(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】金属炉用の多目的ポンプ系及び関連方法
(51)【国際特許分類】
F27D 27/00 20100101AFI20240314BHJP
B01F 33/05 20220101ALI20240314BHJP
B22D 45/00 20060101ALI20240314BHJP
F04B 15/04 20060101ALI20240314BHJP
F04B 23/02 20060101ALI20240314BHJP
F27B 3/10 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
F27D27/00
B01F33/05
B22D45/00 B
F04B15/04
F04B23/02 Z
F27B3/10
(21)【出願番号】P 2022550136
(86)(22)【出願日】2021-02-16
(86)【国際出願番号】 US2021070157
(87)【国際公開番号】W WO2021174241
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-08-22
(32)【優先日】2020-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506110243
【氏名又は名称】ノベリス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NOVELIS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【氏名又は名称】江間 晴彦
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】オプデンドリース,ブレント
(72)【発明者】
【氏名】パルデシ,ラビンドラ タラチャンド
(72)【発明者】
【氏名】ジャクソン,ショーン
【審査官】國方 康伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-196807(JP,A)
【文献】特開2010-169381(JP,A)
【文献】特開2006-017348(JP,A)
【文献】特開平05-156378(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27D 17/00-99/00
B01F 29/00-33/87
B22D 33/00-47/02
F04B 9/00-15/08
F04B 23/00-23/14
F27B 1/00- 3/28
F27D 3/00- 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属炉用のポンプ系であって、
溶解材料を受容するように構成されるタンクチャンバを含むタンクと、
回転永久磁石を有するマグネチックスターラーと、
選択的に、前記タンクチャンバ内に位置決め可能であり、前記タンクチャンバから取り外し可能である、ミキサーと
を含み、
前記タンクは前記マグネチックスターラーの上で、かつ前記マグネチックスターラーが前記タンクチャンバの外側にあるように位置決めされ、前記マグネチックスターラーは前記タンクチャンバ内の前記溶解材料中に運動磁場を生成して、前記溶解材料中の運動を誘起するように構成され
、
前記ミキサーは本体を含み、
前記本体は、
前記本体の少なくとも一部を通って延在する供給路と、
前記本体の縁部内に画定される少なくとも1つの開口部と、
を含み、
前記少なくとも1つの開口部は、前記供給路と流体連通しており、前記ミキサーは、前記供給路及び前記少なくとも1つの開口部を介して前記タンクチャンバ内に注入可能な材料を選択的に供給するように構成される、前記ポンプ系。
【請求項2】
前記タンクは、
前記タンクチャンバと流体連通しており、前記タンクチャンバに入る溶解材料のために前記タンクチャンバへの流路を画定する流入口と、
前記タンクチャンバと流体連通しており、前記タンクチャンバを出る溶解材料のために前記タンクチャンバからの流路を画定する流出口と、
をさらに含み、
前記流入口に近接する前記タンクチャンバの横断寸法は、前記流出口に近接する前記タンクチャンバの横断寸法とは異なる、請求項1に記載のポンプ系。
【請求項3】
前記流入口の垂直方向位置は、前記流出口の垂直方向位置よりも低い、請求項2に記載のポンプ系。
【請求項4】
前記タンクチャンバのチャンバ表面は、前記流入口と前記流出口との間に非線形曲線を含む、請求項2に記載のポンプ系。
【請求項5】
前記流入口に近接する前記タンクチャンバの前記横断寸法は、前記流出口に近接する前記タンクチャンバの前記横断寸法よりも小さい、請求項2に記載のポンプ系。
【請求項6】
前記ミキサーは本体を含み、前記本体は前記本体の縁部に沿って1つ以上のフィンを含む、請求項
1に記載のポンプ系。
【請求項7】
前記縁部は、前記本体の長さに沿って1つ以上のフィンをさらに含む、請求項
1に記載のポンプ系。
【請求項8】
金属炉用のポンプ系であって、
タンクを含み、
前記タンクは、
溶解材料を受容するように構成されるタンクチャンバと、
前記タンクチャンバと流体連通しており、前記タンクチャンバに入る溶解材料のために前記タンクチャンバへの流路を画定する流入口と、
前記タンクチャンバと流体連通しており、前記タンクチャンバを出る溶解材料のために前記タンクチャンバからの流路を画定する流出口と、
を含み、
前記流入口に近接する前記タンクチャンバの横断寸法は、前記流出口に近接する前記タンクチャンバの横断寸法とは異な
り、
前記流入口の垂直方向位置は、前記流出口の垂直方向位置よりも低い、前記ポンプ系。
【請求項9】
前記流入口の垂直方向位置は、前記流出口の垂直方向位置よりも低い、請求項
8に記載のポンプ系。
【請求項10】
前記タンクチャンバのチャンバ表面は、前記流入口と前記流出口との間に非線形曲線を含む、請求項
8に記載のポンプ系。
【請求項11】
前記流入口に近接する前記タンクチャンバの前記横断寸法は、前記流出口に近接する前記タンクチャンバの前記横断寸法よりも小さい、請求項
8に記載のポンプ系。
【請求項12】
回転永久磁石を含むマグネチックスターラーをさらに含み、前記タンクは前記マグネチックスターラーの上で、かつ前記マグネチックスターラーが前記タンクチャンバの外側にあるように位置決めされ、前記マグネチックスターラーは前記タンクチャンバ内の前記溶解材料中に運動磁場を生成して、前記溶解材料中の運動を誘起するように構成される、請求項
8に記載のポンプ系。
【請求項13】
選択的に、前記タンクチャンバ内に位置決め可能であり、前記タンクチャンバから取り外し可能である、ミキサーをさらに含む、請求項
8に記載のポンプ系。
【請求項14】
前記ミキサーは本体を含み、前記本体は前記本体の縁部に沿って1つ以上のフィンを含む、請求項
13に記載のポンプ系。
【請求項15】
前記ミキサーは本体を含み、
前記本体は、
前記本体の少なくとも一部を通って延在する供給路と、
前記本体の縁部内に画定される少なくとも1つの開口部と、
を含み、
前記少なくとも1つの開口部は、前記供給路と流体連通しており、前記ミキサーは、前記供給路及び前記少なくとも1つの開口部を介して前記タンクチャンバ内に注入可能な材料を選択的に供給するように構成される、請求項
13に記載のポンプ系。
【請求項16】
前記縁部は、前記本体の長さに沿って1つ以上のフィンをさらに含む、請求項
15に記載のポンプ系。
【請求項17】
金属炉用のポンプ系であって、
溶解材料を受容するように構成されるタンクチャンバを含むタンクと、
選択的に、前記タンクチャンバ内に位置決め可能であり、前記タンクチャンバから取り外し可能であるミキサーであって、前記ミキサーは本体を含み、前記本体は前記本体の縁部に沿って1つ以上のフィンを含む、前記ミキサーと、
を含
み、
前記本体は、
前記本体の少なくとも一部を通って延在する供給路と、
前記本体の縁部内に画定される少なくとも1つの開口部と、
をさらに含み、
前記少なくとも1つの開口部は、前記供給路と流体連通しており、前記ミキサーは、前記供給路及び前記少なくとも1つの開口部を介して前記タンクチャンバ内に注入可能な材料を選択的に供給するように構成される、前記ポンプ系。
【請求項18】
回転永久磁石を含むマグネチックスターラーをさらに含み、前記タンクは前記マグネチックスターラーの上で、かつ前記マグネチックスターラーが前記タンクチャンバの外側にあるように位置決めされ、前記マグネチックスターラーは前記タンクチャンバ内の前記溶解材料中に運動磁場を生成して、前記溶解材料中の運動を誘起するように構成される、請求項
17に記載のポンプ系。
【請求項19】
前記タンクは、
前記タンクチャンバと流体連通しており、前記タンクチャンバに入る溶解材料のために前記タンクチャンバへの流路を画定する流入口と、
前記タンクチャンバと流体連通しており、前記タンクチャンバを出る溶解材料のために前記タンクチャンバからの流路を画定する流出口と、
をさらに含み、
前記流入口に近接する前記タンクチャンバの横断寸法は、前記流出口に近接する前記タンクチャンバの横断寸法とは異なる、請求項
17に記載のポンプ系。
【請求項20】
金属炉用のポンプ系であって、
溶解材料を受容するように構成されるタンクチャンバを含むタンクと、
選択的に、前記タンクチャンバ内に位置決め可能であり、前記タンクチャンバから取り外し可能であるミキサーであって、前記ミキサーは本体を含み、前記本体は前記本体の垂直方向縁部に沿って少なくとも1つの開口部を有する供給路を画定し、前記ミキサーは前記供給路及び前記少なくとも1つの開口部を介して前記タンクチャンバ内に注入可能な材料を選択的に供給するように構成される、前記ミキサーと、
を含む、前記ポンプ系。
【請求項21】
回転永久磁石を含むマグネチックスターラーをさらに含み、前記タンクは前記マグネチックスターラーの上で、かつ前記マグネチックスターラーが前記タンクチャンバの外側にあるように位置決めされ、前記マグネチックスターラーは前記タンクチャンバ内の前記溶解材料中に運動磁場を生成して、前記溶解材料中の運動を誘起するように構成される、請求項
20に記載のポンプ系。
【請求項22】
前記タンクは、
前記タンクチャンバと流体連通しており、前記タンクチャンバに入る溶解材料のために前記タンクチャンバへの流路を画定する流入口と、
前記タンクチャンバと流体連通しており、前記タンクチャンバを出る溶解材料のために前記タンクチャンバからの流路を画定する流出口と、
をさらに含み
前記流入口に近接する前記タンクチャンバの横断寸法は、前記流出口に近接する前記タンクチャンバの横断寸法とは異なる、請求項
20に記載のポンプ系。
【請求項23】
前記垂直方向縁部は、前記本体の長さに沿って位置決めされる1つ以上のフィンをさらに含む、請求項
20に記載のポンプ系。
【請求項24】
金属炉用のポンプ系のためのミキサーであって、
縁部を含む本体であって、前記縁部は前記本体の長さに沿って延在する、前記本体と、
前記本体の前記縁部に沿った少なくとも1つのフィンと、
前記本体を少なくとも部分的に通して延在し、前記本体の前記縁部内に画定される少なくとも1つの開口部を含む供給路と、
を含む、前記ミキサー。
【請求項25】
ポンプ系のタンクのタンクチャンバ内の溶解材料を炉から受容することと、
前記タンクチャンバ内の前記溶解材料中に混合流を発生させることであって、前記混合流を発生させることは、
前記ポンプ系のマグネチックスターラーの永久磁石を回転させて、前記タンクチャンバ内の前記溶解材料中に運動磁場を生成すること、及び
前記溶解材料中に運動を誘起するように前記運動磁場を制御することであって、前記タンクは、前記マグネチックスターラーが前記タンクチャンバの外側にあるように前記マグネチックスターラーの上に位置決めされる、前記制御すること、
を含む、前記発生させることと、
前記溶解材料を前記タンクから吐出することと、
前記混合流を発生させながら、前記注入可能な材料を前記溶解材料中に注入することであって、
ミキサーを前記タンクチャンバ内に、そして少なくとも部分的に前記溶解材料中に下げることであって、前記ミキサーは本体を含み、前記本体は前記本体を少なくとも部分的に通して延在し、前記本体の縁部内に画定される少なくとも1つの開口部を含む供給路を含む、前記下げることと、
注入可能な材料を、前記供給路を通して、前記少なくとも1つの開口部から出し、前記溶解材料中に注入することと、
によって、前記混合流を発生させながら、前記注入可能な材料を前記溶解材料中に注入すること
を含
み、
前記タンクは、
前記タンクチャンバと流体連通しており、前記タンクチャンバに入る溶解材料のために前記タンクチャンバへの流路を画定する流入口と、
前記タンクチャンバと流体連通しており、前記タンクチャンバを出る溶解材料のために前記タンクチャンバからの流路を画定する流出口と、
をさらに含む、方法。
【請求項26】
前記溶解材料中に前記混合流を発生させながら、前記タンクチャンバ内の前記溶解材料からドロスを除去することをさらに含む、請求項
25に記載の方法。
【請求項27】
前記混合流は二次混合流であり、
前記方法は、ミキサーを前記タンクチャンバ内に、そして少なくとも部分的に前記溶解材料中に下げることによって、前記溶解材料中に一次混合流を発生させることをさらに含み、
前記ミキサーは本体を含み、前記本体は前記ミキサーの長さに沿って延在する縁部を含み、前記縁部は1つ以上のフィンを含む、請求項
25に記載の方法。
【請求項28】
前記一次混合流を発生させながら、スクラップ材料を前記タンクチャンバ内に加えることをさらに含む、請求項
27に記載の方法。
【請求項29】
前記流入口から前記流出口に向けた前記溶解材料の流れを促進するように前記タンクチャンバの幾何学的形状を選択することをさらに含む、請求項
25に記載の方法。
【請求項30】
前記幾何学的形状を選択することは、前記流出口に近接する前記タンクチャンバの横断寸法とは異なる、前記流入口に近接する前記タンクチャンバの横断寸法を選択することを含む、請求項
29に記載の方法。
【請求項31】
前記幾何学的形状を選択することは、前記流入口に近接する前記タンクチャンバの横断寸法が前記流出口に近接する前記タンクチャンバの横断寸法より小さいように選択することを含む、請求項
30に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、2020年2月25日に出願され、「MULTI-PURPOSE PUMP SYSTEM FOR A METAL FURNACE AND RELATED METHODS」と題された米国仮出願第62/981,282号の利益を主張するものであり、その内容は、参照によりその全体が本明細書に援用されている。
【0002】
本出願は、金属炉に関し、さらに特に、金属炉用のポンプに関する。
【背景技術】
【0003】
典型的な金属炉は、溶解した金属などの溶解材料を保持する封入されたメインチャンバを含み、溶解状態を維持するのに十分な熱を生成する発熱体を含む。溶解材料を鋳造機に注ぎ、金属インゴットを製造することができる。場合によっては、チャージウェル、及びポンプウェルを備えた別個のポンプがメインチャンバと流体連通している。通常、ポンプは構成要素を含み、この構成要素は、溶解材料に直接接触して溶解材料を循環させる。特に、ポンプは、溶解材料を金属炉のメインチャンバから引き出し、次に溶解材料をチャージウェルに押し込み、金属炉のメインチャンバ内に戻すことができる。金属スクラップは、スクラップが溶解して溶解材料の一部となるチャージウェル内の溶解材料中に導入されることができる。チャージウェルがインペラを含むことが一般的であり、インペラは、チャージウェル内で回転して、溶解材料中に導入されるスクラップの混合及び浸漬を促進する。別個のドロスウェルは、チャージウェルとメインチャンバとの間に設けられることができ、ドロスがドロスウェル内の溶解材料の上面から採取されることができてから、メインチャンバに再循環される。
【発明の概要】
【0004】
本特許が包含する実施形態は、この発明の概要ではなく、以下の特許請求の範囲によって定義される。この発明の概要は、多様な実施形態の高次の概要であり、以下の発明を実施するための形態の項にさらに説明する概念のいくつかを紹介している。この発明の概要は、特許請求される主題の重要なまたは本質的な特徴を特定することを意図しておらず、特許請求される主題の範囲を決定するために単独で使用されることも意図していない。主題は、本特許の明細書全体、いずれかのまたは全ての図面、及び各請求項の適切な部分を参照することによって理解されるべきである。
【0005】
ある特定の実施形態によれば、金属炉用のポンプ系は、タンク及びマグネチックスターラーを含む。タンクは、溶解材料などの流体を受容するように構成されるタンクチャンバを含む。タンクは、マグネチックスターラーの上で、かつマグネチックスターラーがタンクチャンバの外側にあるように位置決めされる。マグネチックスターラーは、回転永久磁石を含み、マグネチックスターラーは、タンクチャンバ内の溶解材料中に運動磁場を生成して、溶解材料中の運動を誘起するように構成される。
【0006】
いくつかの実施形態によれば、金属炉用のポンプ系は、タンクチャンバ、流入口、及び流出口を含むタンクを含む。タンクチャンバは、溶解材料などの流体を受容するように構成される。流入口は、タンクチャンバと流体連通しており、タンクチャンバに入る溶解材料にタンクチャンバへの流路を画定する。流出口は、タンクチャンバと流体連通しており、タンクチャンバを出る溶解材料にタンクチャンバからの流路を画定する。流入口に近接するタンクチャンバの横断寸法は、流出口に近接するタンクチャンバの横断寸法とは異なる。
【0007】
さまざまな実施形態によれば、金属炉用のポンプ系は、タンク及びミキサーを含む。タンクは、溶解材料などの流体を受容するように構成されるタンクチャンバを含む。ミキサーは、選択的に、タンクチャンバ内に位置決め可能であり、タンクチャンバから取り外し可能であり、ミキサーは、本体の縁部に沿って1つ以上のフィンを含む本体を含む。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、金属炉用のポンプ系は、タンク及びミキサーを含む。タンクは、溶解材料などの流体を受容するように構成されるタンクチャンバを含む。ミキサーは、選択的に、タンクチャンバ内に位置決め可能であり、タンクチャンバから取り外し可能であり、ミキサーは本体を含み、本体は、本体の垂直方向縁部に沿って少なくとも1つの開口部を有する供給路を画定する。ミキサーは、供給路及び少なくとも1つの開口部を介してタンクチャンバ内に注入可能な材料を選択的に供給するように構成される。
【0009】
ある特定の実施形態によれば、金属炉用のポンプ系のミキサーは、縁部が本体の長さに沿って延在する本体、本体の縁部に沿った少なくとも1つのフィン、及び少なくとも部分的に本体を通して延在し、本体の縁部内に画定される少なくとも1つの開口部を含む供給路を含む。
【0010】
さまざまな実施形態によれば、方法は、炉から、ポンプ系のタンクのタンクチャンバ内の溶解材料を受容することを含む。また、方法は、タンクチャンバ内の溶解材料中に混合流を発生させることを含む。いくつかの例では、混合流を発生させることは、ポンプ系のマグネチックスターラーの永久磁石を回転させて、タンクチャンバ内の溶解材料中に運動磁場を生成すること、及び溶解材料中に運動を誘起するように運動磁場を制御することを含む。この方法は、溶解材料をタンクから吐出することを含み得る。
【0011】
本明細書に記載されているさまざまな実施態様は、追加のシステム、方法、特徴、及び利点を含むことができ、これらは必ずしも本明細書で明示的に開示することはできないが、以下の詳細な説明及び添付の図面を検討すれば、当業者には明らかであろう。すべてのそのようなシステム、方法、特徴、及び利点が、本開示の中に含まれ、かつ添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【0012】
本明細書は、以下の添付の図を参照しており、異なる図中での同様の参照番号の使用は、同様のまたは類似の構成要素を例示することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示の実施形態による、金属炉及びポンプ系を備えた金属溶解設備の図である。
【
図2】本開示の実施形態による、金属溶解設備のポンプ系の斜視図である。
【
図7】
図2のポンプ系の混合系のミキサーの断面図である。
【
図8】本開示の実施形態によるポンプ系のタンク及びマグネチックスターラーの側面図である。
【
図10】本開示の実施形態によるポンプ系の斜視図である。
【
図12】本開示の実施形態による、ポンプ系を備えたサイドウェル溶解炉の概略図である。
【
図13】本開示の実施形態による、ポンプ系を備えたデュアルチャンバ炉の概略図である。
【
図14】
図13のポンプ系を備えたデュアルチャンバ炉の別の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の実施形態の主題は、法定要件を満たすために特異性をもって本明細書に説明されているが、この説明は、必ずしも特許請求の範囲を限定することを意図していない。特許請求された主題は、他の方法で具現化され得、異なる要素またはステップを含み得、他の既存のまたは将来の技術と併せて使用され得る。この説明は、個々のステップの順序または要素の配置が明示的に記述されている場合を除き、多様なステップまたは要素の中のまたはそれらの間の特定の順序または配置を暗示するとして解釈されるべきではない。「上へ」、「下へ」、「上部」、「底部」、「左」、「右」、「前部」、及び「背部」などの方向の参照は、とりわけ構成要素及び方向が参照している1つの図(または複数の図)中に示され、説明される向きを参照することを意図している。
【0015】
本明細書で使用される場合、「横断寸法」は、構成要素の最も幅広い部分にわたる寸法を指す。横断寸法が構成要素の形状に依存し得ることが理解されよう。物体の直径は、横断寸法の一例である。したがって、以下の説明は直径を参照し得るが、タンクチャンバ、及び/またはポンプ系の構成要素の形状が限定するものとみなされないことが理解されよう。
【0016】
本明細書に記載されているのは、金属炉用のポンプ系及び関連方法である。ある特定の態様では、ポンプ系は、さまざまな金属を溶解するための溶解設備で利用されることができ、アルミニウムを溶解するための溶解設備に特に適していることができる。いくつかの例では、ポンプ系は、サイドウェル溶解炉またはデュアルチャンバ溶解炉を含むがこれらに限定されないリサイクル溶解炉で利用されることができる。それらのようなリサイクル溶解炉は、さまざまな形態のスクラップ(例えば、ライトゲージ、ミディアムゲージ、及びヘビーゲージ)を処理するように設計されることができる。本明細書に記載のポンプ系は、溶解材料中の金属スクラップの浸漬を改善することにより、金属スクラップの混合及び溶解を改善することができる。また、ポンプ系は、溶解材料中の添加剤(例えば、塩)の浸漬を改善することにより、溶解している間の溶解材料中へのそれらのような添加剤の混合を改善することができる。
【0017】
ポンプ系は、タンク及びマグネチックスターラーを含み得る。タンクはタンクチャンバを含み、溶解した金属などの溶解材料は、タンクチャンバ内に保持され、タンクチャンバを通してポンピングされ得る。マグネチックスターラーは回転永久磁石を含み、タンクは、回転永久磁石によって生成される運動磁場がタンクのタンクチャンバ内の溶解材料中の運動を誘起するようにマグネチックスターラーの上に位置決めされる。
【0018】
また、ポンプ系は、少なくとも1つのミキサーを含むミキサーアセンブリを含み得、少なくとも1つのミキサーは、ポンプ系の特定のプロセスのために選択的に、タンクチャンバ内に位置決め可能であり、タンクチャンバから取り外し可能である。ミキサーは、ミキサーの縁部に沿って少なくとも1つのフィンを備えた本体を有し、この本体は、ミキサーがタンクチャンバ内に下げられるときに溶解材料内で回転する流れを発生させ得る。また、ミキサーは供給路を含み得、この供給路は、本体内に少なくとも部分的に画定され、ミキサーがタンクチャンバ内に下げられるときに塩などの注入可能な材料をタンクチャンバ内に供給するために使用され得る。いくつかの例では、ミキサーは、ポンプ系のいくつかのプロセスのために降下位置にあり得(またはタンクチャンバ内に少なくとも部分的に位置決めされ得)、そしてポンプ系の他のプロセスのために上昇位置(またはタンクチャンバの外側)にあり得る。いくつかの非限定的な例として、ミキサーは、ドロスの採取及び/または一部のポンピングプロセスなどのプロセスのために上昇位置にあってもよく、ミキサーは、金属追加及び/または塩注入などのプロセスのために降下位置にあってもよい。他の例では、ミキサーは、所望の通り、上昇位置及び/または降下位置にあってもよい。
【0019】
本明細書に記載のポンプ系は、同じポンプ系で複数のプロセスを実行することを可能にすることにより、金属炉で使用されることができるよりコンパクトなシステムを提供することができる、及び/または既存の金属溶解設備内により簡単に後付けされることができる。また、ポンプ系は、特定のプロセス中(例えば、特定のポンピングプロセス、塩注入、スクラップ追加などの間)に溶解材料中の可動部品を省略してもよい。
【0020】
図1は、さまざまな実施形態による、金属炉102及びポンプ系104を含む炉設備100の一例を示す。金属炉102は、加熱され、溶解した金属(例えば、溶解アルミニウム)などの溶解材料の供給源を含むことができる。金属炉102は、サイドウェル溶解炉、デュアルチャンバ炉などを含むがこれらに限定されないさまざまなタイプの金属炉であり得る。金属炉102からの溶解した金属は、さまざまな鋳造技術によって金属インゴットを製造するために使用され得る。
【0021】
ポンプ系104は、タンク106、マグネチックスターラー108、及びミキサーアセンブリ110を含む。タンク106はタンクチャンバ114を含み、このタンクチャンバは、溶解材料が流入口コンジット116を介してタンク106に供給され得、タンク106から流出口コンジット118を介して除去され得るように、流入口コンジット116及び流出口コンジット118によって金属炉102と流体連通している。さまざまな例では、タンクチャンバ114の流入口122は、溶解材料がタンクチャンバ114内で上向き方向にポンピングされるように、タンクチャンバ114の流出口124の垂直方向位置より下の垂直方向位置にある。
【0022】
タンクチャンバ114は、チャンバ壁部126を有する。さまざまな例では、タンクチャンバ114の流入口122に近接するチャンバ壁部126の直径などの横断寸法は、タンクチャンバ114の流出口124に近接するチャンバ壁部126の横断寸法とは異なる。
図1の例では、流入口122に近接するチャンバ壁部126の横断寸法は、流出口124に近接するチャンバ壁部126の横断寸法よりも小さい。ある特定の態様では、少なくとも2つの異なる横断寸法を有するタンクチャンバ114は、タンクチャンバ114を通して溶解材料の運動をガイドする、及び/または改善することができる。また、少なくとも2つの異なる横断寸法を有するチャンバ壁部126は、ドロスの採取点を形成してドロス除去を容易にするように、特定のポンピング速度でタンクチャンバ114内の溶解材料の上面の形状(例えば、円錐形状を有する)を作り得る。いくつかの例では、特定のポンピング速度で、チャンバ壁部126は、ドロスのために採取点がタンクチャンバ114内の溶解材料の上面内に形成されてドロス除去を容易にするように、溶解材料の形状を作る。採取点は、ドロス除去装置(ロボットアーム、アルキメデス螺旋型アセンブリなどであるがこれらに限定されない)を用いてドロス除去を容易にすることができる。また、チャンバ壁部126が溶解材料中に渦を発生させ得ると、スクラップが溶解物表面上ではなく溶解物内に浸漬され得ることから、チャンバ壁部126は、タンクチャンバ114内により良いスクラップの浸漬を提供し得る。そのうえ、チャンバ壁部126は、チャンバ壁部126によって発生した渦が添加された材料(例えば、塩)を溶解物表面の下に浸漬させ得るため、混合プロセス(例えば、塩注入)中の混合を促進し得ることにより、溶解物表面上での捕捉による塩損失が最小になり得る、または低減し得ると、塩の消費量が少なくなり得る。また、チャンバ壁部126は、溶解材料中の混合が改善されるため、ドレン穴部の近くにドレンプラグを必要とせずに溶解材料のポンピングを任意選択で可能にすることにより、本来であればドレンプラグに関連する安全上の危険を低減させ得る。チャンバ壁部126の輪郭は、
図1では線形として示されるが、他の例では、そうである必要はなく、チャンバ壁部126の特定の輪郭は限定するものとみなされるべきではない。チャンバ壁部126の幾何学的形状は、タンクチャンバ114内の溶解した金属の流れを改善するように、及び/または溶解した金属がチャンバ壁部126を上昇して流出口124から吐出されることを確保するように、選択され得る。
【0023】
マグネチックスターラー108は永久磁石120を含み、永久磁石120は、運動磁場を生成するように軸を中心に回転可能である。
図1の例では、永久磁石120は、タンクチャンバ114の垂直軸130を中心に回転可能であるが、他の例では、永久磁石120は、所望の通り任意の軸を中心に回転可能であり得る。単一の永久磁石120が示されているが、他の例では、マグネチックスターラー108は、軸を中心に各回転可能である複数の永久磁石120を含み得る。さまざまな例では、回転永久磁石120によって生成される運動磁場がタンクチャンバ114内の溶解材料中の運動を誘起することにより、溶解材料を、タンクチャンバ114を通して流路に沿ってポンピングし(矢印128で表される)、溶解材料を再循環して金属炉102に戻すように、タンク106は、マグネチックスターラー108の上に支持される。
【0024】
ミキサーアセンブリ110は、少なくとも1つのミキサー112を含み、降下位置と上昇位置との間で可動である(矢印132で表される)。さまざまな例では、降下位置中に、少なくとも1つのミキサー112は、タンクチャンバ114内に少なくとも部分的に、及び/またはタンクチャンバ114内の溶解した金属内に少なくとも部分的に位置決めされ得、そして上昇位置中に、少なくとも1つのミキサー112は、タンクチャンバ114内の溶解した金属の上に、及び/またはタンクチャンバ114の外側に位置決めされ得る。ある特定の場合には、ミキサーアセンブリ110は、ポンプ系104のプロセスに応じて、上昇位置または降下位置にあり得る。いくつかの非限定的な例として、ミキサーアセンブリ110は、ある特定のポンピング及び/またはドロス採取プロセスのために上昇位置にあり得、ある特定のスクラップ追加または混合プロセス(塩注入など)のために降下位置にあり得る。
【0025】
ミキサーアセンブリ110は、所望の通り任意の数のミキサー112を含むことができるので、3つのミキサー112が
図1に示されているが、ミキサー112の数は限定するものとみなされるべきではない。複数のミキサー112が含まれる場合、ミキサー112は、ミキサー112が上昇位置と降下位置との間で一斉に可動であるように、共通基部134を介して相互連結されてもよい、またはそれと一体化して形成されてもよい。他の例では、各ミキサー112は、上昇位置と降下位置との間で、別のミキサー112に対して独立して可動であり得る。
【0026】
ミキサー112は、タンクチャンバ114の垂直軸130に対してさまざまな角度をなすことができる。さまざまな態様では、垂直軸130に対するミキサー112の角度は、タンクチャンバ114内の溶解材料の回転流特性を少なくとも部分的に制御し得る。
図1の例では、ミキサー112は、垂直軸130に実質的に平行であるが、他の例では、垂直軸130に実質的に平行である必要はない。いくつかの非限定的な例として、他の場合には、1つ以上のミキサー112は、垂直軸130に対して約15°、約30°、約45°、約60°などの角度をなし得る。複数のミキサー112が利用される場合、垂直軸130に対する1つのミキサー112の角度は、垂直軸130に対する別のミキサー112の角度と同じであってもよい、または異なってもよい。場合によっては、ミキサー112は、垂直軸130に対してそれぞれの角度で固定され得る。ただし、他の例では、1つ以上のミキサー112は、ミキサー112が所望の通り垂直軸130に対してある角度で位置決めされ得るように調整可能であり得る。
【0027】
図7を参照して以下でより詳細に論じられるように、各ミキサー112は、タンクチャンバ114内の溶解材料中にさまざまな注入可能な材料(例えば、塩)を加えるために使用され得る供給路を有し得る。さまざまな例では、ミキサー112が供給路を備えることで、注入可能な材料が溶解材料の溶解物表面の下に加えられることができると、金属表面上での捕捉による塩損失が最小になり得、塩消費量が少なくなり得る。さらに、または代替に、そのうえ
図7を参照して以下でより詳細に論じられるように、各ミキサー112は、溶解材料内に回転流を発生させるようにミキサー112の縁部に沿って1つ以上のフィンを有し得る。さまざまな例では、降下位置にあるミキサー112は、タンクチャンバ114内でそれらのおおまかな位置を維持することができる(例えば、それらはタンクチャンバ114内で静止していてもよい)。以下でより詳細に論じられるように、タンクチャンバ114内で(例えば、マグネチックスターラー108によって)流れる溶解材料は、ミキサー112の周りで流れることができ、ミキサー112の周りの溶解材料の流れは、溶解した金属内にさらなる回転流を発生させることができる。
【0028】
図2~7は、さまざまな実施形態によるポンプ系204の別の例を示す。ポンプ系204は、ポンプ系104と実質的に同様であり、タンク206、マグネチックスターラー208、及びミキサーアセンブリ210を含む。
【0029】
マグネチックスターラー208は、マグネチックスターラーと実質的に同様であり、回転可能な永久磁石を含む(示された図には見えない)。
【0030】
図4に最もよく示されるように、難分解性材料236はタンク206を支持することができ、さまざまな被覆材料238(例えば、鋼板または他の適切な材料)はタンク206及び難分解性材料236を封入することができる。
図5及び
図6に最もよく示されるように、タンクチャンバ214のチャンバ壁部226の輪郭は、
図1のチャンバ壁部126の輪郭とは異なり、流入口222に近接するチャンバ壁部226の部分と、流出口224に近接するチャンバ壁部226の部分との間で非線形である。タンクチャンバ114と同様に、流入口222に近接するタンクチャンバ214の横断寸法は、流出口224に近接するタンクチャンバ214の横断寸法よりも小さい。さまざまな例では、流入口222に近接する縮小した横断寸法を有するタンクチャンバ214は、流入口222から流出口224へのタンクチャンバ214を通した溶解材料の流れを促進し得る、及び/または改善し得る。前述されるように、タンクチャンバ214のチャンバ壁部の幾何学的形状は、タンクチャンバ214内の溶解した金属の流れを改善するように、及び/または溶解した金属がチャンバ壁部を上昇して流出口から吐出されることを確保するように、選択され得る。タンクチャンバ214のチャンバ壁部の幾何学的形状が溶解材料中に渦を発生させることができることで、溶解物内のスクラップの浸漬が改善されること、タンクを通して溶解した金属の流れが改善されること(例えば、ポンピングが改善されること)、タンクチャンバ内の溶解材料の混合が改善されること(及びタンクチャンバ内の金属凝固が減少すること)、及び/または溶解物中でのスクラップ及び/または他の注入可能な材料の混合が改善されることができる。
【0031】
タンク106と比較して、タンク206は、タンクチャンバ214の流出口224及びタンクチャンバ214の追加の流入口242と流体連通している追加のチャンバ240をも含む。ある特定の任意選択の例では、タンクチャンバ214を出る溶解材料の少なくとも一部は、追加のチャンバ240に迂回し、追加の流入口242を介して再循環してタンクチャンバ214内に戻され得る。他の例では、追加のチャンバ240は省略されてもよい。
【0032】
図2~4及び
図7に最もよく示されるように、ミキサーアセンブリ110と同様に、ミキサーアセンブリ210は、3つのミキサー212を含む。ミキサー212のそれぞれは、支持体252上に任意選択で支持される本体246を含む。さまざまな例では、本体246は、ミキサー212が降下位置と上昇位置との間で可動であるように、支持体252に沿って可動であるが、他の例では、本体246は支持体252に対して固定される(すなわち、可動ではない)。図示される例では、本体246は、支持体252に対して固定される。他の例では、支持体252は省略され得、そしてさまざまな他の適切な装置または機構は、所望の通り本体246を支持する、及び/または位置決めするために利用され得る。本体246は、第一縁部248、及び第一縁部248とは反対側の第二縁部250を有する。第一縁部248及び第二縁部250は、本体246の長さに沿って延在することができる。
【0033】
図7に最もよく示されるように、さまざまな例では、第二縁部250は、1つ以上のフィン256を含み得る。フィン256は、本体246と一体化して形成されてもよい、またはさまざまな適切な機構を介して本体246に結合される別個の構成要素であってもよい。
図7の例では、第二縁部250は7つのフィン256を含むが、フィン256の数は限定するものとみなされるべきではない。同様に、フィン256の形状、輪郭、またはパターンは、限定するものとみなされるべきではない。ミキサー212がタンクチャンバ214内の溶解材料中に下げられるとき、フィン256は溶解材料中に乱流及び/または回転流を発生することができることにより、タンクチャンバ214を通して流れる溶解した金属の混合及び/またはポンピングの増加がもたらされることができる。さまざまな態様では、フィン256によって発生する回転流は、ミキサー212上のフィン256の数、フィン256の輪郭もしくはパターン、ミキサーアセンブリ210を備えたミキサー212の数、タンクチャンバ214の垂直軸に対するミキサー212の角度、垂直軸に対するフィン256を備えた第二縁部250の向き(例えば、第二縁部250が半径方向内向き、半径方向外向き、時計回りの周方向、反時計回りの周方向などに面する)、またはミキサーアセンブリ210の他の特徴、のうちの1つ以上を制御することによって制御され得る。
【0034】
さらに、または代替に、各ミキサー212は供給路258を含み得、この供給路は、本体246を少なくとも部分的に通して延在し、本体246によって画定される1つ以上の開口部260と流体連通している。さまざまな例では、開口部260は、溶解材料の流れの内の前縁部または側面ではない本体246の縁部または側面(例えば、本体246の後縁部)内に画定され得る。
図2~7の例では、開口部260は、本体246の第二縁部250内に画定される。開口部260及び/または供給路258の数、形状、位置、及び輪郭は、限定するものとみなされるべきではない。例えば、他の場合には、各開口部260は、開口部260のために共通の供給路258を有するのではなく、専用の供給路258を有することができる。供給路258は、塩を含むがこれに限定されない注入可能な材料が供給路258及び開口部260を介して溶解材料中に選択的に供給され得るように、注入可能な材料の供給源262と流体連通していてもよい。複数のミキサー212を有する例では、ミキサー212のすべては供給路258及び開口部260を含んでもよい、またはミキサー212のサブセットは供給路258及び開口部260を含んでもよい。いくつかの非限定的な例では、ミキサー212が降下位置にあるときに、注入可能な材料は溶解材料に供給され得る。
【0035】
また、ミキサーアセンブリ210は、ドロス除去装置244を含む。ドロス除去装置244は、タンクチャンバ214内の溶解材料からドロスを除去するために任意の適切な装置または機構であり得る。
図2~7の例では、ドロス除去装置244はロボットアームであるが、他の例では、ドロス除去装置244は他の任意の適切な装置であり得る。別のドロス除去装置244の非限定的な例は、アルキメデス螺旋型アセンブリを含む。
【0036】
図8及び9は、タンク806及びマグネチックスターラー808を備えたポンプ系804の一部の別の例を示す。図示されていないが、ミキサーアセンブリ110またはミキサーアセンブリ210と同様のミキサーアセンブリは、ポンプ系804と共に利用されることができる。
【0037】
タンク806は、追加のチャンバ240が省略されていることを除いて、タンク206と実質的に同様である。
図9に最もよく示されるように、タンク206と同様に、タンク806のタンクチャンバ814のチャンバ壁部826の輪郭は、流入口822に近接するチャンバ壁部826の部分と、流出口824に近接するチャンバ壁部826の部分との間で非線形である。タンクチャンバ214及びタンクチャンバ114と同様に、流入口822に近接するタンクチャンバ814の横断寸法は、チャンバ壁部826がタンクチャンバ814の上面からタンクチャンバ814の底面に向けて狭くなるように、流出口824に近接するタンクチャンバ814の横断寸法よりも小さい。
【0038】
ポンプ系104及びポンプ系204と同様に、ポンプ系804のマグネチックスターラー808は軸を中心に回転可能な1つ以上の永久磁石を含み、マグネチックスターラー808は、回転永久磁石によって生成される運動磁場がタンク806のタンクチャンバ814内の溶解材料中の運動を誘起するように、タンク806より下に位置決めされる。
【0039】
図10及び11は、タンク1006、マグネチックスターラー1008、及びミキサーアセンブリ1010(
図11から省略されている)を備えたポンプ系1004の別の例を示す。ポンプ系1004は、炉1002と流体連通している。タンク1006は、前述のタンクと同様であり、流入口1022に近接するチャンバ壁部1026の部分と流出口1024に近接するチャンバ壁部1026の部分との間で非線形である輪郭を有するチャンバ壁部1026を含む。流入口1022に近接するタンクチャンバ1014の横断寸法は、チャンバ壁部1026がタンクチャンバ1014の上面からタンクチャンバ1014の底面に向けて狭くなるように、流出口1024に近接するタンクチャンバ1014の横断寸法よりも小さい。ミキサーアセンブリ110と同様に、ミキサーアセンブリ1010は、3つのミキサー1012を含み、ミキサー1012が溶解材料内に少なくとも部分的にあるように上昇位置と降下位置との間で可動である。
【0040】
図12は、主炉室1203を含むサイドウェル溶解炉1202を備えたポンプ系1204の一例を示す。1つ以上のバーナー1207または他の適切な発熱体は、溶解状態を生成するために設けられる。ポンプ系1204は、前述のポンプ系と実質的に同様であり、輪郭が流入口1222と流出口1224との間で非線形であるチャンバ壁部を有するタンク1206を含む。流入口1222に近接するタンクチャンバの横断寸法は、チャンバ壁部がタンクチャンバの上面からタンクチャンバの底面に向けて狭くなるように、流出口1224に近接するタンクチャンバの横断寸法よりも小さい。
図12には示されていないが、ポンプ系1204は、マグネチックスターラー及びミキサーアセンブリをも含む。溶解材料の流れは矢印1205で表され、流路は、主炉室1203からタンク1206へ、そして主炉室1203に戻るか、さらなる処理に向かうかいずれかであり得る。
図12に示されるように、金属スクラップ(矢印1211で表される)及び/または注入可能な材料(矢印1209で表される)などのさまざまな材料は、溶解プロセス中に加えられることができる。既存のサイドウェル溶解炉と比較して、ポンプ系1204を備えたサイドウェル溶解炉1202は、タンク1206内で渦が発生すると、スクラップが溶解物表面上ではなく溶解物の内部に浸漬され得るため、スクラップ1211のより良い浸漬を促進し得る。塩または他の注入可能な材料1209が同様により良く、溶解物表面の下に浸漬され、混合されることで、溶解物表面上での捕捉による塩の損失が最小にされ得ると、塩の消費量が少なくなり得る。タンク1206を用いて溶解材料の混合及びポンピングが改善されるため、ドレンプラグは任意選択で省略され得る。
【0041】
図13及び14は、スクラップチャンバ1313及び加熱チャンバ1315を含むデュアルチャンバ炉1302を備えたポンプ系1204の一例を示す。金属スクラップ1317(
図14を参照)は、スクラップチャンバ1313内に(金属スクラップ1211に加えて)導入され得る。溶解材料の流れは矢印1305で表され、流路は、スクラップチャンバ1313から加熱チャンバ1315へ、タンク1206へ、そしてスクラップチャンバ1313に戻ることができる。既存のデュアルチャンバ炉と比較して、ポンプ系1204を備えたデュアルチャンバ炉1302は、スクラップ1211及び/または他の注入可能な材料1209のより良い浸漬を促進し得る。また、デュアルチャンバ炉1302は、ポンプ系1204が開口系であり得、構成要素がより容易にアクセス可能であるため、既存のデュアルチャンバ炉と比較してより容易に洗浄され得る。
【0042】
図1に戻り参照すると、ポンプ系104を用いて溶解材料を処理する方法も提供される。ポンプ系104が参照されるが、特に明記されない限り、以下の説明がポンプ系204及びポンプ系804、または他のポンプ系に等しく適用可能であることが理解されよう。
【0043】
この方法は、タンク106のタンクチャンバ114内の炉102から溶解材料を受容することを含み得る。溶解材料を受容することは、回転または混合流がタンクチャンバ114内で発生するように、マグネチックスターラー108の永久磁石120を回転させることによって、溶解材料を炉102から流入口コンジット116及び流入口122を通してタンクチャンバ114内に引き込むことを任意選択で含み得る。
【0044】
さまざまな例では、この方法は、流入口122から流出口124にタンクチャンバ114を通して溶解材料の流れを制御することを含む。さまざまな態様では、溶解材料の流れを制御することは、永久磁石120の回転速度、永久磁石の回転軸、永久磁石の数、及び/またはタンクチャンバ114のチャンバ壁部126の輪郭のうちの1つ以上を制御することを含み得るが、これに限定されない。場合によっては、チャンバ壁部126の輪郭は、流入口122に近接するタンクチャンバ114の横断寸法が流出口124に近接するタンクチャンバ114の横断寸法よりも小さくなるように制御される。
【0045】
いくつかの任意選択の例では、この方法は、ドロス用のタンクチャンバ114内の溶解材料の上面内に採取点が形成され、ドロスの除去を容易にするようにマグネチックスターラー108を制御することによって溶解材料の流れを制御することを含む。この方法は、ドロス除去装置を使用して、溶解材料が流出口124からポンピングされる前に、溶解材料からドロスを除去することを含み得る。
【0046】
さまざまな例では、方法は、ミキサー112が少なくとも部分的に溶解材料内にあるように、ミキサーアセンブリ110の1つ以上のミキサー112を上昇位置から降下位置まで下げることを含み得る。ある特定の態様では、方法は、タンクチャンバ114に対するミキサー112の位置を実質的に維持することを含む(例えば、ミキサー112はタンクチャンバ114内で静止している)。
【0047】
ある特定の例では、各ミキサー112の本体の縁部は、1つ以上のフィンを含み得、1つ以上のフィンが溶解材料内に位置決めされると、溶解材料内に乱流及び/または追加の混合流(マグネチックスターラー108によって発生する流れに加えて)が発生し得る。任意選択で、方法は、ミキサー112上のフィンの数、フィンの輪郭もしくはパターン、ミキサーアセンブリ110を備えたミキサー112の数、タンクチャンバ114の垂直軸130に対するミキサー112の角度、もしくは垂直軸130に対するフィン1を備えた縁部の向き、またはミキサーアセンブリ110の他の特徴のうちの1つ以上を制御することにより、ミキサー112のフィンによって発生する追加の混合流を制御することを含み得る。
【0048】
いくつかの例では、方法は、ミキサー112が降下位置にある間に、タンクチャンバ114内の溶解材料にスクラップ材料を加えることを含み得る。さまざまな例では、方法は、ミキサー112が降下位置にある間に、注入可能な材料(塩などであるがこれに限定されない)を溶解材料中に注入することを含み得る。ある特定の態様では、注入可能な材料を注入することは、注入可能な材料を各ミキサー112の本体内に画定される供給路に供給することと、注入可能な材料を、供給路を通して、各ミキサー112の本体内に画定される1つ以上の開口部から出すように指向することとを含み得る。さまざまな場合には、注入可能な材料を注入することは、溶解材料中に注入される注入可能な材料の種類、注入可能な材料の流量もしくは供給速度、各ミキサー112の本体内に画定される開口部の数、またはミキサーアセンブリ110の他の特徴のうちの少なくとも1つを制御することを含み得る。ある特定の態様では、方法は、スクラップ材料を加えた後、及び/または注入可能な材料を注入した後、ミキサーアセンブリ110を降下位置から上昇位置まで上昇させることを含み得る。
【0049】
本明細書に記載された概念による、さまざまな例示的な実施形態のさらなる説明を提供する 「例示」として明示的に列挙された少なくともいくつかを含む、例示的な実施形態の集合体が以下に提供される。これらの例示は、相互に排他的、網羅的、または限定的であることを意図するものではなく、本開示は、これらの例の例示に限定されるのではなく、むしろ発行された特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内の全ての実現可能な修正形態及び変形形態を包含する。
【0050】
例示1.金属炉用のポンプ系であって、溶解材料を受容するように構成されるタンクチャンバを含むタンクと、回転永久磁石を含むマグネチックスターラーとを含み、前記タンクは前記マグネチックスターラーの上で、かつ前記マグネチックスターラーが前記タンクチャンバの外側にあるように位置決めされ、前記マグネチックスターラーは前記タンクチャンバ内の前記溶解材料中に運動磁場を生成して前記溶解材料中に運動を誘起するように構成される、前記ポンプ系。
【0051】
例示2.前記タンクは、前記タンクチャンバと流体連通しており、前記タンクチャンバに入る溶解材料のために前記タンクチャンバへの流路を画定する流入口と、前記タンクチャンバと流体連通しており、前記タンクチャンバを出る溶解材料のために前記タンクチャンバからの流路を画定する流出口と、をさらに含み、前記流入口に近接する前記タンクチャンバの横断寸法は、前記流出口に近接する前記タンクチャンバの横断寸法とは異なる、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載のポンプ系。
【0052】
例示3.前記流入口の垂直方向位置は、前記流出口の垂直方向位置よりも低い、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載のポンプ系。
【0053】
例示4.前記タンクチャンバのチャンバ表面は、前記流入口と前記流出口との間に非線形曲線を含む、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載のポンプ系。
【0054】
例示5.前記流入口に近接する前記タンクチャンバの前記横断寸法は、前記流出口に近接する前記タンクチャンバの前記横断寸法よりも小さい、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載のポンプ系。
【0055】
例示6.選択的に、前記タンクチャンバ内に位置決め可能であり、前記タンクチャンバから取り外し可能であるミキサーをさらに含む、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載のポンプ系。
【0056】
例示7.前記ミキサーは本体を含み、前記本体は、前記本体の縁部に沿って1つ以上のフィンを含む、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載のポンプ系。
【0057】
例示8.前記ミキサーは本体を含み、前記本体は、前記本体の少なくとも一部を通して延在する供給路と、前記本体の縁部内に画定される少なくとも1つの開口部とを含み、前記少なくとも1つの開口部は前記供給路と流体連通しており、前記ミキサーは前記供給路及び前記少なくとも1つの開口部を介して前記タンクチャンバ内に注入可能な材料を選択的に供給するように構成される、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載のポンプ系。
【0058】
例示9.前記縁部は、前記本体の長さに沿って1つ以上のフィンをさらに含む、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載のポンプ系。
【0059】
例示10.金属炉用のポンプ系であって、タンクを含み、前記タンクは、溶解材料を受容するように構成されるタンクチャンバと、前記タンクチャンバと流体連通しており、前記タンクチャンバに入る溶解材料のために前記タンクチャンバへの流路を画定する流入口と、前記タンクチャンバと流体連通しており、前記タンクチャンバを出る溶解材料のために前記タンクチャンバからの流路を画定する流出口とを含み、前記流入口に近接する前記タンクチャンバの横断寸法は、前記流出口に近接する前記タンクチャンバの横断寸法とは異なる、前記ポンプ系。
【0060】
例示11.前記流入口の垂直方向位置は、前記流出口の垂直方向位置よりも低い、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載のポンプ系。
【0061】
例示12.前記流入口の垂直方向位置は、前記流出口の垂直方向位置よりも低い、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載のポンプ系。
【0062】
例示13.前記タンクチャンバのチャンバ表面は、前記流入口と前記流出口との間に非線形曲線を含む、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載のポンプ系。
【0063】
例示14.前記流入口に近接する前記タンクチャンバの前記横断寸法は、前記流出口に近接する前記タンクチャンバの前記横断寸法よりも小さい、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載のポンプ系。
【0064】
例示15.回転永久磁石を含むマグネチックスターラーをさらに含み、前記タンクは前記マグネチックスターラーの上で、かつ前記マグネチックスターラーが前記タンクチャンバの外側にあるように位置決めされ、前記マグネチックスターラーは前記タンクチャンバ内の前記溶解材料中に運動磁場を生成して、前記溶解材料中の運動を誘起するように構成される、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載のポンプ系。
【0065】
例示16.選択的に、前記タンクチャンバ内に位置決め可能であり、前記タンクチャンバから取り外し可能であるミキサーをさらに含む、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載のポンプ系。
【0066】
例示17.前記ミキサーは本体を含み、前記本体は、前記本体の縁部に沿って1つ以上のフィンを含む、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載のポンプ系。
【0067】
例示18.前記ミキサーは本体を含み、前記本体は、前記本体の少なくとも一部を通して延在する供給路と、前記本体の縁部内に画定される少なくとも1つの開口部とを含み、前記少なくとも1つの開口部は前記供給路と流体連通しており、前記ミキサーは前記供給路及び前記少なくとも1つの開口部を介して前記タンクチャンバ内に注入可能な材料を選択的に供給するように構成される、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載のポンプ系。
【0068】
例示19.前記縁部は、前記本体の長さに沿って1つ以上のフィンをさらに含む、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載のポンプ系。
【0069】
例示20.金属炉用のポンプ系であって、溶解材料を受容するように構成されるタンクチャンバを含むタンクと、選択的に、前記タンクチャンバ内に位置決め可能であり、前記タンクチャンバから取り外し可能であるミキサーとを含み、前記ミキサーは本体を含み、前記本体は前記本体の縁部に沿って1つ以上のフィンを含む、前記ポンプ系。
【0070】
例示21.回転永久磁石を含むマグネチックスターラーをさらに含み、前記タンクは前記マグネチックスターラーの上で、かつ前記マグネチックスターラーが前記タンクチャンバの外側にあるように位置決めされ、前記マグネチックスターラーは前記タンクチャンバ内の前記溶解材料中に運動磁場を生成して、前記溶解材料中の運動を誘起するように構成される、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載のポンプ系。
【0071】
例示22.前記タンクは、前記タンクチャンバと流体連通しており、前記タンクチャンバに入る溶解材料のために前記タンクチャンバへの流路を画定する流入口と、前記タンクチャンバと流体連通しており、前記タンクチャンバを出る溶解材料のために前記タンクチャンバからの流路を画定する流出口と、をさらに含み、前記流入口に近接する前記タンクチャンバの横断寸法は、前記流出口に近接する前記タンクチャンバの横断寸法とは異なる、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載のポンプ系。
【0072】
例示23.前記本体は、前記本体の少なくとも一部を通して延在する供給路と、前記本体の縁部内に画定される少なくとも1つの開口部とをさらに含み、前記少なくとも1つの開口部は前記供給路と流体連通しており、前記ミキサーは前記供給路及び前記少なくとも1つの開口部を介して前記タンクチャンバ内に注入可能な材料を選択的に供給するように構成される、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載のポンプ系。
【0073】
例示24.金属炉用のポンプ系であって、溶解材料を受容するように構成されるタンクチャンバを含むタンクと、選択的に、前記タンクチャンバ内に位置決め可能であり、前記タンクチャンバから取り外し可能であるミキサーであって、前記ミキサーは本体を含み、前記本体は前記本体の垂直方向縁部に沿って少なくとも1つの開口部を有する供給路を画定し、前記ミキサーは前記供給路及び前記少なくとも1つの開口部を介して前記タンクチャンバ内に注入可能な材料を選択的に供給するように構成される、前記ミキサーとを含む、前記ポンプ系。
【0074】
例示25.回転永久磁石を含むマグネチックスターラーをさらに含み、前記タンクは前記マグネチックスターラーの上で、かつ前記マグネチックスターラーが前記タンクチャンバの外側にあるように位置決めされ、前記マグネチックスターラーは前記タンクチャンバ内の前記溶解材料中に運動磁場を生成して、前記溶解材料中の運動を誘起するように構成される、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載のポンプ系。
【0075】
例示26.前記タンクは、前記タンクチャンバと流体連通しており、前記タンクチャンバに入る溶解材料のために前記タンクチャンバへの流路を画定する流入口と、前記タンクチャンバと流体連通しており、前記タンクチャンバを出る溶解材料のために前記タンクチャンバからの流路を画定する流出口と、をさらに含み、前記流入口に近接する前記タンクチャンバの横断寸法は、前記流出口に近接する前記タンクチャンバの横断寸法とは異なる、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載のポンプ系。
【0076】
例示27.前記垂直方向縁部は、前記本体の長さに沿って位置決めされる1つ以上のフィンをさらに含む、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載のポンプ系。
【0077】
例示28.金属炉用のポンプ系のミキサーであって、本体の長さに沿って延在する縁部を備えた前記本体、前記本体の前記縁部に沿った少なくとも1つのフィン、及び少なくとも部分的に前記本体を通して延在し、前記本体の前記縁部内に画定される少なくとも1つの開口部を含む供給路を含む、前記ミキサー。
【0078】
例示29.炉から、ポンプ系のタンクのタンクチャンバ内の溶解材料を受容することと、前記タンクチャンバ内の前記溶解材料中に混合流を発生させることであって、前記混合流を発生させることは前記ポンプ系のマグネチックスターラーの永久磁石を回転させて前記タンクチャンバ内の前記溶解材料中に運動磁場を生成すること、及び前記溶解材料中に運動を誘起するように前記運動磁場を制御することを含み、前記タンクは、前記マグネチックスターラーが前記タンクチャンバの外側にあるように前記マグネチックスターラーの上に位置決めされる、前記発生させることと、前記溶解材料を前記タンクから吐出することと、を含む、方法。
【0079】
例示30.前記溶解材料中に前記混合流を発生させながら、前記タンクチャンバ内の前記溶解材料からドロスを除去することをさらに含む、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0080】
例示31.前記混合流は二次混合流であり、前記方法は、ミキサーを前記タンクチャンバ内に、そして少なくとも部分的に前記溶解材料中に下げることによって、前記溶解材料中に一次混合流を発生させることをさらに含み、前記ミキサーは本体を含み、前記本体は前記ミキサーの長さに沿って延在する縁部を含み、前記縁部は1つ以上のフィンを含む、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0081】
例示32.前記一次混合流を発生させながら、前記タンクチャンバ内にスクラップ材料を加えることをさらに含む、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0082】
例示33.ミキサーを前記タンクチャンバ内に、そして少なくとも部分的に前記溶解材料中に下げることであって、前記ミキサーは本体を含み、前記本体は前記本体を少なくとも部分的に通して延在し、前記本体の縁部内に画定される少なくとも1つの開口部を含む供給路を含む、前記下げることと、注入可能な材料を、前記供給路を通して、前記少なくとも1つの開口部から出して、前記溶解材料中に注入することと、によって前記混合流を発生させながら、前記注入可能な材料を前記溶解材料中に注入することをさらに含む、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0083】
例示34.前記流入口から前記流出口に向けて前記溶解材料の流れを促進するように前記タンクチャンバの幾何学的形状を選択することをさらに含む、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0084】
例示35.前記幾何学的形状を選択することは、前記流出口に近接する前記タンクチャンバの横断寸法とは異なる、前記流入口に近接する前記タンクチャンバの横断寸法を選択することを含む、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0085】
例示36.前記幾何学的形状を選択することは、前記流入口に近接する前記タンクチャンバの横断寸法が前記流出口に近接する前記タンクチャンバの横断寸法より小さいように選択することを含む、先行または後続の例示または例示の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0086】
上記の態様は、実施態様の単なる可能な例であり、本開示の原理を明確に理解するために単に記述されている。本開示の趣旨及び原理から実質的に逸脱することなく、上述の実施形態(複数可)に多くの変形及び修正を加えることができる。そのような全ての修正及び変形は、本開示の範囲内で本明細書に含まれることが意図され、要素またはステップの個々の態様または組み合わせに対する全ての考えられる請求は、本開示によって裏付けられることが意図される。さらに、特定の用語が本明細書及び以下の特許請求の範囲で使用されているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用されており、説明された実施形態または以下の特許請求の範囲を限定する目的ではない。