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特許7454632運転制御システム、運転制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】運転制御システム、運転制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20240314BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20240314BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20240314BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20240314BHJP
   H02J 3/00 20060101ALI20240314BHJP
   G06Q 50/06 20240101ALI20240314BHJP
【FI】
H02J3/38 130
H02J3/32
H02J7/35 K
H02J7/34 J
H02J3/00 170
G06Q50/06
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022195721
(22)【出願日】2022-12-07
【審査請求日】2022-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】518425612
【氏名又は名称】ジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100207789
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 良平
(72)【発明者】
【氏名】毛利 聖
【審査官】柳下 勝幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/162461(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/183079(WO,A1)
【文献】特許第7259923(JP,B2)
【文献】特開2020-054136(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/38
H02J 3/32
H02J 7/35
H02J 7/34
H02J 3/00
G06Q 50/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池を備える太陽光発電システムの運転を制御する運転制御システムであって、
契約容量と前記蓄電池の充放電計画とに基づいて複数の太陽電池モジュールにそれぞれ接続された複数のPCSのうち稼働させるPCSを仮設定し、仮設定した稼働させる前記PCSの台数に基づいて前記太陽電池モジュールの発電量を算出する発電量算出部と、
前記発電量算出部が算出した前記太陽電池モジュールの前記発電量と前記契約容量とに基づいて前記蓄電池の放電量を決定する放電量決定部と、
前記放電量決定部が決定した前記蓄電池の前記放電量と前記契約容量とに基づいて複数の前記PCSのうち稼働させるPCSを決定し、決定した稼働させる前記PCSの台数とPCSを全台数稼働させた場合の前記太陽電池モジュールの発電量とに基づいて前記太陽電池モジュールの発電量の予測値を導出する発電量予測値導出部と
を備える、運転制御システム。
【請求項2】
前記発電量予測値導出部が導出した発電量の前記予測値に基づいて売電量の予測値を導出する売買量予測値導出部
をさらに備える、請求項1に記載の運転制御システム。
【請求項3】
前記発電量算出部は、前記契約容量と前記蓄電池の前記充放電計画とに基づいて稼働させるPCSを仮設定し、仮設定した稼働させる前記PCSの台数に基づいて前記太陽電池モジュールの最大発電量を算出する、請求項1に記載の運転制御システム。
【請求項4】
前記放電量決定部は、前記発電量算出部が算出した前記太陽電池モジュールの前記最大発電量に基づいて前記契約容量以下の範囲で前記蓄電池の放電量を決定する、請求項3に記載の運転制御システム。
【請求項5】
前記太陽電池モジュールによる発電量予測値と前記太陽電池モジュールによって発電された電力の売電計画と前記蓄電池の蓄電量とに基づいて前記蓄電池の充放電を計画する充放電計画部
をさらに備え、
前記発電量算出部は、前記蓄電池の前記充放電計画として、前記充放電計画部による前記蓄電池の充放電の計画の結果を使用する、請求項1に記載の運転制御システム。
【請求項6】
前記太陽電池モジュールによる発電量予測値と電力スポット価格の予測とに基づいて前記太陽電池モジュールによって発電された電力の売電を計画する電力売電計画部を
さらに備え、
前記放電量決定部は、電力の前記売電計画として、前記電力売電計画部による前記太陽電池モジュールによって発電された電力の売電の計画の結果を使用する、請求項5に記載の運転制御システム。
【請求項7】
蓄電池を備える太陽光発電システムの運転を制御する運転制御システムが実行する運転制御方法であって、
契約容量と前記蓄電池の充放電計画とに基づいて複数の太陽電池モジュールにそれぞれ接続された複数のPCSのうち稼働させるPCSを仮設定するステップと、
仮設定した稼働させる前記PCSの台数に基づいて前記太陽電池モジュールの発電量を算出するステップと、
前記太陽電池モジュールの前記発電量と前記契約容量とに基づいて前記蓄電池の放電量を決定するステップと、
決定した前記蓄電池の前記放電量と前記契約容量とに基づいて複数の前記PCSのうち稼働させるPCSを決定するステップと、
決定した稼働させる前記PCSの台数とPCSを全台数稼働させた場合の前記太陽電池モジュールの発電量とに基づいて前記太陽電池モジュールの発電量の予測値を導出するステップと
を有する、運転制御方法。
【請求項8】
蓄電池を備える太陽光発電システムの運転を制御する運転制御システムのコンピュータに、
契約容量と前記蓄電池の充放電計画とに基づいて複数の太陽電池モジュールにそれぞれ接続された複数のPCSのうち稼働させるPCSを仮設定するステップと、
仮設定した稼働させる前記PCSの台数に基づいて前記太陽電池モジュールの発電量を算出するステップと、
前記太陽電池モジュールの前記発電量と前記契約容量とに基づいて前記蓄電池の放電量を決定するステップと、
決定した前記蓄電池の前記放電量と前記契約容量とに基づいて複数の前記PCSのうち稼働させるPCSを決定するステップと、
決定した稼働させる前記PCSの台数とPCSを全台数稼働させた場合の前記太陽電池モジュールの発電量とに基づいて前記太陽電池モジュールの発電量の予測値を導出するステップと
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転制御システム、運転制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電所では、系統への契約容量を超えないよう容量制御付きのPCS(Power Conditioning System)や逆潮流防止リレーが設けられる。昨今の太陽光発電所の増加により、日中の発電量は必要以上の発電を得ることが可能である。一方、電力需要の高まる朝夕の時間帯では再生可能エネルギーが不足している。そのため、太陽光発電所に蓄電池を設置する事例や検討が多く進められている。
【0003】
太陽光発電所に蓄電池を設置したシステムに関して、自然エネルギーを利用した発電機に併設されて、発電機の発電量に応じて充放電を行う蓄電池システムが知られている(例えば「特許文献1」参照)。この蓄電池システムによれば、発電機における各時刻の予想発電量に基づく値と、蓄電池の定格出力とを合成した仮の合成出力を演算する仮値演算部と、単位時間当たりの変化量が所定の範囲を満たすように仮の合成出力を修正して、各時刻における合成出力の目標値を演算する目標値演算部とを含む制御部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2018/193689号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
太陽光発電所の発電量は天候に左右されるため、蓄電池からの放電と太陽光発電所の発電量との総和を一定に保つことはリアルタイム制御等が必要で非常に困難である。そのため、蓄電池の放電計画を立てる上で、蓄電池からの放電と太陽光発電所の発電量との総和を一定に保つことと発電計画とを検討をする必要がある。仮に、これを考慮しない場合には、発電量の不足や太陽光による発電を必要以上に抑制してしまうことが想定される。
本発明の目的は、蓄電池を備える太陽光発電所の運転を制御できる運転制御システム、運転制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、蓄電池を備える太陽光発電システムの運転を制御する運転制御システムであって、契約容量と前記蓄電池の充放電計画とに基づいて複数の太陽電池モジュールにそれぞれ接続された複数のPCSのうち稼働させるPCSを仮設定し、仮設定した稼働させる前記PCSの台数に基づいて前記太陽電池モジュールの発電量を算出する発電量算出部と、前記発電量算出部が算出した前記太陽電池モジュールの前記発電量と前記契約容量とに基づいて前記蓄電池の放電量を決定する放電量決定部と、前記放電量決定部が決定した前記蓄電池の前記放電量と前記契約容量とに基づいて複数の前記PCSのうち稼働させるPCSを決定し、決定した稼働させる前記PCSの台数とPCSを全台数稼働させた場合の前記太陽電池モジュールの発電量とに基づいて前記太陽電池モジュールの発電量の予測値を導出する発電量予測値導出部とを備える、運転制御システムである。
本発明の一態様の運転制御システムにおいて、前記発電量予測値導出部が導出した発電量の前記予測値に基づいて売電量の予測値を導出する売買量予測値導出部をさらに備える。
本発明の一態様の運転制御システムにおいて、前記発電量算出部は、前記契約容量と前記蓄電池の前記充放電計画とに基づいて稼働させるPCSを仮設定し、仮設定した稼働させる前記PCSの台数に基づいて前記太陽電池モジュールの最大発電量を算出する。
本発明の一態様の運転制御システムにおいて、前記放電量決定部は、前記発電量算出部が算出した前記太陽電池モジュールの前記最大発電量に基づいて前記契約容量以下の範囲で前記蓄電池の放電量を決定する。
本発明の一態様の運転制御システムにおいて、前記太陽電池モジュールによる発電量予測値と前記太陽電池モジュールによって発電された電力の売電計画と前記蓄電池の蓄電量とに基づいて前記蓄電池の充放電を計画する充放電計画部をさらに備え、前記発電量算出部は、前記蓄電池の前記充放電計画として、前記充放電計画部による前記蓄電池の充放電の計画の結果を使用する。
本発明の一態様の運転制御システムにおいて、前記太陽電池モジュールによる発電予測値と電力スポット価格の予測とに基づいて前記太陽電池モジュールによって発電された電力の売電を計画する電力売電計画部をさらに備え、前記放電量決定部は、電力の前記売電計画として、前記電力売電計画部による前記太陽電池モジュールによって発電された電力の売電の計画の結果を使用する。
【0007】
本発明の一態様は、蓄電池を備える太陽光発電システムの運転を制御する運転制御システムが実行する運転制御方法であって、契約容量と前記蓄電池の充放電計画とに基づいて複数の太陽電池モジュールにそれぞれ接続された複数のPCSのうち稼働させるPCSを仮設定するステップと、仮設定した稼働させる前記PCSの台数に基づいて前記太陽電池モジュールの発電量を算出するステップと、前記太陽電池モジュールの前記発電量と前記契約容量とに基づいて前記蓄電池の放電量を決定するステップと、決定した前記蓄電池の前記放電量と前記契約容量とに基づいて複数の前記PCSのうち稼働させるPCSを決定するステップと、決定した稼働させる前記PCSの台数とPCSを全台数稼働させた場合の前記太陽電池モジュールの発電量とに基づいて前記太陽電池モジュールの発電量の予測値を導出するステップとを有する、運転制御方法である。
【0008】
本発明の一態様は、蓄電池を備える太陽光発電システムの運転を制御する運転制御システムのコンピュータに、契約容量と前記蓄電池の充放電計画とに基づいて複数の太陽電池モジュールにそれぞれ接続された複数のPCSのうち稼働させるPCSを仮設定するステップと、仮設定した稼働させる前記PCSの台数に基づいて前記太陽電池モジュールの発電量を算出するステップと、前記太陽電池モジュールの前記発電量と前記契約容量とに基づいて前記蓄電池の放電量を決定するステップと、決定した前記蓄電池の前記放電量と前記契約容量とに基づいて複数の前記PCSのうち稼働させるPCSを決定するステップと、決定した稼働させる前記PCSの台数とPCSを全台数稼働させた場合の前記太陽電池モジュールの発電量とに基づいて前記太陽電池モジュールの発電量の予測値を導出するステップとを実行させる、プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、蓄電池を備える太陽光発電所の運転を制御できる運転制御システム、運転制御方法及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る太陽光発電システム1の構成例を示す図である。
図2】本実施形態に係る運転制御システム100の一例を示す図である。
図3】本実施形態に係る運転制御システム100の動作の一例を示す図である。
図4】本実施形態に係る運転制御システム100の他の一例を示す図である。
図5】実施形態の変形例1に係る太陽光発電システム1aの一例を示す図である。
図6】実施形態の変形例1に係る運転制御システム100aの一例を示す図である。
図7】実施形態の変形例1に係る太陽光発電システム1aの動作の一例を示す図である。
図8】実施形態の変形例2に係る太陽光発電システム1bの一例を示す図である。
図9】実施形態の変形例2に係る運転制御システム100bの一例を示す図である。
図10】実施形態の変形例2に係る太陽光発電システム1bの動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本実施形態の運転制御システム、運転制御方法及びプログラムを、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0012】
(実施形態)
図1は、実施形態に係る太陽光発電システム1の構成例を示す図である。実施形態に係る太陽光発電システム1の一例は、蓄電池併設型の太陽光発電システムである。太陽光発電システム1は、太陽電池モジュールPVM-1~太陽電池モジュールPVM-n(nはn>1の整数)と蓄電池SBとパワーコンディショナー(PCS)50-1~PCS50-nとインバーター60とを備える。
【0013】
太陽光発電システム1の接続(リンク)のタイプの一例は、交流(AC)リンクである。ACリンクでは、太陽電池モジュールPVM-1から太陽電池モジュールPVM-nは、それぞれPCS50-1からPCS50-nと接続される。PCS50-1~PCS50-nは配電網DNに電気計器70を介して接続される。蓄電池SBは、一般的にPCS50-1~PCS50-nと電気計器70との間にインバーター60を介して接続される。
【0014】
太陽電池モジュールPVM-1から太陽電池モジュールPVM-nで発電された電力は、それぞれPCS50-1からPCS50-nで直流から交流に変換される。PCS50-1で直流から交流に変換された電力からPCS50-nで直流から交流に変換された電力は、インバーター60で交流から直流に変換され、蓄電池SBに蓄電される。このように構成することによって、仮に太陽光発電システム1が大型の太陽光発電システムであっても、PCS50-1からPCS-nで送配電事業者からの出力抑制等に対応できる。
【0015】
太陽光発電システム1は、蓄電池SBの放電量に合わせて複数のPCS50-1~PCS50-nのうち、停止させるPCSを一又は複数決定し、決定した一又は複数のPCSの運転を停止する。このように構成することで電気計器70の位置にて逆潮流のコマ単位の総量が契約容量を超えないように制御できる。
以下、太陽電池モジュールPVM-1から太陽電池モジュールPVM-nのうち、任意の太陽電池モジュールを太陽電池モジュールPVMと記載する。PCS50-1からPCS-nのうち、任意のPCSをPCS50と記載する。
【0016】
太陽光発電システム1は、運転制御システム100によって制御される。運転制御システム100は、契約容量と蓄電池SBの充放電量計画値とに基づいて太陽電池モジュールPVM-1~太陽電池モジュールPVM-nにそれぞれ接続されたPCS50-1~PCS50-nのうち稼働させるPCS50を一又は複数仮設定する。運転制御システム100は、仮設定した稼働させる一又は複数のPCS50の台数j(1≦j<n)に基づいてj台のPCS50にそれぞれ接続されたj個の太陽電池モジュールPVMの発電量を算出する。
【0017】
運転制御システム100は、算出したj個の太陽電池モジュールPVMの発電量と契約容量とに基づいて蓄電池SBの放電量を決定する。運転制御システム100は、決定した蓄電池SBの放電量と契約容量とに基づいてPCS50-1~PCS50-nのうち稼働させるPCS50を一又は複数決定する。
運転制御システム100は、決定した稼働させる一又は複数のPCSの台数k(1≦k<n)に基づいてk台のPCS50にそれぞれ接続されたk個の太陽電池モジュールPVMの発電量とPCS50-1~PCS50-nにそれぞれ接続されたn個の全台数稼働させた場合の太陽電池モジュールPVMの発電量とに基づいて太陽電池モジュールPVMの発電量の予測値を導出する。
【0018】
運転制御システム100の詳細について説明する。図2は、本実施形態に係る運転制御システム100の一例を示す図である。
運転制御システム100は、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。運転制御システム100は、入力部102と、受付部104と、発電量算出部106と、放電量決定部108と、発電量予測値導出部110と、出力部112と、記憶部114とを備える。
【0019】
入力部102は、情報を入力する。一例として、入力部102は、キーボードおよびマウスなどの操作部を有してもよい。この場合、入力部102は、ユーザによって当該操作部に対して行われる操作に応じた情報を入力する。他の例として、入力部102は、外部の装置から情報を入力してもよい。当該外部の装置は、例えば、可搬な記憶媒体であってもよい。入力部102には、蓄電池SBの充放電計画が入力される。蓄電池SBの充放電計画の一例は、売買計画と蓄電池SBの残量と太陽電池モジュールPVM-1~太陽電池モジュールPVM-nの発電予測値とに基づいて導出される。ここで、売電計画の一例は、太陽電池モジュールPVM-1~太陽電池モジュールPVM-nの発電量予測値とスポット価格の予測値とに基づいて導出される。
【0020】
受付部104は、入力部102から蓄電池SBの充放電計画を取得する。受付部104は、取得した蓄電池SBの充放量計画を取得し、取得した蓄電池SBの充放電計画を受け付ける。
発電量算出部106は、受付部104から蓄電池SBの充放電計画を取得する。発電量算出部106は、契約容量と、取得した蓄電池SBの充放電計画とに基づいて太陽電池モジュールPVM-1~太陽電池モジュールPVM-nにそれぞれ接続されたPCS50-1~PCS50-nのうち稼働させるPCSを一又は複数仮設定する。
【0021】
具体的には、発電量算出部106は、蓄電池SBの充放電計画から蓄電池SBの放電量計画値を取得し、契約容量と蓄電池SBの放電量計画値との差分から太陽電池モジュールPVMで発電しても問題ない発電量を算出する。例えば、発電量算出部106は、太陽電池モジュールPVMの発電量を、契約容量と蓄電池SBの放電量計画値との差分以下とする。発電量算出部106は、太陽電池モジュールPVMで発電しても問題ない発電量の算出結果に基づいて可動させることが可能なPCSの台数jを算出する。発電量算出部106は、可動させることが可能なPCSの台数jの算出結果に基づいて、可動させることが可能な台数jのPCSを仮設定する。例えば、発電量算出部106は、式(1)から稼働させることが可能なPCSの台数jを算出する。
稼働させることが可能なPCSの台数j=(契約容量/2-蓄電池SBのコマ単位放電量計画値)/(PCS1台あたりの容量/2)(小数点以下第一位切捨)[台] (1)
【0022】
発電量算出部106は、仮設定した稼働させるPCSの台数jに基づいて稼働させる台数jのPCS50-1~PCS50-jの各々に接続された太陽電池モジュールPVM-1~太陽電池モジュールPVM-jの発電量の合計を算出する。例えば、発電量算出部106は、式(2)から台数jのPCSの各々に接続された太陽電池モジュールPVMの発電量の合計を算出する。
台数jのPCSの各々に接続された太陽電池モジュールPVMの発電量の合計=稼働するPCS台数j×1台当たりのPCS容量 (2)
【0023】
放電量決定部108は、発電量算出部106から台数jのPCSの各々に接続された太陽電池モジュールPVMの発電量の合計の算出結果を取得する。放電量決定部108は、契約容量と取得した台数jのPCSの各々に接続された太陽電池モジュールPVMの発電量の合計の算出結果とに基づいて蓄電池SBの放電量を決定する。
具体的には、放電量決定部108は、台数jのPCSの各々に接続された太陽電池モジュールPVMの発電量の合計の算出結果と蓄電池SBの放電量との和が、コマ単位の契約容量未満となるように蓄電池SBの放電量を決定する。このように構成することによって、PCSを更に停止させない範囲で蓄電池SBの放電量を算出できる。つまり、ここで算出した蓄電池SBの放電量がPCSを更に停止させなければならなくなる閾値とみなすことができる。
【0024】
以下、台数jのPCS50の各々に接続された太陽電池モジュールPVMの発電量の算出結果が零である場合と、売電計画量が最大可能発電量を超える場合と、売電計画量が最大可能発電量未満の場合とに分けて説明する。
(1)太陽電池モジュールPVMの発電量の算出結果が零である場合
蓄電池SBの放電量計画値と蓄電池SBの放電量とが等しくなる。
(2)売電計画量が最大可能発電量を超える場合
蓄電池SBの放電量計画値は、売電計画量から最大発電可能量を減算したものとなる。つまり、放電量決定部108は、売電計画量に対して最大発電可能量が不足する場合にその不足分のうち蓄電池SBで補える量を蓄電池SBの放電量に決定する。放電量決定部108は、〇kWh単位となるように小数点第1位を切り上げるようにしてもよい。
ここで、蓄電池SBの放電量計画値は、PCS50が全台数運転していると仮定した場合のものである。しかし、実際には発電量算出部106で稼働させることが可能なPCSの台数jを仮設定しているため停止しているPCS50が存在する。このため、発電量算出部106が使用した蓄電池SBの放電量計画値では、売電計画値に対して確実に不足する。
【0025】
放電量決定部108は、蓄電池SBの放電量を売電計画量と太陽電池モジュールPVMの最大可能発電量との差分とする。このように構成することによって、太陽電池モジュールPVMが発電したときに過不足がないよう設定できる。放電量決定部108は、蓄電池SBの放電量を決定する際に〇kWh単位となるように小数点第1位を切り上げる。このように構成することによって、仮に切り上げないことによって、売電量が大幅に削減されてしまうことを防止できる。
【0026】
(3)売電計画量が最大可能発電量未満の場合
蓄電池SBの放電計画値は、蓄電池SBの放電量となる。ここで、蓄電池SBの放電量計画値は、PCS50が全台数運転していると仮定した場合のものである。この場合に、太陽電池モジュールPVMの最大発電量が売電計画量を超える。しかし、実際には発電量算出部106で稼働させることが可能なPCSの台数jを仮設定しているため停止しているPCS50が存在する。このため、蓄電池SBの放電量で全放電しても契約容量を超えることは無い。
また、蓄電池SBのコマ単位の放電量は採算性が高くなるためなるべく多く売電することが求められる。よって、放電量決定部108は、設定されている蓄電池SBの放電量をそのまま使用する。
【0027】
発電量予測値導出部110は、放電量決定部108から蓄電池SBの放電量を特定する情報を取得する。発電量予測値導出部110は、取得した蓄電池SBの放電量を特定する情報と契約容量とに基づいてPCS50-1~PCS50-nのうち稼働させるPCS50を一又は複数決定する。例えば、発電量予測値導出部110は、式(3)から稼働させるPCSの台数kを算出する。
稼働させるPCSの台数k=(契約容量/2-蓄電池SBのコマ単位放電量)/(PCS1台あたりの容量/2)(小数点以下第一位切捨)[台] (3)
【0028】
発電量予測値導出部110は、決定した稼働させる一又は複数のPCS50の台数kとPCS50-1~PCS50-nの全台数稼働させた場合の太陽電池モジュールPVMの発電量とに基づいて、稼働させる台数kのPCS50を、PCS50の台数k分の発電予測量に変換することによって太陽電池モジュールPVMの発電量の予測値を導出する。例えば、発電量予測値導出部110は、式(4)から太陽電池モジュールPVMの発電量の予測値を導出する。
太陽電池モジュールPVMの発電量の予測値=PCS50-1~PCS50-nの全台数稼働時の発電予測値×(稼働するPCS50の台数k/PCS50-1~PCS50-nの全台数) (4)
出力部112は、発電量予測値導出部110から、太陽電池モジュールPVMの発電量の予測値を取得する。出力部112は、取得した太陽電池モジュールPVMの発電量の予測値を出力する。例えば、出力部112は、太陽電池モジュールPVMの発電量の予測値を示す情報を音声で出力してもよいし、表示部(図示なし)に表示することによって出力してもよいし、ネットワーク(図示なし)を介して他の装置へ出力(送信)するようにしてもよい。
【0029】
入力部102、受付部104、発電量算出部106、放電量決定部108、発電量予測値導出部110および出力部112の全部または一部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサが記憶部114に格納されたプログラムを実行することにより実現される機能部(以下、ソフトウェア機能部と称する)である。
なお、入力部102、受付部104、発電量算出部106、放電量決定部108、発電量予測値導出部110および出力部112の全部または一部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウェア機能部とハードウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0030】
(運転制御システム100の動作)
図3は、本実施形態に係る運転制御システム100の動作の一例を示す図である。図3を参照して、運転制御システム100が太陽電池モジュールPVMの発電量の予測値を導出する処理について説明する。
(ステップS1-1)
入力部102に、蓄電池SBの充放電計画が入力される。
(ステップS2-1)
受付部104は、入力部102から蓄電池SBの充放電計画を取得する。受付部104は、取得した蓄電池SBの充放電計画を受け付ける。
【0031】
(ステップS3-1)
発電量算出部106は、受付部104から蓄電池SBの充放電計画を取得する。発電量算出部106は、契約容量と、取得した蓄電池SBの充放電計画に含まれる放電量計画値とに基づいて太陽電池モジュールPVM-1~太陽電池モジュールPVM-nにそれぞれ接続されたPCS50-1~PCS50-nのうち稼働させるPCSを一又は複数仮設定する。
(ステップS4-1)
発電量算出部106は、仮設定した稼働させるPCSの台数jに基づいて稼働させる台数jのPCS50-1~PCS50-jの各々に接続された太陽電池モジュールPVMの発電量の合計を算出する。
【0032】
(ステップS5-1)
放電量決定部108は、発電量算出部106から台数jのPCSの各々に接続された太陽電池モジュールPVMの発電量の合計の算出結果を取得する。放電量決定部108は、契約容量と取得した台数jのPCSの各々に接続された太陽電池モジュールPVMの発電量の合計の算出結果とに基づいて蓄電池SBの放電量を決定する。
(ステップS6-1)
発電量予測値導出部110は、放電量決定部108から蓄電池SBの放電量を特定する情報を取得する。発電量予測値導出部110は、取得した蓄電池SBの放電量を特定する情報と契約容量とに基づいてPCS50-1~PCS50-nのうち稼働させるPCS50を一又は複数決定する。
【0033】
(ステップS7-1)
発電量予測値導出部110は、決定した稼働させる一又は複数のPCS50の台数kとPCS50-1~PCS50-nの全台数稼働させた場合の太陽電池モジュールPVMの発電量とに基づいて、台数kのPCS50を、PCS50の台数k分の発電予測量に変換することによって太陽電池モジュールPVMの発電量の予測値を導出する。
(ステップS8-1)
出力部112は、発電量予測値導出部110から、太陽電池モジュールPVMの発電量の予測値を取得する。出力部112は、取得した太陽電池モジュールPVMの発電量の予測値を出力する。
運転制御システム100が、太陽電池モジュールPVMの発電量の予測値を出力した後に、その太陽電池モジュールPVMの発電量の予測値に基づいて最終売電予測量が算出され、最終売電予測量の算出結果が売電計画として決定される。
【0034】
前述した実施形態では、運転制御システム100が、太陽電池モジュールPVMの発電量の予測値を出力する場合について説明したがこの例に限られない。例えば、運転制御システム100が、太陽電池モジュールPVMの発電量の予測値に基づいて最終売電予測量を算出するようにしてもよい。この場合、運転制御システム100が算出した最終売電予測量の算出結果が売電計画として決定される。
図4は、本実施形態に係る運転制御システム100の他の一例を示す図である。図4に示される運転制御システム100は、図1を参照した運転制御システム100に売買量予測値導出部116を備えたものである。
売買量予測値導出部116は、発電量予測値導出部110から太陽電池モジュールPVMの発電量の予測値を取得する。売買量予測値導出部116は、取得した太陽電池モジュールPVMの発電量の予測値に基づいて最終売電予測量を算出する。具体的には、売買量予測値導出部116は、太陽電池モジュールPVMの予測値と蓄電池SBの放電量との和を算出することによって最終売電予測量を算出する。
出力部112は、売買量予測値導出部116から最終売買予測量を取得する。出力部112は、取得した最終売買予測量を示す情報を出力する。例えば、出力部112は、最終売買予測量を示す情報を音声で出力してもよいし、表示部(図示なし)に表示することによって出力してもよいし、ネットワーク(図示なし)を介して他の装置へ出力(送信)するようにしてもよい。
【0035】
売買量予測値導出部116の全部または一部は、例えば、CPUなどのプロセッサが記憶部114に格納されたプログラムを実行することにより実現される機能部(以下、ソフトウェア機能部と称する)である。なお、売買量予測値導出部116の全部または一部は、LSI、ASIC、またはFPGAなどのハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウェア機能部とハードウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0036】
前述した実施形態では、運転制御システム100において、発電量算出部106が、契約容量と蓄電池SBの充放電量計画値とに基づいて太陽電池モジュールPVM-1~太陽電池モジュールPVM-nにそれぞれ接続されたPCS50-1~PCS50-nのうち稼働させるPCS50を一又は複数仮設定する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、発電量算出部106は、契約容量と蓄電池SBの充放電量計画値とに基づいて太陽電池モジュールPVM-1~太陽電池モジュールPVM-nにそれぞれ接続されたPCS50-1~PCS50-nのうちいずれも稼働させないように仮設定してもよい。この場合、蓄電池SBの放電のみが行われると仮設定される。
この場合、放電量決定部108は、契約容量に基づいて蓄電池SBの放電量を決定する。発電量予測値導出部110は、決定した蓄電池SBの放電量と契約容量とに基づいてPCS50-1~PCS50-nのうち稼働させるPCS50を決定する。発電量予測値導出部110は、決定した稼働させる0以上のPCSの台数kα(0≦kα<n)に基づいてkα台のPCS50にそれぞれ接続されたkα個の太陽電池モジュールPVMの発電量とPCS50-1~PCS50-nにそれぞれ接続されたn個の全台数稼働させた場合の太陽電池モジュールPVMの発電量とに基づいて太陽電池モジュールPVMの発電量の予測値を導出する。
【0037】
本実施形態に係る運転制御システム100によれば、運転制御システム100は、蓄電池SBを備える太陽光発電システム1の運転を制御する。運転制御システム100は、発電量算出部106と、放電量決定部108と、発電量予測値導出部110とを備える。発電量算出部106は、契約容量と蓄電池SBの充放電計画とに基づいて複数の太陽電池モジュールPVMにそれぞれ接続された複数のPCS50のうち稼働させるPCS50を仮設定し、仮設定した稼働させるPCS50の台数に基づいて太陽電池モジュールPVMの発電量を算出する。放電量決定部108は、発電量算出部106が算出した太陽電池モジュールPVMの発電量と契約容量とに基づいて蓄電池SBの放電量を決定する。発電量予測値導出部110は、放電量決定部108が決定した蓄電池SBの放電量と契約容量とに基づいて複数のPCS50のうち稼働させるPCS50を決定し、決定した稼働させるPCS50の台数と複数のPCS50を全台数稼働させた場合の太陽電池モジュールPVMの発電量とに基づいて太陽電池モジュールPVMの発電量の予測値を導出する。
【0038】
このように構成することによって、運転制御システム100は、契約容量と蓄電池SBの充放電量計画値とに基づいて複数の太陽電池モジュールPVMにそれぞれ接続された複数のPCS50のうち稼働させるPCS50を仮設定し、仮設定した稼働させるPCS50の台数に基づいて太陽電池モジュールPVMの発電量を算出できる。さらに、運転制御システム100は、算出した太陽電池モジュールPVMの発電量と契約容量とに基づいて蓄電池SBの放電量を決定し、決定した蓄電池SBの放電量と契約容量とに基づいて複数のPCS50のうち稼働させるPCS50を決定できる。運転制御システム100は、決定した稼働させるPCS50の台数と複数のPCS50を全台数稼働させた場合の太陽電池モジュールPVMの発電量とに基づいて太陽電池モジュールPVMの発電量の予測値を導出できる。
【0039】
一般的に蓄電池SBの運転制御と太陽光発電システム1におけるPCS50-1~50-n等の制御は異なるソフトウェアを実行することによって行われることが一般的である。このため、蓄電池SBの運転計画は太陽電池モジュールPVM-1~PVM-nなどの太陽光設備の制御が考慮されず、発電予測が考慮されて蓄電池SBの運転計画が立てられる。その結果、意図しない不足インバランスが発生し、損失が発生したり停止不要なPCSまで停止させたりする場合があった。
運転制御システム100は、蓄電池SBの放電量に基づいて稼働させるPCS50を決定できるため、停止させるPCS50の数を最小限にしつつ、不足インバランス量を最小限とするように制御することができる。
【0040】
具体的には、系統契約容量400kWのケース(コマ単位最大電力量200kWh)で、前提条件として、PCSの台数を8台(50kWh/台(コマ単位では25kWh/台)とし、あるコマの太陽光発電所発電量を70kWhとし、通常時売電計画を150kWhとする。
従来の場合について説明する。
通常の計画(逆潮流防止リレー無し)では、計画売電量は150kWh、放電量は80kWh(=計画売電量150kWh-発電予測量70kWh)、想定インバランスは0kWh(=計画売電量-(発電予測量+放電量))となる。
実際の挙動(通常計画時)は、通常売電計画は150kWh、通常放電量は80kWh、PCS台数は4台(=(契約容量-放電計画値)÷(PCS1台あたりの発電量))(200kWh-80kWh)÷(25kWh/台)(小数点以下第一位切捨)、発電量は35kWh(=全台数稼働時の発電予測値×(稼働するPCS台数÷PCS全台数)(70kWh×4台÷8台)、売電量は115kWh(=発電量35kWh+放電量80kWh)、通常計画時インバランスは-35kWhとなる。
【0041】
本実施形態の場合について説明する。
本実施形態の計画では、仮売電計画は150kWh、仮放電量は80kWh(通常計画に同じ)、上記放電量時のPCSの稼働台数は4台((契約容量-放電計画値)÷(PCS1台あたりの発電量))((200kWh-80kWh)÷(25kWh/台)(小数点以下第一位切捨))、最大発電可能量は100kWh(PCS稼働台数4台×25kWh/台)、放電量は50kWh(売電計画-最大発電可能量)、最終PCS稼働台数は6台((契約容量-放電計画値)÷(PCS1台あたりの発電量))((200kWh-50kWh)÷(25kWh/台)(小数点以下第一位切捨))、最終予測発電量は52.5kWh(全台数稼働時の発電予測値×(稼働するPCS台数÷PCS全台数))(70kWh×6台÷8台)、売電可能量は102.5kWh(=最終予測発電量52.5kWh+放電量50kWh)、最終計画売電量は100kWh、想定インバランスは2.5kWhとなる。
実際の挙動(通常計画時)は、売電計画は100kWh、放電量は50kWh、PCS台数は6台((契約容量-放電計画値)÷(PCS1台あたりの発電量))((200kWh-50kWh)÷(25kWh/台))、発電量は52.5kWh(全台数稼働時の発電予測値×(稼働するPCS台数÷PCS全台数))(70kWh×6台÷8台)、売電量は102.5kWh(=最終予測発電量52.5kWh+放電量50kWh)、計画時インバランスは2.5kWh(売電量102.5kWh-売電計画100kWh)となる。
【0042】
運転制御システム100において、運転制御システム100は、売買量予測値導出部116をさらに備える。売買量予測値導出部116は、発電量予測値導出部110が導出した発電量の予測値に基づいて売電量の予測値を導出する。
このように構成することによって、運転制御システム100は、発電量の予測値に基づいて売電量の予測値を導出できるため、停止させるPCS50の数を最小限にしつつ、不足インバランス量を最小限とするように売電量の予測値を導出できる。
【0043】
運転制御システム100において、発電量算出部106は、契約容量と蓄電池SBの放電計画とに基づいて稼働させるPCS50を仮設定し、仮設定した稼働させるPCS50の台数に基づいて太陽電池モジュールPVMの最大発電量を算出する。
このように構成することによって、発電量算出部106は、仮設定した稼働させるPCS50の台数に基づいて太陽電池モジュールPVMの最大発電量を算出できる。このため、運転制御システム100は、太陽電池モジュールPVMの最大発電量と契約容量とに基づいて蓄電池SBの放電量を決定できる。
【0044】
運転制御システム100において、放電量決定部108は、発電量算出部106が算出した太陽電池モジュールPVMの最大発電量に基づいて契約容量以下の範囲で蓄電池SBの放電量を決定する。
このように構成することによって、放電量決定部108は、太陽電池モジュールPVMの最大発電量に基づいて契約容量以下の範囲で蓄電池SBの放電量を決定できる。このため、運転制御システム100は、蓄電池SBの放電量と契約容量とに基づいて複数のPCS50のうち稼働させるPCS50を決定できる。
【0045】
(実施形態の変形例1)
図5は、実施形態の変形例1に係る太陽光発電システム1aの一例を示す図である。図5には、運転制御システム100aに加えて、発電量予測DB10、価格予測DB20、蓄電池監視システム30、売電計画プラットフォーム200及び蓄電池充放電計画プラットフォーム300が示されている。
発電量予測DB10、価格予測DB20、蓄電池監視システム30、売電計画プラットフォーム200、蓄電池充放電計画プラットフォーム300及び運転制御システム100aは、ネットワークNWを介して互いに接続される。ネットワークNWは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ装置、無線基地局などを含む。
【0046】
発電量予測DB10は、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。発電量予測DB10は、発電量を予測し、発電量予測値を示す情報を売電計画プラットフォーム200と蓄電池充放電計画プラットフォーム300とへ送信する。
価格予測DB20は、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。価格予測DB20は、スポット価格を予測し、スポット価格予測を示す情報を売電計画プラットフォーム200へ送信する。
蓄電池監視システム30は、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。蓄電池監視システム30は、太陽光発電システム1aに含まれる蓄電池SBを監視し、蓄電池SBの監視結果を示す情報を、蓄電池充放電計画プラットフォーム300へ送信する。
【0047】
売電計画プラットフォーム200は、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。売電計画プラットフォーム200は、発電量予測DB10が送信した発電量予測値を示す情報を受信し、価格予測DB20が送信したスポット価格予測を示す情報を受信する。売電計画プラットフォーム200は、受信した発電量予測値を示す情報及びスポット価格予測を示す情報に基づいて、売電計画を立案する。
【0048】
例えば、売電計画プラットフォーム200は、スポット価格が高い時点でなるべく多くの売電を行えるよう発電予測量から売電計画を立案する。スポット価格は、特に太陽光による発電量が少なくなる夕方が高値となることが多い。売電計画プラットフォーム200は、売電計画を示す情報を蓄電池充放電計画プラットフォーム300へ送信する。ここで、売電計画の一例は、コマ単位(30分単位)の売電量の計画値を含む。
【0049】
蓄電池充放電計画プラットフォーム300は、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。蓄電池充放電計画プラットフォーム300は、発電量予測DB10が送信した発電量予測値を示す情報を受信する。蓄電池充放電計画プラットフォーム300は、蓄電池監視システム30が送信した蓄電池SBの監視結果を示す情報を受信する。蓄電池充放電計画プラットフォーム300は、売電計画プラットフォーム200が送信した売電計画を示す情報を受信する。蓄電池充放電計画プラットフォーム300は、受信した発電量予測値を示す情報、蓄電池SBの監視結果に含まれる蓄電池SBの残量を示す情報及び売電計画に含まれるコマ単位の売電量の計画値を示す情報に基づいて、蓄電池SBの充放電計画を立案する。
【0050】
例えば、蓄電池充放電計画プラットフォーム300は、発電量予測値を示す情報、蓄電池SBの残量を示す情報及びコマ単位の売電量の計画値を示す情報に基づいて、スポット価格の高い順に蓄電池SBの放電による売電を行えるように蓄電池SBの残量を考慮しながら太陽光による発電と蓄電池SBの放電との計画を立案する。蓄電池充放電計画プラットフォーム300は、稼働させるPCSの台数は考慮せずに、蓄電池SBの充放電計画を立案するようにしてもよい。ここで、充放電量の単位の一例は、kWhとしてもよい。蓄電池充放電計画プラットフォーム300は、蓄電池SBの充放電計画を示す情報を、運転制御システム100aへ送信する。ここで、蓄電池SBの充放電計画の一例は、コマ単位の充電量又は放電量の計画値を含む。
【0051】
運転制御システム100aは、蓄電池充放電計画プラットフォーム300が送信した蓄電池SBの充放電計画を示す情報を受信する。運転制御システム100aは、契約容量と受信した蓄電池SBの充放電量計画値に含まれるコマ単位の充電量又は放電量の計画値とに基づいて太陽電池モジュールPVM-1~太陽電池モジュールPVM-nにそれぞれ接続されたPCS50-1~PCS50-nのうち稼働させるPCS50を一又は複数仮設定する。運転制御システム100aは、仮設定した稼働させる一又は複数のPCS50の台数j(1≦j<n)に基づいてj台のPCS50にそれぞれ接続されたj個の太陽電池モジュールPVM-1~太陽電池モジュールPVM-jの発電量の合計を算出する。
【0052】
運転制御システム100aは、算出したj個の太陽電池モジュールPVM-1~太陽電池モジュールPVM-jの発電量の合計と契約容量とに基づいて蓄電池SBの放電量を決定する。運転制御システム100aは、決定した蓄電池SBの放電量と契約容量とに基づいてPCS50-1~PCS50-nのうち稼働させるPCS50を一又は複数決定する。運転制御システム100aは、決定した稼働させる一又は複数のPCSの台数k(1≦k<n)に基づいてk台のPCS50-1~PCS50-kにそれぞれ接続されたk個の太陽電池モジュールPVM-1~太陽電池モジュールPVM-kの発電量の合計とPCS50-1~PCS50-nにそれぞれ接続された全台数であるn個の太陽電池モジュールPVM-1~太陽電池モジュールPVM-nの発電量の合計とに基づいてk個の太陽電池モジュールPVM-1~PCS50-kを稼働させた場合の発電量の予測値を導出する。
【0053】
運転制御システム100aの詳細について説明する。図6は、実施形態の変形例1に係る運転制御システム100aの一例を示す図である。
運転制御システム100aは、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。運転制御システム100aは、入力部102と、受付部104aと、発電量算出部106と、放電量決定部108と、発電量予測値導出部110と、出力部112と、記憶部114と、通信部118aとを備える。
【0054】
通信部118aは、通信モジュールによって実現される。通信部118aは、ネットワークNWを介して、外部の通信装置と通信する。通信部118aは、例えば有線LANなどの通信方式で通信してもよい。また、通信部118aは、例えば無線LAN、ブルートゥース(登録商標)又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信してもよい。通信部118aは、蓄電池充放電計画プラットフォーム300が送信した蓄電池SBの充放電計画を示す情報を受信する。
【0055】
受付部104aは、通信部118aから蓄電池SBの充放電量計画値を取得する。受付部104aは、取得した蓄電池SBの充放電量計画を示す情報を取得し、取得した蓄電池SBの充放電量計画を示す情報を受け付ける。
受付部104aの全部または一部は、例えば、CPUなどのプロセッサが記憶部114に格納されたプログラムを実行することにより実現される機能部(以下、ソフトウェア機能部と称する)である。なお、受付部104aの全部または一部は、LSI、ASIC、またはFPGAなどのハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウェア機能部とハードウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0056】
(太陽光発電システム1aの動作)
図7は、実施形態の変形例1に係る太陽光発電システム1aの動作の一例を示す図である。図7を参照して、運転制御システム100aが太陽電池モジュールPVMの発電量の予測値を導出する処理について説明する。
(ステップS1-2)
発電量予測DB10は、発電量を予測する。
(ステップS2-2)
発電量予測DB10は、発電量予測値を示す情報を売電計画プラットフォーム200と蓄電池充放電計画プラットフォーム300とへ送信する。
(ステップS3-2)
価格予測DB20は、スポット価格を予測する。
【0057】
(ステップS4-2)
価格予測DB20は、スポット価格予測を示す情報を売電計画プラットフォーム200へ送信する。
(ステップS5-2)
蓄電池監視システム30は、太陽光発電システム1aに含まれる蓄電池SBを監視する。
(ステップS6-2)
蓄電池監視システム30は、蓄電池SBの監視結果を示す情報を、蓄電池充放電計画プラットフォーム300へ送信する。
(ステップS7-2)
売電計画プラットフォーム200は、発電量予測DB10が送信した発電量予測値を示す情報を受信し、価格予測DB20が送信したスポット価格予測を示す情報を受信する。売電計画プラットフォーム200は、受信した発電量予測値を示す情報及びスポット価格予測を示す情報に基づいて、売電計画を立案する。
【0058】
(ステップS8-2)
売電計画プラットフォーム200は、売電計画を示す情報を蓄電池充放電計画プラットフォーム300へ送信する。
(ステップS9-2)
蓄電池充放電計画プラットフォーム300は、発電量予測DB10が送信した発電量予測値を示す情報を受信し、蓄電池監視システム30が送信した蓄電池SBの監視結果を示す情報を受信し、売電計画プラットフォーム200が送信した売電計画を示す情報を受信する。蓄電池充放電計画プラットフォーム300は、受信した発電量予測値を示す情報、蓄電池SBの監視結果に含まれる蓄電池SBの残量を示す情報及び売電計画を示す情報に基づいて、蓄電池SBの充放電計画を立案する。
(ステップS10-2)
蓄電池充放電計画プラットフォーム300は、蓄電池SBの充放電計画を示す情報を、運転制御システム100aへ送信する。
【0059】
(ステップS11-2)
運転制御システム100aにおいて、通信部118aは、蓄電池充放電計画プラットフォーム300が送信した蓄電池SBの充放電計画を示す情報を受信する。受付部104aは、通信部118aから蓄電池SBの充放電計画を示す情報を取得する。受付部104aは、取得した蓄電池SBの充放電計画を示す情報を取得し、取得した蓄電池SBの充放電計画を示す情報を受け付ける。
ステップS12-2からS17-2は、図3を参照して説明したステップS3-1からS8-1と同様であるため、ここでの説明は省略する。
前述した実施形態の変形例1では、運転制御システム100aが、太陽電池モジュールPVMの発電量の予測値を出力する場合について説明したがこの例に限られない。例えば、運転制御システム100aが、太陽電池モジュールPVMの発電量の予測値に基づいて最終売電予測量を算出するようにしてもよい。この場合、運転制御システム100aが算出した最終売電予測量の算出結果が売電計画として決定される。この場合、運転制御システム100aは売買量予測値導出部116をさらに備える。売買量予測値導出部116については、前述したのでここでの説明は省略する。
【0060】
実施形態の変形例1に係る太陽光発電システム1aによれば、太陽光発電システム1aは、太陽光発電システム1に、太陽電池モジュールPVMによる発電量予測値と太陽電池モジュールPVMによって発電された電力の売電計画と蓄電池SBの蓄電量とに基づいて蓄電池SBの充放電を計画する充放電計画部としての売電計画プラットフォーム200をさらに備える。運転制御システム100aにおいて、発電量算出部106は、蓄電池SBの充放電計画として、充放電計画部による蓄電池SBの充放電の計画の結果を使用する。
【0061】
このように構成することによって、運転制御システム100aにおいて、発電量算出部106は、太陽光発電システム1aが備える充放電計画部が計画した蓄電池SBの充放電の計画の結果を取得できるため、取得した蓄電池SBの充放電の計画の結果に基づいて太陽電池モジュールPVMの発電量を算出できる。
【0062】
太陽光発電システム1aにおいて、太陽光発電システム1aは、太陽電池モジュールPVMによる発電予測値と電力スポット価格の予測とに基づいて太陽電池モジュールPVMによって発電された電力の売電を計画する電力売電計画部としての売電計画プラットフォーム200をさらに備える。運転制御システム100aにおいて、放電量決定部108は、電力の売電計画として、電力売電計画部による太陽電池モジュールPVMによって発電された電力の売電の計画の結果を使用する。
【0063】
このように構成することによって、運転制御システム100aにおいて、放電量決定部108は、太陽光発電システム1aが備える電力売電計画部が計画した太陽電池モジュールPVMによって発電された電力の売電の計画の結果を取得できるため、取得した太陽電池モジュールPVMによって発電された電力の売電の計画の結果に基づいて蓄電池SBの放電量を決定できる。
【0064】
(実施形態の変形例2)
図8は、実施形態の変形例2に係る太陽光発電システム1bの一例を示す図である。図8には、運転制御システム100bに加えて、発電量予測DB10、価格予測DB20及び蓄電池監視システム30が示されている。
発電量予測DB10、価格予測DB20、蓄電池監視システム30及び運転制御システム100bは、ネットワークNWを介して互いに接続される。
【0065】
発電量予測DB10は、発電量を予測し、発電量予測値を示す情報を運転制御システム100bへ送信する。
価格予測DB20は、スポット価格を予測し、スポット価格予測を示す情報を運転制御システム100bへ送信する。
蓄電池監視システム30は、太陽光発電システム1bに含まれる蓄電池SBを監視し、蓄電池SBの監視結果を示す情報を、運転制御システム100bへ送信する。
【0066】
運転制御システム100bは、発電量予測DB10が送信した発電量予測値を示す情報を受信し、価格予測DB20が送信したスポット価格予測を示す情報を受信し、蓄電池監視システム30が送信した蓄電池SBの監視結果を示す情報を受信する。
運転制御システム100bは、受信した発電量予測値を示す情報及びスポット価格予測を示す情報に基づいて、売電計画を立案する。ここで、売電計画の一例は、コマ単位の売電量の計画値を含む。
【0067】
運転制御システム100bは、発電量予測値を示す情報、蓄電池SBの監視結果に含まれる蓄電池SBの残量を示す情報及び売電計画を示す情報に基づいて、蓄電池SBの充放電計画を立案する。
【0068】
運転制御システム100bは、契約容量と蓄電池SBの充放電計画とに基づいて太陽電池モジュールPVM-1~太陽電池モジュールPVM-nにそれぞれ接続されたPCS50-1~PCS50-nのうち稼働させるPCS50を一又は複数仮設定する。運転制御システム100bは、仮設定した稼働させる一又は複数のPCS50の台数j(1≦j<n)に基づいてj台のPCS50にそれぞれに接続されたj個の太陽電池モジュールPVM-1~太陽電池モジュールPVM-jの発電量の合計を算出する。
【0069】
運転制御システム100bは、算出したj個の太陽電池モジュールPVM-1~太陽電池モジュールPVM-jの発電量の合計と契約容量とに基づいて蓄電池SBの放電量を決定する。運転制御システム100bは、決定した蓄電池SBの放電量と契約容量とに基づいてPCS50-1~PCS50-nのうち稼働させるPCS50を一又は複数決定する。運転制御システム100bは、決定した稼働させる一又は複数のPCSの台数k(1≦k<n)に基づいてk台のPCS50-1~PCS50-kにそれぞれ接続されたk個の太陽電池モジュールPVM-1~太陽電池モジュールPVM-kの発電量の合計とPCS50-1~PCS50-nにそれぞれ接続された全台数であるn個の太陽電池モジュールPVM-1~太陽電池モジュールPVM-nの発電量の合計とに基づいてk個の太陽電池モジュールPVMの-1~PCS50-kを稼働させた場合発電量の予測値を導出する。
【0070】
運転制御システム100bの詳細について説明する。図9は、実施形態の変形例2に係る運転制御システム100bの一例を示す図である。
運転制御システム100bは、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。運転制御システム100bは、入力部102と、受付部104bと、発電量算出部106と、放電量決定部108と、発電量予測値導出部110と、出力部112と、記憶部114と、通信部118bと、電力売電計画部120bと、充放電計画部122bとを備える。
【0071】
通信部118bは、通信部118aを適用できる。通信部118bは、発電量予測DB10が送信した発電量予測値を示す情報を受信し、価格予測DB20が送信したスポット価格予測を示す情報を受信し、蓄電池監視システム30が送信した蓄電池SBの監視結果を示す情報を受信する。
【0072】
受付部104bは、通信部118bから発電量予測値を示す情報、スポット価格予測を示す情報及び蓄電池SBの監視結果を示す情報を取得する。受付部104bは、取得した発電量予測値を示す情報、スポット価格予測を示す情報及び蓄電池SBの監視結果を示す情報を受け付ける。
電力売電計画部120bは、受付部104bから、発電量予測値を示す情報及びスポット価格予測を示す情報を取得し、取得した発電量予測値を示す情報及びスポット価格予測を示す情報に基づいて、売電計画を立案する。例えば、電力売電計画部120bは、スポット価格が高い時点でなるべく多くの売電を行えるよう発電予測量から売電計画を立案する。スポット価格は、特に太陽光による発電量が少なくなる夕方が高値となることが多い。
【0073】
充放電計画部122bは、受付部104bから発電量予測値を示す情報及び蓄電池SBの監視結果を示す情報に含まれる蓄電池SBの残量を示す情報を取得し、電力売電計画部120bから売電計画を示す情報に含まれるコマ単位の売電量の計画値を示す情報を取得する。充放電計画部122bは、取得した発電量予測値を示す情報、蓄電池SBの残量を示す情報及びコマ単位の売電量の計画値を示す情報に基づいて、蓄電池SBの充放電計画を立案する。
例えば、充放電計画部122bは、発電量予測値を示す情報、蓄電池SBの残量を示す情報及びコマ単位の売電量の計画値を示す情報に基づいて、スポット価格の高い順に蓄電池SBの放電による売電を行えるように蓄電池SBの残量を考慮しながら太陽光による発電と蓄電池SBの放電との計画を立案する。充放電計画部122bは、稼働させるPCSの台数は考慮せずに、蓄電池SBの充放電計画を立案するようにしてもよい。ここで、充放電量の単位の一例は、kWhとしてもよい。
【0074】
受付部104b、電力売電計画部120b及び充放電計画部122bの全部または一部は、例えば、CPUなどのプロセッサが記憶部114に格納されたプログラムを実行することにより実現される機能部(以下、ソフトウェア機能部と称する)である。なお、受付部104b、電力売電計画部120b及び充放電計画部122bの全部または一部は、LSI、ASIC、またはFPGAなどのハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウェア機能部とハードウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0075】
(太陽光発電システム1bの動作)
図10は、実施形態の変形例2に係る太陽光発電システム1bの動作の一例を示す図である。図10を参照して、運転制御システム100bが太陽電池モジュールPVMの発電量の予測値を導出する処理について説明する。
(ステップS1-3)
発電量予測DB10は、発電量を予測する。
(ステップS2-3)
発電量予測DB10は、発電量予測値を示す情報を運転制御システム100bへ送信する。
(ステップS3-3)
価格予測DB20は、スポット価格を予測する。
【0076】
(ステップS4-3)
価格予測DB20は、スポット価格予測を示す情報を運転制御システム100bへ送信する。
(ステップS5-3)
蓄電池監視システム30は、太陽光発電システム1bに含まれる蓄電池SBを監視する。
(ステップS6-3)
蓄電池監視システム30は、蓄電池SBの監視結果を示す情報を、運転制御システム100bへ送信する。
【0077】
(ステップS7-3)
運転制御システム100bにおいて、通信部118bは、発電量予測DB10が送信した発電量予測値を示す情報を受信し、価格予測DB20が送信したスポット価格予測を示す情報を受信し、蓄電池監視システム30が送信した蓄電池SBの監視結果を示す情報を示す情報を受信する。受付部104bは、通信部118bから発電量予測値を示す情報、スポット価格予測を示す情報及び蓄電池SBの監視結果を示す情報を取得し、取得した発電量予測値を示す情報、スポット価格予測を示す情報及び蓄電池SBの監視結果を示す情報を受け付ける。電力売電計画部120bは、受付部104bから発電量予測値を示す情報及びスポット価格予測を示す情報を取得し、取得した発電量予測値を示す情報及びスポット価格予測を示す情報に基づいて、売電計画を立案する。
【0078】
(ステップS8-3)
運転制御システム100bにおいて、充放電計画部122bは、受付部104bから発電量予測値を示す情報及び蓄電池SBの監視結果を示す情報を取得し、電力売電計画部120bから売電計画を示す情報を取得する。充放電計画部122bは、取得発電量予測値を示す情報、蓄電池SBの監視結果に含まれる蓄電池SBの残量を示す情報及び売電計画を示す情報に基づいて、蓄電池SBの充放電計画を立案する。
ステップS9-3からS15-3は、図3を参照して説明したステップS3-1からS8-1と同様であるため、ここでの説明は省略する。
前述した実施形態の変形例2では、運転制御システム100bが、太陽電池モジュールPVMの発電量の予測値を出力する場合について説明したがこの例に限られない。例えば、運転制御システム100bが、太陽電池モジュールPVMの発電量の予測値に基づいて最終売電予測量を算出するようにしてもよい。この場合、運転制御システム100bが算出した最終売電予測量の算出結果が売電計画として決定される。この場合、運転制御システム100bは売買量予測値導出部116をさらに備える。売買量予測値導出部116については、前述したのでここでの説明は省略する。
【0079】
実施形態の変形例2に係る運転制御システム100bによれば、運転制御システム100bは、運転制御システム100に、太陽電池モジュールPVMによる発電量予測値と太陽電池モジュールPVMによって発電された電力の売電計画と蓄電池SBの蓄電量とに基づいて蓄電池SBの充放電を計画する充放電計画部122bをさらに備える。発電量算出部106は、蓄電池SBの充放電計画として、充放電計画部122bによる蓄電池SBの充放電の計画の結果を使用する。
【0080】
このように構成することによって、運転制御システム100bにおいて、充放電計画部122bは、蓄電池SBの充放電を計画できるため、発電量算出部106は、充放電計画部122bによる蓄電池SBの充放電の計画の結果に基づいて太陽電池モジュールPVMの発電量を算出できる。
【0081】
運転制御システム100bにおいて、太陽電池モジュールPVMによる発電量予測値と電力スポット価格の予測とに基づいて太陽電池モジュールPVMによって発電された電力の売電を計画する電力売電計画部120bをさらに備える。放電量決定部108は、電力の売電計画として、電力売電計画部120bによる太陽電池モジュールPVMによって発電された電力の売電の計画の結果を使用する。
【0082】
このように構成することによって、運転制御システム100bにおいて、電力売電計画部120bは、太陽電池モジュールPVMによって発電された電力の売電を計画できるため、放電量決定部108は、電力売電計画部120bが計画した太陽電池モジュールPVMによって発電された電力の売電の計画の結果に基づいて蓄電池SBの放電量を決定できる。
【0083】
以上、実施形態及び実施形態の変形例1、2について説明したが、実施形態及び実施形態の変形例1、2によれば以下の構成を含む。
(1)蓄電池を備える太陽光発電システムの運転を制御する運転制御システムであって、契約容量と前記蓄電池の充放電計画とに基づいて複数の太陽電池モジュールにそれぞれ接続された複数のPCSのうち稼働させるPCSを仮設定し、仮設定した稼働させる前記PCSの台数に基づいて前記太陽電池モジュールの発電量を算出する発電量算出部と、前記発電量算出部が算出した前記太陽電池モジュールの前記発電量と前記契約容量とに基づいて前記蓄電池の放電量を決定する放電量決定部と、前記放電量決定部が決定した前記蓄電池の前記放電量と前記契約容量とに基づいて複数の前記PCSのうち稼働させるPCSを決定し、決定した稼働させる前記PCSの台数とPCSを全台数稼働させた場合の前記太陽電池モジュールの発電量とに基づいて前記太陽電池モジュールの発電量の予測値を導出する発電量予測値導出部とを備える、運転制御システム。
【0084】
(2)前記発電量予測値導出部が導出した発電量の前記予測値に基づいて売電量の予測値を導出する売買量予測値導出部
をさらに備える、(1)に記載の運転制御システム。
【0085】
(3)前記発電量算出部は、前記契約容量と前記蓄電池の前記充放電計画とに基づいて稼働させるPCSを仮設定し、仮設定した稼働させる前記PCSの台数に基づいて前記太陽電池モジュールの最大発電量を算出する、(1)に記載の運転制御システム。
【0086】
(4)前記放電量決定部は、前記発電量算出部が算出した前記太陽電池モジュールの前記最大発電量に基づいて前記契約容量以下の範囲で前記蓄電池の放電量を決定する、(3)に記載の運転制御システム。
【0087】
(5)前記太陽電池モジュールによる発電量予測値と前記太陽電池モジュールによって発電された電力の売電計画と前記蓄電池の蓄電量とに基づいて前記蓄電池の充放電を計画する充放電計画部をさらに備え、前記発電量算出部は、前記蓄電池の充放電計画値として、前記充放電計画部による前記蓄電池の充放電の計画の結果を使用する、(1)に記載の運転制御システム。
【0088】
(6)前記太陽電池モジュールによる発電量予測値と電力スポット価格の予測とに基づいて前記太陽電池モジュールによって発電された電力の売電を計画する電力売電計画部をさらに備え、前記放電量決定部は、電力の前記売電計画として、前記電力売電計画部による前記太陽電池モジュールによって発電された電力の売電の計画の結果を使用する、(5)に記載の運転制御システム。
【0089】
(7)蓄電池を備える太陽光発電システムの運転を制御する運転制御システムが実行する運転制御方法であって、契約容量と前記蓄電池の充放電計画とに基づいて複数の太陽電池モジュールにそれぞれ接続された複数のPCSのうち稼働させるPCSを仮設定するステップと、仮設定した稼働させる前記PCSの台数に基づいて前記太陽電池モジュールの発電量を算出するステップと、前記太陽電池モジュールの前記発電量と前記契約容量とに基づいて前記蓄電池の放電量を決定するステップと、決定した前記蓄電池の前記放電量と前記契約容量とに基づいて複数の前記PCSのうち稼働させるPCSを決定するステップと、決定した稼働させる前記PCSの台数とPCSを全台数稼働させた場合の前記太陽電池モジュールの発電量とに基づいて前記太陽電池モジュールの発電量の予測値を導出するステップとを有する、運転制御方法。
【0090】
(8)蓄電池を備える太陽光発電システムの運転を制御する運転制御システムのコンピュータに、契約容量と前記蓄電池の充放電計画とに基づいて複数の太陽電池モジュールにそれぞれ接続された複数のPCSのうち稼働させるPCSを仮設定するステップと、仮設定した稼働させる前記PCSの台数に基づいて前記太陽電池モジュールの発電量を算出するステップと、前記太陽電池モジュールの前記発電量と前記契約容量とに基づいて前記蓄電池の放電量を決定するステップと、決定した前記蓄電池の前記放電量と前記契約容量とに基づいて複数の前記PCSのうち稼働させるPCSを決定するステップと、決定した稼働させる前記PCSの台数とPCSを全台数稼働させた場合の前記太陽電池モジュールの発電量とに基づいて前記太陽電池モジュールの発電量の予測値を導出するステップとを実行させる、プログラム。
【0091】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
【0092】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してコンピュータプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0093】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0094】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0095】
1、1a、1b…太陽光発電システム、10…発電量予測DB、20…価格予測DB、30…蓄電池監視システム、50-1~50-n、50…PCS、60…インバーター、70…電気計器、100、100a、100b…運転制御システム、102…入力部、104、104a、104b…受付部、106…発電量算出部、108…放電量決定部、110…発電量予測値導出部、112…出力部、114…記憶部、116…売買量予測値導出部、118a、118b…通信部、120b…電力売電計画部、122b…充放電計画部、200…売電計画プラットフォーム、300…蓄電池充放電計画プラットフォーム
【要約】
【課題】蓄電池を備える太陽光発電所の運転を制御できる運転制御システム、運転制御方法及びプログラムを提供すること。
【解決手段】運転制御システムは、蓄電池を備える太陽光発電システムの運転を制御する。運転制御システムは、契約容量と蓄電池の充放電計画とに基づいて複数の太陽電池モジュールにそれぞれ接続された複数のPCSのうち稼働させるPCSを仮設定し、仮設定した稼働させるPCSの台数に基づいて太陽電池モジュールの発電量を算出する発電量算出部と、太陽電池モジュールの発電量と契約容量とに基づいて蓄電池の放電量を決定する放電量決定部と、放電量決定部が決定した蓄電池の放電量と契約容量とに基づいて複数のPCSのうち稼働させるPCSを決定し、稼働させるPCSの台数とPCSを全台数稼働させた場合の太陽電池モジュールの発電量とに基づいて太陽電池モジュールの発電量の予測値を導出する発電量予測値導出部とを備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10