(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】半導体構造
(51)【国際特許分類】
H01L 21/822 20060101AFI20240314BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20240314BHJP
H01L 25/00 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
H01L27/04 C
H01L25/00 B
(21)【出願番号】P 2022543500
(86)(22)【出願日】2021-06-30
(86)【国際出願番号】 CN2021103636
(87)【国際公開番号】W WO2022160594
(87)【国際公開日】2022-08-04
【審査請求日】2022-07-15
(31)【優先権主張番号】202110116929.0
(32)【優先日】2021-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 林
【審査官】岩本 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-138513(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0161217(US,A1)
【文献】特開2021-052160(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/04
H01L 25/00
H01L 21/822
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造であって、
基板の上に位置するパッド構造と、
前記基板と前記パッド構造との間に位置し、前記パッド構造と対向して設けられ、並列接続され且つ間隔をおいて設けられる少なくとも2つのコンデンサユニットを備えるコンデンサ構造と、を備え、
各前記コンデンサユニットが少なくとも1つのコンデンサデバイスを備え
、
前記コンデンサデバイスは、対向して設けられる第1極板及び第2極板を備え、前記半導体構造は導電層をさらに備え、前記導電層は、互いに絶縁されている第1導電部及び第2導電部を備え、前記第1導電部は各前記コンデンサデバイスの前記第1極板に電気的に接続され、前記第2導電部は各前記コンデンサデバイスの前記第2極板に電気的に接続され、前記第1導電部及び前記第2導電部のうち、一方はさらに電源端子に電気的に接続され、他方はさらに接地端子に電気的に接続され、
前記第2導電部は一体構造であり、前記コンデンサ構造内の各コンデンサデバイスにわたって設けられ、前記第1導電部は別体構造であり、互いに電気的に接続される複数のサブ導電部を備え、前記サブ導電部は前記コンデンサ構造内の隣接する前記コンデンサデバイスにわたって設けられ、各前記サブ導電部の前記基板上での正投影と前記第2導電部の前記基板上での正投影は間隔をおいて設けられる、
半導体構造。
【請求項2】
前記コンデンサ構造の前記基板上での正投影は、前記パッド構造の前記基板上での正投影の内部に位置する請求項1に記載の半導体構造。
【請求項3】
前記コンデンサ構造の前記基板上での正投影の中心と前記パッド構造の前記基板上での正投影の中心が重なる請求項1又は2に記載の半導体構造。
【請求項4】
各前記コンデンサユニットは、並列接続して設けられる少なくとも2つのコンデンサデバイスを備え、前記コンデンサ構造内の各前記コンデンサデバイスはM行N列のアレイ状に配置され、前記M及び前記Nはいずれも2以上の整数であり、
前記サブ導電部は第1サブ部を備え、同一の前記第1サブ部は、互いに隣接し且つ中心対称に分布する4つのコンデンサデバイスにわたって設けられる請求項
1に記載の半導体構造。
【請求項5】
前記パッド構造は第1金属層を備え、前記第1金属層は一端が前記電源端子又は前記接地端子に電気的に接続され、他端が第1ビアを介して各前記サブ導電部に電気的に接続される請求項
1に記載の半導体構造。
【請求項6】
前記パッド構造は、第2金属層、第3金属層及び第4金属層をさらに備え、前記第3金属層は第3ビアを介して前記第2金属層に接続され、前記第4金属層は第4ビアを介して前記第3金属層に接続される請求項
5に記載の半導体構造。
【請求項7】
前記第2金属層の前記基板上での正投影の形状は環状であり、前記第2金属層の前記基板上での正投影は前記コンデンサ構造の前記基板上での正投影を取り囲む請求項
6に記載の半導体構造。
【請求項8】
前記第3金属層の前記基板上での正投影と前記第2金属層の前記基板上での正投影が重なる請求項
7に記載の半導体構造。
【請求項9】
前記パッド構造は電源パッド又は接地パッドであり、前記第2金属層は第2ビアを介して前記第1金属層に電気的に接続される請求項
6~
8のいずれか1項に記載の半導体構造。
【請求項10】
前記電源端子及び/又は前記接地端子は、前記パッド構造外の外部回路に位置する請求項
1~
8のいずれか1項に記載の半導体構造。
【請求項11】
前記コンデンサデバイスはトランジスタ型のコンデンサを備え、
前記トランジスタ型のコンデンサのゲートは前記コンデンサデバイスの第1極板を構成し、前記トランジスタ型のコンデンサのソース、ドレイン及び前記基板は前記コンデンサデバイスの第2極板を構成する請求項
1に記載の半導体構造。
【請求項12】
前記第1導電部は前記電源端子に電気的に接続され、前記第2導電部は前記接地端子に電気的に接続され、
前記半導体構造は保護リングをさらに備え、前記保護リングの両端はそれぞれ前記基板及び前記第2導電部に接続され、前記保護リングの前記基板上での正投影が前記コンデンサ構造の前記基板上での正投影を取り囲む請求項
11に記載の半導体構造。
【請求項13】
前記コンデンサユニットは、少なくとも2つの前記トランジスタ型のコンデンサを備え、同一の前記コンデンサユニットでは、隣接する2つの前記トランジスタ型のコンデンサは前記ソース又は前記ドレインを共有する請求項
11に記載の半導体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、半導体の技術分野に関し、特に半導体構造に関する。
【0002】
本願は、2021年1月28日に中国特許庁に提出された、出願番号202110116929.0、発明の名称「半導体構造」の中国特許出願の優先権を主張し、その全内容が援用により本願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
コンデンサはエネルギー貯蔵性能を有し、電源端子と接地端子との間に並列接続されることで、回路の動作過程で電源端子に発生する電圧変動をスムーズにし、電源端子の動作性能をより安定させることができる。従って、回路設計では、電源端子の安定性を高めるために、大量のコンデンサ構造を追加する必要がある。電源端子だけでなく、信号端子で高周波ノイズを除去する必要がある場合、信号端子にコンデンサを追加することで実現できる。
【0004】
従来の半導体チップでは、通常、チップ内の電源端子又は信号端子を安定させるために、チップ内の空きスペースにコンデンサ構造を追加する。しかしながら、この場合、実質的にチップ面積が増加し、それにより製品コストが高くなる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
複数の実施例に基づいて、半導体チップを提供する。
【0006】
半導体構造であって、
基板の上に位置するパッド構造と、
前記基板と前記パッド構造との間に位置し、前記パッド構造と対向して設けられ、並列接続され且つ間隔をおいて設けられる少なくとも2つのコンデンサユニットを備えるコンデンサ構造と、を備え、
各前記コンデンサユニットが少なくとも1つのコンデンサデバイスを備える。
【0007】
上記半導体構造は、パッド構造が位置する領域の利用率を効果的に向上させることができる。チップ内の空きスペースにコンデンサ構造を追加するという従来の設置形態に比べて、本願はコンデンサ構造の設置によりチップ面積が大きくなることを効果的に防止することができる。また、本願は、大寸法のパッド構造における各コンデンサユニットの寸法が相対的に小さい。プロセス作製過程では、小寸法のコンデンサユニットの各関連膜層はより容易に均一に成膜することができる。従って、本願は各関連膜層の成膜品質を向上させることができ、それによりコンデンサ構造の信頼性がさらに高くなり、それにより関連電源の電源電圧がより安定する。
【0008】
本願の実施例又は従来技術の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明し、以下に説明される図面は単に本願のいくつかの実施例であり、当業者であれば、創造的な工夫をせずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施例に係る半導体構造の断面模式図である。
【
図2】一実施例に係る半導体構造の平面模式図である。
【
図3】一実施例に係る半導体構造の部分構造模式図である。
【
図4】一実施例に係る導電層とコンデンサデバイスとの電気的接続の模式図である。
【
図6】
図3における第1金属層と第1導電部及び第3導電部の模式図である。
【
図7】トランジスタ型のコンデンサの模式図である。
【
図8】
図3におけるコンデンサ構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願を理解しやすくするために、以下、関連図面を参照しながら本願をより詳細に説明する。図面には本願の好適実施例が示されている。しかし、本願は様々な形態で実現でき、本明細書で説明された実施例に限定されない。その反面、これらの実施例を提供する目的は本願の内容をより十分にかつ詳細に開示することである。
【0011】
特に定義されていない限り、本明細書に使用されるすべての技術及び科学用語は当業者が通常理解する意味と同じである。ここでは、本願の明細書に使用される用語は単に特定の実施例を説明するためのものであり、本願を限定するものではない。
【0012】
なお、素子又は層が他の素子又は層「・・・上に位置する」、「・・・に隣接する」、「に接続される」又は「に結合される」と記載される場合、他の素子又は層の上に直接位置するか、それに直接隣接するか、他の素子又は層に直接接続又は結合されるようにしてもよく、中間素子又は層が存在するようにしてもよい。一方、素子が他の素子又は層「・・・上に直接位置する」、「・・・に直接隣接する」、「に直接接続される」又は「に直接結合される」と記載される場合、中間素子又は層が存在しない。なお、第1、第2、第3などの用語を使用して様々な素子、部材、領域、層、ドーピングタイプ及び/又は部分を説明できるが、これらの素子、部材、領域、層、ドーピングタイプ及び/又は部分はこれらの用語に限定されない。これらの用語は単に1つの素子、部材、領域、層、ドーピングタイプ又は部分を他の素子、部材、領域、層、ドーピングタイプ又は部分と区別するためのものである。従って、本発明の教示を逸脱せずに、以下に説明される第1素子、部材、領域、層、ドーピングタイプ又は部分は第2素子、部材、領域、層又は部分として示されてもよく、例えば、第1導電部を第2導電部としてもよく、同様に、第2導電部を第1ドーピングタイプとしてもよい。
【0013】
例えば「・・・下に位置する」、「・・・の下方に位置する」、「下方の」、「・・・の下に位置する」、「・・・の上に位置する」、「上方の」などの空間関係用語は、ここでは図示される1つの素子又は特徴と他の素子又は特徴との関係を説明することに使用できる。なお、図示される方向に加えて、空間関係用語は使用及び操作中のデバイスの異なる方向をさらに含む。例えば、図中のデバイスが反転した場合、「他の素子の下方に位置する」又は「その下に位置する」又は「その下にある」と記載される素子又は特徴の方向は他の素子又は特徴の「上」にあることである。従って、例示的な用語「・・・の下方に位置する」及び「・・・の下に位置する」は上及び下の2つの方向を含んでもよい。また、デバイスは別の方向(例えば、90度回転又は他の方向)をさらに含んでもよく、ここで使用される空間説明用語は対応して解釈される。
【0014】
ここで使用される場合、文脈から他の態様が明確に示されていない限り、単数形の「一」、「1つ」及び「前記/該」は複数形を含んでもよい。さらになお、「構成」及び/又は「備える」のような用語が本明細書で使用される場合、前記特徴、整数、ステップ、操作、素子及び/又は部材の存在を決定することができ、1つ又はより多くの他の特徴、整数、ステップ、操作、素子、部材及び/又はグループの存在又は追加を排除しない。また、ここで使用される場合、用語「及び/又は」はリストされる関連アイテムの任意及びすべての組合せを含む。
【0015】
図1及び
図2に示すように、一実施例では、基板100、パッド構造200及びコンデンサ構造300を備える半導体構造を提供する。具体的には、半導体構造は半導体チップ上の上部構造であってもよい。
【0016】
基板100はシリコン基板であってもよいが、これに限定されない。
【0017】
パッド構造200は基板100の上方に位置し、電源パッド又は信号パッド又は接地パッドなどであってもよい。即ち、パッド構造200の種類については特に制限しない。
【0018】
具体的には、パッド構造200が電源パッドである場合、リード線をボンディングすることでパッケージ基板と電気的に接続してもよく、それにより対応する電源電圧(例えば、VDDQ、VPP、VDDなど)を得る。パッド構造200が信号パッドである場合、リード線をボンディングすることでパッケージ基板と電気的に接続してもよく、それにより対応する制御信号(例えば、チップセレクト信号CS、リセット信号RESETなど)を得る。パッド構造200が接地パッドである場合、リード線をボンディングすることでパッケージ基板と電気的に接続してもよく、それにより並列接続して接地する。
【0019】
コンデンサ構造300は、チップ回路の電源端子と接地端子との間に並列接続され、回路の動作過程で電源に発生する電圧変動をスムーズにし、電源における高周波ノイズを除去し、電源の動作性能をより安定させることに用いられる。
【0020】
具体的には、コンデンサ構造300は、基板100とパッド構造200との間に位置し、パッド構造200と対向して設けられる。従って、コンデンサ構造300はパッド構造200の下方に位置する。
【0021】
従って、本実施例では、パッド構造200が位置する領域の利用率を効果的に向上させることができる。チップ内の空きスペースにコンデンサ構造を追加するという従来の設置形態に比べて、本実施例はコンデンサ構造の設置によりチップ面積が大きくなることを効果的に防止することができる。
【0022】
また、
図3に示すように、本実施例では、コンデンサ構造300は、並列接続され且つ間隔をおいて設けられる少なくとも2つのコンデンサユニット310を備える。各コンデンサユニットは1つのコンデンサデバイス311を備えてもよく、より多くのコンデンサデバイス311を備えてもよい。
【0023】
従って、大寸法のパッド構造200における各コンデンサユニット310の寸法が相対的に小さい。プロセス作製過程では、小寸法のコンデンサユニットの各関連膜層はより容易に均一に成膜することができる。従って、本願は、各関連膜層の成膜品質を向上させることができ、それによりコンデンサ構造の信頼性がさらに高くなり、それにより関連電源の電源電圧がより安定する。
【0024】
ここで、「関連電源」とは、コンデンサ構造300が接続される電源端子であると解釈される。
【0025】
一実施例では、コンデンサ構造300の基板100上での正投影は、パッド構造200の基板100上での正投影の内部に位置する。
【0026】
このとき、コンデンサ構造300は完全にパッド構造200の下方に位置するため、パッド構造200が位置する領域の利用率をより効果的に向上させることができ、チップ面積がコンデンサ構造300の設置の影響を完全に受けず、それによりチップの小型化の実現に有利である。
【0027】
当然ながら、本願はこれに限定されず、コンデンサ構造300の基板100上での正投影は、部分的にパッド構造200の基板100上での正投影の外部に位置してもよい。又は、コンデンサ構造300の基板100上での正投影は、パッド構造200の基板100上での正投影と重ならなくてもよい。
【0028】
一実施例では、コンデンサ構造300の基板100上での正投影の中心は、パッド構造200の基板100上での正投影の中心と重なる。
【0029】
このとき、コンデンサ構造300はパッド構造200に正対し、それによりコンデンサ構造300の各箇所の性能を均一にすることに有利である。
【0030】
ただし、本願のコンデンサ構造300の基板100上での正投影の中心は、パッド構造200の基板100上での正投影の中心と重ならなくてもよく、本願はこれを限定しない。
【0031】
一実施例では、
図4に示すように、コンデンサユニット310のコンデンサデバイス311は第1極板3111と第2極板3112を備える。第1極板3112と第2極板3112は対向して設けられることで、電荷蓄積を行う。
【0032】
また、
図1に併せて示すように、半導体構造は導電層400をさらに備える。導電層400は第1導電部410と第2導電部420を備える。第1導電部410と第2導電部420は互いに絶縁されている。
【0033】
第1導電部410は、各コンデンサデバイス311の第1極板3111に電気的に接続され、即ち、各コンデンサユニット310内の各コンデンサデバイス311の第1極板3111は、すべて第1導電部410に電気的に接続される。従って、第1導電部410の設置によって、各コンデンサユニット310内の各コンデンサデバイス311の第1極板3111をすべて同一の回路ノードに電気的に接続することができる。
【0034】
同様に、第2導電部420は、各コンデンサデバイス311の第2極板3112に電気的に接続され、即ち、各コンデンサユニット310内の各コンデンサデバイス311の第2極板3112は、すべて第2導電部420に電気的に接続される。従って、第2導電部420の設置によって、各コンデンサユニット310内の各コンデンサデバイス311の第2極板3112をすべて同一の回路ノードに電気的に接続することができる。
【0035】
従って、導電層400の設置によって、各コンデンサユニット310内の各コンデンサデバイス311を容易かつ効果的に並列接続してコンデンサ構造310を形成することができる。
【0036】
また、第1導電部410及び第2導電部420のうち、一方はさらに電源端子に電気的に接続され、他方はさらに接地端子に電気的に接続される。即ち、第1導電部410はさらにチップ回路の電源端子に電気的に接続され、第2導電部420はさらにチップ回路の接地端子に電気的に接続される。又は、第2導電部420はさらにチップ回路の電源端子に電気的に接続され、第1導電部410はさらにチップ回路の接地端子に電気的に接続される。
【0037】
このとき、各コンデンサデバイス311を並列接続して形成されたコンデンサ構造310をチップ回路に容易かつ効果的に導入することができる。
【0038】
具体的には、コンデンサデバイス311はトランジスタ型のコンデンサであってもよく、
図4及び
図7に示すように、トランジスタ型のコンデンサのゲートはコンデンサデバイスの第1極板3111を構成し、トランジスタ型のコンデンサのソース、ドレイン及び基板100の対応する部分はコンデンサデバイス311の第2極板3112を構成する。
【0039】
このとき、各コンデンサデバイス311の第1極板3111(即ち、トランジスタ型のコンデンサのゲート)は、第1コンデンサビア410aを介して第1導電部410に電気的に接続されるように設けられてもよい。各コンデンサデバイス311の第2極板3112(即ち、トランジスタ型のコンデンサのソース、ドレイン及び基板100の対応する部分)は第2コンデンサビア420aを介して第2導電部420に電気的に接続されてもよい。
【0040】
また、このとき、第1導電部410がさらにチップ回路の電源端子に電気的に接続され、第2導電部420がチップ回路の接地端子に電気的に接続されるように設けられてもよい。
【0041】
コンデンサデバイス311がトランジスタ型のコンデンサであり得る場合、トランジスタ型のコンデンサのゲートがコンデンサデバイスの第2極板3112を構成し、トランジスタ型のコンデンサのソース、ドレイン及び基板100の対応する部分がコンデンサデバイス311の第1極板3111を構成するようにしてもよいが、本願はこれを限定しない。
【0042】
又は、コンデンサデバイス311は他のタイプのコンデンサ(例えば、対向して設けられる2つの金属板によって形成される平行板コンデンサ)であってもよく、本願はこれを限定しない。
【0043】
一実施例では、
図5及び
図3に示すように、導電層400の第2導電部420は一体構造であり、コンデンサ構造300内の各コンデンサデバイス311にわたって設けられることで、コンデンサ構造300内の各コンデンサデバイス311の第2極板3112をすべて相互接続ビアを介して第2導電部420に電気的に接続することができる。
【0044】
第1導電部410は別体構造であり、電気的に接続される複数のサブ導電部411を備える。サブ導電部411は、コンデンサ構造300内の隣接するコンデンサデバイス311にわたって設けられることで、隣接するコンデンサデバイス311の第1極板3111を、相互接続ビアを介して同一のサブ導電部411に電気的に接続することができる。それとともに、第1導電部410の各サブ導電部411は互いに電気的に接続される。従って、このとき、コンデンサ構造300内の各コンデンサデバイス311の第1極板3111をすべて電気的に接続することができる。
【0045】
また、本実施例では、第1導電部410の各サブ導電部411の基板100上での正投影と第2導電部420の基板100上での正投影は間隔をおいて設けられる。即ち、第1導電部410の正投影と第2導電部420の基板100上での正投影は間隔をおいて設けられる。
【0046】
このとき、本実施例では、第1導電部410と第2導電部420は成膜プロセス過程で容易に同時に形成され得ることで、さらにプロセス過程を効果的に簡素化し、生産効率を向上させることができる。
【0047】
具体的には、プロセス過程では、まず、1層の導電材料層を形成し、次に導電材料層をパターニングすることで、第2導電部420と複数のサブ導電部411を形成するようにしてもよい。
【0048】
当然ながら、本実施例では、第1導電部410と第2導電部420は異なる成膜プロセス過程で段階的に形成され得る。このとき、第1導電部410の各サブ導電部411の基板100上での正投影と第2導電部420の基板100上での正投影は間隔をおいて設けられる。
【0049】
ただし、本実施例では、第1導電部410の正投影と第2導電部420の基板100上での正投影は間隔をおいて設けられる。しかし、本願はこれに限定されない。
【0050】
例えば、いくつかの実施例では、第1導電部410と第2導電部420は段階的に形成され得る。このとき、第1導電部410と第2導電部420はいずれも一体構造の形態として設けられてもよい。このとき、第1導電部410の基板100上での正投影と第2導電部420の基板100上での正投影が重なるか、又は部分的に重なるようにしてもよい。
【0051】
また例えば、いくつかの実施例では、第1導電部410と第2導電部420は段階的に形成され得る。このとき、別体構造の第1導電部410の基板100上での正投影と一体構造の第2導電部420の基板100上での正投影は互いに接続されてもよい。
【0052】
また、本実施例では、導電層400の別体構造の第1導電部410が電源端子に電気的に接続されるが、一体構造の第2導電部420が接地端子に電気的に接続される。このとき、さらに、半導体チップ上に本実施例の半導体構造が複数設けられる場合、複数の半導体構造の導電層200の第2導電部420は一体的に接続された一体構造であってもよい。
【0053】
当然ながら、半導体チップ上に本実施例の半導体構造が複数設けられる場合、複数の半導体構造の導電層200の第2導電部420は別体として設けられてもよいが、各半導体構造内の第2導電部420は一体構造である。
【0054】
また、本実施例では、別体構造の第1導電部410が接地端子に電気的に接続されるが、一体構造の第2導電部420が電源端子に電気的に接続されるように設けられてもよい。このとき、各半導体チップ上に本実施例の半導体構造が複数設けられる場合、複数の半導体構造の導電層200は互いに独立して設けられてもよい。
【0055】
一実施例では、引き続き
図3に示すように、上記実施例をもとに、各コンデンサユニット310は、並列接続して設けられる少なくとも2つのコンデンサデバイス311を備える。コンデンサ構造300内の各コンデンサデバイス311はM行N列のアレイ状に配置される。M及びNはいずれも2以上の整数である。
【0056】
アレイ状に配置されたコンデンサデバイス311によって、第1導電部410の各サブ導電部411及び第2導電部420のレイアウト設計を容易にすることができる。
【0057】
本実施例では、
図3及び
図5に併せて示すように、サブ導電部411は第1サブ部4111を備える。同一の第1サブ部4111は、互いに隣接し且つ中心対称に分布する4つのコンデンサデバイス311にわたって設けられる。このとき、同一の第1サブ部4111は同時に4つのコンデンサデバイス311に電気的に接続し、4つのコンデンサデバイス311に電源端子信号を提供し、さらにその多機能性を実現することができる。例として、第1サブ部4111は「工」字型を呈してもよい。
【0058】
このとき、さらに、各コンデンサデバイス311の4つの隅部がすべてサブ導電部411に電気的に接続されるように設けられ得ることで、各コンデンサデバイス311は電気信号を安定的かつ確実に得ることができる。
【0059】
サブ導電部411は、第1サブ部4111に加えて、隣接する2つのコンデンサデバイス311のみにわたって設けられる第2サブ部4112をさらに備えてもよいと理解されたい。第2サブ部4112はコンデンサ構造300のエッジに位置する隣接する2つのコンデンサデバイス311にわたって設けられてもよいが、第1サブ部4111は第1サブ部4112によって形成された環状領域の内部に位置してもよい。
【0060】
また、導電層400は第3導電部430をさらに備えてもよく、第3導電部430は隅部に位置するコンデンサ構造311の上方に設けられ得ることで、隅部に位置するコンデンサ構造311に電気的に接続される。
【0061】
一実施例では、
図3及び
図6に示すように、パッド構造200は第1金属層210を備える。第1金属層210の一端は電源端子に電気的に接続される。そして、第1金属層210の他端は第1ビア210aを介して各サブ導電部411に電気的に接続される。
【0062】
第1金属層210の設置によって、各サブ導電部411を簡単かつ効果的に電気的に接続することができるとともに、電源端子との電気的接続を実現することができる。このとき、別体構造の第1導電部410は電源端子に電気的に接続されるが、一体構造の第2導電部420は接地端子に電気的に接続される。
【0063】
一実施例では、同様に
図3及び
図6に示すように、パッド構造200は第1金属層210を備える。第1金属層210の一端は接地端子に電気的に接続される。そして、第1金属層210の他端は、第1ビア210aを介して各サブ導電部411に電気的に接続される。
【0064】
第1金属層210の設置によって、各サブ導電部411を簡単かつ効果的に電気的に接続することができるとともに、接地端子との電気的接続を実現することができる。このとき、別体構造の第1導電部410は接地端子に電気的に接続されるが、一体構造の第2導電部420は電源端子に電気的に接続される。
【0065】
一実施例では、
図1に示すように、パッド構造200は、第2金属層220、第3金属層230及び第4金属層240をさらに備える。第3金属層230は第3ビア230aを介して第2金属層220に接続され、第4金属層240は第4ビア240aを介して第3金属層230に接続される。
【0066】
複数の金属層の設置によって、パッド構造200の機械的強度を効果的に向上させることができ、それによりパッド構造200は、ワイヤボンディングプロセスによってパッケージ基板に電気的に接続される際に損傷しない。
【0067】
さらに、第2金属層220の基板100上での正投影の形状が環状であり、第2金属層220の基板100上での正投影がコンデンサ構造300の基板100上での正投影を取り囲むように設けられてもよい。
【0068】
このとき、環状の第2金属層220は、一方では、パッド構造200の機械的強度を確保することができ、他方では、ワイヤボンディングプロセス過程で圧力を受けることで、それによって取り囲まれるコンデンサ構造300がワイヤボンディング過程で損傷することを効果的に防止することもできる。
【0069】
さらに、第3金属層230の基板100上での正投影と第2金属層220の基板100上での正投影が重なるように設けられ得ることで、第2金属層230の作用をさらに強化する。
【0070】
一実施例では、パッド構造200は電源パッドである。このとき、以上説明したように、パッド構造200(具体的には、第4金属層240)は、リード線をボンディングすることでパッケージ基板に電気的に接続されてもよく、それにより対応する電源電圧(例えば、VDDQ、VPP、VDDなど)を得る。
【0071】
従って、このとき、パッド構造200は、チップ回路に電源電圧を入力するために用いられ、それによりチップ回路の1つの電源端子として機能できる。パッド構造200の第4金属層240は、パッケージ基板の対応する電源信号を受信し、順に第3金属層230と第2金属層220を介して電源信号をチップ回路に入力する。
【0072】
また、本実施例では、第2金属層220は、さらに第2ビアを介して第1金属層210に電気的に接続されることで、さらに各サブ導電部411に電気的に接続される。各サブ導電部411は、さらにコンデンサ構造300の各コンデンサデバイス311に電気的に接続される。
【0073】
従って、このとき、コンデンサ構造300の一端はその上のパッド構造200に電気的に接続されることで、パッド構造200によって入力される電源電圧を安定させる。
【0074】
一実施例では、パッド構造200は接地パッドである。このとき、以上説明したように、パッド構造200(具体的には、第4金属層240)は、リード線をボンディングすることでパッケージ基板に電気的に接続されることで接地されてもよい。
【0075】
従って、このとき、パッド構造200は、チップ回路の1つの接地端子として機能できる。パッド構造200の第2金属層220、第3金属層230及び第4金属層240は、順に電気的に接続され、第4金属層240を介してパッケージ基板に電気的に接続されることで接地される。
【0076】
また、本実施例では、第2金属層220は、さらに第2ビアを介して第1金属層210に電気的に接続されることで、さらに各サブ導電部411に電気的に接続される。各サブ導電部411は、さらにコンデンサ構造300の各コンデンサデバイス311に電気的に接続される。
【0077】
従って、このとき、コンデンサ構造300の一端が効果的に接地され得ることで、電源端子によって入力される電源電圧を安定させる。
【0078】
当然ながら、他の実施例では、パッド構造200は電源パッド及び/又は接地パッドではなくてもよい。このとき、電源端子及び/又は接地端子は、パッド構造200外の外部回路に位置してもよい。
【0079】
又は、パッド構造200が電源パッドである場合、電源端子はパッド構造200外の外部回路に位置してもよい。パッド構造200が接地パッドである場合、接地端子はパッド構造200外の外部回路に位置してもよいが、本願はこれを限定しない。
【0080】
ここで、パッド構造200外の外部回路とは、チップ回路中のパッド構造200と電気的接続関係を持たない回路であると理解されたい。
【0081】
一実施例では、コンデンサデバイス311はトランジスタ型のコンデンサを備える。
図7に示すように、トランジスタ型のコンデンサのゲート10は、コンデンサデバイスの第1極板3111を構成し、トランジスタ型のコンデンサのソース、ドレイン及び基板100の対応する部分はコンデンサデバイスの第2極板3112を構成する。別体構造の第1導電部410は電源端子に電気的に接続されるが、一体構造の第2導電部420は接地端子に電気的に接続される。
【0082】
図1、
図2及び
図3に示すように、半導体構造は保護リング500をさらに備える。保護リング500は、一端が基板100に接続される一方、他端が第2導電部420に接続されることにより、第2導電部を介して接地することができる。
【0083】
そして、保護リング500の基板100上での正投影は、コンデンサ構造300の基板100上での正投影を取り囲む。
図3は半導体構造の部分構造模式図であり、従って
図3の右側部分のみに保護リング500が示されていることが分かる。
【0084】
従って、本実施例では、保護リング50は、トランジスタ型のコンデンサのラッチアップ効果を効果的に防止することができる。
【0085】
また、保護リング500の設置によって、各トランジスタ型のコンデンサの第2極板3112としての基板部分を、保護リング500を介して統一的に第2導電部420に電気的に接続することができる。
【0086】
一実施例では、
図3及び
図8に示すように、コンデンサユニット310は少なくとも2つのトランジスタ型のコンデンサを備え、同一のコンデンサユニット310では、隣接する2つのトランジスタ型のコンデンサはソース20又はドレイン30を共有する。このとき、面積が一定である場合には、コンデンサの容量値を相対的に大きくすることができる。
【0087】
当然ながら、隣接する2つのトランジスタ型のコンデンサはソース又はドレインを共有しなくてもよく、本願はこれを限定しない。
【0088】
本明細書の説明では、「いくつかの実施例」、「他の実施例」、「一実施例」などの用語を参照する説明は、該実施例又は例を参照して説明される具体的な特徴、構造、材料又は様態が本発明の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書では、上記用語の例示的な説明は、必ずしも同じ実施例又は例を指すものではない。
【0089】
上記実施例の各技術的特徴を任意に組み合わせることができ、説明を簡潔にするために、上記実施例の各技術的特徴の可能な組合せのすべては説明していないが、これらの技術的特徴の組合せは、矛盾しない限り、本明細書に記載される範囲に属するとみなされる。
【0090】
上記実施例は、単に本願のいくつかの実施形態を示し、その説明は詳細であったが、出願の特許範囲を限定するものではないと理解すべきである。なお、当業者であれば、本願の趣旨を逸脱せずに種々の変形や改良を行うことができ、これらはすべて本願の特許に属する。従って、本願は添付の特許請求の範囲に準じるべきである。