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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-14
(45)【発行日】2024-03-25
(54)【発明の名称】吸収分光システムおよび吸収分光方法
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/10 20060101AFI20240315BHJP
   G01N 21/39 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
H01S3/10
G01N21/39
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020105966
(22)【出願日】2020-06-19
(65)【公開番号】P2022000875
(43)【公開日】2022-01-04
【審査請求日】2023-01-04
(73)【特許権者】
【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人東海国立大学機構
(73)【特許権者】
【識別番号】390037327
【氏名又は名称】積水メディカル株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】富田 英生
(72)【発明者】
【氏名】ゾンネンシャイン フォルカ
(72)【発明者】
【氏名】寺林 稜平
(72)【発明者】
【氏名】吉田 賢二
(72)【発明者】
【氏名】二宮 真一
(72)【発明者】
【氏名】真野 和音
(72)【発明者】
【氏名】神谷 直浩
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-223947(JP,A)
【文献】米国特許第05835522(US,A)
【文献】特開2015-076467(JP,A)
【文献】国際公開第2016/038990(WO,A1)
【文献】特開平09-260751(JP,A)
【文献】特開平10-075006(JP,A)
【文献】特開平07-152055(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第00625811(EP,A1)
【文献】特開2009-266959(JP,A)
【文献】米国特許第05418800(US,A)
【文献】国際公開第2018/135619(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0033256(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/00-3/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料による光の吸収を測定部を用いて測定する吸収分光システムであって、
前記測定部に照射するためのレーザ光を第1のミラーを介して発する光源と、
前記レーザ光の一部からフィードバック光を生成し、生成したフィードバック光を前記光源に戻すことで前記光源を注入同期させるパッシブフィードバック部とを備え、
前記パッシブフィードバック部は、キャビティを含み、
前記キャビティは、前記フィードバック光を生成する第2および第3のミラーを含み、
前記第2および第3のミラーの各々の反射率は、前記第1のミラーの反射率よりも高い、吸収分光システム。
【請求項2】
前記第2のミラーと前記第3のミラーとは、互いに対向するように配置されている、請求項1に記載の吸収分光システム。
【請求項3】
前記パッシブフィードバック部は、前記第3のミラーに設けられたピエゾ素子をさらに含み、
前記ピエゾ素子は、前記第3のミラーを変位させることで前記キャビティのキャビティ長を変化させることが可能に構成されている、請求項2に記載の吸収分光システム。
【請求項4】
前記キャビティは、光を共振させるための第4のミラーをさらに含み、
前記第2~第4のミラーは、前記第2のミラーと前記第3のミラーとを結ぶ光軸と、前記第2のミラーと前記第4のミラーとを結ぶ光軸とがV字型となるように配置されている、請求項1に記載の吸収分光システム。
【請求項5】
前記パッシブフィードバック部は、前記第3のミラーに設けられたピエゾ素子をさらに含み、
前記ピエゾ素子は、前記第3のミラーを変位させることで前記キャビティのキャビティ長を変化させることが可能に構成されている、請求項4に記載の吸収分光システム。
【請求項6】
前記パッシブフィードバック部は、前記第4のミラーに設けられた他のピエゾ素子をさらに含み、
前記他のピエゾ素子は、前記第4のミラーを変位させることで前記キャビティのキャビティ長を変化させることが可能に構成されている、請求項5に記載の吸収分光システム。
【請求項7】
前記第3のミラーの透過光を検出する検出器と、
前記検出器により検出された透過光強度を電気フィードバック信号として、前記レーザ光の駆動電流をフィードバック制御する制御装置とをさらに備える、請求項1~6のいずれか1項に記載の吸収分光システム。
【請求項8】
試料による光の吸収を測定部を用いて測定する吸収分光方法であって、
前記測定部に照射するためのレーザ光を光源に設けられた第1のミラーを介して発するステップと、
前記レーザ光の一部を前記光源の外部に設けられたキャビティで共振させることでフィードバック光を生成し、生成したフィードバック光を前記光源に戻すことで前記光源を注入同期させるステップとを含み、
前記キャビティは、前記フィードバック光を生成する第2および第3のミラーを含み、
前記第2および第3のミラーの各々の反射率は、前記第1のミラーの反射率よりも高い、吸収分光方法。
【請求項9】
前記第2のミラーと前記第3のミラーとは、互いに対向するように配置されている、請求項8に記載の吸収分光方法。
【請求項10】
前記キャビティは、光を共振させるための第4のミラーをさらに含み、
前記第2~第4のミラーは、前記第2のミラーと前記第3のミラーとを結ぶ光軸と、前記第2のミラーと前記第4のミラーとを結ぶ光軸とがV字型となるように配置されている、請求項8に記載の吸収分光方法。
【請求項11】
前記第3のミラーの透過光強度を電気フィードバック信号として、前記レーザ光の駆動電流をフィードバック制御するステップをさらに含む、請求項8~10のいずれか1項に記載の吸収分光方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、吸収分光システムおよび吸収分光方法に関し、より特定的には、パッシブフィードバックを用いた吸収分光システムおよび吸収分光方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な吸収分光法が公知である。たとえばガス吸収分光法の一種であるキャビティリングダウン吸収分光法(CRDS:Cavity Ring-Down absorption Spectroscopy)が知られている。キャビティリングダウン吸収分光法とは、ガスによる光吸収のための実効光路長を共振器(キャビティ)を用いて長くすることにより、当該ガスに含まれる目的成分の濃度を高感度に求める分光手法である。キャビティリングダウン吸収分光法は、たとえば国際公開第2018/001590号(特許文献1)に開示されているように、炭素同位体の分析などの分野に応用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2018/001590号
【非特許文献】
【0004】
【文献】"Optical feedback in dfb quantum cascade laser for mid-infrared cavity ring-down spectroscopy", Hyperfine Interact 238, 10 (2017)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
レーザ周波数を安定化させる技術が提案されている。レーザ周波数を安定化させ、レーザ周波数の線幅(発振周波数の幅)を減少させることで、吸収分光システムの分光精度(または分光感度)を向上させることができる。
【0006】
レーザ周波数の安定化技術の例としてPDH(Pound-Drever-Hall)法が挙げられる。PDH法では、共振器からの反射光が検出器により検出され、その検出器からの高速の電気信号がレーザ光源にフィードバックされる。PDH法の実現には高速な信号処理システムが要求される。
【0007】
より簡易な構成として、電気信号のフィードバックに代えて光のフィードバックを用いる手法が知られている(たとえば非特許文献1参照)。この手法では、レーザ光源からの光をレーザ光源にフィードバックするための共振器が設けられる。この共振器を用いて光をレーザ光源にフィードバックし、レーザ光源を注入同期させる。この手法は、受動的な光のフィードバックによる安定化手法であるため、「パッシブフィードバック」と呼ばれる。
【0008】
詳細は後述するが、パッシブフィードバックにより注入同期されたレーザ光源からのレーザ周波数の線幅を減少させる(狭線幅化する)ためには、パッシブフィードバックに用いるミラーの反射率を高くするか、共振器の共振器長を長くするかが考えられる。しかしながら、ミラーの反射率を高くすることには限界がある。また、共振器長が長くなるほど、共振器への外乱(環境温度の変化または振動等)の影響が大きくなる。そのため、共振器の共振器長を長くすることにも限界がある。
【0009】
本開示は上記課題を解決するためになされたものであり、本開示の目的は、レーザ光源へのパッシブフィードバックにおいて、レーザ周波数の線幅を減少させることが可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の第1の態様に係る吸収分光システムは、試料による光の吸収を測定部を用いて測定する。吸収分光システムは、光源と、パッシブフィードバック部とを備える。光源は、測定部に照射するためのレーザ光を第1のミラーを介して発する。パッシブフィードバック部は、第1のミラーを介して発せられたレーザ光からフィードバック光を生成し、生成したフィードバック光を光源に戻すことで光源を注入同期させる。パッシブフィードバック部はキャビティを含む。キャビティは、フィードバック光を生成する第2および第3のミラーを含む。第2および第3のミラーの各々の反射率は、第1のミラーの反射率よりも高い。
【0011】
本開示の第2の態様に係る吸収分光方法は、試料による光の吸収を測定部を用いて測定する。吸収分光方法は、第1および第2のステップを含む。第1のステップは、測定部に照射するためのレーザ光を光源に設けられた第1のミラーを介して発するステップである。第2のステップは、第1のミラーから発せられたレーザ光を光源の外部に設けられたキャビティで共振させることでフィードバック光を生成し、生成したフィードバック光を光源に戻することで光源を注入同期させるステップである。キャビティは、フィードバック光を生成する第2および第3のミラーを含む。第2および第3のミラーの各々の反射率は、第1のミラーの反射率よりも高い。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、レーザ光源へのパッシブフィードバックにおいて、レーザ周波数の線幅を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】比較例に係る吸収分光システムの全体構成を概略的に示すブロック図である。
図2】実施の形態1に係るガス吸収分光システムの全体構成を概略的に示すブロック図である。
図3】実施の形態1における量子カスケードレーザへのパッシブフィードバックを説明するための図である。
図4】QCLへのパッシブフィードバックを説明するためのフローチャートである。
図5】実施の形態2に係るガス吸収分光システムの全体構成を概略的に示すブロック図である。
図6】実施の形態2における量子カスケードレーザへのパッシブフィードバックを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
【0015】
[比較例]
本開示の実施の形態に係る吸収分光システムの理解を容易にするため、まず、比較例に係る吸収分光システムの構成について説明する。
【0016】
<システム構成>
図1は、比較例に係る吸収分光システムの全体構成を概略的に示すブロック図である。図1を参照して、吸収分光システム900は、レーザ光源1と、ミラー21と、アクチュエータ22と、測定部9とを備える。
【0017】
レーザ光源1は、測定部9に供給するためのレーザ光を発する。レーザ光源1は、中赤外のレーザ光を発する量子カスケードレーザ(QCL:Quantum Cascade Laser)11と、QCL11に駆動電流を供給するレーザドライバ12とを含む。QCL11は、QCL11の内部で光を発振させるための一対のミラー111,112を含む。
【0018】
ミラー21は、たとえば平面鏡である。この比較例において、ミラー21と、一対のミラー111,112のうちの出射側に設けられたミラー112とは、QCL11の外部で光を発振させることが可能なキャビティ(外部キャビティ)を構成している。
【0019】
以下、光軸方向に沿うミラー112とミラー21との間の距離を「外部キャビティ長L」と記載する。典型的な外部キャビティ長Lは数十cmである。また、ミラー111の反射率をR1と記載し、ミラー112の反射率をR2と記載し、ミラー21の反射率をR3と記載する。
【0020】
アクチュエータ22は、ミラー21を光軸方向に変位させる。アクチュエータ22を用いてミラー21を光軸方向に走査することで、ミラー112とミラー21との間の距離(外部キャビティ長L)を変化させ、それによりQCL11の発振周波数と外部キャビティのモード周波数とを一致させることができる。よって、QCL11の発振周波数と外部キャビティのモード周波数とが一致して発振した光をフィードバック光としてミラー112を介してQCL11に戻すことができる(パッシブフィードバック)。これにより、QCL11の注入同期が実現される。なお、注入同期は「遅延自己注入同期」と呼ばれる場合もある。
【0021】
このように、吸収分光システム900では、ミラー112と、ミラー21と、アクチュエータ22とが「パッシブフィードバック部」に相当する。パッシブフィードバック部を設け、QCL11の注入同期を実現することで、測定部9に供給するレーザ光を狭線幅化することができる。測定部9は、パッシブフィードバック部により狭線幅化されたレーザ光を用いて試料の分光特性を測定する。
【0022】
<レーザ光の線幅減少>
パッシブフィードバック部の設置によるレーザ周波数の線幅の減少量(線幅減少量)Δfは、下記式(1)のように表される。
Δf=f/(1+κτ) ・・・(1)
【0023】
式(1)では、パッシブフィードバック部を設けない場合のレーザ周波数の線幅をfと記載している。κは、パッシブフィードバック部のフィードバック率である。τは、外部キャビティによる光の往復遅延時間である。式(1)より、レーザ周波数の線幅減少量Δfを大きくするには、フィードバック率κを上昇させるか、外部キャビティによる往復遅延時間τを長くすればよいことが理解される。
【0024】
フィードバック率κは、ミラー112の反射率R2と、ミラー21の反射率R3とを用いて下記式(2)のように表される。τは、ダイオード内の往復時間である。cは光速である。
κ=(1-R2)/τ√(R3/R2) ・・・(2)
【0025】
式(2)より、フィードバック率κを上昇させるには、ミラー21の反射率R3を高くすればよいことが分かる。QCL11に設けられるミラー111,112のうち、ミラー111の反射率R1は高く、たとえば99.98%である。また、外部キャビティの一部を構成するミラー21の反射率R3も高く、たとえば99.98%である。これに対し、ミラー112には、QCL11から外部に取り出すための光を一定程度透過させることが求められるので、そのような高反射ミラーは採用できない。ミラー112の反射率R2は、反射率R1,R3よりも低く、99%程度である。このように、レーザ光源の原理に由来する制約により、ミラー112の反射率R2を他のミラー111,21のように高くすることができない。したがって、フィードバック率κを顕著に上昇させることは難しい。
【0026】
一方、外部キャビティによる往復遅延時間τは、外部キャビティ長Lを用いて下記式(3)のように表される。nは外部キャビティの屈折率である。
τ=2nL/c ・・・(3)
【0027】
式(3)より、往復遅延時間τを長くするには、外部キャビティ長Lを長くすればよいことが分かる。しかし、外部キャビティ長Lが長くなると、その分だけ、レーザ周波数の安定化に不利に作用する外乱が大きくなり得る。具体的には、吸収分光システム900が環境温度の変化の影響を受けやすくなったり、吸収分光システム900に加わる振動が大きくなったりする可能性がある。したがって、外部キャビティ長Lについては多少は長くできるかもしれないものの、大幅に長くすることは難しい。たとえば、通常、数十cm程度である外部キャビティ長Lを数メートル~十数メートルに伸ばすことはできない。
【0028】
以上のように、比較例に係る吸収分光システム900では、レーザ周波数の線幅を十分に減少させる(線幅減少量Δfを十分に大きく)することは困難である。
【0029】
[実施の形態1]
以下では、気体試料(サンプルガス)に含まれる目的成分による光吸収をキャビティリングダウン吸収分光法の原理に従って測定する例について説明する。しかし、実施の形態1に係る吸収分光システムの用途は、キャビティリングダウン吸収分光法を用いるものに限定されない。試料は、各種気体、液体の中から適宜選択され得る。
【0030】
<システム構成>
図2は、実施の形態1に係るガス吸収分光システムの全体構成を概略的に示すブロック図である。図2を参照して、ガス吸収分光システム100は、レーザ光源1と、ミラー21と、アクチュエータ22と、パッシブフィードバック部3とを備える。パッシブフィードバック部3は、外部キャビティ4と、ピエゾ素子43とを含む。ガス吸収分光システム100は、検出器5と、測定部9と、コントローラ10とをさらに備える。測定部9は、光スイッチ91と、セル92と、ミラー93,94と、検出器95とを含む。
【0031】
レーザ光源1は、測定部9に供給するためのレーザ光を発する。レーザ光源1は、コントローラ10からの指令に従ってレーザ光の発振周波数を可変に構成されている。より具体的には、本実施の形態において、レーザ光源1は、量子カスケードレーザ11と、レーザドライバ12とを含む。QCL11は、中赤外(たとえば波長5μm程度)のレーザ光を発する。レーザドライバ12は、コントローラ10からの指令に従ってQCL11に駆動電流を供給する。QCL11への駆動電流を変更することにより、QCL11の発振周波数を変化させることができる。発振周波数の変化幅は、波長に換算して、たとえば5~7nm程度である。
【0032】
ミラー21は、たとえば平面鏡である。ミラー21は、ミラー112と外部キャビティ4との間に設けられている。ミラー21は、ミラー112と外部キャビティ4との間で光を反射させる。
【0033】
アクチュエータ22は、コントローラ10からの指令に従って、ミラー21を光軸方向に変位させる。アクチュエータ22としては、測定部9へと光を通過させるための穴がドーナツ状に形成されたピエゾ素子(いわゆるドーナツピエゾ)を採用できる。
【0034】
外部キャビティ4は、ミラー21と検出器5との間に設けられている。外部キャビティ4は、本実施の形態では、一対のミラー41,42により形成されるファブリペロー型の光共振器である。ミラー42から取り出された微弱な透過光は検出器5へと向かう。外部キャビティ4については図3にて詳細に説明する。
【0035】
ピエゾ素子43は、コントローラ10からの指令に従って、ミラー42を光軸方向に変位させる。ピエゾ素子43としても、ミラー42からの透過光を検出器5へと光を通過させるために、ドーナツピエゾを採用できる。
【0036】
検出器5は、フォトダイオードまたはイメージセンサなどの光検出器である。検出器5は、ミラー42からの透過光を検出し、その検出結果を示す信号をコントローラ10に出力する。
【0037】
光スイッチ91は、ミラー21とミラー93との間に設けられている。光スイッチ91は、コントローラ10からの指令に従って、ミラー93へのレーザ光の照射と遮断とを切り替える。光スイッチ91としては、たとえば音響光学変調器(AOM:Acousto-Optic Modulator)を採用できる。光スイッチ91は、レーザ光源1からのレーザ光のパワーがミラー93,94により形成される光共振器内に十分に蓄積された後に、当該レーザ光を遮断する。
【0038】
セル92は、サンプルガスを密閉可能な容器である。図示しないが、セル92には、測定開始前にサンプルガスをセル92に導入するための機構と、測定終了後にサンプルガスをセル92から排出するための機構とが設けられている。
【0039】
ミラー93,94は、光スイッチ91と検出器95との間に設けられている。ミラー93,94は、ファブリペロー型の光共振器を形成する。なお、各ミラー41,42は、凹面鏡であってもよいし平面鏡であってもよい。
【0040】
検出器95は、フォトダイオードまたはイメージセンサなどの光検出器である。検出器95は、ミラー94の透過光を検出し、その検出結果を示す信号をコントローラ10に出力する。
【0041】
コントローラ10は、CPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのプロセッサ101と、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリ102と、入出力ポート(図示せず)とを含む。コントローラ10は、ガス吸収分光システム100を構成する各機器を制御する。より具体的には、コントローラ10は、レーザ光の発振周波数を調整するための指令をレーザドライバ12に出力したり、レーザ光を遮断するための指令を光スイッチ91に出力したりする。コントローラ10は、ミラー21を変位させるための指令をアクチュエータ22に出力したり、ミラー42を変位させるための電圧をピエゾ素子43に印加したりする。コントローラ10は、検出器5からの信号に基づいて、レーザドライバ12からQCL11への供給電流を制御する。さらに、コントローラ10は、サンプルガスに含まれる目的成分の濃度(絶対濃度)を検出器95からの検出信号に基づいて算出するための各種データ処理を実行する。
【0042】
<QCLの注入同期>
図3は、実施の形態1におけるQCL11へのパッシブフィードバックを説明するための図である。図3には、図1に示したガス吸収分光システム100から、パッシブフィードバックによるQCL11の注入同期を実現するための構成要素を抜き出して図示している。なお、図3中の波形は、光学部品間の光の位相を説明するために模式的に示されたものである。
【0043】
図3を参照して、ミラー41,42は外部キャビティ4を形成している。ミラー41,42の各々は凹面鏡である。ミラー41,42は、光を互いの間で反射するように対向して配置されている。以下、光軸方向に沿うミラー41とミラー42との間の距離を「外部キャビティ長L1」と記載する。外部キャビティ長L1は、数十cm(たとえば45cm)である。
【0044】
コントローラ10は、ピエゾ素子43を用いてミラー42を光軸方向に変位させることで外部キャビティ長L1を変化させ、それにより外部キャビティのモード周波数を調整できる。また、コントローラ10は、レーザドライバ12を用いてQCL11への駆動電流を変更することで、QCL11の発振周波数を調整できる。本実施の形態では、コントローラ10は、レーザドライバ12のフィードバック制御を実行することで、QCL11の発振周波数と外部キャビティのモード周波数とを一致させる。
【0045】
図4は、QCL11へのパッシブフィードバックを説明するためのフローチャートである。このフローチャートは、所定条件の成立時(たとえば測定者が図示しない測定開始ボタンを押した場合)にメインルーチンから呼び出されて実行される。各ステップは、コントローラ10によるソフトウェア処理により実現されるが、コントローラ10内に作製されたハードウェア(電気回路)により実現されてもよい。以下、ステップを「S」と略す。
【0046】
図3および図4を参照して、コントローラ10は、まず、ピエゾ素子43によりミラー42を光軸方向に変位させることで外部キャビティ長L1を設定する(S1)。さらに、コントローラ10は、レーザドライバ12を制御することで、QCL11から発せられるレーザ光の周波数(初期値)を設定する(S2)。そして、コントローラ10は、設定した周波数でのレーザ光の照射を開始させる(S3)。
【0047】
外部キャビティ4に到達し、ミラー42を透過した微弱な光は、ピエゾ素子43に設けられたドーナツ穴を介して検出器5により検出される(S4)。コントローラ10は、検出器5からの電気的な信号に基づいて、レーザドライバ12のフィードバック制御を実行する(S6)。より詳細には、コントローラ10は、検出器5からの信号が最大となる駆動電流がレーザドライバ12からQCL11へと供給されように、レーザドライバ12をフィードバック制御する。具体的なフィードバック制御としてはPID(Proportional-Integral-Differential)制御などの公知の制御を採用できる。これにより、QCL11の発振周波数と外部キャビティのモード周波数とが一致した状態を安定的に作り出すことができる。
【0048】
さらに、コントローラ10は、検出器5からの信号に基づき、アクチュエータ22によりミラー21を走査することで、QCL11に戻すフィードバック光の位相を制御する(S7)。図3に模式的に示す波形のように、コントローラ10は、ミラー112とミラー42との間(ミラー112-ミラー21-ミラー41-ミラー42の経路)の光路長を光の半波長の整数倍に調整する。これにより、外部キャビティ4(ミラー41,42)により発振した光をフィードバック光としてQCL11に戻すことができる(パッシブフィードバック)。その結果、QCL11の注入同期が実現される。なお、目的成分による光吸収の測定が完了するなどしてレーザ光の照射停止条件が成立すると(S5においてYES)、一連の処理が終了する。
【0049】
図3を再び参照して、実施の形態1においても比較例と同様に、ミラー111の反射率をR1と記載し、ミラー112の反射率をR2と記載し、ミラー21の反射率をR3と記載する。さらに、ミラー41の反射率をR4と記載し、ミラー42の反射率をR5と記載する。
【0050】
比較例では、パッシブフィードバック部を形成するのに、QCL11からのレーザ光の出射面を構成するミラー112が使用されている(図1参照)。これに対し、実施の形態1におけるパッシブフィードバック部3では、QCL11の外部に(言い換えると、QCL11からは独立して)ミラー41,42が設けられ、ミラー41,42により外部キャビティ4が形成されている。この場合、パッシブフィードバック部のフィードバック率κを規定する上記式(2)は、下記式(4)のように修正される。
κ=(1-R4)/τc√(R5/R4) ・・・(4)
【0051】
ミラー111の反射率R1およびミラー21の反射率R3は、99.98%程度の高反射率である。一方、ミラー112の反射率R2は、99%程度であり、相対的に低い。実施の形態1において、ミラー41の反射率R4およびミラー42の反射率R5は、反射率R1,R3と同様に高く、たとえば99.98%程度である。すなわち、反射率R4,R5は、ミラー112の反射率R2(=約99%)よりも高い。そのため、上記式(4)に従ってフィードバック率κを上昇させることができる。よって、レーザ周波数の線幅減少量Δfを増大させることができる(上記式(1)参照)。
【0052】
以上のように、実施の形態1においては、QCL11の外部に設けられた外部キャビティ4によりパッシブフィードバック部3が実現される。外部キャビティ4の形成に使用されるミラー41,42の反射率R4,R5は、レーザ光源の原理的な制約を受けないので、十分に高い値とすることができる。その結果、フィードバック率κを上昇させることができる(上記式(4)参照)。その一方で、外部キャビティ長L1については、典型的な外部キャビティ長と同程度(たとえば数十cm)とすることができる(上記式(3)参照)。したがって、レーザ周波数を不安定化し得る外乱の影響の増大を抑制できる。よって、実施の形態1によれば、後段の測定部9に供給するレーザ光の周波数線幅を減少させ、ガス吸収分光システム100の分光精度(分光感度)を向上させることができる。
【0053】
なお、実施の形態1では、レーザドライバ12のフィードバック制御を実行する例について説明した。しかし、ピエゾ素子43によるミラー42の変位と、レーザドライバ12からQCL11への駆動電流とのうちの一方のみしか制御しなくても、QCL11の発振周波数と外部キャビティのモード周波数とを一致させることは可能である。したがって、コントローラ10は、レーザドライバ12からの駆動電流のフィードバック制御に代えて、ピエゾ素子43によるミラー42の変位量をフィードバック制御してもよい。たとえば、発振周波数が固定されたレーザ光源1を用いる場合には、そのようなフィードバック制御を採用できる。
【0054】
実施の形態1において、ミラー112は、本開示に係る「第1のミラー」に相当する。ミラー41が本開示に係る「第2のミラー」に相当し、ミラー42が本開示に係る「第3のミラー」に相当する。
【0055】
[実施の形態2]
実施の形態1では、パッシブフィードバック部3において2枚のミラー41,42により外部キャビティ4が形成される例について説明した。実施の形態2においては、3枚のミラーにより外部キャビティが形成される例について説明する。
【0056】
図5は、実施の形態2に係るガス吸収分光システムの全体構成を概略的に示すブロック図である。図5を参照して、ガス吸収分光システム200は、パッシブフィードバック部3に代えてパッシブフィードバック部7を備える点において、実施の形態1に係るガス吸収分光システム100(図2参照)と異なる。パッシブフィードバック部3は、ミラー81~83により形成される外部キャビティ8と、ピエゾ素子84,85とを含む。ガス吸収分光システム200のそれ以外の構成は、ガス吸収分光システム100の対応する構成と同様であるため、説明は繰り返さない。
【0057】
図6は、実施の形態2におけるQCL11へのパッシブフィードバックを説明するための図である。図6を参照して、ミラー81は平面鏡である。ミラー82,83は凹面鏡である。ミラー81~83はV字型に配置されている。すなわち、ミラー81とミラー82とを結ぶ光軸(直線)と、ミラー81とミラー83とを結ぶ光軸とがV字を形成している。これらの光軸間の角度θは、ミラー82とミラー83との間などで意図しない反射を抑制するために、10°程度の鋭角に定められている。
【0058】
ピエゾ素子84は、ミラー82に設けられ、ミラー82を光軸方向に変位させる。ピエゾ素子85は、ミラー83に設けられ、ミラー83を光軸方向に変位させる。ピエゾ素子84にも、ミラー82の透過光が通過可能なようにドーナツ型のピエゾ素子を採用できる。なお、ピエゾ素子84は本開示に係る「ピエゾ素子」に相当し、ピエゾ素子85は本開示に係る「他のピエゾ素子」に相当する。
【0059】
ミラー81~83は外部キャビティ8を形成している。この外部キャビティの「外部キャビティ長L2」は、光軸方向に沿うミラー81とミラー82との間の距離L2aと、光軸方向に沿うミラー81とミラー83との間の距離L2bとの和(=L2a+L2b)であり、数十cm程度である。
【0060】
コントローラ10は、ピエゾ素子43を用いてミラー42を光軸方向に変位させることで外部キャビティ長L1を変化させ、それにより外部キャビティのモード周波数を調整できる。また、コントローラ10は、実施の形態1と同様に、レーザドライバ12を用いてQCL11への駆動電流を変更することで、QCL11の発振周波数を調整できる。実施の形態2においても、コントローラ10は、レーザドライバ12のフィードバック制御を実行することで、QCL11の発振周波数と外部キャビティのモード周波数とを一致させる。この手法については実施の形態1にて詳細に説明したため、ここでの説明は繰り返さない。
【0061】
ミラー81の反射率をR6と記載し、ミラー82の反射率をR7と記載し、ミラー83の反射率をR8と記載する。各ミラーの反射率R6~R8は、ミラー112の反射率R2(=約99%)よりも高く、たとえば99.98%程度である。したがって、実施の形態2によれば、フィードバック率κを上昇させ、その結果、レーザ周波数の線幅減少量Δfを増大させることができる。
【0062】
以上のように、実施の形態2においても、QCL11の外部に設けられた外部キャビティ8によりパッシブフィードバック部7が実現される。外部キャビティ8を形成するミラー81~83の反射率R6~R8は、レーザ光源の原理的な制約を受けないので、十分に高い値とすることができる。その結果、フィードバック率κを上昇させることができる。一方、外部キャビティ長L2は、典型的な外部キャビティ長と同程度である。特に、実施の形態2においてはミラー81~83をV字型配置とすることにより、外部キャビティ8のサイズを小型化できる。その結果、実施の形態1と比べて、外乱の影響の増大を一層抑制できる。よって、実施の形態2によれば、測定部9に供給するレーザ光の周波数線幅を減少させ、ガス吸収分光システム200の分光精度を向上させることができる。
【0063】
実施の形態2では、ミラー82にピエゾ素子84が設けられ、かつ、ミラー83にピエゾ素子85が設けられている。外部キャビティ長L2を変化させる観点からは、ミラー82,83のうちの一方を変位させればよいので、ピエゾ素子84,85のうちの一方しか設けなくてもよい。しかし、2つのピエゾ素子84,85を設け、キャビティリングダウン吸収分光法に従って光を検出している最中にミラー82,83を走査する。ミラー82,83の走査幅は、ミラー82,83の走査に伴う外部キャビティ長L2の変化量がレーザ光の半波長よりも大きく、かつ、レーザ光の波長よりも小さくなるように定められる。これにより、ミラー82,83の表面(おもてめん)以外の間での光の反射に起因する「エタロン効果」を抑制できる。
【0064】
より詳細には、QCL11から発せられた光は、様々な箇所で反射光を生じさせ得る。たとえば、ミラー82の表面と裏面との間で反射が起こったり、ミラー83の表面と裏面との間で反射が起こったりし得る。また、ミラー82の表面と検出器5の光検出面との間でも反射が起こり得る。このように様々な箇所で発生した反射光は、迷光となる。その結果、測定部9により取得される吸収スペクトルのベースラインにノイズが重畳し、分光精度が低下する可能性がある。
【0065】
実施の形態2においては、ミラー82,83にそれぞれ設けられたピエゾ素子84,85を制御することで、外部キャビティ長L2をレーザ光の波長だけ変化させることができる。そうすると、外部キャビティ8の複数のモード周波数がシフトし、そのうちの隣接する2つのモード周波数がQCL11の発振周波数と順に一致する。一方のモード周波数が発振周波数と一致した場合と、もう一方のモード周波数が発振周波数と一致した場合とでは、エタロン効果を引き起こす反射光毎に、振幅が等しく、かつ、位相が180°だけずれた共振パターンが生じる。したがって、上記2つのモード周波数での測定結果を足し合わせることで、エタロン効果由来の誤差成分が相殺される。このように、2つのピエゾ素子84,85を設けることによってエタロン効果を抑制し、ガス吸収分光システム200の分光精度をさらに向上させることができる。
【0066】
なお、実施の形態2において、ミラー112は、本開示に係る「第1のミラー」に相当する。ミラー81は、本開示に係る「第2のミラー」に相当する。ミラー82は、本開示に係る「第3のミラー」に相当する。ミラー83は、本開示に係る「第4のミラー」に相当する。
【0067】
<付記>
本実施形態は以下のような開示を含むことが当業者により理解されるであろう。
【0068】
本開示のある局面に従う吸収分光システムは、試料による光の吸収を測定部を用いて測定する。吸収分光システムは、測定部に照射するためのレーザ光を第1のミラーを介して発する光源と、レーザ光の一部からフィードバック光を生成し、生成したフィードバック光を光源に戻すことで光源を注入同期させるパッシブフィードバック部とを備える。パッシブフィードバック部は、キャビティを含む。キャビティは、フィードバック光を生成する第2および第3のミラーを含む。第2および第3のミラーの各々の反射率は、第1のミラーの反射率よりも高い。
【0069】
第2のミラーと第3のミラーとは、互いに対向するように配置されている。
【0070】
パッシブフィードバック部は、第3のミラーに設けられたピエゾ素子をさらに含む。ピエゾ素子は、第3のミラーを変位させることでキャビティのキャビティ長を変化させることが可能に構成されている。
【0071】
キャビティは、光を共振させるための第4のミラーをさらに含む。第2~第4のミラーは、第2のミラーと第3のミラーとを結ぶ光軸と、第2のミラーと第4のミラーとを結ぶ光軸とがV字型となるように配置されている。
【0072】
パッシブフィードバック部は、第3のミラーに設けられたピエゾ素子をさらに含む。ピエゾ素子は、第3のミラーを変位させることでキャビティのキャビティ長を変化させることが可能に構成されている。
【0073】
パッシブフィードバック部は、第4のミラーに設けられた他のピエゾ素子をさらに含む。他のピエゾ素子は、第4のミラーを変位させることでキャビティのキャビティ長を変化させることが可能に構成されている。
【0074】
吸収分光システムは、第3のミラーの透過光を検出する検出器と、検出器により検出された透過光強度を電気フィードバック信号として、レーザ光の駆動電流をフィードバック制御する制御装置とをさらに備える。
【0075】
本開示の他の局面に従う吸収分光方法は、試料による光の吸収を測定部を用いて測定する。吸収分光方法は、第1および第2のステップを含む。第1のステップは、測定部に照射するためのレーザ光を光源に設けられた第1のミラーを介して発するステップである。第2のステップは、レーザ光の一部を光源の外部に設けられたキャビティで共振させることでフィードバック光を生成し、生成したフィードバック光を光源に戻すことで光源を注入同期させるステップである。キャビティは、フィードバック光を生成する第2および第3のミラーを含む。第2および第3のミラーの各々の反射率は、第1のミラーの反射率よりも高い。
【0076】
第2のミラーと第3のミラーとは、互いに対向するように配置されている。
【0077】
キャビティは、光を共振させるための第4のミラーをさらに含む。第2~第4のミラーは、第2のミラーと第3のミラーとを結ぶ光軸と、第2のミラーと第4のミラーとを結ぶ光軸とがV字型となるように配置されている。
【0078】
吸収分光方法は、第3のミラーの透過光強度を電気フィードバック信号として、レーザ光の駆動電流をフィードバック制御するステップをさらに含む。
【0079】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0080】
1 レーザ光源、11 量子カスケードレーザ、111,112 ミラー、12 レーザドライバ、21 ミラー、22 アクチュエータ、3 パッシブフィードバック部、4 外部キャビティ、41,42 ミラー、43 ピエゾ素子、5 検出器、7 パッシブフィードバック部、8 外部キャビティ、81~83 ミラー、84,85 ピエゾ素子、9 測定部、91 光スイッチ、92 セル、93,94 ミラー、95 検出器、10 コントローラ、101 プロセッサ、102 メモリ、100,200 ガス吸収分光システム、900 吸収分光システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6