
前記各導電部分面(22a~22f)に電気的に接続されていることを特徴とする、ガス検知器。
【請求項2】
請求項1に記載のガス検知器(10)において、前記測定抵抗の2つの端部のうちの一方は、前記遮蔽抵抗Rの2つの端部のうちの一方と電気的に接続され、これにより、当該端部同士が同一電位を有することを特徴とする、ガス検知器(10)。
【請求項3】
請求項2に記載のガス検知器(10)において、前記測定抵抗及び前記電気遮蔽抵抗Rのそれぞれの他方の端部は、最大25%の偏差で、接地電位となっていることを特徴とする、ガス検知器(10)。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のガス検知器(10)において、前記遮蔽抵抗
は前記測定抵抗(16)よりも低い抵抗値を有することを特徴とする、ガス検知器(10)。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のガス検知器(10)において、前記遮蔽抵抗Rの抵抗値は、最大1メガオームであり、前記測定抵抗(16)の抵抗値は1ギガオームより大きいことを特徴とする、ガス検知器(10)。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のガス検知器(10)において、前記測定抵抗(16)は、その長さがその高さ及び幅よりも大きい形態で細長くなっており、前記遮蔽抵抗Rは少なくとも前記測定抵抗(16)の前記長さの大部分を越えて延在することを特徴とする、ガス検知器(10)。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のガス検知器(10)において、前記遮蔽抵抗Rの長さは前記測定抵抗(16)の前記長さよりも大きく、異なる電位を有する前記遮蔽抵抗の一部は、前記測定抵抗(16)のアクティブ領域と同じ長さであり、
前記測定抵抗を超えて突出する前記遮蔽抵抗の部分は同じ電位を有することを特徴とする、ガス検知器(10)。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のガス検知器(10)において、前記導電体(24)はそれぞれピン柱として設計されることを特徴とする、ガス検知器(10)。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のガス検知器(10)において、前記導電体(24)はそれぞれ前記測定抵抗(16)を挟んだ両側で突出することを特徴とする、ガス検知器(10)。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のガス検知器(10)において、前記導電体(24)はそれぞれ前記測定抵抗(16)の周囲で湾曲した又は屈曲した部分(34)を有することを特徴とする、ガス検知器(10)。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載のガス検知器(10)において、2つの隣接する導電体(24)がそれぞれ電気的に互いに接続されて二重対をなすことを特徴とする、ガス検知器(10)。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のガス検知器(10)において、前記遮蔽抵抗Rは前記測定抵抗(16)を囲む円筒(40)として設計されることを特徴とする、ガス検知器(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検知対象のガス種別に応じてイオンを生成し、当該イオンに応じて電位を生じる、イオン化装置(Ionisiervorrichtung)を備えたガス検知器に関する。
【背景技術】
【0002】
上記イオン化装置として、分圧を測定するためのセクターフィールド質量分析計若しくは四重極質量分析計、又は全圧を測定するためのイオン化真空計などの質量分析計がある。このようなイオン化装置は、特定のガス種別に応じてイオンを生成するように設計される。上記イオンによって生じたイオン電流は、捕捉器によって受け取られる。
【0003】
測定可能な測定電位をイオン電流から生成する測定装置を使用して、上記生成されたイオン電流を測定する。このため、上記測定装置は、例えばオペアンプを有する電流増幅器を備えて上記イオン電流を増幅する。測定可能な電気測定電位は、例えばオペアンプのフィードバックにおいて上記増幅された電流から電気測定抵抗により生成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高速真空用途では、頻繁に使用される低電流領域において、上記電流増幅器は、信号チェーンの中で最も遅いリンクである。本発明によれば、この不都合が回避される。
【0005】
また、電子増倍管を用いて上記イオン電流を増幅する構成が知られている。これにより、応答時間は短縮されるが、安定性が低下する。
【0006】
特に、従来は、小さな電流で高オーム抵抗を用いる必要があり、このような抵抗は周囲に対して大きな静電容量を有する。上記測定抵抗の周囲が接地電位に接続されている場合、信号がジャンプした際に増加が生じる。一方、上記測定抵抗の周囲の一部が上記電流増幅器の出力信号上にあると、当該出力信号はゆっくりと増加する。
【0007】
上記イオンから生じた電流の測定用に従来使用される測定抵抗は、上記測定信号中のノイズ成分を低く抑えるために、およそ500ギガオームの範囲の高い抵抗を有している。高オームの測定抵抗は、望ましくない寄生浮遊容量(parasitaere Streukapazitaeten)を生じる。
【0008】
本発明はイオン化装置を備えた改良されたガス検知器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るガス検知器は請求項1に記載の特徴により定義される。
【0010】
本発明に係るガス検知器は、上記タイプのイオン化装置を備える。本発明によれば、上記測定抵抗は、電気遮蔽抵抗(elektrischen Schirmwiderstand)により少なくとも一部が囲まれており、上記測定抵抗及び上記遮蔽抵抗の互いに対向する領域には、上記測定抵抗の長手方向に、最大25%の偏差で(bis auf eine Abweichung von maximal 25%)、同一電位が印加される。その結果、上記測定抵抗に亘って生じる電圧降下と同等又はほぼ同一の電圧降下が上記遮蔽抵抗に亘って生じる。これにより、寄生浮遊容量には電流が存在しなくなる。
【0011】
上記測定抵抗及び上記電気遮蔽抵抗は共に、互いに対向する外側端部を有しており、各外側端部は上記各抵抗の電気的接触に用いられる。上記測定抵抗の2つの端部には、上記遮蔽抵抗の対応する端部とほぼ同一の電位が印加される。言い換えれば、これは、上記測定抵抗の第1の端部には、概ね、つまり、最大25%の偏差で、上記遮蔽抵抗の第1の端部と同一の電位が印加されることを意味する。上記測定抵抗の第2の端部には、最大25%の偏差で、上記遮蔽抵抗の第2の端部と同一の電位が印加される。その結果、空間的に分布した態様で、上記測定抵抗及び上記遮蔽抵抗に亘って同一の電位降下が生じることになる。
【0012】
この場合、上記測定抵抗の一方の端部を上記遮蔽抵抗の一方の端部に電気的に接続し、当該2つの端部に同一電位が印加されるようにすることが好ましい。そして、上記測定抵抗及び上記遮蔽抵抗のそれぞれの他方の端部は、最大25%の偏差で、接地電位とすることができる。上記最大25%の偏差は、例えば、下記事実に基づき得る。上記測定抵抗のそれぞれの端部はオペアンプの入力側を介して接地へと接続されるため、上記測定抵抗の関連接続と接地電位との間において上記オペアンプの入力電圧に対応する電位差による降下が依然として生じることになる。
【0013】
上記遮蔽抵抗の抵抗値は上記測定抵抗の抵抗値より低くすべきである。例えば、上記遮蔽抵抗の抵抗値は最大1メガオームとすることができ、上記測定抵抗の抵抗値は100ギガオームより大きくすることができる。この場合、上記遮蔽抵抗は低い抵抗値で設計され、これ自体で発生する浮遊容量は無視できるものである。
【0014】
上記遮蔽抵抗において上記測定抵抗と同一の電圧降下をもたらすために、上記遮蔽抵抗の寸法を上記測定抵抗の寸法と同様とすると好適である。典型的には、上記測定抵抗は、その長さがその高さ及び幅よりも大きい形態で、細長いものである。好ましくは、上記遮蔽抵抗の全長は、上記測定抵抗の長さよりも大きい。この場合、上記遮蔽抵抗の、上記測定抵抗を越えて突出する部分は、同一電位を有する。
【0015】
上記遮蔽抵抗は、上記測定抵抗を囲むように当該測定抵抗に対して押し込んだ円筒とすることができる。上記円筒状の遮蔽抵抗は、所望の幾何学的寸法に加えて所望の低オーム抵抗値を実現するために、例えば、カーボンチューブとすることができる。
【0016】
別案として、上記遮蔽抵抗は複数の導電体のチェーンとして形成し、当該複数の導電体はそれぞれ上記測定抵抗を少なくとも一部囲むものとすることができる。低オーム個別抵抗が隣接する導電体間に配置される。上記チェーンの第1の端部は、上記測定抵抗の第1の端部と同一の電位を有する。一方、上記チェーンの反対側の第2の端部は前記測定抵抗の反対側の第2の端部と同一の電位を有する。上記遮蔽抵抗の、上記測定抵抗を越えて突出する部分は、上記測定抵抗のそれぞれの端部と同電位を有する。好ましくは、上記個別抵抗は、それぞれ最大100キロオームの抵抗値を有する。
【0017】
上記導電体はそれぞれ上記測定抵抗の周囲で湾曲した又は屈曲した部分を有すると好適である。
【0018】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照してさらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】模式ブロック図である。
図2】第1の実施形態における斜視図である。
図3図2の矢印IIIから見た図である。
図4】第2の実施形態における図3に対応する図である。
図5】第3の実施形態における図3に対応する図である。
図6】第1の実施形態における回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1に示すように、ガス検知器10は、イオン化装置(Ionisiervorrichtung)12及び測定装置(Messvorrichtung)14を有する。上記イオン化装置は質量分析計とすることができる。上記測定装置の構成を図2においてさらに詳しく示す。
【0021】
測定装置14は、測定抵抗(Messwiderstand)16と共に、測定電流を増幅するオペアンプ(Operationsverstaerker)(図2において不図示)を有する。本例では、測定抵抗16は、楕円形の断面を有する円筒形状の細長い構成要素である。上記測定抵抗の長さは、幅及び高さよりも大きい。上記測定抵抗の第1の先端部18及びその反対側の第2の先端部20は、上記オペアンプに電気的に接続され、測定抵抗16の下方で導電体を介して面22上に支持されている。
【0022】
測定抵抗16に隣接して、複数の導電体22a~22f、24からなる電気遮蔽抵抗(Schirmwiderstand)Rが形成されており、低オーム個別抵抗(niederohmige Einzelwiderstaende)RT1、RT2、RT3、RT4、RT5が、隣接する導電体24間に配置され、当該導電体24に電気的に接続されている。導電体24はそれぞれ垂直に突出するピン柱(Stiftpfosten)として設計され、測定抵抗16を挟んだ両側で2列26、28に配置されている。上記2列26、28は直線状であり、互いに平行で、測定抵抗16から等距離の位置で測定抵抗16に対して平行に配置される。対向する導電体24同士は電気的に接続され、導電体24により複数の導電体対のチェーンが形成される。上記チェーンの一方の端部30は、測定抵抗16の一方の端部18と同一の電位を有する。上記測定抵抗は端部18で測定電流を受けなければならないので、測定抵抗は部分領域22aとは電気的に接続されていない。上記チェーンの反対側の他方の端部32は、測定抵抗16の他方の端部20と同一の電位を有する。
【0023】
導電体24の導電体対(Leiterpaare)は、二重対(Doppelpaar)として配置されており、導電体24の導電体対がそれぞれ測定抵抗16の長手方向に接続されて二重対を形成する。隣接する部分領域22a、22b、22c、22d、22e、22f同士はそれぞれ上記個別抵抗RT1~RT5の1つを介して接続されている。各個別抵抗間で生じる電圧降下により、隣接する部分領域同士及びそれに対応する隣接する二重対の導電体24同士は互いに異なる電位となる。
【0024】
導電体24は、測定抵抗16をその側方の両側で遮蔽する。測定抵抗16は、下方において、導電性の部分領域22a~22fにより遮蔽される。第1の実施形態では、図3に示すように、面22とは反対側である測定抵抗16の上側は遮蔽されていない。
【0025】
測定抵抗16の上側も遮蔽するために、図4に示す第2の実施形態の導電体24はそれぞれ屈曲部(abgewinkelten Abschnitt)34を有する。各導電体はこのようにL字状に形成される。同じ列26又は28の屈曲部34は互いに平行に且つ同一方向に揃えられる。図4に示すように、異なる列26、28の導電体24の端部36同士は互いに揃えられる。異なる列26、28の導電体の端部36間には小さい隙間38が存在する。
【0026】
図2において、上記導電体のピン柱は円柱状に形成される。これに限らず、導電体24の他の形状として、例えば、導電部分面22a~22fの幅に対応する幅を有する平坦な壁片状(wandstueckartige)の要素としてもよい。好ましくは、列26、28の隣接する導電体24及び隣接する部分領域の間には長手方向に、絶縁のための小さな隙間のみが存在し、導電体24及び部分領域の平坦設計により大きな遮蔽が実現する。
【0027】
これにより、列26、28の導電体はそれぞれ連続する湾曲した導電体で構成することができる。さらに、上記ピン柱の2列から、2本のピン柱はそれぞれ互いに長手方向に接続することができる。これにより、上記抵抗Rの半分が必要となる。
【0028】
図5の実施形態では、上記導電体24の代わりに円筒40として設計された遮蔽抵抗Rが設けられ、当該遮蔽抵抗は測定抵抗16を周方向に完全に囲んでいる。
【0029】
図6は、図2に対応する第1の実施形態に係る測定装置14の電気回路図を示す。遮蔽抵抗Rの長さは測定抵抗16の全長に相当する、又はそれを超えることが分かる。測定抵抗16及び遮蔽抵抗Rは、オペアンプOPのフィードバック経路の構成要素である。各個別抵抗RT1~RT5は数キロオームの範囲の抵抗値を有する。
【0030】
実施形態では5つの個別抵抗からなる遮蔽抵抗Rが示されている。当該個別抵抗の個数は一例に過ぎない。好ましくは、個別抵抗は隣接する各電気部分領域間に配置される。図2のように、n番目毎の部分領域のみ個別抵抗を介して各隣接する部分領域に接続し、残りの隣接する部分領域同士は別途の抵抗無しで接続してもよい。
【0031】
図2及び図6における実施形態では、全長が測定抵抗16の長さよりも大きい遮蔽抵抗Rを示している。これに限らず、遮蔽抵抗Rの全長は測定抵抗16の長さと同一としてもよい。この場合、対応するさらなる導電体24の対を備えたさらなる部分領域を、測定抵抗16の2つの先端部18、20を越えて突出する領域に配置することができる。上記追加の部分領域は電気的接続により同一電位とされる。
【0032】
また、測定抵抗16の各先端部18、20の電気的遮蔽(不図示)のため、例えば、各先端部18、20の領域に、垂直に突出する導電性の壁を形成してもよい。その場合、上記突出壁はそれぞれ対応する電気部分領域に接続され、又は当該部分領域と同一電位とされる。
以下、本発明に含まれる態様を記す。
〔態様1〕検出対象のガスに応じてイオンを生成し、捕捉器で前記イオンにより生成された電流を受けるイオン化装置(12)と、
前記電流から電気測定電位を生じる電気測定抵抗(16)を備えた測定装置(14)と、を備え、
前記測定抵抗は、電気遮蔽抵抗R により少なくとも一部が囲まれており、
前記測定抵抗及び前記遮蔽抵抗R の互いに対向する領域には、最大25%の偏差で、同一電位が印加されることを特徴とする、ガス検知器(10)。
〔態様2〕態様1に記載のガス検知器(10)において、前記測定抵抗の2つの端部のうちの一方は、前記遮蔽抵抗R の2つの端部のうちの一方と電気的に接続され、これにより、当該端部同士が同一電位を有することを特徴とする、ガス検知器(10)。
〔態様3〕態様2に記載のガス検知器(10)において、前記測定抵抗及び前記電気遮蔽抵抗R のそれぞれの他方の端部は、最大25%の偏差で、接地電位となっていることを特徴とする、ガス検知器(10)。
〔態様4〕態様1~3のいずれか一態様に記載のガス検知器(10)において、前記遮蔽抵抗R は前記測定抵抗(16)よりも低い抵抗値を有することを特徴とする、ガス検知器(10)。
〔態様5〕態様1又は2に記載のガス検知器(10)において、前記遮蔽抵抗R の抵抗値は、最大1メガオームであり、前記測定抵抗(16)の抵抗値は1ギガオームより大きいことを特徴とする、ガス検知器(10)。
〔態様6〕態様1~5のいずれか一態様に記載のガス検知器(10)において、前記測定抵抗(16)は、その長さがその高さ及び幅よりも大きい形態で細長くなっており、前記遮蔽抵抗R は少なくとも前記測定抵抗(16)の前記長さの大部分を越えて延在することを特徴とする、ガス検知器(10)。
〔態様7〕態様1~6のいずれか一態様に記載のガス検知器(10)において、前記遮蔽抵抗R の長さは前記測定抵抗(16)の前記長さよりも大きく、それぞれ異なる電位を有する前記遮蔽抵抗の部分は、前記測定抵抗(16)のアクティブ領域と同じ長さであることを特徴とする、ガス検知器(10)。
〔態様8〕態様1~7のいずれか一態様に記載のガス検知器(10)において、前記遮蔽抵抗R は複数の導電体(24)のチェーンとして形成され、当該複数の導電体(24)はそれぞれ前記測定抵抗を少なくとも一部囲んでおり、
個別抵抗(R T1 ・・・R TN )は隣接する前記導電体(24)間に配置され、
前記チェーンの一方の端部(30)は前記測定抵抗(16)の一方の端部(18)と同一の電位を有し、前記チェーンの他方の端部(32)は前記測定抵抗の他方の端部(20)と同一の電位を有することを特徴とする、ガス検知器(10)。
〔態様9〕態様8に記載のガス検知器(10)において、前記測定抵抗の下方の面(22)の各導電部分面(22a~22f)上で前記測定抵抗(16)を挟んだ両側に、各々2つの導電体(24)が対になって配置され、前記各導電部分面(22a~22f)に電気的に接続されていることを特徴とする、ガス検知器(10)。
〔態様10〕態様8又は9に記載のガス検知器(10)において、前記導電体(24)はそれぞれピン柱として設計されることを特徴とする、ガス検知器(10)。
〔態様11〕態様8~10のいずれか一態様に記載のガス検知器(10)において、前記導電体(24)はそれぞれ前記測定抵抗(16)を挟んだ両側で突出することを特徴とする、ガス検知器(10)。
〔態様12〕態様8~11のいずれか一態様に記載のガス検知器(10)において、前記導電体(24)はそれぞれ前記測定抵抗(16)の周囲で湾曲した又は屈曲した部分(34)を有することを特徴とする、ガス検知器(10)。
〔態様13〕態様1~12のいずれか一態様に記載のガス検知器(10)において、2つの隣接する導電体(24)がそれぞれ電気的に互いに接続されて二重対をなすことを特徴とする、ガス検知器(10)。
〔態様14〕態様1~13のいずれか一態様に記載のガス検知器(10)において、前記遮蔽抵抗R は前記測定抵抗(16)を囲む円筒(40)として設計されることを特徴とする、ガス検知器(10)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6