(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-14
(45)【発行日】2024-03-25
(54)【発明の名称】電動アシスト自転車の駆動ユニットおよび電動アシスト自転車
(51)【国際特許分類】
B62M 6/55 20100101AFI20240315BHJP
B62J 45/413 20200101ALI20240315BHJP
B60L 15/20 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
B62M6/55
B62J45/413
B60L15/20 Z
(21)【出願番号】P 2019555328
(86)(22)【出願日】2018-11-21
(86)【国際出願番号】 JP2018042920
(87)【国際公開番号】W WO2019103022
(87)【国際公開日】2019-05-31
【審査請求日】2021-10-11
(31)【優先権主張番号】P 2017225304
(32)【優先日】2017-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】弁理士法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川上 将史
【審査官】西中村 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-196080(JP,A)
【文献】特開2014-231234(JP,A)
【文献】特開2011-207361(JP,A)
【文献】特開2007-176354(JP,A)
【文献】特開2016-078618(JP,A)
【文献】特開平11-240481(JP,A)
【文献】国際公開第2016/024300(WO,A1)
【文献】特開2002-302088(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 6/55
B62J 45/413、99/00
B60L 15/20
B60L 50/40-50/50、
B60L 53/00、55/00、58/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペダルからの踏力による人力駆動力に、モータによる補助駆動力を加えて走行可能である電動アシスト自転車に取り付けられ、前記モータを備えた電動アシスト自転車の駆動ユニットであって、
前記電動アシスト自転車における前輪と後輪との間の中間箇所に取り付ける取付部と、前記ペダルからの人力駆動力が伝達されるクランク軸が挿通されるクランク軸挿通領域と、駆動力を出力する駆動力出力輪体と、前記クランク軸と共に回転する回転検出体と、
前記モータの回転力を減速して前記駆動力出力輪体に伝達する減速機構とを有し、
前記クランク軸と前記モータとが互いに異なる軸心で配置され、
当該駆動ユニットの内部に
、モータの回転を読み取るモータ回転センサおよびクランク軸の回転を読み取るクランク軸回転センサが取り付けられた基板が配置され、この基板が、クランク軸
の軸心方向に沿って側面視した場合に、モータのステータに重なる部分を有するように配置され、
前記クランク軸回転センサは前記回転検出体の外周側に位置し
、
前記減速機構は前記クランク軸と並行に配設された中間軸を有し、
前記中間軸はクランク軸の軸心方向における一端側を第1の中間軸軸受で支持され、クランク軸の軸方向における他端側を第2の中間軸軸受で支持され、
前記第1の中間軸軸受はクランク軸の軸心方向において前記ステータと前記第2の中間軸軸受との間に位置し、
前記モータ回転センサはクランク軸の軸心方向において前記第1の中間軸軸受と前記第2の中間軸軸受との間に位置していることを特徴とする電動アシスト自転車の駆動ユニット。
【請求項2】
前記モータの回転軸はモータ軸減速歯車を有し、
前記モータ軸減速歯車を含む減速機構が配設されている減速機構配設領域と、前記モータが配設されるモータ配設領域と、減速機構配設領域とモータ配設領域とを仕切る仕切部材とを有し、
前記基板は前記減速機構配設領域に設けられ
、
前記仕切部材には磁性が付与されており、
前記モータ回転センサは前記仕切部材に臨むように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電動アシスト自転車の駆動ユニット。
【請求項3】
人力駆動力と補助駆動力とを合成した合力を前記駆動力出力輪体へ伝達する合力伝達体を更に有し、
前記減速機構は前記モータの回転を減速して前記合力伝達体に伝達することを特徴とする請求項1に記載の電動アシスト自転車の駆動ユニット。
【請求項4】
前記減速機構は、モータ軸に設けられたモータ軸減速歯車
と、前記中間軸に設けられ前記モータ軸減速歯車に噛み合う中間軸減速歯車とを有し、
前記クランク軸に沿って側面視した場合に、前記中間軸減速歯車は前記基板と重な
り、
前記モータ軸とともに回転する磁性付与部材を有し、
前記モータ回転センサに臨むように配置された前記磁性付与部材の端部は、クランク軸の軸心方向において、前記ステータと前記第2の中間軸軸受との間に位置することを特徴とする
請求項3に記載の電動アシスト自転車の駆動ユニット。
【請求項5】
請求項1~4の何れかの電動アシスト自転車の駆動ユニットと、この駆動ユニットに電力を供給する蓄電器と、を備えていることを特徴とする駆動給電装置。
【請求項6】
請求項1~4の何れか1項に記載の電動アシスト自転車の駆動ユニット、または請求項5に記載の駆動給電装置を備えていることを特徴とする電動アシスト自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペダルからの踏力による人力駆動力に、モータにより発生する補助駆動力を加えて走行可能である電動アシスト自転車に取り付けられる駆動ユニットおよび電動アシスト自転車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電源としてのバッテリと、このバッテリから給電されるモータを備えた駆動ユニットとを有し、ペダルに加えられる踏力による人力駆動力に、前記駆動ユニットの補助駆動力(アシスト力)を加えることで、上り坂等でも楽に走行することが可能な電動アシスト自転車(電動自転車とも称せられる)は既に広く知られている。
【0003】
この電動アシスト自転車において、モータなどが内蔵された駆動ユニットを、クランク軸が設けられている箇所に配設したものがある。このような配置構成の電動アシスト自転車は、重量が比較的大きい駆動ユニットが、電動アシスト自転車の前後方向の中央(すなわち、前輪と後輪との間の中間)の低い位置に配置される。したがって、この配置構成の電動アシスト自転車は、モータが前輪のハブや後輪のハブに内蔵されているものと比較して、前輪や後輪を持ち上げ易くて、走行路に段差があっても容易に乗り越えることができるなど、車体の取り回しがよく、また、走行安定性も良好である利点がある。
【0004】
駆動ユニットにはモータを駆動したり制御したりする各種の電子部品などが搭載された基板(主基板や駆動用基板とも称される)が内蔵されている。この基板は、FETなどの大きな電子部品や比較的多数の電子部品が搭載されるため、比較的大きな面積となる。また、この基板は、例えば、特開2016-203735号公報などにも示されているように、側面視して(クランク軸心方向に見て)クランク軸周りに配置される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、電動アシスト自転車において、クランク軸から後輪や前輪までの距離が、一般的な自転車とあまり変わらず、自転車としての機能も良好に発揮できるものが好まれる場合がある。しかしながら、クランク軸周りに基板を配置している駆動ユニットを採用すると、前記基板が大きくなるにつれて、クランク軸周りにより広い領域が必要となって駆動ユニットとしても大型化し、駆動ユニットの配置を工夫しても、クランク軸から後輪の車軸までの距離がかなり長くなってしまうという課題を生じている。
【0006】
本発明は上記課題を解決するもので、クランク軸周りの領域を最小限に抑えることが可能となるなど小型化することができて、自転車としての機能を良好に発揮可能な電動アシスト自転車の駆動ユニットおよびこの駆動ユニットを備えた電動アシスト自転車を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の電動アシスト自転車の駆動ユニットは、ペダルからの踏力による人力駆動力に、モータによる補助駆動力を加えて走行可能である電動アシスト自転車に取り付けられ、前記モータを備えた電動アシスト自転車の駆動ユニットであって、前記電動アシスト自転車における前輪と後輪との間の中間箇所に取り付ける取付部と、前記ペダルからの人力駆動力が伝達されるクランク軸が挿通されるクランク軸挿通領域と、駆動力を出力する駆動力出力輪体と、前記クランク軸と共に回転する回転検出体と、前記モータの回転力を減速して前記駆動力出力輪体に伝達する減速機構とを有し、前記クランク軸と前記モータとが互いに異なる軸心で配置され、当該駆動ユニットの内部に、モータの回転を読み取るモータ回転センサおよびクランク軸の回転を読み取るクランク軸回転センサが取り付けられた基板が配置され、この基板が、クランク軸の軸心方向に沿って側面視した場合に、モータのステータに重なる部分を有するように配置され、前記クランク軸回転センサは前記回転検出体の外周側に位置し、前記減速機構は前記クランク軸と並行に配設された中間軸を有し、前記中間軸はクランク軸の軸心方向における一端側を第1の中間軸軸受で支持され、クランク軸の軸方向における他端側を第2の中間軸軸受で支持され、前記第1の中間軸軸受はクランク軸の軸心方向において前記ステータと前記第2の中間軸軸受との間に位置し、前記モータ回転センサはクランク軸の軸心方向において前記第1の中間軸軸受と前記第2の中間軸軸受との間に位置していることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、基板が、側面視した場合に、モータのステータに重なる部分を有するように配置されているので、基板として十分に広い面積のものを採用することができる。また、クランク軸周りにも基板(別途の基板や、前記基板の一部)を配置する場合でも、このクランク軸周りの基板の面積を少なめに抑えることができるため、駆動ユニットの配置を工夫することなどにより、クランク軸から後輪の車軸までの距離を一般的な自転車に近づけることができる。
【0009】
なお、前記モータの回転軸はモータ軸減速歯車を有し、前記モータ軸減速歯車を含む減速機構が配設されている減速機構配設領域と、前記モータが配設されるモータ配設領域と、減速機構配設領域とモータ配設領域とを仕切る仕切部材とを有し、前記基板は前記減速機構配設領域に設けられ、前記仕切部材には磁性が付与されており、前記モータ回転センサは前記仕切部材に臨むように配置されていると好適である。
【0010】
また、人力駆動力と補助駆動力とを合成した合力を前記駆動力出力輪体へ伝達する合力伝達体を更に有し、前記減速機構は前記モータの回転を減速して前記合力伝達体に伝達すると好適である。
【0011】
また、前記減速機構は、モータ軸に設けられたモータ軸減速歯車と、前記中間軸に設けられ前記モータ軸減速歯車に噛み合う中間軸減速歯車とを有し、前記クランク軸に沿って側面視した場合に、前記中間軸減速歯車は前記基板と重なり、前記モータ軸とともに回転する磁性付与部材を有し、前記モータ回転センサに臨むように配置された前記磁性付与部材の端部は、クランク軸の軸心方向において、前記ステータと前記第2の中間軸軸受との間に位置すると好適である。
【0012】
また、本発明の駆動ユニットを備える電動アシスト自転車は、複数対の減速歯車を有する減速機構が設けられ、前記減速機構は、前記クランク軸と平行に配設された中間軸と、前記中間軸に設けられた複数の中間軸減速歯車と、前記クランク軸の外周に回転自在に配設されて、人力駆動力および補助駆動力が伝達されるクランク軸減速歯車と、モータ軸に設けられたモータ軸減速歯車と、を有し、前記中間軸を回転自在に支持する中間軸軸受を有し、前記中間軸は、前後方向に対してクランク軸とモータ軸との間に配置されているとともに、クランク軸よりもモータ軸が前方に配置されている場合には、クランク軸とモータ軸とを結ぶ直線よりも下方に配置され、クランク軸よりもモータ軸が後方に配置されている場合には、中間軸がクランク軸とモータ軸とを結ぶ直線よりも上方に配置されていることを特徴とする。
【0013】
また、この場合に、電動アシスト自転車の進行方向に向いて右側から側面視した状態で、クランク軸の軸心とモータ軸の軸心とを結ぶ線に対して、クランク軸の軸心と中間軸の軸心とを結ぶ線の交差角度が、時計回り方向に30度から70度以内であるように、クランク軸とモータ軸と中間軸とを配置すると好適である。
【0014】
この構成において、減速歯車同士が噛み合う際には反力が発生し、中間軸には大きな反力が作用するため、前記中間軸を回転自在に支持する中間軸軸受の少なくとも一方を、大きな力を支持できる大型のものを用いることとなり、その結果、駆動ユニットが大型化し易くなる(特に駆動ユニットの幅方向寸法が大きくなり易い)傾向がある。
【0015】
しかしながら、上記構成(クランク軸とモータ軸と中間軸との配置構成)によれば、減速歯車同士が噛み合う際に発生する中間軸への反力が互いに打ち消し合って最小限となるように抑えることができる。その結果、中間軸軸受を小型化(幅方向や半径方向に小型化)することができ、ひいては駆動ユニットを小型化する(例えば、駆動ユニットを幅方向などに小型化する)ことができる。
【0016】
また、本発明の電動アシスト自転車の駆動給電装置は、前記駆動ユニットと、この駆動ユニットとに電力を供給する蓄電器と、を備えていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の電動アシスト自転車は、前記何れかに記載の電動アシスト自転車の駆動ユニット、または前記駆動給電装置を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、基板を、側面視してモータのステータに重なる部分を有するように配置することにより、基板として十分に広い面積のものを採用することができながら、クランク軸周りにも基板(別途の基板や、前記基板の一部)を配置する場合でも、このクランク軸周りの基板の面積を少なめに抑えることができる。これにより、当該駆動ユニットの配置を工夫することなどにより、クランク軸から後輪の車軸までの距離を一般的な自転車に近づけることができる。また、基板を、側面視してモータのステータに重なる部分を有するように配置することにより、モータで発生する音を基板で遮ることができるいわゆる遮音効果もある。
【0019】
また、本発明によれば、モータの回転が、2段の減速機構を介して、駆動ユニットに取付けられた駆動力出力輪体に伝達されるように構成し、駆動力出力輪体の回転数に対するモータの回転数の比である減速比が30~37となるように構成することにより、クランク軸と同軸心である減速歯車として比較的径の小さいものを用いることができて、駆動ユニットにおけるクランク軸周りの径(半径および直径)を小さくすることが可能となる。これにより、クランク軸から後輪の車軸までの距離を一般的な自転車(例えば、いわゆるスポーツ型の自転車)に近づけることができる。
【0020】
また、駆動ユニットの、クランク軸周り(クランク軸回り)の最小半径が50mm以下とすることで、さらに、クランク軸から後輪の車軸までの距離を一般的な自転車(例えば、いわゆるスポーツ型の自転車)に近づけることが可能となる。
【0021】
また、本発明によれば、中間軸を、前後方向に対してクランク軸とモータ軸との間に配置するとともに、クランク軸よりもモータ軸が前方に配置されている場合には、クランク軸とモータ軸とを結ぶ直線よりも下方に配置し、クランク軸よりもモータ軸が後方に配置されている場合には、中間軸がクランク軸とモータ軸とを結ぶ直線よりも上方に配置したり、さらに、進行方向に向いて駆動ユニットを右側から側面視した状態で、クランク軸の軸心とモータ軸の軸心とを結ぶ線に対して、クランク軸の軸心と中間軸の軸心とを結ぶ線の交差角度が、時計回り方向に30度から70度以内であるように、クランク軸とモータ軸と中間軸とを配置したりする。この構成により、減速歯車同士が噛み合う際に発生する中間軸への反力が互いに打ち消し合って最小限となるように抑えることができて、中間軸軸受、ひいては駆動ユニットを小型化する(例えば、駆動ユニットを幅方向などに小型化する)ことができる。この結果、クランクアーム間の距離を一般的な自転車(例えば、いわゆるスポーツ型の自転車)に近づけることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施の形態に係る駆動ユニットが取り付けられている電動アシスト自転車の全体左側面図
【
図2】同実施の形態(第1の実施の形態)の電動アシスト自転車の駆動ユニットの平面断面図
【
図4】本発明の第1の実施の形態の第1の変形例に係る駆動ユニットの平面断面図
【
図5】本発明の第1の実施の形態の第2の変形例に係る駆動ユニットの平面断面図
【
図6】本発明の第2の実施の形態に係る電動アシスト自転車の駆動ユニットの平面断面図で、高速段クラッチは非接続状態
【
図7】同駆動ユニットの簡略的な右側面断面図で、高速段クラッチは接続状態
【
図8】同駆動ユニットの中間軸およびその近傍箇所の要部拡大平面断面図で、高速段クラッチは非接続状態
【
図9】同駆動ユニットの平面断面図で、高速段クラッチは接続状態
【
図10】同駆動ユニットの中間軸およびその近傍箇所の要部拡大平面断面図で、高速段クラッチは接続状態
【
図11】本発明の第1の実施の形態の電動アシスト自転車の駆動ユニットの、モータ軸、中間軸、クランク軸およびこれらの軸に組み付けられている減速歯車を示す簡略的な平面図
【
図12】同駆動ユニットの、歯車の接触部に作用する力ベクトル(反力)を示す簡略的な右側面断面図
【
図13】同駆動ユニットの、前記力ベクトル(反力)が中間軸に作用している状態を示す簡略的な右側面断面図
【
図14】本発明の第3の実施の形態に係る電動アシスト自転車の駆動ユニットの平面断面図
【
図15】同駆動ユニットの、歯車の接触部に作用する力ベクトル(反力)を示す簡略的な右側面断面図
【
図16】同駆動ユニットの、力ベクトル(反力)が中間軸に作用している状態を示す簡略的な右側面断面図
【
図17】本発明の第3の実施の形態の変形例に係る駆動ユニットの右側面断面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態に係る電動アシスト自転車の駆動ユニットおよびこの駆動ユニットが取り付けられる電動アシスト自転車について図面に基づき説明する。なお、以下の説明における左右方向および前後方向とは、進行方向に向って当該電動アシスト自転車1に人が搭乗した状態での方向を言う。また、この発明の構成が以下で述べる構成に限定されるものではない。
【0024】
図1における1は、本発明の実施の形態に係る駆動ユニットが取り付けられている電動アシスト自転車である。
図1に示すように、この電動アシスト自転車1は、ヘッドパイプ2a、前フォーク2b、上パイプ2c、下パイプ2g、立パイプ2d、チェーンステー2e、シートステー2fなどからなる金属製のフレーム2と、前フォーク2bの下端に回転自在に取り付けられた前輪3と、チェーンステー2eの後端に回転自在に取り付けられた後輪4と、前輪3の向きを変更するハンドル5と、搭乗者が着座するサドル6と、踏力からなる人力駆動力がかけられるクランク7およびペダル8と、補助駆動力(アシスト力)を発生させる駆動源としての電動のモータ21(
図2も参照)およびこのモータ21を含めた各種の電気的部品の制御を行う制御部などが設けられた駆動ユニット(駆動ユニット装置)20と、モータ21に駆動用の電力を供給する二次電池からなるバッテリ12と、ハンドル5などに取り付けられて、搭乗者などが操作可能で、当該電動アシスト自転車1の電源の切り換えや走行モードなどを設定変更可能な手元操作部18と、クランク軸7aと同軸心で一体的に回転するように取り付けられ、人力駆動力および補助駆動力が合わされた合力を出力する駆動力出力輪体としての駆動スプロケット(前スプロケット、クランクスプロケットや前ギヤとも称せられる)13と、後輪4のハブ(後ハブとも称する)9に取り付けられた後部輪体としての後スプロケット(後ギヤとも称せられることがある)14と、駆動スプロケット13と後スプロケット14とにわたって回転可能な状態で無端状に巻回された無端状駆動力伝達体としてのチェーン15と、などを備えている。また、駆動ユニット20と、バッテリ12と、により、駆動給電装置(駆動ユニットモジュール)が構成されている。
【0025】
当該電動アシスト自転車1は、ペダル8からの踏力による人力駆動力に、モータ21により発生する補助駆動力を加えて走行可能であり、人力駆動力に補助駆動力を加えた合力が、駆動スプロケット13からチェーン15および後スプロケット14などを介して後輪4に伝達される。
【0026】
なお、バッテリ12は蓄電器の一例であり、二次電池が好適であるが、前記蓄電器はキャパシタなどであってもよい。なお、クランク7は、左右にそれぞれ設けられるクランクアーム7bと、左右のクランクアーム7b同士を連結するクランク軸7aとからなり、クランクアーム7bの端部にペダル8が回転自在に取り付けられている。
【0027】
図1に示すように、この電動アシスト自転車1では、駆動ユニット20が、前輪3と後輪4との間の中間位置、より詳しくはクランク軸7aが貫通される箇所に配設されている。そして、このような配置構成にすることで、重量が比較的大きい駆動ユニット20が、電動アシスト自転車1の前後方向中央に配置されることとなる。これにより、前輪3や後輪4を持ち上げ易くて、走行路に段差があっても容易に乗り越えることができるなど、電動アシスト自転車1の車体(フレーム2など)の取り回しがよく、また、走行安定性も良好とされている。
【0028】
図2に示すように、駆動ユニット20は、第1~第3のケース22a~22cからなるユニットケース22により外殻部などが構成され、駆動ユニット20(この実施の形態では駆動ユニット20の後部に設けられたクランク軸挿通領域16)をクランク軸7aが左右に貫通している。また、ユニットケース22には、当該駆動ユニット20を、前記電動アシスト自転車における前輪と後輪との間の中間箇所に取り付ける取付部22dが一体形成されている。また、クランク軸7aの外周に、クランク軸7aからの人力駆動力が伝達される略筒状の人力伝達体28と、人力伝達体28からの人力駆動力が伝達される連動筒体23と、連動筒体23からの人力駆動力が一方向クラッチ(補助駆動力切断用の一方向クラッチ)30などを介して伝達されるとともに、人力駆動力とモータ21からの補助駆動力とを合成した合力を駆動スプロケット13に伝達する合力伝達体29とが、配設されている。
【0029】
また、駆動ユニット20のユニットケース22内には、モータ21の回転を減速して合力伝達体29側(この実施の形態では中間軸40)に伝達する減速機構25と、補助駆動力(アシスト力)駆動源としてのモータ21とが配設されているとともに、各種の電気的制御を行う電子部品が設けられた基板(駆動基板や主基板とも称せられる)24も配設されている。基板24とこの基板に装着された電子部品(FET(電界効果トランジスタ)24aやコンデンサ、マイクロコンピュータなど)により制御部が構成されている。なお、
図2、
図3に示すように、モータ21の回転軸21aの軸心と、クランク軸7aの軸心と、後述する中間軸40の軸心とは、互いにその位置が異なっている。また、この実施の形態では、前方から順にモータ21の回転軸21a、中間軸40、クランク軸7aが配置され、クランク軸7aとモータ軸21aとを結ぶ直線よりも中間軸40が下方に配置されている。また、駆動ユニット20内(詳しくは駆動ユニット20のユニットケース22内)に、クランク軸7aの両端部を除く部分と、人力伝達体28、連動筒体23、合力伝達体29、減速機構25、モータ21、後述するトルクセンサ31、回転検出体11、回転検出器(回転センサ)10などが設けられている。そして、駆動ユニット20内で人力駆動力と補助駆動力とが合成され、この合成された合力が、駆動ユニット20の外(詳しくは駆動ユニット20のユニットケース22の外)に設けられた駆動スプロケット13から出力されるよう構成されている。
【0030】
駆動ユニット20についてさらに詳しく述べる。
図2、
図3に示すように、クランク軸7aが、駆動ユニット20の後部を左右に貫通した状態で軸受(クランク軸軸受)26、27により回転自在に配設されている。そして、このクランク軸7aにおける左側寄り部分の外周に、セレーション部(またはスプライン部)7cを介して、筒状の人力伝達体28がクランク軸7aと一体的に回転する状態で嵌合している。なお、人力伝達体28の内周におけるクランク軸7aのセレーション部(またはスプライン部)7cに対応する箇所にもセレーション部(またはスプライン部)28bが形成されてクランク軸7aのセレーション部(またはスプライン部)7cと噛み合っている。
【0031】
人力伝達体28の外周表面には、磁気異方性を付与した磁歪発生部31bが形成されているとともに、その外周に一定の隙間(空間)を介してコイル31aが配設され、これらの磁歪発生部31bおよびコイル31aにより磁歪式のトルクセンサ(人力検知部)31が構成されている。これにより、クランク軸7aからの人力駆動力が人力伝達体28に伝達されるとともに、トルクセンサ31により人力駆動力が検出される。また、この磁歪式のトルクセンサ31では、磁歪発生部31bが、人力伝達体28の軸心方向に対して例えば+45度と-45度とをなす螺旋形状に形成されている。そして、人力伝達体28に人力駆動力が伝達されると、人力伝達体28の表面の磁歪発生部31bに歪みが発生して透磁率の増加部分と減少部分とが発生するため、コイル31aのインダクタンス差を測定することでトルク(人力駆動力)の大きさを検出できるよう構成されている。
【0032】
連動筒体23は、クランク軸7aの外周における人力伝達体28の右側に隣接した箇所で、クランク軸7aに対して回転自在の状態で配設されている。そして、人力伝達体28の右端部外周に形成されたセレーション部(またはスプライン部)28aと連動筒体23の左端部内周に形成されたセレーション部(またはスプライン部)23aとが互いに嵌合されて、連動筒体23は人力伝達体28と一体的に回転する。なお、この実施の形態では、人力伝達体28のセレーション部(またはスプライン部)28aに、連動筒体23の左端部内周に形成されたセレーション部(またはスプライン部)23aが外側から嵌合されている。
【0033】
また、この実施の形態では、連動筒体23の左側部分の外周に、連動筒体23の回転状態を検出するための回転検出体11が取り付けられている。また、回転検出体11を外周側から臨むように、クランク軸回転センサとしての回転検出器(回転センサ)10がユニットケース22側に取り付けられて固定されている。例えば、回転検出器10は、出射部と受光部とを有する光センサが回転検出体11の回転方向に並べられて構成され(図示せず)、回転検出体11は、その外周側箇所に、くし(櫛)歯状に右側に延びる多数の歯部を有している。そして、回転検出体11の歯部がある場合には、出射された光が反射して受けられることにより、光の入射状態と非入射状態とを回転検出器10の受光部により電気的に検知するとともに、この検知された信号を制御部で入力して連動筒体23の回転数(回転量)および回転方向を検知する。なお、光センサに代えてホールICなどの磁気センサを設けて連動筒体23の回転数(回転量)および回転方向を検知してもよい。ここで、連動筒体23は人力伝達体28と一体的に回転し、人力伝達体28はクランク軸7aと一体的に回転するため、連動筒体23の回転量および回転方向を検知することで、クランク軸7aやペダル8の回転数(回転量)や回転方向も検知できるよう構成されている。
【0034】
また、連動筒体23の右側部分の外周に、一方向クラッチ(補助駆動力切断用の一方向クラッチ)30を介して、合力伝達体29が配設されている。そして、ペダル8を漕いで前進している場合には、連動筒体23に伝達された人力駆動力が一方向クラッチ30を介して合力伝達体29に伝達される。
【0035】
モータ21はモータ軸軸受32、33によりその回転軸21aおよびロータ21bが回転自在に支持されている。また、モータ21の回転軸21aが右側方に突出され、この突出部の外周に後述するモータ軸減速歯車39が形成されている。
【0036】
減速機構25は、クランク軸7aと平行に配設された中間軸40と、合力伝達体29の左寄り部分に形成された大径の減速歯車(第1の減速歯車:クランク軸側減速歯車)36を含めた2対の減速歯車36~39などを有しており、2段の減速機構を構成している。そして、減速機構25は、クランク軸7aを通して伝達された人力駆動力とモータ21から伝達された補助駆動力とを合成し、かつ、前記人力駆動力と前記補助駆動力とが合成されてなる合力を合力伝達体29に伝達する。
【0037】
中間軸40は、駆動ユニット20の前後方向中央部において左右に延びてクランク軸7aと平行な姿勢で、軸受(中間軸軸受)34、35により回転自在に支持された状態で配設されている。中間軸40には、大径の第2の中間軸減速歯車37と、小径の第3の中間軸減速歯車38と、人力駆動力切断用の一方向クラッチ42とが取り付けられている。
【0038】
人力駆動力切断用の一方向クラッチ42は、中間軸40の外周と第2の中間軸減速歯車37の内周との間に配設されており、ペダル8からの人力駆動力を切断するためのものである。すなわち、この一方向クラッチ42により、モータ21が駆動されずに補助駆動力が発生していない場合には、ペダル8からの人力駆動力が、人力駆動力切断用の一方向クラッチ42により切断されて、モータ21のロータ21bを回転させなくても済むように構成されている。一方、モータ21が駆動されて回転している場合には、中間軸40と第2の中間軸減速歯車37とが一方向クラッチ42を介して接続され、第2、第3の中間軸減速歯車37、38は中間軸40とともに一体的に回転する。
【0039】
そして、モータ21の回転軸21aに形成された小径のモータ軸減速歯車39が大径の第2の中間軸減速歯車37に噛み合っているため、モータ21が回転されて補助駆動力が出力される場合に、モータ21の回転が減速され、モータ21からの補助駆動力のトルクが増幅されて中間軸40側に伝達される。また、小径の第3の中間軸減速歯車38は、合力伝達体29に一体形成された大径の第1の減速歯車36に噛み合っているため、中間軸40に伝達された補助駆動力のトルクがさらに増幅されて第1の減速歯車36に伝達される。そして、第1の減速歯車36が一体形成されている合力伝達体29において、人力駆動力とモータ21からの補助駆動力とが合成されて、駆動力出力輪体としての駆動スプロケット13から出力される。ここで、駆動スプロケット13の回転数に対するモータ21の回転数の比である減速比が30~37(30以上で37以下)とされている。また、駆動ユニット20の、クランク軸7a周り(クランク軸回り)の最小半径が50mm以下とされている。
【0040】
また、この実施の形態では、駆動ユニット20のユニットケース22内において、基板として、大きな面積の1枚の基板24のみが設けられている。そして、この基板24が、駆動ユニット20をクランク軸7aに沿って側面視した場合(クランク軸7aの軸心方向に沿って側面視した場合)に、
図3に示すように、モータ21のステータ(より詳しくは、モータ21のステータにおけるステータコアが設けられている領域)21cに重なる部分を有するように配置されている。また、この実施の形態では、この基板24が、モータ21のステータ21cの半分以上の面積で重なるように配置されている。さらに、この実施の形態では、この基板24が、モータ21のステータ21cが配置されている領域からクランク軸7a周りの領域まで重なるように配置されている。
【0041】
また、この実施の形態では、基板24は、側面視した場合に、
図3に示すように、モータ21のロータ21bと重なる領域にも設けられている。そして、この基板24が、モータ21のロータ21bの半分以上の面積で重なるように配置されている。すなわち、この実施の形態では、基板24は、側面視した場合に、
図3に示すように、モータ21(モータ全体)と重なる領域にも設けられており、この基板24が、モータ21の半分以上の面積で重なるように配置されている。
【0042】
また、この実施の形態では、基板24は、側面視した場合に、
図3に示すように、第1の減速歯車36と、モータ21のステータ21cとが重なっていない領域にも設けられている。また、基板24は、
図2に示すように、平面視(あるいは正面視)して、モータ21と、第1の減速歯車36や合力伝達体29、連動筒体23との間に設けられている。また、基板24は、正面視した場合(前後方向に沿って見た場合)には、
図2に概略的に示すように、人力伝達体28と重なる領域に設けられている。なお、この実施の形態では、基板24は、側面視した場合に、
図3に示すように、第2の減速歯車37とは重ならない領域に設けられている。また、基板24は、正面視した場合(前後方向に沿って見た場合)には、
図2に概略的に示すように、第2の減速歯車37と重ならない領域に設けられている。しかし、これに限るものではなく、基板24を側面視した場合に、第2の減速歯車37と一部が重なるように設けてもよい。
【0043】
また、この実施の形態では、この基板24に、クランク軸の回転を読み取るクランク軸回転センサとしての回転検出器(回転センサ)10(より詳しくは、回転検出器(回転センサ)10の接続用脚部)が取り付けられている。なお、この実施の形態では、
図2に示すように、平面視して、基板24が、回転検出体11や回転検出器(回転センサ)10と、クランク軸7aなどを支持する軸受26(クランク軸7aにおける駆動スプロケット13が設けられている側とは反対側から支持する軸受26)やトルクセンサ31との間に設けられている。
【0044】
また、この実施の形態では、モータ21のロータ21bには、複数の磁石が、隣り合う磁石の磁極が異なるように周方向に並べられて配設されているが、この磁極と同様な磁極を有する略円筒形状の磁性付与部材21dが配設されている。この磁性付与部材21dの外周部は右側に突出される形状とされ、この突出されている磁性付与部材21dの端部21daに臨むように、モータ21の回転を読み取るモータ回転センサ43が配設されている。そして、このモータ回転センサ43が基板24に取り付けられている。
【0045】
なお、磁性付与部材21dは、その端部21daだけが、モータ21のロータ21bの配置と同様に磁性が付与されていてもよい。また、この実施の形態では、磁性付与部材21dが、複数の減速歯車36~39などを有する減速機構25が配設されている領域(減速機構配設領域)と、モータ21が配設されている領域(モータ配設領域)とを仕切る仕切部材としても兼用されている。そして、減速歯車36~39同士の摩擦を低減させるグリスなどが、モータ21側に侵入しないよう図られているが、これに限るものではない。また、
図2における21caは、ステータ21cのコイルに通電するための接続線である。
【0046】
上記構成において、前進走行時にペダル8を踏み込むと、このペダル8にかけられた踏力に基づく人力駆動力が、クランク軸7aから人力伝達体28および連動筒体23、合力体29に伝達され、前記人力駆動力が、人力伝達体28に設けられたトルクセンサ31により検出される。そして、前記人力駆動力に対応する補助駆動力が減速機構25の減速用歯車36などを介して、合力伝達体29に伝達され、合力伝達体29で合わされた合力が、駆動スプロケット13から、チェーン15を介して、後輪4に伝達される。これにより、人力駆動力に対応したモータ21の補助駆動力(アシスト力)を加えることで、上り坂等でも楽に走行できる。
【0047】
また、上記構成によれば、基板24が、側面視した場合に、モータ21のステータ21cに重なる部分を有するように配置されているので、基板24として十分に広い面積のものを採用することができる。また、この実施の形態のように、クランク軸7a周りにもこの基板24を配置する場合でも、この基板24におけるクランク軸7a周りの領域の面積を少なめに抑えることができるため、駆動ユニット21の配置を工夫する(例えば、モータ21をクランク軸7aよりも前側に配置する)ことなどにより、クランク軸7aから後輪4の車軸までの距離を一般的な自転車(例えば、いわゆるスポーツ型の自転車)に近づけることができる。
【0048】
また、上記のように、側面視して、基板24が、モータ21のステータ21cの半分以上の面積で重なるように配置することで、基板24におけるクランク軸7a周りの領域の面積を最小限に抑えることができる。したがって、当該電動アシスト自転車1を、クランク軸7aから後輪4の車軸までの距離を一般的な自転車(例えば、いわゆるスポーツ型の自転車)の機能に、より近づけることができる。また、基板24を、側面視してモータ21のステータ21cに重なる部分を有するように配置することにより、モータ21で発生する音を基板24で遮ることができる。すなわち、上記のように基板24が、モータ21のステータ21cの半分以上の面積で重なるように配置することで、遮音効果をより高めることができる。
【0049】
また、上記実施の形態では、基板24に、モータ21の回転を読み取るモータ回転センサ43や、クランク軸7aの回転を読み取るクランク軸回転センサとしての回転検出器10を取り付けている。この構成により、駆動ユニット20内の基板24自体の部品点数を1つだけで済ますことができて、部品点数や基板の取付の手間を減らすことが可能となる。そして、本発明では、
図2に概略的に示すように、基板24を、平面視(あるいは正面視)して、モータ21と、第1の減速歯車36や合力伝達体29、連動筒体23との間に設けられているので、基板24にモータ回転センサ43やクランク軸回転センサとしての回転検出器10を取り付け易い利点がある。また、
図2に示すように、側面視して、基板24が、モータ21のロータ21bや磁性付与部材21dと重なるように設けられているため、基板24にモータ回転センサ43を取り付け易い利点もある。
【0050】
しかし、これに限るものではなく、
図4に示すように、クランク軸回転センサとしての回転検出器10を取り付けるクランク軸回転センサ用補助基板24Aを基板(主基板)24とは別途に設けて、このクランク軸回転センサ用補助基板24Aを基板(主基板)24に接続するように構成してもよい(第1の実施の形態の第1の変形例)。また、
図5に示すように、モータ回転センサ43を取り付けるモータ回転検出用補助基板24Bを基板(主基板)24とは別途に設けて、モータ回転検出用補助基板24Bを基板(主基板)24に接続するように構成してもよい(第1の実施の形態の第2の変形例)。なお、この実施の形態では、
図4、
図5に示すように、平面視して、基板(主基板)24が、回転検出体11や回転検出器(回転センサ)10と、クランク軸7aなどを支持する軸受26(クランク軸7aにおける駆動スプロケット13が設けられている側とは反対側の軸受26)やトルクセンサ31との間に設けられている。なお、これらの場合でもクランク軸回転センサ用補助24Aやモータ回転検出用補助基板24Bよりも基板(主基板)24が大きい(大きい面積である)ことが好ましい。
【0051】
また、モータ21の回転が、2段の減速機構25を介して、駆動力出力輪体としての駆動スプロケット13に伝達されるように構成し、駆動スプロケット13の回転数に対するモータ21の回転数の比である減速比が30~37となるように構成している。これにより、クランク軸7aと同軸心である第1の減速歯車36として比較的径の小さいものを用いることができる。この結果、駆動ユニット20におけるクランク軸7a周りの径(半径および直径)を小さくすることが可能となり、ひいては、駆動ユニット21の配置を工夫する(例えば、モータ21をクランク軸7aよりも前側に配置する)ことなどにより、クランク軸7aから後輪4の車軸までの距離を一般的な自転車(例えば、いわゆるスポーツ型の自転車)に近づけることができる。
【0052】
また、駆動ユニット20の、クランク軸7a周り(クランク軸回り)の最小半径が50mm以下とすることで、さらに、クランク軸7aから後輪4の車軸までの距離を一般的な自転車(例えば、いわゆるスポーツ型の自転車)に近づけることが可能となる。そして、駆動ユニット20の、クランク軸7a周り(クランク軸回り)の最小半径を45mm以下とすることで、一層、クランク軸7aから後輪4の車軸までの距離を一般的な自転車(例えば、いわゆるスポーツ型の自転車)に近づけることが可能となる。
【0053】
(第2の実施の形態)
上記実施の形態では、減速機構25の減速比が一定である場合を述べたが、これに限るものではなく、複数の減速比(この実施の形態では2段の変速段)を選択して切替可能な変速機能を有する減速機構25Aを駆動ユニット20内に設けてもよい。
【0054】
この実施の形態に係る駆動ユニット20に設けられた減速機構25Aは、
図6~
図10に示すように、連動筒体23の外周側および右側方に、一方向クラッチ(補助駆動力切断用の一方向クラッチ)30を介して、ギヤ比の異なる複数の選択可能な変速段(この実施の形態では低速段と高速段との2段の変速段)を有して駆動力を合力伝達体29に伝達する。
【0055】
減速機構25Aは、クランク軸7aの外周に回転自在に配置されて、連動筒体23の回転が一方向クラッチ(補助駆動力切断用の一方向クラッチ)30を介して伝達される回転伝達筒49と、この回転伝達筒49の右側筒状部分から径方向外側に延びて一体形成されている低速段変速歯車(クランク軸側低速段変速歯車とも称す)36Aと、回転伝達筒49と合力伝達体29との間に配置されて、クランク軸側低速段変速歯車36Aの駆動力を合力伝達体29に伝達可能な低速段クラッチ51と、合力伝達体29の外周に回転自在に配置された高速段変速歯車(クランク軸側高速段変速歯車とも称す)36Bと、中間軸40に一体形成されて、クランク軸側低速段変速歯車36Aに噛み合う低速段変速歯車(中間軸側低速段変速歯車とも称す)38Aと、中間軸40に一体形成されて、後述する高速段クラッチ55の内周側に形成された歯部(またはセレーション部あるいはスプライン部)55bに噛み合う中間軸歯部40aと、中間軸40の中間軸歯部40aの外周とその右側領域とに設けられて、中間軸40からの合力をクランク軸側高速段変速歯車36Bおよび合力伝達体29に伝達可能な高速段クラッチ55と、この高速段クラッチ55(詳しくは高速段クラッチ55の本体部55a)から外周側に出退自在の係合爪で構成されてクランク軸側高速段変速歯車36Bに係脱自在の高速段変速歯部(中間軸側高速段変速歯部であり、いわゆる高速段クラッチ55の係合用爪部)38B(
図9、
図10参照)と、この中間軸側高速段変速歯部38Bの右側部分に外周側から係脱自在とされ、選択された変速段に応じて移動される変速段切換体61と、変速段切換体61に係合して変速段切換体61をクランク軸方向に移動させる変速移動用アーム62などを備えている。
【0056】
そして、ペダル8を漕いで前進している場合には、連動筒体23に伝達された人力駆動力が回転伝達筒49に伝達される。なお、この実施の形態では、高速段クラッチ55は中間軸40の外周側において、中間軸40の軸心と同じ軸心方向に移動自在に配設されている。
【0057】
ここで、クランク軸側低速段変速歯車36Aはクランク軸側高速段変速歯車36Bよりも大径とされているとともに、中間軸側低速段変速歯車38Aは中間軸側高速段変速歯部38Bよりも小径とされている。これにより、中間軸40の回転力は、クランク軸側低速段変速歯車36Bや回転伝達筒49に低速回転で伝達されるとともに、クランク軸側高速段変速歯車36Bに高速回転で伝達される。
【0058】
なお、変速移動用アーム62は、駆動ユニット20の内部(あるいは駆動ユニットの外部)に設けられた電動変速装置51(
図7において簡略的に示す)により駆動されることが好適であり、例えば、手元操作部18に変速段切替用のスイッチを設けて、変速段を切替可能に構成すると好適である。しかし、これに限るものではなく、変速移動用アーム(ワイヤなどを介して移動させる変速部)62をハンドル近傍に設けてもよい。
【0059】
低速段が選択された場合には、
図6、
図8に示すように、変速移動用アーム62によって変速段切換体61が左側寄り位置に移動されて、高速段クラッチ55の出退自在の係合爪からなる中間軸側高速段変速歯部38Bが倒されて、クランク軸側高速段変速歯車36Bと分離される。したがって、連動筒体23側より一方向クラッチ(補助駆動力切断用の一方向クラッチ)30を介して伝達された人力駆動力と、モータ側から中間軸40や中間軸側低速段変速歯車38Aを介して伝達された補助駆動力が、比較的低回転の状態で、回転伝達筒49に伝達されて合わされ、この回転駆動力(合力)が低速段クラッチ51および合力伝達体29を介して駆動スプロケット13から出力される。
【0060】
高速段が選択された場合には、
図9、
図10などに示すように、変速移動用アーム62によって変速段切換体61が右側寄り位置に移動されて、高速段クラッチ55のクランク軸側高速段変速歯車36B(詳しくはクランク軸側高速段変速歯車36Bの歯部)に係合可能な爪部が起立可能とされ、クランク軸側高速段変速歯車36Bの回転が合力伝達体29に伝達可能な状態となる。したがって、連動筒体23側より一方向クラッチ(補助駆動力切断用の一方向クラッチ)30を介して伝達された人力駆動力が、クランク軸側低速段変速歯車36Aおよび中間軸側低速段変速歯車38Aを介して、中間軸40に伝達されるとともに、補助駆動力が合わされて合力となる。そして、この合力が中間軸側高速段変速歯車38Bおよびクランク軸側高速段変速歯車36Bを介して、比較的高速回転の状態で高速段クラッチ55を介して合力伝達体29に伝達されて駆動スプロケット13から出力される。なお、この際、合力伝達体29は回転伝達筒49よりも高速で回転するため、低速段クラッチ51はから回りしている。
【0061】
このように、この駆動ユニット20を用いることで、駆動ユニット20内で変速段を切り替えることも可能である。また、この実施の形態でも、上記実施の形態と同様な配置で基板24などを設けることで、同様な作用効果を得ることができる。また、低速段での駆動スプロケット13の回転数に対するモータ21の回転数の比である減速比が30~37となり、高速段での減速比がこれ以下となるように構成することにより、クランク軸7aと同軸心であるクランク軸側低速段変速歯車36A(およびクランク軸側高速段変速歯車36B)として比較的径の小さいものを用いることができ、同様の作用効果を得ることができる。
【0062】
なお、上記実施の形態では、高速段クラッチ55を中間軸40の外周に設けた場合を述べたが、これに限るものではなく、クランク軸7aの外周領域に設けてもよい。また、上記実施の形態と同様に、クランク軸回転センサとしての回転検出器10を取り付けるクランク軸回転センサ用補助基板24Aを基板(主基板)24とは別途に設けて、このクランク軸回転センサ用補助24Aを基板(主基板)24に接続するように構成してもよい。また、モータ回転センサ43を取り付けるモータ回転検出用補助基板24Bを基板(主基板)24とは別途に設けて、モータ回転検出用補助基板24Bを基板(主基板)24に接続するように構成してもよい。
【0063】
上記実施の形態(第1および第2の実施の形態)では、クランク軸7aよりもモータ軸(モータ21の回転軸21a)が前方に配置され、クランク軸7aとモータ軸21aとを結ぶ直線よりも中間軸40が下方に配置されている。なお、中間軸40に取り付けられている第2、第3の中間軸減速歯車37、38と、モータ軸21aに取り付けられているモータ軸減速歯車39と、クランク軸7aの外周に配置されている第1の減速歯車(クランク軸側減速歯車)36とは、
図11に示すように、何れもはすば(斜歯)歯車とされて静音化が図られている。なお、
図11は第1の実施の形態に対応する。また、モータ21が駆動されて補助駆動力が出力される際に、モータ軸21aおよびモータ軸減速歯車39は、右側面視した状態で時計回り(右回り)に回転され、モータ軸減速歯車39に噛み合う第2の中間軸減速歯車37と、中間軸40および第3の中間軸減速歯車38は、右側面視した状態で反時計回り(左回り)に回転され、第3の中間軸減速歯車38に噛み合う第1のクランク軸側減速歯車36は、右側面視した状態で時計回り(右回り)に回転される。
【0064】
このような構成において、
図12に示すように、減速機構25の減速歯車36~39同士が噛み合う際には力ベクトル(反力)V1~P6が発生し、
図13に示すように中間軸40に作用する。なお、
図12は歯車の接触部に作用する力ベクトル(反力)(最終的に中間軸40に関係する力ベクトル(反力))を示し、
図13は中間軸40に力ベクトル(反力)が作用している状態(中間軸40の軸心に力ベクトルを集めた状態)を示している。
【0065】
図12、
図13において、V1はモータ軸減速歯車39と第2の中間軸減速歯車37との噛み合いによる中間軸軸受35への接線力ベクトル、V2はモータ軸減速歯車39と第2の中間軸減速歯車37との噛み合いによる中間軸軸受35への分離力ベクトル、V3はモータ軸減速歯車39と第2の中間軸減速歯車37との噛み合いによる中間軸軸受35へのスラスト力による荷重ベクトルである。また、V4は第1の減速歯車(クランク軸側減速歯車)36と第3の中間軸減速歯車38との噛み合いによる中間軸軸受35への接線力ベクトル、V5は第1の減速歯車(クランク軸側減速歯車)36と第3の中間軸減速歯車38との噛み合いによる中間軸軸受35への分離力ベクトル、V6は第1の減速歯車(クランク軸側減速歯車)36と第3の中間軸減速歯車38との噛み合いによる中間軸軸受35へのスラスト力による荷重ベクトル、V7は中間軸40に作用する(合わされた)反力(合力)ベクトルである。
【0066】
前記配置構成によれば、減速歯車36~39同士が噛み合う際に発生する中間軸40への力ベクトルV1~P6は、互いに打ち消し合うことが少ないため、これらの力ベクトルV1~P6が合わさった状態で中間軸40には比較的大きな力ベクトルV7が作用する。したがって、中間軸40を回転自在に支持する中間軸軸受34、35、特に、合力を伝達する第1のクランク軸側減速歯車36に噛み合う第3の中間軸減速歯車38に近い右側の中間軸軸受35は、大きい反力を受けるため、大きな力を支持できる大型のものを用いることとなり、その結果、駆動ユニット20が大型化してしまう(特に本実施の形態では、駆動ユニット20の中間軸40が配設されている箇所の幅方向寸法が大きくなってしまう)。
【0067】
このように、駆動ユニット20が大型化して、駆動ユニット20の幅方向寸法が大きくなると、左右のクランクアーム7b間の距離L1(
図2参照)が一般的な自転車(例えば、いわゆるスポーツ型の自転車)よりも大幅に増加するため、一般的な自転車(例えば、いわゆるスポーツ型の自転車)としての機能に近づけ難くなってしまう難点がある。
【0068】
このような難点に対処するため、
図14~
図16に示す本発明の第3の実施の形態に係る電動アシスト自転車の駆動ユニット20では、前方から順にモータ21の回転軸21a、中間軸40、クランク軸7aが配置されている(この配置は上記実施の形態と同じである)が、上記実施の形態と異なり、中間軸40がクランク軸7aとモータ軸21aとを結ぶ直線よりも上方に配置されている。また、この場合に、進行方向に向いて駆動ユニット20を右側から側面視した状態で、
図15に示すように、クランク軸7aの軸心とモータ軸21aの軸心とを結ぶ線Aに対して、クランク軸7aの軸心と中間軸40の軸心とを結ぶ線の交差する角度αが、時計回り方向に30度から70度以内であるように、クランク軸7aとモータ軸21aと中間軸40とを配置している。
【0069】
なお、この第3の実施の形態に係る電動アシスト自転車の駆動ユニット20は、上記第1の実施の形態に係る駆動ユニット20と比較して、主に、中間軸40とクランク軸7aとモータ軸21aとの配置と、この配置に伴う軸受の構造(大きさなど)が異なり、他の構成は上記第1の実施の形態に係る駆動ユニット20と同様である。すなわち、中間軸40に取り付けられている第2、第3の中間軸減速歯車37、38と、モータ軸21aに取り付けられているモータ軸減速歯車39と、クランク軸7aの外周に配置されている第1の減速歯車(クランク軸側減速歯車)36は、
図11に示すように、何れもはすば(斜歯)歯車とされて静音化が図られている。また、モータ21が駆動されて補助駆動力が出力される際に、モータ軸21aおよびモータ軸減速歯車39は、右側面視した状態で時計回り(右回り)に回転され、モータ軸減速歯車39に噛み合う第2の中間軸減速歯車37と、中間軸40および第3の中間軸減速歯車38は、右側面視した状態で反時計回り(左回り)に回転され、第3の中間軸減速歯車38に噛み合う第1のクランク軸側減速歯車36は、右側面視した状態で時計回り(右回り)に回転される。
【0070】
このような構成において、
図15に示すように、減速機構25の減速歯車36~39同士が噛み合う際には力ベクトル(反力)V11~P16が発生し、
図16に示すように中間軸40に作用する。なお、
図15は歯車の接触部に作用する力ベクトル(反力)(最終的に中間軸40に関係する力ベクトル(反力))を示し、
図16は中間軸40に力ベクトル(反力)が作用している状態(中間軸40の軸心に力ベクトルを集めた状態)を示している。
【0071】
図15、
図16において、V11はモータ軸減速歯車39と第2の中間軸減速歯車37との噛み合いによる中間軸軸受35への接線力ベクトル、V12はモータ軸減速歯車39と第2の中間軸減速歯車37との噛み合いによる中間軸軸受35への分離力ベクトル、V13はモータ軸減速歯車39と第2の中間軸減速歯車37との噛み合いによる中間軸軸受35へのスラスト力による荷重ベクトルである。また、V14は第1の減速歯車(クランク軸側減速歯車)36と第3の中間軸減速歯車38との噛み合いによる中間軸軸受35への接線力ベクトル、V15は第1の減速歯車(クランク軸側減速歯車)36と第3の中間軸減速歯車38との噛み合いによる中間軸軸受35への分離力ベクトル、V16は第1の減速歯車(クランク軸側減速歯車)36と第3の中間軸減速歯車38との噛み合いによる中間軸軸受35へのスラスト力による荷重ベクトル、P17は中間軸40に作用する(合わされた)反力(合力)ベクトルである。
【0072】
前記配置構成によれば、減速歯車36~39同士が噛み合う際に発生する中間軸40へのV11~P16は、互いに打ち消し合って、最終的に、中間軸に作用する反力(合力)P17が小さくなるため、中間軸軸受35として、比較的小さな荷重を支持できる小型のもの(幅方向や半径方向に小型化したもの)を採用することができて、ひいては駆動ユニット20を小型化する(例えば、駆動ユニット20を幅方向などに小型化する)ことができる。この結果、クランクアーム間の距離L2を一般的な自転車(例えば、いわゆるスポーツ型の自転車)のクランクアーム間距離に近づけることができる。
【0073】
また、この実施の形態では、駆動スプロケット13として、中央側が右側に膨らむ形状のものが用いられているが、中間軸軸受35として小型のものを用いることで、駆動スプロケット13の膨らみ部分に、中間軸軸受35や第1のケース22aにおける中間軸軸受35を保持する箇所を入り込ませるように配置することができ、駆動ユニット20をより小型化する(例えば、駆動ユニット20を幅方向などに小型化する)ことができる。この結果、クランクアーム間の距離L2を一般的な自転車(例えば、いわゆるスポーツ型の自転車)により近づけることが可能となる。
【0074】
なお、第3の実施の形態に係る電動アシスト自転車の駆動ユニット20では、クランク軸7aよりもモータ軸(モータ21の回転軸)21aが前方に配置されている場合に、中間軸40が、クランク軸7aとモータ軸21aとを結ぶ直線よりも下方に配置されている場合を述べたが、これに限るものではない。すなわち、
図17に示すように、クランク軸7aよりもモータ軸21aが後方に配置されている場合には、中間軸40がクランク軸7aとモータ軸21aとを結ぶ直線よりも上方に配置するよう構成すればよい。
【0075】
また、中間軸40が、クランク軸7aとモータ軸21aとを結ぶ直線よりも右側や左側に配置されている場合など、何れの場合でも、進行方向に向いて駆動ユニット20を右側から側面視した状態で、クランク軸7aの軸心とモータ軸21aの軸心とを結ぶ線に対して、クランク軸7aの軸心と中間軸40の軸心とを結ぶ線の交差角度が、時計回り方向に30度から70度以内であるように、クランク軸7aとモータ軸21aと中間軸40とを配置すると好適である。
【0076】
また、第2の実施の形態に係る電動アシスト自転車の駆動ユニット20のように、変速機構を内蔵する駆動ユニット20でも、同様の配置構成を適用することで、同様の作用効果を得ることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、ペダルからの踏力による人力駆動力に、モータにより発生する補助駆動力を加えて走行可能である各種の電動アシスト自転車用の駆動ユニットおよびこのような電動アシスト自転車に適用可能である。