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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】二重混合光照射フィールドデバイス
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20240314BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
H04N5/64 511A
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023002989
(22)【出願日】2023-01-12
(62)【分割の表示】P 2021187622の分割
【原出願日】2016-05-19
(65)【公開番号】P2023040226
(43)【公開日】2023-03-22
【審査請求日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】62/163,733
(32)【優先日】2015-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】エイドリアン ケーラー
【審査官】鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/050504(WO,A1)
【文献】特開2014-078022(JP,A)
【文献】特開2007-304227(JP,A)
【文献】特表2014-534655(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01 - 27/02
H04N 5/64
H04N 13/344
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、前記装置は、
プロセッサと、
透過型ディスプレイを含むウェアラブルヘッドデバイスであって、前記透過型ディスプレイは、
導波管であって、前記導波管は、
平面入力面と、
前記平面入力面の反対に配置される平面出力面であって、前記平面出力面は、出射場所を有する、平面出力面と
を有する、導波管と、
前記導波管を横断して形成された回折光学要素(DOE)であって、前記DOEは、入力光を前記導波管に結合させることと、前記入力光を、全内部反射を介して前記出射場所に指向することとを行うように構成される、DOEと
を備える、ウェアラブルヘッドデバイスと、
前記導波管を介して前記入力光を受け取ることと、前記受け取られた入力光に対応するセンサ出力信号を生成することとを行うように構成される光センサと
を備え、
前記光センサは、走査ファイバを含み、前記センサ出力信号は、前記受け取られた入力光に対応する1つ以上の着信極座標ピクセルを備え、
前記プロセッサは、前記センサ出力信号に基づいて出力を生成するように構成され、前記出力は、前記1つ以上の着信極座標ピクセルから変換された直角座標ピクセルの直線アレイを備え
前記出力を生成することは、直角座標ピクセルの前記直線アレイの第1の直角座標ピクセルに対して、前記1つ以上の着信極座標ピクセルにおいて対応する着信極座標ピクセルが存在することを決定することと、前記対応する着信極座標ピクセルの値を前記第1の直角座標ピクセルに割り当てることとを含む、装置。
【請求項2】
前記プロセッサはさらに、前記出射場所に対する前記光センサの角度および位置を調節するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記出力を生成することはさらに、前記直線アレイの第2の直角座標ピクセルに対して、前記1つ以上の着信極座標ピクセルにおいて対応する着信極座標ピクセルが存在しないことを決定することと、前記1つ以上の着信極座標ピクセルにおいて対応する着信極座標ピクセルが存在する前記直線アレイの最も近接する直角座標ピクセルの値を前記第2の直角座標ピクセルに割り当てることを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記出力を生成することはさらに、前記直線アレイの第2の直角座標ピクセルに対して、前記1つ以上の着信極座標ピクセルにおいて対応する着信極座標ピクセルが存在しないことを決定することと、前記1つ以上の着信極座標ピクセルにおいて対応する着信極座標ピクセルが存在する最も近接する直角座標ピクセル値に対して補間を実行することによって前記第2の直角座標ピクセル値を決定することを含む、請求項に記載の装置。
【請求項5】
前記出力を生成することはさらに、直角座標ピクセルの前記直線アレイと前記1つ以上の着信極座標ピクセルとの間の関係を事前算出することを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記出力は、画像プロセッサへの入力として提供される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
方法であって、前記方法は、
光センサにおいて、透過型ディスプレイの導波管に結合させられ全内部反射を介して前記導波管の平面出力面の出射場所に指向させられた入力光を受け取ることであって、前記光センサは、走査ファイバを含む、ことと、
前記光センサから、前記入力光に基づいたセンサ出力信号を受け取ることであって、前記センサ出力信号は、前記入力光に対応する1つ以上の着信極座標ピクセルを備える、ことと、
前記センサ出力信号に基づいて出力を生成することであって、前記出力は、前記1つ以上の着信極座標ピクセルから変換された直角座標ピクセルの直線アレイを備える、ことと
を含み、
前記出力を生成することは、直角座標ピクセルの前記直線アレイの第1の直角座標ピクセルに対して、前記1つ以上の着信極座標ピクセルにおいて対応する着信極座標ピクセルが存在することを決定することと、前記対応する着信極座標ピクセルの値を前記第1の直角座標ピクセルに割り当てることとを含む、方法。
【請求項8】
前記出射場所に対する前記光センサの角度および位置を調節することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記出力を生成することはさらに、前記直線アレイの第2の直角座標ピクセルに対して、前記1つ以上の着信極座標ピクセルにおいて対応する着信極座標ピクセルが存在しないことを決定することと、前記1つ以上の着信極座標ピクセルにおいて対応する着信極座標ピクセルが存在する前記直線アレイの最も近接する直角座標ピクセルの値を前記第2の直角座標ピクセルに割り当てることを含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記出力を生成することはさらに、前記直線アレイの第2の直角座標ピクセルに対して、前記1つ以上の着信極座標ピクセルにおいて対応する着信極座標ピクセルが存在しないことを決定することと、前記1つ以上の着信極座標ピクセルにおいて対応する着信極座標ピクセルが存在する最も近接する直角座標ピクセル値に対して補間を実行することによって前記第2の直角座標ピクセル値を決定することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記出力を生成することはさらに、直角座標ピクセルの前記直線アレイと前記1つ以上の着信極座標ピクセルとの間の関係を事前算出することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記出力を、画像プロセッサへの入力として提供することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項13】
命令を記憶している非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ以上のプロセッサに方法を実行させ、前記方法は、
光センサにおいて、透過型ディスプレイの導波管に結合させられ全内部反射を介して前記導波管の平面出力面の出射場所に指向させられた入力光を受け取ることであって、前記光センサは、走査ファイバを含む、ことと、
前記光センサから、前記入力光に基づいたセンサ出力信号を受け取ることであって、前記センサ出力信号は、前記入力光に対応する1つ以上の着信極座標ピクセルを備える、ことと、
前記センサ出力信号に基づいて出力を生成することであって、前記出力は、前記1つ以上の着信極座標ピクセルから変換された直角座標ピクセルの直線アレイを備える、ことと
を含み、
前記出力を生成することは、直角座標ピクセルの前記直線アレイの第1の直角座標ピクセルに対して、前記1つ以上の着信極座標ピクセルにおいて対応する着信極座標ピクセルが存在することを決定することと、前記対応する着信極座標ピクセルの値を前記第1の直角座標ピクセルに割り当てることとを含む、非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項14】
前記方法は、前記出射場所に対する前記光センサの角度および位置を調節することをさらに含む、請求項13に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項15】
前記出力を生成することはさらに、前記直線アレイの第2の直角座標ピクセルに対して、前記1つ以上の着信極座標ピクセルにおいて対応する着信極座標ピクセルが存在しないことを決定することと、前記1つ以上の着信極座標ピクセルにおいて対応する着信極座標ピクセルが存在する前記直線アレイの最も近接する直角座標ピクセルの値を前記第2の直角座標ピクセルに割り当てることを含む、請求項13に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項16】
前記出力を生成することはさらに、前記直線アレイの第2の直角座標ピクセルに対して、前記1つ以上の着信極座標ピクセルにおいて対応する着信極座標ピクセルが存在しないことを決定することと、前記1つ以上の着信極座標ピクセルにおいて対応する着信極座標ピクセルが存在する最も近接する直角座標ピクセル値に対して補間を実行することによって前記第2の直角座標ピクセル値を決定することを含む、請求項13に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項17】
前記方法は、前記出力を、画像プロセッサへの入力として提供することをさらに含む、請求項13に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2015年5月19日に出願された「DUAL COMPOSITE LIGHT FIELD DEVICE」という題名の米国仮特許出願第62/163,733号に対して優先権を主張する。上記文献は、その全体として参照することによって本明細書において援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、拡張現実システムにおいて使用される光学デバイスに関する。拡張現実システムは、世界の景色を伝送しながら、また、コンピュータ生成画像を生成し、ユーザに送達するための平面導波管を含むタイプである。本発明では、1つ以上の付加的導波管が、世界から画像を捕捉するために提供される。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
ユーザに対して拡張現実を作り出すシステムを開発することが、大いに着目されている。そのようなシステムの一実施例では、ユーザは、外界を視認するためのウィンドウを含む、ヘッドマウントデバイスを提供されるであろう。ウィンドウは、画像情報を生成し、その画像情報をユーザの眼に投影する能力を有するであろう。そのようなシステムでは、仮想的な物体の画像が、生成され、現実世界の風景に追加され得る。
【0004】
拡張現実を作り出すためのデバイスの説明が、2015年1月15日に公開された米国特許公開第2015/0016777号(その開示が、参照することによって本明細書に組み込まれる)に見出されることができる。
【0005】
本明細書の後の公開に説明され、図1に図示されるように、光学システム100は、平面導波管1を含む主要導波管装置102を含むことができる。平面導波管は、平面導波管内の光の全内部反射を制御するための1つ以上の回折光学要素(DOE)2を提供される。光学システムはさらに、光学カプラシステム104と、制御システム106とを含む。
【0006】
図2に最良に図示されるように、主要平面導波管1は、第1の端部108aと、第2の端部108bとを有し、第2の端部108bは、主要平面導波管1の長さ110に沿って第1の端部108aに対向する。主要平面導波管1は、第1の面112aと、第2の面112bとを有し、少なくとも第1および第2の面112a、112b(集合的に112)は、主要平面導波管1の長さ110の少なくとも一部に沿って(矢印114aおよび破線矢印114b、集合的に114によって図示される)部分的内部反射光路を形成する。主要平面導波管1は、定義された臨界角未満で面112に衝突する光に対して略全内部反射(TIR)を提供する種々の形態をとり得る。平面導波管1は、例えば、ガラス、溶融シリカ、アクリル、またはポリカーボネートの平板もしくは平面の形態をとり得る。
【0007】
DOE2(点鎖二重線によって図1および2に図示される)は、TIR光路114を中断させ、平面導波管1の長さ110の少なくとも一部に沿って延在する平面導波管1の内部118と外部120との間に(矢印116aおよび破線矢印116b、集合的に116によって図示される)複数の光路を提供する、多種多様な形態をとり得る。DOE2は、有利なこととして、線形回折格子の位相関数を円形または半径方向対称ゾーンプレートのものと組み合わせ、見掛けの物体および見掛けの物体に対する焦点面の位置付けを可能にし得る。DOEは、導波管の表面上またはその内部に形成され得る。
【0008】
図1を参照すると、光学カプラサブシステム104は、光を導波管装置102に光学的に結合させる。図1に図示されるように、光学カプラサブシステムは、光を主要平面導波管1の縁122に光学的に結合させるために、光学要素5、例えば、反射面、ミラー、ダイクロイックミラー、またはプリズムを含み得る。光はまた、前面または後面112のいずれかを通して導波管装置に結合されることができる。光学カプラサブシステム104は、加えて、または代替として、光を平行化させる平行化要素6を含み得る。
【0009】
制御サブシステム106は、1つ以上の光源と、空間的および/または時間的に変動する光の形態においてエンコードされる画像データを生成する駆動電子機器とを含む。上記に留意されるように、平行化要素6は、光を平行化させ得、平行化された光は、1つ以上の主要平面導波管1(1つの主要導波管のみが図1および2に図示される)に光学的に結合される。
【0010】
図2に図示されるように、光は、TIR伝搬からもたらされる少なくともある程度の反射または「跳ね返り」とともに主要平面導波管に沿って伝搬する。いくつかの実装は、反射を促進し得る、1つ以上のリフレクタ、例えば、薄フィルム、誘電コーティング、金属化コーティング等を内部光路において採用し得ることに留意されたい。導波管1の長さ110に沿って伝搬する光は、長さ110に沿った種々の位置でDOE2と交差する。DOE2は、主要平面導波管1内に組み込まれる、または主要平面導波管1の面112のうちの1つ以上と当接もしくは隣接し得る。DOE2は、少なくとも2つの機能を遂行する。DOE2は、光の角度を偏移させ、光の一部をTIRから逃散させ、主要平面導波管1の1つ以上の面112を介して内部118から外部120に出現させる。DOE2はまた、出力結合された光線を指向させ、所望の見掛け視距離における物体の仮想場所を制御するように構成されることができる。したがって、主要平面導波管1の面112aを通して見る人は、1つ以上の視距離においてデジタル画像を見ることができる。
【0011】
いくつかの実装では、走査光ディスプレイが、光を1つ以上の主要平面導波管に結合させるために使用される。走査光ディスプレイは、画像を形成するために、経時的に走査される単一ビームを形成する単一光源を備えることができる。本走査された光のビームは、異なる輝度レベルのピクセルを形成するために強度変調され得る。代替として、複数の光源が、複数の光のビームを生成するために使用され得、これらは、画像を形成するために、共有走査要素または別個の走査要素のいずれかを用いて走査される。これらの光源は、可視および/または不可視の異なる波長を備え得、それらは、異なる幾何学的起点(X、Y、またはZ)を備え得、それらは、異なる入射角において走査装置に入射し得、1つ以上の画像(平坦画像または立体画像、動画像または静止画像)の異なる部分に対応する光を作り出し得る。
【0012】
光は、例えば、米国特許出願第13/915,530号、国際特許出願第PCT/US2013/045267号、および米国仮特許出願第61/658,355号に議論されるように、例えば、振動する光ファイバを用いて画像を形成するように走査され得る。光ファイバは、圧電アクチュエータによって二軸で走査され得る。代替として、光ファイバは、一軸または三軸で走査され得る。さらなる代替として、1つ以上の光学構成要素(例えば、回転する多角形リフレクタまたはミラー、発振するリフレクタまたはミラー)が、光ファイバの出力を走査するために採用され得る。
【0013】
他の実施形態では、画像は、アレイにおいて形成されるLCOS(シリコン上の液晶)ミラーを使用して生成されることができる。
【0014】
図3は、一図示される実施形態による、導波管装置と、導波管装置に、またはそれからの光を光学的に結合させるための光学カプラサブシステムと、制御サブシステムとを含む、光学システム300を示す。
【0015】
図3の光学システム300の構造の多くは、図1の光学システム100のものと類似する、またはさらには同じである。簡潔化のために、多くの事例では、有意な差異のみが、以下に議論される。
【0016】
光学システム300は、分配導波管装置を採用し、第1の軸(図3に照らして垂直またはY軸)に沿って光を中継し、第1の軸(例えば、Y軸)に沿って光の有効出射瞳を拡張し得る。分配導波管装置は、例えば、分配平面導波管3と、分配平面導波管3と関連付けられる少なくとも1つのDOE4(二重点鎖線によって図示される)とを含み得る。分配平面導波管3は、それとは異なる配向を有する主要平面導波管1と少なくともいくつかの点において類似する、または同じであり得る。同様に、DOE4は、DOE2と少なくともいくつかの点において類似する、または同じであり得る。例えば、分配平面導波管3および/またはDOE4は、それぞれ、主要平面導波管1および/またはDOE2と同一の材料から成り得る。
【0017】
中継および出射された瞳拡張光は、分配導波管装置から1つ以上の主要平面導波管1に光学的に結合される。主要平面導波管1は、好ましくは、第1の軸に直交する第2の軸(例えば、図3に照らして水平またはX軸)に沿って光を中継する。とりわけ、第2の軸は、第1の軸に非直交の軸であり得る。主要平面導波管1は、その第2の軸(例えば、X軸)に沿って光の有効出射瞳を拡張する。例えば、分配平面導波管3は、垂直またはY軸に沿って光を中継および拡張し、その光を主要平面導波管1に伝達させることができ、これは、水平またはX軸に沿って光を中継および拡張する。図3に示されるシステム300の残りの要素は、図4に関して以下に議論されるであろう。
【0018】
図4は、光学無限遠よりも近接して位置付けられることが可能な単一焦点面のそれによる生成を図示する、光学システム300を示す。
【0019】
光学システム300は、赤色、緑色、および青色光の1つ以上の源11を含み得、これは、単一モード光ファイバ9の近位端に光学的に結合され得る。光ファイバ9の遠位端は、圧電材料の中空管8を通して螺着または受容され得る。遠位端は、一端固定可撓性片持ち梁7として管8から突出する。圧電管8は、四象限電極(図示せず)と関連付けられる。電極は、例えば、管8の外側、外面、または外側周辺もしくは外径上にめっきされ得る。コア電極(図示せず)もまた、管8のコア、中心、内側周辺、または内径内に位置する。
【0020】
例えば、ワイヤ10を介して電気的に結合される駆動電子機器12は、対向する電極の対を駆動し、圧電管8を2つの軸において独立して屈曲させる。光ファイバ7の突出する遠位先端は、機械的共振モードを有する。共振の周波数は、光ファイバ7の直径、長さ、および材料性質に依存する。ファイバ片持ち梁7の第1の機械的共振モードに近接して圧電管8を振動させることによって、ファイバ片持ち梁7は、振動させられ、大きい撓みを一掃することができる。2つの軸において共振振動を刺激することによって、ファイバ片持ち梁7の先端は、2D走査を充填する面積において二軸で走査される。ファイバ片持ち梁7の走査と同期して光源11の強度を変調することによって、ファイバ片持ち梁7から出現する光が、画像を形成する。
【0021】
コリメータ6が、ファイバ片持ち梁7の走査から出現する光を平行化させる。平行化された光は、鏡面5によって、少なくとも1つの回折光学要素(DOE)4を含有する狭小分配平面導波管3に反射され得る。平行化された光は、全内部反射によって分配平面導波管3に沿って垂直に(すなわち、図4の図に対して)伝搬し、その際、DOE4と繰り返し交差する。DOE4は、好ましくは、低回折効率を有する。これは、DOE4との各交差点において、ある割合(例えば、10%)の光がより大きい主要平面導波管1の縁に向かって回折されるようにし、ある割合の光をTIRを介して分配平面導波管3の長さを通してその元々の軌跡上に継続させる。DOE4との各交差点において、付加的光が、主要導波管1の入口に向かって回折される。入射光を複数の出力結合されたセットに分割することによって、光の出射瞳は、分配平面導波管3内のDOE4によって垂直に拡張される。分配平面導波管3から結合される本垂直に拡張される光は、主要平面導波管1の縁に入射する。
【0022】
主要導波管1に入射する光は、TIRを介して主要導波管1に沿って水平に(すなわち、図4の図に対して)伝搬する。光がTIRを介して主要導波管1の長さの少なくとも一部に沿って水平に伝搬するにつれて、これは、複数の点においてDOE2と交差する。DOE2は、有利なこととして、線形回折格子および半径方向対称回折レンズの合計である位相プロファイルを有するように設計または構成され得る。DOE2は、有利なこととして、低回折効率を有し得る。伝搬する光とDOE2との間の各交差点において、ある割合の光が、主要導波管1の隣接する面に向かって回折され、光がTIRから逃散し、主要導波管1の面から出現することを可能にする。DOE2の半径方向対称レンズ側面は、加えて、設計された焦点レベルに合致する角度においてビームを操向する。図4は、焦点13に幾何学的に延在する4つのビーム18、19、20、21を図示し、各ビームは、有利なこととして、焦点13に半径の中心を伴う凸波面プロファイルを付与され、所与の焦点面において画像または仮想物体を生産する。
【0023】
図5は、多焦点立体ディスプレイ、画像、または光照射フィールドのそれによる生成を図示する、光学システム300を示す。図4のように、4つのビーム18、19、20、21の第1のセットが、焦点13に幾何学的に延在し、各ビーム18、19、20、21は、有利なこととして、焦点13に半径の中心を伴う凸波面プロファイルを付与され、個別の焦点面において、眼22によって視認されるべき画像または仮想物体の別の部分を生産する。図5はさらに、焦点23に幾何学的に延在する4つのビーム24、25、26、27の第2のセットを図示し、各ビーム24、25、26、27は、有利なこととして、焦点23に半径の中心を伴う凸波面プロファイルを付与され、個別の焦点面において画像または仮想物体22の別の部分を生産する。
【0024】
図6は、一図示される実施形態による、光学システム600を示す。光学システム600は、光学システム100および300といくつかの点において類似する。簡潔化のために、いくつかの差異のみが、議論される。
【0025】
光学システム600は、導波管装置102を含み、これは、上記に説明されるように、1つ以上の主要平面導波管1と、関連付けられるDOE2(図6に図示せず)とを備え得る。図3-5の光学システム300と対照的に、光学システム600は、複数のマイクロディスプレイまたはプロジェクタ602a-602e(5つのみが示され、集合的に602)を採用し、個別の画像データを主要平面導波管1に提供する。マイクロディスプレイまたはプロジェクタ602は、主要平面導波管1の面に沿って、またはその縁122に沿って整列もしくは配列されることができる。例えば、平面導波管1の数とマイクロディスプレイまたはプロジェクタ602の数との間に、1対1(1:1)の比率または相関が存在し得る。マイクロディスプレイまたはプロジェクタ602は、画像を主要平面導波管1に提供することが可能な種々の形態のいずれかをとり得る。例えば、マイクロディスプレイまたはプロジェクタ602は、光走査装置または他のディスプレイ要素、例えば、先に説明された片持ちファイバ7またはLCOSミラーセットの形態をとり得る。光学システム600は、加えて、または代替として、主要平面導波管1に入射することに先立って、マイクロディスプレイまたはプロジェクタ602から提供される光を平行化させる平行化要素6を含み得る。
【0026】
光学システム600は、(例えば、図6のZ軸に沿ってスタック構成において配列される)2つ以上の主要平面導波管1を使用するのではなく、単一の主要平面導波管1の使用を可能にすることができる。複数のマイクロディスプレイまたはプロジェクタ602は、例えば、視認者の頭部のこめかみに最も近接する主要平面導波管の縁122に沿って線形アレイにおいて配置されることができる。各マイクロディスプレイまたはプロジェクタ602は、サブ画像データをエンコードする変調された光を異なる個別の位置から主要平面導波管1に投入し、したがって、光の異なる経路を生成する。これらの異なる経路は、光が多数のDOE2によって異なる角度、焦点レベルで主要平面導波管1から結合されるようにする、および/または出射瞳において異なる充填パターンをもたらすことができる。射出瞳における異なる充填パターンは、有益なこととして、光照射フィールドディスプレイを作り出すために使用されることができる。スタックにおける、またはスタックにおける層のセット(例えば、3つの層)における各層は、個別の色(例えば、赤色、青色、緑色)を生成するように採用され得る。したがって、例えば、3つの隣接する層の第1のセットが、第1の焦点深度において、それぞれ、赤色、青色、および緑色光を生産するように採用され得る。3つの隣接する層の第2のセットが、第2の焦点深度において、それぞれ、赤色、青色、および緑色光を生産するように採用され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【文献】米国特許出願公開第2015/0016777号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0028】
(発明の簡単な要約)
上記に議論される実施形態のそれぞれでは、光源が、画像情報を導波管に投入し、DOEを使用し、光を装着者に分配するために提供される。以下に議論されるように、本発明では、平面導波管および回折光学要素を含む類似する組み合わせが、導波管の平面のうちの1つに入射する光を捕捉し、次いで、センサを用いて捕捉された光を測定するために使用される。収集導波管は、単独で、または出力導波管との組み合わせにおいて使用されることができる。
【0029】
好ましい実施形態では、本装置は、対向する平面入力および出力面を有する導波管を含む。回折光学要素(DOE)が、導波管を横断して形成される。DOEは、導波管を通過する光の一部を導波管に結合させるように構成される。導波管に結合された光は、全内部反射を介して、導波管上の出射場所に指向される。本装置はさらに、光センサを含み、光センサは、導波管の出射場所から出射する光を捕捉するためにそこに隣接して位置付けられる入力を有し、それに対応する出力信号を生成する。プロセッサが、出力信号に基づいて、導波管の入力面に対する結合された光の角度および位置を判定する。本装置は、導波管と整合される狭帯域波長フィルタを含み得る。
【0030】
本装置はさらに、対向する平面入力および出力面を有する、第2の導波管を含み得、第2の導波管は、第1の導波管と整合され、それに平行であり得る。DOEが、第2の導波管を横断して形成され得る。DOEは、第2の導波管の面を横断する場所において反射率のレベルを制御するように構成され得る。本装置はさらに、光を第2の導波管に投入するために、第2の導波管に隣接して位置付けられる出力を有する、光発生器を含み得る。プロセッサが、第2の導波管に投入される光を制御し、全内部反射を介して第2の導波管に入射する光を誘導し、第2の導波管の出力面を横断する特定の位置で導波管から出射させ得る。
【0031】
本装置はさらに、第1の導波管の縁に沿って延在する、第3の導波管を含み得る。第3の導波管は、第1の導波管の出射場所から出射する光を捕捉し、光をセンサに送達し得る。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
装置であって、
対向する平面入力および出力面を有する第1の導波管と、
前記第1の導波管を横断して形成された回折光学要素(DOE)であって、前記DOEは、前記導波管を通過する光の一部を前記導波管に結合させるためのものであり、前記導波管に結合された光は、全内部反射を介して、前記導波管上の出射場所に指向される、DOEと、
前記第1の導波管の出射場所から出射する光を捕捉するためにそこに隣接して位置付けられた入力を有し、かつ、それに対応する出力信号を生成する、光センサと
を備える、装置。
(項目2)
前記第1の導波管と整合された狭帯域波長フィルタをさらに含む、項目1に記載の装置。
(項目3)
前記第1の導波管の出射場所に対する前記センサの角度および位置は、移動可能であり、プロセッサの制御下にある、項目1に記載の装置。
(項目4)
対向する平面入力および出力面を有する第2の導波管であって、前記第2の導波管は、前記第1の導波管と整合され、前記第1の導波管に平行である、第2の導波管と、
前記第2の導波管を横断して形成されたDOEであって、前記DOEは、前記第2の導波管の面を横断する場所において反射率のレベルを制御するためのものである、DOEと、
光を前記第2の導波管に投入するために、前記第2の導波管に隣接して位置付けられた出力を有する光発生器であって、プロセッサは、前記第2の導波管に投入される光を制御し、全内部反射を介して前記第2の導波管に入射する光を誘導し、前記第2の導波管の出力面を横断する特定の場所において前記導波管から出射させる、光発生器と
をさらに備える、項目1に記載の装置。
(項目5)
前記第1の導波管の縁に沿って延在する第3の導波管をさらに含み、前記第3の導波管は、前記第1の導波管の出射場所から出射する光を捕捉し、前記光を前記センサに送達するためのものである、項目1に記載の装置。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、一図示される実施形態による、導波管装置と、導波管装置に、またはそれからの光を結合するためのサブシステムと、制御サブシステムとを含む、光学システムを示す、概略図である。
図2図2は、一図示される実施形態による、平面導波管と、平面導波管内に位置付けられる少なくとも1つの回折光学要素とを含む導波管装置を示し、全内部反射光路と、平面導波管の外部と内部との間の光路とを含むいくつかの光路を図示する、立面図である。
図3図3は、一図示される実施形態による、導波管装置と、導波管装置に、またはそれからの光を光学的に結合するための光学カプラサブシステムと、制御サブシステムとを含む光学システムを示す、概略図である。
図4図4は、一図示される実施形態による、光学無限遠よりも近接して位置付けられることが可能な単一焦点面の生成を図示する、図3の光学システムの概略図である。
図5図5は、一図示される実施形態による、多焦点立体ディスプレイ、画像、または光照射フィールドの生成を図示する、図3の光学システムの概略図である。
図6図6は、一図示される実施形態による、導波管装置と、主要平面導波管に光を光学的に結合するための複数のプロジェクタを含む光学カプラサブシステムとを含む光学システムを示す、概略図である。
図7図7は、本発明の基本的実施形態による、平面導波管およびセンサを伴う光学システムを示す、概略図である。
図8図8は、3つの平面導波管と、関連付けられる色フィルタとを含む、本発明のシステムの概略図である。
図9図9は、2つの平面導波管を含み、導波管のうちの一方は、従来技術のように画像を眼に送達するために使用され、他方の導波管は、現実世界からの画像を捕捉するために使用される、本発明の好ましい実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
(発明の詳細な説明)
図7は、本発明のシステム700の第1の実施形態の概略図である。システム700は、その中に形成される少なくとも1つの回折光学要素704を有する、平面導波管702を含む。導波管702は、上記に議論される出力タイプの導波管のいずれかと類似する様式で構築され得ることが想定される。使用時、現実世界からの光線は、導波管を通してユーザの眼706に部分的に伝送されるであろう。
【0034】
本発明によると、導波管702に入射する光線の一部は、導波管によって閉じ込められ、全内部反射を介して導波管の長さに沿って710に示される出射場所に指向されるであろう。光出射場所710は、導波管の前面もしくは後面のいずれかの上、またはその側縁にあり得る。導波管から出射する光は、センサ712によって捕捉されることができる。センサによって生成される信号は、分析のためにプロセッサ714に結合される。
【0035】
種々のタイプのセンサが、使用され得る。例えば、センサは、出力デバイスとともに上記に議論されるような移動可能光ファイバを含むことができる。同様に、センサのアレイが、提供され得る。加えて、センサは、CMOSまたはCCDイメージャ等の付加的固定位置センサに光を選択的に指向させる、LCOSシステムを含み得る。
【0036】
プロセッサ714は、入力信号を分析し、導波管によって捕捉され、出射場所710に送られた光線の入力位置および角度を判定するであろう。実践では、本分析は、単一の導波管のみが使用される場合、複雑であり得る。例えば、単一の導波管の実施形態は、導波管に到達する光の1つを上回る波長を組み合わせる信号を生産するであろう。
【0037】
故に、一好ましい実施形態では、3つの類似する導波管が、使用され、各導波管は、赤色、青色、または緑色光のいずれかを捕捉するように配列されるであろう。図8は、そのような配列の一実施例を図示する。図8では、3つの整合される導波管702a、702b、および702cが、提供される。回折フィルタ716が、各導波管の前に提供され、導波管に入射する光を制御する。フィルタの順序は、導波管への光の分配を最適化するように選択され得る。例えば、フィルタ716aは、赤色光の一部を導波管702aに回折させるが、青色および緑色光を導波管702aに通過させることが可能であり得る。フィルタ716bは、緑色光の一部を導波管702bに回折させ得る。フィルタ716cは、青色光の一部を導波管702cに回折させ得る。別個のセンサ712a、712b、および712cが、それぞれ、導波管702a、702b、および702cからの光を収集するであろう。センサによって生成された信号は、プロセッサによって分析されるであろう。
【0038】
導波管上の任意の特定の点から入射する光線は、同一のTIR経路上であるが、ある他の点においてセンサに戻るように入射する同一色の光と事実上合計されるであろうことに留意されたい。実際には、多くの源から光の重ね合わせを取得するであろう。プロセッサは、デジタル分析を介して本情報の重ね合わせを解明するように配列される必要があるであろう。実践では、アルゴリズムは、学習システムと併せた種々の統計分析を含み得る。具体的データ分析アプローチは、本願の主題ではない。
【0039】
本デバイスが平坦物体(例えば、写真)の画像を捕捉している場合、逆重畳問題は、はるかに単純であることに留意されたい。平坦物体に関して、逆重畳は、N個の変位画像を有し、Nは、エッジ要素上の入射瞳の数である。
【0040】
3次元風景を撮像するときの逆重畳問題に対処する1つの方法は、能動的に切替可能である、導波管を横断する複数のDOEを利用することであろう。DOEの回折力を変動させるために電子制御装置を使用することで、選択的に、個々の入射瞳が選択的にオンまたはオフにされることを可能にし得る。本システム下では、プロセッサは、前もって、導波管によって送られ、センサによって測定される光の入射場所を把握するであろう。
【0041】
能動DOEシステムが平坦画像を撮像するために使用される場合、各瞳は、物体の歪みのない画像全体を捕捉するであろうことに留意されたい。
【0042】
図9は、1つの出力導波管910と、1つの収集導波管920とを含む、実施形態900の図である。出力導波管910は、本明細書の背景技術において上記に議論されるタイプであり、光画像源924と、導波管910に画像情報を送達するための光ファイバ929とを含むであろう。収集導波管920は、図7の実施形態と類似し、導波管920によって捕捉された光は、全内部反射によって出力場所930に送られ、センサ932によって測定されるであろう。センサ932からの出力は、プロセッサ934に供給される。上記に議論されるように、好ましい実施形態では、3つの出力導波管および3つの入力導波管が存在し、各導波管は、特定の色スペクトル(赤色、緑色、および青色)と関連付けられるであろう。図示の便宜上、各タイプの導波管のうちの1つのみが、図9に示される。
【0043】
システム900の基本動作では、現実世界からの光線のいくつかが、導波管910および920の両方を通してユーザの眼に通過するであろう。導波管910は、付加的視覚画像を眼に送達し、拡張現実を達成するために使用されることができる。導波管920は、現実世界からの光線を捕捉および測定するために使用されることができる。本情報は、種々の方法において使用されることができる。
【0044】
例えば、現実世界から捕捉された情報は、出力導波管910のために生成された画像を修正するために使用されることができる。特に、導波管910からの光出力は、導波管920表面上の同一の座標で測定される入力のある具体的関数であり得る。本関数は、線形スケーリング、非線形スケーリング、およびクリップスケーリング、ならびにピクセル単位ベースで算出される、またはピクセル場所に関してローカルに算出されるような任意の他の具体的な強度の関数を含み得る。
【0045】
導波管920によって捕捉される画像情報はまた、導波管910によって生成される仮想画像を位置合わせすることに役立つように使用されることができる。多くの現在想定される拡張現実実装では、仮想物体は、3次元において位置し、複合投影が、導波管910上のその場所を算出するために成される。導波管920によって収集される情報は、物体が2次元画像に対して具体的に位置合わせされることを可能にし、したがって、画像内の他のランドマークに対するその正しい場所を保証する(すなわち、いかなる「ジッタ」もない)。
【0046】
別の実施例では、導波管920によって収集される画像情報は、現実世界における具体的画像要素を認識し、次いで、導波管910を介したユーザへの提示のための代用要素を算出するために使用されることができる。例えば、本システムは、人物の顔を認識し、次いで、修正された画像(例えば、髭を伴う顔)をユーザに対してレンダリングし得る。別の実施例では、建物の色が、変更され得る。さらに別の実施例では、現実世界においてある言語で書かれた標識が、異なる言語においてレンダリングされ得る。本概念は、画像認識またはモデル化を使用する「フィルタ」だけではなく、また、ブラー等のより単純なフィルタ、または上記の組み合わせにも拡大する。
【0047】
代替実施形態では、制御可能な減光層(例えば、LCD、図示せず)が、ユーザの眼に到達しないように現実世界からの光を遮断するために、導波管910および920間に提供されることができる。代わりに、本入射光は、導波管910によって生成される光を用いて「代用」されることができる。
【0048】
導波管920によって捕捉され、時系列信号に変換される光をデコードするためのアルゴリズムは、状況依存的である。
【0049】
例えば、センサが走査ファイバであるシステムでは、信号は、多くの画像処理アルゴリズムによって予期される種類の2次元直線アレイに変換されることができる。いくつかの場合では、ピクセルをその固有の極形式で処理し、それらを同一の極形式で出力することが、より容易であり得る。
【0050】
一実装では、直接算出によって見出される、直角座標ピクセル(RCP)への着信極座標ピクセル(IPCP)値の直接割当が存在し得る。別の実装では、全ての直角座標ピクセルを、対応する着信極座標ピクセルが見出され得る最も近接する直角座標ピクセルに割り当てることができる。別のアプローチでは、対応する着信極座標ピクセルが見出され得る最も近接する直角座標ピクセルの値への直角座標ピクセルの割当を補間することができる。後者のアプローチは、線形、二次、または任意の他のそのような補間を含む。最後に、直角座標ピクセルと、関連付けられる着信極座標ピクセル投影との間の関係を事前算出および記憶することが、可能である。
【0051】
本発明は、いくつかの好ましい実施形態を参照して説明されたが、種々の変更および修正が、添付される請求項によって定義されるような本発明の範囲ならびに精神から変動することなく、当業者によってそれに成され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9