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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】セロトニン5-HT2B阻害化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/04 20060101AFI20240314BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20240314BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20240314BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20240314BHJP
   C07D 409/14 20060101ALI20240314BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20240314BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20240314BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
C07D401/04 CSP
C07D401/12
C07D401/14
C07D405/14
C07D409/14
A61K31/454
A61P9/04
A61P43/00 114
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021557368
(86)(22)【出願日】2020-03-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-30
(86)【国際出願番号】 US2020024969
(87)【国際公開番号】W WO2020198478
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-10-17
(31)【優先権主張番号】62/825,051
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515230154
【氏名又は名称】ゾエティス・サービシーズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100106080
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 晶子
(72)【発明者】
【氏名】イーウィン,リチャード・アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】サブラマニアン,ゴビンダン
(72)【発明者】
【氏名】デン,ジンシア(ナンシー)
【審査官】早川 裕之
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-512877(JP,A)
【文献】国際公開第2007/097197(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K 31/
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3’-(メチルスルホニル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン
(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-フェノキシフェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(フェニルアミノ)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3’-クロロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(9H-カルバゾール-2-イル)メタノン
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-4-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-1-イル)フェニル)メタノン
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(1-フェニル-1H-インドール-5-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(5-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(2-メチル-1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-インドール-6-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(1H,1’H-[3,4’-ビインドール]-6-イル)メタノン、
[4-(1H-イミダゾール-2-イル)-1-ピペリジル]-[3-(1H-インドール-3-イル)-1H-インドール-6-イル]メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-2-イル)フェニル)メタノン、
(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3-フェニル-1H-インドール-6-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3-フェニル-1H-インドール-6-イル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、および
(4-(5-フルオロ-1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、ならびにそれらの獣医学的に許容される塩からなる群から選択される、化合物。
【請求項2】
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、および
(4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(2-メチル-1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、ならびにそれらの獣医学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノンおよび
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、ならびにそれらの獣医学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、および
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、ならびにそれらの獣医学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノンまたは(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、およびそれらの獣医学的に許容される塩である、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3’-(メチルスルホニル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン
(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-フェノキシフェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(フェニルアミノ)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3’-クロロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(9H-カルバゾール-2-イル)メタノン
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-4-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-1-イル)フェニル)メタノン
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(1-フェニル-1H-インドール-5-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(5-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(2-メチル-1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-インドール-6-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(1H,1’H-[3,4’-ビインドール]-6-イル)メタノン、
[4-(1H-イミダゾール-2-イル)-1-ピペリジル]-[3-(1H-インドール-3-イル)-1H-インドール-6-イル]メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-2-イル)フェニル)メタノン、
(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3-フェニル-1H-インドール-6-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3-フェニル-1H-インドール-6-イル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、および
(4-(5-フルオロ-1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、ならびにそれらの獣医学的に許容される塩からなる群から選択される化合物を含む、組成物。
【請求項7】
(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノンおよび
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、ならびにそれらの獣医学的に許容される塩からなる群から選択される化合物を含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、少なくとも1つの獣医学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項6または7に記載の組成物。
【請求項9】
粘液腫性僧帽弁疾患、うっ血性心不全、および/または無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬を調製するための、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3’-(メチルスルホニル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン
(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-フェノキシフェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(フェニルアミノ)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3’-クロロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(9H-カルバゾール-2-イル)メタノン
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-4-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-1-イル)フェニル)メタノン
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(1-フェニル-1H-インドール-5-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(5-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(2-メチル-1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-インドール-6-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(1H,1’H-[3,4’-ビインドール]-6-イル)メタノン、
[4-(1H-イミダゾール-2-イル)-1-ピペリジル]-[3-(1H-インドール-3-イル)-1H-インドール-6-イル]メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-2-イル)フェニル)メタノン、
(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3-フェニル-1H-インドール-6-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3-フェニル-1H-インドール-6-イル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、および
(4-(5-フルオロ-1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、ならびにそれらの獣医学的に許容される塩からなる群から選択される化合物の、使用。
【請求項10】
粘液腫性僧帽弁疾患、うっ血性心不全、および/または無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬を調製するための、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、および
(4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(2-メチル-1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、ならびにそれらの獣医学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項9に記載の化合物の、使用。
【請求項11】
粘液腫性僧帽弁疾患、うっ血性心不全、および/または無症候性心不全を有する動物を治療するための組成物であって、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3’-(メチルスルホニル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン
(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-フェノキシフェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(フェニルアミノ)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3’-クロロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(9H-カルバゾール-2-イル)メタノン
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-4-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-1-イル)フェニル)メタノン
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(1-フェニル-1H-インドール-5-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(5-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(2-メチル-1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-インドール-6-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(1H,1’H-[3,4’-ビインドール]-6-イル)メタノン、
[4-(1H-イミダゾール-2-イル)-1-ピペリジル]-[3-(1H-インドール-3-イル)-1H-インドール-6-イル]メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-2-イル)フェニル)メタノン、
(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3-フェニル-1H-インドール-6-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3-フェニル-1H-インドール-6-イル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、および
(4-(5-フルオロ-1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、ならびにそれらの獣医学的に許容される塩からなる群から選択される、治療有効量の化合物を含む、組成物。
【請求項12】
前記化合物が、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、および
(4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(2-メチル-1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、ならびにそれらの獣医学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記化合物が、
(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、および
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、ならびにそれらの獣医学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記動物がイヌである、請求項11~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物が、経口、局所、または注射可能な投与経路によって前記動物に投与され、前記組成物が、少なくとも1日1回投与される、請求項14に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物における僧帽弁疾患およびうっ血性心不全の治療に有用なセロトニン5-HT2B受容体アンタゴニストである新規化合物を記載する。本発明はまた、本発明の化合物を含む組成物、ならびに僧帽弁疾患およびうっ血性心不全を有する動物を治療するための該化合物の使用方法も記載する。
【背景技術】
【0002】
セロトニン5-HT2B受容体は、最初に、ラットの胃底における収縮を制御するセロトニン作動性Gタンパク質結合受容体と特徴付けられた(Clineschmidt,et al.,1985,J.Pharmacol.Exp.Ther.,235,696)。5-HT2Bはその後、脂肪組織、中枢神経系、心臓、肝臓、腸、肺、骨格筋、脾臓、ならびに他の器官および組織を含むヒト組織において(Kursar et al.,1994,Mal.Pharmacol.,46,227、Sanden et al.,2000,Neurochem Int.,36,427-435、Borman et al.,2002 Br. J.Pharmacol.,135,1144、Schmuck et al.,1994,FEES Lett.,342,85)、ならびに肺、心臓、平滑筋、および脳を含むイヌ組織において(Bonaventure et.al,Eur J.Pharmacol.2005 April 25,513(3)181-192、Oyama et.al.,J.Vet.Intern.Med.2010,24,27-36)検出されている。アンタゴニスト、部分アンタゴニスト、逆アゴニスト、および5-HT2B減感剤を含む5-HT2Bの調節剤は、5-HT2Bの活性化が直接的または間接的な役割を有するこれらの組織における障害の治療として使用され得る。
【0003】
セロトニン(5-ヒドロキシトリプタミン、5HT)レベルおよびシグナル伝達の制御は、中枢神経系、腸収縮および運動、ならびに血管機能の障害を治療するために使用される。5-HTは、血管収縮および弛緩に役割を有し、血管機能、成長、および形態に影響を及ぼす可能性がある。野生型マウスは、低酸素条件下で肺動脈高血圧症(PAH)の症状を発症する一方で、5-HT2B受容体ノックアウトマウスは発症せず、5-HT2Bの調節がPAHを緩和することを示唆する。5-HT2B受容体ノックアウトマウスの表現型は、心臓発達に対するこの受容体の重要性を示す。生存マウスは、筋細胞増殖障害から生じる未発達の心臓を有する(Nebigil,et al.,2001,Circulation,103,2973)。逆に、マウスにおける5-HT2Bの過剰発現は、心肥大につながる(Nebigil,et.Al.,2003,Circulation,107(25),3223)。選択的5-HT2Bアンタゴニストは、イソプロテレノール誘導性心肥大を防止する(Jaffre et al.,2004,Circulation,110,969)。最近では、イヌにおける頻拍ペーシング誘導性非代償性心不全のモデルからのゲノムデータが、5-HT2B mRNAの上方制御を示した(Ojaimi et.al.,2007,Physiol.Genomics 29,76)。したがって、5-HT2Bの調節は、うっ血性心不全などの心肥大に関連する障害を治療し得る。実際、ヒトおよび実験動物モデルの両方において、セロトニンシグナル伝達の増加は、弁間質細胞(VIC)分化および粘液腫性弁損傷を誘導することができる。
【0004】
粘液腫性僧帽弁疾患(MMVD)は、イヌの心血管疾患の主要な原因である。MMVDは、ナトリウムおよび水の保持、神経ホルモン系の活性化、容量過負荷、ならびに最終的なうっ血性心不全(CHF)を促進する僧帽弁逆流につながる僧帽弁の不全を引き起こす。本明細書で使用される同義のMMVD医学用語としては、僧帽弁疾患(MVD)、変性僧帽弁疾患(DMVD)、慢性弁疾患(CVD)、慢性心臓弁膜症(CVHD)、および房室弁閉鎖不全症(atrial ventricular valvular insufficiency)(AVVI)が挙げられる。MMVDの病理は、通常静止している僧帽弁VICの、弁組織の多くの組織学的変化および分子変化を媒介するより活性な筋線維芽細胞表現型への分化および活性化を伴う。MMVDは、10歳を超える全てのイヌの約30%に存在し、イヌにおけるCHFの最も頻繁な原因である。MMVDは、小型犬、ならびにキャバリア・キングチャールズ・スパニエル、チワワ、マルチーズ、ペキニーズ、トイプードルおよびミニチュアプードルなどの品種で最もよく見られる。この疾患の自然歴は、成体発症、加齢に伴う可変性進行、および重篤な疾患を有するイヌにおけるCHFの最終的な発達のうちの1つである。
【0005】
MMVDの現在の治療には、アンジオテンシン酵素阻害剤、利尿薬、血管拡張薬、および疾患の進行を止めるのではなく、症候性緩和を中心とした陽性変力物質が含まれる。さらに、これらの治療のいくつかは、動物にさらなる有害リスク、例えば、食欲不振、無気力、心機能の変化(例えば、分極)、および腎損傷をもたらす。本発明の化合物は、心臓分極への作用が最小限または全くなく、5-HTを調節することが示されている。本発明の化合物は、hERG遺伝子によってコードされるカリウムイオンチャネルのアルファサブユニットであるK11.1タンパク質に対して、他の5-HT2Bアンタゴニストよりも低い結合親和性を有する。hERG(ヒトEther-a-go-go関連遺伝子)イオンチャネルは、心臓の電気活動への寄与で最もよく知られており、hERGチャネルは、心臓の拍動を調整するのに役立つ心臓活動電位における再分極IKr電流を媒介する。このチャネルが細胞膜を横切って電流を伝導する能力が、薬物の適用または稀な変異のいずれかによって阻害または損なわれると、QT延長症候群(LQTS)と呼ばれる潜在的に致命的な障害をもたらす可能性がある。LQTSは、心拍後の心臓の再分極に影響を及ぼす状態である。これにより、不規則な心拍のリスクが増加し、失神または突然死につながる可能性がある。市場で臨床的に成功した薬物のいくつかは、QTを長くしながらhERGを阻害する傾向があり、心拍の致命的な不規則性(トルサード・ド・ポアンと呼ばれる心室性頻脈性不整脈)につながる可能性がある。これにより、hERG阻害は、MMVD、CHF、および/または無症候性心不全の薬物開発中に避けるべき重要な抗標的となった。
【0006】
ヒト心臓との解剖学的および生理学的類似性を考慮して、イヌインビボ心臓モデルが、ヒトとイヌERGとを相関させるために開発されている。しかしながら、該モデルの開発は、IK電流の確立を担うイヌカリウムチャネルに関する情報に依存した。この文脈において、cERG(c-イヌ)を単離し、逆転写によって配列決定した(Pflugers Arch.2001 May;442(2):188-91。相補的なデオキシリボ核酸由来のcERGポリペプチドは、1,158個のアミノ酸からなることが示され、その配列は、ヒト、ラット、およびマウスERGサブユニットに対して顕著な相同性を示した(それぞれ、97%、94%、および95%同一性)。PASドメイン、膜貫通セグメントS1、S3~S6、および細孔形成領域などの高度に保存されたペプチドドメインでは、100%同一性があった。cERG転写の分析は、心臓および脳におけるcERGメッセンジャーリボ核酸の豊富な発現、ならびに肝臓、脾臓、および腎臓における低発現を明らかにした。cERGチャネルを発現するXenopus卵母細胞において記録された膜電流は、心臓急速活性化遅延整流器(IKr)チャネルのアルファ-サブユニットをコードするヒトカリウムチャネルhERG(h-ヒト)と非常に類似した機能的特性を示した。したがって、心疾患、例えば、CHFおよびMMVDを治療するために開発される化合物は、c5-HT2B受容体に対して親和性を有する必要があるが、cERGに対して必要ではない。
【0007】
WO2010/080357は、ベンジルイミダゾールおよびイミダゾール類似体を含む、ある特定のセロトニン5-HT2B受容体阻害剤を記載している。これらの類似体のいくつかを比較アッセイで試験して、hERGおよびc5-HT2Bに対する結合親和性を評価した。本発明の化合物は、c5-HT2B受容体に対する親和性を有するが、hERGに対して有しないため、他の既知のc5-HT2Bアンタゴニストよりも優れた安全性プロファイルを示している。したがって、本発明の化合物は、MMVD、CHF、および/または無症候性心不全の進行を遅らせるために、MMVDを有するイヌ患者を治療するための、新しいより安全な薬物療法を獣医師に提供し得る。
【発明の概要】
【0008】
本発明の一態様では、動物、特にイヌの僧帽弁疾患およびうっ血性心不全の治療に有用な、新規セロトニン5-HT2B受容体アンタゴニストである。本発明の化合物は、hERGに対して親和性が最小限であるか、または親和性がない5-HT2B受容体に対して親和性を有する新規5-HT2B受容体アンタゴニストである。本発明の一態様では、化合物は、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3’-(メチルスルホニル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-フェノキシフェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(フェニルアミノ)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3’-クロロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(6-フェニルピリジン-3-イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)フェニル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(9H-カルバゾール-2-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(ジベンゾ[b,d]フラン-3-イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-4-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-1-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(1-フェニル-1H-インドール-5-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(5-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(2-メチル-1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-インドール-6-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(1H,1’H-[3,4’-ビインドール]-6-イル)メタノン、
[4-(1H-イミダゾール-2-イル)-1-ピペリジル]-[3-(1H-インドール-3-イル)-1H-インドール-6-イル]メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-2-イル)フェニル)メタノン、
(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3-フェニル-1H-インドール-6-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3-フェニル-1H-インドール-6-イル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、および
(4-(5-フルオロ-1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、ならびにそれらの獣医学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0009】
本発明のさらに別の態様では、化合物は、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、および
(4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(2-メチル-1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、ならびにそれらの獣医学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0010】
本発明のさらに別の態様では、化合物は、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)メタノン、および
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、ならびにそれらの獣医学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0011】
本発明のさらに別の態様では、化合物は、
(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、および
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、ならびにそれらの獣医学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0012】
本発明の別の態様では、化合物は、(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノンまたは4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、およびそれらの獣医学的に許容される塩から選択される。
【0013】
本発明の別の態様では、(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノンである化合物、およびその獣医学的に許容される塩である。
【0014】
本発明の別の態様では、4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノンである化合物、およびその獣医学的に許容される塩である。
【0015】
本発明の一態様では、組成物は、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3’-(メチルスルホニル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-フェノキシフェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(フェニルアミノ)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3’-クロロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(6-フェニルピリジン-3-イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)フェニル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(9H-カルバゾール-2-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(ジベンゾ[b,d]フラン-3-イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-4-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-1-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(1-フェニル-1H-インドール-5-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(5-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(2-メチル-1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-インドール-6-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(1H,1’H-[3,4’-ビインドール]-6-イル)メタノン、
[4-(1H-イミダゾール-2-イル)-1-ピペリジル]-[3-(1H-インドール-3-イル)-1H-インドール-6-イル]メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-2-イル)フェニル)メタノン、
(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3-フェニル-1H-インドール-6-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3-フェニル-1H-インドール-6-イル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、および
(4-(5-フルオロ-1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、ならびにそれらの獣医学的に許容される塩からなる群から選択される化合物を含む。さらに別の態様では、組成物は、少なくとも1つの獣医学的に許容される賦形剤をさらに含む。別の態様では、組成物は、経口または非経口注射によって投与される。別の態様では、組成物は、経口投与される。さらに別の態様では、組成物は、皮下注射または筋肉内注射によって投与される。別の態様では、組成物は、少なくとも1日1回投与される。さらに別の態様では、組成物は、1日1回投与される。さらに別の態様では、組成物は、1日1回、経口投与される。
【0016】
本発明の一態様では、組成物は、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、および
(4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(2-メチル-1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、ならびにそれらの獣医学的に許容される塩からなる群から選択される化合物を含む。さらに別の態様では、組成物は、少なくとも1つの獣医学的に許容される賦形剤をさらに含む。別の態様では、組成物は、経口または非経口注射によって投与される。別の態様では、組成物は、経口投与される。さらに別の態様では、組成物は、皮下注射または筋肉内注射によって投与される。別の態様では、組成物は、少なくとも1日1回投与される。さらに別の態様では、組成物は、1日1回投与される。さらに別の態様では、組成物は、1日1回、経口投与される。
【0017】
本発明の一態様では、組成物は、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)メタノン、および
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、ならびにそれらの獣医学的に許容される塩からなる群から選択される化合物を含む。別の態様では、組成物は、少なくとも1つの獣医学的に許容される賦形剤をさらに含む。別の態様では、組成物は、経口または非経口注射によって投与される。別の態様では、組成物は、経口投与される。さらに別の態様では、組成物は、皮下注射または筋肉内注射によって投与される。別の態様では、組成物は、少なくとも1日1回投与される。さらに別の態様では、組成物は、1日1回投与される。さらに別の態様では、組成物は、1日1回、経口投与される。
【0018】
本発明の一態様では、組成物は、
(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、および(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、ならびにそれらの獣医学的に許容される塩からなる群から選択される化合物を含む。さらに別の態様では、組成物は、少なくとも1つの獣医学的に許容される賦形剤をさらに含む。別の態様では、組成物は、経口または非経口注射によって投与される。別の態様では、組成物は、経口投与される。さらに別の態様では、組成物は、皮下注射または筋肉内注射によって投与される。別の態様では、組成物は、少なくとも1日1回投与される。さらに別の態様では、組成物は、1日1回投与される。さらに別の態様では、組成物は、1日1回、経口投与される。
【0019】
本発明の一態様では、組成物は、(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノンまたは4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、およびそれらの獣医学的に許容される塩から選択される化合物を含む。別の態様では、組成物は、少なくとも1つの獣医学的に許容される賦形剤をさらに含む。別の態様では、組成物は、経口または非経口注射によって投与される。別の態様では、組成物は、経口投与される。さらに別の態様では、組成物は、皮下注射または筋肉内注射によって投与される。別の態様では、組成物は、少なくとも1日1回投与される。さらに別の態様では、組成物は、1日1回投与される。さらに別の態様では、組成物は、1日1回、経口投与される。
【0020】
本発明の一態様では、組成物は、化合物、(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、およびその獣医学的に許容される塩を含む。別の態様では、組成物は、少なくとも1つの獣医学的に許容される賦形剤をさらに含む。別の態様では、組成物は、経口または非経口注射によって投与される。別の態様では、組成物は、経口投与される。さらに別の態様では、組成物は、皮下注射または筋肉内注射によって投与される。別の態様では、組成物は、少なくとも1日1回投与される。さらに別の態様では、組成物は、1日1回投与される。さらに別の態様では、組成物は、1日1回、経口投与される。
【0021】
本発明の別の態様では、組成物は、化合物、4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、およびその獣医学的に許容される塩を含む。別の態様では、組成物は、少なくとも1つの獣医学的に許容される賦形剤をさらに含む。別の態様では、組成物は、経口または非経口注射によって投与される。別の態様では、組成物は、経口投与される。さらに別の態様では、組成物は、皮下注射または筋肉内注射によって投与される。別の態様では、組成物は、少なくとも1日1回投与される。さらに別の態様では、組成物は、1日1回投与される。さらに別の態様では、組成物は、1日1回、経口投与される。
【0022】
本発明のさらに別の態様では、MMVD、CHF、および/または無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の化合物を、それを必要とする動物に投与することにより、化合物は、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3’-(メチルスルホニル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-フェノキシフェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(フェニルアミノ)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3’-クロロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(6-フェニルピリジン-3-イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)フェニル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(9H-カルバゾール-2-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(ジベンゾ[b,d]フラン-3-イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-4-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-1-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(1-フェニル-1H-インドール-5-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(5-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(2-メチル-1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-インドール-6-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(1H,1’H-[3,4’-ビインドール]-6-イル)メタノン、
[4-(1H-イミダゾール-2-イル)-1-ピペリジル]-[3-(1H-インドール-3-イル)-1H-インドール-6-イル]メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-2-イル)フェニル)メタノン、
(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3-フェニル-1H-インドール-6-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3-フェニル-1H-インドール-6-イル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、および
(4-(5-フルオロ-1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、ならびにそれらの獣医学的に許容される塩からなる群から選択される。さらに別の態様では、動物は伴侶動物である。別の態様では、伴侶動物は、イヌである。
【0023】
本発明のさらに別の態様では、MMVD、CHF、および/または無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の化合物を、それを必要とする動物に投与することにより、化合物は、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、および
(4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(2-メチル-1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、ならびにそれらの獣医学的に許容される塩からなる群から選択される。さらに別の態様では、動物は、伴侶動物、好ましくはイヌである。
【0024】
本発明のさらに別の態様では、MMVD、CHF、および/または無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の化合物を、それを必要とする動物に投与することにより、化合物は、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)メタノン、および
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、ならびにそれらの獣医学的に許容される塩からなる群から選択される。別の態様では、動物は、伴侶動物である。別の態様では、伴侶動物は、イヌである。
【0025】
本発明のさらに別の態様では、MMVD、CHF、および/または無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の化合物を、それを必要とする動物に投与することにより、化合物は、
(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、および(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、ならびにそれらの獣医学的に許容される塩からなる群から選択される。さらに別の態様では、動物は伴侶動物である。別の態様では、伴侶動物は、イヌである。
【0026】
本発明のさらに別の態様では、MMVD、CHF、および/または無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の化合物を、それを必要とする動物に投与することにより、化合物は、(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノンまたは4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、およびそれらの獣医学的に許容される塩である。別の態様では、動物は、伴侶動物である。別の態様では、伴侶動物は、イヌである。
【0027】
本発明のさらに別の態様では、MMVD、CHF、および/または無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、およびその獣医学的に許容される塩を、それを必要とする動物に投与することによる。別の態様では、動物は、伴侶動物である。別の態様では、伴侶動物は、イヌである。
【0028】
本発明のさらに別の態様では、MMVD、CHF、および/または無症候性心不全を有する動物を治療する方法は、治療量の4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、およびその獣医学的に許容される塩を、それを必要とする動物に投与することによる。別の態様では、動物は、伴侶動物である。さらに別の態様では、伴侶動物は、イヌである。
【0029】
本発明のさらに別の態様では、MMVD、CHF、および/または無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3’-(メチルスルホニル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-フェノキシフェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(フェニルアミノ)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3’-クロロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(6-フェニルピリジン-3-イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)フェニル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(9H-カルバゾール-2-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(ジベンゾ[b,d]フラン-3-イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-4-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-1-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(1-フェニル-1H-インドール-5-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(5-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(2-メチル-1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-インドール-6-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(1H,1’H-[3,4’-ビインドール]-6-イル)メタノン、
[4-(1H-イミダゾール-2-イル)-1-ピペリジル]-[3-(1H-インドール-3-イル)-1H-インドール-6-イル]メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-2-イル)フェニル)メタノン、
(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3-フェニル-1H-インドール-6-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3-フェニル-1H-インドール-6-イル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、および
(4-(5-フルオロ-1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、ならびにそれらの獣医学的に許容される塩からなる群から選択される化合物の使用である。別の態様では、動物は、伴侶動物である。別の態様では、伴侶動物は、イヌである。
【0030】
本発明のさらに別の態様では、MMVD、CHF、および/または無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、および
(4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(2-メチル-1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン、ならびにそれらの獣医学的に許容される塩からなる群から選択される化合物の使用である。別の態様では、動物は、伴侶動物である。別の態様では、伴侶動物は、イヌである。
【0031】
本発明のさらに別の態様では、MMVD、CHF、および/または無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)メタノン、および
(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、ならびにそれらの獣医学的に許容される塩からなる群から選択される化合物の使用である。別の態様では、動物は、伴侶動物である。別の態様では、伴侶動物は、イヌである。
【0032】
本発明の一態様では、MMVD、CHFおよび/または無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、
(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、
(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、および(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、ならびにそれらの獣医学的に許容される塩からなる群から選択される化合物の使用である。別の態様では、動物は、伴侶動物である。別の態様では、伴侶動物は、イヌである。
【0033】
本発明の一態様では、MMMVD、CHF、および/または無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノンまたは4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、およびそれらの獣医学的に許容される塩から選択される化合物の使用である。別の態様では、動物は、伴侶動物である。別の態様では、伴侶動物は、イヌである。
【0034】
本発明の一態様では、MMVD、CHF、および/または無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、化合物(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン、およびその獣医学的に許容される塩の使用である。別の態様では、動物は、伴侶動物である。別の態様では、伴侶動物は、イヌである。
【0035】
本発明の別の態様では、MMVD、CHF、および/または無症候性心不全を有する動物を治療するための医薬品を調製するための、化合物4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、およびその獣医学的に許容される塩の使用である。別の態様では、動物は、伴侶動物である。別の態様では、伴侶動物は、イヌである。
【0036】
本発明のさらに別の態様では、治療有効量の本発明の化合物を、少なくとも1つの追加の心血管剤と組み合わせて、治療を必要とする動物に投与することにより、動物におけるMMVD、CHF、および/または無症候性心不全を治療することである。本発明の別の態様では、少なくとも1つの追加の心血管剤は、ACE阻害剤、利尿剤、およびスピロノラクトンからなる群から選択される。別の態様では、ACE阻害剤は、エナラプリル、カプトプリル、またはラミプリルである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
定義
本明細書に記載され、かつ特許請求される本発明の目的のために、以下の用語および語句を、以下のように定義する。
【0038】
本明細書で使用する場合、「追加の獣医学的(または薬学的)薬剤(複数可)」は、別段の指示がない限り、動物、好ましくはイヌにおけるMMVD、CHF、および/または無症候性心不全の治療に有用な治療有効量の該薬剤(複数可)を提供する、他の獣医学的または薬学的化合物または製品(すなわち、薬物)を指す。
【0039】
本明細書で使用する場合、「動物(複数可)」は、別段の指示がない限り、哺乳動物である個体動物を指す。具体的には、哺乳動物は、ヒトおよび非ヒトである脊椎動物を指し、分類学上は哺乳綱のメンバーである。非ヒト哺乳動物の非排他的な例は、伴侶動物を含む。伴侶動物の非排他的な例は、イヌ、ネコ、およびウマを含む。好ましい伴侶動物は、イヌである。
【0040】
本明細書で使用する場合、「無症候性(潜在的、前臨床)心不全」は、別段の指示がない限り、MMVDに起因する心臓の任意の収縮障害または疾患を指す。
【0041】
「本発明の化合物」は、別段の指示がない限り、本明細書に記載の5-HT2Bアンタゴニスト非比較化合物(すなわち、実施例1~34)を指す。
【0042】
「うっ血性心不全」または「心不全」は、別段の指示がない限り、心臓が体への血液供給の要求に対応することができず、一般的に、心臓および肺の圧力の増加に起因する肺内の液体蓄積をもたらす、明らかなプロセスを指す。この用語(複数可)はまた、心臓の任意の収縮障害または疾患に関する。臨床症状は、原則として、心臓の細胞および分子成分、ならびに心臓サイズの増加および心機能の悪化につながる恒常性制御を駆動するメディエーターの変化の結果である。
【0043】
「粘液腫性僧帽弁変性症(MMVD)」は、別段の指示がない限り、僧帽弁変性症の明らかなプロセスを指す。MMVDは一般的に、聴診によって心雑音として検出される。MMVDはまた、同義の医学用語:僧帽弁疾患(MVD)、変性僧帽弁疾患(DMVD)、慢性弁疾患(CVD)、慢性心臓弁膜症(CVHD)、および房室弁閉鎖不全症(AVVI)を含む。
【0044】
「治療有効量」は、別段の指示がない限り、(i)動物におけるMMVD、CHF、および/または無症候性心不全を治療する、(ii)動物におけるMMVD、CHF、および/または無症候性心不全のうちの1つ以上の症状を軽減、改善、または排除する、あるいは(iii)動物におけるMMVD、CHF、および/または無症候性心不全の発症を予防するか、または遅延させる、本発明の化合物の量を指す。
【0045】
本明細書で使用する場合、「治療」、「治療すること」、「治療する」などは、別段の指示がない限り、動物におけるMMVD、CHF、および/または無症候性心不全の進行を緩和、停止、または遅らせることを指す。本明細書で使用する場合、これらの用語はまた、動物の状態に応じて、障害もしくは状態、または障害もしくは状態に伴う症状の発症を予防することも包含し、障害もしくは状態またはそれに伴う症状の重症度を低減することを含む。したがって、治療は、投与時点でCHFと診断されていない動物への本発明の化合物の投与を指し得る。
【0046】
「獣医学的に許容される」は、別段の指示がない限り、該物質または組成物を受容する動物と化学的および/または毒物学的に適合する物質または組成物を指す。この用語はまた、「薬学的にまたは薬学上」許容されるを企図する。
【0047】
粘液腫性僧帽弁変性症(MMVD)は、高齢のイヌで最も一般的な後天性型の心疾患であり、新しい心雑音である。心雑音は、全ての心拍で聞こえる音であり、心臓の血液の乱流によって引き起こされる。MMVDは、僧帽弁に影響を及ぼす可能性のあるプロセスの現れである。MMVDは主に、晩年の小型犬種に影響を及ぼすが、より大型の犬種にも影響を及ぼす可能性がある。より小さな犬種の中には、他の犬種よりも早い時期に影響を受けるものがあり、現在までに記載されている最も著名な犬種はキャバリア・キングチャールズ・スパニエルである。
【0048】
僧帽弁は、左心房と左心室との間の弁である。肺からの酸素化された血液は左心房に入り、僧帽弁を通って左心室に入り、その後身体に送り出される。左心室が収縮すると僧帽弁が閉じ、血液が左心房に戻るのを防ぐ。健常な僧帽弁は薄くしなやかであり、腱索(CT)により固定されている。粘液腫性変性は、血液の左心房への逆流(僧帽弁逆流)を可能にする弁の完全な閉鎖を妨げる小結節の形成によって弁が肥厚したときに生じるプロセスである。時間が経つにつれて、心房および心室は拡大することによって代償され、漏出は次第に悪化する。漏出量が増加するにつれて、心房圧が増加する。いくつかの事例では、CTが断裂し、部分的に固定されていない僧帽弁(僧帽弁逸脱)を引き起こす可能性がある。圧力の増加は、肺に伝達され、CHFにつながる。
【0049】
心雑音は一般的に、MMVDを検出するための最も初期の手段である。雑音が検出された後、MMVDの症状は3~4年間現れない場合がある。多くの場合、MMVDの悪化の最初の外見的な徴候は、咳または呼吸努力の増加であり、これは、拡大した心臓からの気道圧力ならびに/または肺および心臓の液体うっ血に起因する可能性がある。
【0050】
特に疾患の初期段階では、MMVDの進行を遅らせるまたは予防することが証明されている薬はない。治療は、MMVD、CHF、および/または無症候性心不全を管理するために投与され、フロセミド、ピモベンダン、ACE阻害剤(例えば、エナラプリル)およびスピロノラクトンを含む。フロセミドは強力な利尿薬であり、体内の水分を除去し、それによって肺液のうっ血を減少させる。ピモベンダンは、心臓がより効果的に働くのに役立ち、心臓のリモデリングを減少させるのを助け、MMVD患者の生存率を改善することが示されている。ACE阻害薬およびスピロノラクトンは、重度の心疾患で生じる有害な代償機序を遮断し、生存期間を延長することが示されている。これらの薬物の副作用には、アレルギー反応、よろめき、食欲不振、無気力、下痢、および失神が含まれる。CHFの治療に使用されることがある他の薬としては、ヒドロクロロチアジド、アムロジピン、トルセミド、およびジゴキシンが挙げられる。
【0051】
新しい薬物および治療レジメンの開発にもかかわらず、いつ治療するのか、そして一部のこれらの動物にとって最良の介入が何であるかについては不明なままである。2009年に、危険因子ならびに臨床および画像診断の徴候に基づいて心疾患を分類するための客観的分類システムが開発された。
【0052】
心不全は、異なる分類システム、例えば、International Small Animal Cardiac Health Council(ISACHC)、New York Heart Association(NYHA)機能分類システム、およびConsensus Statements of the American College of Veterinary Internal Medicine(ACVIM)(2009)による、現在使用されている分類によって定義された、異なる段階に分けられる。分類システム間のあいまいさを取り除くために、以下に説明する分類システムは同義であると見なされる。
【0053】
International Small Animal Cardiac Health Council(ISACHC)システムによる分類:クラスI:無症候性(潜在的または前臨床としても知られている);クラスIA:基礎心疾患に対する代償の証拠がない(容量過負荷または圧力過負荷がX線または心エコーで検出されない);クラスIB:基礎心疾患に対する代償の臨床徴候(容量過負荷または圧力過負荷がX線または心エコーで検出される);クラスII:安静時または軽度の運動で臨床徴候を伴う軽度から中等度の心不全(治療が必要);クラスIII:進行性心不全;重度のうっ血性心不全の臨床徴候;クラスIIIA:在宅治療が可能である;およびクラスIIIB:入院が必要である。
【0054】
New York Heart Association(NYHA)機能分類システム:クラスI:無症候性心疾患(例えば、慢性心臓弁膜症(CVHD)が存在するが、運動をしても臨床徴候は明らかではない)を有する患者を説明する。クラスII:激しい運動中にのみ臨床徴候を引き起こす心疾患を有する患者を説明する。クラスIII:日常的な活動または軽度の運動で臨床徴候を引き起こす心疾患を有する患者を説明する。クラスIV:安静時でも重篤な臨床徴候を引き起こす心疾患を有する患者を説明する。
【0055】
ACVIMシステムは、心疾患および心不全の4つの基本的な段階を説明している。ステージA:心疾患を発症するリスクが高いが、現在、心臓の識別可能な構造的障害を有していない患者。ステージB:構造的心疾患を有する患者(例えば、典型的な僧帽弁逆流の雑音が存在する)が、心不全によって引き起こされる臨床徴候を発症したことがない(予後および治療に重要な臨床的意義があるため、パネルはステージBをステージB1およびB2にさらに細分化した)。ステージB1:CVHDに対応した心臓のリモデリングのX線または心エコーの証拠がない無症候性患者。ステージB2:左側心拡大のX線写真または心エコー所見によって証明されるように、血行動態的に有意な弁逆流を有する無症候性患者。ステージC:構造的心疾患に関連する心不全の過去または現在の臨床徴候を有する患者。ステージD:標準療法に耐性のあるCVHDによって引き起こされる心不全の臨床徴候がある末期疾患を有する患者。
【0056】
心臓の病理は、ISACHCクラスI、NYHAクラスIおよびACVIMステージB2から始まり、心雑音または心室拡大はあるが、臨床症状は存在しない(ISACHCクラスIまたは無症候性/潜在的/前臨床ステージ)。臨床症状は、疾患の進行過程で明らかになる(ISACHCクラスIIまたはIII、NYHAクラスII、III、またはIV、ACVIMステージCおよびD)。
【0057】
心疾患の重症度を分類するこの情報にもかかわらず、ステージB疾患を有する動物に対する医療介入の有用性を支持する証拠はほとんどない。しかしながら、2016年に、ステージB2疾患を有するイヌにおけるピモベンダン(陽性イノトロープ)治療を評価するための大規模な前向き無作為化プラセボ対照盲検臨床試験の結果が公表された。EPIC試験(J.Vet Intern Med.,2016,Nov;30(6),1765-1779)は、ピモベンダン(0.2または0.3mg/kg、1日2回)による治療が左側うっ血性心不全(CHF)の徴候の発症を遅らせるか否かを評価するように設計された。イヌは、僧帽弁上の最強点で少なくともグレード3/6の心雑音を有し、VHS>10.5として定義される心拡大のX線の証拠を有し、僧帽弁病変および逆流の心エコーの証拠、ならびに左心房と大動脈根の比率が≧1.6であり、拡張期の体重正規化左心室内径が≧1.7であると定義された、左心房および左心室拡張の証拠を有していなければならない。イヌを、試験期間中、1ヶ月、その後4ヶ月ごとに評価した。研究結果は、ピモベンダンで治療したステージB2 MMVDを有するイヌが、プラセボを受けたイヌよりもCHFを発症するか、またはMMVDで死亡するまでに462日(15ヶ月)かかり、前臨床ステージの延長の60%の遅延に相当したことを示した。この早期介入は、CHFの発症までの時間を延長するように見える。
【0058】
本発明の化合物は、hERGに対する親和性が最小限である(存在する場合)5-HT2Bに対して親和性を有する。したがって、本発明の化合物は、ERGに対して親和性を有する化合物に関連するさらなる心臓リスク(複数可)を伴わずに、MMVD、CHF、および/または無症候性心不全を治療するための潜在的に新しい薬物を獣医師に提供し得る。
【0059】
本発明の化合物は、化学分野で周知のものと同様のプロセスを含む合成経路によって、特に本明細書に含まれる説明を鑑みて、合成され得る。出発材料は、Aldrich Chemicals(Milwaukee,Wis.)などの商業的供給元から概して入手可能であるか、または当業者に周知の方法を使用して容易に調製される(例えば、Louis F.Fieser and Mary Fieser,“Reagents for Organic Synthesis”,1;19,Wiley,New York(1967,1999 ed.)、またはBeilsteins Handbuch der organischen Chemie,4,Aufl.ed.Springer-Verlag,Berlin(補遺を含む)(Beilsteinオンラインデータベースからも入手可能)に概して記載されている方法によって調製される)。説明目的で、下記の反応スキームは、本発明の化合物および主要中間体を合成するための潜在的な経路を示す。個別の反応ステップのさらなる詳細な説明は、実施例の項に見出すことができる。当業者であれば、本発明の化合物が、本明細書に記載の方法の適応および/または当該技術(例えば、本明細書に記載の技術)分野で既知の方法の適応によって本明細書に記載のもの以外の方法によって、または“Comprehensive Organic Transformations-A Guide to Functional Group Transformations”,RC Larock,Wiley-VCH(1999年またはそれ以降の版)などの標準的なテキストを使用して作製され得ることを、理解するであろう。
【0060】
スキーム1~7は、本発明の化合物の調製および単離に有用な一般的手順の概要を示す。しかしながら、本明細書で十分に説明され、特許請求の範囲に引用されている本発明は、以下のスキームまたは調製様式の詳細によって限定されることが意図されないことを、理解されたい。
【0061】
以下のスキームおよび実施例では、以下の反応物およびその他の略語が含まれる:テトラヒドロフラン(THF);ジクロロメタン(DCM);tert-ブチルメチルエーテル(tBME);塩酸(HCl);トリフルオロ酢酸(TFA);N,N-ジメチルホルムアミド(DMF);ジメチルスルホキシド(DMSO);ジメトキシメタン(DME);[ジメチルアミノ(トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-3-イルオキシ)メチリデン]-ジメチル-アザニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU);(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP);N,N-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC);N-エチル-N’-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EdCl);テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU);N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA);1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU);2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU);2-(6-クロロ-1-H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルアミニウムヘキサフルオロホスフェート(HCTU);チタン(IV)イソプロポキシド(Ti(OPr));アリール/ヘテロアリール(Ar/Het);(ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)(PyBOP);ブチルオキシカルボニル(BOC、保護基);(1-シアノ-2-エトキシ-2-オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノ-モルフォリノ-カルベニウムヘキサフルオロホスフェート(COMU);1-プロパンホスホン酸無水物(TP);ヨウ化銅(I)(CuI);酢酸銅(II)(Cu(OAC);パラジウム-テトラキス(トリフェニルホスフィン)(Pd(PhP));シアノボロ水素化ナトリウム(NaCNBH);重炭酸ナトリウム(NaHCO);ジクロロメタンとの[1,1’-ビス(ジフェニル-ホスフィノ)フェロセン]-ジクロロパラジウム(II)錯体(1:1;PdCl(dppf)DCM);炭酸ナトリウム(NaCO);リン酸三カリウム(KPO);炭酸カリウム(KCO);水酸化リチウム(LiOH);Pd(パラジウム);薄層クロマトグラフィー(TLC);核磁気共鳴(NMR);高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)および液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)。
【0062】
以下のスキームにおいて、変数A、A、A、X、Ar、Het、R、R、R、およびRは、そのように定義される:A=OまたはNH;A=CまたはN;A=結合またはCH;X=F、Cl、Br、またはI;R=H、F、Cl、-CF、-CF、-OR2、-NH、-CN、-SOCH、-SOCF、縮合複素環式環(例えば、インドール、ジオキサラン)、および-C(O)NH;R=アルキル;RおよびRは、独立して、Hまたは-CHである;加えて、RおよびRは、連結されて、環(すなわち、縮合ベンズイミダゾール環)を形成することができる;Ar/Hetは、ArまたはHetのいずれかを指す;Arは、フェニル、置換フェニル、置換ジフェニル、フェニル-インドール、フェニルインダゾール、置換ジフェニルエーテル、カルバゾール、ジベンゾフラン、ベンゾジオキソール、インドール、および置換ジフェニルアミンを指す;Hetは、イミダゾール、チアゾール、トリアゾール、置換チオフェン、ピリジル-置換フェニル、アミノトリアゾール、チオジアゾール、オキサゾール、およびピリジンを指す。本明細書で使用する場合、「アルキル」は、一般式C2n+1の飽和一価炭化水素アルカンラジカル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、sec-ブチル、t-ブチル、n-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、n-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチルなど)を指し、1~8個の炭素原子(すなわち、C~C)を有するとさらに定義される。
【0063】
本明細書に記載の化合物の多くは、市販のカルボン酸(例えば、3 4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボン酸)およびアミン(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン塩酸塩)から合成された。本発明の化合物はまた、それらの獣医学的に許容される塩を含む。
【0064】
本発明の化合物の獣医学的に許容される塩はまた、従来の様式で調製され得る。例えば、遊離塩基の溶液を、適切な純酸または好適な溶媒中の適切な酸のいずれかで処理してもよく、得られる塩は、反応溶媒の減圧下で、濾過または蒸発のいずれかによって単離される。好適な塩の概説については、“Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use”by Stahl and Wermuth(Wiley-VCH,Weinheim,Germany,2002)を参照されたい。
【0065】
本発明の化合物は、その天然形態で、または塩として使用され得る。安定した無毒性酸または塩基塩の形成が所望される場合、獣医学的に許容される塩として化合物を投与することが適切であり得る。本発明の化合物の獣医学的に許容される塩としては、酢酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩(camsylate)、クエン酸塩、エジシル酸塩、エトグルタル酸塩、エシル酸塩(esylate)、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2-ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、糖酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、およびトリフルオロ酢酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0066】
チャン-ラム反応(カップリング)は、アリールボロン酸とアルコールまたはアミンとの間のクロスカップリング反応であり、それぞれ、対応する二級アリールアミンまたはアリールエーテルを形成する。反応は銅錯体によって触媒される。バックワルド(バックワルド-ハートウィッグ)反応は、アミンとハロゲン化アリールとのパラジウム触媒カップリング反応を介したC-N結合の合成に使用される。
【0067】
本発明の化合物は、本明細書に記載されるように調製され得る。スキーム1~7は、化合物および同様の類似体を作製するための手段を提供する。
【化1】
【0068】
スキーム1では、2つの芳香族環の間にヘテロ原子Aを有する化合物は、アリールボロン酸とフェノールもしくはアニリンとの間のチャン-ラム反応(Tetrahedron Letters,39(19),2937-2940;1998)を使用して、または芳香族求核置換条件(X=Cl、塩基の存在下ではF)もしくはバックワルド型条件(X=Cl、Br、またはI)およびパラジウム触媒作用下で、置換フェノールもしくはアニリンとハロベンゾエートとの間の反応(Castillo,et.al.,Chem Rev.,2016,116(19)pp12564-12649を参照されたい)により合成され得る。安息香酸エステルの加水分解後、酸は、多くの既知のアミドカップリング剤(例えば、HATU、DIC、EDCI、HBTU、TBTU、HCTU、PyBOP、COMU、TPなど)のいずれかを用いて置換ピペリジンにカップリングすることができる。
【化2】
【0069】
スキーム2では、ピペリジンアミノイミダゾールを、(イミン合成を容易にするために)テトライソプロポキシドチタンを使用して、ピペリドンおよびアミノイミダゾールから合成し、続いてシアノ水素化ホウ素ナトリウムを使用して還元した(WO2007/014409;p.19)。遊離アミンをHClで放出し、HATUを用いてアリールカルボン酸とカップリングした。
【化3】
【0070】
スキーム3において、ジアリールカルボン酸は、1つ以上の置換基を有するハロ(ハロゲン;X)芳香族環と、アリールボロン酸4-カルボキシレートとの間のスズキ反応(または他の古典的なアリールカップリング反応、例えば、スティルまたはネギシ)を使用して合成することができる。安息香酸エステルの加水分解後、酸をアミドカップリング試薬を用いて置換ピペリジンにカップリングする。
【化4】
【0071】
スキーム4において、インドール/インダゾールアリールカルボン酸(式中、A=CまたはN)は、ゼロ以上の置換基を有するハロインドール/インダゾールと、アリールボロン酸4-カルボキシレートとの間のスズキ反応(また他の古典的なアリールカップリング反応、例えば、スティルもしくはネギシ)を使用して合成することができる。安息香酸エステルの加水分解後、酸をアミドカップリング試薬を用いて置換ピペリジンにカップリングする。
【化5】
【0072】
スキーム5において、ピペリジンイミダゾールは、α-ジカルボニル化合物およびアンモニアとの反応を介して、容易に入手可能なBoc保護されたピペリジンアルデヒドから合成され得る。Bocの他に、追加のアミン保護基を用いて、化合物上のアミンを遮断または保護し、それによって、化合物上の他の官能基の反応を可能にしながら、その官能性を保護することができる。アミン保護基の非排他的な例は、アシル基(例えば、ホルミル、アセチル、クロロアセチル、トリクロロ-アセチル、o-ニトロフェニルアセチル、o-ニトロフェノキシアセチル、トリフルオロアセチル、アセトアセチル、4-クロロブチリル、イソブチリル、o-ニトロシンナモイル、ピコリノイル、アシルイソチオシアネート、アミノカプロイル、ベンゾイルなど)、アシルオキシ基(例えば、1-tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)、メトキシカルボニル、9-フルオレニル-メトキシカルボニル、2,2,2-トリフルオロエトキシカルボニル、2-トリメチルシリルエトキシカルボニル、ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、1,1-ジメチル-プロピニルオキシカルボニル、ベンジルオキシ-カルボニル、p-ニトロベンジルオキシカルボニ、2,4-ジクロロベンジルオキシカルボニルなど)、ジフェニルメタン、およびベンジルカルバメートを含む。次いで、Boc基(または他のアミン保護基)を強酸(例えば、TFA、HClなど)で除去することができる。
【化6】
【0073】
スキーム6において、ブロモ-アリール前駆体は、アミドカップリング試薬を使用して、4-ブロモ-安息香酸を置換ピペリジンとカップリングすることによって合成される。次いで、ブロモアリール前駆体を、アリールボロン酸にカップリングして、所望のジアリール断片を得る。
【化7】
【0074】
スキーム7では、酸は、多くの既知のアミドカップリング剤(例えば、HATU、DIC、EDCI、HBTU、TBTU、HCTU、PyBOP、COMU、TPなど)のいずれかを用いて置換ピペリジンにカップリングすることができる。
【0075】
本発明の化合物は、動物、特にイヌ(c5-HT2B)におけるMMVP、CHF、および/または無症候性心不全の治療のための5-HT2Bアンタゴニストとして有用である。本発明の別の態様は、治療有効量の本発明の化合物、およびその獣医学的に許容される塩を含む獣医学的組成物である。本発明の別の態様は、治療有効量の本発明の化合物、その獣医学的に許容される塩、および獣医学的に許容される賦形剤を含む獣医学的組成物である。本発明の化合物(その中で使用される組成物およびプロセスを含む)はまた、本明細書に記載の治療用途のための医薬品の製造に使用され得る。
【0076】
本発明の化合物は、単独で、または想定される特定の使用、および治療される動物の種に適切な製剤で投与され得る。一般的に、それは、1つ以上の獣医学的に許容される賦形剤を伴う製剤として投与されるであろう。「賦形剤」という用語は、本明細書では、本発明の化合物または任意の追加の獣医学的薬剤以外の任意の成分を説明するために使用される。賦形剤(複数可)の選択は、特定の投与様式、溶解度および安定性に対する賦形剤(複数可)の作用、ならびに剤形の性質などの因子に大幅に依存するであろう。賦形剤(複数可)に加えて、投与される本発明の化合物の量、および状態または障害を化合物で治療するための投薬レジメンは、動物の年齢、体重、性別、および医学的状態、疾患の重症度、投与の経路および頻度を含む様々な因子に依存し、したがって、広く異なり得る。
【0077】
一態様では、獣医学的組成物は、獣医学的に許容される賦形剤と共に、本発明の化合物を含む。濃度範囲は、組成物(例えば、経口または注射用)に応じて異なるであろう。経口投与については、活性剤(すなわち、本発明の化合物)の範囲は、約0.1~10mg/kg、好ましくは約0.5~5mg/kg、さらにより好ましくは約0.5~3mg/kg、最も好ましくは約0.5~1.5mg/kgである。注射溶液については、活性剤の範囲は、約0.1~50mg/mL、好ましくは約0.5~25mg/mL、より好ましくは約1~10mg/mL、さらにより好ましくは約2~5mg/mLである。好ましい投与経路は、経口である。濃度範囲および好ましい濃度範囲は、治療上有効な用量であると考えられる。さらに、用量範囲および好ましい用量範囲は、本明細書に記載される濃度よりも高いかまたは低くてもよい。
【0078】
製剤は、従来の溶解および混合手順を使用して調製され得る。その調製のためのかかる組成物および方法は、例えば”Remington’s Veterinary Sciences”,19th Edition(Mack Publishing Company,1995、および”Veterinary Dosage Forms:Tablets,Vol. 1”,by H. Lieberman and L. Lachman,Marcel Dekker,N.Y.,1980(ISBN 0-8247-6918-X)に見出され得る。
【0079】
典型的な製剤は、本発明の化合物を、少なくとも1つの獣医学的に許容される賦形剤と混合することによって調製される。好適な賦形剤は、当業者には周知であり、炭水化物、ワックス、水溶性および/または膨潤性ポリマー、親水性または疎水性材料、ゼラチン、油、溶媒、水などの材料を含む。特定の賦形剤(複数可)は、本発明の化合物が適用される手段および目的に依存するであろう。溶媒は、概して、動物への投与に安全であると当業者によって認識された溶媒に基づいて選択される。製剤はまた、薬物(すなわち、本発明の化合物またはその獣医学的組成物)の見栄えを良くするか、または獣医学的製品(すなわち、医薬品)の製造を補助するために、1つ以上の緩衝液、安定剤、界面活性剤、湿潤剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、抗酸化剤、不透明化剤、流動促進剤、加工助剤、着色剤、甘味剤、芳香剤、香味剤、および他の既知の添加剤を含んでもよい。本発明の化合物は、典型的には、投与に対して容易に制御可能な剤形を提供するために、獣医学的剤形に製剤化されるであろう。
【0080】
本発明の化合物を投与することができる方法は、経口および注射用(例えば、非経口および皮下)を含む。
【0081】
本発明の化合物は、カプセル剤、ボーラス剤、錠剤、散剤、トローチ剤、チュアブル錠、マルチおよびナノ粒子、ゲル、固溶体、フィルム、噴霧剤、または液体形態によって経口投与され得る。これは、好ましい投与方法であり、したがって、経口投与用の化合物を開発することが望ましい。かかる製剤は、軟質または硬質カプセル、口当たりの良い軟質または硬質チュアブル錠の充填剤として用いられることができ、典型的には、賦形剤、例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、N-メチルピロリドン、プロピレングリコール、メチルセルロース、または好適な油、ならびに1つ以上の乳化剤、香味剤、および/または懸濁化剤を含む。液体形態は、懸濁液、溶液、シロップ、水薬、およびエリキシル剤を含む。液体製剤は、例えばサシェから、固体を再構成することによって調製してもよい。
【0082】
注射用製剤は、他の物質、例えば、溶液を血液と等張にするために十分な塩またはグルコースを含有し得る滅菌溶液の形態で調製され得る。許容される液体賦形剤は、ゴマ油および綿実油などの植物油、トリアセチンなどのグリセリド、安息香酸ベンジル、ミリスチン酸イソプロピル、およびプロピレングリコールの脂肪酸誘導体などのエステル、ならびにピロリジン-2-オン、ベンジルアルコール、およびグリセロールホルマールなどの有機溶媒を含む。製剤は、最終製剤が約0.01~30重量%の活性成分を含有するように、液体賦形剤(複数可)中に単独でまたは追加の獣医学的薬剤と共に、本発明の化合物を溶解または懸濁することによって調製される。
【0083】
注射用投与のための好適な機器は、針(極微針を含む)注射器、無針注射器、および注入技法を含む。注射用製剤は、典型的には、塩、炭水化物、および緩衝剤(好ましくは3~9のpHまで)などの賦形剤を含有し得る水溶液であるが、いくつかの用途については、それらは、滅菌非水溶液として、または滅菌の発熱物質を含まない水などの好適なビヒクルと共に使用される乾燥粉末形態として、より好適に製剤化され得る。滅菌条件下での、例えば、凍結乾燥による注射用製剤の調製は、当業者に周知の標準的な獣医学的技法を使用して容易に達成され得る。注射用溶液の調製に使用される本発明の化合物の溶解度は、溶解度増強剤を組み込むなどの適切な製剤化技法を使用して増加し得る。
【0084】
本発明の化合物の投与は、1日1回または2回であると企図される。好ましくは、1日1回(qd)である。
【0085】
上述されるように、本発明の組成物は、単独で、または少なくとも1つの他の追加の獣医学的薬剤と組み合わせて投与され、それによって、より広域の獣医学的有用性を提供することができる。医薬品を含むこれらの少なくとも1つの他の追加の獣医学的薬剤は、本発明の化合物と同時に、または動物の治療期間を通していつでも投与することができる。
【0086】
心臓疾患(例えば、MMVD、CHF、および/または無症候性心不全)を治療するために本発明の化合物と一緒に使用することができる追加の薬学的(獣医学的)心血管剤の以下のリストは、可能な組み合わせを示すことを意図しているが、それらにいかなる限定を課すことを意図していない。追加の薬学的(獣医学的)薬剤の非限定的な例としては、浮腫および滲出を減少させるための利尿薬(例えば、フロセミド、クロロチアジド、インダパミド、トリアムテレン、ヒドロクロロチアジドなど)、アルドステロン媒介性心筋線維症を減少させ、場合によっては心疾患の進行を遅らせ、水分喪失を促進するナトリウムの再吸収を遮断するためのアルドステロンアンタゴニスト(例えば、スピロノラクトン、エプレレノンなど)、アンジオテンシン変換酵素の作用を阻害し、血管を弛緩させることによってバランスの取れた血管拡張をもたらすACE阻害剤(例えば、エナラプリル、アキュプリル、カプトプリル、ラミプリルなど)が挙げられる。
【0087】
動物への適用のための獣医学的組成物は、本発明の化合物またはその組み合わせを投与するのに使用される方法に応じて、様々な方法でパッケージ化され得る。概して、流通のための物品は、適切な形態の獣医学的組成物を中に配置した容器を含む。好適な容器は、当業者に周知であり、例えば、ボトル(プラスチックおよびガラス)、サシェ、アンプル、ポリ袋、金属円筒などの材料を含む。容器はまた、パッケージの内容物への不注意なアクセスを防止するために不正開封防止組立体を含んでもよい。加えて、容器は、容器の内容物を記載するラベルがその上に貼付される。ラベルはまた、適切な警告を含むことができる。
【0088】
本発明の化合物(その中で使用される組成物およびプロセスを含む)はまた、本明細書に記載の治療用途のための医薬品の製造に使用され得る。
【0089】
下記の実施例における化合物の構造を、プロトン磁気共鳴分光法および質量分析のうちの1つ以上の方法によって確認した。プロトン磁気共鳴(1H NMR)スペクトルを、400メガヘルツ(MHz)の磁場強度で操作するBruker分光計を使用して決定した。化学シフトは、内部テトラメチルシラン標準品または残留プロトン化NMR溶媒から低磁場に百万分率(PPM、δ)で報告される。質量スペクトル(MS)データを、マルチモードエレクトロスプレーを有するAgilent質量分析計(1290 Infinity II)および大気圧化学イオン化(MM-ES+APCI)法を使用して得た。X-Bridge C8(50×4.6)mm、3.5μmカラムを用いてAgilent 1260 infinity IIで実施した高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)。移動相は、流速1.0mL/分の水中のアセトニトリルおよび10mM重炭酸アンモニウムの二成分勾配であった。
【実施例
【0090】
以下の実施例は、本発明の化合物を調製するためのプロセス条件のより詳細な説明を提供する。しかしながら、本明細書で十分に説明され、特許請求の範囲に引用される本発明は、以下の調製様式の詳細によって限定されることが意図されないことを、理解されたい。
【0091】
実施例1.(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン(スキーム2)
【化8】
ステップ1.4-(1H-イミダゾール-2-イルアミノ)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルの調製。
4-オキソピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(5g、25.12mmol)、1H-イミダゾール-2-アミン塩酸塩(4.48g、37.68mmol)、トリメチルアミン(10.31mL、75.36mmol)、およびチタン(IV)イソプロポキシド(15.22mL、50.24mmol)の混合物を、THF(100mL)中で、25℃で一晩撹拌した。次いで、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(2.37g、37.68mmol)およびメタノール(10mL)を添加した。反応混合物を、25℃で4時間維持した。水(100mL)および酢酸エチル(100mL)を添加し、有機層を分離し蒸発させて、油状物を得た。これをクロマトグラフィー(DCM中5%メタノール)により精製して、標題化合物を白色の固体として得た。
【0092】
ステップ2.4-(1H-イミダゾール-2-イルアミノ)ピペリジン塩酸塩の調製。
4-(1H-イミダゾール-2-イルアミノ)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(1g、3.7mmol)を、ジオキサン(10mL)中4NのHCl中で、25℃で4時間撹拌した。混合物を蒸発させて、標題化合物を褐色の固体として得た。
【0093】
ステップ3.実施例1の調製。
4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボン酸(500mg、2.31mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.2mL、6.94mmol)をDMF(20mL)中で撹拌した。それに、室温でHATU(1.3g、3.47mmol)を添加し、10分間撹拌した。次いで、4-(1H-イミダゾール-2-イルアミノ)ピペリジン塩酸塩(701mg、3.47mmol)を添加し、混合物を16時間撹拌した。反応が完了したら、それを水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機部分を乾燥させ、濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中5%メタノール)により精製して、標題化合物を白色の固体として得た。1H NMR(d-DMSO,400MHz):δppm 11.95(bs,1H),7.94(d,1H),7.78-7.73(m,4H),7.49(d,2H),7.33(t,2H),6.99(s,2H),4.50(bs,1H),3.8-3.6(m,2H),3.16-2.97(m,2H),2.1-1.8(m,2H),1.6-1.4(m,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=365.1。
【0094】
実施例2.(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3’-(メチルスルホニル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン(スキーム3)
【化9】
ステップ1.3’-(メチルチオ)-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボン酸メチルの調製
DMF(10mL)中の(3-ブロモフェニル)(メチル)スルファン(1.5g、7.38mmol)および(4-(メトキシカルボニル)フェニル)ボロン酸(1.72g、9.6mmol)の撹拌した溶液に、25℃でKPO(4.69g、22.1mmol)を添加した。反応混合物を10分間アルゴンで飽和した。それに、PdCl(dppf)DCM(301mg、0.36mmol)を添加し、80℃で16時間撹拌した。反応をTLCおよびLCMSによって監視した。反応が完了したら、それを水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。有機部分を乾燥させて濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中30%酢酸エチル)により精製して、標題化合物を白色の固体として得た。
【0095】
ステップ2.3’-(メチルスルホニル)-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボン酸メチルの調製
メタノール/HO(20+8mL)中の3’-(メチルチオ)-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボン酸メチル(1g、3.8mmol)の撹拌した溶液に、25℃でペルオキシ一硫酸カリウム化合物(KHSO・0.5KHSO・0.5KSO;Oxone(登録商標))(3.5g、11.6mmol)を添加した。反応混合物を25℃で16時間撹拌した。反応をTLCおよびLCMSによって監視した。反応が完了したら、それを蒸発させ、粗反応混合物を得た。それを酢酸エチル100mLで希釈し、ブラインで洗浄した。有機部分を乾燥させて濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中25%酢酸エチル)により精製して、標題化合物を白色の固体として得た。
【0096】
ステップ3.3’-(メチルスルホニル)-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボン酸の調製
THF/メタノール/HO(12+4+2mL)中の3’-(メチルスルホニル)-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボン酸メチル(1g、3.4mmol)の撹拌した溶液に、25℃で水酸化リチウム一水和物(434mg、10.3mmol)を添加した。反応混合物を25℃で16時間撹拌した。反応をTLCおよびLCMSによって監視した。反応が完了したら、それを蒸発させ、粗反応混合物を得た。0℃で1NのHCl(10mL)で酸性化した。得られた固体を濾過し、水で洗浄して、標題化合物を白色の固体として得た。粗表題化合物をさらに精製せずに次のステップで使用した。
【0097】
ステップ4.実施例2の調製。
3’-(メチルスルホニル)-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボン酸(500mg、1.81mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.98mL、5.43mmol)を、DMF(10mL)中で撹拌した。それに、室温でHATU(1.03g、2.71mmol)を添加し、10分間撹拌した。次いで、4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン塩酸塩(460mg、2.41mmol(スキーム5))を添加し、混合物を室温で16時間撹拌した。反応をTLCおよびLCMSによって監視した。反応が完了したら、それを酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(2×50mL)で洗浄した。有機部分を乾燥させて濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中3%メタノール)により精製して、標題化合物を白色の固体として得た。H NMR(d-DMSO,400MHz):δppm 13.19(bs,1H),8.2(s,1H),8.09(d,1H),7.95(d,1H),7.87(d,2H),7.78(t,1H),7.55(d,2H),7.20(s,2H),4.54(bs,1H),3.72-3.71(m,1H),3.31(s,3H),3.17-3.11(m,2H),2.98(bs,1H),2.02-1.91(m,2H),1.73(bs,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=410.1。
【0098】
実施例3.(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン(スキーム7)
【化10】
4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボン酸(18g、67.61mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(37mL、202mmol)をDMF(200mL)中で撹拌した。それに、室温でHATU(38.5g、101mmol)を添加し、10分間撹拌した。次いで、4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン塩酸塩(14g、74.37mmo)を添加し、混合物を室温で16時間撹拌した。反応をTLCおよびLCMSによって監視した。反応が完了したら、それを酢酸エチル(1000mL)で希釈し、水(2×500mL)で洗浄した。有機部分を乾燥させて濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中3%メタノール)により精製して、標題化合物を白色の固体として得た。H NMR(d-DMSO,400MHz):δppm 13.97(bs,1H),7.95(d,2H),7.87-7.84(m,4H),7.61(s,2H),7.55(d,2H),4.60(bs,1H),3.73-3.71(m,1H),3.36-3.21(m,2H),2.96(bs,1H),2.08-1.98(m,2H),1.79-1.74(m,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=400.1。
【0099】
実施例4.(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン(スキーム7)
【化11】
4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボン酸(350mg、1.31mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.72mL、4.05mmol)を、DMF(10mL)中で撹拌した。それに、室温でHATU(746mg、1.96mmol)を添加し、10分間撹拌した。次いで、4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン塩酸塩(319mg、1.57mmol)を添加し、混合物を16時間撹拌した。反応が完了したら、それを水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機部分を乾燥させ、濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中5%メタノール)により精製して、標題化合物を褐色の固体として得た。1H NMR(d-DMSO,400MHz):δppm 7.94(d,2H),7.83(t,4H),7.53(d,2H),6.72(s,1H),4.48(bs,1H),3.66(bs,1H),3.31-2.90(m,3H),2.11(s,3H),1.99-1.87(m,2H),1.70-1.60(m,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=414.2。
【0100】
実施例5.(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン(スキーム4)
【化12】
ステップ1.3-(4-(メトキシカルボニル)フェニル)-1H-インドール-1-カルボン酸tert-ブチルの調製
DME/HO(18+2mL)中の3-ブロモ-1H-インドール-1-カルボン酸tert-ブチル(1g、3.37mmol)および(4-(メトキシカルボニル)フェニル)ボロン酸(725mg、4.05mmol)の撹拌した溶液に、25℃でNaCO(1.07g、10.13mmol)を添加した。反応混合物をアルゴンで10分間飽和した。それに、Pd(PhP)(390mg、0.33mmol)を添加し、85℃で16時間撹拌した。反応をTLC&LCMSによって監視した。反応が完了したら、それを水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。有機部分を乾燥させて濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中30%酢酸エチル)により精製して、標題化合物を白色の固体として得た。
【0101】
ステップ2.4-(1H-インドール-3-イル)安息香酸の調製
THF/メタノール/HO(12+4+2mL)中の3-(4-(メトキシカルボニル)フェニル)-1H-インドール-1-カルボン酸tert-ブチル(500mg、1.42mmol)の撹拌した溶液に、25℃で水酸化リチウム一水和物(180mg、4.27mmol)を添加した。反応混合物を25℃で16時間撹拌した。反応をTLCによって監視した。反応が完了したら、それを蒸発させ、粗反応混合物を得た。0℃で1NのHCl(10mL)で酸性化した。得られた固体を濾過し、水で洗浄して、標題化合物を白色の固体として得た。粗表題化合物をさらに精製せずに次のステップで使用した。
【0102】
ステップ3.実施例5の調製。
4-(1H-インドール-3-イル)安息香酸(280mg、1.18mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.64mL、3.54mmol)をDMF(10mL)中で撹拌した。それに、室温でHATU(672mg、1.77mmol)を添加し、10分間撹拌した。次いで、4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン塩酸塩(308mg、1.53mmol)を添加し、混合物を16時間撹拌した。反応が完了したら、それを水(1000mL)で希釈し、酢酸エチル(2×500mL)で抽出した。有機部分を乾燥させ、濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中5%メタノール)により精製して、標題化合物を白色の固体として得た。1H NMR(d-DMSO,400MHz):δppm 11.45(bs,2H),7.90(d,1H),7.79-7.75(m,3H),7.46-7.44(m,3H),7.18-7.09(m,2H),6.54(bs,1H),4.45(bs,1H),3.83(bs,1H),3.32-2.86(m,3H),2.07(s,3H),1.90(bs,2H),1.75-1.60(m,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=385.1。
【0103】
実施例6.(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン(スキーム4)
【化13】
ステップ1.4-(1H-インダゾール-3-イル)安息香酸メチルの調製
トルエン/エタノール/HO(15+5+2mL)中の3-ブロモ-1H-インダゾール(1.5g、7.6mmol)および(4-(メトキシカルボニル)フェニル)ボロン酸(1.5g、8.3mmol)の撹拌した溶液に、25℃でNaCO(2.4g、22.8mmol)を添加した。反応混合物をアルゴンで10分間飽和した。それに、Pd(PhP)(870mg、0.7mmol)を添加し、100℃で16時間撹拌した。反応をTLCおよびLCMSによって監視した。反応が完了したら、それを水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。有機部分を乾燥させて濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中30%酢酸エチル)により精製して、標題化合物を淡黄色の固体として得た。
【0104】
ステップ2.4-(1H-インダゾール-3-イル)安息香酸の調製
THF/メタノール/HO(15+5+2mL)中の4-(1H-インダゾール-3-イル)安息香酸メチル(990mg、3.92mmol)の撹拌した溶液に、25℃で水酸化リチウム一水和物(824mg、19.62mmol)を添加した。反応混合物を25℃で16時間撹拌した。反応をTLCによって監視した。反応が完了したら、それを蒸発させ、粗反応混合物を得た。0℃で1NのHCl(10mL)で酸性化した。得られた固体を濾過し、水で洗浄して、標題化合物を白色の固体として得た。粗表題化合物をさらに精製せずに次のステップで使用した。
【0105】
ステップ3.実施例6の調製。
4-(1H-インダゾール-3-イル)安息香酸(900mg、3.78mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.07mL、11.3mmol)をDMF(20mL)中で撹拌した。それに、室温でHATU(2.1g、5.67mmol)を添加し、10分間撹拌した。次いで、4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン塩酸塩(912mg、4.53mmol)を添加し、混合物を16時間撹拌した。反応が完了したら、それを水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機部分を乾燥させ、濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中5%メタノール)により精製して、標題化合物をオフホワイト色の固体として得た。1H NMR(d-DMSO,400MHz):δppm 13.34(s,1H),11.54(bs,1H),8.1-8.06(m,3H),7.60(d,1H),7.54(d,2H),7.43(t,1H),7.23(t,1H),6.57(s,1H),4.49(bs,1H),3.78(bs,1H),3.25-3.1(m,1H),2.85-3.0(m,2H),2.08(s,3H),1.97-1.80(m,2H),1.70-1.60(m,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=386.2。
【0106】
実施例7.(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン(スキーム2)
【化14】
4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボン酸(450mg、1.69mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.92mL、5.07mmol)を、DMF(10mL)中で撹拌した。それに、室温でHATU(960mg、2.53mmol)を添加し、10分間撹拌した。次いで、4-(1H-イミダゾール-2-イルアミノ)ピペリジン塩酸塩(384mg、2.19mmol)を添加し、混合物を16時間撹拌した。反応をTLCおよびLCMSによって監視した。反応が完了したら、それを酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(2×50mL)で洗浄した。有機部分を乾燥させて濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中5%メタノール)により精製して、標題化合物を白色の固体として得た。H NMR(d-DMSO,400MHz):δppm 11.93(bs,1H),7.95(d,2H),7.89-7.83(m,5H),7.54(d,2H),6.98(s,2H),4.41(bs,1H),3.66-3.61(m,2H),3.22-2.95(m,2H),2.00-1.91(m,2H),1.47(bs,2H),LC-MS(m/z)。[M+H]=415.1
【0107】
実施例8.(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-フェノキシフェニル)メタノン(スキーム7)
【化15】
4-フェノキシ安息香酸(95mg、0.4435mmol、100質量%)、HATU(253mg、0.6653mmol)、およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.232mL、1.331mmol、100質量%)を、N,N-ジメチルホルムアミド(5mL、64.6mmol、100質量%)中で10分間撹拌した。それに、室温でN,N-ジメチルホルムアミド(5mL、64.6mmol、100質量%)中の4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン(67mg、0.4435mmol)を添加し、24時間撹拌した。溶液を、DCM(20mL)とNaHCOの飽和水溶液(20mL)との間で分配し、分離し、蒸発させた。残渣をHPLC精製により精製し、[4-(1H-イミダゾール-2-イル)-1-ピペリジル]-(4-フェノキシフェニル)メタノン、2,2,2-トリフルオロ酢酸を固体ガムとして得た。次いで、これをDCM(10mL)とNaHCOの飽和水溶液(10mL)との間で分配し、有機層を分離し、蒸発させてガムを得、これをtBMEに溶解し、蒸発させて、表題化合物を白色の結晶性固体として得た。1H NMR(d6-DMSO,400MHz):δppm 12.5(bs,1H),7.4-7.5(m,4H),7.78(t,1H),7.2-7.3(m,1H),6.9-7.2(m,6H),4.5(bs,1H),2.8-4.0(m,6H),2.0-1.9(m,2H),1.8-1.9(m,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=348.3。
【0108】
実施例9.(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(フェニルアミノ)フェニル)メタノン(スキーム1)
【化16】
ステップ1.4-アニリノ安息香酸メチルの調製
ジクロロメタン(30mL)中の4-アミノ安息香酸エチル(1g、6.0536mmol)、フェニルボロン酸(2当量、1.48g、12.107mmol)、酢酸銅(II)(1.5当量、1.65g、9.0805mmol)、モレキュラーシーブ(4A、活性化、100mg)、ピリジン(4当量、1.96mL、24.215mmol、100質量%)の混合物を、乾燥空気中で室温で4日間撹拌した。混合物をDCMで希釈し、5%アンモニア溶液で洗浄し、シリカおよびMgSOを通して濾過し、減圧下で濃縮して、橙色の油状物を得た。残渣をクロマトグラフィー(DCM)により精製し、標題化合物を白色のろう状固体として得た。
【0109】
ステップ2.4-アニリノ安息香酸の調製
4-アニリノ安息香酸エチル(C、617mg、2.714mmol、100質量%)をメタノール(10mL)に溶解し、それに、水中2Mの水酸化ナトリウム(4当量、5.1mL、10.86mmol)を添加し、30分間にわたって70℃まで加熱した後、室温に冷却し、3日間撹拌した。2MのHCl(水溶液)(10mL)を添加し、混合物をDCMで抽出し、蒸発させて、4-アニリノ安息香酸を白色の固体として得た。
【0110】
ステップ3.実施例9の調製
4-アニリノ安息香酸(150mg、0.7036mmol)、HATU(1.5当量、4.1mg、1.055mmol)、およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(5当量、0.61mL、3.518mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)中で10分間撹拌した。それに、室温で4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン、2,2,2-トリフルオロ酢酸(E、1.2当量、517mg、0.8443mmol、62質量%)を添加し、7日間撹拌した。溶液をSFC精製により精製し、(4-アニリノフェニル)-[4-(1H-イミダゾール-2-イル)-1-ピペリジル]メタノンを白色の固体として得た。1H NMR(d6-DMSO,400MHz):δppm 11.8(bs,1H),8.45(s,1H),7.28(t,4H),7.14(d,2H),7.06(d,2H),6.94-6.83(m,3H),4.1(bs,1H),3.15-2.9(m,3H),1.97-1.85(m,3H),1.73-1.57(m,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=347.2。
【0111】
実施例10.(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3’-クロロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩(スキーム7)
【化17】
この化合物は、4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボン酸の代わりに3’-クロロ-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボン酸を使用し、最終材料を、改質剤としてTFAを用いて分取HPLCにより精製したことを除いて、実施例3の手順と同様の様式で合成された。1H NMR(d6-DMSO,400MHz):δppm 14.1(s,2H),7.83-7.75(m,3H),7.7(d,1H),7.64(s,2H),7.56-7.45(m,4H),4.6(bs,1H),3.8-2.8(m,4H),2.2-1.9(m,2H),1.90-1.7(m,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=366.1。
【0112】
実施例11.(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(6-フェニルピリジン-3-イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩(スキーム7)
【化18】
この化合物は、4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボン酸の代わりに6-フェニルニコチン酸を使用し、最終材料を、改質剤としてTFAを用いて分取HPLCにより精製したことを除いて、実施例3の手順と同様の様式で合成された。1H NMR(d4-MeOD,400MHz):δppm 8.73(s,1H),8.1-7.95(m,4H),7.6-7.45(m,5H),3.95(bs,1H),3.5-3.4(m,2H),3.2-3.0(m,1H),2.3-2.0(m,2H),2.0-1.8(m,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=333.2。
【0113】
実施例12.(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩(スキーム7)
【化19】
この化合物は、4-((1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン塩酸塩の代わりに4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン塩酸塩を使用したことを除いて、実施例3の手順と同様の様式で合成された。1H NMR(d6-DMSO,400MHz):δ ppm 13.95(bs,1H),7.95(d,2H),7.9-7.8(m,4H),7.58(s,2H),7.51(d,2H),4.5(bs,1H),3.63(bs,1H),3.1(bs,1H),2.88(d,2H),2.8(bs,1H),2.15-2.0(m,1H),1.70-1.45(m,2H),1.3-1.15(m,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=414.4。
【0114】
実施例13.(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)フェニル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩(スキーム3)
【化20】
この化合物は、(3-ブロモフェニル)(メチル)スルファンの代わりに5-ブロモベンゾ[d][1,3]ジオキソールを使用し、酸化ステップがなく、最終材料を、改質剤としてTFAを用いて分取HPLCにより精製したことを除いて、実施例2(ステップ1)の手順と同様の様式で合成された。1H NMR(d4-MeOD,400MHz):δ ppm 7.7(d,2H),7.55-7.45(m,4H),7.2-7.15(m,2H),6.94(d,1H),6.02(s,2H),4.0(bs,1H),3.5-3.4(m,1H),3.2-3.0(m,1H),2.3-2.0(m,2H),2.0-1.80(bs,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=376.1。
【0115】
実施例14.(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(9H-カルバゾール-2-イル)メタノン(スキーム7)
【化21】
この化合物は、4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボン酸の代わりに9H-カルバゾール-2-カルボン酸を使用したことを除いて、実施例3の手順と同様の様式で合成された。1H NMR(d6-DMSO,400MHz):δ ppm 11.98(bs,1H),11.39(s,1H),8.2-8.1(m,2H),7.55-7.45(m,2H),7.42(t,1H),7.25-7.15(m,2H),6.93(s,2H),4.5(bs,1H),3.8(bs,1H),3.2-2.95(m,3H),2.0-1.8(m,2H),1.8-1.60(m,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=345.2。
【0116】
実施例15.(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(ジベンゾ[b,d]フラン-3-イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩(スキーム7)
【化22】
この化合物は、4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボン酸の代わりにジベンゾ[b,d]フラン-3-カルボン酸を使用し、最終材料を、改質剤としてTFAを用いて分取HPLCにより精製したことを除いて、実施例3の手順と同様の様式で合成された。1H NMR(d6-DMSO,400MHz):δ ppm 14.06(s,2H),8.3-8.2(m,2H),7.8-7.7(m,2H),7.65(s,2H),7.61(t,1H),7.5-7.4(m,2H),4.68(bs,1H),3.7(bs,2H),2.97(bs,2H),2.2-1.9(m,2H),1.9-1.75(m,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=346.1。
【0117】
実施例16.(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン(スキーム3)
【化23】
この化合物は、(3-ブロモフェニル)(メチル)スルファンの代わりに1-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)ベンゼンを使用し、酸化ステップがなかったことを除いて、実施例2(ステップ1)の手順と同様の様式で合成された。1H NMR(d6-DMSO,400MHz):δ ppm 11.72(s,1H),7.87(d,2H),7.8(d,2H),7.69(d,2H),7.53(d,2H),7.1(t,1H),7.0(s,1H),6.77(s,1H),4.48(bs,1H),3.7(bs,1H),3.22(bs,1H),3.1-2.9(m,2H),2.05-1.8(m,2H),1.8-1.60(m,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=382.2。
【0118】
実施例17.(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-4-イル)フェニル)メタノン(スキーム6)
【化24】
ステップ-1.(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-ブロモフェニル)メタノンの調製
DMF(10mL)中の4-ブロモ安息香酸(200mg、1mmol)の撹拌した溶液に、HATU(570mg、1.5mmol)を添加した。反応混合物を、窒素雰囲気下で、室温で15分間撹拌し、0℃までさらに冷却した。DIPEA(0.55mL、3mmol)および化合物4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン(151mg、1mmol)を上記反応混合物に添加し、16時間撹拌した。反応混合物を過剰のDCMで希釈し、水およびブライン溶液洗浄を行い、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、粗生成物を得た。粗製物をカラムクロマトグラフィーにより精製した。(SiO230-400)DCM中5%MeOHを溶出剤として使用することにより化合物を溶出して、標題化合物を白色の固体として得た。
【0119】
ステップ-2.実施例17の調製
10mLの引張シールチューブに、窒素下で、3(90mg、0.270mmol)、4(52mg、0.216mmol)、炭酸ナトリウム(25mg、0.810mmol)、およびPd(dppf)ClDCM(22mg、0.027mmol)、ジオキサン(6mL)、ならびに水(3mL)を充填した。反応混合物を、窒素ガスで5分間パージし、密封した。反応混合物を、65℃で30時間加熱した。反応混合物を、室温に冷却し、DCM(30mL)と水(20mL)との間で分配した。水層をDCM(10mL×2)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(10mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、130mgの褐色の固体を粗製物として得た。粗生成物を、分取HPLC精製により精製した。画分を含有する生成物を凍結乾燥させ、標題化合物をオフホワイト色の固体として得た。1H NMR(d4-MeOD,400MHz):δ ppm 7.8(d,2H),7.55(d,2H),7.42(d,1H),7.31(d,1H),7.25-7.15(m,1H),7.15-7.05(m,3H),6.6(d,1H),4.8(bs,1H),4.02(bs,1H),3.25-3.0(m,2H),2.25-1.75(m,4H)。LC-MS(m/z):[M+H]=371.2。
【0120】
実施例18.(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-1-イル)フェニル)メタノン(スキーム1)
【化25】
ステップ1.4-(1H-インドール-1-イル)安息香酸の調製
DMSO(20mL)中の1H-インドール(1g、8.54mmol)および4-ヨード安息香酸(2.33g、9.40mmol)の撹拌した溶液に、25℃でKCO(3.5g、25.6mmol)を添加した。反応混合物をアルゴンで10分間飽和した。それに、CuI(324mg、1.70mmol)および8-ヒドロキシキナルジン(407mg、2.56mmol)を添加し、90℃で24時間撹拌した。反応をTLCおよびLCMSによって監視した。反応が完了したら、それを水(100mL)で希釈し、0℃で1.5NのHClで酸性化した。得られた固体を濾過し、水で洗浄して、4-(1H-インドール-1-イル)安息香酸を褐色の固体として得、さらに精製せずに次のステップで使用した。
【0121】
ステップ2.実施例18の調製
4-(1H-インドール-1-イル)安息香酸(350mg、1.47mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.8mL、3.1mmol)をDMF(10mL)中で撹拌した。それに、室温でHATU(841mg、2.21mmol)を添加し、10分間撹拌した。次いで、4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン塩酸塩(302mg、1.62mmol)を添加し、混合物を室温で16時間撹拌した。反応をTLCおよびLCMSによって監視した。反応が完了したら、それを酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(2×50mL)で洗浄した。有機部分を乾燥させて濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中5%メタノール)により精製して、標題化合物を白色の固体として得た。1H NMR(d6-DMSO,400MHz):δ ppm 7.73-7.60(m,7H),7.25-7.14(m,4H),6.75(d,1H),4.55(bs,1H),3.95(bs,1H),3.20-2.9(m,3H),2.00(bs,2H),1.90-1.65(m,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=371.1。
【0122】
実施例19.(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン(スキーム7)
【化26】
この化合物は、4’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボン酸の代わりに3’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボン酸を使用したことを除いて、実施例3の手順と同様の様式で合成された。化合物を、トリフルオロ酢酸塩として単離した。(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン2,2,2-トリフルオロアセテート(4.73mg)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、NaHCO(1mL、飽和、水溶液)で洗浄した後、蒸発させて遊離塩基を得た。H NMR(d-DMSO,400MHz):δ ppm 11.98(bs,1H),8.07-8.0(m,2H),7.84(d,2H),7.8-7.7(m,2 H),7.53(d,2 H),6.95(s,2H),4.5(bs,1 H),3.7(bs,1 H),3.26-3.15(m,1H),3.07-2.93(m,2 H),2.11-1.78(m,2 H)1.78-1.6(m,2 H)。LC-MS(m/z):[M+H]=400.1。
【0123】
実施例20.(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)メタノン(スキーム3)
【化27】
この化合物は、(3-ブロモフェニル)(メチル)-スルファンの代わりに4-ブロモベンゾ[d][1,3]ジオキソールを使用し、酸化ステップがなかったことを除いて、実施例2(ステップ1)の手順と同様の様式で合成された。1H NMR(d6-DMSO,400MHz):δ ppm 13.83(bs,1H),7.83(d,2H),7.55-7.45(m,4H),7.22-7.15(m,1H),6.95-7.05(m,2H),6.1(s,2H),4.6(bs,1H),3.74(bs,1H),2.96(bs,1H),2.15-1.9(m,2H),1.85-1.7(m,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=376.2。
【0124】
実施例21.(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(1-フェニル-1H-インドール-5-イル)メタノン(スキーム1)
【化28】
ステップ1.1-フェニル-1H-インドール-5-カルボン酸メチルの調製
DMSO(10mL)中の1H-インドール-5-カルボン酸メチル(0.5g、2.85mmol)およびヨードベンゼン(0.64g、3.14mmol)の撹拌した溶液に、25℃でKCO(1.2g、8.57mmol)、CuI(0.011g、0.57mmol)、および8-ヒドロキシキナルジン(0.136g、0.857mmol)を添加した。反応混合物を100℃で16時間撹拌した。反応をTLCおよびLCMSによって監視した。反応が完了したら、それを水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機部分を乾燥させて濃縮し、フラッシュカラム精製して(ヘキサン中30%酢酸エチル)、標記化合物を褐色の液体として得た。
【0125】
ステップ2.1-フェニル-1H-インドール-5-カルボン酸の調製
THF/メタノール/HO(6+2+2mL)中の1-フェニル-1H-インドール-5-カルボン酸メチル(0.7g、2.78mmol)に、25℃で水酸化リチウム一水和物(0.35g、8.36mmol)を添加した。反応混合物を25℃で16時間撹拌した。反応をTLCおよびLCMSによって監視した。反応が完了したら、それを濃縮し、粗反応混合物を得た。粗反応塊(reaction mass)を、0℃で1.5NのHCl(2mL)で酸性化した。得られた固体を濾過し、水で洗浄して、標題化合物を白色の固体として得た。表題化合物をさらに精製せずに次のステップで使用した。
【0126】
ステップ3.実施例21の調製
1-フェニル-1H-インドール-5-カルボン酸(200mg、0.84mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.45mL、2.52mmol)をDMF(10mL)中で撹拌した。それに、室温でHATU(479mg、1.26mmol)を添加し、10分間撹拌した。次いで、4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン塩酸塩(190mg、1.08mmol)を添加し、混合物を室温で16時間撹拌した。反応をTLCおよびLCMSによって監視した。反応が完了したら、それを酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(2×50mL)で洗浄した。有機部分を乾燥させて濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中5%メタノール)により精製して、標題化合物を白色の固体として得た。1H NMR(d6-DMSO,400MHz):δ ppm 7.75-7.73(m,2H),7.62-7.58(m,5H),7.44-7.41(m,1H),7.25(dd,1H),7.08(s,2H),6.77(d,1H),4.31(bs,1H),3.44(bs,1H),3.10-2.90(m,3H),1.91(d,2H),1.76-1.65(m,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=371.2。
【0127】
実施例22.(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(5-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-イル)フェニル)メタノン(スキーム3)
【化29】
この化合物は、(3-ブロモフェニル)(メチル)スルファンの代わりに2-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)チオフェンを使用し、酸化ステップがなかったことを除いて、実施例2(ステップ1)の手順と同様の様式で合成された。1H NMR(d6-DMSO,400MHz):δ ppm 13.92(bs,1H)7.85(d,2H),7.75(d,2H),7.55(d,2H),7.55-7.45(m,4H),4.55(bs,1H),3.70(bs,1H),2.95(bs,1H),2.15-1.85(m,2H),1.85-1.65(m,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=406.0。
【0128】
実施例23.(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン(スキーム4)
【化30】
この化合物は、4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン塩酸塩の代わりに4-((1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン塩酸塩を使用したことを除いて、実施例5(ステップ3)の手順と同様の様式で合成された。1H NMR(d6-DMSO),400MHz):δ ppm 11.73(bs,1H),11.45(s,1H),7.91(d,1H),7.8-7.75(m,3H),7.46(d,3H),7.25-7.05(m,2H),6.89(s,2H),4.41(bs,1H),3.92(bs,1H),3.25-2.9(m,3H),2.0-1.85(m,2H),1.8-1.6(m,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=371.2。
【0129】
実施例24.(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インダゾール-3-イル)フェニル)メタノン(スキーム4)
【化31】
この化合物は、4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン塩酸塩の代わりに4-((1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン塩酸塩を使用したことを除いて、実施例6(ステップ3)の手順と同様の様式で合成された。1H NMR(d6-DMSO),400MHz):δ ppm 13.35(s,1H),8.15-8.05(m,3H),7.61(d,1H),7.55(d,2H),7.42(t,1H),7.23(t,1H),7.00(s,2H),4.51(bs,1H),3.78(bs,1H),3.1-2.9(m,3H),2.1-1.85(m,2H),1.8-1.6(m,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=372.2。
【0130】
実施例25.(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン
【化32】
この化合物は、(3-ブロモフェニル)(メチル)スルファンの代わりに1-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)ベンゼンを使用し、4-((1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン塩酸塩の代わりに4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン塩酸塩を使用し、酸化ステップがなかったことを除いて、実施例2(ステップ1)の手順と同様の様式で合成された。1H NMR(d6-DMSO,100℃で400MHz):δ ppm 7.82(d,2H),7.75(d,2H),7.66(d,2H),7.47(d,2H),7.16-6.88(m,4H),4.06-4.03(m,2H),2.64(d,3H),2.06-2.04(m,1H),1.69(d,2H),1.28-1.22(m,3H)。LC-MS(m/z):[M+H]=396.2。
【0131】
実施例26.(4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(2-メチル-1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノン
【化33】
ステップ1.3-ブロモ-2-メチル-1H-インドールの調製
THF(50mL)中の2-メチル-1H-インドール(5g、16.84mmol)の撹拌した溶液に、0℃でN-ブロモスクシンイミド(3.15g、17.68mmol)を少しずつ添加した。得られた反応混合物を室温で3時間撹拌した。完了後、反応混合物を冷水(100mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×200mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗塊をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中5~10%酢酸エチル)により精製して、3-ブロモ-2-メチル-1H-インドールを白色の固体として得た。
【0132】
ステップ2.3-ブロモ-2-メチル-1H-インドール-1-カルボン酸tert-ブチルの調製
DCM(30mL)中の3-ブロモ-2-メチル-1H-インドール(2g、9.52mol)の撹拌した溶液に、0℃で二炭酸ジ-tert-ブチル(2.84mL、12.38mmol)、DIPEA(3.31mL、19.05mmol)、続いてDMAP(233mg、1.91mmol)を添加した。得られた反応混合物を室温で4時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(2×200mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗材料をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中5~10%酢酸エチル)により精製して、3-ブロモ-2-メチル-1H-インドール-1-カルボン酸tert-ブチルを白色の固体として得た。
【0133】
ステップ3.2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドール-1-カルボン酸tert-ブチルの調製
ジオキサン(30mL)中の3-ブロモ-2-メチル-インドール-1-カルボン酸tert-ブチル(1g、3.23mol)の撹拌した溶液に、ビスピナコラトジボロン(1.23g、4.84mmol)および酢酸カリウム(950mg、9.68mmol)を添加した。反応混合物をアルゴンで10分間脱気し、Pd(PPh3)2Cl2(240mg、0.32mmol)を添加した。得られた混合物を、100℃で16時間加熱した。完了後、反応混合物を、短いセライトパッドを通して濾過し、水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中5~10%酢酸エチル)により精製して、2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドール-1-カルボン酸tert-ブチルを白色の固体として得た。
【0134】
ステップ4.2-メチル-3-(4-{[4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル]カルボニル}フェニル)-1H-インドール-1-カルボン酸tert-ブチルの調製
2-メチルテトラヒドロフラン(5mL)および水(0.5mL)中の(4-ブロモフェニル)-[4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)-1-ピペリジル]メタノン(200.0mg、0.58mmol)の撹拌した溶液に、2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)インドール-1-カルボン酸 tert-ブチル(246.21mg、0.69mmol)および炭酸カリウム(238.28mg、1.72mmol)を添加した。反応混合物をアルゴンで10分間脱気し、Pd(PPhCl(36.31mg、0.05mmol)を添加した。得られた混合物を、85℃で16時間加熱した。完了後、反応混合物を、短いセライトパッドを通して濾過し、水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中20~40%酢酸エチル)により精製して、2-メチル-3-(4-{[4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル]カルボニル}フェニル)-1H-インドール-1-カルボン酸tert-ブチルをオフホワイト色の固体として得た。
【0135】
ステップ5.実施例26の調製。
DCM(2mL)中の2-メチル-3-(4-{[4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル]カルボニル}フェニル)-1H-インドール-1-カルボン酸tert-ブチル(100.0mg、0.20mmol)の撹拌した溶液に、0℃でジオキサン中のHCl(4M、2mL、8mmol)を添加した。得られた混合物を室温で6時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、水で希釈し、重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、ジクロロメタン中10%メタノール(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中2~5%メタノール)により精製して、(4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(2-メチル-1H-インドール-3-イル)フェニル)メタノンを白色の固体として得た。1H NMR(d6-DMSO,100℃で400MHz):δ ppm 11.08(bs,1H),10.89(bs,1H),7.57-7.54(m,3H),7.48(d,2H),7.35(d,1H),7.10-6.99(m,2H),6.54(bs,1H),4.13(d,2H),3.19-3.12(m,2H),2.98-2.94(m,1H),2.49(s,3H),2.11(s,3H),1.97-1.92(m,2H),1.79-1.69(m,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=399.2。
【0136】
実施例27.(4-(1H-インドール-6-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン
【化34】
ステップ1.4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)-1-{[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]カルボニル}ピペリジンの調製
ジオキサン(30mL)中の1-[(4-ブロモフェニル)カルボニル]-4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン(3.5g、10.05mmol)の撹拌した溶液に、ビスピナコラトジボロン(3.83g、15.07mmol)および酢酸カリウム(2.96g、30.15mmol)を添加した。それをアルゴンで10分間脱気し、Pd(PPhCl(705mg、1.01mmol)を添加した。得られた混合物を、90℃で16時間加熱した。完了後、反応混合物を、短いセライトパッドを通して濾過し、水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中5~10%メタノール)により精製して、4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)-1-{[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]カルボニル}ピペリジンを褐色の固体として得た。
【0137】
ステップ2.実施例27の調製。
2-メチルテトラヒドロフラン(6mL)および水(2mL)中の6-ブロモ-1H-インドール(100.0mg、0.51mmol)の撹拌した溶液に、[4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)-1-ピペリジル]-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]メタノン(241.84mg、0.61mmol)および炭酸カリウム(211.53mg、1.53mmol)を添加した。それをアルゴンで10分間脱気し、PdCl(PPh(35.81mg、0.05mmol)を添加した。得られた混合物を、80℃で10時間加熱した。完了後、反応混合物を、短いセライトパッドを通して濾過し、水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗化合物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中2~5%メタノール)により精製して、(4-(1H-インドール-6-イル)フェニル)(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノンを白色の固体として得た。1H NMR(d6-DMSO,100℃で400MHz):δ ppm 11.10(bs,1H),10.87(bs,1H),7.72(t,3H),7.63(d,1H),7.47(d,2H),7.34(d,2H),6.62(bs,1H),6.46(bs,1H),4.10-4.06(m,2H),3.14(t,2H),2.97-2.95(m,1H),2.15(s,3H),1.96-1.93(m,2H),1.74-1.72(m,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=385.2。
【0138】
実施例28.(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(1H,1’H-[3,4’-ビインドール]-6-イル)メタノン
【化35】
ステップ1.3-ブロモ-6-{[4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル]カルボニル}-1H-インドールの調製
THF(20mL)中の3-ブロモ-1H-インドール-6-カルボン酸(1g、4.19mmol)の攪拌した溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.16mL、12.56mmol)およびHATU(2.07g、5.44mmol)を添加し、10分間撹拌した。4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン(759mg、5.02mmol)を添加し、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。完了後、反応混合物を水(100mL)で希釈し、DCM(2×50mL)中10%メタノールで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗材料を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中2~5%メタノール)により精製して、3-ブロモ-6-{[4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル]カルボニル}-1H-インドールを白色の固体として得た。
【0139】
ステップ2.実施例28の調製。
ジオキサン(2.5mL)、DMF(0.5mL)、および水(0.5mL)中の3-ブロモ-6-{[4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル]カルボニル}-1H-インドール(300.0mg、0.81mmol)および1H-インドール-4-イルボロン酸(168.84mg、1.05mmol)の撹拌した溶液に、炭酸ナトリウム(256.39mg、2.42mmol)を添加した。それをアルゴンで10分間脱気し、PdCl2(dppf)(59mg、0.08mmol)を添加した。得られた混合物を、マイクロ波照射下で100℃で1時間加熱した。完了後、揮発物を減圧下で除去し、水(50mL)で希釈し、ジクロロメタン中10%メタノール(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗化合物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中2~5%メタノール)、続いて分取HPLCにより精製して、[4-(1H-イミダゾール-2-イル)-1-ピペリジル]-[3-(1H-インドール-4-イル)-1H-インドール-6-イル]メタノンを白色の固体として得た。1H NMR(d6-DMSO,100℃で400MHz):δ ppm 11.38(bs,1H),11.17(bs,1H),10.82(bs,1H),7.74(d,1H),7.69(s,1H),7.55(s,1H),7.36(d,1H),7.31(t,1H),7.23(d,1H),7.17(t,1H),7.11(d,1H),6.95(bs,1H),6.78(bs,1H),6.56-6.53(m,1H),4.18-4.14(m,2H),3.19-3.13(m,2H),3.04-2.98(m,1H),1.99-1.95(m,2H),1.81-1.75(m,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=410.2。
【0140】
実施例29.[4-(1H-イミダゾール-2-イル)-1-ピペリジル]-[3-(1H-インドール-3-イル)-1H-インドール-6-イル]メタノン
【化36】
ジオキサン(3mL)、DMF(0.5mL)、および水(0.5mL)中の3-ブロモ-6-{[4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル]カルボニル}-1H-インドール(400.0mg、1.08mmol)および(1-tert-ブトキシカルボニルインドール-3-イル)ボロン酸(364.90mg、1.40mmol)の撹拌した溶液に、炭酸ナトリウム(341.86mg、3.23mmol)を添加した。混合物をアルゴンで10分間脱気し、PdCl(dppf)(78.67mg、0.11mmol)を添加した。得られた混合物を、100℃で1時間、マイクロ波照射下で加熱した。完了後、揮発物を減圧下で除去し、水(50mL)で希釈し、ジクロロメタン中10%のメタノール(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗化合物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中3~7%メタノール)、続いて分取HPLCにより精製して、[4-(1H-イミダゾール-2-イル)-1-ピペリジル]-[3-(1H-インドール-3-イル)-1H-インドール-6-イル]メタノンを白色の固体として得た。1H NMR(d6-DMSO,100℃で400MHz):δ ppm 11.40(bs,1H),11.02(bs,1H),10.84(bs,1H),7.78-7.73(m,2H),7.66(bs,1H),7.57(bs,1H),7.52(s,1H),7.46(d,1H),7.17-7.04(m,3H),6.94(bs,1H),6.79(bs,1H),4.18-4.15(m,2H),3.15(t,2H),3.04-2.99(m,1H),1.98-1.94(m,2H),1.81-1.75(m,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=410.2。
【0141】
実施例30.(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-2-イル)フェニル)メタノン(スキーム6)
【化37】
この化合物は、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドールの代わりに(1-(tert-ブトキシカルボニル)-1H-インドール-2-イル)ボロン酸を使用したことを除いて、実施例17(ステップ2)の手順と同様の様式で合成された。HCl媒介性脱保護ステップ(下記)を使用して、最終化合物を調製した。
【0142】
乾燥DCM(5mL)中の2-(4-(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-カルボニル)フェニル)-1H-インドール-1-カルボン酸tert-ブチル(0.1g、0.21mmol)の撹拌した溶液に、0℃で1,4ジオキサン4M(5mL)中のHClを滴加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応の完了後、反応混合物を真空下で濃縮した。得られた粗残渣を、分取HPLCにより精製して、(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4-(1H-インドール-2-イル)フェニル)メタノンを褐色の固体として得た。1H NMR(d6-DMSO,100℃で400MHz):δ ppm 7.94(d,2H),7.56(d,1H),7.50(d,2H),7.42(d,1H),7.13(t,1H),6.95-7.05(m,3H),6.78(bs,1H),4.44(bs,1H),3.74(bs,1H),3.15-3.30(m,1H),2.9-3.1(m,2H),1.8-2.1(m,2H),1.6-1.8(m,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=371.1。
【0143】
実施例31.(4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3-フェニル-1H-インドール-6-イル)メタノン
【化38】
ステップ1.3-ブロモ-6-{[4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル]カルボニル}-1H-インドールの調製
THF(20mL)中の3-ブロモ-1H-インドール-6-カルボン酸(1g、4.19mmol)の攪拌した溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.16mL、12.56mmol)およびHATU(2.07g、5.44mmol)を添加し、10分間撹拌した。4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン(829mg、5.02mmol)を添加し、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。完了後、反応混合物を水(100mL)で希釈し、ジクロロメタン中10%メタノール(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗材料を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中2~5%メタノール)により精製して、3-ブロモ-6-{[4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル]カルボニル}-1H-インドールを白色の固体として得た。
【0144】
ステップ2.実施例31の調製。
ジオキサン(2.5mL)、DMF(0.5mL)、および水(0.5mL)中の3-ブロモ-6-{[4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル]カルボニル}-1H-インドール(250.0mg、0.65mmol)およびフェニルボロン酸(102.74mg、0.84mmol)の撹拌した溶液に、炭酸ナトリウム(205.90mg、1.94mmol)を添加した。混合物をアルゴンで10分間脱気し、PdCl(dppf)(47.38mg、0.07mmol)を添加した。得られた混合物を、マイクロ波照射下で100℃で1時間加熱した。完了後、揮発物を減圧下で除去し、水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗化合物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中2~5%メタノール)、続いて分取HPLCにより精製して、標題化合物を白色の固体として得た。1H NMR(d6-DMSO,20℃で400MHz):δppm 11.55(bs,1H),11.48(bs,1H),7.89(d,1H),7.81(s,1H),7.69(d,2H),7.50(s,1H),7.44(t,2H),7.25(t,1H),7.13(d,1H),6.66-6.40(bs,1H),3.98-3.88(m,1H),3.08-3.02(m,2H),2.89-2.80(m,2H),2.08(s,3H),1.91-1.85(m,2H),1.70-1.64(m,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=385.2。
【0145】
実施例32.(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(3-フェニル-1H-インドール-6-イル)メタノン
【化39】
この化合物は、ステップ1で4-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジンの代わりに4-((1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン塩酸塩を使用したことを除いて、実施例31と同様の様式で調製された。1H NMR(d6-DMSO,100℃で400MHz):δ ppm 11.38(bs,1H),11.20(bs,1H),7.88(d,1H),7.70-7.68(m,3H),7.53(s,1H),7.44(t,2H),7.25(t,1H),7.18-7.14(m,1H),6.86(bs,2H),4.16-4.13(m,2H),3.15(t,2H),3.02-3.00(m,1H),1.98-1.94(m,2H),1.81-1.75(m,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=371.2
【0146】
実施例33.(4-((1H-イミダゾール-2-イル)アミノ)ピペリジン-1-イル)(4’-(ジフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン(スキーム2)
【化40】
これは、ステップ3において4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボン酸の代わりに4-[4-(ジフルオロメチル)フェニル]安息香酸を使用して、1-({4-[4-(ジフルオロメチル)フェニル]フェニル}カルボニル)-N-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-4-アミンを白色の固体として得たことを除いて、実施例1と同様の様式で調製された。1H NMR(d6-DMSO,100℃で400MHz):δppm 8.14(bs,1H),7.83(d,2H),7.76(d,2H),7.67(d,2H),7.50(d,2H),7.16-6.88(m,1H),6.54(s,2H),5.51-5.49(m,1H),4.00-3.96(m,2H),3.73-3.69(m,1H),3.21-3.11(m,2H),2.00-1.91(m,2H),1.52-1.44(m,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=397.2。
【0147】
実施例34.(4-(5-フルオロ-1H-インドール-3-イル)フェニル)(4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン
【化41】
ステップ1.5-フルオロ-3-(4-{[4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル]カルボニル}フェニル)-1-[(4-メチルベンゼン)スルホニル]-1H-インドールの調製
2-メチルテトラヒドロフラン(15mL)および水(5mL)中の3-ブロモ-5-フルオロ-1-トシル-1H-インドール(600.0mg、1.63mmol)の撹拌した溶液に、4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)-1-{[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]カルボニル}ピペリジン(772.81mg、1.96mmol)および炭酸カリウム(675.57mg、4.89mmol)を添加した。反応混合物をアルゴンで10分間脱気し、Pd(PPhCl(35.81mg、0.05mmol)を添加した。得られた混合物を、85℃で16時間加熱した。完了後、反応混合物を、短いセライトパッドを通して濾過し、水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中5~10%メタノール)により精製して、5-フルオロ-3-(4-{[4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル]カルボニル}フェニル)-1-[(4-メチルベンゼン)スルホニル]-1H-インドールを褐色の固体として得た。
【0148】
ステップ2.実施例34の調製。
メタノール:THF(12mL、1:1)中の5-フルオロ-3-(4-{[4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル]カルボニル}フェニル)-1-[(4-メチルベンゼン)スルホニル]-1H-インドール(200.0mg、0.75mmol)の撹拌した溶液に、0℃で4MのNaOH(0.45mL、1.8mmol)を滴加した。反応混合物をゆっくりと室温まで加温し、4時間撹拌した。完了後、それを水(30mL)で希釈し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗化合物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中2~5%メタノール)により精製して、5-フルオロ-3-(4-{[4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル]カルボニル}フェニル)-1H-インドールをオフホワイト色の固体として得た。1H NMR(d6-DMSO,100℃で400MHz):δppm 11.23(bs,2H),7.76(s,1H),7.72(d,2H),7.57(d,1H),7.48-7.45(t,2H),6.99(t,1H),6.53(bs,2H),4.11(d,2H),3.15(t,2H),2.85-2.80(m,1H),2.11(s,3H),1.97-1.93(m,2H),1.77-1.69(m,2H)。LC-MS(m/z):[M+H]=403.2。
【0149】
比較類似体(CA-#)
比較評価では、セロトニン5-HT2BおよびhERGの受容体親和性(IC50)を本発明の化合物と比較した。本発明の化合物および比較対象のそれぞれの阻害データを表2に示す。最大半量(50%)阻害濃度(IC50)は、特定の生物学的機能、すなわち受容体を阻害する化合物の効力の尺度である。いくつかの比較対象は、以前にWO2010/080357に記載された。観察されるように、コア分子において若干の変更、例えば、a)CA-1のメチレンリンカーを、Ex-1のアミンに変更すること、b)パラ-フッ素(CA-4)またはパラ-シアノ(CA-5)の代わりに置換(メタ)スルホニルメチル(Ex-2)、c)フッ素(CA-4)またはシアノ(CA-5)の代わりにCF(Ex-3)、およびd)パラ-フッ素(CA-4)の代わりに置換メタ-塩素(Ex-10)が行われ、5-HT2Bおよび/またはhERGの阻害活性において予測されない結果をもたらした。本発明の化合物のいくつかについて、本発明の実施例を比較類似体から区別する比較表を表1に提供する。比較類似体(CA-1~CA-7)を以下に示す。
【0150】
CA-1(4-((1H-イミダゾール-2-イル)メチル)ピペリジン-1-イル)(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、WO2010/080357(実施例54)に記載されている
【化42】
CA-2(4-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-(トリフルオロメトキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、WO2010/080357(実施例37)に記載されている
【化43】
CA-3(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)([1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン、WO2010/080357(実施例39)に記載されている
【化44】
CA-4(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン
【化45】
CA-54’-(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-カルボニル)-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボニトリル
【化46】
CA-6(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)(4-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)メタノン
【化47】
CA-7(4-(1H-イミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)(2’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メタノン
【化48】
【表1】
【0151】
イヌ5-HT2B(c5-HT2B)インビトロアッセイ
イヌ5-HT2B受容体を安定して発現するCHO-K1細胞を、20μlの培養培地(透明底の384ウェルブラックプレートのGlutaMAX(商標)高グルコース+5%透析FBS+10mMのHEPES+1×MEM非必須アミノ酸を含むDMEMに、37℃および5%COで少なくとも18時間、ウェルあたり20,000細胞で播種した。細胞プレートに、20mMのHEPESおよび5mMのプロベネシド、pH7.4で補充したカルシウムおよびマグネシウムを含有するHBSSにおいて調製したFLIPR(登録商標)カルシウム5アッセイキットを20μl/ウェルで充填し、37℃および5%のCOで30分間、次いで室温でさらに30分間インキュベートした。細胞内カルシウム応答を、室温で、470~495nmの励起波長および515~575nmの発光波長でのカルシウム5色素の動態応答を測定するFLIPR Tetra(登録商標)機器を使用して測定した。細胞を、初期ベースラインを記録した後、5×濃度のアンタゴニスト(10μl/ウェル)で最初に曝露し、カルシウム応答をほぼ2分間記録した。最初のアンタゴニスト曝露が完了した後、細胞プレートを、FLIPR Tetra(登録商標)機器において室温で10分間インキュベートした。最後に、10分間の室温でのインキュベーション後に第2の動態アッセイを行い、初期ベースラインを記録した後のEC80濃度のセロトニン(15μl/ウェル)の阻害応答を測定した。試験した各アンタゴニストについてIC50濃度を決定した。
【0152】
hERGインビトロアッセイ
本発明の化合物および陽性対照(シサプリド;0.001~3μM)のストック溶液をDMSO中で調製した。ストック溶液を、HEPES緩衝生理食塩水溶液に希釈した。試験および対照溶液は、0.3%DMSOを含有した。完全長hERG cDNAで安定してトランスフェクトされたヒトhERG/HEK293腎上皮細胞を、10%ウシ胎仔血清、100U/mLペニシリンGナトリウム、100μg/mLの硫酸ストレプトマイシン、および500μg/mLのG418で補充したダルベッコの改変イーグル培地/栄養混合物F-12(D-MEM/F-12)中で培養した。試験前に、培養皿中の細胞をハンクス平衡塩溶液(HBSS)ですすぎ、アキュターゼで剥離した。IonWorks Barracuda(商標)システムで使用する直前に、細胞を緩衝生理食塩水(HB-PS)緩衝液で洗浄して、アキュターゼを除去し、5mLのHB-PSに再懸濁した。試験物の効果は、IonWorks Barracuda(商標)システム(Molecular Devices Corporation、Union City,CA)を使用して評価した。全細胞を記録するためのHEPES緩衝細胞内溶液を、Population Patch Clamp(商標)(PPC)平面電極の細胞内区画に充填した。細胞外緩衝液(HB-PS)をPPC平面電極プレートウェル(11μL/ウェル)に充填した。細胞懸濁液を、PPC平面電極(9μL/ウェル)のウェルにピペットで入れた。全細胞構成(穿孔パッチ)を確立した後、膜電流をIonWorks Barracuda(商標)システムのパッチクランプ増幅器を使用して記録した。電流の記録は、試験物を細胞(ベースライン)に適用する前に1回、試験物を適用した後に1回実施した。試験物の濃縮物をナイーブ細胞に適用した。各適用は、20μLの2×濃縮試験物溶液を、合計40μLの、PPCプレートの細胞外ウェルの最終体積に添加することからなった。各化合物濃度への曝露時間は5分であった。hERG電流は、0mVの保持電位(「ゼロ保持」手順)から、固定振幅を有するパルスパターンを使用して誘発された(第1のコンディショニングプレパルスは、60秒間にわたって10mVまで、第2のコンディショニングプレパルス:-90mV、20ms、試験パルス:100msにわたって+40mV)。hERG電流は、1msでのピーク電流と、+40mVまでの試験ステップの終了時の電流との差として測定した。IonWorks Barracuda(商標)システム操作ソフトウェア(バージョン2.0.2)を使用して、データ取得および分析を実施した。試験物を適用した後の電流振幅の減少を使用して、対照に対する遮断パーセントを計算した。各試験物濃度(n≧1)の結果を平均化し、平均値および標準偏差値を計算し、用量応答曲線を生成するために使用した。
【0153】
上述のインビトロアッセイに従って、本発明の化合物および比較類似体のc5-HT2BおよびhERG受容体に対するIC50親和性を表2に記載する。
【表2】
【0154】
表2に見られるように、本発明の化合物は、類似の化学類似体と比較して、c5-HT2B受容体に対して高い親和性を有し、hERG受容体に対してより低い親和性を有する。本明細書に記載されるように、好ましい化合物は、潜在的に致命的なLQTS障害をもたらさないように、hERGに対してより低い親和性(または無い)を有する化合物である。