(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】表示システム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/00 20240101AFI20240314BHJP
A01B 69/00 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
G05D1/00
A01B69/00 301
(21)【出願番号】P 2022123999
(22)【出願日】2022-08-03
(62)【分割の表示】P 2020123371の分割
【原出願日】2017-03-03
【審査請求日】2022-08-03
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(72)【発明者】
【氏名】小倉 康平
【審査官】堀内 亮吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-167562(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/43
A01B 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業車両が作業を行う作業画面を表示する表示システムであって、
表示される画面を制御する表示制御部を備え、
前記表示制御部は、
電源投入後又はアプリケーション起動後に、複数の画面を順次表示させ、
前記複数の画面を表示させた後に、ユーザが選択可能な複数の操作部が表示されるトップ画面を表示させ、
前記複数の画面には、前記作業車両に関する各種の情報を登録するための登録画面が含まれ
、
前記表示制御部は、前記作業車両に関する各種の情報が既に登録されている場合、前記複数の画面のうちの前記登録画面を表示せずに次の画面に遷移させる、
表示システム。
【請求項2】
前記登録画面は、前記複数の画面のうち最後に表示される画面であって、
前記表示制御部は、前記作業車両に関する各種の情報が既に登録されている場合、前記登録画面を表示させずに前記トップ画面を表示させる、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記複数の画面には、一定期間経過後の表示が終了するスプラッシュ画面と、前記作業車両の使用に関する免責事項を表示する免責事項画面とが含まれる、
請求項1又は2に記載の表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め定められた走行経路に沿って自律走行する自律走行作業車両に対して、その自律走行に関する情報を送受信可能な無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような自律走行作業車両にて自律走行させる場合には、ユーザが無線通信装置を操作して、自律走行作業車両に対して自律走行の開始等の各種の指示を行うようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この特許文献1に記載の無線通信装置では、ディスプレイ等の表示部を備えており、その表示部の画面には、自律走行作業車両の状態や各種の指示を行うための操作部等が表示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自律走行作業車両を自律走行させて所望の作業を行う場合に、ユーザが無線通信装置を操作するので、操作性の良い無線通信装置が求められている。しかしながら、上記特許文献1に記載の無線通信装置では、自律走行作業車両の状態や各種の指示を行うための操作部等が表示部の画面に表示されるだけであり、ユーザの操作性を向上することについてはあまり意識させておらず、この点で改良の余地があった。
【0006】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、ユーザの操作性を向上することが可能な画面を表示部に表示させることができる無線通信装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る表示システムは、作業車両が作業を行う作業画面を表示する表示システムであって、表示される画面を制御する表示制御部を備える。前記表示制御部は、電源投入後又はアプリケーション起動後に、複数の画面を順次表示させ、前記複数の画面を表示させた後に、ユーザが選択可能な複数の操作部が表示されるトップ画面を表示させ、前記複数の画面には、前記作業車両に関する各種の情報を登録するための登録画面が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】自律走行システムの概略構成を示すブロック図
【
図3】無線通信端末の表示部に表示されるスプラッシュ画面を示す図
【
図4】無線通信端末の表示部に表示される免責事項画面を示す図
【
図5】無線通信端末の表示部に表示される初期登録画面を示す図
【
図6】無線通信端末の表示部に表示されるトップ画面を示す図
【
図7】無線通信端末の表示部に表示される圃場リスト画面を示す図
【
図8】無線通信端末の表示部に表示されるパス一覧画面を示す図
【
図9】無線通信端末の表示部に表示されるパス詳細画面を示す図
【
図10】無線通信端末の表示部に表示される作業準備画面を示す図
【
図11】無線通信端末の表示部に表示される作業画面を示す図
【
図12】無線通信端末の表示部に表示される通知情報画面を示す図
【
図13】無線通信端末の表示部に表示される作業画面を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る無線通信装置を用いた自律走行システムの実施形態を図面に基づいて説明する。この自律走行システムは、
図1に示すように、予め定められた走行経路に沿って自律走行する自律走行作業車両としてのトラクタ1と、そのトラクタ1に対して各種の情報を指示可能な無線通信端末2(無線通信装置に相当する)とが備えられている。そして、この実施形態では、トラクタ1の位置情報を取得するための基準局4が備えられている。
【0010】
図1では、自律走行作業車両としてトラクタ1を例示したが、トラクタの他、田植機、コンバイン、土木・建築作業装置、除雪車等、乗用型作業車両に加え、歩行型作業車両も適用可能である。
【0011】
図2に示すように、トラクタ1には車両側無線通信部14が備えられ、無線通信端末2には端末側無線通信部21(無線通信部に相当する)が備えられ、基準局4には基準局側無線通信部41が備えられている。車両側無線通信部14と端末側無線通信部21との間での無線通信によりトラクタ1と無線通信端末2との間で各種の情報を送受信可能とするとともに、車両側無線通信部14と基準局側無線通信部41との間での無線通信によりトラクタ1と基準局4との間で各種の情報を送受信可能に構成されている。そして、無線通信端末2と基準局4とは、トラクタ1を介して各種の情報を送受信可能に構成されている。また、端末側無線通信部21と基準局側無線通信部41との間での無線通信により無線通信端末2と基準局4とが、トラクタ1を介さずに直接各種の情報を送受信可能に構成することもできる。各無線通信部同士での無線通信に用いられる周波数帯域は、共通の周波数帯域であってもよいし、互いに異なる周波数帯域であってもよい。
【0012】
トラクタ1には、
図2に示すように、測位用アンテナ11、制御部12、位置情報取得部13、車両側無線通信部14等が備えられ、制御部12の制御によって、位置情報取得部13にて自己の現在位置情報(トラクタ1の現在位置)を取得しながら、自律走行可能に構成されている。
【0013】
測位用アンテナ11は、
図1に示すように、例えば、衛星測位システム(GNSS)を構成する測位衛星3からの信号を受信するように構成されている。測位用アンテナ11は、例えば、トラクタ1のキャビンのルーフの上面に配置されている。
【0014】
衛星測位システムを用いた測位方法として、
図1に示すように、予め定められた基準点に設置された基準局4を備え、その基準局4からの補正情報によりトラクタ1(移動局)の衛星測位情報を補正して、トラクタ1の現在位置を求める測位方法を適用可能としている。例えば、DGPS(ディファレンシャルGPS測位)、RTK測位(リアルタイムキネマティック測位)等の各種の測位方法を適用することができる。ちなみに、測位方法については、基準局4を備えずに単独測位を用いることもできる。
【0015】
この実施形態では、例えば、RTK測位を適用していることから、
図1及び
図2に示すように、移動局側となるトラクタ1に測位用アンテナ11を備えるのに加えて、基準局4が備えられている。基準局4の設置位置となる基準点の位置情報は予め設定されて把握されている。基準局4は、例えば、圃場の周囲等、トラクタ1の走行の邪魔にならない位置(基準点)に配置されている。基準局4には、基準局側無線通信部41と基準局測位用アンテナ42とが備えられている。
【0016】
RTK測位では、基準点に設置された基準局4と、位置情報を求める対象の移動局側となるトラクタ1の測位用アンテナ11との両方で測位衛星3からの搬送波位相(衛星測位情報)を測定している。基準局4では、測位衛星3から衛星測位情報を測定する毎に又は設定周期が経過する毎に、測定した衛星測位情報と基準点の位置情報等を含む補正情報を生成して、基準局側無線通信部41からトラクタ1の車両側無線通信部14に補正情報を送信している。トラクタ1の位置情報取得部13は、測位用アンテナ11にて測定した衛星測位情報を、基準局4から送信される補正情報を用いて補正して、トラクタ1の現在位置情報を求めている。位置情報取得部13は、トラクタ1の現在位置情報として、例えば、緯度情報・経度情報を求めている。
【0017】
無線通信端末2は、例えば、タッチパネルを有するタブレット型のパーソナルコンピュータ等から構成され、各種情報をタッチパネルに表示可能であり、タッチパネルを操作することで、各種の情報も入力可能となっている。無線通信端末2については、ユーザがトラクタ1の外部にて携帯して使用することが可能であるとともに、トラクタ1の運転席の側脇等に装着して使用することもできる。
【0018】
無線通信端末2には、
図2に示すように、端末側無線通信部21、表示制御部22、経路生成部23、表示部24(タッチパネル)等が備えられている。表示制御部22は、表示部24の表示画面に各種の画面を表示させるように構成されている。以下の説明において、表示制御部22が所定の画面を表示するとした場合、特に断りがない限り、表示部24への表示を示すものとする。経路生成部23は、トラクタ1が自律走行する走行経路を生成するように構成されている。また、無線通信端末2には、記憶部(図示省略)が備えられており、この記憶部には、ユーザにより登録された情報等、各種の情報が記憶されている。
【0019】
トラクタ1の自律走行を行う場合には、まず、ユーザが無線通信端末2を操作することで、経路生成部23が走行経路を生成し、その生成された走行経路に関する情報等、その他各種の情報が無線通信端末2からトラクタ1に送信される。そして、トラクタ1の自律走行を開始するための各種の条件が満たされた上で、ユーザが無線通信端末2を操作してトラクタ1に対して自律走行の開始を指示することで、トラクタ1の自律走行が開始される。自律走行中では、トラクタ1の制御部12が、経路生成部23にて生成された走行経路に沿ってトラクタ1が自律走行するように、位置情報取得部13にて取得するトラクタ1の現在位置情報に基づいてトラクタ1の作動状態を制御している。また、位置情報取得部13にて取得するトラクタ1の現在位置情報については、リアルタイム(例えば、数秒周期)でトラクタ1から無線通信端末2に送信されており、無線通信端末2の表示部24にトラクタ1の現在位置を表示できるようになっている。
【0020】
以下、
図3~
図13に基づいて、トラクタ1の自律走行を行う場合に、無線通信端末2における表示制御部22による表示画面の制御について説明する。
図3~
図13は、いずれも無線通信端末2の表示部24に表示される表示画面を示している。
【0021】
表示制御部22は、無線通信端末2の電源投入後又は無線通信端末2におけるアプリケーション起動後に、
図3に示すスプラッシュ画面(第1画面に相当する)と、
図4に示す免責事項画面(第2画面に相当する)と、
図6に示すトップ画面(第3画面に相当する)とに順次表示させる。
【0022】
図3に示すスプラッシュ画面は、電源投入後又はアプリケーション起動後のはじめに表示される画面であり、その画面中央部に会社ロゴや会社名等が表示され、ユーザが選択操作可能な操作部51(
図4~
図13参照)が表示されていない。表示制御部22は、電源投入後、一定期間が経過すると、スプラッシュ画面(
図3)から免責事項画面(
図4)に遷移させる。
図4に示す免責事項画面では、トラクタ1の使用に関する免責事項が表示される。
【0023】
図4に示す免責事項画面では、画面上端側の上部表示領域53とそれよりも画面下方側の下部表示領域54とに分割されており、上部表示領域53については、この免責事項画面以降に表示される各種の画面(
図5~
図13)においても共通の表示画面となっている。上部表示領域53は、表示内容が変更しない固定表示領域となっている。それに対して、下部表示領域54は、ユーザが操作部51を選択操作することで、異なる表示内容が表示される非固定表示領域となっている。
【0024】
上部表示領域53では、「地図へ」及び「ヘルプ」の操作部51が左側端部に表示され、「GNSS」及び「MENU」の操作部51が右側端部に表示され、中央部に現在どのような画面が表示されているかの表示内容が表示される。ちなみに、「地図へ」の操作部51は、地図情報を表示させるための操作部であり、「GNSS」の操作部51は、緯度、経度、GNSSの状態、衛星測位情報を取得している衛星3の数、基準局4のシリアルナンバー、基準局4のバッテリー残量等の衛星測位システムの詳細情報等を表示させるための操作部である。また、経路生成部23にて新たに走行経路を生成する場合には、「MENU」の操作部51を選択操作し、その後に表示される表示内容に応じて各種の情報を入力することで、経路生成部23が走行経路を生成するようにしている。
【0025】
図4に示す免責事項画面において、ユーザが「全て読みました。」の欄にチェックを入れて、「同意して、利用する」の操作部51を選択操作することで、表示制御部22は、
図4に示す免責事項画面から
図5に示す初期登録画面に遷移させる。一方、
図4に示す免責事項画面において「アプリケーションを終了する」の操作部51を選択操作することでアプリケーションが終了される。この
図5に示す初期登録画面は、トラクタ1の機種等、トラクタ1に関する各種の情報を登録するための画面であり、ユーザの操作によってトラクタ1に関する各種の情報が登録される。ちなみに、選択された機種の枠が赤色の太線にて囲まれることで、どの機種を選択しているかを認識できるようにしている。表示制御部22は、トラクタ1に関する各種の情報が登録されると、
図5に示す初期登録画面から
図6に示すトップ画面に遷移させる。なお、
図5に示す初期登録画面から
図6に示すトップ画面に遷移する前に、トラクタ1に関する情報以外の初期登録画面(例えば自宅住所登録)等の画面を経てもよい。
【0026】
ここで、トラクタ1に関する各種の情報が既に登録されている場合には、表示制御部22が、
図4に示す免責事項画面から、
図5に示す初期登録画面を表示させずに、
図6に示すトップ画面に遷移させる。
【0027】
図6に示すトップ画面では、ユーザが選択可能な複数の操作部51(図中、各種のアイコン)及び地図情報52が表示され、それら複数の操作部51の内、一つの操作部51が選択されることで他の画面に遷移される。
図6に示すトップ画面では、下部表示領域54の画面中央に、登録された圃場H1~H7が含まれるように地図情報52が表示される。ちなみに、圃場が登録されていない初回起動時には、地図情報52の中心が予め設定された所定位置となるように表示される。また、下部表示領域54には、圃場リスト表示用操作部51a(図中「←」にて示すアイコン)、前回作業用操作部51b(図中「前回作業したパスで作業開始」にて示すアイコン)、及び、その他の操作部51が、地図情報52の上部を除く周囲を囲むように表示される。
【0028】
表示制御部22は、地図情報52を表示させる際に、地図情報52の中心が前回の表示画面における中心と同様になるように表示させる。また、表示制御部22は、「現在位置」の操作部51が操作されると、地図情報52の中心がトラクタ1の現在位置となるように表示させる。
【0029】
表示制御部22は、
図6に示すトップ画面において地図情報52を表示させる際に、前回、トラクタ1が自律走行を行ったときのトラクタ1の位置に関する前回作業位置情報55を識別可能に表示させる。前回作業位置情報55は、所定のマーク(ピン)にて示されており、前回、トラクタ1が自律走行を行った圃場H2の中央部に表示されている。これにより、ユーザが、前回、トラクタ1が自律走行を行った圃場がどの圃場であるかが容易に認識できるようにしている。前回作業位置情報55を表示させる位置については、どの圃場Hであるかが識別可能な位置であればよく、例えば、圃場Hを登録する作業を行ったときの作業開始位置や圃場Hへのトラクタ1の入口に前回作業位置情報55を表示させることもできる。ちなみに、表示制御部22は、圃場での作業が完了することで前回の自律走行を終了した場合だけでなく、圃場の作業途中で前回の自律走行を終了した場合も、その圃場の中心に前回作業位置情報55を表示させるようにしている。
【0030】
図6に示すトップ画面において、ユーザが圃場リスト表示用操作部51a(図中「←」にて示すアイコン)を選択操作すると、表示制御部22が、
図6に示すトップ画面から
図7に示す圃場リスト画面に遷移させる。
【0031】
図7に示す圃場リスト画面では、下部表示領域54が、下部左側表示領域54aと下部右側表示領域54bとに分割されており、下部左側表示領域54aに、
図6に示すトップ画面の下部表示領域54に表示されていた複数の操作部51及び地図情報52が表示される。下部右側表示領域54bには、無線通信端末2に記憶されている圃場情報の一覧56、及び、特定の圃場において過去に生成した走行経路(パス)を一覧表示させるための走行経路一覧表示用操作部51c(図中、「この圃場のパス一覧を表示」のアイコン)が表示される。圃場情報の一覧56では、「距離順」、「名前順」、及び、「登録順」等の操作部51が選択操作されることで、操作された順番にて並び替えて表示可能となっており、圃場における圃場情報として、トラクタ1の現在位置からその圃場までの距離、圃場情報が登録された登録日、圃場位置情報等が表示される。また、圃場情報の一覧56を表示させる際に、前回、トラクタ1が自律走行を行った圃場に対して所定のマークにて示す前回圃場情報57(ピン)を表示している。これにより、ユーザは、前回、トラクタ1が自律走行を行った圃場がどの圃場であるかを、地図情報52から地図上(前回作業位置情報55)にて認識できるとともに、圃場情報の一覧56からその圃場に関する情報(前回圃場情報57)も認識することができる。
【0032】
また、
図7に示す圃場リスト画面にて、ユーザが特定の圃場を選択すると、表示制御部22は、その選択された圃場の枠の色を変えて太線にて囲む等(例えば、赤色の太線にて囲む)により、選択された圃場を他の圃場と識別可能に表示させるとともに、選択操作された操作部51についてもその枠の色を変えて太線にて囲む等(例えば、赤色の太線にて囲む)により、選択操作された操作部51を他の操作部51と識別可能に表示させる。
【0033】
図7に示す圃場リスト画面において、ユーザが特定の圃場を選択した状態で走行経路一覧表示用操作部51cを選択操作すると、表示制御部22が、
図7に示す圃場リスト画面から
図8に示すパス一覧画面に遷移させる。
【0034】
図8に示すパス一覧画面では、下部左側表示領域54aに、選択された圃場の拡大画面58が表示され、下部右側表示領域54bに、過去に生成したパス情報(走行経路に関する情報)の一覧59、及び、選択されたパス情報(走行経路に関する情報)をトラクタ1に転送するためのパス転送用操作部51d(図中、「このパスで作業を開始する」にて示すアイコン)が表示される。
【0035】
圃場の拡大画面58には、経路生成部23にて生成された走行経路25が表示されており、
図8では、例えば、直線状の走行経路25がその左右方向に間隔を隔てて複数並ぶように表示されている。
【0036】
パス情報の一覧59では、「距離順」、「名前順」、及び、「登録順」等の操作部51が選択操作されることで、操作された順番にて並び替えて表示可能となっており、パス情報として、トラクタ1の現在位置からパスの開始位置までの距離、パスが生成された日、パスの開始位置情報等が表示される。また、パス情報の一覧59では、パス情報の詳細情報を表示させるためのパス詳細表示用操作部51e(図中、「詳細」にて示すアイコン)が表示されるとともに、選択されたパス情報及び選択操作された操作部51が、その枠の色を変えて太線にて囲む等(例えば、赤色の太線にて囲む)により、他のパス情報及び他の操作部51と識別可能に表示される。
【0037】
図8に示すパス一覧画面において、ユーザが特定のパスを選択した状態でパス詳細表示用操作部51eを選択操作すると、表示制御部22は、
図8に示すパス一覧画面から
図9に示すパス詳細画面に遷移させる。
【0038】
図9に示すパス詳細画面では、
図8に示すパス一覧画面から、下部右側表示領域54bのみ表示内容が変更され、パス詳細情報60が表示される。パス詳細情報60として、圃場面積、障害物の有無、パス(走行経路)を生成する作業領域の周囲となる非作業領域(枕地等)の幅、パス(走行経路)生成時の基地局情報、トラクタ1が現在通信している基地局情報、トラクタ情報、トラクタ1に装着される作業機情報、パス(走行経路)の本数等が表示される。
【0039】
図8に示すパス一覧画面又は
図9に示すパス詳細画面において、ユーザがパス転送用操作部51dを選択操作すると、表示制御部22は、
図8に示すパス一覧画面又は
図9に示すパス詳細画面から
図10に示す作業準備画面に遷移させる。このとき、パス情報(走行経路に関する情報)が、端末側無線通信部21及び車両側無線通信部14によって無線通信端末2からトラクタ1に転送される。そこで、無線通信端末2の制御部(図示省略)とトラクタ1の制御部12とは、端末側無線通信部21及び車両側無線通信部14を介して送信したパス情報と、端末側無線通信部21及び車両側無線通信部14を介してトラクタ1が取得したパス情報とが一致するか否かをチェックする無線通信チェック処理を行う。
【0040】
この無線通信チェック処理としては、例えば、端末側無線通信部21及び車両側無線通信部14を介して送信したパス情報の総量と、端末側無線通信部21及び車両側無線通信部14を介してトラクタ1が取得したパス情報の総量とが一致するか否かによって、パス情報が一致するか否かをチェックする処理(CRCチェック処理)を適用することができる。また、無線通信チェック処理としては、CRCチェック処理に代えて、例えば、パス情報における個別のID情報を転送して、そのID情報が一致するか否かによって、パス情報が一致するか否かをチェックすることもでき、各種の無線通信チェック処理を適用することができる。
【0041】
表示制御部22は、端末側無線通信部21及び車両側無線通信部14を介して送信したパス情報と、端末側無線通信部21及び車両側無線通信部14を介してトラクタ1が取得したパス情報とが一致することを確認した上で、
図10に示す作業準備画面から
図11に示す作業画面に遷移させる。これにより、表示制御部22は、端末側無線通信部21及び車両側無線通信部14を介してパス情報がトラクタ1に送信されると、無線通信端末2から送信したパス情報とトラクタ1が取得したパス情報とが一致するという所定条件が成立してはじめて、
図11に示す作業画面を表示可能に構成されている。
【0042】
表示制御部22は、無線通信端末2から送信したパス情報とトラクタ1が取得したパス情報とが一致するという所定条件が成立しなければ、
図11に示す作業画面は表示せずに、エラー画面を表示させる、又は、
図8に示すパス一覧画面に戻すようにしている。エラー画面については、図示は省略するが、エラーの内容を識別可能に表示させるものであればよく、例えば、エラーの内容によって表示内容が異なる表示画面としたり、エラーの内容に拘わらず表示内容を同一とする共通の表示画面とすることができる。ちなみに、エラー画面を表示させる場合には、エラー画面から
図8に示すパス一覧画面に戻れるようにしている。
【0043】
図11に示す作業画面では、下部表示領域54が、上下方向において、上端側に位置する下部上側表示領域54cと、下端側に位置する下部下側表示領域54dと、下部上側表示領域54cと下部下側表示領域54dとの間に位置する下部中間表示領域54eとの3つの表示領域に分かれている。そして、下部上側表示領域54cと下部下側表示領域54dとが他の画面に切替不能となっており、下部中間表示領域54eが他の画面に切替可能となっている。
【0044】
下部中間表示領域54eには、
図8に示すパス一覧画面又は
図9に示すパス詳細画面において下部左側表示領域54aに表示されている圃場の拡大画面58や複数の操作部51等と同じ表示画面が表示される。表示制御部22は、圃場の拡大画面58において、トラクタ1の現在位置26を表示させており、トラクタ1の現在位置がどこであるかを認識できるようにしている。そして、表示制御部22は、圃場の拡大画面58において、トラクタ1が現在自律走行している走行経路25と次に走行する予定の走行経路25とを色を変えて表示させる等により識別可能に表示させることもできる。また、表示制御部22は、複数の走行経路25について、既に作業を行った走行経路25とまだ作業が行われていない走行経路25とで色を変える等により異なる形態で表示させることができる。
【0045】
ちなみに、表示制御部22は、下部中間表示領域54eの表示画面について、圃場の拡大画面58とは別に、トラクタ情報画面や作業コマンド画面に切替可能に構成されている。図示は省略するが、トラクタ情報画面では、実車速、実エンジン回転速度、負荷率等、トラクタ1の状態を示す情報が表示される。作業コマンド画面では、車速やエンジン回転速度を変更させるための操作部51等が表示される。また、表示制御部22は、下部中間表示領域54eの表示画面として、注意画面や警告画面等を割り込み表示可能に構成されている。例えば、注意画面は、自走走行を開始するための各種の条件の内、成立していない条件を表示させるための画面であり、警告画面は、自律走行中に、現在の走行を維持することで自律走行が停止される場合にその原因を表示させるための画面である。この注意画面や警告画面に関する制御情報は、トラクタ1の制御部12にて生成されるので、無線通信端末2では、端末側無線通信部21にてその生成された制御情報を受信することで、表示制御部22が、注意画面や警告画面を割り込み表示させるようにしている。
【0046】
下部上側表示領域54cには、左側端部に自律走行の開始を指示可能な開始操作部51fが配置され、右側端部に自律走行の停止を指示可能な停止操作部51gが配置されている。そして、開始操作部51fと停止操作部51gとの間には走行経路25に対するトラクタ1の位置の偏差を示す偏差情報表示部61が配置されている。下部下側表示領域54dには、エラー通知情報を確認するための通知情報用操作部51hやその他の操作部51が配置されているとともに、自律走行による作業進捗率や作業残り時間等が表示されている。
【0047】
表示制御部22は、自律走行を開始するための各種の条件が成立するまで、開始操作部51fを選択操作できない非アクティブ状態とし、自律走行を開始するための各種の条件が成立すると、開始操作部51fを選択操作可能とするアクティブ状態としている。表示制御部22は、例えば、非アクティブ状態では開始操作部51fを点灯させ、アクティブ状態では開始操作部51fを点滅させる等、開始操作部51fの表示形態を異ならせることで、非アクティブ状態とアクティブ状態とをユーザが識別可能となるようにしている。
【0048】
表示制御部22は、開始操作部51fにて自律走行の開始が指示されて、トラクタ1の自律走行が開始されると、開始操作部51fを、自律走行の一時停止を指示可能な一時停止操作部(図示省略)に変更させている。そして、一時停止操作部が選択操作されると、表示制御部22が開始操作部51fを一時停止操作部から元の表示形態に変更させており、開始操作部51fが自律走行の開始を指示する表示形態と自律走行の一時停止を指示する表示形態とに切替可能に構成されている。このように、表示制御部22が開始操作部51fの表示形態を変更させることで、1つの操作部を2つの操作部として機能をさせることができるとともに、自律走行を開始しているか又は一時停止しているのか等、自律走行の作業状況をユーザが把握し易くなる。
【0049】
無線通信端末2では、端末側無線通信部21及び車両側無線通信部14により、トラクタ1の位置情報取得部13にて取得されるトラクタ1の現在位置情報をリアルタイム(例えば1分周期)で受信している。これにより、表示制御部22は、トラクタ1の現在位置情報をリアルタイム(例えば1分周期)で取得しており、無線通信端末2では、端末側無線通信部21や表示制御部22等がトラクタ1の位置情報を取得可能な位置情報取得部として機能されている。
【0050】
表示制御部22は、取得するトラクタ1の現在位置が走行経路25に対してその横幅方向においてどの方向にどれぐらいずれているかを、偏差情報表示部61にて表示させている。表示制御部22が偏差情報表示部61の制御を行う際には、トラクタ1の制御部12が、トラクタ1の現在位置が走行経路25に対してその横幅方向においてどの方向にどれくらいずれているかの偏差情報を求めており、その求めた偏差情報をトラクタ1から無線通信端末2に送信している。表示制御部22は、トラクタ1から送信される偏差情報に基づいて、偏差情報表示部61を制御している。偏差情報表示部61は、複数の表示ランプ部が左右方向に並ぶ状態で備えられており、複数の表示ランプ部は左右方向での設置領域によって点灯する色が異なるようにしている。例えば、中央領域に位置する3つの表示ランプ部を緑色、それよりも端部側の領域に位置する2つの表示ランプ部を黄色、それよりも端部側の領域に位置する2つの表示ランプ部をオレンジ色、最も端部側の領域に位置する2つの表示ランプ部を赤色とする。表示制御部22は、走行経路25の横幅方向において走行経路25の中心からトラクタ1の中心の現在位置がどの方向にずれているかを表示させるように偏差情報表示部61を制御しているとともに、走行経路25の横幅方向において走行経路25の中心からトラクタ1の中心の現在位置までの距離の大きさに応じて、中央領域に位置する表示ランプ部から端部側領域に位置する表示ランプ部に向けて順次点灯範囲が広がるように、偏差情報表示部61を制御している。
【0051】
例えば、走行経路25の横幅方向において走行経路25の中心からトラクタ1の中心の現在位置26までの距離が設定範囲内であると、中央領域に位置する3つの表示ランプ部のみが点灯される。トラクタ1の現在位置が走行経路25に対して左側にずれている場合に、走行経路25の横幅方向において走行経路25の中心からトラクタ1の現在位置までの距離が設定範囲よりも大きくなると、中央領域に位置する3つの表示ランプ部に加えて、それに隣接する左側領域に位置する表示ランプ部も点灯され、走行経路25の横幅方向において走行経路25の中心からトラクタ1の中心の現在位置までの距離の大きさが大きくなる程、点灯する範囲が左側に広がるようになっている。
【0052】
表示制御部22は、トラクタ1の自律走行を開始する前、及び、トラクタ1の自律走行中に、取得するトラクタ1の現在位置が走行経路25の横幅方向においてどの方向にどれぐらいずれているかを、偏差情報表示部61にて表示させている。これにより、自律走行を開始する前に、ユーザが偏差情報表示部61を見ながらトラクタ1の位置を自律走行開始位置まで移動させる位置合わせを行うことができるとともに、自律走行中においても、ユーザがトラクタ1の現在位置が走行経路25の横幅方向においてどの方向にどれぐらいずれているかを容易に認識することができる。
【0053】
図11に示す作業画面では、下部中間表示領域54eの右側端部に、トラクタ1が現在自律走行している走行経路25において、トラクタ1の現在位置から走行経路25の端部(枕地)までの距離を表示する距離表示部62が配置されている。距離表示部62は、上下方向に延びる棒状の表示部となっており、下端部から上端部までの長さが走行経路25の全長に相当する。表示制御部22は、距離表示部62において、下端部からトラクタ1の現在位置に相当する位置までを所定の色にて点灯表示させることで、ユーザが走行経路25の端部(枕地)までの距離を認識できるようにしている。
【0054】
図11に示す作業画面では、下部下側表示領域54dの左端部に通知情報用操作部51h(図中、「詳細」にて示すアイコン)が配置されているので、表示制御部22は、トラクタ1の自律走行を開始するための各種の条件が成立していれば、通知情報用操作部51hの左側を成立用の特定色(例えば、緑色)に点灯させる。逆に、トラクタ1の自律走行を開始するための各種の条件が成立していなければ、通知情報用操作部51hの左側を未成立用の特定色(例えば、赤色)に点灯させている。そして、通知情報用操作部51hの左側が未成立用の特定色(例えば、赤色)にて点灯させている場合に、ユーザが通知情報用操作部51hを選択操作すると、表示制御部22は、
図11に示す作業画面から
図12に示す通知情報画面に遷移させる。
【0055】
図12に示す通知情報画面では、
図11に示す作業画面において下部中間表示領域54eの表示内容が変更され、トラクタ1の自律走行を開始するための各種の条件となる部位(ステアリング、リバーサ、ブレーキ、クラッチ、パーキングブレーキ、副変速装置、車速、UFO設定)を示す成立状態表示画面63が表示される。表示制御部22は、成立状態表示画面63において、各部位について、条件を満たしている部位については成立用の特定色(例えば、緑色)を点灯させ、条件を満たしていない部位については未成立用の特定色(例えば、赤色)を点灯させている。
【0056】
図11に示す作業画面では、偏差情報表示部61により走行経路25に対するトラクタ1の位置の偏差を示しているが、この偏差情報表示部61に加えて、
図11及び
図13に示す作業画面のように、圃場の拡大画面58において、走行経路25に対するトラクタ1の位置の偏差を示すようにしている。
図13に示す作業画面では、表示制御部22が、圃場の拡大画面58において、走行経路25及びトラクタ1の現在位置26を表示させている。そして、
図13に示す作業画面において、走行経路25及びトラクタ1の現在位置26は、開始操作部51fと停止操作部51gとの間に表示されているので、走行経路25及びトラクタ1の現在位置26の表示が偏差情報表示部として機能している。トラクタ1の現在位置26が走行経路25に対してどのような位置であるかによって、ユーザがトラクタ1の現在位置が走行経路25の横幅方向においてどの方向にどれぐらいずれているかを容易に認識することができる。
【0057】
図11及び
図13に示す作業画面では、下部上側表示領域54cに配置された偏差情報表示部61と、下部中間表示領域54eに配置された偏差情報表示部として機能する走行経路25及びトラクタ1の現在位置26との2つの偏差情報表示部が配置されている。
【0058】
そして、表示制御部22は、
図13に示すように、自律走行の開始前だけでなく、自律走行中にも、圃場の拡大画面58において走行経路25及びトラクタ1の現在位置26を表示させている。これにより、トラクタ1を自律走行開始位置まで移動させる位置合わせを行う場合だけでなく、自律走行中にも、ユーザは、走行経路25に対して横幅方向でトラクタ1がどれぐらいずれているかを認識することができる。
図13において、点線にて示すトラクタ1の現在位置26は、走行経路25に対して右側又は左側に外れた状態を示している。
【0059】
上述の如く、表示制御部22が表示部24の表示画面を制御しており、トラクタ1を自律走行させて圃場での作業を行う場合には、各表示画面においてユーザが操作部51を選択操作することで、表示制御部22が、下記の(1)~(8)のように表示画面が順次遷移するように制御している。
【0060】
(1)
図3に示すスプラッシュ画面
(2)
図4に示す免責事項画面
(3)
図5に示す初期登録画面
(4)
図6に示すトップ画面
(5)
図7に示す圃場リスト画面
(6)
図8に示すパス一覧画面(
図8に示すパス一覧画面→
図9に示すパス詳細画面)
(7)
図10に示す作業準備画面
(8)
図11に示す作業画面
【0061】
そして、上述の如く、(3)
図5に示す初期登録画面での登録作業は、当初1回だけ行われるので、(3)
図5に示す初期登録画面にて、一度、ユーザがトラクタ1に関する各種の情報を登録すると、表示制御部22は、(2)
図4に示す免責事項画面から、(3I)
図5に示す初期登録画面をとばして、(4)
図6に示すトップ画面に遷移させている。
【0062】
上述の(1)~(8)は、無線通信端末2からトラクタ1にパス情報(走行経路25に関する情報)を送信して作業を行う場合を示しているが、例えば、新たにパス情報を送信せずに、以前にトラクタ1に送信した過去のパス情報(走行経路25に関する情報)を用いて作業を行うこともできる。
【0063】
この場合には、表示制御部22が、(1)~(4)のように表示画面が順次遷移するように制御し、(4)
図6に示すトップ画面において、ユーザが前回作業用操作部51b(再作業操作部に相当する)を選択操作する。この前回作業用操作部51bの選択操作によって、表示制御部22は、(4)
図6に示すトップ画面から、(5)
図7に示す圃場リスト画面及び(6)
図8に示すパス一覧画面をとばして、(7)
図10に示す作業準備画面に遷移させている。このとき、表示制御部22は、(4)~(7)の表示画面を順次遷移させるときとは異なり、過去のパス情報(走行経路25に関する情報)をトラクタ1に送信することなく、無線通信端末2の制御部(図示省略)とトラクタ1の制御部12との間で無線通信チェック処理が行われる。
【0064】
このときの無線通信チェック処理では、トラクタ1の制御部12が、以前に送信された過去のパス情報を取得していることから、トラクタ1の制御部12から無線通信端末2の制御部(図示省略)に対して、取得している過去のパス情報と以前に無線通信端末2からトラクタ1に送信した過去のパス情報とが一致するか否かを問いかけることで行われている。そして、例えば、取得している過去のパス情報の総量と、以前に無線通信端末2からトラクタ1に送信した過去のパス情報の総量とが一致するか否かによって、過去のパス情報が一致するか否かをチェックする処理(CRCチェック処理)を行うことができる。また、このCRCチェック処理に代えて、例えば、過去のパス情報における個別のID情報を転送して、そのID情報が一致するか否かによって、過去のパス情報が一致するか否かをチェックすることもでき、各種の無線通信チェック処理を適用することができる。
【0065】
このように、無線通信端末2からトラクタ1に対して過去のパス情報を送信しない場合でも、表示制御部22は、(7)
図10に示す作業準備画面を表示させて、無線通信チェック処理を行って過去のパス情報が一致するという所定条件が成立してはじめて、(8)
図11に示す作業画面を表示可能に構成されている。
【0066】
表示制御部22は、過去のパス情報が一致するという所定条件が成立しなければ、
図11に示す作業画面は表示せずに、エラー画面を表示させる、又は、
図8に示すパス一覧画面に戻すようにしている。エラー画面については、図示は省略するが、エラーの内容を識別可能に表示させるものであればよく、例えば、エラーの内容によって表示内容が異なる表示画面としたり、エラーの内容に拘わらず表示内容を同一とする共通の表示画面とすることができる。ちなみに、エラー画面を表示させる場合には、エラー画面から
図8に示すパス一覧画面に戻れるようにしている。
【0067】
以上の如く、(4)~(8)のように表示画面を順次遷移させて、パス情報を無線通信端末2からトラクタ1に送信する場合も、(4)→(7)→(8)のように表示画面を順次遷移させる場合も、表示制御部22は、(8)
図11に示す作業画面を表示させる前に、(7)
図10に示す作業準備画面である同一の表示画面を表示させている。これにより、ユーザは、(7)
図10に示す作業準備画面が表示されると、次に(8)
図11に示す作業画面が表示されることを容易に認識することができる。
【0068】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、表示制御部22が、
図4に示す免責事項画面を、
図3に示すスプラッシュ画面の次に表示させているが、例えば、
図11に示す作業画面に遷移された後、
図4に示す免責事項画面を表示させることもでき、
図4に示す免責事項画面をどのようなタイミングで表示させるかは適宜変更が可能である。
また、
図11に示す作業画面において開始操作部51fが選択操作された後に、
図4に示す免責事項画面を表示させることもできる。この場合には、例えば、
図11に示す作業画面において開始操作部51fを省略して、
図4に示す免責事項画面に開始操作部51fを追加して表示させることができる。
【0069】
(2)上記実施形態において、無線通信端末2からトラクタ1にパス情報(走行経路25に関する情報)を送信する場合に、無線通信端末2から送信するパス情報とトラクタ1側で既に取得しているパス情報とが同一であるか否かを判定して、パス情報が同一である場合には、無線通信端末2からトラクタ1にパス情報を送信せずに、トラクタ1側で既に取得しているパス情報を用いてトラクタ1の自律走行を行うことができる。
【0070】
(3)上記実施形態において、トラクタ1にカメラ等の撮像装置を備え、その撮像装置の撮像画像を無線通信端末2の表示部24に表示させることができる。この場合、例えば、
図11に示す作業画面において、撮像装置の撮像画像が常時表示されるように固定表示させることができる。
【0071】
(4)上記実施形態において、
図11に示す開始操作部51fをアクティブ状態とするための条件として、偏差情報表示部61にて表示される表示形態が所望の表示形態となっていることを含めることができる。ここで、例えば、走行経路25の横幅方向において走行経路25の中心からトラクタ1の中心の現在位置26までの距離が設定範囲内であり、偏差情報表示部61の表示形態が、中央領域に位置する3つの表示ランプ部のみが点灯している表示形態となっていることを所望の表示形態とすることができる。このように、開始操作部51fをアクティブ状態とするための条件を、偏差情報表示部61の表示形態と関連付けて設定することができる。この場合には、ユーザが偏差情報表示部61の表示形態を確認しながら、開始操作部51fをアクティブ状態とすることができる。
【0072】
(5)上記実施形態では、
図11及び
図13に示す作業画面において、下部上側表示領域54cに配置された偏差情報表示部61と、下部中間表示領域54eに配置された偏差情報表示部として機能する走行経路25及びトラクタ1の現在位置26との2つの偏差情報表示部を配置させている例を示したが、どちらか一方の偏差情報表示部のみを配置させることもできる。
【0073】
<発明の付記>
本発明の第1特徴構成は、作業車両が作業を行う作業画面を表示する表示システムであって、表示された画面を制御する表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、電源投入後又はアプリケーション起動後に、ユーザによる操作を受け付けない状態で、所定情報を一定期間表示する第1画面と、前記作業車両に関する情報を表示する第2画面と、ユーザが選択可能な複数の操作部が表示され、それら複数の操作部の内、一つの操作部が選択されることで他の画面に遷移する第3画面と、を順次表示する点にある。
【0074】
本構成によれば、表示制御部は、第1画面と第2画面と第3画面とに順次表示させるので、免責事項を早い段階で表示させることで、免責事項の確認を早い段階で適切に取ることができる。これにより、第3画面にて操作を行っている途中や自律走行を開始する直前等、ユーザが極力煩わしさを感じることがないタイミングにて免責事項を表示させることができ、ユーザの操作性の向上を図ることができる。しかも、表示制御部は、ユーザにより免責事項が確認された上で、複数の操作部及び地図情報が表示される第3画面を表示させることができる。よって、ユーザは、第3画面にて地図情報を確認しながら各種の操作を行うことができるとともに、複数の操作部の内、一つの操作部を選択することで、他の画面に遷移することから、操作部への選択を行ったことも認識できるので、ユーザの操作性の向上を図ることができる。
【0075】
本発明の第2特徴構成は、前記作業車両は予め定められた走行経路に沿って自律走行作業を行うものであって、前記表示制御部は、前記第3画面からユーザが前記作業車両の自律走行に必要な情報の転送を選択されることで作業準備画面となる第4画面を表示することを特徴とする点にある。
【0076】
本発明の第3特徴構成は、前期表示制御部は、前記第4画面において、前記作業車両の自律走行に必要な情報の転送が行えなかった場合、転送を行えなかった旨の報知をする第5画面を表示することを特徴とする点にある。
【0077】
本発明の第4特徴構成は、前記表示制御部は、前記第5画面から前記第3画面を表示することを特徴とする点にある。
【0078】
本発明の第5特徴構成は、前記表示制御部は、前記第4画面において、前記作業車両の自律走行に必要な情報の転送が行えた場合、前記走行経路を含めた前記作業車両による作業画面を表示する第6画面を表示することを特徴とする点にある。
【0079】
本発明の第6特徴構成は、前記第6画面は、前記走行経路と前記作業車両の現在位置とを表示する中間表示領域と上下方向において、前記中間表示領域の上端側に位置する上側表示領域と、前記中間表示領域の下端側に位置する下側表示領域と、を有することを特徴とする点にある。
【0080】
本発明の第7特徴構成は、前記上側表示領域と前記下側表示領域は他の画面に遷移することができず、前記中間表示領域は他の画面に遷移することができることを特徴とする点にある。
【符号の説明】
【0081】
1 トラクタ(自律走行作業車両)
2 無線通信端末(無線通信装置)
13 位置情報取得部
21 端末側無線通信部(無線通信部)
22 表示制御部
24 表示部
51 操作部
51b 前回作業用操作部(再作業操作部)
51f 開始操作部
51g 停止操作部
52 地図情報
55 前回作業位置情報
61 偏差情報表示部