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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】筐体を搭載するための装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/03 20060101AFI20240314BHJP
【FI】
H05K5/03 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023509796
(86)(22)【出願日】2021-08-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 EP2021072257
(87)【国際公開番号】W WO2022034066
(87)【国際公開日】2022-02-17
【審査請求日】2023-06-19
(31)【優先権主張番号】202020104684.5
(32)【優先日】2020-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】599176300
【氏名又は名称】ゲオルク シュレーゲル ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー
【氏名又は名称原語表記】Georg Schlegel GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Kapellenweg 4 88525 Duermentingen Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シュレーゲル クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ブランク クルト
(72)【発明者】
【氏名】カエストレ アンドレアス
【審査官】原田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-077383(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2010/0176261(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0059169(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0105803(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体等の機能要素(4)と
前記機能要素(4)を搭載するための装置(2)と、
から成るシステムにおいて、
前記装置(2)が、前記装置(2)を表面に締結するための手段(11)を有しており、
前記機能要素(4)が、電子的構成要素及び/又は電気的構成要素を挿入するための内部空間を有している、システムであって、
前記装置(2)が表面上に搭載されているときに前記装置(2)への前記機能要素(4)の機械的固定を獲得するために、前記装置(2)及び前記機能要素(4)が嵌め込まれるように設計されており、
嵌め込んだ前記機能要素(4)及び前記装置(2)が押し離されることを阻止するために、スナップ嵌め安全ロック(12)が設けられており、
前記装置(2)が表面上に搭載されているときに前記装置(2)が前記機能要素(4)と嵌め込み固定された状態において、前記スナップ嵌め安全ロック(12)が、外側から到達可能かつ解除可能であり、
前記スナップ嵌め安全ロック(12)が、前記装置(2)上への前記機能要素(4)の搭載と、前記装置(2)からの前記機能要素(4)の撤去と、を複数回行うことを可能にし、かつ/又は、支援する、システムであって、
前記装置(2)が、プレート状のデザインを有しており、前記装置(2)の前面(1)上の側方縁(5)が、前記前面(1)の表面(6)よりも厚肉であるように設計されており、
前記機能要素(4)が、前記装置(2)の前面(1)に接続可能な背面(3)上に、細長い隆起(8)を有しており、前記細長い隆起(8)に対し、前記装置(2)の前記前面(1)上の前記側方縁(5)が、接続された状態において、当接しており、
前記装置(2)が、前記機能要素(4)上のガイド要素(21)のためのガイド部分(25)を有しているガイド開口(17)を含んでおり、前記ガイド要素(21)が、前記ガイド部分(25)に適合しており、前記装置(2)の前記前面(1)上において、前記ガイド開口(17)が、より広い領域(19)及びより狭い領域(20)を有しており、
前記機能要素(4)が、前記機能要素(4)上の前記背面(3)上に突出している前記隆起(8)上に形成された前記ガイド要素(21)を含んでいることを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記装置(2)がタブ(26)を含んでおり、前記タブ(26)が、前記装置(2)のそれ以外の部分上において、可動の様態で、弾性的に可動の様態で、弾力的に、配置されている、ことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記タブ(26)が隆起(15)を含んでおり、前記隆起(15)が、最終的な搭載状態において、前記隆起(15)に適合された前記機能要素(4)上の噛み合い輪郭(16)と連結されることが可能な態様で設計されている、ことを特徴とする、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記機能要素(4)が、前記装置(2)上の前記隆起(15)に適合された噛み合い輪郭(16)を含んでいることを特徴とする、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
前記装置(2)が、締結するための手段(11)を収容するために、材料凹部(9)を有していることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一つに記載のシステム。
【請求項6】
記狭い領域(20)内には、平行に並ぶガイドリッジ(18)が存在している、ことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一つに記載のシステム。
【請求項7】
前記ガイド開口(17)が、前記機能要素(4)の前記ガイド要素(21)を収容するように設計されていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一つに記載のシステム。
【請求項8】
前記ガイド要素(21)が、前記機能要素(4)の背面(3)から突出して形成されており、前記機能要素(4)の前記背面(3)が、嵌め込む過程において、前記装置(2)に面する、請求項1~7のいずれか一つに記載のシステム。
【請求項9】
前記機能要素(4)が接続装置(24)を含んでおり、前記接続装置(24)が、前記機能要素(4)を構成する前記機能要素(4)の構成要素を接続する、ことを特徴とする、請求項1~8のいずれか一つに記載のシステム。
【請求項10】
請求項の1~9のいずれか一つに記載のシステム(2,4)と、前記締結するための手段(11)の補助により前記装置(2)を取り付けることが可能な表面と、の組合せ。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[最新技術]
電気的構成要素及び/又は電子的構成要素を収容するように設計された機能要素、特に、筐体、が一般に公知である。公知の機能要素は、電気的構成要素又は電子的構成要素に電流又は電圧を供給するためのブッシングを含んでいる。
【0002】
機能要素を、締結手段、例えば、ねじ、の補助により、表面上に直接的に搭載可能であることが公知である。この場合の短所とは、機能要素内に収容された電気的構成要素又は電子的構成要素の点検及び/又は修理を行う度に、機能要素を表面から比較的煩雑な様態で撤去しなければならないことである。
【0003】
[本発明の目的及び利点]
本発明の根底にある目的は、表面上への機能要素の搭載を経済的に及び技術的に改善することである。
【0004】
この目的は、独立請求項の特徴により達成される。
【0005】
本発明の、有利であって目的にかなう実施形態、変形例、及び、展開例は、従属請求項に明記されている。
【0006】
本発明は、機能要素、特に、筐体、と、機能要素を搭載するための装置と、から成るシステムに由来し、装置は、装置を表面上に締結するための手段を有している。機能要素は好ましくは、電気的構成要素及び/又は電子的構成要素に電流又は電圧を供給するためのブッシングを有している。機能要素は、電子的構成要素及び/又は電気的構成要素を挿入するための内部空間を有している。
【0007】
システムは好ましくは、互いに分離可能ないくつかのシステム構成要素を備えている。第1のシステム構成要素は好ましくは、機能要素であり、第2のシステム構成要素は、機能要素を搭載するための装置である。機能要素を搭載するための装置は、以下において単に「装置」と称する。
【0008】
機能要素は好ましくは、筐体、特に、電子的構成要素のための筐体である。機能要素が6つの壁部分を有するとともに、6つの壁部分が内部空間を画定する場合、利点となる。電気的構成要素及び電子的構成要素は好ましくは、機能要素の内部空間内に収容されることが可能である。搭載状態において、機能要素の上面には、1つの窪み、穿孔、若しくは開口部、又は、いくつかの窪み、穿孔、若しくは開口部が好ましくは配置されており、その/それらの中には、操作要素、例えば、押しボタン、及び/又は、スイッチ、及び/又は、キー、例えば、非常停止キー、が配置されている。代替的に、機能要素の上面は、窪みを何ら有さないこともあり得る。さらに、多様な電子的構成要素及び/又は電気的構成要素、例えば、ケーブル、プリント回路基板、端子、端子台、送信機、及び/又は、アンテナ、といったものが、機能要素の内部空間内に配置され得る。電子的構成要素及び/又は電子的構成要素を有している機能要素は有利にも、例えば、スイッチ又はいくつかのスイッチング装置を有する機器を結果的に生じる。機能要素の壁部分上には、ブッシングが有利にも形成されており、その中に、例えば、1つ以上の電線を有する絶縁電力ケーブルを配置することが可能である。電力ケーブルを介して、機能要素内に収容された電気的構成要素又は電子的構成要素を有利にも、電気的に接続することができる。さらなる可能性としては、機能要素が、プラグ接続のための開口を有するということであり、ケーブルがプラグを有しており、このケーブルは、電源に接続されており、ケーブルのプラグを、機能要素上の開口内に挿入することができる。機能要素は、アンテナも有し得る。機能要素は好ましくは、絶縁材料、例えば、ポリマー、又は、金属材料、例えば、ステンレス鋼、を含む。
【0009】
機能要素は有利にも、1つの片体又は複数個の片体で形成されており、複数個の片体で構成されている機能要素の場合においては、これらの部品を互いに取り外し可能に接続することができる。
【0010】
装置は好ましくは、使用可能な状態において、機能要素と、静的に装着可能な表面との間に配置されている。表面は、例えば、壁、アルミニウムプロファイル、又は、何らかの他の平坦であって静的に装着可能な表面である。
【0011】
装置は好ましくは、プレート状のデザインを有しており、好ましくは、材料凹部を有している。材料凹部は、装置を表面上に締結するために、締結するための手段、例えば、ねじ、を収容することができるような態様で設計されている。
【0012】
本発明の本質は、装置が表面上に搭載されているときに、装置への機能要素の機械的固定を獲得するために、装置及び機能要素が嵌め込まれるように設計されており、また、嵌め込んだシステム構成要素が摺動して離れることを阻止するために、スナップ嵌め安全ロックが設けられており、装置が表面上に搭載されているときに装置が機能要素と嵌め込み固定された状態において、スナップ嵌め安全ロックは、外側から到達可能かつ解除可能であり、スナップ嵌め安全ロックは、装置上への機能要素の搭載と、装置からの機能要素の撤去と、を複数回行うことを可能にし、かつ/又は、支援する、という事実に見ることができる。
【0013】
装置は好ましくは、機能要素が装置上に搭載されるか又は装置内に押し込まれる前に、まず、表面上に搭載される。機能要素は、最終的な搭載状態が獲得されるまで装置内へ摺動させることができる。
【0014】
機能要素及び装置を最終的な搭載状態まで嵌め込むと、スナップ嵌め安全ロックが係合する。これにより、機能要素は好ましくは、装置に機械的に堅固に固定される。スナップ嵌め安全ロックがまだ係合していない場合、機能要素を、補助又は道具を何ら用いずに装置から外すことができる。しかしながら、機能要素が装置に連結している場合、この連結又は固定は好ましくは、道具、例えば、ねじ回し、を用いて外側から解除することができる。これにより、装置から機能要素を撤去することができる。装置から機能要素を撤去した後、機能要素を有利にも、改めて道具を用いずに、装置にいつでも搭載することができる。装置上への機能要素の搭載又は挿入、及び、撤去又は押し戻しは、好ましくは、所望される頻度だけ繰り返すことができる。
【0015】
装置がタブを含んでおり、タブが、装置のそれ以外の部分上において、可動の様態で、好ましくは、弾性的に可動の様態で、例えば、弾力的に、配置されている場合、利点となる。
【0016】
スナップ嵌め安全ロックのタブは特に、タブが装置のそれ以外の部分に対して可動である様態で設計されており、装置のそれ以外の部分は好ましくは、剛性の構成要素である。この目的のため、装置は好ましくは、細長い切欠きを有しており、好ましくは、対向するとともに平行な様態で延在する2つの細長い切欠きが存在している。細長い切欠きは好ましくは、スナップ嵌め安全ロックの外側縁と装置のリッジ(峰)状の側方縁との間に形成されている。
【0017】
タブが隆起を含んでおり、隆起が、機能要素上の、隆起に適合された噛み合い輪郭と連結されることが可能な態様で形成されている、ことが同様に利点である。
【0018】
タブは好ましくは、自由端において隆起を含んでいる。隆起を有しているタブは好ましくは、装置のそれ以外の部分に対して弾性的に可動であり、それにより、タブが、張力のかかった状態から緩和した状態にリセットされる。隆起は好ましくは、嵌め込む過程において機能要素と接触する、装置の側面上に形成されている。
【0019】
隆起は有利にも、好ましくは三角形の横断面を有する角柱の形を取る。隆起は好ましくは、戻り止め突起及び/又は戻り止め突出部の形を取る。隆起が、機能要素上の、適合する噛み合い輪郭、例えば、窪み又はへこみ、に係合可能である場合、有利である。隆起を有しているタブは有利にも、予め加えられる張力のために、適合する噛み合い輪郭内にクリック嵌合(カチッと篏合)することができる。
【0020】
機能要素は有利にも、装置上の隆起に適合された噛み合い輪郭を含んでいる。
【0021】
機能要素上に形成された、スナップ嵌め安全ロックの噛み合い輪郭は好ましくは、装置の隆起又は戻り止め突起に適合されている。噛み合い輪郭は好ましくは、立方体状の窪みである。機能要素上の噛み合い輪郭内に、装置の隆起が係合した結果としてのみ、機能要素は、装置に対し、機械的に堅固に固定される。隆起が噛み合い輪郭内へ掛かると、好ましくは、可聴音を生じる。この音は有利にも、ユーザにより知覚可能であり、それにより、ユーザは、機能要素の装置上における定位置への掛かり又はクリック嵌合と、結果として、最終的な搭載状態にも、気付くことができる。装置から、好ましくは道具の補助により、機能要素を撤去するために、機能要素上の噛み合い輪郭から、隆起を外側から離脱させることが可能である。
【0022】
締結手段を収容するために、装置が材料凹部を有していることも有利である。
【0023】
材料凹部は例えば、締結手段、例えば、ねじ、が係合可能な細長い穴である。装置上には、少なくとも1つの材料凹部が有利にも存在している。装置上には、特に、2つの細長い穴の形を取る2つの材料凹部が、好ましくは形成されている。材料凹部が装置の幅に沿って延在している場合、利点となる。材料凹部は好ましくは、漏斗の態様で深くされている。材料凹部は有利にも、表面上に搭載可能な背面の方向に材料凹部がより狭くなる態様で形成されている。漏斗状又はくさび状の窪みにより、表面上における装置の搭載状態において、装置上における締結手段は突出しない。
【0024】
装置は好ましくは、丁度2つの材料凹部を含んでおり、これらの両方が、好ましくは細長い穴の形を取っている。よって、例えば、表面、例えば、壁に対して水平又は鉛直な方向に対して直角に、装置の位置決めを獲得することができる。
【0025】
装置が、ガイド要素のためのガイド部分を有しているガイド開口を有しており、ガイド要素が、ガイド部分に適合しており、機能要素上のガイド突起を有する、ことが有利である。
【0026】
ガイドリッジは有利にも、ガイド開口内に形成されており、ガイドリッジは好ましくは、ガイド開口上に平行に配置されている。例えば、装置のガイドリッジは、ガイド要素のガイド突起に適合する、少なくとも1つのガイド部分、例えば、対向するガイド部分を含んでいる。この適合は、摺動方向に垂直な方向において、システム構成要素が互いに対してぴったりと据え付けられるか又は接着剤により封鎖されるようなものであり得る。
【0027】
機能要素上のガイド突起は好ましくは、嵌め込む過程において、後方から装置上のガイド部分に係合する。システム構成要素を嵌め込む過程において、スナップ嵌め安全ロックは好ましくは、機能要素上のへこみ内に追加的に掛かり、それにより、機能要素は、最終的な搭載状態において、装置に機械的に堅固に固定される。
【0028】
ガイド部分が機能要素上に形成されること、及び、ガイド突起が装置上に形成されることも考えられる。
【0029】
装置は有利にも、広い領域及び狭い領域を有するガイド開口を含んでおり、狭い領域内には、平行に配列されたガイドリッジが存在している。
【0030】
ガイド開口が矩形である場合、利点となる。装置は好ましくは、少なくとも1つのガイド開口を有しているが、2つ以上のガイド開口も可能である。ガイド開口は好ましくは、タブ内に部分的に形成されている。さらに、ガイド開口が、好ましくは1つ以上のガイドリッジによって摺動方向において狭くなる場合、有利である。ガイドリッジは有利にも、ガイド開口上に、対向する様態で配置されている。
【0031】
ガイド開口が、機能要素のガイド要素を収容するように設計されていることが、同様に有利である。
【0032】
機能要素を、表面上に搭載された装置内に2段階で押し込むことが可能である場合、利点となる。第1に、機能要素のガイド要素を好ましくは、装置のガイド開口の広い領域内に挿入することが可能である。装置上には、リッジ状の側方縁が形成されており、それにより、押すプロセスの過程において、装置を、機能要素の背面上において長手方向に形成された、機能要素上の細長い隆起に沿って押すことができる。リッジ状の側方縁及び細長い隆起は、最終的な搭載状態において、装置の側方縁が好ましくは、大部分が、機能要素上の細長い隆起と接触する態様で形成されている。その後、第2の段階において、機能要素を、ガイド要素がガイド開口の狭い領域に入るように摺動方向に押すことができる。摺動プロセスの間、ガイド要素上のガイド突起は、後方からガイドリッジ上のガイド部分に係合するとともに、ガイド部分に沿って、最終的な搭載状態へと押される。ガイド開口の狭い領域内においては、摺動方向とは反対の方向を除く全ての方向における機能要素の動きを防止するガイドリッジが、好ましくは配置されている。
【0033】
さらに、ガイド要素が、機能要素の背面から突出して形成されており、機能要素の背面が、嵌め込む過程において、装置に面している、ことが有利である。
【0034】
ガイド要素は有利にも、機能要素の背面上に形成されている。機能要素の背面は好ましくは、搭載状態又は嵌め込み状態において、装置に面している側面である。ガイド要素は好ましくは、特に、2つの反対向きの傾斜又は傾斜している表面を有するガイド突起の形を取る。ガイド突起は有利にも、装置上への機能要素の取り付けを支援する。さらに、ガイド突起が、装置内への押し込みの過程において、機能要素をガイドする場合、有利である。
【0035】
機能要素は有利にも、接続装置を含んでおり、接続装置は、機能要素を構成している、機能要素の構成要素を接続している。
【0036】
機能要素は好ましくは、複数個の片体で形成されており、それにより、機能要素の或る構成要素は、機能要素の別の構成要素から分離可能である。機能要素の複数の構成要素は好ましくは、接続装置、例えば、ねじ、により互いに接続されている。接続装置は有利にも、機能要素の背面上に配置されている。この場合、接続装置は、機能要素が装置から引き出された結果としてのみ、到達可能である。このことは有利にも、機能要素の美観を高めるが、その理由は、接続装置が、搭載状態において視認可能ではないためである。
【0037】
本発明は、上記の変形例のうちの1つに従って設計された機能要素及び装置を備えているシステムと、締結手段の補助により装置を取り付けることが可能な表面と、の組合せにまで及ぶ。
【図面の簡単な説明】
【0038】
[図の説明]
本発明のさらなる特徴及び利点は、模式化された形で表現された、本発明の例示的な一実施形態を参照して、より詳細な様態で説明されている。
【0039】
詳細は以下の通りである。
【0040】
図1】本発明による、機能要素を搭載するための装置の正面図を示している。
図2】本発明による装置の斜め後ろからの斜視図を示している。
図3】本発明による装置の背面図を示している。
図4】本発明による代替的装置の、機能要素を伴った斜視図を示している。
図5】斜視図を示しており、図4による装置内に、機能要素が部分的に押し込まれている。
図6】搭載されて完全に挿入された状態にある装置の、機能要素を伴った斜視図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0041】
装置2の前面1は好ましくは、機能要素4、例えば、筐体(図6を参照)、の背面3に接続されることが可能である。装置2は、プレート状のデザインを有しており、装置2の前面1上の側方縁5は好ましくは、前面1の表面6(図1を参照)よりも厚肉であるように設計されている。機能要素4は、背面3上に細長い隆起8を有し、この細長い隆起8に対し、装置2の前面1上の側方縁5を、当接する様態で配置することができる(図5を参照)。
【0042】
装置2は好ましくは、装置2を、締結手段11、例えば、ねじ、を用いて表面(図示せず)上に締結することができるように、細長い穴9の形の材料凹部をさらに有している(図1を参照)。この表面には、様々な材料から構成され得る鉛直面、例えば、壁、及び/又は、傾斜面、及び/又は、水平面、例えばテーブル、が含まれ得る。
【0043】
装置2の細長い穴9は有利にも、漏斗状又はくさび状の窪み10を有しており、それにより、細長い穴9は、背面7上におけるよりも前面1上において大きくなるように設計されている(図1及び図3を参照)。よって、締結手段11は有利にも、装置2の搭載状態において、装置2の前面1の外側表面から突出しない。よって、装置の前面1の表面は好ましくは、嵌め込む過程において、機能要素4の背面3の表面と接触することができる(図5及び図6を参照)。
【0044】
細長い穴9は好ましくは、締結手段11を3つの位置で挿入することができるような態様で、前面1に形成されている。この目的のため、細長い穴9は、波状の窪み10を有しており、各湾曲部分内に、締結手段11を挿入することができる。
【0045】
少なくとも1つの細長い穴、好ましくは2つの細長い穴9が装置2に形成されている場合、利点となる。その結果、装置2は有利にも、搭載状態において位置決め可能な様態で、表面に締結することができる。さらに、装置2が2つの細長い穴9を有する場合、好ましくは、装置2を、締結の過程において、鉛直に、及び/又は、水平に、及び/又は、表面上における水平若しくは鉛直に対して直角に、変位させることと、所望の位置に締結することと、が可能である。
【0046】
スナップ嵌め安全ロック12は好ましくは、タブ26と、タブ26上の隆起15と、機能要素4上の噛み合い輪郭16と、を備えており、隆起15を有したタブ26は、装置2上に形成されている。タブ26は好ましくは、装置2のそれ以外の部分に対して可動である。この目的のため、装置2上には細長い切欠き13が有利にも存在しており、細長い切欠き13は、リッジ(峰)状の形状を有している側方縁5とタブ26の外側縁14との間において、好ましくは両側に形成されている。
【0047】
タブ26上には、機能要素4と連結することが可能な戻り止め突起が、好ましくは配置されている。隆起15は、例えば、戻り止め突起、好ましくは、角柱、の形を取る。隆起又は角柱の突出表面は、嵌め込んだ状態において、機能要素4上の噛み合い輪郭16と有利にも連結する(図6を参照)。
【0048】
機能要素4上の噛み合い輪郭16は好ましくは、立方体状の及び/又は角柱状の窪みである(図4を参照)。タブ26が噛み合い輪郭16上の定位置にクリック篏合(カチッと嵌合)すると、クリック音(カチッという音)が発生し、それによりユーザは、最終的な搭載状態に気付く。
【0049】
装置2は、有利にも矩形であるガイド開口17を含んでいる(図3を参照)。機能要素4のサイズに依存して、装置2は、1つ、2つ、又は、それよりも多くのガイド開口17を有し得る。装置2のガイド開口17内に配置されたガイドリッジ18により、ガイド開口17は好ましくは、狭められている(図2を参照)。よって、例えば、ガイド開口17は、装置2の背面7上において矩形である(図2を参照)。装置2の前面1上において、ガイド開口17は有利にも、より広い領域19と、より狭い領域20と、を有している(図1を参照)。ガイドリッジ18は、ガイド開口17上に、好ましくは対向するとともに平行な様態で配置されている。
【0050】
機能要素4は好ましくは、機能要素4の背面3上において突出して形成されたガイド要素21を含んでいる(図4を参照)。ガイド要素21は好ましくは、台形状である。ガイド要素21の側面は好ましくは、2つの部分、即ち、後方からガイドリッジ18に係合するガイド突起22、及び、ガイド突起22と機能要素4の背面3との間に配置された部分23、を有している。
【0051】
さらに、機能要素4がいくつかの構成要素から形成されている場合に機能要素4の構成要素を接続する接続装置24が、機能要素4上に配置され得る。接続装置24は有利にも、機能要素4の背面3上に配置されており、接続装置24は好ましくは、ねじを含む(図4図6を参照)。
【0052】
装置2は好ましくは、表面、例えば、壁、上に搭載されている。装置2に機能要素4を固定する目的のため、機能要素4のガイド要素21は有利にも、装置2上のガイド開口17の広い領域19内に挿入される(図5を参照)。機能要素4は好ましくは、摺動方向Sに移動させられる。このプロセスにおいて、ガイド要素21は有利にも、ガイド開口17の狭い領域20に入る(図6を参照)。押すプロセスの過程において、機能要素4のガイド突起22は好ましくは、装置2のガイドリッジ18に、後方から係合する。機能要素4上のガイド突起22は好ましくは、ガイドリッジ18上のガイド部分25に沿ってガイドされる。さらに、装置2上の側方縁5は有利にも、押すプロセスの過程において、側方縁5が機能要素4上の細長い隆起8に沿って案内されることが可能な態様で、形成されている。機能要素4が、押す方向Sに沿って押されると、タブ26上の隆起15は好ましくは、機能要素4上の噛み合い輪郭16に入る(図6を参照)。よって、機能要素4及び装置2を含む、嵌め込んだシステム構成要素は有利にも、互いに機械的に堅固に固定される。隆起15は好ましくは、道具の補助により、例えば、ねじ回し、という手段により、機能要素4上の噛み合い輪郭16から、外すこと、例えば、押し出すこと、が可能である。よって、機能要素4を装置2から撤去することができる。
【符号の説明】
【0053】
[参照記号のリスト]
1…前面、2…装置、3…背面、4…機能要素、5…側方縁、6…表面、7…背面、8…隆起、9…細長い穴、10…窪み、11…締結手段、12…スナップ嵌め安全ロック、13…切欠き、14…外側縁、15…隆起、16…噛み合い輪郭、17…ガイド開口、18…ガイドリッジ、19…領域、20…領域、21…ガイド要素、22…ガイド突起、23…部分、24…接続装置、25…ガイド部分、26…タブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6