(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】作業機械のための下部走行体
(51)【国際特許分類】
B62D 55/10 20060101AFI20240314BHJP
E02F 9/02 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
B62D55/10 B
E02F9/02 C
B62D55/10 A
(21)【出願番号】P 2022551337
(86)(22)【出願日】2021-02-26
(86)【国際出願番号】 EP2021054864
(87)【国際公開番号】W WO2021175718
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2022-09-21
(31)【優先権主張番号】202020101133.2
(32)【優先日】2020-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501190549
【氏名又は名称】リープヘル-ヴェルク ネンツィング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミーチュニッヒ ヴァルター
(72)【発明者】
【氏名】トーゲレ リヒャート
(72)【発明者】
【氏名】バーゲア ロバート
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-196274(JP,U)
【文献】特開2018-008643(JP,A)
【文献】特開2008-221903(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 55/10
E02F 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械
のための下部走行体であって、
前記作業機械の上部構造体を受けるための中央フレーム部(10)と、
前記中央フレーム部(10)に取り付け可能な延長されたストラット要素(30)と、
クローラチェーン(33)を運ぶためのクローラキャリア(20)と、を備え、
前記クローラキャリア(20)は、前記ストラット要素(30)を案内するためのカットアウト(24)を有し、
前記ストラット要素(30)は、前記クローラキャリア(20)を前記ストラット要素(30)の異なる長手位置に固定するために、その長手方向に沿って互いに離間された複数のラッチ要素(25,26)を有する、ことを特徴とする下部走行体。
【請求項2】
前記互いに離間された複数のラッチ要素(25,26)は、ピン(44)を受けるためのピン穴である、請求項1に記載の下部走行体。
【請求項3】
前記クローラキャリア(20)は、前記クローラキャリア(20)に導入される又は前記クローラキャリア(20)に案内される前記ストラット要素(30)を固定するためのラッチ要素(27)を有
する、請求項1又は2に記載の下部走行体。
【請求項4】
前記クローラキャリア(20)は、ピン接続によって
、前記ストラット要素(30)に固定されて
いる、請求項1から3のいずれか1つに記載の下部走行体。
【請求項5】
前記ストラット要素(30)は、前記ストラット要素(30)から外方に突出して前記クローラキャリア(20)を好ましい固定位置に位置合わせする位置決めカム(36,38,40,42)を有
する、請求項1から4のいずれか1つに記載の下部走行体。
【請求項6】
前記クローラキャリア(20)は
、前記ストラット要素(30)から突出する位置決めカム(36,38,40,42)を受けて、前記ストラット要素(30)を案内又は導入するための前記カットアウト(24)の周囲領域において前記ストラット要素(30)の好ましい固定位置に前記クローラキャリア(20)を位置合わせするために、
前記ストラット要素(30)の導入又は案内方向に対して平行に延びる爪状凹部(37,39,41,43)を有する、請求項1から5のいずれか1つに記載の下部走行体。
【請求項7】
前記中央フレーム部(10)は、前記ストラット要素(30)の取り付けのために前記ストラット要素(30)の横ピン(34)を受けるための爪状の略半円の捕捉面(22)を有
する、請求項1から6のいずれか1つに記載の下部走行体。
【請求項8】
前記ストラット要素(30)と前記中央フレーム部(10)との剛性接続は、前記横ピン(34)の前記捕捉面(22)への配置、及
びストラット側及びフレーム側に存在
す
るピン穴(23,35)の位置合わせされた配向に機能する、前記捕捉面(22)に配置された前記ストラット要素(30)の対応する旋回移動、の後に行われる、請求項7に記載の下部走行体。
【請求項9】
前記ストラット要素(30)は、前記クローラキャリア(20)の通路に押し込まれており、前記クローラキャリア(20)の前記中央フレーム部(10)からの間隔、すなわち前記作業機械のトラック幅は、可変であり
、前記長手方向に互いに離間した、前記ストラット要素(30)の複数の前記ラッチ要素(25,26)
によって可変である、請求項1から8のいずれか1つに記載の下部走行体。
【請求項10】
前記ストラット要素(30)は、前記クローラキャリア(20)に押し込まれており、挿入されたピン(44)により前記ストラット要素からのスライドも不可能である、請求項1から9のいずれか1つに記載の下部走行体。
【請求項11】
前記ストラット要素(30)は、前記クローラキャリア(20)を前記ストラット要素(30)の異なる長手位置に固定するために、その長手方向に沿って互いに離間した少なくとも3つのラッチ要素(25,26)を有する、請求項1から10のいずれか1つに記載の下部走行体。
【請求項12】
前記中央フレーム部に取り付けられ得る複数のストラット要素
が設けられており、複数の前記ストラット要素の各々は、クローラキャリアのカットアウトと協働する、請求項1から11のいずれか1つに記載の下部走行体。
【請求項13】
前記中央フレーム部(10)は、実質的に平行六面体形状の基本設計を有し、前記クローラキャリア(20)の前記カットアウト(24)と協働する場合に、少なくとも1つ
のストラット要素(30)を取り付けるために、その反対側に配置された2つの側面で構成されている、請求項1から12のいずれか1つに記載の下部走行体。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1つに記載の下部走行体を備える作業機
械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械のための、特にクローラクレーンのようなクローラ車両のための、下部走行体に関する。
【背景技術】
【0002】
クローラ車両は、原則として、それらの作業の遂行中、それら自身のクローラ上に立っている。これは、例えば、クローラクレーンが、いかなる支持をも必要とせず、上昇した荷重にもかかわらず移動可能なままであるという、利点をもたらす。クローラの長さ及びクローラアセンブリの相互間隔、すなわちクローラチェーンを架けられたクローラキャリアは、クレーン展開中におけるクレーン傾斜縁部の決定に不可欠なパラメータである。
【0003】
傾斜安定性は、クローラアセンブリ間の間隔が増大するにつれて、明らかに増大するが、しかしながら、同時増大は、クローラクレーンの移動幅の不利な損傷を生成する。大きな移動幅は、一方では、破壊的な縁部間の必要なクリアランス幅に関して、破壊的であり、他方では、リスクを伴うことなく、建設現場で、クローラが設けられた車両を移動することができるように、より広いトラックが必然的に設けられなければならない。地面の定格容量は、特に、クローラによって引き起こされる地面圧力を吸収するように、確保されなければならない。原則として、この目的のために、地面のコンパクティングが必要である。したがって、クレーンの安定性及び必要な移動幅の異なる目的は、しばしば、本配備のためにどの構成がより適しているかについて適切な決定を行うために、互いに対して重み付けされなければならない。
【0004】
したがって、特定の展開環境に応じて選択される可変トラック幅を可能にすることが、有利である。しかしながら、この可変性は、異なる下部走行体が、トラック幅を変更するために利用可能に保たれているので、又は例えばEP0590123B1号のように、クローラアセンブリが、クローラシャーシの中央フレーム部に取り付けられた平行四辺形コネクティングロッドを介して調整されているので、従来技術の欠点を伴って得られる。
【0005】
異なるトラック幅のために複数の異なる下部走行体を利用可能に保つことは、困難な物流労力を表し、また、トラックの調整のための大規模な再構築を常に必要とする。
【0006】
下部走行体の中央フレーム部に平行四辺形コネクティングロッドを設けるなど、トラックの調整のための従来技術からさらに知られている機構は、中央フレーム部の著しい重量増大をもたらし、通常では輸送のために設けられなければならないクローラアセンブリの解体時に、中央フレーム部は、輸送をより困難にする非常に高い重量を、有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、上記の欠点を克服して、それにもかかわらず、可能な限り小さな作業労力で可変トラック幅を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これは、請求項1の全ての特徴を有する、作業機械のための下部走行体を用いて、行われる。
【0009】
したがって、作業機械、特にクローラクレーンのようなクローラ車両のための下部走行体は、前記作業機械の上部構造体を受けるための中央フレーム部と、前記中央フレーム部に取り付け可能な延長された少なくとも1つのストラット要素と、クローラチェーンを運ぶための少なくとも1つのクローラキャリアと、を備える。前記下部走行体において、前記クローラキャリアは、前記ストラット要素を介して案内するためのカットアウトを有し、前記ストラット要素は、好ましくは、前記クローラキャリアの前記カットアウトに案内されており、前記ストラット要素は、前記クローラキャリアを前記ストラット要素の異なる長手位置に固定するために、その長手方向に沿って互いに離間された複数のラッチ要素を有する、ことを特徴とする。
【0010】
一方では、中央フレーム部に取り付けられ得るストラット要素によって、クローラアセンブリの解体時にストラット要素が中央フレーム部から取り外され得ることが、可能になり、中央フレーム部の重量及び寸法は、輸送のために可能な限り小さくなる。他方では、クローラキャリアをストラット要素の異なる長手位置に固定するために、ストラット要素が、その長手方向に沿って互いに離間された複数のラッチ要素を、有するので、クローラキャリアのカットアウトに案内されるストラット要素は、下部走行体の所望のトラック幅に対して可変性を生成する。
【0011】
ここで、クローラキャリア及びストラット要素は、共通のアセンブリを表し、大規模な再構築手段によってのみ、互いから分離され得る。しかしながら、通常の状況下では、ストラット要素が、クローラキャリアのカットアウトに確かに変位可能に配置されているが、カットアウトから引き出され得ないので、ストラット要素とクローラキャリアとのいかなる分離も存在しない場合がある。
【0012】
本発明によれば、非常に短い通知で、すなわち中央フレーム部に対するクローラアセンブリの取付の直前に、下部走行体がどのトラック幅を有するべきかの決定がなされ得る、という利点がある。本発明によれば、トラックの可変性が、中央部の設計とは独立して行われるので、異なる設計の中央フレーム部を利用可能に保つことは、もはや必要でない。
【0013】
本発明によれば、前記互いに離間された複数のラッチ要素は、ピンを受けるためのピン穴でもよい。
【0014】
したがって、ストラット要素がクローラキャリアのカットアウトにどのくらい深く貫入するか、又はストラット要素がカットアウトにどこまで押され込むかが、少なくとも1つのピンの助けを借りて、設定され得る。クローラキャリアの中央フレーム部からの間隔は、これに応じて変化する。異なる固定点を実装するために、又はクローラキャリアのストラット要素若しくはラッチ要素の長手軸に配置するために、例えば、互いに離間されたピン穴が、ストラット要素の長手方向に設けられてもよい。対応するピン穴がクローラキャリアに同様に存在する場合、クローラキャリアをストラット要素に固定するピン接続には、ピンを挿入することによる、ストラット側のピン穴とキャリア側のピン穴との位置合わせされた配向が、設けられ得る。ここで、より確実な固定を得るために、複数のピン穴又はラッチ要素が、ストラット要素の合同の長手位置に、設けられ得ることは、明らかである。
【0015】
既に簡単に説明されたように、したがって、前記クローラキャリアは、前記クローラキャリアに導入される又は前記クローラキャリアに案内される前記ストラット要素を固定するためのラッチ要素を有してもよく、前記ラッチ要素は、好ましくは、ピンを受けるためのピン穴でもよい。
【0016】
したがって、前記クローラキャリアは、ピン接続によって、好ましくは、前記ストラット要素及び前記クローラキャリアにおいて互いに対応するピン穴の位置合わせされた配向によって、前記ストラット要素に固定されてもよく、ピンは、互いに位置合わせされた前記ピン穴に挿入されてもよい。
【0017】
本発明の有利な変形例によれば、前記ストラット要素は、前記ストラット要素から外方に突出して前記クローラキャリアを好ましい固定位置に位置合わせする位置決めカムを有してもよく、前記位置決めカムは、好ましくは、前記ストラット要素の長手方向に対して垂直に突出してもよい。
【0018】
ここで、この位置決めカムは、カットアウトの前側と協働することができ、例えば、それに当接することができ、これにより、ストラット要素におけるクローラキャリアの複数の固定位置のうちの1つが達せられたことが、示される。
【0019】
さらに、前記クローラキャリアは、前記ストラット要素の導入又は案内方向に対して平行に延びる爪状凹部を有してもよく、前記ストラット要素から突出する位置決めカムを受けて、前記ストラット要素を案内又は導入するための前記カットアウトの周囲領域において前記ストラット要素の好ましい固定位置に前記クローラキャリアを位置合わせするために、少なくとも1つの前記爪状凹部は、好ましくは、前記周囲領域において前記カットアウトの両側に設けられてもよい。
【0020】
ここで、ストラット要素の位置決めカムが、カットアウトの前側周囲部に設けられた凹部と協働する場合、それは、有利には、カットアウトにおけるストラット要素の正確な位置合わせをもたらすことができ、又はカットアウトにおけるストラット要素の正確な中心合わせに寄与することができる。ここで、前側に設けられた凹部は、マウントに挿入されたストラット要素の長手方向と平行に、延びることができる。換言すると、カットアウトの前縁部の凹部は、クローラキャリアの長手方向に対して垂直に延びることができ、爪状凹部は、位置決めカムと協働して、位置合わせ効果、例えば、カットアウトにおけるストラット要素の中心合わせを、生成することができる。
【0021】
ここで、カットアウトの2つの前側それぞれには、少なくとも1つの凹部が設けられてもよく、好ましくは、2つの凹部は、前側のそれぞれに設けられて、ストラット要素の対応する位置決めカムと協働してもよい。2つの前側のうちの1つに、2つ以上の爪状凹部が設けられる場合、それらは、ストラット要素を囲む前側とは反対側(上及び底、又は、左及び右)に配置され得る。
【0022】
さらに、本発明によれば、前記中央フレーム部は、前記ストラット要素の取り付けのために前記ストラット要素の横ピンを受けるための爪状の略半円の捕捉面を有してもよく、好ましくは、前記ストラット要素と前記中央フレーム部とのストラット側における位置合わせされたピン穴に対するピン接続を介した剛性接続を生成するための関連するピン穴を有してもよい。
【0023】
したがって、中央フレーム部の捕捉面と協働するように適合された横ピンは、存在することができ、長手端部領域においてストラット要素の長手方向に対して横方向に配置される。
【0024】
取り付けられるべきストラット要素は、先ず、相対移動を介して捕捉面の助けを借りて中央フレーム部に配置され得て、このために必要なストラット要素の正確な位置合わせ無しで、予め位置決めされ得る。したがって、有利な可能性は、先ず、ストラット要素から突出する横ピンを有するストラット要素を中央フレーム部に配置すること、及び、そして、接続要素が通常ではピンの形態で設定され得て、ストラット要素の中央フレーム部に対する最終的な接続が確立され得るように、それを組立位置に位置合わせのみすることの、結果である。
【0025】
これは、中央フレーム部に対するストラット要素の実質的により速くてシンプルな取付を、生成する。したがって、特に、ストラット要素の横ピンと中央フレーム部の捕捉面とが、互いに係合するように互いに対して位置決めされることに、注意が払われる必要があるだけである。このような場合、2つのコンポーネントの互いに対する旋回移動のみが、可能である。
【0026】
したがって、本発明によれば、前記ストラット要素と前記中央フレーム部との剛性接続は、前記横ピンの前記捕捉面への配置、及び前記ストラット側及びフレーム側に存在する前記ピン穴の位置合わせされた配向に機能する、前記捕捉面に配置された前記ストラット要素の対応する旋回移動、の後に行われてもよい。2つのピン穴の位置合わせされたアライメントが達成されると、ストラット要素と中央フレーム部との接続は、ピンの自動又は手動挿入によって固定され得る。
【0027】
本発明の有利な変形例によれば、前記ストラット要素は、前記クローラキャリアの通路に押し込まれてもよく、前記クローラキャリアの前記中央フレーム部からの間隔、すなわち前記作業機械のトラック幅は、可変でもよく、特に、前記長手方向に互いに離間した、前記ストラット要素の複数の前記ラッチ要素に起因するステップによって可変でもよい。
【0028】
本発明によれば、有利には、前記ストラット要素は、前記クローラキャリアに押し込まれており、挿入されたピンにより前記ストラット要素からのスライドも不可能である。したがって、中央フレーム部に取り付けられ得るクローラキャリアとストラット要素との共通のアセンブリが提供され、したがって、それにもかかわらず、可変のトラック幅に影響し得る。
【0029】
クローラキャリアのカットアウトからの、ストラット要素のスライドが不可能なので、クローラキャリアは、例えば、補助クレーンを用いて上昇され得て、中央フレーム部に取り付けられ得る。ここで、カットアウトからのストラット要素のスライドに対する追加手段は、行われなくてもよい。
【0030】
さらなる有利な実施形態によれば、前記ストラット要素は、前記クローラキャリアを前記ストラット要素の異なる長手位置に固定するために、その長手方向に沿って互いに離間した少なくとも3つのラッチ要素を有してもよい。したがって、クローラキャリアは、移動幅に関してより大きな可変性が生じるように、2つよりも多い位置でストラット要素に取り付けられ得る。
【0031】
さらに、前記中央フレーム部に取り付けられ得る複数のストラット要素、好ましくは2つ又は4つのストラット要素が設けられてもよく、複数の前記ストラット要素の各々は、クローラキャリアのカットアウトと協働してもよい。
【0032】
したがって、中央フレーム部にそれぞれ取り付けられ得る複数のストラット要素は、本発明に係るストラット要素にも設けられ得る。さらに、複数のストラット要素は、共通のクローラキャリアと協働してもよく、例えば、2つのストラット要素は、1つの同じクローラキャリアに延びてもよく、又はこの目的のために設けられたクローラキャリアのカットアウトに挿入されてもよい。ここで、クローラキャリアには、クローラキャリアと協働するストラット要素毎に、別個のカットアウトが設けられている。
【0033】
ここでの典型的な構成は、4つのストラット要素の存在であり、そのうちの2つは、第1クローラキャリアと協働しており、他の2つは、第2クローラキャリアと協働する。ストラット要素は、この点において、同一でもよい。
【0034】
さらに、本発明によれば、前記中央フレーム部は、実質的に平行六面体形状の基本設計を有してもよく、前記クローラキャリアの前記カットアウトと協働する場合に、少なくとも1つ、好ましくは2つのストラット要素を取り付けるために、その反対側に配置された2つの側面で構成されてもよい。
【0035】
本発明によれば、ストラット要素は、好ましくは、その基本形状に矩形断面を有する鋼桁でもよい。
【0036】
本発明はさらに、上記請求項のいずれか1つに係る下部走行体を備える作業機械、特にクローラクレーンに、関する。
【0037】
本発明のさらなる利点、特徴及び詳細は、以下の図面の説明に基づいて、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1a】
図1aは、クローラチェーンを有する本発明に係る下部走行体の斜視図である。
【
図1b】
図1bは、中央フレーム部の斜視図である。
【
図1c】
図1cは、クローラチェーンを有するクローラキャリアの斜視図である。
【
図2a】
図2aは、前面視における中央フレーム部である。
【
図2b】
図2bは、側面視における中央フレーム部である。
【
図2c】
図2cは、平面視における中央フレーム部である。
【
図3a】
図3aは、クローラチェーンを有するクローラキャリアの拡大斜視図である。
【
図3b】
図3bは、クローラチェーンの無いクローラキャリアの斜視図である。
【
図3c】
図3cは、クローラチェーンの無いクローラキャリアの斜め下から見た図である。
【
図4a】
図4a~
図4hは、ラッチ状態及びアンラッチ状態それぞれにおけるクローラキャリアの2つの異なる固定位置の平面図及び斜視図である。
【
図4b】
図4a~
図4hは、ラッチ状態及びアンラッチ状態それぞれにおけるクローラキャリアの2つの異なる固定位置の平面図及び斜視図である。
【
図4c】
図4a~
図4hは、ラッチ状態及びアンラッチ状態それぞれにおけるクローラキャリアの2つの異なる固定位置の平面図及び斜視図である。
【
図4d】
図4a~
図4hは、ラッチ状態及びアンラッチ状態それぞれにおけるクローラキャリアの2つの異なる固定位置の平面図及び斜視図である。
【
図4e】
図4a~
図4hは、ラッチ状態及びアンラッチ状態それぞれにおけるクローラキャリアの2つの異なる固定位置の平面図及び斜視図である。
【
図4f】
図4a~
図4hは、ラッチ状態及びアンラッチ状態それぞれにおけるクローラキャリアの2つの異なる固定位置の平面図及び斜視図である。
【
図4g】
図4a~
図4hは、ラッチ状態及びアンラッチ状態それぞれにおけるクローラキャリアの2つの異なる固定位置の平面図及び斜視図である。
【
図4h】
図4a~
図4hは、ラッチ状態及びアンラッチ状態それぞれにおけるクローラキャリアの2つの異なる固定位置の平面図及び斜視図である。
【
図4j】
図4j及び
図4kは、クローラキャリアとのアンラッチ状態及びラッチ状態を示すためのストラット要素の断面図である。
【
図4k】
図4j及び
図4kは、クローラキャリアとのアンラッチ状態及びラッチ状態を示すためのストラット要素の断面図である。
【
図5a】
図5a~
図5cは、中央フレーム部に対するストラット要素の取付中における異なる正面図である。
【
図5b】
図5a~
図5cは、中央フレーム部に対するストラット要素の取付中における異なる正面図である。
【
図5c】
図5a~
図5cは、中央フレーム部に対するストラット要素の取付中における異なる正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1aは、組み立てられた状態の下部構造体を示す。複数のストラット要素30が、左側及び右側でクローラキャリア20に接続された中央フレーム部10に取り付けられていることが、認識され得る。この点に関して、2つのクローラキャリア20各々には、ストラット要素30の導入又は案内それぞれのための2つのカットアウトが、設けられている。さらに、クローラキャリアに架けられたクローラチェーン33が、示されている。
【0040】
中央フレーム部の有利な略平行六面体形状は、ストラット要素の取付のための2つの接続装置それぞれが、反対側に配置された2つの側縁部に設けられている
図1bにおいて、認識され得る。
【0041】
接続装置各々は、ストラット要素の横ピンを受けるための爪状の略半円の捕捉面を有し、捕捉面の下に配置されたピン穴をさらに有する。
図1bにさらに示されるように、ピン穴に打ち込むためのピンは、ピンマウントから自動又は手動で突出し得る、ピンマウントから来ることができる。ストラット側のピン穴とフレーム側のピン穴との位置合わせ時に、ピンが自動的にそのピンマウントから移動して、ストラット要素を中央フレーム部に固定すると、特に有利である。
【0042】
図1cは、クローラチェーン33を有するクローラキャリア20を、斜視図で示す。
【0043】
図2aは、中央フレーム部10の正面図であり、中央フレーム部10の両側に存在する、ストラット要素30の取付のための接続要素を有する、鋼構造21で典型的に製造される本体を、示す。捕捉面22は、ストラット要素30の横ピン34を受けるために、爪状の略半円の捕捉面22として構成され得ることが、認識され得る。ストラット要素30を固定するためのフレーム側接続手段は、ピン穴23をさらに有する。
【0044】
図2bは、ピンマウント11及びこのピンマウント11から押し出されたピン12を認識可能な、中央フレーム部10の側面図である。したがって、フレーム側ピン12は、ストラット側ピン穴とフレーム側ピン穴23との位置合わせアレンジメントに通常適合されるラッチ位置で、示されている。
【0045】
図2cは、ストラット要素の横ピンに配置するための捕捉面22を認識し得る、中央フレーム部10の平面図である。ここで、フレーム側ピン12及び関連するピンマウント11は、この捕捉面の下に再び配置される。
【0046】
図3aは、周囲に配置されたクローラチェーン33を有するクローラキャリア20を、示す。ストラット要素30各々が挿入されてクローラキャリア20の長手方向に離間された2つのカットアウトは、クローラキャリア20の長手方向に対して横方向に存在する。ストラット要素は、中央フレームから離れたそれらの長手端部において、ピン接続によって、クローラキャリアに固定されている。ストラット要素の他の長手端部、すなわち中央フレーム部10に臨む長手端部は、ここで、中央フレーム部10に対する剛性接続のための接続手段32を、有する。
【0047】
図3bは、クローラチェーン33がもはや示されていないので、クローラキャリア20を斜め上からより良く見ることを可能にする。この点に関して、クローラキャリア20とストラット要素30との剛性接続は、ピン接続によって固定されており、ピン44は、ストラット要素30とクローラキャリア20との間で相対移動が生じ得ないように、キャリア側ピン穴及びストラット側ピン穴を通して案内される。クローラキャリア20のカットアウト又は通路(durchfuhrung)24におけるストラット要素の正確な位置合わせを達成するために、外方に突出する少なくとも1つの位置決めカム36,38,40,42が、ストラット要素30に配置され得て、且つ、クローラキャリアのカットアウト24又は通路24の輪郭37,39,41,43と協働し得る。
図3bに示されるように、この輪郭37,39,41,43は、カットアウト24の前側における略V字形状の凹部又は爪状凹部でもあり、凹部は、クローラキャリア20の長手方向に対して横方向に配置される方向に延びており、このため、したがって、カットアウト24へのストラット要素30の挿入方向に対して平行にある。2つのストラット要素30に関して、中央フレーム部10から離れて頂部に配置された位置決めカム38は、中央フレーム部からオフセットされて頂部に同様に配置された位置決めカム36から、ストラット要素30の長手方向にオフセットされていることが、認識され得る。位置決めカム36,38,40,42が、カットアウト24の前側に配置された関連する輪郭37,39,41,43と係合する場合、位置決めカム36,38,40,42と輪郭37,39,41,43とが当接部として機能するので、ストラット要素30とクローラキャリア20とのさらなる相対移動が抑制される。当接位置に達すると、キャリア側に存在するピン穴27も、関連するストラット側ピン穴25,26各々と位置合わせされ、自動又は手動のピン留めも、簡単な方法で行われ得る。
【0048】
図3cは、
図3bとは対照的に、クローラキャリア20とストラット要素30とのアレンジメントの下側を、示す。クローラキャリア20のカットアウト又は通路24における異なる前側と協働するように構成され且つ長手方向に離間された、位置決めカム40,42も、サポート要素の下側に配置されている。ストラット要素30の上側に配置された位置決めカム36,38と正確に同様に、クローラキャリアとストラット要素30との位置は、通路24における前側の略V字形状又は爪状の凹部41,43との係合部に固定されており、この位置では、キャリア側に存在する1つの一対のピン穴27は、関連するストラット側ピン穴25,26各々と位置合わせされる。ここで、輪郭41,43と位置決めカム40,42との協働も、クローラキャリア又は通路24に対するストラット要素30の最適な位置合わせをもたらす。
【0049】
さらに、位置決めカム36,38,40,42は、クローラキャリア20からのストラット要素30の完全な解放を抑制するのに適している。位置決めカム36,38,40,42が存在する場合、一対の位置決めカムが、通路24の前側に配置された関連する輪郭と予め係合するので、ストラット要素30をスリップ又はストラット要素30からのスライドは、起こり得ない。ストラット要素30とクローラキャリア20との位置決めを行うために、カットアウトの前側に特別に形成された輪郭が必ずしも必要とされないことは、当業者には明らかである。位置決めカムの少なくとも1つが通路24の前側に接触することが、必要なだけである。
【0050】
図4a~hは、ラッチ状態及びアンラッチ状態各々におけるクローラキャリア20の2つの異なる固定位置の平面図及び斜視図を、示す。
【0051】
図4aは、破線により示されるクローラキャリア20と、それに対して横方向に位置合わせされ且つ(認識不可能である)通路24を通って押し込まれるストラット要素30と、を平面視で示す。ここで、ストラット要素30が、このような構成で中央フレーム部に取り付けられる場合、下部走行体のトラックは、拡大される。
【0052】
図4bは、
図4aの斜視図を示しており、ピン44は、その押し込まれた状態にあり、クローラキャリア20とストラット要素30とを互いに接続していることが、認識され得る。
【0053】
図4c及び4dは、
図4a及び4bに実質的に対応しているが、ここで、ピン44は、もはやラッチ位置にはなく、むしろアンラッチ位置にある。ここで、ピンは、その従前の位置に対して、ストラット側ピン穴25から、引き抜かれる。ここで、クローラキャリア20の通路24におけるストラット要素30の変位が、可能である。
【0054】
ここで、
図4e及び4hは、2つのストラット要素30各々が、
図4a~4dに適合されたそれらの位置から、クローラキャリアの通路を通ってさらに押し込まれた、平面図又は斜視図を示す。この状態は、このようにしてクローラキャリアに配置されたストラット要素30の取付時に、クローラキャリアが中央フレーム部に近づくので、下部走行体のトラック幅の低減に対応する。
【0055】
ここで、
図4e及び
図4fは、開放状態におけるピン接続を示す一方、
図4g及び4hは、各ストラット要素30と協働もするピン44への押し込みを示す。
【0056】
したがって、クローラキャリアは、各ストラット要素30の2つの異なる長手位置に配置され得て、ストラット側に複数のピン穴25,26又はピン穴ペアを設けて、ストラットの長手方向に離間させることによって、実施され得る。
【0057】
図4j及び4kは、
図4e及び4gからのピン接続における断面図を示し、アンラッチ状態(
図4j)及びラッチ状態(
図4k)にある。アンラッチ状態では、ピン44は、ストラット側ピン穴26に係合しない。この状況は、ピン44がストラット要素30の関連するピン穴26に係合するラッチ状態とは、異なる。さらに、各ピン44は、反対側に配置された側部に設けられ得て、これは、当然にそうある必要がない、ことが分かる。1つのピン44も、本発明の基本原理のために、十分であろう。
【0058】
中央フレーム部に対するその間隔は、シンプルな方法で配置され得ることが、全体として認識され得る。
【0059】
図5a~5cは、クローラキャリアに固定されたストラット要素30の中央フレーム部10に対する取付手順を、示す。クローラキャリア20は、クレーン等のような補助リフト装置によって、ストラット側横ピン34を介して、ストラット側横ピンを介して上方に開いたマウント22(捕捉面とも呼ばれ得る)に、引っ掛けられる。これにより、ストラット要素30に接続されたクローラキャリア20は、中央フレーム部10に着座して、その周りにクローラキャリア20が第1事前位置決めの後に最終組立位置に達するように旋回される、(水平の)第1接続軸が形成される。
【0060】
図5aに示されるように、クローラキャリア20は、よりシンプルな組立のために、中央フレーム部の方向に傾斜されてもよい(
図5a参照)。最後に、クローラキャリア20による中央フレーム部10に向かう旋回は、横ピン34及び捕捉面22によって生成される第1接続軸の回りの重力によって、行われる。
【0061】
ストラット側ピン穴35とフレーム側ピン穴23との位置合わせされた配向である組立位置に、達すると、ピン11(
図2b参照)を介して自動又は手動のピン留めが行われ、(同様に水平の)第2接続軸Hが確立され、クローラキャリア20は、ここで、中央フレーム部10に最終的に固定される。ここで、クローラキャリア20は、作業機械1のエネルギー供給源に同時に完全に自動的に接続されて、オペレーションのために直ちに準備されてもよい。
【0062】
全ての実施形態において、ストラット要素、中央フレーム部及びクローラキャリアの、上述の接続要素は、他の接続パートナーそれぞれに配置されてもよく、上述のアセンブリ又は上述の特性及び利点は、変更されない。
【0063】
したがって、例えば、捕捉面22が、中央フレーム部10に配置されずにむしろ、ストラット要素30に配置され、横ピンが、中央フレーム部10に代わりに設けられてもよい。