(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】微細粒子発生装置の開閉構造
(51)【国際特許分類】
H01F 7/02 20060101AFI20240314BHJP
H01F 7/14 20060101ALI20240314BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20240314BHJP
【FI】
H01F7/02 Z
H01F7/14 D
A24F40/40
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022207973
(22)【出願日】2022-12-26
【審査請求日】2023-04-18
(31)【優先権主張番号】10-2021-0187160
(32)【優先日】2021-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521268886
【氏名又は名称】イノ-アイティー・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】INNO-IT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】(KNN Walseok Art Hall,Udong)24,Centum seo-ro,Haeundae-gu Busan 48058,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】カン,チャン・ハン
(72)【発明者】
【氏名】イ,サン・フン
【審査官】木下 直哉
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-131794(JP,U)
【文献】実開昭54-13595(JP,U)
【文献】登録実用新案第3217889(JP,U)
【文献】特開2020-156382(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0166914(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110115396(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 7/02
H01F 7/06- 7/18
A24F 40/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻タバコが収容される巻タバコ収容部及び巻タバコ収容部に収容された巻タバコを加熱できる加熱装置が設置される本体と、
巻タバコ収容部を開閉し、巻タバコ収容部の閉鎖時に、互いに引力が作用するように極性が配置される磁石を備える一対のフリップドアと、
本体に設置され、各フリップドアに配置された磁石との引力が作用するように配置され、鉄心及びコイルからなる一対の電磁石とを含み、
電磁石のコイルに電流が流れるとき、フリップドアが開放されることを特徴とする、微細粒子発生装置の開閉構造。
【請求項2】
フリップドアに配置される磁石の極性は、上下に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の微細粒子発生装置の開閉構造。
【請求項3】
各電磁石が備える鉄心の両端は、各フリップドア側に向けて上方に延長されることを特徴とする、請求項1に記載の微細粒子発生装置の開閉構造。
【請求項4】
電磁石のコイルに流れる電流が遮断されても、電磁石の内部残留磁束によりフリップドアが開放状態を維持するのを防止するように、鉄心の両端の延長長さが決定されることを特徴とする、請求項3に記載の微細粒子発生装置の開閉構造。
【請求項5】
各電磁石が備える鉄心の両端は、同側に配置された鉄心の端部が同極に着磁されることを特徴とする、請求項4に記載の微細粒子発生装置の開閉構造。
【請求項6】
電磁石が磁化されたとき、電磁石とフリップドアの磁石との間の引力は、フリップドアの磁石間の引力よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の微細粒子発生装置の開閉構造。
【請求項7】
電磁石の未作動時、巻タバコを除去すると、フリップドアの磁石間の引力によりフリップドアが閉鎖されることを特徴とする、請求項1に記載の微細粒子発生装置の開閉構造。
【請求項8】
電磁石は、作動開始時に所定時間の間にコイルに電流が流れた後に遮断され、作動終了時に所定時間の間にフリップドアの磁石に対して斥力が発生するようにコイルに電流が流れた後に遮断されることを特徴とする、請求項1に記載の微細粒子発生装置の開閉構造。
【請求項9】
電磁石を作動させるとき、フリップドアに設置された磁石と電磁石との間に作用する力等の大きさは、電磁石の磁場との引力>フリップドアの磁石間の引力>電磁石の鉄心の内部残留磁束との引力の順であり、電磁石の作動を中止させるとき、フリップドアに設置された磁石と電磁石との間に作用する力等の大きさは、フリップドアの磁石間の引力>電磁石の鉄心の内部残留磁束との引力>電磁石の磁場との引力の順であることを特徴とする、請求項1に記載の微細粒子発生装置の開閉構造。
【請求項10】
電磁石を作動させるとき、フリップドアに設置された磁石と電磁石との間に作用する力等の大きさは、電磁石の磁場との引力、及び、電磁石の鉄心の内部残留磁束との引力の和が、フリップドアの磁石間の引力よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の微細粒子発生装置の開閉構造。
【請求項11】
電磁石の作動を中止させるとき、フリップドアに設置された磁石間の引力が、電磁石の鉄心の内部残留磁束とフラップドアに設置された磁石との間の引力よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の微細粒子発生装置の開閉構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細粒子発生装置の開閉構造に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、巻タバコの喫煙時に発生し得る副作用を改善できる多様な形態のエアロゾル発生装置が開発されている。このようなエアロゾル発生装置は、タバコ葉を圧縮してフィルタと共に紙で巻き上げた紙巻タバコを加熱してエアロゾルを発生させるタイプと、液状型カートリッジ内に充填されたリキッドを気化させてエアロゾルを発生させる液状タイプとに大別される。
【0003】
図1は、従来技術に係るエアロゾル生成装置の外観を示す図である。ケース1001に結合されたカバー1002の上面には、巻タバコ3を挿入できる外部ホール1002pが形成される。また、カバー1002の上面において外部ホール1002pに隣接している位置にレール1003rが形成される。レール1003rには、カバー1002の上面に沿って摺動可能なドア1003が設置される。ドア1003は、レール1003rに沿って直線的に摺動できる。
【0004】
ドア1003は、レール1003rに沿って
図1に示す矢印方向へ移動することにより、巻タバコ3がカバー1002を通過してケース1001に挿入できるようにする外部ホール1002p及び挿入ホール1004pを外部に露出させる機能を果たす。カバー1002の外部ホール1002pは、巻タバコ3を収容できる収容通路1004hの挿入ホール1004pを外部に露出させる機能を果たす。
【0005】
ドア1003により外部ホール1002pが外部に露出されると、ユーザが、巻タバコ3の端部3bを外部ホール1002p及び挿入ホール1004pに挿入して、巻タバコ3をカバー1002の内部に形成された収容通路1004hに装着できる。ドア1003は、カバー1002に対して直線的に移動できるように設置される。
【0006】
このとき、挿入ホール1004pに異物が流入しないように、挿入ホール1004pを開閉するドア1003は、ユーザが手で圧下してスライドさせて開放した後、挿入ホール1004内に巻タバコ3を挿入しなければならないため、使用が面倒になるという不便さがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】大韓民国公開特許10-2018-0129637
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、磁石や電磁石を用いて、巻タバコ収容部を自動的に開閉できる微細粒子発生装置の開閉構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、巻タバコが収容される巻タバコ収容部及び巻タバコ収容部に収容された巻タバコを加熱できる加熱装置が設置される本体と、巻タバコ収容部を開閉し、巻タバコ収容部の閉鎖時に、互いに引力が作用するように極性が配置される磁石を備える一対のフリップドアと、本体に設置され、各フリップドアに配置された磁石との引力が作用するように配置され、鉄心及びコイルからなる一対の電磁石とを含み、電磁石のコイルに電流が流れるとき、フリップドアが開放されることを特徴とする、微細粒子発生装置の開閉構造を提供する。
【0010】
また、本発明の他の一例として、フリップドアに配置される磁石の極性は、上下に配置されることを特徴とする、微細粒子発生装置の開閉構造を提供する。
【0011】
また、本発明の他の一例として、各電磁石が備える鉄心の両端は、各フリップドア側に向けて上方に延長されることを特徴とする、微細粒子発生装置の開閉構造を提供する。
【0012】
また、本発明の他の一例として、電磁石のコイルに流れる電流が遮断されても、電磁石の内部残留磁束によりフリップドアが開放状態を維持するのを防止するように、鉄心の両端の延長長さが決定されることを特徴とする、微細粒子発生装置の開閉構造を提供する。
【0013】
また、本発明の他の一例として、各電磁石が備える鉄心の両端は、同側に配置された鉄心の端部が同極に着磁されることを特徴とする、微細粒子発生装置の開閉構造を提供する。
【0014】
また、本発明の他の一例として、電磁石が磁化されたとき、電磁石とフリップドアの磁石との間の引力は、フリップドアの磁石間の引力よりも大きいことを特徴とする、微細粒子発生装置の開閉構造を提供する。
【0015】
また、本発明の他の一例として、電磁石の未作動時、巻タバコを除去すると、フリップドアの磁石間の引力によりフリップドアが閉鎖されることを特徴とする、微細粒子発生装置の開閉構造を提供する。
【0016】
また、本発明の他の一例として、電磁石は、作動開始時に所定時間の間にコイルに電流が流れた後に遮断され、作動終了時に所定時間の間にフリップドアの磁石に対して斥力が発生するようにコイルに電流が流れた後に遮断されることを特徴とする、微細粒子発生装置の開閉構造を提供する。
【0017】
また、本発明の他の一例として、電磁石を作動させるとき、フリップドアに設置された磁石と電磁石との間に作用する力等の大きさは、電磁石の磁場との引力>フリップドアの磁石間の引力>電磁石の鉄心の内部残留磁束との引力の順であり、電磁石の作動を中止させるとき、フリップドアに設置された磁石と電磁石との間に作用する力等の大きさは、フリップドアの磁石間の引力>電磁石の鉄心の内部残留磁束との引力>電磁石の磁場との引力の順であることを特徴とする、微細粒子発生装置の開閉構造を提供する。
【0018】
また、本発明の他の一例として、電磁石を作動させるとき、フリップドアに設置された磁石と電磁石との間に作用する力等の大きさは、電磁石の磁場との引力、及び、電磁石の鉄心の内部残留磁束との引力の和が、フリップドアの磁石間の引力よりも大きいことを特徴とする、微細粒子発生装置の開閉構造を提供する。
【0019】
また、本発明の他の一例として、電磁石の作動を中止させるとき、フリップドアに設置された磁石間の引力が、電磁石の鉄心の内部残留磁束とフラップドアに設置された磁石との間の引力よりも大きいことを特徴とする、微細粒子発生装置の開閉構造を提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明が提供する微細粒子発生装置の開閉構造は、磁石が配置されたフリップドアが磁石間の引力により閉鎖状態を維持し、電磁石を作動させて容易にフリップドアを開放できる。
【0021】
また、本発明が提供する微細粒子発生装置の開閉構造は、フリップドアに設置された磁石間の引力よりも、フリップドアの磁石と電磁石との間の引力が大きいように電磁石の磁場を設定することで、電磁石のOn/Offによりフリップドアの開閉を操作できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】従来技術に係るエアロゾル生成装置の外観を示す図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る微細粒子発生装置の開閉構造を示す分解図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る微細粒子発生装置の開閉構造が備える電磁石を示す図である。
【
図4】本発明の一実施例に係る微細粒子発生装置の開閉構造の電磁石のB-Hカーブを示すグラフである。
【
図5】本発明の一実施例に係る微細粒子発生装置の開閉構造のフラップドアの開放状態を示す断面図である。
【
図6】本発明の一実施例に係る微細粒子発生装置の開閉構造のフラップドアの閉鎖状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0024】
図2は、本発明の一実施例に係る微細粒子発生装置の開閉構造を示す分解図である。
【0025】
本発明の一実施例に係る微細粒子発生装置の開閉構造は、本体100内に巻タバコホルダ200が結合され、巻タバコホルダ200の上端に設置されたフリップドア300が巻タバコホルダ200内の巻タバコ収容空間を開閉する。
【0026】
巻タバコホルダ200は、巻タバコの外径に対応する内径を有するホルダ部210と、フリップドア300の設置及び本体100との結合のための結合部220とを備える。本体100は、内部に巻タバコホルダ200の結合部220と結合されるホール110が備えられ、ホール110内に巻タバコホルダ200が挿入される。このとき、本体100及び巻タバコホルダ200が互いに回転するのを防止して固定するために、円筒形の結合部220の上側の外周に1ケ所以上の結合突起224が形成される。また、本体100のホール110には、結合突起224と結合されるように、円筒形のホール110から外側に延長された結合溝112が備えられる。
【0027】
巻タバコホルダ200の結合部220の上面には、フラップドア300を設置するために四角形のホール222が形成される。ホール222は一対のフラップドア310、320により開閉される。フラップドア310、320は、外側に回転軸312、322を各々備え、回転軸312、322を中心としてフラップドア310、320がホール222内に移動するように回転しながらホール222を開放する。巻タバコホルダ200の結合部220の上面には、回転軸312、322を固定するための溝226が形成される。
【0028】
一方、一対のフラップドア310、320には、各々極性を反対に配置した永久磁石330が設置される。したがって、平常時には、永久磁石330間の引力によりフラップドア310、320が閉鎖状態を維持する。
【0029】
また、本体100には一対の電磁石400が設置される。電磁石400は、両端がフラップドア310、320の回転軸312、322の付近に位置するように延長される鉄心410と、鉄心410上に巻かれたコイル420とを備える。本体100は、外面に鉄心410の両端を固定するための収容溝120を備える。コイル420にDC電流を流して鉄心410を磁化させ、磁化した鉄心410の両端と、一対のフラップドア310、320に設置された永久磁石330との間に引力が作用しながら、フラップドア310、320が開放される。
【0030】
このとき、永久磁石330は、極性が上下に配置され、互いに反対に配置される。例えば、一つのフラップドア310に設置された永久磁石330の極性が、上端がS極、下端がNである場合、他のフラップドア320に設置された永久磁石330の極性は、上端がN極、下端がS極になるように配置される。このとき、鉄心410の両端の極性が、近接した永久磁石330の下端の極性と反対になるように、コイル420の電流方向が決定される。すなわち、電磁石400のコイル420に電流が流れる場合、鉄心410の両端と近接したフラップドア310に設置された永久磁石330と引力が作用するように、電流の方向が決定される。
【0031】
図3は、本発明の一実施例に係る微細粒子発生装置の開閉構造が備える電磁石を示す図、
図4は、本発明の一実施例に係る微細粒子発生装置の開閉構造の電磁石のB-Hカーブを示すグラフである。
【0032】
前述したように、電磁石は一対を備えるが、便宜のために、図において、左側に示す電磁石を第1の電磁石412、右側に示す電磁石を第2の電磁石414と称する。第1の電磁石412及び第2の電磁石414の鉄心は、各々コイル422、424が巻かれる円周型区間と、円周型区間の両端から直角に曲げて上方に延長された端部412a、412b、414a、414bとを備える。図に示すように、隣接した鉄心の端部は、隣接した端部同士(412aと414a、412bと414b)が互いに同極になるように、コイル422、424に電流が流れる。電磁石の作動時、フリップドアを自動的に開放できるように、電磁気力の強度を強くするために、各鉄心の端部412a、412b、414a、414bのうち、隣接した端部同士の極性を一致させるものである。
【0033】
一方、
図2及び
図3を参照すれば、各鉄心の両端部412a、412b、414a、414bは、互いに異なるフラップドア310、320の外側に隣接するように設置されることが望ましい。すなわち、便宜のために、図において、N極が着磁された鉄心の端部412a、414aは、第1のフラップドア310の外側に隣接するように設置され、S極が着磁された鉄心の端部412b、414bは、第2のフラップドア320の外側に隣接するように設置される。
【0034】
一方、電磁石のコイル422、424に電流が流れなくても、熱損失(ヒステリシス損失)により鉄心に残留磁束が残っているため、内部磁束密度は0でない。このとき、内部残留磁束により、フラップドア310、320が電磁石412、414の鉄心の残留磁束との引力により開放状態を維持するのを防止するために、電磁石412、414の鉄心の両端部412a、412b、414a、414bの延長長さを調節することが望ましい。鉄心の両端部412a、412b、414a、414bの長さが長くなるほど、フラップドア内に設置された永久磁石330(
図2を参照)との引力が大きくなるので、鉄心の両端部412a、412b、414a、414bの長さが長すぎないように形成することが望ましい。
【0035】
以後、電磁石に電流を流すと、内部残留磁束の影響によりOn/Off時の磁束値の差が小さくなるが、この値を考慮して、電磁石412、414の鉄心に充分にコイル422、424を巻いてHの値が大きくなるようにする。
【0036】
図5は、本発明の一実施例に係る微細粒子発生装置の開閉構造のフラップドアの開放状態を示す断面図である。
【0037】
電磁石を作動させるとき、すなわち、フリップドア310、320を開放させるとき、フリップドア310、320に設置された磁石331、332と電磁石との間に作用する力等の大きさ関係は、次の通りである。電磁石の磁場と磁石331、332との引力>フリップドアの磁石331、332間の引力>電磁石の鉄心412a、412bの内部残留磁束と磁石331、332との引力の順に、大きさが益々小さくならなければならない。
【0038】
電磁石の磁場と磁石331、332との引力が最も大きいので、フリップドアの磁石331、332間の引力に勝って、フリップドア310、320に設置された磁石331、332が電磁石の磁場との引力により開放される。
【0039】
このとき、フリップドア310、320に設置された磁石331、332間の引力は、クーロンの法則(coulomb's law)により求めることができる。
【0040】
【0041】
一方、電磁石の磁場と磁石331、332との引力は、マクスウェル方程式(maxwell's equation)により求めることができ、
【数2】
であり、
電磁石と磁石331、332との間の引力は、
【数3】
である。
【0042】
例えば、左側フラップドア310に配置された磁石331は、上端がS極、下端がN極になるように極性が配置され、左側フラップドア310に近接した鉄心の一端412aはS極に着磁される。したがって、鉄心の左側端412a及び左側フラップドア310に配置された磁石331の下端間に引力が作用する。また、右側フラップドア320に配置された磁石332は、上端がN極、下端がS極になるように極性が配置され、右側フラップドア320に近接した鉄心の一端412bはN極に着磁される。したがって、鉄心の右側端412b及び右側フラップドア320に配置された磁石332の下端間に引力が作用する。電磁石が作動するとき、電磁石とフラップドアに配置された磁石331、332との間の引力、及び、ヒステリシス損失による内部残留磁束と磁石331、332との間の引力の和が、磁石331、332間の引力よりも大きい。したがって、電磁石が作動するとき、磁石331、332間の引力に勝って、フラップドア310、320が開放される。
【0043】
図6は、本発明の一実施例に係る微細粒子発生装置の開閉構造のフラップドアの閉鎖状態を示す断面図である。
【0044】
壁面に付着される一対のフラップドア310、320に配置された磁石331、332間で引力が作用し、電磁石の鉄心の両端412a、412bに内部残留磁束が残っているようになる。一方、電磁石のコイルにより電流が流れなくて磁場が発生しないため、電磁石の誘導磁場及び磁石331、332間の引力は0である。したがって、磁石331、332間の引力によりフラップドア310、320が閉鎖状態を維持するためには、鉄心の両端412a、412bに内部残留磁束(ヒステリシス損失)よりも、磁石331、332間の引力がさらに大きくなければならない。
【0045】
一方、フラップドア310、320に配置された磁石331、332と、電磁石の鉄心の内部残留磁束との間の引力により、フラップドア310、320が開放状態を維持するのを防止するために、電磁石の作動終了時、所定時間の間にフリップドア310、320の磁石331、332に対して斥力が発生するように、コイルに電流を反対方向に流した後、電流が遮断されるようにできる。
【0046】
例えば、電磁石On状態になると、1分間電磁石のコイルに電流が流れるようになるが、付加的に、作動終了時、0.5秒間コイルに電磁石作動状態における電流の方向と反対に電流が流れるように回路及び素子を具現して、フリップドア310、320に入っている磁石332、334と電磁石との間に斥力を作用させることができる。これにより、電磁石の作動終了後、内部残留磁束によるフリップドア310、320の開放が維持される現像を防止できる。