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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/3231 20190101AFI20240314BHJP
   G06F 1/3234 20190101ALI20240314BHJP
【FI】
G06F1/3231
G06F1/3234
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022199224
(22)【出願日】2022-12-14
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】西尾 匡史
(72)【発明者】
【氏名】和田 祐司
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-350549(JP,A)
【文献】特開2014-056312(JP,A)
【文献】特開2017-167756(JP,A)
【文献】特開2016-178348(JP,A)
【文献】特開2015-153293(JP,A)
【文献】特開2014-099205(JP,A)
【文献】特開2013-109430(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26- 1/3296
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部で撮像された画像の画像データを一時的に記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された画像データを処理するプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記メモリに記憶された画像の画像データを処理することにより、前記画像の中から顔が撮像されている顔領域と前記顔の向きとを検出する顔検出処理と、
前記顔検出処理により検出された前記顔の向きに基づいて、表示部の画面輝度を制御する輝度制御処理と、
を行い、
前記プロセッサは、
前記顔検出処理において、検出された前記顔の向きが予め設定された第1の角度範囲内である場合に第1の向きであると判定するとともに、検出された前記顔の向きが前記第1の角度範囲外であっても、検出された前記顔の向きが前記第1の向きの方向へ変化する変化量に基づいて、前記第1の角度範囲内になる前に前記第1の向きであると判定する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記顔検出処理において、検出された前記顔の向きが前記第1の角度範囲外であっても、検出された前記顔の向きが前記第1の角度範囲外の第2の向きから前記第1の向きの方向へ所定角度以上変化した場合、前記第1の向きであると判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記顔検出処理において、検出された前記顔の向きが前記第1の角度範囲外であっても、検出された前記顔の向きが前記第2の向きから前記第1の向きの方向へ所定時間内に前記所定角度以上変化した場合、前記第1の向きであると判定する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記顔検出処理において、前記第1の向きであるか否かを判定する処理を前記第1の角度範囲よりも広い第2の角度範囲内で行い、前記第2の角度範囲のうちの前記第1の角度範囲外において、前記第1の向きの方向への変化量に基づいて前記第1の向きであるか否かを判定する処理を行う、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記顔検出処理において、検出された前記顔の向きが前記第1の角度範囲内であるときの検出周期を、前記第1の角度範囲外であるときの検出周期よりも下げる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記顔検出処理において、検出された前記顔の向きが前記第1の角度範囲内であるときの検出周期を、前記第2の角度範囲のうちの前記第1の角度範囲外であるときの検出周期よりも下げる、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記輝度制御処理において、前記顔検出処理により検出された前記顔の向きが前記第1の角度範囲内から前記第1の角度範囲外に変化した場合に、前記画面輝度を低減させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記輝度制御処理において、前記画面輝度を低減させた状態で、前記顔検出処理により検出された前記顔の向きが前記第1の向きであると判定した場合、低減させる前の画面輝度に戻す、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記撮像部は、前記表示部の画面に対面する方向の所定の画角を撮像した画像の画像データを出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
撮像部で撮像された画像の画像データを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された画像データを処理するプロセッサとを備える情報処理装置における制御方法であって、
前記プロセッサが、
前記メモリに記憶された画像の画像データを処理することにより、前記画像の中から顔が撮像されている顔領域と前記顔の向きとを検出する顔検出ステップと、
前記顔検出ステップにより検出された前記顔の向きに基づいて、表示部の画面輝度を制御する輝度制御ステップと、
を含み、
前記顔検出ステップにおいて、検出された前記顔の向きが予め設定された第1の角度範囲内である場合に第1の向きであると判定するとともに、検出された前記顔の向きが前記第1の角度範囲外であっても、検出された前記顔の向きが前記第1の向きの方向へ変化する変化量に基づいて、前記第1の角度範囲内になる前に前記第1の向きであると判定する、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人物が近づくと使用可能な状態に遷移し、人物が離れると一部の機能を除いて停止した待機状態に遷移する機器がある。例えば、特許文献1には、赤外線センサを用いて、人物が近づいてきたか否か、或いは人物が遠ざかったか否かを検出している。
【0003】
近年、コンピュータビジョンなどの発展により、画像から顔を検出する際の検出精度が高くなってきている。そのため、赤外線センサによる人物の検出に代えて、顔検出による人物の検出も行われている。顔検出による人物の検出では、単に人物を検出するだけでなく顔の向きを検出することも可能であるため、顔の向き(正面を向いているか、横を向いているか等)に応じた制御を行うことも可能である。例えば、顔の向きが正面(機器の方向)を向いていないときに表示部の画面輝度を下げて省電力化することも行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-148895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、顔の向きが正面を向いていないとき(例えば、横向きのとき)に画面輝度を下げた場合、再び正面を向いたときには画面輝度を戻すことが望ましい。しかしながら、顔の向きが横向きから正面を向いた場合、正面を向いことを検出するのに時間がかかるため(例えば1秒程度)、正面を向いてから画面輝度を戻すまでの応答性が悪かった。そのため、この顔の向きに応じて画面輝度を下げる制御は積極的に搭載しにくい面があり、省電力化に十分に寄与できない場合があった。
【0006】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、顔の向きを検出して表示部の画面輝度を制御する際の応答性を改善した情報処理装置、及び制御方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1態様に係る情報処理装置は、撮像部で撮像された画像の画像データを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された画像データを処理するプロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記メモリに記憶された画像の画像データを処理することにより、前記画像の中から顔が撮像されている顔領域と前記顔の向きとを検出する顔検出処理と、前記顔検出処理により検出された前記顔の向きに基づいて、表示部の画面輝度を制御する輝度制御処理と、を行い、前記プロセッサは、前記顔検出処理において、検出された前記顔の向きが予め設定された第1の角度範囲内である場合に第1の向きであると判定するとともに、検出された前記顔の向きが前記第1の角度範囲外であっても、検出された前記顔の向きが前記第1の向きの方向へ変化する変化量に基づいて、前記第1の向きであると判定する。
【0008】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記顔検出処理において、検出された前記顔の向きが前記第1の角度範囲外であっても、検出された前記顔の向きが前記第1の角度範囲外の第2の向きから前記第1の向きの方向へ所定角度以上変化した場合、前記第1の向きであると判定してもよい。
【0009】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記顔検出処理において、検出された前記顔の向きが前記第1の角度範囲外であっても、検出された前記顔の向きが前記第2の向きから前記第1の向きの方向へ所定時間内に前記所定角度以上変化した場合、前記第1の向きであると判定してもよい。
【0010】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記顔検出処理において、前記第1の向きであるか否かを判定する処理を前記第1の角度範囲よりも広い第2の角度範囲内で行い、前記第2の角度範囲のうちの前記第1の角度範囲外において、前記第1の向きの方向への変化量に基づいて前記第1の向きであるか否かを判定する処理を行ってもよい。
【0011】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記顔検出処理において、検出された前記顔の向きが前記第1の角度範囲内であるときの検出周期を、前記第1の角度範囲外であるときの検出周期よりも下げてもよい。
【0012】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記顔検出処理において、検出された前記顔の向きが前記第1の角度範囲内であるときの検出周期を、前記第2の角度範囲のうちの前記第1の角度範囲外であるときの検出周期よりも下げてもよい。
【0013】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記輝度制御処理において、前記顔検出処理により検出された前記顔の向きが前記第1の角度範囲内から前記第1の角度範囲外に変化した場合に、前記画面輝度を低減させてもよい。
【0014】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記輝度制御処理において、前記画面輝度を低減させた状態で、前記顔検出処理により検出された前記顔の向きが前記第1の向きであると判定した場合、低減させる前の画面輝度に戻してもよい。
【0015】
上記情報処理装置において、前記撮像部は、前記表示部の画面に対面する方向の所定の画角を撮像した画像の画像データを出力してもよい。
【0016】
また、本発明の第2態様に係る、撮像部で撮像された画像の画像データを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された画像データを処理するプロセッサとを備える情報処理装置における制御方法は、前記プロセッサが、前記メモリに記憶された画像の画像データを処理することにより、前記画像の中から顔が撮像されている顔領域と前記顔の向きとを検出する顔検出ステップと、前記顔検出ステップにより検出された前記顔の向きに基づいて、表示部の画面輝度を制御する輝度制御ステップと、を含み、前記顔検出ステップにおいて、検出された前記顔の向きが予め設定された第1の角度範囲内である場合に第1の向きであると判定するとともに、検出された前記顔の向きが前記第1の角度範囲外であっても、検出された前記顔の向きが前記第1の向きの方向へ変化する変化量に基づいて前記第1の向きであると判定する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の上記態様によれば、顔の向きを検出して表示部の画面輝度を制御する際の応答性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係る情報処理装置の外観の構成例を示す斜視図。
図2】実施形態に係る情報処理装置の人物の検出範囲の一例を示す図。
図3】実施形態に係る顔の向きによる画面輝度の制御を説明する模式図。
図4】実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す概略ブロック図。
図5】実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示す概略ブロック図。
図6】実施形態に係る顔方向判定処理に用いる顔角度の一例を示す図。
図7】実施形態に係る顔検出処理による検出状態と画面輝度処理による制御状態との一例を示す模式図。
図8】実施形態に係る顔検出処理の一例を示すフローチャート。
図9】実施形態に係る画面輝度制御処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
[概要]
まず、実施形態に係る情報処理装置の概要について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理装置1の外観の構成例を示す斜視図である。
【0020】
情報処理装置1は、例えば、ノート型(クラムシェル型)のPC(Personal Computer)である。情報処理装置1は、第1筐体10、第2筐体20、及びヒンジ機構15を備える。第1筐体10と第2筐体20は、ヒンジ機構15を用いて結合されている。第1筐体10は、第2筐体20に対して、ヒンジ機構15がなす回転軸の周りに相対的に回動可能である。第1筐体10と第2筐体20との回動による開き角を「θ」として図示している。
【0021】
第1筐体10は、Aカバー、ディスプレイ筐体とも呼ばれる。第2筐体20は、Cカバー、システム筐体とも呼ばれる。以下の説明では、第1筐体10と第2筐体20の側面のうち、ヒンジ機構15が備わる面を、それぞれ側面10c、20cと呼ぶ。第1筐体10と第2筐体20の側面のうち、側面10c、20cとは反対側の面を、それぞれ側面10a、20aと呼ぶ。図示において、側面20aから側面20cに向かう方向を「後」と呼び、側面20cから側面20aに向かう方向を「前」と呼ぶ。後方に対して右方、左方を、それぞれ「右」、「左」と呼ぶ。第1筐体10、第2筐体20の左側面をそれぞれ側面10b、20bと呼び、右側面をそれぞれ側面10d、20dと呼ぶ。また、第1筐体10と第2筐体20とが重なり合って完全に閉じた状態(開き角θ=0°の状態)を「閉状態」と呼ぶ。閉状態において第1筐体10と第2筐体20との互いに対面する側の面を、それぞれの「内面」と呼び、内面に対して反対側の面を「外面」と呼ぶ。また、閉状態に対して第1筐体10と第2筐体20とが開いた状態のことを「開状態」と呼ぶ。
【0022】
図1に示す情報処理装置1の外観は開状態の例を示している。開状態は、第1筐体10の側面10aと第2筐体20の側面20aとが離れた状態である。開状態では、第1筐体10と第2筐体20とのそれぞれの内面が表れる。開状態はユーザが情報処理装置1を使用する際の状態の一つであり、典型的には開き角θ=100~130°程度の状態で使用されることが多い。なお、開状態となる開き角θの範囲は、ヒンジ機構15よって回動可能な角度の範囲等に応じて任意に定めることができる。
【0023】
第1筐体10の内面には、表示部110が設けられている。表示部110は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどを含んで構成されている。また、第1筐体10の内面のうち表示部110の周縁の領域に、撮像部120が設けられている。例えば、撮像部120は、表示部110の周縁の領域のうち側面20a側に配置されている。なお、撮像部120が配置される位置は一例であって、表示部110の表示画面に対面する方向を向くことが可能であれば他の場所であってもよい。
【0024】
撮像部120は、開状態において、表示部110の表示画面に対面する方向(即ち、情報処理装置1の前方)の所定の撮像範囲を撮像する。所定の撮像範囲とは、撮像部120が有する撮像素子と撮像素子の撮像面の前方に設けられた光学レンズとによって定まる画角の範囲である。例えば、撮像部120は、情報処理装置1の前方(正面側)に存在する人物(ユーザ)を含む画像を撮像することができる。
【0025】
また、第2筐体20の側面20bには、電源ボタン140が設けられている。電源ボタン140は、電源のオンまたはオフ、待機状態から通常動作状態への遷移、通常動作状態から待機状態への遷移などをユーザが指示するための操作子である。通常動作状態とは、特に制限なく処理の実行が可能なシステムの動作状態であり、例えば、ACPI(Advanced Configuration and Power Interface)で規定されているS0状態に相当する。
【0026】
待機状態とは、システム処理の少なくとも一部が制限されている状態であって、通常動作状態よりも消費電力が低い状態である。例えば、待機状態は、スタンバイ状態、スリープ状態等であってもよく、Windows(登録商標)におけるモダンスタンバイや、ACPIで規定されているS3状態(スリープ状態)等に相当する状態であってもよい。また、待機状態には、少なくとも表示部の表示がOFF(画面OFF)となる状態、または画面ロックとなる状態が含まれてもよい。画面ロックとは、処理中の内容が視認できないように予め設定された画像(例えば、画面ロック用の画像)が表示部に表示され、ロックを解除(例えば、ユーザ認証)するまで、使用できない状態である。
【0027】
また、第2筐体20の内面には、ユーザの操作入力を受け付ける入力デバイスとして、キーボード151及びタッチパッド153が設けられている。なお、入力デバイスとして、キーボード151及びタッチパッド153に代えて、または加えて、タッチセンサが設けられてもよいし、マウスや外付けのキーボードが接続されてもよい。タッチセンサが設けられた構成の場合、表示部110の表示画面に対応する領域が操作を受け付けるタッチパネルとして構成されてもよい。また、入力デバイスには、音声が入力されるマイクが含まれてもよい。
【0028】
なお、第1筐体10と第2筐体20とが閉じた閉状態では、第1筐体10の内面に設けられている表示部110、及び撮像部120と、第2筐体20の内面に設けられているキーボード151及びタッチパッド153は、互いに他方の筐体面で覆われ、機能を発揮できない状態となる。
【0029】
情報処理装置1は、撮像部120により撮像された撮像画像に基づいて、情報処理装置1の前方に存在する人物を検出するHPD(Human Presence Detection)処理を実行する。
【0030】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置1の人物の検出範囲の一例を示す図である。図示する例において、情報処理装置1の前方の検出範囲FoV(Field of View:検出視野角)が、人物の検出可能な範囲である。
【0031】
例えば、情報処理装置1は、撮像部120により撮像された撮像画像から顔が撮像されている顔領域を検出することにより、情報処理装置1の前方に人物(ユーザ)が存在するか否かを判定する。検出範囲FoVは、情報処理装置1が撮像する撮像画角に相当する。情報処理装置1は、撮像画像から顔領域が検出された場合、人物(ユーザ)が存在すると判定する。一方、情報処理装置1は、撮像画像から顔領域が検出されなかった場合、人物(ユーザ)が存在しないと判定する。
【0032】
情報処理装置1は、HPD処理により人物(ユーザ)の存在の有無に応じて情報処理装置1のシステムの動作状態を制御する。例えば、情報処理装置1は、情報処理装置1の前方に人物(ユーザ)が存在する場合には通常動作状態に制御し、情報処理装置1の前方に人物(ユーザ)が存在しない場合には待機状態に制御する。
【0033】
また、情報処理装置1は、情報処理装置1の前方に人物(ユーザ)が存在する場合には、その人物(ユーザ)の顔の向きを検出する。例えば、情報処理装置1は、人物(ユーザ)の顔の向きが、情報処理装置1の方向(表示部110及び撮像部120の方向)を向いているか否かを判定する。ここでの顔の向きとは、顔の左右方向への回転角度に対応する向きである。以下では、情報処理装置1の方向(表示部110及び撮像部120の方向)を顔が向いている状態を、顔の向きが正面を向いている状態とする。また、顔の向きが正面に対して右方向または左方向を向いている状態を、顔の向きが横向きの状態とする。
【0034】
例えば、情報処理装置1は、人物(ユーザ)の顔の向きが正面であるか否かに応じて表示部110の画面輝度を制御(調光制御)する。具体的には、情報処理装置1は、顔の向きが正面を向いていないとき(例えば、横向きになったとき)には、表示部110の画面輝度を下げることで省電力化する。また、情報処理装置1は、再び顔の向きが正面を向いたときには、下げる前の元の画面輝度に戻す。
【0035】
以下では、下げる前の元の画面輝度のことを「標準輝度」と称する。また、顔の向きが正面を向いていないとき(例えば、横向きになったとき)に標準輝度から下げた画面輝度のことを「低輝度」と称する。低輝度は、少なくとも標準輝度よりも低い輝度であるが、より低い輝度にするほど省電力化の効果が上がる。例えば、低輝度は、標準輝度の0~10%程度の輝度としてもよい。
【0036】
ここで、顔の向きが横向きから正面を向いた場合、顔検出処理により正面を向いことを検出するには時間がかかる(例えば1秒程度)。そのため、情報処理装置1は、正面を向いたことを検出してから標準輝度に戻す制御を行うと、正面を向いてから標準輝度に戻るまでに遅れが生じてしまい応答性が悪い。そこで、情報処理装置1は、横向きから正面方向への顔の向きの変化を検出することにより顔が正面を向くことを予測し、正面を向き切る前に標準輝度に戻す制御を行う。
【0037】
図3は、本実施形態に係る顔の向きによる画面輝度の制御を説明する模式図である。この図では、情報処理装置1の前方の人物(ユーザ)の顔が横向きから正面を向くときの画面輝度の制御を示している。(A)は顔が横向きの状態を示しており、(B)、(C)、(D)の順に徐々に顔の向きが正面方向へと変化し、(E)で顔の向きが正面を向き切っている状態を示している。
【0038】
(A)に示す顔が横向きの状態では、画面輝度が低輝度に制御されている。情報処理装置1は、(A)に示す顔が横向きの状態から(B)に示すように顔の向きが正面方向へ変化したことに基づいて顔が正面を向いたものと判定して、(C)以降(E)の前に画面輝度を標準輝度に切り替える制御を行う。これにより、(A)及び(B)では画面輝度が低輝度に制御されているが、横向きから正面方向へ顔の向きが変化するにつれて、顔の向きが正面を向き切る前に標準輝度に切り替わる。
【0039】
例えば、情報処理装置1は、顔の向きが正面方向へ変化する変化量に基づいて顔が正面を向いたか否かを判定する。具体的には、情報処理装置1は、顔が正面方向へ所定時間内(例えば、1秒以内)に所定角度以上(例えば、10°以上)変化した場合、顔が正面を向いたものと判定する。これにより、情報処理装置1は、顔の向きが正面を向き切る前に標準輝度への切り替え制御を行うことができ、応答性を改善することができる。
【0040】
以下、本実施形態に係る情報処理装置1の構成について詳しく説明する。
[情報処理装置のハードウェア構成]
図4は、本実施形態に係る情報処理装置1のハードウェア構成の一例を示す概略ブロック図である。この図4において、図1の各部に対応する構成には同一の符号を付している。情報処理装置1は、表示部110、撮像部120、電源ボタン140、入力デバイス150、通信部160、記憶部170、EC(Embedded Controller)200、顔検出部210、メイン処理部300、及び電源部400を含んで構成される。
【0041】
表示部110は、メイン処理部300により実行されるシステム処理及びシステム処理上で動作するアプリケーションプログラムの処理等に基づいて生成された表示データ(画像)を表示する。
【0042】
撮像部120は、第1筐体10の内面に対面する方向(前方)の所定の撮像範囲(画角)内の物体の像を撮像し、撮像した画像をメイン処理部300及び顔検出部210へ出力する。例えば、撮像部120は、可視光を用いて撮像する可視光カメラ(RGBカメラ)と赤外線を用いて撮像する赤外線カメラ(IRカメラ)とを備えている。
【0043】
なお、撮像部120は、可視光カメラと赤外線カメラとのいずれか一方を含んで構成されてもよいし、両方を含んで構成されてもよい。
【0044】
電源ボタン140は、ユーザの操作に応じて操作信号をEC200へ出力する。入力デバイス150は、ユーザの入力を受け付ける入力部であり、例えばキーボード151及びタッチパッド153を含んで構成されている。入力デバイス150は、キーボード151及びタッチパッド153に対する操作を受け付けることに応じて、操作内容を示す操作信号をEC200へ出力する。
【0045】
通信部160は、無線または有線による通信ネットワークを介して他の機器と通信可能に接続し、各種のデータの送信および受信を行う。例えば、通信部160は、イーサネット(登録商標)等の有線LANインターフェースやWi-Fi(登録商標)等の無線LANインターフェース等を含んで構成されている。
【0046】
記憶部170は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、RAM、ROMなどの記憶媒体を含んで構成される。記憶部170は、OS、デバイスドライバ、アプリケーションなどの各種のプログラム、その他、プログラムの動作により取得した各種のデータを記憶する。
【0047】
電源部400は、情報処理装置1の各部の動作状態に応じて各部へ電力を供給する。電源部400は、DC(Direct Current)/DCコンバータを備える。DC/DCコンバータは、AC(Alternate Current)/DCアダプタもしくはバッテリー(電池パック)から供給される直流電力の電圧を、各部で要求される電圧に変換する。DC/DCコンバータで電圧が変換された電力が各電源系統を介して各部へ供給される。例えば、電源部400は、EC200から入力される制御信号に基づいて各電源系統を介して各部に電力を供給する。
【0048】
EC200は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびI/O(Input/Output)ロジック回路などを含んで構成されたマイクロコンピュータである。EC200のCPUは、自部のROMに予め記憶した制御プログラム(ファームウェア)を読み出し、読み出した制御プログラムを実行して、その機能を発揮する。EC200は、メイン処理部300とは独立に動作し、メイン処理部300の動作を制御し、その動作状態を管理する。また、EC200は、電源ボタン140、入力デバイス150、及び電源部400等と接続されている。
【0049】
例えば、EC200は、電源部400と通信を行うことにより、バッテリーの状態(残容量など)の情報を電源部400から取得するとともに、情報処理装置1の各部の動作状態に応じた電力の供給を制御するための制御信号などを電源部400へ出力する。また、EC200は、電源ボタン140や入力デバイス150から操作信号を取得し、取得した操作信号のうちメイン処理部300の処理に関連する操作信号についてはメイン処理部300へ出力する。
【0050】
顔検出部210は、撮像部120により撮像された撮像画像の画像データを処理するプロセッサを含んで構成されている。顔検出部210は、撮像部120により撮像された撮像画像の画像データを取得し、取得した画像データをメモリに一時的に保存する。画像データを保存するメモリは、システムメモリ304であってもよいし、顔検出部210内の不図示のメモリであってもよい。
【0051】
例えば、顔検出部210は、撮像部120から取得した撮像画像の画像データを処理することにより、撮像画像から顔領域の検出、及び検出された顔領域の顔画像の顔の向きの検出などを行う顔検出処理を行う。顔の検出方法としては、顔の特徴情報を基に顔を検出する顔検出アルゴリズムや、顔の特徴情報を基に機械学習された学習データ(学習済みモデル)や顔検出ライブラリなどを用いた顔検出など、任意の検出方法を適用することができる。
【0052】
また、顔検出部210は、顔検出処理において、図3を参照して説明した顔が正面を向いているか否かの顔方向判定処理を行う。顔検出部210は、撮像画像から検出した顔の向きに基づいて、顔が正面を向いているか否かを判定し、判定結果をメイン処理部300へ送信する。また、顔検出部210は、顔検出処理を行う際の検出フレームレートを制御する。
【0053】
メイン処理部300は、CPU(Central Processing Unit)301、GPU(Graphic Processing Unit)302、チップセット303、及びシステムメモリ304を含んで構成され、OS(Operating System)に基づくシステム処理によって、OS上で各種のアプリケーションプログラムの処理が実行可能である。
【0054】
CPU301は、BIOSのプログラムに基づく処理、OSのプログラムに基づく処理、OS上で動作するアプリケーションプログラムに基づく処理などを実行するプロセッサである。例えば、CPU301は、システムを待機状態から起動させて通常動作状態に遷移させる起動処理、通常動作状態から待機状態へ遷移させるスリープ処理などを実行する。また、CPU301は、上述した顔検出部210による顔検出処理の結果などに基づいて、表示部110の画面輝度を制御する画面輝度制御処理を実行する。
【0055】
GPU302は、表示部110に接続されている。GPU302は、CPU301の制御に基づいて画像処理を実行して表示データを生成する。GPU302は、生成した表示データを表示部110に出力する。
【0056】
チップセット303は、メモリコントローラとしての機能及びI/Oコントローラとしての機能などを有する。例えば、チップセット303は、CPU301及びGPU302によるシステムメモリ304、記憶部170などからのデータの読出し、書込みを制御する。また、チップセット303は、通信部160、表示部110およびEC200からのデータの入出力を制御する。また、チップセット303は、センサハブとしての機能を有する。例えば、チップセット303は、顔検出部210から取得する顔検出処理による検出結果などを取得してCPU301へ出力する。
【0057】
システムメモリ304は、CPU301で実行されるプログラムの読み込み領域ならびに処理データを書き込む作業領域などとして用いられる。また、システムメモリ304は、撮像部120で撮像された撮像画像の画像データを一時的に記憶する。
【0058】
なお、CPU301、GPU302、及びチップセット303は、一体化された一つのプロセッサとして構成されてもよいし、一部またはそれぞれが個々のプロセッサとして構成されてもよい。例えば、通常動作状態では、CPU301、GPU302、及びチップセット303のいずれも動作している状態となるが、待機状態では、チップセット303の少なくとも一部のみが動作している状態となる。
【0059】
[情報処理装置の機能構成]
次に、顔の向きに応じて画面輝度の制御を行う情報処理装置1の機能構成について詳しく説明する。
【0060】
図5は、本実施形態に係る情報処理装置1の機能構成の一例を示す概略ブロック図である。情報処理装置1は、顔検出部210と、システム処理部310とを備えている。顔検出部210は、図4の顔検出部210に対応し、顔検出処理を行う機能構成として、顔領域検出部211と、顔角度検出部212と、顔方向判定部213と、検出周期制御部214とを備えている。
【0061】
顔領域検出部211は、撮像部120から取得した撮像画像の画像データを処理することにより、撮像画像から顔が撮像されている顔領域を検出する。
【0062】
顔角度検出部212は、顔領域検出部211により撮像画像から検出された顔領域に撮像されている顔の向き(顔角度)を検出する。例えば、顔角度検出部212は、顔が正面を向いているときの顔角度を0°として、±90°の範囲で顔角度を検出する。顔方向判定部213は、顔角度検出部212により検出された顔角度に基づいて、顔が正面を向いているか否かを判定する。
【0063】
図6は、本実施形態に係る顔方向判定処理に用いる顔角度の一例を示す図である。この図において、顔角度が0°のときが完全に正面を向いているときであり、顔角度が+90°または-90°のときが完全に横を向いているときである。顔角度検出部212は、例えば顔角度の検出を±90°の範囲内で行う。顔角度が±90°の範囲外になる状態では、顔の特徴点が撮像されにくくなり顔領域の検出が正しくできなくなるためである。
【0064】
顔方向判定部213は、顔角度検出部212により検出された顔角度に基づいて顔が正面を向いているか否かの顔方向判定処理を、第2の角度範囲(例えば、±60°の範囲)内で実施し、第2の角度範囲(例えば、±60°の範囲)外では実施しない。例えば、顔方向判定部213は、顔角度検出部212により検出された顔角度が第2の角度範囲のうちの第1の角度範囲(例えば、±45°の範囲)内である場合、顔の向きが正面を向いていると判定する。よって、顔方向判定部213は、顔角度検出部212により検出された顔角度が第2の角度範囲のうちの第1の角度範囲(例えば、±45°の範囲)外である場合、顔の向きが正面を向いていない(即ち、横向き)と判定することになる。
【0065】
また、顔方向判定部213は、顔角度検出部212により検出された顔角度が第1の角度範囲(例えば、±45°の範囲)外であっても(即ち、横向き)、検出された顔の向きが横向きから正面方向へ変化する変化量に基づいて、顔が正面を向いている(正面を向いた)と判定する。具体的には、情報処理装置1は、顔角度が正面方向へ所定時間内(例えば、1秒以内)に所定角度以上(例えば、10°以上)変化した場合、顔が正面を向いたものと判定し、顔角度を0°とする。
【0066】
このように、顔方向判定部213は、上述した顔方向判定処理を、顔角度に基づいて顔の向きが正面を向いていると判定される第1の角度範囲(例えば、±45°の範囲)よりも広い第2の角度範囲(例えば、±60°の範囲)で行う。顔方向判定部213は、第2の角度範囲のうちの第1の角度範囲外(例えば、「+45°~+60°」の範囲および「-45°~-60°」の範囲)では、顔の向きが横向きから正面方向へ変化する変化量に基づいて顔が正面を向いているか否かの顔方向判定処理を行う。
【0067】
また、顔方向判定部213は、顔が正面を向いている(正面を向いた)と判定した場合、情報処理装置1を見ている状態(注目している状態)であることを示す情報として「Attention」情報をシステム処理部310へ出力する。一方、顔方向判定部213は、顔が正面を向いていないと判定した場合、情報処理装置1を見ていない状態(注目していない状態)であることを示す情報として「No Attention」情報をシステム処理部310へ出力する。
【0068】
図5に戻り、検出周期制御部214は、顔角度検出部212により検出された顔角度に基づいて、顔検出処理における検出フレームレート(検出周期)を制御する。例えば、検出周期制御部214は、顔角度が第1の角度範囲(例えば、±45°の範囲)内であるときの検出フレームレートを、顔角度が第1の角度範囲(例えば、±45°の範囲)外であるときの検出フレームレートよりも下げる。より具体的には、検出周期制御部214は、顔角度が第1の角度範囲(例えば、±45°の範囲)内であるときの検出フレームレートを、顔角度が第2の角度範囲(例えば、±60°の範囲)のうち第1の角度範囲(例えば、±45°の範囲)外であるときの検出フレームレートよりも下げる。これにより、第1の角度範囲(例えば、±45°の範囲)内である場合(即ち、顔が正面を向いている場合)、ユーザが情報処理装置1を使用しているときの消費電力の増加を抑制することができる。
【0069】
一方、画面輝度を低輝度にしている場合には、顔が正面を向いたときに標準輝度への切り替えを即座にできるように、第1の角度範囲(例えば、±45°の範囲)外であって且つ顔角度が第2の角度範囲(例えば、±60°の範囲)内であるときには、検出フレームレートを上げる。なお、この場合、検出フレームレートを上げることによって消費電力は増加するが、画面輝度を低輝度に制御しているためトータルでは消費電力を低減できる。
【0070】
一例として、検出周期制御部214は、顔角度が±45°の範囲内である場合には、検出フレームレートを「1fps」に下げ、顔角度が±45°~±60°の範囲である場合には、検出フレームレートを「15fps」に上げる。なお、顔角度が±60°以上の範囲である場合には、顔方向判定処理を実施しないため、検出フレームレートを高くする必要が無く「1fps」に制御する。
【0071】
以下では、高い検出フレームレート(例えば、15fps)で顔検出処理を行うモードのことを「HP(High Power)モード」、低い検出フレームレート(例えば、1fps)で顔検出処理を行うモードのことを「LP(Low Power)モード」と称する。
【0072】
システム処理部310は、CPU11がBIOS及びOSのプログラムを実行することにより実現される機能構成である。例えば、システム処理部310は、OSのプログラムを実行することにより実現される機能構成として、画面輝度制御部311と、タイマ312とを備えている。
【0073】
画面輝度制御部311は、顔検出部210により検出された顔の向きに基づいて、表示部110の画面輝度を制御する。例えば、画面輝度制御部311は、通常動作状態において、顔検出部210から「No Attention」情報を取得した場合、画面輝度を低輝度に制御する。即ち、画面輝度制御部311は、顔検出部210により検出された顔の向きが第1の角度範囲(例えば、±45°の範囲)内から第1の角度範囲外に変化した場合に、画面輝度を低減させる。
【0074】
また、画面輝度制御部311は、画面輝度を低輝度に制御した状態で、顔検出部210から「Attention」情報を取得した場合、画面輝度を標準輝度に戻す。即ち、画面輝度制御部311は、画面輝度を低減させた状態で、顔検出部210により検出された顔の向きが正面方向であると判定した場合、画面輝度を低減させる前の標準輝度に戻す。
【0075】
タイマ312は、通常動作状態において顔検出部210から「No Attention」情報を取得してから画面輝度を低輝度に制御するまでの待機時間を計時するタイマである。画面輝度制御部311は、「No Attention」情報を取得しても所定の待機時間が経過する前に「Attention」情報を取得した場合には、画面輝度を低輝度に制御しないで標準輝度のままとする。画面輝度制御部311は、「No Attention」情報を取得した後、所定の待機時間の間に「Attention」情報を取得しない場合には、画面輝度を低輝度に制御する。これにより、ユーザが情報処理装置1を使用している最中に、少しよそ見をしただけで画面輝度が低輝度になってしまわないようにすることができる。所定の待機時間は、例えば10秒などに予め設定されている。なお、この所定の待機時間は、ユーザが設定可能な構成としてもよい。
【0076】
図7を参照して、顔の向きが横向きから正面へ変化したときの顔検出処理による検出状態と画面輝度処理による制御状態とを説明する。
図7は、本実施形態に係る顔検出処理による検出状態と画面輝度処理による制御状態との一例を示す模式図である。ここでは、顔角度については正と負で同様の処理となるため絶対値として記載及び説明する。例えば、「±45°」の絶対値を「45°」と記載して説明する。
【0077】
検出された顔角度が例えば90°から60°までの間は検出フレームレートがLPモード(図7に示す「LPモード(1)」)に制御される。また、顔の向きは正面を向いていない(「No Attention」)と判定され、画面輝度は低輝度に制御されている。顔角度が60°以下になると、検出フレームレートがLPモード(図7に示す「LPモード(1)」)からHPモードに切り替わり、顔方向判定処理が開始される。例えば、顔の向きが1秒以内に60°から50°に変化(10°以上変化)した場合、顔角度を0°として、顔が正面を向いた(「Attention」)と判定され、画面輝度が低輝度から標準輝度に制御される。その後、検出された顔角度が45°になるまでの間は、顔角度が45°以上であることから顔の向きが正面を向いていない(「No Attention」)と判定されるが、標準輝度から低輝度への切り替えには待機時間(例えば、10秒)が設けられているため、標準輝度が継続される。検出された顔角度が45°未満になると、顔が正面を向いている(「Attention」)と判定されるため、引き続き標準輝度が継続される。つまり、横向きから正面方向へ顔の向きが変化するにつれて、顔の向きが正面を向き切る前に標準輝度に切り替わる。
【0078】
また、検出された顔角度が45°未満になると、検出フレームレートがHPモードからLPモード(図7に示す「LPモード(2)」)に切り替わる。このように、画面輝度が標準輝度で顔が正面を向いている(「Attention」)ときには検出フレームレートをLPモードにすることで消費電力を低減するが、画面輝度が低輝度に制御されている状態で顔方向判定処理が行われる際には検出フレームレートをHPモードにすることで、顔が正面を向いた(「Attention」)場合に素早く標準輝度に戻ることができる。
【0079】
[処理の動作]
次に、顔検出部210が実行する顔検出処理と、システム処理部310が実行する画面輝度制御処理の動作について説明する。まず、図8を参照して、顔検出部210が実行する顔検出処理の動作について説明する。
【0080】
図8は、本実施形態に係る顔検出処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、情報処理装置1が通常動作状態でユーザの顔が正面を向いている状態であり、LPモードで顔検出処理を行っているものとする。なお、図7を参照して説明した上述の説明と同様に、顔角度については正と負で同様の処理となるため絶対値として記載及び説明する。例えば、「±45°」の絶対値を「45°」と記載して説明する。
【0081】
(ステップS101)顔検出部210は、LPモードで、撮像部120から取得した撮像画像に基づいて顔角度を検出し、検出した顔角度が45°未満(±45°の範囲内)であるか否か判定する。顔検出部210は、検出した顔角度が45°未満であると判定した場合(YES)、顔が正面を向いていると判定し、再びステップS101の処理を行う。一方、顔検出部210は、検出した顔角度が45°以上(±45°の範囲外)であると判定した場合(NO)、ステップS103の処理へ進む。
【0082】
(ステップS103)顔検出部210は、顔が正面を向いていなと判定し、「No Attention」情報をシステム処理部310へ出力し、ステップS105の処理へ進む。
【0083】
(ステップS105)顔検出部210は、LPモードからHPモードに切り替え、HPモードで、撮像部120から取得した撮像画像に基づいて顔角度を検出する。そして、ステップS107の処理へ進む。
【0084】
(ステップS107)顔検出部210は、HPモードで検出した顔角度が60°以上(±60°の範囲外)であるか否かを判定する。顔検出部210は、検出した顔角度が60°以上であると判定した場合(YES)、ステップS109の処理へ進む。一方、顔検出部210は、検出した顔角度が60°未満(±60°の範囲内)であると判定した場合(NO)、ステップS113の処理へ進む。
【0085】
(ステップS109)顔検出部210は、顔角度が60°以上である場合には顔方向判定処理を行わないため、HPモードからLPモードに切り替え、LPモードで、撮像部120から取得した撮像画像に基づいて顔角度を検出する。そして、ステップS111の処理へ進む。
【0086】
(ステップS111)顔検出部210は、LPモードで検出した顔角度が60°以上(±60°の範囲外)であるか否かを判定する。顔検出部210は、検出した顔角度が60°以上であると判定した場合(YES)、再びステップS111の処理を行う。一方、顔検出部210は、検出した顔角度が60°未満(±60°の範囲内)であると判定した場合(NO)、ステップS105の処理へ戻り、LPモードからHPモードに切り替える。
【0087】
(ステップS113)顔検出部210は、HPモードで検出した顔角度の変化量が正面方向(0°方向)へ1秒以内に10°以上の変化であるか否かを判定する。顔検出部210は、顔角度が正面方向へ1秒以内に10°以上変化したと判定した場合(YES)、顔が正面を向いたものと判定して顔角度を0°とし、「Attention」情報をシステム処理部310へ出力する(ステップS115)。そして、ステップS117の処理へ進む。
【0088】
一方、顔検出部210は、顔角度が正面方向へ1秒以内に10°以上変化していないと判定した場合(NO)、ステップS115の処理を行わずに、ステップS117の処理へ進む。
【0089】
(ステップS117)顔検出部210は、HPモードで検出した顔角度が45°未満(±45°の範囲内)であるか否か判定する。顔検出部210は、検出した顔角度が45°以上(±45°の範囲外)であると判定した場合(NO)、「No Attention」情報をシステム処理部310へ出力し、ステップS107の処理へ戻る(ステップS119)。
【0090】
一方、顔検出部210は、検出した顔角度が45°未満(±45°の範囲内)であると判定した場合(YES)、顔が正面を向いていると判定し、「Attention」情報をシステム処理部310へ出力する(ステップS121)。
【0091】
次に、図9を参照して、システム処理部310が実行する画面輝度制御処理の動作について説明する。図9は、本実施形態に係る画面輝度制御処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、情報処理装置1が通常動作状態でユーザの顔が正面を向いている状態であり、画面輝度が標準輝度に設定されているものとする。
【0092】
(ステップS201)画面輝度制御部311は、顔検出部210から「No Attention」情報を取得したか否かを判定する。画面輝度制御部311は、「No Attention」情報を取得していないと判定した場合(NO)、再びステップS201の処理を行う。一方、画面輝度制御部311は、「No Attention」情報を取得したと判定した場合(YES)、タイマ312を用いて待機時間の計時を開始する(ステップS203)。そして、ステップS205の処理へ進む。
【0093】
(ステップS205)画面輝度制御部311は、顔検出部210から「Attention」情報を取得したか否かを判定する。画面輝度制御部311は、「Attention」情報を取得していないと判定した場合(NO)、ステップS207の処理へ進む。
【0094】
(ステップS207)画面輝度制御部311は、タイマ312の値に基づいて所定の待機時間(例えば、10秒)が経過したか否か(即ち、タイマが終了したか否か)を判定する。画面輝度制御部311は、所定の待機時間(例えば、10秒)が経過していない(即ち、タイマが終了していない)と判定した場合(ステップS207:NO)、ステップS205の処理へ戻る。画面輝度制御部311は、所定の待機時間(例えば、10秒)が経過する前に、「Attention」情報を取得したと判定した場合(ステップS205:YES)、ステップS201の処理に戻る。この時、タイマ312はリセットされる。
【0095】
一方、画面輝度制御部311は、ステップS207で所定の待機時間(例えば、10秒)が経過したと判定した場合(ステップS207:YES)、画面輝度を低輝度に変更する(ステップS209)。そして、ステップS211の処理へ進む。
【0096】
(ステップS211)画面輝度制御部311は、顔検出部210から「Attention」情報を取得したか否かを判定する。画面輝度制御部311は、「Attention」情報を取得していないと判定した場合(NO)、再びステップS211の処理を行う。一方、画面輝度制御部311は、「Attention」情報を取得したと判定した場合(YES)、画面輝度を標準輝度に戻す(ステップS213)。
【0097】
[実施形態のまとめ]
以上説明してきたように、本実施形態に係る情報処理装置1は、撮像部120で撮像された撮像画像の画像データを一時的に記憶するメモリ(例えば、システムメモリ304)を備えている。また、情報処理装置1はプロセッサの一例として顔検出部210およびCPU301を備えている。顔検出部210は、上記メモリに記憶された撮像画像の画像データを処理することにより、撮像画像の中から顔が撮像されている顔領域と顔の向きとを検出する顔検出処理を実行する。また、CPU301は、上記顔検出処理により検出された顔の向きに基づいて、表示部110の画面輝度を制御する輝度制御処理を実行する。そして、顔検出部210は、上記顔検出処理において、検出された顔の向きが予め設定された第1の角度範囲(例えば、±45°の範囲)内である場合に顔の向きが正面(第1の向き)であると判定する。また、顔検出部210は、検出された顔の向きが第1の角度範囲(例えば、±45°の範囲)外であっても、検出された顔の向きが正面方向(第1の向きの方向)へ変化する変化量に基づいて、正面方向であると判定する。
【0098】
これにより、情報処理装置1は、ユーザの顔の向きを検出して表示部110の画面輝度を制御する際に、ユーザの顔の向きが正面方向へ変化することに基づいて正面を向き切る前に正面を向くことを検出するため、顔の向きを検出して表示部110の画面輝度を制御する際の応答性を改善することができる。この応答性の改善により、顔の向きに応じて積極的に画面輝度を制御する(例えば、画面輝度を下げる)ことができるため、省電力化へ貢献することができる。
【0099】
例えば、顔検出部210は、顔検出処理において、検出された顔の向きが第1の角度範囲(例えば、±45°の範囲)外であっても、検出された顔の向きが第1の角度範囲(例えば、±45°の範囲)外の横向き(第2の向きの一例)から正面方向へ所定時間内(例えば、1秒以内)に所定角度以上(例えば、10°以上)変化した場合、顔の向きが正面であると判定(正面を向いたものと判定)する。
【0100】
これにより、情報処理装置1は、ユーザの顔の向きが横向きから正面方向へ変化したことに応じて、正面を向き切る前に正面を向くことを精度よく検出することができる。
【0101】
なお、正面方向へ所定角度以上(例えば、10°以上)変化があった場合、当該変化が所定時間内(例えば、1秒以内)であるかの判定がされなくてもよい。例えば、顔検出部210は、顔検出処理において、検出された顔の向きが第1の角度範囲(例えば、±45°の範囲)外であっても、検出された顔の向きが第1の角度範囲(例えば、±45°の範囲)外の横向き(第2の向きの一例)から正面方向へ所定角度(例えば、10°以上)以上変化した場合、顔の向きが正面であると判定(正面を向いたものと判定)する。
【0102】
これにより、情報処理装置1は、ユーザの顔の向きが横向きから正面方向へ変化したことに応じて、正面を向き切る前に正面を向くことを精度よく検出することができる。
【0103】
また、顔検出部210は、顔検出処理において、顔が正面を向いているか否か(第1の向きであるか否か)を判定する顔方向判定処理を第1の角度範囲(例えば、±45°の範囲)よりも広い第2の角度範囲(例えば、±60°の範囲)内で行う。そして、顔検出部210は、第2の角度範囲(例えば、±60°の範囲)のうちの第1の角度範囲(例えば、±45°の範囲)外において、検出された顔の向きの正面方向への変化量に基づいて顔が正面を向いているか否かを判定する顔方向判定処理を行う。
【0104】
これにより、情報処理装置1は、横を向いている顔に対しても、正面方向への変化量に基づいて、正面を向き切る前に正面を向くことを検出することができる。
【0105】
また、顔検出部210は、顔検出処理において、検出された顔の向き(例えば、顔角度)が第1の角度範囲(例えば、±45°の範囲)内であるときの検出フレームレート(検出周期)を、第1の角度範囲外であるときの検出フレームレートよりも下げる。
【0106】
これにより、情報処理装置1は、ユーザが情報処理装置1を使用しているとき(ユーザの顔が正面を向いているとき)の消費電力の増加を抑制することができるとともに、画面輝度を低輝度にしている場合(ユーザの顔が横を向いているとき)には、顔の向きの検出速度を上げることで顔が正面を向く際の標準輝度への切り替えを早くすることができる。
【0107】
例えば、顔検出部210は、顔検出処理において、検出された顔の向き(例えば、顔角度)が第1の角度範囲内(例えば、±45°の範囲)内であるときの検出フレームレート(検出周期)を、第2の角度範囲(例えば、±60°の範囲)のうちの第1の角度範囲外であるときの検出フレームレートよりも下げる。
【0108】
これにより、情報処理装置1は、ユーザが情報処理装置1を使用しているとき(ユーザの顔が正面を向いているとき)、または逆にユーザが完全に横または後ろを向いているような正面を向く可能性が低いときの消費電力の増加を抑制することができるとともに、正面を向きそうな顔角度(正面に近い顔角度)のときには、顔の向きの検出速度を上げることで顔が正面を向く際の標準輝度への切り替えを早くすることができる。
【0109】
また、CPU301は、輝度制御処理において、顔検出部210により検出された顔の向き(例えば、顔角度)が第1の角度範囲内(例えば、±45°の範囲)内から第1の角度範囲外に変化した場合に、画面輝度を低輝度に低減させる。
【0110】
これにより、情報処理装置1は、ユーザが情報処理装置1を使用していないとき(ユーザの顔が横を向いているとき)には、ユーザが見ていない表示部110の画面輝度を低輝度にすることで消費電力を抑制することができる。
【0111】
また、CPU301は、輝度制御処理において、画面輝度を低輝度に低減させた状態で、顔検出部210により検出された顔の向きが正面(第1の向き)であると判定した場合、低減させる前の画面輝度(標準輝度)に戻す。
【0112】
これにより、情報処理装置1は、ユーザが情報処理装置1を使用するとき(ユーザの顔が正面を向いたとき)には、表示部110の表示を視認可能にすることができる。
【0113】
また、撮像部120は、表示部110の画面に対面する方向の検出範囲FoV(所定の画角)を撮像した画像の画像データを出力する。
【0114】
これにより、情報処理装置1は、情報処理装置1を使用しているユーザの顔の向きを適切に検出することができる。
【0115】
また、本実施形態に係る情報処理装置1における制御方法は、顔検出部210が、撮像部120で撮像された撮像画像されてメモリ(例えば、システムメモリ304)に一時的に記憶された撮像画像の画像データを処理することにより、撮像画像の中から顔が撮像されている顔領域と顔の向きとを検出する顔検出ステップと、CPU301が、顔検出ステップにより検出された顔の向きに基づいて、表示部110の画面輝度を制御する輝度制御ステップとを含む。また、顔検出部210は、顔検出ステップにおいて、検出された顔の向きが予め設定された第1の角度範囲内(例えば、±45°の範囲)内である場合に顔の向きが正面(第1の向き)であると判定するとともに、検出された顔の向きが第1の角度範囲(例えば、±45°の範囲)外であっても、検出された顔の向きが正面方向(第1の向きの方向)へ変化する変化量に基づいて、正面方向であると判定する。
【0116】
これにより、情報処理装置1は、ユーザの顔の向きを検出して表示部110の画面輝度を制御する際に、ユーザの顔の向きが正面方向へ変化することに基づいて正面を向き切る前に正面を向くことを検出するため、顔の向きを検出して表示部110の画面輝度を制御する際の応答性を改善することができる。この応答性の改善により、顔の向きに応じて積極的に画面輝度を制御する(例えば、画面輝度を下げる)ことができるため、省電力化へ貢献することができる。
【0117】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、上述の実施形態において説明した各構成は、任意に組み合わせることができる。
【0118】
また、上記実施形態では、情報処理装置1に撮像部120及びToFセンサ130が内蔵されている構成例を説明したが、これに限られるものではない。例えば、撮像部120またはToFセンサ130は、情報処理装置1に内蔵されていなくてもよく、情報処理装置1の外部アクセサリとして情報処理装置1(例えば、側面10a、10b、10c等のいずれか)に取り付け可能に構成され、無線または有線で情報処理装置1と通信接続されるものであってもよい。
【0119】
また、CPU301とチップセット303とは個別のプロセッサとして構成されてもよいし、1つのプロセッサとして一体化して構成されてもよい。
【0120】
また、上記実施形態では、顔検出部210がCPU301およびチップセット303とは別に備えられている例を示したが、顔検出部210の一部または全部は、チップセット303に備えられてもよいし、CPU301またはチップセット303と一体化されたプロセッサに備えられてもよい。例えば、CPU301とチップセット303と顔検出部210とは個別のプロセッサとして構成されてもよいし、1つのプロセッサとして一体化して構成されてもよい。また、顔検出部210の一部または全部は、EC200に備えられてもよい。
【0121】
また、上述した待機状態には、ハイバネーション状態やパワーオフ状態等が含まれてもよい。ハイバネーション状態は、例えば、ACPIで規定されているS4状態に相当する。パワーオフ状態は、例えば、ACPIで規定されているS5状態(シャットダウンした状態)に相当する。なお、待機状態のうちスタンバイ状態、スリープ状態、ハイバネーション状態、パワーオフ状態などは、通常動作状態よりも電力の消費量が低い状態(電力の消費を抑えた状態)である。
【0122】
なお、上述した情報処理装置1は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した情報処理装置1が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した情報処理装置1が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0123】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に情報処理装置1が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0124】
また、上述した実施形態における情報処理装置1が備える各機能の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【0125】
また、上記実施形態の情報処理装置1は、ノートブック型のPCに限られるものではなく、例えば、デスクトップ型PCなどであってもよい。
【符号の説明】
【0126】
1 情報処理装置、10 第1筐体、20 第2筐体、15 ヒンジ機構、110 表示部、120 撮像部、130 ToFセンサ、140 電源ボタン、150 入力デバイス、151 キーボード、153 タッチパッド、160 通信部、170 記憶部、200 EC、210 顔検出部、211 顔領域検出部、212 顔角度検出部、213 顔方向判定部、214 検出周期制御部、300 メイン処理部、301 CPU、302 GPU、303 チップセット、304 システムメモリ、310 システム処理部、311 画面輝度制御部、312 タイマ、400 電源部
【要約】
【課題】顔の向きを検出して表示部の画面輝度を制御する際の応答性を改善すること。
【解決手段】情報処理装置は、撮像部で撮像された画像の画像データを一時的に記憶するメモリと、メモリに記憶された画像データを処理するプロセッサと、を備える。プロセッサは、メモリに記憶された画像の画像データを処理することにより、画像の中から顔が撮像されている顔領域と前記顔の向きとを検出する顔検出処理と、顔検出処理により検出された顔の向きに基づいて、表示部の画面輝度を制御する輝度制御処理と、を行う。また、プロセッサは、顔検出処理において、検出された顔の向きが予め設定された第1の角度範囲内である場合に第1の向きであると判定するとともに、検出された顔の向きが第1の角度範囲外であっても、検出された顔の向きが第1の向きの方向へ変化する変化量に基づいて、第1の向きであると判定する。
【選択図】図3
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