(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】マッサージ機
(51)【国際特許分類】
A61H 15/00 20060101AFI20240314BHJP
A61H 7/00 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
A61H15/00 350B
A61H7/00 322A
A61H7/00 322E
A61H7/00 322J
(21)【出願番号】P 2023065010
(22)【出願日】2023-04-12
(62)【分割の表示】P 2019031825の分割
【原出願日】2019-02-25
【審査請求日】2023-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000136491
【氏名又は名称】株式会社フジ医療器
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森本 大喜
【審査官】佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録実用新案第20-0378839(KR,Y1)
【文献】特開平3-258297(JP,A)
【文献】実開平6-50682(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第108209384(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 15/00
A61H 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1マッサージが可能な第1施療部と、
第2マッサージが可能な第2施療部と、
前記第1施療部と前記第2施療部とを連結する連結部と、
前記第1施療部、前記第2施療部および前記連結部のいずれかに設けられ、前記第1施療部、前記連結部および前記第2施療部を収納する収納袋とを含み、
前記第2施療部は、使用時には、被施療者の腰または下腿に選択可能に装着されるようになって
おり、
前記第2施療部は、横長帯状で柔軟性を有しており、使用時には被施療部に巻き付けられる、マッサージ機。
【請求項2】
前記第2施療部が前記被施療者の下腿に装着される場合、前記第1施療部は、前記被施療者の足の下に配置される、請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記第1施療部は、使用時には、前記被施療者の大腿部に接触する部分に配置される、請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記連結部は、柔軟性を有する横長矩形状のシート状部材から構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記連結部は、第1表面と前記第1表面とは反対側の第2表面とを有しており、
前記収納袋は、前記連結部の前記第2表面に固定されており、
前記収納袋は、前記第2施療部が前記連結部の前記第1表面側に向かって折り倒されかつ前記連結部の前記第1表面と前記第1施療部との間に前記第2施療部が挟まれるように、前記連結部が前記第1施療部側に向かって折り倒されている状態で、前記第1施療部、前記連結部および前記第2施療部を収納するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のマッサージ機。
【請求項6】
前記収納袋は、巾着袋からなり、前記マッサージ機の使用時には、裏返されかつ折り畳まれた状態で、前記連結部に固定されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のマッサージ機。
【請求項7】
前記収納袋は、前記マッサージ機の使用時には、本来の袋内面が外側に露出するように裏返されかつ折り畳まれた状態で、前記連結部に固定可能となるように構成されており、
収納状態時には、本来の袋外面が外側に露出するように表に返された状態で、前記第1施療部、前記連結部および前記第2施療部を包み込んでいる、請求項1~6のいずれか一項に記載のマッサージ機。
【請求項8】
前記収納袋は、伸縮性を有する材料からなる袋本体を備えている、請求項1~7のいずれか一項に記載のマッサージ機。
【請求項9】
前記第1施療部は、振動マッサージを行うためのバイブレータを備えている、請求項1~8のいずれか一項に記載のマッサージ機。
【請求項10】
前記第2施療部は、空気の給排気により膨張収縮することによってエア式マッサージを行うための1または複数のエアバックを備えている、請求項1~9のいずれか一項に記載のマッサージ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、マッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、足押圧部(20)と、足押圧部(20)に連結部(40)を介して接続された脚押圧部(10)とを備えたマッサージ機(1)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
特許文献1の
図13および
図14には、マッサージ機(1)の不使用時には、脚押圧部(10)を連結部(40)から足押圧部(20)側に折り倒した状態で、脚押圧部(10)、連結部(40)および足押圧部(20)を外カバー(29)で覆うことが開示されている。しかし、この外カバー(29)は、マッサージ機(1)の使用時には、マッサージ機(1)から取り外されるので、外カバー(29)を紛失するおそれがある。
【0005】
特許文献1の
図15には、マッサージ機(1)の不使用時には、収納部(50)と蓋部(51)とからなる容器内に、マッサージ機(1)全体を収納し、ファスナー(52)によって開け閉め自在とした構成が開示されている。しかし、このような構成では、マッサージ機(1)の使用時には、容器からマッサージ機1が取り出されるので、容器を紛失するおそれがある。
【0006】
特許文献1の
図16には、マッサージ機(1)の不使用時には、布片(53)の一端がマッサージ機(1)の足押圧部(20)の一側部に固定され、他端がファスナー(54)によってマッサージ機(1)の足押圧部(20)に他側部に係合されることが開示されている。しかながら、この布片(53)は、マッサージ機1全体(脚押圧部(10)、連結部(40)および足押圧部(20))を収納するものではないため、マッサージ機(1)の不使用時において防塵性が低いという問題がある。また、布片(53)の一端は、押圧マッサージを行う足押圧部(20)に固定されているため、マッサージ機(1)の使用時に、布片(53)が邪魔になるという問題がある。
【0007】
この発明は、マッサージ機の不使用時にマッサージ機全体を収納袋内に収納でき、かつ当該収納袋を紛失しにくい、マッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の一実施形態は、第1マッサージが可能な第1施療部と、第2マッサージが可能な第2施療部と、前記第1施療部と前記第2施療部とを連結する連結部と、前記第1施療部、前記第2施療部および前記連結部のいずれかに設けられ、前記第1施療部、前記連結部および前記第2施療部を収納する収納袋とを含み、前記第2施療部は、使用時には、被施療者の腰または下腿に選択可能に装着されるようになっている、マッサージ機を提供する。
【0009】
この構成では、マッサージ機の不使用時にマッサージ機全体を収納袋に収納でき、しかも、収納袋を紛失しにくいマッサージ機を実現できる。
【0010】
この発明の一実施形態では、前記第2施療部が前記被施療者の下腿に装着される場合、前記第1施療部は、前記被施療者の足の下に配置される。
【0011】
この発明の一実施形態では、前記第1施療部は、使用時には、前記被施療者の大腿部に接触する部分に配置される。
【0012】
この発明の一実施形態では、前記連結部は、柔軟性を有する横長矩形状のシート状部材から構成されている。
【0013】
この発明の一実施形態では、前記連結部は、第1表面と前記第1表面とは反対側の第2表面とを有しており、前記収納袋は、前記連結部の前記第2表面に固定されており、前記収納袋は、前記第2施療部が前記連結部の前記第1表面側に向かって折り倒されかつ前記連結部の前記第1表面と前記第1施療部との間に前記第2施療部が挟まれるように、前記連結部が前記第1施療部側に向かって折り倒されている状態で、前記第1施療部、前記連結部および前記第2施療部を収納するように構成されている。
【0014】
この発明の一実施形態では、前記収納袋は、巾着袋からなり、前記マッサージ機の使用時には、裏返されかつ折り畳まれた状態で、前記連結部に固定されている。
【0015】
この発明の一実施形態では、前記収納袋は、前記マッサージ機の使用時には、本来の袋内面が外側に露出するように裏返されかつ折り畳まれた状態で、前記連結部に固定可能となるように構成されており、収納状態時には、本来の袋外面が外側に露出するように表に返された状態で、前記第1施療部、前記連結部および前記第2施療部を包み込んでいる。
【0016】
この発明の一実施形態では、前記収納袋は、伸縮性を有する材料からなる袋本体を備えている。
【0017】
この発明の一実施形態では、前記第1施療部は、振動マッサージを行うためのバイブレータを備えている。
【0018】
この発明の一実施形態では、前記第2施療部は、空気の給排気により膨張収縮することによってエア式マッサージを行うための1または複数のエアバックを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、マッサージ機の表面側の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、マッサージ機の裏面側の外観を示す斜視図であって、収納袋が折り畳まれている状態を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、マッサージ機の裏面側の外観を示す斜視図であって、折り畳まれていた収納袋が延ばされた状態を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、主として折り畳まれていた収納袋が延ばされた状態での収納袋の縦断面を示す部分断面図である。
【
図6】
図6は、制御ユニットの構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、エアポンプから各エアバッグまでのエア回路を示すエア回路図である。
【
図8A】
図8Aは、マッサージ機の第1の使用形態を説明するための斜視図である。
【
図8B】
図8Bは、マッサージ機の第1の使用形態を説明するための側面図である。
【
図9A】
図9Aは、マッサージ機の第2の使用形態を説明するための斜視図である。
【
図9B】
図9Bは、マッサージ機の第2の使用形態を説明するための側面図である。
【
図10A】
図10Aは、マッサージ機の第3の使用形態を説明するための斜視図である。
【
図10B】
図10Bは、マッサージ機の第3の使用形態を説明するための側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、マッサージ機の表面側の外観を示す斜視図である。
図2は、マッサージ機の裏面側の外観を示す斜視図であって、収納袋が折り畳まれている状態を示す斜視図である。
図3は、
図1の側面図である。
図4は、マッサージ機の裏面側の外観を示す斜視図であって、折り畳まれていた収納袋が延ばされた状態を示す斜視図である。
図5は、主として折り畳まれていた収納袋が延ばされた状態での収納袋の縦断面を示す部分断面図である。
【0022】
マッサージ機1は、第1マッサージが可能な第1施療部2と、第2マッサージが可能な第2施療部4と、第1施療部2と第2施療部4とを連結する連結部3と、連結部3に設けられ、第1施療部2、連結部3および第2施療部4を収納する収納袋5と、制御ユニット6と、リモートコントローラ(リモコン)7とを含む。第1施療部2と連結部3と第2施療部4とは、縦方向に並ぶように、連結されている。
【0023】
第1施療部2は、柔軟性を有する扁平直方体状の第1収納体11と、第1収納体11内に収納されたバイブレータ12およびヒータ13とを備えている。
【0024】
第1収納体11は、平面視で略矩形状であり、表面11aと、裏面11bと、第1、第2、第3および第4側面11c,11d,11e,11fとを有する。第1側面11cおよび第3側面11eは、縦方向に対向している。第2側面11dおよび第4側面11fは、横方向に対向している。第1側面11cの長手方向の長さは、第3側面11eの長手方向の長さよりも長い。第2側面11dおよび第4側面11fは、横方向の外側に向かって凸となる湾曲面に形成されている。
【0025】
バイブレータ12は、第1収納体11の中央部に収納されている。バイブレータ12は、例えば、バイブレータ用モータの軸に偏心錘が取り付けられた電動用バイブレータである。バイブレータ12は、被施療者に振動マッサージを行うためのものである。
【0026】
ヒータ13は、第1ヒータ13Aと、第1ヒータ13Aに直列に接続された第2ヒータ13Bとを含む。第1ヒータ13Aは、第1収納体11における第2側面11dとバイブレータ12との間に収納されている。第2ヒータ13Bは、第1収納体11における第4側面11fとバイブレータ12との間に収納されている。ヒータ13は、被施療者の被施療部位を温めるためのものである。
【0027】
連結部3は、平面視で横長矩形状であり、柔軟性を有するシート状部材から構成されている。連結部3は、表面(第1表面)3aと、裏面(第2表面)3bと、第1、第2、第3および第4側縁3c,3d,3e,3fとを有する。第1側縁3cおよび第3側縁3eは、縦方向に対向している。第2側縁3dおよび第4側縁3fは、横方向に対向している。
【0028】
連結部3の第1側縁3cが第1収納体11の第3側面11eに接合されることにより、第1収納体11が連結部3に連結されている。なお、連結部3の裏面3bにおける第1側縁3c寄り部分が、第1収納体11の表面11aにおける第3側面11e寄り部分に接合されることにより、第1収納体11が連結部3に連結されてもよい。
【0029】
連結部3の裏面3bに、収納袋5が固定されている。収納袋5の詳細については、後述する。
【0030】
第2施療部4は、この実施形態では、横方向に間隔をおいて配置された第3施療部4Aおよび第4施療部4Bを備えている。
【0031】
第3施療部4Aは、柔軟性を有する横長帯状の第2収納体21と、第2収納体21内に収納された3つのエアバック22,23,24と、第2収納体21の長手方向両端に一端部がそれぞれ固定された2本の結束用テープ25,26を備えている。
【0032】
第2収納体21は、表面21aと、裏面21bと、第1、第2、第3および第4側縁21c,21d,21e,21fとを有する。第1側縁21cおよび第3側縁21eは、縦方向に対向している。第2側縁21dおよび第4側縁21fは、横方向に対向している。第2収納体21の第1側縁21cのうちの第4側縁21f寄り部分が、連結部3の第3側縁3eにおける第2側縁3d寄り部分に接合されている。
【0033】
3つのエアバック22,23,24は、横方向に間隔をおいて並んで設けられている。以下おいて、3つのエアバック22,23,24のうち、横方向外側(第2収納体21の第2側縁21d側)のエアバック22を第1エアバック22といい、横方向内側(第2収納体21の第4側縁21f側)のエアバック24を第3エアバック24といい、それらの間のエアバック23を第2エアバック23という場合がある。
【0034】
この実施形態では、第3エアバック24の幅が最も大きく、第1エアバック22の幅がその次に大きく、第2エアバック23の幅が最も小さい。第2収納体21は、柔軟性を有しており、複数のエアバックが横方向に間隔をおいて設けられているため、第3施療部4Aは、例えば、被施療者の脚等の被施療部に巻き付けることが可能となっている。
【0035】
結束用テープ25,26は、例えば、第3施療部4Aが被施療部に巻き付けられた状態を維持するために設けられている。以下において、第2収納体21の外方端に設けられた結束用テープ25を第1結束用テープ25といい、第2収納体21の内方端に設けられた結束用テープ26を第2結束用テープ26という場合がある。
【0036】
各結束用テープ25,26の解放側端部には、両結束用テープ25,26どうしを着脱可能に結合することができる着脱式結合部材27,28が固定されている。着脱式結合部材としては、例えば、面ファスナーが用いられる。例えば、着脱式結合部材27は、面ファスナーのA面(オス)であり、第1結束用テープ25の裏面側に固定されている。一方、着脱式結合部材28は、面ファスナーのB面(メス)であり、第2結束用テープ26の表面側に固定されている。
【0037】
第4施療部4Bは、柔軟性を有する横長帯状の第3収納体31と、第3収納体31内に収納された3つのエアバック32,33,34と、第3収納体31の長手方向両端に一端部がそれぞれ固定された2本の結束用テープ35,36を備えている。
【0038】
第3収納体31は、表面31aと、裏面31bと、第1、第2、第3および第4側縁31c,31d,31e,31fとを有する。第1側縁31cおよび第3側縁31eは、縦方向に間隔をおいて横方向に平行に延び、互いに対向している。第2側縁31dおよび第4側縁31fは、横方向に間隔をおいて縦方向に平行に延び、互いに対向している。第3収納体31の第1側縁31cのうちの第2側縁31d寄り部分が、連結部3の第3側縁3eにおける第4側縁3f寄り部分に連結されている。
【0039】
3つのエアバック32,33,34は、横方向に間隔をおいて並んで設けられている。以下おいて、3つのエアバック32,33,34のうち、横方向内側(第3収納体31の第2側縁31d側)のエアバック32を第4エアバック32といい、横方向外側(第3収納体31の第4側縁31f側)のエアバック34を第6エアバック34といい、それら間のエアバック33を第5エアバック33という場合がある。
【0040】
この実施形態では、第4エアバック32の幅が最も大きく、第6エアバック34の幅がその次に大きく、第5エアバック33の幅が最も小さい。第3収納体31は、柔軟性を有しており、複数のエアバック32,33,34が横方向に間隔をおいて設けられているため、第4施療部4Bは、例えば、被施療者の脚等の被施療部に巻き付けることが可能となっている。
【0041】
結束用テープ35,36は、例えば、第4施療部4Bが被施療部に巻き付けられた状態を維持するために設けられている。以下において、第3収納体31の内方端に設けられた結束用テープ35を第3結束用テープ35といい、第3収納体31の外方端に設けられた結束用テープ36を第4結束用テープ36という場合がある。
【0042】
各結束用テープ35,36の解放側端部には、両結束用テープ35,36どうしを着脱可能に結合することができる着脱式結合部材37,38が固定されている。着脱式結合部材としては、例えば、面ファスナーが用いられる。例えば、着脱式結合部材37は、面ファスナーのA面(オス)であり、第3結束用テープ35の裏面側に固定されている。一方、着脱式結合部材38は、面ファスナーのB面(メス)であり、第4結束用テープ36の表面側に固定されている。
【0043】
第3施療部4Aに設けられている各エアバッグ22,23,24および第4施療部4Bに設けられている各エアバッグ32,33,34は、空気の吸排気によって膨張収縮することにより、被施療者にエア式マッサージを行うためのものである。
【0044】
収納袋5は、
図2~
図5に示すように、この実施形態では、巾着袋(drawstring bag)である。マッサージ機1の使用時には、収納袋5は、
図2および
図3に示すように、本来の袋内面が外側に露出するように裏返されかつ折り畳まれた状態で、連結部3の裏面に固定されている。
図4および
図5は、折り畳まれていた収納袋5が延ばされた状態を示している。
【0045】
収納袋5は、
図2~
図5に示すように、伸縮性を有する材料からなる袋本体41と、袋本体41の開口部を開閉するための紐42とを備えている。袋本体41は、縦方向に長い形状を有している。袋本体41の開口部には、一部が切除された有端筒状で2つの開口を有する紐通し部41aが形成されている。紐通し部41aには、紐42が挿通されている。紐42の両端部は、紐通し部41aの2つの開口からそれぞれ外方に引き出されている。裏返されている収納袋5の開口部とは反対側寄り部分の片面には、横方向に延びる結束用バンド43の長さ中間部が固定されている。そして、収納袋5の当該片面の所定領域が、結束用バンド43の長さ中間部とともに、連結部3の裏面3bに接合されている。
【0046】
結束用バンド43の両端部には、結束用バンド43の両端を着脱可能に結合することができる着脱式結合部材44,45が固定されている。着脱式結合部材44,45としては、例えば、面ファスナーが用いられる。例えば、着脱式結合部材44は、面ファスナーのA面(オス)であり、結束用バンド43の一端の裏面側に固定されている。一方、着脱式結合部材45は、面ファスナーのB面(メス)であり、結束用バンド43の他端の表面側に固定されている。結束用バンド43の両端部は、
図2に示すように、収納袋5が折り畳まれた状態を維持するために、結合される。
【0047】
収納袋5は、後述するように、マッサージ機1の不使用時において、第1施療部2、連結部3、第2施療部4、制御ユニット6およびリモコン7を収納する。
【0048】
制御ユニット6は、第1施療部2および第2施療部4を制御するためのものである。制御ユニット6と第1施療部2とは、配線ケーブルによって接続されている。制御ユニット6と第3施療部4Aとは、エアチューブ75(
図7参照)によって接続されている。制御ユニット6と第4施療部4Bとは、エアチューブ76(
図7参照)によって接続されている。リモコン7は、被施療者がマッサージ機1を操作するためのものである。リモコン7には、複数の操作キー等が設けられている。
【0049】
図6は、制御ユニット6の構成を示すブロック図である。
図7は、エアポンプから各エアバッグまでのエア回路を示すエア回路図である。
【0050】
制御ユニット6は、エアポンプ71と、第1および第2電磁弁72,73と、制御部60と、複数の駆動回路61~65とを備えている。
【0051】
複数の駆動回路61~65は、バイブレータ(バイブレータ用モータ)12の駆動回路61と、ヒータ13の駆動回路62と、エアポンプ71の駆動回路63と、第1電磁弁72の駆動回路64と第2電磁弁73の駆動回路65とを含んでいる。
【0052】
制御部60は、マイクロコンピュータを含んでいる。マイクロコンピュータは、CPU、メモリ(RAM、ROM、不揮発性メモリ)等を備えている。メモリには、CPUのプログラムの他、各種データが記憶される。制御部60には、リモコン7および各駆動回路61~65が接続されている。制御部60は、リモコン7からの入力に基づいて、各駆動回路61~65を駆動制御する。
【0053】
図7を参照して、エアポンプ71は、エアチューブ74を介して、各電磁弁72,73に接続されている。第1電磁弁72は、エアチューブ75(
図1~
図5では図示略)を介して、第3施療部4Aに設けられている第1、第2および第3エアバッグ22,23,24に接続されている。第2電磁弁73は、エアチューブ76(
図1~
図5では図示略)を介して、第4施療部4Bに設けられている第4、第5および第6エアバッグ32,33,34に接続されている。
【0054】
第1電磁弁72が励磁されると、エアポンプ71から、エアチューブ74、第1電磁弁72およびエアチューブ75を介して第1、第2および第3エアバッグ22,23,24に空気が供給される。これにより、第1、第2および第3エアバッグ22,23,24が膨張する。そして、第1電磁弁72が消磁されると、第1、第2および第3エアバッグ22,23,24内の空気が電磁弁を介して外部に排気される。これにより、第1、第2および第3エアバッグ22,23,24が収縮する。
【0055】
同様に、第2電磁弁73が励磁されると、エアポンプ71から、エアチューブ74、第2電磁弁73およびエアチューブ76を介して第4、第5および第6エアバッグ32,33,34に空気が供給される。これにより、第4、第5および第6エアバッグ32,33,34が膨張する。そして、第2電磁弁73が消磁されると、第4、第5および第6エアバッグ32,33,34内の空気が電磁弁を介して外部に排気される。これにより、第4、第5および第6エアバッグ32,33,34が収縮する。
【0056】
このマッサージ機1では、被施療者は、リモコン7を操作することによって、第1施療部2による被施療部を温めながらの振動マッサージや、第2施療部4によるエア式マッサージを受けることができる。第1施療部2による振動マッサージおよび第2施療部4によるエア式マッサージは、同時に受けることも可能であるし、一方のマッサージのみを選択して受けることも可能である。また、第3施療部4Aによるエア式マッサージおよび第4施療部4Bによるエア式マッサージを同時に受けることも可能であるし、一方のエア式マッサージのみを選択して受けることも可能である。
【0057】
次に、マッサージ機1の使用方法につい説明する。このマッサージ機1は、通常は、被施療者が椅子に着座した状態で使用される。以下の説明において、前後方向、左右方向および上下方向とは、被施療者が椅子に着座したときに、その被施療者から見た場合の前後方向、左右方向および上下方向をそれぞれいうものとする。
【0058】
図8Aは、マッサージ機1の第1の使用形態を説明するための斜視図である。
図8Bは、マッサージ機1の第1の使用形態を説明するための側面図である。
【0059】
第1の使用形態では、被施療者100は、床上に置かれた椅子101に着座した状態でマッサージを受ける。第1収納体11の表面11aが上を向きかつ第1収納体11の第1側面11cが前方を向く状態で、第1施療部2が床上に置かれる。そして、被施療者100は、第1施療部2上に足を載せる。また、被施療者100は、第3施療部4Aを右脹脛(右下腿)に巻き付け、結束用テープ25,26の両端部を結合する。同様に、被施療者100は、第4施療部4Bを左脹脛(左下腿)に巻き付け、結束用テープ35,36の両端部を結合する。
【0060】
この第1の使用形態では、マッサージ機1は、第1施療部2による足裏を温めながらの振動マッサージ(足裏マッサージ)と、第3施療部4Aによる右脹脛へのエア式マッサージ(押圧マッサージ)と、第4施療部4Bによる左脹脛へのエア式マッサージ(押圧マッサージ)とを行うことができる。
【0061】
図9Aは、マッサージ機1の第2の使用形態を説明するための斜視図である。
図9Bは、マッサージ機1の第2の使用形態を説明するための側面図である。
【0062】
第2の使用形態においても、被施療者100は、椅子101に着座した状態でマッサージを受ける。第1収納体11の表面11aが上を向きかつ第1収納体11の第3側面11eが前方を向く状態で、第1施療部2が椅子101上に置かれる。そして、被施療者100は、第1施療部2上に腰を掛ける。
【0063】
また、被施療者100は、第4施療部4Bを右脹脛に巻き付け、結束用テープ35,36の両端部を結合する。同様に、被施療者100は、第3施療部4Aを左脹脛に巻き付け、結束用テープ25,26の両端部を結合する。
【0064】
この第2の使用形態では、マッサージ機1は、第1施療部2による臀部および大腿部を温めながらの振動マッサージと、第3施療部4Aによる左脹脛へのエア式マッサージと、第4施療部4Bによる右脹脛へのエア式マッサージとを行うことができる。
【0065】
図10Aは、マッサージ機1の第3の使用形態を説明するための斜視図である。
図10Bは、マッサージ機1の第3の使用形態を説明するための側面図である。
【0066】
第3の使用形態においても、被施療者100は、椅子101に着座した状態でマッサージを受ける。第1収納体11の表面11aが上を向きかつ第1収納体11の第1側面11cが前方を向く状態で、第1施療部2が椅子101上に置かれる。そして、被施療者100は、連結部3の表面3a全体と、第2収納体21の表面21aの第4側縁21f寄り部分と、第3収納体31の表面31aの第2側縁31d寄り部分とが背中に沿うようにして、第1施療部2上に腰を掛ける。
【0067】
そして、被施療者100は、第3施療部4Aと第4施療部4Bとからなる第2施療部4が、被施療者100の腰部に巻き付くように、第3施療部4Aの結束用テープ25の解放端部と第4施療部4Bの結束用テープ36の解放端部とを結合する。
【0068】
この第3の使用形態では、マッサージ機1は、第1施療部2による臀部および大腿部を温めながらの振動マッサージと、第2施療部4による腰部へのエア式マッサージとを行うことができる。
【0069】
次に、マッサージ機1の収納方法について説明する。
【0070】
図11A~
図11Hは、マッサージ機1の収納方法を説明するための斜視図である。説明の便宜上、
図11A~
図11Hにおいては、制御ユニット6およびリモコン7は省略されている。
【0071】
まず、
図11Aおよび
図11Bに示すように、第3施療部4Aの表面21aの略外側半分が略内側半分に重なるように、第3施療部4Aを折り畳むと同時に、第4施療部4Bの表面31aの略外側半分が略内側半分に重なるように、第4施療部4Bを折り畳む。
【0072】
次に、
図11Bおよび
図11Cに示すように、折り畳まれた第3施療部4Aを、その第1側縁21cを中心軸として、連結部3の表面3a側に向かって折り倒すと同時に、折り畳まれた第4施療部4Bを、その第1側縁31cを中心として、連結部3の表面3a側に向かって折り倒す。
【0073】
次に、
図11Cおよび
図11Dに示すように、連結部3を第3施療部4Aおよび第4施療部4Bとともに、その第1側縁3cを中心軸として、第1施療部2の表面11a側に向かって折り倒す。言い換えれば、連結部3の表面3aと第1施療部2との間に第2施療部4(第3施療部4Aおよび第4施療部4B)とが挟まれるように、連結部3を第1施療部2に向かって折り倒す。
【0074】
これにより、
図11Dに示すように、連結部3の表面3aと第1施療部2の表面11aとの間に、折り畳まれた第3施療部4Aおよび第4施療部4Bが挟まれた状態となる。また、連結部3の裏面3bが上を向いた状態となる。連結部3の裏面3bには、前述したように、収納袋5が裏返されかつ畳まれた状態で、固定されている。
【0075】
次に、
図11Eに示すように、結束用バンド43の両端部の結合を解いた後、折り畳まれている収納袋5を、裏返し状態のまま延ばす。
【0076】
次に、
図11E~
図11Gに示すように、裏返し状態の収納袋5を、本来の袋外面が外側に露出するように表に返しながら、第1施療部2、連結部3、第2施療部4(第3施療部4Aおよび第4施療部4B)、制御ユニット6(
図11E~
図11Gにおいて図示略)およびリモコン7(
図11E~
図11Gにおいて図示略)を袋本体41で包み込む。
【0077】
最後に、
図11Hに示すように、袋本体41によって包み込まれたマッサージ機1全体を上下面が反対となるように引っ繰り返した後、紐42の両端を引っ張って、収納袋5の開口部を閉じる。この後、図示していないが、紐42の両端を結ぶ。
【0078】
これにより、第1施療部2、連結部3、第2施療部4(第3施療部4Aおよび第4施療部4B)、制御ユニット6およびコントローラ7が収納袋5に収納される。より詳しくは、第2施療部4が連結部3の表面3a側に向かって折り倒されかつ連結部3の表面3aと第1施療部2との間に第3施療部4Aおよび第4施療部4Bが挟まれるように、連結部3が第1施療部2側に向かって折り倒されている状態で、マッサージ機1が、収納袋5に収納される。
【0079】
前述の実施形態では、マッサージ機1の不使用時にマッサージ機1全体を収納袋5に収納でき、しかも、収納袋5を紛失しにくいマッサージ機1を実現できる。
【0080】
また、前述の実施形態では、収納袋5は、連結部3に設けられているので、収納袋5を第1施療部2または第2施療部4に設ける場合に比べて、マッサージの邪魔になりにくい。特に、前述の実施形態では、マッサージ機1の使用時には、収納袋5は、折り畳まれた状態で、連結部3の裏面3bに固定されるので、マッサージの邪魔になりにくい。
【0081】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。前述の実施形態では、収納袋5は連結部3に設けられているが、収納袋5は第1施療部2または第2施療部4に設けられてもよい。
【0082】
また、前述の実施形態では、第1施療部2は、振動マッサージが行えるように構成されているが、第1施療部2は、エア式マッサージを行えるように構成されていてもよい。この場合には、第1施療部2に1または複数のエアバックが設けられる。
【0083】
また、第2施療部4は、エア式マッサージを行えるように構成されているが、振動マッサージが行えるように構成されていてもよい。この場合には、第2施療部4に、バイブレータが設けられる。
【0084】
さらに、第1施療部2が行えるマッサージの種類は、振動マッサージ、エア式マッサージ以外のマッサージであってもよい。同様に、第2施療部4が行えるマッサージの種類は、振動マッサージ、エア式マッサージ以外のマッサージであってもよい。
【0085】
前述の実施形態では、第2施療部4は、第3施療部4Aと第4施療部4Bとの2つの施療部から構成されているが、1つの施療部あるいは3以上の施療部から構成されていてもよい。
【0086】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【0087】
この明細書および図面の記載からは、以下のような特徴が抽出され得る。
【0088】
[A1] 第1マッサージが可能な第1施療部と、第2マッサージが可能な第2施療部と、前記第1施療部と前記第2施療部とを連結する連結部と、前記第1施療部、前記第2施療部および前記連結部のいずれかに設けられ、前記第1施療部、前記連結部および前記第2施療部を収納する収納袋とを含む、マッサージ機を提供する。
【0089】
この構成では、マッサージ機の不使用時にマッサージ機全体を収納袋に収納でき、しかも、収納袋を紛失しにくいマッサージ機を実現できる。
【0090】
[A2] 前記連結部は、第1表面と前記第1表面とは反対側の第2表面とを有しており、前記収納袋は、前記連結部の前記第2表面に固定されており、前記収納袋は、前記第2施療部が前記連結部の前記第1表面側に向かって折り倒されかつ前記連結部の前記第1表面と前記第1施療部との間に前記第2施療部が挟まれるように、前記連結部が前記第1施療部側に向かって折り倒されている状態で、前記第1施療部、前記連結部および前記第2施療部を収納するように構成されている、[A1]に記載のマッサージ機。
【0091】
[A3] 前記収納袋は、巾着袋からなり、裏返されかつ折り畳まれた状態で、前記連結部の前記第2表面に固定されている、[A2]に記載のマッサージ機。
【0092】
[A4] 前記収納袋は、伸縮性を有する材料からなる袋本体を備えている、[A1]~[A3]のいずれかに記載のマッサージ機。
【0093】
[A5] 前記第1施療部は、振動マッサージを行うためのバイブレータを備えている、[A1]~[A4]のいずれかに記載のマッサージ機。
【0094】
[A6] 前記第1施療部は、振動マッサージを行うためのバイブレータと、被施療部を温めるためのヒータとを備えている、[A1]~[A4]のいずれかに記載のマッサージ機。
【0095】
[A7] 前記第1施療部は、空気の給排気により膨張収縮することによってエア式マッサージを行うための1または複数のエアバックを備えている、[A1]~[A4]のいずれかに記載のマッサージ機。
【0096】
[A8] 前記第2施療部は、空気の給排気により膨張収縮することによってエア式マッサージを行うための1または複数のエアバックを備えている、[A1]~[A7]のいずれかに記載のマッサージ機。
【符号の説明】
【0097】
1 マッサージ機
2 第1施療部
3 連結部
4 第2施療部
4A 第3施療部
4B 第4施療部
5 収納袋
6 制御ユニット
7 リモートコントローラ(リモコン)
11 第1収納体
12 バイブレータ
13 ヒータ
13A 第1ヒータ
13B 第2ヒータ
21 第2収納体
22,23,24 エアバック
25,26 結束用テープ
27,28 着脱式結合部材
31 第3収納体
32,33,34 エアバック
35,36 結束用テープ
37,38 着脱式結合部材
41 袋本体
41a 紐通し部
42 紐
43 結束用テープ
44,45 着脱式結合部材
60 制御部
61~65 駆動回路
71 エアポンプ
72,73 電磁弁
74,75,76 エアチューブ