(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】画像ダイナミックレンジ処理方法および装置
(51)【国際特許分類】
G06T 5/92 20240101AFI20240314BHJP
H04N 5/202 20230101ALI20240314BHJP
【FI】
G06T5/92
H04N5/202
(21)【出願番号】P 2022567640
(86)(22)【出願日】2021-03-29
(86)【国際出願番号】 CN2021083616
(87)【国際公開番号】W WO2021223542
(87)【国際公開日】2021-11-11
【審査請求日】2022-12-12
(31)【優先権主張番号】202010383489.0
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,イーチュワン
(72)【発明者】
【氏名】ユイ,チュエンホーァ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ホゥ
(72)【発明者】
【氏名】シュイ,ウエイウエイ
(72)【発明者】
【氏名】アルシナ,エレナ アレクサンドロブナ
【審査官】▲徳▼田 賢二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0067713(US,A1)
【文献】特開2010-074222(JP,A)
【文献】特開2009-182599(JP,A)
【文献】特開2015-011585(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 5/92
H04N 5/202
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像ダイナミックレンジ処理方法であって:
第1の三次スプライン曲線に関連する第1の補間点の第1座標値および第3の補間点の第1座標値を得るステップであって、前記第1の補間点の第1座標値および前記第3の補間点の第1座標値は輝度値である、ステップと;
処理対象画像の第1の輝度区間のヒストグラム情報に基づいて、前記第1の三次スプライン曲線に関連する第2の補間点の第1座標値を決定するステップとを含み、前記第1の輝度区間は、前記第1の補間点の第1座標値と前記第3の補間点の第1座標値との間の区間であり、前記第1の補間点の第1座標値、前記第2の補間点の第1座標値、および前記第3の補間点の第1座標値は、前記第1の三次スプライン曲線の関数を決定するために使用され、前記第1の三次スプライン曲線の前記関数は、前記処理対象画像のダイナミックレンジを修正するために、前記処理対象画像における、輝度値が前記第1の輝度区間にあるピクセルの輝度値を第1の目標輝度値にマッピングするために使用される、
方法。
【請求項2】
前記第1の三次スプライン曲線の前記関数は、次の仕方、すなわち:
基本マッピング曲線の関数を取得するステップと;
前記第1の補間点の第1座標値および前記第3の補間点の第1座標値を、前記基本マッピング曲線の前記関数に基づいてマッピングして、前記第1の補間点の第2座標値と前記第3の補間点の第2座標値を得るステップと;
前記第1の補間点の第1座標値、前記第2の補間点の第1座標値、前記第3の補間点の第1座標値、前記第1の補間点の第2座標値、および前記第3の補間点の第2座標値に基づいて前記第2の補間点の第2座標値を決定するステップと;
前記第1の補間点の第1座標値、前記第2の補間点の第1座標値、前記第3の補間点の第1座標値、前記第1の補間点の第2座標値、前記第3の補間点の第2座標値、および前記第2の補間点の第2座標値に基づいて、前記第1の三次スプライン曲線の前記関数を決定するステップと
において得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の補間点の第1座標値、前記第2の補間点の第1座標値、前記第3の補間点の第1座標値、前記第1の補間点の第2座標値、および前記第3の補間点の第2座標値に基づいて前記第2の補間点の第2座標値を決定することが:
前記第2の補間点の第2座標値を次式:
【数1】
に従って決定することを含み、
ここで、VA2は前記第2の補間点の第2座標値、VA1は前記第1の補間点の第2座標値、VA3は前記第3の補間点の第2座標値、TH2は前記第2の補間点の第1座標値、TH1は前記第1の補間点の第1座標値、TH3は前記第3の補間点の第1座標値である、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
当該方法がさらに:
前記第3の補間点の第1座標値と、前記処理対象画像の第1のピクセルの最大RGB成分値とに基づいて、第2の三次スプライン曲線に関連する第4の補間点、第5の補間点、および第6の補間点の第1座標値を決定するステップを含み、前記第1のピクセルは、前記処理対象画像における最も大きな最大RGB成分値をもつピクセルであり、前記ピクセルの前記最大RGB成分値は、前記ピクセルのR成分、G成分、およびB成分のうちの最も大きな値であり、
前記第4の補間点の第1座標値、前記第5の補間点の第1座標値、前記第6の補間点の第1座標値は、前記第2の三次スプライン曲線の関数を決定するために使用され、前記第2の三次スプライン曲線の前記関数は、前記処理対象画像のダイナミックレンジを修正するために、前記処理対象画像における、輝度値が第2の輝度区間にあるピクセルの輝度値を第2の目標輝度値にマッピングするために使用され、前記第2の輝度区間は、前記第4の補間点の第1座標値と前記第6の補間点の第1座標値との間の区間であり、前記第1の輝度区間と前記第2の輝度区間は重ならない、
請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の三次スプライン曲線に関連する第1の補間点の第1座標値および第3の補間点の第1座標値を得ることは:
前記第1の補間点の第1座標値を第1のプリセット輝度値に設定し;
前記第3の補間点の第1座標値を第2のプリセット輝度値に設定することを含む、
請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の補間点の第1座標値は、次式:
【数2】
に従って決定され、ここで、
TH2は前記第2の補間点の第1座標値であり、N
frameは、前記処理対象画像における、輝度値が前記第1の輝度区間にあるピクセルの総量であり、iは前記処理対象画像における、輝度値が前記第1の輝度区間にあるピクセルのうちのi番目のピクセルであり、f(i)はi番目のピクセルの輝度値である、
請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第3の補間点の第1座標値と、前記処理対象画像の第1のピクセルの最大RGB成分値とに基づいて、第2の三次スプライン曲線に関連する第4の補間点、第5の補間点、および第6の補間点の第1座標値を決定することは:
第1の式に基づいて前記第4の補間点の第1座標値を決定するステップであって、前記第1の式は
【数3】
である、ステップと;
第2の式に基づいて前記第5の補間点の第1座標値を決定するステップであって、前記第2の式は
【数4】
である、ステップと;
前記第6の補間点の第1座標値を前記第1のピクセルの前記最大RGB成分値に設定するステップとを含み、ここで、
TH1_highは前記第4の補間点の第1座標値であり、TH2_highは前記第5の補間点の第1座標値であり、MaxSourceの値は前記第1のピクセルの前記最大RGB成分値であり、TH3は前記第3の補間点の第1座標値であり、Uはプリセット値である、
請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記第3の補間点の第1座標値と、前記処理対象画像の第1のピクセルの最大RGB成分値とに基づいて、第2の三次スプライン曲線に関連する第4の補間点、第5の補間点、および第6の補間点の第1座標値を決定することは:
前記第3の補間点の第1座標値および前記第1のピクセルの前記最大RGB成分値に基づいて前記第4の補間点の第1座標値の初期値を決定するステップと;
前記第6の補間点の第1座標値を前記第1のピクセルの前記最大RGB成分値に設定するステップと;
前記第4の補間点の第1座標値の前記初期値および前記第6の補間点の第1座標値に基づいて第1のピクセル量および第2のピクセル量を決定するステップであって、前記第1のピクセル量は、前記処理対象画像における、輝度値が第3の輝度区間にあるピクセルの量であり、前記第3の輝度区間は、前記第4の補間点の第1座標値の前記初期値と前記第6の補間点の第1座標値の間の区間であり、前記第2のピクセル量は、前記処理対象画像または前記処理対象画像の輝度ヒストグラムにおけるピクセルの総量である、ステップと;
前記第1のピクセル量、前記第2のピクセル量、前記第3の補間点の第1座標値、前記第4の補間点の第1座標値の前記初期値および前記第6の補間点の第1座標値に基づいて前記第4の補間点の第1座標値を決定するステップと;
前記処理対象画像の前記第2の輝度区間のヒストグラム情報、前記第4の補間点の第1座標値、および前記第6の補間点の第1座標値に基づいて前記第5の補間点の第1座標値を決定するステップとを含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の輝度区間はN個の部分区間を含み、Nは正の整数であり、前記処理対象画像の前記第2の輝度区間のヒストグラム情報、前記第4の補間点の第1座標値、および前記第6の補間点の第1座標値に基づいて前記第5の補間点の第1座標値を決定することは:
前記N個の部分区間から第iの部分区間を決定するステップであって、前記第iの部分区間は前記N個の部分区間のうちのn個の部分区間のうちにあり、前記n個の部分区間のシーケンス番号はN/4以上であり、前記n個の部分区間のシーケンス番号は3N/4以下であり、前記処理対象画像における、輝度値が第iの部分区間にあるピクセルの量は前記n個の部分区間のうちの最も小さい値である、ステップと;
前記第4の補間点の第1座標値、前記第6の補間点の第1座標値、およびiに基づいて前記第5の補間点の第1座標値を決定するステップとを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
Nの値は8である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第3の補間点の第1座標値と前記第1のピクセルの前記最大RGB成分値に基づいて前記第4の補間点の第1座標値の初期値を決定することは:
次式:
【数5】
に従って前記第4の補間点の第1座標値の前記初期値を決定することを含み、ここで、
TH1_high1は前記第4の補間点の第1座標値の前記初期値であり、MaxSourceの値は前記第1のピクセルの前記最大RGB成分値であり、Uはプリセット値であり、TH3は前記第3の補間点の第1座標値である、
請求項8ないし10のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のピクセル量、前記第2のピクセル量、前記第3の補間点の第1座標値、前記第4の補間点の第1座標値の前記初期値および前記第6の補間点の第1座標値に基づいて前記第4の補間点の第1座標値を決定することは:
前記第1のピクセルの前記最大RGB成分値に対する前記第3の輝度区間の長さの比を決定し;
次式:
【数6】
に従って前記第4の補間点の第1座標値を決定することを含み、ここで、
TH1_highは前記第4の補間点の第1座標値であり、MaxSourceの値は前記第1のピクセルの前記最大RGB成分値であり、Uはプリセット値であり、TH3は前記第3の補間点の第1座標値であり、highRatioは前記第1のピクセル量と前記第2のピクセル量の比であり、wholeratio=(TH3_high-TH1_high1)/MaxSourceであり、wholeratioは前記第1のピクセルの前記最大RGB成分値に対する前記第3の輝度区間の長さの比であり、TH1_high1は前記第4の補間点の第1座標値の前記初期値であり、TH3_highは前記第6の補間点の第1座標値であり、POW(x,j)はxのj乗を示す、
請求項8ないし10のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第4の補間点の第1座標値、前記第6の補間点の第1座標値、およびiに基づいて前記第5の補間点の第1座標値を決定することは:
次式:
【数7】
に従って前記第5の補間点の第1座標値を決定することを含み、ここで、
TH2_highは前記第5の補間点の第1座標値であり、TH1_highは前記第4の補間点の第1座標値であり、TH3_highは前記第6の補間点の第1座標値であり、n_minはiである、
請求項9または10に記載の方法。
【請求項14】
当該方法はさらに:
前記処理対象画像の輝度ヒストグラム、前記第4の補間点の第1座標値、前記第5の補間点の第1座標値、および前記第6の補間点の第1座標値に基づいて、第3のピクセル量および第4のピクセル量を決定するステップであって、前記第3のピクセル量は、前記輝度ヒストグラムにおける、前記第4の補間点の第1座標値と前記第5の補間点の第1座標値との間の区間におけるピクセル量であり、前記第4のピクセル量は、前記輝度ヒストグラムにおける、前記第5の補間点の第1座標値と前記第6の補間点の第1座標値との間の区間におけるピクセル量である、ステップと;
次式:
【数8】
に従って、前記第5の補間点の第2座標値の調整強度を決定するステップであって、ここで、
TH_high_strengthは前記第5の補間点の第2座標値の前記調整強度であり、TH_high_strength1は前記第5の補間点の第2座標値の前記調整強度のデフォルト値であり、Δは調整きざみであり、NUM1は前記第3のピクセル量であり、NUM2は前記第4のピクセル量であり、
前記調整強度は、前記第5の補間点の第2座標値の初期値に対する前記第5の補間点の第2座標値のオフセット度合いを示す、ステップとを含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項15】
画像ダイナミックレンジ処理装置であって、当該装置は:
第1の三次スプライン曲線に関連する第1の補間点の第1座標値および第3の補間点の第1座標値を得るように構成された取得モジュールであって、前記第1の補間点の第1座標値および前記第3の補間点の第1座標値は輝度値である、取得モジュールと;
処理対象画像の第1の輝度区間のヒストグラム情報に基づいて、前記第1の三次スプライン曲線に関連す
る第2の補間点の第1座標値を決定するように構成された第1の決定モジュールとを有しており、前記第1の輝度区間は、前記第1の補間点の第1座標値と前記第3の補間点の第1座標値との間の区間であり、前記第1の補間点の第1座標値、前記第2の補間点の第1座標値、および前記第3の補間点の第1座標値は、前記第1の三次スプライン曲線の関数を決定するために使用され、前記第1の三次スプライン曲線の前記関数は、前記処理対象画像のダイナミックレンジを修正するために、前記処理対象画像における、輝度値が前記第1の輝度区間にあるピクセルの輝度値を第1の目標輝度値にマッピングするために使用される、
装置。
【請求項16】
前記第1の三次スプライン曲線の前記関数は、次の仕方、すなわち:
前記取得モジュールはさらに、基本マッピング曲線の関数を得るように構成され;
前記第1の決定モジュールはさらに、前記第1の補間点の第1座標値および前記第3の補間点の第1座標値を、前記基本マッピング曲線の前記関数に基づいてマッピングして、前記第1の補間点の第2座標値と前記第3の補間点の第2座標値を得て;前記第1の補間点の第1座標値、前記第2の補間点の第1座標値、前記第3の補間点の第1座標値、前記第1の補間点の第2座標値、前記第3の補間点の第2座標値に基づいて、前記第2の補間点の第2座標値を決定し;前記第1の補間点の第1座標値、前記第2の補間点の第1座標値、前記第3の補間点の第1座標値、前記第1の補間点の第2座標値、前記第3の補間点の第2座標値、前記第2の補間点の第2座標値に基づいて、前記第1の三次スプライン曲線の前記関数を決定するように構成される、
ことにおいて得られる、請求項
15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1の決定モジュールは、前記第2の補間点の第2座標値を次式:
【数22】
に従って決定することを含み、
ここで、VA2は前記第2の補間点の第2座標値、VA1は前記第1の補間点の第2座標値、VA3は前記第3の補間点の第2座標値、TH2は前記第2の補間点の第1座標値、TH1は前記第1の補間点の第1座標値、TH3は前記第3の補間点の第1座標値である、
請求項
16に記載の装置。
【請求項18】
当該装置がさらに:
前記第3の補間点の第1座標値と、前記処理対象画像の第1のピクセルの最大RGB成分値とに基づいて、第2の三次スプライン曲線に関連する第4の補間点、第5の補間点、および第6の補間点の第1座標値を決定するように構成されている第2の決定モジュールを有しており、前記第1のピクセルは、前記処理対象画像における最も大きな最大RGB成分値をもつピクセルであり、前記ピクセルの前記最大RGB成分値は、前記ピクセルのR成分、G成分、およびB成分のうちの最も大きな値であり、
前記第4の補間点の第1座標値、前記第5の補間点の第1座標値、前記第6の補間点の第1座標値は、前記第2の三次スプライン曲線の関数を決定するために使用され、前記第2の三次スプライン曲線の前記関数は、前記処理対象画像のダイナミックレンジを修正するために、前記処理対象画像における、輝度値が第2の輝度区間にあるピクセルの輝度値を第2の目標輝度値にマッピングするために使用され、前記第2の輝度区間は、前記第4の補間点の第1座標値と前記第6の補間点の第1座標値との間の区間であり、前記第1の輝度区間と前記第2の輝度区間は重ならない、
請求項
15ないし
17のうちいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記第2の補間点の第1座標値は、次式:
【数23】
に従って決定され、ここで、
TH2は前記第2の補間点の第1座標値であり、N
frameは、前記処理対象画像における、輝度値が第1の輝度区間にあるピクセルの総量であり、iは前記処理対象画像における、輝度値が前記第1の輝度区間にあるピクセルのうちのi番目のピクセルであり、f(i)はi番目のピクセルの輝度値である、
請求項
15ないし
18のうちいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記第2の決定モジュールは具体的には:第1の式に基づいて前記第4の補間点の第1座標値を決定するステップであって、前記第1の式は
【数24】
である、ステップと;
第2の式に基づいて前記第5の補間点の第1座標値を決定するステップであって、前記第2の式は
【数25】
である、ステップと;
前記第6の補間点の第1座標値を前記第1のピクセルの前記最大RGB成分値に設定するステップとを実行するように構成されており、ここで、
TH1_highは前記第4の補間点の第1座標値であり、TH2_highは前記第5の補間点の第1座標値であり、MaxSourceの値は前記第1のピクセルの前記最大RGB成分値であり、TH3は前記第3の補間点の第1座標値であり、Uはプリセット値である、
請求項
18に記載の装置。
【請求項21】
前記第2の決定モジュールは、前記第4の補間点、前記第5の補間点、および前記第6の補間点の第1座標値を決定することを、次の仕方、すなわち:
前記第3の補間点の第1座標値および前記第1のピクセルの前記最大RGB成分値に基づいて前記第4の補間点の第1座標値の初期値を決定するステップと;
前記第6の補間点の第1座標値を前記第1のピクセルの前記最大RGB成分値に設定するステップと;
前記第4の補間点の第1座標値の前記初期値および前記第6の補間点の第1座標値に基づいて第1のピクセル量および第2のピクセル量を決定するステップであって、前記第1のピクセル量は、前記処理対象画像における、輝度値が第3の輝度区間にあるピクセルの量であり、前記第3の輝度区間は、前記第4の補間点の第1座標値の前記初期値と前記第6の補間点の第1座標値の間の区間であり、前記第2のピクセル量は、前記処理対象画像または前記処理対象画像の輝度ヒストグラムにおけるピクセルの総量である、ステップと;
前記第1のピクセル量、前記第2のピクセル量、前記第3の補間点の第1座標値、前記第4の補間点の第1座標値の前記初期値および前記第6の補間点の第1座標値に基づいて前記第4の補間点の第1座標値を決定するステップと;
前記処理対象画像の第2の輝度区間のヒストグラム情報、前記第4の補間点の第1座標値、および前記第6の補間点の第1座標値に基づいて前記第5の補間点の第1座標値を決定するステップとを実行することにおいて行うように構成される、
請求項
18に記載の装置。
【請求項22】
当該装置はさらに:
前記第2の決定モジュールは、前記処理対象画像の輝度ヒストグラム、前記第4の補間点の第1座標値、前記第5の補間点の第1座標値、および前記第6の補間点の第1座標値に基づいて、第3のピクセル量および第4のピクセル量を決定するステップであって、前記第3のピクセル量は、前記輝度ヒストグラムにおける、前記第4の補間点の第1座標値と前記第5の補間点の第1座標値との間の区間におけるピクセル量であり、前記第4のピクセル量は、前記輝度ヒストグラムにおける、前記第5の補間点の第1座標値と前記第6の補間点の第1座標値との間の区間におけるピクセル量である、ステップと;
次式:
【数29】
に従って、前記第5の補間点の第2座標値の調整強度を決定するステップであって、ここで、
TH_high_strengthは前記第5の補間点の第2座標値の前記調整強度であり、TH_high_strength1は前記第5の補間点の第2座標値の前記調整強度のデフォルト値であり、Δは調整きざみであり、NUM1は前記第3のピクセル量であり、NUM2は前記第4のピクセル量であり、
前記調整強度は、前記第5の補間点の第2座標値の初期値に対する前記第5の補間点の第2座標値のオフセット度合いを示す、ステップとを実行するように構成される、
請求項
18に記載の装置。
【請求項23】
プロセッサおよびメモリを有する画像処理装置であって、前記プロセッサは、前記メモリに結合されており、前記プロセッサは、当該装置が、請求項1ないし
13のうちいずれか一項に記載の方
法を実行できるようにするように構成される、装置。
【請求項24】
入力インターフェース、出力インターフェース、少なくとも1つのプロセッサ、およびメモリを有するチップ装置であって、前記入力インターフェース、前記出力インターフェース、前記プロセッサ、および前記メモリは、内部接続経路を通じて互いに通信し、前記プロセッサは、前記メモリ内のコードを実行するように構成され、前記プロセッサが前記コードを実行すると、当該チップ装置は、請求項1ないし
13のうちいずれか一項に記載の方
法を実施する、装置。
【請求項25】
コンピュータ・プログラムを記憶するように構成された、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータ・プログラムは、請求項1ないし
13のうちいずれか一項に記載の方
法を実行するために使用される、記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年5月8日に中国国家知的所有権庁に出願され、「画像ダイナミックレンジ処理方法および装置」と題する中国特許出願第202010383489.0号に対する優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本願は、画像処理の分野に関し、特に、画像ダイナミックレンジ処理方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ダイナミックレンジ(Dynamic Range、DR)は、多くの分野における変数の最小値に対する最大値の比を示す。デジタル画像では、ダイナミックレンジは、画像表示可能範囲における最小輝度に対する最大輝度の比を示す。換言すれば、ダイナミックレンジは、「最も明るい」から「最も暗い」までの画像のグレースケール・レベルの量を示す。画像の、より大きなダイナミックレンジは、画像の、より豊かな輝度レベル、および、より鮮やかな視覚効果を示す。実世界における自然なシーンのダイナミックレンジは10-3~106であり、非常に大きい。したがって、このダイナミックレンジは、高ダイナミックレンジ(High Dynamic Range, HDR)と呼ばれる。高ダイナミックレンジ画像と比較して、普通の画像は低ダイナミックレンジ(Low Dynamic Range、LDR)をもつ。
【0004】
一般に、ダイナミックレンジが0.1ニトないし400ニト未満の既存の表示装置は、標準ダイナミックレンジ(Standard Dynamic Range、SDR)表示装置と呼ばれ、ダイナミックレンジが0.01ニトないし540ニトを超える既存の表示装置は、高ダイナミックレンジ(High Dynamic Range、HDR)表示装置と呼ばれる。異なる高ダイナミックレンジ表示装置は、異なるダイナミックレンジで表示する。たとえば、ダイナミックレンジが0.01ニトないし540ニトの高ダイナミックレンジ表示装置や、ダイナミックレンジが0.005ニトないし1000ニトの高ダイナミックレンジ表示装置がある。同様に、異なる標準ダイナミックレンジ表示装置も、異なるダイナミックレンジで表示する。画像を異なるダイナミックレンジをもつ表示装置(高ダイナミックレンジ表示装置および低ダイナミックレンジ表示装置)に適応できるようにするためには、画像のダイナミックレンジが画像を表示する表示装置の表示可能な範囲に調整されるよう、画像に対してダイナミックレンジ調整(圧縮または伸張)が実行される必要がある。
【0005】
従来の技術では、画像内の各ピクセルの輝度値がマッピング曲線に基づいて目標輝度値にマッピングされ、それにより、ピクセルの輝度値を変化させることにより、画像のダイナミックレンジが調整される。しかしながら、既存のマッピング曲線の形は十分に柔軟ではないため、画像内のいくつかの領域の輝度レベルが失われ、輝度コントラストは明らかではない。結果として、調整されたダイナミックレンジをもつ画像は、表示効果が貧弱である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、画像の表示効果を改善するために、画像ダイナミックレンジ処理方法および装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の側面によれば、画像ダイナミックレンジ処理方法が提供される。この方法は、第1の三次スプライン曲線に関連する第1の補間点の第1座標値および第3の補間点の第1座標値を得るステップであって、第1の補間点の第1座標値および第3の補間点の第1座標値は輝度値である、ステップと;処理対象画像の第1の輝度区間のヒストグラム情報に基づいて、第1の三次スプライン曲線に関連する第2の補間点の第1座標値を決定するステップとを含み、第1の輝度区間は、第1の補間点の第1座標値と第3の補間点の第1座標値との間の区間であり、第1の補間点の第1座標値、第2の補間点の第1座標値、および第3の補間点の第1座標値は、第1の三次スプライン曲線の関数を決定するために使用され、第1の三次スプライン曲線の前記関数は、処理対象画像のダイナミックレンジを修正するために、処理対象画像における、輝度値が第1の輝度区間にあるピクセルの輝度値を第1の目標輝度値にマッピングするために使用される。
【0008】
第2の補間点の第1座標値は、第1の補間点の第1座標値および第3の補間点の第1座標値を得ることによって、そして処理対象画像の第1の輝度区間のヒストグラム情報に基づいて決定されうる。補間点を決定する仕方は、単純で実装が容易である。また、第1の三次スプライン曲線の関数は、第1の三次スプライン曲線に関連する第1の補間点から第3の補間点までの諸第1座標値を決定することによって、第1の補間点から第3の補間点までの第1の諸座標値に基づいて決定される。次いで、処理対象画像の、輝度値が第1の輝度区間にあるピクセルの輝度値が、第1の三次スプライン曲線の関数に基づいて第1の目標ピクセル値にマッピングされる。言い換えると、処理対象画像におけるいくつかのピクセルの輝度値が、第1の三次スプライン曲線の関数に基づいてマッピングされる。これは、第1の輝度区間におけるピクセルを保護し、画像の表示効果を改善する。また、基本マッピング曲線のみに基づいて処理対象画像に対して輝度マッピングが実行されるのと比べ、本願は、第1の三次スプライン曲線の関数に基づいて一部のピクセルに対して輝度マッピングを実行し、残りのピクセルの輝度値を基本マッピング曲線に基づいてマッピングする。これは、基本マッピング曲線上の曲線セグメントのもとのマッピング関係が変更されることを意味する。換言すれば、基本マッピング曲線上の第1の輝度区間に対応する曲線セグメントの形が変更される。これは、特定の領域を保護し、基本マッピング曲線の形の多様性、柔軟性、堅牢性、および普遍性を改善し、さらに、調整されたダイナミックレンジをもつ画像の表示効果を改善する。
【0009】
ある可能な実装では、第1の三次スプライン曲線の関数は、次のようにして得られる:基本マッピング曲線の関数を得る;第1の補間点の第1座標値および第3の補間点の第1座標値を、基本マッピング曲線の関数に基づいてマッピングして、第1の補間点の第2座標値と第3の補間点の第2座標値を得る;第1の補間点の第1座標値、第2の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値、第1の補間点の第2座標値、第3の補間点の第2座標値に基づいて、第2の補間点の第2座標値を決定する;第1の補間点の第1座標値、第2の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値、第1の補間点の第2座標値、第3の補間点の第2座標値、第2の補間点の第2座標値に基づいて、第1の三次スプライン曲線の関数を決定する。
【0010】
ある可能な実装では、第1の補間点の第1座標値、第2の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値、第1の補間点の第2座標値、および第3の補間点の第2座標値に基づいて第2の補間点の第2座標値を決定することは、第2の補間点の第2座標値を次式:
【数1】
に従って決定することを含む。
【0011】
ここで、VA2は第2の補間点の第2座標値、VA1は第1の補間点の第2座標値、VA3は第3の補間点の第2座標値、TH2は第2の補間点の第1座標値、TH1は第1の補間点の第1座標値、TH3は第3の補間点の第1座標値である。
【0012】
ある可能な実装では、本方法は、さらに:第3の補間点の第1座標値と、処理対象画像の第1のピクセルの最大RGB成分値とに基づいて、第2の三次スプライン曲線に関連する第4の補間点、第5の補間点、および第6の補間点の第1座標値を決定することを含む。第1のピクセルは、処理対象画像における最も大きな最大RGB成分値をもつピクセルである。ピクセルの最大RGB成分値は、ピクセルのR成分、G成分、およびB成分のうちの最も大きな値である。第4の補間点の第1座標値、第5の補間点の第1座標値、第6の補間点の第1座標値は、第2の三次スプライン曲線の関数を決定するために使用される。第2の三次スプライン曲線の関数は、処理対象画像のダイナミックレンジを修正するために、処理対象画像における、輝度値が第2の輝度区間にあるピクセルの輝度値を第2の目標輝度値にマッピングするために使用される。第2の輝度区間は、第4の補間点の第1座標値と第6の補間点の第1座標値との間の区間である。第1の輝度区間と第2の輝度区間は重ならない。
【0013】
ある可能な実装では、本方法は、さらに:三次スプライン曲線の関数および処理対象画像のデータ情報をデコーダに送信することを含む。それにより、デコーダが、三次スプライン曲線の関数に基づいて処理対象画像のダイナミックレンジを修正する。処理対象画像のデータ情報は、処理対象画像を取得するために使用される。
【0014】
ある可能な実装では、第1の三次スプライン曲線に関連する第1の補間点の第1座標値および第3の補間点の第1座標値を得ることは:第1の補間点の第1座標値を第1のプリセット輝度値に設定し、第3の補間点の第1座標値を第2のプリセット輝度値に設定することを含む。
【0015】
ある可能な実装では、第2の補間点の第1座標値は、次式:
【数2】
に従って決定される。
【0016】
ここで、TH2は第2の補間点の第1座標値であり、Nframeは、処理対象画像における、輝度値が第1の輝度区間にあるピクセルの総量であり、iは処理対象画像における、輝度値が第1の輝度区間にあるピクセルのうちのi番目のピクセルであり、f(i)はi番目のピクセルの輝度値である。
【0017】
ある可能な実装では、第3の補間点の第1座標値と、処理対象画像の第1のピクセルの最大RGB成分値とに基づいて、第2の三次スプライン曲線に関連する第4の補間点、第5の補間点、および第6の補間点の第1座標値を決定することは:第1の式に基づいて第4の補間点の第1座標値を決定するステップであって、前記第1の式は
【数3】
である、ステップと;
第2の式に基づいて第5の補間点の第1座標値を決定するステップであって、前記第2の式は
【数4】
である、ステップと;
第6の補間点の第1座標値を第1のピクセルの最大RGB成分値に設定するステップとを含む。
【0018】
ここで、TH1_highは第4の補間点の第1座標値であり、TH2_highは第5の補間点の第1座標値であり、MaxSourceの値は第1のピクセルの最大RGB成分値であり、TH3は第3の補間点の第1座標値であり、Uはプリセット値である。
【0019】
ある可能な実装では、第3の補間点の第1座標値と、処理対象画像の第1のピクセルの最大RGB成分値とに基づいて、第2の三次スプライン曲線に関連する第4の補間点、第5の補間点、および第6の補間点の第1座標値を決定することは:第3の補間点の第1座標値および第1のピクセルの最大RGB成分値に基づいて第4の補間点の第1座標値の初期値を決定するステップと;第6の補間点の第1座標値を第1のピクセルの最大RGB成分値に設定するステップと;第4の補間点の第1座標値の初期値および第6の補間点の第1座標値に基づいて第1のピクセル量および第2のピクセル量を決定するステップであって、第1のピクセル量は、処理対象画像における、輝度値が第3の輝度区間にあるピクセルの量であり、第3の輝度区間は、第4の補間点の第1座標値の初期値と第6の補間点の第1座標値の間の区間であり、第2のピクセル量は、処理対象画像または処理対象画像の輝度ヒストグラムにおけるピクセルの総量である、ステップと;第1のピクセル量、第2のピクセル量、第3の補間点の第1座標値、第4の補間点の第1座標値の初期値および第6の補間点の第1座標値に基づいて第4の補間点の第1座標値を決定するステップと;処理対象画像の第2の輝度区間のヒストグラム情報、第4の補間点の第1座標値、および第6の補間点の第1座標値に基づいて第5の補間点の第1座標値を決定するステップとを含む。
【0020】
ある可能な実装では、第2の輝度区間はN個の部分区間を含み、Nは正の整数である。処理対象画像の第2の輝度区間のヒストグラム情報、第4の補間点の第1座標値、および第6の補間点の第1座標値に基づいて第5の補間点の第1座標値を決定することは:N個の部分区間から第iの部分区間を決定するステップであって、第iの部分区間はN個の部分区間のうちのn個の部分区間のうちにあり、前記n個の部分区間のシーケンス番号はN/4以上であり、前記n個の部分区間のシーケンス番号は3N/4以下であり、処理対象画像における、輝度値が第iの部分区間にあるピクセルの量は前記n個の部分区間のうちの最も小さい値である、ステップと;第4の補間点の第1座標値、第6の補間点の第1座標値、およびiに基づいて第5の補間点の第1座標値を決定するステップとを含む。
【0021】
ある可能な実装では、Nの値は8である。
【0022】
ある可能な実装では、第3の補間点の第1座標値と第1のピクセルの最大RGB成分値に基づいて第4の補間点の第1座標値の初期値を決定することは、次式:
【数5】
に従って第4の補間点の第1座標値の初期値を決定することを含む。
【0023】
ここで、TH1_high1は第4の補間点の第1座標値の初期値であり、MaxSourceの値は第1のピクセルの最大RGB成分値であり、Uはプリセット値であり、TH3は第3の補間点の第1座標値である。
【0024】
ある可能な実装では、第1のピクセル量、第2のピクセル量、第3の補間点の第1座標値、第4の補間点の第1座標値の初期値および第6の補間点の第1座標値に基づいて第4の補間点の第1座標値を決定することは:第1のピクセルの最大RGB成分値に対する第3の輝度区間の長さの比を決定し;次式:
【数6】
に従って第4の補間点の第1座標値を決定することを含む。
【0025】
ここで、TH1_highは第4の補間点の第1座標値であり、MaxSourceの値は第1のピクセルの最大RGB成分値であり、Uはプリセット値であり、TH3は第3の補間点の第1座標値であり、highRatioは第1のピクセル量と第2のピクセル量の比であり、wholeratio=(TH3_high-TH1_high1)/MaxSourceであり、wholeratioは第1のピクセルの最大RGB成分値に対する第3の輝度区間の長さの比であり、TH1_high1は第4の補間点の第1座標値の初期値であり、TH3_highは第6の補間点の第1座標値であり、POW(x,j)はxのj乗を示す。
【0026】
ある可能な実装では、第4の補間点の第1座標値、第6の補間点の第1座標値、およびiに基づいて第5の補間点の第1座標値を決定することは:次式:
【数7】
に従って第5の補間点の第1座標値を決定することを含む。
【0027】
ここで、TH2_highは第5の補間点の第1座標値であり、TH1_highは第4の補間点の第1座標値であり、TH3_highは第6の補間点の第1座標値であり、n_minはiである。
【0028】
ある可能な実装では、本方法は:処理対象画像の輝度ヒストグラム、第4の補間点の第1座標値、第5の補間点の第1座標値、および第6の補間点の第1座標値に基づいて、第3のピクセル量および第4のピクセル量を決定するステップであって、第3のピクセル量は、輝度ヒストグラムにおける、第4の補間点の第1座標値と第5の補間点の第1座標値との間の区間におけるピクセル量であり、第4のピクセル量は、輝度ヒストグラムにおける、第5の補間点の第1座標値と第6の補間点の第1座標値との間の区間におけるピクセル量である、ステップと;第3のピクセル量と第4のピクセル量とに基づいて、第5の補間点の第2座標値の調整強度を決定するステップであって、調整強度は、第5の補間点の第2座標値の初期値に対する第5の補間点の第2座標値のオフセット度合いを示す、ステップとを含む。
【0029】
ある可能な実装では、第3のピクセル量と第4のピクセル量とに基づいて、第5の補間点の第2座標値の調整強度を決定することは:次式:
【数8】
に従って第5の補間点の第2座標値の調整強度を決定することを含む。
【0030】
ここで、TH_high_strengthは第5の補間点の第2座標値の調整強度であり、TH_high_strength1は第5の補間点の第2座標値の調整強度のデフォルト値であり、Δは調整きざみであり、NUM1は第3のピクセル量であり、NUM2は第4のピクセル量である。
【0031】
ある可能な実装では、第5の補間点の第2座標値の初期値は、次式:
【数9】
に従って得られる。
【0032】
ここで、VA2_high1は、第5の補間点の第2座標値の初期値であり、VA1_highは第4の補間点の第2座標値であり、VA3_highは第6の補間点の第2座標値であり、TH2_highは第5の補間点の第1座標値であり、TH1_highは第4の補間点の第1座標値であり、TH3_highは第6の補間点の第1座標値である。
【0033】
ある可能な実装では、基本マッピング曲線の関数が、処理対象画像におけるピクセルの輝度値を第3の目標輝度値にマッピングするために使用される。基本マッピング曲線の関数は、処理対象画像におけるピクセルの輝度値が独立変数であり、第3の目標輝度値が従属変数である輝度マッピング関数である。輝度マッピング関数は次のように表される:
【数10】
【0034】
輝度マッピング関数のパラメータは、a、b、p、m、nを含み、L'は第3の目標輝度値であり、Lは処理対象画像におけるピクセルの輝度値である。
【0035】
第2の側面によれば、画像ダイナミックレンジ処理方法が提供される。本方法は、処理対象画像の第1のピクセルの最大RGB成分値を取得するステップであって、第1のピクセルは、処理対象画像における最も大きな最大RGB成分値をもつピクセルであり、ピクセルの最大RGB成分値は、ピクセルのR成分、G成分、およびB成分のうちの最も大きな値である、ステップと;第1のピクセルの最大RGB成分値および処理対象画像の輝度ヒストグラムに基づいて、少なくとも1つの三次スプライン曲線に関連する補間点の第1座標値を決定するステップとを含む。各三次スプライン曲線に関連する補間点は、第1の補間点、第2の補間点、および第3の補間点を含む。補間点の第1座標値は輝度値である。各三次スプライン曲線に関連する補間点の第1座標値は、対応する三次スプライン曲線の関数を決定するために使用される。各三次スプライン曲線の関数は、処理対象画像のダイナミックレンジを修正するために、処理対象画像における、輝度値が対応する第1の輝度区間にあるピクセルの輝度値を、第1の目標輝度値にマッピングするために使用される。三次スプライン曲線の関数に対応する第1の輝度区間は、三次スプライン曲線に関連する第1の補間点の第1座標値と第3の補間点の第1座標値の間の区間である。
【0036】
前記少なくとも1つの三次スプライン曲線に関連する補間点の第1座標値は、処理対象画像の第1のピクセルの最大RGB成分値を得ることによって、第1のピクセルの最大RGB成分値および処理対象画像の輝度ヒストグラムに基づいて決定されてもよい。補間点を決定する仕方は、単純で実装が容易である。また、三次スプライン曲線の関数は、三次スプライン曲線に関連する第1の補間点から第3の補間点までの諸第1座標値を決定することによって、第1の補間点から第3の補間点までの諸第1座標値に基づいて決定される。次いで、輝度値が処理対象画像の第1の輝度区間にあるピクセルの輝度値が、三次スプライン曲線の関数に基づいて第1の目標ピクセル値にマッピングされる。言い換えると、処理対象画像におけるいくつかのピクセルの輝度値は、三次スプライン曲線の関数に基づいてマッピングされる。これは、第1の輝度区間におけるピクセルを保護し、画像の表示効果を改善する。また、基本マッピング曲線のみに基づいて処理対象画像に対して輝度マッピングが実行されるのと比べ、本願は、三次スプライン曲線の関数に基づいて一部のピクセルに対して輝度マッピングを実行し、残りのピクセルの輝度値を基本マッピング曲線に基づいてマッピングする。これは、基本マッピング曲線上の曲線セグメントのもとのマッピング関係が変更されることを意味する。換言すれば、基本マッピング曲線上の第1の輝度区間に対応する曲線セグメントの形が変更される。これは、特定の領域を保護し、基本マッピング曲線の形の多様性、柔軟性、堅牢性、および普遍性を改善し、さらに、調整されたダイナミックレンジをもつ画像の表示効果を改善する。
【0037】
ある可能な実装では、三次スプライン曲線の量は1である。第1のピクセルの最大RGB成分値および処理対象画像の輝度ヒストグラムに基づいて、少なくとも1つの三次スプライン曲線に関連する補間点の第1座標値を決定することは:前記輝度ヒストグラムに基づいて、第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、および第3のパーセンテージに対応する第4のピクセルの最大RGB成分値を決定するステップであって、前記第1のパーセンテージは、前記処理対象画像における複数のピクセルのうちの前記第2のピクセルの最大RGB成分値以下の最大RGB成分値を有するピクセルのパーセンテージを示し、前記第2のパーセンテージは、前記処理対象画像における前記複数のピクセルのうちの前記第3のピクセルの最大RGB成分値以下の最大RGB成分値を有するピクセルのパーセンテージを示し、前記第3のパーセンテージは、前記処理対象画像における前記複数のピクセルのうちの前記第4のピクセルの最大RGB成分値以下の最大RGB成分値を有するピクセルのパーセンテージを示す、ステップと;第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、および第3のパーセンテージに対応する第4のピクセルの最大RGB成分値に基づいて、第1の補間点の第1座標値を決定するステップと;第3の補間点の第1座標値を第1のピクセルの最大RGB成分値に設定するステップと;第1の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値、および輝度ヒストグラムにおける第1の輝度区間に対応するヒストグラム情報に基づいて、第2の補間点の第1座標値を決定するステップとを含む。
【0038】
ある可能な実装では、第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、および第3のパーセンテージに対応する第4のピクセルの最大RGB成分値に基づいて、第1の補間点の第1座標値を決定することは:第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、および輝度閾値に基づいて第1の補間点の第1座標値の第1の値を決定するステップと、第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、第3のパーセンテージに対応する第4のピクセルの最大RGB成分値、および第1の値に基づいて第1の補間点の第1座標値を決定することを含む。
【0039】
ある可能な実装では、第1のパーセンテージは90%、第2のパーセンテージは95%、第3のパーセンテージは99%である。第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、および輝度閾値に基づいて第1の補間点の第1座標値を決定することは:次式:
【数11】
に従って第1の補間点の第1座標値の第1の値を決定することを含む。
【0040】
ここで、TH1_used1は第1の値であり、g_maxRGBdistribution90は、90%に対応する第2のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution95は、95%に対応する第3のピクセルの最大RGB成分値であり、THRESOLDは輝度閾値である。
【0041】
ある可能な実装では、第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、第3のパーセンテージに対応する第4のピクセルの最大RGB成分値、および第1の値に基づいて第1の補間点の第1座標値を決定することは:第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値の2倍と第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値との間の差を決定するステップと;第3のパーセンテージに対応する第4のピクセルの最大RGB成分値が、得られた差と第1のプリセット値との和より大きいかどうか、および第1の値が第1の閾値より大きいかどうかを判定するステップと;もしそうであれば、第1の補間点の第1座標値を第1の値に設定するステップとを含む。
【0042】
ある可能な実装では、第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、および第3のパーセンテージに対応する第4のピクセルの最大RGB成分値に基づいて、第1の補間点の第1座標値を決定することは:処理対象画像の輝度ヒストグラムに基づいて、第4のパーセンテージに対応する第5のピクセルの最大RGB成分値、第5のパーセンテージに対応する第6のピクセルの最大RGB成分値、および第6のパーセンテージに対応する第7のピクセルの最大RGB成分値を決定するステップであって、第4のパーセンテージは、前記処理対象画像における複数のピクセルのうちの前記第5のピクセルの最大RGB成分値以下の最大RGB成分値を有するピクセルのパーセンテージを示し、第5のパーセンテージは、前記処理対象画像における前記複数のピクセルのうちの前記第6のピクセルの最大RGB成分値以下の最大RGB成分値を有するピクセルのパーセンテージを示し、第6のパーセンテージは、前記処理対象画像における前記複数のピクセルのうちの前記第7のピクセルの最大RGB成分値以下の最大RGB成分値を有するピクセルのパーセンテージを示す、ステップと;第4のパーセンテージに対応する第5のピクセルの最大RGB成分値、第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、および輝度閾値に基づいて、第1の補間点の第1座標値の第1の値を決定するステップと;第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、および輝度閾値に基づいて第1の補間点の第1座標値の第2の値を決定するステップと;第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、第3のパーセンテージに対応する第4のピクセルの最大RGB成分値、および輝度閾値に基づいて第1の補間点の第1座標値の第3の値を決定するステップと;第4のパーセンテージに対応する第5のピクセルの最大RGB成分値、第5のパーセンテージに対応する第6のピクセルの最大RGB成分値、第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、第3のパーセンテージに対応する第4のピクセルの最大RGB成分値、第6のパーセンテージに対応する第7のピクセルの最大RGB成分値、および第1の値ないし第3の値に基づいて、第1の補間点の第1座標値を決定するステップとを含む。
【0043】
ある可能な実装では、第1のパーセンテージは90%、第2のパーセンテージは95%、第3のパーセンテージは99%、第4のパーセンテージは50%、第5のパーセンテージは10%、第6のパーセンテージは100%である。第1の補間点の第1座標値の第1の値を決定することは:第1の式に従って第1の補間点の第1座標値の第1の値を決定することを含み、第1の式は:
【数12】
であり、
第1の補間点の第1座標値の第2の値を決定することは:第2の式に従って第1の補間点の第1座標値の第2の値を決定することを含み、第2の式は:
【数13】
であり、
第1の補間点の第1座標値の第3の値を決定することは:第3の式に従って第1の補間点の第1座標値の第3の値を決定することを含み、第3の式は:
【数14】
である。
【0044】
ここで、TH1_used1は第1の値であり、TH1_used2は第2の値であり、TH1_used3は第3の値であり、g_maxRGBdistribution90は90%に対応する第2のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution95は95%に対応する第3のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution50は50%に対応する第5のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution99は99%に対応する第4のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution10は10%に対応する第6のピクセルの最大RGB成分値であり、THRESOLDは輝度閾値である。
【0045】
ある可能な実装では、第1の補間点の第1座標値を決定することは、第4の式:
【数15】
に従って第1の補間点の第1座標値の初期値を決定するステップと;
第1の補間点の第1座標値の初期値、第2の値および第3の値に基づいて、第5の式:
【数16】
に従って、第1の補間点の第1座標値を決定するステップとを含む。
【0046】
ここで、TH1は第1の補間点の第1座標値であり、TH1_usedは第1の補間点の第1座標値の初期値であり、TH1_used1は第1の値であり、TH1_used2は第2の値であり、TH1_used3は第3の値であり、g_maxRGBdistribution90は90%に対応する第2のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution95は95%に対応する第3のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution50は50%に対応する第5のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution99は99%に対応する第4のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution10は10%に対応する第6のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution100は100%に対応する第7のピクセルの最大RGB成分値である。
【0047】
ある可能な実装では、第1の輝度区間はN個の部分区間を含み、Nは正の整数である。第1の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値、および輝度ヒストグラムにおける第1の輝度区間に対応するヒストグラム情報に基づいて、第2の補間点の第1座標値を決定することは:N個の部分区間から第iの部分区間を決定するステップであって、第iの部分区間はN個の部分区間のうちのn個の部分区間のうちにあり、前記n個の部分区間のシーケンス番号はN/4以上であり、前記n個の部分区間のシーケンス番号は3N/4以下であり、処理対象画像における、輝度値が第iの部分区間にあるピクセルの量は前記n個の部分区間のうちの最も小さい値である、ステップと;第1の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値、およびiに基づいて第2の補間点の第1座標値を決定するステップとを含む。
【0048】
ある可能な実装では、Nの値は8である。
【0049】
ある可能な実装では、第1の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値およびiに基づいて第2の補間点の第1座標値を決定することは:次式:
【数17】
に従って第2の補間点の第1座標値を決定することを含む。
【0050】
ここで、TH2は第2の補間点の第1座標値であり、TH1は第1の補間点の第1座標値であり、TH3は第3の補間点の第1座標値であり、n_minはiである。
【0051】
ある可能な実装では、三次スプライン曲線の関数は、次のようにして得られる:基本マッピング曲線の関数を得る;第1の補間点の第1座標値および第3の補間点の第1座標値を、基本マッピング曲線の関数に基づいてマッピングして、第1の補間点の第2座標値と第3の補間点の第2座標値を得る;第1の補間点の第1座標値、第2の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値、第1の補間点の第2座標値、第3の補間点の第2座標値に基づいて、第2の補間点の第2座標値を決定する;第1の補間点の第1座標値、第2の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値、第1の補間点の第2座標値、第3の補間点の第2座標値、第2の補間点の第2座標値に基づいて、三次スプライン曲線の関数を決定する。
【0052】
ある可能な実装では、第1の補間点の第1座標値、第2の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値、第1の補間点の第2座標値、および第3の補間点の第2座標値に基づいて第2の補間点の第2座標値を決定することは、第2の補間点の第2座標値を次式:
【数18】
に従って決定することを含む。
【0053】
ここで、VA2は第2の補間点の第2座標値、VA1は第1の補間点の第2座標値、VA3は第3の補間点の第2座標値、TH2は第2の補間点の第1座標値、TH1は第1の補間点の第1座標値、TH3は第3の補間点の第1座標値である。
【0054】
ある可能な実装では、基本マッピング曲線の関数が、処理対象画像におけるピクセルの輝度値を第2の目標輝度値にマッピングするために使用される。基本マッピング曲線の関数は、処理対象画像におけるピクセルの輝度値が独立変数であり、第2の目標輝度値が従属変数である輝度マッピング関数である。この輝度マッピング関数は次のように表される:
【数19】
【0055】
輝度マッピング関数のパラメータは、a、b、p、m、nを含み、L'は第2の目標輝度値であり、Lは処理対象画像におけるピクセルの輝度値である。
【0056】
ある可能な実装では、本方法はさらに:処理対象画像の輝度ヒストグラム、第1の補間点の第1座標値、第2の補間点の第1座標値、および第3の補間点の第1座標値に基づいて、第1のピクセル量および第2のピクセル量を決定するステップであって、第1のピクセル量は、輝度ヒストグラムにおける、第1の補間点の第1座標値と第2の補間点の第1座標値との間の区間におけるピクセル量であり、第2のピクセル量は、輝度ヒストグラムにおける、第2の補間点の第1座標値と第3の補間点の第1座標値との間の区間におけるピクセル量である、ステップと;第1のピクセル量と第2のピクセル量とに基づいて、第2の補間点の第2座標値の調整強度を決定するステップであって、調整強度は、第2の補間点の第2座標値の初期値に対する第2の補間点の第2座標値のオフセット度合いを示す、ステップとを含む。
【0057】
ある可能な実装では、第1のピクセル量と第2のピクセル量とに基づいて、第2の補間点の第2座標値の調整強度を決定することは:次式:
【数20】
に従って第2の補間点の第2座標値の調整強度を決定することを含む。
【0058】
ここで、TH_strengthは第2の補間点の第2座標値の調整強度であり、TH_strength1は第2の補間点の第2座標値の調整強度のデフォルト値であり、Δは調整きざみであり、NUM1は第1のピクセル量であり、NUM2は第2のピクセル量である。
【0059】
ある可能な実装では、第2の補間点の第2座標値の初期値は、次式:
【数21】
に従って得られる。
【0060】
ここで、VA21は、第2の補間点の第2座標値の初期値であり、VA1は第1の補間点の第2座標値であり、VA3は第3の補間点の第2座標値であり、TH2は第2の補間点の第1座標値であり、TH1は第1の補間点の第1座標値であり、TH3は第3の補間点の第1座標値である。
【0061】
第3の側面によれば、画像ダイナミックレンジ処理方法が提供される。本方法は、エンコーダによって送信される三次スプライン曲線の関数および処理対象画像のデータ情報を受領する段階であって、処理対象画像のデータ情報は処理対象画像を得るために使用され、三次スプライン曲線の関数は、処理対象画像のダイナミックレンジを修正するよう、処理対象画像における、輝度値が対応する区間内にあるピクセルの輝度値を目標輝度値にマッピングするために使用される、ステップと;三次スプライン曲線の関数および処理対象画像のデータ情報に基づいて処理対象画像のダイナミックレンジを修正するステップとを含む。
【0062】
第4の側面によれば、画像ダイナミックレンジ処理装置が提供される。本装置は、第1の三次スプライン曲線に関連する第1の補間点の第1座標値および第3の補間点の第1座標値を得るように構成された取得モジュールであって、第1の補間点の第1座標値および第3の補間点の第1座標値は輝度値である、取得モジュールと;処理対象画像の第1の輝度区間のヒストグラム情報に基づいて、第1の三次スプライン曲線に関連する第2の補間点の第1座標値を決定するように構成された第1の決定モジュールとを含む。第1の輝度区間は、第1の補間点の第1座標値と第3の補間点の第1座標値との間の区間である。第1の補間点の第1座標値、第2の補間点の第1座標値、および第3の補間点の第1座標値は、第1の三次スプライン曲線の関数を決定するために使用される。第1の三次スプライン曲線の前記関数は、処理対象画像のダイナミックレンジを修正するために、処理対象画像における、輝度値が第1の輝度区間にあるピクセルの輝度値を第1の目標輝度値にマッピングするために使用される。
【0063】
ある可能な実装では、第1の三次スプライン曲線の関数は、次のようにして得られる:取得モジュールはさらに、基本マッピング曲線の関数を得るように構成される;第1の決定モジュールはさらに、第1の補間点の第1座標値および第3の補間点の第1座標値を、基本マッピング曲線の関数に基づいてマッピングして、第1の補間点の第2座標値と第3の補間点の第2座標値を得て;第1の補間点の第1座標値、第2の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値、第1の補間点の第2座標値、第3の補間点の第2座標値に基づいて、第2の補間点の第2座標値を決定し;第1の補間点の第1座標値、第2の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値、第1の補間点の第2座標値、第3の補間点の第2座標値、第2の補間点の第2座標値に基づいて、第1の三次スプライン曲線の関数を決定するように構成される。
【0064】
ある可能な実装では、第1の決定モジュールは、第2の補間点の第2座標値を次式:
【数22】
に従って決定することを含む。
【0065】
ここで、VA2は第2の補間点の第2座標値、VA1は第1の補間点の第2座標値、VA3は第3の補間点の第2座標値、TH2は第2の補間点の第1座標値、TH1は第1の補間点の第1座標値、TH3は第3の補間点の第1座標値である。
【0066】
ある可能な実装では、本装置は、さらに:第3の補間点の第1座標値と、処理対象画像の第1のピクセルの最大RGB成分値とに基づいて、第2の三次スプライン曲線に関連する第4の補間点、第5の補間点、および第6の補間点の第1座標値を決定するように構成されている第2の決定モジュールを含む。第1のピクセルは、処理対象画像における最も大きな最大RGB成分値をもつピクセルである。ピクセルの最大RGB成分値は、ピクセルのR成分、G成分、およびB成分のうちの最も大きな値である。第4の補間点の第1座標値、第5の補間点の第1座標値、第6の補間点の第1座標値は、第2の三次スプライン曲線の関数を決定するために使用される。第2の三次スプライン曲線の関数は、処理対象画像のダイナミックレンジを修正するために、処理対象画像における、輝度値が第2の輝度区間にあるピクセルの輝度値を第2の目標輝度値にマッピングするために使用される。第2の輝度区間は、第4の補間点の第1座標値と第6の補間点の第1座標値との間の区間である。第1の輝度区間と第2の輝度区間は重ならない。
【0067】
ある可能な実装では、本装置は、さらに:三次スプライン曲線の関数および処理対象画像のデータ情報をデコーダに送信するように構成された送信モジュールを含む。それにより、デコーダが、三次スプライン曲線の関数に基づいて処理対象画像のダイナミックレンジを修正する。処理対象画像のデータ情報は、処理対象画像を取得するために使用される。
【0068】
ある可能な実装では、取得モジュールは具体的には:第1の補間点の第1座標値を第1のプリセット輝度値に設定し、第3の補間点の第1座標値を第2のプリセット輝度値に設定するように構成されている。
【0069】
ある可能な実装では、第2の補間点の第1座標値は、次式:
【数23】
に従って決定される。
【0070】
ここで、TH2は第2の補間点の第1座標値であり、Nframeは、処理対象画像における、輝度値が第1の輝度区間にあるピクセルの総量であり、iは処理対象画像における、輝度値が第1の輝度区間にあるピクセルのうちのi番目のピクセルであり、f(i)はi番目のピクセルの輝度値である。
【0071】
ある可能な実装では、第2の決定モジュールは具体的には:第1の式に基づいて第4の補間点の第1座標値を決定するステップであって、前記第1の式は
【数24】
である、ステップと;
第2の式に基づいて第5の補間点の第1座標値を決定するステップであって、前記第2の式は
【数25】
である、ステップと;
第6の補間点の第1座標値を第1のピクセルの最大RGB成分値に設定するステップとを実行するように構成される。
【0072】
ここで、TH1_highは第4の補間点の第1座標値であり、TH2_highは第5の補間点の第1座標値であり、MaxSourceの値は第1のピクセルの最大RGB成分値であり、TH3は第3の補間点の第1座標値であり、Uはプリセット値である。
【0073】
ある可能な実装では、第2の決定モジュールは、第4の補間点、第5の補間点、および第6の補間点の第1座標値を次のようにして決定するように構成される:第3の補間点の第1座標値および第1のピクセルの最大RGB成分値に基づいて第4の補間点の第1座標値の初期値を決定するステップと;第6の補間点の第1座標値を第1のピクセルの最大RGB成分値に設定するステップと;第4の補間点の第1座標値の初期値および第6の補間点の第1座標値に基づいて第1のピクセル量および第2のピクセル量を決定するステップであって、第1のピクセル量は、処理対象画像における、輝度値が第3の輝度区間にあるピクセルの量であり、第3の輝度区間は、第4の補間点の第1座標値の初期値と第6の補間点の第1座標値の間の区間であり、第2のピクセル量は、処理対象画像または処理対象画像の輝度ヒストグラムにおけるピクセルの総量である、ステップと;第1のピクセル量、第2のピクセル量、第3の補間点の第1座標値、第4の補間点の第1座標値の初期値および第6の補間点の第1座標値に基づいて第4の補間点の第1座標値を決定するステップと;処理対象画像の第2の輝度区間のヒストグラム情報、第4の補間点の第1座標値、および第6の補間点の第1座標値に基づいて第5の補間点の第1座標値を決定するステップとを実行する。
【0074】
ある可能な実装では、第2の輝度区間はN個の部分区間を含み、Nは正の整数である。第2の決定モジュールは、第5の補間点の第1座標値を次のようにして決定するように構成される:N個の部分区間から第iの部分区間を決定するステップであって、第iの部分区間はN個の部分区間のうちのn個の部分区間のうちにあり、前記n個の部分区間のシーケンス番号はN/4以上であり、前記n個の部分区間のシーケンス番号は3N/4以下であり、処理対象画像における、輝度値が第iの部分区間にあるピクセルの量は前記n個の部分区間のうちの最も小さい値である、ステップと;第4の補間点の第1座標値、第6の補間点の第1座標値、およびiに基づいて第5の補間点の第1座標値を決定するステップとを実行する。
【0075】
ある可能な実装では、Nの値は8である。
【0076】
ある可能な実装では、第2の決定モジュールは、次式:
【数26】
に従って第4の補間点の第1座標値の初期値を決定するように構成される。
【0077】
ここで、TH1_highは第4の補間点の第1座標値の初期値であり、MaxSourceの値は第1のピクセルの最大RGB成分値であり、Uはプリセット値であり、TH3は第3の補間点の第1座標値である。
【0078】
ある可能な実装では、第2の決定モジュールは、第4の補間点の第1座標値を次のようにして決定するように構成される:第1のピクセルの最大RGB成分値に対する第3の輝度区間の長さの比を決定し;次式:
【数27】
に従って第4の補間点の第1座標値を決定する。
【0079】
ここで、TH1_highは第4の補間点の第1座標値であり、MaxSourceの値は第1のピクセルの最大RGB成分値であり、Uはプリセット値であり、TH3は第3の補間点の第1座標値であり、highRatioは第1のピクセル量と第2のピクセル量の比であり、wholeratio=(TH3_high-TH1_high1)/MaxSourceであり、wholeratioは第1のピクセルの最大RGB成分値に対する第3の輝度区間の長さの比であり、TH1_high1は第4の補間点の第1座標値の初期値であり、TH3_highは第6の補間点の第1座標値であり、POW(x,j)はxのj乗を示す。
【0080】
ある可能な実装では、第2の決定モジュールは、次式:
【数28】
に従って第5の補間点の第1座標値を決定するように構成される。
【0081】
ここで、TH2_highは第5の補間点の第1座標値であり、TH1_highは第4の補間点の第1座標値であり、TH3_highは第6の補間点の第1座標値であり、n_minはiである。
【0082】
ある可能な実装では、本装置はさらに下記を含む。
【0083】
第2の決定モジュールは、処理対象画像の輝度ヒストグラム、第4の補間点の第1座標値、第5の補間点の第1座標値、および第6の補間点の第1座標値に基づいて、第3のピクセル量および第4のピクセル量を決定するステップであって、第3のピクセル量は、輝度ヒストグラムにおける、第4の補間点の第1座標値と第5の補間点の第1座標値との間の区間におけるピクセル量であり、第4のピクセル量は、輝度ヒストグラムにおける、第5の補間点の第1座標値と第6の補間点の第1座標値との間の区間におけるピクセル量である、ステップと;第3のピクセル量と第4のピクセル量とに基づいて、第5の補間点の第2座標値の調整強度を決定するステップであって、調整強度は、第5の補間点の第2座標値の初期値に対する第5の補間点の第2座標値のオフセット度合いを示す、ステップとを実行するように構成される。
【0084】
ある可能な実装では、第2の決定モジュールは、具体的には、次式:
【数29】
に従って第5の補間点の第2座標値の調整強度を決定するように構成される。
【0085】
ここで、TH_high_strengthは第5の補間点の第2座標値の調整強度であり、TH_high_strength1は第5の補間点の第2座標値の調整強度のデフォルト値であり、Δは調整きざみであり、NUM1は第3のピクセル量であり、NUM2は第4のピクセル量である。
【0086】
ある可能な実装では、第5の補間点の第2座標値の初期値は、次式:
【数30】
に従って得られる。
【0087】
ここで、VA2_high1は、第5の補間点の第2座標値の初期値であり、VA1_highは第4の補間点の第2座標値であり、VA3_highは第6の補間点の第2座標値であり、TH2_highは第5の補間点の第1座標値であり、TH1_highは第4の補間点の第1座標値であり、TH3_highは第6の補間点の第1座標値である。
【0088】
ある可能な実装では、基本マッピング曲線の関数が、処理対象画像におけるピクセルの輝度値を第3の目標輝度値にマッピングするために使用される。基本マッピング曲線の関数は、処理対象画像におけるピクセルの輝度値が独立変数であり、第3の目標輝度値が従属変数である輝度マッピング関数である。輝度マッピング関数は次のように表される:
【数31】
【0089】
輝度マッピング関数のパラメータは、a、b、p、m、nを含み、L'は第3の目標輝度値であり、Lは処理対象画像におけるピクセルの輝度値である。
【0090】
第5の側面によれば、本願は、画像ダイナミックレンジ処理装置を提供する。本装置は:
処理対象画像の第1のピクセルの最大RGB成分値を取得するように構成された取得モジュールであって、第1のピクセルは、処理対象画像における最も大きな最大RGB成分値をもつピクセルであり、ピクセルの最大RGB成分値は、ピクセルのR成分、G成分、およびB成分のうちの最も大きな値である、取得モジュールと;第1のピクセルの最大RGB成分値および処理対象画像の輝度ヒストグラムに基づいて、少なくとも1つの三次スプライン曲線に関連する補間点の第1座標値を決定するように構成された第1の決定モジュールとを含む。各三次スプライン曲線に関連する補間点は、第1の補間点、第2の補間点、および第3の補間点を含む。補間点の第1座標値は輝度値である。各三次スプライン曲線に関連する補間点の第1座標値は、対応する三次スプライン曲線の関数を決定するために使用される。各三次スプライン曲線の関数は、処理対象画像のダイナミックレンジを修正するために、処理対象画像における、輝度値が対応する第1の輝度区間にあるピクセルの輝度値を、第1の目標輝度値にマッピングするために使用される。三次スプライン曲線の関数に対応する第1の輝度区間は、三次スプライン曲線に関連する第1の補間点の第1座標値と第3の補間点の第1座標値の間の区間である。
【0091】
ある可能な実装では、三次スプライン曲線の量は1である。
【0092】
第1の決定モジュールはさらに:前記輝度ヒストグラムに基づいて、第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、および第3のパーセンテージに対応する第4のピクセルの最大RGB成分値を決定するステップであって、前記第1のパーセンテージは、前記処理対象画像における複数のピクセルのうちの前記第2のピクセルの最大RGB成分値以下の最大RGB成分値を有するピクセルのパーセンテージを示し、前記第2のパーセンテージは、前記処理対象画像における前記複数のピクセルのうちの前記第3のピクセルの最大RGB成分値以下の最大RGB成分値を有するピクセルのパーセンテージを示し、前記第3のパーセンテージは、前記処理対象画像における前記複数のピクセルのうちの前記第4のピクセルの最大RGB成分値以下の最大RGB成分値を有するピクセルのパーセンテージを示す、ステップと;第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、および第3のパーセンテージに対応する第4のピクセルの最大RGB成分値に基づいて、第1の補間点の第1座標値を決定するステップと;第3の補間点の第1座標値を第1のピクセルの最大RGB成分値に設定するステップと;第1の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値、および輝度ヒストグラムにおける第1の輝度区間に対応するヒストグラム情報に基づいて、第2の補間点の第1座標値を決定するステップとを実行するように構成される。
【0093】
ある可能な実装では、第1の決定モジュールは、次のようにして第1の補間点の第1座標値を決定するように構成される:
第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、および輝度閾値に基づいて第1の補間点の第1座標値の第1の値を決定し;
第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、第3のパーセンテージに対応する第4のピクセルの最大RGB成分値、および第1の値に基づいて第1の補間点の第1座標値を決定する。
【0094】
ある可能な実装では、第1のパーセンテージは90%、第2のパーセンテージは95%、第3のパーセンテージは99%である。
【0095】
決定モジュールは:次式:
【数32】
に従って第1の補間点の第1座標値の第1の値を決定するように構成される。
【0096】
ここで、TH1_used1は第1の値であり、g_maxRGBdistribution90は、90%に対応する第2のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution95は、95%に対応する第3のピクセルの最大RGB成分値であり、THRESOLDは輝度閾値である。
【0097】
ある可能な実装では、第1の決定モジュールは、次のようにして、第1の補間点の第1座標値を決定するように構成される:第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値の2倍と第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値との間の差を決定し;第3のパーセンテージに対応する第4のピクセルの最大RGB成分値が、得られた差と第1のプリセット値との和より大きいかどうか、および第1の値が第1の閾値より大きいかどうかを判定し;もしそうであれば、第1の補間点の第1座標値を第1の値に設定する。
【0098】
ある可能な実装では、第1の決定モジュールは、次のようにして第1の補間点の第1座標値を決定するように構成される:処理対象画像の輝度ヒストグラムに基づいて、第4のパーセンテージに対応する第5のピクセルの最大RGB成分値、第5のパーセンテージに対応する第6のピクセルの最大RGB成分値、および第6のパーセンテージに対応する第7のピクセルの最大RGB成分値を決定するステップであって、第4のパーセンテージは、前記処理対象画像における複数のピクセルのうちの前記第5のピクセルの最大RGB成分値以下の最大RGB成分値を有するピクセルのパーセンテージを示し、第5のパーセンテージは、前記処理対象画像における前記複数のピクセルのうちの前記第6のピクセルの最大RGB成分値以下の最大RGB成分値を有するピクセルのパーセンテージを示し、第6のパーセンテージは、前記処理対象画像における前記複数のピクセルのうちの前記第7のピクセルの最大RGB成分値以下の最大RGB成分値を有するピクセルのパーセンテージを示す、ステップと;第4のパーセンテージに対応する第5のピクセルの最大RGB成分値、第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、および輝度閾値に基づいて、第1の補間点の第1座標値の第1の値を決定するステップと;第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、および輝度閾値に基づいて第1の補間点の第1座標値の第2の値を決定するステップと;第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、第3のパーセンテージに対応する第4のピクセルの最大RGB成分値、および輝度閾値に基づいて第1の補間点の第1座標値の第3の値を決定するステップと;第4のパーセンテージに対応する第5のピクセルの最大RGB成分値、第5のパーセンテージに対応する第6のピクセルの最大RGB成分値、第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、第3のパーセンテージに対応する第4のピクセルの最大RGB成分値、第6のパーセンテージに対応する第7のピクセルの最大RGB成分値、および第1の値ないし第3の値に基づいて、第1の補間点の第1座標値を決定するステップとを実行するように構成される。
【0099】
ある可能な実装では、第1のパーセンテージは90%、第2のパーセンテージは95%、第3のパーセンテージは99%、第4のパーセンテージは50%、第5のパーセンテージは10%、第6のパーセンテージは100%である。第1の決定モジュールは:第1の式に従って第1の補間点の第1座標値の第1の値を決定するステップであって、第1の式は:
【数33】
である、ステップと;
第2の式に従って第1の補間点の第1座標値の第2の値を決定するステップであって、第2の式は:
【数34】
である、ステップと;
第3の式に従って第1の補間点の第1座標値の第3の値を決定するステップであって、第3の式は:
【数35】
である、ステップとを実行するように構成される。
【0100】
ここで、TH1_used1は第1の値であり、TH1_used2は第2の値であり、TH1_used3は第3の値であり、g_maxRGBdistribution90は90%に対応する第2のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution95は95%に対応する第3のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution50は50%に対応する第5のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution99は99%に対応する第4のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution10は10%に対応する第6のピクセルの最大RGB成分値であり、THRESOLDは輝度閾値である。
【0101】
ある可能な実装では、第1の決定モジュールは、第4の式:
【数36】
に従って第1の補間点の第1座標値の初期値を決定し;
第1の補間点の第1座標値の初期値、第2の値および第3の値に基づいて、第5の式:
【数37】
に従って、第1の補間点の第1座標値を決定するように構成される。
【0102】
ここで、TH1は第1の補間点の第1座標値であり、TH1_usedは第1の補間点の第1座標値の初期値であり、TH1_used1は第1の値であり、TH1_used2は第2の値であり、TH1_used3は第3の値であり、g_maxRGBdistribution90は90%に対応する第2のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution95は95%に対応する第3のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution50は50%に対応する第5のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution99は99%に対応する第4のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution10は10%に対応する第6のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution100は100%に対応する第7のピクセルの最大RGB成分値である。
【0103】
ある可能な実装では、第1の輝度区間はN個の部分区間を含み、Nは正の整数である。第1の決定モジュールは、次のようにして第2の補間点の第1座標値を決定するように構成される:N個の部分区間から第iの部分区間を決定するステップであって、第iの部分区間はN個の部分区間のうちのn個の部分区間のうちにあり、前記n個の部分区間のシーケンス番号はN/4以上であり、前記n個の部分区間のシーケンス番号は3N/4以下であり、処理対象画像における、輝度値が第iの部分区間にあるピクセルの量は前記n個の部分区間のうちの最も小さい値である、ステップと;第1の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値、およびiに基づいて第2の補間点の第1座標値を決定するステップとを実行する。
【0104】
ある可能な実装では、Nの値は8である。
【0105】
ある可能な実装では、第1の決定モジュールは、次式:
【数38】
に従って第2の補間点の第1座標値を決定するように構成される。
【0106】
ここで、TH2は第2の補間点の第1座標値であり、TH1は第1の補間点の第1座標値であり、TH3は第3の補間点の第1座標値であり、n_minはiである。
【0107】
ある可能な実装では、三次スプライン曲線の関数は、次のようにして得られる:取得モジュールが、さらに、基本マッピング曲線の関数を得るように構成される;第1の決定モジュールがさらに:第1の補間点の第1座標値および第3の補間点の第1座標値を、基本マッピング曲線の関数に基づいてマッピングして、第1の補間点の第2座標値と第3の補間点の第2座標値を得て;第1の補間点の第1座標値、第2の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値、第1の補間点の第2座標値、第3の補間点の第2座標値に基づいて、第2の補間点の第2座標値を決定し;第1の補間点の第1座標値、第2の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値、第1の補間点の第2座標値、第3の補間点の第2座標値、第2の補間点の第2座標値に基づいて、三次スプライン曲線の関数を決定するように構成される。
【0108】
ある可能な実装では、第1の決定モジュールは、第2の補間点の第2座標値を次式:
【数39】
に従って決定するように構成される。
【0109】
ここで、VA2は第2の補間点の第2座標値、VA1は第1の補間点の第2座標値、VA3は第3の補間点の第2座標値、TH2は第2の補間点の第1座標値、TH1は第1の補間点の第1座標値、TH3は第3の補間点の第1座標値である。
【0110】
ある可能な実装では、基本マッピング曲線の関数が、処理対象画像におけるピクセルの輝度値を第2の目標輝度値にマッピングするために使用される。基本マッピング曲線の関数は、処理対象画像におけるピクセルの輝度値が独立変数であり、第2の目標輝度値が従属変数である輝度マッピング関数である。この輝度マッピング関数は次のように表される:
【数40】
【0111】
輝度マッピング関数のパラメータは、a、b、p、m、nを含み、L'は第2の目標輝度値であり、Lは処理対象画像におけるピクセルの輝度値である。
【0112】
ある可能な実装では、本装置はさらに:処理対象画像の輝度ヒストグラム、第1の補間点の第1座標値、第2の補間点の第1座標値、および第3の補間点の第1座標値に基づいて、第1のピクセル量および第2のピクセル量を決定するステップであって、第1のピクセル量は、輝度ヒストグラムにおける、第1の補間点の第1座標値と第2の補間点の第1座標値との間の区間におけるピクセル量であり、第2のピクセル量は、輝度ヒストグラムにおける、第2の補間点の第1座標値と第3の補間点の第1座標値との間の区間におけるピクセル量である、ステップと;第1のピクセル量と第2のピクセル量とに基づいて、第2の補間点の第2座標値の調整強度を決定するステップであって、調整強度は、第2の補間点の第2座標値の初期値に対する第2の補間点の第2座標値のオフセット度合いを示す、ステップとを実行するように構成された第2の決定モジュールを含む。
【0113】
ある可能な実装では、第2の決定モジュールは:次式:
【数41】
に従って第2の補間点の第2座標値の調整強度を決定するように構成される。
【0114】
ここで、TH_strengthは第2の補間点の第2座標値の調整強度であり、TH_strength1は第2の補間点の第2座標値の調整強度のデフォルト値であり、Δは調整きざみであり、NUM1は第1のピクセル量であり、NUM2は第2のピクセル量である。
【0115】
ある可能な実装では、第2の補間点の第2座標値の初期値は、次式:
【数42】
に従って得られる。
【0116】
ここで、VA21は、第2の補間点の第2座標値の初期値であり、VA1は第1の補間点の第2座標値であり、VA3は第3の補間点の第2座標値であり、TH2は第2の補間点の第1座標値であり、TH1は第1の補間点の第1座標値であり、TH3は第3の補間点の第1座標値である。
【0117】
第6の側面によれば、画像ダイナミックレンジ処理装置が提供される。本装置は、エンコーダによって送信される三次スプライン曲線の関数および処理対象画像のデータ情報を受領するように構成された受領モジュールであって、処理対象画像のデータ情報は処理対象画像を得るために使用され、三次スプライン曲線の関数は、処理対象画像のダイナミックレンジを修正するよう、処理対象画像における、輝度値が対応する区間内にあるピクセルの輝度値を目標輝度値にマッピングするために使用される、受領モジュールと;三次スプライン曲線の関数および処理対象画像のデータ情報に基づいて処理対象画像のダイナミックレンジを修正するように構成された修正モジュールとを含む。
【0118】
第7の側面によれば、プロセッサおよびメモリを含む画像処理装置が提供される。プロセッサは、メモリに結合される。プロセッサは、本装置が、第1の側面ないし第3の側面のうちいずれか1つによる方法を実行できるようにするように構成される。
【0119】
第8の側面によれば、入力インターフェース、出力インターフェース、少なくとも1つのプロセッサ、およびメモリを含むチップ装置が提供される。入力インターフェース、出力インターフェース、プロセッサ、およびメモリは、内部接続経路を通じて互いに通信する。プロセッサは、メモリ内のコードを実行するように構成される。プロセッサがコードを実行すると、チップ装置は、第1の側面ないし第3の側面のいずれか1つによる方法を実行する。
【0120】
第9の側面によれば、コンピュータ・プログラムを記憶するように構成された、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体が提供される。前記コンピュータ・プログラムは、第1の側面ないし第3の側面のいずれか1つによる方法を実行するために使用される。
【0121】
第10の側面によれば、コンピュータ・プログラム・プロダクトが提供される。コンピュータ・プログラム・プロダクトは、命令を含む。命令がコンピュータ上で実行されるとき、コンピュータは、第1の側面ないし第3の側面のうちいずれか1つによる方法を実行できるようにされる。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【0123】
【0124】
【0125】
【
図4】ダイナミックレンジ調整解決策において使用される既存のマッピング曲線の概略図である。
【0126】
【
図5】本願のある実施形態によるエンドツーエンドの画像ダイナミックレンジ処理システムの構造の概略図である。
【0127】
【
図6】本願のある実施形態による画像ダイナミックレンジ処理方法の第1の概略フローチャートである。
【0128】
【
図7】第2の三次スプライン曲線および基本マッピング曲線の概略図である。
【0129】
【
図8】本願のある実施形態による画像ダイナミックレンジ処理方法の第2の概略フローチャートである。
【0130】
【
図9】本願のある実施形態による画像ダイナミックレンジ処理装置の構造の第1の概略図である。
【0131】
【
図10】本願のある実施形態による画像ダイナミックレンジ処理装置の構造の第2の概略図である。
【0132】
【
図11】本願のある実施形態による画像ダイナミックレンジ処理装置の構造の第3の概略図である。
【0133】
【
図12】本願のある実施形態による画像処理装置の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0134】
下記は、添付の図面を参照して、本願の技術的解決策を記述する。
【0135】
まず、本願の実施形態における関連する概念および技術について簡単に説明する。
【0136】
ダイナミックレンジ(Dynamic Range)は、多くの分野において、変数の最小値に対する最大値の比を示す。デジタル画像については、ダイナミックレンジは、画像を表示できる範囲における最小輝度に対する最大輝度の比を示す。自然におけるダイナミックレンジはきわめて大きい。たとえば、星空の夜景の輝度は約0.001cd/m2であり、太陽の輝度は最大100,000,000cd/m2にもなる。ここで、cd/m2(カンデラ毎平方メートル)は、国際単位系における輝度の誘導単位である。よって、自然におけるダイナミックレンジは、1,000,000,000/0.001=1013のオーダーに達する。
【0137】
しかしながら、自然界では太陽の輝度と星の輝度は同時には得られない。実世界の自然なシーンでは、ダイナミックレンジは10-3から106である。このダイナミックレンジはきわめて大きく、よって、通例、高ダイナミックレンジ(High Dynamic Range、HDR)と呼ばれる。高ダイナミックレンジと比較して、共通画像のダイナミックレンジは、低ダイナミックレンジ(Low Dynamic Range, LDR)と呼ばれる。よって、デジタルカメラの撮像プロセスは、実際には、実世界についての高ダイナミックレンジから写真についての低ダイナミックレンジへのマッピング・プロセスであることが理解されうる。
【0138】
画像の、より大きなダイナミックレンジは、画像によって示される、より多くのシーン詳細およびより豊かな光レベルと、より鮮やかな視覚効果を示す。従来のデジタル画像については、1つのピクセル値は一般に1バイト(すなわち、8ビット)のスペースを用いて記憶される。高ダイナミックレンジ画像については、1ピクセル値は浮動小数点数の複数バイトを用いて記憶され、そのため、自然のシーンの高ダイナミックレンジが表現できる。
【0139】
光デジタル撮像プロセス(たとえば、デジタルカメラの撮像プロセス)では、現実のシーンの光放射がイメージセンサーを用いて電気信号に変換され、電気信号がデジタル画像の形で記憶される。画像表示は、表示装置を使用することにより、デジタル画像によって記述される現実のシーンを再現することを目的とする。光デジタル撮像プロセスおよび画像表示の最終的な目的は、ユーザーが現実のシーンを直接観察するときに得られたものと同じ視覚的な知覚をユーザーが得ることを可能にすることである。
【0140】
現実のシーンについての光放射(光信号)によって示される輝度レベルは、ほぼ線形である。よって、光信号は、線形信号とも呼ばれる。しかしながら、光デジタル撮像において光信号を電気信号に変換するプロセスにおいては、すべての光信号が1つの電気信号に対応するわけではない。さらに、変換を通じて得られる電気信号は非線形である。よって、電気信号は、非線形信号とも呼ばれる。
【0141】
光‐電気伝達関数(Optical Electro Transfer Function、OETF)は、画像ピクセルの線形信号と非線形信号との間の変換関係を示す。現在、一般的に使用されている光‐電気伝達関数は、以下の3つのタイプを含む:
知覚的量子化器(Perceptual Quantizer、PQ)光‐電気伝達関数、ハイブリッド対数‐ガンマ(Hybrid Log-Gamma、HLG)光電気伝達関数、およびシーン輝度忠実度(Scene Luminance Fidelity、SLF)光‐電気伝達関数である。これら3つの光‐電気伝達関数は、オーディオビデオ符号化規格(Audio Video coding Standard、AVS)において規定されている。
【0142】
PQ光‐電気伝達関数は、人間の目についての輝度知覚モデルに基づいて提供される知覚的量子化器光‐電気伝達関数である。
図1は、PQ光‐電気伝達関数の図である。
【0143】
PQ光‐電気伝達関数は、画像ピクセルの線形信号値とPQ領域での非線形信号値との間の変換関係を示し、PQ光‐電気伝達関数は、式(1)で表すことができる:
【数43】
【0144】
式(1)における各パラメータは、次のように計算される:
【数44】
【0145】
ここで、Lは[0,1]に正規化された値をもつ線形信号値を示し、L'は[0,1]の値範囲をもつ非線形信号値を示し、m
1、m
2、c
1、c
2、c
3はPQ光‐電気伝達係数であり、
【数45】
である。
【0146】
HLG光‐電気伝達関数は、従来のガンマ曲線を改善することによって得られる。
図2は、HLG光‐電気伝達関数の図である。
【0147】
HLG光‐電気伝達関数については、下半分の領域において従来のガンマ曲線が使用され、上半分の領域には対数曲線が加えられる。HLG光‐電気伝達関数は、画像ピクセルの線形信号値とHLG領域での非線形信号値との間の変換関係を示し、HLG光‐電気伝達関数は、式(2)で表すことができる:
【数46】
【0148】
ここで、Lは値範囲[0,12]をもつ線形信号値を示し、L'は値範囲[0,1]をもつ非線形信号値を示し、a、b、cはHLG光‐電気伝達係数であり、a=0.17883277、b=0.28466892、c=0.55991073である。
【0149】
SLF光‐電気伝達関数は、人間の眼の光学特性が満足されるときのHDRシーンにおける輝度分布に基づいて得られた最適曲線である。
図3は、SLF光‐電気伝達関数の図である。
【0150】
SLF光‐電気伝達曲線は、画像ピクセルの線形信号値とSLF領域での非線形信号値との間の変換関係を示す。画像ピクセルの線形信号値とSLF領域での非線形信号値との間の変換関係は、式(3)で表される:
【数47】
【0151】
SLF光‐電気伝達関数は、式(4)で表すことができる:
【数48】
【0152】
ここで、Lは[0,1]に正規化された値をもつ線形信号値であり、L'は値範囲[0,1]をもつ非線形信号値を示し、p、m、a、bはSLF光‐電気伝達係数であり、p=2.3、m=0.14、a=1.12762、b=-0.12762である。
【0153】
異なる表示装置は、異なる表示能力を有する。したがって、一般に表示装置の表示能力に応じて、画像内の各ピクセルの輝度値は、マッピング曲線に基づいて目標輝度値にマッピングされ、よって、ピクセルの輝度値を変化させることにより画像のダイナミックレンジが調整される。換言すれば、画像のダイナミックレンジは、表示のために表示装置の表示可能なダイナミックレンジに調整される。
【0154】
ダイナミックレンジ調整方法は、主にフロントエンド照明信号とバックエンド端末表示装置との間の適応に適用される。たとえば、フロントエンドによって収集された照明信号は4000ニトであり、バックエンド端末表示装置(TV、iPad)の表示能力はわずか500ニトである。よって、4000ニトの信号を500ニトの装置にマッピングするプロセスは、高から低へのマッピング・プロセスである。あるいはまた、フロントエンドによって収集された照明信号は100ニトであり、バックエンド端末表示装置の表示能力は2000ニトである。2000ニトの装置上で100ニトの信号をよりよく表示するプロセスは、低から高への別のマッピング・プロセスである。
【0155】
ダイナミックレンジ調整方法は、静的と動的に分類されうる。ダイナミックレンジ調整の静的方法は、同じビデオ・コンテンツまたは同じハードディスク・コンテンツに基づいた単一のデータを使用することによる全体的なマッピング・プロセスである。言い換えれば、マッピング曲線は通例同じであり、各シーンは同じマッピング曲線を使用する。ダイナミックレンジ調整の動的方法は、特定の領域、各シーン、または各フレームの内容に基づく動的な調整である。言い換えれば、特定の領域、各シーン、または各フレームに基づいて、異なるマッピング曲線処理が実行される。ダイナミックレンジ調整の動的方法が使用される場合は、各フレームと各シーンの情報を搬送する必要がある。
【0156】
ダイナミックレンジ調整の静的方法では、静的メタデータがバックエンド表示装置に送信される必要があり、静的メタデータは、バックエンド表示装置にマッピング曲線を生成するよう命令するために使用される。ダイナミックレンジ調整の静的方法は、同じビデオ・コンテンツまたは同じハードディスク・コンテンツについて同じマッピング曲線を使用するため、同じビデオ・コンテンツまたは同じハードディスク・コンテンツについては静的メタデータは変更されないままである。ダイナミックレンジ調整の動的方法では、動的メタデータをバックエンド表示装置に送信される必要があり、動的メタデータが、バックエンド表示装置にマッピング曲線を生成するよう命令するために使用される。ダイナミックレンジ調整の動的方法では、各シーンまたは各フレームついて異なるマッピング曲線処理が実行されるため、各シーンまたは各フレームについて異なるマッピング曲線処理を実行するためには異なる動的メタデータが必要となる。
【0157】
ダイナミックレンジ調整の静的方法と比較して、ダイナミックレンジ調整の動的方法は、各シーンまたは各フレームについて異なるマッピング曲線処理を行い、よって、ダイナミックレンジ調整の動的方法は、より多様化したシーンに適応でき、よりよい表示適応効果をもち、よって現在の主流オプションとなっていることを注意しておくべきである。
【0158】
しかしながら、ダイナミックレンジ調整の動的方法において使用される既存のマッピング曲線の形は、十分に柔軟ではないため、画像内のいくつかの領域の輝度レベルが失われ、輝度コントラストは明らかではない。結果として、調整されたダイナミックレンジをもつ画像は、貧弱な表示効果をもつ。たとえば、
図4は、ダイナミックレンジ調整の動的な解決策において使用される既存のマッピング曲線の概略図である。図から、マッピング曲線の形は、Cタイプ、逆Sタイプ、および逆Cタイプのみを含むことがわかる。画像が明るさと暗さの間のコントラストが強いシーンにある場合は、Sタイプのマッピング曲線が必要になる。しかしながら、
図4のマッピング曲線に基づいて画像のダイナミックレンジが調整されるとき、マッピング曲線の形状はSタイプにはなれず、
図4のマッピング曲線に基づいて画像が動的にマッピングされた後、画像の輝度レベルが失われ、輝度コントラストが明らかでない。結果として、調整されたダイナミックレンジをもつ画像は、貧弱な表示効果をもつ。
【0159】
よって、本願は、画像ダイナミックレンジ処理方法を提供する。三次スプライン曲線に関連する第1の補間点ないし第3の補間点の第1座標値が決定される。補間点の第1座標値は輝度値である。第1の補間点ないし第3の補間点の第1座標値に基づいて、その三次スプライン曲線の関数が決定される。処理対象画像における、輝度値が第1の輝度区間にあるピクセルの輝度値が、処理対象画像のダイナミックレンジを修正するために、三次スプライン曲線の関数に基づいて、第1の目標ピクセル値にマッピングされる。第1の輝度区間は、第1の補間点の第1座標値と第3の補間点の第1座標値との間の区間である。
【0160】
処理対象画像におけるピクセルの輝度値が基本マッピング曲線に基づいてマッピングされる場合、処理対象画像における、輝度値が第1の輝度区間にあるピクセルの輝度値は、第1の補間点ないし第3の補間点の第1座標値に基づいて決定される、三次スプライン曲線の関数に基づいて、第1の目標ピクセル値にマッピングされることは明らかである。換言すれば、処理対象画像におけるいくつかのピクセルに対しては三次スプライン曲線の関数に基づいて輝度マッピングが実行され、処理対象画像における、輝度値が第1の輝度区間の外側に位置するピクセルに対しては、基本マッピング曲線に基づいて輝度マッピングが実行され、それにより、処理対象画像におけるいくつかのピクセルの輝度値のオリジナルのマッピング関係が変更され、基本マッピング曲線上の第1の輝度区間に対応する曲線セグメントの形が変更される。これは、基本マッピング曲線の形の多様性および柔軟性を改善し、調整されたダイナミックレンジによる画像の表示効果を改善する。
【0161】
図5は、本願のある実施形態によるエンドツーエンドの画像ダイナミックレンジ処理システムの構造の概略図である。
図5に示されるように、システムは:
エンコーダおよびデコーダを含み、エンコーダは前処理モジュールおよびエンコード・モジュールを含み、デコーダはデコード・モジュールおよびダイナミックレンジ調整モジュールを含む。
【0162】
具体的には、前処理モジュールは、処理対象画像を受領し、処理対象画像から動的メタデータを抽出するように構成される。処理対象画像は、ビデオ内の画像のフレームであってもよく、あるいは独立した画像であってもよい。動的メタデータは、基本動的メタデータおよび三次スプライン曲線の関数のパラメータを含み、または動的メタデータは、基本動的メタデータ、基本マッピング曲線の関数のパラメータおよび三次スプライン曲線の関数のパラメータを含むことに留意されたい。処理対象画像が複数のピクセルを含む場合、処理対象画像から抽出された基本動的メタデータは、maximun_maxrgb、average_maxrgb、variance_maxrgbおよびminimum_maxrgbを含み、maximun_maxrgbは表示されるコンテンツの最大輝度を含む。たとえば、maximun_maxrgbは、処理対象画像の前記複数ピクセルにおける最も大きな最大RGB成分値を示し、minimum_maxrgbは、表示されるコンテンツの最小輝度を示す。たとえば、minimum_maxrgbは、処理対象画像の前記複数ピクセルにおける最も小さい最大RGB成分値をもつピクセルの最大RGB成分値である。average_maxrgbは、表示されるコンテンツの平均輝度を示す。たとえば、average_maxrgbは、処理対象画像の前記複数ピクセルの最大RGB成分値の平均値である。variance_maxrgbは、表示されるコンテンツの輝度変化範囲を示す。たとえば、variance_maxrgbは、処理対象画像の前記複数のピクセルの最大RGB成分値の90%分位点に対応する最大RGB成分値と、処理対象画像の前記複数のピクセルの最大RGB成分値の10%分位点に対応する最大RGB成分値である。三次スプライン曲線の関数は、処理対象画像における、輝度値が三次スプライン曲線の関数の独立変数値範囲内にあるピクセルの輝度値をマッピングするために使用され、基本マッピング曲線の関数は、処理対象画像における、三次スプライン曲線の関数の独立変数値範囲外に位置するピクセルの輝度値をマッピングするために使用されて、処理対象画像のダイナミックレンジを調整する。
【0163】
エンコード・モジュールは、動的メタデータをエンコードし、動的メタデータをビットストリームに埋め込み、処理対象画像をエンコードし、処理対象画像をビットストリームに埋め込み、それにより、動的メタデータおよび処理対象画像がビットストリームを使用することによってデコーダに送られるようにするように構成される。
【0164】
デコード・モジュールは、デコードを通じて、処理対象画像および動的メタデータを取得するように構成される。
【0165】
ダイナミックレンジ調整モジュールは:動的メタデータが基本動的メタデータおよび三次スプライン曲線の関数のパラメータを含んでいる場合、表示装置のピーク輝度に基づき、かつデコードを通じて得られた処理対象画像および動的メタデータに基づいて、基本マッピング曲線の関数のパラメータを計算し、基本マッピング曲線の関数のパラメータに基づいて基本マッピング曲線の関数を構築し、三次スプライン曲線の関数のパラメータに基づいて三次スプライン曲線の関数を構築し、基本マッピング曲線の関数および三次スプライン曲線の関数に基づいて処理対象画像のダイナミックレンジを調整し;または、動的メタデータが基本動的メタデータ、基本マッピング曲線の関数のパラメータおよび三次スプライン曲線の関数のパラメータを含んでいる場合、基本マッピング曲線の関数のパラメータに基づいて基本マッピング曲線の関数を構築し、三次スプライン曲線の関数のパラメータに基づいて三次スプライン曲線を作成し、基本マッピング曲線の関数のパラメータを計算することなく基本マッピング曲線の関数と三次スプライン曲線の関数に基づいて、処理対象画像のダイナミックレンジを調整するように構成される。
【0166】
エンコーダおよびデコーダは、たとえば、携帯電話表示装置、セットトップボックス、テレビジョン表示装置、またはネットワーク生放送もしくはビデオアプリケーション変換装置であってもよい。これは、本願において特に限定されない。
図5におけるエンドツーエンドシステムの構造の概略図は、単に例であり、本願を限定することは意図されていないことに留意されたい。
【0167】
図5に示されるシステムの動作原理によれば、三次スプライン曲線の関数および基本マッピング曲線の関数の作用に基づいて三次スプライン曲線の関数および基本マッピング曲線の関数が決定される場合、三次スプライン曲線の関数および基本マッピング曲線の関数に基づいて処理対象画像に対して輝度マッピングが実行されるとき、いくつかのピクセルの輝度値は三次スプライン曲線の関数に基づいてマッピングされ、いくつかのピクセルの輝度値は基本マッピング曲線の関数に基づいてマッピングされることがわかる。すべてのピクセルの輝度値が単に基本マッピング曲線の関数に基づいてマッピングされる従来のやり方と比較して、本システムは、いくつかのピクセルの輝度値を、三次スプライン曲線の関数に基づいてマッピングする。これは、基本マッピング曲線上の曲線セグメントのもとのマッピング関係が変更されることを意味する。換言すれば、基本マッピング曲線上の第1の輝度区間に対応する曲線セグメントの形が変更される。これは、特定の領域を保護し、基本マッピング曲線の形の多様性、柔軟性、堅牢性、および普遍性を改善し、さらに、調整されたダイナミックレンジでの画像の表示効果を改善する。
【0168】
図6は、本願のある実施形態による画像ダイナミックレンジ処理方法の第1の概略フローチャートである。画像ダイナミックレンジ処理方法は、たとえば
図5のエンコーダによって実行される。これは、本願において特に限定されない。
図6に示されるように、画像ダイナミックレンジ処理方法は、以下のステップを含む。
【0169】
ステップ601:第1の三次スプライン曲線に関連する第1の補間点の第1座標値および第3の補間点の第1座標値を得る。ここで、第1の補間点の第1座標値および第3の補間点の第1座標値は輝度値である。
【0170】
具体的には、第1の補間点の第1座標値が第1のプリセット輝度値に設定され、第3の補間点の第1座標値が第2のプリセット輝度値に設定される。第1のプリセット輝度値は、たとえば、人間の目にとっての感知可能な輝度の下限値であってもよく、第2のプリセット輝度値は、たとえば、人間の皮膚色調の下限輝度値であってもよい。これは、本願のこの実施側面において特に限定されない。たとえば、第1のプリセット輝度値および第2のプリセット輝度値はさらに、経験的な値に基づいて設定されてもよい。たとえば、第1の補間点の第1座標値は0.15であり、第3の補間点の第1座標値は0.35である。
【0171】
本明細書における輝度値は、ピクセルのR成分、G成分、およびB成分の最大値であってもよく、またはピクセルのR成分、G成分、およびB成分の平均値などであってもよい。これは、本願において特に限定されない。
【0172】
ステップ602:処理対象画像の第1の輝度区間のヒストグラム情報に基づいて、第1の三次スプライン曲線に関連する第2の補間点の第1座標値を決定する。ここで、第1の輝度区間は、第1の補間点の第1座標値と第3の補間点の第1座標値との間の区間であり、第1の補間点の第1座標値、第2の補間点の第1座標値、および第3の補間点の第1座標値は、第1の三次スプライン曲線の関数を決定するために使用され、第1の三次スプライン曲線の前記関数は、処理対象画像のダイナミックレンジを修正するために、処理対象画像における、輝度値が第1の輝度区間にあるピクセルの輝度値を第1の目標輝度値にマッピングするために使用される。
【0173】
具体的には、第2の補間点の第1座標値は、次式に従って決定されてもよい:
【数49】
【0174】
ここで、TH2は、第2の補間点の第1座標値であり、Nframeは、処理対象画像における、輝度値が第1の輝度区間にあるピクセルの総量であり、iは処理対象画像における、輝度値が第1の輝度区間にあるピクセルのうちのi番目のピクセルであり、f(i)はi番目のピクセルの輝度値である。
【0175】
第1の輝度区間のヒストグラム情報は、処理対象画像の輝度ヒストグラム内にあり、第1の補間点の第1座標値と第3の補間点の第1座標値との間に位置する区間のヒストグラムである。Nframeの値は、第1の輝度区間のヒストグラム情報に含まれるピクセルの総量である。処理対象画像の輝度ヒストグラムの横軸は、処理対象画像におけるピクセルの輝度を示し、左から右に向かってすべて黒からすべて白へと徐々に移行する。縦軸は、処理対象画像における、ある輝度範囲におけるピクセルの対応する量を示す。なお、処理対象画像の輝度ヒストグラムが構築される場合、ピクセルのR成分、G成分、B成分の最大値がピクセルの輝度値として使用されてもよく、またはピクセルのR成分、G成分、B成分の平均値がピクセルの輝度値として使用されてもよい。これは、本願において特に限定されない。
【0176】
本願の別の実施形態では、第2の補間点の第1座標値は、代替的に、次式に従って決定されてもよい:
【数50】
【0177】
ここで、TH2は、第2の補間点の第1座標値であり、Nframeは、処理対象画像における、輝度値が第1の輝度区間にあるピクセルの総量であり、iは処理対象画像における、輝度値が第1の輝度区間にあるピクセルのうちのi番目のピクセルであり、f(i)はi番目のピクセルの輝度値である。
【0178】
本願の別の実施形態では、第2の補間点の第1座標値は、代替的に、第1の補間点の第1座標値と第3の補間点の第1座標値の平均値に設定されてもよい。
【0179】
第1の三次スプライン曲線の関数を得るプロセスは、次の4つのステップを含む。
【0180】
ステップ1:基本マッピング曲線の関数を得る。基本マッピング曲線の関数は、処理対象画像内のピクセルの輝度値を第3の目標輝度値にマッピングするために使用される。基本マッピング曲線の関数は、処理対象画像内のピクセルの輝度値が独立変数であり、第3の目標輝度値が従属変数である輝度マッピング関数である。たとえば、輝度マッピング関数は次のように表される:
【数51】
【0181】
輝度マッピング機能のパラメータは、a、b、p、m、nを含み、L'は第3の目標輝度値であり、Lは処理対象画像におけるピクセルの輝度値である。
【0182】
基本マッピング曲線の関数は単に例であり、本願を限定することは意図されていないことに留意されたい。
【0183】
基本マッピング関数の関数の独立変数および従属変数によって示される輝度値は、ピクセルのR成分、G成分、およびB成分の最も大きな値であってもよく、またはピクセルのR成分、G成分、およびB成分の平均値であってもよい。これは、本願において特に限定されない。
【0184】
基本マッピング曲線の関数を得ることは:基本マッピング曲線の関数のパラメータの値を得て、次いで、基本マッピング曲線の関数のパラメータの値に基づいて基本マッピング曲線を構築することを含む。
【0185】
以下では、基本マッピング曲線の関数が輝度マッピング関数である例を用いて、基本マッピング曲線の関数を得るプロセスについて説明する。
【0186】
まず、mが2.4に設定され、nが1に設定され、bが参照表示装置の最小輝度MinDisplayに設定される。本明細書における参照表示装置は、処理対象画像を表示する表示装置であってもよく、または現在の計算において想定される表示装置であってもよい。
【0187】
pの第1の値は、次式に従って、処理対象画像におけるaverage_maxrgb(avgL)に基づいて計算される:
【数52】
【0188】
ここで、w0=(avgL-TPL0)/(TPH0-TPL0)であり、PvalueHo、PvalueLo、TPH0およびTPL0はプリセット値である。デフォルト値は別個に3.5、4、0、0.6、0.3である。g0()はy=xNであり、デフォルトではy=xである。p1はpの第1の値である。
【0189】
次いで、処理対象画像の最大輝度補正値max_lumに基づいてpの値が決定される。具体的なプロセスは次の通りである:
【数53】
【0190】
ここで、PdeltaH1、PdeltaL1、TPH1およびTPL1は、プリセット値である。デフォルト値は別個に0.6、0、0.9、0.75である。g1()はy=xNであり、デフォルトではy=xである。
【0191】
最後に、H(L)はb、p、m、n、K1、K2およびK3に基づいて計算される:
【数54】
【0192】
ここで、K1、K2、K3はプリセット値である。デフォルト値はすべて1である。
【0193】
aの計算式は次のとおりである:
a=(MaxDisplay-MinDisplay)/(H(MaxSource)-H(MinSource))
【0194】
ここで、MaxDisplayは参照表示装置の最大輝度であり、MinDisplayは参照表示装置の最小輝度であり、MaxSourceは処理対象画像の最大輝度修正値max_lumであり、MinSourceは処理対象画像の最小輝度値である。
【0195】
以下に、処理対象画像の最大輝度修正値max_lumを決定するプロセスについて説明する。
【0196】
具体的には、処理対象画像におけるmaximun_maxrgb、average_maxrgbおよびvariance_maxrgbが得られる。これら3つのパラメータは上述されていることに留意されたい。よって、ここでは、詳細については、再度説明しない。
【0197】
処理対象画像の最大輝度補正値max_lumの第1の値は、次式により決定される:
MAX=B×maximun_maxrgb+A×(2×average_maxrgb)+(1-A-B)×(2×variance_maxrgb)
【0198】
ここで、MAXは最大輝度補正値max_lumの第1の値であり、AおよびBは重み係数であり、
【数55】
であり、F()は一定の関数である。
【0199】
処理対象画像の最大輝度修正値max_lumは、max_lumの第1の値に基づいて、次式により決定される:
【数56】
【0200】
ここで、max_lumは最大輝度修正値であり、MaxRefDisplayは表示装置の最大表示輝度値であり、MINはプリセット最小表示輝度値であり、MAXは最大輝度補正値max_lumの第1の値である。
【0201】
ステップ2:基本マッピング曲線の関数に基づいて、第1の補間点の第1座標値および第3の補間点の第1座標値をマッピングし、第1の補間点の第2座標値および第3の補間点の第2座標値を得る。
【0202】
具体的には、第1の補間点の第1座標値は独立変数として基本マッピング曲線の関数に代入され、得られた値が第1の補間点の第2座標値として決定される。同様に、第3の補間点の第1座標値が独立変数として基本マッピング曲線の関数に代入され、得られた値が第3の補間点の第2座標値として決定される。
【0203】
なお、第1の補間点の第2座標値および第3の補間点の第2座標値を計算する上記の仕方は、単に例であって、本願を限定することは意図されていない。たとえば、第1の補間点の第2座標値は、代替的に、第1の補間点の第1座標値に基づいて決定されてもよい。なお、第1の補間点の第2座標値の計算の仕方にかかわらず、第1の補間点の計算された第2座標値は、基本マッピング曲線の関数に第1の補間点の第1座標値を代入することによって得られる第1の補間点の第2座標値と同じである必要がある。
【0204】
ステップ3:第1の補間点の第1座標値、第2の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値、第1の補間点の第2座標値、第3の補間点の第2座標値に基づいて、第2の補間点の第2座標値を決定する。
【0205】
具体的には、第2の補間点の第2座標値は、以下の2つの態様で決定されうる。
【0206】
第1の態様では、第2の補間点の第2座標値は、次式に従って決定される:
【数57】
【0207】
ここで、VA2は第2の補間点の第2座標値、VA1は第1の補間点の第2座標値、VA3は第3の補間点の第2座標値、TH2は第2の補間点の第1座標値、TH1は第1の補間点の第1座標値、TH3は第3の補間点の第1座標値である。
【0208】
第2の態様では、第2の補間点の第2座標値は、次式に従って決定される:
【数58】
【0209】
ここで、VA2は第2の補間点の第2座標値、VA1は第1の補間点の第2座標値、VA3は第3の補間点の第2座標値、TH2は第2の補間点の第1座標値、TH1は第1の補間点の第1座標値、TH3は第3の補間点の第1座標値、TH_strengthは第2の補間点の第2座標値の調整強度であり、TH_strengthは、第2の補間点の第2座標値の初期値に対する第2の補間点の第2座標値のオフセット度合いを示す。TH_strengthの具体的な値は、必要に応じて設定されてもよく、または計算により得られてもよい。これは、本明細書において特に限定されない。たとえば、TH_strengthは0に設定されてもよい。第2の補間点の第2座標値の初期値の計算式は:
【数59】
である。
【0210】
ここでの第2の補間点の第2座標値を決定する態様は単に例であり、本願を限定することは意図されていないことに留意されたい。
【0211】
ステップ4:第1の補間点の第1座標値、第2の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値、第1の補間点の第2座標値、第3の補間点の第2座標値、第2の補間点の第2座標値に基づいて、第1の三次スプライン曲線の関数を決定する。
【0212】
第1の三次スプライン曲線は2つの曲線セグメントを含む。したがって、第1の三次スプライン曲線の関数も2つの区分関数を含む。2つの区分関数は、1対1で曲線セグメントに対応する。
【0213】
たとえば、第1の三次スプライン曲線の関数は、次のように2つの区分関数を含む:
F(L)=MD[1]×(L-TH1)3+MC[1]×(L-TH1)2+MB[1]×(L-TH1)1+MA[1]
【0214】
ここで、Lは輝度値が区間[TH1,TH2]内にあるピクセルの輝度値であり、F(L)は第1の目標輝度である。
F(L)=MD[2]×(L-TH2)3+MC[2]×(L-TH2)2+MB[2]×(L-TH2)1+MA[2]
【0215】
ここで、Lは輝度値が区間[TH2,TH3]内にあるピクセルの輝度値であり、F(L)は第1の目標輝度であり、MD[1]、MD[2]、MC[1]、MC[2]、MB[1]、MB[2]、MA[1]、MA[2]はみな、第1の三次スプライン曲線の関数のパラメータである。
【0216】
第1の三次スプライン曲線の関数を決定するプロセスは、第1の補間点の第1座標値、第2の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値、第1の補間点の第2座標値、第3の補間点の第2座標値、および第2の補間点の第2座標値に基づいて第1の三次スプライン曲線の関数のパラメータの値を計算し、次いで、第1の三次スプライン曲線の関数のパラメータの値に基づいて第1の三次スプライン曲線の関数を決定することを含む。
【0217】
以下は、第2の三次スプライン曲線に関連する第4の補間点ないし第6の補間点を決定するプロセスについて説明する。詳細なプロセスは以下の通りである。
【0218】
第2の三次スプライン曲線に関連する第4の補間点、第5の補間点、および第6の補間点の第1座標値は、第3の補間点の第1座標値、および処理対象画像の第1のピクセルの最大RGB成分値に基づいて決定される。第1のピクセルは、処理対象画像における最も大きな最大RGB成分値をもつピクセルである。ピクセルの最大RGB成分値は、ピクセルのR成分、G成分、およびB成分のうちの最も大きな値である。第4の補間点の第1座標値、第5の補間点の第1座標値、第6の補間点の第1座標値が、第2の三次スプライン曲線の関数を決定するために使用される。第2の三次スプライン曲線の関数は、処理対象画像における、輝度値が第2の輝度区間にあるピクセルの輝度値を第2の目標輝度値にマッピングし、処理対象画像のダイナミックレンジを修正するために使用される。第2の輝度区間は、第4の補間点の第1座標値と第6の補間点の第1座標値との間の区間である。第1の輝度区間と第2の輝度区間は重ならない。第1の補間点および第6の補間点の第1座標値の間の値関係は、次のようであってもよいことに留意されたい:第1の補間点の第1座標値<第2の補間点の第1座標値<第3の補間点の第1座標値<第4の補間点の第1座標値<第5の補間点の第1座標値<第6の補間点の第1座標値。
【0219】
本願のこの実施形態では、第4の補間点、第5の補間点、および第6の補間点の第1座標値は、以下の2つの態様で決定されうる。
【0220】
態様1:第4の補間点の第1座標値は、第1の式に従って決定される。ここで、第1の式は:
【数60】
【0221】
第5の補間点の第1座標値は、第2の式に従って決定される。ここで、第2の式は:
【数61】
【0222】
第6の補間点の第1座標値は、第1のピクセルの最大RGB成分値に設定される。
【0223】
ここで、TH1_highは第4の補間点の第1座標値、TH2_highは第5の補間点の第1座標値、MaxSourceの値は第1のピクセルの最大RGB成分値、TH3は第3の補間点の第1座標値、Uはプリセット値である。Uの値は、2より大きい任意の正の整数でありうることに留意されたい。これは、本明細書において特に限定されない。たとえば、Uの値は6である。
【0224】
態様2:5つのステップが含まれる。
【0225】
ステップ1:第4の補間点の第1座標値の初期値を、第3の補間点の第1座標値と第1のピクセルの最大RGB成分値に基づいて決定する。
【0226】
第4の補間点の第1座標値の初期値は、次式により決定されうる:
【数62】
【0227】
ここで、TH1_high1は第4の補間点の第1座標値であり、MaxSourceの値は第1のピクセルの最大RGB成分値であり、Uはプリセット値であり、TH3は第3の補間点の第1座標値である。Uは上述してある。よって、ここでは、詳細については再度説明しない。
【0228】
ステップ2:第6の補間点の第1座標値を第1のピクセルの最大RGB成分値に設定する。
【0229】
ステップ3:第4の補間点の第1座標値の初期値と第6の補間点の第1座標値に基づいて第1のピクセル量と第2のピクセル量を決定する。ここで、第1のピクセル量は、処理対象画像における、輝度値が第3の輝度区間にあるピクセルの量であり、第3の輝度区間は、第4の補間点の第1座標値の初期値と第6の補間点の第1座標値との間の区間であり、第2のピクセル量は、処理対象画像または処理対象画像の輝度ヒストグラムにおけるピクセルの総量である。
【0230】
ステップ4:第1のピクセル量、第2のピクセル量、第3の補間点の第1座標値、第4の補間点の第1座標値の初期値、第6の補間点の第1座標値に基づいて第4の補間点の第1座標値を決定する。
【0231】
具体的には、まず、第1のピクセルの最大RGB成分値に対する第3の輝度区間の長さの比が決定される。
【0232】
次いで、第4の補間点の第1座標値が次式により決定される:
【数63】
【0233】
ここで、TH1_highは第4の補間点の第1座標値であり、MaxSourceの値は第1のピクセルの最大RGB成分値であり、Uはプリセット値であり、TH3は第3の補間点の第1座標値であり、highRatioは第1のピクセル量と第2のピクセル量の比であり、wholeratio=(TH3_high-TH1_high1)/MaxSourceであり、wholeratioは第1のピクセルの最大RGB成分値に対する第3の輝度区間の長さの比であり、TH1_high1は第4の補間点の第1座標値の初期値であり、TH3_highは、第6の補間点の第1座標値であり、POW(x,j)はxのj乗を示し、jの値は0.5であってもよい。
【0234】
ステップ5:処理対象画像の第2輝度区間のヒストグラム情報、第4の補間点の第1座標値、第6の補間点の第1座標値に基づいて、第5の補間点の第1座標値を決定する。
【0235】
本願のこの実施形態では、第2の輝度区間のヒストグラム情報は、処理対象画像の輝度ヒストグラム内にあり、第4の補間点の第1座標値と第6の補間点の第1座標値との間に位置する区間のヒストグラムである。
【0236】
第5の補間点の第1座標値を決定するプロセスは、下記を含む。
【0237】
まず、第2の輝度区間がN個の部分区間を含み、Nが正の整数である場合、たとえば、第2の輝度区間が等間隔で分割されてN個の部分区間を得てもよく、N個の部分区間からi番目の部分区間が決定される。i番目の部分区間は、N個の部分区間のうちのn個の部分区間にある。前記n個の部分区間のシーケンス番号はN/4以上であり、前記n個の部分区間のシーケンス番号は3N/4以下である。処理対象画像における、輝度値がi番目の部分区間にあるピクセルの量は、前記n個の部分区間における最小の値である。
【0238】
Nの値は、経験的データに基づいて決定されてもよい。N個の部分区間におけるある部分区間のシーケンス番号は、ゼロから始まってもよく、または1から始まってもよい。これは、本明細書において特に限定されない。たとえば、Nの値が8であり、N個の部分区間におけるその部分区間のシーケンス番号が1から始まる場合、前記n個の部分区間のシーケンス番号は別々に2、3、4、5、6となる。
【0239】
次いで、第5の補間点の第1座標値は、第4の補間点の第1座標値、第6の補間点の第1座標値、iに基づいて決定される。たとえば、第5の補間点の第1座標値は、次式に従って決定されうる:
【数64】
【0240】
ここで、TH2_highは第5の補間点の第1座標値、TH1_highは第4の補間点の第1座標値、TH3_highは第6の補間点の第1座標値、n_minはiである。
【0241】
第2の三次スプライン曲線の関数を得るプロセスは、以下の4つのステップを含む。
【0242】
ステップ1:基本マッピング曲線の関数を得る。このプロセスの原理は、上述してある。よって、ここでは、詳細については、再度説明しない。
【0243】
ステップ2:基本マッピング曲線の関数に基づいて、第4の補間点の第1座標値および第6の補間点の第1座標値をマッピングし、第4の補間点の第2座標値および第6の補間点の第2座標値を得る。
【0244】
具体的には、第4の補間点の第2座標値および第6の補間点の第2座標値を決定するプロセスは、次のようになる。
【0245】
第4の補間点の第1座標値が独立変数として基本マッピング曲線の関数に代入され、得られた値が第4の補間点の第2座標値として決定される。同様に、第6の補間点の第1座標値が独立変数として基本マッピング曲線の関数に代入され、得られた値が第6の補間点の第2座標値として決定される。
【0246】
なお、第4の補間点の第2座標値および第6の補間点の第2座標値を計算する上記の仕方は、単に例であり、本願を限定することは意図されていない。
【0247】
ステップ3:第4の補間点の第1座標値、第5の補間点の第1座標値、第6の補間点の第1座標値、第4の補間点の第2座標値、第6の補間点の第2座標値に基づいて、第5の補間点の第2座標値を決定する。
【0248】
具体的には、第5の補間点の第2座標値は、以下の2つの態様で決定されうる。
【0249】
第1の態様では、第5の補間点の第2座標値は、次式に従って決定される:
【数65】
【0250】
ここで、VA2_highは第5の補間点の第2座標値、VA1_highは第4の補間点の第2座標値、VA3_highは第6の補間点の第2座標値、TH2_highは第5の補間点の第1座標値、TH1_highは第4の補間点の第1座標値、TH3_highは第6の補間点の第1座標値である。
【0251】
第2の態様では、第5の補間点の第2座標値は、次式に従って決定される:
【数66】
【0252】
ここで、VA2_highは第5の補間点の第2座標値、VA1_highは第4の補間点の第2座標値、VA3_highは第6の補間点の第2座標値、TH2_highは第5の補間点の第1座標値、TH1_highは第4の補間点の第1座標値、TH3_highは第6の補間点の第1座標値、TH_strength_highは第5の補間点の第2座標値の調整強度であり、TH_strength_highは第5の補間点の第2座標値の初期値に対する第5の補間点の第2座標値のオフセット度合いを示す。具体的な値は、必要に応じて設定されてもよく、または計算により得られてもよい。これは、本明細書において特に限定されない。たとえば、TH_strength_highは0に設定されてもよい。第5の補間点の第2座標値の初期値の計算式は次のとおりである:
【数67】
VA2_high1は、第5の補間点の第2座標値の初期値である。
【0253】
ここでの第5の補間点の第2座標値を決定する仕方は、単に例であって、本願を限定することは意図されていないことに留意されたい。
【0254】
ステップ4:第4の補間点の第1座標値、第5の補間点の第1座標値、第6の補間点の第1座標値、第4の補間点の第2座標値、第5の補間点の第2座標値、第6の補間点の第2座標値に基づいて、第2の三次スプライン曲線の関数を決定する。
【0255】
第2の三次スプライン曲線は2つの曲線セグメントを含む。したがって、第2の三次スプライン曲線の関数は、2つの区分関数も含む。2つの区分関数は、1対1で曲線セグメントに対応する。
【0256】
なお、本明細書における第2の三次スプライン曲線の関数に含まれる二つの区分関数の構築原理は、前述の第1の三次スプライン曲線の関数に含まれる二つの区分関数の構築原理と同じである。よって、ここでは、詳細については再度説明しない。
【0257】
この観点から、第5の補間点の第2座標値の調整強度を決定する仕方は、以下の通りである。
【0258】
まず、処理対象画像の輝度ヒストグラムと、第4の補間点の第1座標値と、第5の補間点の第1座標値と、第6の補間点の第1座標値とに基づいて、第3のピクセル量および第4のピクセル量が決定される。第3のピクセル量は、第4の補間点の第1座標値と輝度ヒストグラムの第5の補間点の第1座標値との間の区間におけるピクセルの量である。第4のピクセル量は、輝度ヒストグラムにおける第5の補間点の第1座標値と第6の補間点の第1座標値との間の区間におけるピクセルの量である。
【0259】
次いで、第3のピクセル量と第4のピクセル量に基づいて、第5の補間点の第2座標値の調整強度が決定される。調整強度は、第5の補間点の第2座標値の初期値に対する第5の補間点の第2座標値のオフセット度合いを示す。具体的には、第5の補間点の第2座標値の調整強度は、次式により決定されうる:
【数68】
【0260】
ここで、TH_high_strengthは第5の補間点の第2座標値の調整強度であり、TH_high_strength1は、第5の補間点の第2座標値の調整強度のデフォルト値であり、Δは調整きざみであり、NUM1は第3のピクセル量であり、NUM2は第4のピクセル量である。調整きざみの値は、経験値に基づいて設定されてもよく、正の数であってもよく、あるいは負の数であってもよく、またはゼロであってもよい。これは、本願において特に限定されない。たとえば、調整きざみは0.2である。
【0261】
第1の三次スプライン曲線の関数および第2の三次スプライン曲線の関数を得た後、エンコーダは、第1の三次スプライン曲線の関数、第2の三次スプライン曲線の関数、および処理対象画像のデータ情報をデコーダに送ることができる。具体的には、第1の三次スプライン曲線の関数、第2の三次スプライン曲線の関数、および処理対象画像のデータ情報がエンコードされて、次いでビットストリームを使用してデコーダに送られてもよい。ここで、第1の三次スプライン曲線のエンコードされた関数は、第1の三次スプライン曲線の関数のパラメータの値であることに留意されたい。同様に、本明細書における第2の三次スプライン曲線のエンコードされた関数は、第2の三次スプライン曲線の関数のパラメータの値である。処理対象画像のデータ情報は、処理対象画像のデータ表現態様として理解されうる。
【0262】
デコーダは、エンコーダによって送信された、第1の三次スプライン曲線の関数、第2の三次スプライン曲線の関数、および処理対象画像のデータ情報を受領する。処理対象画像のデータ情報は、処理対象画像を得るために使用される。第1の三次スプライン曲線の関数は、処理対象画像における、輝度値が第1の輝度区間にあるピクセルの輝度値を第1の目標輝度値にマッピングするために使用される。第2の三次スプライン曲線の関数は、処理対象画像における、輝度値が第2の輝度区間にあるピクセルの輝度値を第2の目標輝度値にマッピングするために使用される。具体的には、デコーダは、エンコーダによって送信されたビットストリームをデコードし、第1の三次スプライン曲線の関数、第2の三次スプライン曲線の関数、および処理対象画像のデータ情報を得る。
【0263】
デコーダは、処理対象画像における、輝度値が第1の輝度区間にあるピクセルの輝度値を、第1の三次スプライン曲線の関数に基づいて第1の目標輝度値にマップし、処理対象画像における、輝度値が第2の輝度区間にあるピクセルの輝度値を、第2の三次スプライン曲線の関数に基づいて第2の目標輝度値にマップし、処理対象画像における、輝度値が第1の輝度区間および第2の輝度区間の外側にあるピクセルの輝度値を、基本マッピング曲線の関数に基づいて第3の目標輝度値にマップし、処理対象画像のダイナミックレンジを修正および調整する。
【0264】
なお、基本マッピング曲線の関数のパラメータは、エンコーダによる計算を通じて得られた後、デコーダに直接送信されてもよい。このようにして、デコーダは、基本マッピング曲線の関数のパラメータに基づいて基本マッピング曲線の関数を直接生成することができる。基本マッピング曲線の関数のパラメータは、代替的に、デコーダによる計算を通じて得られてもよい。このようにして、エンコーダは基本マッピング曲線の関数のパラメータを計算する必要はない。しかしながら、エンコーダは、基本動的メタデータのような情報をデコーダに送信する必要がある。それにより、デコーダは、基本動的メタデータのような情報に基づいて基本マッピング曲線の関数のパラメータを計算する。
【0265】
図7は、第2の三次スプライン曲線および基本マッピング曲線の概略図である。
図7から、基本マッピング曲線の形が第2の三次スプライン曲線に基づいて調整されることができ、基本マッピング曲線上の第2の輝度区間に対応する曲線セグメントの形が変更されることがわかる。これは、基本マッピング曲線の形の多様性および柔軟性を改善する。
【0266】
結論として、第1の補間点の第1座標値および第3の補間点の第1座標値が得られ、第2の補間点の第1座標値が処理対象画像の第1の輝度区間のヒストグラム情報に基づいて決定され、第2の三次スプライン曲線に関連する第4の補間点、第5の補間点、第6の補間点の第1座標値が、第3の補間点の第1座標値と処理対象画像の第1のピクセルの最大RGB成分値に基づいて決定される。補間点を決定する仕方は、簡単で実装が容易である。また、第1の三次スプライン曲線に関連した第1の補間点ないし第3の補間点の第1座標値と、第2の三次スプライン曲線に関連した第4の補間点ないし第6の補間点の第1座標値が決定され、第1の補間点ないし第3の補間点の第1座標値に基づいて第1の三次スプライン曲線の関数が決定され、第4の補間点ないし第6の補間点の第1座標値に基づいて第2の三次スプライン曲線の関数が決定される。よって、処理対象画像における、輝度値が第1の輝度区間にあるピクセルの輝度値は、第1の三次スプライン曲線の関数に基づいて第1の目標輝度値にマッピングされ、処理対象画像における、輝度値が第2の輝度区間にあるピクセルの輝度値は、第2の三次スプライン曲線の関数に基づいて第2の目標輝度値にマッピングされる。換言すれば、処理対象画像におけるいくつかのピクセルの輝度値は、第1の三次スプライン曲線の関数と第2の三次スプライン曲線の関数に基づいてマッピングされ、残りのピクセルの輝度値は、基本マッピング曲線の関数に基づいてマッピングされる。これは、基本マッピング曲線上の曲線セグメントのもとのマッピング関係が変更されることを意味する。つまり、基本マッピング曲線上の第1の輝度区間と第2輝度区間に対応する曲線セグメントの形が変更される。これは、特定の領域を保護し、基本マッピング曲線の形の多様性、柔軟性、堅牢性、および普遍性を改善し、さらに、調整されたダイナミックレンジをもつ画像の表示効果を改善する。また、2つの三次スプライン曲線の関数があるので、2つの領域を同時に保護することができる。これは、さらに、調整されたダイナミックレンジをもつ画像の表示効果を改善する。
【0267】
図8は、本願のある実施形態による画像ダイナミックレンジ処理方法の第2の概略フローチャートである。画像ダイナミックレンジ処理方法は、たとえば
図5におけるエンコーダによって実行される。これは、本願において特に限定されない。
図8に示されるように、画像ダイナミックレンジ処理方法は、以下のステップを含む。
【0268】
ステップ801:処理対象画像の第1のピクセルの最大RGB成分値を取得する。ここで、第1のピクセルは、処理対象画像における最も大きな最大RGB成分値を有するピクセルであり、そのピクセルの最大RGB成分値は、そのピクセルのR成分、G成分、およびB成分のうちの最も大きな値である。
【0269】
ステップ802:第1のピクセルの最大RGB成分値および処理対象画像の輝度ヒストグラムに基づいて、少なくとも1つの三次スプライン曲線に関連する補間点の第1座標値を決定する。ここで、各三次スプライン曲線に関連する補間点は、第1の補間点、第2の補間点、および第3の補間点を含み、補間点の第1座標値は輝度値であり、各三次スプライン曲線に関連する補間点の第1座標値は、対応する三次スプライン曲線の関数を決定するために使用され、各三次スプライン曲線の関数は、処理対象画像における、輝度値が対応する第1の輝度区間内にあるピクセルの輝度値を第1の目標輝度値にマッピングして、処理対象画像のダイナミックレンジを修正するために使用される。三次スプライン曲線の関数に対応する第1の輝度区間は、三次スプライン曲線の関数に関係する第1の補間点の第1座標値と第3の補間点の第1座標値との間の区間である。
【0270】
処理対象画像の輝度ヒストグラムの横軸は、処理対象画像におけるピクセルの輝度を示し、左から右に向かってすべて黒からすべて白へと徐々に移行する。縦軸は、処理対象画像における、ある輝度範囲におけるピクセルの対応する量を示す。なお、処理対象画像の輝度ヒストグラムが構築される場合、ピクセルのR成分、G成分、B成分の最大値がピクセルの輝度値として使用されてもよく、またはピクセルのR成分、G成分、B成分の平均値がピクセルの輝度値として使用されてもよい。これは、本願において特に限定されない。
【0271】
以下では、三次スプライン曲線の関数の量が1である例、すなわち、三次スプライン曲線の量が1である例を用いてステップ802を説明する。具体的には、以下のように5つのステップが含まれていてもよい。
【0272】
ステップ1:輝度ヒストグラムに基づいて、第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値と、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値と、第3のパーセンテージに対応する第4のピクセルの最大RGB成分値とを決定する。ここで、第1のパーセンテージは、処理対象画像の複数のピクセルにおける、最大RGB成分値が第2のピクセルの最大RGB成分値以下であるピクセルのパーセンテージを示し、第2のパーセンテージは、処理対象画像の複数のピクセルにおける、最大RGB成分値が第3のピクセルの最大RGB成分値以下であるピクセルのパーセンテージを示し、第3のパーセンテージは、処理対象画像の複数のピクセルにおける、最大RGB成分値が第4のピクセルの最大RGB成分値以下であるピクセルのパーセンテージを示す。
【0273】
本願のこの実施形態では、第1のパーセンテージ、第2のパーセンテージ、および第3のパーセンテージの値は、経験的な値に基づいて設定されてもよい。たとえば、第1のパーセンテージは90%、第2のパーセンテージは95%、第3のパーセンテージは99%である。これは、本願において特に限定されない。
【0274】
ステップ2:第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、および第3のパーセンテージに対応する第4のピクセルの最大RGB成分値に基づいて、第1の補間点の第1座標値を決定する。
【0275】
ステップ2は、以下の2つの態様で実施されうる。
【0276】
第1の態様では、第1の補間点の第1座標値の第1の値が、第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、および輝度閾値に基づいて決定される。たとえば、第1のパーセンテージが90%、第2のパーセンテージが95%、第3のパーセンテージが99%である場合、第1の補間点の第1の座標値の第1の値は次式に従って決定される:
【数69】
【0277】
ここで、TH1_used1は第1の値であり、g_maxRGBdistribution90は90%に対応する第2のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution95は95%に対応する第3のピクセルの最大RGB成分値であり、THRESOLDは輝度閾値である。ここでの輝度閾値は、たとえば、1024であってもよい。これは、本願において特に限定されない。
【0278】
次いで、第1の補間点の第1座標値は、第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、および第3のパーセンテージに対応する第4のピクセルの最大RGB成分値の第1の値に基づいて決定される。
【0279】
具体的には、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値の2倍と、第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値との差分が決定され;第3のパーセンテージに対応する第4のピクセルの最大RGB成分値が、得られた差分と第1のプリセット値との和より大きいかどうか、および、第1の値が第1の閾値より大きいかどうかを判定され、そうであれば、第1の補間点の第1座標値は第1の値に設定される。第1のプリセット値および第1の閾値は、経験的データに基づいて決定されてもよい。これは、本願において特に限定されない。たとえば、第1のプリセット値は100であり、第1の閾値は0.4である。
【0280】
なお、第3のパーセンテージに対応する第4のピクセルの最大RGB成分値が得られた差分と第1のプリセット値の和より大きくない、または、第1の値が第1の閾値より大きくない場合には、三次スプライン曲線の関数は生成されない。
【0281】
第2の態様では、処理対象画像の輝度ヒストグラムに基づいて、第4のパーセンテージに対応する第5のピクセルの最大RGB成分値と、第5のパーセンテージに対応する第6のピクセルの最大RGB成分値と、第6のパーセンテージに対応する第7のピクセルの最大RGB成分値とが決定される。第4のパーセンテージは、処理対象画像における複数のピクセルにおける、最大RGB成分値が第5のピクセルの最大RGB成分値以下であるピクセルのパーセンテージを示す。第5のパーセンテージは、処理対象画像の複数のピクセルにおける、最大RGB成分値が第6のピクセルの最大RGB成分値以下であるピクセルのパーセンテージを示す。第6のパーセンテージは、処理対象画像の複数のピクセルにおける、最大RGB成分値が第7のピクセルの最大RGB成分値以下であるピクセルのパーセンテージを示す。
【0282】
次いで、第1の補間点の第1座標値の第1の値は、第4のパーセンテージに対応する第5のピクセルの最大RGB成分値、第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、および輝度閾値に基づいて決定される。
【0283】
その後、第1の補間点の第1座標値の第2の値は、第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、および輝度閾値に基づいて決定される。
【0284】
次いで、第1の補間点の第1座標値の第3の値が、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、第3のパーセンテージに対応する第4のピクセルの最大RGB成分値、および輝度閾値に基づいて決定される。
【0285】
最後に、第4のパーセンテージに対応する第5のピクセルの最大RGB最大値、第5のパーセンテージに対応する第6のピクセルの最大RGB最大値、第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB最大値、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB最大値、第3のパーセンテージに対応する第4のピクセルの最大RGB成分値、第6のパーセンテージに対応する第7のピクセルの最大RGB成分値、第1の値ないし第3の値に基づいて、第1の補間点の第1座標値が決定される。
【0286】
以下では、第1のパーセンテージが90%、第2のパーセンテージが95%、第3のパーセンテージが99%、第4のパーセンテージが50%、第5のパーセンテージが10%、第6のパーセンテージが100%である例を用いて、第2の態様において第1の補間点の第1座標値を決定するプロセスについて説明する。
【0287】
まず、第1の補間点の第1座標値の第1の値が、第1の式に従って決定される。ここで、第1の式は次のとおり:
【数70】
【0288】
第1の補間点の第1座標値の第2の値が、第2の式に従って決定される。ここで、第2の式は次のとおり:
【数71】
【0289】
第1の補間点の第1座標値の第3の値は、第3の式に従って決定される。ここで、第3の式は次のとおり:
【数72】
【0290】
ここで、TH1_used1は第1の値、TH1_used2は第2の値、TH1_used3は第3の値g_maxRGBdistribution90は90%に対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、g_maxRGBdistribution95は95%に対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、g_maxRGBdistribution50は50%に対応する第5のピクセルの最大RGB成分値、g_maxRGBdistribution99は99%に対応する第4のピクセルの最大RGB成分値、g_maxRGBdistribution10は10%に対応する第6のピクセルの最大RGB成分値、THRESOLDは輝度閾値である。
【0291】
第1の補間点の第1座標値の初期値は、第4の式に従って決定される:
【数73】
【0292】
第1の補間点の第1座標値は、第1の補間点の第1座標値の初期値、第2の値、および第3の値に基づいて、第5の式に従って決定される。
【数74】
【0293】
ここで、TH1は、第1の補間点の第1座標値であり、TH1_usedは第1の補間点の第1座標値の初期値であり、TH1_used1は第1の値であり、TH1_used2は第2の値であり、TH1_used3は第3の値であり、g_maxRGBdistribution90は90%に対応する第2のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution95は95%に対応する第3のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution50は50%に対応する第5のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution99は99%に対応する第4のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution10は10%に対応する第6のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution100は100%に対応する第7のピクセルの最大RGB成分値である。
【0294】
なお、第1の補間点の第1座標値の初期値、第2の値、および第3の値に基づいて第1の補間点の第1座標値を決定するプロセスは:第1の補間点の第1座標値の初期値が0.35以上であるかどうかを判定し;第1の補間点の第1座標値の初期値が0.35以上である場合は、第1の補間点の第1座標値を第1の補間点の第1座標値の前記初期値に設定し;または、第1の補間点の第1座標値の初期値が0.35未満である場合は、第2の値が0.35より大きいかどうかを判定し、第2の値が0.35より大きい場合は、第1の補間点の第1座標値を第2の値に設定し、または第2の値が0.35以下である場合は、第3の値が0.35より大きいかどうかを判定し、または第3の値が0.35より大きい場合は、第1の補間点の第1座標値を第3の値に設定し;または第3の値が0.35以下である場合は、三次スプライン曲線の関数を生成することをスキップすることである。
【0295】
ステップ3:第3の補間点の第1座標値を第1のピクセルの最大RGB成分値に設定する。
【0296】
ステップ4:第1の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値、および輝度ヒストグラムにおける第1の輝度区間に対応するヒストグラム情報に基づいて、第2の補間点の第1座標値を決定する。
【0297】
本願のこの実施形態では、第1の輝度区間のヒストグラム情報は、処理対象画像の輝度ヒストグラム内にあり、第1の補間点の第1座標値と第3の補間点の第1座標値との間に位置する区間のヒストグラムである。
【0298】
第2の補間点の第1座標値を決定するプロセスは、下記を含む。
【0299】
まず、第1の輝度区間がN個の部分区間を含み、Nが正の整数である場合。i番目の部分区間が、N個の部分区間から決定される。i番目の部分区間は、N個の部分区間のうちのn個の部分区間である。前記n個の部分区間のシーケンス番号はN/4以上であり、前記n個の部分区間のシーケンス番号は3N/4以下である。処理対象画像における、輝度値がi番目の部分区間にあるピクセルの量は、前記n個の部分区間における最も小さな値である。
【0300】
Nの値は、経験的データに基づいて決定されてもよい。たとえば、Nの値が8である場合、前記n個の区間のシーケンス番号は別々に2、3、4、5、6となる。
【0301】
次いで、第2の補間点の第1座標値は、第1の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値、およびiに基づいて決定される。たとえば、第2の補間点の第1座標値は、次式に従って決定されてもよい:
【数75】
【0302】
ここで、TH2は、第2の補間点の第1座標値、TH1は第1の補間点の第1座標値、TH3は第3の補間点の第1座標値であり、n_minはiである。
【0303】
三次スプライン曲線の関数を得るプロセスは、以下の4つのステップを含む。
【0304】
ステップ1:基本マッピング曲線の関数を得る。基本マッピング曲線は、上述されている。よって、詳細は再度記載しない。
【0305】
ステップ2:基本マッピング曲線の関数に基づいて、第1の補間点の第1座標値および第3の補間点の第1座標値をマッピングして、第1の補間点の第2座標値および第3の補間点の第2座標値を得る。これらのステップの原理は上述されている。よって、ここでは、詳細については、再度説明しない。
【0306】
ステップ3:第1の補間点の第1座標値、第2の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値、第1の補間点の第2座標値、第3の補間点の第2座標値に基づいて、第2の補間点の第2座標値を決定する。
【0307】
たとえば、第2の補間点の第2座標値は、次式に従って決定される:
【数76】
【0308】
ここで、VA2は第2の補間点の第2座標値、VA1は第1の補間点の第2座標値、VA3は第3の補間点の第2座標値、TH2は第2の補間点の第1座標値、TH1は第1の補間点の第1座標値、TH3は第3の補間点の第1座標値である。
【0309】
別の例では、第2の補間点の第2座標値は、次式に従って決定される:
【数77】
【0310】
ここで、VA2は、第2の補間点の第2座標値、VA1は、第1の補間点の第2座標値、VA3は、第3の補間点の第2座標値、TH2は、第2の補間点の第1座標値、TH1は、第1の補間点の第1座標値、TH3は、第3の補間点の第1座標値、TH_strengthは第2の補間点の第2座標値の調整強度、およびTH_strengthは第2の補間点の第2座標値の初期値に対する第2の補間点の第2座標値のオフセット度合いを示す。具体的な値は、必要に応じて設定されてもよく、または計算を通じて得られてもよい。これは、本明細書において特に限定されない。たとえば、TH_strengthは0に設定されてもよい。第2の補間点の第2座標値の初期値の計算式:
【数78】
である。VA21は、第2の補間点の第2座標値の初期値である。
【0311】
ここでの第2の補間点の第2座標値を決定する仕方は、単に例であって、本願を限定することは意図されていないことに留意されたい。
【0312】
ステップ4:第1の補間点の第1座標値、第2の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値、第1の補間点の第2座標値、第3の補間点の第2座標値、第2の補間点の第2座標値に基づいて、三次スプライン曲線の関数を決定する。
【0313】
三次スプライン曲線は、2つの曲線セグメントを含む。したがって、三次スプライン曲線の関数も、2つの区分関数を含む。2つの区分関数は、1対1で曲線セグメントに対応する。
【0314】
なお、本明細書における三次スプライン曲線の関数に含まれる二つの区分関数の構築原理は、前述の第1の三次スプライン曲線の関数に含まれる二つの区分関数の構築原理と同じである。よって、詳細はここでは再度説明しない。
【0315】
これに鑑み、第2の補間点の第2座標値の調整強度を決定する仕方は、以下の通りである。
【0316】
まず、第1のピクセル量および第2のピクセル量は、処理対象画像の輝度ヒストグラム、第1の補間点の第1座標値、第2の補間点の第1座標値、および第3の補間点の第1座標値に基づいて決定される。第1のピクセル量は、輝度ヒストグラムにおける第1の補間点の第1座標値と第2の補間点の第1座標値との間の区間にあるピクセルの量である。第2のピクセル量は、輝度ヒストグラムにおける第2の補間点の第1座標値と第3の補間点の第1座標値との間の区間にあるピクセルの量である。
【0317】
次いで、第2の補間点の第2座標値の調整強度が、第1のピクセル量と第2のピクセル量に基づいて決定される。調整強度は、第2の補間点の第2座標値の初期値に対する第2の補間点の第2座標値のオフセット度合いを示す。具体的には、第2の補間点の第2座標値の調整強度は、次式により決定される:
【数79】
【0318】
ここで、TH_strengthは、第2の補間点の第2座標値の調整強度であり、TH_strength1は、第2の補間点の第2座標値の調整強度のデフォルト値であり、Δは調整きざみであり、NUM1は第1のピクセル量であり、NUM2は第2のピクセル量である。調整ステップの値は、正の数、負の数、または0であってもよい。
【0319】
三次スプライン曲線の関数を得た後、エンコーダは、三次スプライン曲線の関数および処理対象画像のデータ情報をデコーダに送ることができる。具体的には、三次スプライン曲線の関数および処理対象画像のデータ情報がエンコードされ、次いでビットストリームを用いてデコーダに送られてもよい。ここで、三次スプライン曲線のエンコードされた関数は、三次スプライン曲線の関数のパラメータの値であることに留意されたい。処理対象画像のデータ情報は、処理対象画像のデータ表現態様として理解されうる。
【0320】
デコーダは、エンコーダによって送られた三次スプライン曲線の関数および処理対象画像のデータ情報を受領する。処理対象画像のデータ情報は、処理対象画像を得るために使用される。三次スプライン曲線の関数は、処理対象画像における、輝度値が第1の輝度区間にあるピクセルの輝度値を第1の目標輝度値にマッピングするために使用される。具体的には、デコーダは、エンコーダによって送られたビットストリームをデコードして、三次スプライン曲線の関数および処理対象画像のデータ情報を得る。
【0321】
デコーダは、三次スプライン曲線の関数および処理対象画像のデータ情報に基づいて、処理対象画像のダイナミックレンジを修正する。つまり、処理対象画像における、輝度値が第1の輝度区間にあるピクセルの輝度値が三次スプライン曲線の関数に代入され、対応するピクセルの第1の目標輝度値を得る。なお、処理対象画像における、輝度値が第1の輝度区間の外側に位置するピクセルの輝度値は、基本マッピング曲線の関数に代入され、対応するピクセルの第2の目標輝度値を得て、処理対象画像のダイナミックレンジを調整する。
【0322】
なお、基本マッピング曲線の関数のパラメータは、エンコーダによる計算を通じて得られた後、デコーダに直接送られてもよい。このようにして、デコーダは、基本マッピング曲線の関数のパラメータに基づいて基本マッピング曲線の関数を直接生成することができる。基本マッピング曲線の関数のパラメータは、代替的に、デコーダによる計算を通じて得られてもよい。このようにして、エンコーダは基本マッピング曲線の関数のパラメータを計算する必要はない。しかしながら、エンコーダは、デコーダが基本動的メタデータのような情報に基づいて基本マッピング曲線の関数のパラメータを計算するよう、基本動的メタデータのような情報をデコーダに送る必要がある。
【0323】
結論として、第2の補間点の第1座標値は、第1の補間点の第1座標値および第3の補間点の第1座標値を得ることによって、処理対象画像の第1の輝度区間のヒストグラムに基づいて決定されうる。補間点を決定する仕方は、簡単で実装が容易である。また、三次スプライン曲線の関数は、三次スプライン曲線に関連する第1の補間点から第3の補間点までの第1座標値を決定し、第1の補間点から第3の補間点までのそれらの第1座標値に基づいて決定される。次いで、処理対象画像における、輝度値が第1の輝度区間にあるピクセルの輝度値は、三次スプライン曲線の関数に基づいて第1の目標輝度値にマッピングされる。すなわち、処理対象画像内のいくつかのピクセルの輝度値は、三次スプライン曲線の関数に基づいてマッピングされ、残りのピクセルの輝度値は、基本マッピング曲線の関数に基づいてマッピングされる。これは、基本マッピング曲線上の曲線セグメントのもとのマッピング関係が変更されることを意味する。換言すれば、基本マッピング曲線上の第1の輝度区間に対応する曲線セグメントの形が変更される。これは、特定の領域を保護し、基本マッピング曲線の形の多様性、柔軟性、堅牢性、および普遍性を改善し、さらに、調整されたダイナミックレンジでの画像の表示効果を改善する。
【0324】
なお、上記の第1座標値はX軸上の座標値であってもよく、上記の第2座標値はY軸上の座標値であってもよく、または上記の第1座標値はY軸上の座標値であってもよく、上記の第2座標値はX軸上の座標値であってもよい。計算プロセスにおいて使用されるデータ、および本願で処理対象画像から得られるさまざまなタイプのデータは、たとえばPQフィールドの値である。これは、本願のこの実施形態おいて特に限定されない。なお、PQフィールドの値は、PQ光‐電気伝達関数を用いて変換された値である。
【0325】
図9は、本願のある実施形態による画像ダイナミックレンジ処理装置の構造の第1の概略図である。装置900は、第1の三次スプライン曲線に関連する第1の補間点の第1座標値および第3の補間点の第1座標値を得るように構成された取得モジュール901であって、第1の補間点の第1座標値および第3の補間点の第1座標値は輝度値である、取得モジュールと;処理対象画像の第1の輝度区間のヒストグラム情報に基づいて、第1の三次スプライン曲線に関連する第2の補間点の第1座標値を決定するように構成された第1の決定モジュール902とを含む。第1の輝度区間は、第1の補間点の第1座標値と第3の補間点の第1座標値との間の区間である。第1の補間点の第1座標値、第2の補間点の第1座標値、および第3の補間点の第1座標値は、第1の三次スプライン曲線の関数を決定するために使用される。第1の三次スプライン曲線の前記関数は、処理対象画像のダイナミックレンジを修正するために、処理対象画像における、輝度値が第1の輝度区間にあるピクセルの輝度値を第1の目標輝度値にマッピングするために使用される。
【0326】
ある可能な実装では、第1の三次スプライン曲線の関数は、次のようにして得られる。
【0327】
取得モジュール901はさらに、基本マッピング曲線の関数を得るように構成される。第1の決定モジュールはさらに、第1の補間点の第1座標値および第3の補間点の第1座標値を、基本マッピング曲線の関数に基づいてマッピングして、第1の補間点の第2座標値と第3の補間点の第2座標値を得て;第1の補間点の第1座標値、第2の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値、第1の補間点の第2座標値、第3の補間点の第2座標値に基づいて、第2の補間点の第2座標値を決定し;第1の補間点の第1座標値、第2の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値、第1の補間点の第2座標値、第3の補間点の第2座標値、第2の補間点の第2座標値に基づいて、第1の三次スプライン曲線の関数を決定するように構成される。ある可能な実装では、第1の決定モジュールは、第2の補間点の第2座標値を次式:
【数80】
に従って決定することを含む。
【0328】
ここで、VA2は第2の補間点の第2座標値、VA1は第1の補間点の第2座標値、VA3は第3の補間点の第2座標値、TH2は第2の補間点の第1座標値、TH1は第1の補間点の第1座標値、TH3は第3の補間点の第1座標値である。
【0329】
ある可能な実装では、本装置は、さらに:第3の補間点の第1座標値と、処理対象画像の第1のピクセルの最大RGB成分値とに基づいて、第2の三次スプライン曲線に関連する第4の補間点、第5の補間点、および第6の補間点の第1座標値を決定するように構成されている第2の決定モジュールを含む。第1のピクセルは、処理対象画像における最も大きな最大RGB成分値をもつピクセルである。ピクセルの最大RGB成分値は、ピクセルのR成分、G成分、およびB成分のうちの最も大きな値である。第4の補間点の第1座標値、第5の補間点の第1座標値、第6の補間点の第1座標値は、第2の三次スプライン曲線の関数を決定するために使用される。第2の三次スプライン曲線の関数は、処理対象画像のダイナミックレンジを修正するために、処理対象画像における、輝度値が第2の輝度区間にあるピクセルの輝度値を第2の目標輝度値にマッピングするために使用される。第2の輝度区間は、第4の補間点の第1座標値と第6の補間点の第1座標値との間の区間である。第1の輝度区間と第2の輝度区間は重ならない。
【0330】
ある可能な実装では、本装置は、さらに:三次スプライン曲線の関数および処理対象画像のデータ情報をデコーダに送信するように構成された送信モジュールを含む。それにより、デコーダが、三次スプライン曲線の関数に基づいて処理対象画像のダイナミックレンジを修正する。処理対象画像のデータ情報は、処理対象画像を取得するために使用される。
【0331】
ある可能な実装では、取得モジュールは具体的には:第1の補間点の第1座標値を第1のプリセット輝度値に設定し、第3の補間点の第1座標値を第2のプリセット輝度値に設定するように構成されている。
【0332】
ある可能な実装では、第2の補間点の第1座標値は、次式:
【数81】
に従って決定される。
【0333】
ここで、TH2は第2の補間点の第1座標値であり、Nframeは、処理対象画像における、輝度値が第1の輝度区間にあるピクセルの総量であり、iは処理対象画像における、輝度値が第1の輝度区間にあるピクセルのうちのi番目のピクセルであり、f(i)はi番目のピクセルの輝度値である。
【0334】
ある可能な実装では、第2の決定モジュールは具体的には:第1の式に基づいて第4の補間点の第1座標値を決定するステップであって、前記第1の式は
【数82】
である、ステップと;
第2の式に基づいて第5の補間点の第1座標値を決定するステップであって、前記第2の式は
【数83】
である、ステップと;
第6の補間点の第1座標値を第1のピクセルの最大RGB成分値に設定するステップとを実行するように構成される。
【0335】
ここで、TH1_highは第4の補間点の第1座標値であり、TH2_highは第5の補間点の第1座標値であり、MaxSourceの値は第1のピクセルの最大RGB成分値であり、TH3は第3の補間点の第1座標値であり、Uはプリセット値である。
【0336】
ある可能な実装では、第2の決定モジュールは、第4の補間点、第5の補間点、および第6の補間点の第1座標値を次のようにして決定するように構成される:第3の補間点の第1座標値および第1のピクセルの最大RGB成分値に基づいて第4の補間点の第1座標値の初期値を決定するステップと;第6の補間点の第1座標値を第1のピクセルの最大RGB成分値に設定するステップと;第4の補間点の第1座標値の初期値および第6の補間点の第1座標値に基づいて第1のピクセル量および第2のピクセル量を決定するステップであって、第1のピクセル量は、処理対象画像における、輝度値が第3の輝度区間にあるピクセルの量であり、第3の輝度区間は、第4の補間点の第1座標値の初期値と第6の補間点の第1座標値の間の区間であり、第2のピクセル量は、処理対象画像または処理対象画像の輝度ヒストグラムにおけるピクセルの総量である、ステップと;第1のピクセル量、第2のピクセル量、第3の補間点の第1座標値、第4の補間点の第1座標値の初期値および第6の補間点の第1座標値に基づいて第4の補間点の第1座標値を決定するステップと;処理対象画像の第2の輝度区間のヒストグラム情報、第4の補間点の第1座標値、および第6の補間点の第1座標値に基づいて第5の補間点の第1座標値を決定するステップとを実行する。
【0337】
ある可能な実装では、第2の輝度区間はN個の部分区間を含み、Nは正の整数である。第2の決定モジュールは、第5の補間点の第1座標値を次のようにして決定するように構成される:N個の部分区間から第iの部分区間を決定するステップであって、第iの部分区間はN個の部分区間のうちのn個の部分区間のうちにあり、前記n個の部分区間のシーケンス番号はN/4以上であり、前記n個の部分区間のシーケンス番号は3N/4以下であり、処理対象画像における、輝度値が第iの部分区間にあるピクセルの量は前記n個の部分区間のうちの最も小さい値である、ステップと;第4の補間点の第1座標値、第6の補間点の第1座標値、およびiに基づいて第5の補間点の第1座標値を決定するステップとを実行する。
【0338】
ある可能な実装では、Nの値は8である。
【0339】
ある可能な実装では、第2の決定モジュールは、次式:
【数84】
に従って第4の補間点の第1座標値の初期値を決定するように構成される。
【0340】
ここで、TH1_highは第4の補間点の第1座標値の初期値であり、MaxSourceの値は第1のピクセルの最大RGB成分値であり、Uはプリセット値であり、TH3は第3の補間点の第1座標値である。
【0341】
ある可能な実装では、第2の決定モジュールは、第4の補間点の第1座標値を次のようにして決定するように構成される
:第1のピクセルの最大RGB成分値に対する第3の輝度区間の長さの比を決定し;次式:
【数85】
に従って第4の補間点の第1座標値を決定する。
【0342】
ここで、TH1_highは第4の補間点の第1座標値であり、MaxSourceの値は第1のピクセルの最大RGB成分値であり、Uはプリセット値であり、TH3は第3の補間点の第1座標値であり、highRatioは第1のピクセル量と第2のピクセル量の比であり、wholeratio=(TH3_high-TH1_high1)/MaxSourceであり、wholeratioは第1のピクセルの最大RGB成分値に対する第3の輝度区間の長さの比であり、TH1_high1は第4の補間点の第1座標値の初期値であり、TH3_highは第6の補間点の第1座標値であり、POW(x,j)はxのj乗を示す。
【0343】
ある可能な実装では、第2の決定モジュールは、次式:
【数86】
に従って第5の補間点の第1座標値を決定するように構成される。
【0344】
ここで、TH2_highは第5の補間点の第1座標値であり、TH1_highは第4の補間点の第1座標値であり、TH3_highは第6の補間点の第1座標値であり、n_minはiである。
【0345】
ある可能な実装では、本装置はさらに下記を含む。
【0346】
第2の決定モジュールは、処理対象画像の輝度ヒストグラム、第4の補間点の第1座標値、第5の補間点の第1座標値、および第6の補間点の第1座標値に基づいて、第3のピクセル量および第4のピクセル量を決定するステップであって、第3のピクセル量は、輝度ヒストグラムにおける、第4の補間点の第1座標値と第5の補間点の第1座標値との間の区間におけるピクセル量であり、第4のピクセル量は、輝度ヒストグラムにおける、第5の補間点の第1座標値と第6の補間点の第1座標値との間の区間におけるピクセル量である、ステップと;第3のピクセル量と第4のピクセル量とに基づいて、第5の補間点の第2座標値の調整強度を決定するステップであって、調整強度は、第5の補間点の第2座標値の初期値に対する第5の補間点の第2座標値のオフセット度合いを示す、ステップとを実行するように構成される。
【0347】
ある可能な実装では、第2の決定モジュールは、具体的には、次式:
【数87】
に従って第5の補間点の第2座標値の調整強度を決定するように構成される。
【0348】
ここで、TH_high_strengthは第5の補間点の第2座標値の調整強度であり、TH_high_strength1は第5の補間点の第2座標値の調整強度のデフォルト値であり、Δは調整きざみであり、NUM1は第3のピクセル量であり、NUM2は第4のピクセル量である。
【0349】
ある可能な実装では、第5の補間点の第2座標値の初期値は、次式:
【数88】
に従って得られる。
【0350】
ここで、VA2_high1は、第5の補間点の第2座標値の初期値であり、VA1_highは第4の補間点の第2座標値であり、VA3_highは第6の補間点の第2座標値であり、TH2_highは第5の補間点の第1座標値であり、TH1_highは第4の補間点の第1座標値であり、TH3_highは第6の補間点の第1座標値である。
【0351】
ある可能な実装では、基本マッピング曲線の関数が、処理対象画像におけるピクセルの輝度値を第3の目標輝度値にマッピングするために使用される。基本マッピング曲線の関数は、処理対象画像におけるピクセルの輝度値が独立変数であり、第3の目標輝度値が従属変数である輝度マッピング関数である。輝度マッピング関数は次のように表される:
【数89】
【0352】
輝度マッピング関数のパラメータは、a、b、p、m、nを含み、L'は第3の目標輝度値であり、Lは処理対象画像におけるピクセルの輝度値である。
【0353】
装置900の実装原理および達成される効果は、上記の記述における対応する方法部分の実装原理および達成される効果と同じである。よって、詳細はここでは再度説明しない。
【0354】
図10は、本願のある実施形態に基づく、画像ダイナミックレンジ処理装置の構造の第2の概略図である。装置1000は、処理対象画像の第1のピクセルの最大RGB成分値を取得するように構成された取得モジュール1001であって、第1のピクセルは、処理対象画像における最も大きな最大RGB成分値をもつピクセルであり、ピクセルの最大RGB成分値は、ピクセルのR成分、G成分、およびB成分のうちの最も大きな値である、取得モジュールと;第1のピクセルの最大RGB成分値および処理対象画像の輝度ヒストグラムに基づいて、少なくとも1つの三次スプライン曲線に関連する補間点の第1座標値を決定するように構成された第1の決定モジュール1002とを含む。各三次スプライン曲線に関連する補間点は、第1の補間点、第2の補間点、および第3の補間点を含む。補間点の第1座標値は輝度値である。各三次スプライン曲線に関連する補間点の第1座標値は、対応する三次スプライン曲線の関数を決定するために使用される。各三次スプライン曲線の関数は、処理対象画像のダイナミックレンジを修正するために、処理対象画像における、輝度値が対応する第1の輝度区間にあるピクセルの輝度値を、第1の目標輝度値にマッピングするために使用される。三次スプライン曲線の関数に対応する第1の輝度区間は、三次スプライン曲線に関連する第1の補間点の第1座標値と第3の補間点の第1座標値の間の区間である。
【0355】
ある可能な実装では、三次スプライン曲線の量は1である。
【0356】
第1の決定モジュールはさらに:前記輝度ヒストグラムに基づいて、第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、および第3のパーセンテージに対応する第4のピクセルの最大RGB成分値を決定するステップであって、前記第1のパーセンテージは、前記処理対象画像における複数のピクセルのうちの前記第2のピクセルの最大RGB成分値以下の最大RGB成分値を有するピクセルのパーセンテージを示し、前記第2のパーセンテージは、前記処理対象画像における前記複数のピクセルのうちの前記第3のピクセルの最大RGB成分値以下の最大RGB成分値を有するピクセルのパーセンテージを示し、前記第3のパーセンテージは、前記処理対象画像における前記複数のピクセルのうちの前記第4のピクセルの最大RGB成分値以下の最大RGB成分値を有するピクセルのパーセンテージを示す、ステップと;第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、および第3のパーセンテージに対応する第4のピクセルの最大RGB成分値に基づいて、第1の補間点の第1座標値を決定するステップと;第3の補間点の第1座標値を第1のピクセルの最大RGB成分値に設定するステップと;第1の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値、および輝度ヒストグラムにおける第1の輝度区間に対応するヒストグラム情報に基づいて、第2の補間点の第1座標値を決定するステップとを実行するように構成される。
【0357】
ある可能な実装では、第1の決定モジュールは、次のようにして第1の補間点の第1座標値を決定するように構成される:第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、および輝度閾値に基づいて第1の補間点の第1座標値の第1の値を決定し;第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、第3のパーセンテージに対応する第4のピクセルの最大RGB成分値、および第1の値に基づいて第1の補間点の第1座標値を決定する。
【0358】
ある可能な実装では、第1のパーセンテージは90%、第2のパーセンテージは95%、第3のパーセンテージは99%である。
【0359】
決定モジュールは:次式:
【数90】
に従って第1の補間点の第1座標値の第1の値を決定するように構成される。
【0360】
ここで、TH1_used1は第1の値であり、g_maxRGBdistribution90は、90%に対応する第2のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution95は、95%に対応する第3のピクセルの最大RGB成分値であり、THRESOLDは輝度閾値である。
【0361】
ある可能な実装では、第1の決定モジュールは、次のようにして、第1の補間点の第1座標値を決定するように構成される:第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値の2倍と第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値との間の差を決定し;第3のパーセンテージに対応する第4のピクセルの最大RGB成分値が、得られた差と第1のプリセット値との和より大きいかどうか、および第1の値が第1の閾値より大きいかどうかを判定し;もしそうであれば、第1の補間点の第1座標値を第1の値に設定する。
【0362】
ある可能な実装では、第1の決定モジュールは、次のようにして第1の補間点の第1座標値を決定するように構成される:処理対象画像の輝度ヒストグラムに基づいて、第4のパーセンテージに対応する第5のピクセルの最大RGB成分値、第5のパーセンテージに対応する第6のピクセルの最大RGB成分値、および第6のパーセンテージに対応する第7のピクセルの最大RGB成分値を決定するステップであって、第4のパーセンテージは、前記処理対象画像における複数のピクセルのうちの前記第5のピクセルの最大RGB成分値以下の最大RGB成分値を有するピクセルのパーセンテージを示し、第5のパーセンテージは、前記処理対象画像における前記複数のピクセルのうちの前記第6のピクセルの最大RGB成分値以下の最大RGB成分値を有するピクセルのパーセンテージを示し、第6のパーセンテージは、前記処理対象画像における前記複数のピクセルのうちの前記第7のピクセルの最大RGB成分値以下の最大RGB成分値を有するピクセルのパーセンテージを示す、ステップと;第4のパーセンテージに対応する第5のピクセルの最大RGB成分値、第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、および輝度閾値に基づいて、第1の補間点の第1座標値の第1の値を決定するステップと;第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、および輝度閾値に基づいて第1の補間点の第1座標値の第2の値を決定するステップと;第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、第3のパーセンテージに対応する第4のピクセルの最大RGB成分値、および輝度閾値に基づいて第1の補間点の第1座標値の第3の値を決定するステップと;第4のパーセンテージに対応する第5のピクセルの最大RGB成分値、第5のパーセンテージに対応する第6のピクセルの最大RGB成分値、第1のパーセンテージに対応する第2のピクセルの最大RGB成分値、第2のパーセンテージに対応する第3のピクセルの最大RGB成分値、第3のパーセンテージに対応する第4のピクセルの最大RGB成分値、第6のパーセンテージに対応する第7のピクセルの最大RGB成分値、および第1の値ないし第3の値に基づいて、第1の補間点の第1座標値を決定するステップとを実行するように構成される。
【0363】
ある可能な実装では、第1のパーセンテージは90%、第2のパーセンテージは95%、第3のパーセンテージは99%、第4のパーセンテージは50%、第5のパーセンテージは10%、第6のパーセンテージは100%である。第1の決定モジュールは:第1の式に従って第1の補間点の第1座標値の第1の値を決定するステップであって、第1の式は:
【数91】
である、ステップと;
第2の式に従って第1の補間点の第1座標値の第2の値を決定するステップであって、第2の式は:
【数92】
である、ステップと;
第3の式に従って第1の補間点の第1座標値の第3の値を決定するステップであって、第3の式は:
【数93】
である、ステップとを実行するように構成される。
【0364】
ここで、TH1_used1は第1の値であり、TH1_used2は第2の値であり、TH1_used3は第3の値であり、g_maxRGBdistribution90は90%に対応する第2のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution95は95%に対応する第3のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution50は50%に対応する第5のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution99は99%に対応する第4のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution10は10%に対応する第6のピクセルの最大RGB成分値であり、THRESOLDは輝度閾値である。
【0365】
ある可能な実装では、第1の決定モジュールは、第4の式:
【数94】
に従って第1の補間点の第1座標値の初期値を決定し;
第1の補間点の第1座標値の初期値、第2の値および第3の値に基づいて、第5の式:
【数95】
に従って、第1の補間点の第1座標値を決定するように構成される。
【0366】
ここで、TH1は第1の補間点の第1座標値であり、TH1_usedは第1の補間点の第1座標値の初期値であり、TH1_used1は第1の値であり、TH1_used2は第2の値であり、TH1_used3は第3の値であり、g_maxRGBdistribution90は90%に対応する第2のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution95は95%に対応する第3のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution50は50%に対応する第5のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution99は99%に対応する第4のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution10は10%に対応する第6のピクセルの最大RGB成分値であり、g_maxRGBdistribution100は100%に対応する第7のピクセルの最大RGB成分値である。
【0367】
ある可能な実装では、第1の輝度区間はN個の部分区間を含み、Nは正の整数である。第1の決定モジュールは、次のようにして第2の補間点の第1座標値を決定するように構成される:N個の部分区間から第iの部分区間を決定するステップであって、第iの部分区間はN個の部分区間のうちのn個の部分区間のうちにあり、前記n個の部分区間のシーケンス番号はN/4以上であり、前記n個の部分区間のシーケンス番号は3N/4以下であり、処理対象画像における、輝度値が第iの部分区間にあるピクセルの量は前記n個の部分区間のうちの最も小さい値である、ステップと;第1の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値、およびiに基づいて第2の補間点の第1座標値を決定するステップとを実行する。
【0368】
ある可能な実装では、Nの値は8である。
【0369】
ある可能な実装では、第1の決定モジュールは、次式:
【数96】
に従って第2の補間点の第1座標値を決定するように構成される。
【0370】
ここで、TH2は第2の補間点の第1座標値であり、TH1は第1の補間点の第1座標値であり、TH3は第3の補間点の第1座標値であり、n_minはiである。
【0371】
ある可能な実装では、三次スプライン曲線の関数は、次のようにして得られる:取得モジュールが、さらに、基本マッピング曲線の関数を得るように構成される;第1の決定モジュールがさらに:第1の補間点の第1座標値および第3の補間点の第1座標値を、基本マッピング曲線の関数に基づいてマッピングして、第1の補間点の第2座標値と第3の補間点の第2座標値を得て;第1の補間点の第1座標値、第2の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値、第1の補間点の第2座標値、第3の補間点の第2座標値に基づいて、第2の補間点の第2座標値を決定し;第1の補間点の第1座標値、第2の補間点の第1座標値、第3の補間点の第1座標値、第1の補間点の第2座標値、第3の補間点の第2座標値、第2の補間点の第2座標値に基づいて、三次スプライン曲線の関数を決定するように構成される。
【0372】
ある可能な実装では、第1の決定モジュールは、第2の補間点の第2座標値を次式:
【数97】
に従って決定するように構成される。
【0373】
ここで、VA2は第2の補間点の第2座標値、VA1は第1の補間点の第2座標値、VA3は第3の補間点の第2座標値、TH2は第2の補間点の第1座標値、TH1は第1の補間点の第1座標値、TH3は第3の補間点の第1座標値である。
【0374】
ある可能な実装では、基本マッピング曲線の関数が、処理対象画像におけるピクセルの輝度値を第2の目標輝度値にマッピングするために使用される。基本マッピング曲線の関数は、処理対象画像におけるピクセルの輝度値が独立変数であり、第2の目標輝度値が従属変数である輝度マッピング関数である。この輝度マッピング関数は次のように表される:
【数98】
【0375】
輝度マッピング関数のパラメータは、a、b、p、m、nを含み、L'は第2の目標輝度値であり、Lは処理対象画像におけるピクセルの輝度値である。
【0376】
ある可能な実装では、本装置はさらに:処理対象画像の輝度ヒストグラム、第1の補間点の第1座標値、第2の補間点の第1座標値、および第3の補間点の第1座標値に基づいて、第1のピクセル量および第2のピクセル量を決定するステップであって、第1のピクセル量は、輝度ヒストグラムにおける、第1の補間点の第1座標値と第2の補間点の第1座標値との間の区間におけるピクセル量であり、第2のピクセル量は、輝度ヒストグラムにおける、第2の補間点の第1座標値と第3の補間点の第1座標値との間の区間におけるピクセル量である、ステップと;第1のピクセル量と第2のピクセル量とに基づいて、第2の補間点の第2座標値の調整強度を決定するステップであって、調整強度は、第2の補間点の第2座標値の初期値に対する第2の補間点の第2座標値のオフセット度合いを示す、ステップとを実行するように構成された第2の決定モジュールを含む。
【0377】
ある可能な実装では、第2の決定モジュールは:次式:
【数99】
に従って第2の補間点の第2座標値の調整強度を決定するように構成される。
【0378】
ここで、TH_strengthは第2の補間点の第2座標値の調整強度であり、TH_strength1は第2の補間点の第2座標値の調整強度のデフォルト値であり、Δは調整きざみであり、NUM1は第1のピクセル量であり、NUM2は第2のピクセル量である。
【0379】
ある可能な実装では、第2の補間点の第2座標値の初期値は、次式:
【数100】
に従って得られる。
【0380】
ここで、VA21は、第2の補間点の第2座標値の初期値であり、VA1は第1の補間点の第2座標値であり、VA3は第3の補間点の第2座標値であり、TH2は第2の補間点の第1座標値であり、TH1は第1の補間点の第1座標値であり、TH3は第3の補間点の第1座標値である。
【0381】
装置1000の実装原理および達成される効果は、上記の記述における対応する方法部分の実装原理および達成される効果と同じである。よって、詳細はここでは再度説明しない。
【0382】
図11は、本願のある実施形態による、画像ダイナミックレンジ処理装置の構造の第3の概略図である。装置1100は、エンコーダによって送信される三次スプライン曲線の関数および処理対象画像のデータ情報を受領するように構成された受領モジュール1101であって、処理対象画像のデータ情報は処理対象画像を得るために使用され、三次スプライン曲線の関数は、処理対象画像のダイナミックレンジを修正するよう、処理対象画像における、輝度値が対応する区間内にあるピクセルの輝度値を目標輝度値にマッピングするために使用される、受領モジュールと;三次スプライン曲線の関数および処理対象画像のデータ情報に基づいて処理対象画像のダイナミックレンジを修正するように構成された修正モジュール1102とを含む。
【0383】
装置1100の実装原理および達成される効果は、上記の記述における対応する方法部分の実装原理および達成される効果と同じである。よって、詳細はここでは再度説明しない。
【0384】
図12は、本願のある実施形態による画像処理装置1200を示す。装置1200は、プロセッサ1210、トランシーバ1220、およびメモリ1230を含んでいてもよい。プロセッサ1210、トランシーバ1220、およびメモリ1230は、内部接続経路を介して互いに通信する。
【0385】
プロセッサ1210は、一つまたは複数のプロセッサを含んでいてもよく、たとえば、一つまたは複数の中央処理装置(central processing unit、CPU)を含んでいてもよい。プロセッサが1つのCPUである場合、CPUはシングルコアCPUであってもよいし、マルチコアCPUであってもよい。プロセッサ1210は、前述の方法実施形態のいずれか1つによる方法を実行するように構成される。
【0386】
トランシーバ1220は、データおよび/または情報を送受信し、データおよび/または情報を受領するように構成される。トランシーバは、送信機および受領機を含んでいてもよい。送信機は、データおよび/または信号を送信するように構成され、受信機は、データおよび/または信号を受信するように構成される。
【0387】
メモリ1230は、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、リードオンリーメモリ(read-only memory、ROM)、消去可能プログラマブルメモリ(erasable programmable read-only memory、EPROM)、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(compact disc read-only memory、CD-ROM)等を含むが、これらに限定されない。メモリ1230は、関連する命令およびデータを記憶するように構成される。
【0388】
メモリ1230は、装置のプログラムコードおよびデータを記憶するように構成され、別個のデバイスであってもよく、またはプロセッサ1210に統合されてもよい。
【0389】
図12は、デバイス1200の単純化された設計のみを示すことを理解されたい。実際の応用では、デバイス1200は、任意の量のトランシーバ、プロセッサ、コントローラ、メモリなどを含むが、これらに限定されない、他の必要な要素をさらに含んでいてもよい。本願を実装しうるすべてのデバイスは、本願の保護範囲内である。
【0390】
ある可能な設計では、デバイス1200は、チップ装置と置き換えられてもよく、たとえば、デバイス内で使用されることができ、当該装置においてプロセッサの関連機能を実施するように構成される通信チップであってもよい。チップ装置は、フィールドプログラマブルゲートアレイ、専用集積チップ、システムチップ、中央処理装置、ネットワークプロセッサ、デジタル信号処理回路、マイクロコントローラ、プログラマブルコントローラ、または関連機能を実施するための別の統合されたチップであってもよい。任意的に、チップは、プログラムコードを記憶するように構成された一つまたは複数のメモリを含んでいてもよい。コードが実行されると、プロセッサは対応する機能を実装することができる。
【0391】
本願は、さらに、コンピュータ・プログラムを含む、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。コンピュータ・プログラムがコンピュータ上で実行されると、コンピュータは、前述の方法実施形態における技術的解決策を実行できるようにされる。
【0392】
本願は、さらにコンピュータ・プログラムを提供する。コンピュータ・プログラムがコンピュータ上で実行されるとき、コンピュータ・プログラムは、前述の方法実施形態における技術的解決策を実行するために使用される。
【0393】
本願の実施形態において、前述のプロセスのシーケンス番号は、実行シーケンスを意味しないことを理解されたい。プロセスの実行シーケンスは、プロセスの機能および内部論理に基づいて決定されるべきであり、本願の実施形態の実装プロセスに対するいかなる制限をも構成すべきではない。
【0394】
当業者は、本明細書に開示された実施形態に記載された例と組み合わせて、ユニットおよびアルゴリズム・ステップが、電子ハードウェアまたはコンピュータ・ソフトウェアと電子ハードウェアの組み合わせによって実装されうることを認識しうる。機能がハードウェアによって実行されるかソフトウェアによって実行されるかは、技術的解決策の具体的な用途および設計制約条件に依存する。当業者は、それぞれの具体的な用途について、記載された機能を実装するために異なる方法を用いることができるが、かかる実装が本願の範囲を超えるものであると考えられるべきではない。
【0395】
当業者であれば、簡便な説明のために、前述のシステム、装置、およびユニットの詳細な稼働プロセスについては、前述の方法実施形態における対応するプロセスを参照することを明確に理解することができ、詳細については、ここでは再度説明しない。
【0396】
本願に提供されるいくつかの実施形態において、開示されたシステム、装置、および方法は、他の態様で実装されてもよいことを理解されたい。たとえば、記載された装置実施形態は、単に一例である。たとえば、ユニットへの分割は、単に論理的な機能分割であり、実際の実装においては他の分割であってもよい。たとえば、複数のユニットまたはコンポーネントは、別のシステムに組み合わされ、または統合されてもよく、あるいはいくつかの特徴が無視され、もしくは実行されなくてもよい。加えて、表示または議論された相互結合、直接結合、または通信接続は、いくつかのインターフェースを使用することによって実現されうる。装置またはユニット間の間接的な結合または通信接続は、電子的、機械的、または他の形で実装されうる。
【0397】
別個の部分として記載されるユニットは、物理的に別個であってもなくてもよく、ユニットとして表示される部品は、物理的ユニットであってもなくてもよく、1つの位置に配置されていてもよく、または複数のネットワークユニット上に分散されていてもよい。ユニットの一部または全部は、実施形態の解決策の目的を達成するために、実際の要件に基づいて選択されうる。
【0398】
加えて、本願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてもよく、または、ユニットのそれぞれは、物理的に単独で存在してもよく、または、2つ以上のユニットが1つのユニットに統合されてもよい。
【0399】
これらの機能がソフトウェア機能単位の形で実装され、独立した製品として販売または使用される場合、これらの機能は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づいて、本願の技術的解決策は本質的に、または従来の技術に寄与する部分は、または技術的解決策のいくつかは、ソフトウェア製品の形で実装されてもよい。コンピュータ・ソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、コンピュータ装置(これはパーソナルコンピュータ、サーバー、またはネットワーク装置であってもよい)に、本願の実施形態に記載される方法のステップの全部または一部を実行するように指示するためのいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、リードオンリーメモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気ディスク、または光ディスクのようなプログラムコードを記憶することができる任意の媒体を含む。
【0400】
前述の説明は、単に本願の個別的実装であり、本願の保護範囲を制限することは意図されていない。本願に開示された技術的範囲内で、当業者が容易に理解することができる変更または代替は、本願の保護範囲に含まれる。したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。