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特許7454709放射線デテクター及びこれを備える放射線検査装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】放射線デテクター及びこれを備える放射線検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/24 20060101AFI20240314BHJP
   G01N 23/04 20180101ALI20240314BHJP
   G01N 23/18 20180101ALI20240314BHJP
【FI】
G01T1/24
G01N23/04
G01N23/18
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022576073
(86)(22)【出願日】2022-05-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-17
(86)【国際出願番号】 KR2022006353
(87)【国際公開番号】W WO2022265225
(87)【国際公開日】2022-12-22
【審査請求日】2022-12-09
(31)【優先権主張番号】10-2021-0077592
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0119955
(32)【優先日】2021-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515075038
【氏名又は名称】ディアールテック コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ムン ボムジン
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒョンシク
(72)【発明者】
【氏名】キル ヨンチョル
【審査官】佐藤 海
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-173128(JP,A)
【文献】特開2014-048058(JP,A)
【文献】特表2015-523548(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0153176(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0001407(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/00-1/40
G01N 23/00-23/2276
G21K 4/00
A61B 6/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に延び、第1の面に入射する放射線を検出する可撓性の放射線検出パネルと、
前記放射線検出パネルの前記第1の面と対向する第2の面の上に配設されて前記放射線検出パネルを支持し、可撓性を有する板状のベンディングサポーター部と、
前記ベンディングサポーター部に連結されて、前記第1の方向と交わる第2の方向と平行な曲げ軸を中心とした前記放射線検出パネルの曲げを調節する曲げ調節部と、
前記放射線検出パネルの前記第2の面の上に配設され、前記第2の方向に延びて前記第1の方向に並べられる複数枚の折り畳みプレートと、
を備え、
前記ベンディングサポーター部の可撓性は、前記放射線検出パネルの可撓性よりも小さな放射線デテクター。
【請求項2】
前記複数枚の折り畳みプレートのうちの少なくとも一部が固定される胴体部をさらに備え、
前記放射線検出パネルは、前記胴体部を中心として曲げされる請求項に記載の放射線デテクター。
【請求項3】
前記胴体部は、前記放射線検出パネルの駆動のための電子回路が実装される電装ボックスを備える請求項に記載の放射線デテクター。
【請求項4】
前記曲げ調節部は、
前記ベンディングサポーター部の一方の側にその一方の側が連結される第1の連結部と、
前記ベンディングサポーター部の他方の側にその他方の側が連結される第2の連結部と、
を備える請求項に記載の放射線デテクター。
【請求項5】
第1の方向に延び、第1の面に入射する放射線を検出する可撓性の放射線検出パネルと、
前記放射線検出パネルの前記第1の面と対向する第2の面の上に配設されて前記放射線検出パネルを支持し、可撓性を有する板状のベンディングサポーター部と、
前記ベンディングサポーター部に連結されて、前記第1の方向と交わる第2の方向と平行な曲げ軸を中心とした前記放射線検出パネルの曲げを調節する曲げ調節部と、
を備え、
前記ベンディングサポーター部の可撓性は、前記放射線検出パネルの可撓性よりも小さく、
前記曲げ調節部は、
前記ベンディングサポーター部の一方の側にその一方の側が連結される第1の連結部と、
前記ベンディングサポーター部の他方の側にその他方の側が連結される第2の連結部と、
互いに離れて前記第1の連結部の前記他方の側と前記第2の連結部の前記一方の側がそれぞれ連結される第1及び第2のヒンジと、
を備え、
前記第1の連結部は、前記第1のヒンジを回転軸として軸回転し、
前記第2の連結部は、前記第2のヒンジを回転軸として軸回転する放射線デテクター。
【請求項6】
前記第1のヒンジと前記第2のヒンジは、それぞれヒンジディスクを有する請求項に記載の放射線デテクター。
【請求項7】
第1の方向に延び、第1の面に入射する放射線を検出する可撓性の放射線検出パネルと、
前記放射線検出パネルの前記第1の面と対向する第2の面の上に配設されて前記放射線検出パネルを支持し、可撓性を有する板状のベンディングサポーター部と、
前記ベンディングサポーター部に連結されて、前記第1の方向と交わる第2の方向と平行な曲げ軸を中心とした前記放射線検出パネルの曲げを調節する曲げ調節部と、
を備え、
前記ベンディングサポーター部の可撓性は、前記放射線検出パネルの可撓性よりも小さく、
前記曲げ調節部は、
前記ベンディングサポーター部の一方の側にその一方の側が連結される第1の連結部と、
前記ベンディングサポーター部の他方の側にその他方の側が連結される第2の連結部と、
を備え、
前記第1の連結部の他方の側と前記第2の連結部の一方の側は可動であって、相互間の距離が調節される放射線デテクター。
【請求項8】
前記曲げ調節部は、
前記第1の連結部の他方の側に配設される第1の掛け金と、
前記第2の連結部の一方の側に配設される第2の掛け金と、
前記第1の連結部の他方の側と前記第2の連結部の一方の側の移動方向に沿って並べられる複数の掛け金溝と、
をさらに備える請求項に記載の放射線デテクター。
【請求項9】
前記曲げ調節部は、前記第1の掛け金と前記第2の掛け金の係止及び解放を調節する掛け金駆動部をさらに備える請求項に記載の放射線デテクター。
【請求項10】
前記掛け金駆動部は、
前記第1の掛け金と前記第2の掛け金にそれぞれ連結される連結部材と、
前記連結部材に弾性力を与える弾性部材と、
を備える請求項に記載の放射線デテクター。
【請求項11】
前記曲げ調節部は、
前記第1の連結部の他方の側に連結される第1の可動ギアと、
前記第2の連結部の一方の側に連結される第2の可動ギアと、
前記第1の可動ギア及び前記第2の可動ギアとそれぞれ噛み合って前記第1の可動ギアと前記第2の可動ギアを移動させる駆動ギアと、
をさらに備える請求項に記載の放射線デテクター。
【請求項12】
前記放射線検出パネルが収容され、前記放射線検出パネルと対向する面に放射線透過領域を有するハウジングをさらに備える請求項1に記載の放射線デテクター。
【請求項13】
第1の方向に延び、第1の面に入射する放射線を検出する可撓性の放射線検出パネルと、
前記放射線検出パネルの前記第1の面と対向する第2の面の上に配設されて前記放射線検出パネルを支持し、可撓性を有する板状のベンディングサポーター部と、
前記放射線検出パネルが収容され、前記放射線検出パネルと対向する面に放射線透過領域を有するハウジングと、
を備え、
前記ベンディングサポーター部の可撓性は、前記放射線検出パネルの可撓性よりも小さく、
前記ハウジングの放射線透過領域は曲面を含み、
前記放射線検出パネルは、前記曲面の放射線透過領域に沿って曲げされて前記ハウジングに固定される放射線デテクター。
【請求項14】
前記ハウジングは、前記第1の方向の一方の側に前記放射線検出パネルの駆動のための電子回路が実装される電装ボックスを備える請求項13に記載の放射線デテクター。
【請求項15】
被検体に放射線を照射する放射線発生部と、
前記被検体を透過した放射線を検出する請求項1~14のいずれか一項に記載の放射線デテクターと、
を備える放射線検査装置。
【請求項16】
前記被検体は、前記放射線発生部と前記放射線デテクターとの間に配置され、
前記曲げ調節部は、前記放射線検出パネルと対向する前記被検体の面の曲率に応じて前記放射線検出パネルの曲げを調節可能なように配設される請求項15に記載の放射線検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線デテクター及びこれを備える放射線検査装置に係り、さらに詳しくは、曲げが可能な放射線検出パネルを備える放射線デテクター及びこれを備える放射線検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非破壊検査とは、素材、機器、構造物の品質管理、品質保証の一つの手段として用いられる計測技術のことをいい、これを通じて、被検体を損傷、分離、破壊させることなく元の形状を保った状態で被検体の表面、内部の欠陥の有無と状態、または被検体の性質、内部構造などを調べることができる。
【0003】
換言すれば、非破壊検査とは、超音波、放射線、渦電流などの物理的な現象を用いた特殊な方法にて材料や製品などの被検体に破壊、分離または損傷を負わせずに、欠陥の有無、状態、または性質、内部構造などを突き止めるあらゆる検査のことをいう。
【0004】
非破壊検査の主な目的は、信頼性の向上にあり、非破壊検査を通して製造段階において不良率を下げて製造コストの節減を図ることもできれば、製造技術を改善することもできる。
【0005】
かような非破壊検査の種類は多岐にわたるが、放射線透過検査(Radiographic Testing;RT)が主として用いられている。
【0006】
放射線透過検査(RT)が用いられる主な応用分野は、電気電子、金属、航空宇宙、産業装備及びセキュリティなどである。プリント回路基板の製造に当たっての品質管理工程、ハンダ付け部位、銅線、接合パッドなどの電気電子検査と材料の内部の亀裂、多孔性、異物含有などの金属検査にも用いられる。
【0007】
そして、航空機の内部構造物の損傷の検出にも用いられ、タービンブレード機体、複合材料などが主として放射線透過検査の対象となる。なお、原子力及び汎用発電施設の配管溶接(Pipe Welding Line)検査に多用されて、溶接状態を画像化させるために配管の内面に沿って放射線源を運搬するクローラー(crawler)を用いて行われている。
【0008】
特に、放射線非破壊検査のうち、配管溶接検査は、欠陥(例えば、気孔、スラグの混入、亀裂、融合不良、溶込み不足、ルート凹み、アンダーカットなど)を確認するための検査である。
【0009】
従来には、放射線を被検体に透過させた後、放射線検出パネル(例えば、フィルムまたはガラスタイプの薄膜トランジスター(TFT))に像を形成して被検体の内部の欠陥を確認する方法を最も広く利用していた。ここで、放射線を被検体に照射するときに、被検体の形状、厚さに応じた密度の差により透過されて出てくる放射線量に差ができ、これにより、放射線検出パネル(Sensor Panel)の感光の度合いが異なってくる。放射線検出パネルの感光の度合いに応じて濃度の差が生じて被検体の特定の像(または、部位ごとの明暗の差)が得られ、画像の評価に際して頂上部の領域に比べて欠陥部の場合に明度がさらに低く現れて欠陥の位置及び大きさが確認可能である。
【0010】
配管溶接検査としては、現在のところ、反射防止フィルム(ARフィルム)またはコンピュータX線撮影(CR:Computed Radiography)検査が用いられてきている。ARまたはCR撮影法の場合、評価画像を取得してから現像を行うとき、別途の現像機及びその他のアクセサリー(accessory)が必要であり、被検体の1回の撮影後にイメージプレート(Image Plate;IP)の読み込み(Reading)及び消去(Erase)の過程が行われてはじめてさらなる撮影が可能であり、これにより、コスト、時間、作業の非効率性などといった不都合がある。また、ARまたはCR撮影の場合、配管(Pipe)などの円筒状の被検体の撮影に際して、形状に合わせてイメージプレートまたは可撓性フィルム(Flexible Film)を歪ませて画像の取得が可能であるものの、IPカセット(Cassette)ならではの痕跡及び被検体の厚さに応じた画像の補正作業を行うことができないが故に、オペレーター(または、ユーザー)が希望する欠陥(Defect)に対する検出が決して容易ではない。しかも、CR方式(Type)の放射線検出の場合には、被検体に照射された放射線エネルギーがIPカセットに蓄えられて、画像の確認の間に別途の読み取り機を用いて現像が可能であり、これにより、別途の現像機を備え付けなければならず、かつ、画像の取得時間が長引いてしまうなど効率性が低下するという不都合が生じる。
【0011】
このような不都合を解決すべく、近頃、平板検出器(Flat Panel Detector)を用いたデジタルX線撮影(Digital Radiography;DR)検査技法が導入されている。しかしながら、従来のデジタル撮影法の場合、コスト及び作業効率性の側面からみて改善された結果が得られるものの、放射線検出パネル(Glass)及び器具、ハードウェアなどの構成品が材質及び構造的な側面からみて可撓性を帯びないが故に、曲率を持った被検体の撮影に際して放射線検出パネルに当接している領域を除いては、歪んだ画像を取得して歪み部の正常的な画像の評価を行い難く、正確な画像の評価のために多数回に亘って撮影することを余儀なくされるという煩雑さがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】大韓民国公開特許第2002-0081074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、放射線検出パネルの曲げ状態を保持可能な放射線デテクター及びこれを備える放射線検査装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一実施形態に係る放射線デテクターは、第1の方向に延び、第1の面に入射する放射線を検出する可撓性の放射線検出パネルと、前記放射線検出パネルの前記第1の面と対向する第2の面の上に配設されて前記放射線検出パネルを支持し、可撓性を有する板状のベンディングサポーター部と、を備え、前記ベンディングサポーター部の可撓性は、前記放射線検出パネルの可撓性よりも小さくてもよい。
【0015】
前記放射線デテクターは、前記ベンディングサポーター部に連結されて、前記第1の方向と交わる第2の方向と平行な曲げ軸を中心とした前記放射線検出パネルの曲げを調節する曲げ調節部をさらに備えてもよい。
【0016】
前記放射線デテクターは、前記放射線検出パネルの前記第2の面の上に配設され、前記第2の方向に延びて前記第1の方向に並べられる複数枚の折り畳みプレートをさらに備えてもよい。
【0017】
前記放射線デテクターは、前記複数枚の折り畳みプレートのうちの少なくとも一部が固定される胴体部をさらに備え、前記放射線検出パネルは、前記胴体部を中心として曲げされてもよい。
【0018】
前記胴体部は、前記放射線検出パネルの駆動のための電子回路が実装される電装ボックスを備えてもよい。
【0019】
前記曲げ調節部は、前記ベンディングサポーター部の一方の側にその一方の側が連結される第1の連結部と、前記ベンディングサポーター部の他方の側にその他方の側が連結される第2の連結部と、を備えてもよい。
【0020】
前記曲げ調節部は、互いに離れて前記第1の連結部の前記他方の側と前記第2の連結部の前記一方の側がそれぞれ連結される第1及び第2のヒンジをさらに備え、前記第1の連結部は、前記第1のヒンジを回転軸として軸回転し、前記第2の連結部は、前記第2のヒンジを回転軸として軸回転してもよい。
【0021】
前記第1のヒンジと前記第2のヒンジは、それぞれヒンジディスクを有していてもよい。
【0022】
前記第1の連結部の他方の側と前記第2の連結部の一方の側は可動であって、相互間の距離が調節されてもよい。
【0023】
前記曲げ調節部は、前記第1の連結部の他方の側に配設される第1の掛け金と、前記第2の連結部の一方の側に配設される第2の掛け金と、前記第1の連結部の他方の側と前記第2の連結部の一方の側の移動方向に沿って並べられる複数の掛け金溝と、をさらに備えてもよい。
【0024】
前記曲げ調節部は、前記第1の掛け金と前記第2の掛け金の係止及び解放を調節する掛け金駆動部をさらに備えてもよい。
【0025】
前記掛け金駆動部は、前記第1の掛け金と前記第2の掛け金にそれぞれ連結される連結部材と、前記連結部材に弾性力を与える弾性部材と、を備えてもよい。
【0026】
前記曲げ調節部は、前記第1の連結部の他方の側に連結される第1の可動ギアと、前記第2の連結部の一方の側に連結される第2の可動ギアと、前記第1の可動ギア及び前記第2の可動ギアとそれぞれ噛み合って前記第1の可動ギアと前記第2の可動ギアを移動させる駆動ギアと、をさらに備えてもよい。
【0027】
前記放射線デテクターは、前記放射線検出パネルが収容され、前記放射線検出パネルと対向する面に放射線透過領域を有するハウジングをさらに備えてもよい。
【0028】
前記ハウジングの放射線透過領域は曲面を含み、前記放射線検出パネルは、前記曲面の放射線透過領域に沿って曲げされて前記ハウジングに固定されてもよい。
【0029】
前記ハウジングは、前記第1の方向の一方の側に前記放射線検出パネルの駆動のための電子回路が実装される電装ボックスを備えてもよい。
【0030】
本発明の別の実施形態に係る放射線検査装置は、被検体に放射線を照射する放射線発生部と、前記被検体を透過した放射線を検出する本発明の一実施形態に係る放射線デテクターと、を備えてもよい。
【0031】
前記被検体は、前記放射線発生部と前記放射線デテクターとの間に配置され、前記曲げ調節部は、前記放射線検出パネルと対向する前記被検体の面の曲率に応じて前記放射線検出パネルの曲げを調節可能なように配設されてもよい。
【発明の効果】
【0032】
本発明の実施形態に係る放射線デテクターは、可撓性の放射線検出パネルよりも小さな可撓性を有するベンディングサポーター部を介して放射線検出パネルを支持して放射線検出パネルの曲げ(bending)をガイドすることができ、放射線検出パネルが曲げ状態に保持されるように補助することができる。また、ベンディングサポーター部に連結される曲げ調節部を介して放射線検出パネルの曲げを調節することができ、放射線検出パネルが一定の曲面を形成するように撓ませることができ、撓んだ状態を一定の角度に保持することができて、様々な曲率を持った様々な被検体の放射線画像を速やかに取得することができる。これにより、いかなる曲率を有する被検体であっても、歪みのない画像をリアルタイムにて取得することができ、取得した優れた品質の画像を用いて検査及び診断を現場で直ちに読み取ることができる。すなわち、放射線検出パネルが撓み変形可能であるという特性を活用して、様々な形態の構造物において生じ得る亀裂や缶などの流線型の食料に含まれ得る異物に対する非破壊検査に際して、従来の平板状の放射線検出器の画像に比べて優れた品質の画像を得ることができる。
【0033】
そして、放射線検出パネルを柔軟な有機半導体ベースで形成して、大型化させ易いながらも、従来の平板状の放射線検出器の慢性的な問題である複雑な工程による高い値段と低い歩留まりの問題を同時に解決することができ、これを通じて、高性能の大型デジタル放射線検出器を商用化させることができる。また、放射線検出パネルにおいて有機材料技術を用いて放射線(例えば、X線)を電気信号に変換することにより、低い駆動電圧を有する放射線検出パネルの開発に取り組むことができ、これにより、生産コストが節減可能であり、低電圧回路の設計を通じた薄型軽量放射線デテクターが製作可能になる。
【0034】
のみならず、複数枚の折り畳みプレートを用いて放射線検出パネルが急激に撓んで損傷されてしまうことを防ぐことができ、放射線検出パネル内の各ピクセルは最大限に撓まずに平面を保持するようにすることもできる。
【0035】
また、ベンディングサポーター部の両側にそれぞれ連結される第1の連結部と第2の連結部を用いて弾性を有するベンディングサポーター部を撓ませることにより、放射線検出パネルを手軽に曲げすることができ、ベンディングサポーター部及び放射線検出パネルが撓んだ状態で一定の角度に保持されるようにすることができる。
【0036】
一方、曲面状に形成されたハウジングを用いて放射線検出パネルの曲げを固定することもでき、様々な被検体に応じて決められる曲面を有するハウジングを種々に設けて被検体に応じて好適な曲面を有するハウジングに取り替えることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の一実施形態に係る放射線デテクターを示す図。
図2】本発明の一実施形態に係る放射線デテクターの第1の変形例を示す図。
図3】本発明の一実施形態に係る放射線デテクターの第1の変形例の部分断面図。
図4】本発明の一実施形態に係る放射線デテクターの第2の変形例を示す図。
図5】本発明の一実施形態に係る放射線デテクターの第2の変形例の部分断面図。
図6】本発明の一実施形態に係る曲面の放射線透過領域を有するハウジングを示す斜視図。
図7】本発明の一実施形態に係る曲面の放射線透過領域を有するハウジングの内部を説明するための概念図。
図8】本発明の別の実施形態に係る放射線検査装置を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下では、添付図面に基づいて、本発明の実施形態についてより詳しく説明する。しかしながら、本発明は以下に開示される実施形態に何ら限定されるものではなく、異なる様々な形態に具体化され、単にこれらの実施形態は本発明の開示を完全たるものにし、通常の知識を有する者に発明の範ちゅうを完全に知らせるために提供されるものである。本発明を説明するに当たって、同じ構成要素に対しては同じ参照符号を付し、図面は、本発明の実施形態を正確に説明するために大きさが部分的に誇張されてもよく、図中、同じ符号は、同じ構成要素を指し示す。
【0039】
図1は、本発明の一実施形態に係る放射線デテクターを示す図であって、図1の(a)は、放射線デテクターの斜視図であり、図1の(b)は、放射線デテクターの平面図である。
【0040】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係る放射線デテクター100は、第1の方向に延び、第1の面に入射する放射線を検出する可撓性の放射線検出パネル110と、前記放射線検出パネル110の前記第1の面と対向する第2の面の上に配設されて前記放射線検出パネル110を支持し、可撓性を有する板状のベンディングサポーター部120と、を備えていてもよい。
【0041】
放射線検出パネル110は、可撓性(flexibility)を有していてもよく、第1の方向に延びてもよく、第1の面に入射する放射線(例えば、X線)を検出することができる。例えば、放射線検出パネル110は、柔軟なポリイミド(Polyimide;PI)などの有機半導体ベースで形成されてもよく、硬くて脆性を有するガラス(glass)が混入しないことから、薄肉化が図れるだけではなく、曲げ(bending)が可能なように可撓性を有していてもよい。このとき、放射線検出パネル110は、薄膜トランジスター(Thin Film Transistor;TFT)を備えていてもよい。
【0042】
ここで、放射線検出パネル110は、相対向する前記第1の面と第2の面を有していてもよく、前記第1の面に入射する放射線を画像信号処理が可能な電気信号に変換してもよく、複数のピクセル(図示せず)がマトリックス(matrix)状に並べられてもよい。ここで、前記放射線は、エックス線(X-ray)、アルファ線(α-ray)、ガンマ線(γ-ray)、電子線、紫外線(UV-ray)などであってもよく、複数のピクセル(図示せず)は、多数のスイッチングセル(switching cell)素子と光電変換素子とから構成されてもよい。
【0043】
このとき、放射線検出パネル110は、1.25mm以下の厚さを有していてもよい。放射線検出パネル110の厚さが1.25mmを超えると、放射線検出パネル110の柔軟性が低下してしまい、曲げの過程において破損され易くなる虞がある。一般に、有機半導体ベースの放射線検出パネル110は、0.5~0.6mmの厚さを有し、十分な性能を有し得る場合には、さらに薄肉にしてもよい。
【0044】
かような可撓性を有する放射線検出パネル110は、大型化させ易いながらも、従来の平板状の放射線検出器(Flat Panel Detector)の慢性的な問題である複雑な工程による高い値段と低い歩留まりの問題を同時に解決することができ、これを通じて、高性能の大型デジタル放射線検出器を商用化させることができる。また、放射線検出パネル110は、有機材料技術を用いて放射線(例えば、X線)を電気信号に変換することにより、低い駆動電圧を有することができ、これにより、生産コストが節減可能であり、低電圧回路の設計を通じた薄型軽量放射線デテクター100の製作が可能になる。
【0045】
ベンディングサポーター部120は、放射線検出パネル110の前記第1の面と対向する第2の面の上に配設されて放射線検出パネル110を支持してもよく、可撓性を有していてもよく、シート(sheet)、層(layer)などの板状(laminar)であってもよい。ここで、ベンディングサポーター部120は、放射線検出パネル110に沿って前記第1の方向に延びてもよく、放射線検出パネル110よりも大きな弾性(elasticity)または剛性(rigidity)を有していてもよい。このとき、ベンディングサポーター部120は、放射線検出パネル110に取り付けられて支持してもよく、放射線検出パネル110に接合されて支持してもよい。これを通じて、放射線検出パネル110に無理な力が加えられないながら、安定的に曲げ可能なように放射線検出パネル110の曲げをガイド(guide)することができ、曲げの過程において放射線検出パネル110に損傷が生じてしまうことを防ぐことができる。例えば、ベンディングサポーター部120は、弾性を有して折り曲げる力により、急激ではなく、漸進的に曲げられることができ、曲げられるベンディングサポーター部120に沿って放射線検出パネル110もまた曲げられて曲げ加工されることができ、折り曲げる力が除かれれば、ベンディングサポーター部120が再び伸展されながら放射線検出パネル110もまた伸展されて元の状態(例えば、平らな状態)に戻ることができる。
【0046】
ここで、ベンディングサポーター部120の可撓性は、放射線検出パネル100の可撓性よりも小さくてもよい。すなわち、ベンディングサポーター部120は、可撓性を有するものの、放射線検出パネル100よりは小さな可撓性を有することから、ヒラヒラすることなく連続的な曲率を形成(例えば、前記ベンディングサポーター部の全体的に曲率を形成)しながら曲げされることが可能になる。これを通じて、放射線検出パネル100は、全体的に一定の曲率を有する曲げ状態を保持することができる。
【0047】
例えば、ベンディングサポーター部120は、放射線検出パネル100の可撓性よりも小さな可撓性を用いて、放射線検出パネル100の曲げを一定の曲率に保持することができ、放射線検出パネル100の曲げをガイドして保持することができる。ベンディングサポーター部120は、曲げ調節部120を用いて曲げされて一定の曲率にて放射線検出パネル100の曲げ状態が保持されるようにすることもできれば、一定の曲率にて放射線検出パネル100の曲げ状態を保持してハウジング150に固定されるようにすることもできる。
【0048】
本発明に係る放射線デテクター100は、前記ベンディングサポーター部120に連結されて、前記第1の方向と交わる第2の方向と平行な曲げ軸を中心とした前記放射線検出パネル120の曲げを調節する曲げ調節部130をさらに備えていてもよい。
【0049】
曲げ調節部130は、ベンディングサポーター部120に直間接的に連結されてもよく、前記第1の方向と交わる第2の方向と平行な曲げ軸(bending axis)を中心とした放射線検出パネル120の曲げを調節することができ、放射線検出パネル110が曲げられたり伸展されたりするようにすることができる。曲げ調節部130が放射線検出パネル110に直結されて放射線検出パネル110に折り曲げる力を与えると、放射線検出パネル110が急激に折れてしまう虞もあり、より高い剛性を有するベンディングサポーター部120を折り曲げる力を伝えなければならないため放射線検出パネル110に無理な力が加えられる虞もあり、これにより、放射線検出パネル110が損傷されてしまう虞がある。このため、曲げ調節部130をベンディングサポーター部120に連結してベンディングサポーター部120を曲げることにより、ベンディングサポーター部120が曲げられることに伴い、安定的に放射線検出パネル110が曲げされるようにすることができる。
【0050】
ここで、曲げ調節部130は、ベンディングサポーター部120の前記第1の方向の両側間の距離を調節して放射線検出パネル120を曲げすることができ、ベンディングサポーター部120の前記第1の方向の両側を近づけ合う場合には、放射線検出パネル120の前記第1の方向の両側の間に曲面(または、曲率)が形成されることができる。
【0051】
したがって、本発明に係る放射線デテクター100は、曲げ調節部130を用いて放射線検出パネル110の曲げを調節することができ、放射線検出パネル110が一定の曲面を形成するように撓ませることができ、撓んだ状態を一定の角度に保持することができて、様々な曲率を持った様々な被検体10の放射線画像を速やかに取得することができる。これにより、いかなる曲率を有する被検体10であっても、歪みのない画像をリアルタイムにて取得することができ、取得した優れた品質の画像を用いて検査及び診断を現場で直ちに読み取ることができる。
【0052】
そして、本発明に係る放射線デテクター100は、放射線検出パネル110の前記第2の面の上に配設され、前記第2の方向に延びて前記第1の方向に並べられる複数枚の折り畳みプレート121をさらに備えていてもよい。複数枚の折り畳みプレート121は、前記第2の方向に延びてもよく、放射線検出パネル110の前記第2の面の上に配設されて前記第1の方向に並べられてもよく、互いに直間接的に連結されてもよい。ここで、複数枚の折り畳みプレート121は別途の構成要素であってもよく、ベンディングサポーター部120に組み込まれる構成要素であってもよい。このとき、複数枚の折り畳みプレート121は、放射線検出パネル110を向くベンディングサポーター部120の第1の面と対向するベンディングサポーター部120の第2の面の上に配設されてもよく、ベンディングサポーター部120の前記第1の面には、放射線検出パネル110が支持されてもよく、ベンディングサポーター部120の前記第2の面には、複数枚の折り畳みプレート121が支持されてもよい。一方、複数枚の折り畳みプレート121がベンディングサポーター部120に組み込まれる構成である場合には、複数枚の折り畳みプレート121は補強板122に支持されてもよい。例えば、複数枚の折り畳みプレート121は、プラスチック系の樹脂またはアルミニウム材質の素材から作製されてもよく、放射線検出パネル110との間に配設される補強板122にそれぞれ連結されて(または、取り付けられて)補強板122により間接的に連結されてもよく、別途の連結手段を介して鎖(chain)のように直結されてもよい。複数枚の折り畳みプレート121を用いて放射線検出パネル110が急激に撓んで損傷されることを防ぐことができ、放射線検出パネル110内の各ピクセルが最大限に撓まずに平面を保持するようにすることもできる。ここで、複数枚の折り畳みプレート121は、放射線透過板及び/又は補強板122を固定するための付随的な資材であってもよく、曲率の形成に際して正円の弧(arc)状に形成する役割を果たしてもよく、一定の曲率以上に曲げられないようにするストッパー(stopper)の役割を果たしてもよい。
【0053】
放射線検出パネル110が曲げられながら、各ピクセルもまた一緒に曲げられると、各ピクセルの平面積(または、水平断面積)が異なってくる虞があり、各ピクセルの間の平面積に差が生じる虞もあり、平面積の差による放射線画像の歪みが生じることが懸念される。このため、複数枚の折り畳みプレート121のそれぞれが放射線検出パネル110の第1の方向の各区間ごとに平面を保持して各ピクセルが折り曲げられることを極力抑制もしくは防止することができる。例えば、各ピクセルは、2枚以上の折り畳みプレート121に跨って形成されなくてもよく、あるいは、一枚の折り畳みプレート121に一部(例えば、半分)のみが跨って形成されなくてもよく、各ピクセルの全体がいずれか一枚の折り畳みプレート121の上に位置するようにしてもよい。すなわち、複数のピクセルのうちのいずれか一つのピクセルの全体がいずれか一枚の折り畳みプレート121の上に位置してもよく、このような方式により、すべてのピクセルがそれぞれ対応する折り畳みプレート121の上に部分的ではなく、全体的にそれぞれ位置してもよい。このとき、各折り畳みプレート121の上に一つ以上のピクセルが位置してもよく、各折り畳みプレート121の上に位置するピクセルの数は自然数であってもよく、複数枚の折り畳みプレート121が互いに離れる場合には、複数のピクセル間の間隔に応じて離れてもよく、前記複数のピクセル間の間隔に見合う分だけ離れてもよい。
【0054】
ここで、複数枚の折り畳みプレート121は、それぞれ所定の間隔(または、一定の間隔)だけ離れて折り畳まれる構造に構成されてもよく、ベンディングサポーター部120が曲面状に曲げられる場合に、それぞれの折り畳みプレート121の前記第1の方向の両側の角隅(または、両側面)がそれぞれ当接しながら曲面状を形成してもよく、このような曲面状に倣って放射線検出パネル110が曲げされてもよい。
【0055】
また、ベンディングサポーター部120は、複数枚の折り畳みプレート121と放射線検出パネル110との間に配設される補強板122を備えていてもよい。補強板122は、相対向する第1の面と第2の面を有していてもよく、複数枚の折り畳みプレート121と放射線検出パネル110との間に配設されて、前記第1の面には、放射線検出パネル110が支持されてもよく、前記第2の面には、複数枚の折り畳みプレート121が支持されて(または、取り付けられて)もよい。ここで、補強板122は、ベンディングサポーター部120に組み込まれる構成要素であってもよく、別途の構成要素であってもよい。このとき、補強板122は、放射線検出パネル110を支持して保護してもよく、放射線検出パネル110よりも大きな剛性を有して放射線検出パネル110が急激に撓んだり風、振動などにより揺れたりすることを抑制もしくは防止することができ、弾性を有して折り曲げる力により曲げられることができる。例えば、補強板122は、ステンレス鋼(stainle sssteel)材質であってもよく、前記第1の方向の両側から力を受けると、撓んで曲面が形成されることができ、力が除かれれば、復元力(または、弾性)により再び伸展されて元の状態に戻ることができる。このような場合、放射線検出パネル110の曲げを保持するためには、補強板122が撓んで曲面が形成された状態で再び伸展されないように曲げ調節部130が前記第1の方向の両側を受け止めてもよい。ここで、補強板122は、放射線検出パネル110及び複数枚の折り畳みプレート121が前/背面に取り付け及び/又は組み付けられる平板であってもよく、曲げ間の自由な歪みが行われることができ、歪んでいる間に当該形状を保持せずに平らな(flat)元の形状に戻ろうとする弾性を持った素材から作製されてもよい。
【0056】
一方、補強板122は、放射線検出パネル110を曲げするために曲げたときに放射線検出パネル110のように撓み変形可能な材質から撓み変形可能な厚さなどに作製されてもよい。また、補強板122は、放射線検出パネル110を支持したり受け止めたりする複数枚の折り畳みプレート121を保護する役割を果たしてもよく、放射線検出パネル110が撓んだ状態を保持したり、平らな元の状態を保持したりするようにしてもよい。例えば、補強板122は、前記第1の方向の両側から力を受けると、撓んで曲面が形成されるが、塑性変形されて形成された曲面を保持し続けることができ、逆に、力を与えて元の状態に戻ると、平らな元の状態に戻ってその状態を保持することができ、このための材質から作製されて、このための形状、厚さなどを有していてもよい。すなわち、補強板122により放射線検出パネル110が曲げ状態を保持することができ、補強板122の材質、物性、厚さなどに応じて曲げ状態を保持することができ、逆方向に圧力を加えると、元の状態に戻って、戻った状態で補強板122により元の状態を保持することができる。
【0057】
さらに、ベンディングサポーター部120は、放射線検出パネル110を複数枚の折り畳みプレート121に取り付ける接着層(bonding layer or adhesive layer)であってもよく、放射線検出パネル110に接地(grounding)を与えてもよい。また、ベンディングサポーター部120は、放射線検出パネル110に接地を与える金属層、補強板122、前記接着層などから選ばれる二つ以上の層(または、構成要素)が積層されて形成されてもよく、これに特に限定されず、複数枚の折り畳みプレート121と放射線検出パネル110との間に介在されて放射線検出パネル110を曲げするために放射線検出パネル110に加えられる力を緩衝させることにより、放射線検出パネル110の曲げを安定的にガイドできればよい。
【0058】
本発明に係る放射線デテクター100は、複数枚の折り畳みプレート121のうちの少なくとも一部が固定される胴体部140をさらに備えていてもよい。
【0059】
胴体部140は、複数枚の折り畳みプレート121のうちの少なくとも一部が固定されてもよく、複数枚の折り畳みプレート121と連結される放射線検出パネル110などが安定的に支持されるようにすることができる。
【0060】
このとき、放射線検出パネル110は、胴体部140を中心として曲げされてもよい。例えば、放射線検出パネル110の中心部を胴体部140に固定し、前記第1の方向の両側に力を加えて前記第1の方向の両側間の距離を縮めることだけでも放射線検出パネル110を曲げすることができる。なお、放射線検出パネル110の中心部から前記第1の方向の両側へと伸展されながら安定的に放射線検出パネル110に曲率(または、曲面)を形成することができる。
【0061】
ここで、胴体部140は、放射線検出パネル110の駆動のための電子回路が実装される電装ボックスを備えていてもよい。すなわち、胴体部140は、放射線検出パネル110の駆動のための電子回路が実装される電装ボックスであってもよく、放射線検出システムが構成されていてもよい。例えば、胴体部140は、放射線検出パネル110に電源を供給する電源システム(例えば、バッテリーなど)が実装されてもよく、放射線検出パネル110に電源を供給して放射線検出パネル110を駆動することができる。なお、胴体部140は、放射線検出パネル110の駆動及び/又は放射線検出パネル110の曲げのための構成要素(例えば、電子部品など)が実装されてもよい。このとき、胴体部140は、主回路部が構成されていてもよく、アルミニウム製のケースから作製されてもよい。
【0062】
一方、胴体部140は、必要に応じて、ベンディングサポーター部120の前記第2の面(または、前記複数枚の折り畳みプレートの第2の面)上の中央(部)だけではなく、ベンディングサポーター部120の前記第1の方向の両側のうちの少なくともどちらか一方の周縁(部)に配置してもよく、これに何ら限定されず、放射線検出パネル110と同じ領域に配置しない限り、その他のあらゆる領域に配置してもよい。
【0063】
さらにまた、曲げ調節部130は、ベンディングサポーター部120の一方の側にその一方の側が連結される第1の連結部131と、ベンディングサポーター部120の他方の側にその他方の側が連結される第2の連結部132と、を備えていてもよい。第1の連結部131は、その一方の側がベンディングサポーター部120の前記第1の方向の一方の側に直間接的に連結されてもよく、その他方の側が固定回転軸を中心として軸回転したり、水平方向に移動したりして、ベンディングサポーター部120の前記第1の方向の一方の側に折り曲げる力を与えることができる。
【0064】
第2の連結部132は、その他方の側がベンディングサポーター部120の前記第1の方向の他方の側に直間接的に連結されてもよく、その一方の側が固定回転軸を中心として軸回転したり、水平方向に移動したりして、ベンディングサポーター部120の前記第1の方向の他方の側に折り曲げる力を与えることができる。
【0065】
例えば、第1の連結部131と第2の連結部132は、連結プレートであってもよく、互いに対称的に配設されてもよい。また、第1の連結部131と第2の連結部132は、曲げアームであってもよく、胴体部140及び/又はベンディングサポーター部120に直間接的に連結されてベンディングサポーター部120の前記第1の方向の両側をそれぞれ押し上げる構造を有していてもよい。このとき、第1の連結部131と第2の連結部132は、プラスチック樹脂またはアルミニウム材質の素材から作製されてもよい。
【0066】
第1の連結部131の他方の側を中心として第1の連結部131を軸回転させたり、第1の連結部131の他方の側を水平方向に移動させたりして、ベンディングサポーター部120の前記第1の方向の一方の側を折り曲げてもよく、第2の連結部132の一方の側を中心として第2の連結部132を軸回転させたり、第2の連結部132の一方の側を水平方向に移動させたりして、ベンディングサポーター部120の前記第1の方向の他方の側を折り曲げてもよく、これにより、放射線検出パネル110を手軽に曲げすることができる。このとき、第1の連結部131及び/又は第2の連結部132は、次第に軸回転したり、移動したりすることになるため、放射線検出パネル110の曲げが急激ではなく、安定的に行われることが可能である。
【0067】
ここで、第1の連結部131は、前記他方の側を中心として前記一方の側が軸回転してもよく、第2の連結部132は、前記一方の側を中心として前記他方の側が軸回転してもよい。すなわち、第1の連結部131の他方の側を回転軸として第1の連結部131を軸回転させてもよく、第2の連結部132の一方の側を回転軸として第2の連結部132を軸回転させてもよい。このとき、前記回転軸は、固定回転軸であってもよい。このような場合、第1の連結部131の一方の側がベンディングサポーター部120の前記第1の方向の一方の側に連結されて第1の連結部131の一方の側の回転につれてベンディングサポーター部120の前記第1の方向の一方の側が折り曲げられてもよく、第2の連結部132の他方の側がベンディングサポーター部120の前記第1の方向の他方の側に連結されて第2の連結部132の他方の側の回転につれてベンディングサポーター部120の前記第1の方向の他方の側が折り曲げられてもよく、これを通じて、放射線検出パネル110を手軽に曲げすることができる。
【0068】
そして、曲げ調節部130は、互いに離れて第1の連結部131の前記他方の側と第2の連結部132の前記一方の側がそれぞれ連結される第1及び第2のヒンジ133a、133bをさらに備えていてもよい。第1のヒンジ133aは、第1の連結部131の他方の側と連結されてもよく、胴体部140に固定されてもよく、これを通じて、第1の連結部131の他方の側に固定回転軸を配設することができる。
【0069】
第2のヒンジ133bは、第2の連結部132の一方の側と連結されてもよく、胴体部140に固定されてもよく、これを通じて、第2の連結部132の一方の側に固定回転軸を配設することができる。
【0070】
このとき、第1のヒンジ133aと第2のヒンジ133bは、胴体部140の上に互いに離れて配設されてもよく、ベンディングサポーター部120が伸展されているときにベンディングサポーター部120の両側方向と平行な方向に離れてもよい。ここで、ベンディングサポーター部120の両側は、前記第1の方向の両側であってもよい。例えば、第1の連結部131の一方の側と第2の連結部132の他方の側は、前記第1の方向の両端(または、両側)の折り畳みプレート121にそれぞれ固定されてもよく、第1の連結部131の他方の側と第2の連結部132の一方の側は、第1のヒンジ133aと第2のヒンジ133bを介して胴体部140に固定されてもよく、曲げに際して第1の連結部131と第2の連結部132はそれぞれ第1のヒンジ133aと第2のヒンジ133b及び/又は胴体部140の中心部を基準として前記第1の方向の両端の折り畳みプレート121を押し上げてもよい。
【0071】
すなわち、第1の連結部131は、第1のヒンジ133aを回転軸として軸回転してもよく、第2の連結部132は、第2のヒンジ133bを回転軸として軸回転させてもよく、第1のヒンジ133aと第2のヒンジ133bにより第1の連結部131の他方の側と第2の連結部132の一方の側に固定回転軸が配設されてもよい。これを通じて、第1のヒンジ133aを回転軸とした第1の連結部131の一方の側の軸回転につれてベンディングサポーター部120の前記第1の方向の一方の側が折り曲げられることができ、第2のヒンジ133bを回転軸とした第2の連結部132の他方の側の軸回転につれてベンディングサポーター部120の前記第1の方向の他方の側が折り曲げられることができ、これを通じて、放射線検出パネル110を手軽に曲げすることができる。
【0072】
また、第1のヒンジ133aと第2のヒンジ133bは、それぞれヒンジディスク(hinge disc)(図示せず)を有していてもよく、ヒンジディスク(図示せず)によりベンディングサポーター部120の前記第1の方向の両側に折り曲げる力が除かれた場合に、曲げ状態で第1の連結部131と第2の連結部132が(軸)回転角度を保持することができる。例えば、第1のヒンジ133aと第2のヒンジ133bは、トルクヒンジ(torque hinge)であってもよく、複数のトルクヒンジを適用することで、ヒンジ軸(hinge shaft)と前記ヒンジディスク(図示せず)との間の摩擦力により一定の曲率を保持することができる。
【0073】
図2は、本発明の一実施形態に係る放射線デテクターの第1の変形例を示す図である。
【0074】
図2を参照すると、第1の連結部131の他方の側と第2の連結部132の一方の側は可動であって、相互間の距離が調節されることができる。図1に示すように、ヒンジ(hinge)を用いた方式の他にも、第1の連結部131の他方の側と第2の連結部132の一方の側との間の距離を調節してベンディングサポーター部120の前記第1の方向の両側を折り曲げてもよく、放射線検出パネル110を曲げしてもよい。
【0075】
例えば、第1の連結部131の他方の側と第2の連結部132の一方の側は、ベンディングサポーター部120が伸展されているときにベンディングサポーター部120の両側方向と平行な方向に可動であってもよい。第1の連結部131の一方の側はベンディングサポーター部120の一方の側に連結されているため、第1の連結部131の他方の側がベンディングサポーター部120の一方の側に近づく向きに移動する場合に、第1の連結部131の一方の側が第1の連結部131の他方の側の移動方向と平行な方向に移動することができず、ベンディングサポーター部120の一方の側を押し上げることになって、ベンディングサポーター部120の一方の側が折り曲げられることができる。また、第2の連結部132の他方の側は、ベンディングサポーター部120の他方の側に連結されているため、第2の連結部132の一方の側がベンディングサポーター部120の他方の側に近づく向きに移動する場合に、第2の連結部132の他方の側が第2の連結部132の一方の側の移動方向と平行な方向に移動することができず、ベンディングサポーター部120の他方の側を押し上げることになって、ベンディングサポーター部120の他方の側が折り曲げられることができる。これを通じて、ベンディングサポーター部120の前記第1の方向の両側を折り曲げることができ、放射線検出パネル110を手軽に曲げすることができ、第1の連結部131の他方の側と第2の連結部132の一方の側との間の距離に応じて放射線検出パネル110の曲げの度合い(例えば、曲率)が調節されることが可能になる。
【0076】
図3は、本発明の一実施形態に係る放射線デテクターの第1の変形例の部分断面図であって、図3の(a)は、図2をA-A′に沿って切り取った断面図であり、図3の(b)は、図2をB-B′に沿って切り取った断面図である。
【0077】
図3を参照すると、曲げ調節部130は、第1の連結部131の他方の側に配設される第1の掛け金134aと、第2の連結部132の一方の側に配設される第2の掛け金134bと、第1の連結部131の他方の側と第2の連結部132の一方の側の移動方向に沿って並べられる複数の掛け金溝135aと、をさらに備えていてもよい。第1の掛け金(latch)134aは、第1の連結部131の他方の側に配設されてもよく、掛け金溝135aに対して嵌脱可能であり、掛け金溝135aに嵌入する場合に第1の連結部131の他方の側の位置を固定することができる。
【0078】
第2の掛け金134bは、第2の連結部132の一方の側に配設されてもよく、掛け金溝135aに対して嵌脱可能であり、掛け金溝135aに嵌入する場合に第2の連結部132の一方の側の位置を固定することができる。
【0079】
複数の掛け金溝135aは、第1の連結部131の他方の側と第2の連結部132の一方の側の移動方向に沿って並べられてもよく、第1の掛け金134a及び/又は第2の掛け金134bが嵌入して引っかかるようにすることができ、第1の連結部131の他方の側及び/又は第2の連結部132の一方の側の位置が固定されるようにすることができる。例えば、複数の掛け金溝135aは、ベンディングサポーター部120が伸展されているときにベンディングサポーター部120の両側方向と平行な方向に並べられてもよく、ベンディングサポーター部120が伸展されているときにベンディングサポーター部120の両側方向と平行な方向に延びる係止胴体135に係止胴体135の延長方向に沿って互いに離れて形成されてもよい。
【0080】
ベンディングサポーター部120は、弾性を有するので、ベンディングサポーター部120の前記第1の方向の両側に折り曲げる力が除かれる場合に復元力が働くことができ、これにより、放射線検出パネル110の曲げ状態を保持することができずに伸展されてしまう虞がある。このため、放射線検出パネル110を所望の曲率(または、所定の曲率)にて曲げし、放射線検出パネル110の曲げ状態を保持することが必要であり、第1の掛け金134a及び第2の掛け金134bが複数の掛け金溝135aのうちの一つずつにそれぞれ嵌入して引っかかるようにすることで、第1の連結部131の他方の側及び第2の連結部132の一方の側の位置を固定することができ、これを通じて、たとえ放射線検出パネル110の曲げ状態でベンディングサポーター部120の前記第1の方向の両側に折り曲げる力が除かれるとしても、放射線検出パネル110の曲げ状態を保持することができる。
【0081】
ここで、曲げ調節部130は、第1の掛け金134aと第2の掛け金134bの係止及び解放を調節する掛け金駆動部136をさらに備えていてもよい。掛け金駆動部136は、第1の掛け金134aと第2の掛け金134bの係止(lock)及び解放(release)を調節することができ、第1の掛け金134a及び/又は第2の掛け金134bが掛け金溝135aに嵌入して引っかかるようにして第1の連結部131の他方の側及び/又は第2の連結部132の一方の側の位置を固定してもよく、第1の掛け金134a及び/又は第2の掛け金134bの係止を解放して第1の連結部131の他方の側及び/又は第2の連結部132の一方の側が可動となるようにしてもよい。これを通じて、第1の掛け金134aと第2の掛け金134bの解放に際しては、第1の連結部131の他方の側及び/又は第2の連結部132の一方の側を移動させて放射線検出パネル110の曲げを調節することができ、第1の掛け金134aと第2の掛け金134bの係止に際しては、放射線検出パネル110の曲げ状態を保持することができる。
【0082】
例えば、掛け金駆動部136は、第1の掛け金134aと第2の掛け金134bにそれぞれ連結される連結部材136cと、連結部材136cに弾性力を与える弾性部材136bと、を備えていてもよい。連結部材136cは、複数本のワイヤー(wire)から構成されてもよく、その一方の端が第1の掛け金134aと第2の掛け金134bにそれぞれ連結されてもよく、第1の掛け金134aに連結された連結部材136cを引っ張って第1の掛け金134aの係止を解放してもよく、第2の掛け金134bに連結された連結部材136cを引っ張って第2の掛け金134bの係止を解放してもよい。
【0083】
弾性部材136bは、連結部材136cに弾性力を与えることができ、バネ(spring)から構成されてもよい。これを通じて、連結部材136cに引っ張る力が除かれれば、引っ張る力が除かれた連結部材136cに連結されている第1の掛け金134a及び/又は第2の掛け金134bは(再び)掛け金溝135aに嵌入して引っかかることができる。
【0084】
ここで、掛け金駆動部136は、連結部材136cと連結される取っ手136aをさらに備えていてもよい。取っ手136aは、連結部材136cの他方の端が連結されてもよく、連結部材136cを引っ張るのに用いられてもよく、取っ手136aを移動させて連結部材136cを引っ張ることができる。このとき、連結部材136cが複数本のワイヤーからなる場合には、前記複数本のワイヤーのそれぞれの他方の端が取っ手136aに連結されてもよく、取っ手136aの移動により前記複数本のワイヤーをそれぞれ引っ張ることができる。
【0085】
このような場合、弾性部材136bは、取っ手136aに弾性力を与えて連結部材136cに伝えることもできる。例えば、弾性部材136bは、取っ手136aに弾性力を与えることができ、移動した取っ手136aを元の位置に戻すことができる。すなわち、バネなどの弾性部材136bを圧縮させながら取っ手136aを移動させて連結部材136cを引っ張ることにより、第1の掛け金134a及び/又は第2の掛け金134bの係止を解放することができ、弾性部材136bに加えられる圧力を除いて移動された取っ手136aを元の位置に戻すことにより、第1の掛け金134a及び/又は第2の掛け金134bが掛け金溝135aに嵌入して(再び)引っかかるようにすることができる。
【0086】
ここで、掛け金駆動部136は、連結部材136cの移動をガイドするローラー136dをさらに備えていてもよい。ローラー136dは、連結部材136cの表面と接触してもよく、連結部材136cの移動をガイドすることができ、これにより、取っ手136aの移動により連結部材136cが引っ張られ、引っ張りが解放されて第1の掛け金134a及び第2の掛け金134bの係止と解放が上手に行われるようにすることができる。ここで、ローラー136dは、力の方向を変える役割を果たしてもよく、連結部材136cに無理な力が加えられることを防いで連結部材136cの途切れなどの損傷を防ぐこともできる。
【0087】
弾性部材136bに圧力を加えて弾性部材136bを圧縮させる向きに取っ手136aを移動させる場合には、連結部材136cが取っ手136aの移動方向に引っ張られることになり、連結部材136cに連結されている第1の掛け金134a及び/又は第2の掛け金134bが引っ張られて第1の掛け金134a及び/又は第2の掛け金134bの係止が解放されることが可能になる。これを通じて、第1の連結部131の他方の側及び第2の連結部132の一方の側を移動させることができ、ベンディングサポーター部120を折り曲げて放射線検出パネル110を曲げすることができ、放射線検出パネル110を所望の曲率(または、所定の曲率)にて曲げした後には、弾性部材136bに加えられる圧力を解放して第1の掛け金134a及び/又は第2の掛け金134bが(再び)引っかかるようにすることにより、放射線検出パネル110の曲げ状態を保持することができる。
【0088】
さらに、放射線透過検査(Radiographic Testing;RT)が完了した後には、弾性部材136bを圧縮させる向きに取っ手136aを移動させるために弾性部材136bに圧力を加える場合に、取っ手136aの移動につれて連結部材136cが引っ張られることができ、連結部材136cに連結されている第1の掛け金134a及び/又は第2の掛け金134bが引っ張られて第1の掛け金134a及び/又は第2の掛け金134bの係止が解放されることができる。これを通じて、第1の連結部131の他方の側及び第2の連結部132の一方の側を移動させることができ、ベンディングサポーター部120を(再び)伸展して放射線検出パネル110が元の状態に戻るようにすることができる。次いで、弾性部材136bに加えられる圧力を除けば、弾性部材136bの弾性により取っ手136aが元の位置に戻りながら、引っ張られた連結部材136cに引っ張る力が解除されることができ、連結部材136cに連結されている第1の掛け金134a及び/又は第2の掛け金134bが掛け金溝135aに嵌入する向きに移動することにより、第1の掛け金134a及び/又は第2の掛け金134bが掛け金溝135aに嵌入して引っかかることができ、第1の連結部131の他方の側及び第2の連結部132の一方の側の位置が固定されて放射線検出パネル110を元の状態(または、伸展された状態)に保持することができる。
【0089】
一方、掛け金駆動部136は、複数の掛け金溝135aのうち、第1の掛け金134aと第2の掛け金134bの係止位置を調節することもできる。第1の掛け金134a及び/又は第2の掛け金134bの係止が解放された後に、掛け金駆動部136が係止の解放された第1の掛け金134a及び/又は第2の掛け金134bを移動させることにより、第1の掛け金134aと第2の掛け金134bの係止位置を(自動的に)調節することができ、第1の掛け金134aと第2の掛け金134bが複数の掛け金溝135aのうちの一つずつにそれぞれ嵌入して引っかかることができる。
【0090】
図4は、本発明の一実施形態に係る放射線デテクターの第2の変形例を示す図であり、図5は、本発明の一実施形態に係る放射線デテクターの第2の変形例の部分断面図である。
【0091】
図4及び図5を参照すると、曲げ調節部130は、第1の連結部131の他方の側に連結される第1の可動ギア137aと、第2の連結部132の一方の側に連結される第2の可動ギア137bと、第1の可動ギア137a及び第2の可動ギア137bとそれぞれ噛み合って第1の可動ギア137aと第2の可動ギア137bを移動させる駆動ギア138と、をさらに備えていてもよい。第1の可動ギア137aは、第1の連結部131の他方の側に連結されてもよく、駆動ギア138により移動させられて第1の連結部131の他方の側を移動させることができる。
【0092】
第2の可動ギア137bは、第2の連結部132の一方の側に連結されてもよく、駆動ギア138により移動させられて第2の連結部132の一方の側を移動させることができる。
【0093】
駆動ギア138は、第1の可動ギア137a及び第2の可動ギア137bとそれぞれ噛み合ってもよく、第1の可動ギア137aと第2の可動ギア137bを移動させることができ、第1の可動ギア137aが駆動ギア138と噛み合って移動することができ、第2の可動ギア137bが駆動ギア138と噛み合って移動することができる。
【0094】
第1の連結部131の一方の側は、ベンディングサポーター部120の一方の側に連結されているため、第1の可動ギア137aの移動により第1の連結部131の他方の側がベンディングサポーター部120の一方の側に近づく向きに移動する場合に、第1の連結部131の一方の側が第1の連結部131の他方の側の移動方向と平行な方向に移動することができず、ベンディングサポーター部120の一方の側を押し上げることになって、ベンディングサポーター部120の一方の側が折り曲げられることができる。また、第2の連結部132の他方の側は、ベンディングサポーター部120の他方の側に連結されているため、第2の可動ギア137bの移動により第2の連結部132の一方の側がベンディングサポーター部120の他方の側に近づく向きに移動する場合に、第2の連結部132の他方の側が第2の連結部132の一方の側の移動方向と平行な方向に移動することができず、ベンディングサポーター部120の他方の側を押し上げることになって、ベンディングサポーター部120の他方の側が折り曲げられることができる。このため、第1の可動ギア137a及び/又は第2の可動ギア137bを移動させることで、ベンディングサポーター部120の前記第1の方向の両側を折り曲げることができ、放射線検出パネル110を手軽に曲げすることができ、第1の可動ギア137a及び/又は第2の可動ギア137bの移動距離に応じて放射線検出パネル110の曲げの度合いが調節されることが可能になる。
【0095】
例えば、第1の可動ギア137aと第2の可動ギア137bは、ラックギア(rack gear)であってもよく、駆動ギア138は、ピニオンギア(pinion gear)であってもよく、駆動ギア138の回転により駆動ギア138の回転方向に沿って第1の可動ギア137aと第2の可動ギア137bがそれぞれ移動することができる。ここで、駆動ギア138は、モーター(motor)により回転することができ、機械的な操作により自動的に第1の可動ギア137aと第2の可動ギア137bを移動させて放射線検出パネル110の曲げを調節することができる。このとき、曲げ調節部130は、駆動ギア138の回転を制限(または、防止)するつめ(歯止め、pawl)139をさらに備えていてもよい。つめ139は、駆動ギア138の回転を制限することができ、駆動ギア138の逆転(例えば、反時計回り方向への回転)を防ぐことができる。ここで、駆動ギア138の逆転は、ベンディングサポーター部120が(再び)伸展されるようにする回転であってもよい。これを通じて、放射線検出パネル110を所望の曲率にて曲げした後、放射線検出パネル110の曲げ状態を保持することができる。
【0096】
駆動ギア138が正転(例えば、時計回り方向への回転)する場合に、第1の可動ギア137aと第2の可動ギア137bがそれぞれベンディングサポーター部120の一方の側及び他方の側に近づく向きに移動することができ、これを通じて、放射線検出パネル110を所望の曲率にて曲げすることができる。このとき、駆動ギア138を正転させる回転力が除かれる場合には、ベンディングサポーター部120の弾性によりベンディングサポーター部120が伸展されながら、第1の可動ギア137aと第2の可動ギア137bがそれぞれベンディングサポーター部120の一方の側及び他方の側から遠ざかる向きに移動し、駆動ギア138が逆転することができる。このため、放射線検出パネル110を所望の曲率にて曲げした後には、つめ139を用いて駆動ギア138の逆転を防ぐことができ、これにより、所望の曲率(または、一定の曲率)にて曲げされた放射線検出パネル110の曲げ状態を一定の曲率に保持することができる。なお、別途の操作ハンドルまたは外部ピンなどを用いて駆動ギア138に噛み合っているつめ139の噛み合いを解放すると、ベンディングサポーター部120の弾性により駆動ギア138が逆転しながら、ベンディングサポーター部120が伸展されることができ、放射線検出パネル110もまた伸展されて元の状態に戻ることができる。
【0097】
一方、駆動ギア138を回転させるモーターとしてサーボモーター(servo-motor)を用いてもよい。サーボモーターは、機械的な負荷を制御することができるので、前記サーボモーターに回転のための駆動信号が入力される場合にのみ駆動ギア138が回転されるようにすることができ、前記サーボモーターに駆動信号が入力されない停止状態では、負荷により駆動ギア138の回転を防ぐことができ、これにより、ベンディングサポーター部120の弾性によりベンディングサポーター部120が(再び)伸展されることを防いで放射線検出パネル110を曲げ状態に保持することができる。
【0098】
また、マニュアルにてベンディングサポーター部120の前記第1の方向の一方の側及び/又は他方の側に折り曲げる力を与えてベンディングサポーター部120を曲げてもよく、第1の可動ギア137aと第2の可動ギア137b及び駆動ギア138がリンク(link)されてベンディングサポーター部120の前記第1の方向の両側のうちのどちらか一方(または、一方の側または他方の側)にのみ折り曲げる力を与えても、ベンディングサポーター部120の前記第1の方向の両側が両方とも同時に折り曲げられて同一の角度にて曲率を形成することができる。このとき、第1の連結部131と第2の連結部132はそれぞれマルチリンク(multi-link)構造を有していてもよく、第1の可動ギア137aと第2の可動ギア137b及び駆動ギア138によりベンディングサポーター部120の前記第1の方向の両側に折り曲げる力が一様に上手く伝えられればよい。
【0099】
したがって、ベンディングサポーター部120の両側にそれぞれ連結される第1の連結部131と第2の連結部132を介して弾性を有するベンディングサポーター部120を撓ませることにより、放射線検出パネル110を手軽に曲げすることができ、ベンディングサポーター部120及び放射線検出パネル110が撓んだ状態で一定の角度に保持されるようにすることができる。すなわち、本発明に係る放射線デテクター100は、放射線検出パネル110の曲げに際して放射線検出パネル110の曲げ状態を一定の角度に保持することができ、外部の圧力により放射線検出パネル110の曲げ(または、歪み)に際して放射線検出パネル110が破損されないことができる。
【0100】
本発明に係る放射線デテクター100は、放射線検出パネル110が収容され、放射線検出パネル110と対向する面に放射線透過領域を有するハウジング150をさらに備えていてもよい。
【0101】
ハウジング150は、放射線検出パネル110が収容されてもよく、外部の衝撃及び荷重から放射線検出パネル110を保護することができ、放射線検出パネル110に放射線が入射(または、伝達)可能なように放射線検出パネル110と対向する面に放射線透過領域を有していてもよい。
【0102】
例えば、ハウジング150は、フレーム(frame)及び前記フレームに支持されて放射線検出パネル110の前記第1の面の上に配設される放射線透過板を備えていてもよい。前記フレームは、ハウジング150の内部に収容される放射線検出パネル110などの構成要素を保護するものであって、機械的な強さを有し、かつ、熱伝導性金属である銅、アルミニウム、ステンレス鋼(Stainless steel)などから作製されてもよい。
【0103】
前記放射線透過板は、放射線が入射する面に位置してもよく、外部からの衝撃を緩和することができるだけではなく、放射線透過率が非常に高い物質及び/又は吸収率が非常に低い物質から作製されてもよい。例えば、前記放射線透過板は、放射線検出パネル110を保護可能なように高い強さを有し、放射線の遮蔽率が低いカーボン素材などの保護体から作製されてもよく、カーボン、カーボンファイバー、カーボン化合物、ガラスファイバー、ガラスファイバー入り複合材質またはポリカーボネート、ポリカーボネート化合物などから作製されてもよい。ここで、前記放射線透過板は、可撓性及び/又は弾性(すなわち、復元力)を有していてもよく、外部の衝撃及び荷重から放射線検出パネル110を保護することができ、放射線エネルギーの遮蔽率が低い保護体であってもよい。
【0104】
一方、ハウジング150は、放射線検出パネル110が曲げされた状態で固定されてもよく、曲げ調節部130を用いて曲げされた放射線検出パネル110の曲げ状態を一定の曲率に固定することができる。
【0105】
図6は、本発明の一実施形態に係る曲面の放射線透過領域を有するハウジングを示す斜視図であって、図6の(a)は、一方の側に電装ボックスを有するハウジングを示し、図6の(b)は、両側に電装ボックスを有するハウジングを示す。
【0106】
図6を参照すると、ハウジング150の放射線透過領域は曲面を含んでいてもよく、放射線検出パネル110は、前記曲面の放射線透過領域に沿って曲げされてハウジング150に固定されてもよい。ハウジング150の放射線透過領域は、曲面を含んでいてもよく、前記曲面に沿って放射線検出パネル110が曲げされて配設されてもよい。ここで、放射線検出パネル110は、前記曲面の放射線透過領域に沿って曲げされてもよく、このようにして曲げされた状態でハウジング150に固定されてもよく、一定の曲率にて曲げ状態が固定されてもよい。
【0107】
例えば、ハウジング150は、前記第2の方向と平行な曲げ軸を中心として撓んだ曲面状に形成されてもよく、パイプ(pipe)、船舶、飛行機、設備、装備など様々な曲率の曲面(状)を有する被検体10の曲面に対応して形成されてもよい。ここで、ハウジング150の曲面状は、穏やかな曲げ状からパイプなど円形の被検体10の外周を全体的に包み込めるほどの曲げ状に至るまで、種々の形状を呈していてもよい。このとき、ハウジング150は、全体が一体形になっていてもよく、前記放射線透過領域など各部分が組み立てられる組立型のものであってもよい。
【0108】
ハウジング150は、ケース(case)の役割を果たしてもよく、放射線検出パネル110が曲げされた状態を固定するように形成されてもよく、放射線検出パネル110が曲げされた状態で装着または結合されてもよい。このとき、放射線検出パネル110は、曲げされた状態でハウジング150の内部に装着及び/又は配置されてもよい。すなわち、ハウジング150は、曲げされた放射線検出パネル110をその内部に曲げ状態で固定する役割を果たしてもよい。
【0109】
一方、ハウジング150は、様々な曲率を有する様々な被検体10の曲面(部分)に対応するか、あるいは、カバーする曲率にて放射線検出パネル110が曲げされるように様々な曲率にて形成されてもよく、検査が行われるべき被検体10の曲面に応じて好適な曲率のハウジング150に取り替えてもよい。ここで、ハウジング150は、取り替えやすさのために、挿入型のものとして構成されてもよく、ベンディングサポーター部120に支持された放射線検出パネル110をハウジング150の前記第1の方向の一方の側から嵌入してハウジング150の内部に装着してもよい。このとき、ベンディングサポーター部120は、ハウジング150の内部に嵌入する放射線検出パネル110がうねることなく前記曲面の放射線透過領域に沿って嵌入するように放射線検出パネル110の装着(または、嵌入)をガイドすることができる。
【0110】
図7は、本発明の一実施形態に係る曲面の放射線透過領域を有するハウジングの内部を説明するための概念図であって、図7の(a)は、放射線デテクターの斜視図であり、図7の(b)は、放射線デテクターの断面図である。
【0111】
図7を参照すると、ハウジング150は、前記第1の方向の一方の側に放射線検出パネル110の駆動のための電子回路が実装される電装ボックス141を備えていてもよい。すなわち、ハウジング150は、少なくとも前記第1の方向の一方の側に電装ボックス141を有していてもよく、ハウジング150の外側に突設されてもよく、ハウジング150の内部に配設されて放射線検出パネル110の少なくとも前記第1の方向の一方の側に配置されてもよい。電装ボックス141は、放射線検出パネル110の駆動のための電子回路が実装されてもよく、ハウジング150の前記第1の方向の一方の側に少なくとも設けられてもよく、ハウジング150の前記第1の方向の両側に設けられてもよい。このとき、ハウジング150の前記第1の方向の一方の側には、電装ボックス141がハウジング150の外側に突設され、ハウジング150の前記第1の方向の他方の側には、ハウジング150の内部に配設されてもよく、放射線検出パネル110の前記第1の方向の少なくとも一方の側に放射線検出パネル110と連結されて設けられればよい。
【0112】
一方、本発明の放射線デテクター100は、外部からハウジング150の内部に収容される構成要素であって、光、異物などの浸透を防ぐ仕上げ材と、放射線検出パネル110の信号を伝送する信号伝送部161と、をさらに備えていてもよい。
【0113】
仕上げ材は、弾性を有していてもよく、シリコン(silicon)またはウレタン(urethane)などのゴム(rubber)材質の素材から作製されてもよい。例えば、前記仕上げ材は、外部からの光、異物の浸透を防ぐガスケット類の仕上げ材であってもよく、外部の圧力により歪み自在な形状に外部の圧力により歪み自在な素材から作製されてもよい。ここで、前記仕上げ材は、シリコンまたはフォロン(phorone)ガスケットであってもよい。
【0114】
このとき、本発明の放射線デテクター100における前記放射線透過板、放射線検出パネル110、前記仕上げ材、補強板122などの中間板120及び複数枚の折り畳みプレート121の結合構造について述べると、前記放射線透過板と複数枚の折り畳みプレート121とが接着テープによる貼り付けまたはボルト結合を通じて互いに結合され(または、組み立てられ)てもよく、放射線検出パネル110、前記仕上げ材及び中間板120が前記放射線透過板と複数枚の折り畳みプレート121との間に配設されてもよい。例えば、前記放射線透過板と複数枚の折り畳みプレート121は、周縁(部)が結合されてもよく、前記放射線透過板と複数枚の折り畳みプレート121との間の中央(部)に放射線検出パネル110、前記仕上げ材及び中間板120が介設されてもよい。このとき、中間板120は、複数枚の折り畳みプレート121に隣設されてもよく、放射線検出パネル110と前記仕上げ材が支持されてもよく、前記仕上げ材は、放射線検出パネル110の周りに配設されてもよく、放射線検出パネル110は、前記第1の面が前記放射線透過板と対向して配設されてもよい。このような構造においては、放射線検出パネル110、前記仕上げ材及び中間板120が前記放射線透過板及び/又は複数枚の折り畳みプレート121に直接的に固定されないことから、曲げに際してそれぞれの曲率にて自由に曲げを形成することができ、摩擦による破裂及び破損が起こらない。
【0115】
信号伝送部161は、放射線検出パネル110の信号を伝送することができ、放射線検出パネル110から転送(または、取出)された電気信号を胴体部140に配設(または、実装)された前記放射線検出システムに伝送(または、転送)することもでき、前記電気信号を処理することもできる。例えば、信号伝送部161は、前記電気信号を転送及び/又は処理するシステム(例えば、電子回路)が実装されるケースを備えていてもよい。このとき、信号伝送部161は、放射線検出パネル110の前記第2の面の上に配設されてベンディングサポーター部120と第1の連結部131との間及びベンディングサポーター部120と第2の連結部132との間のそれぞれに位置してもよく、第1の連結部131の一方の側が信号伝送部161によりベンディングサポーター部120の一方の側に間接的に連結されてもよく、第2の連結部132の他方の側が信号伝送部161によりベンディングサポーター部120の他方の側に間接的に連結されてもよい。
【0116】
また、本発明の放射線デテクター100には、バッテリー(battery)及び無線アンテナが装着されてもよく、これにより、別途の入力ケーブルなしにも放射線検出パネル110の駆動及び放射線画像の伝送が可能になり、用途に応じて、有/無線タイプで使用可能である。ここで、前記バッテリーは、有線または無線の充電が両方とも可能である。
【0117】
図8は、本発明の別の実施形態に係る放射線検査装置を示す斜視図である。
【0118】
図8に基づいて、本発明の別の実施形態に係る放射線検査装置についてさらに詳しく説明するが、本発明の一実施形態に係る放射線デテクターと関わって上述した部分と重複する事項についての説明は省略する。
【0119】
本発明の別の実施形態に係る放射線検査装置200は、被検体10に放射線を照射する放射線発生部210と、前記被検体10を透過した放射線を検出する本発明の一実施形態に係る放射線デテクター100と、を備えていてもよい。
【0120】
放射線発生部210は、被検体10に放射線を照射することができ、被検体10に照射された放射線が被検体10を透過して放射線検出パネル110の前記第1の面に入射することができる。
【0121】
放射線デテクター100は、本発明の一実施形態に係る放射線デテクター100であってもよく、被検体10を透過した放射線を検出して画像情報を取得することができる。ここで、放射線デテクター100は、半導体センサーなどを用いてフィルムなしに電気的に放射線を検出して画像情報を取得するデジタルX線撮影(Digital Radiography;DR)デテクターであってもよい。
【0122】
被検体10は、放射線発生部210と放射線デテクター100との間に配置されてもよく、曲げ調節部130は、放射線検出パネル110と対向する被検体10の面の曲率に応じて放射線検出パネル110の曲げを調節可能なように配設されてもよい。すなわち、被検体10を放射線発生部210と放射線デテクター100との間に配置して、放射線発生部210が被検体10に向かって放射線を照射し、放射線デテクター100が被検体10を透過した放射線を検出することにより、被検体10に対する放射線画像を得ることができ、このようにして得られた放射線画像をもって、被検体10の表面及び/又は内部の欠陥(例えば、気孔、スラグの混入、亀裂、融合不良、溶込み不足、ルート凹み、アンダーカットなど)の有無と状態、または被検体10の性質、内部構造などを確認することができる。
【0123】
このとき、曲げ調節部130を用いて放射線検出パネル110の曲げを調節することができ、放射線検出パネル110と対向する被検体10の面の曲率に合わせて放射線検出パネル110の曲げを調節することができる。これにより、配管(pipe)などの曲面を有する被検体10の場合であっても、画像の歪みなしに検査が可能になる。
【0124】
すなわち、放射線検出パネル110が撓み変形可能であるという特性を活用して、様々な形態の構造物(または、前記被検体)において生じ得る亀裂や缶などの流線型の食料(または、前記被検体)に含まれ得る異物に対する非破壊検査に際して、従来の平板状の放射線検出器の画像に比べて優れた品質の画像を得ることができる。
【0125】
したがって、放射線デテクター100を用いた検査準備(Inspection Set-up)の過程が簡素化されることができ、不要な装備及びアクセサリー(accessory)を減らしてユーザー(または、オペレーター)の作業効率性を増大させることができ、さらに、歪んでいない広い領域の(放射線)画像を取得することで、より正確な画像の取得及び評価を期待することもできる。
【0126】
このように、本発明においては、可撓性の放射線検出パネルよりも小さな可撓性を有するベンディングサポーター部を介して放射線検出パネルを支持して放射線検出パネルの曲げ(bending)をガイドすることができ、放射線検出パネルが曲げ状態に保持されるように補助することができる。また、ベンディングサポーター部に連結される曲げ調節部を介して放射線検出パネルの曲げを調節することができ、放射線検出パネルが一定の曲面を形成するように撓ませることができ、撓んだ状態を一定の角度に保持することができて、様々な曲率を持った様々な被検体の放射線画像を速やかに取得することができる。これにより、いかなる曲率を有する被検体であっても、歪みのない画像をリアルタイムにて取得することができ、取得した優れた品質の画像を用いて検査及び診断を現場で直ちに読み取ることができる。すなわち、放射線検出パネルが撓み変形可能であるという特性を活用して、様々な形態の構造物において生じ得る亀裂や缶などの流線型の食料に含まれ得る異物に対する非破壊検査に際して、従来の平板状の放射線検出器の画像に比べて優れた品質の画像を得ることができる。そして、放射線検出パネルを柔軟な有機半導体ベースで形成して、大型化させ易いながらも、従来の平板状の放射線検出器の慢性的な問題である複雑な工程による高い値段と低い歩留まりの問題を同時に解決することができ、これを通じて、高性能の大型デジタル放射線検出器を商用化させることができる。また、放射線検出パネルにおいて有機材料技術を用いて放射線を電気信号に変換することにより、低い駆動電圧を有する放射線検出パネルの開発に取り組むことができ、これにより、生産コストが節減可能であり、低電圧回路の設計を通じた薄型軽量放射線デテクターが製作可能になる。のみならず、複数枚の折り畳みプレートを用いて放射線検出パネルが急激に撓んで損傷されてしまうことを防ぐことができ、放射線検出パネル内の各ピクセルは最大限に撓まずに平面を保持するようにすることもできる。また、ベンディングサポーター部の両側にそれぞれ連結される第1の連結部と第2の連結部を用いて弾性を有するベンディングサポーター部を撓ませることにより、放射線検出パネルを手軽に曲げすることができ、ベンディングサポーター部及び放射線検出パネルが撓んだ状態で一定の角度に保持されるようにすることができる。一方、曲面状に形成されたハウジングを用いて放射線検出パネルの曲げを固定することもでき、様々な被検体に応じて決められる曲面を有するハウジングを種々に設けて被検体に応じて好適な曲面を有するハウジングに取り替えることもできる。
【0127】
以上、本発明の好適な実施形態について図示して説明したが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、特許請求の範囲において請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該本発明が属する分野において通常の知識を有する者であれば、これより様々な変形が行え、且つ、均等な他の実施形態が採用可能であるということが理解できる筈である。よって、本発明の技術的な保護範囲は、次の特許請求の範囲によって定められるべきである。
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